
総合評価
(545件)| 116 | ||
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校の時、仲良い五人グループに属していた主人公。 ある日突然、ハブられることになってしまう。 理由がわからず、心に傷を負う主人公。 死ぬことだけを考える生活、まさに絶望。 月日は流れ、ある恋人と出会うことで、 モヤモヤしていた過去との精算を図っていく。 主人公が過去と向き合っていくことで少しずつ上向きになっていく様子がわかる。 最後はふわっとして終わってしまったので、その後は想像にお任せっていう感じ。 文章も丁寧で情景を思い浮かべながら一気にスルスルと読んでしまった。 しばらく積読していたが、ようやく読破。
0投稿日: 2020.02.21
powered by ブクログ色彩のない自分と、縁を切られた色彩を持つ者たち。過去をたどりながらだんだんと分かってくることが増えていくから、先が気になり読みたくなる。言葉遣いが魅力的だと思った。
0投稿日: 2020.01.28
powered by ブクログ小説を読み出して4冊目の本。 小説を面白いと思えた。 まどかサンキュー! 登場人物と背景が自分の周りとリンクしてするする読めた。 終わり方も好き。
0投稿日: 2020.01.21
powered by ブクログ文庫にて再読。壊す、うみだす、亡失する、つくる。背反する現象を行き来するのが、生きていくということなのかもしれない。エントロピーの法則をふとおもう。
0投稿日: 2020.01.12
powered by ブクログたとえ夢の中であっても、自分の中の世界で誰かを傷つけてしまえば、それはその人を傷つけたことと同じことなんじゃないか。 多崎つくるの巡礼を通して、認識の世界と(物理的な意味での)現実の世界との境目が曖昧になるような感覚に没入させてくれる。追いかけても掴みきれないこの感覚はやっぱり春樹の小説だ。
0投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ鉄道会社で駅の設計をするエンジニアの多崎つくるは、高校時代にボランティア活動を通して仲の良かった4人の友人から大学の時、突然理由も告げられず絶縁された。当時はかなり落ち込み風貌が変わるほど痩せ、うつ状態になったほどだったが、どうにか自分のペースを作り上げ、エンジニアとなった。 恋人となった沙羅に、その絶縁の理由を知ることがつくるのためになると薦められ、4人を訪ねることにする。 「色彩を持たない多崎つくる…」とは、その高校時代の友人4人には名字に赤松・青海・白根・黒埜と色の字が入っていたことに由来する。その後、大学時代に唯一交友のあった友人・灰田にも色の字があった。「彼の巡礼の年」は、高校の友人がよくピアノで弾いていた曲であり、灰田がレコードで聞いていた曲でもあるリストのピアノ曲「巡礼の年」による。この2点からして村上春樹らしい。 私はハルキストではないけれど、村上春樹は嫌いではない。そして、この作品は期待を裏切らなかった。
0投稿日: 2020.01.05
powered by ブクログ2019.12.23 【感想】 初めて読んだ!村上春樹の本! 思ったより読みやすいけれど、謎の多い終わり方 でもそういうものだよなあ人生って、って思う ひとりの人生を覗き見した気持ちになった 【好きな言葉・表現】 「限定された目的は人生を簡潔にする」(P28)
0投稿日: 2019.12.23
powered by ブクログ人の人生には、何回か「死」があるのだなぁ、と思う。 それは誰かの死ではなく、自分の中での「死」。 多崎つくるは、仲間から追放され、1度死んだ。 哲学の話ではないけれども、「自分」は「他者」がいるからこそ在るもの。 人生における出会いと別れは、生と死の繰り返し、まさに「輪廻」だ。 終点につかないで終わる物語。 村上春樹の他の作品に、これほどまでに去りし日とこれからとをみつめたものがあっただろうか。
9投稿日: 2019.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村上春樹は、久しぶりに読んだ。 現実味のない不思議なストーリーが多い印象だったけど、本作はとても読みやすかった。 共感できる、素晴らしい文章もたくさん。 「人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。」 「僕には個性みたいなものもなかった」 「生きている限り個性は誰にでもある。それが表から見えやすい人と、見えにくい人がいるだけだよ。」 個性がないと終始思っている多崎つくるくん。 そんな彼にエリがかける言葉が優しかった。 自分も個性がないと思うことがたくさんあったから、この言葉に救われた。 終わりは曖昧だったけれど、最初から最後まで優しい音楽がながれているような、静かな気持ちになれる本だった。
2投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログストーリーとしてはどんどん読み進められる。 「不思議なものだね。」 「何が?」 「あの素敵な時代が過ぎ去って、もう二度と戻ってこないということが。いろんな美しい可能性が、時の流れに吸い込まれて消えてしまったことが。」
0投稿日: 2019.11.15
powered by ブクログ村上春樹ワールドに頻出する主題である「曖昧なまま、それでも生きていく」ことを受け入れ、選択すること。 誰しも完璧な人生を生きることなんて出来ない。だからこそそれはそんなに悪いことじゃないんじゃないかと思います。 この世界に存在するものはいつかは必ず失われる。だけど失われたと思っているものが周りの人たちの心に残り、支え続ける。そこには確かに価値がある。 本作はやはり何一つとして結論が出ないまま終わりますが何かに迷ったときに読んでみると、前向きになれるきっかけをつかめるかもしれません。
3投稿日: 2019.10.28
powered by ブクログ高校の時の親友たちから突然絶縁された主人公は、ガールフレンドから親友たちと会うべきだと言われる。 絶縁されて、どうしようもない孤独を抱えてもがく<つくる>の姿が痛い。 大学時代の友人との出会いと別れも痛い。 人は、得て失っていく。 多分それはどうしようもないことで、全てはそうやって循環し営み続けるものなのだろう。 傷も、たとえ奥で血を流し続けていたとしても、時期にふさがる。 だが、それは転じて呪いでもあるのだろう。 <つくる>はそれを受け入れ、暗い海を泳ぎ切った。 シロは、それを拒んた。 彼女が何を考えいたかは、誰もわからない。わからないけれど、自分たちが変わっていくということが受け入れられなかったのだろうと想像はつく。 受け入れられないから壊す。 ずっと、萩尾望都の「十年目の毬絵」がぐるぐるしていた。 にしても、色々な具体的な名称が出てきて、ちょっとびっくり。 主人公の名前も、きちんと理由があるし。 まぁ、だからこそ、いないものの希薄さが際立っているのだと思うけれど。 …終わり方が…。 まぁ、春樹だからなぁ。 他の作者だったら、ここで終わりかよおって多分キレルww
0投稿日: 2019.10.25
powered by ブクログ高校での5人のサークルから追放された主人公、つくるの16年の巡礼。ミステリーとしてもとてもよくできた構成であり、謎を求めて読み進める。しかし、肝心な所、つまり、シロがつくるを追い出した理由や誰に殺されたかは明らかにしていない。(これはおそらく作者も読者が納得のいく犯人を見出だせず放置したのであろう、他殺されることが物語上必要であろうし)特に絞殺については親しい人の犯行であることが仄めかされているにもかかわらず。物語はそこが主観ではないではないにせよ気にはなる。ラストの沙羅からの答えも読み手任せだが、これはつくるの生命がかかっているので明かしてほしい所。だが、書いてしまう場合は流れ上ハッピーエンドしかあり得ないので言い訳がはいり陳腐になりそうな気もする。個人的には沙羅が安心して、と言ったのでつくるを選んだと想像。 作者の素敵な言葉選びと、表現力にもかかわらず読みやすい文章は好きだが正直、余韻より結末が読みたいと思った。
1投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログやはり村上春樹作品は瑣末な描写にまで意味を求めてしまって深読みするので疲れる…短編くらいがちょうどいいと気づいた。物語の展開として引き込まれる力は強くないが、問いかけとしては余韻がある作品だと思う。
