Reader Store
裏庭(新潮文庫)
裏庭(新潮文庫)
梨木香歩/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

457件)
3.8
116
138
120
33
10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を読んで作品世界に惹かれ、その流れで手に取った『裏庭』は、家族との関わりや自分の心を大切にすることの意味を深く考えさせてくれる物語でした。 読みやすさの中に心の奥に触れる言葉があり、現実での気づきへとつながっていく点に強く感銘を受け、主人公が異世界での体験を通して心の傷と向き合い、生きることや志を持つことの大切さを学んでいく姿は、私自身が日常で抱える葛藤や孤独と重なり合いました。 その過程で、子どもにどう向き合うか、愛情をどう注ぐかということを改めて考えさせられ、しっかりと心に寄り添い向き合うことが成長を支える大切な姿勢であると気づかされました。 梨木さんの作品は単なるファンタジーにとどまらず、現実の生き方や人との関わり方を問いかけてくる力を持っており、『裏庭』を読み終えた今、心の奥にある「裏庭」をどう耕していくか、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけとなりました。

    0
    投稿日: 2025.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://opac.shigakukan.ac.jp/opac/volume/123783

    0
    投稿日: 2025.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでいると夢の中にいるような感覚になる。 ファンタジーだけど楽しい物語ではなく、「傷」や「死」、「家庭問題」がテーマとなっていて重く哀しい話。自分の心と向き合うきっかけになる小説だった。

    0
    投稿日: 2025.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バーンズ邸の鏡から「裏庭」に抜ける照美はその世界を救うための冒険に出る。一方、バーンズ邸の庭の池からは謎の遺体が。 ------------ 以前読んだのですがすっかり内容を忘れてしまい、以前オンラインで書き溜めていた読書感想文が喪失したこともあり、再読です。 異世界と現世で同時進行するお話ですが、ちょっと乗り切れませんでした。全般的に好きな梨木さんのお話ですが、時々乗り切れなくなる作品があります。 しかしテーマ的には心に残る深い傷から各々がどう回復に向かっていくか、という重めの作品で、主人公が最後に向き合った心の傷にはグッときました。

    18
    投稿日: 2025.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生の頃、母に買い与えられて読み始めたが、ファンタジーの世界観に入り込めず断念。中高大と読む機会があったが、やはり理解出来ず、読みきれなかった。社会人になった今、改めて読んでみると、これはファンタジーでは無かったなと気がつきました。なんだかいつも側にいてくれた本として、私はとても好きです。

    0
    投稿日: 2025.08.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供のころ好きだった児童文学の感じがする。 裏庭好きな人、君たちはどう生きるか(ジブリ)好きそう。

    1
    投稿日: 2025.05.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    洋館の裏庭から自分の心を取り戻すような旅に出る照美。 今でいう異世界に迷い込むような事なのかな?自分自身の心と向き合って、本当の自分を取り戻すような。 読んでいて不思議な気分になったけど、ラストは今までのもやもやがスッキリ晴れたし、ホッとした。

    0
    投稿日: 2025.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔、外国人の別荘として使われていたバーンズ屋敷。 そんなバーンズ屋敷も今ではすっかり廃墟と化し、庭も荒れ放題だ。 子供たちにとっては絶好の遊び場だが。 照美はジョージおじいさんから、バーンズ屋敷の不思議な裏庭の話を聞く。 裏庭には、屋敷の大鏡を通り抜けていかないと辿り着けず、裏庭に自在に行き来出来るようになると死に近付くという。 照美はその裏庭の世界に迷いこんでしまう。 喪失感を抱えた親子(さっちゃん・照美)が、照美は裏庭の世界で、母親・さっちゃんは現実の世界で、それぞれ生死と向かい合い、受け止め、乗り越える物語…かな? ほぼほぼ予感はしてたけど…う~ん(;つД`) これは私には合わなかった~。 ファンタジーの世界に素直に入り込めなかった~~。

    34
    投稿日: 2025.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ☆4.0 再読。 こんなに愛しく哀しいお話だっただろうかと思いながら読んだ。 昔読んだ時より重ねてきた時間がそう思わせるのかも。 手を取って優しく引いてくれることはないけれど、必ずそこで待っていてくれている。 ちょっとだけ寂しい、でも微笑んでしまう。 そんな作品。

    0
    投稿日: 2025.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    20年くらい前に読んで衝撃を受けた作品 本の世界に没入するという体験を初めてした作品でもあります。 主人公の照美の近所にある 丘の麓のバーンズ屋敷 お化け屋敷とも呼ばれるそこは 子どもの頃の大人に怒られるかもしれないけど 行ってみたいという 子どもの好奇心をくすぐるような不思議な場所 照美のお父さんもお母さんも 実は小さい頃にそこで遊んでいたり 近所に住む友達のおじいちゃんから そこの屋敷にまつわる話を色々聞いたり 近所ではあるけど 日常ではないそこがミステリアスで なんともいえない魅力を放っています。 バーンズ屋敷に関わる"裏庭" 照美はそこに足を踏み入れていく 20年越しに読んでも感じ方は変わらなく 最後までとても面白く読む事が出来ました。

    1
    投稿日: 2025.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    半分まで頑張って読んだけど、相性の問題なのか、読解力の問題なのか、何を言ってるのか意味不明。 ギブアップします。

    0
    投稿日: 2025.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    特に印象深い言葉は 「自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を品評する方が遥かに楽だもんな」 SNSで多く見かける批判の中にはこうした感情の裏返しの面があると思った。 自分の傷と正面から向き合う主人公の照美との旅の中で勇気をもらえるような本でした。

    1
    投稿日: 2025.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今の自分に置き換えて、生きるヒントをいただいたような、少し救われたような気持ちになった。 私は、傷を恐れ、支配されてしまいがちなので、読み進めるたびに反省...。鎧を着ても、傷は治らないんだよなぁ。 裏庭を冒険する照美ちゃんの姿を見て、勇気が湧いた。 実は高校生くらいの時に読んだけれど、その時はなんとなく世界観がイメージしにくかった。大人になって、やっと面白さがわかるようになった。 今出会えてよかったと思える作品でした。

    1
    投稿日: 2024.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    "西の魔女が死んだ"を中学生の時に読んで好きだったので、同著の本を見つけて読んでみた。 あれよりも格段にファンタジー色が強くて、海外児童書のファンタジーが好きな人は好きだと思う。 雰囲気としてはミヒャエルエンデのモモとかに近いかなと思った。 分かるような分からないような、ポエティックな感じ。 雰囲気は好きだったんだけど、メタファーや意味するところが分からない箇所が多くて、そこは少し難しく感じてしまった… もうちょっと集中して読むべきだったのか、感受性が鈍っているのか… 物語が進むにつれてテルミィや周りのキャラクターたちが自分の傷や醜い感情なんかと向き合い、わかり合っていくのはいかにもジュブナイル小説という感じで、最後はうるうるきてしまった。 読み解くのは確かに難しい部分もあったけど、読み返すほど、味がする本なのかも

    1
    投稿日: 2024.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとなく「西の魔女が死んだ」のような雰囲気を想像して読み始めたら、がっつりファンタジーだった。 自分はファンタジー苦手ですが、考えさせられる部分はたくさんありました。

    0
    投稿日: 2024.10.17
  • 子供が主人公のファンタジーはやめたら?

