
総合評価
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powered by ブクログジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」 すべては「余剰」から始まった。農作物の余剰によって、文字が生まれ、債務と通貨と国家が生まれた。それらによる経済からテクノロジーと軍隊が生まれた。 つまり、ユーラシア大陸の土地と気候が農耕と余剰を生み出し、余剰がその他のさまざまなものを生み出し、国家の支配者が軍隊を持ち、武器を装備できるようになった。そのうえ、侵略者たちは自分たちの呼吸や身体をとおしてウイルスや細菌も兵器として使うことができた。 ユーラシア大陸ではだれかが農耕技術を発明したとたん、それが西と東にあっという間に広がった。 一方、南北に長いアフリカ大陸では、北部では栽培できる作物も南部では育たない。(気候が様々) 経済が定期的に災厄に見舞われると、そのたびに人間の労働力は復活する。倒産や経済危機によって、少なくとも当分のあいだ人間の労働力は安くなり、生き残った企業は高価な最新型のロボットのかわりに失業者を雇い入れるようになる。経済危機は回復の前触れであり、回復は経済危機の前触れなのだ。 経済を経済学者に任せるのは、自分の命運を神学者や教会にまかせていたのと同じで最悪のやり方。 誰もが経済についてしっかりと意見を言うことが真の民主主義の前提であり、専門家に経済を委ねることは自分にとって大切な判断をすべて他人に任せてしまうこと。 社会の規範や決まりごとから一歩外に出て世界を見ることができるかどうかが、決定的な違いになる。
0投稿日: 2020.10.12
powered by ブクログ娘(経済の仕組みを理解していない人物)に例えを交えて経済についてわかりやすく説明がされている本。 また、経済を理解した上でこの先自分が幸せになるにはどうすればいいかのヒントを与えてくれる本。明確な答えというより経済成長(変化?)に対して自分の生活がどう変わっていくかを落ち着いて判断し行動できるようになる考え方のきっかけを与えてくれる本。 「父が娘に語る美しく、深く、壮大で〜」というタイトルにあるように、最終章では経済という規模が大きく、また理屈っぽい話題から一気に家族や個人の生活に関わるスケールまで落とし込まれるオチには、経済を自分ごとと捉えざるを得ないほどの描写があり読んでよかったなと思いました。
0投稿日: 2020.10.09
powered by ブクログ恥ずかしながら、経済のことを何も知らなかったことを思い知らされた。とてもわかりやすく書かれており、難しい専門用語がでてくることはなく、物語のように読めてしまう一冊。 経済と政治が切り離せないゆえに、経済のことを経済学者に任せきりにしないことの重要性や、外側から物事を見ることの大切さについて学べたな〜 あとはお金の成り立ちの話もおもしろかった! そして訳がファクトフルネスの人だった、、、さすが、わかりやすい訳!
0投稿日: 2020.10.09
powered by ブクログとっても分かりやすくてオモシロイ。 けど読めば読むほど、経済学って科学たりえるのだろうかと思ってしまう。目の前の事象を説明できない。それどころか説明できない理由をまるで新分野の学問領域であるかのように糊塗しているだけじゃなかろうか。これってまるっきり競馬の予想屋と同じだよね。 余剰を求める人の性が、最適な富の再分配を妨げているわけで、人が人である限り格差はなくならないんだね。
0投稿日: 2020.10.02
powered by ブクログ面白くない。 面白そうで、何かを悟ってそうで、そうでない。近年流行りのファクトフルネスやホモサピエンス全史のように古代から現代まで語っていく中で、分かりそうで分からない。やはり数字や歴史を語らずに経済を説くことなど出来ないのだと再認識した。同様に動画や漫画で歴史、経済を読み解く事など出来ないのだろう。
1投稿日: 2020.10.02
powered by ブクログ日本人は経済も政治も変えられないって思いが強いのかも。 そんな日本人の性質にも危機感を持たざるを得なくなる本。 経済学=数字とか?よくわからない専門用語とかの解説とか? そんなイメージを覆す、経済の姿。 自分とは無関係に思えた経済の話が、私たちの生存の話まで関わってくる壮大な話。 破綻を迎えるプロセスを具体的なイメージで伝えてくるので、今のグローバル経済で生きていくことに不安を抱えてしまう。 1人ひとりが自分の利益ばかりを追求すればどうなるのか、経済的な視点から警鐘を鳴らす。 グローバルになる以前の地球ならば、どこかの国の局所的なことで済んでいたことなのに、繋がれば繋がるほど、社会が成熟すればするほど、歪みが生まれていく。 これまでの経済学の話とはちょっと違う。 お金の正体、社会の成長の仕組み、競争を促すことで起こること。 どこかで限界が来るのは考えてみればわかることなのに、立ち止まって経済のことを考えようとしてなかった自分の無関心さにも気づかされる。 平易な言葉で難しい概念を、新しい視点から語る本。 経済が苦手な人も、いま、この社会で起こっていることを知るための第一歩になる。 平易ではあるが、内容が深く、また経済そのものの複雑さもあって、一度で全てを丸々理解できたわけではないけれど、ストーリー的で、謎解きのような要素もある。 著作者の立場も明確で好感が持てる。 メッセージ性もあり、読めば自分ごととして経済を考えていくきっかかになる。
1投稿日: 2020.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
★4つですが、4.5くらい。再読したい本です。私は大学で経済学を学んだこともありましたが、知らなかったことがたくさん書かれていて勉強になりました。いかに経済を理解していないかを理解したという感じ。そして、なるほどと思って読みましたが、自分の中にまだ落ち切っていない感じもあるので、関連本を読みつつ、もう一度読んでみたいと思いました。お金はどこからうまれてくるのか、不景気はどうやってできあがるのか、本当に分かりやすいと思いました。しかし、めちゃくちゃ簡単なわけではありません。対象は大学生(学ぼうという意欲があれば高校生でも)以上という感じです。働いて収入を得たり、10年以上世の中のできごとやニュースに触れながら生きている経験がある人(そういう意味では高校生以上は対象といえる)だととても分かりやすいと思います。最後の章の地球環境とのつながりのところは、ぜひ特に先進国に生きる人には読んでほしいし、全体を通して経済という堅苦しいイメージから離れた経済の話です。経済って身近だなと感じられるのもいいところです。 こんな人におすすめ ・経済を学びたいと思っているけれど、なんだか難しそう、面白くなさそうで手が出せない人 ・経済学ってどんなことを学ぶんだろうと思っている高校生や大学生 ・政治に興味を持ち始めた人 ・SDGsに関心がある人 あえて、こんな人もぜひ ・金融系のお仕事をしている人など経済の専門家 ・社会人経験豊富な人(経済などの社会系ニュースもそれなりに知っている人) ・お子さんが思春期の人(自分なら子どもに何をつたえるだろうか・・・)
2投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」見て思い出した、今読んでる本。 子どもに語る言葉で書いてあるのでとても読みやすい。お金とは?経済とは?グローバルスタンダードとは?を自分自身も勉強できて、将来子どもにも説明できそうな一冊。 とりあえず父ちゃんに読ませとけ。
0投稿日: 2020.09.25
powered by ブクログ経済の成り立ちが書いてある経済書です。娘に語るとタイトルにあるようにすごく分かりやすく基礎の基礎がわかります。このほんをねんとうにおいてほかの経済書を読みたいと思いました。
0投稿日: 2020.09.21
powered by ブクログオーディブルで購入。「娘に語る」という口調で書かれているため、オーディブルだと講義を受けているようで非常に分かりやすかった。読んでも分かりやすいと思うけれど、個人的には深く理解するために何度も読みたいと思ったので、少々高くてもオーディブルで購入することをおすすめしたい。
7投稿日: 2020.09.09
powered by ブクログ経済のことを面白く伝えるという意味では素晴らしいの一言。 最近流行りのMMTの要素が入っているのも興味深い。(借金が無ければ経済は回らないという記述より)
0投稿日: 2020.09.08
powered by ブクログ例えで理解させてくれるため、抽象的な理解は進む。が、実際何が世の中で起こってるか、という具体事象を理解するには、もう少し知識が必要なため、最新の経済ニュースを理解するには、もう少し専門用語を使った本を読むことが必要かと思う。
0投稿日: 2020.09.06
powered by ブクログ経済の考え方。資本主義の見方。貨幣のとらえ方。 基本的なことが書かれており、きちんと理解するにはちょうど良いと思う。 ただ、例えなどは、高校生にはついていけない部分もあるかもしれない。 今の人たちは「マトリックス」「スタートレック」「イースター島の衰退の原因」「チャーチルのジョーク」なんて知らないだろう。 若者向けに書かれているが、大人が読んでちょうどよいのかもしれない。 基本の再認識に良。
0投稿日: 2020.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
巻末のページに、2019/3/6に第1版、その約40日後に第5版が出版と記載してあり驚きました。本のジャンルを抜きにして、とても早い売れ行きですね。 ざっくり内容を紹介すれば、本の冒頭、”どうして世の中にはこんなに格差があるの?”という娘からの問いが紹介され、その問いにギリシャの元財務大臣である著者が歴史的背景を追いながら答える、という内容です。 著者の娘さんが何歳なのか分かりませんが、おそらく経済の専門家ではないことを踏まえ、戯曲の話や神話の話、映画の話などを交えて経済の成り立ちについてわかりやすく説明されています。 例えば、シドニー育ちの娘さんに対し、「なぜアボリジニがイギリスを侵略せず、イギリスがアボリジニを侵略するような状況になったのか」という娘さんがイメージしやすい内容について、何も知らない人が思いつくような回答を否定しながら、著者なりに納得できる回答を提示しており、娘さんでも理解できる内容=この本を手に取る人が誰でも理解できる内容となっています。 このように話の全てが具体的な場面の例示によって説明できるのは、経済が成立したプロセスが頭の中でシンプルに構造化されているからだろうと思われますし、本当に頭の良い方なんだろうなと思います。 ただ、内容が分かり易い点もさることながら、個人的に一番気に入っている点は、この本の最後、著者が娘に願いを託すかの如く、これからの人生の歩み方を提案している部分です。客観的・分析的に事実を述べるのではなく、著者個人の思いが静かに書き連ねられているところに、この本の後味が温かいもので終わる・様々な人に支持される要素があるのではないかと思います。 選挙権を持つ大人だけでなく、いつか選挙権を持つ子供にも読んでほしい、そんな本になっているのではないでしょうか。
0投稿日: 2020.09.03
powered by ブクログこれは稀にみる素晴らしい著作。夢中で読んでしまった。まとめになる第8章とエピローグだけ読んでもエッセンスはわかる。人間ひとりひとりがここまで市場経済というものを熟知すれば今よりもっと素晴らしい世界が見える。
0投稿日: 2020.09.02
powered by ブクログ経済を本質的にわかりやすく伝える良本。高校生くらいでこの本に出会えると人生をより良い方向へかえられるんじゃないかとおもう。