0投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログ最近日本語が嫌いになった。「世界広し」の中で日本語を公用語にしているのはこの島国だけ。ほぼ同じ環境とほぼ同じ教育で育った人達だけに通用する言語。あまりにも違いすぎて他の国の人には全く伝わらない言語。昔この国が経済No1になって世界に幅を効かせていたときでさえ、浸透することはなかった日本語。そして経済が衰退しその一方でグローバル経済と言って外国の言葉を受け入れるばかりで相変わらず島国にとどまろうとする日本語。政府もグローバル社会に通用する日本を目指す一方で多くの移民を受け入れようとはしない。言葉の壁が他のどこよりも遥かに分厚いのは、今でも他の国に頼らなくてもうまくやっていけるという根拠のない傲慢さから生じているのではないか。日本の本屋は日本語のためにしか存在しない。そして本が売れずに廃業する書店。作家は日本語で本を作る。日本にいる限られた数の日本人読者のために。 そんな事を考えて日本語に嫌気がさした。受け取り方は人それぞれだが、今の日本の有様が日本語であることに端を発しているのではないかとさえ思える。残念ながら、これに関しては「嫌いになったからさようなら。他の言語に乗り換えます」なんて簡単には出来ない。 何年かぶりに小説を読むようになり、いろいろ読みながら、そんな失望に近い感情を覚えた。 英語の本をスラスラと読めるわけではないが、残りの人生の時間で読書の対象を英語の本に変えれば、いずれそれも苦にならなくなるのかもしれない。その踏ん切りをつけるために、何か日本語の代表となる作品を読んで、どう感じるかを確かめてみたかった。 じゃあ、誰の作品がふさわしいのか。そうした時に村上春樹の事が頭に浮かんだ。 彼の小説は読んだことがない。現在の日本文学において最も注目を集める作家。新しい小説が店に並ぶだけでニュースになる。そんなんだから毛嫌いしていた。 そもそも「日本語が嫌いだ」とか読んでもいない村上春樹が苦手だとか言ってしまう自分は、「普通の人」から見れば取っ付きにくい存在だと思う。 そんな私のことを「君は今読んでいる村上春樹の本に出てくる主人公にそっくりだ。この本を読んでいると君のことが頭に浮かぶよ。」と当時の職場の重鎮から満面の笑みで話しかけられたことがあった。 「へぇー、そうなんですか。」と失礼のない応答をする私。「この人に私はどう写っているのだろう?」と、その本を読んでないにもかかわらず「それはきっと間違っている。実在の人間でも架空の人物でも、私に似ている人なんているはずが無い。」そう決め込んでいた。 そんなささやかな思い出も加わり、騎士団長殺しではなく、この本を選んだ。この人の日本語は今の自分にどう刺さるのだろうか。 読み終わった。心の蜜蝋に一番はっきりと刻まれたのは「恐怖」だった。残りページが少なくなって「あぁ、この本もすべての結末は解らずじまいなのか」と思うと、新宿駅での主人公の思いは私の視覚から心に伝わることはなかった。話の途中で感じた背筋にひやりと何かが伝うような恐怖が、一番くっきりと刻み込まれた。日常の安心安全な環境の中にまったく突然に現れる恐怖感。それはSFホラーよりも断然心に刺さるらしい。 派手な言葉を使い、しびれるようなフレーズをひねり出すことが日本語の表現として素晴らしいとは思っていない。この本の前に、妻が読んでいた他者の作品の冒頭を読んで、その自己陶酔的なフレーズの洪水にむせ返るような思いをしていたのでなおさらだ。彼の日本語は淡々としていた。表現の力で僕を無理やりその世界観に引きずり込もうという強引さはなく、おかげで余計に恐怖が増した。 主人公が自分に似ているかどうか。主人公と自分が似ているというよりは、なぜだかこの本全体が自分に似ている気がしている。 日本語は、引き続きちょっと嫌い。
0投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログ色彩の名前を持たない主人公が、学生時代に仲の良かった4人の友人たちから突然拒絶される。その心の傷がどこかに残っていて、彼女の勧めで拒絶された理由を数十年後に探しに行く話。どこか不思議でリアルな話。
0投稿日: 2019.09.24
powered by ブクログなんとも長いタイトルだけど、この小説・・・ 面白かった! 色々と考えさせる部分もあるんだけど、驚いたのが「ゲイ小説」のような匂いがした事。 もちろん全編を通して「その匂い」がするわけじゃない。前半の一部分に「その匂い」が色濃く出てるだけなんだけど、これがなかなか読ませる描写。 村上春樹が書いてるんだから、そりゃ当然だけどエロ小説じゃないし、「生きるとは」というテーマに向き合ってる小説(もちろん読む人によって答えは違うはず)。 この小説のテーマは「生きるとは何か?」だと思ってるんで、高校時代の人間関係だの何だの、そういうチマチマしたものは小説の付属品でしかない。 個性(色彩)を持たない事に悩んでる主人公が、いかに「生きる」かを描いた再生の物語だ。 恋人・沙羅の台詞でこんなものが有るんだけどね。 記憶をどこかにうまく隠せたとしても、深いところにしっかり沈めたとしても、それがもたらした歴史を消すことはできない。 主人公・多崎つくるが新しい一歩を踏み出す再生の物語だな。
0投稿日: 2019.08.27
powered by ブクログ「騎士団長殺し」から続けて読んだが今回も面白かった。どうしてこんな描写が出来るのか。思わずうっとりしてしまう。文章でうっとりするなんてなかなかない経験だ。レビューで酷評されていると聞いてあまり期待しないで読んだが(確かに最後の最後で特に何も解決しないから不満が出るのは分からないではない)がそれでもその過程だけで十分楽しめた。最初のインパクトが強ければ強いほど、回収が難しくなるのは当然だろうけどそれがなくても素晴らしいし、びっくりするようなオチなんて早々ないものだと思う。そんでまた取ってつけたようなオチだと興ざめしそうだしどんでん返しは1度目はいいが2度目以降は魅力が半減してしまう気がする。それはそれで年老いた夫婦みたいで良いのだけれど。映像化したくなる気持ち は分かるけど映像化しにくいだろうなと思う。小説で読むのが1番良いように作られている気がする。スコッチウィスキーのような芳醇な香りを楽しめば良いのだと思う。次は1Q84を読もう。出た当初に読んだから2回目だ。いつもながらほとんど覚えていないのだけど。
0投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログたまたま図書館の返却書架にあり、こういう時でもないと春樹小説はまず手に取らないので読んでみる。不思議と読中読後感はよい。
0投稿日: 2019.06.16
powered by ブクログ名前の中に色彩を持つ4人と、色彩を持たない多崎つくる。設定は面白いし、主人公の考え方とか今まで読んだ村上春樹作品の中では一番自分に合っているかなと思った。ただラストがダラけた印象を受けた。そこまでがいい流れでストーリーが進んでいた分、なんだかすっきりしない残念な終わり方だったなぁと思う。
0投稿日: 2019.06.08
powered by ブクログ何の余韻も感ぜられない終わり方しやがりましたから、この評価ですねぇ…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー もう還暦過ぎの春樹氏ですけれども、会話文とかは従来のまま、というか、ああ、春樹氏が書いた小説なんだなぁ…ということが如実に分かりますね♪ 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー 物語はまぁ…巡礼と言えば巡礼なんでしょうけれども、あまり関係のないキャラとか出てくるし、正直ページ数を増やすために書いたのでは?と思われる個所が何個かありました…例のキャラにおいてはマジで物語を進めるために登場させたような感じを抱いてしまい…どうにもアレでしたね。社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー それと春樹氏の小説、比喩表現は良いんですけれども、正直多すぎるかな、と。こんなに多くなくてもいいじゃん!と思いましたよ…。 というわけで、中途までは良かったんですけれども、終わり方がねぇ…アレでして余韻に浸れない小説だと僕は思いましたのでこの評価です…さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
0投稿日: 2019.06.02
powered by ブクログノルウェイの森と同じような親密さを感じる作品。 ファンタジーな要素もあるけど、誰しも人生で感じるようなことがたくさん含まれている。 エリさんの多少の間違えで全てが損なわれる訳じゃないという考え方が好きだ。 人生に誰かがいてくれる、もしくはいてくれたことは痛みを伴うと同時に素晴らしいこと。
1投稿日: 2019.06.02
