
総合評価
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powered by ブクログ冤罪と言う重いテーマ。 昔はこうやって無実の人を追い詰めて行って冤罪が生まれたのかな・・って今も?! 最後のどんでん返しまで飽きずに一気読みでした。
2投稿日: 2019.03.22
powered by ブクログ担当した事件が冤罪であったことを知った刑事が贖罪を込めて事実を追求していく。事件としては救いのない物語になっているが、エピローグがあることで希望のある結末になっていると思う。
3投稿日: 2019.03.21
powered by ブクログテミスは、ギリシア神話に登場する法と掟の女神である。よく「正義の女神」と呼ばれ、そのモチーフから裁判所の彫刻の女神像にもなっている。 さて、そんなテミスの名を冠した表題である本作のテーマは「正義」である。そして、それに付随して現代の司法制度や冤罪、死刑制度などに切り込んだ社会派ミステリーだ。 冬のある日、浦和インター付近のホテル街にある久留間不動産で主人の兵衛と妻の咲江が何者かに刺殺されているのが発見された。現場の状況は、金庫がこじ開けられ中身が無くなっていたことから強盗犯の仕業かと捜査員たちは検討をつける。 しかし捜査を続けていくうちに、兵衛が違法な高利貸しをしていたことが判明する。そして高利貸で被害を被っていた人物を調べていくうちに、ついに楠木明大という男にたどり着く。顧客名簿のなかで、彼には事件当時のアリバイが唯一なかったのだ。 早速、取り調べを開始する。担当するのは百戦錬磨の鳴海刑事。だが、明大は否認。鳴海が恫喝し続け、違法な取り調べの末、明大の自白を得ることに成功する。 こうして一連の事件は終結し、明大は確定判決を受けたが、獄中自殺してしまう。 ざっと前半のあらすじはこんな感じだ。物語としては非常にシリアス。特に冒頭の鳴海の違法捜査の場面は自分にもいつか降りかかるのではないかと恐怖を感じた。一人の男性の自殺により、様々な人間の歯車が狂い始める。ある者は職を奪われ浮浪者に、ある者は世間から糾弾されて家族ごと社会から抹殺され、そしてある者はキャリアに登りつめた。たった一人の獄中自殺というターニングポイントにより様々な人生の岐路が変わる。その交錯した模様を実に巧みに描いている。色々な人が影響を受けて感情を捨てて、けれど共通して言えるのは皆が決して幸せになっていないということだ。自分の正義を信じて生きていたはずなのに不幸になっていく。そのやるせなさや理不尽さを痛感せざるを得ない。
3投稿日: 2019.03.20
powered by ブクログミステリー小説を好んで読んでいると、どんでん返しにも、なんとなくの予想がつくようになってくる。 それでも、読み終わった後に清々しく余韻に浸れるのが、中山七里作品の素敵なところだと思う。
2投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ真犯人に驚きもしたが、その真相が衝撃にまでならなかったのは、この本の根底に流れる「正しいとは何か」「人が 人を裁くとは何か」といった重厚感のあるテーマがあるからだと思う。事件の真相よりも、このテーマに対して誰がどう考えてどう行動するのかの方に興味が湧いて読み進めていた。 冤罪の一端を担った主人公、判決を言い渡した裁判官、いずれも巨大な権力を行使できる力を持つ人間だからこその過ちに対する恐怖、苦悩、葛藤は心に迫るものがあった。 何を守るのか。どんな天を見上げているのか。力を持つ人間ほど厳しく己を律し、広く世界を見つめ、正義を考えねばならない。
2投稿日: 2019.01.03
powered by ブクログ法を司る職業の難しさをテーマにした作品。 ミスを隠したがる組織風土を批判するのは簡単だけど、そうならざるを得なくなった原因の方をいろいろ考えてしまいました。
2投稿日: 2018.12.08
powered by ブクログこ、これは、カエル男よりも、ドビュッシーよりも、はるかに、はるかに面白い。 ミステリーとしても、社会派ものとしても、格調高く、そして、一筋の救いすらある。 過去に起きた冤罪事件と、そこから派生する事柄を30年近くの歳月をかけて収束させていく物語。 以前読んだ、矢口敦子の「償い」に懐疑と憤りを覚えただけに、渡瀬の「償い」に共鳴した。 そこに至る道筋を描いた作者の作品を、世界をもっと味わいたいと思った。
