
総合評価
(2052件)| 1033 | ||
| 700 | ||
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powered by ブクログ恋人でも家族でもない、言葉にできない大切な存在。更紗と文は一緒にいない方がいいと思いましたが「事実と真実は違う」という言葉にハッとしました。 理解されることがすべてじゃない。苦しさの中に一筋の光が射すような作品でした。
2投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上手く言葉に表せないよく分からない感情になりました 事実と真実が異なること 役に立たない他人からの善意 この2つが自分にとって印象に残りました 一緒にいたい2人の気持ちは何も悪いことなんてないのに、被害者と加害者ってゆう世間が付けたレッテルを鵜呑みにして真実を知ろうともせず関わってくる人たちは、被害者に対する善意かもしれないけど自己満なのかなって… 自分がもう少し人として成長したらまた読みたいな笑
3投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世間の「普通」という基準からこぼれ落ちた二人の物語。社会がいくつもの共通項を「普通」として押しつける時、大勢の人にとってその正義や規範は安寧を齎す装置になるが、そこからこぼれる人にとっては暴力そのものに映る。更紗と文は、こぼれる側として、「普通」に居場所を奪われ続け生きてきた。 更紗は、世間が求める「可哀想な悲劇の少女」としての自分を、疑問と苦しみを抱えながら演じていた。社会に均されることに抗うほどの強さを持てずにいたが、その経験こそが後に自己の真実を守る軸を育む準備となる。 更紗にとっての救いは、誰かに手を差し伸べられることではなく、ありのままの自分でいられる居場所と関係性の確保にあった。他者からの善意や同情は、「施される側」という圧力や期待を伴うため届きにくい。 彼女は、周囲から向けられる同情や憐憫を恣にすることから脱し、ありのままの自分を貫く矜持を選びたかった。そしてそれは文の隣でなければ成り立たないと考える。その姿勢は一見、自己中心的でただの我儘にも見えるがそれが「自分を大事にする」ことと同義であり、孤独や困難を伴っても、彼女にとって唯一の救いとなったんだろう。 一方、文は強烈な劣等感や恐怖から逃れるため、「小児性愛者」という嗜好を選んだと事実をすり替えることで、かろうじて主体性を保っていた。 「小児性愛者」というレッテルは、彼にとって外部から与えられた呪いではなく、自分で名乗ることで初めて自己像を保てる防壁だった。しかし、更紗の誘拐事件によってそれは「犯罪者」「異常者」という烙印に変わり自分に牙を向く矛となった。この逃避を選択と誤認する構造は彼の苦しみであると同時に、最後の拠り所でもあった。 この二人にとっての救いは、自己決定を貫ける居場所を取り戻すこと。それは外部からの評価やラベルに抗う行為であり、痛みを伴う選択。しかし、この痛みこそが救いの重みを増している。彼らが得たものは、傷を抱えたままでも選べる自由。外部の価値や期待から切り離され、互いにとっての真実の存在として選び合えだ結末に感動した。優しさには正解がない。だれかの普通はだれかの逸脱。優しさとは、「自分の理解がずれているかもしれない」と自覚し続ける営みなのかもしれない。そんな概念を問い直される物語だった。
3投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログまめたカチカチパスタさんの感想を読んで、同名の映画があることを知り、Filmarksで映画のあらすじを知って原作を読みたくなりました。図書館で借りて読み始め、読み終わりました…読み始めたら終わりまで本当に一息で(というと少し言い過ぎだけど)、夢中になって読みました。 どんなに説明しても言葉通りには受け取れられないもどかしさで、物語の傍観者であるただの読者の僕自身が息苦しくなるほどだった。 僕が以前に読んだ他の作品で、この息苦しさにも似た感情が沸き起こってきたのを思い出す。 52ヘルツのくじらたち 主題は違うけれど、どんなに話しても、言葉を尽くしても、必死になっても伝わらないもどかしさがとてもよく似ているように思いました。この物語を読んで、改めてもう一度52ヘルツのクジラたちを本棚から取り出そうと思いました… 凪良ゆうさんの作品、もう少し読んでみようかなと思います。
18投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログとても読みやすい文体で一気に読了。 珍しい病気を副題に置き、取り扱いの難しい「事実と真実の違い」をまざまざと見せつける作品。 更紗と文の「なんと呼ぶか分からない」関係性。これも一種の愛であることは確かだが、それこそ愛と呼べるかどうかは事実と真実によって変わる。 意外な事実と想像だにしなかった真実。この本のなかでもその2つが頭のなかをぐるぐるとごちゃまぜになる、そんな作品でした。 P.S. 映画版も視聴したが、映像化をしたのはびっくりした。原作を読まないと補完できないことがかなり多いので、原作未読の方はぜひ読んで頂きたい。
0投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ文と更紗の2人、いくら伝えようとしても分かってもらえない。色んな壁もあって、それでもつながり続けているのに、なんともいえない愛情というか、それ以上のものを感じました。 幸せの価値観や気持ちのすれ違い、色んな思いが込められてるなと感じました。
0投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ重たいテーマを扱いながらも、文体がとても柔らかく、心に静かに寄り添ってくれる物語でした。「普通」や「正しさ」に縛られない人間関係のあり方を描いていて、被害者と加害者という枠組みを超えた絆に胸を揺さぶられました。ネットや社会の偏見が人をどれほど生きづらくさせるかという現実も突きつけられ、読むのがつらいほどなのに、ページをめくる手は止まらず、最後には不思議な優しさが残りました。自分の「善意」は本当に相手に届いているのか。そんな問いを投げかけられた一冊です。 先日読んだ「汝、星のごとく」がハマりすぎて、今回の評価に少し影響しちゃいました。。
19投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人と接することが怖くなるなって思った。 この作者さんの本を読むのは「神様のビオトープ」以来2冊目になる。この本でも同様に、自分の世界だけで幸せに生きる主人公が描写されている。 今作でも、世間ってか事情を知らないと批判を受ける男女が、それでも一緒に暮らしていくって内容の話だった。 一言で言うと胸糞だった。特に主人公の置かれた境遇が悲惨すぎて、叔母の息子に何か天罰でも下って欲しいなって思った。でも、現実は割とこうなんだろうなぁと感じた。主人公の女性はPTSDのような状態になっており、普通には暮らせなくなってるし。 また、人と接することが怖いと感じた理由は、人には人の事情があるということを強く感じたからだ。人によって幸せの形は違うし、今作の主人公も、他人に幸せの形を押し付けられて不幸せになっているような女性に感じた。9歳の時に、自分が自然体で居られるような場所を周りの正常な大人に奪われて、24になっても居場所を追い出されて。事故で彼氏が階段から落ちた時も、何も関係ないのに、過去の事件の加害者となっている男性が呼び出されて、警察からは、被害者の会みたいなパンフレットを渡されて、本当に不憫だった。この主人公を受け入れてくれる人はいないのか、、、と絶望した。 なんか話がそれた気がするけど、人と話す際に、自分の中の常識を基準にしているため、それによって相手が気分を害したり、相手を抑圧したり気を使わせたりしてるかもしれないのが怖い。 また、この本を読んで、人が起こした過去の事件もなにか事情があるかもしれないから、なにかそれによって先入観を持ったり、レッテルを貼ったりしないでその人のありのままを見ろ。というように感じるかもしれない。しかし、主人公の元婚約者さんは、表面上すごいいい人だったのに、急にDVのスイッチが入ってやばい人になっていた。実際にDVの前科持ちらしいし、父親もDVが原因で離婚したとの事だ。結局やるやつはやるんだからどうしようもないね。 一時期預かってた子供が唯一の救いだったかもしれない。理解者になってくれていたので。
0投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ私が普通と思っていることが、相手にとっては普通ではないことだってある。他人に考えを押し付けるような発言には気を付けて生きていきたい。
1投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ人からの評価や声を無視して生きていくことは難しいことだと思う それでも、自分が納得できる価値観を信じて生きていけたら幸せだと思う それは、すごく難しいけれど SNSでは日々、自分のことではないのに腹を立てたり、苦情を申し立てたりする声がたくさんある それを発信する側は何気なくしているかもしれないけれど、当事者はそれにより追い詰められていることもあるかもしれない 目に見えないけれど、人を追い詰めてしまう、世間体やゴシップなんて無くなってしまえばいいのに、無くならないんだろうなあ
