クルマを捨ててこそ地方は甦る
藤井聡(著)
/PHP新書
作品情報
「私の町ではクルマが必需品」は勘違い! 気がついた都市は、もう変わり始めている。日本人のほとんどが、田舎ではクルマなしには生きていけないと考えている。ゆえに、日本の地方都市は「クルマ」が前提になってできあがっている。しかし、今、地方が「疲弊」している最大の原因は、まさにこの、地方社会が「クルマに依存しきっている」という点にある、という「真実」は、ほとんど知られていない。本書では、そうした「クルマ依存」がもたらす弊害を理論的に明らかにした上で、富山市のLRT(ライト・レイル・トランジット)導入を中心とした「交通まちづくり」の例や、川越の歩行者天国、京都市の「歩くまち京都」の取り組み事例など多数の事例を参考に、「脱クルマ」を通して地方を活性化していく驚くべき手法を紹介する。 【目次より】●第1章 道からクルマを追い出せば、人が溢れる ●第2章 クルマが地方を衰退させた ●第3章 クルマを締め出しても、混乱しない ●第4章 「道」にLRTをつくって、地方を活性化する ●第5章 「クルマ利用は、ほどほどに。」――マーケティングの巨大な力 ●終章 クルマと「賢く」つきあうために
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商品情報
- シリーズ
- クルマを捨ててこそ地方は甦る
- 著者
- 藤井聡
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2017.10.13
- Reader Store発売日
- 2018.06.29
- ファイルサイズ
- 10.9MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.1 (8件のレビュー)
-
羊頭狗肉である。
タイトルに興味をもち購入しました。
しかし結果としては、「羊頭狗肉」と呼ぶにふさわしい著作でした。
本書の内容をまとめると
「地方の中核都市レベルの都市であればクルマ利用の抑制について対応を…するといいことがあるかもしれないが「負け戦」で終わることも覚悟しておく必要がある。あとそれとは別に、一般論として、あまりクルマに頼りすぎた生活をしているとなんらかの支障がでるかもしれないので注意すべし。」といったものです。
以上です。
本当にこれ以上のものは含まれていません。
タイトルが悪いんですね。
だって「クルマを捨ててこそ地方は甦る」というタイトルですよ。
そういう内容を期待しちゃうじゃないですか。
でも実際には
タイトルでは「クルマを捨ててこそ」といっていますが、実際には「クルマとかしこくつきあう」ことを推奨しています。
タイトルの「地方」は、本書では、一般的な「地方」のことを指しているのではなく「県庁所在所レベルの地方都市」を指しています。
「地方は甦る」というものの、その効果は実は疑わしいものであることを著者自身が自覚しています。
第5章の中で「・・・そのために、地方政府や地域社会は、京都市や富山市のように、半ば「負け戦」を覚悟の上で戦う心持ちで、一つひとつの交通まちづくりの取り組みを最大の戦略性を持って展開する姿勢を、持続しなければならない。」とあります。
「負け戦」を覚悟の上で。
何をかいわんや、です。
タイトルは著者ではなく、出版社の人が決めたのかもしれません。
そう考えれば、タイトルと中身との解離をとやかく責めてもしょうがないのかもしれません。
しかし、中身についても少々、いや大分お粗末であるといわざるをえません。
最終章(「おわりに」)の中で、20代後半に留学を経験して以来、自分の中での最も大きな研究テーマの一つだったのが、本書で論じた「かしこいクルマの使い方」の問題であった、とあります。
著者略歴をみるに、1968年生まれとあります。
二十年余の研究の成果がこの内容なのでしょうか。
本当にそうですか。
「やっつけ」で作った本なのではないか、なんとなくそう感じます。
人とクルマの現在の関係についてある種の危機感を持っている。
それはわたくしも著者の方と思いを同じくするものです。
でもそこで感じている危機感の本質やその解決に求めるものはちがっていたようです。
老婆心ながらですが、もしこの本の購入をお考えでしたら、著者のファンの方ならしらず、そうでなければおやめになったほうが宜しいかと存じます。
おそらくはそのほうが著者の為にもなるかと存じます。
紙の本ですが「<小さい交通>が都市を変える」大野秀敏、佐藤和貴子、齊藤せつな著(NTT出版)という本があります。
これは有益な本でした。
個人的にはこちらをお勧めします。
読後のあと味が悪すぎたのでつい毒舌になってしまいました。
著者の藤井聡さん。
いろいろとご活躍の方で著書も多数おありのようです。
優秀な方なのでしょう。
今回たまたまハズレをひいてしまっただけで、他の著作では有益なものもあるのかもしれません。
ただ個人的にはもういいです。
さよなら。
続きを読む投稿日:2018.09.12
-
基本的な論点を簡潔にまとめた良書
地方自治体の担当者が一度読んでみても損はないとおもう。ボリューム的にも半日あれば読み終えるし、再読する気にもなる。なぜか不要な繰り返しもあるので途中でダレルが大人の事情でのボリューム調整だろうか、ご愛…敬。
内容としては、私有車交通量の削減と公共交通機関の充実による旧中心街のコンパクトシティーとしての再開発と、その中心街と大規模ショッピングセンターを中心としたロードサイド経済の併存の提言が柱。
また、大規模SCの地方経済への影響と経済再生へのアプローチなど多面的な論点が並ぶ。
戦略、戦術レベルの処方箋を書いてあることで高評価。(当然、実効レベルの要領は都市にとって違うだろう)
ただ、観光都市京都を大きな例にとったのはおそらく説得力の低下を招いている。あそこは日本でも特殊な都市(一寸歩けば歴史=観光地に当たる、古くからの鉄道密集地帯)なので、一般的な地方都市には参考にならない。
どちらかと言うと京都に割いた分量を削って、「なぜ富山で鉄道が残ったのか」とその再生の関連性を、中心部の再生と車両の制限との関連で分析し深めてほしかった。そうしないと旧中心街の再生の要件が明確にならない。適用できないところは全く別のアプローチが必要になるはず。
人が集まれる広場とそこへのアクセスを準備すればすべての都市が復活するというのはさすがに乱暴だと思う。「人が集まれる広場」はすでに大規模SCが担ってしまっているので、それへの対抗については富山の分析から導けるのではないだろうか。
まあ、そういった詳細を論じる本でないということなのだろうが、そうである旨の言及もないと読み手の誤解を招くだろう。
続きを読む投稿日:2019.01.08
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