
総合評価
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powered by ブクログどんどん引き込まれて先へ先へと読んでいった。点と点が線になって図形ができていくのが手に取るようにわかる。歴史的背景や美術史も織り込まれていて、作品の厚みを増している。マチネの終わりにと何か通じる部分があった。
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。」作品全体を通して伝えたかっただろうこのメッセージがただただ真っ直ぐ心に刺さった。芸術は不要不急と謳われたコロナ禍、昨今勃発している某国同士の戦争を経て、9.11を明日に控える今日という日にこの本を読めて本当に良かった。岡本太郎の明日の神話、ピカソのゲルニカ、芸術という武器を持って激動の時代を戦い抜いた彼らの想いを受け取り、次の世代に受け継ぐ責任が私達にはある。
0投稿日: 2024.09.10
powered by ブクログアートも歴史も戦争も全然詳しくないから、ちょっと難しいと感じる場面もあった。 芸術は、飾りじゃなくて戦争やテロリズムや暴力と闘う武器。人間が自らの愚かな過ちを自省し、平和への願いを記録する装置。 戦争は良くないよ、ってたくさんの方法で語り継がれているけど、アートにもそんなメッセージが込められていることを知って、アートを詳しく知りたいと感じた。本を読みながら出てくる作品について調べながら、読み進めた。 楽園のカンヴァスに続き、勉強になり、芸術への興味を引き出してくれ、心がじんわりする、素敵な作品。
0投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全体的に悪くなかったな、という感想。戦争や正義、そしてアートについて考えさせられる作品だった。 過去パートは面白かったが、現代パートは途中で失速した感じがする。 個人的にはルースがパルドに「提案」を持ちかけた辺りが現代パートのピークだったと思う。 その後出てきたテロリストたちに関してはどうしても舞台装置という印象がぬぐえなかったし、最後の結末に関してもだからどうなんだ?と感じてしまった。 ただ、これに関しては私に戦争やテロ、アートに対する思い入れがそんなにないのも原因かもしれない。 ただ、過去パートでのピカソやドラ、パルド達それぞれの情熱や、戦争が否応なく近づいてくる中での息詰まるような空気感の描写は見事だった。 前作の『楽園のカンヴァス』はもう少しエンタメ寄りだと聞いたので、いつかそちらも読んでみたい。
0投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログ楽園のカンヴァスに引き続きのアートミステリー。 …というよりは、反戦に向けてのメッセージ性の方が強く感じる作品。 ゲルニカが何たるかもわからない状態で読み始めたので、ある意味世界史や美術史の勉強にもなったし、興味をもつきっかけにもなったので、アートに抵抗がある人にもぜひお勧めしたい一冊。 戦時中×9.11直後の情勢ということもあり、かなり展開はスピーディーかつ予想を上回る展開で楽しめました。 もう原田マハ全制覇したいくらい!
11投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログピカソのこと好きになりかけた。 そして泣けた。 ゲルニカが世界を動かせるほど写真的でメッセージ性が強いんだからみんな戦争なんてやめようね。 楽園のカンヴァスを先に読んでいてよかった〜ティム…!嬉しい
0投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログ原田マハさん、アート作品はさすが、これまで読んだ作品はどれも面白くて一気に読んでしまう。アートの力に魅せられます。この作品も最後まで飽きなかった一冊。
0投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログいつまでも懲りずに戦争をし続ける人間だけれど、どこまでも諦めずに戦争と戦い続ける人間もいる。 楽園のカンヴァスで、「この人は○○だったのか!」の驚きがあったけれど本作にもあり。 そしてティム・ブラウンにまた出会えて嬉しい。
0投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログ楽園のカンヴァスがとってもおもしろかったので、少し開きましたが読めてよかったです。美術にはまったく明るくなくて、勉強になることばかりでした。 芸術は飾りではなく戦うための武器、という言葉が、一冊を通して何度も何度も訴えかけてくるようでした。 ゲルニカは私たちのもの。私たちが憎むのは戦争そのもの。 とても読みごたえがありました。
1投稿日: 2024.08.09
powered by ブクログドキドキわくわくしながら読み進めた。 ピカソのゲルニカについて漠然と戦争というテーマなのは知っていたけど深く考えたことはなかった。 物語としても面白くぜひ今読んでほしい。
0投稿日: 2024.08.08
powered by ブクログ人の感情に1番訴えるのは言葉って思っていたけど、アートによって伝えられたメッセージって心にずどんときて、言葉だけでは感じられないようなパワーがある。 1枚の絵の力をこんなにも感じさせる物語はないんじゃないかな。 ドラの視点が自分にはとても響いて、弱さもあるのに強く美しい自分を保つ姿がとても素敵だった。
2投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログピカソがゲルニカに込めた反戦への想い、 それを守る者たちの情熱に 熱いものが込み上げた アートには力がある この本を読むまでは ゲルニカに対して 『戦争の絵』 のイメージしかなかった 『ゲルニカ』の意味さえ知らなかった 暗幕のゲルニカは重いテーマだったけれど ピカソへの強い敬意を感じた マハさんのアートミステリー面白いなあ
0投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログアメリカでの同時多発テロ後のイラク攻撃の会見時、背後にあるはずのゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられていた出来事と、「ゲルニカ」制作の当時について描かれる物語 MoMAを舞台にしているので、前作の「楽園のカンヴァス」で活躍したティム・ブラウンも登場しているのは嬉しいですね 以下、公式のあらすじ ------------------------ 暗幕の下にこそ、決して目を逸らすことのできない真実がある ゲルニカを消したのは誰だ――? 衝撃の名画を巡る陰謀に、ピカソを愛する者たちが立ち向かう。現代と過去が交錯する怒濤のアートサスペンス! ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレータ ー八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス! ------------------------ 過去と現在が交差して描かれる 9.11、イラク攻撃の決定、MoMAでのピカソ展にゲルニカの展示を巡る現代パート 第二次世界大戦当時、ピカソの愛人ドラ・マール視点でのゲルニカ制作からその後の経緯、そしてピカソとの別れまでのパート 巻末の注釈は下記の通り ---------------------- 本作は史実に基づいたフィクションです。 二十世紀パートの登場人物は、架空の人物であるパルド・イグナシおとルース・ロックフェラーを除き、実在の人物です。 二十一世紀の登場人物は、全員が架空の人物です。架空の人物には特定のモデルは存在しません。 ---------------------- 人物は架空ではあるけど、パウエル国務長官が会見する際に、ゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられていたのは史実 (作中では人名がパワーになっている) 二十世紀パートも架空の人物が大部分で拘ってきているので、結構な部分が創作になっている はず 冒頭でピカソの言葉が引用されている 「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」 この言葉は事実なのでしょうけど 作中の他の言葉はどうなんでしょうね 万博や自分のアトリエでナチスの兵隊から「この絵を描いたのは、貴様か」と尋ねられて、「いいや、この絵の作者は、あんたたちだ」と答えるシーンがある カッコいいなぁという思いと、もしかして逮捕されるのでは?という恐れを感じるけど 果たしてこのやり取りも史実なのだろうか? ゲルニカの移動に関するやりとり ルースの提案は、とある場所に本物の「ゲルニカ」を掲げること 作中で何度も問いかけられておる「ゲルニカは誰のものか?」 「私たちのもの」という答えがそれなのだろうなぁと思う ただ、国連も皆のものではないんだけどね 過去や現在の立ち位置からしても、決して地球人類全員の総意とは思えないしなぁ 何というか、欺瞞を感じる 現実でも、今尚解決をみないウクライナやパレスチナとイスラエルの問題 所詮は大国同士の政治闘争の場所でしかないように思う だからこそ、決してこのような酷い状況を起こしてはいけないという戒としての意義があるのかも? あと、あの人の境遇について バルドよ、ちゃんと面倒を見るというか、見守ってないからあんな事になったのでは?と思う 美術品については責任を持つけど、人に関しては雑な対応に思える そこら辺の設定はなんかモヤモヤする