powered by ブクログ論理ではなく物語で読み解くせいか、難解だと思われがちな著者の作品だが、本作はとてもスマートで分かりやすい話運びになっている。とある過去の出来事によって人生が変わってしまった男が、過去の謎を解き明かしてその秘密に向き合うというのはミステリ的でもある。個性を実感できないーー「色彩を持たない」という自失は、誰しもが抱いている感情なのかもしれない。本作でしばじば繰り返し用いられる「駅」「レール」などのモチーフは人生の比喩として語られることも多く、発車した列車は時刻通りに進み二度と戻らないことを暗に示している。それに対してどう向き合うかが本作の一つのテーマなのだろう。
0投稿日: 2019.05.25
powered by ブクログ再読。 昔は、夜の海に一人で放り出されてしまったつくるへの感情移入が強かったけれど、 今は、理不尽に切り捨てなければならなかった4人側の気持ちが前よりも理解できる気持ちがした。 フィンランドのハメーンリンナのシーン一連は天国的に綺麗。
0投稿日: 2019.04.12
powered by ブクログ初めて村上氏の本を読んだ。 途中から面白くなり、これまで読まなかったことを後悔した。 しかし、最後は何だこれは・・・と感じた。 人それぞれのご想像にお任せするということなのか。それにしてもあれもこれも結局何だったんだとすっきりせず終わった。
0投稿日: 2019.03.13
powered by ブクログ初めての村上春樹作品。読みやすくて読みきることができました!! 私がこれを読んで自分自身に感じたの2つ。 ・過去の出来事は予想よりも自分を縛っていること。 ・一人一人が自分の役割にもっと自信を持って良いこと。 私も嫌いなこと苦手なことを深掘りしていくと、思い出す出来事があります。些細なことを覚えていて自分でも驚きます。過去の出来事は良いことも、悪いことも意外と今の自分に影響があるんだと考えさせられました。 そして5人はそれぞれ役割、強み持っていた。つくるは色彩がないことを気にしていたけど、他の4人がインテリ、スポーツがてきる...と役割を持っているように彼も大きな役割を持っていた。もっと自分の役割に、強みに自信を持ってよかった。 それに気がつくのがちょっと遅かった。私も自分の役割や強みに自信を持って生きて生きたいなと思いました。
0投稿日: 2019.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
田崎つくるが除け者にされたくだりから入るのはいいが、突然流れを壊すような非現実的な人間を出てして来る。中途半端なまま。あまりいい後味ではない。 掲題も変だが、成熟度が増してきた筈の年代の作品としては、いま一つ の感が有る。
0投稿日: 2019.02.23
powered by ブクログ村上春樹さん自体あたり読まないのだが、読んだ中では一番まともに読めた。ハルキスト()の人からしたら物足りないのじゃないかなぁなんて思った。 ヘルシンキでのクロとの再会、物語が明かされていくところが好みでした。やっぱり物語が収束するあのタイミングが好きだ。
0投稿日: 2019.02.22
powered by ブクログ今更の多崎つくる。久しぶりに村上春樹を読んだ。やっぱり村上春樹は思春期に読んだそれを越えられない。やれやれ。
0投稿日: 2019.02.15
powered by ブクログ初村上春樹でした。 結末でわからないことがあってもやもやもするけど、話は好きでした。 あの時に戻ってどうして?って聞いてみたいことが自分にもあるし、胸の中につかえていることもあるから、読んでいて思い出すこともあったり、村上さんの言い回しとかすっとくるものも多く入りやすかったです。 またしばらくしたら読みたい
0投稿日: 2019.02.06
powered by ブクログ過去の出来事に導かれて今の自分がある。過去の出来事と向き合う旅の終わりに見えてくるのは、読者ひとりひとり違うのかもしれない。
0投稿日: 2019.02.03
powered by ブクログ高校時代に仲の良かった四人の親友から、理由もなく、別れを告げられた主人公の多崎つくるが真実を求めて、巡礼の旅に出る。 一言でいうと、村上春樹さんらしい作品。 出てくる人物は深く深く自分を掘り下げて、自分の精神世界に迷い混んでいる。 その世界観はこちらがついていくのが、必死になるぐらいに深く、暗い描写。 しかし、日常を描いているようで、幻想的な世界にいざなってくれる。 そこは暗いようで、美しいような情景が浮かぶ世界観。 その世界観が私はとても好きです。 そして、自分は普段、あまりに浅く薄っぺらい考えをしているかと思い知らされる。
1投稿日: 2019.01.09
powered by ブクログ2013.4記。 読了。 再読するつもりだが一応今この瞬間個人的に感じていることを書くことにする。読むつもりで未読の方にはすみません・・・(ネタバレは無し)。 評論家の福田和也氏が、20年ほど前に以下のような印象的な指摘をしている。 「村上春樹氏の小説を読んで一番気持ちがいいのは、作品につきあってやらなくてよいことである。ほとんどの日本の小説は、読者が作家につきあってやらなければならない。著者の境遇を理解し・・・背景を解釈しながら話を聴いてやらなければ、彼らの作品を読むことはむずかしい。 村上氏は、知的な努力は要求するが思いやりなど求めない。ページを開けば、映画館の椅子に腰かけたように、小説は展開していく。」(「『内なる近代』の超克」、1993年) が、今回僕が感じたのは、まさしく「作品につきあっている」という感覚であった。村上氏の文章、メタファー、インタビュー等で繰り返される「物語」の定義、そのすべてを果てしなく心地よく感じながらも、同時にそうしたいつもの「村上作法」に従うことへのひとかけらの疑問(らしきもの)。解決のない謎の残るストーリーについて、これは「読者に対して開かれたテキスト」なのだとむしろ過剰に意識させられる感覚・・・。初期~中期の(まさしく1990年代前半までの)傑作群を読んでいた時のみずみずしいまでの、問答無用の「引き込まれ感」とは異質なものを感じざるを得なかった。 とは言え、同じようなことを感じないでもなかった「海辺のカフカ」も「1Q84」も再読したら一回目とは全く違う風景が広がった。そして感動を新たにした。今回もそうかもしれない、いやそうに違いないと期待している。 なお、読書体験としてはいつも通り満喫しました、念のため。
1投稿日: 2019.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
想像もしていなかった方向に話が進んでスイスイ読めた。 中盤あたりで、この本は最後に何かを教えてくれるだろうか、とそんな気持ちになった。 自分が思う自分と、他者から見た自分に隔たりがある人は存外多いかもしれないなと思う。周りから認識された自分が、実際に存在する自分なのかもしれない。つくるには、この先沙羅との関係がどういう結果になろうとも、生き残り続けることを選んでほしいですけどね。 皆の人生を歪ませた発端についての解決がなく、そこをねじ伏せて納得させるにはあまりにも謎が多すぎるかなぁ。でもそれを置いておいても、得るものと驚きがある本だった。ただし答えは用意されてない。
0投稿日: 2018.11.27
powered by ブクログ色彩を持った4人と、色彩を持たない多崎つくるの物語な。 なんでもないようなことを題材にしているのに、ここまで複雑になってるのは村上春樹が書く作品の主人公だからだろうな…とても面白く読めた
0投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログ〈つくる〉ことが容れ物に中身をあたえる、記号に意味をあたえる=名付けることならば(駅・陶器・音楽・出産)つくるの名前は「つくる」という中身が「作」という容器に先立った。だから彼は色を持たない。つくる、灰田、シロの連関。それにしてもつくるははじめての海外旅行なのにチップ制度に慣れるのが早すぎて、やっぱり村上春樹だなと感じた。
0投稿日: 2018.11.17
powered by ブクログアカ、アオ、シロ、クロと高校から大学にかけての友人たちをはじめ、多崎つくるの周りは個性的でキャラの濃い人物が登場する。 カラフル、って感じ。 沙羅や灰田もなかなか面白味のある人物。 灰田の父親の話で登場したピアニストも印象的だ。 ピアノを弾く前に、必ず中身のわからない袋をピアノの上に置いて演奏を始めるというのも。 この小説は、ピアノをよく弾いていたシロをベースにして、音楽やピアノの話が出るのが良いと思う。 クロとの再会は、ずばりな事を言い当てているが、少し長くてだれてしまった(^_^;) 沙羅とつくるの会話、良いよね。 それだけに2人がどうなったのか気になってしょうがない…!!
