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太陽の塔(新潮文庫)
太陽の塔(新潮文庫)
森見登美彦/新潮社
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総合評価

1290件)
3.7
241
426
393
86
23
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    ほとんどよくわからない小説だった。言葉も難しい。本当に読者は理解してるのかと思った。レビューを見ると「クスクスと笑える」ともあったけど、私の見たかぎり笑えるところはなかった。相性なのか私の読解力の問題なのかと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    京都大学の男子大学生の日常と頭の中を覗いた物語 失恋の後ストーカーもどきになったり、恋敵の大学生にいたずらしたり、男子大学生ってこんなこと考えてるの??っていう新鮮な…というか意味分からない描写が出てきて笑える ゴキブリキューブ嫌すぎて強烈な印象 私の部屋でやられたら死にそう あまり共感できない男子大学生の日常をすごく堅苦しくて豊富なボキャブラリーで描かれてた 語彙力なさすぎてあまり馴染みのない言葉も出てきて読むの時間かかった

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    拗らせ男子大学生(京大生)たちの愛おしいクリスマス前の期間。 彼らは愛おしい期間とは思ってないと思うけど(笑) クリスマスファシズムに日本は犯されていると言っているし(笑) 無駄に男女が共にする夜と鳥が大量に殺されると。(言い方) 男子大学生の痛さ、青春の恥ずかしい&むず痒さ、初めてのちゃんとした恋の必死さ、その恋が終わる時の辛さ、若いが故の正欲の行きどころ。 この歳になって読むと「かわいい〜!愛おしい」としか言いようがない。 森見登美彦さんのすごいなと思うのは、大学生が故の苦悩を文学的に独自の雰囲気で書き上げつつも、むさ苦しかったり、重苦しい憂鬱っぽさがなく、爽快に淡々とコメディ調で描くところ!!! これはほんっとーーに唯一無二!! 喜劇なんですよ!本当に。 もうニヤニヤが止まらない。 「良い喜劇を描く方が、良い悲劇を描くよりずっと難しい」というのが父の口癖だったのですが、本当にそうだなと思っていて… 感動系、泣かせてくる系、或いは憂鬱さが終始漂う系の作品で、人が「あれは良かった!名作!感動した!」って思うものは多くないですか?そしてその手法の方が人の心も掴みやすいですよね?! でもこの『太陽の塔』はまるっきりそれがない。 自分のジョニー(この呼び方も最初訳わかんなかった笑)を落ち着かせるために、レンタルビデオショップのとあるコーナーでビデオを眺めるんですね。 そしたら他者の視線を感じる、、 ネタバレにはなりますが、その視線は、彼をストーカーするとある男子学生のものだった。 そしてその男子学生もまた別の男子学生にストーカーされていて(笑) だから2人の他の男子学生に自分が物色していたところを眺められるという!!(笑) これはもうウッディ・アレン級のコメディなんですよ。最高すぎる。 主人公の「私」以外の男子学生のキャラたちもとんでもなく良くって。 そんな登場人物たちのやり取りの間に挟み込まれる、京都の街の風情も綺麗で。 読めて良かった。 そしてまた再読したい!! これが森見登美彦さんのデビュー作だとは知らずに読んだけど、とんでもねぇ人ですな。 在学中に書いたとか?!! 天才ですな。 知的男子大学生たちよ、君らは最高に拗らせている!!!ありがとう!!!

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    失恋ってこんなに痛かったんだっけ? 青春ってこんなに痛かったんだっけ? 森見登美彦さんはじめまして 次男君が貸してくれました 好きです!! 愛すべき陰キャたち!! ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 【私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! 】 裏表紙 内容紹介より ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 誇大妄想ぎみのさえない京大生の「私」と、愉快な仲間たちの、愉快な日常が描かれた青春小説。 水尾さんに振られた後も「なぜ私のような人間を振ったのか」を副題とした『水尾さん研究』という名のストーカー行為もとい研究に余念が無い「私」。 愛チャリ「まなみ号」を走らせ 水尾さんを尾行する「私」もさることながら、脇を固める仲間もまためちゃくちゃ痛くて愛おしいです笑 「鴨川等間隔の法則」を「哀しみの不規則配列」にする。 「京大生狩り」にあう。 恐怖の「Gキューブ」戦争。 他人の「夢玉」事件。 「大文字」が「犬文字」未遂事件。 なんじゃそりゃって感じですが、一つ一つ説明するほどのものではない(笑)さえない出来事にニヤニヤが止まりません。 誰にでも一つや二つあるだろう、枕に顔を埋めて叫びたくなるようなモダモダな、モダモダって表現あってる?わかんないけど、彼らの青春はそういうもので出来ていました。黒歴史と呼ぶにはあまりにも愛おしいすぎます。 仕事の休憩時間に読んでたんですが あまりにもニヤニヤしちゃうので「読む時はマスク必須だわ!」と次男に話したところ「あーね」と返されました。 イケてるイベントサークルに対抗するべく、イケてないイベントサークル「男汁」(なんか臭ってきそう笑)を結成しようとする男汁メンバーの各エピソードも面白いけど、 「私」の戦友(?)飾磨が大好き! 初めて出来た彼女との遊園地デートで、観覧車に乗り込んだ飾磨が、続いて乗ろうとした彼女を押しとどめ 「これは俺のゴンドラ」 と言って彼女を残して梅田の空を一周する『砂漠の俺作戦』。 意味わからんすぎて笑笑 「ブフ」って声出しちゃってマスク意味なし そう!彼らは総じて拗らせすぎている! だからね、クリスマスの夜、「ええじゃないか騒動」(飾磨発案、クリスマスの恋人たちを呪う暴動)の中、「私」がチラっと見えた水尾さんの後を追いかけ、騒動から逃れたシーンがね。 不意打ちのキュンにやられました。 「私」よ、どんだけ水尾さんのこと好きなんだよ…。 エモーーーーーーーーーーー!! 『私は色々なことを思い出す。 鴨川の河原を歩きながら、「ペアルックは厳禁しましょう。もし私がペアルックをしたがったら、殴り倒してでも止めて下さい」と言う。私の誕生日に「人間臨終図巻」をくれる。駅のホームで歩行ロボットの真似をして、ふわふわ不思議なステップを踏む。猫舌なので熱い味噌汁に氷を落とす。』 …もう好きじゃん ( •̥-•̥ ) 語彙力の神様が降りてくる気配がないので何と表現していいかわかりませんが 起承転結うますぎないか?!です! 数ページ前までマスクニヤニヤしてたのに… 初雪の降った夜、水尾さんの前髪に降りかかった雪を優しく払ったことを思い出すシーンが めちゃくちゃ好き。 『決して自分には酔うまいぞ。そう自分に言い聞かせながら、雪降る夜明けの町を歩き、しばらくうんうん頑張ってみたが、せめて今日ぐらいは自分に酔わせてくれと思って私は泣いた。』 わたしも泣いた。 読み終えてみれば これは最強の恋愛小説だった。 幻想的なラスト。 太陽の塔を見上げる水尾さんを目指して、春めいた野原を歩く「私」。 その後の二人の行く末は「悲しい別れの物語」って意見が圧倒的に多いけど、そうじゃない結末もあるのでは?と思ってしまうー。 「めっちゃ面白かったよー」と次男に感想を言った次の日の朝。わたしの積読本の1番上にそっと「夜は短し歩けよ乙女」が置いてありました。ありがたや。

