
総合評価
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powered by ブクログ支援の実態を鑑みて知的障害の閾値を上げることで、本来支援が必要である軽度の知的障害の子供たちも健常者とみなされ、社会で辛い思いをしてストレスを感じる。そうするとそれを発散するために犯罪を犯してしまう。 今、IoTなどの技術革新で医療福祉へ力を入れようという声は大きいが、本来支援が必要な軽度知的障害の子供たちに力を注げば、こうした社会の被害者が加害者になることも、その人たちに傷付けられることも抑えられるのではないかと強く思った。また、語られる内容は意外と大人社会と幾らか重複する部分もあると思った。
3投稿日: 2020.07.11
powered by ブクログ自分見えてる物、自分が感じていること、自分が分かっていること、が必ずしも相手も同じように見えて感じて分かっているわけではない、ということがわかった。
3投稿日: 2020.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルを見て、ケーキが切れないことと、非行少年が繋がらず、頭の中にクエッションマークが飛びまくっていたが、読み終わって納得。 非行少年、犯罪者が、実は軽度の知的障害者である可能性があり、小さい頃に適切な支援が受けられていたらまた別の人生があったかもしれない、という話だった。 境界知能、検査では見逃されて支援を受けられなかった子どもたちがたくさんいて、大人になっている。 今の世の中、生きづらいと感じている人はたくさんいると思う。 今のこの忙しない世界で、一人一人と時間をかけて向き合い、必要な支援をするにはどうすればいいのか。既存のシムテムでは対応できないからこそ、この問題が未解決のままずっと何十年と続いているのだとすれば、どうすればいいのか。 この著者は、学校教育の充実によって、困っているこどもの早期発見と支援ができると考えているようだが、ただでさえ激務の教師にそれを望むのは酷だと思う。 では、家庭にそれを望むのか、と言われると、すべての保護者に一律にそれを求められても対応できないだろう。 結局のところ、今のままではどこも対応しきれない。学校教育が対応できるようにと考えるなら、対応できるために必要な改革が必要で、社会性を身につけるなど、勉強するためだけではない学校として在るためには、どうすればいいのか。 大きな課題を突きつけられて終わってしまったような、肩透かしを喰らった気分だ。
3投稿日: 2020.07.09
powered by ブクログ「非行」を単なる「悪いこと」と捉えてしまって、問題を抱える人に正しく振る舞うことを強要するのは危険な対処法だと感じた。なぜ非行をしてしまうのか、何が原因か、どう向き合えばいいのかをよく考えてそして向き合って行くことが大事なのかなと思う。知的障害や認知障害は少しづつ世の中の(稀ではなく)あって当たり前のこととして位置づいて来ている。世の中の多くの人がこのことを知って、今まで単に「おかしい人」と捉えてた人たちのことを理解していければ嬉しい。
2投稿日: 2020.07.09
powered by ブクログかつて我々が「不良」「ヤンキー」と言って疎んでいたものや、今も存在する非行少年や犯罪者は、認知の歪んだ特別支援を必要とする者だということが分かった。そして今の日本の教育では彼らは救えない。
3投稿日: 2020.07.06
powered by ブクログ子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない この文章が印象的でした。現在日本で行われている教育には色々な問題が潜んでいるんだと感じました。でも多分その問題を現場の先生たちがわかっていないわけではなくて、周りの教育委員会や保護者の目、科目授業を重視するシステム、労働時間問題等々一筋縄ではいかない問題も多いと感じました…。 それらの問題改善も必要ですが、今子どもたちに出来る対策は何かを考えることも非常に重要だとも感じました。
2投稿日: 2020.07.05
powered by ブクログうーん… ちょっと期待しすぎてしまったからか、評価をつけづらい。 ある程度知識がある人には、物足りなさを感じてしまうかもしれません。読みやすい文体と語り口で、スラスラと読むことができます。でもそれゆえ、これまで関わってきた子どもたちが頭をよぎりまくり、別のことを考えながら読んでいるような時間が実に長かった。あまり集中できていなかったように思う。 わたしは児童分野でソーシャルワーカーとして働いていたことがあって、そこには”ケーキの切れない非行少年たち”と同様の子どもたちがたくさんいた。つまり、「見る力」や「聴く力」が弱く、そこから得られる情報が実際と異なってしまって、認識がずれている子どもたちだ。うんうん、いるいる…そう思いながら読んでいて、現場はいつもそういう子たちの対応に困っていた。でもたぶん一番困っているのは子ども本人なんだけど。そもそも”困ってる”って、結構高次の感情のような気もしていて。何か”困る”ような出来事があっても、それに対して”困ってる”と判断できるかどうか、がまず最初の関門で、その次に「どうやってその関門を乗り越えるか」という関門も存在する。 “困ってる”という感情を知らなければその出来事は流されてしまう。また、人とコミュニケーションを取ることが苦手であれば、「困った(と思われる)時に誰かに相談する」という選択肢なんてまず出てこない。そうやって一人でさまざまな「困った(と思われる)場面を乗り切る方法」を繰り返していくうちに、犯罪に行きついてしまうことだってあるだろう。 怖かったのは、自分にも非行少年たちと重なる部分があるという点だ。 例えば、融通の利かなさや不適切な自己評価。困難にぶち当たった時に融通が利かないと、選択肢が乏しく、解決には程遠い方法しか思いつかない。自己評価が不適切であれば、自分に直すべき点があっても、適切にフィードバックできずに妙な自信を持っていたり、逆に被害意識が強ければ、「あの人が自分を見てくる、何か自分に問題があるのでは」という思いが募ったり。 凶悪犯罪によって少年院に入所した子どもも、こうして日常生活の中のちょっとした出来事に困っていて、それを誰にも相談できずに一人で解決しようとして、ちょっとした勘違いから人を殺してしまったのかもしれない。誰かに相談しようにも、被害意識が強ければ、他人に馬鹿にされると思い込んで、結局誰にも相談できないのだ。 P125「問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにあります。何もできないのにえらく自信をもっている。逆に何でもできるのに全然自信がもてない。要は、等身大の自分をわかっていないことから問題が生じるのです」。 いかがでしょう?わたしはこれは、非行少年だけではない、今の時代を生きる人全員に言えることではないかと思いました。特に、SNSのように虚飾が可能な世界では、いくらでも自分を偽ることができる。どんどん現実の自分と、SNSでの自分の姿が乖離してゆく。 彼らは決して、理解できない他者じゃない。 認知の課題があったり、知的な課題がある人や子どもの話を、わたしは一生懸命聴いてきた。でもたぶん、「丁寧に話を聴く」だけではわからないものが潜んでいる。 P123「”褒める””話を聞いてあげる”は、その場を繕うのにはいいのですが、長い目でみた場合、根本的解決策ではないので逆に子どもの問題を先送りにしているだけになってしまいます」。 この一文は耳が痛い。 これまで関わってきた子で、知能検査WISCでばらつきがある子は結構いて、でもだからといってどう対応すればその子が生きやすくなるのか、それはわからなかった。それがわからない以上、彼らは生きづらいままだし、「問題行動」を起こすことだってある。 書籍の中では、彼らの生きづらさや「問題行動」の背景にある、「話を聴く」だけでは見えてこない、認知機能を強化するトレーニングが紹介されている。 きっと子どもも大人も、あらゆる点において「自分で気づくしかない」。しかし、周りは何をすれば、それが本人の”傷つき”ではなく”自分を変えよう”とする気づきになるのか、それは人によって違うのだけれど、答えのない、非常に難しい問いのように感じた。
144投稿日: 2020.07.04
powered by ブクログ【266冊目】刑事司法分野が扱う人間だけでなく、行政一般の「お客様」には認知機能が著しく低い人間が数多くおり、そうした人々をその他の人たちとは別トラックで扱わないと行政全体の歪みにつながると前々から思ってた。本書は少年だけでなく、犯罪も含めた規範逸脱行為に向き合う全ての人が読むべき本だと思う。 少年院に入った少年には、反省を促し、犯罪をしないよう説諭・矯正するだけでは効果薄。そもそも、反省をし、説諭や矯正を理解するための認知機能の向上から図るべきという本。筆者が医師として、また少年院で矯正行政に携わった実体験に基づいた本。
1投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログいろいろ考えさせられる一冊だった。 少年院での認知能力の欠如の気づきから教育に対する提言なんだけど、大人になって忘れられた人たちについて想像するととても深い問題だ。 普段私たちも知らず知らずのうちに彼らに怒ってしまったりしているかもしれないし、そもそも彼らの問題にまったくというほど気付けていない。 変わるきっかけ ・自己への気づきがあること ・自己評価が向上すること については非行少年に関わらず人間全般のテーマだと思うし、紹介されていた『子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない』という言葉には重みがあるし、難しさを語っている。 良い本だった。