1投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログギリシャ経済危機時の元ギリシャ財務大臣であるヤニス氏による経済解説本。著者も述べているように『銃・病原菌・鉄』『贈与関係』『入門 経済思想史』『負債と報い』らのほか『ホモ・サピエンス全史』『善と悪の経済史』などのエッセンスを抽出し極力分かり易くした一冊といえよう。 ただ「父が娘に語る」と評していながら用語は専門用語のままであり、シンプルに書くということは多様な論点を排すことでもあるためやや偏屈な視点感は否めない。ご子息にお薦め出来る本ではないかもしれない。内容は興味深く面白く読むことはできるので資本主義の裏読みのイントロダクション本としてはよいかもしれない。
1投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ小難しい用語を使わず親が教えるかのように経済を説明する。 交換価値と経験価値の比較であり、資本主義、をはじめとした経済用語が出てこない語り口調で易しい。
0投稿日: 2020.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋さんで、ジャケ買いしました。 今まで、何冊か、経済学入門というような本を読んだが、実際の自分の生活との関連性が掴めず、ピンとこなかった。 この本は、今の経済が、どのような歴史の結果、出来上がったのかを、分かりやすく説明してくれているので、私は理解しやすく、これからのことについても、想いを巡らせやすかった。 特に、政府が景気対策を打った時の事業者の反応を、ルソーの「狩人のジレンマ」と絡めて説明している章を読んで、「景気」という感じをあてている理由が分かった気がした。 作者は、現在の格差社会を打破するために、テクノロジーを利用するだけでなく、その恩恵を等しく全員で分かち合うように、大幅な社会変革が必要であると述べている。 今、まさに、社会が大きく転換しようとしている時だと思うので、たくさんの人に本書を読んで欲しいと感じた。
9投稿日: 2020.08.26
powered by ブクログ現代の経済がどのように回っているか、お金がどのように生まれたかを歴史から遡って丁寧にわかりやすく解説した経済本。
0投稿日: 2020.08.26
powered by ブクログhttps://xieal.com/?p=348 通貨とかは、なぜ信じて運用されるの?というシステムの話
0投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本は一気に読んだほうがよい。語りかけるように進んでいて、部分的に述べていることが、全体的な主張にもつながってくるので、あけて読むとつながりがわからなくなってくる。 ここにこの本を読んで印象的だったことや意識したいことを綴る。 ・いまの自分の世界から一歩引いて、外の世界を見てみることの大切さ ・人は危機に直面することでその危機をどう脱すればよいかを考え抜いてきた結果、通貨や国家や産業革命などが発生した。その危機は地域ごとの気候に大きく左右され、危機に直面しない地域と直面する地域で格差が生じてきた。 ・他者と関わり生きていく人間である限り、差が生まれるのはある意味必然なのかもしれない。ひとつの共同体精神に基づいてすべての人間が行動するとしたらそれはもはや意思を持たないロボットなのかもしれない。 ・人の意思が多様だからこそ、違いや格差が生まれる。 ・市場価値と経験価値があるが、自分は経験価値を大切にしたい。経験価値を得るために、市場価値を手段にしたい。
0投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ社会系の知識に疎い人にも優しく述べてくれる 稲作あたりから全部繋がってるんだなぁって感動 経済の奥深さを1ナノぐらいは知れたかも これを機に少しずつ理解して先の事まで考えられるようにしたいところです
0投稿日: 2020.08.17
powered by ブクログ既に理解しているような内容も多かったが、なぜ格差はあるのか?なぜ我々は経済を知らなければならないのか?について、語りかける感じで書かれています。難しい経済用語もないので、中学生や高校生にも読ませられると思いました。 なぜヨーロッパからオーストラリアや南アフリカへの侵略はあって逆はなかったのか? 機械に支配された幸せな世界は幸せか? といった問いは勉強になりました。
0投稿日: 2020.08.15
powered by ブクログ読みやすかった。 でも、私の理解力の問題で、すごく役に立ったかというと、そうでもないかも。 政治と経済が密接に関わってる、ということくらいかな。
0投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログ<余剰から経済・産業が生まれた> ■年中食料が取れない→倉庫に保管しないといけない(技術の発展)→必要なものを交換しないといけない(等価交換)→交換品を持ち歩けない(お金) ■食料的に豊かでないが経済的(お金)に豊かなところは経済的豊かさを持続できる。 →現在の先進国(現在の金融市場を生み出したアメリカが生涯リーダー) →気候の変化大 ■自国が食料的に豊かなところ(いつ何時も食料が手に入る)は、ある程度文明の発展はあっても持続しない。 →現在の後進国(かつて文明が起こった中国、メキシコ、インド含む) →気候の変化少。 <心に残る言葉> ■今いる場所を当たり前だと思ってはいけない。 前半の経済に関する概念は勉強になったが、後半部分の詳細解説は興味がなかったこともあり心に残らなかった。
1投稿日: 2020.08.04
powered by ブクログ私には少々難しく感じたが、市場、政治、銀行の仕組みなどについて分かりやすく記されていると思う。度々入る戯曲や映画の例え話が良かった。経済は難しくてとっつきにくいというイメージであったが、本書を読み経済についてもう少し切り込んで理解できるようになりたいと感じた。最後の締めくくりも良かった。
0投稿日: 2020.07.25
powered by ブクログ市場経済の追及が、地球環境破壊に至るまでを理解。ギリシャの経済家故か、反銀行、人類への憂いで、希望が見いだしづらい。
0投稿日: 2020.07.25
powered by ブクログ面白かった。。。 というよりも、すごく考えさせられました。 簡単に、ユーモアに経済について学べた事は勿論、今後の未来について深く考える機会を与えてくれました。特に、満足の奴隷になるよりも不満になる自由が必要で、葛藤を経験してこそ人は成長する。という部分にハッとさせられました。目先の欲求に支配されて毎日過ごしてる自分には刺さりました。笑 本書では、民主化をすごい推していましたが、民主化になった市場がうまく機能するかが不安です。誰かが良い案を考えてくれるやろ〜って怠惰に生きたら痛い目を見る気がする。だけど、どうしたら何が最善の策か分からない。考え続けたい。
0投稿日: 2020.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
社会人として、自分が普段生活している世界の経済についてわかりやすく学びたくこの本を読みました。 この本は、タイトルの通り小説やSF映画、身近な登場人物にたとえて、経済の仕組みをわかりやすく解説しています。 格差の仕組みや、市場社会における需要と供給についてなど読みやすい本でした。 格差や、今ある経済を当たり前の事と思わず、常に一歩引いて全体を見てみようと思いました。 広い視野で、全体を見渡せるようになりたい。
11投稿日: 2020.07.18
powered by ブクログベストセラーとのことで読んでみた。 内容は確かに平易なのだが、異常に読みづらい。思うに、やたらと人名(神様の名前を含む)や地名が出てきて、それがギリシャのもの(著者は元ギリシャの財務大臣)だったりするので、そこで目線が止まるのだろう。読みながら寝落ちを数回でようやく読了した。 ただ、繰り返すが内容は良い。多面的なものの見方も身につく一冊(例:従業員の賃金が20%カットできそうという話になった時の経営者の反応…製造コストが8割で済むと喜ぶか、消費者の収入が2割減になってしまうと製品が売れなくなると危機感を感じるか)。 「#父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」(ダイヤモンド社、ヤニス・バルファキス著) Day186 https://amzn.to/32rQjCc
0投稿日: 2020.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシャの金融危機の時に、マスコミがギリシャ人をインタビューして「もちろん、貸す方が悪い!」と断言していたのに、度肝を抜かれたが、この本を書いた人が財務大臣していたなら、納得。 そういった背景を抜きにして、父が娘に語った、という物語として読むなら、これに付き合える娘はとても賢い。 例えにギリシャ神話やらマトリックスが出てきて、面白い。私はギリシャ神話が好きなので、オイディプスの話(予言は自己成就する)とかオデュッセウスの話(古代ギリシャ人はオークションをしない)とか、その部分は面白く感じた。たとえ話が上手だと思う。 収容所のたばこの話は面白かったし、筆者の父の実体験かと思ったが、そうではない、ということが実に素敵だった。 「余剰」と「文字」が経済を生む。→自然豊富なアボリジニの生活では余剰に頼る必要がなかった(農耕を発達させる必要がなかった)ので、高い文化を持っていても文字が生まれない 余剰を生んだ支配者の支配を安定させるために、宗教が生まれ、国家と密接な関係を持っていく なるほど、と思ったが、やはりとても面白い、とは思えなかった。
3投稿日: 2020.07.14
powered by ブクログギリシャの元財務相の著作ですが、かなーり「そもそも」から書いてくれていて分かりやすい 経済学者が戦時下に収容所に入ったときにみた囚人のやり取りなんかは、経済(人の動き)そのものだと感じた
1投稿日: 2020.07.12
powered by ブクログ父が娘に経済を分かりやすく説明するという内容。 著者自身がギリシャの方ということもあって、ギリシャ神話や映画などを例にあげて分かりやすく書かれてあったと思う。が、私自身が著者の挙げている映画やギリシャ神話に親しみがなく、簡単な説明はあっても、想像しにくく逆に分かりにくかった(笑) とは言え、はじめの方で書かれてあるように、難しい経済用語などは一切ないので、すっーと頭に入ってくるような感覚はあった。 ✓経済って? ✓今の格差はどうしてあるの? という疑問の答えは著書に書かれてあったので読んだ甲斐があった。 本自体もページ数が多くなく、文章も親が子に語りかけるような文体なので読みやすかった。
0投稿日: 2020.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