    41
    投稿日: 2025.11.01
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    太陽の塔好きとしては見逃せない、森見登美彦のデビュー作。確かに、太陽の塔出てきたけどね、 あとはもうずっと「なにやってんの」の連発、デビュー作から森見節は炸裂していたんですね。京都の大学生ってこうなの?…読んでる間ずっと一緒に走ってたみたいな疲労感、でも嫌いじゃないですよこの感じ。

    10
    投稿日: 2025.10.16
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    かつて同じような青春を過ごした自分にとって、思わず主人公に同情するシーンが多々ありつつも、逆にここまで落ちぶれてもいなかった自分に安心もする。いずれにしても大学生という人種の痛々しさは皆共通なのだなと。

    3
    投稿日: 2025.10.12
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    何の気なしに読んだらなんと森見登美彦デビュー作。 デビュー作から森見登美彦ワールド炸裂といった印象。 男子学生の失恋を、ここまでコミカルに独特な表現で描けるのはやっぱり森見さん故。 こういうタイプのコミカルは表現、憧れるなぁ ゆかりの地・京都も最初からふんだんに描かれていて、さも故郷のように感じられる妙。 まだまだ引き続き作品を生み出していってもらいたいと思えるデビュー作だった。

    1
    投稿日: 2025.10.09
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    再読。 クリスマスの騒動に巻き込まれて、自身も「(もう)ええじゃないか」と水尾さんへの想いを断ち切ることができたのかな。

    0
    投稿日: 2025.10.07
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    森見登美彦の世界観が詰まったような作品。これがデビュー作かと驚いた。この人の作品読むと京都で学生生活送ってみたかったなといつも思う。主人公が別れた元カノ水尾さんを研究という名のストーカー行為から始まっていけてない大学生たちが不毛な妄想と活動を繰り広げていくのが滑稽だった。クリスマスイブというイベントを世間が強要してくるような感じに対抗するためにええじゃないか運動を起こす飾馬も最高だ。

    0
    投稿日: 2025.10.07
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    本との相性ってあるんだなぁ、と改めて思わされました。 世間では評判がいい作品でも、自分に合うとは限らないんですよね。 最初の50ページくらいまでは何とかついていけたんですが、それ以降はもうギブ…。 著者の崇高すぎる文章力についていけない自分に、圧倒的な読解力不足を痛感しました。 それでも一応最後まで読み切りました。 雰囲気的には「アオイホノオ」に似てるなぁと思ったんですが、私だけ? 主人公をホノオ君だと思って読んでいけば、ノリに乗れたのかもしれない。今となっては後の祭りですが(笑)。 タイトルの「太陽の塔」も、何かのメタファーなんだろうとは思うんですが、正直よくわからず…。 しかもそんなに登場しないんですよね、太陽の塔。 結論としては――著者のレベルについていけず、感想らしい感想が書けません。 なのでこの辺で終わりにします。 読解力を上げて出直してくるとしよう…。

    33
    投稿日: 2025.10.02
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    森見登美彦デビュー作。 あとがきで本上まなみさんが「へもい」という表現をしてくれていて、まさしく森見登美彦作品の主人公で登場する大学生は総じて「へもい」なと思いました! 愛だの恋だのを頑として認めず、戦わなくてもいいのでは?という相手と死闘を繰り広げる愛すべき主人公。 読み終わるとなんだかほっこり、そして何故か少し切ない気持ちにもなりました。

    1
    投稿日: 2025.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森見さんの作品は最初全然わからなくて、遠ざけてたんだけど、四畳半を読んで、その文章、世界観にはまってしまいました。 太陽の塔は、初期の作品ということですが、この世界が楽しくて一気に読みました。 叡山鉄道に乗って、彼女の夢の中に入る そこで 青々と繁る木々の向こうに太陽の塔が立っていた 宇宙遺産に指定されるべきだと彼女は語る ラストのクリスマス、ええじゃないかの大合唱、最高でした

    4
    投稿日: 2025.09.16
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    失恋した男子大学生の日常が描かれた小説。 作家デビュー作。 作中には「京都」「大学生」「四畳半」など、後の作品で目にした事のあるキーワードが登場し、まさに原点という感じがした。 独特の文体やユーモラスな表現は森見さんらしくて面白かったけれど、明確なストーリーがある訳ではなく、全体像を捉えるのが難しい作品だった。

    23
    投稿日: 2025.09.10
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    ●内容としては、失恋した男子大学生の陰鬱な青春コメディという感じだが、無駄に熱さがあり、爽快感すら覚える良作。

    1
    投稿日: 2025.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    四畳半神話体系の前身になった話と聞いて購入。 超絶難しく超しょうもないこと言ってる感じ大好き。 彼女の話が回想でも全然出ないから、なんで付き合ったのか、何で別れたのか辺りが謎ではあった。 でも、森見先生の書く、陰気で、自分が1番頭いいと勘違いしているアホな大学生たち大好き。 面白い。 全編通してホモソーシャルな話ではあるんだけど、嫌な感じはしない、何でだろう。

    0
    投稿日: 2025.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フラれた大学生が元彼女・水尾の影を追ったり、追わなかったりしながら、未練がましく駆け回る失恋コメディ。 これだけ聞くとなんとも情けない話ですが、この情けなくウジウジした心理描写を、あたかも高尚な思想のように韜晦して表現される事で、著者ならではの独特でユーモラスな文章が楽しめます。 一方で、物語全体の構成はやや散漫です。幻想的な叡山電車や夢に現れる太陽の塔といった描写は静謐で温かみがあり印象的ですが、それ以外の場面は突発的に始まるエピソードが多く、メインストーリーと噛み合っていない印象もあります。個々のエピソードはユーモラスで面白いものの、個人的には冗長さを感じました。デビュー作ならではの粗削りな魅力とも言えますが。 しかし、終盤に訪れる「ええじゃないか」騒動からの展開は魅力的でした。群衆の喧騒が「ええじゃないか」という言葉の繰り返しとして主人公の内面描写に入り込み、その騒ぎに反発する形で「ええわけがない」と水尾に会いに行く流れは、天邪鬼な主人公の気質と騒動の喧しさを上手く演出しています。 そしてラストで描かれる回想は特にお気に入りです。序盤のストーカーじみた遠巻きの視線から一転し、一緒に過ごした水尾との思い出を淡々と自然に並べる語りが、切なさと温もりを同時に湛えています。「傍らに座る私を置いて、夜ごと太陽の塔の夢を見る」という一文には、共に過ごした太陽の塔の思い出を大事にしてくれる嬉しさと、独り立ちしていく水尾への寂しさが凝縮されており、読後に深い余韻を残します。 総じて『太陽の塔』は、全体としては不揃いな部分もあり、完成度だけでいえば後年の『夜は短し歩けよ乙女』等の作品の方が上かもしれません。ただ、終盤の力強さは後年の代表作にも匹敵しない独自の輝きを放っています。著者の作風の原点を味わう意味でも、熱心なファンなら楽しめると思える一冊です。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★★★★☆面白かった。何でもないような出来事が独特の言い回しによって壮大に語られ、アホちゃうかとこちらもブツブツいいながら口元は笑ってしまうような本でした。世にも恐ろしいゴキブリキューブ、幻の猫ラーメン、太陽電池で半永久的に動く招き猫などなど。