9投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めての凪良ゆうさんの作品。出会うことが出来て良かった。小説の中の2人を応援したくなった。 好きな登場人物は、店長と阿方さん。店長はすごく優しい人間だったけど、気持ちのズレがあって分かち合えなかった点が居た堪れない。それぞれの気持ちがある。更紗ちゃんもだけど、店長もすごく寄り添ってくれてたのに分かってもらえ無さが店長の負荷になってそうだなあと思うと少し心が痛んだ。すごく優しい人だからこそ。一方で、阿方さんはすごく大人だった。たくさんのことを経験してきた人なんだろうなっていうのが言動から伝わってきた。私もそうなりたいと思った。 だけど、私は幸せな日常から地獄に落ちて生活していくと言う経験がないし、どれだけの辛さがあるのか当事者にしか分からないものがある。大好きな家族を失って、苦しい生活が始まって、自分の居場所を失って。私が一生知ることのできない想いを、この小説を通して学ぶことができた点もすごく大きなものになったと思う。だんだんと更紗ちゃんが自由に表現出来るようになっていく姿勢に嬉しさと同時に強さも感じた。 事実と真実は違う。真実は当事者にしか分からないこと。推測して関わること、自分の優しさについて考えさせられた。私も被害者としての更紗ちゃんと出会ったら、更紗ちゃんが嫌だと思う行動を取ってしまっていると思う。日常生活を見て見ても、自分が正しいと思って相手のためにしていることも一旦立ち止まりたいと思った。そして、子どもの可能性の大きさを感じた。子どもは自由の象徴のようだ。更紗ちゃんが周りの人に言って否定されてきたことを、梨花ちゃんは容易に受け止めた。すごく近くでわかってくれる人がいてよかったと安堵した。子どもは自分が感じたことに素直で、純粋でキラキラしていて、そういうところが文も好きだったのかなと思ったり。自分が感じてきた苦痛や誰にも打ち明けられない秘密ものどこかには受け止めてくれる人が存在しているのかなという希望をもらった。それは子どもに限らずとも。だが、明かさないからこその秘密なんだなと。でも、分かちあいたさも生まれた。
0投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ小学校で道徳の授業があったが、あれこそ人々が当たり前のように感じている普通に導かれているような気がしてしまった。本人たちにしか真実はわからないしそれを無理に周りが詮索、理解する必要などない。今の時代はネットが普及し小さい子から大人までがネットの情報に依存しているように感じる。私自身もわからないことがあれば検索するし参考にする。使い方はそれぞれだが、どうか自分が実際に見て感じたことを信じてほしい。 大切な本がまた一つ増えました。
0投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログひとりでいる方が楽なのに、ひとりは寂しい。 自分もそう感じる時があるから刺さった。 世の中の人みんな順風満帆そうに見えるけど、孤独を抱える人は多いのかもなあと思った。
0投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ読みやすい。丁寧。 お気に入りフレーズが2つ(1つはあとがき) こんな過酷な人生は送ってないけど、やっぱり他人には理解されなくても譲れない部分ってあるよね 大人になるにつれて、周りと違って、それを出すことが自分にとって不利だと思ったことを表に出さなくなるけど、そういう部分を出せる相手って大事だし希少。
1投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事実と真実の間には月と地球ほどの隔たりがある。 作中の更紗のセリフ。月という字が含まれるこのセリフ。 事実を否定することはできないし、他人から審査、評価、判断される材料はいつだって事実を基にするけど、当事者しか知らない真実はまた別に存在するんだなと思った。 ロリコンだと言われた文、文から性的虐待を受けていたと世間から勝手にレッテルを貼られた更紗。事実がある以上、否定できない2人は生き辛い世の中だったと思う。 個人的に重いものは持たない主義(父親が亡くなった瞬間、更紗を捨てた)の母に、自由に育てられた更紗が、対極にある育児書信仰者の母に育てられた文と過ごすことで、文をどんどん自由にさせてた。最終的にはどんなに誤解を受けても自由に生きようとする2人を見て応援したくなった。 谷さん(文の彼女)の話も好きだった。 文の店の口コミがロリコン批判で溢れてた中で、更紗が見つけた【北極星】という投稿名のコメント。 [彼が本当に悪だったのかどうかは、彼と彼女にしかわからない] これは谷さんが書いたんだと思う。多くのコメントで埋もれているなかで一際輝く、旅人の指針になるようなコメント。事実と真実には地球と月ほどの隔たりがあるという意味が詰まってる気がした。 あとこの作者の色の表現が好き。綺麗な色。空の色もソーダーの色もカクテルの色も
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ加害者とは。被害者とは。 ニュースを見ただけでは分からない、複雑な事情や 感情があることを忘れてはいけないなと思った。 すごく印象に残ったのが『思いやりという余計なフィルター』という表現。 相手の為を思って手を差し伸べる行為は、本当にその人にとって必要なのか。 自己満足になっていないかは自問しないといけない なと身につまされる。 本作の主題は恋愛ではないのだが、更紗と文の関係性には「愛」を感じた。 周囲や世間の常識からは外れてしまったとしても、お互いの存在がすべてと言えるぐらい理解し合える 関係性も悪くないなと思えた
2投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログずっと気になっていた小説、めちゃくちゃ面白かったです! 純愛物の恋愛小説なのかなーと勝手に思ってたんですけども、更紗ちゃんと文くんの関係って、これはもう恋愛、婚姻、友人といった関係を超越した尊さに到達していて、全然違っていました。 友達以上恋人未満の間に、それはもうひっそりと(そう、2人にはこのひっそりという言葉がふさわしいと思います)存在する別次元の何か。 父親の病死、母親の蒸発、従兄弟からの性的虐待……主人公の更紗ちゃんの前半生は、なかなかの波乱に満ちている。 その不幸のなかで何よりも支えとなっていたのが、小児性愛者の大学生、文と生活をともにした時間だった。 この2人の暮らしを描く冒頭の部分は、無邪気な更紗に影響され順調に堕落していくクールな文という構図に愛しさすら覚えるような、一種の神聖さにあふれていて、この作品のなかで一番印象に残っている場面です。 中盤からはこの2人の、2人にだけしかわからないし、わからなくてもいいとさえ思っている神秘的な関係が、一般社会と交わっていく。 世間から浴びせられるのは、<被害者>更紗にたいする同情、<犯罪者>文への嫌悪感…… <事実と真実は違う> このフレーズの重さが、残酷に、ひしひしと伝わってくる展開で、胸が苦しくなりました。 小説の主人公に対して幸せになってほしいなんて、なんだか馬鹿げてるけど、更紗ちゃんには本当に幸せになってほしい、と思いました。 心理的な描写がどこか詩的な感じがして綺麗だったのも、読んでいて心地良かったです。 映画版も配役がイメージ通りで面白そう。 機会があれば見てみたいと思いました。
10投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ面白すぎた。一気読みした。 全体としてはシリアスなのに、時々思わずクスッとするような場面もあり、読書初心者の私でも読みやすかった。 「優しさ」とは何か。 誰かと一緒にいるにはその関係に名前が必要で、家族とか恋人とかそういった名前に当てはまらない2人を世間は認めてくれない。それも、世間の「優しさ」。 事実と真実は違うことがあって、それを当事者以外は正確に判断できない。第三者の「優しさ」が時に当事者たちを無責任に傷つける。 初め私は、文は更紗に何も危害を加えていないという事実を知りながら、小児性愛者である文に嫌悪感を隠しきれなかった。むしろ文は更紗を救ってくれたということも認識していたのにも関わらずだ。しかし、終盤の文の語りで、読者である私自身も更紗が大嫌いな「独りよがりの偽善者」であったことを思い知らされた。
3投稿日: 2025.08.19
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記憶に残った言葉は文の「一人は怖いから」 愛について考える小説 凪良さん成分が多いけど初めての凪良作品でもおすすめ 映画版は☆2.8
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログしんみり系の本があまり好みではなく、これまで凪良ゆうさんの作品は敬遠していたが、友人に貸してもらって初挑戦。 なんだろう、面白すぎる。たゆたうような、ずっと鈴の音が聞こえるような文章が美しく一瞬にして物語に惹き込まれ、その語り口で登場人物の苦難や絶望が綴られるものだからその周囲の残酷さがより際立つ。 「無理やり口をこじ開けられて、乾いた砂を大量に詰め込まれていく。じゃりじゃりと不快な音を立て、私から瑞々しいものすべてを吸い取っていった。」 1番印象的だった表現。 到底人道的な表現ではないが、陰惨な想像がありありと、そしてまざまざと喉元に突きつけられる。 ときに事実と真実は異なる。ご都合主義な憶測で勝手な解釈を呼び、更紗や文が傷ついたように誰かを攻撃していないか、いま一度日頃の振る舞いを内省しようと投げかける一冊。
2投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ様々な愛があると教えてくれる作品 普通の人などいないのに、わかりやすく変だと、たちまち排除される 排除する方は、自分を普通だと思っているから厄介だ そして真実について、これも当人にしかわからないことと考えてみる必要がある 主人公の2人は、子どもながら人生に疲れ切っていて、反論しなかった、だから拗れて報道された そんな、どこにも居場所のない2人のお話しなんですが、どこか身に覚えがある感じで、すっかり物語に取り込まれていました 自己開示しても、受け取る側が自分の手に負えない内容の場合、他人に共有されてしまう ああ、これか!喋られてしまう正体は!