2投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。 なんてこった!この間「静おばあちゃんにおまかせ」読んどいてよかった!この本に前日譚と後日譚が繋がっているとは!知らないで読んだけどラッキー! 冤罪に加担してしまった罪を背負って立つ渡瀬が、ひたすら組織のしがらみの泥濘の中を、足掻きながら突き進んでいく姿が男の胸を熱くするぜ。 長いスパンでの話でありながらコンパクトにまとめて、しかも過不足なく犯罪者と被害者と警察と検察と司法全てを巻き込んでいくとは。素晴らしく力がある本でした。
2投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
重かった。特に前半部。この著者の作品は殺害シーンなどの描写がグロテスクな印象はあったが警察による取り調べのシーンも読んでいて気持ち悪くなるくらいだった。重かったが面白かった。若き渡瀬刑事のエピソードを今更ながら読みましたが中山七里ワールドに深みが出ました。
2投稿日: 2018.09.10
powered by ブクログある殺人事件で被疑者とされた青年が、拘置所で自殺した。 それから数年後、彼は冤罪であったことが判明し… 冤罪事件を生んでしまった若手刑事の目線で、司法の権威、組織の体質、被害者家族の葛藤、そして若手刑事の苦悩と償いの人生を描いた社会派作品。 序盤は少し読み進めるのに時間がかかったが、後半は一気読みするほどの怒涛の展開。 権力って怖いなって思いと、日本の司法制度って難しい問題を抱えてるなぁという読後感。 そして、第4の権力マスコミも最近恐ろしい。 中山作品は3冊目。おもしろいです。
2投稿日: 2018.08.31
powered by ブクログ初めての作家さん。文庫の裏表紙のあらすじを読んで購入。 面白かった。 「どんでん返しの帝王」と言われるミステリー作家。 好きな作家さんになりそうな気がする。 早速数冊購入した。
2投稿日: 2018.08.03
powered by ブクログ実は、中山七里さんの作品は、初めてですが、すっかりハマりました。 豪雨の夜の不動産業者夫婦の強盗殺人事件。 容疑者として逮捕された青年は、無実を主張する。 しかし、有力な証拠もあり、判決は死刑となった。 一審・二審と変わらぬ判決に悲観して、彼は、獄中で自死を遂げる... それから数年後、別件で逮捕された犯人が、不動産業者殺害を自供する。 なんと、青年は、無実であり、全くの冤罪であった。 犯罪を追う主人公の刑事 渡瀬の苦悩と信念が、痛いように胸を打ちます。 そして、ストーリーは二転三転し、最後に驚愕の真相を迎えます。 (伏線は、いろいろありましたが、この真相とは...) 正義とは、権力とは、そして、己の信念とは、、、 まさしく、表題にある女神テミスの剣(つるぎ)と天秤のように、いろいろ考えさせられる内容です。 最後のエピローグで、高円寺 静 裁判官のお孫さんと渡瀬刑事との対面は、とても印象的なシーンですね。 希望とともに、明るい未来を感じさせます。 良書です。
8投稿日: 2018.07.03
powered by ブクログ静かに、静かにハマっていったこの本。そして、この一行から一気読み。 人間という存在が未熟なのである…清濁併せ呑めだけはできない…若い時は自分の羅針盤だけたよりに走る。そして読書後に残るの感想は因果応報…絶対にあると思う。自分の罪をどう考えるのかって必要だと思いました…俺の罪深さはどれくらいなんだろ…面白いって言葉が合うのかわかりませんが意義があったのは確か。。結構考えさせられる良い本だと思います。 そして、この本連続殺人鬼カエル男の前日譚だったみたいでした(驚)!
6投稿日: 2018.06.03
powered by ブクログ結構話の内容が重い。しかし、刑事の執念が二十年以上前の事件での冤罪の真相を曝く。一人の刑事が冤罪に関わり、組織から嫌われ、それでも刑事として実績を上げ警部まで昇進するが、また20年前の冤罪関係での事件が発生し、最後に真相にたどり着く。最初は非情に重い話しと思ったが最後は意外性のある真相に辿り着いた。これは最近の太田愛の連作に次いで凄い物語だと思いました。話しの構成がうまい!