    梨木さんの小説が好きで買ったけどこれはハズレ。 ファンタジーの世界の冒険がミヒャエル・エンデやラルフ・イーザウに慣れた目にはとにかくダルい。途中で面倒くさくなって飛ばした。巻末に絶賛する解説がついてたけど、「梨木さんのものならなんでも良く見えるファン」なんじゃないかと勘ぐってしまった。

    0
    投稿日: 2024.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    #41奈良県立図書情報館ビブリオバトル「ファッション」で紹介された本です。 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=851203474894095&id=100064420642477 2014.5.17 併せてブックカバーコレクション2014を開催。 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=851199208227855&id=100064420642477

    0
    投稿日: 2024.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み始めてから、ファンタジー小説という事を知ったけど、終盤近くの文章は、純文学のような印象を受けるところがありました。あのちょっとわかるような、よくわかんないような、独特の感じは結構好きだった。 心の中にあって、けど自分でも気が付かない、傷のようなものとの対面から、アイデンティティを再構築するような描写は、読んだ後、自分の事をよく考えて、もう少し大切にしようかな、という気になった(ちょっとだけだけど)。 伏線がいつくかあって、だんだんと回収されていく所辺りから、読み応えが増す感じ。 レイチェルとジョージが裏庭に行くところで終わって、それをどう理解したらいいのか…としばらく考えたけど、これは理解とかじゃなくて、私の想像力の無さから来る疑問なんだろうな、ということで納得。 タイトルだけで選んだけど、いい読書体験でした。

    2
    投稿日: 2024.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    その日はしとしとと、音もなく小雨の降る日で、ほら、そんな日は人と人との距離がとても短くなるものだ。気を付けなければならない。(本文より)

    0
    投稿日: 2024.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    秘密の花園とか、ふしぎの国のアリスとか、そういったものを感じさせるのだけど、でも、全体を通してずーんと重めのテーマが流れている。 心に傷を負ったりすることって大なり小なりそれぞれみんな体験することだとは思うんだけど、そういった部分にこうぐいぐいとさしこんでくる何かがある。 生と死の世界、親子の問題、心の傷との向き合い方… しばらく我が本棚に積んであって読むタイミングを待っていた作品なのだけれど、今回読んでみてほんとに良かった。 夜寝る前に読み始めてから、次の日の午前中にかけて一気読みの1冊でした。 河合隼雄さんの解説は個人的にかなりテンションあがりました

    7
    投稿日: 2024.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『西の魔女が死んだ』が良かったので読んでみました。 前半は読めましたが、後半は展開についていけず、振り落とされた感じでした。 物語の中で次々と起こる現象に、何らかの意味がありそうな伏線を感じつつ読み進めて、回収されるものもあれば、そのまま流れていってしまうものもあって、なかなか入り込めないまま読み終わりました。

    1
    投稿日: 2024.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    静かに沁み渡るような、そんなお話でした。 誰もが密かに抱える、苦しみ、悲しみ、それらをどうやって乗り越えていくのか。 誰もが裏庭の主人であり、自分の世界を作り上げていく。 傷付いた心と向き合う行為を丁寧に描いたお話だと思いました。

    2
    投稿日: 2024.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今だから沁みるのかも。 と読了するたびに思う。 手にし目を通し沁み入るタイミングは人によりけり。 本に呼ばれたら気になったら、入ってみる。 自分にとって違う世界の扉が開く好機になる、とその都度、思う。 (2017/01/04)

    2
    投稿日: 2024.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    梨木香歩さん。 けっこう打率の高い作家さんです。 「家守奇譚」☆5 「冬虫夏草」☆4 「西の魔女が死んだ」☆3 「村田エフェンディ滞土録」☆4 安定の4打数4安打。内1ホームラン。 これはもうまちがいありません。鉄板でしょう♪ タイトルだけ見てブックオフで購入しました。 しばらく寝かせておいた1冊です。 アカーン_| ̄|○ダメヤコレ 児童文学ファンタジーでした。 合わない。 合わないという言葉は便利なもので、本当はクソだなとか、クズだなとか、ハナクソだなとか、思っていても、でもあれだよなー、きっと好きな人もいるんだろうからいくら個人の感想つってもそんなに正直に辛辣には書けないよなぁ、なんてときに非常に便利な言葉で、今までけっこう多用してきたんですが、今回は本当の意味で合わない。 右打席立つつもりが間違って左打席に立ったみたいな。 主人公は13歳の少女。 きっと現役の少女とか、昔少女だったとか、昔々少女だったとか、昔々のその昔に少女だった片鱗がかすかに残っている気がするとか、そういう方々には刺さる何かがあると思う。 しかし当方、残念ながら身の内のどこをどう探しても13歳の少女は出てこなかった。 読んでる間、これはアレだなと思った。 ちょい和風な「不思議の国のアリス」に「オズの魔法使い」を混ぜ合わせて、「思い出のマーニー」(ジブリ版)をソースにして上からかけたような。 そんな読後感。 一九九五年第一回児童文学ファンタジー大賞受賞作だそうです。 合わないってだけで特に文句はないんですが、あえていうなら、「意外と登場人物多くね? 相関図も欲しくね? なのに人物紹介みたいなのまったくなーい」ってことくらいですかね。 あ、あとね。 少女の頃の魂をどっかに保持したままで、人生をまっとうに頑張って生きてきたおばあちゃんたちは格好良いですな。 これからは本を買うときはあらすじくらい見てから買うことにしようかな。うん。

    44
    投稿日: 2024.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    死ぬ事。家族が死ぬ事、感情が死ぬ事。それを、どうやって受け入れて、どうやって生きて行くのか。他人の様子を伺っている少女の照美の感情と、成長と共に、両親や周りの人たちの様々な関係性にいろんな形が与えられる。裏庭での見事なファンタジー世界観の広がりと、細やかな心理描写で、少女の心の内を描く大作でした。 中学生くらいの頃に、同著者の『この庭に 黒いミンクの話』を読んで、実は『裏庭』の続きだったらしく読もう読もうと思っててやっと読んだ……んだけど、読んでから調べたら別の作品『ミケルの庭』の続きだったらしい。庭違い……。

    1
    投稿日: 2024.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    途中挫折してしまいそうな箇所も多かったが、時間をかけて読み終わった。 結構グロテスクな描写もあったけど、自分自身の心の傷と向き合う、その大変さと苦しさを物語で表現するとああいうふうになるんだろうな、と思った。 自分自身の傷も顧みて、向き合っていきたい。傷と向き合うことはすごく辛いことだけど、向き合った先に希望を見出せるような、そんな作品 なんとなくジブリの作画を思い浮かべながら読み進めていた

    0
    投稿日: 2023.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中学時代に読んだ本。 梨木さんの「西の魔女が死んだ」を読み、 他の作品にも興味を持ち、購入。 家族旅行の際に、この本を持っていき、夜ホテルで読み始めたら先が気になり、ページを捲る手が止まらなくなり、ほぼ徹夜をして読んでしまったことを今でも覚えています。 学生時代の私に良い読書体験をもたらしてくれた、かけがえのない作品です。 近々、再読したいです。

    7
    投稿日: 2023.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    学生時代に挫折したのですが社会人になり完読できました。 学生の頃とは違い、テルミィを我が子のように見守りながら読みました。 ショッキングなシーンもありましたが、それ以降のシーンで救いもあり、最後には一緒に冒険をしたかのような読後感がありました。 梨木香歩さんの他の作品と少しテイストが違い普段読みなれないブラックファンタジー?な世界観なのと、時代や世界、語り部が交差するので少し読みづらかったです。

    1
    投稿日: 2023.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     梨木香歩「裏庭」、1996.11刊行、2001.1文庫、405頁。読んだ方は多いし、梨木さんだし、3日かけて何とか読んできましたが、残念ながら100頁で失速、ついていけませんでした。

