Reader Store
テミスの剣
テミスの剣
中山七里/文藝春秋
作品詳細ページへ戻る

総合評価

244件)
4.0
58
127
41
3
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった! なかなか真相が予想できずにドキドキした。 御子柴シリーズより、渡瀬シリーズの方が個人的に好きだな。

    10
    投稿日: 2023.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。序盤は時代の違いからか刑事の取調べに強い嫌悪感があったけど、中盤以降の冤罪が発覚した後の人として搖らぐ倫理観は読み応えがあった。最後も予想外。

    1
    投稿日: 2023.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    結局クライマックスまで犯人(黒幕?)が誰なのかわからなかったです。。 卑劣な強盗殺人事件の渦中に立たされた警察・検察関係者、裁判官や遺族方々に対して、法の女神テミスの剣がどのような"正義"を下すのか、、 その正義に翻弄される者、倣う者、歯向かう者、それぞれの思惑が交錯しながら展開されるストーリーの中に、深いテーマを感じました。。

    5
    投稿日: 2023.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    駆け出しの頃の渡瀬。警察の面子や検挙率を意識しての誤認逮捕、人権無視の聴取、証拠品のでっち上げ、死刑判決、獄中での自死。死刑判決を受けた者、その家族の絶望感は計り知れない。それまでの平穏な暮らしは粉々に破壊され尽くす。人間誰しも間違いは犯すもの。たとえそれが警察や司法に関わる人間でも。検事正のどんでん返しのラストよりも、日本の警察や司法制度、死刑制度が誤ったときの恐怖感の方が印象に残った。

    0
    投稿日: 2023.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪というテーマだからか、終始重苦しい雰囲気はある。 時系列が急に飛ぶ展開は予想してなかったけど、新たな展開で面白かった。

    1
    投稿日: 2023.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    【感想】 「殴られた方は痛みを忘れない」っていうのは本当にそうやと思う。加害者のあいつはもう忘れてんのかなと思うと腹立たしいけど、自分にも忘れてしまっている被害者はいるんやろうなと思う。 仕事とは言え、慣れてしまうことで人の心を忘れるのは悲しいことだなと思う。渡瀬のようにいつまでも青臭いことを言ってる人間でありたいけど、果たして自分はそれほど強いのかどうか、自信はない。 楠木の父の行動には共感する。法律では私刑は禁止されてるけど、それを理解した上でそうすると思う。復讐しても失ったものは戻らないって言うけど、復讐しなくても戻らないし、復讐したら復讐心は薄れるやん。渡瀬に言わせれば、感情的で幼稚な理論と卑下されそうや。 【あらすじ】 新米刑事渡瀬は先輩鳴海と強盗殺人事件を担当する。被害者夫婦が不動産業を営む裏で違法な高利貸しをしていたことに気づいた2人は、債務者に容疑者を絞り、楠木明大を逮捕する。暴力を伴う過酷な取調べと物的証拠の後押しで楠木は自白する。楠木は裁判で無罪を主張したが、死刑判決を受け、その後、楠木は獄中で自殺する。 5年後、別の強盗殺人事件で渡瀬は迫水という男を逮捕する。迫水は容疑を認め、さらに、5年前の事件の犯人であることも認める。物的証拠については、鳴海が捏造していたことを渡瀬は知る。 渡瀬は組織からの隠蔽の圧力に従わず、相談相手の恩田検事がマスコミにリークすることで隠蔽を逃れる。その結果、警察、検察官、裁判所は粛清の嵐に見舞われるが、既に退官していた鳴海と告発者の渡瀬はその嵐から逃れる。 迫水は無期懲役の刑を受けるが、模範囚を演じ、23年で仮釈放される。しかし、仮釈放後まもなく刺殺される。容疑者は強盗殺人事件の遺族、楠木明大の冤罪に関わる者と思われ、渡瀬の個人的な捜査の結果、楠木明大の父が犯人と判明する。 強盗殺人事件の遺族、楠木の両親には迫水の仮釈放の日時を知らせる手紙が送られていた。その手紙が弱まっていた復讐心に再び火をつけ、犯行に焚き付けたという。そして、その手紙を送ったのは恩田検事であった。 恩田検事は最初の強盗殺人事件で迫水と顔を合わせていたが、そのとき恩田は別件で不正を働いていたため、保身のために目撃証言をしなかった。その弱みを迫水に悟られたと知った恩田は迫水を自分以外の手で葬るために手紙を送ったのだ。そして、今度は渡瀬がマスコミを使ってこの事実を世間に明るみにする。

    2
    投稿日: 2023.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不動産業者殺しの容疑者は死刑判決を受け、獄中に自殺した。 数年後、当時の不動産業者殺しには別の真犯人がいることが判明しことにより冤罪事件が発覚、隠蔽を図る警察組織と若き渡瀬刑事の物語が始まっていく。 他のシリーズでもちょこちょこ出てくる渡瀬刑事の若き頃の物語で、権力を与えられた人が他人を裁くことはどうなのかという法のテーマを軸にしたお話でした。 人が人を裁いた結果、それが偽りの事実であった場合自分ならどう責任をとるべきなのか凄く考えさせられました。 中山七里さんということもあり最後にはどんでん返しが待っていますが、内容自体が強烈だったせいか個人的にはそっちは全く印象に残りませんでした。

    2
    投稿日: 2023.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うわ~!やられた~! ラストの「え~!」な展開に またしても中山七里先生の世界に引きずり込まれてしまった!最高におもしろかった~。 豪雨の日に起こった不動産業者の殺人事件。 犯人は刑事の強引な取り調べで自白させられた青年。 しかし青年は獄中で自殺。 数年後、ひょんなことから不動産業者殺しの犯人を突き止めた刑事・渡瀬。青年の自殺を自分の十字架と捉え、事件の真相を明らかにしようとするが…

    4
    投稿日: 2023.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時間軸ととにかくテンポが良かったです。間違ってることをしてる時、正しいと思ってしていて、後から後悔する時あります。正しく生きたいと思う気持ちとそれを封印する気持ちと、答え出ないです。

    38
    投稿日: 2023.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったー! 冤罪のお話。 本の説明に書いてある、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!って、本当にそう。 七里さん作品本当に期待を裏切らない。

    1
    投稿日: 2023.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    乱暴で強引な凄腕ベテラン刑事と若くて理性的な新人刑事が強引な取り調べから真犯人に見誤ってしまう。まあ冤罪の取り上げ方としてそこまで設定しなくてもいいだろうと思う典型的な舞台が揃って、後は真犯人は一体誰かという話から次の殺人の犯人を追うことになる。ちょっとやり過ぎな感じが鼻しらんでしまうくらいではあったが、エンタメ小説はこのくらいでいいのかもしれない。驚愕とは思えず、期待は裏切らない鉄板のミステリーというところ。一気に読んだのは確かだから甘めの星にしておく。

    5
    投稿日: 2023.06.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今回の話しは中々、ない感じで新鮮でした。 最後は何となく、想像はついたかな。。 でも、冤罪について、警察組織の内情が問われる読み応えがある内容だった。

