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【合本版】天使の卵(全4冊)
【合本版】天使の卵(全4冊)
村山由佳/集英社
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総合評価

612件)
3.5
113
163
216
54
19
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    寂しさを抱いた者同士が惹かれ合い、愛し合う。ただそれだけなのに、簡単にはいかない運命。愛することを素直に認める勇気と、真実を告げる勇気。根底に「死」というテーマが流れている気がする。読了後、とてもむなしく悲しくなった。

    0
    投稿日: 2016.02.25
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    浪人生の主人公がたまたま電車の中で気になった女性は、父親の新しい主治医の精神科の先生だった。そしてその女性は主人公の彼女の姉だった。 なんだろうこの少女漫画感とでもいうような。色んなものが、フワフワしていて、全体的にパステル色で、現実味がまるでない感じ。 図書館で手にとったら「この本はとても素敵な本です。手にとったあなたは幸運な人です」と、これまたよく出来た少女漫画のような誰かのメモが挟まっていた。 うーん。「素敵」って何だろう。

    0
    投稿日: 2016.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    柩を読んだので、改めて読み返した。 既に何度か読んでいるだけに、結末が分かっていて読むのが辛かった。 どうしようもない事というのは、世の中にはある。 恋人の姉とは知らず好意を寄せてしまったり、妹の元カレと分かっていながは惹かれてしまったり。 急に死んでしまうのも、予想出来ない事で、難しいとしても日々後悔ないのうに生きたいと思う。 そう思うまでに、歩太と春妃の別れはあまりに悲し過ぎる。 瑞々しい恋愛小説と賞され、その通り素敵な小説で、言葉選びも素敵なだけに、悲し過ぎるストーリーに切なくなる。

    0
    投稿日: 2015.12.20
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    10年以上前にこの作品を読んだと言ったら、後輩に「号泣もんですよね!」と言われたのですが、全く泣けなかったし共感も出来なかったので、きっとあたしにはまだ早いのかもしれないと思いました。 でも今また読み返してみても号泣も共感も出来ませんでした。 どうやらあまり相性が良くないみたいです。 作者がとびきり綺麗な恋愛を描こうとして酔っぱらいまくってしまった末の作品、というような気がしてならないです。春妃視点だったら違ってたのかな。そうでもないかな。歩太も春妃も夏姫もなんとなく生理的に受け付けませんでした。 とりあえずこの作品でいちばん可哀想なのは春妃と夏姫の親だなぁと思ったのが新たな感想です。そう考えると春妃って大人のナリした子供ですね。止めることができたのは春妃だけだろうに、一緒に流されちゃったんですもんね…。

    1
    投稿日: 2015.09.20
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     女性の作家さんが、19歳の男性の視点から一人称で書いた作品なのですが、その主人公は、女性が期待する男性像という感じで、違和感を感じる男性は、私だけではないのでは?  実は、私にも美大を目指して石膏デッサンに明け暮れる浪人生だった時代があったのですが、ギリシア神話の女神であるアリアスに似た横顔をもつ日本女性がいるとは思えなかったし、所々に見える紋切り型の表現も作者が背伸びをしているようで鼻につきましたが、物語そのものには読者を引き込む力があり、先を急ぎたくなるような緊張感も感じられ、そういう意味では、著者の他の作品も読んで見たいという気持ちになる作品でした。  読み終わった後で調べたところ、続編もあるようなので、手頃な金額で手に入ったら、読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2015.09.13
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    昔読んだ。救われない話だなぁと思った記憶がある。 村山由佳作品は幾つか読んだが、相性が悪かったみたい。はまらなかった。

    0
    投稿日: 2015.08.30
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    文章はきれいで読みやすく、どこか透明感ある感じが美しくて好き。 電車で主人公がヒロインに惹かれるシーンはこちらも引き込まれて、全体の中で一番好きな部分。 でも最後の駆け足感がなんだかもったいない。こちらの感情が追いつく前に、ばっさりきられちゃったような、そんなあっさり感。 ちなみに、映画の小西真奈美の透明感ははるひにぴったりだと思いました。

    0
    投稿日: 2015.06.10
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    最初、電車での運命的出会いのところでは、なんか私もひきこまれたなぁ。それから、どんどん引き込まれて、どんどん読み進んだけど、最後が話がコンパクトにというか、あっという間に終わってしましまった。流産、医師のミス、死亡。あっという間でなんか、物足りなさを感じた。もっと、何か・・・・言い表せないけど、ほしかったなぁ。あと、個人的に両親が歩太を責めたのは、不服。

    0
    投稿日: 2015.06.03
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    そのひとの横顔はあまりにも清冽で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の僕は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持ちはあったが、僕の心はもう誰にも止められない。

    0
    投稿日: 2015.05.04
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    あまりにあっけないエンディングにビックリした。ちょっと強引すぎて、無理やり終わらせた感じ。19歳の「僕」目線だからだろうか、恋愛設定は薄っぺらく、感情移入できない。個々の表現では優れた部分が多い。

    0
    投稿日: 2015.02.21
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    最初、ベネッセの、無料で小説プレゼント、というやつに軽い気持ちで申し込んで手にした本。初めて読んだとき、は?と思った。なんだかありきたりな気がして。それに、性描写が露骨で、当時中1の私にはハードだった。笑 終わり方も、はるひが死ぬ必要があったのか、自分の生み出したキャラを殺すって、どんな神経してるの、ただ読者を泣かせたいだけじゃん、 それが一巡目の感想でした。 けど、高校生になり、他の本もたくさん読んで、ふと、また手にしたこの本。涙が止まらなかった。やはり、この方は、文章、表現がスバ抜けて綺麗だと思った。こちらも場面が詳細に思い浮かぶし、淡い、はかない。みずみずしく、いたい。 最後の、はるひのデッサンを眺める様子が、とくに辛かった。 何度も読むことで、より味がでる。こんなに読む度に、受ける感想が違う作品はなかなかない気がします。

