レビューネーム未設定さんのレビュー
参考にされた数
47
このユーザーのレビュー
-
世界経済が沈んでも日本は必ず繁栄する 日米主従同盟の終わり
中島孝志 / さくら舎
タイトルに経済とあるが、政治を問題とした本である
0
タイトルに経済とついてますが、かなり政治色が色濃い本です。
また、米英に対して恨みがあるのか? と、いうくらいに辛辣な書き方をしています。
まあ、恨みではなく単なる「事実」ではありますが、問題は他の国…なら信頼に値すると勘違いしてしまわないか心配です。
まずは、日本の問題点をおさらい。それは、日本の政治の問題でもあるし、GHQ統治時代の置き土産が元凶であることをあげています。
まず、数ある政治の問題の中で取り上げたいのは消費税です。これこそ、子や孫に甚大な負担を強いているものであり、今現在無税である宗教団体に課税を施すべき、人々の幸福を祈る宗教団体にふさわしいではないかと提案してますが、全くもって同感です。
GHQの置き土産としては、英国流に撤退時には紛争の火種を置いくものを米国も踏襲していることです。領土問題でいえば、北方領土、竹島が他国に占領されている状態。そしてこれからは、尖閣、沖縄、対馬が入ってくるかもしれません。
さて、国益とは一体何か? 米国の上院と下院で議論があったことを日下公人氏から教えてもらっています。重要な国益の順番が5つのレベルで表します。
レベル1:たとえ1国で戦争をおこなっても守るもの。
レベル2:同盟国と一緒になって守るもの。
レベル3:なるべく戦争以外の手段で解決するもの。
レベル4:国連等の国際機関による国際的合意をつくって守るもの。
レベル5:恫喝や嫌がらせ、交渉、抱き込み、友好親善などの手法を使って守るもの。
すでに、日本ではレベル1とレベル2はないも同然。そう、日本には武力行使に訴えても守るべき国益は存在しないということである。
P49より
「日本は絶対に戦争しない国です」この発言は、どう控えめに考えても平和を愛好しているとは思えない周辺国の政治家たちは、どう解釈するだろうか?
「絶対に戦争に訴えないと大臣が保証しているのだから、領土を少しくらい奪っても攻めてこない。真剣に起こって武力を行使しそうになったら、少しだけ返せばいいと考える」
まさに、現実にその通りになっています。
この状況に米国が貶めたのは、米国の国益に敵うため。
日本が窮地に陥れば、米国は絶対に日本を助けないと著者は考えていますが、ここは著者とは考えが違います。
世界的にみて、日本ほど米国に貢献してる国はないわけで、そんな国を土壇場で裏切る真似をしたら他国は国防において米国外しで動くことは必然。それこそ、米国のいう潰す勢力が生まれない保証は何処にもありません。この辺、著者に突っ込んで聞きたいところです。 続きを読む投稿日:2015.09.06
-
恋をする人しない人
北川悦吏子, 柴門ふみ / 角川文庫
作家と脚本家の織りなす人間観察を行った本
0
脚本家の北川悦吏子女史と作家の紫門ふみ女史による「テーマ」において、お互いの考えをぶつけあう、もしくはリレーで引き継ぐ形式の本となっています。
対談の形式ではないので、言葉のキャッチボールは起きません…がお互いが「文章」を生業にしていることもあり、対談形式よりも練られたものとなっています。
当たり前の話ですが、人の考え方や好みは人それぞれで全く同じ考えの人など存在しない。と、頭では分かっていても感情ではなんの根拠もなく分かりあえると思ってはいないでしょうか。
恋の話を題材にしてますが、そういう根拠も分かりあえることは幻想なんだなと。
自分の人生観を元に恋愛の話をしているだけですが、いろいろなタイプの人間像が出てきます。
例えば、「愛される女性」と「もてる女性」は明確に違うという話では、愛というものは瞬間的なものではなく「熟成」が必要でありそれが「もてる」と「愛される」の根本的な違いになるということです。
