
総合評価
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powered by ブクログ調理のやり方によっては美味しくなる素材だが、平凡な味に終わった、そんな感じ。作者の頭の中では当然のように展開しているらしいことが、こちらにはうまく伝わってこなかった。途中、何度も「ん?」となって読み直したりしていて、ストレスフルな読書体験だった。他のレビューでは「読みやすい」などの声も多かったので、読み手側の問題かもしれません。
0投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋さんで働きたくなりますね。 『レジまで推理 本屋さんの名探偵』で書店謎解きに入門したので、そっちの方がパンチ効いてて、最後のどんでん返しもあって、個人的には好き。 ですが、これは好みの話で 本作も引けを取らずおもしろいです!! 本屋さんから、こんなにも話がふくらむのがすごいです。 日常の非日常。心が躍りますね!! 続編も読もうとおもいます!!
1投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログブックオフでたまたま見つけた小説。 読んでみると、作家さんが元書店員だったこともあり、書店としての仕事内容が細かく背景として書かれていて、日常の中で起こる事件を謎解きして解決していく流れで、とても面白かった。 個人的に、六冊目のメッセージとディスプレイ・リプレイが良かった。
5投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ本にまつわるちょっとした謎やミステリーを解きながら、本と人が結びつく人情もの(?)の短編が楽しめます。 本屋さんのリアル感とフィクション感のバランスが良く、久しぶりに文芸書で知的好奇心が刺激され、またヒヤヒヤ&ホッコリしました。
0投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ本屋さんで起こる日常の謎のお話。ちょっと前に読んだアンソロジーに1話目が載っていて面白かったのでシリーズで購入しました。
4投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
木下杏子 駅ビルの六階にある本屋、成風堂の店員。二十四歳。短大時代のバイトも本屋、就職も本屋。 西巻多絵 成風堂のバイト店員。杏子の三つ年下。法学部に通う女子大生。 吉川博美 成風堂のフリーター。短大卒業後、就職した会社が倒産した。 清水 寝たきりになった爺さん。読書家。 福沢 成風堂の店員。五十代半ば。会社をリストラされ、二年前に成風堂に入ってきた。 西岡 清水が希望する本を依頼に来た。塾講師。 喜多川理沙 成風堂をよく利用していた母を探している。大手薬品会社の課長。四十歳。 沢松ふみ 喜多川の母。 沢松貴史 ふみの息子。二十年前に事故で亡くなった。西が丘高校。 樫村 白髪の気のいい大学教授。元西が丘高校の国語の先生。 小林 成風堂の店長。事なかれ主義者。 内藤 成風堂の社員。二十代後半。 口数は少ないが、何かと気配りが利く。 上田美香子 貴史が想っていた古典の先生。 三日月館のマスター 商店街の中にある喫茶店。 バーバー・ハーレム ハンサムな理容師が多い床屋。正式名称はバーバー・K。 ノエル 美容院。常連客がパーマをかけている最中に、月刊誌の中からその常連客を盗撮した写真が出てきた。 キング バーバー・ハーレムのオーナー。 竹中美容室 オーナーは白髪まじりの初老の男性。 田中 バーバー・Kの元スタッフ。 田中 ノエルで盗撮された写真が雑誌に挟まれていた。 葛西 成風堂の常連客。黒いベレー帽を粋にかぶった白髪の老人。 河田菜穂子 先日まで中央病院に入院していた。 島村 地図ガイドの版元。 角倉夕紀 成風堂に新しく入ったバイトの女の子。元気のいい大学生。 渡辺紗弥加 夕紀と同じ学年の学生。 佐野佳彦 夕紀の一学年上の学生。 北島 常連客。これぞオタク男。 青木ユタカ トロピカルの作者。
1投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ書店を舞台にした日常ミステリで、好みのジャンル。 でも謎解きとしてはけっこう突拍子もない展開だったりして、リアリティはあまりないかな、そんなに上手くいく〜〜??とかと思ったし、でも面白かった。 個人的には「六冊目のメッセージ」のお話が好き 本のやり取りから始まる恋、、素敵、、
1投稿日: 2025.06.06
powered by ブクログ初めての作家さんだったのですが、 書店物の小説が大好物なのと 作家さんが元書店員ということもあり、 これは是非、是非読まなくては!と思い手に取りました。 書店の内情やいろいろなジャンルの本が出てくるので書店好き、本好きには嬉しいシリーズ!さらに謎解き、ミステリーも楽しめる。 美味しいご飯にデザートまで付いてくるような贅沢な感じ。 5編からなる短編集で、成風道書店コンビの杏子と多絵が事件を解明していく。 最初は本屋の謎解きミステリーってどんな話だろう?と思ったけど、元書店員ならではの発想でリアル感があり、どの事件も違った味で読み手も一緒に謎解き、推理に参加したくなってきます。 上手くミスリードされ、予想外でそうきたか! 結果5敗。上手く騙されちゃいました。 ラブストーリー的なものもあったりコンビが事件を解決したときはスカッと爽快な気分にもなり、面白い。 5話目の「ディスプレイ リプレイ」 人気コミックの話なんだけど、 これが一番予想外の結末でビックリ! 犯人も予想外だったけど、最初に怪しいと思っていた人物とコミックの疑惑の真相が、予想の斜め上をさらに斜め上に越えていった感じで驚きです。 書店で行われるコミックのフェアの裏側もお祭り気分で気持ちがワクワクして一緒になって楽しめました。 ただ、杏子が多絵に頼りすぎ感は否めないので、もう少し頑張って盛り上げて貰いたい。 あと、「書店の謎は 書店員が解かなきゃ!」 この台詞、2人の決まり台詞になりそうで、 次はどんな謎解きミステリーが待っているか楽しみです!
25投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログブックオフで何となく買ったのが当たり! すごく面白かった。 日常の謎かと思いきや意外と犯罪だった笑 どれも面白かったけど一話目がインパクトあって好き。
1投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ本好きにはたまらない設定でした。 書店員が謎を解くという設定と、主人公はあくまでワトソンの立ち位置なのも気に入りました。 聞き覚えのある作品や出版社が登場するのも、読みながらワクワクする要素のひとつで、物語も優しい内容なのでかなり読みやすかったです。 それでもしっかりと驚かされる展開も用意されているので大満足の作品でした。
0投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日常の謎系あんまり読まないけど面白かった! 「パンダは囁く」が収録作の中では1番好き。 日常の謎だけどちょっと危ない所まで踏み入ってる感じ、良い。 「ディスプレイ・リプレイ」は作品が好きだからこそ作者や作品を守りたくてやってしまった感が悲しい。
0投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログ好きな本屋さんが舞台の本で手にしてみたが 、なんだか読みにくくて途中で読むのをやめてしまった。残念。また機会があったら、読んでみよう!