0投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログ読み始めてからすぐに、村上春樹にしては通俗的で平凡な題材だなと感じ、読み進めていくうちにすぐに内容に引き込まれ、さすがだと思った。 村上春樹は洞察力に長けていて、感受性が強いのだろう、物事の表現の仕方や例えが、とても的確で綺麗で純粋だ。一見ややこしいと思わせる彼の表現が、ある人の頭の中では存分に想像を巡らせることで、その時間は至福となり、読書家にしか解らない満足を得ることができるのだろう。わたしには、ひとつひとつの例えを、しっかり想像しながら読み進めるのにはかなり時間がかかったが、書くほうは想像し、的確な表現を創造するのだから凄いことだ。 ひとつだけ短所があるとすれば、ラストのまとめ的繰り返しだ。新宿駅のシーンから最後まで、少しくどいくらいに過去がリピートがされ、物語が全く進まない。色んなことが中途半端で終わり、たとえ物語に結果が重要ではないとしても、少し終わるのが早すぎたと思う。
0投稿日: 2018.11.02
powered by ブクログ1冊を通して多崎つくるが自分を見つめ直し、成長していく過程が描かれている。 そこに沙羅と結ばれたかどうかはあまり重要ではないのかなと。 序盤は話の起伏が大きすぎてあれ?って思ったけど、物語も佳境にさしかかった辺りからくどいくらいに、そして面倒くさいくらいに自問自答の繰り返しが続く。これぞ村上作品。これがいいんだよなあ。 あと、名言多いね。
1投稿日: 2018.10.20
powered by ブクログ初めての村上春樹作品を探り探り読み進みました。 クロとの60ページに渡る場面はとても切なく一気読みでした。 著者の別作品も読んでみます。
0投稿日: 2018.09.08
powered by ブクログつくる君モテすぎでつまらん。 一方、Amazonのレビューが面白い。 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R9F23X7FKJEE2/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4167905035 「参考になった」票が3万件あるのに「上位の批判的レビュー」に出てないのには政治的な匂いがある。 そのレビューアがテレビに! http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3940/1.html
0投稿日: 2018.08.27
powered by ブクログ2018/08/26 2回目。灰田くんはどこに行っちゃったんだろう? わたしは環境が変わると友達と疎遠になっちゃうから、なんか読んでて自分がダメなやつに感じた。でも自分は自分。自分なりの生き方をしよう。 つくるくん、好きだな。つくるくんが幸せになってくれるといいな。
0投稿日: 2018.08.26
powered by ブクログとてもよかった。村上ワールドらしい余韻があって最後まで心地よく読めました。伏線をほぼ拾う事なく余韻のみで勝負するところが、好きでないと耐えられないかもしれませんね。つくるの不器用なところ、沙羅のさっぱりとした感じがよかったですね。最近の作品では好きな作品です。
0投稿日: 2018.08.15
powered by ブクログ村上春樹の独特の世界観が中途半端な感じだった。 いつも以上に答えがないまま終わった。 読了後の村上春樹ワールド独特の余韻は、薄かった。
0投稿日: 2018.08.12
powered by ブクログ色彩を持たない、自分は空っぽの入れ物だと思ってきたつくるのことを、実は昔から好きだったクロ(エリ)が今は陶芸で器を作り、そこに自分の生きる意味を見出していることはきっと偶然じゃないだろう。 アカに会ったとき、最後のほうで自然に「おまえ」と昔のように呼んでいたこと、対してクロからは昔の呼び方で呼ぶことを拒否された。それぞれの心の奥底では過去の出来事に蓋をしているけど、おそらくほんの少しの気持ちの揺れでその蓋は簡単に(自分の意思の届かないところで)開いてしまうから、無理矢理にでもそうならないよう努めているのではないかと思う。 エリに会って本当によかった。会いに行けるつくるでよかった。沙羅には正直そこまで魅力を感じないのだけど、つくるにフィンランド行きを強く勧めてくれたのはよかったな。そして朝方4時にどうしても話をしたくて電話をしてしまう、そんな情熱のある恋愛をしているつくるはとても人間らしさが溢れていて素敵だ。 “自分がなにかになる必要はない、誰かが物を入れたくなるような素敵な容器になればいい” “それが仮に大事な意味や目的を持つものなら、ちょっとした過ちで全然駄目になったり宙に消えてしまったりはしない。不具合があるなら後から手直ししていけばいい” エリのこの言葉に出会えただけでも、この本を読んだ意味があったな。こんなにも優しく温かく赦してくれる言葉ってあるだろうか… 人はだれでも生きている価値があるし、何度でもやり直せる、なんて言い古された論だけど、こんなにもわかりやすく受け止めてくれる文章で見せられると、泣いてしまう。
2投稿日: 2018.07.19
powered by ブクログ村上春樹は苦手だったけど、これは割とさくさく読めた。独特の世界はある。ただ最後主人公がヒロインとくっつくのか手前で終わってしまった。それが村上春樹らしいのかもしれないけど。
0投稿日: 2018.06.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今後の沙羅との関係や、シロがなぜ殺されたのか、気になりました。 最終ページが近づくにつれて、ページのボリュームから、その事が明かされないことがわかり、少し苛立ちました。
0投稿日: 2018.06.07
powered by ブクログつくるがなぜ突然仲間はずれにされたのかの自分探しだが、シロの嘘にクロ、アカ、アオが付き合った理由が理解できなかった。心を壊したシロを救うために、つくるの心も壊したということになるし、それしか方法が見当たらなかったということには懐疑的だ。そうしたつくるに自分でその真相を確かめることを勧めた沙羅をつくるがすべてを投げ打ってでも欲しいと思うのは自然だ。つくるはずっと、そうして背中を押してくれる人を待っていたんだと思う。クロはつくるに、沙羅が他の男性と歩いていたのを目撃したことは本人に言わないように忠告するけど、つくるはやっぱり確かめてしまう、かなり控えめに。 クロが「自信と勇気を持ちなさい。君に必要なのはそれだけだよ」というのももっともだ。女々しさという部分においてオイラはつくるに共感するところが多いけど、客観的に見るとみっともないもんだ。 クロがつくるに言った言葉がオイラにとってもメッセージになった。 「怯えやプライドのために、大事な人を失ったりしちゃいけない」 「ねえ、つくる、君は彼女を手に入れるべきだよ。どんな事情があろうと。もしここで彼女を離してしまったら、もう誰も手に入れられないかもしれないよ」
0投稿日: 2018.06.02
powered by ブクログ村上春樹の作品としては、一番分かりやすい内容だった。戻らない青春と、これからの生き方みたいな、前向きなイメージがある。 結構 好きな作品です。
0投稿日: 2018.06.01
powered by ブクログ久しぶりの村上春樹でした。 何となく、「ノルウェーの森」を思い出す様な感じで、全体的にずっとピアノソナタが流れている様なイメージでした。 私は村上春樹はいつも読み終わると「???」となることが多いのだけど、この作品はまだ分かりやすかったかな。 けれど、最後どうなったのかなぁ…と気になります。
