
総合評価
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powered by ブクログ自分にとっていい小説を書きたい。 自分に才能があるなんて思っちゃいないよ。しかし少なくとも、書くたびに自分自身が啓発されていくようなものじゃなきゃ意味がないと思うんだ。 村上春樹がどんな小説を書いて行きたいかを綴っていた。 •優れた知性とは二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができる、そういったものである。 たんたんと話が進んでいき、何が言いたいかよく分からない小説だった。 村上の小説に対する想いが込められている作品。
0投稿日: 2013.10.17
powered by ブクログ村上春樹さんのデビュー作であるが、村上さんのことを何も知らない時に一度読んでいる。その後村上春樹さんが小説を書くきっかけとなった場面とか、小説をどのように書いているかということを知ってから、それを感じ取りながら読んでみた。 でもやはり、この作品のワールドに対しては「僕には、良くわからない」という感想しか出てこない。
0投稿日: 2013.10.16
powered by ブクログBRUTUSの旅行読書特集で誰かが勧めていたのを見て以来、どこかに旅行に行くことがあるとよく持って行っているのだが、未だに理解ができない。でも感覚では楽しめる。 旅をしている自分に酔える。何かかっこいいんだなぁ。
0投稿日: 2013.10.14
powered by ブクログ世界の村上春樹が、文章を書くことは苦痛な作業といい、同時に楽しい作業だと言う。苦痛を伴ってでも書き続けられたのはハートフィールドのおかげで、尊敬してるんだなと思った。
1投稿日: 2013.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作品が書かれた1978年当時に、村上春樹が自身の作家としてのその後をどの程度に見とおしていたのかはわからない。ただ、彼のこの処女作の舞台には、大学入学から10年間を過ごした東京ではなく、中学・高校生活を送った芦屋が選ばれた。おそらくは、彼にはそこでの何かと決別する必要があったのだ。作品全体を覆う寂寥感は、そのこととも無関係ではないだろう。そして、物語の大半は主人公が21歳の時の回想なのだが、そこから29歳まで8年間の断絶がある。架空のハートフィールドもなんだか切なく胸に響く。
0投稿日: 2013.09.23
powered by ブクログ村上春樹らしさ全開。…の空気は嫌いじゃない。でも再読はないな。ストーリーがあるのかないのか、だから何、という感じの。そういうのを求めちゃいけないとは思うんだけど。
0投稿日: 2013.09.19
powered by ブクログ高校の時に読んだ本。 ノルウェイの森から村上はるきかぶれになろうとしたが、 この人の本はいかんせん読みにくいし、頭に入らない。 とりあえず、「読んだ」ということだけを記す。
0投稿日: 2013.09.07
powered by ブクログ持ち運び用に文庫も購入。久々に村上春樹が読みたくなって読み始めたけど、読むのが3回目ともなると20分ほどで読めてしまう。話がぶつ切りになるのは1章1章分けて書き進めていた貧乏時代の村上春樹の背景が見えていい。やっぱりこの本には村上春樹の全てが詰まっている。この本で何を伝えたかったかを知ろうとするのはナンセンスだ。この空気感を感じる。それだけで充分。この本は私のバイブル。きっとこれからも何度も読み返すんだろうなぁ。文庫本がぼろぼろになるくらいまで。2011/133
0投稿日: 2013.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
21歳の僕は小説家を夢見る友人・鼠と出会ったぐでんぐでんに酔った4本指の女の子を介抱することから始まる出会いと反発と別れの不思議な体験。海辺の町は明らかに芦屋市のイメージ。ラジオのDJのお喋りとともに70年ごろに聞いたであろうそれまでのヒット曲(プレスリー、ブルック・ベントン、ビーチボーイズ、ボブ・ディラン、マイルス・デイビス、MJQ)がバックに流れている背景が度々描かれていて、本を読みながらそれらの音楽が本当に聞こえてきそうな、またその時代に戻った錯覚を起こせそうな軽快なタッチの小説です。
0投稿日: 2013.08.24
powered by ブクログ初めての村上春樹小説。 淡々と語りすすめられる物語。簡潔なイメージ。 読後感は不思議な感じがした。これが村上春樹かぁ…
0投稿日: 2013.08.19
powered by ブクログ【村上春樹のデビュー作品】 村上春樹が世の中に初めて出した作品、『風の歌を聴け』。小説で唯一読む村上春樹の最初の作品を読んでみたいと思い、購入した。 デビュー作ということで、『1Q84』のような不思議な世界観やアリ地獄に巻き込まれるような吸込み力は、あまり感じられない。しかしながら、所々今の村上春樹らしさがあり、「やっぱり村上春樹だな」と読みながら感じる。 他のレビュー者が書いているような、この本が伝えたいことがあまり感じられなかったので、☆3つとした。ただ、もう一度読み返し、奥に眠る作者の意図を探ってみたいとは思う。
0投稿日: 2013.08.04
powered by ブクログ初めて読む村上春樹。 不思議な感覚がする本だった。 まるで、一貫して深夜のドラマにでも出てきそうな情景が目に浮かんできた。 これはこれですーっとひきつけられながら若干短めということもあって、 あっという間に読んだ。 これがこれからどう変わっていくのか…。
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログ20130707多崎つくるが面白かったから、読めると思って読んでみたけど、やっぱり面白くなかった。意味がわからないし、終始しゃれた文を書いてるんだぜ俺感があって、うーんって感じ。
1投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ母の部屋から村上春樹全作品集を持ち出し、こっそり読み耽った日のことを思い出しました。わたしは中学生で、読書体験と言えば小学生の頃のファンタジー長編や世界のちょっとした名作推理小説などで、上質な純文学に触れたこともなかった日のことです。やはり読むならばデビュー作から、ということで、この作品は(赤緑の綺麗な表紙に惹かれてノルウェイの森を読んだことを除けば)、わたしが初めて読んだ村上春樹長編であり、わたしに村上春樹の小説はなんだかよくわからないというイメージを植え付けた最初の小説です。出会いはあまり良いものではなかったと言えるし、大学一年時の再読もあまり良いものではなかった。初めて読んだ時からまあそれなりの月日が経って、わたしは初めてこの本と正確に出会えたというか、正確にこの本と邂逅したと今回の読書で確信しました。 この、決意表明。これから長い人生の時間を物語を紡ぎ出すことに捧げようというあまりに重すぎる決断は、未来はどうなるか分からないけれども小説を書き続けることで救済される自分を、信じていることで成り立っている。その信念はあまりにわたしの心を打って、ああこの人が語ることを決めて本当に良かったと、仮にこれで春樹本人が救済されなかったとしても、少なくともわたしは救済されている部分があると、そう叫び出しそうになった。初めて読んだ時と比べるとわたしは思春期というものを通過して、様々なことを感じて考えるようになって、そうしたらあまりに辛いことが多く、本当にぬかるみの中をなんとかゆっくりと進んでいるのに光はほんとうにどんどん見えなくなって、春樹の物語だけが唯一の救いで、もしかしたらわたしも毎日少しずつ損なわれているのかもしれない、そういった時にその不安に、染み渡るように満ちる文学というものは、その凄みというものは、一体どこから来ているのだろう。と思ったらここからだった。この人が語るようになって本当に良かった。この人が語ることにしてくれて本当に良かった。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ村上春樹の作品を全て読んだわけではないが、読んでいて感じる空気感は後の作品にも繋がっている雰囲気がある。 短い作品なので一気に読んでしまったが、村上作品特有の淡々とした描写が続いているうちに終わってしまった感。なんだろう、これ。