    1
    投稿日: 2023.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の中の庭をどう育み、生きていくのか。 少女が自分の心の中にある家族へのわだかまりや罪悪感を抱きしめられる強さを得るためには、こんなにもしんどい試練を受けなきゃいけないのかと。何度も涙したし、一生読み続けたい大作。

    1
    投稿日: 2023.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    裏庭の複雑な地形の描写、たくさんの登場人物のバックグラウンド、伏線が細かく書かれた作品でした。冒険の終盤に差し掛かって裏庭の世界が、住人が複雑にかつ抽象的に(まさにファンタジーに)描かれてるところから必死に頭の中で想像しながら読んでましたが、結局理解が乏しく最後はフワッとしたまま読み終わってしまいました。

    2
    投稿日: 2023.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ファンタジー部分の登場人物とか展開とか結末が突拍子もなくて理解しにくく、現実との関係も分かりにくいかったので。、

    3
    投稿日: 2023.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    壮大な奥深いファンタジー 裏庭はバックヤードなのかガーデンなのか 小さな伏線がたくさん織り込まれている 「傷」はひとつじゃないし、誰もが皆傷ついているのだと感じた 傷ついていることに気がつかないほどに。 あたりまえのことだけれど今更ながらに思い出す一冊 傷を恐れるな 傷に支配されるな 傷を大事に育んでいけ

    1
    投稿日: 2023.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本を読むときは 想像力を3倍にして 世界を3倍にひろげて 中学生だか小学生だか、読んだ時の 感覚が忘れられないから もう一度読みたい本 でも、この本の世界は少し 掴みどころがなくて 置いていかれそうで 足をまた踏み入れるのが怖い 勇気が出たら、また読むね

    2
    投稿日: 2023.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    以前から、こういう冒険の話を探していた。 少しメルヘンチックでどこか歪にも感じられる裏庭の世界の描写がすごく好きだった。

    1
    投稿日: 2023.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生か中学生の読書感想文を書く時に、読んだ記憶。 この本で梨木香歩さんと出会って、ほかの本も探すようになった。 また読み返したい。

    1
    投稿日: 2023.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【2022年90冊目】 ファンタジーやSFを読まないので、話の中に自分を持っていくのになかなか苦労しました。裏庭と表の世界でフォントが変わるため、わかりやすくてよかったですが、話の視点が時折ころりと変わるので違和感を感じたりもしました。 文字で読むよりも映像化した方が良いかも、と思ったのとストーリーのボリュームが大きいのに描写が少なくて、イマイチ頭の中で映像化できないなという感想を抱きました。 絵本とかなら良いかも。

    1
    投稿日: 2022.12.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなに生死について書いてる本だとは 読み返しって大事だなあ こんなにも印象が変わる、あの時は子供だったけど 旅が終わってまで親がびびるなんて、きつかったけど、この現実を自分の中に入れて生きていくんだなこの子はと 母親が知らなかった寛大さ、愛情の表し方を知ってるんだな 西の魔女が死んだも3代の女性のお話でしたよね…? 梨木香歩ってすごいんだなあ 照美の感情(環状)がごちゃ混ぜで、だからこそ私も一緒に旅をした実感があるのだと思う、結末を全て納得できるのだと思う 描き方がすごいってことなのね ファンタジーや児童文学でこそ人生で大切なことって実感して学べる気がするな、私の場合は とゆうか育っていない子供の部分を今さら児童文学で学んでいる感じかもな あとどうしても千と千尋を思い出してしまう…この日本人のDNAが… 裏庭好きだって言ってた大学の同級生を思い出す

    1
    投稿日: 2022.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても内容の深いファンタジー、読むのに時間がかかってしまった。一度読んだだけで理解するのは私の想像力では難しかった。映像化されたものを観てみたい。 時間をおいて読み返したら次はどう感じるかな…

    1
    投稿日: 2022.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    エピローグで全部持ってかれた。 裏庭 家庭 バックヤードこそ本質 本質に飛び込む勇気 自分が自分であるために自分の傷を見て生きることそしてその傷に触れるとしんどいから見て見ぬ振りしてる 裏庭家庭に必要なのは、いままでとちゃう新しい茶かもしれない 抽象的な文章で読むのしんどかったけど、最後とてもよかったっすね 裏庭278p 薬つけて、表面だけはきれいに見えても、中のダメージにはかえって悪いわ。傷を持ってるってことは、飛躍のチャンスなの。だから、充分傷ついている時間をとった方がいいわ。薬や鎧で無理に誤魔化そうなんてしない方がいい。 鎧をまとってまであなたが守ろうとしたのは何なのかしら。傷つく前の無垢なあなた?でもそうやって鎧にエネルギーを取られていたら、鎧の内側のあなたは永久に変わらないわ。確かに、そのあなたの今までの生活や心持ちとは相容れない異質のものが、傷つけるのよね、あなたを。でも、それは、その異質なものを取り入れてなお生きようとするときの、あなた自身の変化への準備とと言えるんじゃないかしら、その傷つきによって。 傷ついた自分を誤魔化さずに見つめて素直にまいっていれぱいいのよ。生体というのは自然に立ち上がるものだから。

    1
    投稿日: 2022.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤さとる的な分かりやすいファンタジーかと思って読み始めたのだが、裏庭の意味がかなり重層的で、現実世界の人物だけでなく、出来事や感情などが暗喩として表出されていて、その対比構造が一回では読み込めなかったです。 裏庭に触れたあとの現実がよくあるような全部良い変化をするわけでもないところが好きです。

    1
    投稿日: 2022.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「西の魔女が死んだ」がとても好きなので、梨木香歩さんの小説を読んでみようと手に取りました。 ファンタジーの世界観が理解しにくく、私にはあまり響かなかったです。

    1
    投稿日: 2022.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔は不思議な話だな…で終わってたけど、今読み返すと心の傷を包んでくれるんだろうなと思い返す本。不思議で寂しくて暖かい。スピッツのロビンソンがずっと流れてる。Tell me. I’ll tell you.

    1
    投稿日: 2022.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    双子の弟、純を幼い頃に無くした少女照美が鏡の中にある裏庭の世界に旅立ち、成長して戻ってくる物語。 裏庭を旅する中で少女は数多くの傷をその身に負う。しかし、その傷こそが自分を自分たらしめるものであり、傷を負いながら人は成長していくということを、少女は身をもって実感する。

    1
    投稿日: 2022.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2022.7.19 ダークな村上春樹のようだった。 子供なのにゾッとするような事に気付いたりするので目が覚める瞬間がポロポロある。 自分が求めてるものよりかなり抽象的だったけど良本だと思います。

    1
    投稿日: 2022.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    全部きれいに回収してまとめてくれるから、落ち着いて読了できた。 ファンタジーなので情景を想像するのが難しいシーンもあった。最後の、私が永遠に落ちてくシーンあたりは、話がめちゃくちゃ長く感じた。 スナッフはずっとスナフキンのイメージで再生された。私がいい感じに冷めてるというか、人間味のあるリアルな温度のキャラクターで好き。