1投稿日: 2018.05.26
powered by ブクログ名古屋!?どうしてと疑問に思ったが閉鎖的な大都市という性格は物語の舞台にとても相応しい。学生時代でなくては築けないであろう心を許し合える友との絆。それも5人という奇跡的な出会い。しかし東京へ行く者、名古屋に残る者。美しきペンタゴンが崩壊してゆく。心に大きな傷を残して…巡礼というスピリチュアルな響きは初期の村上作品しか読んだことのない私にはちょっと違和感があったが内面の世界を深く読ませる力は流石。ただ物語をそこへ向けさせるために登場させる存在、沙羅には感情移入できなかった。作品としてはとても良かった
0投稿日: 2018.05.24
powered by ブクログ初めて村上春樹を読んだ。 "色彩"というテーマが主人公を作り出していて、最初の数ページで引きこまれた。
0投稿日: 2018.05.04
powered by ブクログ謎のままで終わることも多いけど、読んでいて心地よい感じで満足できた。 人は時の流れとともに良くも悪くも変わってゆく生き物だし、そうでないと生きられない。
1投稿日: 2018.05.04
powered by ブクログあらすじ 色彩を持たない多崎つくる。彼の高校時代の4人の親友は、皆、色彩を持ち、個性があった。1人で故郷を離れて過ごしていたある日、彼は絶交を告げられる。それから半年ほど死を考えて過ごすようになる。 それから10年以上たった頃、紗羅という女性と付き合うようになり、昔なぜ自分は絶交を告げられたのか、を考え始める。 感想 良かった。一つ一つの文に無駄がなく、話の内容としても面白く、また大学生として同年代の生活を見ているようであり、また社会人の世界を垣間見れたような気がして楽しかった。人はある点で性格も、更には外見も変わってしまうこともあるのだと感じさせられた。人間らしく、特に大事件が起こるわけではないが、物凄く面白い物語だった。
0投稿日: 2018.05.01
powered by ブクログ相変わらず雰囲気はいい 残ページ少なくなってきたけどどうやって回収するのかなあと思ってたらやっぱり何一つ拾わないまま終わった感
0投稿日: 2018.03.06
powered by ブクログ残りのページ数から、最後はどうなるんだろうかと心配しながら読み進めていったら、案の定というか、すっきりする終わり方ではなかった。「色彩を持たない」呪縛から結局逃れられなかったように見える多崎つくる君は、これからどうなってしまうんだろう。
0投稿日: 2018.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
理由がわからないまま追放されたかつての仲間を、16年経って訪ねる巡礼の旅。 多崎つくるは、未だに自分の位置を定められないでいる。それは16年前の出来事に向き合えていないからだ。かつての仲間を訪れ、誤解が氷解する中で、前進できる可能性を見出していく。 という解釈が正しいのか?村上春樹は難解だ。 灰田はどうなったのだろう?
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログまさか村上春樹の小説にレクサスの販売員が出てくるとは思わなかった。でもメールは使わないしスマホも出てこない。
0投稿日: 2018.02.09
powered by ブクログ久しぶり読み直し。結末どんなだったかな〜覚えてないな〜と楽しく読んだが、そうだ、結末はなかったんだった。 沙羅はシロの姉とみる説にはそうかもな〜という感じ。沙羅が本当につくるを愛していたのかはちょっと分からないけど。死のトークンと6本指については示唆的過ぎてちょっとよくわからない。しかしつくるが死のトークンを受け取っていたとして、ラストシーンのすぐ後に死んでしまうなんて、あんまり受け入れがたいラストで後味が悪いのでした。
0投稿日: 2018.01.24
powered by ブクログそんなにハマったわけじゃないけど、サラッと読めた。 でも現実世界っぽさがないというか、まぁって感じ。 結末書かないのも、読者次第と言えばそうだけど、個人的にはもうちょっと書いてほしかったなと。
0投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
※面白く読めたのに何故か辛口風味(謎)に仕上がったのでご注意ください。 先に読んだ騎士団長殺しでも感じたんですが、最近の村上作品って村上カラー薄くなってるような気がします←そんなに村上作品読んでないけど( ͡° ͜ʖ ͡°)←← 村上作品の中ではハードボイルドワンダーランドがピカイチで好きな私には、昔の作品には過剰にあった筈の灰汁が薄まってる感じが寂しいというか……もっと読者置いてきぼりにしてファンタジッてくれていいのに、みたいな物足りなさを感じてしまったんですよね……(謎)。回りくどい言い回しも既読作品に比べるとかなり鳴りを潜めてるし。 小説としての面白さは十分に及第点なんですが、村上作品として読むと物足りなさが残るって、なんて上から目線で語る読者なんでしょう。ごめんなさいね( ͡° ͜ʖ ͡°)←←← 本作の概要を書くと、 【地元に残った学生時代の親友達にある日突然拒否られて、身に覚えがないんだからブチ切れてもいいのに何故かその事実をありのままに受け入れちゃった結果、ガチで死ぬことまで考えちゃうまで追い詰められちやう主人公が、年上の彼女にハッパかけられてそんじゃま調べてみましょかね〜って10年以上経ってようやく動き出す遅すぎる成長譚(長)】 って感じでしょうか。 なんか終始この主人公にヤキモキしたのは、多分この作品を読んでる時点で私が彼と同世代だったからなんだろうな。いや、もちょっと早い段階でどうにかしろよお前……って冷めちゃったんですよね………。 最近読んだ村上作品の中では、女のいない男達の方を推します。 村上作品全体だったら、ハードボイルドワンダーランド一択だけど。 【久しぶりに内容まとめてみた】 名前の一部に色の名前が入っているアカ、アオ、シロ、クロ、そして色彩を持たない多崎つくるーー五人は完璧な調和を持った関係性でかたく結ばれていた。 一人東京に進学したつくるが、一方的に彼らに絶縁を宣言されたあの日までは。 ショックで生死の境を彷徨いながらも生還を果たし、その後は希薄な人間関係しか築いてこれなかった彼は、年上の恋人に促されて、何故彼等が自分を拒絶するに至ったのかを調べることに。 十余年を経て再会を果たしたかつての親友達が語る真実と、彼が最後に辿り着いた結末とは。
0投稿日: 2017.12.30
powered by ブクログ表現が、濃い。 私は村上春樹初心者だけれど、言葉1つ1つに重みがあって、回りくどいけど深いと思った。 同時に内容も良くて、少しずつ謎が解けて行くのが好奇心をそそられ一気に読めてしまった。 読んだ後に心に響くものが色々とある小説。