2投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ書店を舞台にした話が好きなので読んでみましたが、とても面白かったです。駅ビルの書店を舞台に書店員杏子とアルバイトで推理力に優れた多絵が様々な謎を明かしていく話。シリーズ化されてるようなので読み続けてみます。
3投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログ書店の日常の中で起こるミステリーは殺人等のミステリーとはまた違った面白さがありました。 メインキャラの杏子と多恵のキャラクターはもちろん魅力的でしたが、他の登場人物も短編の中でしっかりとキャラが立っていてとても面白く読めました。
0投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ書店員が謎解きするミステリー。はじめは、すごい謎解きだとハラハラしながらも、ほんわかラブストーリーも盛り込まれていてあっという間に読んでしまった。
2投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ本屋を長時間ウロウロしてしまうわたしたちにどんぴしゃりでして、読んでいて楽しい。 デビュー作ながら、読みやすく、蘊蓄も邪魔しない程度に盛り込む文章が好みでした。 お仕事小説とミステリのバランスも完璧。 表題作は美容院への配達業務中に起こった事件、ラストのやつは特設コーナー(POPのデカい版的な…)と、接客以外の本屋のお仕事から事件が発生するのもよい。
7投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログ書店での謎を書店員が解く日常の謎ミステリ。 やっぱ本に纏わるとか本屋さんとかのお話は好きです。良かった。 特に入院してた時に選書してくれた人を探すお話が好きでした。
6投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ書店で起こる様々な謎を解き明かすミステリー。 読みやすくて話の先が知りたくてどんどん読む。 謎解きは「なるほど」 本好き、書店好きにはたまらない本。 そして本屋さんのお仕事もよく分かる。 成風堂書店に行ってみたい。
17投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ本屋さんの仕事を少しだけ覗くような体験ができたのが興味深く面白かった。 例えば美容院や喫茶店などへの雑誌の配達は確かにこれも本屋さんの立派な仕事だなぁと。 私が通っている美容院ではタブレットで雑誌読み放題に最近変わって、便利なようだけど本屋さんの仕事が一つ減ったのかなとちょっと寂しいような気持ちが浮かんだ。 他にはディスプレイや平台の積み方。今度本屋に行った時には注目して見てみたい! 短編集の上、全体的にさらっとした印象を受ける文体で読みやすかった。 エピソードとしては六冊目のメッセージとディスプレイ・リプレイが好み。 ただ登場人物の個性があまり自分には伝わってこなくて、その点が残念だった。
0投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ書店が舞台というだけで、ちょっと気分が上がった。 書店員の日常の仕事を覗けたのは興味深く、特にアバウトなヒントから本を特定していくのが、とてもおもしろかった。 謎解きに関しては、少し性急に感じてしまい、もう少し丁寧でもよいかなと思った。 多少納得いかない終わり方もあったが、楽しく読めた。 気軽に負担なく読め、ストレスフリーでよかったと思う。 2024/02/10 22:11
2投稿日: 2024.02.10
powered by ブクログ再読 本にまつわるミステリは単純に面白い。それに書店員の仕事ぶりまで描き出されていて、新しい発見もあり二重の面白さがある。 「パンダは囁く」、「六冊目のメッセージ」、「ディスプレイ・リプライ」がお気に入り。
0投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログ短編が何本か入っていますが、最初の話と赤ずきんの話が好きです。最後は途中でオチがわかっちゃいました。
0投稿日: 2023.08.30
powered by ブクログ'23年8月20日、audiobookで、聴き終えました。この小説、何回目だっけな…? 大好きな小説なので、紙の本で何度も読み返してましたが、新しく入会したaudiobookで見つけたので、早速トライ。 やはり、良かったです!ナレーションも、イメージ通りでした。樂しく、聴き終えました。
15投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログ〈井辻くん〉の2冊を読み終えたので、今度はそこによく登場していた〈成風堂〉のシリーズに行ってみる。 駅ビル内にある中規模書店・成風堂で働くしっかり者の店員・杏子さんと大学生アルバイトの多絵ちゃんが、身近に起きる謎に対し『書店の謎は書店員が解かなきゃ!』ということで展開するお話。 サラサラと読みやすく、杏子さんも多絵ちゃんも本のことなら何でも知っているというわけではないところもこちらとしてはついて行きやすい。 謎を解くのは勘のいい多絵ちゃんの役割だが、謎が解けた後にもうひと転がりする筋書きもなかなか良い。 日常の謎とは言え、結構ぞっとしなかったりムムッとなったりする内容が多く、その点、分かり易くほっこりした「六冊目のメッセージ」が一番。
34投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログ本屋さんの内部で起こるささやかな?ミステリー。 短編で非常に読みやすかった。 また、登場人物それぞれみんな優しさに溢れていて、読んでいても、心が落ち着き良い作品だったと思う。 じんわりと心が温かくなったのが、 しめのにて君が袖振る 6冊目のメッセージ できれば同シリーズをまた読んでみたい。
3投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログ書店員が主人公の短編ミステリー。 勘のいい大学生アルバイトの多絵が書店のお客様が持ち込む謎を問く。 謎解きが難しくキャラクターもあまり個性がなく個人的にはやや物足りなく感じた。
0投稿日: 2023.03.11
powered by ブクログ書店を舞台にした軽ミステリで読むに易い児童文学のような本だった。ミステリとはいえ平和な謎解きゲームの様相。 筆致は軽快で読みやすくサクサク読めたなー。宗田理とかああいう感じだ。 Kindleでお風呂読みしてたんだけど、そういうお風呂とかトイレとか隙間時間にちょろっと読むのに最適かと。小話的なね。 シリーズになってるので他もライトに読みたい時用にキープかなーと思ってる。嫌な感じが全然無いのも気持ち的に楽ではある。
0投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ日常ミステリー短編集なのだが、決してほのぼのではない。作品によってはサスペンス調でもあり、重すぎず軽すぎず。シリーズ他作も読んでみたい。
2投稿日: 2022.12.07
powered by ブクログ最後に解説を読んで、この本のジャンルが「日常の謎」というものだと知りました こういう日常の謎を解決していく本好きです! この本の杏子と多絵のコンビも最高です! 特に六冊目のメッセージがお気に入りです!
2投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログアマゾンプライムリーディングにあったので読んでみた本。 大崎梢さんは横濱エトランゼに続いて2冊目。本屋を舞台にした日常ミステリーの短編連作。あまり期待していなかったけれど、ちょっとした事件とその謎解きがどれも面白かったです。 主人公のプライベートがあまり語られていなかったので、もう少し登場人物たちのプライベートまで書いてくれたらさらに面白いのではないかと思いました。
0投稿日: 2022.09.10
powered by ブクログ積読の中からやっと読み終えた。 ミステリーだけれど、ハラハラ、ドキドキと心臓に悪い?ということは無く、日常的なミステリー。 書店員の杏子と大学生アルバイトの多絵が謎解きをする。 面白かったので、是非、続編を読みたい。
11投稿日: 2022.08.28
powered by ブクログ日常の謎派! そこまでハラハラはしないが、 次がきになり、どんどん読み進めました。 本屋さんの中で起こるサスペンス! 読みやすく、面白かった。
0投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログ書店や本にまつわる謎解き話しは好き。次回作も読もうと思う。 残念なのは、主人公の杏子さんが本好きとは感じられないセリフをたまに言うことや多絵ちゃん頼りが過ぎること。モヤっとしてしまう。
5投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログ書店ミステリだけどミステリ要素は少なめかな。アルバイトの多絵の勘の鋭さと書店の大変ざがよく出ていた。
0投稿日: 2022.04.09
powered by ブクログ<心の声と口から出る声> 日常の謎というジャンル、穏やかな展開が多めですかね。 入院患者に本が届く話は好きです。読む人の心理状況やその時取り囲んでいた環境に合わせて、本の味わいが変化するのはすごく共感できます。 ただ、、地の文と、登場人物のセリフとの結びつき方、というのか、繋がり方というのか、そこに隙間をちょっと感じてしまいました。丈の合ってないスーツみたいな、地の文と、「」、感。着られている自分と、宙に浮いているスーツ、みたいな。独立している感をちょくちょく感じてしまって、そこが少し、、って感じでした。 まあ、それはそれ、で横に置いておいて。本好きにとって書店が舞台の物語ってのは、それだけでなんかワクワクしますね。
0投稿日: 2022.03.27
powered by ブクログ書店員の杏子と大学3年生でアルバイトの多絵が書店を舞台にした「日常の謎」を解き明かしていく。 サスペンスみたいにドキドキ感のある謎ではないけど、書店員だからとける暗号だったり平和的なもの。 冒頭での杏子の数少ないヒントで探してる本を当てたり、多絵の鋭い推理力は読み応えがあった。
0投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログ大崎梢先生のデビュー作 本格的書店ミステリー 特に第1話のトリックはお見事でした 大崎先生は元書店員とのこと。道理で、書店の表裏の話が満載され、本のお話に詳しい、と思いました
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ面白かった。 久しぶりに一気に読んでしまった。 本屋さんの仕事を少し垣間見つつ、普通のお客様から持ち込まれる普通の謎がワクワクする謎に変わっていく。 こんな楽しい事はない。 本屋さんの店員さんは図書館司書と通じる物があるのだなと思った。 実際の本屋さんでは欲しいタイトルの置き場所を聞く以外の依頼をした事がなかったので、この本を読んで選書や本探しを依頼する方もいるのだなと目から鱗だった。 でも本書にも「書店員全てが本好きとは限らない」と書かれているのでやはりためらうかな。 気の合う本屋さん探し頑張ろう。
0投稿日: 2022.01.25
powered by ブクログキャラクターの性格が私には合わなかった。 店員がそこまで踏み込んでいいのか? ミステリー自体は面白かった。
1投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログ2つ目の標野にて君が袖振るがよかったです。1つ目の話が物騒なミステリーの話だったので、2つ目もそうなのかなと思ったら、爽やかな恋愛の話でした。本屋さんの話で、ほのぼのとした話が割と良かったのですが、ジャンルはミステリーの様です。作者さんは器用に色々書ける人なんだろうなと思います。
0投稿日: 2022.01.22
powered by ブクログ本屋さんに起こる日常ミステリー。本探しや配達雑誌に入れられた盗撮写真などの謎を主人公が同僚と一緒に解いていく。 本屋さんの仕事が丁寧に描かれていて、お仕事がリアルに感じられて楽しいです。でも本屋さんって楽しそうだけどやっぱり大変そう〜
3投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ本屋さんの中の「日常の謎」を店員の杏子とアルバイトの多絵ちゃんのコンビが解き明かしていくミステリー。 ミステリーと言っても、禍々しいものはなくて、「謎の暗号が示している本は何か」「ある本を買って居場所がわからなくなった母を探せ」「病室に差し入れられた本は誰が選定したのか」などなど。 ストレスなくほっこりと読める。 どの話もストーリーがしっかりしていて、読み進めるのに何の抵抗もない。しかし、先が気になる展開になっていて、あっという間に読んでしまった。 本屋さんの日常の仕事も描かれていて、お仕事小説として一面も持っている。本の陳列や平台、ディスプレイの準備などなど。本屋さんごとに雰囲気が違うのは店員さんの頑張りがあってこそなのだ。昨今の本屋存続の危機が叫ばれている現状が悲しく思える。本屋さん残って欲しい。 シリーズものとして続巻が出てるらしいので読んでみたい。良書。
2投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ今まで好んで読んできたミステリーと違い、伏線回収であっと驚くことはない。誰も死なない平和な終わり。 本屋の実際の仕事や裏側を知ることができた。
0投稿日: 2021.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『成風堂書店には本屋ミステリーが平積みだって!』 成風堂書店を舞台に、書店員・杏子とアルバイト・多絵が、訳ありのお客さんが持ち込んだ謎に取り組んでいく日常ミステリー。元書店員の著者だからこそ書ける本屋の舞台裏、そして、謎を解くヒントとなる本の数々。純粋に面白かった!