1投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ汝、〜に続き、凪良さんの作品は2作目だけど、出てくる一人ひとりが、繊細ですごく愛おしい。 読み進めながら感じたのは、自分の土台がぐらぐらであればあるほど、他者から求められることで自分を繋ぎ止めて生きていくんだろうな、ってこと。 そして、生まれ育っていく中で、「自分がここに在ることを認められる」経験が少ないと、土台はスカスカになっちゃうのかな、ってこと。 もしかしたら、きっと。亮くんも。 そう言う意味では、「大人2人」に満たしてもらった経験が、梨花ちゃんの土台に少なからず影響を与えたと思う。 物語に出てくる一人ひとりの、土台が少しずつ、満たされていきますように。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ凪良ゆうさん作品は大体好きですが、流浪の月も良かった! 『事実と真実は異なる』終始このフレーズに尽きる感じ。稀有な条件の人々が重なって、周りの多数による勝手に組み上げられた事実に翻弄されるヤキモキしたお話(たまにまともな感想も書きます) 冒頭に幾つかの短い場面が連なってからストーリーに入るのも素敵。 紙ならではの「何度か行き来して、このシーンなのか!」といった喜びもあり、どっしりした世界観でした。
15投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ面白くて読みやすい物語。 シンプルな文体でも深みや余韻を感じる小説とそうではない小説の違いはどこにあるのだろうか、とぼんやり思った。 ※映画化されたものも観たけれど、登場人物誰も彼もが魅力を削ぎ落とされていて、ちょっとあまりな気がした。ステキな役者さんばかりなのに。2時間前後の尺に物語を収めることはどんなに難しいことかとは思うけれど、それにしても暗澹たる心持ちになった。 せめてもう少しの美しさを添えて頂きたかった。
1投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログとてもとても繊細な物語 こんな物語が描ける人がいるんだなあ 作者さんはきっと優しい人なんだろうな あっという間に読み終わってしまった
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログかなり読みやすかった。 ここまで文章が綺麗にかけるのかと感心した。 恋人でも家族でもない、型式に囚われない関係性でも、お互いがお互いを必要としてて、お互いでこそ理解し合えるものがある。 傍から見たら異常的な2人かもしれないけど、当人でしか知りえないことがある。 ストーリーや登場人物の性質的に異端な作品なのに、ここまで物語に入り込めるのははじめてでした。
1投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ本人たちだけにしかわからないこと。 そこに第三者は「解釈」をする。 本人たちが言葉を話そうとすると、理解したかのような顔をした第三者が邪魔をする。 真実が蔑ろにされ、第三者が作り上げた価値観で当事者たちを追い詰める。 声を上げたくても周りがそうさせないもどかしさを読んでいて感じました。
1投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ優しさというのはどこまでもエゴであり、独善的な物なんだなーって思った。 世間は真実なんて求めちゃいなくて、2人の心を土足で踏み荒らして分かった様な事を言って得意気な顔で去っていく。時が流れるにつれて段々と形成された常識や普通を言じて疑わず、更紗や文にもそれを当て嵌めて、おんなじ型に押し込めようとする。 でも2人はそんな暴力的な"当たり前”に耐えられない。然器の形と大きさが他の人と違っただけなのに。 世間が押し付ける物は悪意じゃなくて善意(押し付ける当人たちはそう思っていて、更紗達にとっての毒になるとは夢にも思っていない)だから尚更タチが悪いんだよな。 凪良ゆうはこちらの考え方というか根底にある物を揺るがせるのが本当に上手いなあ
0投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ普通とは何か。優しさとは何か。 とても考えさせられる作品でした。 自分の身に起きてないからと言って、現実に起きていないと考えてはいけない。という、解説に載せられていた大坂なおみさんのコメントが非常にこの作品とマッチしていて、まさしくその通りで、でもそれは言われて初めてそうだよなと気づくもので、本当にそのようにできるかと言われるとそんな自信はないわけで。 当事者にしかわからない絆がある。 そう言われてしまうともう周りがとやかく言う事ではない。わかっているけど自分の身に起きていないと人は好き勝手に言う。その言葉で当事者たちがどれほど傷ついているのか想像すらせずに。 自分にとっての普通は相手にとっての普通では決してないのだと、この本は教えてくれる。 自分が投げかけている「優しさ」だと思っているものが、相手にとっては優しさではない場合があることを教えてくれる。 ならばどうすれば良いのか。もはやわからない。 ただ私たちにできることは、憶測で、自分の物差しで、他人を他人の関係を勝手に語っては、測ってはならないということだけかもしれない。 受け入れられなくても、それを言葉にしなければ良い。態度にしなければ良い。それが1番難しいけれど、そっとしておくのも優しさかもしれない。関わることだけが優しさでない事がある。 なんだか堂々巡りになってしまうが、それこそ自分にはない普通を教えてもらえた作品でした。
0投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
9歳の女の子が19歳の大学生男の家で2ヶ月暮らしたあとの色々の話。 文は本当に小児性愛者なのか?と疑問に思いながら読み進め、やっぱりちょっと違うことがわかる。 ことの真実?といろんな人が思う事実は違う、という話。みんな勝手に想像して誰かを責めたり同情したりするのは、誰かにとって迷惑かもしれないと思わされる。 今の時代ネットに書かれまくってる中傷やら意見やらが愚かで的外れかもしれないということだね。 でも更紗は、いとこに性暴力を受けたことを勇気を持ってどこかのタイミングで誰かに告白すれば少しは文や自分を守ることにつながったのに何でしなかったんだろう。。それをいうのが辛いことはよくわかるけど、周りからは文から性暴力を受けたと思われてるんだから同じじゃない?大人になっても取り調べを受けたタイミングで、もう遅すぎたかもしれないけど警察にもっとしっかり話せばよかったのに、、、
2投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中、冒頭のファミレスの少女がりかちゃんだってことに気づいて、幸せな気持ちになっていたら後半で救いようのない気持ちにさせられた 最終的にはハッピーエンドだったと思いたい。 読みながら、結局さらさと文の行動は正解だったのかな?全てを知っている私ならどう2人に声をかける?と無意識に考えてしまっていたけれど 2人にとっての正解を探している時点で私は2人の視点には立てていないのだなあと反省したり あと家庭環境、が、子供に与える影響、についての作品だったように思える。 そして、りょうくんはただの昭和家系かと思ったけど週刊誌に売ったなら育ちがどうこうという言い訳はできない。情けないやつ。
0投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこの本のこと誤解してたなあ。すごく良かった。 ひとのことを勝手に考えて判断して哀れむことって愚かだと自分にも刻んでいこう。
3投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ私も勝手に周りの真実を決めつけているのかもしれないと思った 本人たちにしか分からないことも沢山あるのに憶測で決めて行動してしまっているかもしれない その事に気づかせてくれた一冊だった
7投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全体的に、自分としてはあまり共感できない作品だった。男や女という二つの枠に収まらない性的マイノリティの人たちが、社会の中で苦しんでいることは理解できる。それでも、大人になった二人の行動は、どうしても最適な選択には思えなかった。特に更紗の行動は、自分勝手に見える場面が多く、感情移入が難しかった。 それでも、文と更紗が互いを大切に思う気持ちは確かに伝わってきた。二人が一緒にいることで得た安心感は、一般的な男女関係の中で感じるそれとは異なるかもしれないが、それでも確かに存在する「別の形の安心」だったように思う。周囲からの理解を得られなくても、自分たちだけが知っている支え合いの形がある──そのことに少しだけ温かさを感じた。 読み終えて思ったのは、この物語は「共感」よりも「理解」を試される作品だということだ。自分とは違う価値観や選択を前に、受け入れるか、距離を置くか。その葛藤こそが、この作品の余韻として残った。
2投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログこの作者は歪な人間関係を描かせたら、右に出る人はいないのでしょうね。つらい話なのにそこには愛と幸せが詰まっている。 おそらく色々な意味で生きづらく、誤解されている人はたくさんいるのでしょうね。自分たちの価値観を正当化する人達に虐げられる。ただ自分がそういう人たちを目の当たりにした時に本当に受け入れられるのか、先入観を持たないかと問われると… 自分の物差しで勝手に人を測ってはいけない、当たり前のことが出来る人間になりたいものです。
31投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ儚くて、歪んだ愛の形。でもそれが人によっては居心地のいいたったひとつの居場所。 文も更紗も一見可哀想で居場所がなくて、傷ついた人達だと思ったけど見方を変えれば強い人に見えました。苦しい環境にいてもそこに馴染む努力と、心の中では何が嫌で、何に惹かれているのかをよく分かっていることって当たり前じゃない。 必死に自分というものを保ちたくて、もがく事ができる人間らしさを持ち合わせた存在だと思いました。 そして自分たちに向けられた見えないナイフを自分だって持ち合わせていることを理解している。 それは相手を思いやるための根底に持つべき大事なことですよね。 文たちが事件を掘り返された時のもどかしさや苛立ちがまるで自分のように感じられるくらい話に入ってしまい、呼吸できてたか分かりません笑 でも本当にラストが良かった。凪良ゆうさんの作品は2作目ですが文章の表現力に惚れました!もっと読みたいですね!