    1
    投稿日: 2015.02.13
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    読んでいて、ドキドキしました。 読みおわって、心がひやっとしました。 こんなにいろんな気持ちがごちゃまぜになって、でもまっすぐな恋愛だと思いました。

    0
    投稿日: 2015.01.24
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    12年ぶりに再読しましたが、内容を覚えていませんでした。が、好きな人と今付き合っている人との関係がわかった部分だけ記憶がありました。  凡庸と言われますが、みずみずしさを感じます。  

    3
    投稿日: 2014.11.24
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    よく書かれているように少女まんがのような小説(私は少女まんがというものをほとんど読んだことがないので雰囲気だけだが)だと思う。 物語はたんたんと進むが描写の美しさからまるで絵画を見ているような印象を受ける。小説全体に光が降り注いでいる。その美しさは認めるが、終盤の展開は受け入れられない。あまりに唐突で、はっきり言って”くさい”。 本作が純愛小説の傑作だというのなら、私は純愛小説を読みことに向いていないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2014.10.11
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    たしか中学か高校のときに読もうかなと思ったことがあったけど結局読まなかった。夫が、こにたんが主演する映画の原作だからと100円で買ったけれども結局読まずに引っ越しを機に処分するというので、その前に読んだ。1時間半で読めた。 19歳の浪人生の男の子が27歳の精神科の女医に満員電車でひとめぼれ。そしたらその女性は彼女の姉だった。しかも自分の父親の主治医になった。その男の子のもどかしーい気持ち。かなしーい話。解説に「よくこれだけ凡庸さに徹することができる」「驚くほど凡庸」(褒め言葉)との言葉があったけれども言い得て妙。 作者は女性。女性作家の小説で男性目線で書かれてる小説はよく考えてみればどれも構造としては言えるのだけど、読んでて、これは女性側の空想の体現ではないだろうかと思った。

    0
    投稿日: 2014.09.10
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    美大、芸術家、これらの該領域外の人間からすると一見世俗離れしているように映る特色の強い専門性がもたらす人間性が、恋愛というあまりにも世俗的な人間性を表象するテーマになぞって表現されている。著者がそこまで体当たりで書いていないのか、自分の先行イメージがあまりにも濃すぎたのか、特に違和感もなくスムーズに入ってくるような内容であった。

    0
    投稿日: 2014.09.06
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    文章は村山さんらしく綺麗で読みやすかった。まるで目に浮かぶような風景描写はこの頃からだったのだなと感じた。 ただ、内容は薄っぺらく、ひたすら甘く感じた。 ラストも切ないというよりは、あまりにも設定が安直じゃないかと思う。 8歳も年下の男の子が相手で自分は女医なんだから、当然対策しておくべきでしょう。 あのまま、無事だったらどうやって生活するつもりだったんだろうと思わざるを得ません。 限りなく☆2つに近いけど、文章の綺麗さで3つにしました。

    0
    投稿日: 2014.08.28
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    えって終わり方でした。 3部作らしいのですが、この後どんなふうに展開していくのでしょう?? 歩太にも春姫にも感情移入できなくて、ふーんて感じで終わってしまいました。

    0
    投稿日: 2014.07.25
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    【選んだ理由】 話題の著者だったから 【読んだ感想】 少しあり得ない設定だったので、あまり良くなかった。

    0
    投稿日: 2014.07.21
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    著者の写真を見て東ちづるさんに似てるなぁと思った。 村山さんの作品は何冊か読んだ事があるんですが、男性側から書かれてるものが多いように思います。(全部読んでる訳ではないんですけど…) 恋する男性がその女性を優しく包み込むような雰囲気に満ち溢れてる。 そして2人共が純粋でシャイで読んでるコッチが恥ずかしいようなくすぐったいような、そんな気持ちになる。 でも温かくって素敵で羨ましい。 悲しいお話だったけれど・・・。 私もウソだと言って欲しかったし夢ならいいのにと思った。 立ち直れる? その後が想像できない。 ショックが大きすぎて。

    0
    投稿日: 2014.06.15
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    「なおもホームにあふれている無彩色の集団の中で、淡い桜色の何かが僕の目をひいた」。出会いの場面の書き方からして、感性にあふれてるのがよくわかる本作。黒村山や白村山と本人はいってるけど、黒も白も散りばめられてるように、久しぶりに読んで思った。

    0
    投稿日: 2014.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんて儚い物語。 先に映画館で観てストーリーは知っていたけれど、その時感じた悲しさより一層、救われない悲しみに襲われた感じ。 出会いはとても好き。明るい日差しと桜がパッと思い浮かぶような、爽やかな印象。 やっぱり20歳前後の男の子は年上に憧れるのかなぁ、、どんなに魅力的に見えるんだろう、と想像して読んだ。春妃はとても華奢で儚げで、危ういイメージ。 そう言えば、春妃は精神科医だった。春と、心の病。なんとなく無気力な感じがするのは、『ノルウェイの森』を読んだ時に似ている。 ラストのあっけなさはなんだろう、ついさっきまで元気だったのに。分かってたけど、死なないでほしかった。残酷やなぁ。 歩太はまだ若いのにこの先ずっと消えない傷を負ったまま生きて行くのかな。若いのに、色々な経験をしすぎたのだと思う。 この作品には春がよく似合う。 (20140331)

    0
    投稿日: 2014.03.31
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    ストーリーはとても普通、ありがちな感じかと(解説にも書いてありましたけど) だけど、よかったと思います。 情景描写と、歩太からみた春妃の描写がみずみずしい。 男性主人公目線が絶対に筆者が男じゃない感がアリアリでしたが。 心が荒んでる時に読む小説じゃないけれど、 余裕がある時に読むと、良い小説でした。

