じゃがいもさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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首折り男のための協奏曲(新潮文庫)
伊坂幸太郎 / 新潮文庫
連作短編集なのかはっきりしない
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もともと独立した短編であったものを、加筆して連作短編集っぽくしたものらしい。そのせいか全体のまとまりがなく焦点がボケた あるいは焦点がないような印象を受けた。所々にこの作者らしいユーモラスな台詞がある…が、他の作品と比べて控えめ。 続きを読む
投稿日:2025.05.31
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地図から読む歴史
足利健亮 / 講談社学術文庫
根拠がある話とない話
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発掘調査の実績や出土物、地形からの考察など現物を伴った根拠がある話はたとえ地味でも謎解きサスペンス風の雰囲気もあって面白い。逆に文字や発音からの考察は眉唾物だと感じた。奈良時代から平安時代初期の古代律…令制国家のころ幅広な直線幹線道路が整備されたのに、それが整備されなくなって曲がりくねった狭い道に劣化してゆくという過程は、古代ローマの街道を思わせて面白い。信長 秀吉 家康の話では、城下に無理に街道を集約させたという秀吉の話が面白い。家康の話は?である。 続きを読む
投稿日:2025.06.03
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叛鬼<文庫版>
伊東潤 / コルク
凄まじい戦いの人生
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私の知識の中で空白に近かった戦国初期の関東地方の様子がよくわかった。最初から最後までほぼ戦いの描写で埋め尽くされた作品である。その戦いも戦略の冴え、戦術の巧みさ、個人的な戦技の卓越さ といった一般受け…する要素はほとんど無く、大半がひたすら叩き合い、殺し合いに終止している。作者伊東潤が訴えたかった「下剋上」というものも、文章で抽象的に表現されているが、主人公の行動を見ると、下剋上というよりは 都合の良い方へ 生き残りができる方へ 転身していったようにしか思えない。 続きを読む
投稿日:2025.06.29
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織田家の長男に生まれました~戦国時代に転生したけど、死にたくないので改革を起こします~ 8
逸見兎歌, 大沼田伊勢彦, 平沢下戸 / チャンピオンクロス
織田家の長男に生まれました~戦国時代に転生したけど、死にたくないので改革を起こします~ 8
逸見兎歌, 大沼田伊勢彦, 平沢下戸
領主たちの戦略のせめぎあい
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この巻は、転生者らしい未来知識の発揮の場面はまったくなく、一介の中小領主として周辺の領主たちとの戦略のせめぎあい にどっぷりと浸かってしまっている。歴史読み物としてはこのやり方のほうが正道であることは…よく分かる。しかし、転生モノの特徴である 未来知識 を活かして無双する という爽快感がないところはやや惜しい。絵は相変わらずややぎこちない。 続きを読む
投稿日:2025.06.30