4投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログリボルバー、楽園のカンヴァスに続き。 アートについての知識がほとんどないために 読了までに時間がかかってしまいました… 最終章で全てがつながり、安堵というのか 感心したというのか複雑な気持ちです。 誰の束縛も、制約も受けずに、私は自由に飛ぶのだ。 それが私の使命だから。
1投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ圧倒的に最高傑作 僕たちのピカソのゲルニカという作品を通して、戦争だけではない社会をマイナスにするものに抵抗している。 特にラストが素晴らしく、1つのフィクションとして読者をどこまでも魅了していく。
0投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代でゲルニカをめぐぅて奮闘する主人公と、ピカソの生きる時代にゲルニカ誕生の瞬間を共に過ごすドラ、2つの時間軸が交わるようなところがおもしろかった。 一枚のアートが武器よりも大きな力になるのか、 正直それを初め読んだ時は、そうかな、?と疑問視してたけど、今この話を読むだけでも少し考えが変わったていうことを考えるとそういう面もあるのかも、と思う。
0投稿日: 2024.07.01
powered by ブクログ少しでも良い世界を目指し力を尽くす人は、多くの先人からの想いを受け継いで進んで行く。 クライマックスの感動と共に、僕も何かエラいものを受け取った様な気がする。
7投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログアートサスペンスと思って読むとびっくりしちゃう。それでは足りない…これはアートと戦争(反戦)と世界史の話だよ…!! 誰もが見たことがあるピカソの「ゲルニカ」は、「歴史上最も複雑な経緯を持つ絵画」とされているらしい。 戦争の悲惨さを描くために作られたものの、作成の経緯と絵自体の持つパワーの影響力がすごすぎて戦争から逃れるために祖国(スペイン)から亡命させざるをえなかったこと、スペインに民主主義が戻る数十年後まで亡命先(アメリカ)の美術館が守り続けていたこと、戻されてもなお少しでも動かせば国際問題・政治問題になりかねないこと。 世界を動かすパワーを持つアートと、それを守る人たちの物語。 実物見てみたいなと調べてみたら、レプリカ(ピカソ公認)が地元美術館になぜかあり、毎年夏だけ公開してるというので、絶対に見たいと思って行ってきた!!作中で何度も大きい、大きいとあるけど本当に大きかった。 脈々とこの絵を守ってくれる人がいたから今私たちが見ることができるんだなーと、本の世界と自分の世界のつながりを感じられる貴重な機会になった。 改めて、原田マハ作品は史実だけじゃなくて、専門性を持った彼女だから描ける架空の人物が主役級として活躍することで物語がわかりやすく&熱い展開になってるのがすごい。アートは文化である、ということがどういうことか、原田マハ作品読むようになってわかった気がする。
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログピカソの名画「ゲルニカ」を巡る製作に至る歴史と、その反戦への思いと、その思いが強すぎるがゆえに起こる陰謀の話。 ピカソが活躍していた頃、ナチスドイツがヨーロッパで猛威をふるっていた。 それはピカソの故郷であるスペインを攻撃し、何も責任のない市民も巻き込まれた地獄となった。 その様子を印象派的に作り上げたのがゲルニカであり、そのゲルニカは反戦の象徴として、世界をめぐり平和が戻ったスペインに展示された。 また、そのゲルニカを模したタペストリーは国連本部のロビーに展示されている。 時を隔ててアメリカで同時多発テロが勃発し、イラク戦争がはじまろうとしていた。 その時に国連本部で記者会見に応じたパウエル国務長官の後ろにゲルニカのタペストリーがあるはずだが、暗幕がかけられていた。 この本は、冒頭に下記のように書かれている。 「芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ」 まさにこの本の書きたいことであることがわかる。 いい本に出会えました。
2投稿日: 2024.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最高だった!楽園のカンヴァスも良かったけどこれはさらに良い。読んだ後の考察も楽しい。記憶に焼き付いている9.11をきっかけに人生が変わった女性と、スペインの内戦の時代を生きたピカソの恋人ドラ、そしてテロ組織のリーダーの妻。それぞれが色々な思いと背景を持っていて、ゲルニカを巡るピカソの制作風景も描写されていて、何度でも楽しめると思った。当時は知らなかったけど、イラク戦争時に国連タペストリーに暗幕がかけられたのは事実だった。この本をきっかけに調べたら、当時は全く関心がなかったことに目を向けられたのでよかった。 (読書メーターからの転記)
1投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログアートサスペンスという言葉に惹かれて購入したけれど、久しぶりに感情を揺さぶられた作品でした。 ゲルニカという作品は学生の頃に平和学習の資料で見たことがあります。人々や動物がもがき苦しむ姿が描かれており強いインパクトがある絵だなと思ってました。 今作ではゲルニカを巡る過去と今の2つの視点からストーリーは描かれていて、ゲルニカは誰のものでもなく私たち全ての平和を願う人のものであるという言葉がとても心に残りました。 芸術の力で血を流さずに戦争や負の感情に立ち向かおうという強い想いをこの作品からは感じて物語のクライマックスを読んだ時に思わず涙が溢れてしまいました。 ピカソのゲルニカに込めた強い平和への想いがいつか実現することを願ってしまう作品でした。
31投稿日: 2024.05.31
powered by ブクログゲルニカ。聞いたことはあったが、ピカソの故郷であるスペインの田舎町の名を冠したこの作品に、こんなにも色々な逸話があったとは知らなかった。 その政治的メッセージ性故に多くの当事者から狙われ、第二次大戦中は戦禍を逃れてアメリカニューヨークにあるMoMAに40年超も疎開させられていたこと。その後民主主義を取り戻したスペインへ帰還したこと。ゲルニカを守るために奔走した人々の平和への願いや戦争との戦い。 それらが2001.9.11に起こった同時多発テロを発端とした世界情勢に重ねられて物語は進んでいく。 終盤の展開はちょっとお腹いっぱい感があったが、さすがの原田マハさん。美術の心得のない自分でもすっかり没頭して読んでしまった。そしてアートの力とその可能性を再認識した。 しかしながらゲルニカが制作されてから90年弱。ウクライナやガザ地区の現状。ゲルニカのタペストリーが掲げられている国連本部の安保理会議場は機能不全に陥っているとも言われる。ピカソが生きていたら、今の世界を見て何を思うのだろう。我々人類はピカソのゲルニカを受け継いできたが、果たしてそのメッセージを受け継ぎ引き継いでいけるのか。 "あの作品が持つメッセージ性、時代性が放つ、目もくらむほどの強い光。有史以来、戦争を繰り返してきた人類。どうしようもなく愚かで、どうしようもなくあわれな生き物である人間。あの作品には、愚かしい人類に対する画家の怒りが隅々まで透徹し、もうこれ以上過ちを繰り返すなとの警鐘が鳴り響いている。同時に、人間をあきらめきれないアーティストの切ない思いが込められている。" 209
9投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログスペインにゲルニカを観に行くにあたって読んだ。ゲルニカを舞台装置とした小説という形を取ることで、ピカソやゲルニカの想いを、読者に直感的にありありと伝えることに成功している。これを読んだ上で実物を観に行けて良かった。ドラ・マールの視点で描かれている部分も多いため、ゲルニカ制作過程の写真をゲルニカと併せて見れたのも非常に感慨深かった。 小説自体としては、ストーリー展開など、著者の他作品と似た部分を多少感じてしまうが、ピカソらの想いや絵画の価値を広く読者に伝えるという点で、この作品は成功を収めていると思う。
1投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログお恥ずかしながら原田マハさんの作品を読んだことがなく“美術小説”という前情報のみで読み始めました。 主人公は、現代を生きピカソ研究に命を捧げたMOMAのキュレーター八神瑤子と、過去を生きるピカソの恋人で写真家のゾラ。時代や性格の異なる2人をピカソが、そして彼の作品“ゲルニカ”が繋ぐ。 美しく熱い、手に汗握るアートサスペンスです。 小難しい美術史がメインの作品かと思い何の気なしに読み始めた小説ですが、あっという間に物語に引き摺り込まれページを捲る手が止まらなくなりました。 瑤子のシーンでは彼女の悲しみに共に涙し、期待や恐怖に震え、はたまた喜びに胸を震わせ、またゾラのシーンではピカソの愛したパリの行末を共に案じ、夢中でページを繰りました。こんなにも感情が揺さぶられる作品だったとは… ピカソに関しての知見も得られる、学びと感動の一冊です。