    0
    投稿日: 2014.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんちゅー少女マンガ展開・・・ 電車で一目ぼれ→のち再会 年上高学歴女性 姉妹で美人→どっちとも付き合うとか 浪人生だったのに、急遽変更した進路先に無事合格 突然来る死 あまりにリアリティがなさすぎて、冷めた目で読んでしまった。 恋愛って、もっとドロドロしてるもんだよ。 こんなさらっとした恋愛なんて、ウソ。 恋に恋したい子ども向けかな。 もしくは、青春時代を美化したい年配向け。 デビュー作?そしてすばる賞ということで、ちょっと甘めに評価。

    0
    投稿日: 2014.01.30
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    八歳年上の精神科医に恋をしたアユタの取り巻く環境が、あまりにもキレイで、繊細で、悲しくて、胸が締め付けられた。 残された側の悲しみ。それでも、あんなに心から愛する人がいたこと、その人と思いあえたことを胸にしまって、生きなければならない。 悲しいけど、一方で生きようとしている自分の感覚が、痛いほど共感できた。

    1
    投稿日: 2014.01.11
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    うーん、かなりステロタイプな恋愛ものですね。そこが受けたみたいですけど。あと、作中で推理小説が少しディスられていたのも個人的にマイナスです。笑 デビュー作みたいですが、このあと直木賞を取っているので成長したと言うことでしょうか。

    0
    投稿日: 2014.01.10
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    19歳の予備校生と8歳年上の女医さんとの恋愛物語。作家、村山由佳さんのデビュー作です。その本が面白いか否かの分かれ道は、ストーリーそのものもさることながら、作家の文体と、読む側の感覚がマッチするかもポイントです。その意味で、この作家の文体はわたしの感性にフィットしました。本の出だしからぐんぐん、文字が頭のなかに入っていくのです。これはなかなか感動的なことです。 ストーリーですが、前半はよくある恋愛小説だと感じました。高校時代に同級生の彼女がいた主人公は、自分が浪人し、彼女がそのまま女子大生となったことで、心理的なすれ違いを感じ、徐々に遠ざかっていく辺りは、自分自身も読んでて「なるほどな~」と共感しました。 しかしこの本の面白さは後半にあります。まるでジェットコースターのように巻き起こる、修羅場な出来事。気持ちがそこに追いつくのが大変なほど、引きずり回されるのです。そして手に汗を握りながら、あっという間に読了しました。究極にせつない話ですが、とにかく面白かった~

    0
    投稿日: 2014.01.05
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    「おいしいコーヒー」シリーズは好きなんだけど、『天使の卵』は合わなかった、という声を聞き読んでみた。 ハッピーエンドではない。恋愛小説を求めている人には物足りないし悲しいだけかもしれない。 この話は続編があって生きる作品だなぁと思った。続編の『天使の梯子』へ。

    0
    投稿日: 2013.12.15
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    その恋は、暖かな春の一目惚れから始まった。 シリーズが完結した機に再読。中学生の時に初めて読んで、自分も二十歳過ぎたら、こんな本気の恋をするんだろうと考えていた、少し恥ずかしい記憶が蘇ってきた。 王道といえる恋愛小説。子どもの時は主人公・歩太に感情移入していたが、春妃の年齢になって読んだ今回は、歩太の真っ直ぐすぎる想いに、彼女同様、戸惑いを感じた。読み直したことで、本当に主人公の等身大の気持ちが描かれていたんだなと思った。 シリーズでいうなら、この話はプロローグ。これだけだったら、よくある純愛ものだが、この後が描かれることで、深みを増して単なる恋愛小説の枠を越えていくのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2013.12.13
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    真綿に包れた様な温かい雰囲気でいて、切ないお話  先日「天使の梯子」が文庫で発売されたので是非読みたい!

    0
    投稿日: 2013.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何度も読んでいる大好きな作品。 3部作の完結編を前に改めて読み直しました。女性が描いた恋愛小説なのに、どうして男性でも楽しめるのか不思議だったのですが、歩太の視点で物語が描かれているからなのかな。 死別というのは気持ちの整理のつけようがなく、この世が絶望に包まれたように感じることでしょう。 春妃が亡くなったことに対する歩太の絶望は想像に難くありません。しかし、それ以上に突き刺さるのは春妃に憎しみの言葉を投げかけたうえに看取ることになった夏姫の気持ちです。被害者といえる夏姫の気持ちを考えると不憫でなりません。

    0
    投稿日: 2013.11.19
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    正確には、これを読むのは今が始めてではない。購入は2001年、もう12年前。親友に薦められたのが、村山由佳さんの著書に出逢ったキッカケだった。先日本屋で、最終章なるものが新刊として並んでいるのを見て思わず手に取り、引き寄せられるように購入した。だから、読み直すことにしたのだ。30歳を前にした年齢で読んでみたいと思って。 浪人生の歩太と、満員電車で出逢った1人の女性。そこから静かに、でも確実に運命の糸は絡まって、世界は動き始める。歩太の彼女の夏姫、母との恋人、心の病に伏し入院し続けている父。好むと好まざるに関わらず、時間は動いていく。それがたとえ歩太が望まない方向だったとしても。 触れずにいられない、そばで生きなければ半身をずっと持っていかれたまま。その感覚はとてもよくわかる。だからこそ、それを失う、もぎ取られる痛みを想像できなくて、怖気すら覚える。歩太はそれでも生きなければならず、そしてそれは誰にでも当て嵌まることなのだ。言葉にするのは簡単だ、とわかってはいるけれど。

    1
    投稿日: 2013.11.16
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    浪人生がこんな濃厚な恋愛をして、その上志望校合格なんて、虫が良すぎるのでは…?と思った。 最後、ハッピーエンドかと思いきや… ヒロインがあっけなく亡くなってしまったのは、どうも納得いかない… 前半部分は面白かったかと…