2投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログ長らく非行少年達に向き合い、俯瞰的にその支援を訴えている。 児童への性的な少年加害者の多くはいじめ体験があり、そのストレスをぶつけている。 彼れは、まずもって認知の問題。自分自身や、身体の使い方や、コミュニケーションなどの社会面においてなんらかの発達支援が必要であろう子供たちが気づかれずに、やがて加害者になってしまう。 学校ではできないことをやらせがち。くりあげ計算ができないこの背景には、数を量としてみることができないという認知の問題であるにもかかわらず、ただ計算をやらせる。 なぜやったか〈どうやったら再犯を防止できるか 具体的な対策が薄い。 少年院の少年たちは、8か月を過ぎたくらいから変化することが多い。共通するのは『自己への気づきと自己評価の向上』自分を適切にみるためには、「見られている」ことが必要。少人数でのグループワーク。 やる気のない子どもには、先生役。 ・写す「点つなぎ」 ・覚える「最初とポン」 ・見つける「同じ絵はどれ?」 ・想像する「心で回転」スタンプ、物語つくり ・数える「記号探し」ブレーキをかける 感情のペットボトル、
5投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログ非行少年の中には認知機能の弱さ等から反省することが出来ない(問題を問題と捉えられない)ケースがあるのではないかとという視点で書かれた一冊です。話題性のあるタイトルもあってかネットで一時話題にもなったのですが、SNSでとある方に薦められるまで読んでいませんでした。これには。大した理由があるわけでもなく、こういうタイトルの新書は問題提起(それも過去に行われたものを表向きの表現だけ変えたもの)だけが長々と書いてあるという私の勝手な思い込みです。結論ですが、この思い込みは(本書に関しては)完全に外れていました。最後にしっかりと改善するための様々なアプローチが記載されています。著者が考案したらしきコグトレというトレーニング方法等が主なので、改善方法の是非に関しては著者の他の作品を参照する必要があると思いますが、単なる話題性重視の書籍ではないことは確かです。 個人的には本書を読む前から思っていたことが書かれていたのですんなりと読めたのですが、本書の理解にはこういった読み手側の「意識」が大きく関わってくると思います。ネットの普及で明示されるようになりましたが、「空気が読めない」「読解力が低い」他者を(自分が出来ているかはともかく)許せない、慮ることが出来ない人は多数います。本書にもある通り、認知能力等が生まれつき、または家庭環境の影響により止むを得ず低い方というのは古今東西存在します(デザイナーズベイビーなどが本当に実現されたらどうなるかは知りませんが)。彼らを受け入れるのが本来の社会としてのあり方だと思うのですが、執拗に非難し、徹底的に排除しようとします。自身や友人の子供が該当してしまう、または自身が事故等によって脳機能の欠如に陥る可能性があるにも関わらずです。そのような方達に本書を正しく読み解き理解するのは非常に困難だと思います。勿論、本書によって新たな視点を手に入れ考えを改めるケースもあるでしょうが、新たな偏見の目を手に入れる可能性が高いと思われます。例えば、本書では軽度の知的障害者が能力の不足に起因する自信のなさから幼児に対する猥褻行為を行うといった記述があるのですが、これを女性を幼く描いたアニメ作品が好きな人間は障害者だと捉えてしまうなどと捉える可能性です。 また、本書を手に取る多くの読者は自身を「出来る側」と考えていると思いますが、学校の国語のテストで常に満点を取れた人間は殆どいないでしょう。国語の問題作成方法がそもそも誤ってるなどの批判もあるでしょうが、誰しもが常に正しく物事を読み取れるわけではありません。本書で紹介される非行少年たちを全く無関係の他人ではなく、仮に自分だったらという視点で読み進めることが重要だと感じました。本当に認知能力等が完璧であれば、置き換えて考えることは可能ですし、「そうはいっても自分には縁のない話だよ」としか思えないのであれば作中の非行少年に近いという証明になるはずです。 最近何かと取り上げられている認知行動療法が、そもそも認知能力の不足している人間には効果的ではないのではないかという視点は新鮮なものでした。ではどうすればいいのかという問いに対して社会性を身につけることの重要性からその方法まで記述されて素晴らしかったです。新書特有の踏み込みの甘さも感じましたが、著者の他の作品などでも同じ問題に対して触れられているので、そちらで補完出来るのかもしれません(当然他の著者の作品を参照する必要はあるでしょうが)。 スマホの登場などで世の中は瞬く間に便利便利になっていっていますが、これは能力の不足・欠如を隠してしまうことになるのでしょうか。本書でも知的なハンディを持った方は平時では問題となりにくく、いつもと違う場面、初めての場面で問題となると書かれています。人間がいくら対策しようとも災害やウイルスなどを始めとした未曾有の事態が起きる可能性は常にあります。こういった時に各人が本来持っていた問題点が明らかになると考えると恐ろしいものです。当然、自分の思いもしなかった出来ないことも表面化するでしょうから、本書の視点を常に意識して備えておきたいものです。
4投稿日: 2020.06.29
powered by ブクログ認知能力の低さが問題行動へ…。 小さい子どものうちに、周りの大人が根気よくトレーニングしなければならない。 それは簡単ではない。 必ずしも皆が問題行動を起こすわけではないが、問題行動を起こす少年(少女)=認知能力が低い、というのはうなずく他ない。 それ自体は本人のせいではないだけに、これは身近な大人、認知できる大人がどれだけかかわれるか、ということ。
2投稿日: 2020.06.26
powered by ブクログ子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしか付いていない 「非行少年が三等分したケーキの図」に衝撃を受けて手に取った本。 私たちの、私の正しさで非難したところでほとんど意味がないのだなと。(全く、ではなくて、ほとんど。) 被害者も加害者少年も救われますように。
0投稿日: 2020.06.26
powered by ブクログテレビなどで報道される犯罪者の犯行について、理由など理解出来ない事が多々あり、ただ犯人は頭がおかしいからだと思っていたが、認知能力が低かったり知的障がいを持っていたりとそもそも理解出来るわけがなかったのだと本書を読んで感じた。 確かにワイドショーでは事件の異常さばかり煽り、再び悲劇を起こさないようにはと言った事は一切触れない。まるで犯罪者個人が異常で悪であると言う風に。 また、学校教育では社会性が最重要だと認識されながら、授業時間は殆どない。 子供の教育についてとても考えさせられた。幅広く読まれるべき本。
0投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログいわゆる底辺高校に勤務したことがあるのだけど実感のあることが多く書かれていた。学校側としても日々忙殺され個々のケアに手が回らない、保護者に伝えにくい(気分を害されるため伝えられないことも多い)といった困難もあるため、今後これを機に軽度知的障害の子どもたちへの対応が体系化されていくことを切に願っている。
2投稿日: 2020.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えて最初に思ったのは「タイトルが巧みだ」ということ。山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』や『回転ずしは「食費」ではなく、「娯楽費」である!』を連想した(どちらも偶然にも山田真哉さんだ)。ケーキを適切に切れないことは書かれているけれど、序盤にほんの少しあるだけで、書かれている内容からうまくタイトルを切り出したなと。自分が若かったころの同世代の非行少年を思い出しながら読んだけれど、本書で紹介されているような原因を持っている子たちもいたのかもしれず、「非行少年=素行が悪い」という単純な式では済む話ではないということが理解できた。
1投稿日: 2020.06.16
powered by ブクログ非行の背景には、認知能力の欠場がある。小学校低学年辺りから発信されるアラートを大人が正しくキャッチできる社会になればいい。
0投稿日: 2020.06.14
powered by ブクログ非行少年において、認知能力・自己認識能力に障害があるため、視覚、聴覚に歪みがあり、外界を歪んで認識している場合がある。そのような場合、凶悪犯罪を犯しても、そもそも反省・将来への抑制ができないため再犯率が高まる。 このような融通の効かない子供は、学校での勉強や人付き合いを苦手とし、その結果から成績不良による非行、いじめに繋がっていく。 また、そのような子供は多くがIQ70-84の「境界知能」にいる。従来は85以下は知的障害とされていたが、それでは多すぎるため70以下が障害と改められた。しかし、基準が変わっても知能の程度は変わらないため、そうしたギリ健の人々は学校や社会の保護対象からすり抜けている。 また、褒める教育だけではこの問題は解決しない。(学習段階における基礎的なものを身に着けずに、目をそらしているだけでは非行は解決しない。)また、今の学校では、学習の土台となる基礎的な認知能力を図り、そこに弱さがある児童にはトレーニングさせる、といった支援もない。 【ならどうすればよいか?】 大切なのは事故への気づきと、自己評価の向上 悪いことをしてしまう自分への気づき→適切な自己評価を持つことで自己洞察・内省を行う→さらなる気づきと体験により、自己評価が向上する。 人から頼りにされたい、人から認められたいと思う気持ちを本人につけさせてあげることが大切。 また、認知機能のトレーニングである「コグトレ」を一日5分続けることが、非行の抑制に効果的である。
2投稿日: 2020.06.07