    1
    投稿日: 2023.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    冤罪がテーマの作品。こちらも読みごたえあった。 渡瀬の、真犯人である迫水を言葉巧みに追い詰め、自白させるシーンは鳴瀬のそれとは正反対で、刑事としての渡瀬の、二度と間違わない、という強い思いを感じた。 そして、まさかの結末…。 それぞれの警察関係者の思惑、間違った信念、怖れ、弱さ、虚栄心が冤罪被害者を生み、ひいては亡くならなくてすんだはずの命もあったことに憤りを感じた。

    5
    投稿日: 2023.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    渡瀬以外はみんな悪に染ってたってことか。 警察とかでもまあそんな悪いことするよなって。 現実でも悪いことしてる人いるし。 自分の子供が冤罪で刑務所の中で自殺した父親が 最後に真犯人が仮出所した後にそいつを殺すのは そりゃ、殺したいよなってなった。 自分の子供が死んだのに犯人は生きてるなんて どう考えても許せない。

    2
    投稿日: 2023.05.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そうか、あなたも償いをしているのか、と溜息が漏れるラスト。 御子柴シリーズを読んでなくてもとても良い作品だったけど、読んでてさらに楽しめた気がする。 中山七里さんはこういう世の中に訴えかける系が上手い。

    6
    投稿日: 2023.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白い。イッキ読みだった。強盗殺人が発生し、犯人が発見される前半と思いもよらぬ事から冤罪が発覚する後半と二部構成のようになっている。警察内部や検察の腐敗、それから裏取引などハードでダークな展開が続く。本を開いたところで先の展開が気になって仕方がないページターナーとしての真価がここに発揮されている。

    2
    投稿日: 2023.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪に加担してしまった刑事のお話。 正義って何?人が人を裁く重さ。 重いテーマですが一気に読みました。 渡瀬刑事の過去を知りどうしてあんな刑事になったのかわかる作品

    0
    投稿日: 2023.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里作品はハズレないんだけど、作品あんまり読んでないんだよなぁ。 今回は重かった。 冤罪テーマは重い。 他の人の感想見ると、渡瀬さんは他の作品にも出てるみたいなので、今年は中山七里作品をもっと読んでみようと思う。 しかし読みながら被害者に対する救済を書かれてて、前に読んだ『さまよう刃』を思い出してしまいました。

    2
    投稿日: 2023.03.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里さんの作品で中で度々登場する渡瀬刑事のはじまりの物語。 展開は予想できず、どうなってしまうのだろう、 とはらはらと楽しめた!ページを捲る手が止まらなかった。 後出しジャンケンな結末ではなく、しっかり伏線回収していて、気持ちの良い終わり方だった。 正義vs悪の明確な対立構造があって、さながらヒーロー映画だったのも、爽快感につながったのかなと思う。おすすめしたい作品。 権力を有するものは間違えてはいけない、 けれど単なる人だから間違えが起きてしまう可能性はある。 間違いに気づいたときどうするか、そこにその人の本質が現れるのだと思った。 自分を顧みることもできる一冊。有意義な本だった。

    2
    投稿日: 2023.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同作者の他作品でも頻繁に顔を出す渡瀬が主人公の作品 渡瀬が過去にどういう人物であったか、また現在に至るまでの経緯が書かれており渡瀬という人物像を紐解くことが出来る 事件そのものは"冤罪"に纏わるもの ただ実は犯人は別にいましたと最後に判明するものではなく物語の途中で犯人は分かりその後の遺族や事件発生に焦点を当てたもの 中山七里さんお得意のラスト付近にしれっとどんでん返しを入れ込んでくるのは今回も同じ やはり冤罪物を複数冊読んで毎度思うことだが誰にとっても幸せになることは無いし、後々まで負の楔のように残り続けるんだなということ 他作品で主人公を務める古手川や犬養もちょい見せで登場

    1
    投稿日: 2023.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里さんのどんでん返しはそろそろ飽きて来ていたのですが、こちらどんでん返しは無くむしろ正統的なストーリーでした。 真摯な気持ちを持ち生きて行きたいと思わせてくれる作品です。満足度高い!

    2
    投稿日: 2023.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったけど、中だるみしました。 渡瀬さん、こんな過去があったんですね。 渡瀬さん経由で中山作品を読んでいますが、高円寺さんシリーズに横道それてみたくなりました。

    21
    投稿日: 2023.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    冤罪事件ですが、警察側が証拠捏造、検察官が冤罪に加担。お話し重かった。。。 今ちょうどテレビドラマにで、テミス像が出てくるのでなんとなくリーガルミステリーかな??と思いながら読みました。冤罪ダメ絶対!

    1
    投稿日: 2023.03.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難解な言い回しが多く、日常会話とは少し距離のあるセリフが多々見られたが、それはそれとして、後半の裏切りには驚いた。現実はこうもすべてが明快に解決することはないんだろうけど、二十数年経っても自分の中の正義を信じて邁進する刑事の姿には学びたいと思った。ただがむしゃらだったり、猪突猛進だったりするだけではなく、きちんとキャリアを積みつつ、それでも自分の責務と罪を忘れない並外れた精神力がすごいと思った。 護られなかった者たちへ、の作家さんとは知らずに読んだので、つぎはその第二弾を読みたいと思う。

    1
    投稿日: 2023.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪ものを始めてみたけどなかなかに難しい問題ですね。 被害者、加害者、検挙率、縦社会、色々ひっくるめて。

    1
    投稿日: 2023.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬さんや! それも新婚ホヤホヤの…長く続かんかったみたいやけど… 渡瀬さんの原点という感じやな。この事件が発端で、自分自身を問い詰める。 確かに、冤罪事件の当事者になるとツラい。更に死刑判決となれば、取り返しがつかない… 誰にでも、間違いはあるけど、これは訂正で済む問題ではないし… こういう事を乗り越えてというか、背負って逃げずに刑事を第一線でやっていく。自身に課した償いになるんかな? 「司法に携わる者は自分を律していかなければならない。甘えは禁物だ」 これは、静さんの孫娘に言ったことはやけど、力を持った人には、それだけの覚悟が必要って事やな。 安易に就職先の1つとして決めるべからず! どんでん返しもあり、面白かった!

    59
    投稿日: 2023.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テーマが「冤罪」の警察小説。 若手の頃、先輩刑事に引っ張られて冤罪事件を起こしてしまった刑事が後に真犯人に気づいてしまい、そこから己の罪と向き合うお話。 中山七里作品はテーマがはっきりしてる分、テーマに対する問答も多めでちょっと説教臭い部分もあるけど、それを差し引いても面白かった。真犯人のくだりはどんでん返しに拘りすぎじゃないかとは思うけど。

    1
    投稿日: 2023.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    警察の冤罪を描いた作品。渡瀬警部が若手刑事の頃、コンビのベテラン鳴海刑事と過酷な取り調べで無罪の人間を無期懲役犯(刑務所で自殺)にし、その冤罪(真犯人)が判明したときにその後の刑事姿勢を決意し、警察/検事/判事全体の軋轢や妨害にもめげず暴いていく。 二十数年後に起こる冤罪の真犯人が殺される事件の真犯人及びそれを教唆した本当の真犯人(テミスの剣の意味を説く人)が、少し強引っぽいが、最後のドンデン返しっぽく、中山七里らしかった。

    2
    投稿日: 2022.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    さすがどんでん返しの中山さん。 迫水が出所してからの展開がめちゃくちゃおもしろかったです! あと、もう失敗はしないと誓ってからの渡瀬さんはかっこよかったです!