    0
    投稿日: 2013.11.01
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     初めて読んだ村山さんの作品でした。その後”おいしいコーヒー”シリーズを少し読みましたが、春妃とかれんのイメージが重なってしまいます。初めて歩太と春妃が出会った満員電車のシーンで描かれた、春妃のイメージが強く残ります。  精神科医師の春妃、始めは強い意志を持った女性のように思いましたが、すぐに心の中に抱えた弱さが見えてきました。年齢のギャップを越えた歩太の想いと、素直に答えられない春妃の葛藤。最後の結末はあまりにも急展開でした。  この作品の後、”おいコー”を読んでいくと、性格は逆の頼りなげなかれんが強くなっていく世界がまた面白く読めます。

    4
    投稿日: 2013.10.30
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    衝撃のラストですが...2人と周囲の人々に目が離せない物語です!男性目線できれいな表現がされていて美しいです(*^ー^ *) 熊本学園大学:(えんじぇる) x

    0
    投稿日: 2013.10.21
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    主人公の一人称で物語は進む。芸大志望の浪人生だからか、語り口は詩的で感覚的。私はそういうのが好きなので、とてもきれいで心地の良い音楽を聴くみたいに物語を読み進めることができた。 登場人物の死にざまは、まるで遁走曲のように、どこか既視感を覚える。そういえば愛のフーガって曲があったなあ。 柔らかい霧のような雨、とか死んだ卵をいつまでも抱き続ける親鳥、とか血をぶちまけたような夕焼け、とか心情に即したドキッとするような表現がうまいなと思った。 天使の卵、というタイトルにふさわしく、とてもきれいな物語だが、ラストがきれいすぎてしっくりこなかった。 汚さ、あざとさ、ご都合主義、そういうちょっといやらしいもの、が私は欲しかったなあ。

    0
    投稿日: 2013.10.09
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    20年たった今読んでも全く違和感がなく、そしてやはりリアリティーに富んだ文章表現。人物を描写するのが巧すぎる。

    0
    投稿日: 2013.09.28
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    恋愛要素のあるミステリーやファンタジーは好きだけど、純粋に恋愛を主テーマにした小説は苦手だと思っていた。でもこれはさらりと読めたし、登場人物の心情も自然でよかった。 両思いになったと思ったら…こんなラスト、せつなすぎる。

    0
    投稿日: 2013.08.25
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    恋愛はせつない 楽しさも喜びも幸せもあるけど、それと同じだけ切なさも溢れてくる。それでも、恋愛は寂しさの方が大きく感じるのではないか。

    0
    投稿日: 2013.08.14
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    純愛。人を愛するってこういう気持ちだった、そうだそうだ。と、疲れた脳に活字で「恋愛とは」を刷り込んでくれた。

    0
    投稿日: 2013.08.12
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    場面の描写が巧く、その場にいるような臨場感と、本人になったような気分で最後まで読むことができた。恋愛小説としては◎。 ただ、「人の死」というものがとても軽く扱われている印象を受けたのが、どうしても気になってしまった。それも作者の意図なのかもしれませんが・・・。

    0
    投稿日: 2013.07.30
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    心に何かを抱える恋愛はよくあるけれど、 読みやすくて、素直に切なさを感じられた。 ありがちなと言ってしまえばそれまでだけれど、 「憧れる」形かもしれない。

    0
    投稿日: 2013.07.02
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    心に突き抜けてくるこの想いは何だろう・・・ 人を想うとは・・・ 恋愛とは・・・ 生と死を見つめて 純粋に愛し続ける心 ひたむきに全身をかたむけた愛情 由佳は歩太に 春妃になった自分がいた

    0
    投稿日: 2013.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まじ泣きした。 年の差こそあるけど、惹かれあう二人がね、 なんか結構遠回り感もあるけど、 まあ立場上そんなすぐってわけにはいかないけど、妹もいたしね。 最後にヒロイン死ぬパターンはよくあるんだろうけど、 なんだろう、なんか、自分が書いた絵に残ってて、 何枚も何枚もスケッチブックに残ってるっていうのが、 なんか死んだ気がしない感があって、すっごい泣いてしまった。 読みながらっていうか、読み終わってからわんわん泣いた。

    0
    投稿日: 2013.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出逢い方がキュンとしました。 「最初の機会で恋を感じないなら、恋というものはないだろう」by.劇作家マーロー 大人にならざるを得なかった主人公と、人の死を内包した儚さをもった年上の女性。後ろめたさを感じつつも惹かれあう二人。 やっと幸せになれたのかな、というところで、切ないラストを迎えます。 解説で「驚くほど、凡庸」とあるほど、王道中の王道。 でも、それって悪いことじゃ無い。人はどんな時代でも、普遍的なものを渇望するから。あえてそこへ向かう作者の姿勢が評価され、第6回「小説すばる」新人賞を受賞。解説は村上龍さん。 ※2012年ナツイチ限定カバー「ミナペルホネン」

    0
    投稿日: 2013.06.03
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    初めて高校時代に読みました。その時はあまりわからなかったけど、今はあのころと違う私で感じることもまた違いました。

    0
    投稿日: 2013.05.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生きる理由を考えさせられた本だ。主人公の予備校生19才男性は、精神科に入院している父、その為生活を支えている母がいる。そして、高校時代のガールフレンド。母に申し訳ない気持ちがあるけれど、美大を目指している。でも、父が精神病だから自分も同じようになるかもしれないと思ってみたり、美大へ行っても画家になれる可能性はないと沈んだりしていた。そんな中、心から好きになった8才年上の精神科医によって自分の生きる道を築き始める。storyの中で、自殺者が2人いる。突然死も1人いる。どの人も言いたい事を言わず、聞かず死んでしまった。人とは語って初めて心を通わすんだと改めて感じた。

    0
    投稿日: 2013.05.19
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    「天使の梯子」を先に読んでいたので、 もちろんなんとなく内容はわかっていた。 でもここには理想の女性像があったかも。 春妃のような聡明な女性に憧れる。 美しい人は何故、薄命なのか。。。 ここには、「天使の梯子」より幼い、歩太と夏姫がいた。 2冊の中で、成長感が表現できるのって凄い。