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    四畳半シリーズと同様に京大生活が懐かしく感じられる本でした。 ただ、プレゼントを偽装してGを送りあうシーンには戦慄しました。

    4
    投稿日: 2025.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容はいつもの非モテ京大生のホモソ呪詛が多めなんだけれど、さすがの文才でテンポよくするする読めてしまう。 最後あたり、ようやく主人公が本音を出してくれて夢か現かじんわりとした光景で幕を閉じるのは幻想的だった。

    1
    投稿日: 2025.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学生の青春小説。ページ数も短くあっさり読み終えました。主人公の日記形式になっており、フレーズ一つひとつが面白かった。また終わり方がハッピーエンドというよりは切ない感じだったことから、これもまた青春だという気持ちになりました。

    3
    投稿日: 2025.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始め→言ってることが面白い 少し後→自信満々に聞こえて耳障りになる 中間あたり→言葉や語り口調は保身?と感じる  それからかなり後→切なく聞こえてきた ゴキブリキューブに騙された時は、冗談でしょう?と 思ったほど間抜けで驚いたけど、悪い人じゃないんだ ろうと思った。 個性的な同級生や先輩の話をするときに自信のなさも 窺えて、最初に抱いていたフラれたことに納得がいか ないストーカーという印象が完全になくなっていた。 遠藤のことを応援したり…最後は切ない感情が湧いた。 でも、太陽の塔に関しては共感も理解もできなかった。 招き猫は完全にアウトだわ。

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    森見登美彦さんらしさ炸裂 くだらなくておもしろい 昭和に生まれ、平成時代に大学生だった私の周りのサークル男子もこんな雰囲気だったわ 今の男子大学生にもこんな人たちいるのかな あの頃の大学生にとってのクリスマスって本当に重要でしたよね

    12
    投稿日: 2025.07.14
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    本当に素晴らしい読書時間だった! 男子校の学生時代を呼び起こすような、頭のいいバカたちの雰囲気と言葉使い。前半は電車で声が出そうなほどおもしろい。 あのツンデレ感は王道だが、知性と表現力で飽きがこない。 そして、9割がたのらりくらりと進んでいた文章が「ええじゃないか騒動」でとたんに熱を帯びる。あそこの表現から、そしてラストまでほんとうに素晴らしい文章だった。 最初の文と、ラストの文の接続も、腑に落ちる。 はじめにみてしまったら、なんだそんなことかと言いそうな別に特別な言葉ではないのに、一連の物語を経て、それでしか得られない理解と感情が芽生える。

    1
    投稿日: 2025.07.12
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    森見さんの作品をアニメで見て面白いと思い、これは本も読んでみなくては!と挑戦しました。この世界観はやはり文章でも変わらないんだと実感。 とにかく面白かったです。

    13
    投稿日: 2025.07.02
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    一文読むだけで誰が作者かすぐに分かる個性的な文体と奇抜な表現は流石だと思う。水尾さんの人物像が凄く曖昧で、あまり語られないのが、もう彼女は思い出の一部であり幻想の一種のように感じられて良かった。あと京都に住んだことないのに、描写が細かくて京都の優雅な雰囲気を感じられて心地よかった。あんまり刺さらない内容だったけど文体を直に感じるのは楽しかった!最後の「ええじゃないか」が文章の隙間にたくさん入ってるの、カオスを感じる騒音の中躍動感あふれる描写を想像できてすっごい好き。

    4
    投稿日: 2025.06.27
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    森見登美彦の作品を、初めて読み切れた気がします。 おそらく1文に含まれている、思考と知識とユーモアが多すぎて私の脳では処理できないからなんだと思います。 でも、好きな言い回しもあり、世界観はやっぱり好きで。

    1
    投稿日: 2025.05.30
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    クスクス笑える 叡山電車や猫ラーメンなどなど 森見さんの原点を読めてよかった。 総じてよくわからん話だったが森見さんだから許される。

    12
    投稿日: 2025.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・最高だった! ホモソーシャルを描く作品の中でも、かなり好きな描かれ方だったような感じがする! 主人公が飾磨に彼女に振られたことを伝えた時の、「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産み出した。その分は勿論、俺が頂く。」というセリフは今まで読んだ小説の中でもかなり好きな方かもしれない。 ホモソーシャルの紐帯はあくまで競争を前提にしていて、たがいを気遣いつつも戦友なのだ。親友というよりは戦友。 ・飾磨は登場シーンからよかった。「二十歳の自分」を書いて粘土に埋め、後から掘り起こす“夢玉”ってなんだよ、タイムカプセルじゃダメなのかよ。と思うし、その後の「夢なくしちまったよ、俺」も最高。 ・妄想的債鬼:湯島←何これ ・p.91「ここでゴキブリキューブの登場である。」←こんなワクワクする章の書き出しがあるか? ・水尾さんの描写はそんなに多くないけど、確実に魅力的な女性なのがわかるのがよかった。「これで私も雀を食べた女ですね」とか気に入らないプレゼントにしっかりもの言う感じとか、上級生の変なやつにも対等に話しかける感じとか、正直オタクは全員好きになってしまうタイプの女の子だと思う。あえてヒロインとして神聖視するつもりはない、こういう女は怖いから… ・遠藤も意味分からんウジウジさでよかったな、主人公含む男汁四人衆が他から隔絶されているが、遠藤も間違いなくそちら側の素養があると思う。映画を通して欲望を昇華している感じもする。 ・水尾さんと付き合うまでの物語ではなく、別れてからの物語なのが、とても良かったと思いました。 ・すごくユーモラスで情景描写の上手い青春小説なんだけど、水尾さんの夢のくだりとかはそこに留まらない説明不能な魅力を放っていた……………… ・よかった! しかしまあ高校生の時に読んでおきたかった〜最近そういう小説によく出会う。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    森見作品の原点にして、王道という感じ。面白い。 登場人物がしっかりとひねくれてて、右往左往しまくるのが、なんとも可笑しい。

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    森見節が心地よい。偏屈な主人公のくだらなくて可笑しい妄想と独白を長々と聞かされているだけかと思ったら、ラストに不覚にもキュンとさせられる。良い小説を読んだ。

    2
    投稿日: 2025.05.04
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    本屋でお薦めになっていたのが出会い。 本との出会いは、人との出会いに似ている。 出会った時点で何か縁があるのだ。 良い出会いも悪い出会いもあるがそれも縁。 今回は良い縁に恵まれた。 大学生活。京都。妄想。失恋。 そんな青春もいい。 あの頃に重なったり、離れたり。 ジョニーという言い回し。素敵だ。

