
陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎
祥伝社文庫
軽い楽しみ
テレビドラマのコメディーを観るような感じで読める。読んでて楽しい。それ以上のものはないが、逆にそれがあれば十分。
0投稿日: 2013.11.10
アタゴオル 05 -アタゴオル玉手箱篇-
ますむら・ひろし
MFコミックス フラッパーシリーズ
間違えた
アタゴオル物語編の続きかと思って購入したら、明らかに描かれた年代が違い、絵が下手だった。世界観はそのままで十分楽しめるが、いかんせん字が小さすぎて、PRS-350では読みにくい。
0投稿日: 2013.11.07
アタゴオル 01 -アタゴオル物語篇-
ますむら・ひろし
MFコミックス フラッパーシリーズ
名作シリーズ
不思議な魅力にあふれた漫画。イメージの宝庫で、その世界に行きたくなる。
2投稿日: 2013.11.07
Another (上)
綾辻行人
角川文庫
ふくらましホラー
遠田志帆氏の表紙イラストに惹かれて購入した。 本質的には大変ありがちな「一人多い」的怪談話で、よくこんなネタをここまで膨らまして長編に出来たなあと、その努力とあきらめない仕事ぶりには感嘆する。が、どれほど思わせぶりを盛っても元もとの発想が大したことがなく、特に大きな(本質的)大どんでん返しもないので、読後には何もない。人間集団が本当にパニックになった時の怖さ、みたいな体力の要る恐怖は描かれず、あくまでも超常現象に対する恐怖なので、実はそこまで怖くない。『死者は誰か?』という問いが、途中からどうでも良くなってきて飽きた。 文章は流暢でさらさらと読ませる。何も考えたくない時におすすめ。
0投稿日: 2013.10.30
清須会議
三谷幸喜
幻冬舎
面白い
やはり才能があるし、実力がある手練れの書き手だなあという感じ。 シナリオライターが小説を書くと、どこかで小説というより粗筋みたいになってくる瞬間があるが、この作品にはそういう隙がない。それぞれのキャラクター造形が見事で、ユーモラスでのどかで吹きだしてしまうようなところがありながら、人間のずるさ・抜け目のなさ・弱さなどもきちんと書かれている。清須会議をドタバタ喜劇にして、そこからふっと最後に空に目がいくような終わらせ方は、さすがだと思った。風呂上りに酔っぱらいながらでも読める気軽さも魅力的。
0投稿日: 2013.10.20
のぼうの城 上
和田竜
小学館
映画が良かったのかな
本屋大賞とのことで、すごく読みやすい、さらさらした文章を想像していたのだが、意外と文章が硬派で読みにくかった。さすが直木賞候補。そのわりに人物造形は彫りが浅くて、大体が主人公の「のぼう」のイメージすらなかなかつかめない。映画のキャスティングでは誰でも当てはめられて、俳優がその人の個性を生かしながら演じられて、いいのかもしれない。 構成は現代の作品らしく粗が目立たず、大変カッチリしているし、最後の戦闘シーンの大迫力、大どんでん返しは読んでいて快感があった。ただ、文章を読む快感がこの作品に関してはほとんどなかったので、ストーリーで小説を読む人向けかもしれない。
0投稿日: 2013.10.20
ロスジェネの逆襲
池井戸潤
ダイヤモンド社
まあまあ
自分とはまったく縁のないエリート・サラリーマンの世界を描いており、あまり共感できる部分はないのだが、ドラマも見てたし、さくさく読める。 偶然この作品の前に『劣化国家』を読んでおり、やはりこの半沢直樹シリーズも劣化国家になりつつある日本を描いているという点で、ああやっぱりこのテーマ(劣化していく枠組み)はアクチュアルなのだな、と感じた。 そのなかでも、著者の、なるべく人間の気合でこの状況を好転させていこう的なポジティブなところに心が癒された。
0投稿日: 2013.10.20