14投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ私は人を【唯一な1人】として見れないから、きっと現実で更紗や文のことを白い目出みてしまうんだろうなと思った。インターネットで自由な世界が広がったように見えて逆に自由が制限されていると最近感じたので、2人が不自由を自由に最後楽しんでいるのが救いだった
6投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ単行本で読んでいたけど、再読すると苦しくなるのが分かっているからなかなか読めずにいた。 でも、読んでよかった。
1投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本を読んでいて泣いたのは初めてでした。 すごく夢中になって読んでいて物語に引き込まれていました。 社会のルールが全てではないと文と更紗の関係性が物語っているように見えました。世間はどんな時でも自分が有利に動く立ち回りをして人を叩こうとする。文と更紗の強くなっていく意志と決意がとても感じられて面白かったです。
5投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【彼が本当に悪だったのかどうかは、彼と彼女にしかわからない】 /世間から理解されない不思議な関係の男女がお互いの居場所となり支え合う、とだけでは語りきれない物語。
2投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
愛とか友情とか絆とか、そんな言葉では表せない男女の物語。自由で自分らしく輝けるようになったあの2か月の日々が、互いに『生きる上で欠かせない存在』にさせたのだろう。 事実と真実は違う。という言葉が心に響いた。 目や耳に入れた情報は、輪郭をかたどっていて「確かにそうだろう」と思えても、実際はただの第三者の感じ方であり、自分の中で考えを巡らせ、ふくらませた想像でしかない。 大好きな父親と母親のもとで自由に生きていた更紗。自分の感性のままに生きてきたが、とても身近な親たちが更紗を認め続けていたからこそ、周りとどんなに違っても『自分は自分』と強く生きていたのに。父の死によって母が居なくなり、叔母さんのところに預けられ更紗の常識が非常識になる。 周りに合わせるようになってどんどん生きづらくなっていた矢先、孝弘に性的暴行を受け『心の死』直前で、文と出会う。 文は裕福な家庭で、会社を経営している父と福祉と教育に熱心な母に育てられた結果、敷かれたレールを順調に走ることが当たり前になっていた。その中で第二次性徴がこないことに焦りを感じつつも、両親、主に完璧を求める母親に言い出せず、自らレールを外れていく。そして小児性愛者になればと自分に言い聞かせるが、どうしてもそうはなれなかった。 自分を自分で居させてくれる文のことを必要とした更紗。自由な輝きで自らをも光へ導いてくれる更紗を必要とした文。 周りからの理解は得られずとも、2人で生きていくことを選択した更紗と文が幸せになってくれればと思う。
0投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ恋愛ではないけど、そばにいたい その安心感ってどんなものなんだろう 温もりを感じたいけど、恋愛ではなくて 一緒にいたいけど、恋愛の好きとはちがう 言葉では難しいその安心感と暖かさ 自分も感じてみたいな 世の中面白おかしくニュースみて言いたい放題 本当の事実なんて何も知らないのに 人の不幸を見て勝手に同情してあることないこと言う そんな世の中だよなーと改めて思うとともに 自分も信頼できる、自分の世界、自分の居場所を見つけたらそんな小さなことも気にならなくなっていくのかな 映画も気になる、、
13投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ一体どこでこれは報われるのかなと思いながら読み進めていました。 でも報われるかどうかは、人それぞれの解釈によるものだなと思いました。 事実や真実というものが実際にあっても、解釈によってそれは変化してしまうものだということを痛烈に感じたお話でした。 主にデジタルタトゥーという現実問題と合わせながら話が進行していくため、すごくメッセージ性のあるお話だと思います。情報にどれだけ自分が振り回されているかを考えさせられました。 相手を理解しようとしても、逆にそれが傷をつける結果になってしまうのは恐ろしいと思いました。 事実として2人の関係性を理解できない自分がいます。嫌悪感があるのではなく、入り込めない世界があることを知りました。 心情描写が素晴らしいなと思いました。重く苦しい場面がどちらかと多い話ですが、その中でもそれぞれの人物がかすかな希望に目を向けているところが、最後の場面で見れたのが印象に残りました。 読み終えた後がなんとも言えない穏やかさに包まれていて、とても不思議な感覚でした。 文学のおもしろさを改めて実感できたお話でした。
10投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
居場所を失った更紗と文の物語。 更紗は大好きだったお父さんを病気で亡くし、お母さんはその穴を埋めるために他の男の人の所へ幼い更紗を置いて出ていってしまう。叔母の家に預けられるものの、生活の仕方や息子からの卑劣な行為によって居場所を失っていく。それを助けてくれたのが同じく居場所を失った文だった。文は第二次性徴がこない病気を患い、それを隠すように生きてきた。文は更紗と一緒に暮らし始めるが、世間は誘拐事件として騒ぎ始める。動物園で2人は捕まり、文は少年院へ更紗は保護施設へとバラバラにされてしまう。数年後、偶然文がマスターを務めるカフェへ更紗が訪れ、そこからまた2人は交わり始める。 めちゃくちゃ面白かった…。 更紗は最低な息子のいる叔母の家から離れて文と一緒に暮らしたかっただけなのに、世間は文を幼児性愛者としてのレッテルを貼り続け、更紗を可哀想な子だと決めつけ哀れみの目を向けてくる。その辛さと歯痒さは計り知れないと思った。自分のことを救ってくれただけで、文は何もしていないのに。 大人になった更紗の恋人である亮くんはちょっとどうかと思う。スイッチが入ると暴力に走るし、結婚とか大事なことも1人で決めるし。 文も自分が周りの男の子と同じように変化していかない自分が嫌だった。病気のせいだと分かるが、身体的なコンプレックスは簡単に消えない。成長していく女の人を魅力的に思えない自分を、ロリコンだと思い込む事で自分の病気から目を背けていた。自分の知らなかった世界を無邪気に教えてくれる更紗が居てくれる事で光を見出し、自由に生きていけることを知る。 2人で幸せに自由に生きて欲しい。心からそう思える小説だった。
1投稿日: 2025.08.06
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心が痛くなりました。登場人物全員が自分本位で無責任で、この先も救いがないのを察していても読むのをやめられなかった。 更紗が特にひどい。居心地がいいからとかの理由で文に不利な失態ばかりを引き起こし、トラウマのせいで反論も払拭も何もせず、ごめんね文…だれも真実を見ようとしない…で片付ける。これを9歳から大人になっても永遠に繰り返す。 夜逃げ代行まで使ってDV彼氏から逃げたのに、バイト先も変えず、呼ばれたらすぐに会いに行く。そして同情している周りの他人を、知りもしないで…と一通り脳内で一瞥してまたやらかす。 性加害者や育児放棄親達や性格の悪い人達は基本的にノーダメージでのほほんと生き続けます。 更紗の言っていた、放浪の末に出会えた世界にたった2つの生き物、と言う関係性が美しく苦しかったです。 今回のオチ: 文は第二次性徴が来ない病気だった。羞恥よりも恐怖に近いコンプレックスで裸体になれず、顕著に成長する女子が怖かった。成長前の女児を見て安心してる自分をロリコンだと思い込む事で病気を誤魔化してた。 更紗を誘拐して逮捕される事で全部バレる事を望んでいて、案の定両親にはバレて少年院で治療を始めた。でも20歳の文が治療するには遅過ぎた。出所後は実家に離れにひっそりと監視されていた。 文の教育ママは精神を病んでしまい、生前贈与でまとまった遺産を貰い、更紗の住む街を調べて一人暮らしとカフェを始める。 すぐに切れるDV彼氏ややたら通報するヒステリー記者彼女ネグレクト少女などを巻き込み問題を重ねていく。DV彼氏に文のカフェがばれ、ネットや週刊誌にリークされまくって2人はまた15年前と同じ境遇に戻った。暴力事件や誹謗中傷事件が頻発するのでマンションもカフェも追い出される。それでも2人一緒にいる。 数年後は長崎でカフェをやっていて、バレたらどこ行く?などとノンキにやっている。
9投稿日: 2025.08.05