    1
    投稿日: 2025.04.06
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    森見登美彦の文章ほんとにだいすき。 一文一文の情報量めちゃくちゃ多いし知識の暴力すぎて堪らないです。楽しいなー。 面白可笑しい大学生の日常って感じで良かった! どこか歪んだ愛らしいキャラばっかりで楽しい。 ちょくちょくファンタジー混ざって何が起きてるか分かりませんでした。

    4
    投稿日: 2025.04.05
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    森見さんの四畳半神話大系を先に読んでいたので、色々重なってびっくり。調べたら太陽の塔と似たように書いたそう、ゴキブリキューブ久しぶり。 面白かった。これを大学院生だった森見さんが書いていたのか、すごいなー!知らない言葉がたくさんあったから調べながら読んだ。私は好きな文体。

    0
    投稿日: 2025.03.24
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    読み始めから森見先生の作品らしく非常に個性的な登場人物ばかりだなという印象でした笑 特に主人公にはツッコみ所満載で何をやってるんだという感想がほとんどでした。 (といっても嫌いにはなれず、時折同意したくなる箇所もありました笑) 失恋した人、失恋予定の人にオススメされていますが、該当しない人にも是非読んでみてほしい作品です。

    10
    投稿日: 2025.03.23
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    この作者の書く文章がとても自分好みでしばらく読み漁った記憶がある。 「サンタクロースを数匹仕留めて、サンタ鍋をやろうと思っていた。」 この部分がお気に入り。

    1
    投稿日: 2025.03.09
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    森見先生デビュー作。地味でもなんだか楽しそうな日常。圧巻の「ええじゃないか騒動」。最後の数ページのほろ苦い恋の思い出と締め括りは最高でした。 高い志と旺盛な妄想力とガラスのハートを併せ持つちょい残念な京都の学生達。すべてはここから始まったんですね。 "幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産み出した。その分は勿論、俺が頂く。"

    3
    投稿日: 2025.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男子大学生の日常を扱ったような 以前の恋人をストーカーした際に、 男性に見つかったが、その人もストーカーだった。 虫を使ってお互いイタズラしたりするシーンが衝撃的だった。

    0
    投稿日: 2025.02.11
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    文体は近代小説の空気を携えているのにやっていることは今どきの冴えない大学生、でも京大生の誇りから頭でっかちに大層なことを言う。そこのチグハグさにいよいよ等身大の大学生を思わせられて素晴らしかったです。京都の情景も浮かびます。、

    0
    投稿日: 2025.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    四畳半や夜は短しが好きだったので読んだ。 上記2作と同じく京都を舞台にしていて、全シリーズを読んでいると様々な繋がりが見えてニヤリとしてしまった。 森見節全開の文章で、語られているのはストーカーチックな物語なのに、全てが面白いに集約される。 京都×冴えない大学生×森見でしか味わえない満足感

    1
    投稿日: 2025.02.05
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    始まりはストーカーじみていて、読むのを止めようかと思わせた。ただ文章は森見節で綴られていて面白い。叡山電車のくだりはよく分からない。

    0
    投稿日: 2025.01.30
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    現実に水尾さんみたいな人がいたら好きになる気がする。変人ではあるがどこか人間的な魅力がある人。 男が振られる理由なんて、分からないよね。それを悩み続けて生きていくのかな。 森見登美彦作品らしく、決して楽しいことばかりではない人生を、楽しく生きてるように感じさせてくれる作品。まあ本当に楽しいのだろうけど。

    0
    投稿日: 2025.01.20
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    面白かった。この数週間で10冊ほど読んだが、その中でも個人的に一番面白かった。 ストーリー自体も面白いが、やはり主人公の思考の表現、文体が特に面白い。拗らせ京都大学生の思考を覗き見している感覚だ。拗らせているが、それが全く苦しくなく、その自己肯定感の高さからポップでユーモラスに楽しむことができる。 また突然展開するファンタジーな部分も面白い。男4人から逃げ回った後の遠藤など、ええじゃないかのくだりなど。 とにかく読んでいるだけで面白い。表現、文体、セリフ、展開に笑わらせることをこえて感嘆してしまう。 そして、この面白さを表現し切ることすらできない自分の文章力や言語化力が悔やまれる。

    1
    投稿日: 2025.01.18
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    正直、すごく読みにくかったです。 私にとって小難しい表現、漢字が多用されており、そのことで読むテンポが乱され、結果話が入ってきにくい。 しかし、その小難しさこそ、いわゆる「こじらせてる」主人公たちの性格をよく表しているのですが、まあ読みにくい。 内容的には、モテない男子は一度は抱いたことはあるであろう、華やいだクリスマス、もといそれに浮かれる街の人々、カップルたちになんとか抗おうとするという話。 私自身も昔、この話ほどではないですがクリスマスに抗おうとした1人でしたが…なんでこんなことしたのかな、若気の至りという一言では片付けられない、恥ずかしい過去。 しかし、読みにくいながらも、改めて時間をおいて振り返ると、なぜか主人公たちが愛おしく感じられる、そんなお話でした。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 京大生ならここまでの性格はかくありなんという感じの日常でファンタジーとは?となったが、途中の水尾さんの夢に叡山電車から太陽の塔で遠藤と入り込む所と、最後のクリスマスイブのあり得ないええじゃないか騒動らへんは、ファンタジーなのかな? 大きな話が動くというより日常が描かれている。京都の懐かしい地名がたくさん出てきてよかった。 独特の文体で好き嫌いは分かれそう。

    0
    投稿日: 2025.01.08
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    主人公による、主人公のための、元カノ観察記録という非常にアブナイ独白日記の体をなしているが、その実は圧倒的なボキャブラリーで笑いのツボをフルボッコにしてくる秀作。自分に酔うまい、と意識する自分に酔ってしまうという矛盾を上手に文章に落とし込んでいる。 水尾さんという女性に恋をした主人公の、失恋と再生の物語。うーん、こう書くと何とも月並み。聖夜のええじゃないか運動、詭弁論者たちの祭典、·····こう書くと感想が途端に宇宙語になる。何をしているんだかまるで分からない。でも大丈夫、それが森見登美彦ワールド。 「異次元宇宙の彼方から突如飛来し、ずうんと大地に降り立って動かなくなり、もう我々人類には手のほどこしようもなくなってしまったという雰囲気の宇宙遺産」。太陽の塔をこんな言葉で表現する人がいただろうか。 圧倒的で確かな質量を持っていながら、どこか存在が曖昧で掴みどころがない。主人公から見て、水尾さんはそんなふうに映っていたんだろうな。水尾さん、もとい恋に向かい合った瞬間に感じる得体の知れなさ。それは宇宙に向かい合った時に感じる、自我の脆さに通じているのかもしれない。 森見登美彦さんの作品は「不思議でよく理解できないけど、まあ、そういうもんなのね」と、いい意味で情報を脇に置くスキルが必要な気がする。そんな不思議な重力と輝きを持った作品。深く考えず、ボキャブラリーの海に身を委ねてみてはどうでしょう。

    4
    投稿日: 2025.01.08
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    森見ファンの同期から借りた一冊。男子大学生あるある、なのかどうかは分からないけど笑、愛すべきバカを描いたら森見さんの右に出る者はいないんじゃないかな。ただ、こんなにもバカなのに、水尾さんのことはちゃんと好きだったんだなあと思うと最後は少し切なかった。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    ずっと何の話をしているんだろう…という感じで頭に全然入ってこなかった 女子だから男子大学生の男汁の話は理解できないのかもしれない