確かに着眼点やアプローチ方法は違い、そう言う意味では読みやすくとっつきやすい感じはします。 ただ、私には読んで面白いと感じる部分は少なかった。 説明 内容紹介 ★年間ベスト海外ノンフィクション(Apple Books) ★世界ってこういうものだったのか! ★経済を知るとはこれほど面白いことだったのか! ★世界的ベストセラー! 25ヵ国で続々刊行! ★「朝日新聞」(梶山寿子氏評)にて 「とんでもなくわかりやすいだけでなく、とんでもなくおもしろい」 「知的好奇心を刺激するドラマチックな展開に、ぐいぐい引き込まれる」 「一冊で仮想通貨や公的債務の是非、環境問題まで網羅しているのも驚き」と絶賛! ★19万部突破! 読売新聞、毎日新聞、東京新聞、中日新聞、産経新聞、週刊文春、週刊朝日、 HONZ、NIKKEI STYLE他、絶賛・紹介続々! ◎現代の世界はどんな「仕組み」で動いているのか ◎なぜ一部の人たちだけに「富」が集中するのか ◎「経済危機」の裏に隠れているものは何か 「資本」や「資本主義」という言葉を 使わずに経済を語ったら、 とんでもなく本質がわかるようになった! 経済の本なのに「一気に読める」 「ページをめくる手が止まらない」と話題沸騰! 読み終えた瞬間、世界が180度変わって見える! ★元財務大臣の父が、十代の娘に向けて、 シンプルで、心に響く言葉で本質を語り、 世界中で支持されている、 究極の「経済×文明論」! 小説、映画から、ギリシャ神話まで、 古今東西の知を総動員! もっともシンプルで、もっとも伝わる言葉で、 いまの「世界」と「経済」の本質を捉えきった、 現代を生きるすべての人必読の書! ・なぜ、こんなに「格差」があるのか ・自分のことすら「市場価格」で測ってしまう ・すべての富は「借金」から生まれる ・「金融」の仕組みのウラ側とは ・「終わりの予感」が経済を崩壊させる これからの時代を生きていくために、 もっとも大切な「知識・考え方・価値観」を 一気に詰め込んだ、驚くべき一冊。 出版社からのコメント プロローグ 経済学の解説書とは正反対の経済の本 ・目の前の混乱から離れて世界を見つめ直す ・資本主義を解き明かす 第1章 なぜ、こんなに「格差」があるのか?――答えは1万年以上前にさかのぼる ・なぜ、アフリカから強国が出てこなかったのか? ・地域内格差――金持ちは100万ドルを簡単につくれる 第2章 市場社会の誕生――いくらで売れるか、それがすべて ・ふたつの価値――経済学者はすべてを「値段」で測る ・世界はカネで回っている? 第3章 「利益」と「借金」のウエディングマーチ――すべての富が借金から生まれる世界 ・悪魔が考えた「地獄」より残酷なこと ・富と競争――競争に勝つには借金するしかない 第4章 「金融」の黒魔術――こうしてお金は生まれては消える ・起業家はタイムトラベラー――未来から無限の交換価値をつかみとる ・歯車が「逆回転」しはじめる 第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界――悪魔が潜むふたつの市場 ・狩人のジレンマ――全員で鹿を狙うか、ひとりでうさぎを狙うか? ・悪魔が潜む場所――「マネー・マーケット」とは何か? ・予言は自己成就する――もしソポクレスが経済の教科書を書いたら? 第6章 恐るべき「機械」の呪い――自動化するほど苦しくなる矛盾 ・巨大企業にとっての「すばらしい新世界」 ・絶望を見せてくれるのは誰か? 第7章 誰にも管理されない「新しいお金」――収容所のタバコとビットコインのファンタジー ・誰も税金を払いたくなければ、どうすればいい? ・ビットコイン――「1通のメール」がもたらした衝撃 第8章 人は地球の「ウイルス」か?――宿主を破壊する市場のシステム ・節度のない者は「愚か者」になる――駄目と知りながら競争を止められない ・未来のすべてを決める対決――「すべてを民主化しろ」vs「すべてを商品化しろ」 エピローグ 進む方向を見つける「思考実験」 ・思考実験――君は理想の世界に行きたいか? ・占い師のロジック――私が経済学者になった理由 内容(「BOOK」データベースより) 元財務大臣の父がホンネで語り尽くす!シンプルで、心に響く言葉で本質をつき、世界中で大絶賛されている、究極の経済×文明論! 著者について ヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis) 1961年アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EU から財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった。長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている。著書には本書の他に、EU経済の問題を指摘した『そして弱者は困窮する』(未邦訳)や「史上最良の政治的回想録の1つ」(ガーディアン紙)と評された『アダルツ・イン・ザ・ルーム』(未邦訳)など、数々の世界的ベストセラーを持つ。2016年にはDiEM25(民主的ヨーロッパ運動2025)を共同で設立し、その理念を世界中に訴えている。 関美和(せき・みわ) 翻訳家。杏林大学准教授。慶應義塾大学卒業後、電通、スミス・バーニー勤務を経て、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経て、クレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。主な訳書に『誰が音楽をタダにした?』(ハヤカワ文庫NF)、『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(NHK出版)、『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(日経BP社)、『明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業』(ダイヤモンド社)など。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) バルファキス,ヤニス 1961年アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EUから財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった。長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている。著書には「史上最良の政治的回想録の1つ」(ガーディアン紙)と評された『アダルツ・イン・ザ・ルーム』(未邦訳)など、数々の世界的ベストセラーを持つ。2016年にはDiEM25(民主的ヨーロッパ運動2025)を共同で設立し、その理念を世界中に訴えている 関/美和 翻訳家。杏林大学准教授。慶應義塾大学卒業後、電通、スミス・バーニー勤務を経て、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経て、クレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
5投稿日: 2020.07.09
powered by ブクログ経済モデルが科学的になるほど、目の前のリアルな経済から遠のく。 農産物の余剰が、文字、債務、通貨、国家、軍隊などを生み出した。 余剰がなければ、文字もいらない。誰がどれだけ蓄えたかを記録するために文字が必要だった。記録は仮装通貨のようなもの。それを持ち歩いて取引に使えた。 余剰がなければ国家も軍隊も必要ないから生まれない。 自然の恵みが豊富な場所は、余剰を持たなくても生きていけた=農耕が始まらない=余剰がないから文字も国家も不要。 アフリカ、オーストラリア、アメリカ大陸で文明が発達しなかった一つの説明。 血液市場は、無償で献血するほうが集まる=善意の献血者はいなくなる。 イギリスの囲い込み=農奴が追い出されて、労働者になった。イギリスは産業革命の要素がそろっていた。産業革命には資本の蓄積=借金できるところ、が必要だった。 集団全体が楽観的なら、楽観的な憶測が現実になる。悲観的の場合も同じ。賃金が下がれば、デフレスパイラルになる。 予言が予言を自己実現させる。 収容所では、タバコが通貨になる。交換価値があり保管する手段として使われた。 すべてを民主化するか、すべてを商品化するか。
1投稿日: 2020.07.08
powered by ブクログサクサク読める。小難しく感じていた経済の話が、リアルな話を織り交ぜながら分かりやすく説明されていて凄く良かった。 自分の将来や未来についても考えさせられた。
0投稿日: 2020.06.28
powered by ブクログ小説のようにさらっと読める、人類の歴史、哲学まで絡めた複合本。 マトリックスやスタートレック、ギリシャ神話など、とっつき易い例を出しながら人間の行動原理を説明してくれるので、分かりやすいし読みやすい。 個人的には歴史が面白いと感じたきっかけの、余剰が生み出す経済活動の発展に触れていたので星4。経済のことだけでなく政治、お金、法律など、なぜ今の国や企業のある現代が生まれたのか興味を刺激する書き口はとても好ましい。 中学高校とそれくらいの年齢の人間にも勧めたいし、気づけば社会に出ていて漠然と経済は難しいと考える若手にも勧めたい。これをきっかけに芋づる式に新しいことを学びたいと感じる本だった。
0投稿日: 2020.06.28
powered by ブクログこれ読んでから経済学部入りたかった!迷いなく高校時代の私に勧める。逆に今読めといてよかった。 めっちゃ面白いし、面白いのをちゃんと翻訳してくる関美和さんの腕がすごい。 ギリシャ喜劇や寓話は、社会現象を表す記号のような引用のためのものだと思ってたけど、経済の仕組みにも当てはめられるとは思わなかった。斬新。 お金の流れ、それに絡む人間の本質に迫るような本。経済書でもなく社会学書でもない、さらには啓発本でもない、ちょっとジャンル不明瞭な面白さ。お勧め。(私も人に勧められて読んだ)
0投稿日: 2020.06.23
powered by ブクログまず、宗教をはじめ、様々なものは余剰から生まれていると知り、衝撃を受けた。 それから、今の時代になると、お金は簡単に増やすことができ、とても怖いと思った。 難しくて、理解できない部分もあったが、これまで汚いと思っていた分野である経済学を、少し理解できたような気がする。 もう一度読みたい一冊。
0投稿日: 2020.06.18
powered by ブクログタイトルから得る印象と得られるものの仮説(問題提起/仮説) 気に入った文の書き抜き(具体的事実) 感想(自身の受けた印象とそれから為る主張) 仮説とのすり合わせ(検証とまとめ) おすすめポイント、おすすめしたい人 ネクストアクション
0投稿日: 2020.06.11
powered by ブクログ狩人のジレンマ 捕虜がタバコを交換媒体にした話 など、経済をわかりやすく説明する工夫が要所にされていると思いますが、正直一度読んだだけでは、経済学ビギナーの私には理解しきれませんでした。 同ジャンルの別の本をいくつか読んだ上で、もう一度読んでみたいと思っています。
0投稿日: 2020.05.31