坦々と分析を続けていくのですが、自分を幸せにしてくれる相手を見つけるためには、自分がどのような幸せを望むのかを知らなければならないのです。そして概して人間は、自分のコンプレックスを満たしてくれる相手を望んでしまうことがある。
この本は、自分がどのような人間なのか? それを知る手助けになります。 続きを読む投稿日:2015.11.07
-
あなたは「言葉」でできている
ひきたよしあき / 実業之日本社
人は「言葉」でできている。人の思考は言葉を使って行われ、感情さえも言葉に翻訳される。その言葉が積み重なって自我が構築され自分となる。
0
著者が小学校3年生に「言葉」という字を習った時の話。
「言葉という漢字は『言う葉っぱ』と書きます。奇麗な言葉を使えば奇麗な木に見えます。汚い言葉を使えば汚い木になっちゃうよね。
みんなだって同じだよ…。奇麗で正直な言葉を使えば立派な木に見えます。嘘ついたり、汚い言葉を使えばみすぼらしい木になりますいい言葉を使いましょうね。」
このエピソードはプロローグで紹介されていますが、この本の伝えたい主旨の全て伝えているといっても過言ではありません。
本書は、単なる言葉使いや文書を書く上でのテクニック本ではありません。
冒頭でエピソードを紹介しましたが、随所随所に他のエピソードが必要は発明の母のごとくな感じで、著者の話には説得力があります。
また、「チャンスは、怠け者が嫌い」。これは、自分から動かないとチャンスはつかむことが出来ないと意味もありますが、人との出会いこそ言葉を磨くチャンスそのものだと気付かされるでしょう。
あなたは「言葉」でできている。人の思考は言葉を使って行われ、感情さえも言葉に翻訳される。その言葉が積み重なって自我が構築され自分となる。粗悪な材料では粗悪な製品が生まれるように、粗悪な言葉は粗悪な人間しか生みださないとしたら、漠然としてではなく言葉に気をつかって生きていかなければならない。
そう、感じた本でした。 続きを読む投稿日:2015.11.07
-
「思いこみ」という毒が出る本
蓮村誠 / さくら舎
人はみな性格も違えば体質も違う。他人の健康法がそのまま自分に当てはまることはない!!
0
常識的に考えて、幸せとは健康とはと考えている時点で「思いこみ」の可能性があるという話。人それぞれ性格や体質が違うのだから、幸せや健康が人によって異なるのが本質なのではないか?
考えてみれば、当たり前…の話ですが、これをアーユルヴェーダというインドの「生命の科学」という英知を伝えているのが本書となります。
人はみな日々決定して生きてますが、それが必ずしも正しい決定とは限らない。
なぜなら、自分は自分を見たままの姿で判断しないから、それは親からの教育や社会通念やらで自分を歪めて、求められている自分になろうとしているから。
ちなみに、日々の決定とは「無意識」や「習慣」も含まれています。本来人はみな「理知」という能力を使って健康に幸せに生きるように出来てますが、「思いこみという毒」の為に誤った判断をしてしまう。
冒頭では、ヨーグルトは健康食といわれていますが、全員にとって健康食であるとは限らず、害となる場合もある。そんな人がヨーグルトは健康にいいという思いこみでとり続けることは果たしてどうなのか。
また、血圧は絶対値によって正常な状態を決められていますが、絶対値では正常でも特定の人にとっては高血圧だったという話が載っています。
自分にとって益になるもんが、他人にとっては毒にもなる。
いわゆる、小さな親切大きなお世話どころが大きな害悪になり得ることも、考えなくてはならないと思いました。
http://yamakatsuda.blog.fc2.com/blog-entry-60.html 続きを読む投稿日:2015.11.08
-
仕事でモテる男はなぜ、体を鍛えているのか?