    0
    投稿日: 2024.12.12
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    声に出して笑いたくなるくらい面白かった これが恋愛小説とファンタジー小説にカテゴライズされるという事実がもう面白い 陰キャ拗らせた京大生が陰キャ仲間と陰極まるイベントしたり、元カノのストーカー2号(1号は一体誰なんでしょうね……)とあまりにも不毛な嫌がらせ合戦をしたりする世界一陰気なエンターテイメント小説 世の中にはまだまだ自分が知らない「面白い」の形があると知った

    0
    投稿日: 2024.11.21
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    声を出して笑った思い出深い1冊。 文章で笑わせてくるとは、さすが森見登美彦先生。 独特なめんどくさい言い回しがとても好き。

    1
    投稿日: 2024.11.16
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    この本に興味があって購入して直ぐに読み始めた。作者の京大時代の日記だと思った。難しい言葉使いやくどい言い方がどうかな?と思う反面、面白く読ませてもらった。 タイトルは、後半「ええじゃないか」の方がいいかもと思ったが、最後まで読むとやはり「太陽の塔」だと思った。 なぜなら、彼女に対する主人公の心の思いが太陽の塔になぞらえてたからだ。

    0
    投稿日: 2024.10.03
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    自分も間違っていると自覚しながらも直し方がわからない。言い訳と詭弁ばかりが上手くなる。だからこそ尊くて心配になる。関わりたくないけど愛おしいという矛盾をありがとう。

    0
    投稿日: 2024.08.19
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    振られた男子大学生の冬の独白的な物語。あらすじは一言で表すことのできるくらいさっぱりしているが、森見登美彦ならではの言葉遣い、心情の表現方法、ワクワクするファンタジー加減で愛おしいと感じる物語だった。

    0
    投稿日: 2024.07.31
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    京都を舞台に大学休学中の私の独白オンリーなファンタジー。当初はストーカー日記かと慄きますが、途中からはくだらなく、事実と妄想が入り混じる(事実が含まれているかはサッパリわかりませんが)展開となり、結果あっという間に読まされてしまいました。でも、この後に書かれてた『夜は短し歩けよ乙女』とかの方がまだまとまりがあった気がします。ま、この辺は好みなんでしょうが。

    1
    投稿日: 2024.07.27
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    夜は短し歩けよ乙女、 四畳半神話大系を中学生の頃読んで以来に読んだ。 こんなに面白かったっけ? よくこんな言い回し思いつくなあと、ニヤニヤしながら読んだ。 伏線回収のあるロマンチックな話、とかも面白そうなのに、どの本もモテない男が右往左往してるテーマな気がする…。そういう縛りでも設けてるんですか?

    0
    投稿日: 2024.07.21
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    登場人物がみんな個性的でよかった。個人的には井戸をもっと出してほしかったな…あまり考えずに読んでいたから最後の解釈であれ?となってしまったので、また読みたいです。

    1
    投稿日: 2024.07.15
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    ひどい話だった(褒め言葉) ひどい話だったけど、間違いなく面白い話だった。これ、読む人が読んだら耐えきれなくて挫折するんじゃないかな…。 どうやったらこんな言い回しで、こんなにひどい話が書けるんだろう…笑ただでさえ拗らせていたのに、初めての彼女に振られたことがトドメになって、さらに拗らせに拗らせた男子大学生の独白だったけど、そもそもそういう男しか出てこないしそれが面白いと思えるのは、わたしが第三者のつもりだからなのかな。どうしようもなさすぎて、ところどころ声出して笑ってしまった。でもいつの時代も、こういう斜に構えて、逆張りしまくる拗らせたどうしようもない大学生っていそうな気がする。 でも最後の最後にどうでもええわけないって思ったところはちょっと良かったな〜。

    0
    投稿日: 2024.06.29
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    ⭐︎⒉5くらい 何を言っているのかよくわからなかった もう青春小説が面白いと思わない年になってしまったな…と思った

    0
    投稿日: 2024.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久し振りに森見氏の作品を読みました。 森見氏の作品といえば、a)京都が舞台、b)主人公はオタク系の大学生、という路線です。で、実は本作がデビュー作とのこと。ああ、これが原型なのね、とひとりごちつつ読了。 本作、端的に言えば、中二病を引きずったまま頭の良い大学生になっちゃった男性の、こじらせ日記、みたいな印象です。 ・・・ 主人公「私」は、女性に切望的に縁のない大学生活を送る三回生で、しかも一度できた恋人「水尾さん」に振られたという設定。その彼の、華のない友人たちとの、クリスマス前後の日々が描かれます。 ・・・ なんというか、私の友人にいそうなタイプ。 主人公の「私」のひねくれ具合がヤバい笑 というか、こういう奴、いたなあ、という感じ。 彼女が欲しいのに、頑張らない。彼女がいるやつを何なら見下す。そのくせやっぱりエロいこと好きだし、興味もあるのに、それを何のかのと、難関な論理でもって説明する笑 つまり頭はいいのに、ちょっと素直じゃない笑 私なぞは男子校に通っていたため、必然的に女子に窮乏し、果ては大学に入っても長らく彼女が出来なかったので、主人公の気持ちがイタイほど分かる! 否、俺の気持ちを代弁してくれてんの?みたいな(んなことはないでしょうが)。 ・・・ でもやっぱり、こういう男子はモてないよねえ、と思います!だってほら、会話してても面白くなさそう笑 しかしながら、あとがきを書いている本上まなみ氏によると「へもい」らしい。それ以外にも、肯定的な表現がたくさん! まあ余所行きの表現でしょうが、これを読んだネクラたちは全員本上まなみファンになったことでしょう。 奇しくも作中の主人公の愛車(チャリ)も「まなみ号」。編集者が気を利かせたのかわかりませんが、あとがきの配役としても味のあるアレンジでありました。 ・・・ ということで森見氏のデビュー作でした。大学生の話はいつ読んでもいいですね。若い時を思い出します。男だけのくさい友情も楽しいものです。 京都にご縁のある方、大学生の方、大学生活を懐かしいと思う方、ちょっとオクテな男性にはお勧めできる本です。

    3
    投稿日: 2024.06.15
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    喪男院生のクリスマス奔走劇。 今風に言うならヲタサーのヲタのクリスマスを巡る日々、って感じ。 頭が回るが故に理屈っぽく、女性とのやり取り選択が全て間違っている。いや、でも私もそんな時期もあったよな、と言う感じの一冊。 周りのメンバーも含めて、いい意味で類は友を呼ぶで、私のモテない青春を思い出し、苦味の奥に甘味を噛み締め読了。 得たもの?そんなものないよ。 あの頃の自分に帰れた、それだけでいい。 評価は低くしたが、あの頃にふと戻りたくなったら、また手に取るだろう。 顰めっ面で薄目を開けながら開いたアルバムのような一冊でした。

