
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的に印象的だったのは、インタビューで最終選考の6人の意識が全然違ったこと。事件や6人のことを忘れていたり、ずっと囚われていたり、人によって印象に残るものって全然違うのだなと思った。 本当に人生をかけた決断をしている人間の脆い心理状態と行動が少し怖かった
4投稿日: 2023.08.12
powered by ブクログ【ページ数】 304頁 【読み応え】 ◎ 【ストーリー】 ◎ 【伏線回収等】 ◎ 【グロ表現】 無 友達に読んで欲しいと言われて読んだ作品です! とても面白かった! まさか、それぞれの登場人物の何気ない仕草や行動、言動にここまで驚かされとは思わなかった。 人が死なないミステリーは初めて読んだが、こんなに面白いとは! ぜひ読んでみて欲しい!
5投稿日: 2023.08.12
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よく練られたプロットで飽きさせない。なるほど高評価の理由がよく分かる。とりわけ、「就活」が単なる舞台装置ではなく、終始小説を貫くテーマとして真正面から書いてあることが素晴らしい。とりわけ後半で嶌が人を見極めることの限界に苦しむ辺りの切羽詰まった感じは読んでいてクラクラしてきた。この辺りでダークに終わっていれば良かったが、問題はその後。急に知らない人間が出てきて「彼/彼女は実はいい人でした〜」とクドクド説明×3、さすがに胸焼けがすごい!そして美談が過ぎる。物語の構造上必要だったのだと思うけれど、最後の最後に弛緩してしまった。
2投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログ私の年齢が27、就職活動から数年が経ち、後半の登場人物たちと近い年齢になった。 当時の私たち就活生は、綺麗に並べられた会社の嘘にまんまとひっかかり「こんな素敵な会社に入りたい」「ここで成長したい」と思っていた。今の自分からみればびっくりするほど幼くて、世間知らずで、自分の将来を会社に期待しすぎていた。 入社後の後輩が決まる採用で「この人も採用するんですか?」という私の言葉に「ちっちゃい会社だから仕方ない。誰でも採らないと。」と言った上司。嘘でも「一緒に働きたい人しか採らない」と言ってほしかったな。 これは人の表と裏の話。その表や裏のエピソードにまんまとひっかかった今の私も、まだまだ幼いのだと痛感した。
3投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログたぶん全部の伏線に綺麗に引っかかった気がする。 どの人にもその時に見えた一面だけではなく、別の一面があり、良い面も悪い面もある。 映画化するみたいなので、誰がどの役をやるのか気になる。
5投稿日: 2023.08.10
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成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。 文句なしの★5つ。面白かったです。 色々思うところがありましたね。 そんな選考する企業なんてこっちからやめちまえ!入社したところでロクなことにならないぞ、とか。 そもそも学生を採用するというのは「企業が欲しい人材を集める」「企業のカラーに合った人材を集める」行為であって、選ばれたから優秀、というわけではないのにな、とか。 就活で人生の合否が決まるわけではないし、むしろどんな人と出会うかのほうが人生に影響は大きいと思う。でもそんなの綺麗ごとなんですよね。就活生からしたら。とにかく一社内定をもらって落ち着きたい。希望の企業に入りたい。企業と学生は対等だから、というのは建前で、どうやっても企業が選ぶことになるんですよね。 学生にはストレスの多い活動であるけれど、いち社会人として遠くから応援するしかないです。 作品は無駄な部分がなく、最初から最後まで本当に楽しませてもらいました。2回目を読むのも楽しかった。 人間は不完全で、完全な善人も悪人もいない。表裏があって当然。至極当たり前のことを見せつけられたような気分です。かといってすべてを許すこともできないのですが… 様々な伏線が回収されていくので、ここまでロジックに築かれた作品というのは私は初めてでした。 あまり書くとネタバレになってしまうのですが、最後、2人に残された手紙が最も心に残りました。 最後の封筒の1つも、結局は開封されなかった。開封することもできたのに。 いい作品です。
3投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログ男女6人の就活の話。 「学生はいい会社に入るために嘘八百を並べる 一方の人事だって会社の悪い面は説明せずに 嘘に嘘を重ねて学生をほいほい学生を引き寄せる」 実際に自分が就活していたときを思い出した。 サークルのリーダーをやっていたと豪していたり、 バイトリーダーをやっていたりとみんな嘘を並べていたのを思い出す。 たった数分の面接で相手の本質を見抜くのは不可だなあと思う一方、それでも採用しなくては行けない側はどのように人を選考していくべきなのか、考えさせられた。
2投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログ人には複数の側面があることを痛感した。極限の状態で人のことを思いやり信じることは非常に難しいことなのだろう。何度もどんでん返しがあり、目が離せないが最後は心が温かくなった。六人の大学生は皆、とても優秀で、スピラリンクス最終選考に相応しい学生たちだったのではないかと感じた。
2投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログ読んで良かった。 就活時の今振り返れば異様な空気感は、誰もが感じていたことだったんだ…。そのことすら異様に感じられなかった、共有できなかったのは何故だったのか、読んで言語化してもらって、ストンと腑に落ちた部分がかなりある。 白か黒か、嘘か真実か、善人か悪人か… 誰もがいろいろな側面を持っていると頭ではわかっているのに、たったひとつの情報で全部が塗り変わってしまう脆さ。 読んだ後、少し生きやすくなると思う。
2投稿日: 2023.08.08
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文庫化を楽しみにしていて、ようやく購入。 面白かった!!一気読み!! 見事な伏線を回収。 この人は最高だと思っても、それはもしかしたら、その人の一面で、他にもいろいろな表情があるのかもしれない。 この人は最低だと思っても、その行動の真実は分からない。 色々な側面から人を見て、かかわって、知っていくことが大切。
2投稿日: 2023.08.07
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切り口は就活だけど、繊細で心優しい人達の物語。「教室が、ひとりになるまで」でも思ったけど、浅倉さんの繊細な心理描写がとても好き。日常ではスルリと指の間を抜けてしまうような感情を掬い上げてくれて、大袈裟だけど心が浄化されるような気持ちになる
2投稿日: 2023.08.07
powered by ブクログ物語の展開、伏線回収の様はおもしろかった。月の裏側は見えない、、、固定概念で人をみるのはよろしくないと改めて感じた。