powered by ブクログ超大国がユーラシアに固まっていたのは、農耕社会による「余剰」が、経済を発達させたから 交換価値が経験価値を打ち負かすことで、市場社会が発生する 生産の3要素…生産手段、土地または空間、労働者 エンクロージャー(囲い込み)により、領主が農奴から土地を没収し羊を飼い始める→行き場を無くした農奴が、土地を借りて労働力を売り始めた(労働市場の発生) 蒸気機関の発明により、産業革命へと発展していくが、ここから激しい格差が生まれてくる 生産→分配→債権・債務の流れが、事業家の誕生により、最初に借金を負うことへと変わる 借金を負い利益を追求することが、競争の激化と格差の拡大を招いていく 民間銀行が無からお金を生み出すように、中央銀行も同様に金を生みだす→返済できない債務は国家が介入する 国債は金融システムの潤滑油 予言は自己実現する。悪い噂が実際に悪い結果を呼び、良い噂が伝播し経済をよくする 機械化による価格の下落 1、自動化によるコストの下落 2、他企業との競争激化によるコストの下落 3、機械化による人々の働き口の現象→需要減 この3つにより、利益がどんどん押し下げられる すると失業者は溢れ、やがて機械のコストより人間のコストのほうが安くなり、人間を機械代わりに使い始める 人間は、テクノロジーの可能性を余すとこなく利用する一方で、人生や人間らしさを破壊せず、一握りの人達の奴隷となることない社会を実現すべきだ。 通貨は国家からも政治的プロセスからも切り離せない。 ビットコインは、危機が起きたときにマネーの流通量を調整できない。総量が決まっているため、企業の生産するものが増えるに連れ、価値が高まっていく。発行送料を増やせないと、再膨張ができない 未来のためには、国家を民主化(少ない金持ちの恣意的なマネーサプライ運用を防ぐ)ことだ。 自然という交換価値を持たぬものに、むりやり交換価値を持たせる試みは、排出量取引というもので開始している すべての民主化か、すべての商品化か、どちらがいいか? 民主化がどう役に立つか→一人一票の投票 市場では富の大きさにより、持つ票の数が変わるため、株主による投票では格差を拡大するだけで意味がない 誰もが経済についてしっかりと意見を言えることが、真の民主主義の前提である。
7投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログ経済とはなにか、資本主義とは何か、市場社会とは何か、その1つ1つを本質的に、かつ簡潔に説いた本だった。経済学者であり、一国の財務大臣でありながら、経済学者や専門家の欠陥を指摘する大胆さを持ち合わせており、独断的な知識と考えを持つことの危うさを改めて感じさせられる。専門的な用語と複雑な仕組みで煙たがれがちな経済について、SF映画やギリシャ神話などわかりやすく、親しみやすい例えを用いて説明しているので、ど素人でも読みやすい。それでいて現在の市場社会の本質を突いている。学者や専門家頼みではなく、誰もが経済に関して正しく理解し、考え、意見を持つことの重要性を感じた。
0投稿日: 2020.05.14
powered by ブクログ経済とはなんなのか、どのように現在の経済の形になったのかというのを理解するのにはとても分かりやすいと感じた。 作者が作中で経済学者はペテン師(うろ覚え)と述べているよう、経済学を理解するという点には全く役に立たないと感じた。 だが貧富の差が生まれた理由、欧米がなぜ発展しているのか、なぜ失業者が生まれるのか、機械は人を幸せにするのかなど一度は考えたことのある問題を映画や小説を例えとして説明しているためとても理解しやすいと思う。
0投稿日: 2020.05.14
powered by ブクログ題名通り、父が娘に語るように書かれていて読みやすい。 市場の発生や市場社会が形成、様々なシーンの経済学での考え方が、神話・小説・SF映画を例に説明されていた。 著者の経歴上、銀行に対しては少し厳しい。 プロローグで紹介された書籍未読のものが気になる。 YAくらいの年齢層向けでもよいかも。ジュニア新書とか。
0投稿日: 2020.05.12
powered by ブクログ映画「マトリックス」の仮想現実は、なぜ悪なのか?という問いに対する答えが良かった。 上手く言語化してくれた感じがした。 「自発と創造」これがないと、人は幸福になれない。 経済についてのタイトルだがそんな哲学のような話もあり、血の通った話をしていると思った。
0投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログ「君にはいまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも、賢く戦略的に怒り続けてほしい」 「市場も民主主義であるが、富の多寡によって持つ票の数が決まる」 「私たちの探検をやめることはない。そしてすべての探検の終わりに出発した場所にたどり着く。そのとき初めてその場所を知る」
0投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログ娘に語るというだけあって、すごくわかりやすく経済について書いてある本。 初歩の初歩なので、経済ってどうなってるんだっけ!?と興味を持った人は読んでみて良いかなという感じです。 経済なんて全くわからない!って人にはおすすめの1冊。
0投稿日: 2020.05.09
powered by ブクログ余剰が経済の根源であること、など、経済とは何か、がとてもわかりやすく、構造で理解できた。市場経済の欠点は欲を満たすことであり、幸福とは異なることや、環境を破壊すること、格差を拡大させることなど様々指摘されるが、利益追求と環境保護を両立するESG思考につながった ・余剰こそが経済の源 ・交換価値だけでは価値をすべて語れない。経験価値というものを認識すべき ・労働市場は交換価値だけで語れない。それはその労働契約の交換価値だけでなく、市場全体の先行きを左右し、購買動向をも左右するため、全体として完全に楽観的でない限り、悲観的な見通しがその交換価値の条件に関わらず雇わない、という選択に結びつく ・金融の正体は借金。先んじて未来価値をカネの形で融通する。そこに実態は存在しない。借金を返すために利益を追求せねばならず、利益を生み出すには競争に勝ちぬかなければならない ・交換価値を基盤とする市場社会が成し遂げることは、欲を満たすこと。欲を満たすことが幸福ではなく、幸福とは何者かになるプロセス。葛藤が高次の人格を形成する
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
経済についてさっぱりな自分が2周読んでやっと理解できる内容でした。面白いが何回も訪れ、とても楽しく読めました。 まず、余剰が経済の元になった話、とても面白かった。余剰が出来たことによって、文字、債務、通貨、国家が生まれ、支配者が国を支配する権利を持っていると信じ込ませるために宗教が生まれた。とても面白い。 ヨーロッパが発展したのは、大陸の形、場所がよかったからである。決して他より賢かったわけではない。横に広い大陸は、同じ気候で作物が育つが、縦に広い大陸は、気候が違うため同じ作物が育たない。このため、ヨーロッパは勢力を広げて発展できたらしい。面白い。 人は、自分たちの豊かさが彼らから何かを奪った結果かもしれないとは考えない、確かに貧困層をみて心は痛むが、自分が奪ったものかもしれないとは考えもしてない。考えさせられた。 価値には、交換価値と経験価値の二つがある。資本主義は交換価値にしか重きを置いてない、全て商品化しようとしている。だからカネが目的、利益追求が目的になってる。環境は破壊することで交換価値を生み出してしまう。なので環境破壊が加速してしまった。そうなのか。 社会の機械化について、経済の観点から、自動化が推進され、競争力が激化し、人が貧困になる。その結果、需要が減ることによってコストが価格を上回ってしまう時が訪れてしまう。byマルクス。機械化により、大量に失業し、モノが買えなくなる。そうなると市場は回らなくなり、それが連鎖してしまう。なので、機械の一部をすべての人で共有して、その恩恵も共有できたらいいだろう。by筆者 面白い。 全て機械によって何もかもが作れる時代が来るだろう。そうなったら金など必要ない、すべての人にモノを分配できるような仕組みの方がいいと思わないか??一部の権力者よ。 銀行はボタン一つで金を増やせる。その金を人に貸す、貸した金は債権として投資家に売り払う。そのため、銀行は絶対損しないビジネスになってる。だからどんどん貸す。でも経済の成長が追いつかないと銀行が破綻する(貸した金が返ってこないため)。破綻すると経済が滞り、大勢の人が苦しむ。なので国が銀行を助ける。銀行が貸しすぎることがないように国は指示するが、天下り先になっていたりするのであまり強くは言えない。銀行と政府は切っても切り離せない関係。面白い。 人は誰しも自分と他人の行動を振り返り他人の心を推し量ってその行動を予想する。なので、経済を回そうにもその裏まで読み取られてしまい、うまく経済は回らない。例えば、経済がヤバいので金利下げようってなったとする。すると、経営者は、金利が下がるから金借りれる!!ではなく、金利が下がるってことは景気が悪いのか、じゃあ下手に動かない方がいいな、人を削減した方がいいな、という動きになる。面白い。 経済は人間の心理を映し出しているんだなぁと感じた。公共の利益を考えられない人をギリシャでは「イディオテス」というらしい。イディオテスにならないように自分の人間性を高めていきたい。まずは、資源の民主化について、交換価値に全てを変えていく動きだけではなく、ボランティアのような経験価値に重きをおける保全方法はないかな〜と少しずつ考えていきたい。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ経済に関してド素人である自覚があるため、タイトルにつられて読んでみた。 経済の始まりから現代の姿に至るまで、今までに習ったことのないような視点で話が進んでいくので、ずっと目から鱗状態。間違いなく読んでよかったと思う本。 最初はサクサク読み進められたが、第4章「金融」の黒魔術あたりからは一度で理解できないところがあり、再読した。理解を深めるために、本書でも紹介されている「ターミネーター」「マトリックス」「V for vendetta」を見てみようと思う。
0投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログわかりやすいたとえを使いながら過去から現在までの経済の成り立ちや流れを説明した本。 1章の「格差」が生まれた理由が「余剰」にあったというのは興味深かった。 農耕をせざるをえなかった地域と違い、しなくても狩猟で十分だった地域では余剰を必要年なかったので言語や国家などが発展しなかった。なくても暮らせたから。 インフレ・デフレの話を監獄んタバコの話に置き換えて説明している章もわかりやすかった。 全体的に読みやすい本だと思う。
0投稿日: 2020.04.26
powered by ブクログ難しい本でした。 二周しないと理解しづらい部分も多く感じられた。 もしこの本を手に取るのであれば私の下のまとめを先に読むとわかりやすいかもしれないと思い、書いてみました。 ⚠️⚠️まとめ 第一章 経済は、余剰から始まった。まず、畑で働いた労働時間だけ穀物が分配される仕組みが出来上がった。 これにより、誰がどれだけ働いたかを証明をするために文字が生まれた。 働いてすぐ穀物が収穫されるわけではないので、主人は代わりに貝殻に、どれだけ働いたかを書いてそれを穀物の代わりの価値として労働者に渡した。これが通貨の誕生と債務の誕生である。 今度は、余剰を蓄積するには、権力の集中が必要で、権力が集中するとさらに余剰が蓄積される。この繰り返しで、国家が生まれ、それに不満を持つものに反乱されないように宗教が生まれる。 第二章 価値には市場で何かを交換するときに価値になる「交換価値」と売り物ではないが、経験として価値になる「経験価値」の二種類がある。 今現在市場価格となって値段がつくものは、「交換価値」のものばかりである。 昔は「経験価値」も「交換価値」と同じの地位にあったが、次第に「交換価値」が「経験価値」を打ち負かすようになった。なぜ「市場のある社会」から「市場社会」へと変わったのか? それは、生産の三要素である「自然から採取する原材料やそのためのインフラ=資本財」「土地や空間」「労働者」が「商品」へと変わったからである。 当時、農民は領主に奴隷的に扱われながら働かされていた。農民同士はお互いに助け合っていた。 当時のイギリスをみると、イギリスから出荷された羊は、羊毛としての価値を生み、わらしべ長者的に価値を上げていって、イギリスに戻ってくる頃には出荷した羊の何倍もの量と交換できるようになっていた。 