    1
    投稿日: 2022.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2022/11/7読了。 私が今までに読んだ中山七里の作品の中でも、1、2を争うぐらい、面白い本だった。 登場人物もみな生き生きとしていて、ストーリーも先へ先へと読む方を飽きさせずに引っ張っていく。 最後の方の「戦犯」を追い詰めていくくだりは、少し性急で無理が多いような気もしたけれど、 それも話のスピードを弱めないためには必要だったかも。 「冤罪」から始まる、いろいろなことを考えさせられる内容。 こんなことが実際に起きないことを祈るしかない。 高遠寺静さんの静謐さは、この本の中で大きな救いになっていると、エピローグを読んで改めて思う。

    6
    投稿日: 2022.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めての中山七里さん作品。 絶対にあってはならない冤罪事件が発覚したとき、その事件に関わった人々はどのように感じ向き合っていくのかが描かれている。 組織の防衛や体面、自己の昇進や経歴に拘る警察や検察、裁判官たちの描写は現実味があり、別著者のノンフィクション作品でも隠蔽や組織防衛の実態を読んだことがあったので、ほんとうに根深く深刻な問題だと思う。 主人公の若手刑事:渡瀬がベテラン刑事の鳴海と共に容疑者を取り調べする場面は、読み進めるのが苦しくなるほど酷かった。渡瀬が取り調べのやり方に疑問を抱いても若手が大組織かつ上下関係が厳しい中で全面的に前に出て異議を唱えることは容易ではない。 自分が犯した間違いに気づいたとき、逃げるでも隠すでもなく1つずつ向き合っていこうとする渡瀬の想いや行動が当然だけれど素晴らしい。また、渡瀬に冤罪の可能性を伝えられた際の裁判官:高遠寺静も人格者であり、渡瀬に向けた言葉も素敵だった。高遠寺判事のような思いをもって仕事に従事する人ばかりだったらいいのに。 1つの冤罪事件が更なる負のループを作り、被害者遺族の想いもその通りだと思う。 真相解明は最後まで驚きありで奥深かった。

    24
    投稿日: 2022.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み進めながら、怖さを感じた。 人が人を裁くとは私が想像した以上に難しく、その判断を一度下してしまえば1人の運命が大きく変わり、それに伴いその周囲までをも180度変えてしまう。 そして、嘘の証拠をでっち上げて無罪の人間を死に追いやる。そこまでして手柄を挙げたいという狂気。 その事実をひた隠しにし、更には正義を貫く人間を捻り潰そうとする組織。 そんなものが、わーっ!と読者に襲いかかってくる。 だから冒頭に買いた通り、怖くて仕方なかった。 そしてラスト。これでもう終わりか。やっと怖さから解放されると思っていたら、もう1どんでん返しがある。読了後、ちょっと疲れてしまった作品。

    16
    投稿日: 2022.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬刑事がなぜ検挙率のトップに君臨し、そして自分の信じる正義にまっすぐに行動ができるのか、それを自分の班に徹底させているのか、理由がわかるのが本書である。 私は七里さんの本を「御子柴弁護士シリーズ」から読んでいる。そのため渡瀬刑事の過去を知る前に渡瀬刑事を知ることになったが、超クセのある上司としてなぜこのようになったのか個人的にすごく気になっていた。だからこそその謎が解けた事にすごくすっきりした。 次に読んだシリーズが法医学者の真琴先生の「ヒポクラテスシリーズ」だ。このシリーズでも渡瀬刑事が出てきておりどちらを先に読んでも面白いと思ったが、もしかしたら「テミスの剣」を読んでから「御子柴弁護士シリーズ」や、「ヒポクラテスシリーズ」を読んだ方が楽しく読めたのかもしれない。 誉田哲也さんのシリーズでも思うが、どの順番で読むと一番楽しめるのかを考える事を楽しめる著者だと思う。

    1
    投稿日: 2022.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    冤罪の起きる流れがリアルでとても怖かった。 全体的に緊迫感があり結末も予想できなくて読み応えがあったけど、文章や使われる単語が私には少し難しかった。ストーリーの重さも相まって、すごく消耗する小説だった。

    1
    投稿日: 2022.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山さんの作品には毎回テーマがしっかりと決められてい る。 そして、 それを深く考えさせられる。 「真実」と「正義」、 「真実」 は一つだとしても 「正義」は 一つではない。 人によって、 その人の価値観によって正義は 異なるし、守るべきものによって正義が変わってしまうこともある。 今回の渡瀬の立場を自分に置き換えてみた時、 私なら同じことができただろうか? 組織の一員として、 何も恐れずに真実 を求め、 正義を貫くことができるだろうか? 答えはすぐに出 ない。 でも、深く考えさせられることに大きな意義があるような気がする。 中山七里ファンなら楽しみの一つであると思うが、おなじみ の登場人物が毎回出てきてくれるのが嬉しい。 今回も特に高 円寺静の考え方 セリフには大きな刺激を与えられた。 御子 柴シリーズが大好きな私は彼の登場も期待していたが... 名前は出てこなかったが、 御子柴弁護士をにおわすページがあったのも、 評価5の対象になった。

    0
    投稿日: 2022.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    #読了 主人公の渡瀬警部(作中では巡査部長)は、他の中山七里さんの作品でも活躍しているキャラクターらしい。生憎と私は「贖罪の奏鳴曲」しか登場している作品を読んでいないうえ、かろうじて覚えてはいるけど……っていう状況。それが悔やまれる。他の作品まで読んでいたら、もっと面白かったのかな。 それでもすごく面白かった。冤罪なんだろうなーっていうのは読んでいてすぐわかったけれど、それからの流れが渡瀬さんを翻弄していってハラハラしてしまった。 どんでん返しも含めて、出来事がいちいち悲しい。

    0
    投稿日: 2022.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬警部が若かりし頃に関わった冤罪の話。 こんなことが実際に警察で行われていたのだろうかと考えると、やるせない気持ちになるけれど、過去にはこういう無茶苦茶な取り調べや冤罪があったのかな。今はないと信じたい。 今まで渡瀬警部は「古手川刑事に無茶を言う上司」という印象で読んでいたけれど、こういう信念のもとで動いていたのかと思うと、これまで読んだ作品を読み返したくなる。

    0
    投稿日: 2022.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義、という言葉の恐さを思い知らされる作品でした。扱う人間により、こんなに中身が変容する言葉はないのではないだろうか。 冒頭の冤罪が生まれる描写が生々しく、そこからグッと作品に引き込まれました。 面白かったです。

    1
    投稿日: 2022.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪は許されないし、冤罪がある事実に目を瞑るのはもっと怖い。 自分は間違わないと信じきっていると、いつか大変なことになると思った。

    0
    投稿日: 2022.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    刑事の渡瀬は若かりし頃に検挙率ナンバーワンの先輩と挙げた犯人が死刑囚となり、拘留中に自殺した。 が、犯人が冤罪であったことが後に判明。 組織を守るのか、正義を道理を通すのか…事件発生から28年の時を描く小説。 人間誰しも間違いはある。 でも間違うことが許されないこともある。 法治国家として、法の下に生きる者として考えさせられる。 最後はそうきたか。という感覚はある。 ちょっと血の温度は低めな作品。

