
月魚
三浦しをん
角川文庫
静かな緊張感の心地よさに酔う
出す本出す本とヒットに繋がる三浦さん 初期の頃のこの作品は注目度があまり高くないようですが 静かな緊張感を張詰めた作者の力を感じる作品でした この作品には一般的な愛とは違った愛の形が描かれていますが そこに目を向けすぎると話し全体に霞が掛かってしまいますので 物語全体の静寂性や繊細さを楽しむのが良いと思います
16投稿日: 2014.06.17そうだったのか! 現代史
池上彰
集英社文庫
ベルリンの壁は東西ドイツの間にあったと思っている人、さぁこれを読みましょう
少し前に書かれたものなので過去の出来事が中心になりますが これらの出来事が今の世界情勢と密接に繋がりあっている事が良く解ります 池上さんは多くの人が何を解っていて何を解っていないか また何を知りたくてどう書けば理解できるかを良く知っていますね 私はこの本を読んで世界の見え方が変わりました
3投稿日: 2014.06.14夜の写本師
乾石智子
東京創元社
上橋さんが描くファンタジーに負けず劣らずの秀作です、素晴らしかった
日本にこんな世界観を持つ上質なファンタジーがあったなんて… 本当に驚きました 「女を殺しては魔法の力を奪う呪われた大魔道師への復讐劇」 表面上からはそんなストーリが浮かびますが その裏にある、人の想い、執念 その全ての源であるところの「愛」が強く炙り出されており 感動が押し寄せました
9投稿日: 2014.06.12偉大なる、しゅららぼん
万城目学
集英社文庫
文庫版になって再登場です
ここでの情報が文庫版に改定されていたのでこちらに またまた出ました万城目さんの大法螺話 琵琶湖を舞台に日出家と棗家により繰り広げられる大スペクタクル お馴染みどこかユルイ神様も登場して 万城目ワールドを満喫できる事間違いありません ところであなたの名前にサンズイが付く漢字が入っていたら 琵琶湖の水を飲んでみた方が良いかも知れませんよ
1投稿日: 2014.06.10氷菓
米澤穂信
角川文庫
高校を舞台にした日常の謎に古典部の面々が挑む
限定版のポップな表紙デザインに惹かれて入れた本です 高校を舞台に起る日常の謎を高校生の男女が解いていく 短編仕立てのミステリでサクッと読みやすく すぐに読みたい訳ではなくてもReaderに入れておくと 手が伸びやすい話です でも積極的に関わりを持とうとしない省エネ高校生って ジェネレーションギャップを感じるなぁ それから古典部が舞台とはいっても、それらしい活動はほとんどないので 古典文学萌えの方は要注意です
33投稿日: 2014.06.06鉄道員(ぽっぽや)
浅田次郎
集英社文庫
腰を落ち着けて読みたい短編集
短編集は空いた時間にすぐに開けるのでReaderと相性が良いと思うのですが これはしっかりと腰を落ち着けて 情景をを思い浮かべながらじっくりと読みたい そんな本でした ファンタジックな設定の中にしっかりと人が描かれた物語ばかりで 浅田さんの底力を感じました
2投稿日: 2014.06.01日本人の知らない日本語 なるほど~×爆笑!の日本語“再発見”コミックエッセイ
蛇蔵,海野凪子
コミックエッセイ
ちょっとした空き時間にちょうど良いんだけど…
日本学校の日本人女性教師と外国人生徒の 真面目で可笑しい授業風景をコミック仕立てで描いた本 日本語についての楽しいだけでなく、ためになる知識が満載です 「人気のない所に自販機がある事」が外国人が話した日本の良い所って 私たちは良い国に住んでいるんだなぁ ちょっとした空き時間にちょうど良いんだけど 人前で噴出してしまいそうで困ります
1投稿日: 2014.05.29盤上のアルファ
塩田武士
講談社文庫
文庫版が発売されお買得になりました
単行本版がなくなってしまったのでこちらに 扱っている題材が将棋とは思えないほどの暑苦しさ(笑) どん底から這い上がろうとする男たちの 魂の叫びを綴った物語 塩田さんの話らしく面白キャラも登場してくれて楽しませてくれます
0投稿日: 2014.05.17植物図鑑
有川浩
角川書店単行本
有川さんのど真ん中ベタ甘系
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」 で拾ったのは躾のできたイケメン 後の展開は有川ファンだったら想像が付くと思いますが 砂糖控えめが好みの私には少々甘すぎました 逆に言うと あま~い気分にどっぷりと浸りたい方にお勧めです
1投稿日: 2014.05.17虹の岬の喫茶店
森沢明夫
幻冬舎文庫
「おいしいコーヒーと音楽♪ 岬カフェ ここを左折」
訪れる人にカップを選び心を込めてコーヒーを淹れ、その人の為の音楽を流す岬カフェ 心に迷いを持つ人達が運命に引き寄せられたかのように訪れ 女性主人と出会いの中で自分なりの答えを見付けていく ストーリー同様、読む人の心をフッと軽くしてくれる物語
3投稿日: 2014.05.16