    0
    投稿日: 2013.05.13
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    130426*読了 村山由佳さんのデビュー作。 これぞ恋愛小説の王道。そして、おそらく、ちょっと昔のケータイ小説のように、その時代においては新しい表現のかたちとして、とらえられていたのかもしれない。 ラストが切なすぎる。

    0
    投稿日: 2013.04.27
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       美しい 純愛物語 です 。  携帯恋愛小説 っぽい感じ 。  言葉 の 選び方 が 綺麗で  読んでて すごく心地よかった です 。  途中から 最後にかけての 展開 が早く 、  様々な情報が一気に明らかにされ 、  むりやり 終わらせた感じがします 。  そこが残念だったな、と思います 。  

    0
    投稿日: 2013.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の本に触れるのは2冊目。1冊目は6年以上前に読んだ「楽園のしっぽ」というエッセイ本。田舎暮らしに憧れていた当時の私に父が勧めてくれたのがきっかけだった。その本での筆者の印象は「儚いもの、小さなものの変化をすくい取って描写するのが上手い」ということ。 そして本人が食べ物を一からわざわざ作っていると書かれていたので、それほど「生きる」ことを自分の中で消化しながら、納得した形で進みたい方なのかなとも感じた。 だから期待としては「真面目すぎるくらいの恋愛を書いているのかなと思っていた。 読んでみた感想は、「恋ってこういうのが理想だな」と思うほどの清々しいほどベーシックな設定を詰め込んだ物語。 私が高校入学時にこれを読んでいたらよかったとちょっぴり後悔した、恋愛小説入門ともいうべき本だと思う。

    0
    投稿日: 2013.03.19
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    恋した相手が彼女の姉ではありましたが、純愛小説でした。途中までよかったのに、いきなり春姫さんが亡くなってしまう終わりかたは、なんだか無理矢理話を切なくしただけ感が否めなかったです。

    1
    投稿日: 2013.03.14
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    まず、思ったのが…描写が巧だなぁと。情景描写、心理描写ともすばらしく、小説の世界にす〜っと入っていくことができ、どんどん引き込まれていきます。読みやすく、それなりにポイントを押さえているので感動できる小説です。

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    投稿日: 2013.03.11
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    浪人生の歩太は、電車の中で出会った女性に一目惚れ。その女性はガールフレンド・夏姫の姉であり、父が入院する病院の精神科医であった。「僕」の、狂ってしまうほどに春妃を愛する気持ち。けれど、そんな燃え滾るような想いとは裏腹に、「僕」の恋はあまりにも淡く、儚く終わりを告げる。悲しみと絶望感に呑み込まれてしまいそうな姿を知った読後は、自分も主人公と同じように、大切な何かを失ったような気分になる。それはきっと、結末の呆気なさのために生じた心の空白のせいに違いない。

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    投稿日: 2013.03.10
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    第六回小説すばる新人賞 電車の中で一目惚れ 親父の入院している病院で再開 色々な障害を乗り越えて二人は結ばれる 彼女死ぬ 彼女の思い出が詰まった部屋から彼女を描いたスケッチブックを持っていく 新年早々ふつうの恋愛小説を読んだ。 ふつうな感じがやけに胸に染みた 死別が一番悲しいと思う しかも相思相愛だった訳だし ハッピーエンドものが読みたい・・・!

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    投稿日: 2013.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恋愛小説を読みたいと思ってあらずじだけみて買った本。 内容は、難しいものではなくいたってシンプル。 彼女とは別の人を好きになる。彼女との別れ。好きな人の死。 最後は好きな人(彼女)に対して、諭すような態度をとったあげく、彼女は亡くなってしまった。 「どうして、いつものようにキスして出ていかなかったのだろう?」。そういった後悔を持って締めくくられている。 命の大切さ、死んでしまってからは何もできないし、何もしてあげることもできない。 好きな人(彼女)のみならず、親友までにも後悔のないように接していこうと思いました。

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    投稿日: 2013.03.04
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    乗り越えて温めて始まった恋の終わりがあまりに突然であっけない。 なんで? なんで?? って何回も言ってしまった。 でも現実もこれくらいあっさりと残酷にやってくるものだろう。その時わたしは耐えられそうにない。誰もきっと耐えられない。 かつてそこにあった愛の思い出だけがかろうじて人を支えることができるのかも。 面白かったけど、歩太の気持ち考えたら悪夢みたい。 早く夢から醒めたい。切ないというより苦しい。 こんな終わり方はいやだ

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    投稿日: 2013.03.02
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    私に読書の入口をくれた最初の本。中3だった私にはまだ内容が早かったなぁと思いながらも活字中毒にしてくれた1冊。

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    投稿日: 2013.02.26
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    小説を読み終わってから西行法師のことを少し勉強して、やっとこの小説の奥深さが分かった気がした。 自分が調べた限りでは、西行さんは「出家はしたけど煩悩を捨てきれず、命や生きることに執着してしまった人」ってイメージ。でもそれを後悔してる感じはなくて、むしろ生き長らえることで花や自然を愛でることが出来ると感謝している? すごく人間らしくて春妃が好きな理由がわかった。

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    投稿日: 2013.02.24
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    無性に恋愛小説が読みたくなって読んだ作品。物語の内容自体は、どこにでもありそうな内容で結末も最近の恋愛小説にありがちなラストではあったが、作者の魅せる世界観に引き込まれた。何と言っても描写がキレイ!清々しい気持ちでスラスラ読んだが、ラストの方‥怒涛の展開で一気に冷めてしまった感覚が残った。恋愛の描写はとても美しかったので純粋な恋愛小説としては良いものだと思う。