    2
    投稿日: 2022.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    渡瀬警部の物語。 裁く人たちの物語。 古手川を教え導いている渡瀬警部が なぜとんでもなく博識なのか、 なぜ現場主義なのか、 色々と登場作を読んで、 なぞに物知りな渡瀬警部に好感をもっていたけど こんな悲しい理由があったとは。 御子柴シリーズでもそうだが、 自分の後ろめたい過去に蓋をして、 なかったことにして、 上っ面は襟を正したように振る舞う方が 楽だし苦しくないし、ある意味人間らしいと思う。 でも、御子柴も渡瀬も、 決して忘れないし、目を背けない。 自分で自分を罰し続けるんだなぁ。 いつかテミスの剣は振り下ろされるのかな。 でも渡瀬警部のそんなところ見たくないな、 と思った。 物語は突如出てくるレクター博士のような 囚人はナンセンスだった。 あと、最終章でいきなり、当時のホテルの従業員がまだいて、記憶も鮮明で、でもその記憶は当時の捜査で活かされていなくて、急に女優が出てくるのはなかなか都合がいいストーリーだった。 あと、恩田どうこうより、偽の証拠品が元凶すぎる。 でもおもしろかった。 間違えてはいけない、 当たり前のことだけど、とても難しいことだ。

    3
    投稿日: 2022.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『力なき正義は無力であり、正義なき力は暴力である』 真実を暴くのは? 権力か、それとも人智か すべては死刑囚の自殺から始まった…。『どんでん返し』の帝王が「冤罪」に挑む。社会派ミステリーと、本格ミステリーの奇跡の融合。 犯人だと疑わなかった死刑囚が後に冤罪だったことが判明し、主人公と警察をはじめ様々な組織や事件関係者の言動や行動から、正義とは何か、権力とは何かを考えさせられる話だった。 取り返しのつかない間違いを犯した時人はどうするか。 隠そうとする者、反省をしない者、向き合いながら模索する者、潔く認める者。 権力を与えられた者はその権力を行使するに値する人間性と倫理観を持ち合わせて欲しいと願う。 冤罪という重いテーマだが、救いのある爽やかな最後でよかった。 こんなひとにおすすめ.ᐟ.ᐟ ・社会派ミステリーが好きなひと ・冤罪がテーマの話が好きなひと ・考えさせられる話が好きなひと ・どんでん返しが好きなひと

    2
    投稿日: 2022.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人が大きな罪を犯したときに、真摯に向き合う強さと選択を描いた作品。 作中では外界に居場所を見出せないが為に再犯をしてしまうという説明があり再犯率は6割と出ていたが、 埼玉の漫喫立てこもりの犯人が正に当てはまるのではないだろうか (下記のURLの記事では『「自分の人生に嫌気がさした。また事件を起こせば刑務所に戻れると思った」といった趣旨の発言をしている』と文章にある) このような事件が2022/06/21に起こってしまった。被害にあった方は軽傷で済んだが、今現状どのような心境でいるかは分からない。 5時間の間密室で犯人に脅迫され、トラウマになっていてもおかしくない。 作中(p286)で楠木辰也が最初から釈放しなければ再犯は生まれず、税金の無駄遣いも無くなると言っていたが、渡瀬はそれを幼稚な区別だと切り捨てていた。 確かに、犯罪を犯したか、してないかで人を分けるのは幼稚なのかも知れない。常に悪人である人も、常に善人でいる人もこの世にはいないし、情状酌量すべき事案もあると思う。 ただ、再犯率は6割…これは高すぎる 釈放するなとまでは言わないが、もう少し抑止力となるような何かがあっても良いのではないかと思う。 欧州の何処かでは外す事のできないGPSタグなどを導入している所もあるらしい。 こういった普段気にも留めていない事柄を今回改めて考えさせられた。 話がそれたがストーリー、人物の心情共に抜群に面白い。 二転三転とし最後まで読み応えがあった。 https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000258813.html

    1
    投稿日: 2022.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん、3.5くらいか テーマを知った上で読んでいるので序盤は胸が痛い展開。 「権力と正義」が全体を通した芯として、重ための心情描写や判断が続く。物語としての着地が気になる描写はとても良かった。 評価を下げたのは最後のどんでん返し… 流石に偶然が過ぎるのと、証人の存在の無理矢理さ(当時証言しなかった理由も不明)、その立場なら握り潰すメリットの方が大き過ぎるし、渡瀬のキャラも知ってるのに録音警戒もせず自白して抱き込もうとする謎行動……などなどでちょっと冷めてしまった。 とはいえ、最後の追及パートがないと薄味だっただろう。 手紙は生前の鳴海が人に託して仕込んでたとか、、と読んでいたが、この真相にしてももう少しやりようはあったのでは。

    0
    投稿日: 2022.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬刑事の過去 もう間違えない信念 嫌な人だと思ってたのに好きになってしまいました それにしても、最大の伏線が最初にあったとは!また、やられたー(でも嬉しい)

    7
    投稿日: 2022.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今回はなんと渡瀬班長の過去、新人だった頃にあった「事件」からスタート。過ちや失敗を活かすことは本当に難しい。それを認めなければスタートしないから。認めるために大きな大きな代償を払うことになる。それがテミスが委ねた力なのか。自分だったらとてもそうはできないなぁ。これが世の中だ、組織だとしたり顔で頬かむり。霞を食べて生きてくわけにはいかないからね。 最後はなんとなく、わかっちゃったけど、恩人であり尊敬する「仲間」であった人まで、売ってしまうとは。これもその代償か。はぁ、とても真似できない。

    0
    投稿日: 2022.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪という非常に重いテーマであり、読み進めれば進めるほど気持ちが重くなりましたが、最後まで見届けようと思い、なんとか読了できました。 人が人である以上誤りは起こりえますが、その誤りの結果、どれだけの不幸が生み出されるのか、考えさせられる一冊でした。

    0
    投稿日: 2022.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里さんの作品はいつもどんでん返しというエンターテイメントの中に、自身の日々の言動に対して考えさせられるものがあると感じています。 今作もとても面白く、目頭が熱くなる部分もあり大満足でした。

    1
    投稿日: 2022.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬さんが若かりし頃の話し。 こんな過去があったから、今の渡瀬さんがあるのが理解できました。 権力というのは使い方で天使にも悪魔にもなる。 ラストはさすが中山七里さん、でした。 大好きな作品。 再読。 正義とは、を深く考えさせられる話です。 渡瀬さんはあってはならない罪を犯しました。 その罪を償う為に警察を辞めるわけには、逃げる訳にはいけません。 忘れていましたが、最後に高遠寺円さんが出てきたんだ。涙です。

