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つたもみじさんのレビュー
いいね!された数1039
  • にぎやかな眠り

    にぎやかな眠り

    シャーロット・マクラウド,高田惠子

    東京創元社

    良くも悪くも人間関係が濃い…

    クリスマスのイルミネーションが観光資源になっている田舎の大学町で起きる殺人事件。旅から帰ると自宅のソファ裏で親友の妻が死んでいた事から事件に巻き込まれ、解決に走り回ることになるシャンディ教授。おまけにヘレンとのロマンスもあり。軽めのミステリでした。キャラクターに個性があって面白いのだけれど、鬱陶しいと感じる事も。家政婦が封をした手紙を勝手に開けて読んで「雇い主は頭がおかしくなった」とか…お前がなっていう。プライベートがなさ過ぎて、私はこの町には住みたくない。後半の急展開はスピード感があって良かった。

    7
    投稿日: 2016.05.30
  • トリックスターズ

    トリックスターズ

    久住四季

    メディアワークス文庫

    魔術は出てくるけれど、ロジカルにミステリです。

    ミステリかと思ってたら魔術とか出てきて、一瞬ファンタジーかと思ったのですが、魔術というミステリでは反則な手法を上手くロジカルに、学問として仕立てていて、なるほどミステリでした。面白かったです。 名門城翠大学を舞台に繰り広げられる殺人予告ゲーム。魔術部新入生・周と、世界に6人しか存在しないという魔術師で、客員教授の佐杏冴奈。二人を中心とした物語。この手のどんでん返しには慣れてしまっているのか、書籍説明に煽りすぎの感あり…。

    7
    投稿日: 2016.05.30
  • シャロン 死者は神を語らない

    シャロン 死者は神を語らない

    田名部宗司

    メディアワークス文庫

    シャロンの謎は…

    遺体修復師に興味を惹かれたのだけど、そちらに関してはサラッとでした。19世紀末の巴里。華やかな街にある影。少女の連続失踪事件が起きているこの街で、遺体修復師シャロンのもとに美しい少女の死体が運び込まれるが…。少女と失踪事件との関係は。どのキャラも個性的というか派手で、展開も早く、面白かったです。ニーナはもう少し人の話をちゃんと聞いて、考えて行動してくれればなと思うけど。そしてシャロン自身や父親の謎は解かれていなくて、それは続編で語られるのだろうか。人の皮を被った悪魔に悪魔と罵られても困っちゃうよねぇ。

    6
    投稿日: 2016.05.11
  • 神去なあなあ日常

    神去なあなあ日常

    三浦しをん

    読楽

    鮮やかな、山と共に生きる日常。

    高校卒業と同時に横浜から三重県の山奥・神去村へ、担任と母親の策略によって放り込まれた平野勇気。いくらなんでも担任と母親は勝手すぎないか…というのが、どうしても引っ掛かるものの、最初は逃げ出す事しか考えていなかった村で暮らすという事、少しずつ成長していった林業への思いや、祭りの高揚感、恋の話。サクッと読めて楽しかった。山仕事が細かく丁寧に描かれていて興味深く、四季折々の情景や匂いなども文章から感じられるようだった。山の神様や神隠し、不思議も満載。そしてヨキは何なんだ…野生児か。ノコが可愛くてモフりたい。

    5
    投稿日: 2016.04.19
  • オペラ・カンタンテ 静寂の歌い手

    オペラ・カンタンテ 静寂の歌い手

    栗原ちひろ,THORES柴本

    角川ビーンズ文庫

    世界観がうっすらと見えてくる、シリーズ第二幕。

    シリーズ第二幕。ファンタジー。薬師カナギ、詩人ソラ、元暗殺者ミリアンの三人は不死者を求め、不死の魔導師カエキリアの治める地へと。私怨により詩人を追うバシュラールや、ウーチェレット、追手は続々。魔物の呪いにより死に至る病に侵されているカナギは神に近づけるのか。ミリアンは少し雰囲気が柔らかく感情が見えるようになって、自分で考えて行動しているようなのが嬉しい。そして詩人ソラ…ラストシーン…いや、人間の領域は軽く超えているとは思っていたけれど…まさかよの。三人が拗れそうで拗れず、何だかんだ仲が良くて楽しい。