0投稿日: 2013.07.02
powered by ブクログ物語と村上春樹の価値観についての話が同時進行で、話の本質を捉えられなかった。けれど、その分テンポもよく読みやすかった。 いまいまの自分の現状から、作中の 強い人間なんていやしない。 強い振りのできる人間がいるだけさ。 という言葉が心に響いた。 村上春樹作品はノルウェイの森に続いて二作目だが、この風の歌を聴けの文章量でも心に響いた言葉があり、彼の作品は僕に必要なものだと思う。 なので僕は村上春樹を読み進めていきます。
0投稿日: 2013.06.26
powered by ブクログ身近な本好きさんたちのおすすめで、読んでみました。やたらビールをバーで飲みたくなる本でした。はたちそこいらのころも、すこし思い出しました。好きだった人のこと、思い出せないというのには、同感。
0投稿日: 2013.06.24
powered by ブクログ正直わからない。 が、台詞回しはお洒落だと思う。 後に読めば見方かわるかな。 わからんな。 が、これが現在の作品につながっているのはなんとなくわかる。
0投稿日: 2013.06.16
powered by ブクログ一抹の寂しさややるせなさ、複雑な心の揺れが本当に風のように自分を過ぎ去っていく。 再読だが、何度読んでも染み入る。
0投稿日: 2013.06.04
powered by ブクログ村上春樹さん処女作。 沈黙を破って語りだす僕。 なぜ語り出したのか、 なぜ文書を書くのか、 冒頭にそれらを書いたうえで物語は始まる。 なぜ風の歌を聴け、なのか。 それはこの世界に生き延びるために、 すべては通りすぎていくものであっても、 生き延びるために今僕ができること、 それが風の歌を聴くことなのだ。
2投稿日: 2013.06.03
powered by ブクログ今読めばちょっとはなんか変わるかも、と思って再読してみたけど、何が言いたいのか良くわからないという点では、4年前とさほど変わりませんでした。別につまらなくはないけど、中毒になる要素がまったくもって分からない。文体?内容?ストーリーってこともないだろうし。。(羊をめぐる冒険はストーリーがあって面白かった。) こんな主人公のような思考をしている人がそうそういるとも思えない。 今後理解できるようになることがあるのかな。。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ春樹を読んだ最初の本にして、後々最後の本にしとけばよかったと思った本。 雰囲気小説の王者たる春樹のエッセンスが詰まった短編で、逆に言うとこれだけ読んでおけばいいって感じ。 一ページごとにメモをとりたくなるような洒落た文章と巧みな比喩がちりばめられてます。 流れるような文に誘われてなんの話かわからないままぐいぐい読み進めるうちに結局なんの話かわからないまま終わってしまうところがあたかも哲学書のようであり、春樹が哲学的と言われる所以かも。 でも読後不思議な満足感があります。合う合わないはあるでしょうが、試してみてはいかがでしょう。
1投稿日: 2013.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多崎つくるを読み終わったら、急にこの本が読みたくなって実家から持ってきた。5回位読んでるが、最後に読んだのは20年近く前だろう。 デビュー作でもう文体は完成されていて、文章に隙がない。分かったような気になるのに実はまったくわかない比喩。時には的外れとすら思うような比喩もでてくる。どこまで計算しているのだろうか。主人公の気持ちははっきりとはかかない。でも似たような人間には伝わる。村上春樹の分身は僕だが、もう一人の分身は鼠。鼠は「小人」なのだろう。 人生に対する気の利いた警句はいっぱいでてくるのに、全く中身がない。格好だけで、中身がないこと、夢と希望がないことを分かっていて斜めからみている主人公。そして夏休みが終わって神戸を離れると、まるで死んでしまったかのように全くなにも残らなくなる。ここまで虚無的な小説だったけ?
0投稿日: 2013.05.29
powered by ブクログ何度目かの再読。 初めて読んだのは、今からもう27年も昔。当時、それまで読んできた小説とは全く異なる新しい文体に衝撃を覚えました。 ひと夏の生活をワンショットで切り取ったようなストーリー。今の作品と比べると粗々しい印象です。米国文学や映画、音楽の影響をハッキリと感じることができ、よくできた短編映画のようでもあります。村上作品の原点、ここにあり。
0投稿日: 2013.05.14
powered by ブクログ「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」と順番に読み、もう一度この本に戻ってきた。2度目のほうが冷静に読めた気がするけど、「風」の意味するものがなんなのか、結論がまだ出せない。3度目に読んだらまたなにかがわかるかもしれない。 一連の「僕」がいる世界は、直接ストーリーと関係ないかもしれない文章の多さも関係してるのか、とても立体的に見える。だから一度ここに入ると、しばらく逃れられない気がする。実際、私はほかの本をいまのところ読む気持ちになれていない。この本のほとんどの登場人物は、風のようにやってきては消えていってしまうのに。 この作品の登場人物は、元気を10、不幸のどん底を0とするなら、4くらいの状態でずっと続いていく。そしてその足りないものを補い合って6くらいになっているようだ。だから物語全体の空気感はとても淡々としているように見える。でも、少しずつ人々の心が変化し、時間が進んでいくのがわかる。このスピード感が、私にはとても心地がいい。
2投稿日: 2013.05.12
powered by ブクログよかった。相変わらずおしゃれ。村上春樹の小説を読んでると、登場人物がみんな上手いこと余白をもっているのがうらやましくなる。私も余計なものを全て削ぎ落としたくなる。そして主人公にはお決まりのルーティンがあるのもよい。風の歌を聴け は、全てが主人公の前からとおり過ぎていく感じが好き。女性が主人公だったらこうはいかないぜ。ぼくが飲むビールは美味しそうだ。
0投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログ〜以前書いたレビュー〜 分かり易い。 “村上春樹”という作家のイメージそのもの。 まさに「らしい」作品。 その退廃的なムードとか、 どこまでも斜めに構えてみせる主人公とか、 いちいち謎に満ちた登場人物とか、 何のカタルシスも得られないラストとか。 この作品から入ったら、 僕の本棚の構成は今と全く違ったものになっていただろうね。
0投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログしゃれおつ。わたしもぼくのような生活を一度でいいからしてみたい。そしてこの本のおかげでコーラを少し飲めるようになりました。