    0
    投稿日: 2022.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「連続殺人鬼カエル男」に登場する渡瀬刑事が若い時に引き起こしてしまった冤罪事件について、冤罪を産み出した強引な取調べ、犯人とされた男の自殺、渡瀬刑事自らが真犯人を明らかにした際の葛藤と隠蔽工作への抗い、その20年後に起きた殺人事件との関連性の捜査といった、一連の過程を描いた社会派ミステリー。 一般的に、自らの犯した過ちに気付いても、それを認めた場合の影響が個人だけではなく組織全体に及ぶ場合、過ちを認める正義を貫き通すことは難しい。 本書では、過ちにより一人の人物を自殺にまで追い込み、既に取り返しのつかない状況になっているため、正義を貫き通すことは困難の極みにある。 その中で、正義を貫き通す勇気を与えてくれる高円寺静判事の言葉、その言葉を糧に自分の生き方を貫く渡瀬刑事の姿勢に目頭を熱くさせられた。 冤罪というテーマから人間の生き方について考えさせられる良書である一方で、ミステリーとしても見事などんでん返しが待っており、とても面白い作品だった。 なお、高円寺静判事は、ピアニスト・岬洋介の司法修習生時代の教官として「もういちどベートーヴェン」に登場している。 本書のような背景があるからこそ、深みのある教官として描かれているのだと理解できた。 各登場人物がシリーズを飛び越えて関わる中山七里ワールドの深さに対しては、感服させられるばかりである。

    7
    投稿日: 2022.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もう、お願いしますよ、結局一番最初からじゃないですか・・・ ってぐらいのどんでん返しですね・・・ 残り3ページで・・・一番最初の画面に戻りました・・・ あと、色々この辺の事情も勉強になりますね あと、昭和、平成・・・自分もちょうどそのあたりなので なんか、妙に生々しい感じで堪能しました、七里ワールド あぁ〜、楽しかった!! ほぼ一気読み・・・

    0
    投稿日: 2022.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    護られなかった者たちへが面白かったので、2冊目! 私の頭が足りないだけだが、難しい言葉が多く、序盤は中々進まなかった。 が、中盤から終盤にかけての展開が面白くどんどん読み進められた。 本当に色々なことを勉強しないと書けない内容の本。。尊敬。。 冤罪、自己保身、隠蔽など盛りだくさん 正義を振りかざす事なく、謙虚に真実を追求する姿勢が素敵でした(でも奥さんへの扱いが酷くて、そりゃ逃げられるわって思いました笑)

    1
    投稿日: 2022.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に、あんたたちは1度も間違いないって言うのか。 膠着化した組織というのはどこでもそうだが、身内に甘く外部には厳しい。その一方で外部からの圧力が強くなると、途端に脆弱さを露呈する。 冤罪を作る要因が人よりはシステムにあることは、誰もが薄々気づいていた。しかし、いざ責任の所在を求めようとすればどうしてもしだんの矛先は個人に向く。 「美しい娘パンドラはゼウス神から、絶対に開けてはいけないと言い含められて箱を贈られます。ところがある日、パンドラが好奇心に負けて箱を開けてしまうと、中からは疫病、悲嘆、貧乏、犯罪といった様々な災いが飛び出し、人々は世界に満ち溢れた災厄に苦しめられるようになりました。 箱を開けて後悔したパンドラでしたが、彼女は箱の隅にたったひとつだけ残っていたものを見つけます。それは希望という名のものでした」 「それほど自分のしたことに負い目を感じているのなら、あなたがその希望になればいいじゃないですか。もう二度と冤罪を作らない、もう二度と間違いない、自らそういう捜査を行う警察官になり、またそういう警察官を育てていく。それが箱を開けてしまった者の贖罪だと思いませんか」 個人の能力を軽視する人間は決まってチームワークを強調するが、ではその10人が10人とも凡庸以下の人間だったらどうするつもりなのか。 要は構成員一人一人をある分野のエキスパートに仕立てていけば最強のチームになる。ただそれだけの話だ。

    0
    投稿日: 2022.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古手川刑事の先輩、渡瀬刑事の若き日の物語。 彼にも古手川のように若い時があったんだな〜なんて、思うのも束の間、ひどい取調に胸糞悪くなった。 そうか、こうして渡瀬ができあがったのか。。 高円寺静さんも。。。 警察の権威が低くなって久しいけど、渡瀬が、静が、恩田(!)が権威を持つ自己を律する思いに背筋が伸びる。。 そして埼玉日報!汗 警察、司法、マスコミに対する強烈な批判(?)に、自分をしっかり持たねばとこんな私でも思う。 ラストの綿瀬と円がよかった!

    0
    投稿日: 2022.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    きつかった。 無辜の人間を死に追いやった罪は重い。 冤罪を作り出した自分を責め続ける渡瀬。 隠蔽に走る警察組織。 被害者遺族の憤懣。 冤罪によって人生を狂わされた一家。 やるせない気持ちと、この作品を面白いと思ってしまう罪悪感が入り乱れる。 25年の歳月をかけて辿り着いた真相とは。

    1
    投稿日: 2022.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    記録 冤罪のお話、初めて読んだ。 一度裁判で決まった判決を覆す犯人の登場。 その時にはもうどうしようもない。 鳴瀬も渡瀬もその他関係した人 全員が社会から何かしらの罰がある。 なんて辛い話なんだろうか。 目には目をじゃないけど被害者遺族の 思いを考えたらこういう結末もありか。 積み上げてきたキャリアが一瞬で壊れる恐怖。 権力の醜さ。人の醜さ。秤の重さ。 人を罰するのが人ではなく神であるべき 理由が分かった。 渡瀬がどんどん嫌な刑事になっていっちゃって。 静さんが言ってた可愛い下の名前気になる。 こういう事件は表に出ないだけできっと 沢山あるし人間だから隠したい気持ちも すごく分かる。 冤罪なんてないのが一番だけど 自分の身に、友達に、家族に こういう事が起こったらと 考えさせられる話だった。 私はその時どうするか。

    0
    投稿日: 2022.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里さんの作品を初めて読みました!展開に引き込まれました。どんでん返しに無理がありましたが、他の作品を読んでみたいと思います。

    0
    投稿日: 2022.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良く錬られた作品。新人渡瀬刑事が担当した事件の犯人は獄中で自殺、しかも冤罪だった。多くを敵に回して告発、冤罪をしないと誓った渡瀬の成長と刑事としての真摯な姿は側から見たら融通の効かない人なのだろう。別件で逮捕された犯人は23年の刑期を終え出所した途端殺害された。犯人はだれ?そして裏で糸を引いていたのはだれ? 緻密に計算されていたストーリーに脱帽。面白かった。ラストの高円寺静判事のお孫さんとの再会も素敵な演出。

    1
    投稿日: 2022.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分が生み出してしまった冤罪を告発した刑事渡瀬。その結果多くの同僚や司法関係者を辞任、左遷に追いやってしまう。一方、真犯人は出所後殺され渡瀬は真犯人を追うが…。大どんでん返しの連続、読み応えあり。司法の公正さをの象徴「法の女王テミス」の剣がむなしい。

    0
    投稿日: 2022.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪をテーマに人間の業を考えさせるシュールな作品。 「司法に携わる者は常に自分を律していなければならない。」この言葉が痛く身に沁みる。 渡瀬刑事が重い十字架を背負って捜査することになる原点がここにある!