これで得することを聞いた領主は、雇っていた農民を解雇し、羊飼いをすることとなる。 突然解雇された農民は生活するために、自らを労働力という商品に変えた。農民を追い出した領主は、誰かに土地を貸すことで、そこから得られる利益の一部をもらうという行動に出る。このとき、土地は商品へと変わった。 そんな中、蒸気機関が生まれ、工場ができることで、労働市場が加速し、人々が利益を追求するようになった。このため、「経験価値」は「交換価値」に打ち負かされてしまった。産業革命が始まった瞬間である。 第三章 領主の持っていた土地を借り、労働者を雇い、その土地で得た利益を領主と労働者に渡すものが起業家であった。 しかし、起業家になるには借金をしなければならなかった。それは工場でも同じで、多くの起業家は借金をして人を雇う立場になろうとした。 最も安い値段で商品を売ったものが最も顧客を獲得でき、最も安い賃金で雇えたものが最も利益を手に入れ、最も生産性を上げたものが競争にも勝てたため、テクノロジーの手助けが必要だった。 しかし、テクノロジーは高くついた。そのため、さらに借金を重ねることになる。そんな競争で勝ったものだけがあり得ないほどの金持ちとなる。 第四章 銀行は、貯金があって使う予定のない人と、貯金がなくお金を借りる必要のある人を結びつけていた。預金者から利子を支払いお金を預かり、それより高い利子で他の人へお金を貸し付け、その差で儲けることが仕事であった。 しかし産業革命により、借金の額が爆発的に増大したことで、新たな方法が生まれた。それは貸し付けた相手の事業がうまくいかない場合にも、銀行が被害を被らない方法である。銀行は、貸し付けを行った後、債権を小口に分割して、投資家に販売するようになった。投資家は、購入した金額よりも高い金利を受け取れるため、買った。 これにより、銀行が投資家に払う金利よりも、貸し付けた金利の方が多く設定しさえすれば、銀行はすぐに貸し付けたお金を回収できる上、利益も手に入れられる。 また、破産した際にも、被害は投資家に行くためノーリスクとなった。 しかし、未来への見積りを間違え、多額の借金をした起業家が増えてしまうと、会社が破綻し、失業者も増え、経済が傾く。銀行が返済不能のローンをどんどん抱えるため、銀行が苦しいと噂が広がり、預金者が現金の引き出しを要求し始める。それにより、困った支店長はシャッターを閉めざるを得なくなる。すると、誰にも借金があり、預金者は預金を失い、お金持ちも先行きが不透明という理由で支出を抑える。そうすることで不況がくる。 ここで助けに入るのが国家であり、中央銀行である。中央銀行がお金を刷り、各銀行へと手助けする。 そのことを利用して銀行はますます活発に金を貸すようになる。一方で、個人が借金をしても「債務免除」として許されるようになる。これは、借金から逃げられないように国が設定すると、起業することがハイリスクとなり、起業する人が減ってしまうのを阻止するためである。 労働者は起業家を必要として、起業家は銀行を必要とし、銀行は政府を必要とし、政府は起業家を必要とする。 経済は全てが依存しあっている。 国家債務は銀行にとって最大の恩恵である。 政府は、税金では賄えない額を銀行に公的債務として借りる。この時、銀行は利子を手に入れる。 しかし、銀行の最大の恩恵はそれだけではない。銀行は預金を嫌うため、預金者が預金を引き出しに来たときにすぐに現金に変えられるものを用意しておく。それが公的債務である。政府から渡った公的債務を預金者に渡すことで銀行の手元に残るのは結果として現金となる。 公的債務を買ったものは国を信頼しているのでウィンウィンとなる。 第五章 集団全体が楽観的なら、楽観的なら憶測が現実になる。集団全体が悲観的なら、悲観的なら憶測が現実になる。全員がそのことを意識すればするほど、予想した未来が現実になる可能性は高まる。 例えば、経済促進のため、銀行から借りる金利を低くすれば、起業家はたくさんのお金を借りられると考えると予想する。しかし、中には金利が引き下がることで景気が悪い方に向かっていると判断をされ、起業家に先行きを案じさせてしまう。 人間の振る舞いと経済をうまくマッチさせるには大幅な社会変革が必要だ。 第六章 市場社会は、これから自動化に向かっている。 自動化になっていくと、まずコストが下がる。コストが下がることで同業他社同士の競争が生まれ価格はコストとそれほど変わらなくなる。すると利益は最低限にとどまる。 自動化に投資していた起業家たちは、当てにしていた利益が借金を返せれるほどないと気付く。すると、多くの企業は倒産し、それが引き金となり経済危機が起こる。経済危機が起こると人も機会も余るようになる。生き残った企業は、少し価格を上げることができるようになり、機械より人を雇った方が安上がりになると気付く。 市場社会は技術革新を利用して人間をロボットに置き換えるだけでなく、人間がロボットよりも安ければ、人間を機械代わりにしてしまう。人間は機械とは違って物を買うため、社会全体の得となる。しかし、機械化が進むと賃金が下がり物が売れなくなってしまう。 だからこそ、自動化にブレーキをかけるか、自動化によって得られた恩恵をみんなで享受するべきである。 第七章 ビットコインは脅威にもなりうる。ビットコインはマネーサプライ(お金を生み出す)に介入できないし、流通量に上限が決まっているためである。 総量が決まっていることでデフレが起きる。デフレが起きると、ビットコインに結びついた物価が安くなり、それを生産する労働者の賃金が安くなる。さらに、発行総量も増やせないため、なんも手も打てなくなってしまう。 金本位制の時も同じことが起き、金本位制を廃止した。 だから、マネーサプライには政府にしろ誰にしろ、介入できるものは必要となる。 第八章 今、交換価値の世界で生きることで、地球は大気汚染やら森林破壊やらで破滅へと向かっている。 もし地球を救うとしたら、市場社会では認められない経験価値をもう一度尊重できるようにするべきだ。 一つのやり方として、利益追求に制限をかけるようにする。これは環境を商品化するということだ。 しかし、これだと環境を商品としか見てない所有者は視野が狭くなってしまい、結果、所有外の環境を汚してしまう恐れがある。 だからこそ、環境は民主化にするべきである。
0投稿日: 2020.04.24
powered by ブクログ序盤は読みやすかったけど後半は少し難しいかも? ここ最近の読書でいかに経済学という学問が脆く怪しいものかということが分かってきました。 大切な判断を他人任せにしないために、今の経済の仕組みがどのように形成されたのかということをこの本で知ることができると思います。 民主主義、市場主義の欠陥に触れている部分が非常に興味深かった。
0投稿日: 2020.04.20
powered by ブクログ経済というものがさっぱりわからないのでちょっとは勉強してみようと思い買ったこの本、積ん読ゾーンに置きっぱなしにしていたんだけど、新型コロナの影響で国が補償をするだのしないだの言っているのを見て興味を持ったのでついに開いた。すっごく読みやすかった! 難しい数字の話ではなくて、そもそも経済はどのように生まれたか、なぜ格差は存在するのか、銀行や国はどこからお金を生み出しているのかといったテーマを扱っているんだけど、わかりやすい言葉に言い換えられていたりストーリーに例えられていたりしてすんなり入ってくる。哲学的のような気もするけど哲学ではないし、じゃあ何なんだろうと考えてみても、これが本当の経済学なんだろうな、としか思えなかった。私は経済学のことを数字と数式の学問だと思っていたけど全く違うらしい。まずは経済について興味を持つことが大事なんだなあ。 あと内容とは関係ないけど、タイトルの「父が娘に語る」にジェンダーに対する固定観念を感じてしまった。「母が息子に語る」とは印象が違うんだろうな。 【読んだ目的・理由】経済のことがさっぱりわからなかったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.2 【一番好きな表現】 集団全体が楽観的なら、楽観的な憶測が現実になる。集団全体が悲観的なら、悲観的な憶測が現実になる。全員がそのことを意識すればするほど、予想した未来が現実になる可能性は高まっていく。(本文から引用)
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログどのようにして格差が生まれるのか 経済の発端は「余剰」から始まり、どのようにして生まれていくのかは例えも秀逸でわかりやすかった。 自分の知識が甘く、経済の分野は想像できる連鎖が短いのでそこを補えてよかった。 経済が止まるとどうなるのかが分かりやすく、ある程度は理解できたと思う。 銀行と政府が切っても切り離せないことが腹落ちした。 誰もが経済についてしっかりと意見を言える事が真の民主主義の前提であり、専門家に経済を委ねる事は、自分にとって大切な判断を全て他人に任せてしまうことというのが刺さった。
0投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ世の中の仕組みをお金と歴史から俯瞰する。 かつて経済学を学んだ人も、案外こういう見方は新鮮なのではないでしょうか。 価値あるものはpriceless。そのことを心に刻んでくれる一冊です。
0投稿日: 2020.04.12
powered by ブクログ経済の話を例えを用いて分かりやすく記されている。 以前から知っている話もあったが、新しい視点も得ることができ、単純に読み物としても面白かった。 経済の初心者がとりあえず1冊目に読んでみる本としてもおすすめ。 経済や資本主義、そして政治についても知見を深めようと思わされた。
0投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログ『嫌われる勇気』を思い出させる良書。1歩か2歩下がって世界を眺められる賢くも優しい本だった!特に自動化や機械との戦いについてが面白すぎて一気読み。
0投稿日: 2020.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近自分の”肥やし”にするための活字に触れられていないなーと思い手に取った一冊。 経済に明るい友人の話を聞くのは面白くて大好きなものの、そう言えば経済に関する本って殆ど読んだことがなかった。 これを機に少しずつ読んで行きたい。 ギリシャの財政危機時に財務大臣を務めた筆者が十代半ばの娘に向けて、専門用語を使わず、経済について語った一冊。 以下、印象的だったところ。 ・「経済モデルが科学的になればなるほど、目の前にあるリアルな経済から離れていく」(p.2) →アザンデ族の占い師のロジック。「迷信と現実が食い違っても、別の迷信を使って食い違いを説明していた」(p.237) →失業と不況は競争不足が原因。規制緩和で競争を促進することが解決策。規制緩和がうまくいかない場合は、民営化によって競争が促進されるという。民営化でもうまくいかない場合は、労働市場が問題とされ、組合の干渉や福祉という足枷を取り除けばいいとされる…アザンデ族の占い師と同じ。(p.238) →経済を学者に任せておいてはいけない。「経済についての決定は、世の中の些細なことから重大なことまで、すべてに影響する。経済を学者にまかせるのは、中世の人が自分の命運を神学者や教会や異端審問官にまかせていたのと同じだ。」(p.235) ・「歴史の中で迫害された人たちのことを、賢くないから犠牲になったのだと少しでも思いそうになったら、そんな考えは捨てたほうがいい。」(p.24) ・「赤ちゃんはみんな裸で生まれてくる。高価なベビー服を着せられる赤ちゃんがいる一方で、お腹を空かせ、すべてを奪われ、惨めに生きるしかない赤ちゃんもいる。それは赤ちゃんのせいではなく、社会のせいだ。」(p.43) ・交換価値と経験価値。