0投稿日: 2013.05.03
powered by ブクログ完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。 村上春樹のデビュー作の一行目です。
0投稿日: 2013.05.01
powered by ブクログ始めて村上春樹を読んだ。 共感できる箇所は少なかったし、理解できない文章、表現があったけど、なぜか引き込まれる不思議な作品だった。
0投稿日: 2013.04.30
powered by ブクログ東京の大学に通う「僕」が、夏休みに地元へ帰省。友人の「鼠」と、酔っていたところを介抱した指が4本の「彼女」、それにジェイズ・バーの中国人ジェイ。「僕」と「僕」をとりまく彼ら3人を中心に、短い夏の交流を描く。 交流、というと単なる青春小説みたいだが、実際は違う。そもそも小説を読んでいるというよりも、散りばめられた言葉を拾っているような感じ。文体も、日本語なのに日本語ではないような、日本語なのに英語を彷彿とさせるような、そんな印象。 働けば日常に埋没してしまう。それは即ち、生きる本質を(その答えはないかもしれないにしても)考えなくなることである。 p10 文章をかくという作業は、とりもなおさず自分と自分をとりまく事物との距離を確認することである。 p18いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりずっと疲れる。 p155 泣きたいと思う時にはきまって涙が出てこない。そういうものだ。 そうであるならばこの小説は、まだ学生である「僕」を中心とした人々の思考の軌跡を辿る「青春小説」とも言えるのかもしれない。
0投稿日: 2013.04.28
powered by ブクログ村上春木、デビュー作。群像新人賞受賞作。 1970年、海辺の街に帰省した僕が、友人のネズミとビールを飲み、介抱した4本指の女の子と仲良くなり、若さ故の退屈さを過ごす。18日間の物語。 著者本人は、デビュー作が力量不足として翻訳はしていないらしい。当時では珍しい作風だったのだろう。2013年、初めて読んだ村上作品。理解までには至らないのが正直な感想だ。
0投稿日: 2013.04.24
powered by ブクログ再読しました。 デビュー作ということで構成も伏線も登場人物のキャラクターも荒削りな感じを受けますが、 それが狙いなのかもしれません。 作品の中の雰囲気、読後感は私は好きです。 ただ、当時の日本の状況や作品中にでてくる、様々な音楽や作家がわからないため、それを知って読むと印象が変わりそうです。
0投稿日: 2013.04.23
powered by ブクログねじまき鳥を読んでからというもの、敬遠していた村上春樹さん。 人間味のないキャラクター、台詞。唐突すぎるストーリー展開。でも、気づけば止まらない。 中毒性があると思います。ファンの方々の気持ちも少し納得。
0投稿日: 2013.04.17
powered by ブクログ大きな事件はないが、青春時代の日常の一変を切りとった物語が好印象。 心象風景を構成する大きな要素は、 この物語のように何気ない一、二週間の出来事なのかもしれないと感じさせられた。
0投稿日: 2013.04.14
powered by ブクログ私は『諸行無常』っていう考え方が好きで、 やっぱり1つのところに留まるものなんて無いと思うし、 変化をしないものも無いと思うし、 時間は心や記憶とは全く無関係に流れていくものだから、 そういう空虚で諦観な感じが村上春樹の文章にはあって、 私はそんな部分に波長が合うからこの人の言葉が肌に 馴染むんだろうなって分かったような気になってみた。 多崎つくるの前にテンションあげるために買いました。
1投稿日: 2013.04.13
powered by ブクログ支離滅裂とした話を纏めることができたから、凄いのか……。 自分の頭では、理解できない事が多かった。
0投稿日: 2013.04.07
powered by ブクログ子供が生まれてから、読書をしなくなった。単純に時間が取れなくなったということもあろうが、それよりも家庭の中に小さな調和を覚え、そこに喜びを感じることには一生懸命だったけれども、実際には個を磨くことが億劫になっていたのが本音だと思う。古本屋の100円コーナーに村上春樹の中編を4冊見つけた。好きではないけれど、触れておくべき世界だと思い、読み始めた。サリンジャーやロストジェネレーションの匂いが強い、春樹の処女作。
0投稿日: 2013.04.02
powered by ブクログ4度目くらい。しかし通勤電車の行き返りで読み終わるとは思ってもみなかった。こんなにあっさり読めたっけ?
0投稿日: 2013.04.02
powered by ブクログ独特の会話のテンポと、どこか重さのただよう世界観に、気づけばはまりこんでいました。 意味のわからないまま読み進めていくのが心地よく感じられたのは、初めてかもしれません。
0投稿日: 2013.04.01
powered by ブクログ初っぱなの文がガツンと頭を打つ。村上春樹の渇いた文章を読むと無性に炭酸を飲みたくなるのが不思議。ワケわかんないのに面白かった。やれやれ。
0投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログ村上春樹のデビュー作。 俗に言う青春三部作の第一部であり、文章についての印象的な書き出しから始まる。 タイトルから爽やかなお話かと思ったのだが、簡単に言えば、主人公がひたすらビールを飲んだり、今まで寝た女の子についてのお話だった。 一時間くらいで読めたので、何度も読み返しそうな気がする。
0投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3月13日 村上春樹さんの本はいくつか読ませていただいたが これが今のところ一番好き 「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」 昨日読んだ川端康成さんの「雪国」もそううだったけど 良い小説は初めの一文でもう決っている気がする。 退屈な学生の日常を こんな風に表現できる世界観が羨ましい それにしても主人公はなぜ昔付き合っていた女性から嫌われてきたのか この本を読む限りあまり分からなかった 読み込めばその原因が見える気もするけれど… 4本指の女性に手出ししなかった時点では好印象さえあった 主人公が平凡なだけに話の世界も平凡なのだが ところどころに現れるユニークな表現が 妙に心に残る パンケーキにコーラは刺激的だったなあ。
0投稿日: 2013.03.13
powered by ブクログなんと言ったらいいのか ムラカミハルキの 物語の原点 がそこにある ということなんでしょうね。 「風の歌を聴け」が原点となって その後の作品ができている。 その中にあるさまざまな 『核』が ムラカミハルキの中で広がっていく。 3人目の彼女が首をつった話(自殺) 火星での井戸の話 墓碑の遺言 『昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか』・・ 夜そして 人生は空っぽ 実虚のタクミさを 29歳のときに発揮した という評価。 日本にある 青春というリアリズムから 脱したことに 衝撃があったのだろう。 僕 と ネズミ の1970年 8月 そこに流れている 雰囲気は なんともいえない けだるさが残る。 それは 学生運動が 終焉の兆しを見せていたことによるのだろうか? なぜ ネズミ なのか? ムラカミハルキは 1949年生まれ 1月・丑年 ネズミは 1歳年上なので 鼠年 という単純なところから始まったのだろうか? ネズミ は言う 『さあね。うんざりしたからだろう?でもね、 俺は俺なりに頑張ったよ。自分でも信じられないくらいに。 自分と同じくらいに他人のことも考えたし、 おかげで おまわり にも殴られた。 だけどさ、時が来ればみんな自分の持ち場に結局は戻っていく。 俺だけは戻る場所がなかったんだ。 椅子とりゲームみたいなもんだよ』 この言葉が 学生運動の終焉を 語っている。 30歳の ムラカミハルキが振り返る言葉でもある。 孤独を ムラカミハルキは このように言う 『風の中を歩くことができず、誰にも愛されることなく、 何十年もかけてここで年老いて、 そしてひっそりと死んでいくのかとおもうと我慢できないほど 悲しいのです。 夜中の3時頃に目が覚めると、 ときどき自分の背骨が少しずつ解けていく音が 聞こえるような気がします』
