
ソーシャルメディア炎上事件簿
小林直樹,日経デジタルマーケティング
日経BP
SNSの利用は慎重に!
若者たちは安易にネット社会の一員になってしまう。 もっと慎重になってしかるべきなのにその垣根が低い。 対面で会話するときの警戒心をもってツイッター、フェイスブック等のSNSに接するべきなのに思慮がない。 ソーシャルメディアの危うさについて、様々な事例を紹介し、警笛を鳴らす良書である。
0投稿日: 2013.11.16
ロスジェネの逆襲
池井戸潤
ダイヤモンド社
サラリーマンをテーマにしたスカッとするストーリー
「小」が「大」を打ちのめす痛快極まりない物語。 世の中は「大が小を呑む」のが常識である。 その逆を行くのでたまらない。 その中心的な存在が子会社に席を置く半沢直樹部長である。
9投稿日: 2013.11.11
白ゆき姫殺人事件
湊かなえ
集英社文庫
うーん、これが犯人?
「告白」ほどのインパクトはなかったが、似たような展開で興味深く読んだ。 また、本文の展開を補足するような形で掲載されている週刊誌の記事やブログなどは新しい手法を取り入れているなと感じた。 だけど、犯人と残虐行為とのつながりがちょっと強引な気がする。
1投稿日: 2013.11.10
郷土LOVE
みうらじゅん
角川文庫
47都道府県の郷土紹介
みうらじゅんという人物を知らないので何とも言えないが、かなり変わり者であろう。 日本中を旅してその特徴的な事柄をおもしろおかしく語っているのだが、どうも表面的なことばかりで深みがない。 私の郷土のところを見てみたが、「うすっぺら」な感じは否めない。 これを読んでもそれぞれの郷土の特徴はつかめないと思う。 そういうものをこの本に期待しては所詮ダメなのかもしれない。
1投稿日: 2013.11.10
愛しの座敷わらし【文庫上下巻合本版】
荻原 浩
朝日新聞出版
座敷わらしとトトロ
読んでみて「となりのトトロ」の二番煎じのような印象を受けた。 田舎の古い家に住むことになった家族に起こる不思議な出来事。 そんなことを絡めながら家族の絆が深まっていくという、どこにでもありそうな物語。 もっと深みのある内容を期待したのだが、ありきたりの展開で物足りなかった。
0投稿日: 2013.11.10
震度0
横山秀夫
朝日新聞出版
激震とは無関係な警察内部
横山作品を初めて読むので採点は甘くなっていると思います。 最初、「震度0」というタイトルから”何かありそう”な予感がしましたが、タイトルはあまり重要ではないような感じです。 内容としては、お決まりの警察ものですが、さもありなんという警察内部の泥臭いパワーゲームが展開されます。 それはそれで結構リアルでおもしろい。 結末は結末でそうなのなか、と思わせてしまう出来栄えである。
1投稿日: 2013.11.10
リンゴが教えてくれたこと
木村秋則
日経プレミアシリーズ
じょっぱり親父のリンゴ栽培
昔、田んぼにはドジョウやカエルがわんさかいて、夜はホタルが乱舞していた。そんな光景が見られなくなった。 それも過剰な農薬の投与によるものである。 そうまでしなくても作物は育つのだというのをいろいろと実験を試みて、それを実証する研究熱心さには感服する。
1投稿日: 2013.11.10
憤死
綿矢りさ
河出文庫
四つの短篇集
1話目の「おとな」は不可思議な夢の話。 2話目の「トイレの懺悔室」はへんなおじさんの話。 3話目の「憤死」は本のタイトルではあるが、同級生の自殺未遂の話。四編の中では、秀逸か。 4話目の「人生ゲーム」は盤上で遊ぶ”人生ゲーム”を絡めた話。 それぞれ、考えさせる内容ではあるが、中途半端のもある。
0投稿日: 2013.11.10
八日目の蝉
角田光代
中公文庫
誘拐をテーマにした作品
角田さんの筆の力、展開の妙には頭が下がる。 また、テーマの選定なども時代にマッチした感覚を持っているのだろう。 次の作品をつい、期待してしまう。
0投稿日: 2013.11.10
わたしを離さないで Never Let Me Go
カズオ・イシグロ,土屋政雄
ハヤカワepi文庫
不思議な感覚の近未来世界
なかなか評価が分かれるところである。読み始めてみると最初の人物設定に戸惑ってしまう。「提供者」とか「介護人」とかの意味ありげな表現で紹介している。読み進めばわかってくるだろうと中間地点くらいまできてもなかなか種明かしをしてくれない。ようやくわかるのが終盤間近である。あぁ、そうだったのか。そこまでじらした割には、あまり驚きはしなかった。うっすらとは感じ取っていたのかもしれない。ま、そういう世の中になってしまうのかな、とも思える近未来の生命医学を予見した衝撃的な小説ではあるが・・・。
2投稿日: 2013.11.10