0投稿日: 2021.12.28
powered by ブクログ日常の謎系の連作短編集。書店が舞台だし、もっとほんわかした話かと思っていると、扱われる事件は結構ハード。さすがに殺人は起きないが、それは結果で、起きてもおかしくないエピソードが二つばかり混じっている。ミステリとしてロジックを見ると少し強引な感じもするが、お話の面白さがそれを補ってあまりある。
0投稿日: 2021.10.23
powered by ブクログ全5話の短編集です。 1話目が本を用いた謎の暗号で、少しホラーにも近い話でしたので、残りの話もサスペンスやミステリー系なのかと思いました。 しかし、4話目はなんとも甘酸っぱいほっこりする恋愛小説のよう。あまり恋愛小説を読まない(読めない)私でもキュンとして温かい気持ちになりました。 第4話が全話通して1番好きです。 全話共通しているのは謎解きが関わること。 考えながら読むのが楽しかったです。
0投稿日: 2021.10.21
powered by ブクログ書店員さんの日常に舞い込んでくる事件。 ちゃんと働いている描写があり、お仕事を放ったらかしにせずに解決していくところが個人的に好きです。 すっきりしたり、キュンとしたり、怖くなったり、温かい気持ちになったり… 色々楽しめました。
2投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログホームズとワトソンみたいな二人。とにかくチームワークがいい。杏子の本の知識、多絵の推理力。お互いにない能力で問題を解決してくのが面白かったです。 私は「六冊目のメッセージ」が好きです。ハッピーエンドで終ってますように。 本屋さんの仕事は大変というのがわかりました。店の奥では、想像以上に色んな事を店員さんがやってたんだと感動してしまいました。
11投稿日: 2021.09.15
powered by ブクログ本好きな人は絶対に読んでいると思われる今作。 以前から存在は知っていたし、作者の他の本にまつわる作品は何作か読んでいるのに、何となく、表紙が子供向けな気がして、ずっとスルーしてきたけど、本屋にまつわる作品はふとした瞬間に読みたくなるもので、私もついに読んでみた。 舞台は駅ビルの6階にある成風堂書店。 しっかり者の書店員・杏子と勘の鋭いバイトの多絵多絵が本にまつわる様々な謎を解き明かしていく。 本格的なミステリーな「パンダは囁く」から、配達員のヒロちゃんが巻き込まれた事件を描く表題作「配達あかずきん」まで、同じ本を扱っていながら、内容が全て違う視点からの謎を扱っているのが面白かった。 「あさきゆめみし」が流行っていた頃に、まさに学生だった自分には「標野にて君が袖振る」は10代の頃を懐かしく思える作品だった。 残念ながら、漫画が苦手なので、友人が皆「あさきゆめみし」で源氏物語を読んでいる中、確か瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」を小説で読み切ったので、30年近くたった今、改めて「あさきゆめみし」を読んでみたくなった。 でも、一番好きな作品は「六冊目のメッセージ」。 本を通じて、誰かと思いを寄せられるって素敵なことだなぁ、と改めて思わせてくれた作品だった。 この作品も、学生時代におすすめ本を教え合ったクラスメイトの存在を思い出させてくれた個人的に胸キュンな作品。 他の方の感想は杏子や多絵に関することが多いのだけれど、登場する本自体に思い入れがあり過ぎて、登場人物はそっちのけで読んでしまったかも…
13投稿日: 2021.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
威風堂という書店の店員たちが謎解きをするシリーズの第一作。 と当時に、表題作は大崎さんのデビュー作とのこと。 最初の場面が楽しい。 書店に来た人のうろ覚えから書名を割り出す。 久世番子さんの『暴れん坊本屋さん』さながらの話だ。 この本探索で活躍する書店員杏子が名探偵かというと、そうでもない。 むしろ、鋭いのはアルバイトの多絵。 二人がホームズとワトソンよろしくコンビで軟禁されたご老人を助けたり、店内ディスプレイを荒らした犯人を見つけたりする。 起こる事件は犯罪といっていいものも多い。 そんな中にある「六冊目のメッセージ」は、ほのかなラブストーリーとして好感が持てる。 この間読んだ『本バスめぐりん』より、こちらの方が好きかもしれない。 「事件」とのかかわりが、比較的自然な気がするから、かな? 割と素直に、ミステリーとして楽しめた。
0投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログ長年細々と浅く広く本を手にしていたわたしとしては、本屋を舞台にした小ネタ満載のかためのこの本は地味に面白かった。 本は好きだけど、本屋で働くほどの勇気(知識)はない。 そんなチキンな自分にこっそりその世界を見せてくれる本だなと思った。 かなりニッチな感想だか、率直なコメントを。
0投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログ“ピアノ”、”コンクール”、”小説”。 さて、このキーワードでどんな『本』が見つかるでしょうか? アイコンにしている私が出題すると、それ自体がヒントになるので検索するまでもないですね。はい、有力候補の一つは恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」です。これは、わかりやすいです。でも、もっと漠然とした情報で希望の『本』を見つけるとなるとこれは大変です。そんな大変な側にいるのが本屋の書店員さんです。普段その存在を意識することのない書店員さん。『何かお探しでしょうか?』と声をかけてくれる書店員さん。そこで、上記のようなキーワードを聞けば、恐らくは正しい『本』棚へとあなたを導いてくれるでしょう。私もこの作品であれば書店員さんの代わりをする自信があります。しかし『タイトルも書いた人もわからないの。でね、どういう内容かも、よくわからないのよね』と言われたとしたらどうでしょうか?『それはないだろう』と思ってもそんなことを口にするわけにはいきませんし、お客さんを放り出すわけにもいきません。辛抱強く更なる情報を聞きだし、目当てとする『本』の元へとお客さんをお連れする、書店員さんのお仕事というのも大変なものです。『お客さんの言いたいことを、いくつかの言葉から推察する』というそのお仕事。こういう方がいらっしゃるからこそ頼れる存在としてのリアルな本屋さんの魅力がそこにはあるのだと思います。 さて、この作品は、そんな書店員さんのお仕事を知りながら私たちが手にする『本』が私たちの手元に届くまでの裏側を見る物語。そこに巻き起こる数々のプチミステリーを巧みに解決していく書店員さんの『神業』を目にする物語です。 『駅ビルの六階にある本屋、成風堂のフロアで』、『中年の女性客に呼び止められた』のは主人公の杏子。『ほしい本がみつけられなくって』という女性は『タイトルも書いた人もわからないの』、さらには『どういう内容かも、よくわからないのよね』と続けます。『それはないだろう』と言いたくなるも我慢する杏子は『何かヒントはないですか』と少しでも情報を得ようとします。それに対して『かわいそうな話なのよ。女の子がたくさん出てきて、みんなとっても貧しいの』、『なかなか家には帰れないし、病気になったり』とヒントをくれる客は『環境のよくない、すごく悲惨な感じの工場で働いている子たちが主人公』と続けました。『工場で働いていて、女の子ばかりで、悲惨な話』というヒントから杏子は閃きます。『ひょっとして「あゝ野麦峠」では?』と言うと『あっ、それそれ。それだわ!』と満面の笑みを浮かべる女性は、さらにもう一冊の本の話をし出しました。『いい年した男の人の話なのよ。今の世の中にいたらいいな、と言われている』と続けます。『ずっと昔の人』、『やり手の政治家だったみたい。私はそのとき初めて名前を聞いたけれど、有名な人らしい』、『昔の政治家。本にもなっている人。テレビで取り上げられる人』と言う女性の言葉から『もしかしてー上杉鷹山?』と思いついた杏子。そして、上機嫌で帰っていった女性を見送っていると『さすがですねえ、杏子さん、いい勘してますよね』と、『バイトの多絵が話しかけてき』ました。『今年二十四歳になる杏子は』短大時代のバイトも本屋、そして就職先も本屋という今。『三つ年下の多絵は法学部に通う女子大生』という二人。『今のはまぐれよ』と謙遜する杏子に、『でもお客さんの言いたいことを、いくつかの言葉から推察するのって、やっぱりすごいと思います』と褒める多絵。そして別の日、杏子が作業台で仕事をしていると『たしか、あなただったよね?この前、お客さんの探している本をうまく当てていたでしょ』と中年男性が話しかけてきました。『あれはまぐれです。たまたまですよ』と言う杏子に『独特の勘があるんだと、すっかり感心した』と言う男性は『ぼくもちょっと困っていることがあってさ』と話しはじめました。『ぼくの家の近所に、ひとり暮らしのお年寄りがいるんだよ』というその話。