0投稿日: 2013.02.22
powered by ブクログ久々に村上春樹が読みたくなったので。 村上春樹の作品はどこか謎めいていて、話の内容も結局貴方は何を言いたかったんだ!っていうのが多い。 でも何故かぐいぐい引き込まれて、最後まで読みきってしまう。 そんな不思議な魅力があります。 この作品もそうだけど、村上春樹は会話が最高にイカしてる。 例えば主人公が朝から起こったことを女の子に説明するシーンがあるんだけど、それがただあったことをペラペラ喋るだけじゃない。 僕は朝プールに行って、車に乗って散歩して、それから昼寝して海に行ったんだ。 とかの説明の途中に、30分ばかりしてから急に誰かに会いたくなった。海ばかり見てると人に会いたくなるし、人ばかり見てると海を見たくなる。変なもんさ。 っていう、聞いてるこっちにして見ればどーでもいい、主人公の心情とか考えが入ってくるんだよね。 「その話今せんでもいいだろ」とか思うんだけど、その途中にサラッと言ってることが中々深くて、しかもドヤ顔で言うんじゃない。 「まあ、どうでもいいことなんだけどさ」とか言う感じで、言ってる本人もそんなに深く考えてないように言ってるところがいい。 後、この主人公は変にポジティブっていうか楽観的ですね。 世の中の嫌なこととか理解し難いところを否定するんじゃくて、全部受け入れることが出来る。 まあ、そういうもんだから仕方ないさ、みたいな感じで。 それは接する人達にも同じで、決してその人の奇抜な考えや行動を否定することはない。 こいつはこんなヤツだからな、ってまるごと受け入れてくれる。 自分に対してもそうだよね。 自分の嫌なとことか分かってるんだけど、それを嫌悪したり無理に変えようとはしない。 これが僕なんだから。ってある意味開き直ってる。 だからオドオドしたりもないし、かといって自信たっぷりでもない。 ごくごく自然にありのままで生きてる。 だからこの主人公は、人間としてモテるんじゃないかなーと思った。
0投稿日: 2013.02.16
powered by ブクログいつぶりだろう。おそらく4年ぶりくらいに読みましたが、ああなんて隅々まで知りきった、居心地の良い世界なんだろう。この本をひとり繰り返し、繰り返し読んでいた昔のわたし。古い、すごく親密な友人に再会したような気持ちです。今読み返すと、文章は現在の洗練とはほど遠く、物語としての強度もあまりないかもしれない。現在の春樹ならばより雄弁に語れる事柄が、ここでは力量不足、技術不足であまり上手く語られていない。だけど確かに得難い魅力があることを感じます。こんなにも、稚拙に思える部分を見つけながらもなお、読んでいて苦しくなった。散りばめられた欠片が、昇華しきれていない文学が、ありえないほど心に迫る瞬間が確かにある。くるしい。そして文学について語ることはどうしてこんなに難しいんだ。わたしは今書いているこの感想で結局何も語っていない。くるしい。
1投稿日: 2013.02.14
powered by ブクログ「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」って完璧すぎてビールが飲みたくなる。
0投稿日: 2013.02.14
powered by ブクログ「ねえ、人間は生まれつき不公平に作られている」この言葉がとても印象的だった。 しかもそれが「ジョンFケネディ」の言葉だったらなおさらだ! 村上春樹の小説を読むとちょいちょい謎めいた話し方と、なんで主人公はこんな事をしっているんだろうとよく思う。 たぶんこんな事を普通に言ってもモテないし、共感もあまり得られないだろうけど、 私は読むたびに素直に憧れてしまう。
0投稿日: 2013.02.14
powered by ブクログ普段はラノベばかり読んでるのですが、他のも読みたくなり、友達に薦められるまま、村上春樹さんの本を初めて読んでみました。 高校生の時はこういう本を読んでもポカーンとなり、つまらないと思っていたものの、今回は違う印象を抱いて驚きです。(時が経ったとうことでしょうか) ところどころで体の中に文字が響き、このまま村上春樹さんの本を読み続けられそうで嬉しくなりました。
0投稿日: 2013.02.12
powered by ブクログおもしろかったと書いてよいのか迷うとこだが、一気に読めた。生物学専攻の主人公は大学生。その夏の物語。親友「鼠」とジェイズバー。アメリカンな匂い。左手指が4本しかない女。ラジオDJとアメリカンポップス。自殺した元カノ。消えた高校時代の元カノ。良くも悪くも(どこが悪いか具体的に言える力がないが)村上春樹の世界だった。どこが本筋か分からない筋立て。結局よくわからない登場人物。レトリックと何ともしびれる例え話。兎にも角にも全てが村上春樹の匂いで満ちていた。
0投稿日: 2013.02.06
powered by ブクログ30年振り再読。アメリカ文化の影響を受けながらも何処となく無国籍な感じに映るのは全体的にジトーっとした無力感、虚無感が漂っているからか。 2013 1
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ村上春樹さんの本の読書デビューはこれでした。友人にまずはこれでしょと薦められ読みました。良かった。とても。不思議な気持ちになりました。
0投稿日: 2013.01.17
powered by ブクログうーむ、なぜこんな胸に響くのだろう。 ストーリーは全然面白くない…というか、あってないようなもんなのに。 村上春樹は20代最後の年にこの小説を書いた。 僕も20代最後の年に6年ぶりに読み返した。 6年経っても小説の"僕"には近づけないな。やっぱりカッコよすぎる。 ぼくは 君たちが 好きだ
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログもう、もう ありがとう ってかんじ。 つまり、ラジオのDJの最後の言葉で 全部 救われました。 どういう情景なのか 舞台が本当に日本なのか うまくイメージができずに読んだ。 初村上春樹でした。 ただし、青春時代に読んどけばよかったろうにっていう後悔はナシ。 青春時代って 影響されやすいから、私はこうなっても困るなって。
1投稿日: 2013.01.08
powered by ブクログわたしは時系列にこの人の本を読んでいないので、 ようやく原点に立ち返り、点が線としてつながり始めた感がある。 もやもやとしたものを、手探りでその手触りを感じ、言葉で表すことで、その外形をつかもうとしている印象を受けた。 わたしのショートカットを見て、 「ジーン・セバーグのようで素敵です。」と言ってくれた学校付きのカメラマンさんがいましたが、この本の引用だったのですね。 あーっくそ!今なら 「いやいや、アウシュビッツの悲壮感は拭えませんわ。」くらいの切り返しができるのにっ!残念!