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    投稿日: 2013.02.03
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    予備校生の歩太は電車に乗ってきた精神科医春妃に一目惚れする。父親の担当医である彼女と話すうちにますます想いは募る。春妃が精神科医となった理由、母親とお得意様との関係……それらを経て二人の距離は縮まっていく。 恋愛といえば村山さん! 本当に透明感のある恋愛小説です。 傑作、名作、恋愛小説の代表と言えます。 王道です。 ありそうなのに読み込ませるのは、やはり村山さんの文章が引き込んでくれるからだと思います。 一番驚いたのは、クライマックス。 そこで終わりますか?で終わる。 あそこで終わらせるのは、すごいなと、でも消化不良ではない。 そこもなかなかよかったです。 ……にも関わらず、解説で解説してしまってたところが悲しかったですね。

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    投稿日: 2013.01.28
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    思いの強さがすごい伝わってくる作品。描写がきれい。心理描写情景描写に色がたくさん使われていて、これから学ぶ者にしてみたら嬉しかった。 さらっと春妃の死の原因にされてたけど、抗生物質の投与で死に至ることがあるのに驚いた。そりゃ何百万分の一の確率かもしれないけど、それでも病院に行って医者を信用して治療を受ける気持ちに若干の抵抗感が生じた。 どんなに辛い目にあって二度と恋なんかしないって思っても、やっぱり1人はさみしい。一緒に生きてくれる、生きたいと思える人がいる方がいい。 2人の気持ちが通い合った時の話が1番好き。困ったわ、っていうところ。 精神病患者が出てくるけど、ほんとにそうかそうじゃないかは紙一重だと思う。目に見えて社会生活が送れない人が患者として入院するだけで、普通に生活できるけど日々傷ついたり壁にぶち当たったりしてる人だって少なからず病んでいる。軽度の精神病ってところだろうか。 身近な人に、大切な人に何か起こった時の為に、心理学とか心理療法とか勉強してみたい。カウンセラーは無理でも、友達の悩み相談くらいには自分を役立てられるんじゃないかな?♪( ´▽`)

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    投稿日: 2013.01.22
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    主人公は同級生の夏姫と付き合っている。そんな中で、精神病棟に入院している父の見舞いに行ったとき、担当女医の春妃に恋をした。後にそれが夏姫の姉だと分かる。主人公は春妃に惹かれ、夏姫に別れを告げる。やがて二人で住むようになるが、突然春妃は倒れ、病院に運ばれたが命を落とす。実は主人公の子供を身ごもっていたが流産してしまったのだ。

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    投稿日: 2013.01.19
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    通常の描写、主人公に語らせる一人称の語り描写が中学生レベル。読むに耐えない。 でも美しい女性を描かせたらピカイチ。とはいえ一人称が下手すぎてなんともいえない

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    投稿日: 2013.01.17
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    意外にも?村山由佳さんの作品は初めて読みました。 情景の描き方が美しいですね。 19歳の恋はまっすぐで純粋で…年下の子からこんな風にぶつかってこられたら感動ですね。 いや、かえって年齢差を感じていまい、受け入れられないかもしれないなぁ…とも思ってみたり。 そもそもそんなことはありえないけど(笑)。 村山さんの他の作品も読んでみたくなりました。

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    投稿日: 2013.01.15
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    浪人生の男の子が、8歳上の女の精神科医に恋をするという設定が目に留まって、本作を手にとった。 出逢い方自体は良かったけど、その人との関係性が問題アリ。。 男の子ももうちょっと大人になれないものかな…と勝手にイライラ(笑) 「運命」という言葉でみんなが思い通りにできたら、秩序が乱れまくるだろうなぁ。 村山由佳さんの文章を初めて読みましたが、文学部卒らしい知識も出てきて、勉強になる点も多かったです。

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    投稿日: 2013.01.05
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     ストーリーに着目しながら読んだが、目に止まったのは、文体だった。  この作品は、エンターテイメント小説の新人賞である小説すばる新人賞受賞作だが、以前に読んだ下読み(新人賞などで、作品をふるいにかけるために読む仕事)の人の本の中に書いてあった〝純文学新人賞の応募作は、ほとんど村上春樹〟という言葉を思い出してしまった。それぐらい、文体と、『僕』を取り巻く環境やその視点を、春樹っぽく感じた。  ストーリー展開やキャラクタ設定は、確かに凡庸だ。それに関しては解説で村上龍が書いているので読んでみて欲しいと思うが、僕の心に特に響いたのはラストシーンだった。  ネタバレ覚悟で書くのなら、主人公が辿った恋路は凄く切なく、儚いものだったのかもしれない。しかし、最後に彼が手にしたものは、その切なさの分だけ〝確かなもの〟であり、〝目に見えて感じ取ることができる〟ものなのだ。  光を書くとすれば闇を書かざるを得ないし、暖かみを書こうとすれば、その倍以上の寂しさを知っていなければいけない。そういうぼんやりした教訓を得る事ができた作品だった。

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    投稿日: 2013.01.02
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    とにかく切ない。愛情や友情、金などに深くはまってしまう事は、途轍もない歓喜をもたらすが時に狂ってしまうほどの悲劇をもたらすというリスクがある。メリハリある人生は愉しいが、メリハリにも程をもたせなければ人生が終わる危険もある。しかし、美しい恋愛小説だった。 村上龍の解説→「ファッションや好みなどは時代と共に変わるが、感動や悲しみの原因や由来は大昔から変わっていないのではないだろうか」ホントその通りだと思う。

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    投稿日: 2012.12.25
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    久しぶりに甘い話が読みたいなあ、と思って手にとった作品。途中までは王道少女漫画のような展開で良かったけれど、最後が唐突過ぎた。その事実だけねじ込んで、字数オーバーになりそうだからとりあえず終わらせた、みたいな印象を受けた。 最後以外は良かったので他の作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2012.12.23
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    10代半ばのころにはじめて読んでから思い出したころに読み返すっていうのを繰り返している。 年々、自身から初々しさとか瑞々しさとかが失われている感じがするけど そういうのを思い出させてくれる小説。 こんなにまっすぐに人を愛せるなんて、素敵だと思う。 恋愛小説としては確かに凡庸かもしれないけど、息がつまりそうなくらいの切なさが好きです。