2投稿日: 2018.02.17
powered by ブクログ図書館で借りた本。 不動産屋の夫婦強盗殺人事件が発生した。容疑者、楠木明大は無罪を訴えるが死刑判決となった。絶望した明大は獄中で自殺してしまう。しかし数年後、別件で逮捕された男がこの不動産屋夫婦殺しを自供したことで、冤罪が確定した。明大を自殺に追い込んだ渡瀬はこの事実を知り、どのように行動すべきか悩む。
2投稿日: 2018.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ストーリーも展開が早く、さくさくと読めました。悩みながらも善人な孤高の主人公と、対する組織や犯人。なんとなく図式が途中で見えて、多分、この人が何かしらあとで関わってくるだろうなぁというのもわかりましたが、でも、面白かったです。
2投稿日: 2018.01.18
powered by ブクログ誰が一番悪いのか、最後のどんでん返しが見もの。 こうしてみると、組織防衛という名前を借りた隠蔽行為がいかの無意味なのか、しかし根深いものなのかわかる。 いやなことであるが、人間の自己防衛本能に基づくものなのであろう。
2投稿日: 2017.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冤罪 どんでん返し この2つの前知識だけで読み始めたから、冤罪を被せられた明大があっという間に死んでしまってびっくり。 そこからもどんどん話が進んでいく。 話の展開が早く、スピード感があって、飽きさせない。 ただ、恩田検事は怪しいと思ってたよ! それほどのどんでん返しじゃなかったな。
2投稿日: 2017.11.11
powered by ブクログ渡瀬警部の若い頃の事件。冤罪、周りの保身。渡瀬警部の正義感と背負う十字架。最後の方でやはりドドドドっと結びになる。が、今回はあんまり衝撃がなかったかなあ。プランAとかプランBとか雨の中での目撃とか、どうにか繋げたって感じ。自然でなく、すんなり読めれなかったな。それはともかく、正義は正義とは限らない、かあ。苦悩はしっかり伝わりました。
3投稿日: 2017.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラブホ街の不動産屋夫婦殺し。自供に追い込んだ被疑者に獄中で自死されただけでも後味悪いのに、5年後、別件逮捕した奴が真犯人だったーここまでが序盤。 相棒の先輩刑事の証拠捏造が発覚、内部告発で埼玉県警に粛正の嵐が(ココで検事やら判事やらは県警内部の腐敗とは別物と思わされたんだよなー)。 更に20年後。真犯人が仮釈放された直後に刺殺される。 発見者ラブホ従業員が支配人になってるのは良しとして、逃げたカップルの片割れが芸能人だったのをこのタイミングで思い出すとか、ないわー。しかも何、内部告発に加担した検事が黒幕とか、手持ち駒で回し過ぎ。確かに見事なドンデン返しだけど、後味わっるーい。 まあ、高円寺判事はイイ人だったので、ラストの取って付けたエピソード、個人的にはアリな。
2投稿日: 2017.11.05
powered by ブクログドンデン返しの帝王・中山七里、渾身の驚愕ミステリー! 冤罪をめぐる社会派ミステリーとサプライズの完璧な融合。 昭和59年。浦和市で不動産屋夫婦が強盗に殺害された。ベテラン刑事・鳴海とともに捜査に当たるのは若手刑事・渡瀬。二人はカネに困っていた青年・楠木が犯人とにらみ、拷問まがいの尋問で自供を引き出した。楠木は公判で自供をひるがえすも、被害者の血のついた上着という証拠が物を言い、死刑判決が。やがて判決は死刑で確定、楠木は絶望の中、自殺を遂げる。 だが平成に入り、渡瀬は驚くべき事実に直面する。強盗殺人犯が問題の殺人も自分がやったと自白したのだ! 楠木は冤罪だったのか? 事態の隠蔽を図ろうとする警察組織に抗い、渡瀬は事件の再捜査を開始する。だが彼はまだ知らなかった、さらに20年後、この冤罪事件が引き金となり、新たな殺人が行なわれることを……。 強引な捜査。証拠の捏造。冤罪。警察と司法の暗部に正面から切り込む重厚なる社会派ミステリーと、ヒリヒリした緊迫感で突進するノンストップ・エンタテイメント、そして意外な真相と巧妙な伏線を仕込んだドンデン返しミステリー――すべてを融合させた傑作。若手時代に逮捕した男は無実だったのか? 渡瀬刑事は孤独な捜査を始めたが…社会派ミステリーに驚愕の真実を仕掛けた傑作。 こう来たか!という感じ。登場人物がそれほど多くないので、察しはある程度ついていたのだが。