3投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログBLEACHという漫画の「憧れは理解から最も遠い感情だよ」という台詞を思い出しました。 また、月のように一面しか見えない中で、不完全な者同士で評価を付け合っていることを再確認しました。 「所詮は月の裏側の一部分。」
17投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログ大学生向けに書いたのかな? 社会人からしたら、何当たり前のことをドヤ顔で言ってんの?って終始イライラしてた。 理屈っぽいし上から目線だしでうざかった。
4投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログIT系大企業スピラリンクスの最終選考に残った6人が協力してグループディスカッションに臨むはずが、6人のうち1人のみに内定出すことになり…。 細かい伏線から、アッとなる伏線まで各所に書かれていて面白い。物語の最後を読むと前半〜中盤の登場人物の印象がガラッと変わった。2度読んでも面白いと思える作品だと思う。犯人の正体とグループディスカッションの日に何が起きたのか、これが分かった時、あぁ〜となりました。
3投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログ自分自身も大学生で共感できる所も多く、話が二転三転する所がとても面白かったです。また今まで読んだ作品は犯人を特定するための伏線を回収することはありましたが、この作品のように悪く見せた人を良く見せるように伏線を回収する作品はなかったのでとても新鮮でした。
4投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログキャリアエージェントや企業の人事担当として直接学生をジャッジする立場にいるわけではないけど、人材会社で新卒系の仕事をしている自分には身につまされる話だ。 その人の全てを理解するなんて、自分でも難しい。 それなのに他人がそれをできているなんて、傲慢にも程があって。 「自分がみているのはその人の一面」で、「自分がみているその人」は、その一面から推測するある種の「虚像」なのかもしれないと、思うことが大切なんだなと感じた。 この本を読んで、芦田愛菜氏の「信じる」にまつわるコメントを思い出した。この境地に弱冠16歳で辿り着いている彼女がすごい。 朝倉秋成、好きな作風だなと思ったので他の本も読んでみよう。
4投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログ単純におもしろかった。先が気になり、2日かからず読み終えた。秀逸なキャラクター設定と、練りに練られたプロット。先を予測しながら読んでいたが全く予想が当たらない、かつ筋が通っていていい意味で何度も騙された。久しぶりに時を忘れてページを手繰ることができた。
4投稿日: 2023.08.04
powered by ブクログ自分の見方がどれだけステレオタイプで単一的であるかを思い知らされた。 何度も自分の予想を裏切られる展開。
2投稿日: 2023.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
七人目になったつもりで読もうと意気込んだが、そういうことではなかった。 読前と読後では、この本の色自体も違って見える。 誰がとか何故とかそういうこと以上に、いろいろなことが見えてきて、明日からちょっと生き方かわる?とさえ思った。 伏線回収も鮮やかだった。
2投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ話題作でずっと読みたい作品が文庫化されやっと読むことができました。 期待を裏切らない作品でした。 面接される側、する側とどちらも経験してきましたが、一人一人をどのように評価するのか、時には表面化されたものだけで、判断しなくてはいけない時もありますよね。 疑いでもの事を観るのではなく、信じる気持ちでもの事を観るように、そして日頃から信じてもらえるような関係作りをしなければならないと感じました。 犯人が誰って事なんかより、後半の伏線回収が絶妙でした。
3投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ就職活動は、企業と学生の騙し合いという、皮肉も込めたストーリー。最後まで誰が犯人か分からずに、読み進める事ができた。
3投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ私の知り合いにも、どうしてそこまで純粋に人のことを信じ続けられるのかと不思議に思う人がいる。 この世の中で生き続ける限り、見たくないものや知りたくもないものは山のようにあり、その中で自分の中にあった純粋な心は荒んでいったように感じる。 それでもこの小説を読んで、そうやって荒んだ自分の心もまた月の裏側の一部分であり、見たくない、知りたくないと思っていた事実もまた、月の裏側の一部分であったのだと感じた。 信じていたものに裏切られることはとても辛いことだ。それでも、信じないという楽な道を“超越“して初めて、月の本来の美しさが見えてくるのではないだろうか。 そんなことを考えさせてくれる小説だった。
2投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前半のスピード感がよくて読むのがとまらなかった 6人の名前を覚えるのが大変だったけど最後はすごい感情移入した。 6人全員結局いい人でした!みたいな終わり方は個人的にちょっと疑問だった 話の流れは面白いけど
3投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログ何度も何度も騙されて、登場人物の印象がコロコロ変わる作品。全員が善良な人間でも極悪人でもなく、その両面を持ち合わせている。私はいつも誰かに対して、自分には合わないなと思ったら、もうそれっきり、急に作り笑いになって、投げやりな態度になって、関係が修復することはなかった。でもこの本を読んで、相手の一部分を見て全てを知った気になるのはやめようと思った。
5投稿日: 2023.07.31
powered by ブクログ読んでは『あれ…?』となって前のページに戻る。これを繰り返していた。 おもしろい。好きな本でした。
1投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログ主要人物が6人いるが、それぞれの個性がはっきりしていて読みやすかったし、展開のリズムもよかったです。 飲めない人へ無理やり飲ませてる場面はテンション下がったけど、最後に伏線回収されていてホッとしました。
4投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログとにかく、じれったくてつまらなかった。話があっち行ったりこっち行ったりするのでごちゃごちゃして、色々分かった頃には、興味が失せた。
5投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログ面白かった…!! でも個人的には少し読みにくさがあったかなあ。 読み終わるのに少し時間がかかった。 2転3転してく展開や、伏線回収。素晴らしかった! 人にオススメしたい1冊!