1投稿日: 2017.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作者の作品は、「全体」よりも「部分」が面白いと感じる。 登場人物の造型、洒落た会話や表現、主人公の物の見方や表現の仕方などの「部分」が面白くて、読んでいる最中は確かに楽しめる。 一方、読み終えて、「全体」を見た場合には、主題や作者の主張などは曖昧模糊としていて掴みどころがなく、わけが分からないことが多い。 この作品でも、同様の感想を持った。 村上春樹の描く主人公は、進学校に通うような知的で内省的だが、心中に何らかの闇を抱えた人物が多い。それが「部分」が面白いと感じる要素になっている。 タイトルから、色覚異常者の話だと思っていたが、そうではなくて、高校生の時の仲良し5人グループで唯一名前に色が付いていないことを示しており、「色彩を持たない」ことは、主人公多崎つくるの人物像を象徴している。特徴なり、個性を持ち合わせておらず、影の薄い人物、少なくとも本人はそう思い込んでいる。こちらから他人に差し出せるものを何一つ持ち合わせていないということ、それが彼が抱えている問題であった。自分を空っぽの容器のように感じ、相手が自分のことを知るようになればなるほど、がっかりして遠ざかっていくのではないかと。このような意識は、現代人が多かれ少なかれ持っているのではないだろうか。そういうところに注目した作者の視線は面白いと感じた。 この物語の中で2つの喪失経験が語られる。 1つ目は、大学2年の時にグループのメンバーの赤松から、これ以上メンバーと連絡を取らないでくれと言われる。その理由を知らされることなく、メンバーから排除され、約半年の間、ほとんど死ぬことだけを考えて生きるが、何とか死なずにすむ。 2つ目は、大学のプールで知り合った灰田とのこと。灰田と親密な関係になるが、ある日突然、理由も告げずに彼の元から消え去る。 2つの喪失体験は、彼の抱えている問題意識と密接に絡み合っている。 大学卒業後に付き合うようになった木元沙羅から、高校生の時のメンバー4人に会って話をするように言われ、白根が死んだことを知り、青海、赤松、黒埜と会い、排除された理由を知る。これが、彼の「巡礼」なのであろう。その体験によって、生まれ変わるという意味での。 青海、赤松に会うまでの話は、つくるが排除された理由という大きな謎が秘められていて、興味深く読めた。「部分」としては、特に灰田との間で交わされる知的な会話が面白い。 フィンランドまで足を運び、黒埜と会って、白根がなぜあのような発言をしたのか、その真相を知ることになるのだが、これがどうにも解せない。また、なぜ多崎に当時理由を言わなかったのかという答えも釈然としない。そのために、評価が下がってしまった。 水曜日を迎えることなく終了、というラストも意外であった。沙羅の答えは、果たしてどのようなものだったのであろうか。
1投稿日: 2017.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公が語る話ではなく、誰かが田崎つくるを語る視点の本。人間は絶え間なく変化する生き物だが、全てが時の流れに消えていってしまうわけではい。記憶に蓋はできるが、それが起こった事実、歴史は変えることはできない。 誰もが知っている当然のことを、いろんな角度からいろんな言葉でこと細かく描写されている文章を読めたことは本当に良かった。 ラストで、良い方向に向かっている感じがしたのも良かった。 灰田と緑川の件は何も解決していないように思えるのがちょっと心に残ったままだが。 ------------- 村上春樹作品の中では、どちらかというと、とても面白かったとは言えない作品だった。 *好きな作品 羊をめぐる冒険 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
0投稿日: 2017.10.22
powered by ブクログ今まで村上春樹を何作か読んできた中では、一番読みやすかった。それは村上春樹らしさが昔よりも少し薄れたからかもしれない。 個人的には独特の村上春樹節に苦手意識を持っていたので、すんなり読めた事に安心感を感じつつも、なんだか寂しさも感じた。
0投稿日: 2017.09.29
powered by ブクログ過去に仲の良かったグループから、突然に関係を打ち切られてしまい、そのことに大きな影響を与えられた状態で大人になる。その主人公である多崎つくるが、その過去の謎を解き、清算を行うために行動する物語です。今までの生活と違う場所に過去の人物を訪ねていくので、タイトル通りの旅を、それも内容充実の旅をしたような読後感を楽しませていただきました。絶望を抱えた主人公は、旅によってそれが清算されていき、今ある大切なものに気付かされます。その気づきを、今度こそ離してしまわないように(離せばそれは死を意味してしまう)、最後に行動するのですが、それが間に合ったのか、それとも時すでに遅しなのか、まさかの勘違いなのか。その答えに向き合うところで物語が終わってしまい、煩悶する読後感もあります。その後について、一人で抱えるには大きすぎて、人に聞きたくて仕方がなくなってしまいました。僕はこう思うけど、どう思う?と。
2投稿日: 2017.07.22
powered by ブクログ主人公つくる君の、立ち直っていく様が、なかなか刺激的。 サスペンスじゃないのはわかっているけど、「シロ」を殺害した犯人は誰なの?とか、灰田君はどうなったの?とか、正直色々気になる。いや、そういう小説じゃないのは、わかってはいるし、面白かったんだけど。
1投稿日: 2017.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「君に欠けているものは何もない。自信と勇気を持ちなさい。君に必要なのはそれだけだよ。(引用)」エリの一言のとおりだと思う。 本当の事を聞くのも、会いに行くのも、自分の気持ちを打ち明けるのも全部勇気がいる。フィンランドまでエリに会いに行った勇気と、自分は会いに行くという覚悟のような自信。 「どんなに穏やかで整合的に見える人生でも、どこかで必ず大きな破綻の時期があるようです。狂うための期間と言っていいかもしれません。人間にはきっとそういう節目みたいなものが必要なのでしょう。(引用)」 そう言われると少し安心する。そこから這い上がって立て直して、自分の心を律せられる人になりたい。
2投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ久々の春樹だったが、彼の作品の中で一番ぐらいによかった。最近は社会学方面から物事を考えがちだが、あえてそちらに引き付けて言えば、再帰的自己決定の話だろう。読みながら徐々に気づいたことだが、この話はイエスの復活物語をひっくり返したモチーフで書かれているんじゃないか。 イエスは十字架により死に、三日後に墓より蘇った。散った弟子たちのもとを巡り呼び集め、許しを感じた弟子たちがエクレシアになった。聖書的目線だと使徒たちのもとにイエスが現れるわけだが、こっちではイエスの主観である。登場人物をざっと分けると。「イエス=シロ」、「キリスト=つくる」、「使徒たち=クロ、アカ、アオ」、「沙羅=聖霊」。 つくるが過去を取り戻すために過去の親友たちを巡礼するわけだが、これはキリストとなったイエスが弟子たちを巡っていくことに重なる。親友たちはつくると再開する中で、様々な記憶と経験のもつれを解き、再帰的に決定した人生(許された人生)を歩み出す。 面白いのは人間イエスとキリスト・イエスを登場人物で分けて考えることができるところ。シロがつくるを切り捨てたところは伝統的な信仰とは違う解釈になるが、カザンザキス著「キリスト最後の誘惑」のイエス、自らのキリストとしての使命から何とか逃れようと身もだえするイエスの姿が重なる。しかしシロは結局死んだ。「前もって決められていた場所で、前もって決められていた時刻に」。 クロ、アカ、アオの三人は二重の意味で罪責感を抱えて生きていた。イエスを捨てた使徒たちのように。二重の意味とは「シロの死」と「つくるへの裏切り」だ。それが「キリスト=つくる」を決定論的に巡礼へと向かわせたのである。 巡礼から戻ったつくるは恋人の沙羅の心を確かめるために、明け方4時ほどに電話を掛ける。そこで沙羅に対して、「君のことが本当に好きだし、心から君をほしいと思っている。」という言葉を三度いう。はじめの二回に対しては沙羅はまともに答えないが、三度めに対しては「私もあなたのことがとても好きよ」と返す。この部分は復活したイエスがガリラヤ湖畔でペテロと出会い、三度「私を愛するか」と尋ねたシーンと重なる。