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事実と真実は違う。事実として扱われている出来事と実際に起きた真実は全くの別物。 「女児誘拐事件で苦しんだ可哀想な更紗」という目で世間に見られているが、 「文といると安心できて日々の苦しみから助けられた更紗」という真実を誰も見ようとしない。誰にも届かない。 世間は「こうあるべきだ」と価値観を押し付けてくる。文と更紗は確実に救われた。しかし、世間は「被害者」と「加害者」にし、当事者の心なんて知りやしない、とただラベルを貼って片付けられる。 名前のつかない関係に居場所を見つけた人たちを、皆は指をさして批判する。 この理解されない、分かって貰えない歯痒さを感じた。 考えさせられる小説で、とても刺さりました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2020年本屋大賞受賞 第41回(2020年)吉川英治文学新人賞候補作 せっかくの善意をわたしは捨てていく。 そんなものでは、わたしはかけらも救われない。 愛ではない。けれどそばにいたい。 新しい人間関係への旅立ちを描き、 実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。 あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。 「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。 そんなものでは、わたしはかけらも救われない。」
2投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ作品紹介の「息を呑む傑作小説」というのがそのまま当てはまる小説だと思った。 凪良さんの「汝、星の如く」や「星を編む」でも章ごとに視点が変わったが、今作も同様で、それがより深く物語に入り込める要因なんだろうな。 登場人物の名前が素敵。 事実と真実は別、というのが特に心に残った。
5投稿日: 2025.08.03
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「 更紗はどれが好き? 」 小学校に入学する前、お父さんとお母さんが わたしに尋ねた。 鞄に限らず、ふたりはなにを選ぶにも、 いつもわたしの意見を訊いてくれた。 赤いランドセルやカータブル、他にも手提げバッグや スポーツバッグなど。わたしは一目でカータブルが 気に入った。青と白の組み合わせが好きだったので、 空色の鞄を背負って白ワンピースを着るのが 楽しみでしかたなかった。 お母さんは我慢をしない。 だからママ友がひとりもいない。しかし、 そのことをまったくきにしていない。 映画や音楽、飲みたいときにお酒を飲むこと。 お父さんとわたしの暮らしを愛することに忙しく、 つまんないことに割く時間なんてないと言う。 お母さんとは反対に、お父さんは市役所に勤めていて 気の合わない人とも毎日ちゃんとおつきあいをする。 湊くんはえらい、すごい、大好き、 とお母さんはいつも言う。 その昔、お父さんとお母さんは野外フェスで 知り合った。ふたりとも感動して涙でぐちゃぐちゃに している時に目が合い、ラストソングのあと、 きてたよね、きてたよ、 とふたりで確認し合い、ふたりは泣きながら 抱き合ったそうだ。 「 そのとき、湊くんと結婚しようって決めたのよ 」 もう何度も聞いたふたりの馴れ初めを その日も聞きながら、今は真面目な顔をしている お父さんだけど、やばいお母さんと同類だったの だから、隠しているだけでお父さんもやばい人 なんだろうかと考えた。 じゃあ、やばいふたりの一人娘であるわたしは? わたしもいつか、やばい人になるのかな? 他の家族と比べると少し違うのかな?みたいに 感じながらも愛情たっぷりの日々を過ごして いました。 大人になったらわたしはお父さんみたいな人と 結婚して、お母さんみたいに楽しく暮らすのだ。 「 あーあ、わたしも早く大人になりたいなぁ 」 「 そんなに早く大きくならなくていいよ 」 お父さんにぎゅっとされ、 「 湊くん、わたしもぎゅっとして 」 お母さんが言い、お父さんが手を伸ばして わたしごとお母さんをぎゅっとした。 お父さんとお母さんがやばい人でも、わたしは ふたりが大好きで、やばいことなんてなんの 不都合も感じなかった。 我が世の春とは、あのことだった。 あの幸せは永遠に続くと、わたしは信じていた。 それが、なんでこんなことになっちゃったんだ。 この物語を開いて、 最初にお父さんがいなくなって、 次にお母さんがいなくなって、 わたしの幸福な日々は終わりを告げた。 すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所を くれたのが文だった。それがどのような結末を 迎えるかも知らないままに 。だから十五年の 時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。 この願いを、きっと誰もが認めないだろう。 周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切な ひとさえも傷付けることになるかもしれない。 それでも文、わたしはあなたのそばにいたい 。 一章の少女の話を読む前に、本を読みはじめるまで あったはずの全ての音がなくなっていました。 更紗さんと文さんのそれぞれの心に深く入って 深く傷つきながら、大きな力に理不尽に振り回される 無力さを嘆いて諦めてそれでも生きていける 場所を求めながらの時間でした。 「 俺はハズレだ。引き抜かれたトネリコは俺だ 」 とうなだれて、堰を切ったように 言葉をあふれさせた文さん。 文さんの告白を最後まで聞いて、震えながら手を取り 十五年前のようにしっかりつないだ更紗さん。 ぬるい涙があとからあとから湧いて、 文さんと初めて交わしたときに降っていた 雨のように、 わたしのすべてを濡らしてほぐしていった。 更紗さんと文さんの関係を表す適切な、世間が 納得する名前はなにもない。 逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。 わたしたちはおかしいのだろうか。 その判定は、どうか、わたしたち以外の 人がしてほしい。 わたしたちは、もうそこにはいないので。 読み終えた時はもう涙はかわいていて 更紗さんと文さんのこれからを想い願いながら の読後感でした。私自身も沢山傷つきながらの 時間でしたが、心はこれ以上ないくらいに 穏やかで、優しい気持ちになっていました。 ねえ文、今度はどこにいく? どこでもいいよ。 どこへ流れていこうと、 ぼくはもう、 ひとりではないのだから。
498投稿日: 2025.08.03
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1つの事柄でも自分から見えてるものと他者から見えてるものは違うということを現実でも覚えておいた方がいいと感じさせられた
4投稿日: 2025.08.03
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【事実と真実は違う】 女児誘拐事件の加害者の文、被害者の更紗お互いがお互いを必要としている気持ちを世間からは許されないという悲しい事実 事実と真実は違うという言葉が作品の中にたびたび出てくるがその通りだと思う 事実だけを見て人間の本質を見ていない自分もそうだろうなと思う いろんな人がいるということと 目に見えるものだけを言じてはいけないということを学んだ 世の中に『本物の愛』なんてどれくらいある? よく似ていて、でも少しちがうもののほうが多いんじゃない? みんなうっすら気づいていて、でもこれは本物じゃないからと捨てたりしない。 本物なんてそうそう世の中に転がっていない。 それが結婚かもしれない。 素敵だと思った、共感した部分↓ 「もう、絶対にあんなことはしないから」 亮くんは前にもそう言った。あのときの人工的な葡萄の香りが蘇る。まがいもの。愛とよく似ているけれど、愛ではない。亮くんは自分の空洞を満たしてくれる誰かを欲しているだけだ。わたしも似たようなもので、それが今夜露わになった。 少ない段ボール箱のひとつを開けて、ぷちぷちした緩衝斉」に守られた食器の中から、オールドバカラのグラスを取りだした。これだけは絶対に持ってこようと決めていた。ここにくる途中のコンビニエンスストアで買った安いウイスキーを鞄から取り出す。 グラスに琥珀色のお酒をそそいで、静かに喉に流し込んだ。強烈な香り。熱が喉を滑り落ちていき、行き着いた先の胃がじわじわと熱くなっていく。そこに臓器があるのだとわかる。お酒を飲んで、生きていることを実感したのは初めてだった。 ーーお父さんとお母さんも、そんなことを思ったの? 以前の恋人も亮くんも、女が強いお酒を飲むことを嫌っていた。はっきり口にはしないけれど、なんとなく感じる無言の圧力。けれど初めて飲んだウイスキーをわたしは気に入った。お父さんもお母さんもお酒が好きだったので遺伝かもしれない。喉や胃を焼く熱はゆっくり手足へと回って、心地よいだるさの中で、昔のことが次々掘り起こされていく。 お父さんが好きだった銘柄は、確かマッカラン。今度それを買ってみよう。ウイスキーを買うついでにアイスクリームも買えばよかった。今日の夕飯はアイスクリームがよかった。文の家で初めて食べたのはアイスクリーム。あのころまだ珍しかった外国の高級アイス。
