じゃがいもさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ゆうびんの父
門井慶喜 / 幻冬舎単行本
前後半のバランスが悪い
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NHKの大河ドラマが描く時代の大半が戦国時代か幕末になっているのは、この激動の時代が数多くの人物を生むからなのだろうな。本作品の主人公前島密も当然その時代の子である。次々と目指すものを変えてゆき、どれ…も一通りはできるが という主人公の一風変わった才能を丁寧に描き出している。特に前半は主人公の紆余曲折のせいか、見通しが悪く冗長な感じがする場面も多かった。中盤から話が生き生きとし始めた。幕末から明治維新の頃の有名人が次々と登場し、ワクワクしながら読み進めることができた。本書の題名が「郵便の父」ではなく「ゆうびんの父」となっていることにも納得させられた。特に終盤の地方の素封家を郵便局長にするところあたりは説得力があった。今日の郵政改革を阻む「全国郵便局長会」の手ごわさの遠因を知った思いである。郵便事業創業期の話をもっと詳しく知りたい。前半が詳しすぎ、終盤が短すぎる気がする。 続きを読む
投稿日:2025.03.20
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ヤンデレかと思ったらもっとヤベー女だった(2)
八木戸マト / ナンバーナイン
ヤンデレかと思ったらもっとヤベー女だった(2)
八木戸マト
深みにハマると怖い
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深みにハマると怖い 女との付き合いを描き出している。たしかに現実世界にもこのような女がいるよな と実感させられるような作品である。性格が表情に出たような絵がなかなか良く描けていると思う。次巻以降も楽し…みである。 続きを読む
投稿日:2025.03.19
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ハサミ男
殊能将之 / 講談社文庫
本格的ミステリーなのかな
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読み終えて「本格的ミステリーなのかな」という疑問が浮かんできた。確かに予想しなかった結論ではあるが、ミステリーの有名なタブーである「作者しか知らない真実」にいくらか抵触するような気もする。とは言うもの…の大変の手の込んだミステリーであることには間違いない。最後の数行が未来をほのめかしているようで、なかなかに不気味である。 続きを読む
投稿日:2025.03.20
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RAGS プロローグ
Brian Ball, Trent Luther, Luigi Teruel, Raven Monroe, Capucine Drapala, Liz Finnegan, HEY YOU, WagaComix / ナンバーナイン
RAGS プロローグ
Brian Ball, Trent Luther, Luigi Teruel, Raven Monroe, Capucine Drapala, Liz Finnegan, HEY YOU, WagaComix
アメコミそのもの
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アメコミそのものの絵柄である。書き込みが大変に多く迫力満点ではあるが、日本のコミックを読み慣れた人間からすると、大変にとっつきにくい。ストーリー以前に絵柄で拒否反応を起こしてしまう。それでも我慢して読…んでゆくと確かにストーリーそのものは切迫感緊張感にあふれている。しかし読みにくい。 続きを読む
投稿日:2025.03.23
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君の心を漢字たい 3巻(完)
須河篤志 / くらげバンチ
ちゃんとまとめている。
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このコミック業界ではダラダラと巻を重ねる作品が多い中、ちゃんと3巻に話をまとめて大変に読後感が良い。気になる相手の心の中を読みたい という欲求は誰にでもあるが、「漢字一文字」が見えるという能力は大変に…斬新で敬服した。そしてその能力が失われても、心を相手に伝える大切さを歌い上げていてとても良い。もちろん漢字の勉強にもなる。絵柄もとても良い。 続きを読む
投稿日:2025.03.28
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ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世
菊池良生 / 講談社現代新書
皇帝の凄まじい一生
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実態がわかりにくい「神聖ローマ帝国」の初代皇帝オットー1世の伝記である。現代の「国民国家」という考え方にとらわれてしまっている我々とはまるで違った形 考え方をベースとした「帝国」がなかなかに興味深い。…特に「国とは王家の私有財産であった。」という話には感銘を受けた。それにしても、身内 子どもたちに次々と先立たれた人生だったんだな。 続きを読む
投稿日:2025.03.28