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bouburaさんのレビュー
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  • 楽園のカンヴァス(新潮文庫)

    楽園のカンヴァス(新潮文庫)

    原田マハ

    新潮文庫

    美術をテーマにしたミステリー小説

    冒頭は、地方美術館の監視員をする普通の主婦の視点で話が進む。それが途中から、名の知れたアンリ・ルソーの研究者であったという経歴が明らかとなり、その辺りから、何かただならぬ予感を感じた。そのうち視点が変わり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキューレーターに移り、ミステリアスな展開となる。当時のルソーを取り巻く状況や人間関係、晩年の不遇な生活等もあぶり出しながら、ズンズンと読者を美術の世界に誘っていく。

    14
    投稿日: 2013.11.10
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    マイケル・サンデル,鬼澤忍

    早川書房

    何が正義???

    タイトルが「正義」について語ろう、という思い切ったもので装丁も文字が並んでいるだけ。どうも、すごいことが披露されているのではないかと期待が膨らむ。世の中には正しいか正しくないかの2方向に明確に判定できるようなものばかりではない。どうも、グレイなところにひしめいている事柄が増えてきている。多種多様な考えの人間が自分の主義主張を言い出したら、世の中収拾がつかなくなってしまう。その解決のポイントを歴代の著名な哲学者の論を引合いに出しながら、論理的に解き明かしてくれる。中盤のところで当方の頭が混乱してしまい、もうどちらでもいいやと投げやりになってしまった。

    0
    投稿日: 2013.11.10
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    フィリップ・K・ディック,浅倉久志

    早川書房

    これがわれわれの将来なのか・・・

    火星に居住を求めて移動した人間もいる将来の地球の姿がモチーフである。そこではアンドロイド(ロボット型人間)が、人に危害を加える悪しき存在となっていた。外見上は人間と区別できなくなっており、それを識別できる検査法を駆使して、アンドロイドを撃退する警察官が主人公である。その地球では、世界戦争が勃発し、原爆による死の灰が地球のかなりの領域で覆っている。かなりの生命体が絶滅し、生きながらえた動植物は高価な値で取引されている。主人公の警官のところにも、ロボット型羊を飼っている。移動手段は空飛ぶ自動車であり、SF映画を見ているようである。将来、ありそうな話であるが、なかには非現実的な面もあり、どうも作品に入り込めない気がした。

    2
    投稿日: 2013.11.10
  • ウェブで政治を動かす!

    ウェブで政治を動かす!

    津田大介

    朝日新書

    未来の選挙の姿

    衆議院選挙(2012/12/16)前に購入したが、読んだのが選挙後であったために、ちょっと読む時期が悪かった。選挙前に読めば、もう少し感激が違ったかもしれない。日本では、その当時選挙においてSNS(ツイッター、フェイスブック等)を使った選挙活動はご法度であった。それでも、日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は平然とツイッターでささやいていた。しかし、太陽の党(当時)の石原慎太郎さんと組んだことで、彼のささやきも、そんなには効果はなかったようである。選挙に目を向けない若者を参加を導くには、手頃な手段であるかもしれない。

    1
    投稿日: 2013.11.10
  • この国で起きている本当のこと

    この国で起きている本当のこと

    辛坊治郎

    朝日新聞出版

    少し、独善的なきらいもあるが・・・

    核保有国以外でプルトニウムの再処理が認められている国は、日本だけだということをこの本で初めて知った。大阪府知事選に誰を推すかを選ぶ際、誰でも良かったのだけれど、行き着くところ橋下徹になったという内容も印象に残った。ちなみに筆者にも「出馬しないか?」と声をかけられたそうであるが・・・。

    1
    投稿日: 2013.11.10
  • マネー・ボール〔完全版〕

    マネー・ボール〔完全版〕

    マイケル・ルイス,中山宥

    ハヤカワ文庫NF

    限りある資金を有効に!

    大リーグのお荷物球団であるアスレチックスを優勝できるチームにたたき上げたジェネラル・マネージャ(GM)の話。このGMも選手としてドラフト上位に指名された経歴を持つものの、期待に反して活躍できなかった。自分の体験をもとに、選手の素質(ゲームで活躍できるかどうか)を見極めるポイントは過去の実績だけに頼ってはいけない。球団で必要とする選手を獲得するには、様々なデータからそれを見極める必要がある。優秀な選手を獲得できるのは豊富な資金力のある球団のみ。貧乏球団は視点を変えて、安くて確実に活躍できる選手をスカウトするという方針で臨む。その結果、金持ち球団と片を並べるほどの実績を上げ、ついにはワールド・シリーズを制覇するまでになる。資金がなくても埋もれた選手を発掘して、勝てるチームに仕上げ、なおかつ、球団に資金が潤うようにもっていくカラクリが手に取るようにわかる。大リーグの裏の世界も垣間見れて、別のおもしろさも提供してくれる。

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    投稿日: 2013.11.10
  • 座右の古典 賢者の言葉に人生が変わる

    座右の古典 賢者の言葉に人生が変わる

    鎌田浩毅

    東洋経済新報社

    人生の糧となる良書紹介!

    何か人生の糧となる本はないものか、と簡略に探す方法としては良書紹介本に限ると思い買ってみた。amazonの評価もよかったので、電子書籍の読み心地の検証も兼ねて購入した。一冊一冊、そんなに長くはなく3項目の要約にまとめてあり、筆者の生き方にどのような影響を与えたかも書き添えてある。悪くはない本だと思う。

    0
    投稿日: 2013.11.10
  • 吉原手引草

    吉原手引草

    松井今朝子

    幻冬舎文庫

    売れっ子花魁、謎の失踪事件を追う!

    なかなかおもしろい。ついつい引き込まれて読み進んでしまった。事件に絡む人物への聴き込み調査をもとにストーリーは展開する。その聴き取った内容から読者は事件の真相を推理していくこととなる。しかし、最後の最後までなかなか事件の全貌がつかめない。そこで最後まで読み進まざるを得ない状況となる。個人的に吉原や花魁に関する知識があったので、その知識を確認しながら読み進むことができた。

    3
    投稿日: 2013.11.10
  • 桐島、部活やめるってよ

    桐島、部活やめるってよ

    朝井リョウ

    集英社文庫

    このタイトル、なんだ?

    直木賞作家ということで読んでみた。うーん、変わっている。高校生が話す文句がそのまま小説になっている感じがする。それが嫌味に感じずにストレートに入ってくる。内容は特段おもしろいわけではないが、文章構成に光るものを感じた。

    29
    投稿日: 2013.11.09
  • 天地明察 下

    天地明察 下

    冲方丁

    角川文庫

    軽い気持ちで読める歴史小説です。

    主人公が江戸幕府お抱え碁師で数学好きという風変わりな役柄設定だが、展開は面白い。上巻(和算)は一気に読めたが下巻(和暦)は中だるみした。

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    投稿日: 2013.11.09