0投稿日: 2013.01.07
powered by ブクログ「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」 村上春樹の原点、思想の断片が随所に散らばった一冊。 今後の作品への予感的な印象。
0投稿日: 2013.01.05
powered by ブクログ昨年の正月に「羊をめぐる冒険」を読んで「僕と鼠もの」シリーズ(4部作?)があるのを知り、全部読んでみたいと思い購入。結局、読んだのは、一年後だったけど、今年も村上春樹で新年が始まりました。学生時代に出会ってたかったと思う一冊でした。
0投稿日: 2013.01.04
powered by ブクログ大学受験の現代国語対策の授業でこの本の一部を読み、先生に解説を受けて村上春樹が好きになりました :D
0投稿日: 2013.01.01
powered by ブクログおもしろかった。で、(特に後半やったかな?)すあぁーーって読めたこともなんとなく覚えてるけど、中身あんまり覚えてない。笑 でもそれはたぶんすぐに次を読んでしまったからっていうのもあるかな。でもそういうお話やったとも思います。 覚えてないからもっかい読みたい。笑
0投稿日: 2012.12.25
powered by ブクログ初めて村上春樹を読んでみた。 なんだかこじゃれた感じのする会話は、こじゃれ感のかわりに話がよくわからなくなる。 なんだかよくわからなかったけど、もう1冊くらい長編を読んでみたくなるような後味。
0投稿日: 2012.12.21
powered by ブクログ今までなんとなく手を出さずにいたが、勧められて初めて読んだ村上春樹の作品。 これが村上春樹なんだなと。 思ったより心地良く入ってきて、正直驚いている。 不思議な何とも言えぬ世界 でも、その何とも分からぬ心地良さが私の何かを刺激したようだ。
0投稿日: 2012.12.21
powered by ブクログ初めて読んだ、村上作品。 最初は独特の世界観に馴染めず読み進めるのがやや苦痛だったが、慣れてしまえば、読み進めるのは随分楽になる。 主人公を取り巻く日々が、静かに淡々と過ぎ去っていく。その中で抱く寂寥感、焦燥感、そんなモヤモヤした感情を端正な文章で紡ぐ事で、主人公の感情と読者の感情をシンクロさせるのに成功している。 1970年~1980年を静かに見つめていた人がいるのを感じられる。いつの間にか引き込まれて、日本にいながら異国情緒も味わえる不思議な作品。
0投稿日: 2012.12.12
powered by ブクログラジオNEBのDJがなんとも好きで、こんなノリノリのMCをかますラジオがあったら毎回必ず聴くと思う。
0投稿日: 2012.12.06
powered by ブクログ「みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついているし、何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」(文庫版、121頁) 村上作品を読んだことのある人には身に覚えがあるかもしれないが、この人の文章を読んでいると無性に酒が飲みたくなってしまう。酒がよく出てくるからってのもあるが。 冒頭に引用したセリフも、冷たいビールを飲みながら話されているものだ。 この『風の歌を聴け』は、次作の『1973年のピンボール』、そしてその次の作品である『羊をめぐる冒険』へと続くいわゆる「鼠三部作」の始まりである。三部作を通して、このクールでドライな囲気は通底している。潮の香り、冷えたビールとフライド・ポテト、煙草で煙たいバー、ジュークボックス。そんな風景のにおいが漂っている気がする。 この小説は、村上春樹が29歳の時に神宮球場の外野スタンドで「小説を書こう」とふと思い立って書かれたものだ。彼は作品の冒頭で、架空の作家“デレク・ハートフィールド”の文章を「引用」している。 「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」 小説全般に言えることかもしれないけれど、その作品の完成度が高ければ読み返したくなるし、読み返す度に新しい発見がある。 偉そうなことを言うようだが、村上作品は読み返すに足る(足りすぎる)深みがあるものばかりだ。 だから定期的に読み返すことになる。が、その内容を事細かには覚えることは出来ない。 読者と村上春樹本人とのメールでの質疑応答をまとめて書籍化した『「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』(エラく長いタイトルだ)のなかに、印象深い読者のメールがあった。その人は村上作品を読んでいるときの感覚を「大きな竜巻のなかを通り過ぎる感じ」と表現していた。これには納得…というか、共感出来るような気がしたので、頭の片隅に残っている。読んでいるときはとても深く深く物語りに入り込むが、読み終えた後に「何が書かれてた?」と問われると正直なところうまく答えることが出来ない。決してボーッと読んでいるというわけではないのに。 思い切って洋服のままプールに飛び込んで、プールからあがると何事もなかったように洋服は乾いている。 でも、飛び込んだときの着水の感覚、水の冷たさ、水中の青の感触は通過しているのだ。 そんな感じ。ものすごく主観的だけれども。 引用した少し長めのセリフに着目したのは2回目か3回目に読み返したときだった。たぶん年齢を重ねることで何か違うことを感じるようになったのだと思う。再びこのセリフを目にした時は、「なんで以前読んだ時にはこの場所に微塵もひっかからなかったのだろう?」と思ってびっくりしてしまった。 「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ」 引用部分の後半のこの部分を読んだときには目からウロコが落ちた。人の「強さ」に対してこれだけのクールな視点を見た(読んだ)ことはほとんどなかったからだ。他の人に対してこれくらいの視点をもっている人間になることができたなら、人間関係において何事があってもほぼ動じることのない人間になれるんじゃないかと、本気で憧れていた時期もあった。 しかし、ここでおそらく「僕」は自分も含めた上で「人間はみんな弱い」と言っているのではないだろうか。引用では再現できなかったが、セリフのなかで2度言われる「みんな同じさ」という言葉。本文では2度目に言う「みんな同じさ」には傍点がふられている。「僕も例外じゃない。みんな同じさ。」と「僕」は言っていたのではないのだろうか。そう考えたら、少しの安堵を覚えてしまう。 「強い人間なんてどこにも居ない」と言う「僕」に対して、親友である「鼠」は「嘘だと言ってくれないか?」と真剣に言う。この会話の続きは書かれておらず、この後「僕」は「鼠」を見送って、フライド・ポテトを食べる。 夏が近くなってくると、なぜかいつもこの「僕」と「鼠」のやりとりを思い出す。
0投稿日: 2012.12.05
powered by ブクログ高度経済成長、急激な変化の中、変化に順応出来ないピーターパンシンドローム的な若者の気持ちを描いた作品?目まぐるしい情報社会の中、閉塞感を感じざるを得ない今も、大局的には同じ風が吹いていて欲しいと願って、共感してしまう自分がいた。