    5
    投稿日: 2016.03.30
  • オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う

    オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う

    栗原ちひろ,THORES柴本

    角川ビーンズ文庫

    ごってごてのファンタジー。シリーズ第一巻。

    著者さんデビュー作。剣と魔法と、呪いと魔物。世界の王と、不死者と、鳥の神。ごってごてのファンタジー。魔物の呪いを受けた、剣士にして薬師の青年・主人公カナギは、呪いのせいで喀血癖があるが病弱と言われるのが嫌い。相方は、不自然なまでに整った容貌だが、得体のしれない詩人・ソラ…明らかに胡散臭い。ヒロインの少女ミリアンは元・主人公を狙う暗殺者…可愛い。大災害で一度滅び、鳥の神によって復活した世界で、彼等の旅が始まる。シリーズ1巻。まだ序盤だけれど、カナギとソラの会話は軽妙で、あれこれテンコ盛りで楽しかった。

    8
    投稿日: 2016.03.18
  • 血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン

    血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン

    内藤泰弘,秋田禎信

    ジャンプジェイブックスDIGITAL

    原作の雰囲気そのままのノベライズ

    レオとザップの前に現れた少女。未来から来たザップの娘だと言う彼女・バレリーとザップを中心にしたストーリー。原作の雰囲気を損なう事のない、良いノベライズでした。世界観もそのままにサクッと読みやすく、純粋に楽しめた。 子供相手でも全力で卑怯を貫くのも、なんだかんだでパパやってる姿も、いざって時にはキッチリ締めるのも、笑えるし情けないし可愛いしカッコイイしで、ザップ好きには堪らない一冊。

    8
    投稿日: 2016.03.18
  • ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事

    ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事

    つるみ犬丸

    メディアワークス文庫

    タイムスリップ

    サクッと読了。浅草で革職人として働いていた神崎時宗が、謎の地震により建物ごと大正時代へタイムスリップ。え?っと思ったけど、よくみたら表紙にスマホが描かれていたよ…。 職人っぽく言動は少々荒っぽいけれど、年齢よりも大人びた時宗(しかし椛の気持ちには全く気付かず…)の性格がサッパリしていて、読んでいて気持ち良かった。伏線らしきものも見え隠れ。ところで建物ごとタイムスリップしたなら、元の世界はどうなってるんだろう…更地かな?

    7
    投稿日: 2016.03.14
  • 薔薇十字叢書 神社姫の森

    薔薇十字叢書 神社姫の森

    春日みかげ,睦月ムンク,京極夏彦

    富士見L文庫

    読み応えもあり、満足の一冊。

    百鬼夜行公式トリビュート・薔薇十字叢書シリーズ。今までに読んだシリーズの中でも断トツに読み応えがあって、すごく面白かった。武蔵野連続バラバラ殺人を描いた小説『魍魎の匣』が、久保竣皇の名で発表される。関係者だけが知りうる真実。久保竣皇の正体は消去法で直ぐにわかったのだけど、謎から解決に至るまでの流れは素晴らしかった。良質なパスティーシュ。本家シリーズ各要素、芥川や谷崎、乱歩などの名前や、ラストに登場する隻腕の漫画家…。彼が若き頃に描いた紙芝居までもが小ネタ的に仕込まれていて、最後まで楽しめた。大満足。

    7
    投稿日: 2016.02.10
  • 悪魔交渉人 4.天使の方舟

    悪魔交渉人 4.天使の方舟

    栗原ちひろ,THORES柴本

    富士見L文庫

    完結。

    完結でした。 晶が無理してきてるなぁとは思っていたものの、もう少し登場悪魔を変えて同じように続くと思っていたので少々驚いた。最初からWMUAは胡散臭かったので、この展開は予測してた通り。ありがちといえばありがちな結末だけれど、収まる所に収まった感で良かった。晶の性格からして無理して悪魔・音井を敵視し続けるより、ラストでの関係の方が良いと思う。

    5
    投稿日: 2016.02.10
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