    1
    投稿日: 2022.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔英国一家が住んでいた洋館。その庭は近所の子供たちにとって絶好の遊び場。そこには秘密の「裏庭」があり、その庭に苦い思い出を持つ少女照美は引き寄せられるように冒険の旅に出る。少女自身、母親、祖母、弟と出会う旅に。昔読んだはずなのにすっかり忘れている。本当に読んだか怪しいくらい。裏庭は内側。誰もが持っているもの。誰もが行ける場所。感性の世界。大人の裏庭は日常の中で埋もれてしまうのから忘れてしまうし簡単にはいけなくなるのかもしれないな。昔は大人もみんな子どもだったのにね。でも取り戻せるはず。傷は傷として自分で抱えて生きていく。梨木さんの壮大なファンタジー。これは大人にこそかもしれない。河合隼雄さんの解説もよかった。

    1
    投稿日: 2022.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ファンタジー/ミステリー。ある洋館に別世界への入り口があり、主人公の照美が「テルミィ」として旅をし、戻ってくるまでが書かれる。個人的には欠けたものを継ぎなおす話と受け取った。 現在と別世界の話が並行して進み、交差しながら展開していく。登場人物も多く、関係も複雑で、さらには別世界の人物が実は○○だったなどの展開もあり、個人的には理解する難度が高めだった。 現在の文章は分かり易く、別世界はファンタジー感のある抽象的な文章。それぞれでフォントまで違うなど、作品、本としての仕掛けもあまり見ないもので印象に残った。

    0
    投稿日: 2022.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    街に打ち捨てられた古びた洋館には、そこに住人がいた頃からたくさんの子どもたちが忍び込んで遊んでいた。ある日、いつになく気持ちが塞いだ照美は屋敷の中の大きな鏡をくぐり、その裏庭へと足を踏み入れた‥。 高校生の娘が授業で使うために購入。本好きの彼女が、ファンタジーはだめだったわ、と言うので私も試しに読んでみた。そして同じ感想。 照美の冒険譚にはさまざまなメタファーがちりばめられているはずだが、ファンタジーを読み慣れていない人には読むだけでつらく、理解するところまで辿り着けなかった。

    0
    投稿日: 2022.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こども時代、こんな大人になりたい。なりたくない。と思うことがあるだろう でも、気づいたら、ああ私あの時のなりたくない大人になってしまった。と そんな人にゆっくり時間をかけて、思案しながら読んで欲しい おとなだからこそ

    1
    投稿日: 2022.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ファンタジーとしては少し難しかった。それに残忍なシーンもあり、思っていたのと違うと感じながら読み進めた。 心理療法家の解説を読んで腑に落ちたことが多くあった。自身のことと重ね合わせて考えることができ、これほど解説が大事(必要)と思った本は今までなかった。

    1
    投稿日: 2022.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    年の瀬にとても素敵な本に出会ってしまった!もうこれはプレゼントでしょう。 1回じゃ理解し切れていない部分が多々ある。2回、3回と読んで自分の中に落とし込まないと。 最近自分の怒り方が母親と同じことに気付いた。何を言っても取り付く島のない母親の怒り方に、幼い頃の自分はどうしたらいいか分からなくて途方に暮れた。だから作中の「プラスにしろ、マイナスにしろ、人は遺産からは逃げようがないのかしら」は刺さった。マイナスに比べて、プラスの面は本当に分からない。プラスの部分も受け継いでいると信じたいなぁ。

    2
    投稿日: 2021.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    率直に感動した。大作だった。 己の傷と対峙することのどれほど険しく難しいことか。傷との融合の話でもあったのかと思う。印象に残る文が多くて、それぞれの箇所について感想を言い合いたくなる。 日本の家庭って、家に庭って書くんだね。その庭をどう手入れし育み作り上げていくかは庭師次第なのだと。 エピローグ後の展開も気になるけど、それはそれぞれ私たちの中でまた育てていくものなんだろう。 最後に河合隼雄氏の解説があるのもよき。

    24
    投稿日: 2021.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい。難しくはないけど、何を思って読めばいいかが難しい。八方塞がりな時に読めばいいような気もするけど、そういう時に読むにはちょっと負担が大きいかもしれない。フルパワーな時に敢えて手を伸ばすのもちょっと。難しい。

    0
    投稿日: 2021.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなか抽象的でむつかしい内容。 裏庭=心の内側という世界観で、自分の心と向き合いながら、自分の心である『裏庭』を冒険する。 自分は誰からも必要とされていない、そんな孤独感を持って読んだ時、また違った共感を得られるのかもしれないなぁ。 終盤は本当に抽象的で、ポンポンと場面も風景も変化していって前半とはまた全然別の物語を読んでいるような気にさえなりました。 最後、レイチェルとジョージが裏庭へと旅立つシーンで終わりとなりましたが、人はいくつになっても自分の持つ『裏庭』と向き合わなければいけないんだなぁ。。 一度旅を終えた照美でさえも、きっと。そんな風に考え込んでしまう、でもいやじゃない読了感でした。

    0
    投稿日: 2021.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦争の時代を回想に入れつつ「秘密の花園」と「不思議の国のアリス」を連想させるような(オマージュ?)また、指輪物語やライオンと魔女を匂わせるような、日本人の庭とイギリス(西洋)の庭を交差させながら「庭」の中で繰り広げられる家族と友情の冒険ファンタジー。 あくまで「箱庭」(“裏庭”ではなく)の中のように小さくコロポックル的な可愛らしさで収めようとしてるが、どこか暗い。いや、結構暗い。 牧歌的なのにほの暗いイギリスのファンタジーと日本の夕焼け的な哀愁を融合させているが、植物だけに「死と再生」まで盛り込んで(いやこちらがメインテーマか)、この組み合わせ(庭造り同様)は好き嫌いか別れると思われる。

    1
    投稿日: 2021.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    仲が悪いわけでもないけど、良くもない家族の中孤独感を抱え、双子の弟を亡くした照美は、近所の廃屋の鏡から"裏庭"と呼ばれる不思議な世界へ。様々な出会いと試練を超えて照美の心は成長します。 大人に近づいた照美の成長に、どこか切なさを覚えるのは私だけでしょうか? 感動と小さな引っ掻き傷のような切なさが残る作品。何度も読み返して味わいたくなる作品。

    0
    投稿日: 2021.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私にとってほぼ初めてのファンタジー小説。 想像しきれない描写がありつつも、世界観に引き込まれました。 面白かったです。

    1
    投稿日: 2021.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読書好きの友人から貰った本。いい本を頂きました。ありがとうございました。 1995年の第1回児童文学ファンタジー大賞の受賞作。文庫版は2001年1月の発行から20年間で37刷のロングセラー。そんなことは知らずに、友人から貰ったというだけで、内容も全く知らずに読み始めましたが、一気読みでした。 戦前、英国人一家の別荘だった荒れ果てた洋館。現在、その裏庭は近所の子どもたちの絶好の遊び場。そこで双子の弟を死なせてしまったという辛すぎる思い出を持つ13歳の少女、照美。ある出来事がきっかけで照美は裏庭の奥に入り込みます。照美の冒険が始まりました。 この小説の中盤まで、この物語の主題は「死」であり、「再生」の物語かと思っていました。大事な人を失った場合、「死」は死んでしまった人だけでなく、残された我々にも大きなダメージを与えます。その手の物語は多くありますが、「裏庭」は「再生」で完結するような単純な物語ではなく、現世で生きる人間、死んでしまった人間をも巻き込む照美の「魂」の冒険譚です。 本書は照美が「裏庭」の世界で繰り広げる冒険ファンタジーのパートと現実の世界のパートが並行して展開されます。2つの世界の中で家庭、孤独、団欒、優しさ、冷酷さ、安心、不安、友情、信頼など、感情における矛盾が渦巻きのように描かれます。物語は荒唐無稽。しかし、最後はこれ以上ないような座りの良さになっています。最後の2行では、不覚にも泣いてしまいました。 著者は「西の魔女が死んだ」の梨木香歩さん。本書の中でも色々な仕掛けが組み込まれています。その仕掛けの数々が物語の中枢部分に絡んできます。小説の技巧が楽しめました。 この複雑な物語は、やはり「再生」の物語です。ただ、それに気づくのは最後の方で、ストーリー展開は決して気持ちのいいものではありません。それでも、読んで良かったという満足感を本書は与えてくれ、読書っていいなぁと改めて感じさせてくれました。