5投稿日: 2017.11.03登場人物それぞれの視点で考える
読みごたえがありました。 ずっしりと重く響いてくるボディブローのように。 最後は、書評のとおりどんでん返しでした。 わたし、まったく予想もしない人が犯人でしたもの…。中山七里さんの作品は良い意味で裏切ってくれるのです。それも毎回。 今回も、「また、ひっかかってしまった…。」という敗北感と、「良い話を書くなあ。」という驚嘆とともに、また新たな中山七里作品に手を出さずにいられないおかわりループに突入です^^ 切ないストーリーですが、読んで損はなしです。 おすすめです^^
0投稿日: 2017.10.15
powered by ブクログ縦糸にミステリィ,横糸にテーマ,いずれも極太に綿密に織られているため,重厚な読後感を得る.他の作品と層になってもいるので,確かな3次元の世界観を味わうこともできる.
2投稿日: 2017.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑執行を待たず死刑囚が自殺した後で真犯人が逮捕されるというショッキングな内容。脅しや証拠の捏造など、警察による非道な捜査やその証拠を疑うことなく鵜呑みにする検察や裁判官の性質といった、現在の司法システムの問題点が浮き彫りに。 問題が問題なだけに、脆弱な司法システムにメスが入っていくというスケールの大きな話になっていくのか。あるいは、強引かつ嘘にまみれた捜査が当たり前となっていた刑事たちに心境の変化が生まれ、何かしらのドラマが生まれるのか。 そんな展開を期待してしまったため、事件から時が経過した後半、司法も刑事たちも何一つ変わっていなかったことや、ある一つの真相について特に驚きがなかったことから読了感は今ひとつ。 前半は★5、後半は★3。間をとって★4というところでしょうか。
2投稿日: 2017.09.30
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。
1投稿日: 2017.09.28
powered by ブクログ渡瀬刑事が主役なのだが、「静おばあちゃんにおまかせ」の高遠寺静が裁判官として登場。「静〜」で語られていた冤罪の話。 中山七里は本当に上手い。ペンで(キーボードだと思うけど)紙に書かれただけのフィクションに、こんなにも気持ちを動かされるというのは何という才能で何という幸せの享受なのか。
3投稿日: 2017.09.16
powered by ブクログタイトルに惹かれて中山七里の本に初めてトライ。冤罪や死刑がテーマの暗い話だが、終盤まで飽きさせない展開。警察小説としての面白さもある。人が人を裁くことの難しさを考えさせられる。
2投稿日: 2017.08.31
powered by ブクログ再読。『ネメシスの使者』を読み終えたので、こちらを再読したくなり文庫で。渡瀬刑事の若かりし頃。一生を掛けて背負う十字架。冤罪を巡り時を経て結末を迎える終盤は心臓がぎゅっと痛くなるような読書時間でした。中山さんの作品をたくさん読み込んで来られている今、再読するとあの人も、この人も!と知っている名前を見ては、勝手に知り合いに会えた気がしてそれも楽しく読めました。でも、『楽しい』では終えられない読書時間。『考える』をいつも与えてくれる中山さんの作品が好きです。
2投稿日: 2017.08.25
powered by ブクログいろいろな権力がある。 いろいろな権利がある。 常に、正義と表裏をなす。 公共の福祉とも表裏をなす。
2投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログ重いテーマですね、冤罪。渡瀬警部のアウトローな部分に目の行きがちな作品が多い中で背負う宿命の厳しさが感じられる一冊です。彼も様々な物を失っていますがエピローグの爽やかな締めくくりでパンドラの匣の最後の希望に触れられたのならいいなと思います。
2投稿日: 2017.08.13
powered by ブクログ冤罪をめぐる立場の数々が描き分けられており、密度の濃い小説だと思う。ミステリーとしては、目新しいものではないだろう。