0投稿日: 2012.11.30
powered by ブクログ人生、初の村上春樹です。 ただいま40歳。 ちょっと遅いですね。 村上ワールド、まだ良さはわからないなあ、というのが正直な感想です。 新しかったんだろうなあ、とは思いますが。
0投稿日: 2012.11.28
powered by ブクログこれこれ、戦犯は。学生時代に読んで「村上春樹は読まなくてヨシ」と判断。毒てんこもりの筒井康隆や空想力爆発のマルシア・ガルケスを読んでる頃、「なにスカしてるんだよ」と思ったのは事実。再度読んでみてもその印象は変わらず。文章が硬いがすべてのルーツなのはわかった。
0投稿日: 2012.11.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結論からすると、村上春樹氏はほとんど変わっていなくて大きく変わってしまったのは KiKi の方だったようです。 そして、この KiKi の変化は「いい・悪い」は別として村上氏のどこか冷めた傍観者的な社会への視線に対し、学生時代ならいざ知らず、今の KiKi は人間社会の中にどっぷりつかって、そこで何等かのコミットメントを結びながら生きてきた年月の積み重ねでできているようなところがあるわけで、そのスタンスというか、立ち位置の違いにあるように感じました。 初めて村上作品に出会ったのは KiKi 自身が「まだナニモノにもなっていなかった時代」だったし、「ひとかどのモンにはなれそうにないことを骨身にしみて自覚し始めていた時代」だったし、「KiKi とはまったく関わりのないところで世の中は動いていると否応なく思い知らされていた時代」だったから、その虚無感みたいなものにストレートに感電することができたように思うんですよね。 と同時に、KiKi 自身も英米文学部に在籍し、村上春樹氏が好む「カポーティ」、「チャンドラー」、「フィッツジェラルド」、「カーヴァー」といった作家の作品に出会い、それまで読んできた文学とはちょっと違う香りのする文学にちょっと酔わされちゃっていた時代だったことも無関係ではなかったように思います。 今この物語を「ねじまき鳥」や「ノルウェイ」を読了した後に読み返してみると、それらの作品のモチーフとなっている出来事、感覚、といったものは既にここに出ていることに驚かされました。 学生時代にこの作品は何度も何度も読み返していたはずなのに、先日「ねじまき鳥」や「ノルウェイ」を読んでみた時は思い出しもしなかったことにもかなりビックリしました。 なぜ、それらの読中にこの作品のことを思い出さなかったのか?を考えてみると、要するにこの物語はある意味でサティの音楽にきわめてよく似ていて、「環境文学」というか「時代の空気を読む文学」ではあったものの、それ以外は自分に何も残さなかった文学だったんだということがわかります。 物質的にはある程度恵まれていて(とは言っても携帯電話もモバイル端末もインターネットもなかったけれど)、普通に暮らしていれば恐らく衣食住に事欠く心配だけはないけれど、バブル経済の真っ只中にあってどんなに頑張っても普通の人では家一軒、マンション1つさえも買えそうになかった時代。 ようやく買える場所があるとすれば電車で片道2時間ぐらいの場所がせいぜいで、そんな買い物をしちゃったら何のための人生なのかわからないじゃないかと誰もが諦めモードだった時代。 就職の面接に行けばあからさまな男尊女卑を感じ、「子供のころに夢見ていた自分の将来はこんなはずじゃなかったのに・・・・・」と落ち込んだ時代。 あの時代の KiKi だったからこそ、彼がこの物語の中で手を変え品を変えて語る「閉塞感」、「無力感」に共感できたんだと思うんですよね。 そんな閉塞感にも関わらず巷は結構オシャレでねぇ。 雑誌やらドラマに出てくる写真や人々の生き方はどこか「生活臭」がなくて、日本人の食生活が和食から洋食にシフトしていて、街中が音楽にあふれている時代。 でも自分がナニモノなのか、その実感みたいなものだけが空虚な感覚。 みんなが持っているものを持てなければ何となく恥ずかしいんだけど、いざそれを手に入れても胸をうちふるわせるような満足感は得られない・・・・・。 そんな時代をこうまで淡々と冷徹に書いていることが当時の KiKi には新鮮だったし共感も覚えました。 でも逆に言えばそれだけ・・・・・とも言えるんですよね、この物語。 自分を保つために冷淡で刹那的・退廃的であろうとする生き様みたいなものに、「そこまでして保ちたい自分っていったい何??」と思わずにはいられないのは KiKi が歳をとったからなのかなぁ・・・・。 何か本質的な命題に肉薄しているようでいて、そこですっと引いてしまう執着心のなさというか、逃げというかそんなものを感じました。 まあ、この作品が書かれた80年代というのは重苦しく思考するのはダサイ時代だったからそれをオシャレに書いただけ・・・・・とも言えるけど(苦笑)。 せっかくの機会なので、かつては感動したはずの何作かも読み直してみたいと思います。
0投稿日: 2012.11.14
powered by ブクログ強い振りのできる人間になりたくなった。物語中では「僕」が一番好きだった。(青春三部作まとめれびゅー)
0投稿日: 2012.11.04
powered by ブクログセリフがかっこいいです。 「悪くないね」とか言ってみたいです。 ハートフィールドの作品も読んでみようとネットで調べたら、この作品の中だけの架空の人物、とあって驚愕しました。
0投稿日: 2012.10.31
powered by ブクログデビュー作でこのクオリティーってすごい。どこが良いとか、だから何だとかそういうのが全然ないけど読みながらも読んだ後も何かいいなって思える。
0投稿日: 2012.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デビュー作とあってまだ後に見られるような、同時並行で物語が展開する構成ではないが、ラジオやハートフィールドの話に時折飛ばされて、そこに含有される意味内容と主人公の心情との関係性は自分が至らないせいか見いだせにくかったし、意味の空白も大きくさらにはページ数も少ないため、他の作品を読み終えた後のような満腹感&放心状態に見舞われることはなかった。いつかもう一度読み返したのならそれに近いものは味わえるのかもしれない。
0投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログもう30年以上前になる、同作者の処女作。識者には怒られるかもしらんけど、僕くらいから見たら、当時から変わらない世界観・文体って感じで、それって凄いことだと思う。古臭さとか、全然感じないし。男と女、若者の死、ちょっと影のある人物像、味付け程度の性描写、みたいな印象です。
0投稿日: 2012.10.20
powered by ブクログ村上春樹氏のデビュー作。ノルウェーの森以来、読んでみた。 不思議な何とも言えない世界観。これが村上作品の魅力なんだろうなぁ。 面白い。
0投稿日: 2012.10.16