51投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログ就活生のリアルな悩みを含んだミステリー。 殺人などの類ではなく、誰もが持っている悪い感情がもたらす人のもつれ。 現代社会でありえそうなストーリーなので、就活生が読むとしんどくなりそう。 犯人が最後の方までわからなくて謎解きのワクワクはありました。
6投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログストーリーがとても良かった。就活という場をこういう形で表現できるのは、初めて読む感覚で新鮮で、何度も自分の想像を裏切られて、続きが気になり一気に読んだ。この作家の他の本をまた読みたいと思った。
2投稿日: 2023.07.28
powered by ブクログ人は、見たいものを見たいように見ている。 全てに裏と表はつきもの。 いい面もあれば悪い面もある。 人間は、都合よく他人や物事を見ているんだなぁと改めて感じた作品。 完璧にいい人なんていない。 完璧に悪い人もいない。 作者と同じ2011年の就活生より。
3投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログページをめくる手が止まらず1日で読み切りました。 結末が最後まで想像できず、本当に面白かった!! 数年前に経験した、就活独特の緊張感が懐かしかった笑 グルディスのシーンは、あのお互いが牽制しあってる感じがめちゃくちゃ生々しかった。 社会に出る前は自分もこうだったなぁ、、と思う場面が多く、大学生の頃の自分に対して少し恥ずかしい気持ちにもなりながら読んだ。 心理戦や想像しない展開がものすごく面白かったけど、この小説の1番のテーマは、「人の多面性」なのかなと感じた。 物語の中で人の多面性を、月の見え方例えていたところが印象的。事件が起きた時も、真相に向かっていく際も、何か新しい展開が起こる時は、いつも人の新しい面が見えた時だった。 人って色んな面があって、どんなに感じの良い人でも、愛せる部分もあればそうじゃない部分も必ずある。 登場人物それぞれの嫌な部分が出た時、嫌な奴じゃん、、って思ってしまったけど、いい面を知ることが出来ると、嫌な部分も含めて愛おしく感じた。 どんな時も人間関係って難しいし、合わない人っているけど、人の良い部分を見つけられるような、引き出せるような自分になりたいなと思った。
3投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログ断片的な情報で、物事や人物への印象を決めつけることの危険さを認識できる話でした。私は作中と同じ2011年に就職活動をしていたので「就活は全日本嘘つき大会だ!」と嘆いていた当時を思い出しました(笑)
4投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気に読めた。主人公がだんだん堕ちていく展開にゾワゾワ。個人的にはダークな終わり方の方が良かったような。
3投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログ小説序盤から感じていた少しの、だけど気にするほどではないモヤモヤとした違和感、最後に全てが合わさって全貌が浮かび上がってくる様が本当にあっぱれ。将来就活する際に絶対出会いたくない選考方法を知ることもできましたwww
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活を経験した人なら入り込めると思う。最後にどんでん返しというわけではなく、途中で犯人がわかってしまう。犯人がわかるまではワクワクしながら読んだがそのあとは少し惰性的。就活世代に特に楽しめる作品だと思う。
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気読み、見抜けなかった。 波多野さんの大学生時代の 腹黒大魔王も最後の送られなかった 手紙?告発文で回収された。 皆んないい人だった、と思いたい。
16投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログ就活の最終面接を題材にした小説。自分は職業柄、就活という就活はしていけど、妙にリアルでぞわぞわした。読み終えるまでに二転三転、事実だと思っていたことも登場人物への印象も変わっていく。人の真髄まで理解するのなんて不可能で、ましてやそれを面接の数分数時間で正しく選ぶなんてできないよなー。多くの人が腑に落ちる内容を面接という場面で具現化してて面白かった。【月の裏側は決して地球からは見えない】人に見えない、見せない部分はある。
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログ隠れた事実やどんでん返しなどがてんこ盛り。 予想できたものもあれば、種明かしをされて、「そう言われてみれば!」と読み返しに戻ることも多々。 読んでいる中で感じた細やかな違和感も見逃してはならなかったんだなぁと思う。 読み始めは爽やか、その後、不穏な気配から険悪、疑り、失望などの感情が渦巻き、それを覆す後半に判明する事実。 起きた出来事は一つでも、それには幾つもの面があり、見る角度によって真逆の印象になる。 しかし「ひどい事を思ってごめんなさい」と色々思い返しているところに、また…。 最後まで気が抜けない小説でした。 それにしても、今後の人生がかかっていると崖っぷちに立たされている気持ちで必死な就活生に対し、人事部がひど過ぎでは、と面接する側される側のギャップに呆然としつつ、採用なんて確かにそんなものかと思えてしまう現実が、救いようがなく辛い。。
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログ人生で一番小説を速く一気読みした自信がある それくらい読む手が止まらなかった この本を読むときは是非息継ぎせずに読んで欲しい
7投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ大学生の就活がこのようなミステリー&エンターテインメントになるとは想像だにしなかった。会社も学生も互いに化かし、化かされる就活。文中に出てくる就活に対しての疑念は経験者なら一度は感じたことがあるのではないだろうか。 人には複数の顔があり、表の顔は善人、裏の顔は悪人、立場や視点が変われば見え方も変わることがこの物語の軸となる。巻末の解説で著者の話の組み立て方が面白かった!
4投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ面白くて一気読みしました! ただ読み進めた先が想像と違ったので感想としては「若い人に刺さりそうかなぁ」という感じかな。 勝手にもっとドロッとしたものを想像していたのでこの程度なら可愛いなと思ってしまう。圧倒的共感と帯にあるけど、色々とそれは当たり前では?が勝ってしまった。あー、大人になってしもうた。
7投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログよかったです。 一冊の本のなかで、これだけ人物の印象が変わっていく体験はしたことがなかったと思います。 よくあるのは、いい人だと思ってたけど実は悪い人だったとか、その逆でどんでん返しみたいな展開。でもこの物語は語りの視点や時間経過によって、1人の見え方がものすごく変わるし、それも不自然ではないのが、繊細に巧妙にできているように感じます。 また、実際に同じ人でもいろんな面があることも気付かされました。 就活、という一種の混乱時期で、なんでも信じてしまうし、なにも信じられないし、ここで未来が決まってしまうという強迫観念のなかで繰り広げられるという舞台もまたリアリティ溢れます。 自身の就活時代を重ね合わせ、無邪気な一生懸命さ、未来へ抱いていた希望を、切なく思い出しました。 いまの自分は描いていた未来なのかと、突きつけられる目が覚めるような一冊です。