2投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事実を元にフィクションを創り上げるのが本当に上手い。楽園のカンヴァスに比べると恐らく事実に近いためか、カタルシスは弱め。
0投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログ4.5。楽園のカンヴァスはルソーをめぐる史実を中心に書かれていたけれど、今作はさらに9.11からイラク侵攻や、スペイン内戦からWWⅡとピカソの時代の歴史的な動きも絡めて書かれていてものすごい読み応え。歴史苦手人間としては丁寧に読むのに時間がかかったけどその分学ぶものも大きかった。ノンフィクションとフィクションをとっても自然に面白く混ぜ込む天才。それでいて内容の引力もすごいし、ヨーコ・ヤガミとドラ・マールという2人の女性のピカソやピカソの作品に対する熱量もひしひしと伝わってきて、作者の画家や作品に対する愛やリスペクトがものすごくて好き。
0投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログピカソの生涯、第一次世界大戦の背景が物語と共に勉強になり、また絵の知識もつく。面白く勉強になる作品。
0投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
安定、信頼の原田マハさんアート小説。 なかなか時間が取れなくて、読み始めては止まり、読み始めては止まり…を繰り返してたけど、連休入りしたので、後半は一気読み。 過去と現代がどう繋がるのかな、と思ってたけど、そうなるのか、と。 ゲルニカは誰かのものではなく、私たちのものだ。敵は、国家やテロ組織ではなく、戦争や憎悪そのものだ…というのが、とても胸に響きました。
1投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ人におすすめしたくなる、面白い本でした。 一枚の絵画を巡り、現在と過去が交錯する。 ゲルニカが描かれるまでの経緯、背景にある社会情勢などを知りつつ、現在の主人公に繋がっていく流れ。 どうやってこんな壮大な流れをまとめていくんだろうと思わせつつ、良い読後感の終わりになっていました。
0投稿日: 2024.04.15
powered by ブクログ今年の1月にMOMAで開催されたピカソの展示会に参加し、すごく感銘を受けたので、本作が気になって手に取りました。ただひたすらに作者の平和に対する強いメッセージが伝わってくる圧巻の作品だったと思います。 本作は2つの時代の物語が書かれており、1つは「ゲルニカ」誕生とアメリカに展示されるまでの物語。もう1つは、こちらがメインのお話になるのですが2000年代の物語で、ワールドトレードセンターでのテロ事件を発端とした物語となっております。テロ事件後、アメリカがイラクへの侵攻を表明します。その放送の際、なんと本来映るべきはずの反戦の象徴である「ゲルニカ」に暗幕がかけられていました。それに憤りを覚えた主人公がピカソのメッセージを伝えるため、奔走するというお話。 本作の魅力としては、物語の発端となる事件のリアリティだと思います。当時の私はまだ幼く何が起こっていたか定かではなかったのですが、あとがきを読むと、実際に「ゲルニカ」に暗幕がかけられていたそうで、これを見てショックを受けた作者が本作を執筆することにしたとのことです。そういう背景を踏まえると、こうしたリアリティのある展開はすごく反戦に対するメッセージに重みを持たせてくれているように感じました。 私はそもそも芸術に疎かったこともあって、幼少期以来、「ゲルニカ」を見たことがなかったのですが、本作を読みながら「ゲルニカ」の写真を何度も見ました。すると幼少期には感じられなかった禍々しさやおどろおどろしい様子、阿鼻叫喚の情景が感じられ、改めて戦争の悲惨さを感じることが出来たと思います。 本作の読了後に思ったのは、やはり「ウクライナ戦争」のことで、一刻も早く戦争が終結してくれることを願うばかりです。
75投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ原田マハさんのアートフィクションは好きですが、今作は少し自分にとっては残念なものでした。 これからどう終わりに向かっていくのか、ラストに向けてのクライマックスを楽しみにしていたところあまりにも軽率な騙され方(騙す方が悪いのは百も承知で、それにしてはここまでダイナミックに描かれてきたのに突然チープな仕掛けに興醒めにも近い気持ちを抱きました)に不安を抱き、最後の終わり方も、ここまで引っ張ってこれか…と若干肩透かし感を抱きました。 期待値を上げてしまいすぎたのと、実在の人物に大してこねくりまわしすぎじゃないかとモヤモヤしてしまうエピソードや展開を加えたことで今作はリスペクトよりも、書きたい著者の欲が上回ってしまったんじゃないかという。。 いや、すみません。 八神瑶子に最初こそ同情はしたけれど爪の甘さに段々嫌気がさしてきて…支持できなくなってしまいました。 MoMAのキュレーターなのだから、もっと、と期待してしまいました。
0投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ原田マハさんの美術小説、多分3冊目! 今回はピカソのお話。ピカソがどんな絵を描いたのかは何となく知ってるけど、反戦を訴えていたことは知りませんでした。 芸術で戦争を無くせるのか。争いが起きている中で、自分の命も危ないのに、命懸けで人々に反戦を訴えたピカソ。とってもかっこいいと思いました。そしてそんな天才にも妻とか愛人とかたくさんいて、人間らしいところとあったんだということも初めて知りました。 そんな作品を物語の中で必死に守り抜いた人々もかっこよかったー。特にイグナシオさん!架空の人物みたいだけど、きっとこの人みたいに守ってくれる人がいたから、ゲルニカが今も残ってるのかと思うとロマンがあるな。戦争なくなってほしいけど、なかなか無くならないよな。難しい問題だ。 楽園のカンヴァスに出てきたあの人物も出てきて嬉しくなりました。
27投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この物語は今まで読んだ原田マハ作品の中でもっともドラマチックだと感じる、それがこの作品の良さでもあり悪さでもある。マハさんの良いところは綿密なリサーチの元どこがフィクションでどこが史実かわからにところだ、しかし今作ではテロリストからの拘束、マイテが銃殺された時とかかなり無理やりドラマチックに描かれている印象を受けてしまった。 今回の作品の中のアート、政治とそれを取り巻く資産家たちの絡みみたいなのはとても面白買ったと思う。政治的なメッセージ性の強い絵画が今なお残っているのは先見の目があり、後世にこれらの作品を残そうと命懸けでアーティストをサポートし絵画を守り切った資産家たちのおかげでもあるのかっとハッとされる。 この本のメッセージ性についても深く共感する。ピカソがどう言う気持ちでゲルニカを描いたのかどんな時代背景だったのかがわかって良かった。この作品は、画家のものでも、美術館のものでも、特定の人種にものでもなく、戦争の悲惨さを伝えるためにあるみんなのものだ、この絵を描いたピカソの思惑が感じ取れて良かった。 ドラのその後とか気になるけどそう言うところをバッサリ切り捨てるのがマハさんのすごだやなって思った。でも マイテの面倒をちゃんと見てあげて欲しかったなーイグナシオに。
1投稿日: 2024.04.01
powered by ブクログ史実に基づいたフィクション。 さすが、原田マハさん。本当にそうだったのではないかと思わせる説得力。 何年も前に大塚国際美術館で陶板絵画の『ゲルニカ』を観た時の、なんだか引き寄せられた感覚を思い出した。そして、もう一度あの絵を観たいと強く思った。
1投稿日: 2024.03.23
powered by ブクログピカソの名画「ゲルニカ」を巡るアートミステリー ゲルニカに込められたピカソの思いについて深く考えさせられると共に、ピカソが生きた時代と現代がつながる本当に素晴らしいストーリー。 原田マハさんの小説を読むと、アートの持つ力を強く感じられます。 アートにも芸術家にも詳しくなくても、いつでもその作品に引き込まれ、その作品が好きになってしまう原田マハさんの魔法。
1投稿日: 2024.03.22
powered by ブクログ原田マハさんの本2冊目。前回読んだ『楽園の~』に比べてしまうと、個人的にはめちゃくちゃ面白い...という程ではなかったけど、メッセージ性が強くて文章もきれいで、読んで後悔はしない作品だなぁと。ゲルニカ見てみたい。
14投稿日: 2024.03.21
powered by ブクログ「楽園のカンヴァス」から原田マハさんの創るアートミステリーの世界に魅了され読み始めました。 ピカソの描いた〈ゲルニカ〉という作品は知っていましたが、その作品のタイトルが都市の名前であったこと、またこの絵画はゲルニカが受けた空爆を主題としていることをこの作品で知ることができました。 美術の知識がなくとも引き込まれる文章で、ピカソが〈ゲルニカ〉を通じて戦争の悲惨さや恐怖を世界に伝えたように、原田マハさんの文書を通じてゲルニカの強いメッセージを受け取れたように感じます。 自分の中で〈戦争〉というものについて改めて考える機会になった作品です。