値段がつく交換価値と、値段で測れない経験価値。値段のつかないものや売り物でないものには価値がない?(p.48) →それは勘違い。例:血液市場。多くの国で献血は無償。古代ギリシャ、グローバル貿易、イギリスでの囲い込み、産業革命…という歴史を経て、交換価値が経験価値を打ち負かした。「『思いもよらないほどの富』と『言葉にできないほどの苦痛』が共存する世界ができあがった」(p.48-70) ・「被害者に対して被害者づらをするなと言うことほど、相手を傷つけることはない。」(p.120) ・労働市場とその他の市場との違い。家も車もトマトも、「その交換価値はそれぞれの経験価値に基づいている。」それに対し、「労働力それ自体を欲しがる人はいない」。労働力は経験価値ではなく交換価値で評価される。労働者を雇って得られる売上という交換価値と労働者を雇う費用という交換価値を差し引きで評価される。労働市場は、雇用者(経営者)が先行きを楽観するか悲観するかに判断される。(p.125-129) ・メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』とカール・マルクス、『マトリックス』(p.146) ・「約600ポンドのiPhoneのコストのうち中国の生産工場にいくのは150ポンドにも満たない。残りは知的財産権のコストとしてアップルの中に留まる。」(p.155) ・WW2ドイツの収容所でのタバコや、ビットコイン →国家や政治から切り離された通貨というものは幻想。切り離せない以上、できるのは「民主化」。(p.171-202) ・地球の資源を守る方法。資源に交換価値を与えればよい?(p.215-218) ・物を買うことは投票に似ているが、1人1票ではなく「富の多寡によって、持つ票の数が決まる。」(p.221) ・市場社会は欲を満たそうとする。が、本物の幸福を味わえる可能性があるのは、何者かになるプロセス。自分自身、昔好きだったものや執着していたものを思い出すと恥ずかしくなる。人の人格や欲しいものは(不満足との)衝突により変わっていくもの。だから、市場社会はその瞬間の欲は満たせても、本物の幸せを齎してくれるものではない。(p.229-231)
0投稿日: 2020.03.25
powered by ブクログタイトルに惹かれて購入。著者は大臣経験もあるヨーロッパの学者だが、わかりやすい平易な文章なので、スイスイ読める。また、ふとしたマクロ的な疑問に答えてくれている。読了後は、歴史、経済、国際問題に関する視野が広がった。面白いので、2度読みしてしまった作品である。
0投稿日: 2020.03.24
powered by ブクログ最初は読みやすいな、と思うのだが、だんだん読み飽きてくる。娘に語る形で書いているので、わかりやすく説明しているのだが、だんだんそれが冗長に感じてくる。
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ『父が娘に語る経済の話。』 ギリシヤ元財務大臣 ヤニス・バルファキス著 1.はじめに 「FACTFULNESS」は世界を捉える機会の良書とすると、 こちらは経済活動を知る機会の良書だと考えます。 二冊に共通していえるのは、複雑な構造、世界をときほぐすプロセスと表現が簡潔であることです。 2.本を手に取る前に 巻末の著者の後書きを読んでから購入の判断でもよろしいかと考えます。 彼がなぜ高校生の娘さんに経済の話しをしようと考えたのか? それに共感できるならば、ぜひ世界に飛び込んでみて欲しいです。 3.私と著書 著者と同じく年頃の子供がいます。 大学に進学してから経済について関心をもつはもちろんですが、日常生活の消費活動と経済をつなげて考えるも良い学びと考えます。 私が読んでいたら「次に読ませて」という流れになりました。タイトルがそうしたのでしょう。 4.最後に 著者の意見は極少で、解説が中心です。 そして、かれが伝えたいことは、子供に限らず、僕たち大人いえ一人ひとりの人間が考えるテーマともいえます。 「利益中心の経済のシフト。この数百年のトレンドで地球環境も変化した。 国、民間、銀行そして民がどのように関わりあえたら共生できうるのか?」 交換経済を何と何で成立させる市場とするのか? 学校の教科書。 生きていく、考える機会が欲しいと著書を読了して思いました。
8投稿日: 2020.03.22
powered by ブクログ前半はアボリジニ等の歴史を交えた話で面白い 後半は抽象的な話でやや理解が難しかった First half is interesting, especially the episode about why aborigines did not invade europe and so on. Latter half is little hard to understand because the content is abstract.
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログ残念ながら、私にとっては「とんでもなく」わかりやすいわけではなかった。人間が地球にとってのウィルス、という考え方にはとても共感したし、市場社会の持つ矛盾も理解できたけど。経済って難しいんだなーということが良くわかった。
0投稿日: 2020.03.20
powered by ブクログ評判ほどの本なのか、少し疑問。 あまりに基本的なことと、進んだ議論のところが抽象的すぎて私には少し分かりにくい気がしました。 しかし、最後の章で、経済学に対する辛口コメントがありますが、この点は大いに納得。 毎日、日経新聞眺めてますが、景気が良くなってるか悪くなってるか? 留保をつけながら、また、いろんな識者のコメントをちりばめながら、同じような話を延々と続けて、結構どっちなんだ!と言いたくなります。 そんなものだと思いながら自分の見識を高めていくしかないんでしょうね。
0投稿日: 2020.03.11
powered by ブクログなぜお金が生まれたか?労働マーケットとマネーマーケットなどの特徴と抱える矛盾について、なるほどと思う説明をしてくれている。産業が機械化、自動化してきた歴史とそれが必ずしも人類の豊かさにつながっていないことを理解できた。 スタートレックやマトリックスなどの映画の世界が現実的になる可能性もあるとの見解に驚いた。
0投稿日: 2020.03.11
powered by ブクログ資本主義を市場社会に変えて説明してもらったことで、とても理解しやすい内容だった。 現代は、どこまでが交換価値で、どこからが経験価値なのかわかりにくい。 まわりに振り回されず、自分の価値観を大切にすることが、市場社会に飲み込まれないための処方箋なのかなって思った。
5投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログこの本を読もうと思った契機は、この時代に起きている事象を経済学の視点で考察したいと感じたからである。 また、起業するにあたって経済学を学ぶことは必須スキルであるため、最初の導入として数字などが載っている本ではなく、 容易に理解しやすそうな経済学の本を探していた。そこでこの本に出会った。 銀行の仕組みや、インフレやデフレの原因、借金の秘密などの金融の仕組みを多様な例を用いて説明している教本である。 評者が特に印象に残っているのは、未来に環境を [商品化するのか]または、[民主化するのか]である。この議論は、これからの地球の未来をになう我々、若者が趣旨を理解して選択する必要があると感じた。 この本は、経済学を学びたい人や、世界の仕組みを知りたい人に、導入としてまず読んでほしい一書である。
3投稿日: 2020.02.28
powered by ブクログ読了した際に、題名にこれだけ負けず、題名どおりの本だと思えた珍しい本だった。娘に語ると謳っているだけあり、非常に易しい言葉でストーリー性に富んでいた。 それでも星4つとしてしまったのは、本の評価ではなく自身の理解が完全に進んだ訳ではないという理由からだ。 少し時間を置き、また読んでみたい。その時には必ず星5つに変えられるよう心して読みたい。
3投稿日: 2020.02.26
powered by ブクログ交換価値に支配された現代社会の私たち。昨今では「市場スコア」なる自分自身にまで市場価値を付けるサービスまで現れた。 いつ、どこで、どのように、この市場に支配される社会は始まったのか?その歴史を紐解きながら、今ある世界の経済のあり方を分かりやすく説いてくれる。 普通の経済書とは全く違ったアプローチ。 ギリシャの政治家だから古代ギリシャやローマのアネクドートがいっぱい出てくるのがいい。 もっと内容分厚くてもよかったな。
8投稿日: 2020.02.26
powered by ブクログかなり易しく書かれているが、経済についての本は読んだことがなかったので理解しづらいと感じる部分がいくつかあった。 時間を置いてまた読みたいと思えた本。
0投稿日: 2020.02.15
powered by ブクログ経済学の良書ってことで、色んなところでオススメされているのを目にして、それならば是非ということで手にした作品。娘に語るという表題に違わず、経済の何たるかが、平易な言葉で語り起される。導入としての、なぜ欧州が征服者となり、豪州が被征服者となったのか、に関しては深く納得。単純な優劣がある訳はなく、当たり前のものとして考えるには不可思議な事態。なるほど、気候による食習慣の違いが根底にある訳ね。以降も、問いの立て方が絶妙で、経済の何たるかのみならず、着眼の発想についても示唆に富む。これは確かに、娘が最初に語り聞くべき内容かも。
0投稿日: 2020.02.12
powered by ブクログアジア横長。アフリカは縦長なので気候が違うため、農耕の仕組が他地域に発展しづらい。アジアは広がる。 イスラム教は原則は利子の徴収を禁止している。民主化vs商品化(民主主義vs資本主義?)は民主化のほうがよい。一人一票、商品化だと、金持ちの声がでかくなる。環境破壊を止めるインセンティブは働かない。 産業革命がなぜイギリスで起きたか。それは中国や他の欧州諸国では封建領主は軍を持っていたが、イギリスは土地しかもっていなかった。貿易で豊かになるしかなかった。追い出された農奴は工場で働く、富を得た資本家は工場を作る、どんどん効率化していった
0投稿日: 2020.02.10
powered by ブクログ経済って、よくわからなくて怖い。 そんな思いで、この本を取った。無知が一番怖いなと気づかされた一冊! たとえば、機械をみんなで分け合って使うこと。つまり資産を独り占めしないことが、経済発展につながる(=人々を幸福にする)。 欲張っても、人は幸せにはなれない。欲望=幸福でない。苦労して達成したり、不幸を感じるから幸福を感じている。不幸を感じずに一生幸福だと、幸福であることにすら気が付かない。当たり前のことを言っているが、私にとっては明快だった。 世の中(特に日本)は競争社会で、いかにいい大学に入っていい会社(そもそもいい会社とは?)に入ることがかっこいいとされてきた。 人は上を目指せばよかった。しかしながら、いまは“上”とは何かが問われる時代だ。これからは、自分で決めていい。 機械が人間よりもコスト低く労働できる時代がやってくる。人間にしかできないことは何かと、人は焦っている。 焦っても仕方ないな~ということに気づく。何かをしている途中で、違和感に気づく。だけど常に動く経済の変動を認知していたいな。 分からなくても知ろうと努力し続けることが大事なのかな~ 経済学者になった理由が、経済学者に経済を任せてられないからと言っていて、おもしろかった。 人は何か自分の使命をもって生まれてくるんだろうな。私にもきっとあると思うから、少しずつ歩んで見つけていこうと思った!