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    投稿日: 2012.12.15
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    中学生のときに初めて読んで 数年に一回読み返しています。 なんの変哲もない悲しい恋愛小説なんですが 王道なのに、とても胸をしめつけられて悲しい。綺麗。

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    投稿日: 2012.11.30
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    直球ストレートな恋愛小説。19歳の恋の突進力は止められない。年上の精神科の女医さんが相手、彼女の妹と家族、死に別れした前の亭主の影などが恋の行方を阻むというあたりは常套句であろうが、結構ずっしりと響いてくる。

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    投稿日: 2012.11.27
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    カフェで一気読み。 涙腺が弱くなる久々の小説。 クラシックな構成に現在社会の問題点も 焦点となっている。 読み終わると人肌恋しくなる一冊であった。

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    投稿日: 2012.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    予備校生の主人公が、電車の中で偶然出会った8歳年上の精神科医に一目惚れするところからスタートする恋愛小説。 ストーリーの流れや設定はかなり王道感が漂う(あとがきでは“凡庸”と評されていましたが…)お話。確かに、作中で起こるイベントやタイミングが出来レースのように都合よく進む点は、ちょっと都合良すぎな気もしました。けれど、その点は個人的にそんなに気にならず、作中に漂う純粋でさわやかな雰囲気を楽しむことが出来たと思っています。 ただ、主人公の父親があまりに救われない点がどうにも引っかかって、本作を肯定的に受け入れることが出来ませんでした。主人公とヒロインが急接近するきっかけとして、あまりに都合よく、重大なものが失われてしまう… そう、主人公とヒロインの為に他のすべてが存在しており、都合よく利用されてしまったことに、正直嫌悪感すら覚えてしまいました。 彼らにも、彼らなりの人生があったはずなのに… 本筋とは全然外れることですし、それはそれで、と思って読むべきなのでしょうが、私にはそこまで割り切って読むことができる余裕がありませんでした。最終的に悲劇的な結末を向かえるのですが、主人公以外の登場人物の境遇があんまりだったので、ラストのインパクトは大したことなく読了。それよりはやっぱりお父さんがカワイソすぎて、そっちの印象のが強い作品でした。

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    投稿日: 2012.11.20
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    歩太のあふれるような恋心、まっすぐさ。彼女のおかげで本当の自分に出逢えた…それだけ思われる彼女はすごい。ただ、妹のこともずっとひっかかったまま、、周りの人のことを考えず自分中心の世界で恋している感じが若いのかなぁ…。最後は誰の立場であってもただただ悲しい。

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    投稿日: 2012.11.17
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    19歳の予備校生、歩太と8歳年上の精神科医、春妃。二人は春もまだ浅いラッシュアワーの電車の中で、その"恋"に出会った。 歳上ものが読みたくて購入。 この作家さんならではのさわやかさ。 ただ、さわやかすぎてややあっさり。もう少しじっくり読みたかったです。

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    投稿日: 2012.11.10
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    うむむ。評価が難しい。「小説すばる新人賞」を獲った作品ということで手にしてみたのだ。自分の好みとは違う。しかし、記憶に残りそうなストーリーだった。

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    投稿日: 2012.11.06
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    初めて読みました。 季節感や、背景の感じの書き方がきれい。 話の内容は、読みすすめるうちにこうなるかも?と思ったとおりになった・・・。 もう少し若い頃に読んだら★もっとついたかも。

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    投稿日: 2012.10.25
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    歩太の真っ直ぐに突き進む恋愛。10代の若い時思い出しちゃった。好きになったらその人ばっかで周り関係なくなっちゃうんだろね。切ないね。。。

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    投稿日: 2012.10.23
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    何気にとったてんたまが、夏文庫フェアでジャケ変更とな。は、さておき。 「天使の卵」初見が16とかそのぐらい?その間に読んだものや経験したことで、あの時と同じ気持ちでは読めないけれど。 春妃の唐突とも思える受け入れ具合なんかは、あぁ、そういう瞬間ってあるよな。と、思えた。

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    投稿日: 2012.10.21
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    春の夢の様なまま始まって終わっていく感じ よくあんな少ないページ数で穏やかで清潔なままドラマティックに詰められているなぁ なので、現実感はないけれど美しいままで。。。やはり物語やドラマは現実求めてないのだから、こんな感じでのっぴきならない方がワタクシは好きです

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    投稿日: 2012.10.20
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    よくナツイチにラインナップされているので、図書館で借りて読んだ 私は恋愛至上主義でないからか、支持される理由はわからなかった 読みやすいとは思う

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    投稿日: 2012.10.14
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    大学を浪人してしまった青年は、電車で出会った女性に一目ぼれ。 そして父親が入院している病院にて、患者の息子と 主治医という形で再開した。 淡々と進むドラマ、という感じでした。 ものすごく山あり谷あり、というわけではないのですが これは現実に起こったらどうしたらいいのか、という状態。 付き合っている彼女の姉に恋をする、というのを通り越して 愛している状態、ですし。 さらさらっと読めますが、相手に対してものすごく情熱的。 何があろうとも相手を求めている姿は、ある意味ハーレク○?w しかしああいう形で終わるとは…。 驚きの最後、ではありますが、やりきれないものがあります。

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    投稿日: 2012.09.28
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    王道!という感じで、ラストは「えっ…」と思ってしまった。正直、好みではない。文章は美しい。主人公が一目ぼれする、電車の中の場面では、主人公が情熱的すぎてついていけなかった。笑

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    投稿日: 2012.09.21
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    切なさだけを描いた恋愛小説。 文字通り切なさのみで、設定はチープな感じが否めません・・・ ただ、ここまでテーマのみを追求されるとかえって気持ちいいかも。。。

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    投稿日: 2012.09.18
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    話の先が気になって先へ先へとはやる気持ちを抑えながら読み進めた。最後のスピード感と歩太の思いが胸にどっしりと残っている。