    3
    投稿日: 2021.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の内面世界でもある「裏庭」の世界を冒険することになる女の子と、裏庭にまつわる因果のお話。照美は仲良くしている友達のおじいちゃんの危篤をきっかけに心をぐらつかせ、この世界に引かれるように入り込んでいく。子どもの頃から好きで何度も読んでいたが、とても読みたくなったので久々に再読。 心に見えない傷を持つのは、照美だけではない。周りの大人たちも皆それぞれに傷を持ち、鎧を着こんで生活しているのだ。その辺りを暗に陽に示しつつ、物語は序盤からぐいぐい内角をえぐる厳しい攻めをしてくるので、すねに傷持つ読者自身の心も安定を欠いて裏庭の世界へと放り込まれてしまう。大人ほど、思い当たるふしがあってぎくりとしてしまうように思う。 最初に訪れるカラダとソレデの服屋からして、寓意に満ちている。うわべだけの服、「本当の服」。そして、異なる災厄に襲われた3つの藩のおばばたちが残した教訓、「傷を恐れるな」「傷に支配されるな」「傷を大事に育め」、そこからしか自分というものは生まれない、という言葉。そこからテルミィの自覚していなかった傷との対決が始まるのだ。 スナッフの告白から最期までの流れはいつもぼろぼろ泣いてしまう。子どもの頃はスナッフが本当にやったことなんだと思っていたけど、今はたぶんそうではない、彼はテルミィの傷そのものを晒して見せて、それに対する果てしない怒りを一瞬に引き出すためにやったのだと分かる。怒りに任せて殺した傷は真っ白い鳩と醜悪な化け物に分裂して、いつまでもどこまでもテルミィを追ってくる。傷がどこまでも追ってくるということを、やはり子供の私はまだ理解していなかった。 積み重なった消化できない赤黒い感情たちの塊の存在は、大人になろうが幸せになろうが消えることなくどこまでもついてくるものなのだ。ふと気付けば後ろにひたひたと追ってきていて、私全部を支配しようと機会をうかがっている。自分が何かに過剰な怒りや忌避感を感じるとき、鎧が発動している、と最近思うようになった。ちょうど夏夜さんの言うような感じだ。結局のところそれは自分の傷というか、自分そのものへの感情なのだ。これを受容しえないかぎりは、鎧として生きていくのか、傷に飲み込まれるのか、どちらかになってしまう。 テルミィのように、自分を燃やし尽くし、力を使い果たすような戦いの末の受容を経てしか本当には癒されえないものなのだろう。真の癒しには鋭い痛みが伴うと、おばばが言うとおりに。 最近ちょっと疲れていて、そんなことができるのかなあと怖気づいてしまうのだが、他のものに映りこむ自分の傷の影に拒絶反応をする自分にほとほと嫌気がさしてしまって、やはりもう元をどうにかするしかないとも思う。今まで不の感情や精神の不安定をどうにかコントロールしようとして全然うまくいかなかった。でもそれは、拒絶ではなく、安易な「癒し」でもなく、支配するでもされるでもなく、ずっと一緒にいる覚悟を固めるということなのだろう。 妙ー幸江ー照美の関係のように、傷がずっと子どもに尾を引くというのもすごく分かるなあと思うし、そうわかっているのだから、私がここで諦めるわけにはいくまい。受け継ぐのは傷だけではなく、裏庭という世界の豊かな土壌もある。この物語のすごいところは、もはや人生を閉じようかという老人であるレイチェルと丈次の裏庭への旅立ちで幕を閉じるところなのだ。 そう望むのなら、裏庭への道は開かれている。

    1
    投稿日: 2021.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供の時にすごく印象に残って何度か読んだ1冊を20年近くぶりに読み返した。伏線も多いし登場人物も複雑でいまだに分かりきったわけではない。でも当時不気味だ怖いと思いつつ惹かれてやまなかったのは、この物語のファンタジー要素と一人一人の発言の裏の繊細で複雑な心理描写な気がする。思えば家族に対してわだかまりというか傷が私にもある。小さなものだけれどやっぱり向き合って自分の中で答えを出して時間をかけて丸ごと慈しんでいっている途中な気がするから何かわかる気がする。切れない縁だからこそ幼い時から心に刻まれるものだからこそ

    1
    投稿日: 2021.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思ったよりもファンタジーすぎてこちらの準備ができていなかったから何が何だかわけがわからなかった。深いこと書いてあるんだと思うからまた時間を置いて読みたいと思う。

    0
    投稿日: 2021.03.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに小説を読んだ 小説を読まなくなってから頭の想像力が欠けているような気がしたので、定期的に読んでいきたいとおもった

    0
    投稿日: 2021.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「西の魔女が死んだ」の梨木さんシリーズ3作目。 草木の描写がきれいだなーくらい軽く読み始めたら、途中から壮大なファンタジーで、ファンタジーに読み慣れていない私は少々面食らってしまった。 小さい頃は(大きくなっても)、自分と他人の間に境目があるということすら理解していなくて、自分が生きている同じ世界に親も友達も生きていると思って疑うことはなかったけど、全く違うんだということに気づいたときの衝撃と寂しさを上手く昇華していくことが、大人になるということなのかもしれない、と読んでいて思った。 言葉で書くと軽いけれど、死と家族と傷と成長の話。 傷を恐れず、傷にのっとられず、傷を大切に。その傷からしか自分はつくりだせないから。

    0
    投稿日: 2021.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    穏やかそうな装画から受ける印象に反して、とても壮大なファンタジーだった。 家族との関係性が希薄で孤独を感じている小学生の照美が、打ち捨てられた洋館の裏庭に迷い込んで、冒険しながら自分自身や様々なつながりを取り戻す話。 図書館ではティーンズ文庫のコーナーにあったけど、大人でも結構難し目の話で、読みながら現実と対比させて考えることが沢山あった。

    7
    投稿日: 2021.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この愛すべきファンタジィの感想を、未だ書いていなかったことに驚いている。梨木香歩さんの本は、どれも「しみじみと」沁みるけれど、この「裏庭」も私たちの感性(普段意識しないかもしれないけれど、確かに体が感じているもの)と地続きに感じられる。届きそうで届かない、或いは取りこぼしている物語をひたひたと寄せてくるのだと思う。その水は(私の鼻には)淡水のにおいがする。 絡み合って行く、いくたりものひと。ひとが持つ記憶ーー物語。テルミィが餓鬼をゆるすシーン(と、その餓鬼の正体がわかるところ)がいちばん、父さんが泣くシーンが次点で好き。もちろん、そこまで運ばれてくる重層の織りなしがあってこそ、だけれど。ああ。感想をしたためていたら、私も私のファンタジィを書きたくなった。

    4
    投稿日: 2020.12.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初の冒険みたいなところは読みにくかった。何度も挫折しそうになりながら読み進めたらなんとなく世界がイメージできるようになった。作者の頭の中はどうなってるんだろうと思う気持ちが強かった。 最後の方でさっちゃんもされたことがないからできない愛情表現、自分の母にも感じていたことだったのですごく共感した。

    0
    投稿日: 2020.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容を知らずに読んだ。 ハートウォーミング系の話かなと思ったらファンタジーだった。 うーん、面白かったが根の国の所が長すぎてダラダラした印象。 綾子のおじいさんと、照美の関係はホッコリで好き。 亡くなったおじいちゃんに会いたくてなったー!