10投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログいやホントおもしろかった! 裏切られ方の心地良さは本当に見事で裏切らない! 登場人物の「月の裏側」に揺さぶられながらも 人をちゃんと信じるって悪くないなと着地できた
18投稿日: 2023.07.22
powered by ブクログ私の感想。面白い、というか好きです。 最近読んだ作品ではトップクラスです。 色々な要素が含まれていますし、何事にも裏があり、一部のことだけで判断するものではないと考えさせられました。 自分にも嘘をつくのに、簡単に人を疑うのもダメですね。
7投稿日: 2023.07.22
powered by ブクログ勝手に哀れんでました 読者が思っていたよりずっと強い精神で立ち直っていたんだね 中間くらいには本当に読むのやめようと思ったぐらいだったけど最後まで読んでよかった。 みんなも超越してみて
12投稿日: 2023.07.21
powered by ブクログ就活生だった私にとってGDは親近感のある作品だった。6人ひとりひとりを疑いながら最後まで犯人をさがすわくわく感があり、とても面白かった。
3投稿日: 2023.07.21
powered by ブクログ非常に読みやすく、かつ面白い。 物語としても十分面白い。そこは解説でも著者の言葉として書いてました。トリックとか謎解きありきではなくて物語として面白くないとっていうのにはとても共感します。 大学時代まともに就活しなかったので就活って大変だなあと思い知らされました。まともに就活してたらこれ読んでいたたまれない気持ちになったことでしょう。
9投稿日: 2023.07.20
powered by ブクログなんと面白い‼︎ ページをめくる手が止まらなさすぎて寝るまも惜しんで読んでしまった、没入感凄まじい‼︎ 就活を頭の悪いイベント、馬鹿げた儀式ってゆっちゃってるとこも、終わり方もむしろ清々しかった 事実に埋もれて真実を考える余地がなくなるの、そういうの少しでも意識して想像できる人でありたいな
4投稿日: 2023.07.20
powered by ブクログ面白くて1日で読了しました、、 もちろんミステリーとしてすごく面白いのですが、誰もが月のように表側と裏側を抱えてること。就職活動は表側ゲームであり、本質を見抜くことは不可能であること。それでもこのゲームを続けていかざるを得ないこと。裏側部分は見出しだけで全てを判断できないこと、裏側ゆえに表側を簡単に否定できないこと。 この辺が就活を題材にした作品だからこそ炙り出せれていて面白いと感じたのだと思います。
8投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』読了。 新興IT企業の奇を衒った採用試験で最終選考に残った6人の学生によるグループディスカッション中に"事件"が起き… 就活を題材にしたミステリがここまで面白くなるとは。。 帰りの電車で読み始め、気づけばその夜のうちに読了。頁をめくる手が止まらないというのは数年ぶり。作中と就活してた時期が近いだけに当時抱いた不条理への憤怒を反芻しつつも、それをただのパズルの道具でもなく、うまくエンタメにまとめ上げる作者の技量に感服。
12投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ面白かった、とても! 就活中の大学生6人は、業界リードIT企業の最終選考まで残ったのだ。 最終課題は6人のチームディスカッション。チームワークを審査し、全員内定もある、と説明されていたが…。 選考日の1週間位前に突如「内定枠は1名、6人の中で最も内定に相応しい人を議論してもらう」と通達される。 どんな本性が剥き出しになるか⁈と、ここまでは読者も想像することだろう。話が二転三転するとともに、人間性の見方も翻弄された。 樹海の羅針盤のようにクルクル回る私の心の針は、誰を応援すれば正解だったのか⁈ プロットも巧み
21投稿日: 2023.07.18
powered by ブクログ久しぶりのミステリーです。若者の就活事情を除き見たくて手に取りました。始まりから終わりまで、何度か騙されます。ん?あれれ?ん?あ、そういうことか、、、と毎度翻弄されながら、締め括りの余韻はしっかりと残りました。
3投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログ非常に良くできた物語だった。 人が一番取り繕う就活というテーマで 次々とそれぞれの過去が明らかになる。 最終選考に残った6人の中から内定者を一人だけ選ぶという最終課題はなかなか酷だと感じたが その課題を通して明らかになる人の醜さ、 特殊な状況下で得た一つの情報だけで 一気に心象が変化してしまう幼稚さ、 有り得ないのにリアルなところがまた惹き込まれる。 事件のその後を読むことによってしっかり伏線も回収される。 久しぶりにゆっくりじっくり読んだ一冊。 349ページ(文庫)
13投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログ塚本さんに、ミステリが読みたいと言ったら、薦めてくれた。 火車など時代背景の古い小説を読むこともあるので、今の時代の小説という鮮度を感じた。 よく練られた小説であった。一方、伏線が多すぎる小説でもあり、それに疲れることもあったが、よく六人を書き分けたものだと思った。 よく練られた割には以下、3点が気になった。 告発写真を1日で撮影して回った話だが、慶應大学の総合政策学部は、かなり遠いところにあるので、それを知っている人にとっては最初から、撮りきれるかな、と疑問が湧く場面だと思い、読みながら違和感があった。 スミノフのお酒じゃない、という人いるかな、と違和感あり。 九賀くんの犯行に至った経緯が、友人の優秀な川島を落としたスピラというキッカケに、今一つ感情移入できなかった。 とは言え、総合的に没頭できる作品であった。鈴木謙太郎くんに、これを読めと、自分の買ったコノ本をレターパックで送りつけた。23年7月。
3投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログ面白くてすぐに読み終えてしまった。 それが率直な感想である。 2011年私もこの頃就職活動をしていたが、恐ろしいほど同じように自分をよく見せようと繕っていた。いろいろな企業をみて、どの企業もキラキラして見えたし、誰もが同じように自分の武器を作っていた。 この作品は読んでいくうちに、登場人物のイメージが二転三転していく。私たちが生活していく中かで、表面に現れた情報だけで判断する。しかし、実際には全く異なる情報があるなんて事はよくあるだろう。だからこそ、自分でしっかりと検証し、評価していく。何事も1つの見方だけではなく、複数の見方をすることにより、表面からくる情報だけではないと思える。 この作品は就活を通してわからせてくれる作品であった。
18投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログロジカルモンスター爆誕じゃん、、 何度もやられた、面白くて何度も声漏れ出た。 タイトル通り、物語の中心は大学生で 全員同じ会社の最終選考に残った就活生。 目を瞑りたくなるくらいに青さ満載の就活生。 作中でも出てくる台詞ですが、 言葉悪いけど就活生ってキモいんですよ…………。 そんな新卒の就職活動も就活生も本当嫌気がさすし、 そんな自分自身もまさに7年前、それでしたね。 嘘しかつかない大学生と、 嘘しかみせない企業が対峙したところで ただの虚構の出来上がりでなんて事ないのに 人生のすべてが決まってしまうと思うやつ。 あぁ、あの就職活動の嫌なところ全部を ぶちかましてくるタイプのお話かと思ったら どんどん止まらないロジカル攻撃〜〜〜〜 怒濤の伏線お拾い芸〜〜〜〜 「騙される」というよりは、 自分がいかに見えてなかったというか ただ受ける言葉を右から左に流してたかと。 まさに月の表側と裏側みたいなお話でしたね最高!