powered by ブクログ認知行動療法の弱点を指摘していることが新しいと思った。 発達障害には早期の療育が必要だということが一般的に知られている。しかし療育を受けたくとも、児童精神科は初診が何年も待たなくてはならないことも少なくはない。 何年も待っていたら、認知の歪みが形成されていくだろう。 そうしたら認知行動療法もなかなかストレートには効き目がでてこない。 被害妄想が強いというのは本当に厄介で、こちらとしては普通に行った行動が悪意の行動だったと思われるのは堪らない。そういう被害妄想が自分の考え方に起因するものではなく、相手の所為だ、と考える人には、どうしたらいいのだろう。
1投稿日: 2020.06.06
powered by ブクログ非行少年たちに対して行われている矯正が本当に適切であるのか、について考察されている。気づいていないだけで支援の必要な人が多くいるということを知り、自分自身もそうではないかと思うと他人事ではないと感じた。
0投稿日: 2020.06.05
powered by ブクログ非行に走っても、反省以前の子どもたちがいる。認知の歪みというやつらしい。 非行に走る前に、福祉で救える人たち、気づかれずにいる人たちがいるハズ。多くの人がより豊かに生きるために、本書が突きつける現実を知っておくことは大事であろう。非行少年、というと縁遠い存在のように思えるが、福祉で救える…「ちょっと変わった人」というのは身の回りにたくさんいるでしょうから。
2投稿日: 2020.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃的なタイトルが目を引くが、認知機能と非行を結びつける論考には説得力がある。現場を経験している著者の、現在の体制と本当に必要なこととの乖離を嘆く痛烈な叫びが感じ取れる。 現在の基準では障害と認定されずに健常者と同様の扱いを受けて苦しんでいる人が、見つかっていない人たちが沢山いるのだろう。指導側も障害という認識がないから、ただ『不真面目』、『やる気がない』と一方的な指導を続けてしまい、本人はどんどんやる気喪失、非行につながる精神が熟成されていってしまう、そんな世の中であることに驚いた。 もう一つ問題と向き合っていないのだなと痛感させられた議題は、褒める教育への批判。苦手なことをクローズアップせずにその他の良いところを無理やり探し出し褒めて伸ばす。良く聞く話だけど、問題を問題として取り上げないことによる助長が起きている。『自尊心が低い』という評価に対する痛烈な提言。自尊心が現実と乖離している、そのことが問題であり自尊心が低いのは一般的に誰にでもある状態なのだ。 最後がどうも宣伝ぽく感じちゃって、でも必要な対策を提示しているだけなのだろうから、パーソナルな心象でございます。知ることのなかった世界の糸口になってくれた、これは確かに良書であります。
6投稿日: 2020.06.04
powered by ブクログ先輩と後輩から薦められて読みました。 こういう活字ばっかりの小説は、いつも途中で読むのやめちゃうんですけど、この本は気付いたら読み終わっちゃってました。 そのくらい内容が濃いこと濃いこと! 現在、私は小学校で学級担任をしています。 本書に「非行に走る少年の生育歴などを調べると小学校2年生の時からサインを出している。」という事に衝撃を受けました。 悪さをは指導するということは、認知能力がある程度保障されている子だからできることであって、IQの低い子や、境界知能の子にはまず認知能力を高めなければならないことなど、目からウロコな情報が盛り沢山でした。 その中でも私が1番ビビッと来たのは、 『ペットボトルを使った感情コントロール』 です!!! これは低学年でも実体験を通じて、感情コントロールや、SOSの出し方、その際の行動などが体験的に学るので是非道徳の教材で使ってみたいと思いました。 他にもたくさんの少年の事例を挙げていて、どれも為になるものばかり、専門的知識も随所に盛り込まれていて、特別支援や、知的障害のことなども見聞が広がりました。 私のように教育に携わっている人や、子どものいる親御さんなどは是非ご一読ください!!!
5投稿日: 2020.05.30
powered by ブクログ障害に気付かないと「不真面目だ」「やる気がない」と厳しい指導をしてしまう。そのケースにあったコミュニケーションの取り方があり、周囲の大人たちが気付くための知恵を持っていないといけないなと思いました。障害を持ったまま大人になるので、大人同士でもその気遣いが必要になるのかなと思いました。
0投稿日: 2020.05.30
powered by ブクログまとめ 自己への気づきがあること。 子供の心の扉は内側にしか取手は付いていない。 子ども自身に出来るだけ多くの気づきの場を提供する。先生が見本になる。正しい規範の見本。 どんな子どもも人に教えてみたい、人から頼りにされたい、人から認められたい欲求がある。 自己評価向上させてあげる。 社会性を身に付ける! 社会面、学習面、身体面の支援 コグトレ 認知機能5 記憶、言語理解、注意、知覚、推理判断。覚える、数える、写す、見つける、想像する。 考えさせられます。
3投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログ2020年「ケーキの切れない非行少年たち」読了。 話題になってから時間がたってしまったが、ようやく読み終わった。少年院の話を読むと、危機感を覚えるし、普段の教育活動がどれだけ重要かということを再認識できる。筆者が提案しているコグトレが、認知機能をどれだけ育むのかにも興味がわいた。
1投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私は今年度から、教育の現場に身を置かせていただいております。 この本はたまたま友人から勧められた本で、タイトルに興味を持ち読んでみることにしました。 発達障害のある生徒には学校現場も様々な対策が取られていますが、本書にもある、非行少年たちのように知的障害のある生徒はどうしてもIQ判断などが正常であり、気づかれにくい。家庭環境的にも医療機関に行かない、行けないという子供が多い。 今、初めてのことが多い中で、偶然なのか、当然なのか分かりませんが、私はリアルにこのような子供と向き合うことになっています。 考えが偏っている部分もあると感じましたが、参考になる部分もたくさんあり、このような子供たちと向き合うためには気持ちでぶつかるだけでは無く、しっかり見通しを立て、向き合うことが大切だと感じました。 これは教育関係なく、人と関わる、全ての方が読んでも参考になる部分は多々あるのではないかと思います。
5投稿日: 2020.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本も息子が母の日に贈ってくれた本。 この表紙は相当に衝撃的で気になっていた。 多くの非行少年が障がいがあることに気付かれず 生きにくさやしんどさを感じながら成長してきたという。 そういう子どもはは親にとってもそうであり 知識のない親からすれば「育てにくい」ということになり ネグレクトに繋がっていくこともあるだろう。 相応の教育と医学で彼らの生きにくさが解消される道へと導くのであろうが なかなか厳しく険しい道である。 継続が鍵になるだろう。 彼らに「気付く」ために親や周りの大人が 知識をもつことも必要だ。
4投稿日: 2020.05.23
powered by ブクログ学校が大事というが、学校で一人一人ちゃんと見れるような余裕がある環境に、先生は置かれていないのがまた問題だなと。 今の学校教育がどのように変わっていくべきか考えさせられる。 また、「できない子」とレッテル貼るのじゃなくて、しっかりその子自身を見ていく必要性を感じた。 あと、正しい自己評価は、私にも必要だと感じた。
0投稿日: 2020.05.23
powered by ブクログなぜ非行少年が減少しないのか、それは認知機能の障害等により、反省以前の少年たちがいっぱいいるからだという著者の視点には、今までにない新たな気づきを教えてくれた。 現在の学校教育では、少年たちの助けてほしいというサインを見逃してしまっていること、非行を防ぐ教育としては不十分であることを知り、非行少年だけでなく、社会全体の課題を感じた。
0投稿日: 2020.05.23
powered by ブクログ非行をする少年少女の行動には、彼らの認知機能のズレが大きく関わっている。 筆者の宮口さんは精神科医として働く中で、カウンセリングや投薬、彼らに理解ある環境の提供があっても非行を繰り返す少年たちを見てきました。その行動をもっと深く知るために医療少年院に勤め先を変えたという方です。 筆者に言わせれば、彼らには認知機能のハンディがあるために不適切な行動をとってしまうという共通点があります。 認知機能とは簡単に言うと、「見ること」「聞くこと」「味わうこと」などを適切に行える脳の機能のこと。 ここにズレがあると、そこで得た情報を整理して「考えること」「想像すること」「思い浮かべること」は難しいですよね。 整理が難しいので、「覚えること」「次に生かすこと」「応用すること」は至難の技でしょう。 どうやらこういった特徴は小さい頃から見られる場合が多いようで、「できない子」たちに幾つか当てはまるそうです。 つまり、非行を繰り返す少年たちはかつての「できない子」であり、今でいう発達障害やそれに近い認知機能をもった子たちだと、またはっきり言って大まかで不十分である発達検査で見逃されてきた子たちだといいます。 そして、非行を減らすためには、学校教育で認知機能を訓練する簡単なトレーニング(コグトレ)をして少しでも認知機能を刺激すること。願うことなら、自己認知や社会性を学ぶ系統的な授業が行われることを訴えています。 経験は浅いですが教育現場で働く身としては、挙げられていた特徴に当てはまる子は小学生にもいたので、この本を読んで彼らの行動に納得できたケースもあります。本人や保護者、周りの先輩には言えなかったけれど心の中で思っていた「どう考えても本人の思考回路に問題がある」という違和感が言語されて、少し救われた気分です。 私も発達や認知に関する勉強はしてきたつもりなので、内容はほぼ予想通りの内容でしたが、筆者の体験ありきの話の構成や自分とは違う表現の仕方で語られるので新鮮ですし「そうやって言うと分かりやすい」と価値を感じます。 紹介されるトレーニングもできなくはないと思います!それに行う価値は、即効性になくても、早期発見には繋がるはずです。少なくとも、本人が自分に対する気づきに繋がれば儲け物です。 ただし、学校は結局1年しかその子を見ませんし、系統的に学習として組み込まれて、且つポートフォリオのように本人が管理できる状態で振り返りができないと、中学校で本人に何かの役に立つくらいの自己認知に繋がらない気がします。 小学校での6年間式ポートフォリオが実践され、うまく洗練されていくことに期待します。