    1
    投稿日: 2020.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    裏庭 著作者:梨木香歩 新潮文庫 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

    0
    投稿日: 2020.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    梨木香歩さん『裏庭』は全編のほとんどがファンタジー。ミステリー好きのわたし、つじつまが合わないのはダメ(笑)つくづくわたしはファンタジーが苦手なのがわかった。 ストーリは主人公の女の子が古い西洋館の鏡から不思議の国に入ってしまい、いろいろ面妖な経験をして、その夢のような冒険から女の子は成長を遂げ戻ってくる。テーマは「母と娘」のかかわり。 というわけで「母と娘」。 母娘も親子。もちろん愛情でつながれている。幼いうちは子が全人格を預けている。でもこの小説のように母の愛情が幼い娘にとって薄いように思ってしまったら、それは少々寂しい。 しかしいつかはお互いに1個の人格がある者として自覚しあう時期が来る。 なかなか来ない人もいるが(笑)友達親子とか姉妹親子とかいって愉しく仲良くしているらしい母娘が。一生そのような母娘がいるかもしれない。 同性であるがゆえ「なれ」やすい。「なれ」には「慣れ」と「馴れ」と「狎れ」がある。 だからこのファンタジーのように中学一年生で親離れ(親を理解)をしたのはいいことである。 わたしなど40歳になるまで意識しなかったもの。おかげで自覚した時は気まずかった。それは遅すぎ。恥ずかしいかぎり。 性格もあると思う。母は頼る性格、それを親というころもを着て私に依存していたので、一心同体とわたしも、母も思ってしまったのはおかしいことであった。 そのことで、いろいろな不都合が母が亡くなった今ごろ起きて困惑しているのである。 ま、小説には「母娘」のテーマが多い。これからも読むであろうよ。

    2
    投稿日: 2020.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人生で一番好きな本です。 読んでいると想像が掻き立てられてほんの世界に入り込めます。映像や雰囲気が浮かび上がってくる感じで 言葉には表せないですが、私には心地よい世界でした

    0
    投稿日: 2020.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分をいつの間にか息苦しくさせてしまう衣装のようなもの   その存在に気付き、それを使いこなすようになっていく そういう印象 自分を取り巻く世界にはどうしようもないことが多い どんな親の元に生まれてくるか、ということからして その親だって生まれてくるところを選ぶことなどできず、その人の人生を生きていた どうしようもないこと、の中で自分が生きやすくなるには自分で選んだ衣装を精一杯使うこと、使いこなせれぱいいよね 香歩さんの作品が心に引っ掛かるのは、そのどうしようもないものに対してどうこうしないこと おせっかいもしないし、怒りを感じても責めるでもない そのものとの関係のなかで自分はどうか、どうしたいか考える ぜんぜん読んですっきりはしないんだけど、埋み火のような熱を感じる

    3
    投稿日: 2020.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実世界の部分は良かったけど、裏庭での展開が、どうも読みづらかった。すごく深いことを書いていると思うし、こちらの準備ができていなかった気もするので、しばらくしてから再読したい。

    0
    投稿日: 2020.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は悲しい女の子の話なのかな…って思いながら読んでたけど、すごい冒険話だった。 どんどん出てくる登場人物や場面が繋がっていって読んでて思わず、おぉーって言ってしまった! 様々な体験を通して照美が成長していって、自分は親とは別個の存在!役に立たなくてもいい!って自覚した所はちょっと寂しい気分になったけど、それはまだ私が親離れできてない証拠なんだろうかと思ったりした。 壊れかけた家族が再構築されていく様子でとても良い最後だったけど、レイチェルとジョージはちゃんと戻ってくるよね?と不安にもなる結末でした。 なんでジョージと一緒だと裏庭に行けるのだろうか… とにかく読めて良かった。梨木さんが好きになりそう。もっと他の作品も読みたくなった。

    0
    投稿日: 2020.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分と向き合い前に進めるように背中を押してくれる小説。 主人公が自身でも気付いていなかった心の傷と向き合い、不安の中、希望が見えるまでひたむきに前に進んでいく姿に主人公の成長だけでなく、周りの人の心境に変化をもたらせていった。 比べるよりも自分を磨いて、自分自身だけでなく自分の大切な人へいい影響を与えれる人になりたいなと思えた素敵な本。

    1
    投稿日: 2020.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     英国人一家が棲まう古びた洋館の裏庭から続く異世界へ赴く洋風ファンタジーで、自分探しの旅。家族と自我の確立、親しい者との死別の整理、など作者の好きなテーマが多数。自我の確立の方がテーマとして主成分で、ファンタジーとして読むにはあまり楽しめなかった。

    0
    投稿日: 2020.02.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あらすじ 昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた-教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。

    3
    投稿日: 2019.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    梨木さんの『秘密の花園ノート』がとても良かったので、『裏庭』も期待を持って読み始めた。けれど、裏庭が開かれる47ページ以降、話の展開についていけず、またカタカナ名やフォントにも馴染めなかった。 メッセージが直接的で、メタファーが多すぎ、一つの作品として楽しむことができなかった。 実験的に書いてみたのかな。

    0
    投稿日: 2019.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    過日実家に寄りましたら、梨木香歩さんの本が山積みになっていた。 (どこだか)に持って行こうと思ったんだけど、読む? と訊かれたので、反射的に「読む」と答えてしまった。で、6冊ほど借りて来たのである。 梨木香歩さんは、「西の魔女が死んだ」はいい話だったな。 さてこの本。 「西の魔女」はファンタジックな現実譚ではあったが、こちらはコテコテのファンタジーであった。おばあちゃんこそ出て来るけど。 空き家になっている近所の洋館。その庭は、近所の子供たちが入り込んでは遊ぶ場になっている。そこにあった鏡から、主人公の少女照美は「裏庭」の異世界に渡ってしまう。 照美はテルミーになり、謎めいた登場人物たちとともに、世界を繋ぎ止めるためのあるものを求めて、その裏庭世界を行脚することになる。 裏庭というのはかつて裏庭に消えた洋館の家族の、あるいは照美自身の心の裡なのである。で、照美はそこで傷を負い、傷を乗り越えて、家族の絆や自分の行く道を見つけるというお話である。ごく大雑把に言えば。 少女の成長譚、と言ってしまえばその通りだけど、一個の人間が周辺世界とどう関係していくのかみたいな大きなテーマがなかなか難しいし、イマジネーションの横溢について行けない。これも(トシゆえの^^;)感受性の危機なんだろうか・・・。

    0
    投稿日: 2019.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の照美は、双子の弟を6年前に亡くし、忙しい両親にもかまってもらえず、そんな境遇を寂しく受け入れている。友達のおじいさんと親しくなり、その彼が子供の頃に経験した「裏庭」の話に興味を持つ。やがて照美自身が「裏庭」に入っていくという話。裏庭とは人それぞれの持つ内面の比喩になっていて、照美はそこで様々な試練を受け、他人から受け継いだ庭を自分のものとして再生する。西洋と日本の伝承文学も見え隠れし、同じ作者の「冬虫夏草」が日本的で重厚なのに対し、こちらはもっと汎世界的で軽やかな感じ。しかし、テーマは重厚だ。 照美が双子であること、登場するコロウプという種族(?)が「対」になって生まれてくることなど、日本と英国、数え上げたらきりのない「対」の探求も面白い。コロウプはコロボックルから来ているのかな?コロウプの貸衣装屋の名前がふるっていておかしい。だからダメなんだ。それでもいいんだ。座右の銘にしたいくらいだ。