4投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ重かったでも先が気になり一気に読了 切なすぎた 更紗、文、どちらも母親に問題があった 様々な愛があり様々な幸せがあるのかもしれない
3投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ自由気ままに育った更紗が育児論に従って育てられた文を少しずつ堕落した生活へと引きずる様子は読んでて楽しかった。 15年の歳月を経て2人が再会した時はお互いどう思っているのかドキドキしたが、文も更紗のことを心配していて安心した。 そこから梨花ちゃんを加えた3人での生活は亮とのいざこざや取調べの様子を中和するほどに微笑ましかった。 谷さんはいつでも冷静でかっこいい女性に感じた。 「事実なんてどこにもない。みんな自分の好き勝手に解釈してるだけでしょう」という言葉が印象的。 更紗に対しての周囲の反応から自分が普通だと思っていることを無意識のうちに押し付けてしまっているのではないかということに気づいた。 これは自戒としていきたい。 「みんなの自由を尊重するために、みんなが我慢をする。」 亮のこの言葉は最もだなと感じだ。 自分の自由を主張するなら、他人の自由も尊重しなくてはならないと思う。
2投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
更紗がいたら、私もきっと可哀想というレッテルを貼っただろうと思って苦しく思った。苦しいのと同時に自分を見つめ直すきっかけになった作品。
2投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ自分の"優しさ"を疑う。 誘拐犯とその被害者である少女。世間からの視点は犯人への憎悪、被害者への憐れみで溢れているが、本当にそれが真実であるかは分からない。「事実と真実は違う」と言うが、当事者どうししか分からないことを、周りがとやかく言うことは何の意味があるのか。 優しさを持って生きたいと思うものの、自分が他人に向ける優しさは本当にその人にとっての"優しさ"なのか?考え出したらキリがない。 自分は普通の人間だと考えている人にとって、この小説の2人は異質に見える。(自分も異質にしか見えなかった。)しかし、受け入れられない行動や言動も、それは自分が普通だと考えている人としての価値観でしかないなと改めてて考えさせられた。
2投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ汝…よりよかったかも。 本当に思うけど、二人が良いなら別にもういいのでは?洗脳であれなんであれ…と思う。他の人に迷惑をかけてないのだから。 だから当事者同士がどうなのかはなんて、周りの問題ではないのだから、わからないことがあったってそりゃそうだって感じだよね。 個人的にはこの本のテーマが、その事実と真実の齟齬だとしたら、サブテーマはふみとさらさの愛の形っていうことになるんだと思う。愛ではないけどそばにいたい。不思議だな。でもお互い好きである以上、それは十分に愛なのでは?と思ってしまう。それとももう、存在として必要不可欠なものになってるから、愛とかそういうんじゎないってことなのかな。
9投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ凪良ゆうさんの本を読むのは3冊目。(「汝、星のごとく」「星を編む」) 他の作品でも同様だが、異なる人物の視点ごとに章立てされており、一つの事象でも捉え方は人によって違う(=事実と真実は異なる)ということを感じとる。 世間的に辛い立場にある方からすると、どこに行っても誰かに何を言われ、監視されているような、生きづらさを感じるケースがある。彼らは、そんな生きづらく狭い世界に、自由(=いわゆる普通の暮らし)を求める。 彼ら(いや、人は皆全員だと思うが)にとって、一人で抱え込まず、共に支え合うことが大切。 自分も、一つの話を一つの視点だけから鵜呑みにせず、情報を整理して、自分なりに考えることを大事にしたい。
2投稿日: 2025.07.31
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一気に読んだ。 決して軽い話ではないのに何だろう、このすらすら読めてしまう感じは… さすが凪良ゆうさんって感じ。 この2人に取り巻く厄介者、部外者達に邪魔されずに穏やかに幸せに暮らせる時間が少しでも長くありますようにと簡単な言葉でしかまとめれない。
3投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログこの本を読むのは2回目だけれど、次はどうなってしまうのか、ハラハラとページを捲る手が止まらなかった。 変わらないで欲しいと願ったものはどうして変わってしまうのか。 泣いてしまうところもあります。大好きな本。
2投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世の中に本物の愛なんてどれくらいある?よく似ていて、でも少し違うもののほうが多いんじゃない?みんなうっすら気づいていて、でもこれは本物じゃないからと捨てたりしない。本物なんてそうそう世の中に転がっていない。だから自分が手にしたものを愛と定めて、そこに殉じようと心を決める。それが結婚かもしれない。 ✂︎––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 確かに自分が小さい時夢に見てた結婚とは現実はちょっと違っていて、結婚ってそうも捉えられるなあ、と絶賛結婚ラッシュに揉まれてる27歳沁みました。 事実と真実、側面しか見えないのに憶測で話をしちゃう、そんな事は多いけど当事者しかわからないことばっかり、文くんと更紗ちゃんふたりにはずっとしあわせでいてほしい。 更紗ちゃんの相手が発する言葉で線が引かれる感覚、すごいよくわかる。 文くん、再開シーンで涙出るほど大好きになりました。 人生において本当に信頼できる人が1人いるって世界が違うんだろうなあ
2投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ汝、、、から手に取ってみたが、ものすごく重い話。読んでいて、心が握りつぶされる感覚。 事実と真実はちがう、何度も出てくるこのフレーズは、自分の身の回りの色々なことにも当てはまるし、物事を1つの側面だけで見ちゃいけない。 わかっちゃいるが、それが難しい。 最後の2人には少し救われた。
2投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ恋人でも友人でも家族でもない、心地の良い存在。そういう関係性があるのだと知った。世間的には被害者と加害者。しかし本当のことは当事者にしか分からない。
2投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログ題材がきもめのお話(ほめてます) 人のコンプレックスの根深さや、理解されない孤独感、すごく切ないお話でもありました。
1投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ何と切ない本だろう。 文の立場になってみると生き辛いだろうなと思う。 でも側に居心地の良い人が2人もいて良かった。 繋がりって、愛や恋だけじゃなくて、一瞬にいてどれだけ居心地が良いかなんだよねー
3投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ良い意味で読んでいる間、心がずっと複雑なる本だった。 2人のことを思うと、世間はひどいと思ってしまうけど、実際にあったら私はこの本で描かれている世間と同じ反応、態度をとってしまうと思う。 やはり真実は分からない。何事も憶測で意見してはいけないと感じさせられた。
2投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ私が凪良ゆうさんの本で一番好きな本。 私は、きっと更紗に出会っても、きっと、店長と同じように、更紗のことを「かわいそう」「助けたい」と思うのだろう。 更紗は、文以外の誰に救われるんだろう。きっと誰もいないのだろう。彼らの関係が、どんな言葉をつかっても表現できなくて、もどかしい。 最後の章の美しさに、感激した。 更紗は、ずっと更紗なんだろう。
6投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ事実と真実は違う 自分にとっての優しさは自分がして欲しいことであって、相手にとっての優しさと一致するわけではない 周囲と違うことは個性であるはずなのに、 「そんなの気にしなくて大丈夫」と笑ってくれる人が側にいるかいないかで個性とプラスに捉えるか疎外感を味わいマイナスに捉えるか大きく変わる
3投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ初!凪良ゆう作品 どんどん引き込まれた作品でした。 2人の感情はなんて言うんだろう? 事実と真実は違う。 普通とは、善意とは。 逆にそれが人を苦しめることも... 最後は希望が感じられる終わり方でよかった。 他の作品も読んでみよう!