    0
    投稿日: 2022.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「司法」と「冤罪」について。 人間だから間違いはある。でも人の一生を左右する司法に携わる人間が保身・面子を重んじて、事実をねじ曲げたり隠蔽するなんて嫌悪感で吐き気がする。 実際に、本作のような強引な取り調べや杜撰な捜査で冤罪を生み出していたかと思うとゾッとします。 息子を冤罪で亡くした父の悲痛な訴えは、胸が痛いし共感しかない。 被害者より加害者ばかりが擁護される社会って何なんでしょう?理不尽に人を殺しておきながら「模範囚」として、軽い刑期で釈放される意味がわからない。判決の意味は? 渡瀬のように真摯に事件に向き合ってくれる警察官が当たり前にいて欲しい。 まさかの結末と久しぶりのミステリー♪ おもしろかったです。 . . #本  #本好き  #小説  #読書  #読書記録  #読書好き   #本好きと繋がりたい  #読書好きと繋がりたい #活字中毒 #読書女子 #中山七里 #テミスの剣 #book  #bookstagram

    0
    投稿日: 2022.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    p.43 "人が二十四時間悪人でい続けられる訳もなく、ある局面では彼らも善人だったはずだ。" p.105 "権力を持つ者が真摯でいなければ正義はいずれ破綻する" p.154 "理想を掲げることが絵空事だというのは卑怯者の言い訳だ" p.178 "稚拙だから迷うのではない。生きることに真摯だから迷うのだ。" 冤冤冤冤冤…

    0
    投稿日: 2021.12.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2021.11.27 読了 強引な捜査。証拠の捏造。冤罪。警察と司法の暗部に正面から切り込む重厚なる社会派ミステリーと、ヒリヒリした緊迫感で突進するノンストップ・エンタテイメント、そして意外な真相と巧妙な伏線を仕込んだドンデン返しミステリー 面白かった! 最初の強引な取り調べの場面から胸糞悪い展開だったけど不思議なくらい読みやすかった 最後の黒幕(?)…予想どおりでニンマリしてしまった(笑)

    0
    投稿日: 2021.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『テミスの剣』中山七里 著 起承転結→転結?→転結?という展開。 読者側の「ここで終わりだろう?」の読みを見事に裏切る展開。 警察をはじめとする国家権力に携わるものが「冤罪」を作ってしまう。 冤罪が生まれた背景、それを見過ごした裁判官、そして何よりも、冤罪で牢獄に入れられた当人とその家族の描写にこみ上げてくるものがある。 「権力をもつものは真摯でなければ正義はいずれ破綻する。」 冤罪の現場に立ち会い、それを見抜けなかった刑事の誓いは、一般人のわたしにも鬼気迫るものである。 失敗から何を学び、どう未来に対峙するか? 「知見がなければ吸収してやる。  観察力がなければ獲得してやる。  知識がなければ片っ端から漁ってやる。」 物語を楽しみながら、自身に置き換えてみた。

    15
    投稿日: 2021.11.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    警察捜査官の証拠捏造…今も冤罪事件で争われている事件がある。あの事件も大勢の組織を守るために、未だに解決されないのでは無いか⁈

    1
    投稿日: 2021.11.12
  • 時間展開が凄い

    いつもながら七里作品の面白さには驚愕です。本編は、ストーリー展開もスムーズで、何時しか時間も忘れ、物語に引き込まれていきました。特に、前半、後半を見事に結合した時間展開は凄いと 感じました。

    0
    投稿日: 2021.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全てを見透かし裁きを下してくれる神がいてくれたらどんなに救われる事だろう 無実の罪で獄死した男 絶望の淵に立たされる男とその両親を想うと胸が痛い 冤罪を暴く事によって転がり落ちていく関係者 全てを失う者 得をするもの… そして最後にやっぱり待ってる驚愕の真相 見事な伏線回収 どんでん返し 生涯降ろす事の出来ない十字架を背負った後の渡瀬の成長っぷりが良い 良いキャラ 躓いて苦しんで悩んで迷って決心した男にはなんともいえない味が出る 人によって持ってる剣も秤の重みも違うけれど、全て包み隠さず白日の下に晒す事が皆が前に進んでいける為の希望の一つなのかなと 高邁を画餅と断じるのは妥協ではなく迎合 権力を持つ者が真摯でいなければ正義はいずれ破綻する …いずれの組織にも通用する文言だと思う

    0
    投稿日: 2021.09.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    28年前 渡瀬刑事が捕まえた犯人は5年後に無罪だと分かる しかし犯人は獄中で自殺した後だった 権力を持つ者が真摯でいなければ正義はいずれ破綻する この言葉を心に自分を律し2度と間違えない様にあらゆる知識を取り込み始めた今の渡瀬さんの原点の事件 逃げない姿はとても痛いけれど素晴らしい 反面教師、背中を押してくれる者、許してくれない者 そういう人達がいてくれてよかったと思う 冤罪が作られる場面はとても心が痛くなった 人の嫌なところを突きつけられる そして自負自身の醜さを自覚した時の恐怖は凄まじい 人を裁く側の人は真摯でいてと願う

    2
    投稿日: 2021.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    他の作品ででてきてた渡瀬刑事の昔の話 今の渡瀬刑事になった理由がわかっておもしろかった 昔の上司がどうしても気に食わんかった

    0
    投稿日: 2021.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    渡瀬の過去。なぜ彼は博識なのか、正義という確固たる芯があるのか。それは、自らの過ちにより冤罪を引き起こした事があったからだった。二度と間違いは起こすまいと、とにかく何事も知識として吸収し、誰よりも靴底をすり減らし、結果として検挙率トップの警察官となった。

    1
    投稿日: 2021.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬の原点が分かる話。 どんな仕事でもそうだけど、若い時は経験不足や思い込みから間違えることも多い。そこから学んでベテランになって行くんだけど、自分の間違えで人が命を落としてしまうのはきつい。心が折れそうになる。でも大事なのはその後。間違えを認めて、後悔して、もう二度と間違えないようにしようと努力する。それができる人間でありたい。

    1
    投稿日: 2021.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった! テーマは冤罪 読み進めるうちに、このプロットどこかで覚えがある... って思ったら、ドラマで見てた!(ショック) そして、ドラマ通りの展開に!あたりまえだけど..(笑) ストーリとしては、 不動産屋夫婦が殺害され、その容疑者楠木はベテラン刑事鳴海と主人公の渡瀬による強引な取り調べて自供。 死刑判決を受けるも、獄中で自殺。 その後、別件で逮捕した迫水が、この事件も自分がやっと自白。 楠木は冤罪だった... 渡瀬は一人で真相を追います。一方で、それに対する警察の隠ぺい工作 そして、出所後、殺された迫水 誰が殺したのか? なぜ殺されたのか? 事件の真相は? といった、すごーーーく面白い展開なのですが、ドラマですべて知っているんです。 それも最近見ちゃったんです。 とても残念です(笑) とはいえ、とても面白く、素晴らしい作品 お勧めです!!