    2
    投稿日: 2019.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったです。多少残酷な表現はありましたが、どんどん読み進めることができました。個人的にラストは微妙に思いました。あと、タイトルの通り花や草木の名前がたくさん出てきます。僕はその辺は全く教養がありませんが、詳しい人は想像力が掻き立てられて、より楽しめるのかなと思います。

    1
    投稿日: 2019.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    梨木さんの作品は物語の中の登場人物と一緒に不思議な体験ができる感覚。特に本作品は、主人公の女の子「照美」が生死の境を彷徨うような壮絶な体験をし、それを一緒に見守るかのような読書体験でした。 照美が迷い込んだ鏡の中の裏庭の世界は、ファンタスティックでどこかディストピアな感じ。RPGのような世界観でした。登場人物はどれも象徴的で、逃げるおかっぱの少女や、おばば、庭師と呼ばれる少年、一つ目の龍、邪悪なトカゲなど、現実世界の写しと想像させるものばかりでした。 何が何を表していたのか、全てがはっきり分かるように描かれているわけではないけど、それらと向き合うことで、照美が、自分や他人の心の傷を見つめ、受け入れる強さなどを身につけて一回り成長したということがよく分かりました。 心の傷からは、逃げても誤魔化してもいけない。全てが真実だから受け行けるしかない。あらゆる命の積み重ねの上に、醜い自分も優しい自分もいる。そこに自分なりの世界を新たに作っていくしかない。

    2
    投稿日: 2019.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。誰もが自分の中に裏庭を持ち、育てている。傷つけたり傷つけられたりしながらも、逃げることなく生きている世界を受け入れる。ファンタジーの世界の中に深遠な哲学を持つ物語なので、じっくりと噛みしめて味わって繰り返し読んでいきたい。解説の河合隼雄さんの分析が深くてためになる。

    1
    投稿日: 2019.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    身近な人の死を消化しきれず、自分の気持ちを誤魔化しながら生きている人は多い。何かの形が残ればまだしも、日々はそれまでと変わらず続く。過去と、そして自分と向き合う必要性を痛感させられる。ただし、その勇気を持てるかどうかは、照美もさっちゃんもレイチェルも含め、自分次第。庭のメタファーで、自然と、そして地球と向き合うこととも重なった。

    1
    投稿日: 2019.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うーーん……魔法やファンタジーにも理屈が欲しい人間からすると、よくわからない、まとまってない一冊に思えてしまったな。その曖昧さこそこの本の良いところなのかもしれないけれど。

    1
    投稿日: 2019.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私は、もう、だれの役にも立たなくていいんだ 誰かに認められ誰かの役に立つことを基準に働くことに疲れた自分に染みた

    0
    投稿日: 2018.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小さい頃は単なるファンタジーとして読んだけど、再読したらいろいろ分かって大人になったな、と冷静な気持ちで読めたのが感慨深かった。 自分の心が傷を持っていることを自覚しないとその傷を自分のものにすることはできない。認めて次に進むこともできない。 傷ついていることをごまかして、見せかけの癒しに頼ったり、向き合わずに他の人に同調して自分の正直な気持ちを失って生きていくのでは解決にならない。 大人になったって傷つくことはあるし、悲しかったら泣いてもいい。その経験も含めて自分は自分なんだと、堂々と生きて行ったらいい。 悲しいことに直面したときに認めるのは難しいけど、傷ついていないふりをしていると、楽しいことにも鈍感になってしまう。喜怒哀楽を感じられる、そのうえで自分をコントロールできる大人でいたいと思う。

    4
    投稿日: 2018.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    裏庭に入り込んだ少女が成長する話。 学ぶところが大分あったように思う。 少し考えてしまう話だった。

    1
    投稿日: 2018.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2009年2月13日~14日。  児童文学ファンタジー大賞受賞作とのこと。 「はは、子供の本か」と笑うような輩がいたら、ぜひ自分の目でこの本を読んでみてほしい。  そんな文句は言えなくなるはずだ。  村上春樹氏を思わせるという感想が多いが、それはこの物語の重層構造が「世界の終わりとハード・ボイルド・ワンダーランド」を思わせるからだろう。  ファンタジーであるし、やはり児童文学ということで割と判りやすい表現を使っている箇所もあるが、内容はかなり重く、そしてかなりシビア。  大人の目線で読むと、特に父や母の目線で読むと、全然違った風景が見えてくるはず。  何度か読み返したくなるような本である。

    1
    投稿日: 2018.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久々にファンタジーを読んだので、もう読んでるだけでとても楽しかったのだけれど、そういえば日本人作家の長編ファンタジーは初めて手にしたのかもしれないと思い、その不思議な世界においてこそ浮き彫りになる現実感に納得したような気持ちになった。ファンタジーというカテゴリに関わらず、推理小説よりも"現実"を読んでいるようで、ワクワクドキドキというよりも、目が醒めるような冴え冴えとした心持ちで読み進めることになったが、ファンタジー特有の、理解を通り越して心で納得する快感は全編に通じていたように思う。とても栄養価の高い物語。

    2
    投稿日: 2017.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は…これはワクワクだわ!と ひきこまれたが…中盤以降が 私には深すぎて入り込めなくなってしまった…。

    1
    投稿日: 2017.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルの印象からやはりファンタジー要素が満載でした。軽く読めるものと思っていましたが、注意して読まないと登場人物の区別がつかなくなることがありました。 伏線をきっちり理解しておかないと意外と難解な作品です。

    1
    投稿日: 2017.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    キャロルもボームも、たぶんエンデですら、ここまで現実世界とファンタジー世界を並行して見せ、なおかつ現実での死者がファンタジーでは誰、と厳密にイコール関係を結んだりはしなかった。 そういう意味でこれは童話ではなく、童話の形式を借りながら、「喪の仕事」を全うする現代小説、にアップデートされている。 ただし古き良き児童文学を好む人には、あまりにも図式的な寓話、言葉遊びなどの不足、いわば息苦しさが物足りないのではないかと忖度したりもした。 個人的には童話ではなく小説としてロジカルに読んだ。 各個人の不思議な体験が表明され、それがひとつの裏庭に端を発し、世代を経て裏庭も更新されていくという推移が描かれるが、 通底するのは、人の死をうまく悲しめない状態だとわかってくる。すなわち傷。 これはファンタジックな舞台を使わなければ、たぶん何年何十年かかるし、ちっとも劇的でなく、 忘れたように受け容れているのか忘れているのか見ない振りをしているのか、極めて不分明な状態になる。 まあ現実における喪の仕事とはそういうものだ。 ここにおいて、大人が見て見ぬふりをした傷を、最も年若い者(照美)が自分の傷に向き合うことで「他者の傷への向き合い」を促す。 それが創作でありファンタジーであり小説の効果だ。 親子という負の遺産・元凶を断ち切る旅は、創作物でしか成し遂げられまい。 個人的に最も感動したのが、失踪した照美を探してバーンズ屋敷に入った照美の母幸江が鏡を見て、鏡像に自分の母の姿と自分の娘の姿を見出す場面。  第1世代。バーンズ夫妻。水島先生。  第2世代。レベッカ。レイチェル。丈次。夏夜。君島妙子。マーチン。マーサ。  第3世代。幸江。桐原徹夫。  第4世代。照美。純。綾子。 と整理されるが、母娘二代ではなく三代を網羅しなければ、ここまで重厚な感動は得られなかっただろう。 双子の弟を死なせたという特殊な設定があるが、なぜ死んだのは自分ではないのか、死んだ人に対して生きている自分は何なのか、生きている自分に罪はあるのか、と読み替えていくことで特殊な経験をしていない自分に置き換えることができる。 きっと他者の死に向き合うという生の根源的な問いがあるのだ。 それにしても「双子であることが当然の世界」という設定は、彼女の心をどんなにちくちく痛めつけたことだろうか。 弟と一緒に私がいる、現実の状態ではなく鏡を経ることで、すでに死んだ弟としての私がいる、という状態で、冒険をしなければならない。 こんなアクロバティックな経験をしたあとの少女が、「自分を取り返」さなくて、何が自己実現といえるのだろう。よかったね。 父母が死児を思い涙を流すことで裏庭の世界に水が流れるという終盤は、巧み。 というより、少女ひとりの内面が人類全体の内面と通じているというユング式の世界観は、憎い。 少女は照美の冒険を、大人は照美の母の生活を、さらに年を重ねればすべてを包括して、読める。 きっと毎回違った味わい方ができる、とってもおいしい小説。