『この前のぞいたとき「なんでも差し入れしますよ」と声をかけた』ところ、本をリクエストされたという男性。しかし、『不自由な言葉でリクエストした本については、ぼくも、ぼくの家族もまったくのお手上げだ』と言うと杏子にメモ用紙を差し出しました。『あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに』と書かれているのを見て、『日本語になっていない。というか、そもそもこれはなんだろう』、『寝言よりひどい』と思う杏子に『どうやらこれで三冊の本を指しているらしいんだ』と言う男性は『一冊でもいい。なんとかならないだろうか』と懇願します。そんな暗号のような文字の羅列から老人が希望する本を突き止めていく杏子と多絵。そこには、まさかの真実が隠されていました…という短編〈パンダは囁く〉。これから始まる物語の一編目として杏子と多絵の存在を印象付けながら、二人が鮮やかに謎を解き明かしていく様が見事に描かれた好編でした。 成風堂書店で働く杏子と多絵を中心に、五つの短編が連作短編の形式を取るこの作品。元々書店員をされていた作者の大崎梢さんの言わば元職場を舞台に繰り広げられる物語、ということで書店員の仕事、そして本屋さんに関して、部外者には知りえないその舞台裏がとても興味深く描かれていきます。そんな本屋さんの裏側を描写したシーンから二つをご紹介したいと思います。ひとつ目は『今日発売になった文庫は三十点近い』と入荷した本を並べていく作業の描写です。『この「並べる」という作業がけっこう難題だ』というその裏側には『はじから順に置けばいいというものではなく、微妙に法則があ』りました。『タイトルと作者名、入り数を考慮しながら、売れ筋は取りやすい場所に目立つように積み上げて、それとなく男性向け、女性向け、小説、蘊蓄本とエリアを分けていく』というその『並べ方』。それは読者の年齢層、嗜好も考え『時代小説は年輩客が多いので、そういった人たちが探しやすい場所というのも配慮しなくてはならない』という工夫が入っていきます。本屋さんによって本の並べ方にはずいぶんと違いがあるとは、いつも思うことですが、このような配慮の仕方、書店員さんの考え方の差異があの違いを生んでいる、なるほどと思いました。そしてもう一つは書店員さんでなければ知らないイベントの記述、『ディスプレイコンテスト』です。『出版社の販促活動のひとつ』とされるそのコンテストは『春の新入学フェアや夏のコミック祭り、秋のファッション特集、といった定番はもとより、新刊雑誌を盛り上げるために』出版社が『本屋向けにコンテスト形式の賞を設定する』というものです。『本屋がその企画に乗り、店頭にきれいに飾り付けて様子をレポートし、出版社に送る』というその内容。確かに派手なディスプレイがなされたコーナーを私もよく目にしますし、思わず立ち止まってそこに置かれている本を手に取ったこともあります。なるほど、これはそういう経緯で催されていたものなんだと、こちらも、なるほど、と知識がひとつ増えました。出版社は売り上げを期待し、本屋さんはコンテスト入賞を目指し、そして『華やかな飾り付けで売り場を盛り上げれば、お客さんの目を楽しませることもできる』と客にもメリットがあるこのような企画、リアルな本屋さんはやはり必要だな、と改めて感じました。 そして、そんな五つの物語は、杏子と多絵という二人の書店員を中心に展開していきます。『アルバイトの多絵ちゃんが探偵役で、年上で正社員の杏子ちゃんが助手のワトソン役で、杏子ちゃんの語りで話が進んでいくという形は当初から決めていました』と語る大崎さん。小説にはミステリーというジャンルがあります。私もこの言葉自体には惹かれるものがありますが、一方で血生臭い、人が残酷な形で殺されていくような話は大の苦手です。私は、湊かなえさんの作品も大好きですが、一般に思われているイメージに反して湊さんの作品では思ったほどには人は亡くなりません。一方で、私は、辻村深月さんの作品も大好きですが、こちらは逆に予想に反して、特に「子供たちは夜と遊ぶ」が頂点だと思いますが、残酷な殺害場面の描写が山のように登場します。作家さんの漠然としたイメージだけでは、なかなかにその作品の内容を予測することは困難です。大崎梢さんは私にとっては初めて読む作家さん。Wikipediaの”推理作家”という記述に若干の緊張感を持って手に取ったのが、このデビュー作でした。そんな大崎梢さんのこの作品は間違いなくミステリーです。しかし、そのどこにも殺人は起きませんし、全体としてほっこりとした物語で構成されています。この作品でも『寝言よりひどい』という文字の羅列から老人が希望する本を探し出す〈パンダは囁く〉。配達した『月刊誌「彩苑」』に挟まっていた写真について『誰が、どうやって仕組んだの』と犯人を探し出す表題作〈配達あかずきん〉。そして、せっかくコンテストのために準備したディスプレイが一夜にして『黒いスプレーでめちゃめちゃにされていた』という事件の犯人を探し出す〈ディスプレイコンテスト〉と、いずれも本屋さんの日常を舞台とした、言わばプチミステリーが展開していきます。そこには、人が殺されたり…といった残酷な描写が入る余地はなく最後まで安心して読んでいけます。そして、逆にそこに浮かび上がるのは、普段私たちが意識することのない書店員さんの姿でした。『すみませんが、携帯に入れるのはご遠慮ください』と、『バイト口の電話番号を携帯に入力する』行為を『見かけたら声をかけてやめさせる』という厳しい一面を見せる一方で『お客さんの言いたいことを、いくつかの言葉から推察』して、お客さんと『本』を繋ぐ役割を果たしていく書店員さん。『やっぱり書店員は大変な仕事なんですよね。それでも本屋さんっていいな、書店で働いてみたいなと思ってもらえたら嬉しいです』と語る元書店員の大崎さん。そんな大崎さんだからこそ描けるそのリアルな舞台裏は、書店員さんを、そして本屋さんをとても身近なものとしてくれたように思います。そして、それは改めてネットにはないリアルな本屋さんの魅力を改めて感じる機会ともなりました。 『本にかこまれた仕事に携わり、かれこれ六年が経とうとしていた』という杏子が、大学生アルバイトの多絵とともに、『本』にまつまるミステリーに向き合っていくこの作品。そこには、『「並べる」という作業がけっこう難題』と、毎日入荷する『本』の山と格闘し、『原則として雨の日も風の日も、猛暑の日も酷寒の日も欠かすことはできない』と、届くのを待つ人の元へと大切に『本』を配達していく書店員さんの姿がありました。『本』が扱われる舞台裏を知って、『本』を扱う書店員さんを知る、それは、私たちの中で『だいじな本』となるかもしれない『本』を、それを待つお客さんの元へと心を込めて届けたいと願う書店員さんの熱い想いを見るものでもありました。 サクッと切れ味鋭く解決されていくプチミステリーを見る物語。読後には『本』と『本屋さん』に一層の愛着が沸くことになる、そんな作品でした。
88投稿日: 2021.06.26
powered by ブクログ最近読んだ中では相当苦手な部類に入るタイプの本だった。 顔面史上主義だし人間関係がドロドロしてて 少女漫画の悪いところを煮凝りにした感じ。
0投稿日: 2021.05.03
powered by ブクログ「クローバー・レイン」が面白かったので、もう少し作者を知りたくて、読んでみた。久しぶりにミステリと言われる類の作品を読んだ。 本格的なミステリーではなく、成風堂という駅ビル6階にある書店を舞台としたミステリで、正社員・木下杏子をストーリーの進行役として、アルバイトとして働く西巻多絵が、あのコナン君に匹敵する推理力で難題を解決していく。コナン君顔負けの洞察力を持つ多絵は、法学部の大学三年生で、性格は快活で負けず嫌い。頭の良さとは反対に手先が不器用でそのバランスに親近感を持ってしまう。 そこに杏子の書店員ならではの視点が絡む。そのため、書店での仕事内容、販売員としてのカスタマーファーストの対応などとても参考になる。 いわゆる「本格」、「新本格」派でもなく、私たちの日常にごく近いところで怒っているミステリであることも本作の読みやすさに繋がっている。 さらに物語は犯罪的なもの、恋愛的なものが取り混ぜられていて、飽きがこない。 パンダは囁く Hondaパンダ!言われれば、『ああ』とそこまでは、おそらく一般人でもわかるであろう。でも「あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに」の謎は、たぶん書店員かあるいは司書しか絶対にわからないと思う。 解答は、新潮文庫、「あ」の三十六番目の作家の二番目の本。と、言われても残念ながらあまり実感がない… でも、多絵が見事に謎を説いたというこのストーリーが痛快であった。 標野にて 君が袖振る 言わずと知れた、額田王の「茜さす 紫野ゆき 標野ゆき 野守は見ずや 君が袖振る」の歌である。大海人皇子の恋人であった額田王が、皇子の実兄である中大兄皇子に取られてしまう。時の権力者である中大兄皇子は残虐な性格であったこと、額田王が次第に惹かれていく。実を言うと、大和和紀さんの「天の果て 地の限り」で勉強した。 