この作品のレビュー
平均 3.7 (21件のレビュー)
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もし開発経済学者が明治維新を語ったら
歴史学以外の分野の専門家が、歴史について書いたものというのも面白い。
本書は開発経済学者である坂野潤治氏と、政治学者・大野健一氏の共著である。
何故彼らが明治維新について書くことになったのか。
そ…のきっかけはイギリスのレフトウィッチ教授から大野氏に来た。
同教授の関心は、途上国の「開発」研究の比較研究。
明治維新というのは、他国の「開発」政策とどのように違うのだろう?
そういうことなら、開発経済学者と政治学者が一緒にやるのがよかろう、というのが本書。
開発経済学という分野にはあまり明るくないのだが、なかなかに興味深く読むことができた。
まず、明治維新を「開発独裁」と比較するところから始まる。
開発独裁とは第二次世界大戦後の東アジアで採られた政策。
例えば台湾の蒋介石政権や、韓国の朴正煕政権などの政策である。
その特徴を次のように定義する。
1.内外危機への対応を契機として成立
2.強力なリーダー
3.彼を支える忠実で有能なエリート集団
4.開発イデオロギーの最優先(政治改革のあとまわし)
5.民主的手続きではなく経済成果にもとづく正当化
6.同一体制の継続(20~30年程度)とそれがもたらす社会の変容
なるほど、台湾や韓国について考えてみればそうと言えるだろう。
が、明治維新に関しては1以外当てはまらないという。
ああ、そういう見方があったか!
じゃあ、明治維新は何なのか。
そこで「柔構造」という言葉が登場する。
開発独裁を「硬構造」としたときの対となる言葉だ。
では、「柔」とは具体的にどういうことなのか?
それは本書を読んでほしい。
歴史学者なら論じない角度の明治維新史。続きを読む投稿日:2014.09.17
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途上国の開発政策についての海外からの研究依頼で、政治史学者と経済学者がタッグを組んでみたら、日本は他のアジア諸国とは異なり、開発独裁国ではなく、柔構造を持った国であったというオチ。ある種の日本特殊論と…いうか、日本素晴らしい論になっていて、「明るい明治」が好きな人はそれなりに気持ちよくなれるのかも。じゃあ、それがなんで「暗い昭和」になってしまったのか?という疑問も沸くのだが、江戸の遺産を明治が受け継いだように、明治の遺産を大正・昭和が受け継いだとも言えるわけで、どこでどう間違えたのか?という探究は尽きる事がないのかもしれない。続きを読む
投稿日:2019.07.10
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