比嘉一雄 / かんき出版
『努力は必ず報われる』と前向きに信じられる人が、体づくりを成功させ、さらに人生の成功者となっていく
0
人間の体は負荷を掛ければ、それだけで体は応えてくれる。
ボディビルダーのような体を目指すのではないのならば、ジムに通う必要が無いのは朗報ですね。
ただ注意なのは、負荷が軽い筋トレは時間の無駄だというこ…と。
例えば、腕立て伏せ10回が限界ならば、9回までの腕立て伏せは意味がないということです。つまり、10回目の腕がプルプル震えて腕が限界ってところまで追い込まないと筋肉が増えません。
俺、腕立て伏せ得意で100回やっても疲れないぜ!! という方は、筋肉が増えない筋トレを行っていますので、やり方を変える必要があります。
では、筋トレは疲れれば疲れるほど、筋肉が増えるのでしょうか? 残念ながら、これも間違いです。
疲れた筋肉は休憩が必要なのです。それも、2日です。
つまり、毎日同じ筋トレを行うのも間違った方法だったのです。腕立て伏せを行ったら2日間は別の筋トレを行わないと腕の筋肉は増えません。スクワットや腹筋を行いましょう。
大部分のページが割かれているのが「バウンドトレーニング」です。バウンドトレーニングとは、ストレッチと筋トレと有酸素運動の効果を狙ったものとなっています。複雑な動きよりもシンプルな動きこそ効果があるが、著者の持論ですので本当に簡単な動きです。
写真で動きを再現して、鍛える筋肉はここだと表示をされています。また、ポイントも同じく写真で表していますのでとてもわかりやすいものとなっています。
また、ながらトレーニングとして電車に乗ったときのトレーニングやオフィスで座りながらできるトレーニングも紹介されており、まとまった時間がとれない人にも優しいものとなっています。
食事の話では、「タンパク合成」と「タンパク分解」で簡潔に説明されています。
人間は体内でエネルギーを作り出して生きています。もし、無理な食事制限をしてまうと、タンパク分解つまり、筋肉を消費します。そうするとかえって太りやすい体質になってしまいます。怖いですね。
タンパク合成はこの逆で筋肉を作られます。要するに消費カロリーが自然とあがっていきます。そして、タンパク合成に必要な栄養素は「糖質」と「タンパク質」となります。
エネルギーに変わる栄養素は、先の「糖質」と「タンパク質」に加えて「脂質」が加わります。「糖質」と「脂質」は取り過ぎると脂肪に変わりますので要注意ですから、何を食べるのかが問題となります。
特にお酒のおつまみの「枝豆」はNGですので、注意ですよ、皆さん。
さて、若人でない人にとっての良いニュース P186(電子書籍版)から抜粋します。
「100歳を超えてからでも、適切なトレーニングで筋肉は大きくなる、という論文報告があります。また実は、筋肉がついていくスピードは、若い人と高齢者とで、あまり変わらないとも言われています。」
ああ、人間の体って素晴らしい。
最後に、著者はラグビー経験者でラグビーを通じて、いろんなことを学んだそうです。
例えば、ラグビーは試合が中断すると必ずイーブンの状態で試合が再開されます。要するに常に力勝負となるため力が強い方が勝ちます。野球やサッカーと違ってまぐれ勝ちといわれる「大番狂わせ」がおきにくいスポーツです。
これは、先のラグビー日本代表が南アフリカ代表に勝利した時の衝撃が物語ってますね。
話がそれました。そんなラグビーは普遍の原理原則を教えてくれたそうです。そしてらラグビーが教えてくれたものが、原理原則の重要性だけでないそうです。
ラグビーボールは楕円形ゆえに、どこに転がるか分かりませんが、ラグビー選手と監督はある一つのことを信じてるそうです。
「ボールは努力してきた方に転がる」と。
これこそが、この本のもう一つの主旨となります。
「『努力は必ず報われる』と前向きに信じられる人が、体づくりを成功させ、さらに人生の成功者となっていくことです」
さあ、体を動かしましょう。 続きを読む投稿日:2015.11.15
-
CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる
J.C.カールソン, 夏目大, 佐藤優 / 東洋経済新報社