そして、この章のキーワードである「あさきゆめみし」ももちろん全巻持っている(しかも初版)。何回読んだことか… と、言うことで心が躍りまくる章であった! 学校きってのアイドル的な存在の高校生男子と教師との秘密の恋愛。女性教師・上田美香子先生が六条の御息所のごとく年下の恋人・沢松貴史に読んだこの額田王の歌は、額田王の歌であって意味は全く異なる。きっと上田先生は、周りにわかって欲しかったのであろう。そう思えて切なくなる恋愛物語であった。 配達あかずきん 配達赤ずきんとは、ヒロちゃんこと吉川博美のこと。美少女という言葉が自然に浮かぶ美人でありながら、おっとりしている。ポカ、うっかり、とんちんかんが多いとのことだが、美人でおっとりしているからきっと、愛嬌の範囲でそれも許されるのかなぁと、考える。そんな彼女が、配達途中に狼に襲われる。 襲われた意味を最後まで理解することなく、あくまでもマイペースで、半年前に自分のうっかりでお客様に破れた本しか渡せなかったことをずっと思い続けている一途な美女であった。 六冊目のメッセージ これはラブストーリーだったんだと、読んで理解するほど嫌味のない、自然な物語であった。 書店に 河田菜穂子と名乗る女性が自分の入院中に母親が成風堂の書店員から紹介された五冊の本により、退屈な病院暮らしの気が紛れ、さらには読書の楽しみまでも教えられてと、この五冊の本を紹介してくれた書店員にお礼を言いたいとやってきた。 紹介したのは、書店員ではなかった。一般人の私は、ここで『えー誰だ?』と、思うのであるが、出版社の島村であった。この出版社の人が出入りしているということは、「クローバー・レイン」で、出版社側の社員の行動を読んでいたので、理解はしやすかった。 でも、さすが多絵さん!すんなりと回答を導き出す!! ディスプレイ・リプレイ 書店行くとたまに特設コーナーがある。これって、こういうことだったのか、と、今更ながらその理解をする。 ファン読者の大好きな作品に対する愛情、執着は、私では考えることもできないくらい、自分のことのように考えているのであろうというのがわかる。 成風堂で出版社主催の超人気コミック「トロピカル」のディスプレイコンテストに参加するアルバイト店員・角倉夕紀と同級生・渡辺紗弥加と後輩の佐野佳彦。3人で共同制作した「トロピカル」の特設コーナーが一夜にして荒らさる。 『トロピカル』の主人公と瓜二つでパクリ漫画としての『ツンドラ』。人気漫画をめぐるファンの思いは時に社会的問題に発展するのも理解できる。 書店での謎解きというこじんまりとした世界でもミステリと思って読み始めたのであるが、なかなか、どうして、面白くてハマってしまう。 追伸: 表紙絵は、文庫本の本が断然いいと、思いながら読んだ 笑
44投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログいわゆる「日常の謎」ミステリー。5編からなる短編集。 日常の謎=ほっこり系と思いがちな私には、1篇目の「パンダは囁く」でガツンと殴られた気分!(面白い!)そして続く2編目の「標野にて 君が袖振る」では、切なさに心を打たれた。親の気持ち、子の気持ち、人を想う気持ちがどれも共感できる。 本屋さんの日常が垣間見えるところも興味深く、面白かった。
2投稿日: 2021.03.09
powered by ブクログ舞台は、駅ビルに入っている成風堂という書店。そこで働く社員の杏子とアルバイトの多絵が、いろいろな謎を解いていくというストーリー。 こういう物語では大抵、日常で起きる小さな謎を登場人物が解明し、ラストは気持ちがほっこりあったかくなる…というようなものがほとんど。 でもこの作品は少し違っていて、小さな謎というかこれはもはや事件ですよね、というようなものも。お話は5つ入っていて、そのうち3つはあまり穏やかではない展開だった。 どれも謎ときが面白く、ひとつひとつのお話はしっかり決着がついて終わるのでスッキリする。意外なストーリーの流れにワクワクしながら読んだ。 ただ、主人公の杏子があまり好きになれなかったんだよねーー。 推理において活躍するのは、主人公の杏子ではなく、多絵の方。杏子は謎に困るとすぐに多絵を呼び、相談して謎ときに協力してもらう。まあそこはいいとして、その時のセリフがやや強引だし、何だか偉そう。仲良しだからこそなのかもしれないけれど、ちょっとイヤだなと思ってしまった。そもそも、仲良しの程度について特には書かれていなかった気がするし。 「は?」とか「はあ?」という返事もあまり好きになれなかった。 ほかにも、ある場面では、景品についての判断をその場で勝手に決めてしまっていて、店長に確認もしないで相手に伝えてしまっていいの?と不安になった。 あらすじには「しっかり者の杏子」と説明されていたけれど、読んでいてそういう印象は受けなかった。 面白かったから続編も読みたいという気持ちはあるものの、また杏子視点だよねと思うと二の足を踏んでしまうな。
1投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログサラッと読むにはいい一冊でした。 最後の「ディスプレイ・リプレイ」は途中でどれが誰の台詞かわからなくなって少し混乱しました…
0投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログ書店で起こるミステリーを書店員の杏子、アルバイトの多絵が解決する。 とても面白かった。主人公の杏子がワトソン、多絵がシャーロックのポジションになっており、読者は杏子の視点で事件の情報を集め、多絵の発言で答え合わせをする。大掛かりなトリックだとか殺人鬼だとかが出てくる訳ではなく、あくまで日常の延長線上に起こった事件を解決していくのだが、ここで二人が解決しなかったら大ごとになっていたのでは?という事件もあり、平和だがほのぼのし過ぎていないバランスが良かった。 気軽に読み進められる内容で、読み易かった。本に携わる仕事に興味が湧いた。
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
目次 ・パンダは囁く ・標野にて 君が袖振る ・配達あかずきん ・六冊目のメッセージ ・ディスプレイ・リプレイ 近所の図書館にシリーズ全巻が置いてあったので、一冊ずつ借りることにしました。 本屋さんの仕事って本を売るだけではない。 毎日配送されてくる本を仕分けて棚に並べ、お客さんに頼まれた本を注文し、売れない本を返本し、近所に本を配達し、お店のディスプレイに力を入れる。 そんなことが世間に知れてきたのは、このシリーズがきっかけだったかもしれません。 しかし最初の「パンダは囁く」は、タイトルの可愛らしさに騙されました。 バリバリ犯罪行為じゃないですか。 命の危機じゃないですか。 そして2作目の「標野にて 君が袖振る」は切なくも真っ当な恋物語。 私は恋愛ではなく、母の気持で読んじゃいましたが。 これ、作品の並びも含めて丁寧に計算されているんですね。 面白かったです。
0投稿日: 2021.01.21
powered by ブクログ書店員が、本屋にくるお客さんの悩みを解決していく話。本の題名もわからない本を探して欲しいと依頼されたりするのだが、それをどんどん解決していく短編集。すごく面白い!おかげで寝不足!!ほどではないが、短編なので切りよく空き時間に読めるのがいい。どれもすっきり解決するのでモヤモヤすることもなく楽しめたので続編も購入。
3投稿日: 2020.10.06
powered by ブクログ書店で起こる謎を杏子と多絵の二人が解いていくミステリー。必ず本がミステリーに絡んでくるので、本好きには楽しい。五つの謎に分かれている。どれも、謎の方向性が違ってて良かった。個人的には標野にてがすきかな。
0投稿日: 2020.09.18
powered by ブクログ始まりの「パンダは囁く」この話が一番上手いと感じた。 作家・題名の識別コードみたいなものなのかな。 「六冊目のメッセージ」の中に出てくる本を一冊も読んだことねぇや。これはメモメモメモ。
0投稿日: 2020.08.31
powered by ブクログ主人公が勤める書店で起きる事件を主人公と、同じ書店で勤める大学生とが解決する短編集。 kindle読み放題にあり、そこまで期待を込めずに読んだけれどほっこり面白かったなぁ…! 小さな事件に温もりと人情あり!っていう感じ。 手軽に読めるし、楽しい一冊。
2投稿日: 2020.07.28
powered by ブクログ久しぶりの読書にぴったりのさらっと読める短編集。 普段何気なく通っている本屋ではこのようにお仕事されているのかなー?なんて。本を探すときにはネットで調べて行くから店員さんに尋ねることはないけれど、こんなに曖昧な情報からでも導き出してくれるなんてすごいな。 『6冊目のメッセージ』が1番リアリティある感じでよかったな。
0投稿日: 2020.07.13
powered by ブクログ書店員の仕事を垣間見ながら、謎解きも楽しめる。本好きには嬉しい一冊! 登場人物も憎めない人たちばかりで、こんな書店で働けたらいいなぁと思う。シリーズ化しているみたいなので、次の作品も読みたい!