2投稿日: 2020.05.22
powered by ブクログ最近人気になっており、かつ今まで触れてこなかった教育分野の新書ということで読んでみた。 「“反省させること”以前に、そもそもの見る力・聞く力といった認知能力や、感情統制力や対人スキルといった根本的能力に問題がないかを確かめ、そこを支援しなければならない」という内容が印象的だった。 一般化すると、 自分にとって当たり前であることが当たり前でない人もいるのかもしれないと、そもそもの根本から疑い考えることの重要性を感じた。 ほか、印象に残ったトピック ・「知能」を正しく検査することの難しさ。そして「問題ない」と言われたら支援を受けられない残酷さ。 ・学校で気づかれず、社会で忘れられ、最悪刑務所に行きついてしまう人々の悲しさ。 ・できるところを褒めるだけでは根本は解決しない ・自己への気づきと自己評価の向上、「子供の心の扉の取手は内側にしかついてない」 ・学ぶこと、認められること、頼られることに飢えていた少年たち
2投稿日: 2020.05.21
powered by ブクログタイトルに惹かれて読んでみた。 結果、興味深い事実(非行少年は認知機能が低い等の共通点)を知ることができた。 しかし、私は妻子を持つ身であり、非行少年によって被害を被った場合、「非行少年は認知機能が低いから仕方ない」とは思えない。非行少年に同情すべき背景、過去があっても許さないだろう… また、興味深いことを述べているが、くどい。この内容に対してこの文章量は必要ないのでは? 以下は自分が関心した点等の要約、解釈 ・非行少年の共通点5つ ★①認知機能の低さ 見たり聞いたり、想像する力が弱い。想像力が弱ければ努力できないし、悪いことをしても反省できない。 ②感情統制の弱さ 感情を統制できないと認知機能も働かない。 ③融通の利かなさ 融通の利かなさが被害感につながる。 ④対人スキルの乏しさ 嫌なことを断れない。助けを求めることができない。 ⑤身体的不器用さ 「わざとやった」と囚われても仕方がないような動きをしてしまう。 ・現在、知的障害の基準はIQ70以下とされているが、現実にはIQ85でも生活に支障があり、社会から見逃されている。このIQ70-85の人も含めると、知能に問題を抱える人の割合は人口の約16%になる。 小学校低学年の段階で介入・支援することで、犯罪防止や福祉の効果が期待できる。
2投稿日: 2020.05.21
powered by ブクログいわゆる非行に走る少年は、育ってきた環境や育てられ方が悪かったのだろうとずっと思ってきたけど、これを読むと必ずしもそうではないことがわかる。 軽い障害なのだとすると、母親としてはどうすべきなのか。 小さい頃は見逃されがちだし、親としても認めたくはない軽度の障害。 その小さな歪みが成長するにつれて大きくなっていくんだろう。 後半にはその障害を克服すべく行われているトレーニングが紹介されていたけど、果たしてどのくらいの割合で治るのだろうか。治ったら楽になれそう。
0投稿日: 2020.05.20
powered by ブクログ筆者は、児童精神科医として経験を積んだ後、少年院で法務技官として勤務。 この本では、少年院勤務での勤務経験を踏まえ、非行少年をこれ以上増やさないための方法を提案しています。 ーーー 第3章では非行少年に共通する特徴を6つに分類されています。 個人的に印象的だったのが「認知機能の弱さ」について。 ここで言う認知機能とは、見たり聞いたり想像する力を指します。 人間は五感を通して情報を得るものの、認知機能に歪みがあった場合、正しく情報を得ることができなかったり、正しく得たとしてもその後正しく認知できなかったりする可能性があるそう。 そして、本文にはこれらの力に歪みがある場合にどういう弊害が伴うかが挙げられています。 ここを読んで、ふと自分の学生時代のことを思い出しました。 私は勉強も運動もそこそこ、まあまあ無難なタイプではあり普通に過ごしていましたが、 口頭だけでの指導を受けることだけは嫌いで、苦手意識をしっかり持っていました。 口頭で説明されるだけではイメージが湧かないことはしばしば、複雑だったり情報量が多かったりすると忘れることも。 特にその場でメモを取れない部活動での指導は本当に本当に苦手で、 練習メニューは周りを見ながら内容を認識、 今後に繋がるアドバイスを受けようものなら給水タイムにメモを取るほどでした。 その頃は私は鳥頭だからそれなりの対策をすれば良し、と思っていましたが、 なるほど、私は聞く力が人より劣っていた可能性がありそう。 ーーーーー 本書に書かれている少年たちの事例には極端なものが挙げられていますが、 ここまで極端でなくとも人間誰しも能力に凹凸はあるものです。 小さい子供を育てている聞く力の弱い私は、我が子にどういった能力の凹凸があるのか、 時間をかけてでもしっかり把握する必要があると思うのです。 第7章には認知機能の向上を目的としたトレーニングがいくつか紹介されています。 内容は日々の遊びに取り入れられそうな物が多いので、タイミングを見計らって緩く取り組んでみようかな。 何か得るものがなくても、ゲームとして楽しめられればそれでも良いかな。
1投稿日: 2020.05.19
powered by ブクログこの本を読んで、もっと教育や福祉支援の充実を、というのはおそらく誰もが考える。その為の具体的なトレーニングについても解説されている。しかし、それだけでは著者のいう「犯罪者を納税者に」する事は大変難しいと思われた。 本書で話題になっているのは、知的障害ではないが本来なら支援が必要である境界知能の少年たちである。 現在知的障害が認められる為にIQの値はないそうだが、目安はIQ70未満らしい。これは国民の約14%にあたり、単純計算1クラス35人のうち下位5人は境界知能にあたるという。かつての基準であったIQ85未満だと約16%になる。 この時点でもう人ごとではない。学校でなくとも、たまたま電車で乗り合わせた人の中にもいるかもしれないし、偶然レストランで隣の席になった人もそうかもしれない。 少年は大人になるのだから、気づいていなくとも身近にいるのだろう。 さらに現代社会はIQ100なければしんどいと言われているらしい。具体的にどういった点でしんどく、またIQ100という数字になるのか詳細は書かれていないものの、それを信じるなら現代はかなりの割合の人が生きづらい世の中という事になる。 本書で述べられているコグトレは、認知機能を高めていくトレーニングだ。これはこれで大変重要で意義があると思うのだが、トレーニングだけでIQ75の人がIQ100になって、問題なく社会で生きていけるというものでは、おそらくないだろう。 また、教育現場だけで境界に位置する少年たちを全て拾う事は不可能である。 IQも単純な知能でなく、幾つもある項目のトータルの数値であるらしい。そうなると個人の持つ性質も違うだろうし、環境も変わっていく。 グレーゾーンである以上、いつ問題が表出するかは分からない。学校で大丈夫であっても、就職してから、子育てを始めてからかもしれない。知的障害に限らずとも、支援の手とは常に必要なものである。 トレーニングで認知機能を上げるという事は、IQの低い人がIQの高い人に合わせるという事であり、依然として私たちの社会は、認知機能の弱い人を受け入れる態勢にないように思える。 デリケートな問題なので他人が関わる事は難しいだろうが、今自分たちが同じ職場だか自治会だかにいる、もしかしたら"そう"かもしれないあの人に対して具体的になにもできないなら、結局何も変わらない可能性は大いにある。社会全体で、どの様に受けとめるかを考えていく必要がある。 因みに自分は、本書のコルクを取り出す問題が分からなかった人間である(その蓋取れるのかよと思った)。 頭が硬く、視野も狭い。その為この感想も的外れなものとなっているかもしれないが、ここまで書いておいて、これといった案が浮かばない自分が残念である。
4投稿日: 2020.05.18
powered by ブクログ児童精神科医である筆者 医療少年院で「凶暴で手に負えない少年」を診察した際 Rey複雑図形を模写する課題で この少年たちは見る力・聞く力が弱く世の中がすべて歪んで見えているのではないか?と いう仮説に行き着いた。 少年院で数百人の非行少年と面接を繰り返し以下の特徴5点セット+1がわかってきた。 ①認知機能の弱さ 見たり聞いたり想像する力が弱い ②感情統制の弱さ 感情をコントロールするのが苦手。すぐ切れる ③融通の利かなさ なんでも思い付きでやってしまう。予想外のことに弱い ④不適切な自己評価 自分の問題点がわからない。自信がありすぎる、なさすぎる ⑤退陣スキルの乏しさ 人とのコミュニケーションが苦手 +1身体的不器用さ 力加減ができない、身体の使い方が不器用 軽度知的障害者は14%程度存在。軽度であれば健常人と見分けがつかず放っておかれてしまう。 コロナに似て厄介だ
0投稿日: 2020.05.18
powered by ブクログタイトルに書いてあるように非行少年たちについての特徴やどうして非行になってしまうかなど著者の経験を基に書かれていました。 読んでみて、この内容はもちろん非行少年たちの事を知ってもらうために書いてあるのだが、自己にも置き換えて考えることができ、面白い内容であった。 反省以前の少年たちというフレーズからその内容についてはとても興味深かった。 また、著者は改善策を考えておりその内容も記載されていた。最後には、日本という大きいスケールで考えて非行少年たちの数を減少できればどのようなメリットが生まれるかを述べていた。 いゃあ〜、普段読まないような内容を読むと面白いですねぇ〜。カズレーザーが激ハマりするわけですわ!