ちょっと詳しく言うと、イエスは初めの二度はアガペーを要求したことに対して、ペテロはフィリアで答える。しかし最後の一度だけはイエスがフィリアを求め、ペテロもフィリアとして答えるのである。三度目のつくるの問いに対して答えた沙羅が重なる。そして「鳥」はまだ鳴かなかった。「鳥」の鳴き声はペテロの裏切りを喚起させるが、その許しとしてのガリラヤ湖での出会いのシーンに、鳴かない鳥を重ねる。 以上は僕の勝手な解釈だが、あながち間違いではない気がする。もちろん春樹がイエスの復活物語を伝えたいがために書いた話ではないことはよくわかる。あくまでもモチーフとして利用しているのではないか、という話。 最近は春樹の作品を読まなくなっていたので、それぞれの作品の終わりを思いだせないが、「つくる」のラストシーンはシンプルではないけれど明るさが開き始めている。しかしその明るさは絶望とも隣り合わせの危ういもので、再帰的な人生に対する明るさである。「自己決定=自己責任」という言葉にまったくポエジーはないが、そのようにつかんだ人生に意味がある。たとえそれが死に向かうようなものであっても、実存的には意味があるのだ。 17.6.12
1投稿日: 2017.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
色=個性を持たないぼくは、つまらない人間ではなく、色を持つ皆の「器」で「多彩」だった。また、どれほど仲が良くてもシロの死を予感できるものはいなくて(深読みすれば分かるが)、本当の意味で分かり合えていなかった。
0投稿日: 2017.06.12
powered by ブクログ【この人は天才なのかもしれない】 5、6年前に村上春樹の有名どころを一気に読んだ時期がありました。その時はただただ読みまくっていました。 寄り道して遠回りして、自分自身も大きく変わって、新しい作家さんに出会って本の好みも変わって。 滅多に見ないブックオフの108円コーナーでこの本に出会って。気付いたら買って読んでました。 ああ、この人は本当にすごいんだな、と新しい自分でその凄さを感じられたこと、これもまた自分の変化を知れた素敵な出会いでした。
0投稿日: 2017.06.04
powered by ブクログ色彩を持たない多崎つくる 最初人生において何事においても無難に済ませがちな自分のことのように感じた 全体的にはさらっと読めて内容も面白いと思った 批評を2点あげるとしたら 最後の終わり方で沙羅とどうなったかが書かれていなかったこと 結局シロは何故死んだのかが分からなかったことがなんとも言えない気持ちになりました まああえて作者に考えさせるっていうパターンだと思うけど、その真実が出て感動または喪失感を感じるものだと思って読んでいたので少しがっかりした
4投稿日: 2017.05.30
powered by ブクログ無性に村上春樹が読みたくなって、ページをめくる手が止まらなくて、一気に読んでしまいました。おもしろかったです。
1投稿日: 2017.05.28
powered by ブクログ「そのとき彼はようやくすべてを受け入れることができた。魂のいちばん底の部分で多崎つくるは理解した。人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それは傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。それが真の調和の根底にあるものなのだ。」 高校時代に仲の良かった4人と40前にして再会していく話。 昔の友人のその後、あの当時はわからなかった不思議、謎と対決する……なんとなく中学ぐらいの時分に読み漁ったスティーブン・キングを思い出した。 村上春樹の数ある主人公……カティーサークを飲み、パスタを茹で、サンドイッチを丁寧に作り、女の子と寝る……そんな主人公たちの中でわりと多崎つくるに好感が持てたのは文頭の引用部分と下記の部分があったためだと思う。 「正しい言葉はなぜかいつも遅れてあとからやってくる」 遅れてやってくるのは少なくとも探し続けているからなのだと思う。 読めと勧めてくれた友人に感謝したい。
19投稿日: 2017.04.16やはり別格
本当にいい文章。こういうものを「小説」というのだ!村上作品の多くはためいきとともに読了。それが私のくせのようだ。さすが他の小説家の追随を許さない村上文学。個々の表現も優れているが、全体に貫かれる雰囲気が唯一無二で、いかに作家が考え抜いて書いたかが感じられる。それでいてリズムもいい。感動するとか心に残るというのではなく腹にどん!とそれも静かに入りこんでくる登場人物の感情。現実に向かい合い人生を切り開く主人公の濃密な時間がまるで自分のことのように思えてくる。でもよく考えてみると彼への仕打ちはひどいものだ。
2投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ感受性が強い若年期には何かと悩み、死について思いを巡らす時期もあるものだ。場合によれば、極端な行動に走る危険な行動でもあるが、自らの生きる意味について考えるとき、「死」について思いを巡らすことは必要なことでもある。
1投稿日: 2017.04.04
powered by ブクログ主人公の過去の真実が気になり、一気に読んでしまった。村上春樹の作品の中でも変に癖がなく、読みやすかった。
1投稿日: 2017.03.25
powered by ブクログ感想書いていなかったので記憶を頼りに書き込み(2017/3) 村上春樹は好きだけどこれはつまらなかった。 1Q84の時も思ったけど、村上春樹にはなんというか現実世界っぽさは求めてないのかも。 求めているのは現実っぽい世界の中にある、不思議な世界への冒険というか、心理描写というか、気だるく斜に替え、人生なんてどーでもいいけどとりあえず生きていこうかなみたいな主人公がヘンテコな出来事に巻き込まれて行くのが好き。 読んでいて、もしかして私が知らないだけで世界ニラこんな不思議なことが起こってるのかも?と思わせてくれるような堂々とした書き方も好き。 ヘンテコというのは、世界の終わりとハードボイルドワンダーランド的な巻き込まれ型でもいいし、ノルウェイの森のような、ATフィールド全開な自己世界と世間の関わり方でもいい。 なんでもいいから、普段目に見えない感情をあたかも目に見えるような大げさな比喩を使って"僕"を通して世界を見ている、そんな風に感情移入できる物語を求めてしまう。 どこかの誰かの人生の歩み方を淡々と読んでる様な本作はあまり好きではないかも まとまらんけどメモメモ 好き 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド ダンスダンスダンス 羊をめぐる冒険 苦手 タフターダーク 1Q84 田崎つぐる(本作)
4投稿日: 2017.03.19
powered by ブクログ展開が早く、ミステリータッチの中編で、あっという間に3分の2程度を読み終わってしまった。 しかし最後の数ページは長く、少し退屈した。 すっきりとしない終わり方だった。
1投稿日: 2017.03.16
powered by ブクログ最初から中盤までは先が気になってどんどん読めたけど、後半からだんだんどうでもよくなってしまって最後はパラパラ読み。ちょっとくどくて読んでて疲れちゃった。