2投稿日: 2024.03.18
powered by ブクログウルライナ侵略開始時にもピカソのゲルニカはメッセージを放ってました。 日本にあるタペストリーも見に行きたい。
2投稿日: 2024.03.17
powered by ブクログひさしぶりに美術館でゆっくり絵を見たくなった。 登場人物(作者含め)アートへの情熱の強さに 読むのを止められなかった。 ただどこまでがフィクションなのか分かりづらかったのと、それで終わり?という最後だった。
1投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ9.11のテロから話は始まっていくが、今の時代とリンクするものが多々あり、読んでよかった。 ピカソの戦争と芸術の戦いは今にもつながる。 ゲルニカを生で見てみたくなった。
1投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログ戦時と現代が交互に共鳴しながら、迫りくる物語はフィクション、ノンフィクションの間の境界を曖昧にする。作者のアートに対する知識の深さはさることながら、ゲルニカという稀代の作品を架空の人物を交えながら展開する物語にはただ脱帽。
1投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログピカソがゲルニカに込めた想いは、本作を読むことでより強く感じられる。 途中話の展開が見えづらく、サクサク読み進められなかったのが正直なところ。 過去と現在が噛み合いそうな場面から読了までは、どんどん続きが読みたくなった。 美術作品って作者だけでなく、それを守る人や観る人によって現在も生きているのだなと実感。 読了はマドリードに向かう車内で。 数時間後にゲルニカを目の当たりにすると思うと、不思議な気持ち。
1投稿日: 2024.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『ゲルニカ』の作品は美術の教科書とかに出てきたから見たことはあったけど、ピカソがどんな思いであの作品を描いたのか、どんな時代背景だったのかが分かってよかった。この作品は、誰のものでもない。みんなのものだ。戦争による悲惨さを伝えるのに欠かせないものになった瞬間、ピカソの意思が伝わったなと感じた。この本は9.11から始まるイラク空爆の話だったけれど、今はウクライナ情勢にも言えることだよなと思った。
2投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ『ゲルニカ』を知ってはいるけど、その背景を考えたことはなくて、この本を読む中で作品に込められる思いや時代背景を考える機会が持てたのでよかった。 同じ章(タイトル)の中で過去と現代が交互に描かれるのが、不思議な感覚だった。 登場人物も魅力的で、世界観に強く引き込まれて読むのが楽しかった♪その分、辛いシーンもあったけれど。。 読了後は、もっと芸術に触れる機会を作りたいと 純粋にそう思えた。
2投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログ現代と過去が別々に描かれていて、繋がり始めていく様が非常に面白かった。 ゲルニカはお前が書いたのか?と問われた時のピカソの返しが秀逸。 自分には美的センスが全くなく、アートというものを理解できていないと思うが、それでも楽しく読めた。
11投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ「ゲルニカ」の意味がよくわかる小説。 インターネットや、表紙の絵で見るだけだと、よく分からないが、いつか実物を見て感じてみたい。 この作品はピカソやドラマールの時代と、現代が繋がるのが早く、展開が読めなかったが、最後は予想していなかった終わり方で、満足感でいっぱいだった。
3投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代を超えた二人の女性の、「ゲルニカ」と戦争のお話。 途中、ロックフェラーとかイグナシオ家とか出てきて、あまりの上流階級ムーブについていけなくなりそうだったけど、何とか乗り切った(笑) ピカソの性格がホント、芸術家って感じで、生前から売れてしまうとこんなになってしまうのか?と思った。女を取っ替え引っ替えとか。まぁ芸術とは関係ないけど。
2投稿日: 2024.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後のページが意外だった。 けれど、読み終えてみればこれ以上に納得できる終わり方は無いと思える。 史実とフィクションの織り交ぜ方が絶妙。
3投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログ★4.8/5.0 いやぁ〜、結構スピーディに読んじゃったので今度再読したいのですが… 『楽園のカンヴァス』と同じように、過去と現在というはまらない2つのピースが徐々にはまっていくそんな感覚を味わうことの出来る作品でした! この構想、このストーリー展開を組み立て、文章に起こせる原田マハさん凄い!!! ピカソとドラ、パルド。八神瑤子、ルース。そして、これまでの戦争の過去と、ETAというテロ組織の存在。 全てが複雑に絡み合っている作品であり、それがほどかれる作品でもある。 なんでこんな作品がかけるのか、本当に尊敬します。ただのサスペンスではなく、アートを混じえたサスペンスなので、相当アートの勉強もしなきゃいけないし、知識も入れなきゃいけない。それに、歴史上の出来事など時代背景なども加味してストーリーを組みたてていく必要があるので、それが違和感なく描かれているのが本当に素晴らしいなと思います。 ティムブラウンが出てきてる〜!って思った笑笑
2投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログゲルニカを描いた当時のピカソと時間を過ごした写真家のドラ、ゲルニカに魅せられたMomaのサーキュレーターの瑤子。全然違う時代を生きた一方で、ピカソの芸術を通して戦争の愚かさを訴える姿勢に魅せられた、2人の目線で描かれていく物語。異邦人と同じで、章ごとに話しての目線が変わっていく、まさに描き方は原田マハワールド。 ゲルニカの描かれる過程で歴史的に何が起きて、何を想ってどういう苦難があった中で作品ができて、それを展示する上で何が問題でっていう過去の話と、遥子の時代でしようとしてる話が時空を超えて結び付いてて、話の構成が半端じゃない。 タイトルにもある暗幕のゲルニカは、本作品の中で色々な使われ方がしていた。 ピカソ : ・絵を描き始めるまで、何を作るか悩んだピカソからキャンバスを隠してたもの。 ・暗幕を使うことでドラの期待を高めるもの。 遥子 : ・ゲルニカでの惨事を後世に伝えるために作られた作品。国連の囲い取材の場では、イランへの戦争を伝える時に暗幕がかけられる。 ・最後の演出では、上述の暗幕をかけていた場所に、本物とスイッチする演出の上で暗幕が使われる。 原田マハさんの本にハマった1番の理由は、芸術の持つ可能性であったり、1つの作品に込められた背景であったり、時代を超えて同じ人が見てるであったり、自分の好きな映画と通ずるものが多いって感じることができたから。 おそらく私は、観て感じたものを人とシェアする時間が1番好きで、だから映画が好きだったけど、この本を通して芸術でもそういう面白さあるんや、とか気付くきっかけをくれたから、この本が大好き。
2投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログゲルニカは大塚美術館でレプリカを見たが、そんな過去があるとは知らなかった フィクションとノンフィクションの混ざり合いが心地よかった
2投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログ芸術ってよくわからない。 そう思ってたけど…今でもそう思ってるけど、 芸術が発する強い力が人を惹きつけて、行動させて、変えていく。 芸術ってなんかすごい。
2投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログピカソの作品である「ゲルニカ」を巡る物語。 9.11が起きた直後のニューヨークと、ピカソが生きた時代のパリでのパートが交互に進む。 ピカソが確かにそこに存在した人物としてより身近に感じられたし、大芸術家である彼が戦争の最中どのような事を考えて日々を過ごしていたのか、よく思いを馳せられるように出来ているなと思った。 MoMAはじめ美術館は、私たち皆の持ち物であるアートを守り、また後世の人々へ受け渡すことを使命とする、というのはゲルニカのような強烈なメッセージをもつ作品を前にするとストンと胸に落ちる。 ゲルニカ、この本を読んで実物を観てみたくなった。 パルドとルースがすごく魅力的な人物だったけど、この二人は創作なのか…
21投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログとんでもない本をオススメされた ペンは剣よりも強し、鼻で笑いそうになる時もあれば舌を噛みそうになる時もある それでもその言葉を信じて動かない限りその言葉は真実とならないし、そしてその言葉は実際、真実にできる 絵を描く人、見守る人、守る人、受け継ぐ人、絶つ人、壊す人。貴方はどれ?
