検察崩壊 ─失われた正義─
郷原信郎(著)
/毎日新聞出版
作品情報
緊急対談! 「小沢事件」の中、東京地検特捜部で起きた虚偽公文書作成事件。
小川敏夫前法務大臣、石川知裕衆院議員、大坪弘道元特捜部長、八木啓代氏ら
注目の論者と共に、検察の嘘をすべて暴く。
6月27日の記者会見時、報道関係者・一部国会議員のみに配布され、最高検察庁
がいまだ一般市民への公開を拒否している、本事件の内部調査についての「最高
検報告書」、本事件の発端となった「田代報告書」も全文掲載!
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商品情報
- シリーズ
- 検察崩壊 ─失われた正義─
- 著者
- 郷原信郎
- 出版社
- 毎日新聞出版
- 書籍発売日
- 2012.09.01
- Reader Store発売日
- 2013.02.15
- ファイルサイズ
- 8.7MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (14件のレビュー)
-
陸山会事件における田代検事の虚偽報告書がどのように作られたかが明らかになっていく。
小川対談
検察側は捜査中の証拠文書はたとえ現職の法相が相手であっても簡単には見せない。ちゃんと認識していなかったのだが本人が内容を確認した上で署名する供述調証書は証拠能力が高く、捜査報告所はあくまで…捜査状況を上司に報告するための報告書。しかし、検察審査会では証拠文書であるかのように資料として提出され、審査会の判断の根拠とされた。
田代報告書がでっち上げだと言う証拠を突きつけられた最高検は「記憶違い」という弁明を受け入れた。これが通るのであれば今後偽証は全て記憶違いでOKだ。田代検事は佐久間部長にこの報告書を見せていた様だが2012年6月嫌疑不十分で不起訴になっている。
石川対談
取り調べの様子が生々しい。ポイントは佐藤優氏の助言に従って取り調べをICレコーダーで全て録音していた事。これが無ければどうなっていた事か。それでも政治資金規正法で有罪にされてしまっているのだが。
石川氏はとかげのしっぽ切りにあった田代検事に同情的ですらある。取調中に吉田副部長は「石川さん、水谷建設の5000万円を認めて、秘書の事件にして、これを終わらせましょう。」「秘書がたまたま横領したことにして、小沢さんはあずかり知らずということにした方がすっきりするし」「いや、このままでいくと小沢さんは検察審査会で間違いなく黒になる」どうやら小沢氏を立件するのはとても無理なので検察審査会に持ち込む戦術をかなり早い段階から考えていたようなのだ。
石川氏の録音記憶には田代検事の告白が残っている。「要するにさ、ぼくはあの、石川さんに対してね、ま、色んな技をさずけて、長所にした部分もあるけれど」「結局、やっぱり法律家であれば、やっぱり共謀の認定っていうのは、ま、認めてはいるんだけど、それじゃ、ちょっと共謀の認定としてはきついよねっていう、位の話はしたじゃない」「うちの方は、ま、なんていうかな。うまい具合にさ、そこは、ね、要するに想像したとおりになっやわけでしょ。うん、だけど、そこのところがやっぱり、検審の、その法律家じゃない人には、ま、理解が多分しづらいところなんじゃないかと思うんだよな」
つまり、田代検事は上司が認めてくれてギリギリ起訴にならない線で調書を作り、でも検察審査会の素人には理解できなかったと。
大坪対談
田代報告書の検証を二人でしているが、それ以上に頭に来ているのが村木さん事件では上司は知っていたに違いないと、大坪氏が否認したにも拘らず逮捕、起訴した検察が田代事件では記憶違いを認めお咎めなしになった所。前田事件で部下の証拠改ざんに気がつかなかった点は大坪氏は責任を感じている。しかし、田代事件は追いつめると上司に累が及ぶとしたのだが、どちらも構造は同じでどこまでを組織が守ろうとしたかの線引きが違うだけだ。
八木対談
この人がどういうタイミングで出てきたのかあまりハッキリ覚えてないのだがBLOGOSだったか、ツイッターだったか。どうも最初に市民団体を立ち上げたのは勢いだった様だ。そしてロシアのサーバーにある問題の調査報告所をだれかが八木氏宛にリークし(しかも出元は複数ある様だ)ネットに公開した。マスコミが出来なかったことを普通の人ができてしまうネット社会の象徴的な出来事だったと思う。
検察の問題はもうだれも報道しなくなって久しいがたかが1〜2年で体質が変わるわけが無い。
特定秘密保護法案に反対する理由は検察が信用できないだけでも十分だろう。続きを読む投稿日:2014.01.01
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特捜検察の手法は、鈴木宗男さんや佐藤優さんの逮捕・判決のプロセスを他の本で知り得ていたが、一度決めた筋を徹底して多少の無理があっても作り込む様は、今回のインタビューからもよく伝わってきた。正義云々では…なく、勝つか負けるかということが、本質だなと感じた。続きを読む
投稿日:2017.05.07
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