
新・傭兵代理店 悪魔の大陸(下)
渡辺裕之
祥伝社文庫
中国の情勢もよくわかる!
舞台はシリアから中国へ。 尖閣諸島をめぐる領土問題、中国の外交政策、内政問題など中国共産党の思惑がよくわかる。 かなり中国を悪者扱いして書かれているきらいはあるが、今の中国の動きを見るとさもありなんと言ったところか。 話題の集団的自衛権についても作者なりの考えが垣間見れて、なるほどね!と思う所も多々ある。 このシリーズ、傭兵部隊の活躍ももちろん面白いんだけど、いつも国際情勢の勉強になるので助かります。 そんな折、ロシアがちょうどシリアを空爆してますね。 この本のおかげで理由がよくわかります。
0投稿日: 2017.02.06
新・傭兵代理店 悪魔の大陸(上)
渡辺裕之
祥伝社文庫
シリア情勢がよくわかる!
新・傭兵代理店シリーズ第2弾。 今回はシリアが舞台。 期せずしてちょうど今、大きな国際問題となっているシリア難民の受け入れ。 なぜ、こんなにもシリア難民がいるのか? シリアでいったい何が起きているのか? 平和な日本にいるとさっぱりわからないが、この本を読むとシリア情勢がよくわかる。 アサド政権VS反政府という単純な構造ではなく、アラウィー派VSスンニ派、チェチェンVSロシアなどが混在している。 さらに反政府側にISILが介入していることが事態を余計にややこしくしている。 なるほどね!シリア難民、何とかしてあげようよ。
0投稿日: 2017.02.06
新・傭兵代理店 復活の進撃
渡辺裕之
祥伝社文庫
傭兵代理店の新シリーズ始動!
傭兵代理店シリーズの新シリーズ。 今回は派手な戦闘シーンが少なかったかな。 絶体絶命のピンチというのもなく、傭兵メンバーがあまりにも強すぎる! ハラハラしないところがちょっと物足りないけど、スカッとする読後感はある。 そもそもこの人質事件の真相がよくわからないのだが・・・。 きっと次回作の前置き的なストーリーで、新たな強敵が背後に潜んでいるんだろう。 次を読まないとすっきりしないんだろうな。
0投稿日: 2017.02.06
春風伝(新潮文庫)
葉室麟
新潮文庫
これぞ幕末で最も熱い男の生き様!
高杉晋作って春風(はるかぜ)って名前だったなんて知らなかった。 それにしても、なんてかっこいい男なんだろう。 たった27年の生涯でこれほどのことを成し遂げたとは驚きだ。 時代先見性と行動力が尋常じゃない。 20歳そこそこで日本の将来を憂い、躊躇することなく行動に移す。 頭脳明晰で剣術の腕も抜群、人望も厚く女性にもてる。気まぐれで一見無謀に見える行動も、実はちゃんと計算されている。 日本での活躍だけでなく、上海での冒険談も描かれていてスケールの大きい小説だった。
0投稿日: 2017.02.06
五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 晴れた日には鏡をわすれて
五木寛之
角川文庫
美醜と心の関係を解き明かした小説
この世のものとは思えないくらい醜い顔をした女が整形手術をして、誰もが振り向くような美人になるという話。 てっきり百田尚樹の『モンスター』のように復讐劇が始まるのかと思いきや全く違う展開だった。 整形手術だけではなく、語学に始まり、様々な学問や教養、スポーツ、芸術、ワインの利き酒に至るまで徹底した英才教育を施される。 こうして解き放たれた女性が第二の人生をどう歩むのかという実験的小説でもある。 「美しい」とは?「差別」とは?深いテーマが根底にある。 ラストは意外すぎて登場人物の気持ちにちょっと追い付けない。
1投稿日: 2017.01.28
未来の手紙
椰月美智子
光文社文庫
短編で終わるのがもったいない!
10代の子どもたちを主人公とする心温まる短編集。 特にこれといって大事件が起きるわけでもなく、でも子どもたちにとっては大事なことで、そんな日常のあるある的な光景が、椰月さんの手にかかるとなぜか心にジーンとくる物語に変貌する。 でも今回はちょっと現実離れした設定が入っているのが、いつもの椰月さんと違う所。 小人が出てきたり、ホルマリン漬けの生物サンプルに魅入られる女子中学生が出てきたり、一番笑えるのはイケメンの兄が実はオネエだったりとか。 無理にオチを作らない読後の余韻が好きです。
0投稿日: 2017.01.25
増山超能力師事務所
誉田哲也
文春文庫
TVドラマよりもシリアスな人間ドラマです
超能力者が社会的に認知され、普通に探偵事務所の仕事をしているという設定。 よくこんな設定を考えられますね。 誉田哲也さんの多彩な創造力に驚かされます。 テレビドラマではかなりコミカルに描かれていますが、原作はわりとシリアスなタッチです。 登場人物のキャラもドラマとは少し印象が変わりますが、大筋はドラマと同じです。 ちょっと風変わりな人間ドラマとして、楽しく読める一冊です。
1投稿日: 2017.01.19
人喰いの時代(電子復刻版)
山田正紀
徳間文庫
本一冊まるごとトリックです
なんとも不思議な小説だった。 勿体ぶった謎解きもなく、一つ一つの事件は結構あっさりとトリックが明かされてしまう。 連作の短編集のような感じかなぁと思いつつ読んでいると、最後で一気につながってくる。 地名や登場人物の名前で、途中何度も「あれっ?」と疑問に思う場面があった。 混乱しながら読み進めていくうち、最後にやっとすっきりする。 本全体がトリックのように構成されていた。 構成的には見事である。 ただ、盧溝橋事件当時の時代設定のせいか、今一つ感情移入できないまま終わってしまった。
0投稿日: 2017.01.19
続 戦国自衛隊 5巻
宇治谷順,半村良
Benjanet
迫力の大坂城攻防戦!でも、幸村は活躍せず。
史実をも圧倒する凄まじい大坂城攻防戦。 真田丸がさくら丸と呼ばれ、微妙に史実と違うけど、代わりに自衛隊が奮戦。 後藤又兵衛も頑張る! そして、またしてもチョイ役で登場してあまり活躍しない、なぜか東軍の真田幸村。 ただでさえややこしい状況の中、米軍の介入。 最新戦闘機ハリアー登場! ハチャメチャな割には作戦とかよく練り込まれているし、米軍による陰謀の存在も匂わせ、まだまだ話は広がりそう。
0投稿日: 2017.01.18
モンテ・クリスト伯 3
アレクサンドル・デュマ,山内義雄
岩波文庫
いよいよ復讐が始まる!
いよいよ復讐に向けた下準備が始まる。 まずは復讐相手の家族や関係者への接触から始まり、ジワジワと当人に近づいていく。 計画があまりにも遠大過ぎてモンテ・クリスト伯爵の計画の全貌は全く見えてこない。 全てが計算されているのか、それとも偶然の巡り合わせなのか、それすらもよくわからないまま、様々な人物が複雑に絡み合っていく。 もはや相関関係図を書かないとぐちゃぐちゃでわかんないよー。 それにしても首斬りの公開処刑の直後に謝肉祭だなんてイタリア人ってすげーな。
0投稿日: 2017.01.13