powered by ブクログデビュー作 田舎に戻った学生、鼠と呼ばれる男、レコード屋に勤める女 バーを中心に人間模様が交錯する
0投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログ村上春樹の処女作。おそらく再読だと思うのだけど内容は全然覚えていなかった。 前書き部分がいちばん好きです。 本題?は感情移入なんてまったくできないし、けして好みでは無いんだけど不思議と心地よく読めてしまう。 村上マジックなんでしょうか。
0投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログ『ノルウェイの森』を読んだ後、高校のクラスメイトと話していて、当時のひねくれを口にしてしまったことがあった 彼女は親の代からの生粋のハルキストで、彼女にすすめられて読んだ 『ノルウェイの森』とは異なり抽象的でわかりづらい けれど、世界の裏面の一部に辛うじて引っかかっている感じが癖になりそうだ
0投稿日: 2012.10.13
powered by ブクログあっという間に読めた。正直なところ、アメリカ人作家の引用はいらない気がする。これもやはり、というかこの作品→羊をめぐる冒険→ダンス・ダンス・ダンス の順で読むとより分かりやすかったかもしれない。
0投稿日: 2012.10.11
powered by ブクログ春樹はわたしのハルシオン。 (※ある意味すごい) 「あのときのあのひと」が出てくる”別のお話”って言うのが ありえるようなので 読む順番を気をつけよう。 他の人のレビューを読んでいて ああこの物語は何度でも読んでいいのだ、読んで分からなくてもいいのだと安心した。
1投稿日: 2012.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度でも読めるのは文章の技術がわかりやすく、挟まれている話がいろいろと重層的に見比べたくなるから。 児童小説っぽいけれど、それの中身を抜いて筒に仕上げた物語といえばいいのか、よくわからない。 でもこの物語が自分はすごく好きなんですよね。 読みやすいから。 文章の論理は追っていく内からこぼれていってしまうので、こういう物語なら重ねて読みたくなる。 別の世界へ連れて行ってくれる書き方ではないけれど、これを読むと自分も何か書きたくなる小説ですね。
0投稿日: 2012.10.08
powered by ブクログはっきりとした心の痛みは書かれない。でもきっと何かある。だからこそ「空虚だ」と言う人もいるんだろうし、「素晴らしい」と言う人もいるんだろう。 初めての村上春樹、少なくとも嫌いではないです。 書かれている曲を聴きながら読むと雰囲気を楽しめるのかな。
0投稿日: 2012.10.02
powered by ブクログ文学的な評価はよくわからない。ただ、俺には合わない。日本人がこれを書く意味はあるのか? 決して氏の小説が苦手なわけではなく、『世界の終わり〜』あたりは本当に好きなのだが。
0投稿日: 2012.09.30
powered by ブクログ雰囲気としては嫌いじゃない。 疲労感無く読めるし、胡言葉だけ見たときに散臭いと思ったとしても、 背景や状況、主人公の人格設定のお陰で すんなりと入ってくるし、良い味が出ているように感じる。 荒削りな気もするけれど、 いい味があるよね。
0投稿日: 2012.09.30
powered by ブクログ『翻訳夜話』の読後感で“「春樹は読まない!」という呪縛から解放された様な気がする。先ずは『風の歌~』から探してみるか。”と書いたが結局買っただけで今日まで積んでいた。『「韓流」と「日流」〜文化から読み解く日韓新時代 』を読み韓国でのハルキ現象に興味を持つ。記憶の断片が風に吹かれてコラージュされた様な不思議な小品。一回り上の作家であるがデビューが私の大学入学の年ということもあり同時代作家のような気がする。学生時代はすれ違ってしまったが30年遅れの初読。ところで日本が舞台とはとても思えない。次は『ピンボール』 『「韓流」と「日流」〜文化から読み解く日韓新時代 (NHKブックス) 第Ⅱ部 第三章 日本文学ブームから読み解く「日流」』を読んだら、無性に読みたくなった。30年遅れの村上春樹。さて、果たして嵌まるか? 2012年09月29日
0投稿日: 2012.09.29
powered by ブクログ再読。はじめて読んだのはたしか大学に入って幾ばくもしない頃。 ちょうど『未知の次元―呪術師ドン・ファンとの対話』なるものを読んでいて、そこにも風の音を聴くのだと書いてあって興奮したおぼえがある。 よって鼠が奈良の古墳を山のうえから眺めたときに宇宙との一体感を感じたというエピソードに強く感動した。 ああ、こういう感じがアメリカインディアンひいてはビートニクに繋がっていくコスモロジーなのかと。本当はどうかわからないが。 最初のときはけっこう揺さぶられた。デレク・ハートフィールドの本が実際にあるのなら読んでみたいと思って検索かけてちょっとがっかりしたり。 あらためて読むとかなり印象が違うものらしい。 「風の歌を聴け」に筋らしい筋はない。 21歳の主人公が失った、あるいは失われつつある青春の夏の日を、ジェイズバーのカウンターでビールとともに胃に流し込む。 「僕」は喪失を語る。友人や恋人との別れや死について。 意外というか思い違いをしていたのは、作中の時制のなかでは死もセックスも描かれてないってこと。なんかどっちも過剰なほど描写があるような印象だったのに。 本書では鼠が書く小説のように死もセックスも描かれない。 しかし描かれないだけに余計に想像がかきたてられる、ということがあるかもしれない。作者が意図したかどうかはわからないが、行間から立ち昇る「ムード」が常にセックスや死の予感をはらんでる。 しかもそれは実際に描かれるセックスや死よりも強くぼくのなかに印象の根をおろしたものらしい。 なんだろうこの矛盾は? 「僕」が鼠の小説の優れた点としてあげたように、「まずセックス・シーンの無いことと、それから一人も人が死なないこと」。そのようにして描かれたはずの小説が、俗っぽいそれらの小説よりも遥かに死とセックスの瘴気を放つというのはどういうことなんだろう? 松岡正剛の『17歳のための世界と日本の見方』にあったように、神があるから悪も生まれたという矛盾とも、どこかつながるような…。 小説とは人間の営み。生きるという営み。本書にもある通り、人間は黙ってればセックスをする。時がたてば死ぬ。「生」を描くということは…… 「生」と「死」は対か? むしろ「死」も「セックス」も「生」に内包されたものである気が。ならば逆に「死」も「セックス」もない「生」というものが存在するだろうか? それが永遠? うーむ。