    10
    投稿日: 2021.06.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『殺人鬼カエル男』に出てきた、あのクールでキレ者の渡瀬が、まだ若かりし頃、冤罪を生み出すことに無意識のうちに加担してしまい、それを長い年月をかけて正していく話。 相変わらずタイトルがかっこいい。それって大事なことだと思う。 ーいかにもそういうことをやりそうな人間だから。 ーちゃんとしたアリバイがないから。 ー状況的に金に困っていそうだから。 これらの条件が揃えば、だれでも犯人にされてしまう。読んでいると、そんなことが本当に起こりそうで怖くなってしまう。自分自身を守るためには、いかなるときも感じのよい人間であることを心掛け、常に防犯カメラがあるところを歩き、家族以外の人と時間を共有し、安定した収入を維持し続けなければならないのだろうか。 警察に疑われたら最後、本当はやっていなくても、取り調べ室という密室の中では誰も聞いてくれないみたいだから。 最後は中山七里らしいどんでん返しがあるのだが、今回はわたしにとってそれほど驚いたりすることはなかった。やはりこの前に読んだ『ネメシスの使者』のラストがあまりにも衝撃的過ぎたのかもしれない。

    1
    投稿日: 2021.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪が生み出されてしまった事実。 これを明らかにするだけで、様々な人を巻き込み、苦しめる。 1番苦しいのは、犯人にされた人間なのに、人の身勝手さにイラついた。 最初から、決めつけなければいいだけな話なのに、それができないこの国が本当に嫌になりそうだった。 一気に読めてしまう展開の面白さは、爽快だった。

    0
    投稿日: 2021.04.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    A person with a strong personality is foreign and a threat to an organization. They are constantly tense, but the organizations that lose them quickly disperse their individual movements and slowly collapse. 彼らは絶えず緊張感をもたらすが、彼らを失った組織はすぐに個々の動きが拡散し、緩やかに崩壊する。

    0
    投稿日: 2021.04.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪を生んでしまった刑事、それを見逃してしまった判事、その裏でうごめく検事。きれいごとでは済まない問題に切り込んだ作品、答えがない難問に立ち向かう。 推理ものとしても引き込まれ、一気に読んでしまう。

    9
    投稿日: 2021.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。 冤罪事件を扱ったものとして、とても壮大なストーリーでしたね。伏線を回収していくストーリー作りはうまいけど、そんなに全てを巻き込まなくてもと思いつつ。ドラマ仕立ての展開でした。

    1
    投稿日: 2021.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった 冤罪に切り込む主人公 憎めないやつ 警察物は飽きていたがこれは引き込まれるように一気に読めた

    1
    投稿日: 2021.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    フィクションと言う感じが薄く、特に過去の部分はリアリティがあり、一気に読めた。 後書きの谷原さんも良かった。そのまま感想を代弁してくれている感じでした。

    1
    投稿日: 2021.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    埼玉県浦和市で事件が起きた。不動産屋に強盗が入り、物音で出てきた主人をめったやたらと刺し、二階から降りてきた夫人を刺し殺した。バール状の物で金庫を開けて金を盗んだようだ。若手刑事の渡瀬はベテランの鳴海と組んで捜査を始めた。鳴海はベテランで強面した刑事だった。不動産屋の裏で高利貸しをしていたことが主人の本棚にあったノートで分かった。そのリストから割り出された人名から犯人と思われる人物が上がった。鳴海らの強引な取り調べで自白したが、裁判でその供述を変えた。自分は無実だと…。

    1
    投稿日: 2020.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    渡瀬警部が主人公。 他のシリーズにちょっと出てきたこともあり、読んだ。 (ヒポクラテスシリーズ 古手川の上司) 以下、最後までのネタバレ。 渡瀬警部が若い頃の事件で、ある青年を冤罪にしてしまった。 一緒に組んでいた鳴海の強引なやり方だったが、渡瀬も鳴海が追加した証拠で信じてしまい、一緒に追い込んでしまった。 数年後、青年は服役中に自死。 冤罪だとわかったのは、似たような事件が出て真犯人が見つかったから。 最後は真犯人が仮釈放されたときに、青年の父親が真犯人を殺した… 冤罪はなくなってほしい。 無関係な人を不幸にし、真犯人を野放しにしてしまう。

    1
    投稿日: 2020.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この人の作品はほんといつもタダでは終わらない。 なかなかやるせない作品だった 2020.10.30 108

    1
    投稿日: 2020.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。 だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。 隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった! どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。 ひやぁ~。 これは面白かった!!! 一気読み。 読み始めたら止まらなくなる面白さ。 渡瀬刑事の真っ直ぐさは、もう私のど真ん中!!! 事件解決の経過も面白いのだが、渡瀬刑事や判事の心情、 どれをとっても素晴らしい。 物語も目を離せないほどの展開で、次から次へと事件が起こるのだが、 全てが最終地点に全て繋がっているのが尚良い!! あ~、もう私が求めるミステリの神髄だわぁ~。 いいわぁ~。 もう最後の最後まで最高潮のまま(*´▽`*) 中山七里先生、何を読んでも最高!!! 暫く中山先生ワールドにどっぷり漬かりたい(*´▽`*)

    36
    投稿日: 2020.10.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冤罪に最後まで向き合う熱い刑事。 解決したとしても、一生背負っていかなければいけない十字架は重過ぎる。

    1
    投稿日: 2020.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬さんが個人的に好きで…読んでみました。 渡瀬さんにも警察官として、こんなに悩む時期があったんですね。 裁くべき人を絶対に間違えない、という決意には大きな責任が伴いますね。 でもこの意思こそが今の人となりを表しているのでしょう。 心残りがあるとすれば渡瀬さんの奥さんです。 あれからどうなったんでしょうか。 願わくば元通りになってほしいと、思うばかりです。

    14
    投稿日: 2020.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    息止めて一気に読んだ気分。 ずーっと苦しいなぁっていうのが続くけど最後には、ぷはーっとスッキリ。 ひとつの冤罪の話だけで終わらないとこがいい。 ただただ苦しいけど。

    1
    投稿日: 2020.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬さんが出てくるシリーズの中でこれを1番最初に読んでしまいました。 他の作品も読みたくなりました。 最後はえ、この人が?となり、やられたーという感じです。

    2
    投稿日: 2020.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    STAY HOMEのGW(がまんウイーク)、映画見るか本を読むくらいしかすることがない。 所轄の刑事・渡瀬が先輩刑事とともに強引な取調べで自供を引き出した強盗殺人犯は死刑判決を受け、獄中で自殺を遂げる。 しかし5年後、別の殺人犯の取調べで真犯人は別にいたことが分かる。 冤罪の隠蔽を図る組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追う…。 って、ここまでは裏表紙にも書いてあり、さて、ここからどのように展開させるのかと思っていたが、なかなか意表を突かれる展開になった。 組織防衛や体面に拘る警察機構に抗う若い刑事の青臭い理想という構図にはせず、ひと段落付けた20数年後に時代を飛ばすことで、渡瀬の贖罪だけに留まらない話になった。 御子柴シリーズでもそうだが、変わらず本作でも、強引な捜査や証拠の捏造、死刑制度や裁判員裁判に対する批判を滲ませ、作者にとって“警察と司法の暗部”というテーマは書いても書き尽くせぬようだが、そこを手を変え品を変え話として楽しませてくれるところには感心する。

    8
    投稿日: 2020.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ひと月の間にできるだけ、いろんなジャンルのいろんな作家の作品を読むと決めているので、上下巻でもない限り、同じ作家を続けて読むことはないんです。ないんですけど、『ネメシスの使者』を読んでおいて、その前日譚である本作を積読の山に入れたままなのが気になってつい。 渡瀬刑事にはこんな過去があったのか。逮捕して、死刑判決を受けた若者が冤罪だった。ネメシスを先に読んだおかげで、今も変わらぬ刑事であることがわかっているからちょっぴり安心。『その女アレックス』→『悲しみのイレーヌ』の順で読んだときと同じ感覚。 それにしても毎度残り少なくなってからの展開が凄すぎて愕然。人間不信に陥りそう(笑)。

