Reader Store
じゃがいもさんのレビュー
いいね!された数12
  • ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官 試し読み版

    ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官 試し読み版

    似鳥鶏

    河出書房新社

    コミカルなヒロインであるが

    シリーズ三作目。相変わらずのコミカルなヒロインであるがメインのストーリーには、シリアスさ重苦しさがよりいっそう加わっている。コミカルとシリアスの対比、配合具合がこのシリーズの妙味である。その点では、コミカル側によってきているような気もする。

    0
    投稿日: 2022.12.30
  • はるなつふゆと七福神

    はるなつふゆと七福神

    賽助

    ディスカヴァー・トゥエンティワン

    気軽なノリのファンタジー

    気軽なノリのファンタジー作品である。七福神のなかで何人上げることができるだろうか?マイナーな福禄寿と寿老人をまず登場させて話を始めるところはなかなかに良い。しかし、その後の展開にはあれっと思わせる所も多い。まあ気楽に読み流す作品なのだろうな。

    0
    投稿日: 2022.12.30
  • 青天の霹靂

    青天の霹靂

    劇団ひとり

    幻冬舎

    プロットよりも情感

    「陰日向に咲く」がずいぶんと面白かったので引き続きこちらの本も読んでみた。「火花」の又吉さんもそうであるが、お笑いという業界の人たちは文才のある人が多いのではなかろうかと感じさせる本である。ストーリーの仕掛けはタイムスリップもの のみであり、プロットよりも情感で読ませる作品である。

    0
    投稿日: 2022.12.30
  • 空挺ドラゴンズ(14)

    空挺ドラゴンズ(14)

    桑原太矩

    good!アフタヌーン

    息詰まる戦い

    三つ巴の息詰まる戦いを一巻まるまる使って描き出している。迫力あるシーンの連続なのはいいが、やや間延び、ページ稼ぎという感がする。戦っている三者各々に「正義」がある。今行われているウクライナ戦争も同じように両国に「正義」がある。

    0
    投稿日: 2022.12.28
  • 本所おけら長屋【お試し読み版】

    本所おけら長屋【お試し読み版】

    畠山健二

    PHP研究所

    江戸落語のノリが今ひとつ

    冒頭の長屋平面図が大変参考になる。江戸落語の舞台として必ず登場する下町長屋であるが、なるほどこんなふうな構造になっていたんだなということがよく分かる。シリーズ者の第一巻ということもあってか、やや生硬な感じのスタートである。きっぷの良い江戸下町言葉に今ひとつ乗り切れていない様子である。

    0
    投稿日: 2022.12.25
  • 教育

    教育

    遠野遥

    河出書房新社

    異常が正常

    ストーリーの背景や舞台の説明なしにいきなり衝撃的な話が始まるので、ずいぶんと戸惑った。閉ざされた世界のようであるが物理的な柵はなく、あくまで「教育」で生徒たちを異常が正常な世界に閉じ込めている という話である。一見、ユートピアにも見えるが実際のところどうなのだろうか?題名からテーマを類推すると教育というものの怖さを描き出しているようなのだが、真意は別のところにあるような気がする。

    0
    投稿日: 2022.12.25
  • ようこそ、わが家へ

    ようこそ、わが家へ

    池井戸潤

    小学館

    いつもの勧善懲悪ではあるが

    この作者の作品は「半沢直樹シリーズ」に代表されるような痛快勧善懲悪ドラマがヒットしていて、あまり好きではない。しかし、この作品の半分は「日常の恐怖」を臨場感.迫力を持ってうまく描き出している。もっとも最後には、いつものように一件落着になってしまうのだが、他の作品と少しテイストが違うのでなかなかいいかな。

    0
    投稿日: 2022.12.25
  • 神聖ローマ帝国

    神聖ローマ帝国

    菊池良生

    講談社現代新書

    複雑なことをわかりやすく

    この著者の書いた「30年戦争」を読んで感銘を受けたので、通史としてのこちらの本も読んでみた。ヨーロッパ市の中でも特に複雑でわかりにくい神聖ローマ帝国史を、省略せずにわかりやすく書いてある期待通りの良書である。ヨーロッパ諸国は千数百年間に渡ってこのように複雑で混乱した戦争と外交を繰り広げてきた。極東の島国でのほほんと暮らしてきた日本とは、外交や戦争において基礎が全く違うと思わざるをえない。

    0
    投稿日: 2022.12.25
  • さらばモスクワ愚連隊 【五木寛之ノベリスク】

    さらばモスクワ愚連隊 【五木寛之ノベリスク】

    五木寛之

    講談社文庫

    ノスタルジー

    今から半世紀近くも前のソ連モスクワを舞台にしたある意味ノスタルジックな作品である。今となっては死語に類する言葉が多用されているが、ストーリーの構成の巧みさ、話の盛り上げ方のうまさは、今でも十分に味わうことができる。ただ終わり方がいかにも唐突で無理やり中断したような感じがする。魅力的な登場人物がかなりいるので、まだまだ話を続けると面白いと思ったのだが。ソ連や日本国内の左翼への忖度かとうがった見方をしてしまう。

    0
    投稿日: 2022.12.23
  • ほんものの白い鳩/LOVERS

    ほんものの白い鳩/LOVERS

    江國香織

    祥伝社文庫

    恋愛を象徴する白い鳩

    つぶやくような独白の短文の連続で物語が作り上げられている。途中までは普通のラブストーリーのように思えるが、最期に二人の関係が狂おしくなり破綻を迎えてしまう。作中にしばしば登場する「白い鳩」は恋愛を象徴しているのだろうな。最後の破綻のところがあまりにもあっさり書かれているので、オチの部分の切迫感緊迫感がまるで感じられない。

    0
    投稿日: 2022.12.23
1
...
535455
...
71