0投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ楽園のカンヴァスにハマった流れで読了。 相変わらず原田マハ作品は読み終わった後の読後感が半端ないです。 同時多発テロの2003年を舞台にピカソの作品を通じて平和を訴え闘うMOMAの日本人キュレーターの八神瑤子と、1937年にピカソのゲルニカ制作を支えた愛人ドラ・マールの物語が交互に描かれ、次第に繋がっていく流れは素晴らしく、アートを通じて戦争に抗っていく姿に胸を打たれました。 楽園のカンヴァスの主人公であるティムブラウンが出てきて胸熱でした。こんなに立派になって、、笑
12投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ2001年、ニューヨークの近代美術館MoMAのキュレーター瑤子が9.11事件を経て「ピカソの戦争」というテーマで展覧会を開くため、ゲルニカを展示しようとするが…。 ピカソがゲルニカを描いた1937年と2001年が行ったり来たりしながら、物語は進んでいく。史実とオリジナルストーリーを織り交ぜながら、「アートサスペンス」が展開されていく。 アートはどんな武器よりも、もしかするとどんな言葉よりも偉大なんだろう。という様なことが、原田マハさんの本を読むたびに感じさせられる。私はただ、「好き」なだけで、そこまでアートを読み解いたり感じたり出来る力はないのだけれど。 アーティストが表現するものは、理屈なんかじゃなく、ただ純粋な想いと願いそのものなんだろう。それがたくさんの人たちの心にそのまま直接響くから、影響力はダイレクトなのかもしれない。 今、この作品を読めて良かった。こんなに平和と戦争が、住む場所だけで違うこの世の中、言葉を尽くしても伝わらないもどかしさの中、今の時代を見て、ピカソは何を思うのだろうか。
12投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ世界では稀に起こることだと思っていた戦争が、日々のニュースでこんなにも流れている今読んで良かったと思った。 ゲルニカが描かれた時代、本作でゲルニカが移された目的、今世界で起こっていること、 思いがけずこのタイミングで読んだからか、本の内容もそうだけど、なんともいろいろなものが絡み合って、心に刺さった
8投稿日: 2024.01.17
powered by ブクログアメリカ政府がゲルニカに込められた想いを知った上で暗幕をかけたところで切なくなった。 本の中に登場するピカソがthe 芸術家でかっこ良かった! 機会があれば実物のゲルニカをみてみたい
5投稿日: 2024.01.17
powered by ブクログ「楽園のカンヴァス」の後に読んだ。 奇しくも、二作ともに日本人が登場しており、親近感を覚えたことも間違いない。 『ゲルニカ』は私の最も好きな名画のひとつ。 ピカソの手によって産み出されるまでの過程や、 その後にゲルニカが辿った運命。 そして現代の私たちが繋いでいかなくてはならない使命。 アートとは何か、と再考するきっかけになった。
1投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ昨年の春に観た〈緑色のマニキュアをつけたドラ・マール〉は素敵な女性だった。彼女が語る〈ゲルニカ〉誕生の背景は壮大で、少し切なかった。
6投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ原田マハさんの本を読むたびに、美術•芸術の世界に惹き込まれていきます。ゴッホ、ゴーギャン、ピカソなど、世界を凌駕する芸術家たちの生き様を一緒に観ることができます。一枚の絵によって変わる人生。救われる心があるということ、支えにしている人がいるということ。ピカソが魂を込めて描いた絵を、本物をいつか観に行きたいです。
1投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
フィクションかノンフィクションか分からないまま最後まで読んだけど結果それで良かった。どこまで創作なのかが気になる。鳩の絵が繋がったとき10秒くらい考える時間が必要だった。楽園のカンヴァスも読むことにする! あと描かれてるようなドラの心情すごく分かる。自分から離れたのが偉いなと思って強いと思った。 けれど、どうせ地獄へ行くならば-華やかな地獄へ。
1投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログ美術館に行きたくなる本。ピカソに会いたくなる本。ゲルニカの力を感じられる本。 ピカソの魅力に惹きつけられ、自分も瑶子さんとトラブルを経験し、解決しながら一緒にいろんなところに旅をしているような気持ちになりました。
2投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログ読み終わった後、熱い気持ちで声が出ない。 ピカソのゲルニカ、そして9.11事件。 史実をベースにしたフィクションだけど、平和への想いやアートの力、関わる人たちの情熱は本物として存在してたと思う。 こみあげるものがあります。読んでよかった。
7投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログ面白かったけど、「楽園のカンヴァス」が面白すぎて期待値大すぎました。 ピカソの絵もピカソ自身も大好きで、より人となりをこの本から感じました。 どこまで本当か!読み終えた後、調べずにはいられませんでした。 ヨーロッパの歴史も事変が縦に繋がって、勉強にもなりました。
1投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログゲルニカと原田マハさんが好きなので読みました。 すぐに感想を言いにくい作品。2日3日後くらいにじわじわ〜と後から感想や思った事が浮かんでくるのかな…
1投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログ面白かった、ですが、 期待値かとても大きい作品だったので、 楽園のカンヴァスを読んだときの満足度にらおよびませんでしたね。
1投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どんな理由があれ戦争は絶対いけない。いつも数多くの尊い命が失われるのは一般市民。ウクライナ侵攻やガザの攻撃…。理性のある人間がなぜ戦争を辞められないのか。攻撃を続ける人々にゲルニカを見て欲しいと思わされました。 美術の知識は中学レベル(それすら何年も前のことでうろ覚え)の私ですが、原田マハさんの絵画ミステリーは楽しく読んでいます。ピカソと言ったら「泣く女」のような、構図や形が独特な絵の印象しか持っていなかったので、天才画家だし、性格もはちゃめちゃなのかと思っていましたが(失礼でごめんなさい!)… 人との感性の違いというか鋭さはやはり逸脱してるものの、戦争への憎しみや故国への思いは真っ直ぐで、ピカソの人間性に感銘を受けました。国内にある美術館を巡って、ピカソの絵を見に行きたいなと思いました。 『楽園のカンヴァス』も読みましたが、あの人が頼もしくなって登場してたのも良かったです。 ただ、別に主人公は日本の女性でなくてもいいというか、少し違和感があるというか…と感じました。 最後のテロ組織のシーンも必要だったのかな?テロ組織の本気度と脆さに違和感がありました。主人公が助からなければ元も子もないから仕方ないのですが。
1投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ゲルニカ」は誰のものなのか、誰が描いたのかというやり取りが出てきますが、芸術とは何かをとても表していると思いました。 「〈ゲルニカ〉なんてどうでもいいよ、君が生きていてくれたんだから、もうそれでいい」という友人の言葉が本当に大切に思っている人にしか言えない言葉だよなと思いました。 原田マハさん作品全般で言えるのですが、ぜひ生きてるうちに本物を観に行きたいです。 ただ一章ごとに時代と場所が行ったり来たりするのが、読んでてなかなか疲れます。
3投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログ1937年頃のパリと2003年のニューヨークを行ったり来たりしながら、ピカソの愛人・ドラと9.11同時多発テロで夫を亡くしたMoMAキュレーター・瑤子の視点で「ゲルニカ」を巡る物語が展開される。「ゲルニカ」を何とかピカソと戦争展に引っ張ってこようと奮闘する様は面白かったが、テロリストがどうにも素人臭くて興醒めだった。成功する訳がない甘々の計画に、アジトもあっさり割れているなんて。ピカソにはまったく詳しくないので過去パートは楽しかった。