0投稿日: 2019.10.31
powered by ブクログ名探偵コナンのような書いた作者にしかわからない推理小説。うーんとうなるようなものは何一つなく、未燃ゴミが大量に吐き出された感じ。特に本の背表紙の記号で本の名前を当てるとか、読んでてたぶんそうだろうなぁと思ったけど、無理がありすぎていかにも推理小説書くためにこしらえた小道具感が露骨過ぎて嫌悪感すら覚える。 読みやすいだけが唯一の紅一点
0投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログハマります‼最近読んだ中で1番感動した。おもしろいと思ったし、誰かにも読んでもらいたい、感動を共有したいと強く思った。ミステリとしてもなかなか良いと思った。泣けたし笑えた。切ないラブストーリーもあって。続編も必ず読みます‼個人的には短編集のがサクサク読めて好きです☆
1投稿日: 2019.06.20
powered by ブクログふんわりした日常ミステリ短編集かと思いきや、意外にも犯罪絡みの話もあり、かと思いきや恋愛小説的なノリもある。 同じ書店を中心にしてるのに、話によって趣がガラリと変わって面白いなという印象。 個人的には「六冊目のメッセージ」が好きだな。謎解きありのふわっとした優しい話。
0投稿日: 2019.03.29
powered by ブクログ説明文が多く、ちょっと話はくさいが良くできている/ 非常に面白い/ これぞ日常ミステリ/ 実在の作家と作品名が出てくるのだけが、個人的には好きになれない
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ書店を主な舞台とした、日常の謎系統の連作短編集。 「本格書店ミステリ」と銘打たれているだけあって、全ての謎が本にまつわるものになっているのが、本好きには嬉しいですね。 知っている作品が取り上げられている、それだけでちょっとテンションが上がってしまいます。 更に、作者が元書店員なので、その仕事内容の描写も興味深く、お仕事小説的な側面もあるように思いました。 全体的に温かみが感じられる作風で、好感が持てましたし、やっぱり本っていいなぁと、思わせてくれる素敵な一冊です。
0投稿日: 2018.06.02
powered by ブクログ書店員さんが主人公、および、探偵役となって、本にまつわるミステリーを解いていく物語。本好きにおすすめ。謎解き自体は面白かったけど、自分は0勝なんで(一つも知ってる本が無かったので)あんまりだったかなあ。
0投稿日: 2017.12.11
powered by ブクログ悪くないんだけど、まぁ普通かな。死人の出ないミステリは好きなジャンルだが、やはり北村さんにはかなわないかな。 主人公二人のキャラがもう少し立っていると楽しめたかもしれない。
2投稿日: 2017.10.18
powered by ブクログこの物語は――しっかり者の書店員・杏子さんと,勘の鋭い学生アルバイト・多絵ちゃんが、書店で起こる様々な謎に取り組んでいく、本格書店ミステリーである。 探偵役は多絵ちゃんで、杏子さんは助手的な役割‥かな? 「パンダは囁く」 読書好きのおじいさんから依頼された探求書リストが、まさかこんな大捕物に発展するとは…!! でも、せっかく気づくことができたとしても、そこから実際に一歩踏み込むのって、すっごく勇気がいると思うのよ。 なので、鮮やかなお手並みに感服。多絵ちゃん本当にお手柄でした! 「標野にて 君が袖振る」 明るい内容ではなかったけど、いちばん気に入った話。 だってこれはミステリーというより、二十年越しのラブレターだよ!!(≧v≦) 謎解きの過程が、さながら女子会トーク~って感じで面白かった。女同士って、出会ったばかりでも意気投合できちゃうもんなのかね?笑 「配達あかずきん」 表題作…なんだけど、ややこしくて頭こんがらがったw というか、書店員さんって配達とかもやってるんだ!?と思って。知らなかったー! 「六冊目のメッセージ」 出てきた5冊、全部読んでみたくなった! せっかくだから6冊目も明かしてくれたら良かったのにィ~。笑 「ディスプレイ・リプレイ」 うーん。気持ちはわかるけど、書店に迷惑かけて仲間まで傷つける前に、もっとほかにやり方があったでしょ!としか思えなかった。(-`ε-;) それにしても…杏子さんって、本当に多絵ちゃんを頼りにしてるのねぇ。そこが微笑ましかったから、まぁいっか☆ 私は基本的にミステリーが苦手なんだけれど、ちゃんと探偵役がいて謎解きしてくれるものに関してはわりと苦にならずに読めるので、このお話もとても楽しく読めて良かった♪ この「成風堂書店事件メモ」シリーズは、今のところ第4弾まで出ているようなので、ぜひ読破したいなと思う。
0投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログ2人の若い書店員さんの活躍。 職場の仲間も馴染みやすい人たちで、穏やかに読める。 日常のささいな、でも当人にとっては大きな事件。 それぞれの話も、最後には爽快に終わってスッキリ。 実際にある本や作家の名前が使われてて、それにも興味が出る。
0投稿日: 2017.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1人で本に向かっていても実はその先に道が広がっていて、本が人と人を繋いだりもする、そのワクワクを感じさせてくれる。 書店員経験を元にして書かれているので、お客さんの立場では見えてこなかった部分が書かれていて面白かった。 本屋の仕事も忙しそうだ。
0投稿日: 2017.05.26
powered by ブクログ本屋さんを舞台に、本に関する謎を解いていく物語。本にまつわるっていうところが面白くて、手に取っていた。明かされた謎も、心に染みわたってくるものだったり、すかっとするものだったり様々で楽しい。
0投稿日: 2017.04.06
powered by ブクログ書店ガールから書店ものが気になり読んでみたが日常ミステリは謎解き段階でイラっとくる部分もあり…でも書店舞台は惹かれる。シリーズ化されてるので次作もいつか読みたい。
0投稿日: 2017.04.01
powered by ブクログ日常の謎系の本を探して、なんとなく手に取った本。謎の魅力だろうか、キャラクターの魅力だろうか。ちょっと好みと合わないかもしれないなぁと。ただ他の人のコメントを読むと、「1作目だしもう少し様子見を」というのもあり、タイミングがあえば次作を読んでみようと思う。
0投稿日: 2017.03.30
powered by ブクログおもしろかった!! 書店という狭い舞台の中で起る様々な事件?! それに取り組む彼女達が一生懸命で、接客業で時間も長く大変なお仕事やけど、彼女達みたいに仕事が出来たら、やりがいも持てて楽しいやろなーって思いました!