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    投稿日: 2012.09.15
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    村上龍さんの解説で、 人が喜んで笑ったり、悲しんで泣いたり、人を好きになったりするその理由は大昔から変わらない。 時代も環境も変わるけど、そういう人の本質はずっと変わらないってことに気付かせてくれる、凡庸だけどそういう小説。 とあったのは納得。 青年心理が少女漫画のようで、 実際こんな純朴青年いないだろー、 女が思う理想の青年像だなー、と若干読みながら冷めてしまった。 そして表紙の小西真奈美と市原隼人に完全に頭の中を支配された… 20歳前後の若者の不安定さは同年代としてすごく共感できた。 最後の展開はなーんか納得いかない、無理矢理すぎないか…

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    投稿日: 2012.09.13
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    ここんとこ、自分では珍しく恋愛小説に手を伸ばしています。今まで恋愛小説という部類に入るお話があまり好きではなくて。というか、興味がなくて。でも、本読みとして様々なジャンルの様々な人のお話を読んでみたいというのがあるわけで。有名どころから手を付けてみようと思い、初めまして、村山由佳さん。すごくきれいなお話だなあというのが率直な感想。文章がきれいで。流れるような言葉遣いに惹かれました。うんでもたしかに、凡庸だね。よくあるお話というか。そこが魅力でもあるんだろうけど。恋愛って、こんなものか。たしかに純愛…だと思うけど、読了後、それで何なんだ、という感じが否めなかった。普通の恋愛小説が読みたいと思ってたけど、ラストが突然すぎて、感情移入もできないし、全体的にうーん。文章は好きなんだけどね、すごく。なので星3つ。

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    投稿日: 2012.09.09
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    えぇーってかんじで 王道ってかんじで 鳥肌たった。 こそばい。 鳥肌はもちろん悪い意味で。 軽すぎるのかなぁ、うーん。 この作家さんの漫画みたいな「わかりやすっ」っていうイメージを払拭したくて読んだんだけど、もう読めそうにありません… あたしには受け付けませんでした。 評価高いそうですが。

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    投稿日: 2012.09.02
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    有名な恋愛小説なのは知ってましたが、実は今まで未読でした。 非常にオーソドックスな恋愛小説でした。 いい意味でも、悪い意味でも。 ラストも好きな方はすごく好きな終わり方でしょうけど ダメな方はダメでしょう。 ラストは中盤で読めてしまいますし、終盤へのもっていき方に 若干無理は感じるのですが、そこはみずみずしい文体と感性で 上手くまとめられています。 映画化もされているようですが、逆に映像化したら つまらない内容だと思います。 これは文章のみで楽しんだほうがいい物語でしょう。

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    投稿日: 2012.09.01
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    定番・王道のきれいな恋愛もの。 あっさりしすぎているようにも思えるけど、それがいい。 高校時代、この本で村山作品にはまった。 それからかなり経っての読み返しだが、その頃と同じ気持ちで読めた。 その意味で、「自分」を作った大事な本。

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    投稿日: 2012.08.30
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    恋愛小説です。 普段、恋愛小説をよまない自分からしたら 感動の一冊。 切ない系。 涙もの系

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    投稿日: 2012.08.23
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    10年以上ぶりに再再読。 初見の時よりストーリーも覚えてるし自分も歳を重ねてるので衝撃は薄め。 でも、やっぱり村山由佳の言葉の選び方が好きで、まるで色や温度や香りがソコにあるような気がする…

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    投稿日: 2012.08.21
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    文章がすごい綺麗。読みやすい。淡いけど激しくて、綺麗でちょっと重い。でももっとハッピーエンドかと思ってたから、ちょっとびっくり。映画化してたの知らなかったからまた観てみたいなー。

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    投稿日: 2012.08.20
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    村山由佳の特徴である「良い子ちゃん」の「少女漫画」という感じの文体。 彼女の姉であり、精神疾患を患う父の担当の医者であり、過去に傷を持つ年上の女性である人と愛しあってしまい苦しむ青年の話…だが、「禁断」にするには描写もパンチも弱めなのである意味読みやすい。

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    投稿日: 2012.08.19
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    女の人が書く青年の恋の物語って、ほんとの男心とはずいぶんちがうんだろうなぁなんて思いながら読んでしまった。 「死ぬ」ことで完結する恋愛ストーリーなんて「夢オチ」のファンタジーみたいでちょっと後味が悪い。 文体は美しいです。

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    投稿日: 2012.08.08
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    すごく描写がきれい(特に、最初あたり)なところはものすごくよかったんだけど、ちょっと全体的な色?雰囲気?が淡いような気がした。 最近連作短編ばっか読んでたせいで話先読みするくせついてたのもあるのかな…

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    投稿日: 2012.08.02
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    予備校生の歩太は、電車内で8歳年上の春妃と出会い運命的に恋に落ちてしまう。しかし、歩太と付き合っている彼女、夏姫は春妃の妹だった…幸せになった二人が夏姫に対してどうするのかと言う矢先に、悲しい結末が待っていた。季節を表す表現がすごく綺麗で好きだなぁ。

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    投稿日: 2012.08.01
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    高校時代に読めてよかった。 でも私は純粋な気持ちでは読めなかったな、 作品のところどころに それは無理があるだろとか 思ってしまうところがあった。 好きだったのはやっぱり 最初の場面。 あと、天使の卵、というピアス。 でもなんでこのタイトルなんだろ? はじめタイトルから想像していた 内容とはぜんぜんちがかった。 最後らへんはもう 話が読めてしまう。 でも嫌いじゃない。 この作者の作品は初だったので これからいろいろ読んでみよっかな(・∀・)

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    投稿日: 2012.07.31
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    2005年くらいかな、それまで全然本を読まなかったわけではないけど、この本を皮切りに本を読むようになった記憶がある。ちなみに俳優の市原隼人が好きで、主演で映画化すると聞いて読んだんだっけ。 全然レビューじゃないな、、、。

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    投稿日: 2012.07.28