9投稿日: 2023.12.08
powered by ブクログいや〜ピカソ!!のゲルニカ!! 飾られているところを初めて知りました。 中盤に入り、読む手が止まりませんでした! 原田マハさんの作品を読んでると美術、絵画について知りたいととことん思わせてくれます。 特にこの作品「暗黙のゲルニカ」は1番面白いです。 つい先日、MOMAとチャンピオン、ニューエラ、などがコラボしているショップがあり、 あっMOMAだ!とこの作品を思い出し読み直しました。 ついでにMOMA &ニューエラのキャップも購入し、このキャップを見るとゲルニカを思い出します... 何度読んでも、面白い本です。
2投稿日: 2023.12.05
powered by ブクログ長らく積読していた暗幕のゲルニカ。本屋さんに行く度に目に止まる原田マハさん。気になってはいるものの、私はこれまで、ある絵画との出会いが人生を決める、なんてそんなドラマティックな経験をしたことはないので、芸術的感性は皆無の為、なかなか手が伸びなかった。 可愛いという理由のみでピカソの平和の鳩をお部屋に飾っていた(^^;)そんな芸術的感性と歴史の知識に乏しい私でも、スラスラ読め、世界観にどっぷり入り込んだ。これが皆様が絶賛する原田マハさんか!と納得。 ドラ・マールが主人公の物語と瑤子が主人公の物語。時代を超えて交差してくる二つの物話に夢中になりました。 ドラと瑤子どちらも強くかっこいい女性。特にドラには感情移入し、魅力された。読了後、泣く女を見てこの絵か!と、胸がモヤモヤ。 あと、二つの物語にパルドが登場するのがすごくいい。パルドは架空の人物なのですね。 史実とフィクションが混じっていることで、気になることが増え、読了後も調べたくなるので歴史の勉強にもなり久しぶりに大満足の一冊となりました。 芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。ーパブロ・ピカソ 誰のものでもなく、”私たちのもの”。
29投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ虚実混交のストーリーみたいだが、それを感じさせないぐらい緻密さがあった。 原田さんの文章は、とても読み易い! 時にユニークな表現があり、「そういう文章を書くんだ〜」と感心した。 物語は表題にある「ゲルニカ」を中心に、過去と現代を生きた女性視点で描かれている。 正直、ゲルニカがどんな形で制作されたのかをあまり知る機会がなかったが、この作品の制作には多大な労力と並々ならぬ思いがあったのだと初めて知ることができ、戦争はとても悍ましいものだったのだと痛感した。
14投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ相変わらず、面白いです。ただもうひと驚きふた驚きできそうなエピソードがあったので、それを活かしたところを見てみたかったです、、、
1投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログピカソとドラの物語が一枚の絵のゲルニカを産んだ。その一枚がこれほど広がる物語になるとは バルドが2つの物語に登場するのもいい非常に良い ゲルニカの歴史観も知れたし、どうやって混乱期を乗り越えて現存するのか、戦争とテロと舞台が醜いですが逃げずにちゃんと描かれた。異邦人のヒリヒリするサスペンス感は無いけど、充分だと思う。ラストにしっかりスピーチする場面は遥子の晴れ舞台だからだと思う。あとバルドはいつまでも紳士で冴えてるねって事
20投稿日: 2023.11.24
powered by ブクログ原田マハが語るピカソ、ほんとに魅力的な人。子どもらしいけど、何よりも真剣という印象を受けます。作品を通して喜怒哀楽大爆発!エネルギッシュ!っていうのが伝わってきて、ピカソの作品から元気を貰えます。ゲルニカについはあまりにも気持ちが強くて、迂闊に感想は話せない。後世に残していかないとね。
1投稿日: 2023.11.19
powered by ブクログピカソの傍にいて、「ゲルニカ」の制作を見守ったドラ・マールと 70年後のNYで「ゲルニカ」を愛し、追い求めた瑤子。 マハさんの紡ぐ物語が醸し出すときめきは、史実と創作の絶妙なバランスから生まれているのだと改めて感じた。 終盤、時代を越えて人々の想いが繋がる様には鳥肌が立った。ラストまで完璧だった。……なんてこと!人間模様だけでなく、芸術の何たるかまで描かれている。凄い作品だ。 池上彰さんの後書きを、トランプ政権時代に読んでおきたかったな。アメリカという大きな国、正義感に満ちた合衆国が起こしてきた過ち、責任、歴史のうねり……。 それにしても、アートが持つ力をこんなにも感じさせてくれるのは、やはりマハさんの愛あってこそなんだろうな!
2投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〈ゲルニカ〉は、誰のものでもなく、“私たち”のもの。 メッセージ性のある作品ということはなんとなく知っていたけど、こんなにも社会的に意味のある作品だとは思わなかった。 イラクへの攻撃決定の会見で、〈ゲルニカ〉に暗幕が掛けられる、ということは、アートの力が大きな脅威と認めているようなもの。 ピカソが〈ゲルニカ〉を生み出した時代、貿易センタービルが襲撃を受けた2001年の現代の2つの時代が描かれていて、創られた瞬間、パリ万博、2003年時点、それぞれの〈ゲルニカ〉への反応が微妙に違ったのが面白かった。 喜び、戸惑い、畏怖。 時が経つとさらに歴史や意味が付帯されていくね。 〈ゲルニカ〉そのものよりも、ヒトラーがなぜあんな悲惨な独裁できたのか、に興味が湧いた。珍しいことなのでこれをきっかけに勉強してみようかな。 戦争はよくないことである、ということが世界で共通認識になっていることに安心した。 9.11のようなテロが日本で起きたら、日本は攻撃するのかな?無意味な争いはやめてほしい。(コビーも言ってたよ。) 池上彰さんの空襲、空爆についての解説にハッとした。気づかないうちに。
1投稿日: 2023.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原田マハさんの『楽園のカンヴァス』の後に読了。 「ゲルニカ」に対して全く知識は無かったからこそ、この本を読んで本当に良かったと感じた。 この小説は2つの時系列を行き来しながら進んでいく。 一つは1930年代のピカソ、ドラ、そしてパルド達とゲルニカが作成され、それがパリ万国博覧会のスペイン共和国館に展示され、そしてMoMAに行くまでの物語。 もう一つは21世紀のアメリカ同時多発テロをきっかけに、ピカソの展示会にゲルニカを展示しようとする瑤子の奮闘を描いている。 途中、国連での会見の際に背景となっているゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられている場面があるが、それが最後に繋がっていて非常に爽快感を感じた。 前作『楽園のカンヴァス』に登場したティムやトムが出てきたのは読んでいて嬉しかったし、何よりMoMAへの愛も感じられた。 ピカソの事は全くと言っていいほど知らなかったけれど、彼の生き様と当時の情勢に胸が締め付けられた。これは原田マハさんの作品でも1.2を争う良作。
4投稿日: 2023.10.22
powered by ブクログピカソという名前も絵もあまりにも有名で、それが独り歩きしていたからか、どんな人物かは全く知らなかった。 かっこいいな、ドラもパブロもそして架空だけどパルドも。戦争と絵筆一本で戦った画家だった。ワールドトレードセンターのテロと、スペイン内戦、第二次世界大戦末期の時代が対比されて物語がすすんでいる。
0投稿日: 2023.10.21
powered by ブクログ登場人物から訴えかけられる言葉の重さから、ピカソが描く作品の強さを感じた 戦争とアート 今まで知らなかった世界や視点を知ることができた
0投稿日: 2023.10.20
powered by ブクログ「楽園のカンヴァス」を読み終えたら、すぐにこちらを読みたくなり図書館へ! すごい迫力でした。壮大なスケールで描かれたストーリーに、どこからが真実でどこからがフィクションか分からなくなるくりいのめり込みました。 読後はなんだか汗ばむくらいの疲労感 笑 読み応え抜群でした。メッセージ性の強い作品だなと感じました。