12投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ人間は表裏一体、表の顔と裏の顔がある、という所を、就職活動を通して上手く描いている作品。 トリックやどんでん返しは確かにあるけど、この作品はそれがメインのところではなくて結局人間は一側面では測れませんよ、ということを伝えたい作品なんじゃないかなと思った。
5投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ様々な伏線がはられていて、最後の最後まで展開が読めなかった。自分も謎解きしながら読み進めて、楽しめた。就活だけではなく現代社会で起こり得る出来事で為になる。
7投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログおもしろかった!!週末に一気に読みました!! 終盤に色々な事実が明るみになるので、改めて読み直して、あぁこの部分は伏線だったのか…と気づき、またおもしろさを感じてました。 就活は十数年前の出来事でしたが、当時のことを冷静に振り返ると、おかしい部分もたくさんあるなと。私はもう就活はしないと思うけど、就活中の学生さんとかこれ読んだらどう思うかな… 集団面接では、面接官に対しては勿論のこと、一緒に受ける学生に対しても、自分は優秀なんだと見せつけるために、自分を誇張したり、自分は逸材と言い聞かせていたように思います。自分の強みとか、会社にどう貢献できるかとか、そんなのまだわからないよー!!!って思いながら、無理やり探して、たぶんそうだと言い聞かせたら、自分が本当にそんな人間に思えてきて。 封筒はそんな思い込みを払拭するようなものだなと。あなたは本当はそこまでの逸材じゃないでしょ、誰だって悪い部分があるでしょと。 ただ、悪い部分は一面であって、それは全てじゃないし、それだけでその人自身を判断できない。人に何かをアピールする時は善い面ばかりを主張する、人から非難される時は悪い面ばかりが強調される、だから実際の自分とのズレみたいのを感じるんだろう。バランスよく理解してもらいたいですよね。 一部は内容的に重い感じがありましたが、最後はみんなの善い感じが垣間見れたので良かったです。
5投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ読みやすく、読み終わった後もすっきりできた。 就活が舞台にはなっていたけど、人が人を判断する洞察力がテーマになっていた。 人は良くも悪くも多面性を持っていて、それを見極めるのは難しい。でもその努力はしていかなければいけないと思った。
4投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログ一気に読みました というか気になって一気に読んでしまうような構成です 最近の小説は技術的にも完成度が高くエンタメ性が豊かですねー もはや漫画とか映像が浮かんできるようなそんな疾走感がありました いい意味で途中であーかな、こーかな、を上手くいなしてくれる展開で最後まで楽しみました
10投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ漫画?というくらいに一日で一気読みしてしまいました。設定も面白く、常に先が気になる展開でした。 しっかり伏線が回収され、それぞれの考えも理にかなっていてしっかりとスッキリできた一冊でした。 一つの側面では語れないのが人間ですね。
3投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ就活における最終試験における、ある人物がとった行動が6人のその後の人生に影響を与えてしまう。 就活生と面接官、それぞれが役を演じてるかの様な日本の不思議な就活事情が書かれていて、自分が就活をしていた時のことを思い出しました。笑
9投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ伏線回収、謎の解明がとても綺麗で分かりやすく、爽快に読み終えました。普段読み終わった後は考察をネットで調べておさらいをするのですが、本編中で一つ一つ綺麗に解決されすぎていて、全く調べる必要もなく気持ちよく全てを理解できました。
6投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログとても読み応えのある小説でした。 推理小説はこの人が犯人だと話が面白いなと考えて読みました。ミスリードが多く何度か惑わされましたが、犯人を当てることが出来たのが出来て良かったです。 「この人が犯人だと思いましたよ」 犯人が決まった途端に、人々は口を揃えていう。 人の内面を少し知っただけでその人間の全てを理解したように振る舞う現代社会 人の裏側を一部知ったときと、詳しい背景を知ったときに、その人の評価が180度変わる部分は、面白くまた、恐ろしさを感じました。
4投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ一気読み。 張り巡らされた伏線。 伏線が回収された時の妙な納得感。 表面的な悪と見えない善を探す。 なんだかんだ皆いい人で良かった。
5投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ読むのが遅い私でも先が気になって一気読みだった 「犯人はこの人でしょ」と序盤で思った人から1度目のどんでん返しで「えっ」となり、ラスト直前「えーっ」となり、真のラストで「おおおーっ」と声が出た ミステリではあるが、心にささった苦い棘がある人には救いのある終わり方 過去に苦い思い出のある人、真面目すぎて生きづらさを抱えている人、読後感良いですよ
2投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ就職活動にはとても苦い思い出があり、さわりの部分では読むのを躊躇いましたが、話が進むにつれ無我夢中になり一気に読み終えました。登場人物に対する印象が二転三転とし、その都度いい人、悪い人のように振り分けしてしまっていました。月の例え「一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとない」は心に留めておく必要があるなと思いました。評価:★★★★★
2投稿日: 2023.07.13
powered by ブクログ予想を裏切り続ける展開だった。この本の間で人に対するイメージがころころ変わり、人の本来の姿とはわからないものなんだなと学ぶことができた
2投稿日: 2023.07.13
powered by ブクログ読み進めるごとに登場人物たちへの印象が二転三転し、他人をどう判断するかについて改めて考えさせられる物語でした。 思っていたよりも自分は他人に対して少ない情報だけで判断していたんだなと、終盤痛感しました。 ミステリーとしての伏線回収も違和感なく、読み終えて心地の良い気分になりました。
3投稿日: 2023.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2日で読了 読んでて何度も騙された!小さな伏線まで全部きれいに回収してくれた。自分がみているのは一部分で、他にいい面も悪い面も皆んなにある、当たり前だけど改めて気付かされた。実写もみたいし、この作者の他の作品も読んでみたい!