CIAがもっと頼りにするのは、人間の知性である。人間の知性がすべての基礎だといってもいい
0
この本の柱は二つ、危機的状況に陥った組織のありようと個人における情報の収拾と漏洩の防止におけるCIAにおけるノウハウです。
あくまでもビジネスに応用できる範囲でありますので、国家規模における手段や法を…破るようなことがらは書いてません。一応、この本はCIAの検閲を受けてるそうです。
危機的状況に陥る組織とは、いわゆる倒産の危機に直面した会社を指してます。
このような企業は、下記のような特徴を持つそうです。
1.経営陣が雲隠れ(対外的だけでなく、社内に対しても)
2.命令系統が混乱(忙しいだけで、生産的活動ができない)
3.正当な評価がされなくなる(愛社精神がなくなる)
これに対して、CIAは9・11のテロの時にアメリカの至る所から、このテロは未然に防げたのではないかと総攻撃を受けてたそうですが。
上記の1・2・3のような事は起こらずに、トップの人間は現場の様子を伺いに顔を出し、縦割りや現場組とディスクワーク組の仲の悪さが改善され、「お前のがんばりはちゃんと見ているぞ」というバックアップがあったため、仕事へのテンションが下がらずに済んだそうです。
次に個人が持ってる情報について。
どんなにテクノロジーが発達しても、人間が面と付き合わせて入手する情報には敵わない。
サダム・フセインが「大量破壊兵器」を所持しているという事前情報をもとに軍事活動を行いました。
イロイロ憶測があって、「大量破壊兵器を持ってる」はでっちあげて軍事行動を行ったという話もありますが、本著では「本当に大量破壊兵器を所持してる」と思い込んでいたと告白しています。
衛星写真を使い通信を傍受し、施設では博士号を持った科学者が勤務し衛兵が施設を護衛し、真夜中に物品を軍に納入する。これは、黒だなと現場に行ってみれば、その施設は単なる食塩生成の工場だった。
”本当に理解するには、ただ現場に行くだけでいい、ということも少なくないのだ。”
これは、「インターネットで情報収集して分かった気になる」ことへの戒めとしたい。
さて、情報を入手するには「人と会う」が最適だと言ったように、CIAでは次の4つの基本を徹底的に鍛えられるそうです。
「協力者の候補を決める」
「候補者と接触する」
「協力者として適切かどうか見極める」
「候補者と親しくなり、信頼関係を築く」
この中には、スキルとして相手から警戒されないよう情報を得る話術なるものありますが、
『人と確実に親しくなるテクニックなど存在しない』とバッサリ切ってます。
なぜなら、誰かと信頼関係を築くことはスキルではないからです。
そういうわけで、諜報員というと「嘘」だらけってイメージを持ちますが、『嘘は極力つかない』ことをCIAでは重視して、「嘘」をついたことを謝ることも行うそうです。
ちなみに、「嘘」と情報操作は明確にわけてます。情報操作とは「確信は話さない」「誤解されるように話す」などのことです。
また、自分から情報を取られないための注意事項も本著では一つの章使って警告を与えています。
今の時代は国よりも産業スパイの方がお金になるから、情報を盗まれる危険性が高くなっています。
情報の価値は人によって違います、自分には価値がなくても相手にはお宝の山かもしれません。
特に、SNSは情報を共有するためのものであり、情報を保護するものではないことを頭に入れる必要があります。
CIAでは、個人の王国を作ることを奨励してます。
別にこれは、組織のトップになれということではなく、あらゆる情報が耳に入るようなネットワークを作れということです。
CIAでは将来出世が見込めるような若手にネットワークに引き入れることが当たり前だそうです。なぜなら、偉くなってからだと会うことすら困難になるからです。
そして、自分が偉くなっても、このネットワークの面々には態度を変えてはいけないそうです。なぜなら、真っ先に現場の異変や危機を告げてくれるのは彼らだから。
ビジネスにおいても諜報活動においても、信用と信頼は裏切ってはいけないのです。
そして、本当に情報が欲しいなら情報を持ってる人に会いに行け! なのです。
これらを確実に実行するに一番大事なのが、”知性”なのです。 続きを読む投稿日:2015.11.23