11投稿日: 2023.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一年三ヶ月前に読んだ『楽園のカンヴァス』に魅了された私 同様、大傑作であろう『暗幕のゲルニカ』をただただ「簡単に読んだら勿体無い」と思っていた為、ずっと気になる想いを温めて来ました(*≧∀≦*) しかし、積読になっていた作品に、意を決して手を出す事にしました! 次に繋がる作品も読みたくなったのと、美術館に行く前に初心者でもわかる予備知識を植え付けたかったからです そう言う訳で、1年3ヶ月分、丁寧に時間を掛けて読みました そう、私には一気に読める様な作品ではありませんでした。。。 作品は、『ゲルニカ』を巡って、二つの時間軸が並行して展開されます 『ゲルニカ』‥‥巨大なカンヴァスに描かれた黒い線描と阿鼻叫喚 ゲルニカの惨事を再び甦らせ、殺し合いをやめない人類に対して突き付けた、ピカソ渾身の一作 制作当時の1940年代 ヒロインはドラ・マール 当時ピカソの恋人であり、写真家で、知的で華やかで、高慢ちきな女性 現代の2003年 ヒロインは、八神瑶子 ピカソの研究家であり、NY近代美術館(MoMA)のキュレーター そして、両方の時代に共通して登場する、パルド・イグナシオ 物語のキーマンと言って良いのではないのでしょうか いつもマハさんの作品を読むと、「何処から何処までが史実なの?」と気になってしまいます 気にしないでそのまま読めば良いのですが。。。 しかし巻末に、キーマンのパルドとルースと2003年の話は創作だ、と記載されていたので、それを知ったら頭の中がスッキリしました 私は読みながら、ピカソと他の作品に出てくるゴッホを、つい比べていました 生きている間に作品が売れていたピカソの生活と制作の基盤は、常に女性にありました 世界中の人々に注目され、常にある妻と恋人の存在、そしてそれに沢山の子孫に囲まれた生涯 方や、死後に作品が売れた貧乏で孤独だったであろうゴッホの生涯 それを思うと、人生とはつくづく不公平なものだと思いました また恋人であったドラも気になりました ピカソの周りの女性に対する嫉妬心で泣きじゃくるドラ ドラの弱さを知った時、同じ女性として辛いものがありました そんなドラの姿を描いた『泣く女』を本で見た時、苦悩や苦痛による激しいものだと表現されている涙に、少しだけピカソの絵の良さがわかる様な気がしました そしてマイテの正体を知った時、ジーンと来るものがありました 『楽園のカンヴァス』は読後感の良い作品でしたが、『暗幕のゲルニカ』は小説家として何が出来るか、戦争に対するマハさんのメッセージ性の強い作品だと思いました 二作とも大傑作だと思いますが、テーマが違うので比べるものではないなと、思いました 先日、マハさんの『〈あの絵〉のまえで』にも出てくる箱根のポーラ美術館に行って来ました 自然の樹木に囲まれた、森の中にある落ち着いた美術館で、気に入りました すっかりいい意味で、休日の過ごし方まで影響されている私です(*'▽'*)
78投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名前だけは聞いていたゲルニカの背景、メッセージを知ることができた。 ただ、読了後は、不完全燃焼気味。
0投稿日: 2023.10.14
powered by ブクログやっぱり面白かった、その一言に尽きる。引き込まれていく世界観やもっと知りたくなる。そしてリアルなのかフェイクなのか、境目がわからない緻密さ。どこまで信じていい?どこからが虚構なの?とついついスマホで検索してしまう。でも小説なんだ。
9投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログもともと「ピカソ」の「ゲルニカ」についての印象は、描かれている人や動物の「目」が怖いということ。そして、描かれている対象が「のたうち回っている」ということでした。見ているうちにおどろおどろしい感情に陥っていく。 でも、「ゲルニカ」が生まれた背景について、それほど詳しくは知りませんでした。原田さんのおかげで、この作品を通じてより知識を深めることができました。 第二次世界大戦前、スペインが内戦で大きく混乱していたことをそもそも認識できていなかった。その時代背景を含めて「ゲルニカ」に込められたピカソの意図に頷いてしまう。 作品の中で「ゲルニカ」とピカソを浮き彫りにするために、MOMAのキュレーターをしている日本人女性「遥子」が登場する。彼女はピカソの専門家という設定。その女性は9.11で夫を失うが、9.11の後、MOMAで「ピカソの戦争」展を催すために「ゲルニカ」を求めて八面六臂の活躍をする。ちょうど米国がイラク戦争を仕向けたタイミングで。国連の「ゲルニカ」のタペストリーに幕をかけて隠した「事件」が作品のコアとなっています。 ゲルニカの行く末とともに、この作品のもう一つの主旋律を奏でるMOMAのキュレーター遥子が登場するストーリーは「楽園のカンヴァス」と重なる部分がある。MOMAがキーワードですね。 政治的な偏りなく、作品の中でピカソと遥子がそれぞれの時代で「戦争をやめろ」という強いメッセージの中で繋がっていく。殺人と破壊、そして憎悪しかもたらさない戦争に焦点を当て、「反戦」への思いを形にしていこうとする。そしてその中心に「ゲルニカ」が存在している。 暖かな人間関係を醸し出しながら、そして少しハラハラドキドキするストーリーを経て、「ゲルニカ」のMOMAでの展示が実現するのだろうか?反戦への想いを込めて。 読み終えて、「ゲルニカ」の観方が「反戦」という思いと共に少しだけ深まったかもしれません。 そして、キンキンに冷えたカヴァを飲みたい気分になりました。(関係ない) <もう一つの感想> 序章の前に書かれたこの作品全体の流れを示唆するような「導入部分」で、どうしても自分自身の経験が蘇り重なるところがありました。そして、既に少し感傷的になりつつ「序章」へ進むと、何と9.11がモチーフになっていた。もうこの時点で打ちのめされ、感情移入し過ぎて自分自身の精神状態がおかしくなるかも知れない?という危うさを感じてしまったのでした。当時の様々な記憶が頭の中を行ったり来たりする。 しかし、ピカソがゲルニカを描きあげた背景を原田さんの文章を介して触れておきたいという気持ちが上回り、読み進めてしまう。 「序章の最後」に、主人公の一人である遥子が9.11に遭遇した最初の瞬間に感じた心象風景が衝撃的に描かれています。しかしそれは、自分の持っている心象風景とは全く異なっていました。 「異なる心象風景だ」と感じたその瞬間、この作品は史実には基づいているけれど、原田さんの創造なのだ!ということを全身で感じ取ることができたのです。その後は安心して、ひたすらストーリーの中に埋没することができました。
35投稿日: 2023.10.01
powered by ブクログ2003年2月。当時のブッシュ政権パウエル国務長官が、国連安保理会議場のロビーでゲルニカのタペストリーを暗幕で隠してイラクの空襲を宣言したこと。スイス・バーゼルのバイエラー氏の美術館でゲルニカのタペストリーとパウエル長官が暗幕の前で演説する写真に、「ピカソの真のメッセージは暗幕などでは決して隠せない。誰かがピカソのメッセージに暗幕を掛けたのであれば、私がそれを引きはがすまでだ」と添えられていたこと。これらが、この小説が生まれた理由だそうだ。凄すぎる。凄すぎてクラクラするぞ、原田マハさん。 特定のモデルのない架空の人と、実在した人物が混じって登場する史実に基づいたフィクションとあるけど、きっとこんな人達の一生懸命な気持ちと気概が、ゲルニカの周りにあったのは間違いがない。芸術の力云々には、正直スノッブな印象を持っていた。これはもっと直接体感してみるほかない。まずは、楽園のカンヴァスを読むとするか。
1投稿日: 2023.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
楽園のカンヴァスに続いてこちらも。 ティム〜!!!!!! トムも〜!!!!笑 小学生か中学生の頃、美術の時間にゲルニカの模写をした。初めはクラスのみんなが「何これ!変な絵〜!」と笑っていた。私もそう思っていた。だけど模写をしていると段々分かってきた、牛や馬の表情。子を抱いて泣いている女の人。これは「広島」と同じだと。私はずっと、ゲルニカは地名ではなく、戦の中の惨さを表す言葉だと認識していたのです。 ゲルニカを争いから守ろうとする二人の女性と、二つの時代を生きるパルド。 皆がピカソを愛し、芸術と自由を愛し、平和を諦めていない。 爆弾で人は殺せるが、芸術は人を救える。 だから人は文化を営み続けるのですねぇ。 ドラはピカソの才能を愛していたのかな、、、 ピカソが優位であり続ける関係性がつらい が、別れても芸術家として最期まで生きたドラはかっこいいな。 暗幕のゲルニカ事件が実際に起きていたと知って驚いた。平和を何度願っても争いはなくならない。でもそこで諦めてはいけない。 群馬県立美術館にゲルニカのタペストリがあるらしい。見に行きたいな。