3投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大手IT企業の最終選考に残った6名の就活生。最終選考のグループディスカッションのテーマは「6人の中から内定者を1人選ぶ」こと。議論が進む中、発見された6つの封筒。そこには「〇〇は人殺し」といった告発文が入っていた。6人が抱える秘密を抱えた心理ゲーム。 とても面白くテンポも良く、すぐに読んでしまった。伏線も回収して色々と驚きを感じさせてくれた。 人の悪い面を見た時に良い面だった部分も悪くみえてしまう感覚がすごいわかる。 悪い面もその人の一部として考えて、良い面がなくなるようなことはないということも改めて考えさせられたし、その人全体を総合的に見れるように生きていきたいと思った。悪いところが一つもない人などこの世にはいないのだから。
5投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと読みたくて、やっと読めた。どんでん返しですごい面白かった。直近で就活してたからか、身近に感じて読むことができた。やっぱり面接とかで見せる自分は表であって誰しも裏の面を持っていて、、、それを評価する面接官は難しいなって思うし直感って大事になるよね。合格する人がその人が一番相応しいかなんて、本当のところなんて誰もわからない。そう思ってると就活で落ちて深く沈んだり、とかそういうことに対してそんなに落ち込む必要もなかったんだみたいな吹っ切れた気持ちにもなれた。後は、勝手に知った気になって思い込むことって怖いなとも考えさせられた。見えてることが真実とは限らないよね。 私はこういうどんでん返しみたいな展開で程よく伏線があるような話好きだなあ
5投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログずっと読みたかった本。ご褒美に購入。 読み終えるのはあっという間で、“分からない”まま進んでいくから、教えて!どういうこと!って知りたい欲を存分に刺激された。分かりそうなのに分からない。ハッと考えさせられたり、涙が出そうになったり、それで最後には鳥肌死ぬほど立たされる。「最後はどっちだと思う?」って読んだ人と話したくなる最高にエンターテイメントだった!
4投稿日: 2023.07.10
powered by ブクログあまりミステリを読んできているわけではないのだけれど、これほどまでに展開が二転三転して予想を裏切られる作品があるのか、という衝撃があった。のめり込むほどに面白かった。
4投稿日: 2023.07.10
powered by ブクログ就活を通して、会社、個人の表と裏が包み隠さず描かれていて、自分は7人目の大学生になって作品を味わえた。 事実を表面からだけ見て批判するのは怖い。その逆の面もしっかり書かれた終わり方で良かった。 しかし、7人目の自分にはどんな写真が出てくるのか?と想像して、作品世界に浸っている。
5投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログページをめくる手を止めることが出来なくなる面白さ。ミステリーとしての伏線回収も圧巻だったけれど、ただのエンタメ作品ではなくて、人間の本質を考えさせられる作品だった。 人間誰しも色々な側面を持っていて、傍から見えるのはほんの一面にすぎない。でも、その一面も確かにその人の一部で、見えていない側面が見えたことを簡単に裏切りと呼ぶべきでは無い。 頭ではそうわかっていても、私は、この小説を読んだ時、登場人物と同じように、次から次へと出てくる彼らの一面に振り回され、動揺を覚えた。きっと現実でも、知ったつもりになっていた人の見えてない側面が露呈すると、私はこの本を読んだ時と同じ感情に苛まれてしまう。 でも、それも人間の本質だと思う。そういう矛盾だらけの感情や側面と上手く付き合いながら生きていかなきゃ行けないのが私たちだ。 『月の裏側に大きなクレーターがあると知った途端に、まったく関係のなかったはずの表側に対する印象も書き換えてしまったのだ。』 他人の一面に惑わされないようにすべきだ、というのではなく、多面的であるからこそ私たちはどうしようもなく人間でいられる、そんなことをこの本から私は受け取った。
28投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ著名とされる企業に、GDを通して誰が選抜されるのか。就活を通してガクチカ、人格がいびつに変化してしまう集団心理がよく描かれる。 ただし、ミステリーとしてはややコクにかける。伏線回収にやや焦りが見られるというか。
2投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログこれは面白いです。登場人物の見え方が二転三転しました。短期間に人を評価する就活の難しさもよくわかります。
1投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった ミスリードも上手いし読みながらその人に対する自分の考え方が二転三転して、本当に人間って多面的で何も決めつけることはできないと思った
2投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ就活をテーマにした小説。SNSプラットフォームを手掛けるIT企業・スピラリンクスの最終選考でグループディスカッションをすることになった6人の就活生。ともに内定をもらおうと仲良くなったところ、人事から「採用方法変更」のお知らせを受ける。内定者は1人のみ、ふさわしい内定者をディスカッションで決めるというものだった。選考会場に置かれた「手紙」でそれぞれの悪事が暴露され、選考は不穏な空気に。物語は、当時の僕(波多野)と現代の彼らの回想を行き来しながら進む。 後半、語り手が嶌に変わるところから、一気に伏線回収し「真犯人」と「真相」が紐解かれていく。登場人物たちのインタビューを通じて、6人の印象が2転3転するところも面白い。表紙とあらすじから、人の闇を描いたもっと暗い話かと思ったが、いい意味で裏切られ、良い読後感だった。
1投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ当初ワンチームの就活生6人が突如ライバル関係になる。そこからの裏切りともいえる行為。 犯人は誰なのか。なぜそんなことをしたのか。 明るみになったとき、だいぶミスリードさせられていたと気付いた。 細かな伏線回収も見事。 もっとドロドロとしたストーリーを予想していたがそうではなく、むしろ読後感はスッキリ。 おすすめの一冊
19投稿日: 2023.07.07
powered by ブクログうすうす感じてはいたけど324ページにきたとき「怒濤の伏線回収」ってそういう意味か!これもつながるのか!と納得。 あらすじや帯を見てから小説を読んだので、ちょっと覚悟を決めて騙されないように細部まで読み進めたつもりだったけど、何度も驚かされた。おもしろかったです。
4投稿日: 2023.07.07
powered by ブクログ誰かがレビューで書いていましたが、この本の存在自体が「嘘」ではないかと。 読了後には、なんとなくその意味が分かりました。 「嘘」と言っても、悪い嘘、良い嘘、どうしようもなくついた嘘など種類がありますね。 そんな「嘘」によって、読者は見事に騙されるわけです。 帯にある通り「ただのミステリではない」ですね。 確かにミステリ要素はありますし、なかなか楽しめました。 しかし、この本の真髄は、「人の一面だけを知ったからといって、その人の評価は決まらないし、決めてはいけない。」ということのような気がします。 人には色んな側面があって当たり前です。 自分にとって良い人、悪い人、付き合いたい人、付き合いにくい人。 周りの人をもっと俯瞰で見ることができたら、また違った人付き合いができると思いました。