    1
    投稿日: 2024.06.11
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    森見登美彦が描く不器用で愛くるしい大学生像が確率されたデビュー作 『他者の視線ごときに誇りを粉砕されてはならない』 『僕はまずそのエネルギーをつかって、鴨川に座ってる男女を焼き払います』 私もいつか鴨川等間隔の法則を間近で見てみたいものである。

    0
    投稿日: 2024.05.23
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    (再読) 「高校の時に読んで、京都にある大学へ進もうと決めたんだ。」と、先生から勧めてもらった。 大学一年の初夏だった。 京都でもなんでもない、某県の大学生になってしまった後に。よくぞ。 たしかに、京都へ進学したくなるほど面白かったので、まあよしとした。

    0
    投稿日: 2024.05.03
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    京大生ならでは?の、自尊心が高いのに自信がなく、捻くれた者の極みのような文体が一風変わった作風を生み出している。京大生としてはローカルな情景がふんだんに出てきてたまらない

    0
    投稿日: 2024.04.29
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    「飾磨は教科書の詰まっているらしい鞄をぽんぽんと叩いて、『俺はそのあたりのマクドで勉強してから帰る』と言った。『次に会うのはいつだろう?』と私は尋ねた。 『忘年会をやるんだろ。植松さんから聞いた」飾磨は言った。 『じゃ、その時に会うか』 『おう』 『じゃあ』 『じゃあな。俺はこっちへ行く』」

    0
    投稿日: 2024.04.23
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     森見登美彦さんの本作(2003)は、デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作。実は『夜は短し歩けよ乙女』『熱帯』が私にあまり響かず、本作にリベンジです。復讐ではありません。  あぁ何だろうコイツ、嫌なタイプだな‥。何せ冒頭から、「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ」という手記の体裁で始まるのですから‥。  独善ぶり、道徳的優位性感情、高慢さを発揮する「私」は、京都大学を休学中の五回生です。  モテたいのにモテない。(当然だよね?) それでも彼は、「自分がモテないのは世間のほうがまちがっている」とのたまう。(は?) そんな彼にも、奇跡的に彼女・水尾さんがいた時期があり、数ヶ月で玉砕。拒否された事実が解せず、「水尾さん研究」と称して観察を続ける。(完璧なストーカーですよね?) しかし彼にとっては、謎を究明する知的人間の正当な行為なのでした。(すごい理屈!)  他にも、冷静な研究のために対象との直接的接触は避ける(むむっ、ギリセーフか?) 彼女は私の偉大さを理解できないがゆえに否定せざるを得なかった。これは研究であり、断ち切れない恋心とは無縁(おめでたい!) 自分が稀有な存在で選ばれた人間(ウケるー!) この手記が万人の共感を得るはず(この自信はどこから来る?)等々‥  こんなふうに、彼の主観と側から見た客観はことごとくズレていて、もはや不快さを超越した奇想天外のギャグです。もしかしたら、これらを笑えるか腹を立てるかが、本作を好むか好まざるかの分岐かもしれません。  個人的には、内容のコミカルさにニヤリとはするものの、少し堅苦しい文章で、やはり響いた感が今一つ得られませんでした。ごめんなさい。  でも、終末に見せる哀愁漂い、かつ爽やかな雰囲気はよかったです。それに、水尾さんがゾッコンする「太陽の塔」に対しては畏怖し、愛しつつ幻影を見るんですね。  同じ学生生活を描いた伊坂幸太郎さんの『砂漠』や、同じ京大出身で京都所縁で作風が似てる(?)万城目学さんを思い浮かべました。  まさか「きのこの山」×「たけのこの里」論争じゃあるまいし、好みの問題ですね。

    69
    投稿日: 2024.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    語彙力がある人の捻くれた視点や文章見るの面白かった。めちゃめちゃ遠回りしながら進む話もたまにはええじゃないかと思った。

    2
    投稿日: 2024.04.07
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    腐れ大学生。 序盤から森見節炸裂。 夜は短し、四畳半とかと比べるとどこか寂しい。 特に終盤。ハッピーエンドではない気がするし。 でも現実ってそんなもんなんだろうなと思った。

    2
    投稿日: 2024.03.07
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    「生きよ、(けれども少しは)恥じよ」 よくある大学生の失恋物語だが、作者のセンスある言い回しと奇妙奇天烈の事件も相まってここひとつにしかない失恋ファンタジーという名の世界を作り上げてる。要所要所にツッコミ満載の事件が散りばめられていて最後まで飽きさせてくれなかった。

    5
    投稿日: 2024.03.01
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    初めて森見登美彦さんの作品を読んでみた。同郷なので気になって読んでみたが、なんか独特の世界観が炸裂して最初はついて行くのがしんどかった。でも後半はこのバカさ加減が気持ちよくなってきたので次も読んでみたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森見作者の処女作であり、裏表紙の内容説明に惹かれて購入しました。作者原作のアニメが多くあり、アニメ(映像作品)→原作の購入の流れが多かったのですが、今回初めて原作からその世界観に触れることになりました。一人の大学生の物語、フラれた男の子の物語、ただその街に住んでいる青年の物語、今この瞬間にもどこかで起きていそうなありきたりな物語だけどファンタジーノベル大賞受賞作。現実と空想の物語。どこから現実でどこまでが空想なのかが分からなくなってしまいそうになる。 以下勝手に解釈したもの。これが正解だとは思わないけど、自分ではこれが一番納得した考察  初めてできた彼女にフラれた私は、その後彼女の幻影を追いかけるようになる。だから彼女に会って何かするとかはない。進展もない。ずっと過去を振り返っている。私は、間違っていない人間だからフラれた事を何かの間違いだと思っている。だから彼女と行動を共にした期間を思い出しながら振り返るだけ。それがずっと続く。 転機になるのは「ええじゃないか騒動」 そこで作中初めて現実の今現在の彼女が描写がされる。空想ではなく現実の彼女へ声を掛け、手を取ろうとするがそれは叶わない。そこで気づく、現実を直視する。隣には彼女はもういない。妄想するのは自由だが何も現実は変わることはない。そこに気づくまでに長い時間がかかった大学生の物語。

    0
    投稿日: 2024.02.24
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    第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した森見登美彦の長編小説。ファンタジー小説?ファンタジー=妄想ならばそれは正しいジャンル分けかもしれない。 失恋した京大生である主人公が、ストーカーまがいなことも行いつつ、非モテ男性どもと鬱々とした学生生活を送る姿を描く物語である。文学作品的な語り口や、京都という地域が持つ雰囲気の描写により、高尚な小説を読んでいる気になるが、真面目に読んでいると、「おや?なんか違うぞ?」と途中で気づく。「一体何を読まされているんだ!」という少なくない絶望感と後悔。大丈夫、森見登美彦作品では基本仕様なので、慣れて行こう。基本的に、全編通してふざけている。 この物語を読んでいると、自分の大学生時代を思い出す。まだ社会に出ておらず何者でもない時間。お金はないけど時間だけはたっぷりあって、妄想や考えることばかりやって、悶々としていた人生の中での休憩時間。社会に出ていなからこそ持てる万能感、自分最強、本当は俺はもっとすごい感。とってもよくわかる。 同じ感覚を持つ同級生たちとの自室での飲み会の不毛さ。大学生活ってもっとキラキラ充実したものだったはずなのに、とぼやきながら。男どもが集まってバカなことをやろうと言い出す感じ。そう、バカが許されると思っていたあの感じがとても共感できて可愛くもあり、恥ずかしくもある。行け!稲中卓球部を読んでいるような。 物語後半で同級生飾磨が計画するクリスマスイブの「ええじゃないか騒動」小さな声から始まる声かけ、1人また1人と同調する人が増え、次第に町中全部を巻き込んだ大きな波となり、そのうねりの迫力はすごい。だがそれが何だというのだろうか。わからん! キラキラファンタジー小説ではなくドロドロ悶々妄想小説である。だがそれがいい。良書。