3投稿日: 2020.02.05
powered by ブクログ正解は書いてません。 考える道具を与えてくれる。 複雑怪奇な世界に対して自分のスタンスを作るのにいい。
0投稿日: 2020.02.05読む前に映画「マトリックス」だけは見ておきましょう
所謂普通の経済学の本ではなく、どちらかというと歴史の本といった感じですが、とても興味深く、また大変判りやすく解説してありました。なんせ娘に語るというスタイルですからね。 様々な例え話が出てきますが、一番多く登場するのが、マトリックスかな。我々世界の行き着く先として登場するのですが、ボヤボヤしていると、こうなってしまうかのも。これがはたしてユートピアなのかというわけですね。この映画を見ていないと、ちょっと話について行けないかもしれません。 ただ、近未来を予見するならば、マトリックスの前に、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」のような監視社会がくると私は思いますが、ま、それはそれとして。 冒頭から投げかけられた謎、「なぜアボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?」この疑問からスタートします。こんな命題から出発する講義なんて、今まで聞いたことがありません。私の歴史の知識は、とくに世界史については、はるか昔、理科系大学を受験した際に選択した、受験用項目の丸暗記に基づいてます。だから、この本に書かれてあった、「囲い込み」についてなんぞは、その原因について初めて理解できた気がします。 文字の誕生についても、また組織だった宗教の誕生についても、なるほど、そういうことかと至極納得がいきました。なかなか面白い「経済」の話でありました。少し時間をおいて、再読したいと思います。
0投稿日: 2020.02.03
powered by ブクログ経済学の本というより、小説かエッセイのような。寓話やわかりやすい例え話を通して、経済、政治、社会が一気に通しで眺められるようになり、景色が変わるような読み物。
0投稿日: 2020.02.02
powered by ブクログTalking to My Daughter about the Economy https://www.diamond.co.jp/book/9784478105511.html
0投稿日: 2020.01.29
powered by ブクログ2020.1.29。“10代半ばの自分の娘に、分かりやすく経済について話す”経済の本。そもそも『なぜこんなにも格差は生まれるのか』をスタート地点として、経済の生まれた理由やその仕組み、危うさ等について、難しい言葉を使わず、昔の寓話やSF映画の世界を引き合いに出しながら説明していきます。経済の本を読んでいる!という感覚は全くなく、小説を読むかのように読み進められます。 経済について考えるきっかけの一冊として、ちょうど良いのではないでしょうか。 何でも『商品』としての価値(作中で言う交換価値)がつく今の時代。本来そうあるべきでない環境や資源にまでその手が及び、地球を蝕んでいく…本作の最後の方では経済と環境の関わりについても書かれていてとても印象的でした。
0投稿日: 2020.01.29
powered by ブクログ物凄く読みやすかった! 私は社会人1年目の19歳なのですが、経済を一度も勉強して来ずにこの年齢になってしまったので少しでも20歳になる前に知識を付けておこうと思って、この本を手に取りました。 映画や演劇のストーリーを使って(実際このようなストーリーが作られているのには経済・政治的背景があるが)経済を分かりやすく説明されていて、私の周りの友達にもお勧めしたくなりました。 経済が発展するのに、地形が関係しているのには驚きでした。実際、地頭の良さなのかと思っていたので
1投稿日: 2020.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやすごかった武闘派だ、読んでよかった・面白かったなどという言葉ではうまく表現できないが、とにかくすごかった2019年3月の本。 確か春ごろに、「これ超面白そう!」と思って買ってあったのですが、どんどんどんどん読まなきゃいけない本が加速してきて後回しにされてきたんですが、正月休みである程度さばけたので、やっと読みたい本として読んでよかった本。あとからいろんな仕掛けを読み返すと、翻訳者があのFACTFULNESS を訳された関美和さんなんですね。 内容に関しては、多くのレビューアーがそれぞれのコメントをなされていると思うので、ほかの方のコメントも参照いただきたいのですが、プロローグを読んだだけで作者の意気込み・熱意がビリビリと伝わってきて、以下の部分が大好き。「この本の執筆は、楽しい作業だった。脚注も参考文献もつけず、学術論文の作法も気にせずに書いたのは、この本が最初で最後だ。」 あとはストーリーの途中で「マトリックス」の世界が表現されているのも好き。 なるほど! と思わされた。 あとのなるほど!は、(いつも通り?)訳者あとがきに書かれてあって、『できるだけ専門用語を使わず、地に足のついた、血の通った言葉で経済について語ったもの』です。 === P244 大切な判断を他人まかせにしないためには、経済とは何か、資本主義がどのように生まれ、どんな歴史を経ていまの経済の枠組みが存在するようになったのかを、自分の頭で理解する必要があるのです。 (中略) だからこそ、日本で多くの人がもっと経済について自分の言葉で語れるようになるといいし、本書が経済と資本主義について考えるきっかけになることを願っています === いや、なるほど!となったところはそのつづき === P245 ギリシャの経済危機の最中2015年に財務大臣に就任しました。 そしてEU当局が主張する財政緊縮策に敢然と「ノー」を示し、大幅な債務帳消しを求め、国民投票でも緊縮策の受け入れ反対を勝ち取りました。(中略)その強硬な姿勢のため、やがて、より融和的な大臣が後任に指名されましたが、その大胆な主張は世界的に大きな注目を浴びました。 さらにバルファキスは、学者または政治家らしからぬその風貌も話題になりました。革ジャンにスキンヘッドでバイクを乗り回し、マスコミには揶揄交じりに「政界のブルース・ウィリス」と書かれたこともあります。 そんな著者が書いた本書は、現代の経済の本質を鋭く突いた内容が大きな話題を呼び、ヨーロッパを皮切りに各国でみるみるうちにベストセラーとなり、いまや世界25か国で出版が決定しています。 === いやほんとすごい本だった。 ぜひ多くの方に読んでほしいです!!