3投稿日: 2023.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就活の話ってことで朝井リョウさんの何者を想像しながら読んだし笑、実際、最初のうちは同じ空気感を感じていたけれど・・ 読み終わってみると人間模様というよりはエンターテイメントだった。個々に対するイメージも、物語全体に対する印象すら、ことあるごとにコロコロと変わって・・本当、ヒトって自分が見たいようにしかものが見えないのなーって自戒を込めて笑 最初のうちは普通にベタな展開。信頼していた仲間の秘密が、仲間の誰かによって暴露され、人間性を疑い始める6人、月の裏側と同じで裏にはなにがあるかはわからない・・たぶん物語がこういう流れに持っていかれるのは、読者みんな想定内と思う。 唯一合格したインタビュアーは誰なのか?病で亡くなった「犯人」は誰なのか? 同時進行で考えながら読み進めていったけど・・ えっ!「犯人」がハタノ!?まじ?ってそれはもう亡くなっているってことであり、わかった時大きい声出してびっくりしてしまった。 哀しいことに、私の中でハタノは、信じてた仲間に裏切られ、犯人の汚名を着せられ、就活に失敗してしまった若者、になってしまった。さらに8年も経っているとは言え、亡くなってしまった事実がとても大きくて。 もう一つ驚いたところはシマさんが黒幕ではなかったこと。挙動不審で不安そうにしていた理由が、大きなやばいヒミツがバレる恐れではなく、なにも心当たりがなく何かわからないから、だったこと。うまいこと犯人っぽい感じになって騙されてしまった。。 胸に手を当てて考えれば、自分の悪事くらい何かわかる。でも何もないのに暴露されるというなら・・一体自分の、何が暴露されるようなことなのか?確かにその方が不安は大きいかも。 一番好きだったのは、ラストの2箇所。 ハタノは就活に失敗して半年くらい死人のようになっていたけど、自分で5人の仲間のネタの真実を調べて、人を信じる方へ舵を切ったこと。留年はしたけれど結果的には大手の企業に就職して、前向きに生きていたこと。「就活に敗れた末に病死してしまった哀しい人生」と決めつけてた自分がちょっと恥ずかしかった。みんなもそれぞれに、就活の時期が異常だったと気付けていたことも良かった(インタビューはそれぞれの人間性がやっぱりあまり誉められたものじゃないって方向へ作用していたけど、実際は本音だよね) それと最後にみつかったスピラの人事宛の封書。 いろいろあったけどその後は前向きに生きたハタノだって、いつも振り子のように揺れている。その証拠ってことで、私は全然ショックじゃなかった。これをいちばん最後に持ってきた作者の意図は、なんだろうな?とは思ったけど。 これこそが小説で読むことの醍醐味とは思うけど、シマさんの足が不自由であることに気づいているかいないか、その効果。矢代さんが優先席にどっかりと座ったこと、九賀が優先エリアに車を停めたこと、知るか知らないかで全然物の見え方が違って。あの時は私も「うわー私ならやらない」って思っちゃったもんなぁ。 ウェルチのこと、九賀がハタノをトイレに呼び出したところの結末、森久保が小さいメモを握りつぶしたのを見たこと、細かい点はあれ?って思ったところたくさんあったんだけどなー!
7投稿日: 2023.07.06
powered by ブクログ思っていたのとは違うなぁというのが率直な感想だ。 ミステリーばかり読んでいるせいか、冒頭から人を疑い、ディスカッション中も人を疑い。最後のページ、最後の行まで人を疑う事をもはや使命の様に思っている僕にとって、この小説はとても爽やかで、清々しい作品だ。タイトルから先入観を持ち、終盤に至るまで恐ろしいミステリー、サイコパス系の作品を予測していた僕はある意味浄化された想いだ。 物語は登場人物の目線と、当時を振り返るインタビュー形式で進行していく。 有名IT企業の最終選考に残った学生達の物語。チームディスカッションを通じて全員が採用される可能性から1名のみの選考に切り替わり、チームディスカッション当日、それぞれの過去の罪を暴露する封筒が持ち込まれ様々な嘘、心理戦が繰り広げられる。 巻末にある程心理戦の様相はないが、一番のテーマは「嘘」であり、登場人物のみならず、この小説自体が嘘の塊の様な作品であり(笑)(小説版の背表紙や帯コメント、果ては表紙の学生達の雰囲気等、明らかに凄惨なミステリーに見せようとしている)確かにまんまと騙されてしまう。 作中の様々な偽装についてはとても丁寧で、ラスト、真相が明らかになっていくなかで違和感なく全てをひっくり返している。一部、やりすぎかなとなる部分もあるが、学生時代を考えればこんなものだろうと納得できる。また、作者は学生のリクルートに気持ち悪さがある様で、学生側、企業側それぞれの腑に落ちない部分を描写している。僕は現在学生ではないが、社会に出て生きていく上での本質はこの気持ち悪さを乗り越えてからにあり、「運も実力」というのは、出会いやタイミングや様々な環境が作用しての事だと思っている。彼らが人生にて経験した内容は明らかに人間としての経験値になっており、真相をしり、清々しいと表現したのはこういったバックボーンが読者にも伝わっているからだろう。 途中から語り手の切り替えが発生しているが、リレーがうまく、すんなりと読み進める事ができた。(章分けされたイメージだ)。これはある意味叙述トリックを使用していると思うのが作品の印象にあうが、単純に良い人と見せかけて悪い人、悪い人と見せかけて良い人といった一辺倒ではなく、語り手と一緒に読者も上手に振り回してくれる。 それにしても、コクがあるのにだいぶさっぱりとした作品だ。個人的に冒頭で述べたような嫌な作品を読みたい気分で手に取ったのだが。 それでもとても面白く余韻を感じた作品だ。
5投稿日: 2023.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人は誰しも心に『封筒』を持っている。それを見られないように、見えないように過ごしている。まるでそれを見られたら、自分の評価が180度変わってしまうかのように。 しかし、完全なる善人は存在しないことはどう考えてもわかる。誰しも後ろめたいことの1つや2つ存在するのは当たり前だ。そういうふうに思うことができれば、この先自分の『封筒』を隠すことに固執しなくて済むのかもしれない。
7投稿日: 2023.07.05
powered by ブクログ見えてる部分でしか人を評価する事なんてできないし見えてる部分も見る人によって変わる。同じ言動でも見方によって印象も違うから何が正しいなんて本当は判断できないはずなのに白か黒かに決めないと納得できないわたしたち。登場人物の印象が変わる度にこの人達のことを何にも知らないのだと感じると同時に自分の事がいちばん信じられないとも思った。
3投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
就職の為、力を合わせ纏まっていく大学生たちが一転、犯人の思惑により蹴落とし合いに変わっていく。それまでは微笑ましく応援したくなる気持ちだったが、暗い展開へ。 自分が予想していた犯人も、次々ひっくり返される。 各人の闇の部分が暴露され、嫌な面ばかりが現れる。 人の評価がその一面ではない、そこだけでその人全てを決めつけてはいけない。嶌さんの行動と共に自分の普段の視点にも気付かされる。 中々思っていても、思い込みや先入観で苦手な人、嫌いな人を決めつけてしまっている自分がいる。良いところがあるのは分かっているのにね。誰しも完璧な人などいないのだから。時々無自覚になってしまう感覚を思い起こされた。 嶌さんの気持ちと共に話も浮き沈みするけど、最後は浅倉秋成さんの作品らしく、皮肉も効いたが気持ち良い終わりに感じた。
17投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログ数年前に就活をした身として身近に感じられるかなぁと思い読んでみました。 小説といえど、流石にありえないと思ってしまい、、
5投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログ面白い。これは自信をもって他人におすすめできる作品だとおもう。 単純なミステリーとしてもクオリティが高いし、かといってトリックがあーだこーだの理論尽くしのお話じゃなくて、ちゃんと「人間」がえがかれていたのがよかったとおもう。 6人でお互いを疑いあう感じは『人狼ゲーム』よろしく緊張感があってよかった。また就活生の就職に関する切実な悩みは読みながらとても共感できた。 いまのこのご時世、「6人で話し合って一人の内定者を決めろ!」なんて面接があったら間違いなく炎上するだろうけど、そのへんはフィクションってことで。 とにかく、とても楽しんで読めました。 というわけで文句なしに☆5つ!