    9
    投稿日: 2024.02.24
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    森見ワールドが良い。時折出てくる妄想グセが著者の色を濃厚に抽出している。 京大生だからもあるのか? 一部の男子特有の、捻くれた自分肯定が発揮され、類は友を呼ぶとは、まさにこの通りというような私と友人たち。 女にはモテないかもしれないが、自分に浸ってる我々が一番素直で人間らしい生き方をしている、誇りですらあると。 それでも、時折世間一般の幸せや、大好きなあの子を追いかけたい気持ちはあり、自分自身は逃げているだけなのかと辛くなってしまう。 自分でも自分のことよくわからないんだよと、どんな姿が見れて仲間が増えたというか勇気をもらえた。 初雪、彼女の前髪の雪を払ったお前 かっこいいぞ!!

    2
    投稿日: 2024.02.09
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    主人公は京都で学生生活を送る休学中の大学 5 回生の男。本上まなみさんの解説でも書かれている通り、「大学生の日常ともやもやが、主人公の視点でじっくり語られていきます」。私自身も過去に大学生活を送った経験があり、懐かしい感情が湧き上がってきた。そして、思い出したいような思い出したくないような当時の記憶が蘇ってきた。文章自体も「豊富なボキャブラリーや凝った言い回し」(またもや本上まなみさんの解説から引用で恐縮ではあるが)などが非常に面白く読み進めている間は主にそれを楽しみ、読後にはじわじわとノスタルジーを感じるような作品であった。

    0
    投稿日: 2024.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    声に出して読みたくなる文章だらけだ!! なんだこの本は。太陽の塔、実物見ておいて本当に良かった。あんなに存在感があって、不可思議で、理解し難いものはないし、私にとっての水尾さんは最後まで太陽の塔だったんだね。ずっとそこにいる、目の前にいるけれども、彼女のことを永遠に理解することができないんだね。あんなふざけ倒してばかりだったのに、最後の2ページでこんなにも胸が締め付けられるなんて思わなかった。大好きな小説!

    2
    投稿日: 2024.01.24
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    四畳半神話大系を一気見してから初めて森見登美彦さんの活字に触れました。 文章がいちいち最高で、お気に入りの箇所を反芻しました。 別作品も読もうと思います

    1
    投稿日: 2024.01.12
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    ただの怠惰な学生の手記、なのだけれど めくるめく京都の風景描写や友人・元恋人を巡る奇妙な関係が面白くちょうど今の季節(大晦日に読みました)にもハマり楽しめました。 寒い季節にヌクヌクしながら読むと、ますます夢感が高まる気がします。

    9
    投稿日: 2023.12.31
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    主人公に対する人物評は、めんどくせぇ〜〜〜でした。京大生の脳内を掃き出すと、こんなんになるの、疲れそうだな。 夢?妄想?の話が織り混ざってて、読み進めるの苦労

    1
    投稿日: 2023.12.30
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    「クリスマスなんてクソ喰らえ」な同士達に捧ぐ、超絶スペクタクル失恋拗らせ奇譚。愛すべきひねくれ野郎共にラーメン奢ってあげたい。

    0
    投稿日: 2023.12.24
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    さえない学生の日常かと思えば、ファンタジー要素もあり、誰が何をしていて、いつの話であるかがハッキリしないような印象。難解な語彙を多用しており、一層複雑にしている。面白い部分もなく、平坦に物語が進む。作者の描く世界観と根本的に合わないのかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    堕落した大学生の煩悩を豊富な知識から色んな言い回しで書かれているのがやはり魅力的。 男同士で鍋を囲んで会話している場面も良いのに、最後のええじゃないかの場面では青春小説を読んでいるような熱い気持ちになり、そのギャップを楽しめた。 騒がしさを「ええじゃないか」を文中に大量に入れることで表し、その喧騒の中で水尾さんへの思いを正直に吐露する"私"の構図がとても良い。その最高潮の盛り上がりの後、スっと爽やかなエピローグに入るのが、この心地よい読後感を生んでいると思う。

    1
    投稿日: 2023.12.08
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    うーん、私には合わなかったのか、なかなか最後まで読み進めるのに苦労しました。 「夜は短し〜」と文体は似ていますが、登場人物たちが総じて卑屈な感じがして、時折面白い部分もありましたが、結局よくわからないまま読了。 本上まなみさんの解説の方がよく分かりました。

    45
    投稿日: 2023.12.02
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    昨日京都大学北部祭にて森見登美彦さんインタビューを聞いて来たのでそれと絡めてお話しします。 インタビューの際にこのデビュー作である「太陽の塔」をよく出されていました、それくらい森見先生にとっては特別な作品なのでしょう。 作中に出てくる主人公は森見先生の人物像に1番近いらしく、当時はさぶざぶしい大学生だったそうです。「太陽の塔」を気にデビューが決まってから大学の研究はあまりやらなかったそうです笑 またヒロインに関してもちゃんと女性を描くのは恥ずかしいそうであまり触れないようにしていたみたいです、なんだか本当に主人公みたいですね! まさに森見登美彦の原点であり、特別と言えるのではないでしょうか。星四つです笑

    4
    投稿日: 2023.11.26
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    本当に最高。 こんなに素敵な大学生活ってあるのか。 京都に住みたくなってしまう。 ゴキブリキューブ、京大生狩り、叡山電車、下鴨幽水荘、 猫ラーメン… どれもこれも憧れてしまう。 どんなところからそんな造語が飛び出てくるのか。 叡山電車の描写が本当に綺麗で、乗りたいなあと思った。私も、夢の中へ行くときには何か電車とか、乗り物に乗って行っているのだろうか。そうだったらいいなあ。 物語の終盤も、本当に綺麗で、切なくて、読んでほしい。 恋したごときで何を威張るか。 恋する者はそんなに偉いか。 私は森見作品の中で、太陽の塔が一番好きだと思う。

    0
    投稿日: 2023.11.07
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    1作目なんですね。京都の街の中の風景が目に浮かびます。あー、学生時代に戻りたい。と思いながら楽しく読みました。

    1
    投稿日: 2023.10.27
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    面白かったけど、他の森見登美彦さんの作品にあるキャラクターの個性の豊かさとか場面がコロコロ変わっていくストーリーの軽快さとかの良い意味でのクセがあまりなかった印象。太陽の塔に行ってみたいなと思いました