2投稿日: 2017.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017年37冊目。 今まで読んだ中山七里作品は16作品。その中で間違いなくいちばん面白い作品でした。 これまで読んできて渡瀬の人とナリをそれなりに理解しているつもりだったけど、こんな背景があってこそのあのキャラクターだったのか・・と。 冤罪を扱う話はやっぱりツライ。でもこの作品はそれだけではないところも魅力。 そして読んだばかりの静おばあちゃんの現役時代の苦悩もリンクして、これまで出てきたキャラクターも登場して、中山七里ワールドがさらに広がりました。 ますます全作制覇欲が加熱。 この作品単独でももちろん面白いけど、その他渡瀬が出てくる作品を読んでから読む方が断然面白いと思う。少なくとも「静おばあちゃんにおまかせ」だけは先に読んでおくべきかと。
3投稿日: 2017.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何とも「壮大」で「重厚」なストーリー。 作者の筆力でたいへん読みやすい文章ではあるが、 取り上げているテーマはとても重い。 法とは? 正義とは? 責任とは? とあるえん罪事件をメインのテーマに据えながら、 それに関わる全ての人(組織も含む)に 正面切って「永遠の命題」を問うてくる。 「青臭い正論」を振りかざす主人公の、 苦悩と成長の記録...がメインの「背骨」と言えるか。 舞台となる時代も何十年にもわたり、その間に 世の中も人も変わり、世代交代もあり.... 「正直者が馬鹿を見る」世の中を描きつつも、 最後は一応「勧善懲悪」で終わるのでスッキリ(^ ^ 書かれた順番はどちらが先か存じませんが、 同じ作者の「静おばあちゃんにおまかせ」の 高圓寺 静さんが重要な役どころで出てくる。 円ちゃんの登場は、「お遊び」であると同時に、 正義が「引き継がれていく」希望の光として 描かれている...と思う(^ ^ かなりなボリュームではあるが、ぐいぐい引き込まれ、 後半「読み終わるのが惜しい」と思える佳作(^ ^
3投稿日: 2017.07.21
powered by ブクログ最後まで明らかにならなかった真実があり,何度もどんでん返しがあっておもしろかった。死刑制度や冤罪など,社会的にも大きな問題提起がされていると思う。
2投稿日: 2017.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人は間違いを犯す。 間違えて、それからどうするか。 渡瀬さんのそれからはめっちゃかっこいいです。 自分の罪を理解してずっと忘れない。 罪なんて贖えるものじゃないと思いますが、これ以上ない誠意が見えます。 法務大臣が死刑執行にサインしない理由はそういうのもあるのかと得心がいきました。 ただ、あの人が最後に持ってこられたのでちょっと贖罪の気持ちが薄まる気が・・・ミステリーとしてはどんでん返しが必要ではありますが。
2投稿日: 2017.05.13
powered by ブクログ冤罪事件を焦点にした社会派ミステリ。 冤罪事件に関わってしまった刑事の一生をかけての贖罪が書かれている。 死刑制度や冤罪に対しての問題提起を行いつつ、本書はミステリとしても一級品だった。
2投稿日: 2017.05.10
powered by ブクログ無罪を主張する容疑者を、これでもかとの過酷な取り調べで追い込んでいく場面は、読み進めるのをためらわせるほどの迫力があり、著者の筆力に改めて感嘆する。 結果として、この事件は冤罪であり、これだけでも一つの作品になり得るが、著者はさらに、警察、検察、そして裁判所と、法曹界全てを俎上に載せる。 冤罪に加担した若い刑事、ひたすら有罪判決だけを勝ち取りたい検察官、躊躇いながらも一審判決を支持してしまう高裁の判事。 そして再三語られるのは、題名ともなっているテミス像。 法の女神テミスは、右手に剣を、左手には秤を携えている。 その右手に持つ剣は、法の権力を象徴し、罪人を切り刻むとともに、それは法を執行した者にも向けられる、と。 警察手帳、手錠、拳銃は警察官に与えられた力であり、正義のない権力はただの暴力だと言われた刑事は、己の犯した過ちを糺すため、ひとり、警察組織に立ち向かう。 誤審をしてしまった時の覚悟を語る裁判官は、刑事の進むべき道を後押しする。このあたりは、読書の醍醐味を、読者に与えてくれる。 著者は書中で、市民感覚を裁定に導入しようとした裁判員制度にも言及している。求刑よりも重い判決が下される現状に、取り入れたのは市民感覚ではなく、市民感情だっ た、と。 自らの仕事に真摯に向き合おうとする法曹関係者なら、是非読んでもらいたい傑作と、いっていいかも。 さらにこの作品は、著者の代名詞ともいえるどんでん返しの帝王に恥じない終わり方をし、何とも贅沢なエンターテイメントになっている。