0投稿日: 2020.05.18
powered by ブクログ「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治 教育心理学。灰色。 さいたま読書会第79回課題図書。 著者の医療少年院での勤務の経験から、非行の原因には、読む力や聞く力、見る力、想像する力、判断する力などの認知機能の問題があることを示唆している。 認知機能の一定の存在を前提とした認知行動療法以前に、こうした認知機能の問題に対して、トレーニングによる支援と改善を説く。 学校教育では、学習面、身体面での系統的な教育は行われる一方で、社会面での系統的な教育はなされていない現状があると指摘している。こうした社会性の獲得は、学校教育ではなく集団での学校生活において獲得されるべきであり、学習指導計画ではなく学級運営の面から論じられているのではないか。 しかし、著者が指摘する「境界知能」とされる範囲の児童たちにとっては、こうした通常の学級運営や、あるいは生活指導などによる支援は、認知機能が十分でないために届くことがなく、結果として支援が行き届かず非行に至るとの結論を導いている。 僕個人としては、むしろなぜこの本が売れているのかという点に興味がある。 それほど、身の回りに「忘れられた人々」との経験であったり、もしくは自分自身の一部にそうした認知機能の不足を感じ得るからなのではないか、そしてそうした経験を「非行」という一線で画することで私は「まだ」大丈夫だ、という安心感を感じることもあるのではないか。 非行少年という切り口から知的障害や発達障害に対する教育について論じる本書は、その反面、我々自身の自己評価に対して問いかけているのかもしれない。 (3)
2投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログ昨年発売されベストセラーになり、新書大賞2020で第2位となった本です。昨年から気になっていたのですが、そろそろ読もうと思って買いました。 タイトルが印象的ですが、これは内容のごく一部(というか1コマ)に過ぎません。見る、聞く、想像するといった認知機能の弱さが学習面や社会面に影響し、その結果いじめ被害者となり、そのストレスから非行に走ってしまうケースが多いということです。200ページ足らずで文章に同じ内容の繰り返しが目立ちますが、それだけ大切なことを印象付けるように書かれているのかなと感じました。文体は易しく、読みやすいです。 では、どのように支援すれば少年が非行に走ること(あるいは再犯)を防ぐことができるのか、著者はその一つの手立てとして「コグトレ」という認知機能の向上に役立つトレーニングを紹介しています。これについて、もう少し詳しく知りたいと思っています。 読んでいる途中、これまでに関わった何人かの生徒たちの顔が思い浮かんできました。教育に関わる人間として、読んでよかったと思う一冊です。
4投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログ「褒めて伸ばすだけでは根本的な解決にならない」 「できるできないではなく、こちらの意図が理解できていない子供が多い」 間違っていることに本人たちが気付いていなかったり、こちらの言葉が発話者の意図通りに伝わっていない場合、悪いのは相手だけなのだろうか。
0投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログ非行少年の中には発達障害、知的障害などの疾患をもつ少年がいると指摘。障害があっても問題なく生活ができているように見えるため、健常者と区別がつかない。ゆえに幼少期に勉強についていけなくなっても、それが障害と疑われることなく、周りからのいじめや、先生からの問題児扱いなどに発展する。彼らは図形を模写することも、ケーキを等分することもできない。これは、できないことが問題なのではない。できないにも関わらず、中学生・高校生になるまでほっとかれていたことが問題なのだ。漢字が書けない、計算ができない、図形を模写できないなどのサインが幼少期にあったであろうはずなのに、見過ごされてきた結果だ。知的障害や発達障害、境界知能にいち早く気づき、しかるべき支援を受けることができたら、救われる人や命があると知った。できることが当たり前の考えを改めさせられた。犯罪を擁護するつもりはないけれど、非行少年たちに対する見方が変わった。この事実を知ることが現状を改善する一歩になる。非行少年がうまく模写できなかったように、自分と同じものが他人にも見えているとは限らない。その前提を知っておくことは、人と接する上で大事なこと。思い込みの怖さや、相手の背景にあるものを想像する力は相手のためにも自分のためにも必要なことだ。
4投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログ既刊の貧困本と同じような内容。目新しさをあまり感じられなかった。貧困本読んだことない人なら楽しく読めるかも。
0投稿日: 2020.05.09
powered by ブクログ犯罪してしまった少年だってもちろん子供。元々からダメで怖い子供なんていない。でも、犯罪が起きてしまった原因はある。その一つは子供たちのSOSに気づかない大人たちの影響。自分を受け入れくれる人がいなくて自暴自棄になり非行に走る。少年院に入っている子供たちだってある意味被害者かも。非行少年たちの見方が変わります。
0投稿日: 2020.05.09
powered by ブクログ子どもがほしいと思っているひとの多くは、自分の子どもが障害を持っていたら、と一度は考えるだろう。そして、どういう人間になってほしいか、とも。 子どもが生まれたら、再度読もう。 疑うわけではないが、もしかしたら 子どもの「しんどい」を受け入れて前に進むことができるかもしれない。
0投稿日: 2020.05.08
powered by ブクログ非行に走る子供には、以下のような傾向があるとのこと。 ・知的障害 ・知能が低い ・認識能力など、一部の能力が低い 子供の時に気付いて改善させると非行に走る可能性が減らせるとの意見。 ただし短時間で知能を測る方法はあまり精度が高くないようで、どれだけの人が該当するかは数パーセント~50パーセントと見方によって大きく上下するとのこと。 確かに、知能に問題があると非行に走る可能性が高まりそうだけど、原因はそれだけなのか?と疑問に思った。 また、映画のマイノリティ・リポートのように犯罪を予知して、その犯罪者を逮捕するような世界がちらついた。 ただ、親の立場からは、子供の知能に問題がないかはチェックしたほうがいいのかなぁと思った。 が、この本には問題提起が大半で、知能を測る方法や改善の具体的な方法は、あまりふれられていないように思う。
0投稿日: 2020.05.07
powered by ブクログかなり面白い。認知機能に軽度の問題があってもなかなか気づかれず、支援を受ける機会を逃してしまってること、理解できないことに反省を強いてもなんの解決にもならないこと。いろいろ腑に落ちた。ちゃんとトレーニング方法も示しているところも読んで良かった点。
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログ非行少年の多くが、認知機能の弱さからくるもので、軽度認知障害が原因という問題点から、原因や、日本の教育、これからの解決策をかいた本。 非行少年たちがが思う、 ・人に教えてみたい。 ・人から頼りにされたい。 ・人から認められたい。 というような欲求は、誰しもがもっていてその欲求をかなえられたから『人は成長する』ものだと思う。 とすれば、非行少年になりふるファクターは誰しもがもっていることではないのか? 大切な人との出会い、本気になって取り組んだ経験等、一歩踏み間違えば誰しも、誰でもがそのような状態に陥る可能性があることではないだろうか? もちろん認知能力が低いという判断基準はあるものの、人を育てるものは、やはり環境なのでは。。。
4投稿日: 2020.05.04
powered by ブクログどうして非行に走るのか?その原因について、分かりやすい解説書でした。 境界認知や軽度知的障害など少年院に入っている子供たちの症例を取り上げていました。 ただ症例の羅列ではなく、改善策や今後の少年院での理想的な指導方法にも触れていました。 教育現場を体験した著書が温かい視線で書いているので、重たいテーマでしたが、救いがありました。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ非行少年はなぜ非行するのか、その原因と現在の教育、社会的支援について書かれた非常に興味深い本。計算能力や識字能力といったもののその前の認知能力が非行を起こす原因。それに対する支援は画一的かつ表層しか捉えていないため本質的な解決に繋がるケースは少ない、との事。こういった人間の行動の原因に関する本は面白い。
0投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログ「反省以前の少年たち」「コグトレ」 また勉強になった。 今まで出会った子どもの姿が具体的に思い出された。
0投稿日: 2020.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