    4
    投稿日: 2020.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    若き渡瀬刑事担当した強盗殺人事件の死刑囚が刑務所で自殺する。その5年後、渡瀬はこれが冤罪であったことを知り、警察組織の圧力の中、真相を明らかにしようとする。冤罪が作られる詳細が描かれていて恐ろしい。実際に渡瀬のように動く刑事がいるだろうか。そもそも冤罪の実態はどうなのだろうか。闇に葬られたものが多いに違いない。 最後のどんでん返しがとってつけたようで、少々残念。

    36
    投稿日: 2020.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    渡瀬刑事の新人時代、この人はとてつもない十字架を背負ってしまった! それにしても渡瀬の一枚一枚皮を剥いで行くような捜査方法は読んでいてワクワクする。

    3
    投稿日: 2020.03.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どんでん返しが全ての始まり… 実際の世界でもあるのではないかと疑いたくなる犯罪者成立の瞬間に考えさせられる

    2
    投稿日: 2020.02.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリ かかった時間 3時間くらい? テミスの剣とは、司法のモチーフである女神のもつ権力のことだ。女神は剣と天秤をもっていて、剣は権力、天秤は正義を示す。 このお話は冤罪事件に端を発した、警察と司法をめぐるミステリだ。主人公は渡瀬刑事。ふだんは強面の、しかし顔に似合わず切れ者の彼の、若き日の過ちの記憶である。いつもの中山七里のように、おもしろいしリーダビリティあふれている。そしてこれもいつものように、他作品にも登場している人物が、作品世界を作っている。 この人のこのシリーズ(埼玉県警・埼玉地検高検・埼玉地裁高裁・弁護士の御子柴・あと解剖医の光崎教授あたりの話)好きだわ、おもしろいわ。 あと、中山七里作品のよいところは、外れないエンタテイメント性に加え、ほかのもう少し気合のいる本を読むためのロイター版的な役割を果たしてくれるところだ。こんだけ読めたから次はアレに挑戦!といモチベーションにもなる。

    1
    投稿日: 2020.02.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     正義の女神テミスは、ギリシャ神話に登場する。目隠しをした女性が剣と天秤を持つ姿として描かれ、司法・裁判の公正を表す象徴を裁判所などに像として置かれています。  罪を犯した者に対し天秤は法に照らして公正に量刑を決め、剣は両断の如く裁くのであろう。しかし、これは神話のことで、実際は生身の警察官が容疑者を逮捕し、調書を検察に送り、必要ならば起訴し裁判となる。  端折るが、もし検事や裁判官の天秤が壊れていたり剣がボロボロに錆びていたらどうなるかは、火を見るより明らかである。  ここまで書いたら容易に察する本書のテーマは「冤罪」です。  主人公の渡瀬と先輩刑事鳴海は、容疑者が不動産屋を営む夫婦を強盗殺人犯として逮捕して犯罪者に仕立て上げる。  刑事は、でっち上げの証拠と拷問の末、自供したら楽になれると甘言し嘘の自供を調書に書き、後は法廷で真実を語れば「君は無実になる」と言ったのだ。しかし、あてがわれた弁護士は国選弁護士で、やる気のない嘘で固められた法廷闘争は高等裁判まで死刑判決が指示された。絶望のうちに確定死刑囚となり刑の執行を待たずに拘置所内で自死したのです。  以上が本書の導入部で、これから物語の本質が明らかになっていくのです。何とも泥臭い物語ですが、アッと驚く結末は必読です。  本書の関連事項で、「無期懲役」って何なんですか。勿論制度としては理解できます。  ある事件を思い出し調べてみた。事件の名称は、平成5年の「甲府信金OL誘拐殺人」です。OLを誘拐して間もなく殺害し、身代金を要求したのです。身代金受取の足手まといになるので先に殺害したのです。何とも残虐非道な事件でした。誘拐された後、マスコミが騒ぎ色々な憶測の報道がメディアを席巻しましたが、結局犯人は自首したが、裁判で自首の有効性について議論された。検察側から死刑を求刑し自首は認められなかったものの、全面自供が評価され、判決は「無期懲役」で終結した。しかし改悛し模範囚を演じたなら、早く出所出来る制度ではないですか?日本の再犯率は60%だそうです。ならば模範囚は、仮出所の評価理由ではないと思う。  この事件は黒澤明監督の映画「天国と地獄」の手法を使ったとウィキに書いていました。  本書の文庫版解説は、俳優の谷原章介氏が書いています。抜粋すると『もし、死刑という制度がなければ、我が子は自死するほどの絶望に至る事は無かったのかもしれない。しかし我が子の死に対して秤でバランスが取れるものは、死以外に何があるのか。そこに死刑という制度の矛盾を感じます。死がさらなる死を求める終わることのない負の連鎖が…。』

    6
    投稿日: 2020.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中山七里さんを好きになっきっかけは「御子柴シリーズ」。その作品にも度々出てくる渡瀬警部の話。渡瀬警部の信念がかっこいい。 そしてやはり中山作品、驚きのクライマックス!からの驚きの事実!

    2
    投稿日: 2020.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んで 題名の意味がわかる 深いし 目指すところは高い。 中山七里を読んで、法廷物 なんとなくわかって来た気がする。 渡瀬警部のなりたちがあからさまになる。渡瀬の苦悩 現在の渡瀬を知ってるから納得 冤罪という大きなテーマ 隠蔽体質 組織を護ろうとする大きな力 司法という立ちはだかるもの。 渡瀬にエールをおくる。

    7
    投稿日: 2020.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の信じる正義と組織のなかでの生存と間での葛藤や決断によって起こる反響や軋轢など、軽重は別にしてもいろいろな形で自分たちの社会生活で迫られる選択について考えさせる重いテーマ。他の作品にも登場する渡瀬を主人公に、読み出したら止まらない質の高い作品にしている。中山作品の真骨頂であるどんでん返し的なエンディングも見事。

    5
    投稿日: 2019.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    冤罪がテーマ。 主人公は七里作品ではお馴染みの刑事、渡瀬。 若かりし頃、先輩刑事と共に上げた犯人を結果的に死刑に追いやってしまうが、それは冤罪ということが数年後、彼が上げた他の男が真犯人だと暴くことに。 冤罪で死んでしまった青年とその家族が本当に痛々しく、やりきれない気持ちになる。 ダイナミックな一冊。

    2
    投稿日: 2019.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ハサミ男は自分は今ひとつでしたが、こちらは傑作です。どんでん返しのストーリー、登場人物の個性など、読み応えあり。

    3
    投稿日: 2019.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カエル男から作者の作品に入り 刑事さんに、それも若き時代に 興味をもつからそりゃ読むよね。 底知れぬ能力と魅力を醸し出すベテランの姿と まだ周りに影響されて流される若手時代の姿と 本人以外は読者しか知りえない重荷、十字架を背負う キャラクターの完成までの道のりを追いながら 罪と罰、感情と倫理と権力と正義(という思い込み)、 大衆と報道機関、そういった世の中の清濁や もやもやしたり、やりきれない思い、 真犯人探しのミステリーというだけでなく 俗、下衆な大衆を客観視したり、自らを重ねたり 仕掛けはどんでん返しだけではないと思った。

    2
    投稿日: 2019.05.14