0投稿日: 2017.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【積読から】初作家さん。元書店員さんなんですね。書店員だったからこそ書けるお話なのでしょう。面白かった!成風堂書店シリーズ、他の作品も読みたいです。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こう見えて(どう見えて?)も、書店で働いた経験あり。大学時代某大型書店の総務課で、バイトやけど。しかも見たとおり(どう見えて?)の活字中毒者。だから書店ミステリーと聞くと興味をもたないわけがない。 なのに、ここまで読まずにいた成風堂書店シリーズ。ついに手を出してしまったが…。なかなかエエではないか。マニアや書痴の類ではない、普通の書店員女性を主人公かつワトソン役とし、同じく本や書店の知識は普通だけど、ちょっと勘の鋭いバイトの女の子をホームズ役とする、ミステリーでは王道のパターン。王道故に安心してミステリーに嵌まっていける。 日常ミステリーとしては少々荒っぽい事件も扱っているし、第一短編集なんで、登場人物たちのキャラ書き込みが足りておらず、感情移入がややしづらいという難点はあるものの、シリーズをおっかけてみたい魅力は十分あった。 お手軽に読めて、お手軽に「なるほど、そういうことな!」って思える日常ミステリーは、移動時間や就寝前起床直後の読書に最適。このシリーズもそこの需要を十分に満たしてくれそうである。
0投稿日: 2017.01.30
powered by ブクログ最近あまり本屋に行かない。まぁちょっと待ち時間にぶらりと入ることはあったかもしれないけど、5分程度だったりして、なんか本屋に行こうかな、ってのが全然ない。昔は本を読む量は全然少なかったけど本屋に行ったのに、今は本を読む量が増えて、本屋に行かなくなった。不思議なものだ。 でもって本屋の話なのである。最近?本屋さんの店員さんの話が多いような気がするけど、考えてみれば餅は餅屋的な、本は本屋なわけで、本を読む人なら本屋の話はけっこう楽しめるわけだよねぇ、きっと。じゃあ次はきっと図書館の司書さんあたりの話になって、最後はブックオフの店員さんの話になって、けっこう本とは関係ない話になったりして。
0投稿日: 2017.01.28本好きにはたまらない1話完結の連作短編集
このサイトに集う人は、本好きの人ばかりでしょうから、電子ブックのサイトとは言え、書店めぐりが嫌いな人はいないでしょう。かく言う私自身も勿論そうですし、図書館司書とか古本屋のオヤジに憧れた時期もありました。 さて、実際に大きな書店で働いたことがあると言う作者でありますから、そのヘンの描写は、リアリティがあります。おそらく、ただただ立ち読みだけのお客さんとか、毎日のように顔を出しては、何かしらコトバをかけてくるお客さんとか、色々見てきたのでしょうね。 そんななかから紡ぎ出されるミステリーは、すべて、書籍が謎解きの鍵となる物語となってます。それも、「あさきゆめみし」なんていうマンガ(懐かしい!)も含まれるという、かなり多岐にわたっております。 さて、あなたは、ここに登場する書籍をどれだけ読んだことがあるでしょうか?勿論、それぞれの物語の内容を知らなくても、なんら不都合はないのですけれどね。知らない本が出てくると、ちょっと悔しい気になってしまうのも不思議な感じです。 謎解き自体は、少々強引?な感じがなきにしもあらずでありますが、本好きには、たまらん小説でありました。1話完結短編集ですので、通勤通学のお供に最適かも。
8投稿日: 2016.12.31
powered by ブクログ≪『書店の謎は書店員が解かなきゃ.』≫ 自分も書店でバイトしていたから,「あぁこの感じなつかしいなぁ」と感じた. もちろん謎なんて起こることなんてほとんどなかったけれど,それでも,あの空間には何かが起こるような気がしてた。 仕事として張り詰めながらも,本という虚実入り混じるものに囲まれた、おおらかさを感じていたのは間違いない. この本を読んでいるときも,そんな空気を感じた.
1投稿日: 2016.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
元は書店員だったという女性・大崎梢氏のデビュー作である書店ミステリーの短編集。 この前借りたアンソロジーで知った作家さん。 テーマは本にまつわる「日常の謎」。主人公であり語り手である書店員の杏子と、バイトであり女子大生でもある名探偵・多絵が様々な謎に挑む。 シリーズ4作品を読破。 作者は元書店員だけあって、設定がとても細やかでリアル。私自身も読書大好きで、(まあ図書館派なんですが)また「POP」や、「販促物」…など、今の仕事ともリンクするワードも出てきて、読みながら自然に物語に入っていけた。 4作は、短編、長編、短編、長編と交互に描かれているが、自分としては短編集の方が好きかな。登場人物も少ない分、集中して読めるからね。この物語は短編の方が向いている気がするな。殺人ミステリーでなく、ちょっとした謎がテーマだからね、軽い感覚で読める方がテイストとして合ってると思う。 4作目は、設定を少し変え、杏子と、出版社の営業マン・井辻くんという新キャラの視点が交互となり、物語が進行していく。いじられキャラの井辻くん、憎めないな。 彼が主役となるシリーズもあるとのことで、早速借りることに。 このシリーズ、ささりました。 著者も書店員を辞めてほんの今から10年前にデビューしている。(年齢は不詳)こういうデビューの仕方もあるのね。興味深々。 良本と、新たに好きな作家さんに出会えてうれしい。
0投稿日: 2016.03.05
powered by ブクログ大崎梢さんとの出会いは【平台がおまちかね】でした。 それまで、本屋さんを舞台にした本があるなんて知らなくて… そして、本屋さんの大変さをちょこっと垣間見て… 興味深く思っていました。 先日、大崎さんセレクトの【本屋さんのアンソロジー】で久々に大崎さんの作品を読みました。 そして、古本屋さんで探してみると、この【配達あかずきん】を発見! これは大崎さんのデビュー作なんですね! 駅近くのビル内にある書店『成風堂』。 書店員の木下杏子と大学生アルバイトの西巻多絵。 二人が書店を舞台に繰り広げられるミステリーを解決していく。 5編の連作短編集。 自身が本屋さんで働いていた経験のある大崎さんならではの視点がとても面白い! 成風堂シリーズ、読まなくちゃ!!