16投稿日: 2017.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結構面白かった。冤罪ってこうやってできるんだ。実際にもありそう。人を裁くことの難しさを知る。 先にネタバレでスゴイどんでん返し!を知ってしまったのでそんなに驚かなかったけど、真実を見極めていくストーリーは好きだな。
2投稿日: 2017.04.20
powered by ブクログ冤罪がテーマともなると、やはり重たい内容になってくる。関わった人々の救われなさが免罪の恐ろしさを的確に表している。
2投稿日: 2017.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネタバレです。 カエル男、贖罪の奏鳴曲ときて3作目にこれ。 (読もうと思ってた順番バラバラだけど) 今のところこれが一番面白かった! 時間軸がいくつかに分かれているせいもあるけど1つ終わった、これで穏やかになるか?いやまだだ、みたいな感じで盛りだくさんだった。全てが1つに繋がっているためどれも濃くて。 渡瀬さんむちゃくちゃかっこいい。 カエル男読んだ時の印象とは全く変わってしまった。これ読んだ後だとどうしても渡瀬さんに肩入れしてしまって今思い返してみると古手川くんの青臭さがすごいやww 鳴海さんの強引さがあった、とはいえ、自分の中での悔いは人のせいにしたくらいで払拭されるものではなくて。自分に落ち度があったことは自分が一番よくわかってて(静さん然り。) もしかしてこいつが真犯人か…?ってシーンは本当ドキドキした。もしかして。もしかして。あぁぁああ!っていう。 1人で謝りに行く時は東野圭吾の手紙を思い出していた。加害者憎み続けるのも辛くてしょうがないけれど、どうしようもない。時間が解決してくれるのを待つしかない。 大事な人を殺された被害者の家族に、そのまんまの怒りをぶつけられ、散散罵られ、帰れと言われ、許されるわけがない、そうやってボコボコにされるしかなく…というかボコボコにされることこそが許されない事をした人の義務なのか。 贖罪〜の中で、謝罪を口にすると本人は懺悔した気持ちになり贖罪を忘れる。謝罪はいいから行動で示せ、って稲見さんが言うんだけど。 一番難しいよなぁ。黙って、黙々と行動で示すと言うことは。 若い渡瀬さんがもう2度と間違えない、って誓う場面は、その後の慎重かつ丁寧な渡瀬さんを知っているせいかグッとくるものがあった。
3投稿日: 2017.04.07
powered by ブクログ恫喝と慰撫に強要された自白、捏造された証拠。何が正義かどこが法治国家か、本当のことって‥‥ 裏にまだ何か有るんじゃないかという疑念が残ってしまう。
3投稿日: 2017.03.31
powered by ブクログ説教くさい部分をすっ飛ばしても、エンターテイメントとして非常に面白い。帯にどんでん返し!とあったけど、そんなこともなく(どんでん返しに重きを置きすぎて読者が置いてきぼりになることもなかったので)よかったです。
2投稿日: 2017.03.31
powered by ブクログ冤罪。重いテーマです。これまでも中山七里作品では重要キャラだった渡瀬ですが、こんな十字架を背負っていたんですね。 他の作品とのリンクもあったりして、そういった面でも楽しめます。あの事件の裏でこんなことが、あの人の過去にこんなことが。本書だけでも面白いですが、他の作品も読んでるともっと面白いです。
2投稿日: 2017.03.15
powered by ブクログ【ドンデン返しの帝王、渾身の大作!】若手時代に逮捕した男は無実だったのか? 渡瀬刑事は孤独な捜査を始めたが…社会派ミステリーに驚愕の真実を仕掛けた傑作。
0投稿日: 2017.03.03