2投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
起きている事はどうしようもなく苦しいのに、綺麗で柔らかくて分かりやすい文章に包まれていて、ああ、好きだなあ……と堪らなくなった。 物語の結末も大好きです。 「正欲」を読んだ時のような衝撃があったなあ…… 文庫本の解説だけど「命綱」っていう表現がぴったりで胸を打たれました。
3投稿日: 2025.07.20
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たしかに、自分がされて嫌なことは相手にしてはいけない。は、逆を返すと自分がされてもいいと思っていることは人にもしていい。ということになる。人は個々で全く同じなんてないのに、自分の当たり前は相手にも当たり前だと思い込みがちだ。そしてそれを指摘できる人は少ない。注意しながら行動出来る人も少ないだろう。そんな認識することが難しいことを明確に分かりやすく伝えてくれる物語だなと思った。
2投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ事実と真実が異なることの歯痒さをずっと感じながら読み進めることとなった。わたしと彼の間でも15年真実の相違があったり、本当の意味での真実は本人しかわからないということが腑に落ちた。それを念頭に置いて他人の話を聴きたいと思った。一気読みしてフラフラ。
3投稿日: 2025.07.20
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<事実と真実は違う> 凪良ゆう氏の作品はこれが初めてです。 読み終えたばかりの今、ものすごく圧倒されています。何か感想を書こうと思うのだけど、言葉が出て来ない。海で泳いでいて思いがけず大きな波に巻き込まれて、上も下も右も左も分からないながら、ゴボゴボともがきながらなんとか浮き上がってきたところ・・みたいな状態です。 とても美しくて悲しい。デジタルタトゥーの恐ろしさ(私たちだって、いつ主人公たちのようになるかわかりません)。その恐ろしさに半ば諦めつつ怯えて暮らす主人公たちの、互いに相手を思う純粋な心が余計に悲しい。 凪良氏の心情描写がとても細やかで、心にすーっと入ってきます。だから主人公に同調して心が大きく揺れるのかな? 本屋大賞受賞が納得の一冊です。
5投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ複数人物の視点から物語を描くのが上手い! ループして戻ってくるのも面白い 1日で読み切ってしまった なかなか重い話ではあるが、
2投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログ「汝、星の如く」を読んでから、凪良ゆうの作品をもっと読みたくなって手に取った一冊。 正直私好みの作品ではなかったけれど考えさせられることが多かった。事実と真実は違うこと、ニュースや記事で伝えられていることがすべてではないことが、きっと世の中にはたくさんあるんだなと感じた。私の普通という基準で誰かを傷つけたこともきっとある。 読んでいて明るい気持ちになる場面は少なかったけど、 最後は二人が楽しそうでよかった。
4投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
汝は超えられないなと思いながら読んでた。途中で、違うベクトルでそれぞれいいものなんだなと思った。最初から汝と比べること自体がおかしいんだということに気がついた。汝と星を編むで味わえたあの凪良ゆう独特の空気感を味わうことができた。それがとっても嬉しい。この2作とか正欲を読んだ時と同じように、「こうしたらよくない?」と引っかかるシーンもあるが、同時に「でもこういう経験を積んでるからこうはできないんだな」と納得もさせてくれる。事実なんていらない、出来事にはそれぞれの解釈があるだけだというフレーズがとっても素敵だった。人はみんな自分のことを優しいと思っている。っていうフレーズはこれから忘れたくないなと思った。 全員自分が気持ち良くなるために生きてる。 みんながみんなのためを尊重するためにみんなが我慢してる。 優しさは傲慢だ 優しさに救われないものもある 凪良ゆうって最初に最後のシーン持ってくるよね 名前がない関係ってとこがカフネみたいで、優しさの形みたいなのが正欲みたいだった。
1投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログ正直なところ、読書中はとても苦しい。 常に落ち着かない気分。 読了後、現実の世界に戻って来るのに少し時間が必要なほど、パワーのある本だった。
2投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログすごい本 手から離したくなくて、ぐわっと一気に読んだ こんなに集中して読めたの初めてってくらい 午後3時から10時くらいまで、歩いてる時間とご飯の時以外読んでた。 歩いてる間も読みたかった すごい。物語の設定がすごいのか、文章の書き方がすごいのか、ははぁって今感銘を受けてる すごいわ。 重いと感じる人もいるかもしれないけど、私はそうではなく、綺麗な病みというか、文章に引き込まれた。 「汝、星のごとく」と似た部分感じる。"汝"読んだ時は、私の17歳くらいの時にも櫂がいて欲しいって思った。 「流浪の月」も、汝ほどではないけど、文みたいな、寡黙で、でも優しくて、、、いろいろあるけどそういう人がいて欲しいと思った あとがきに書いてあった 「凪良ゆうの小説を読むことは、自分の中にある優しさを疑う契機となる」 っていうのも分かるかもしれない。今まだ読み終わってすぐだから、振り返りきれてないけど、これから少しずつ 優しさがあっても、分かってもらえないと思う・思われることがある。 いっぱい付箋貼ったから、これから振り返っていく 今はただただ圧巻されてる すごいや
19投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ更紗と文だけの二ヶ月ね。なんともいえない気持ちになった。特別だと思いつつも周りから見たら異常なことも多分きっと分かってるだろうな。
1投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ本屋大賞受賞作。両親が相次いで失踪した更紗は、伯母の家に預けられるも居場所を失っていく。やがて公園でぼんやりと過ごす文と出会い、更紗は文の家に転がり込む。それが女児誘拐事件として、社会を騒がせる事態となるのだった。そして15年後に2人は再会する― 我々が報道に触れる際には、単純な加害者と被害者といった視点で読み取り、加害者を叩いて被害者に同情という名の好奇の目を向けることが多い。それらはデジタルタトゥーとしてオンライン上に永続的に残り、事ある毎に検索されて当事者たちの未来を奪っていく。この大衆たちの視点の硬直状態こそがこの物語の転機をもたらし、“普通の暮らし”を送ることを2人から奪っていく。 著者の凪良ゆうさんはこの作品が本格的な文芸作品デビューとなる。単純な愛の形を描くのではなく、社会の歪みや他人の偏見といった外的要因によって人生が移り変わっていく様を描くのは、とても複雑な人生を送ってこられたのだろうと推察される。そういった私の穿った視点自体が、大衆の硬直状態なのかもしれないが。
22投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログ恋とか愛とかで説明できない関係性。 繋がっていたいという人間の性というか、 動物の性というか。 繊細な描写のこの小説で感じさせられた。
2投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ相性の悪い本屋大賞受賞作。どこかで読んだり観たりしたような話をつなぎ合わせたようなストーリー、とやや冷めながら読んでいました。ところが中盤以降どんどん増していく緊迫感、怒涛の展開、胸に迫る心理描写、そして解決することのない不条理と投げかけられる問い…やられました。本屋大賞とは知らずに購入しましたが、良かったです。終わり方にも救われました。
10投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ世間からの意見と、被害者当人の意見が異なるなんて当たり前のことを見落としていた。ただ、少しフィクションが過ぎるのかなとも思う。
1投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ新しい人間関係?というテーマは全然分からなかった。 更紗と文の関係にやたら恋愛感情ではない、みたいな事が何度も言及されるが、セックスがないだけのただの恋人同士ではないかと思った。更紗と亮の関係のように、お互いの足りない部分を埋めているだけにしかうつらない。別に恋愛なんてそれでいいと思うが、DV彼氏に対する思いやりや配慮のなさ、文も彼女に対して心を閉ざしながら付き合っていたことを考えるとこの2人の関係性だけ美化されるのは違和感がすごい。文が金持ちで生活の心配がないのも都合よすぎる、人が一緒に暮らしていく難しさにお金の問題は大きいがそこも飛ばしている。 更紗も文も、理解されないが口癖だけれど理解されようと努力していない。一言真実を告げてみたら全然違うのになって場面多すぎてストーリーの流れにものれない。 彼氏に冷めていく心理描写などはとてもリアルでゾッとして参考になった。
3投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ人は他人には分からない何かを抱えていることが往々にしてあると改めて思い直しました。 救いのある物語で読んでよかったです。
1投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
普通じゃないことはどうしていけないのか 優しさは時に刃物になる 初めて目を開いた気がした 全てにおいての概念を覆すような物語だった 第三者にとっては何ともないただの出来事が 本人にとっては一生普通にはなれない いや、普通の人なんていない 傷つけていることにも気づけない 傷つけないように接するその気持ちが傷つけることになるかもしれない 全ての可能性を凝縮して書かれているように感じた 相手から見ればそれは恋愛でも 本人から見れば恋愛とも友情とも言えない 形にできない、言葉にできない感情 全ての言葉を信じてはいけない 言葉で表せないものがこの世にはごまんとある それを知るべきだと思う 同情するな、同じ立場に対等に立てることは無い 本人じゃないと分からない 本人にしかない事実がある 憶測を立てるな、どんな人間でも下に見てはいけない たとえそれが善意だとしても 自分の優しさという感情についてまた考え直さなければいけない 人との接し方、感情の表し方 気を遣いすぎてもいけない 治したくても治せない人もいる それは病気だと言われるけれど根性論で全てまとめられるもので、当事者でもないのに偏見で卑下する 亮はそれに分類されるのかもしれない 敢えて亮の病気(DV癖)について何も語らなかった更紗は悪口も言わずただお互いのぶつかり合いで済ませてしまった それは更紗も同じだからなのか 他人から同情されて勝手に妄想が現実社会に浸透されてしまうその気持ちを理解しているからこそ敢えて何も言わなかった 読者に問いかけているのかもしれない 亮の行動は決して許されず、過去も消せずに未来もそれは続いていくかもしれない 本気で謝ってもそれはただの言葉であり、行動とは反しているから誰にも信用されなくなる 亮にも見直さなければいけない部分はあるだろう 既に見直していたら?週刊誌のインタビューを受けるという嫌味な行為をしないだろうと自分は推測してしまう しかしインタビューだけを見た人間はだれもDV癖を持って暴力を働いたにも関わらずその人を慈善的な言葉で括ろうとしたと思わない 真実はあるが、事実は一人一人確実に違う 真実だけを見れば楽かもしれないが それは誰のためにもならず、憶測だけが飛び交い、人間が特化してしまったその空想の世界が現実になってしまう そんな恐ろしいことが今も当たり前に続いている