✩驚いたこと 34ページの「3等分されたケーキの図」 見たとき衝撃が走った。生きていれば誰に教えられることもなく、ケーキを3等分に分けることなど容易にできるはず。なのに見える世界が違うだけで、認知の歪みがあるだけで、こうも難しい課題になってしまう。 ---------- この本を読んでいると、知的障害がある=犯罪者のような誤解を受けてしまう気がした。(もちろんそんなことないことはわかっているが。) そもそも障害という言葉自体にマイナスのイメージが多すぎるように感じる。 例えば、自分の子供が学校生活の中で何か不自由なことや不得意なことがあったとき、自分の子供が知的障害者かもしれないと考える親は少ないように思う。 障害者としての色眼鏡で見られると、逆に生きづらい点が増えていくようにも感じる。 誰にでも、当たり前に得意不得意がある。 だから頭ごなしに怒ったり、失望するのではなく、〇〇が苦手な子として受け入れてあげることはできないのかと思った。 (筆記中)
3投稿日: 2020.04.28
powered by ブクログ犯罪を犯す子供たちの特性について書かれている。特に参考になったのは、見えている世界が異なっている可能性があるということ。その子供たちが世界を見る訓練をしていくことの大切さが良く分かった。
0投稿日: 2020.04.26
powered by ブクログ私の中に新しい概念・視点を生んだ本!やっぱり、精神論で乗り切る時代はとっっっくに終わっているのである。ってはやく教育に携わる全人類、気付いて......こうやってたくさん学んで新しい見方を手にすることが、目の前の子どもを救うことにつながれば良いな。
0投稿日: 2020.04.26
powered by ブクログ認知能力が低く、反省する以前の少年がたくさんいる。ホームレスに石を投げて殺した某大学野球部員たちも、そういう少年なのかもしれない。 発達障害や知的障害への早期からの支援は、僕が育った頃に比べかなり充実してきていると思う。それでも、育った環境によりなかなか気づかれない子どもたちもいる。 こういった子どもたちが生きていくのは、我々が想像している以上にしんどくて辛いことなんだと思う。 行動変容のためには適切な自己評価が欠かせない。本書の後半では、どのように支援を行うべきか述べられている。参考になる。
33投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログ講習を受けた際、先生にお勧めされ、気になっていたのと今後活かすために!と思い購入しました。 正直、ん?私か?? と思う時が所々あったり ん?大丈夫?? と思いながら読み進めました。 子どもの居場所が作れるといいな。 もっと学ばなくては。
0投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログ今思えばあの子もこうだったのかも… 何も知らなかった自分は、あの子は変な子と決めつけていたが、この本で手に入れた知識で見方が大きく変わったと思う。筆者が作中でも書いてあるように、全ての犯罪が認知機能のせいで許される訳ではないが、その可能性は大いにあり得るという事実を知れただけでもこの本を読んだ甲斐があったと思います。
0投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログ軽度知的障害のある子の問題、認知機能が低いことによって、当たり前が当たり前に見えず、聞こえず、考えられない、想像できないという問題… 話題になった本です。 問題提起だけでなく、コグトレという具体的アプローチも示されているのが良いと思います。
0投稿日: 2020.04.24
powered by ブクログ医学的な視点、統計データ、臨床データと多角的に「問題行動をとる少年」について学ぶことができる一冊。読みやすく行き詰まった時に読み直したくなる。 学校の先生、これから親になる人、児童・障害分野で仕事をしている人には読んでほしい。もちろんそれ以外の人にも世間にはこういう人がいることを知ってほしい。
0投稿日: 2020.04.23
powered by ブクログ2020/4/22 著者が少年院などに収監された犯罪を犯した少年たちを更生させるために関わってきた人々から得た経験を基にしてかかれた内容で、特別支援系の話が分かりやすくまとめられていた。 犯罪を犯してしまう人は何かしらの支援を必要としている課題を抱えている可能性が高く、その傾向はすでに小学校低学年から見られている。しかし、学校教育の中では見過ごされてしまっていることが多く、そうした兆候を適切に把握できていない現状があるという問題点にも触れていた。 学校教育の主は現在は教科教育であるが、犯罪を犯してしまう人たちは、相手の考えてることや気持ちが分からなかったりするなど、対人スキル、社会性の面で課題を抱えている可能性が高く、学校教育の中でそうしたスキルを高めていくための教育も必要なのではないかと触れている。 また、こうした人たちをどのように支援していくのかという支援方法についても具体的に言及している。結局、話を聞いたり、褒めてあげたりすることは一時的な解決方法でしかなく、根本的な解決にはなっていないので、具体的に何ができないのかを把握して、できていない能力を高めてあげる支援が必要なのだと言及している。 確かに、そうした支援アプローチから変えていけるものもあると思うので、もう一度読み込んで、この内容をうまく消化できるようにしていきたい。
2投稿日: 2020.04.23
powered by ブクログ本屋さんで立ち読みして以降気になっていたところ、友人が読み終わって貸してくれるとのことで 借りて読んだ。 筆者がいままでの少年院等で出会った少年少女との実体験から、どうしてその少年少女が少年院に入るに至ったかを考察している。人間の性格や振る舞いは今までのその人の育ち方が大きく影響していると思っていたが、小さな一歩の踏み外しは大きな逸脱に繋がりかねないということがわかった。 また、それに対しては広い視点で向き合うということ、出来ない、苦手から逸れずに真っ直ぐ向き合うことの重要性もわかった。 過去に、障害とそうでない境界は曖昧だと聞いたことがあったが、その点についても明確に理解ができた。
0投稿日: 2020.04.23
powered by ブクログ現在の学校教育において 勉強ができるできない以前に 学習するための土台となる 基礎的な認知能力 正しく見る力、聞く力、 言語を理解する力、想像する力、 判断する力 それに気づかず大人になって 居場所がなくなってしまう、、 今問題になってることを見つめ、 みんなで考え 問題自体を理解、認識している人を増やすことが必要だと思った。
3投稿日: 2020.04.20
powered by ブクログ知的障碍者による犯罪分析とその更生法、学校教育現場への導入といった今まで当たらず障らず対応を濁していた問題を真正面からぶつかって対応され、指導されてきた内容を読むことが出来た。写し絵を書かせて初めてわかる歪んだもののとらえ方、考え方、初めて新聞広告の欄でケーキを3等分に切れと言われて切った結果図を見たときは衝撃を受けた。 そりゃ、今まで学校が、機関が行ってきた対応は何だったのか?と問わずにはいられない。 数年前、ADHDじゃないか?って疑っていた会社の専務(社長の息子)について小説を書いていたけどどうもすっきりせずペンを置いていた。専務はADHDではないものの、IQ80以下の一番扱いの危うい存在だったんじゃないかと分かった。これでもう一度ペンを走らせることが出来そうだ。 それにしても、こういう研究がもっと多くの人に、機関に伝わることを、指導されることを望みたい。 そして、小学校などの教育関係者はもっと学んでほしいと思う一方で、大学上がりの若い先生に小学生という未知の可能性を秘める子供たちを教育させるなんて馬鹿な制度を早く見直してほしい。
3投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログ社会環境についていけない子どもたちの早期発見と支援という観点から、小学校教育は大切だと改めて感じた。特別支援教育に関わっていたので、その視点を様々なところに応用できるようにしたい。
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
病院で働いていた精神科医が少年院へ。 なぜ犯罪を繰り返すのか。 知的障害や発達障害が隠れておりそれに周囲も本人も気づかずに成長してしまった。 少年院にいるの人たちに共通するのは知的障害や発達障害が隠れていることがわかった。 けど気づかれずに大人になっていく人たちが多い。 その人たちは助けてもらえず犯罪に繋がったりする。 本人も周りも気づいてあげることが大切だと思った。大人になるにつれてだんだん周囲の目が離れていく、気づかれなくなっていく、できれば小学生の間には何かしらの援助が必要だと思った。
2投稿日: 2020.04.18
powered by ブクログ非行傾向がある少年達の脳機能やその上での思考能力をわかりやすく解説してくれています。発達障害に向き合う職業の方にはわかりやすい内容だと思います。若干蛇足的な内容が多いですが、勉強になりました。
0投稿日: 2020.04.16
powered by ブクログこの本を読んで初めて空間認知能力が非行にどう影響を及ぼすかを知った。子どもの見方が変わる。 教員をしているので学校で空間認識力を高めるような課題を定期的に出している。
0投稿日: 2020.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これまでなんとなくイメージしていた非行少年の生育環境の悪さやケアの少なさについて順序立てて説明されている。目から鱗!とはならなかったが笑、そうだよねぇ、そういうことなんだろうなぁ、などと思いながら読んだ。淡々と加害少年に必要なケアについて書かれているので、被害者もいるのに加害者のケアばかり手厚いな…などと感情的なことも思ってしまったが、犯罪者が納税者になれば国益になると言われれば確かにそのとおりです。少年の非行と知的障害の関係、学校教育でどうやって知的障害をフォローしていくのか具体的なメソッド。教育に携わっていたり育児してる人は、なるほどねー、と読めるかも…?
