謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)
高野秀行(著)
/新潮文庫
作品情報
ミャンマー奥地で遭遇した、納豆卵かけご飯。日本以外にも納豆を食べる民族が存在することをそのとき知った。そして著者は探求の旅に出る。ネパールでは美少女に導かれ、湖南省で味噌との関係に苦悩。東北秋田で起源について考える。“手前納豆”を誇る人びと。夢中で食べた絶品料理。愛する食材を追いかけるうちに、アジア史までもが見えてきた。美味しくて壮大な、納豆をめぐる冒険の記。(解説・小倉ヒラク)
もっとみる
商品情報
- 著者
- 高野秀行
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2020.06.01
- Reader Store発売日
- 2020.07.03
- ファイルサイズ
- 39MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.6 (29件のレビュー)
-
シルクロードならぬ納豆ロードを行く
日本では米よりも早くから納豆が食べられていたのかもしれない。東アジア原産の大豆を煮るか蒸して柔らかくする。麹菌で発行させれば豆豉や味噌や醤油になり、納豆菌で発行させれば納豆だ。
味噌が中国からや…って来たのはほぼ間違い無いのだが納豆はよくわからない。中国では一般的には食べられていないからだが、日本でも普通は東の食べ物とされている。アジア納豆の分布を調べていくと日本から朝鮮半島一体と貴州、雲南からタイ北部、ミャンマー北部の山岳地帯からブータンやネパールまでの分布が見えてくる。なんというか山の食べ物なのだ。
普通は納豆は干した藁についた枯草菌の1種である納豆菌による発酵と思うだろう。しかし実は納豆菌自体はそこらにいる。金沢上空3000mので取れた黄砂に付着した納豆菌で作られたそらなっとうもある。茹でた大豆を葉っぱにくるんで保温しておいておけば条件が合えば勝手に納豆ができてしまうというわけだ。アジア納豆ではシダやバナナなど使いやすい葉っぱが使われている。藁包の場合は包む手間は大変だけど通気性がよく保温性に優れできた納豆が傷みにくい。仕込みの時期は元々は冬なので比較的涼しく、使える葉っぱがあると同時に優先されるタンパク源(魚など)があまり取れないところで食べられて来たのだろう。稲作の伝播とはどうも一致しないのだ。
探偵ナイトスクープ発の日本全国アホバカ考では新しい言葉は京都を中心に同心円状に広がっていく様子が丁寧に調べられている。言葉はだいたいこれに当たるが納豆はどうも当たらない。日本の納豆の発祥の地は秋田ということになっている。
大豆は優秀なタンパク源としてだけではなく味噌や醤油など調味料として使われて来た。そしてアジア納豆も同じく調味料になっている。乾燥した納豆を焼いた納豆せんべいを割って砕いたり、汁物にペーストを入れたりという使い方だ。日本では味噌が好まれたため調味料としての存在感はない。この本の素晴らしいところはアジア納豆が日本でもできるかを再現したところだろう。さらっと読めるが十分論文が書ける調査だ。続きはアフリカ納豆が待っているらしい。続きを読む投稿日:2020.12.29
-
図書館で借りた。
アジアの山奥で出会った、納豆そっくりな料理…これは一体何なのか、なぜこんなところに日本独自の料理と思っていた納豆があるのか、他にもこんな海外納豆はあるのか…果ては納豆はどこから来たの…かと、納豆を探す調査旅記録だ。
しかし単なる旅日記ではない。納豆レシピ本の側面もあり、日本を見つめ直す日本学的な価値もあり、なんなら社会科学の論文的価値もある…とにかく、ものすごい本だ。面白いだけじゃない。
他の方のブクログ感想に著者の評判が書いてあったが、とても好評だ。…私も著者の他の本を漁りたくなった。続編的な本?もあるようだ。これは読まなければ。続きを読む投稿日:2024.04.22
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。