    3
    投稿日: 2017.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    児童文学ファンタジー大賞受賞作とは、こういう類いのものなのかと途中から思った。庭を扱う小説に「秘密の花園」があるが、今どきのそれは現代の子に合わせて複雑で超自然でおどろ恐ろしいのに興味があって、複雑で難しい。2017.6.18

    0
    投稿日: 2017.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「家庭って、家の庭って書くんだよ」 梨木さんの作品はスラスラと読みやすい。しかしこの作品は読むのに時間を要した。自分の想像力が乏しいゆえに、物語に入り込めなかったからだと思う。 唯一おもしろいと思ったのは、庭いじりが好きなマーサが「裏庭」をバックヤードではなくガーデンと主張するところである。彼女によると「裏庭」こそが人生の本当の舞台であり、生活の営みの根源であると言う。この作品の舞台が裏庭であり、読んだ人にはなるほどと納得する一文であると思う。

    0
    投稿日: 2017.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    照美という少女がバーンズ屋敷にある大鏡を通って裏庭に行き、冒険し成長する物語です。梨木さんの小説といえば西の魔女が死んだが有名です。この作品は聞いたことがある人や読んだことがある人が多いのではないでしょうか。西の魔女が死んだでは作中に多くの植物が出てきます。この作品でもタイトルが裏庭というくらいですのでたくさんの植物が出てきます。植物の名前がよく出てくるのも梨木さんの作品の魅力の一つです。ストロベリー・キャンドルやユキヤナギ、コデマリ、ヤマブキ、鶏頭、矢車菊(ヤグルマギク)水仙などたくさんの植物が出てきます。この作品の中で私が特に印象に残っているのはストロベリー・キャンドルと水仙です。植物の名前を新しく知ると花屋さんの前を通るのが楽しくなったりします。裏庭を読んでる時期に花屋さんの前を通ったら、鶏頭が店頭に並んであって、あれが鶏頭なんだなって思った記憶があります。西の魔女が死んだに比べてこの作品はファンタジーの色が強く出ています。それもそのはずで、一九九五年第1回児童文学ファンタジー大賞(絵本・児童文学センター主催)の受賞作なんです。裏庭ではムーミンに出てくるスナフキンのような登場人物が出てきたり、一つ目の竜の化石、小さな翼がついた服、キノコのようなスツールなど異世界的なものが数多く登場して、楽しませてくれます。

    0
    投稿日: 2017.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔、英国人一家の別荘だった洋館。今では荒れ放題のその洋館の庭は、近所の子供の遊び場だった。 少女照美は、その庭で辛い記憶があり、そこへ足を向けることはなくなった。 そんな照美が、ある出来事をきっかけに再び庭へ入り込み、声を聞く。そして照美は不思議な旅に出る。 梨木香歩さんらしい、自分の思いを心に秘めて苦しむ少女の解放と成長の物語。 今回は全編ファンタジーな作品に仕上がっている。 自分に自信が持てず、忙しい親にかまってもらえない孤独を感じる照美。そんな照美をありのままの姿で受け入れてくれる友達の祖父。 感じやすいがゆえに自分の心を表に出せず、自分の心を扱いきれない。こういう少女を描くのが本当に梨木さんは上手い。自身もそういう少女だったのかもしれない。 また、そういう少女だったわたしは、すぐに主人公に気持ちが重なる。わたし以外にも、きっとそういう多くの読者を惹きつけるだろう。 照美のいるファンタジーな世界と、現実世界が交互に描かれる。 こういうファンタジーな作品は、普段好んで読むことはない。正直に言うと苦手だ。 普段読まない種類の作品なので、他と比べてではないけれど、梨木さんは面白く仕上げている。「西の魔女が死んだ」も祖母の家での暮らしなどに夢のようなファンタジーな世界を感じたので、こういう作品を書くことが上手い作家さんなのだろう。 死というテーマを軸にした、家族の繋がり、感情を持つことの自由さ、過去に繋がる現在、日本と繋がる外国など様々に枝分かれし、ファンタジーに相応しいたスケールの大きな作品になっている。 この作品からも読者は、自分の中に残るシコリと向き合い、これからの自分への生き方を考える手掛かりを見つけられるだろう。 作品にあった一文が印象に残った。 鏡を見ると微笑む 人に対してと同じように自分にも愛想よくしたかった 頑張って生きてきた自分に、もっと微笑みかけて、よく頑張ってるね、と労ってあげても良かったのだなと感じた。

    0
    投稿日: 2017.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小6か中1のときにこれを読んだせいで「ムーミン」大好き人間になった。 読んだ人にはわかってもらえるはず!

    0
    投稿日: 2016.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「傷を、だいじに育んでいくことじゃ。そこからしか自分というものは生まれはせんぞ」 少女は冒険に出なくてはいけない。鎧を捨てる覚悟を試されなくてはいけない。誰かのためじゃなく、自分が何かを知らなくてはならない。 すべての人がつながっていく「裏庭」のファンタジーな世界。時に残酷な出来事が起こる寓話の世界を進んでいく女の子「テルミィ」と冒険するうちに、幼いころの、物語にのめり込んでいた自分と出会ったような感覚が芽生えてくる。 初めて読んだのに懐かしい感覚。 「傷」を重要なモチーフにして進む裏庭の冒険や、裏庭の登場人物にそれぞれ役目があって、役目があるからこそ孤独でなくちゃいけない描写が心に刺さった。 誰もが最高の形で愛されて育つわけじゃない。それを乗り越えるのが冒険の物語なんだな、と、救われる。 非常に素晴らしい小説でした!

    0
    投稿日: 2016.12.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    繰り返して読んでいる本。 ファンタジーである、ファンタジーであるがとても心に刺さる描写が多くて、 意識のあるなしは置いておいて誰もが裏庭を持っている、少なくとも私は。 裏庭での出来事を乗り越えて成長したテルミがそれまでぎこちなく過ごしてきた家族との関係を客観視もして受け入れて歩き出すところに落ち着いて良かった。 これはまだまだ読み込まないとレビュー書けないよー_(:3 」∠)_

    0
    投稿日: 2016.11.20