2投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ一気読み 重たい話ではあったけど お互いが絶対的に必要な存在であることと二人の絆は羨ましくもあったな.... 愛だった
0投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ事実と真実は違う 自分たちの頭の中でこうなんだろうと決めつけてしまっていることってたくさんあるんだろうな。当事者にしかわからないことがある。
0投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログたった2ヶ月の生活でそのまで想い入れるのは、なかなか自身の生活や環境ではあり得ない それぐらい大切で運命な人なんだな。
1投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ真実と事実はちがう “私”に向けられる優しさという暴力。 “私”を理解しようとしない、貴方から映る“私”を観て貴方の枠に当て嵌めて“私”を解釈する。 そこに事実も真実もありはしない。 大小はありつつもこういうのって日常的にあると思う。その優しさを受ける側も与えていると思っている側も、そこに気がつくか気が付かないか、傷つくか傷つかないかはあるにせよ。結局人ってバイアスから抜けることは難しいし。 だからこそ、その人の話を聞いて感情を共有することが大事で、文と更紗の強い結び付きはその先に「この人は自分を理解してくれる」という絶対的安心感(存在)から生まれたものなのだと感じました。 そういう関係になれるかは、相手もそうだけど、自分次第なところもあるから難しいよね。
11投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログ本当のことは当事者にしかわからない。世間一般から見た 普通という枠に何事も当てはめながら日常を過ごす中で その枠に当てはめることの危険さに気づいた本だった。 誘拐犯と被害者と見られてるふたりには、ふたりにしか わからない、理解できない強い絆があってそれを羨ましくもあり、でもみんなに理解してほしい気持ちもあり複雑な 気持ちで読んだ。でもわかってくれる人がいる尊さとか やっぱり理解してもらいたいっていう気持ちも人間誰しも 持っているのではないかなとも思った。考えらさる本。
1投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログほぼ一気読みでした。 様々な環境、境遇、そして個々の特性。 本を通して、知ることばかり。 文と更紗がどうか幸せに生きていって欲しいと、また現実の世界も人がもう少し生きやすい世界になって欲しいと感じました。 誰かに説明しないといけない世の中はおかしい。 型がない関係だってあります。 知らないことを含め色々なことがあるのだから、やはり想像力は不可欠ですね。
13投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログ読み続けているときは朝井リョウさんと同じ雰囲気を感じていたが、終わりのシーンでとても幸せな気持ちになれた。はよ、次も読んでみたい。
17投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログしばらく余韻から抜け出せないほど今年いちばん面白かった小説かも。 映画版も俳優陣が皆さん素晴らしかった。
9投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
序盤は「少女のはなし」。主人公更紗が幸せな家庭に育つところから話が始まる。 両親はフェスで出会った奔放な性格。父親は真面目に働くが母親は天真爛漫な恋愛体質。 やがて父親月の突然の病気で亡くなり、母親ひ寂しさに耐えきれず恋を求めて、何人目かの愛人と姿を消す。 叔母の家に引き取られた更紗は文化の違いに戸惑うが、実際問題だったのは中学生の従兄弟の孝弘による夜這いだった。 公園で出会った一人暮らし大学生の文と出会い、2ヶ月ほどの同居をするが、パンダを見に行った動物園で通報され文は逮捕、更紗は叔母の家に戻される。 再び夜這いが始まった夜、更紗は孝弘の頭を酒瓶で殴り、児童保護施設に送られる。 二章は成長した更紗の話。 24歳になって成長した更紗はファミレスのパート勤務。 亮という元勤務先の取引先の青年と付き合っている。 結婚を切り出されて実家に挨拶に行こうと言われるが、更紗は微かな違和感を感じる。 パート先の同僚の平光さんに連れて行かれた居酒屋みたいな営業時間の喫茶店『calico』で文と再会する。 亮には内緒で文との繋がりを求めてから喫茶店に通いだしてから亮との関係が壊れてくる。 亮が凄いDV男で、暴力やストーキングをして更紗を苦しめてくる。 更紗は同居解消して文のマンションの隣に引っ越すが、文の恋人谷さんや同僚の安西さんの娘梨花との微妙な人間関係が、亮の週刊誌への情報リークで警察沙汰に発展し、結果的にみんな解放されたものの文の心が壊れてしまう。 更紗はファミレスも退社することになる。 文は体が成長しない病だった。 成長していく同世代に劣等感を抱えて、心の拠り所を少女に求めるようになった。 成長しない=性徴がないので、性的対象としては見ていない。 更紗と出会って意外にもたくさんの気付きを与えられた文は少年院出所後も更紗を求めて住みかを選んでいったのだった。 だから二人は出会うべくして出会ったと言える。 その後はネットの風評被害で転居、転職を繰り返す二人だったが、それを受け入れて生きて行く、というところで話が終わった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 基本的には世間の風評被害が悪い→「事実と真実は違う」という構成。 だけど「普通」ではない主人公二人と、世間の目は、どちらもそこまでおかしくないんじゃないか、というバランスが絶妙で考えさせられる内容だった。 二人以外の第三者は「優しさ」をもって良かれと思って皆が行動を起こしている。 とくにファミレスの店長は自分にとって納得感のある行動が多くて、最後更紗と決別した時はちょっと心が痛かった。 自分の生活の中でも「普通」を強要している場面があるんじゃないかと反省した。 話の展開的に亮がだいぶ悪役を買って出た形だけど、亮がいいやつだったら話はもっと難しい。 多分リアルな世の中はそういう形だと思う。 文のことを忘れられずとも更紗は亮と妥協して結婚したかもしれない。 結論やっぱりSNSの個人の持論みたいなのは見ない方がいいんだな、と思った。 昨今の不倫騒動がこれに近い。 本人たちがどう思うか、何が正しいのか、今後どうしていくのが良いかは当人たちにしかわからないということに深く切り込んだ作品だったと思う。 作者が言いたいこととは違うかもしれないけど、結婚して子供がいない生き方っていうのも別に一つの生き方か?と思えた。 文章が読みやすく、状況が入ってきやすかった。
1投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログ改めて人間は表面だけしか見てない事を実感できた。真実は当人にしかわからない。恋人でも友達でも家族でもない不思議な関係やけど絆はすごい。100%で信じれるってすごいことで1番嬉しい。
1投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログ世間で「事実」とされているものが、どこまで本当なのか。本人たちにしか分からないことがあるし、ニュースや週刊誌の情報も、第三者が都合よく解釈し、切り取られたものばかりなのかもしれない。そんなことを考えさせられた一冊だった。 世間的には誘拐事件の「被害者」と「加害者」だけれど、2人にとっては、お互いが唯一の心の拠り所であり、逃げ場所でもある。その、言葉では説明しきれない複雑な関係性が、丁寧に、静かに描かれていて、思わず読み入ってしまう作品だった。
3投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ世間と当事者では見え方が違う。 真実を知るのは本人達のみ。 「好き」の形って様々なんだなと考えさせられた一冊。 これを機に凪さんの作品を他にも読みたいと思いました。 読書初心者にもオススメです!
4投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログなんとも言えない余韻がある。 人の目に映るものが必ずしも真実ではない、 当事者にしかわからない真実があるんだということに改めて気付かされる一冊だった。 言葉では言い表せない気持ちになった。
2投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログここ数年読んだ小説の中で一番良かった。思い返して泣きそうになる。電車移動の3時間ちょっとで全部読み切ってしまった。とんでもない本を見つけてしまった……。人は見たいようにしか見ないし、思いたいようにしか解釈しない。構成も言葉も、全て良かった。面白すぎて急いで読んじゃったの勿体なかった、トラウマ級に強く深く残る作品だった……感無量!
3投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ世間には事実とされている不確かな事実が他にもたくさんあるだろうなと、 目に見えてるものが真実ではないし、片方の視点だけ、自分の好都合に意味づけているだけ、なにが本当なのか、考えさせられる本 一気読みしてしまった。面白かった。 途中読むのがしんどくなるところもあったが、結果的に2人の愛の形を見ることができてよかった。
14投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ途中苦しくて気づいたらパタンと本を閉じていたけど、やっぱり読みたくて読み始めたらあっという間に読了。 誰にとっての真実なの??あなたの優しさは誰のためのもの??暴力になってる可能性もあるんだよ。 は〜〜苦しかった。もどかしかった。
1投稿日: 2025.06.16