2投稿日: 2020.04.14
powered by ブクログ出始めた頃から、タイトルに惹かれるものはあった。でも敢えて読むほどのもんでもなかろう、と高を括っていた次第。どこかの書評で取り上げられていて、一読の価値はあるかもと思い、あらためて入手。イメージと違い、至って真面目な内容。”ケーキが切れない”というのはあくまで序章に過ぎず、なぜ非行少年が切れないのか、非行に至った原因を突き詰めるとどうなるのか、といったところにまで論が及ぶ。知的障害のグレーゾーンが実は結構大きく(10%くらい?)、その層への真摯な配慮こそ、真の問題解決に繋がるのかも。
0投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ・褒める教育は問題を先送りにさせる ・想像力がないと努力ができない ・他者との関係性が少ないため、適切な自己評価ができない ・サインが出始めるのは小学2年生 ・学習の基盤となる認知機能の支援 ・自己への気づきが大切 ・自己評価の向上が大切 ・「困っている子ども」の支援は日本の国力に深く関わっている
0投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ考えさせられた本でした。 非行する理由、また反省させる以前にそもそも理解が出来てない、認知する能力が乏しいなど、根本的な事を我々が理解出来てあげていない所がポイントでしたね。 コグトレのような認知機能テストは我々がやっても面白そうだし、成長や新しい発見に繋がるのかも…と思いながらも、世の中の複雑な環境を考えさせられた作品でした。
0投稿日: 2020.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
境界知能を下回っているのかどうかを、 小学校低学年にて傾向が出てくるようなので、小さな子供がいる家庭はそのような目線でも見てあげないと、義務教育が終わると置いてきぼりになってしまう。 反省ができない、感情的になりやすいなどは、教育面での影響が左右する。
0投稿日: 2020.04.11
powered by ブクログいじめ、性犯罪、殺人、児童虐待などの非行は、今の学校教育や、家庭教育ではどうにもならないことを痛感した。脳機能の欠如や環境などが複雑に絡まり合って起こる問題で、認知の歪みを治すのに様々な方法が試されていることが分かった。この 本を読めて、本当に良かったと思う。この知識があるのとないのとでは、教育や他人に偏見を持ってしか助言できないし、感想すら言えないと思う!
0投稿日: 2020.04.10
powered by ブクログ非行の背景にあるものについて、想像していたものに大体近い内容ではあるものの、その矯正教育はやはりというかなんというか、日本なんだなって感じでした。タイトルも書き出しも衝撃的ですし、新書なりのまとまりの良さで読みやすかったです。
0投稿日: 2020.04.08
powered by ブクログ加害者は被害者でもあるという認識を社会全体で持つ必要があると感じた。 意欲を失ってしまった人間が劇的に変わったという事例も紹介されており、参考になった。
0投稿日: 2020.04.07
powered by ブクログなるほど、適切な支援が必要。今の学校のシステムでは対応できないなぁ。いろいろ思い当たる件があり、納得。
0投稿日: 2020.04.06
powered by ブクログ褒めるだけの教育だけでは問題は解決しないということは正にその通りだと思った。褒める、話を聞いてあげてもその時は良いだけ。またいつか壁にぶち当たった時に困るだけ。 社会面の教育は、いろいろなことを経験させ自分で感じることが大切であると感じた。その感じたことを次に生かすことが必要であるし、感じることがなければしっかりわかるまで教える必要があると感じた。 教育って難しいなと感じた1冊であった。
2投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ本文中、更正施設内で非行少年に対し、自尊感情が低いとただ結論付け、褒めることだけを推奨することを繰り返すことで事態が膠着していた様子、「あの人はこういう変わった人」「これさえやっておけばOK」という固定観念や決めつけ、関わりの放棄による思考停止で、ひずみゆがみが放置されていることは日常でもよくある話だと思った。 溢れる情報に追われ、自分のことで手いっぱい、一人の人や事柄に多くの時間を割けない昨今ではあるが、せめて自分の近しい人は観察・熟考は怠らないようにし、また本などを通して基盤になる知識を得ることは常に行う必要があると感じた。
0投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログ世の中の一定数(35人クラスであれば5人程度)がIQ85以下であり、知的障害とは区分されないけれども学校や社会で生きづらさを感じている。そのため問題行動に繋がりやすいというのは覚えておいたほうがいい知識だと思われる。 個人的には幼児や老人における問題行動も同じで、見る・聞く力や認知能力の低下により引き起こされていることが多いのだろうなと思ったし、そこにとにかく反省を求めたりすることはあまり意味がないのだなと感じました。 最後の方で紹介されていた、「子供の心に扉があるとすれば、その取っ手は内側にしかついていない」「説教や叱責で無理やり扉を開けさせるのではなく、子供自身にできるだけの多くの気づきの場を提供すること」という言葉は育児をするものとして覚えておきたいと思います。
3投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログ自分の言動が制御できず、大人でもすぐカッとなるのはどうしてか… 見る力聞く力理解する力が備わってないからなんだよね。 それを「ちょっと変な人」「バカ」で終わらせず、小学校低学年の段階から周りが気づいてサポートしなくちゃいけない。 そのまま放置されると、大人になっても中身が子供のままだし、本人も生きづらい。 そうならない方法って家庭環境がすごく大きい。 結局、親の関心なのかな。
0投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログ犯罪者には通常より知的障害の割合が高く、その中には反省以前に認知能力が低いという事実は衝撃かつ恐ろしい。被害が被害を生む負の連鎖を断ち切らなければと思った。 自分に出来ることは、子供達に愛情を注ぎ、自分と他人両方の心や身体を大事にする事を教えること。子供に伝えるには、まず自身が手本を見せねばならない。その為には、自分の行動・習慣から見直していく必要がある。
3投稿日: 2020.04.01
powered by ブクログ内容云々より、こう言うことがもっと世の中に知られて、いろいろなパターンの支援があるべき ・IQの低さ ・幼少時に愛情を受けられなかった経験 ・現在の貧困 の3つが犯罪に結びつくと言う話には素直に納得した
0投稿日: 2020.03.31
powered by ブクログ話題書に長く掲載されていたことで興味を持ち購入しました。 この本は主に二つのことが書かれていると感じました。 1つ目は、非行少年は認知能力が欠けていることが(直接的でないにしろ)原因でよくない方向に成長しているという事実があるということ。 2つ目は、認知がうまくできない子供を救うシステムが今の教育現場にはないこと。 印象的だった文章 ・ではなぜ彼らは適切は自己評価ができないのでしょうか?それは適切な自己評価は他者との適切な関係性の中でのみ育つからです。 ・人が自分の不適切なところを何とか直したいと考えるときは、「適切な自己評価」がスタートとなります。行動変容には、まず悪いことをしてしまう現実の自分に気づくこと、そして自己洞察や葛藤をもつことが必要です。 本書で出てきた非行少年の描いた絵は衝撃でした。 多くの子がいじめや虐待を受け、非行に走るということは知れてよかったと感じました。
1投稿日: 2020.03.30
powered by ブクログ境界知能で教え諭しても罰を与えても理解できない。それよりも教育。しかも効果のある教育が必要、という論に納得でした。
0投稿日: 2020.03.30
powered by ブクログ率直な感想を言うと、事件を起こして警察やその他関係機関にお世話になる「手のつけられない不良少年」は、病気なんだなと思った。不良少年の見方が変わりました。これからは不良少年(手のつけられない者に限る)は病気だと思うことで、その行動全てが納得できるような気がします。
0投稿日: 2020.03.29
powered by ブクログ発達障害、学習障害を持つご家庭は読む際は注意が必要。それだけ我が子の将来が不安になってしまうくらいの内容です。 しかし、出版社はもっと著者をサポートしてあげられなかったのだろうか?新書ではあるが、余りにも推敲が足りない。章立て、内容の記載の仕方などが雑過ぎて、読み手に著者の思いがうまく伝わらないと思う。 また、裏付けとなる事実・研究結果の提示がないままに、著者の意見だけで展開されるので、鵜呑みにするのは危ないし、そう感じさせてしまう構成がとても残念。
0投稿日: 2020.03.28
powered by ブクログ聞く力、読む力、認知力などの機能が低いと人間関係や勉強についていけないよね。 昔クラスにもそういう子いたし、今も同僚に何度言っても分からない人がいるけどそう言う事なのかもとちょっと許せるようになった!笑 非行少年少女を生んでしまうのは教育の敗北 1日5分で改善できる事も載っているし、面白い本なので教育者や親には是非読んでほしい!