    1
    投稿日: 2023.10.23
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    森見登美彦さんの作品は大衆文学として分類されることが多いが、個人的には立派な純文学だと思う。 これが純文学じゃなければ、「ライ麦畑でつかまえて」も、「デビッド・カッパーフィールド」も純文学じゃないことになる。アンチ恋愛と見せかけての恋愛小説、と見せかけた青春小説、よく考えたら、「ライ麦畑でつかまえて」精神そのものじゃないかと思う。どうでも良いけど、この作品はファンタジー大賞を受賞したらしい。理由はいまいち分からないが、あのシーンをファンタジーと言うのは強引過ぎないか?ただの文学表現の手法じゃないですか。 まあ、それはともかく、京都の大学生じゃなくても、日本の大学を経験した人は共感できることばかりで、文章も個性的で大好きな作品でした。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    太陽の塔 森見登美彦 何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。時はクリスマス、鴨川沿いに等間隔に並ぶカップルを蹴散らし(?)サンタクロースを追い回し(?)私を袖に振った水尾さんを研究する(???)ええじゃないか!ええじゃないか!#読了 9/21

    1
    投稿日: 2023.09.22
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    2008年02月07日 16:43 評価を2にしたけど、いつもつける評価2とは違う何かがこの小説にはあった。 はっきり言って、つまらない。くだらない。 しかし、何か心に残る。 言い方とか表現が、悔しくも心に刻み込まれた。 不満なのは、もうちょっと水尾さんについて書いてほしかったこと。 自分のことばかりで結局、水尾さんというのがどういう人なのかよく分からなかった。 「私、部屋に余計なものが増えるのは嫌です」は笑えたけど。 馬鹿すぎて心に残る小説です。

    0
    投稿日: 2023.08.12
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    やっぱり森見さんの紡ぐ文字が好きだなぁ、、と思う一作でした。 失恋をした一人の青年の曲がったこころの、再生までを描くセラピー小説でしたねぇ、、。 文士的な語り口は、冴えない独白小説を色づいて奥ゆかしく、もどかしさをも含む作品に仕上がってました。

    3
    投稿日: 2023.08.11
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    一言で言うと、男の馬鹿馬鹿しさ。 なかなか恋愛をこう言う風に表現するのは、面白い。 ただ私の期待値ほどでは無かったー

    1
    投稿日: 2023.08.05
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    「夜は短し歩けよ乙女」の前作。ストーリーに続くものはないが、こいだのまねき猫だののアイテムは両作に共通していて、京都にこれらは絶対なのか?と思った。それとも著者が好きなだけか… 就活の合間に読んで一息リフレッシュ。…するのがモテない男たちの話というのがなんだか情けない気もするが。 まあいっか、おもしろかったんだし。

    3
    投稿日: 2023.08.05
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    『夜は短し』のように水尾さん視点のお話も読んでみたいな。どうやって籠絡されてしまったのか。 森見さんのお話に出てくる、プライド高く屹立しつつ自虐的な面もある私の語りは読むたびに笑えてくる。

    1
    投稿日: 2023.07.01
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    森見登美彦の世界観は何度読んでも素晴らしい。 主人公の京大の冴えない大学生(自分ではそうは思ってないかしれない)と、猫のように魅力的なヒロイン。何度読んでもこの組み合わせは最高。 主人公の凝り固まったプライドと膨大な知識から紡がれる偏屈な思想と、固い文体に独特のユーモアで語られる日々が、なんともいえない。中毒になる。

    4
    投稿日: 2023.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クライマックスの急転直下。 カオスな世界観にどっぷりと浸らせて、がちゃがちゃと読者を錯乱させ急き立てる異常なスピード感のまま、突如ふわっと放たれて終わる美しいエピローグが、森見さんの真骨頂という感じで好きです。

    4
    投稿日: 2023.06.16
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    森見登美彦のデビュー作、豊富な語彙力で語られているけど一貫して振られ男の一人相撲なのが面白いし、個人的には最後の詰め詰めモノローグとあっさりした終わり方も好き。正気に戻るときとか一皮剥ける時ってこんなもんだと思う。

    2
    投稿日: 2023.06.15
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    一言で表してしまえばフラレた男が世間に毒を吐くだけの物語 個性豊かな登場人物が特徴的な文体に乗ってテンポ良く読み進められる 「水尾さん」の描写が少ない点と、ラストが唐突であることが気になった 個人的には夜は短し歩けよ乙女の方が好き

    0
    投稿日: 2023.05.29
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    Amazonの紹介より 彼女はあろうことか、この私を袖にしたのである。 巨大な妄想力以外、何も持たぬフラレ大学生が京都の街を無闇に駆け巡る。失恋に枕を濡らした全ての男たちに捧ぐ、爆笑青春巨篇! 私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 森見さんのデビュー作ということで、クセが強い主人公が巻き起こすかなり強めな青春物語で面白かったです。 どことなく、一人語りが森見さんの別の作品に似ている印象でしたが、独特な森見ワールド全開でした。個人的にはちょっと世界観に置いてけぼりな感じで、あまり魅力の半分しか味わえていなかったかもしれませんが、冒頭から始まる爆走ぎみな語りは、妄想爆発で独特な世界観に圧倒されっぱなしでした。 主人公だけでなく、他の登場人物も強烈なキャラクターでしたが、言葉の言い回しやチョイスにクスッとしてしまいました。 他の森見作品を読んだことがありますが、森見さんにしか描くことができない世界観・表現があって、スッキリ感があったというわけではありませんが、一人の男が放つ妄想パワーになんとも言えない感覚で魅了されました。

    1
    投稿日: 2023.05.11
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    京大生である主人公がふられて妄想に走る内容。振った彼女水尾さんは太陽の塔が好きなようでこのようなタイトルになったのかなと思う。森見氏の抽象的な文章で所々クスッと笑える場面京都の街がかかれていて良かったと思う。

    1
    投稿日: 2023.05.11
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    奈良在住の作家ということは知っていたけど、どんな作品を、書くのかは知らなかった。 何かの紙面での語り口からは明るいライトノベルを書くのかなくらいに思っていたけど、予想を裏切られる。冴えない男の一人相撲は西村賢太に近いものがあるけど、もう少し高貴(ぶる)であり、読み応えがあった。 後半少しだれたけど、クリスマスイブの四条河原町のシーンあたりでは、読み掘るスピードが加速した。 違う作品も読んでみたい。

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    主人公やその周りの登場人物が、突拍子のないことをしていて、思想が少々過激!ただそれが一読者にとっては面白くもあり、所々でクスッと笑ってしまった一冊。 まぁ再読はないけど暇つぶしには手に取っていいかなー。

    1
    投稿日: 2023.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二度目の読了。 5年前の今頃、一度読んでたのだが、全く内容を覚えておらず。 森見節は1作目から満載だった。登場人物はのちに毎回出てくる有名どころの原型となったんだろうなぁという感じの立ち振舞い。猫ラーメンも出てくるし。 今回は壮大なオチがあるというわけではないが、ちょっとした言い回しや展開にクスッとなり、風景や環境の描写に懐かしさを感じたり。やはり森見作品はいいなぁと思う。 ■■■■ 一度目、2017/03/02。

    2
    投稿日: 2023.03.20