2投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログこれは素直に面白かった。多少無理矢理なところもないことはないけれどもキチンとしたミステリーだった。伏線がメインではなく、それぞれの人間性もしっかりと書かれていて読みがいもあった。読み手側の心理を心得ている。就活が控えている学生にはよい勉強になるのでは、と思ったり。
13投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かったー 就活あるあるがリアルすぎる…本当に本当にそうなのよ… 就活生はみんな嘘つきで、嘘で塗り固められてて、嘘に嘘を重ねすぎて、その嘘が本当の話であるかのように思えてきちゃうの、、
3投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログ結構な話題になっていた今作、文庫化されたので購入、読了した。結論から言えば納得の面白さだった。ミステリとしてのロジックも伏線の回収も無理なく納得できた。以下ネタバレあると思われます、注意して進んでください。 2011年の就職活動における大学生と、2019年の社会人となった彼等、かつての就職活動におけるグループ討論における怪事件の経緯と解決が本筋となってる。今作は自分のようなオジサン世代より、現代の就職活動を経験した若い人たちにはかなり刺さる内容だと思う。いかんせん就活の細部はオジサン世代にはピンとこないことばかりであった。 にしても、二人の主人公(あえて二人とする)の心象は大いに感情移入に足るし、その他の人物にも悪しき部分でなく善き部分も見いだせる造詣であった。犯人の人物でさえ個人的には、動機の部分で共鳴できる気持ちがあった。 とまあ、初読みの作家さんであり今後も上梓が楽しみである。解説にあったが当人は「メンドくさい」人らしい、ミステリ業界においては好ましい評価ではなかろうか?タイトルの意味も最後に反転されていて、いわば「6人の○○な大学生」なのだろう。
10投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログタイトルの伏線回収の気持ちよさ。一般的な推理小説はいわゆる推理パートという事件が起こり謎が散りばめられるパートの後、名探偵が現れまるで真っ暗な部屋の照明をいきなり点灯させるように真相を明らかにしていく。ただしこの少し変わった小説ではその限りではない。本作では情報が小出しにされていき、徐々に起こったことの全体像が明らかになっていく。まるでボヤけていた視界がだんだんとクリアになっていくかのような感覚である。作者の技術が一番光るのはその小出しにされていく情報の順序、出し方だと感じる。6人の登場人物の"嘘"が順番に開示されていくことで知らずのうちに作者に彼らに対する感情をコントロールされている。それは主人公の心情とリンクしていて、主人公と同じように彼らに疑念を抱くことで没入感はさらに深まる。思うに、作者は俯瞰的視点に非常に長けた人なのだろう。読後に一つのアトラクションに乗ったような満足感を是非体験してほしい。
5投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログ就活なんて何枚もの仮面の被りあい。懐かしい(笑) 最終的に誰を選考するのかを、就活生に決めさせる選考は斬新だが、そんな責任転換するような会社どんなに一流企業でも無いわぁ…… 封筒トリックを考え、実行できる九賀くんは優秀! 嶌さんの封筒の中が何か本人も心あたりがないと最後まで気になる展開でしたが、1番驚きの内容!すぐに検討つくと思う(笑) 人間、誰でも大なり小なり黒い部分はあるもの。真相はみんないい人で良かったかな
27投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログ就活にかかるミステリー。 物語は2部に分かれている。 一部は就活最終試験のグループディスカッション。 もう一部は、その10年後、めでたく憧れの企業、スピラリンクスに入社した人物の物語だ。 2部の終わり方は、就活生にとっては希望かもしれない。 物語としては、ちょっと唐突感はあるけれど。 仕事をしていると、「面接で何がわかるんだろう」そんな気にさせられる。 我が社にはとんでもないトラブルメーカーが入社しており、入社時の面接記録が大して悪い評価でもなかったことに驚いた(だから入社しているのだが)。 そんなもんだ、と思ってしまえば気は楽になるだろうか。 努力をしても結局は偶然の産物といえば失望するだろうか。 もちろん偶然の確率を上げることはできても、たまたま、その時採用したい人物像でなかった、そんなこともあるのだ(私も巡り巡ってそんな自分の評価を聞いたことがある)。 就活したのはすでにだいぶ前、だがあの時の選ばれない苦しみを思い出すと少し苦しい。 本書は前半ではあんな事件を起こしたのは誰か、後半ではその動機に焦点を当てている。 本書を通して感じたのは人は一つの事実だけで何かを決めつけられるほど単純でないということ。 切り取られた姿、それは自分の確かに一部ではあるけれど、全てではない。 そのことが、誰かの苦しみや悲しみを少し取り除けるようなら、きっと作者も本望だろう。
16投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初の設定が方舟の逆みたいな。。 途中ミステリなんかどうなんかわからない状況で、 伏線っていわれるものがないような気がしたままコロコロ状況が変化、 進撃の巨人の最後らへんの敵と味方がコロコロ変わる感じで。 最後ほぼ全部綺麗にひっくり返して終わったのは気持ちいいかも。
4投稿日: 2023.07.02