2投稿日: 2023.09.28
powered by ブクログ大好きな原田マハさんのアート作品シリーズ。 ゴッホの印象が強かったから、ピカソのような売れっ子画家の話は新鮮だった。 いつものことながら国連とゲルニカのこと、スペイン、フランスの歴史などとても勉強になりました。
0投稿日: 2023.09.23
powered by ブクログピカソの時代と、9.11後の世界が交差しながらストーリーは進む。 『ゲルニカ』で、ピカソが訴えた戦争の悲惨さにもかかわらず、歴史が繰り返されている。ピカソの戦い、瑶子の戦い、『ゲルニカ』の戦いは、今もまだ終わりが見えない。
5投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログ9.11の現代アメリカと第二次世界大戦直前の20世紀初頭の欧州とで世界観が行き来しつつも各パートでキーになってくる人物が時代を隔てて登場してくるのが特徴的。 現代パートの序盤は誰がゲルニカを暗幕にかけたかを追うサスペンスタッチなストーリー展開が主体だが、後半になると一転してテロ組織から逃れるスリリングな展開となって中々に目が離せられない。 また反対に20世紀パートだと序盤こそピカソや彼に関わる作者お得意の伝記らしさが出てくるが、ナチの進行が進むに連れ物語も閉塞な方向へ進み読んでいき読み手側のこちらの気分すらも沈みかけるような光景が目に浮かぶ様である。 ただミステリー要素は薄い為姉妹作品の『楽園のカンヴァス』と似た系譜だと思って読めば肩透かしを食うかもしれないが、純粋にエンターテイメント作品として読めれば展開も二転、三転する為大戦前後の歴史モノが好きであれば非常に楽しめる作品だと思う。
2投稿日: 2023.09.17
powered by ブクログゲルニカ、それに込めたピカソの想いをゲルニカに魅了された人々によって守られ"見せる"ことで想いを伝えていく . MoMAのキュレーターでありピカソ研究者の日本人 ヤガミヨウコ。ピカソの展覧会を企画する会議を行う予定だったが9.11で愛する夫を亡くしてしまう。 アメリカが戦争を起こすかもしれないと世界がピリピリしていた中、国連の会見では背景に置かれていたゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられた。 それは明らかに意図的にかけられたものであり、メディアは誰がかけたのか?と報道するように。ホワイトハウスであることは明白だが、ピカソ研究者であるヨウコにも飛び火が。 そしてタペストリーの貸与者である人物に鼓舞され本物のゲルニカを展覧会に取り入れる交渉を行うことに…。 . シリーズ物ではなくこの本単体で十分楽しめるんだけど楽園のカンヴァス読んでからだと細かいところですが、同じ登場人物が出てくるのでもし先に読めるなら楽園のカンヴァス読んでからがおすすめです。 あ〜やっぱり原田マハおもしろい、美術ミステリー?冒険?美術の価値を考えた上でのキュレーター、重鎮コレクター、取り巻く人によるゲルニカの価値・ピカソの想い・作品を通して伝えたいキュレーターの想いが交差して時代は違えど同じ道になっていく でもあの最後は一体…………ちょっと?となってる
1投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログ“アートに出来る事は何か?”を考えさせてくれる作品。 ピカソが生涯に多数の愛人を作り、その多くを泣かせてきた一方、《ゲルニカ》を描く事で、ゲルニカ空爆の残虐行為を非難し、ナチスドイツ相手に絵筆一本で立ち向かった事は、それはそれで尊敬に値する……と思った。
3投稿日: 2023.09.10
powered by ブクログ書かれている内容は半分以上フィクションだと思うのですが、事実が含まれていたり、ピカソやドラのような実在する人物が出てきたりして、この作家さんの他のアート小説同様、リアルな物語になっていて読み応えがありました。
2投稿日: 2023.09.06
powered by ブクログ子供の頃、何かの展示会で原寸大レプリカを見たことがある。正直、何を描いて表現してるのか全くわからなかったけど、こわいと思っただけ覚えている。 戦争について考えさせられる作品をいろいろ読んだり見たりしてきたけど、この作品は、直接心に響くということと、そう感じる人は多いのではと思うという意味でいちばんだと感じた。 最後のスピーチ、泣いた。館長の方だけど…。最後のページも鳥肌たった。
1投稿日: 2023.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
知的好奇心を上手くくすぐられ、20世紀と21世紀を巡るのも単調にならず、少しミステリーの要素もあり、とても好みな作品でした。作者もかなりリサーチをされて望んだんだろうなというのが伝わってきます。スペインで見たゲルニカを思い出しながら読むと感慨深い気がしましたが、あともう一捻り欲しいなと思ったのを何点か。 ・ピカソ、ゲルニカが神格化されてて、Yokoは研究者ならもっと批評的な視点も持ってよいのではないか。 ・暗幕をかけたのは誰かという謎への回答は、あっさり過ぎるし、え、誰が支持したのかはわからずじまい。アートがメインで政治的な要素はあまり立ち入らないのか。 ・最後のETAに囚われるのは、あまりにも強引な展開だし、そもそもそこにネタを売ってた人物が関係者にいるわけで、そこは追及されず。真からの悪者が出てこないなと。 ・民主主義万歳的な描き方で、ETAのシーンでもう少し踏み込まれるかと思ったけど、え、これで解放!?と、ここもまたあっさりしすぎ。 ・最後の終わり方がイヤだ。いや、いろいろあって、みんなのゲルニカだから、そういう結論なのは想像できるのだが、でもやっぱりそうじゃない。託せる相手ではないしあの流れからはきちんと管理ができるとこに設置すべきでは。かえって政治利用だよな。 アートを知る小説としては非常に面白い、 ミステリーとしては、もう一捻りほしい。
0投稿日: 2023.08.27
powered by ブクログたしかピカソの作品で最初に知ったのはゲルニカだった気がする。ピカソ=ゲルニカ(の絵 ※タイトルは覚えてなかった)という印象。 美術の授業で先生が作品の背景を教えてくれたような気も。 絵って美しい場面を切り取るものだと思っていたところがあった。 そうではなくピカソは戦争の愚かしさを切り取った。 その絵が戦争から逃れて今でも守られているという事実に感動。 現代と過去を行き来する中で史実との境目が分からなくなるところが好き。 現代と過去で登場人物たちの関係性が繋がってくるところが好き。 最後は少し消化不良だった。 結末は分かったけど、その後の話がもう少し欲しかったような… 勘がよくて粘り強い、弱くて強い主人公が好き。
0投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログ群馬県立近代美術館のゲルニカのタピスリが見れる時期だな〜と思い手に取った。 途中迄の盛り上がりは、フィクションと感じさせないような展開でとても良かったものの、最後に物語をオトすためか、無理やり唐突なB級展開が挿入されてしまい、なんやこれ???状態。 正直興醒めの感はあるが、とりあえず読者は群馬に、高崎のタピスリを観に行きましょう。
0投稿日: 2023.08.13
powered by ブクログ人生で出会ってよかった書籍にランクイン… 史実に近い過去と、9.11のテロの後のNYを同じテーマと共に交差させて引き込んでいく筆力にら圧倒された。 スペインのゲルニカを見に行きたくなったし、ピカソ、ドラの人生を深く知りたくなった。 まずは群馬県立近代美術館のタペストリーを見に行こう。
1投稿日: 2023.08.12
powered by ブクログピカソ「ゲルニカ」のメッセージ性がよく伝わる作品。大切な内容ではあるがストーリー展開は割とシンプルだと思う。 群馬県立近代美術館に世界で3つしかないゲルニカ・タペストリーの1つが展示されているらしく、ぜひ実際に一度見てみたい。
7投稿日: 2023.08.10