9投稿日: 2016.02.23
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本屋さんを舞台とした「日常の謎」系ミステリ。まず,主人公の杏子と探偵役の多絵のキャラがその立ち位置も含め,きっちりかき分けられており,しかも,かなり魅力的な存在に描かれている。「パンダはささやく」以外は,ミステリは弱いが,いずれも読後感がいいさわやかな話がそろっており,通勤のおともや寝る前の読書に最適。誰にでも勧められる良作。ミステリとして弱いところが好みではないので,★3かな。 個別の作品の所感は以下のとおり ○ パンダはささやく 購入してほしい本を暗号で伝えたおじいさんの話。実は,おじいさんは資産家で,「姪」という触れ込みで押し入ってきた女に命を狙われており,暗号のカタチで危機を伝えていた。出版社が「パンダ」からYondaのキャラクターを使っていた新潮社。「あのじゅうさにーち」は,新潮社の「あ」の13の21で赤川次郎の「透明な檻」,「いいよんさんわん」は「い」の43の1で井上夢人の「ダレカガナカニイル」,「ああさぶろうに」は,「あ」の36の2で綾辻行人の「殺人鬼」。「やににまる」は,「や」の2の20で,山本周五郎の「ひとごろし」。自分が監禁され,命を狙われているというメッセージだった。暗号のトリックこそ,マニアックすぎるきらいはあるが,暗号で使われた本のチョイス,意外な真相など,デキは傑作といっていいと思う。 ○ 標野にて 君が袖振る 「あさきゆめみし」という漫画の存在を知り,失踪した沢松という女性の行方を捜す話。真相は,交通事故で死んだ沢松の息子が,高校生だった頃に教師と付き合っており,その子供がいたので,ストーカーみたいになっていたというもの。この話は,ややリアリティに欠けると思うが,意外な展開ではある。 ○ 配達あかずきん かなりドジな存在である吉川博美というアルバイトの女性が登場。美容院に配達した雑誌から,美容院のお客の盗撮写真が挟まっており,美容院と客のトラブルが発生したという話。真相は,吉川が配達していたほかの床屋で前にバイトしたいた男が犯人。トラブルになった美容院の客の子どもが犯人だった。吉川博美のキャラクターが微笑ましく,読後感はなかなかよいが,ミステリとしては平凡なデキ。 ○ 六冊目のメッセージ 入院している人に勧めた本がいずれも適切だった書店員を探す話。書店員が進めた本は,「宙の旅」,「散策ひと里の花」,「ダヤンのスケッチ教室」,「民子」,「夏への扉」。これらの本を勧めることができるような読書家の男性店員はいない。いったい誰が?という謎。真相は,書店の版元の社員だった。本を勧められた女性と,店員の間に恋愛感情が発生しているような雰囲気を残して終わる。読後感はいいが,ミステリとしては平凡。謎というほどのものではない。 ○ ディスプレイ・リプレイ 杏子の勤める本屋が,人気漫画「トロピカル」のディスプレイ・コンテストに参加する話。バイトの角倉夕紀とその大学の友達が見事なディスプレイをするが,閉店後,誰かが店に忍び込み,黒いスプレーでディスプレイを台無しにしたという話。犯人はだれか?真相は,トロピカルの盗作騒ぎに乗じて悪質ないたずらがされたと思い,ディスプレイを手伝っていた夕紀の友達である紗弥加が犯人だったというもの。これもミステリとしては弱いが,読後感は悪くない。
0投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログ成風堂書店で起こる様々な日常ミステリ。切なかったりときめいたりするようなラブストーリーもあれば、犯罪になりかねないような本格的ミステリ話もあり、一冊の中でのジャンルの幅が広いのでとっても楽しかった。また、書店アルバイトをしている私には本屋さんのお客様あるあるに共感することもあり、そちらの意味でも楽しめた。やっぱり本が絡むお話は大好き。
0投稿日: 2015.11.29
powered by ブクログ図書館から。 本にまつわるミステリーシリーズ第1弾です。 書店や書店員のあれこれがよくわかる1冊でした。 読んでいて自分も書店員になった気分になります。 どの章もオチまでドキドキしました。 続きものなので次のも楽しみです。
0投稿日: 2015.11.12成風堂シリーズ第一弾
書店を舞台にしたミステリー。成風堂シリーズの第一弾。 知らなかった本屋さんの内側もよくわかるし、私の好きな人の死なないミステリーなので、軽い気持ちで読めます。 そして面白い! 作者さんは元書店員というのも読んで納得。 本のある日常が好きな人におすすめです。
7投稿日: 2015.10.28
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大崎梢という人ははじめて 本屋や本関連の小説が多いイメージ 本屋さんミステリ そんな奇抜でもなく、ありそうなかんじ? 面白かった
0投稿日: 2015.10.19
powered by ブクログ期待していなかったけれども予想外に面白かった。しっかりお仕事小説しつつも、ミステリーとしての体裁がしっかりしていて、しかも事件もバリエーションが豊富で読み終わった後納得できる。 強烈なキャラクターで引っ張るのではなくて、普通の女の子と普通の人より少し推理力がある女の子(それでもかなりの慧眼ですが)なので、萌え要素(少しだけある)や偶然の多さに辟易したりせず話の内容に集中できます。 一番好きだった話は「六冊目のメッセージ」 ある日書店に、入院時に母を通じて本を選んでもらい、とても励みになったとお礼を言いに女性が来店する。 1冊ずつ5冊選んでもらい、どれもこれも素敵な本ばかりだったという。書名を聞いた杏子は唸った。「そんな幅広く素敵なチョイスを出来る書店員はこの店にいないのではないか・・・」案の定該当者0。女性は意気消沈して帰っていった。 その本とは・・・ その1、一見堅苦しそうな装丁で、中を開くと胸の透くような写真集。 その2、ボタニカルアート&エッセイ その3、ダヤンのイラストハウツー本 その4、浅田次郎「民子」 その5、ロバートAハイライン「夏への扉」 母に確認すると絶対にこの書店の方に選んでもらったという、果たしてこのセレクトをしたしゃれた書店員とは一体誰なのか・・・。
0投稿日: 2015.09.21
powered by ブクログ読んでいる時はおもしろかったんだけど、続編を買おうという気にはなれないかな。 図書館で借りようと思う。
0投稿日: 2015.07.25
powered by ブクログ書店を舞台にした日常系ミステリ 探偵役は大学生のアルバイト店員 頭脳は明晰なのにものすごく不器用というバランスがよい 謎は納得できるものもあったりなかったり おかあさん、いきなり行っちゃうとかマジぱねぇ 書店員と言えど全ての本に詳しいわけではないし、書店にいる本に詳しい人は店員さん以外にもいるよね そんな人に出会えたら幸せだろうなぁ 話題の人気作って色々と言われるよね でもまぁ、普通はあんな事にならないと思うけどね シリーズ化しているようなので、ちょっと期待
0投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログ本屋さんで働く本が大好きな書店員・杏子と大学生アルバイト・多絵が本屋で出会う謎を解いていく日常系ミステリ。 営業の井辻くんシリーズから入ったので、自分が読んだ順は書かれた順とは逆行しているのですが、職業(本屋)の事情も交えつつつふとした謎を解いていくというスタイルはこのころから確立されているんだなあと思いつつ読みました。 個人的には「パンダは囁く」が少しサスペンス感もありつつ一番楽しく読めました。
0投稿日: 2015.06.07
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読んだと思っていたら「標野にて 君が袖振る」まで読んで中断していたので改めて再読。ミステリーと、作品によってはちょっとしたラブストーリーも入っていてよかった。書店にはよく本を買いにいくけど、書店で配達までしているとは知らなかった(お店にもよるとは思いますが) 。解説で触れていた著者の出版社新人営業部員を主人公にしたシリーズとのジョイントは「ようこそ授賞式の夕べに」で実現したので読んでみたいと思います。
0投稿日: 2015.04.08本屋さん好きな人ならワクワクする短編集
書店員の鏡ともいうべきしっかり者の杏子さんと大学生のアルバイト店員で推理力抜群の多絵ちゃんが書店でおきる謎を解くシリーズ。 内容は犯罪から恋愛に絡んだものまで色々と。 正義感と常識を踏まえて謎と巻き込まれてしまった人達に向かいます。 そしてとても暖かい空気感が流れます。 個人的に大好きなのは 「標野にて、君が袖振る」です。映画をみているようにビジュアルが脳内に流れてきて、切なくて涙ぐんでしまいました。 でも悲しいだけじゃなくて終わり方に希望がありました。他のお話も読後感が良いです。 気負わず短時間で読めるので昨今流行りの書店ものをお探しの方にお勧めします。
2投稿日: 2015.03.29
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駅ビルの6階にある本屋さんの日常と、そこでおきる小さな不思議と謎解きの物語。 軽い内容のストーリーで、楽しくサクサク読めました。 本屋さんの仕事のあれこれも、とても興味深く、楽しかったです。
0投稿日: 2015.03.11
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坂木司さん、先生と僕から。 本がつながって嬉しいです。 書店ものはやっぱり読んでしまいますね! 本に関するミステリおもしろいなぁ。これは、シリーズ全部チェックしなきゃ。 あと、「六冊目のメッセージ」でドキドキが止まらなくて大変でした。
0投稿日: 2015.03.10
powered by ブクログ"本屋さん"に憧れたことのある読書ファンは多いのではないだろうか。 作家や編集者、図書館司書ほどではないにしても、だ。 元書店員の作家、大崎梢さんのデビュー作となる短編集。 東京近郊の駅ビルに入っている架空の本屋・成風堂書店を舞台に、正社員として働く杏子と、大学生アルバイトの多絵が、訪れる客の持ち込む様々な謎を解く、という"日常の謎派"ミステリー。 ストーリーの面白さはもちろん、書店員の仕事内容についても細やかに描かれ、普段見ることのできない本屋さんのバックヤードを少し覗けたような気分になれて楽しい。 また、”書店あるある”とでも言うべきエピソードや常連客の個性的なキャラクターなどには、著者の体験が多少なりとも反映されているのではないだろうか。そう思えるほど活き活きと鮮やかに描かれている。 日常の中の不可解な出来事を扱った”日常の謎派”に属する作品とはいえ、なかにはドキッとするような緊張感の走る話もあって、ミステリーの濃度は濃いめである。 かと思えば、謎に隠れているものは時に情熱的な恋心だったりするものも、ある。 しっかり者の杏子と朗らかで勘の鋭い多絵のキャラクターや2人のバランスも良い。 探偵役である多絵が、実は手先が恐ろしく不器用だという弱点も却って親近感を与え、魅力となっている。 ミステリ作品としても楽しめて、書店員という職業への憧れも募る。 読んだ後はきっと、本屋さんに行きたくなるハズ。 手書きのポップや平台、書棚への並べ方、ディスプレイに書店員さんの仕事ぶり、など。今までとは違った視点で本屋さんを見渡してみるのも面白そうだ。
0投稿日: 2015.02.23
