
ちはやふる(35)
末次由紀
BE・LOVE
名人戦・クイーン戦の熱い戦いが始まる!
太一はだんだん周防名人と同化してきてるけど、いったいどこへ向かっているのでしょうか? ちょっとストイックになりすぎ。 名人戦・クイーン戦ともなると対戦相手も豪華。 年齢も立場も色々混在して面白いです。 読手さんが選手で参加ってのもアリなのね。 千早はそう簡単には負けないんでしょうけど、結構危なっかしい勝負が続いてヒヤヒヤします。 格別大きな出来事もない35巻でした。
0投稿日: 2017.08.22
機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下
月村了衛
ハヤカワ文庫JA
元テロリスト、ライザ・ラードナーの半生が涙を誘う
上巻に引き続き、ライザ・ラードナーの悲哀に満ちた過酷な過去が綴られていく。 テロリストとはいえ、あまりの境遇に同情を禁じ得ない。 一方、特捜部の捜査員たちも、同僚の警察官たちから総スカンを食らいながらも、ぐっとこらえて信念を貫こうとする様がかっこいい。 最後のロボットバトルも迫力満点だが、人間ドラマとして充分読み応えのあるストーリーだと思う。 真の敵はまだ謎に包まれたまま。 他の搭乗員の生い立ちも謎のまま。 これらは続編で明かされていくことになるだろう。
0投稿日: 2017.08.17
ジキルとハイド(新潮文庫)
ロバート・L・スティーヴンソン,田口俊樹
新潮文庫
短い中に凝縮された奥深いテーマ
名前はよく知っているのに中身は知らないという本を最近になって読み始めています。 これも二重人格の代名詞ともなっているぐらい有名なのに、実は初読みです。 わずか150ページ足らずの中編小説にも関わらず、サスペンスタッチの大変読みごたえのある奥深い作品でした。 やはり名作と言われるものは、それなりの理由がありますね。 あまり知られていませんが、作者のスチーブンソンは吉田松陰の伝記を世界で初めて書いた人だそうです。
0投稿日: 2017.08.16
サクラ咲く
辻村深月
光文社文庫
いい子しか出てこない青春小説です
心温まる青春小説でした。 3つの短編から構成されていますが、ほぼ連作のように絡み合っているのも楽しみの一つです。 うち2作は進研ゼミのチャレンジ中学講座での発表作というから出自の珍しいパターンですね。 ムカつく子とかイジメっ子とかが全然出てこなくて、みんないい子達ばかり。 ちょっと理想的すぎる印象はあるけど、こんな仲間たちと過ごせたら楽しいだろうね。 いいなぁ、ティーンエイジャーって。
0投稿日: 2017.08.16
うつけの采配(下)
中路啓太
中公文庫
関ヶ原における毛利家の思惑がよくわかる下巻
戦闘シーンは少ないながらも、手に汗握る外交戦が描かれていて面白かった。関ヶ原の合戦の折、西軍の総大将であった毛利輝元はなぜ大坂城から出陣しなかったのか? そして、敗軍の将となったにも関わらず、なぜお家存続が叶ったのか? 毛利、吉川は家康の背後に陣取っていたにも関わらず、なぜ動かなかったのか? 安国寺恵瓊は軍勢を動かしていなかったにも関わらず、なぜ石田三成と共に大罪人として処刑されたのか? 今まで私の中で謎だった事柄が見事に解決した。 裏では吉川広家の並々ならぬ外交戦が展開されていたのであった。
0投稿日: 2017.08.16
うつけの采配(上)
中路啓太
中公文庫
無欲の武将、吉川広家を描く
数ある歴史小説を読んでいてもあまりクローズアップされない吉川広家が主人公。 権力欲も野心もない、当時においては珍しいタイプの武将。 無欲なのにできる男ってカッコいい。 名将小早川隆景に毛利家の命運を無理矢理託されてしまう広家。 下巻ではいよいよ関ヶ原へ。 広家の決断はいかに?
0投稿日: 2017.08.16
幕が上がる
平田オリザ
講談社文庫
娘がこの本を読んで演劇部に入ってしまいました
いやー、いいね高校生って。 青春してるって感じ。 弱小演劇部に、ある日、美人の先生が顧問としてやってきて、全国大会を目指すというかなりベタな話なんだけど、読み始めると止まらない。 ピュアな高校生の心理を実にうまく描いている。 『銀河鉄道の夜』をあんなに深く読んだら、きっともっと違う捉え方ができるんだろうなぁと思う。 どうりで高校入試問題にやたらと出題されるわけだ。 正確に数えたわけではないけど、個人的な印象としては2014年の高校入試問題出題率ナンバー1の作品だと思う。 ももクロ主演の映画も良かった。 それにしても、全国大会の開催は高3の卒業後って・・・変なシステム。
0投稿日: 2017.08.16
夜の桃(新潮文庫)
石田衣良
新潮文庫
石田さんの描く官能小説、すごいです
エロすぎでしょ!45歳で妻がいて、2人も愛人がいて、週に3、4回欠かさず・・・って、とても真似できません。 気力も体力も続きません。 それにこの人、かなり粘着質な性癖ですねー。 いやー、自分には無理無理。 3人の女性たちもエロさ全開ですが、こんな女性は滅多にお目にかかれないでしょうね。 石田衣良さんの願望でしょうか?
0投稿日: 2017.08.16
上杉謙信
吉川英治
角川文庫
吉川英治の名文で綴られる川中島決戦
上杉謙信の生涯というより、4回目の川中島決戦がメインに描かれている。 ストーリーはわかっているのに、この合戦は何度読んでも面白い。 まさに歴史に残る名勝負だ。 関ヶ原のように調略勝負ではなく、純粋に知略勝負なのが魅力なんだろう。 そして、真偽はともかく大将同士の一騎討ちも見所。 勝敗はともかく 、上杉謙信の人間的な器の大きさに尊敬の念を抱かざるを得ない。
0投稿日: 2017.08.16
ゴーン・ガール 下
ギリアン・フリン,中谷友紀子
小学館
上巻のイライラが一気に吹っ飛ぶ下巻
下巻に入ってからの展開はかなり面白い。 目まぐるしい状況の変化にハラハラ、ドキドキさせられる。 でも結末が・・・。 おいおい、それでいいのかよ、ニック。 どうもすっきりしない最後だ。 陪審員制度のもとでは、世論の支持があるかないかで、裁判の前に既に判決は決まってしまうという恐ろしさ。 真実よりもマスコミを使ったパフォーマンスが勝負という現実の方がよっぽど怖い。
0投稿日: 2017.08.16