1投稿日: 2020.01.21
powered by ブクログ世界で格差はある、それは歴然としてあり、その原因についても考えたことはなくはないけれど、それを明確に示していて、まず興味を惹かれました。 1.なぜ、こんなに「格差」があるのか? ①耕す必要のない場所、採集ですむ場所では農耕が起きない ②農耕により余剰が生まれる、採集は余剰は生まれない ③余剰が文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教を産んだ という、①からすでに、え?、そうか!、確かに!と。 ③の宗教についても、原初の発生については死や災害や病気といった避けられない、得体のしれないものに対する恐怖を昇華するものだろうと考えたことはありましたが、それがなぜ強固なものとして広がったかは、「支配者を正当化する思想」「余剰が全員にいきわたらない中で、支配者の権威を裏付けるもの」として、国家と一体になって思想が制度化されたという意見に納得でした。もちろん、それだけではないでしょうが。 2.市場社会の誕生 ・商品とグッズ、市場価値と経験価値 ・オスカーワイルド「皮肉屋とは、すべてのものの値段を知っているが、どんなものの価値も知らない人間」 What is a cynic? A man who knows the price of everything and the value of nothing. ・農業革命が生んだ格差は、産業革命により規模が拡大した オスカーワイルドの言葉、原文を読みたくて知らべたら、ワイルドの他の名言もたくさん見つかり、どれもなるほどの言葉でした。 3.利益と借金 ・マーロウ「フォースタス博士の悲劇」・・・フォースタスは信心深く、哲学的。泣き、乞い、解放を懇願するが地獄へ連れていかれる。 ⇒マーロウの時代には利子を伴う借金は悪で罰を受ける。 ・ゲーテ「ファウスト」・・・欲望に突き動かされていたが、過ちに気づき善行を行い贖罪した結果、天使に救われる。⇒プロテスタントの時代、利子付きの借金は神の計画の一部として受け入れられる。 少し前にファウストを読む機会があり、あまり面白いと思えなかったのですが、悪魔との契約を借金と利子に置き換えた説明は面白い。 4.金融の黒魔術 ・金融機関が金利を設定することで、大規模な循環を起こす力を持つと同時に、循環を止めて破滅を引き起こす力も持った。 ・市場社会において銀行は公的債務がなければ生きられない。公的債務がなければ市場社会は回らない。 昔、社会で産業を習ったときに、モノを取得する農業・鉱業といった第一次産業、モノを作る製造業などの第二次産業は具体的にイメージがしやすく、商業・流通や小売り、サービスなどの活動もまあ、理解がおっついたのですが、金融はどうもしっくりしなかったことを想い出します。 5.労働力とマネー ・狩り人のジレンマ・・・成功には個々人の協力だけでなく、個々人が皆協力するだろうと信じていることが必要。 6.恐るべき「機械」の呪い ・映画「マトリックス」は、人がテクノロジーに支配されていることに気づくことさえできない完ぺきな機械化や肉体の商品化、心の奴隷化への恐れを描いている。 ・映画「ブレードランナー」を観ると、人間とは何だろうと考える。 手足を取り換えても人間、脳に機能改善のためのマイクロチップを埋め込んでも人間、ではどこまで取り替えたら、自分が自分でなくなるのか。 この発想は、「ブレードランナー」より「攻殻機動隊」を思わせた。脳以外の総て機械に置き換えて完全擬態化しても素子は人間だと思うが、それは「脳」という器官の有無によるのか、映画中では「ゴースト」という言葉が使われていた。逆に言えば、「ゴースト」があるなら、それはヒトであるといえないか。もし人の記憶、記録をデータ化し、AIの人工人格を作り上げることができたら、それはヒトか?これって、読んだばかりの「盤上の夜」の「人間の王」でも問われていた。本書では、こういった話に進むわけではなく、経済に関する話、マトリックス世界では価値を評価する者がいないため、交換価値という概念がうまれないという話でしたが、つい、脱線して夢想してしまいました。 著者は映画が好きなのかもしれない。「ターミネーター」「スタートレック」なども例示として挙げられている。もしくは娘さんも映画が好きなのかもしれない。が「マトリックス」等、どれも今の子ども達は観ていないかも。 7.新しいお金 収容所のタバコとビットコイン 収容所の中でタバコが貨幣のような役割を果たしたというのは、映画や小説などで見聞きした覚えがありましたが、そのシステムについて取り上げられた内容は面白い。 ビットコイン、仮想通過については、よく知らなかったので、現状や限界など、おぼろげにでも知ることができて良かったです。中央で管理するのでなく、全体で監視するという考えは面白い。が、もう少し詳しく別の何かでも読むなり知りたいとも思います。 8.人は地球のウィルスか まさしく、人は他の何よりも大規模で広範囲に急速に地球を破壊しつつあるのは確かだと思います。 と、全体を通して読んで平易に優しく、流れと、それぞれの関係とを自分の中で構築できて、興味深い面白い本でした。
3投稿日: 2020.01.20
powered by ブクログこれまで学んできた経済について、新たな視点を提供してくれる本。わかりにくい話もあったが、映画や小説等身近にある作品から経済活動について紐解いているので、その作品を見た人にはとっつきやすい。 第二次大戦時の捕虜収容所の経済活動などは、とても興味深い。政府と中央銀行のあり方を見事に説明をしてくれている。 経済の話は、興味が尽きない。本書だけですべてが分かるものでもない。新たな疑問が生じたら、また別の本を読む。こんな繰り返しだ。
1投稿日: 2020.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話】 タイトルにある通り、経済学者の父が娘に語り口調で経済についての考え方を話すという形で書かれている本です。 印象に残った部分は、 ・農耕の発達により余剰が生まれ、余剰の管理のために言語(文字)が生まれ、経済(市場)が生まれた →狩猟中心で生活していた民族は発展が遅れた ・仮想通貨も政府が発行する通貨もドイツの収容所のタバコも信頼により価値を持つ ・借金が産業革命の原動力 →テクノロジー導入のために借金し、得た利益で借金を返し利益を出す →利益出せなきゃ破産 てとこです。 僕の知能が低いのか翻訳本の独特な言い回しのせいなのかあまり頭に入りませんでした。各章での主張が明確ではない感じです。もう一度読めば多少理解が深まりそうですが、読む気になりません。 てことで、あまりお勧めはしません。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ日本版は専門用語が無いのは助かるが、ローティーン向けか、ハイティーン向けなのか、わからない。 たぶん後者だろうけど、日本語版は、ローティーンでも勉強できる本だと思う。 日本だと島国で、教育には、一定の思想形態が入っているので、大人の人、親にも、ん、と思わせることができる。わりと最近の経済、政治、生活にも書かれている。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログストーリー調で専門的な言葉も少なく、経済に関わる歴史の移り代わりや 宗教と政治が経済から切り離せない理由も少し分かった。 イマイチわからないところもあり、異様に面白いわけではなかった。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログわかりやすいという点から★5 経済学のことをまったく知らない状態で読みましたが、するすると内容が頭に入ってきて読みやすかったです。 初歩的な本でしょうけど、経済がどういうものかをつかむにはぴったりだと感じました。 また父から娘に語り掛けているような口調なので、それもまた読みやすさに繋がっていましたね。
0投稿日: 2020.01.12
powered by ブクログ帯のことばに惹かれて購入。WWIIのときにナチスドイツの捕虜収容所で、タバコが貨幣として使用されていく過程の説明はとても面白いのだけど「異様に面白い」は盛りすぎかと。 帯の煽りを除けば、装丁・紙質・フォント・余白のデザインなどはちょうど良い感じ。
1投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ専門用語をほとんど使わず、ストーリーを使って分かりやすく経済の事を説明した本。 今まで経済の本はとっつきにくいものが多かったが、この本は10代の娘に向けて書かれたもので、分かりやすくドンドン読み進められる。是非読んでおきたい本である。
2投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログブレイディみかこ曰く、易しく優しく面白く「経済の仕組み」を説く。ナチス支配下の捕虜収容所でユダヤ人と隔離されて(虐殺もされず)赤十字が差入れる嗜好品を巡って市場経済が自然発生しやがて終息していくエピソードが分かりやすくもあり、一面では衝撃的でもある。
0投稿日: 2020.01.07
powered by ブクログ2020/01/07*読了 まるで小説を読んでいるかのように没入しました。 経済の本なのに堅苦しくなく読めたので、また別の経済の本を読んで理解を深めたくなりました。
3投稿日: 2020.01.07
powered by ブクログ娘は父に質問した。「世の中にこれほど格差があるのはなぜなのか?人間は馬鹿なのか?」 経済学は科学ではない。実験して確かめられない。 だから1万年前から説明する。 経済は「人間らしさ」と密接に結びつく。 経済という機械をスムーズに動かしたい。その一方で人間は不合理で矛盾した振る舞いをする。 バングラディッシュの工場で機械が出来る仕事を大人数の人間がしている。機械より人が安いからだ。不況だが雇用がある。しかし人間はロボットのように働く。 逆に、商品の生産から人間を排除するとどうなるか。自動化でコストは下がるが、他社との競争で価格も下がる。雇用がないので需要も下がる。結果利益がなくなる。 人間はおカネを循環させるだけ希望がある、とも言える。 また経済は政治、国家の話抜きでは語れない。 お金持ちが「すべての商品化」を主張するのは、国家に首をつっこまれず所有権を主張したいからだ。富の多寡によって政治力が決まる。 一方「すべてを民主化」するというのは一人一票で政治力を決定することだ。政治力とは例えば、通貨や労働力や環境やロボットの管理のこと。 この場合民主化はマシな選択といえよう。
0投稿日: 2020.01.04
powered by ブクログたまたまこれを読む前に中田敦彦のYouTube大学でギリシャ神話の説明を聞いたばかりだったので、この本のなかに出てくる例えもわかりやすかった。 一つの知識が次の知識の理解を深める
0投稿日: 2020.01.02
powered by ブクログ経済の仕組みが簡単なたとえで書かれていて分かりやすい。お金はどこからともなくパッと出てくるのだよね。いろいろな矛盾もあって、なるほどと思う。もう少し経済について知りたくなりました。
0投稿日: 2019.12.30
powered by ブクログうーん、”異様に面白い”という帯に惹かれて買ってはみたものの、最初だけかな・・・というのが正直な感想。 訳本のせいか、経済という内容のせいか、だんだん頭が混乱してきた。一応読了ということにして寝かしておこう。
0投稿日: 2019.12.25
powered by ブクログ経済の本ではありますが、娘に語りかける口調で、わかりやすく書かれています。経済学を学ぼうとする本ではありません。ギリシャの財務大臣であった、経済学者の父が娘に語ります。 例えば、機械によって大量生産で安く物がつくられたとして、賃金を得る労働者がいなければ、誰がその物を買うのだろう。 言語と余剰の二度の大きな飛躍 このとき、経済が生まれた 文字 それは余剰を記録するためのものだった 官僚、軍隊、宗教 支配者が支配し続けるために必要なもの グローバル経済 農奴より羊を飼おう 富と競争 競争に勝つには借金するしかない 起業家はタイムトラベラー 未来から無限の交換価値をつかみとる 銀行はツアーガイド どこからともなくお金を生み出す 誰が助けてくれるののか? 中央銀行がどこからともなくカネを出す 狩人のジレンマ 全員で鹿を狙うか、ひとりでうさぎを狙うか? なぜ、労働者は車やトマトと違うのか? タバコで買う 通貨になるものの3つの条件 金利 収容所のタバコ銀行がしていたこと 終わりの予感が経済を崩壊させる 信頼が通貨を通貨たらしめる
1投稿日: 2019.12.15
powered by ブクログ経済学がどういったものか基本を知っていれば、面白く読める。でも経済学をまったく知らない人が、経済を知りたくて読んでも、多分わからないままだと思う。1冊目に選ぶ本ではないと思う。入門書を何冊か読んでからの方が楽しめる。 とんでもなくわかりやすくし過ぎて、逆にわからない経済の話になっている…ような気がする。
0投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログ著者はギリシャ危機時財務大臣であり経済学教授。 数字や数式を使わずに経済の仕組みを わかりやすい文章でギリシャ経済破綻は銀行、 工業機械化の責任だとリベラルらしく言い切りま すが、私の認識では税逃れの横行とリベラル政権 の公務員比率の高さと、ばら撒き財政が原因で 財政破綻したような。 「経済に対し自分自身で意見がいえるよう になれ」の部分だけ共感できました。
0投稿日: 2019.12.05