0投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログあらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。 僕たちはそんな風にして生きている。 語る僕は、まさに「風」。かっこよくてでもつかめなくて、何度も読み返した。最近また読み返したけれど、やっぱり素敵。 鼠と過ごした夏。少年時代。付き合っていた女の子たち。犬の漫才師。デレクハートフィールド。 それらは記憶の断片。メッセージの断片。だけども物語は、生まれそうで生まれない。 作品を書いたはずの、あとがきに登場する「村上春樹」すら虚構だというのだから、捉えることは難しいのかもしれない。 だけど、どんなに無意味なことと感じても、どんなにひどい仕打ちを受けたとしても。その、風のように過ぎ去る日々や記憶の中に、きっと何かがあるはずだと、信じながら私が毎日生き続けるように、この作品に惹かれ続けているのかもしれない。 そして、この、冒頭に癒される。 「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」 ハートフィールドが「僕」に語りかけたように、「風の歌を聴け」が私に語りかける。 「僕にとって文章を書くのはひどく苦痛な作業である。」 書くことで、新たな自分が発見されることもある。ああ、私はこんなことに感動するんだ。ああ、今こんなにつらい気持ちなんだ。 そう思うこともある。確かにそうかもしれない。 星30こくらいつけたい。
1投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログやっぱり、村上春樹さんの文体は美しいと思った。ぐいぐい読めてしまう。 でも、この本の内容はさっぱりわからなかった。 読み終わってから、なにも掴めなかったことに気づいた。 * 2015.01.06 再読。 久しぶりに読んだらなんだかすごく面白かった。
1投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログ村上春樹さん、デビュー作。この文体はどうやって生まれたんだろう。 僕は誤って時間をかけて、何日かに分けて読んでしまったが、近いうちに一日で、一気に、もう一度読みたいと思う。何度も読みたい気持ちがなんとなくわかった。
0投稿日: 2012.09.24
powered by ブクログ村上 春樹さんは苦手だけど、この作品は好きです。 きっと読みやすいように書いてくれたのかなと感じるけど、その読みやすさが好きです。
0投稿日: 2012.09.20
powered by ブクログ散文的で小説という枠に入るのか入らないのかわからない印象も持ちました。とは言っても心に「クッ」と収まるような紋切り型の文章も見られ、そこがこの小説のおいしい部分だとも感じました。この小説周辺にある逸話を含め「丁寧に」完成されています。
1投稿日: 2012.09.17
powered by ブクログいまさらだけど夏の終わりに読んでみた。さらりと読めてあとに残らない。たしかに何かを感じたはずなのに、これといった感想が浮かんでこない。でも、たぶんそこが良いのだと思う。
0投稿日: 2012.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度でも読みたくなる。 冒頭から面白い。 鼠や4本指の女性とのやりとりも良いのだが、私は医者とのやりとりが一番気にいった。 成人している男性が孤独を感じる姿にドキドキした。 夏の終わりにぴったり。
0投稿日: 2012.09.06
powered by ブクログ軽快な会話、クールでスマートな行為。どれをとっても外国文学の翻訳を読んでいるようだった。ただ、日本人としては現実味がなく、遠く薄いといった印象を持つことは否めない。
0投稿日: 2012.09.05
powered by ブクログ一人のとある青年のお話。 青年の過去、現在、趣味趣向がパッチワークのように入り交じった夏の作文のよう。 言葉のこねくりまわし方がややソフトで、なんだか微笑ましい。 引用で始まり引用で終わる作りに、春樹自身の自信のようなものと謙遜のようなものの合わさった不思議な想いが感じられた。
0投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログ村上春樹のデビュー作。 正直何が言いたいのかよくわからなかった。 「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。 僕たちはそんな風にして生きている。」 確かにそうだけど、そんなふうに考えるのって寂しくなっちゃうからいやだな。 なんだか切なくなりました。 これ読んだ人感想教えてください。 2011年02月20日
0投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログ村上春樹さんの本を読んで一番最初に読んだ本。羊をめぐる冒険の伏線でもあるんですよね。これと羊をめぐる冒険をセットで考えて、村上春樹さんの著書の中で一番好きな本です。
1投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログはじめて村上春樹の本を読みました。物語は、21歳男子大学生が夏休みに故郷に戻った時の出来事とその周辺の記憶を自ら述べる形式で進んでいきます。登場人物のアメリカ人っぽい、会話にいちいち小ネタを入れてくるような話し方に最初は戸惑いましたが、よくわからない表現をうまくスルーできるようになってからはすいすい読めました。登場人物の性格に全体的に捉えどころがなく、「この物語は結局何が言いたいんだろう?」みたいなモヤっとした読後感が残りました。もう少し別の作品にも手を出してみようと思います。
0投稿日: 2012.08.27
powered by ブクログ村上春樹の有名さにどんな文章を書くのか興味を持ち、試しにと短編のこれを買った。 処女作と知ったのは読了後、他の方のレビューを見てからでした(笑) 日本文学とは思えないくらい、アメリカ文学っぽい表現だった。 バーも海外歌手のレコードも音楽も煙草もビールも海外の小説家も日本にもあるもので、これは日本人の大学生が日本で夏を過ごしているのに、ここはアメリカじゃないかと感じてしまう。 当時の日本はこんな感じだったのか、これが筆者の書き方なのか、作品としてのアクセントなのか。この1作しか読んでないので分からないけれど、この書き方だからこそ風が通り抜けるような切ない感覚が感じられるように思った。 物語性が薄く、起承転結もほとんど感じられない作品だった。序盤は日本なのにアメリカにいるようで混乱したし、読み終えてもピンとこなかったけれど、独特の表現や世界観が確かにこの作品の中にあり、それが嫌なものでは無かったと感じた。 他の作品も読んでみようかと思う。
1投稿日: 2012.08.23
powered by ブクログ村上春樹のデビュー作 彼にも処女作があるんだなぁって、普通に感動 しかし、処女作にもかかわらず、完成された文章を感じるのは、先入観からなのか、本当に最初から力があったのかはわからない 登場人物のそれぞれに心惹かれる
1投稿日: 2012.08.22
powered by ブクログエッセイのサラダ好きのライオンの中の墓碑銘の話ででてきて読みたくなった。 風だな。うん。とおりすぎてくな。 せつねー。 夏にぴったりの小説でした。
1投稿日: 2012.08.21