0投稿日: 2020.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少年院に入る少年たちは、必ず家庭環境などの生活環境が悪いのではなく、家庭や学校では気づかれなかった障害を持っている子どもが多い(認知機能の低さが原因)。 本書は、少年院の現状だけではなく、更生させるための解決策まで書かれている。 また、学校教育では、グレーゾーンの生徒に気づいても解決策がなく何もできなかったが、認知機能の低さが原因で将来犯罪者にならないためにも、小学校の段階で著者のワークシートを活用させるのが良いと思う。
0投稿日: 2020.03.27
powered by ブクログ非行少年に多数見られる「境界知能」。「知的問題なし」とみなされるため適切な支援を受けられず,学校では怒られ,馬鹿にされて育ち,ストレスを不適切な言動で発散してしまう。人口の10数%いると推定される彼らが,生きにくさを抱えたまま大人になるのを防ぐには?他人ごとではありません。
0投稿日: 2020.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
反省以前の人たちがいる。認知機能の低さから、悪い事を悪いと思っていない。また、前頭葉の脳の損傷から暴力的な気持ちが抑えられずに殺人をしてしまうことについて驚いた。
0投稿日: 2020.03.25
powered by ブクログ武田鉄矢がラジオで紹介していて興味を持った本。 発達障害と知的障害の違いすらよく理解していない私のような人間にもわかりやすい文章で、普段読まないジャンルだったけれどすいすい読めた。 非行少年達は少年院や世間から、自ら犯した罪に対して「反省」を求められるが、そもそも「反省」する力が欠けている。そのため、まずは「反省」する能力を育てる訓練が更生には不可欠になる。 そして、そもそも非行に走る前に学校でその兆候が表れているはずで、そのサインに気付くことができていないのが教育現場の問題なのではないかとのこと。 帯にもなっているケーキの図や、図形の模写にはゾッとした。同じ世界に生きているのに、ものの見え方が全く違う。歪んだ世界に生きる非行少年達、そのまま大人になり凶悪犯罪に手を染め続ける人達のことを考える。彼らがもしも適切な援助を受けていたら?
0投稿日: 2020.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
精神科医の著者が少年院で犯罪を犯した少年らとの関わりを通じて、彼らの認知の歪みに気づきその実態を明らかにした本。 読み始めた当初は、帯にある非行少年が「三等分」したケーキのイラストや、殺人を犯した少年が自身の性格を「優しい」と語るなど、少年たちの認識のズレに驚き、戸惑いを感じた。 しかし、読み進めていくうちに、非行少年たちに共通する特徴は一般社会に暮らす中でも同じ傾向を持つ人がいるのではないかと気付かされる。想像力が足りない、融通が利かない、感情がコントロールできず、コミュニケーションがうまく取れない… といった特徴は、「もしかしたら自分にも思い当たる点があるのではないか?」と普段の行動を思い返さずにはいられなかった。 一方で、裏を返せば、認知に問題のある非行少年たちもきっかけさえ掴めれば社会復帰できるかもしれないということではないか。実際、第7章では様々なきっかけから自分を変えようとする少年たちの実例が書かれている。彼らを変えるきっかけをつくり、また犯罪を犯す前に認知の歪みを正すためには、周囲や社会の支援が必要となるに違いない。
3投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ「物事のプロセスを理解させるためには、どこが分かってないのか正確に掴む必要がある」ということかと。 当たり前だけども気づきにくい着眼点だと思うし、非行少年にスポットを当て実例を基に主張があって分かりやすかった
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
1投稿日: 2020.03.22
powered by ブクログなるほどと思うことがあり、参考になった。特にソーシャルスキルトレーニングをやれば良いというのではなく、それぞれの発達段階や認知能力に適した教材を選択しなければ無意味。認知を鍛えるトレーニングはやってみたい。
0投稿日: 2020.03.20
powered by ブクログ人の能力にはばらつきがある。 学習能力などが低いと、どうしても日々できないことにさらされ ストレスが溜まりやすくなる。 その結果として、生まれる非行が存在する。 これがこの本のメインメッセージ。 タイトルの通り、ケーキの五等分がわからない 複雑な絵をそのまま書き写せない(黒板が写せない) など、通常生活に支障が出るケースもたくさんある。 人も減って労働力が下がる時代はみんなで助け合って働く必要がある。 普通と思われる人も、自分にもそういうところあるなーと感じながら読んでいただければ、みんなが少しずつ他人に優しくなれる本だと思います。
0投稿日: 2020.03.19
powered by ブクログ普段全然読まないけど、ケーキ三等分の絵が衝撃的だったので購入。 わかりやすい言葉で書いてあり、中学生くらいから読めるような内容だった。 境界認知の人々というものをまず全く理解していなかったことがよくわかった。非行少年については育ってきた環境が原因で非行に走ってしまうという漠然としたイメージを持っていたけど、彼らはそもそも見る力、聞く力、考える力等認知の部分に問題があり、まわりの支援を求めている子供たちなんだな…
0投稿日: 2020.03.16
powered by ブクログトリュフみたいな一冊。 あんな土の中からよくもまあこんなキノコを掘り当ててきたもんだなぁと… ほんとどうしようもない犯罪者はさっさと切り捨てて金払ってずっと蓋をしておくってわけにもいかないお国事情の中、目の前にもやもや渦巻く闇に剣を抜くものが現れたって感がある。 非行少年に共通する以下の特徴(本文より) ・そもそも反省ができず、葛藤すらもてない ・想像力が弱く、後先考えず目先に捉われて行動してしまう ・気が弱く流されやすく悪友の言うことを聞くことで自分の価値を見出してしまう ・性的欲求は覚醒剤のようにダメと言えず、適切に行う必要があるが、この「適切」が分からず難解である 思い当たる人……会社にすら割といるぞ? 程度の問題なだけで、誰しも要素持ってないか? ってのがざっくり読んだ印象。犯罪を起こしたか起こしてないかだけの属性区分であって、生き辛さを感じる人はわんさか街を歩いているんだろうし、なんなら条件や環境によっては誰にだって発現し得る気がするけどなぁ。とはいえ携わる仕事の中である種の法則を見つけ出した本書の内容は、教育界におけるリチウムイオン電池ばりの功績ではないかなぁと個人的に思う。 あとは実用化だけ。現役教員の奥さんがこの本を読んで「解決策がなさすぎて問題提起ばかりでムキーっ」としていたけど、こういうのって出版物にする以上は犯罪被害者の心情やら教育現場の現状やら全て総合しなきゃいけないから、著者の考える解決策のうちほんの一部しか書けなかったはず。本当はもっともっと先に進んでいってるといいけどもな。 あと犯罪者ひとり更生させるとこんだけの利益になるよっていう試算大好き。働き口が減りすぎてにっちもさっちもいかなくなったらいずれ文科省が目をつけそうな気がする。定性と定量の根拠を持ってその可能性に触れられただけでも、十分に大著だと思う。
1投稿日: 2020.03.16衝撃的な内容
タイトルに興味をそそられて購入したが、衝撃的な内容だった。自分には簡単に出来ることが、出来ない人に対して「どうしてこんな簡単なことが...」と感じることは多いと思うが、この本の内容はそういうレベルではなく、多くの人にとっては信じがたいものではないだろうか。 本書に登場する非行少年の行為は、普通なら「わざとふざけているのではないか」と思えるようなレベルなのだが、実際にケーキを切ることが出来ないのが事実で、自分でもどうしようもない苛立ちが湧き上がるというのは、読んでいてなんとも言えない気持ちになった。 自分でも指摘されてわかっているのに、出来なくてもどかしい気持ちは何度も経験したことがあるが、非行少年たちはたえずそうした感情に苛まれているのかと考えると、当人たちにとってはまさに精神的な拷問としか受け取れないのも当然だろう。しかし、人間社会には歴然としたルールが存在し、本質的に守れない人間だからといってルールを無視した行為が許されるわけではない。 非行少年の問題は、非常に奥の深い問題だと提起している。しかも外からではわからないわけだから、早期の対処なども難しいことがわかる。こういうのは、周りの人間の理解と早期の専門的な訓練によるしかないような気がする。 本書を読んで、非行少年に対する認識が少し変わったが、自分の日常生活に影響が出てくるようなことになった時、何が出来るかはわからない。
1投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログ反省以前の子供たち、の実情に恐ろしくなった。 非行に走ってしまう少年たちの背景として(例外はあるが)「いじめをうけた」「親からの虐待」など表層的な共通点のイメージはあったが、それを掘り下げて「認知機能の歪みを生じている」としてあまり考えたことがなく、論理的に説明されており分かりやすかった。 非行少年に共通する特徴5セット+1:①認知機能の弱さ(見たり聞いたり想像する力)、②感情統制の弱さ(自分の思い通りにならない、固定観念が多い)、③融通の利かなさ(思い込んで修正が利かない)、④不適切な自己評価、⑤対人スキルの乏しさ +身体的不器用さ 「AさんがBさんに挨拶をして、Bさんから返事がなかったとき」のとらえ方など、小さな、しかし重要な思考の歪みのヒントは本当は沢山あるのかもしれない。 気づかれない子供たちが多いということ。現在一般的には知的障害はIQ70未満を指すが、IQ85 未満を知的障害と定義された過去があり、すると知的障害と判定される人が全体の16%くらいとあまりに多くなるため基準が引き下げられた経緯があるという。この「気づかれない子供たち」、「忘れられた大人たち」に対する認知機能の向上という形での支援は非常に重要と感じた。 筆者も言うように、「困っているこども」の早期発見と支援がもっとも効率的に可能な現場は学校教育なのであろうが、新たな視点をもった学校教育の充実と、学校以外の現場からの理解と支援によって、「犯罪者を納税者に」できる環境を作る手助けを、社会の一因として自分もできればと思った。
2投稿日: 2020.03.15