2投稿日: 2017.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公、多崎つくるの心の傷はどうやら治癒に向かっているという終わりですが、謎は謎のまま残されている部分もあります。 そこは本題とは違うからいいのでしょうが、気になります。 シロの事件や沙羅との今後とか。 村上春樹作品はこれが3作目。その中で一番わかりやすい内容でした。ちょっぴり推理小説的な部分もあって、先が知りたい衝動にかられます。 男が結婚したいと思うのは、こんな感じなのかな。他に男がいても……。 それを考えると沙羅という女性は、とても魅力的なのだろう。イメージではかなりの美人を想定しつつ、つくるの今後に愛があることを願うばかり☆彡
2投稿日: 2017.03.11
powered by ブクログ(恐らく)自分にとっては初の村上春樹作品だと思うんだけど、正直なところ「え??これでおしまいなの?」ってのがまずあって、何だか自分の読みが浅かったのかな、想像力足りなかったかなってちょっと不安になった 笑 主人公のつくるが過去に自分を切った友人達に何故絶縁されたのか、原因、理由を聞きに行くという感じの物語。そこで明かされる理由に、多崎つくるはどう向き合うかってのが大筋なんだと思うんだけど、う〜ん、いかんせん途中のあたりから興味が、誰がシロをレイプしたのか、そして殺したのは誰なのかって方にとむいて(しまう)いくから、それらが明かされず終わるのはどうも自分には不完全燃焼感がある。 シロの件に限らず、灰田のその後とか 沙羅と手を繋いで歩いてた男性の件、色々と気にはなるものの、明かされず終わるので、多分読んでてもやもやとする人多いんじゃないかなとも思う。けど、そういった反面でもしかしたらこれは「受け入れる」物語なのかなぁなんて思ったりもする 「たとえ君が空っぽの容器だったと〜しっかり好感の持てる容器に」368p クロのこの辺りの台詞が全てって気がする。シロの件も灰田の件も、沙羅と後日にどうなったのか、そんな事らは多分、どうだっていいんだよね(雑な言い方かもだけど)犯人は誰だ?とかあの男は誰なのかとか、あれこれ探ったり、答えを求めたりとするよりも、今あるものを受け入れる。みたいな、そんなような事を改めて気付かせてくれる。そんな作品だったと、今は思う(けど、実際はどうなんだろう) なんにしても読んでる最中も、読後もとても楽しめたなぁと 笑 最初、読み終えたばかりの時には、結構ぼろくそ書いていたんだけども、時間を置いて色々と考えてみたらば、そんな考えが一転。面白かったです。
1投稿日: 2017.03.04
powered by ブクログ2017.3.1 色を持たない多崎つくる。 いつもクールで穏やかな人。何かが際立っているわけではないけど、そこにいるだけで人を安心させるような人。 こういう人の、隠しているわけではないけど、本当はいろいろ思っていたり、傷ついたり、誰かを好きになったり、怒ったり、死にたいくらい落ち込んだりする部分と、独りよがりのような孤独、その硲の苦悩をとても丁寧に描写している。 "駅"に例えたセンスが、非常に秀逸で、やられた〜という感じ。 沙羅を離してはいけない、と言ってたけど… 駅であり、容れ物であるつくるの個性は、他の誰にもない尊いものだし、つくるには是非それを誇りに持ってほしい。 それにしても村上春樹さんの作品の主人公って、どうしてこんなにハンサムなんだろう。 いや、村上さんの書く文章がハンサムなのか。 私もまた、"つくる"という容れ物に、自分のイメージを投影させてもらっている。
2投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログ名古屋の人は名古屋の外に出たがらないという話を小説にしたストーリーです・・・だめか。 消化しやすいきれいな文章が本当に弱った体調に染み入るー(インフルエンザで外出禁止だった)。 お洒落で抽象的なタイトルは何なんだと思ってたら、 タイトル通りの話だった。 6本指 緑川の死? 灰田くんへの巡礼が終わってない これらはどうするんだろう。 最後に、新宿駅の描写怖過ぎて東京都民クレイジー!フッフー!って夜中病み上がりの変なテンションで笑っちゃった笑
1投稿日: 2017.02.22
powered by ブクログ多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始めるのだった。
1投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログ何よりも信じていた4人の友人たちから、急に自分だけ排除される苦痛の大きさは計り知れない。その様子をリアルに描いていました。 真実を追い求め一人ひとりに会いに行き、実際に話を聞く場面は、先が気になり早く読み進めたくなりました。 「記憶を隠すことはできても、歴史を変えることはできない」 真実でなくても、時が経ち過ぎてできてしまった歴史を変えることはできない。切なくなりました。 しかし、最後は和解できてよかった。
0投稿日: 2017.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
フィンランドかー、ひとを狂わしちゃう北欧だなー。 アマゾンのレビューで話題になってたやつで、もともと単行本の表紙がなんとなく印象に残ってたので読んでみた。 普通に面白かったよ。 主人公が仲の良かった友達四人から突然縁を切られて、十六年たってようやくそのときの原因、理由を探る旅に出るって感じ。んーとね、なんだろう、出てくるキャラクタが生きてる感じがあんまりしないんだなぁ。皆がみんな、台本どおりの演技をしてるみたい。会話がわざとらしいっていうか。まあ小説だから当たり前なんだけど。森博嗣とは違う無機質さがあるなぁっていう。 その割に生々しい話が挟まるからすごいちぐはぐで、それが面白いのかもしれない。文章、思考の展開の仕方はいろいろ面白い。ストーリィもページをめくる手が止められないくらいには面白い。オチがないのがきついなっていうくらいで。まあそれは個人の趣味嗜好、ミステリホラー読みには、最後にどんでん返しのない物語ってのはきついんですわ。 空っぽの人間だっつーわりには恵まれまくってて、恋人に苦労しないとかさー、多崎君さー、世の中の恋人できない人間に喧嘩うってるよねー、とは思うけどな。あと、エリさんとの邂逅を思い出すたびに「乳房」って単語だすのやめろや。お前はおっぱいでしか女をはかれないのか。 で、結局灰田はどうなったんだよ。 抜粋。灰田父が出会った元ジャズピアニスト緑川さんのセリフより。 「死ぬこと自体は怖くない。本当だよ。たくさんのろくでもない、くだらない連中が死んでいくのをこれまで目にしてきた。あんなやつらにだってできたことだ。俺にできないわけがあるまい」
1投稿日: 2017.01.24
powered by ブクログ村上春樹の文学は音楽的である。 彼の文学を「難しい」と評する人がいるが、僕はそうは思わない(もちろん、難しく読むこともできる。読むということは重層的な行いだから)。 彼の文学は、理解を必ずしも必要としない。音と一体になることが、音楽のひとつの聴き方であるように、村上春樹の読み方としては、彼の言葉が、ただ意識のなかを流れていくに任せればいい。それで十分、彼の作品を味わうことはできるように思う。 僕はいつも、村上春樹の小説に、次の特徴を認める。 徹底的な浅さ。(意味の深みが、あるようで、ない) 身体性を喪失した純粋な言語。(にもかかわらず、それは自然で、滑らかである) 全身全霊で「苦悩すること」から見放された世代。(我々の世代はもっと見放されている) そして僕は、これら全てに共感しているのだ。 *** 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』にはいくつかの謎が残されるが、その作品のなかに隠された真実があるのではと考えること自体が、作者の術中にはまっているような気がしないでもない(それは非常に典型的な、カフカ的手法だ)。 以前にも書いたけれども、村上春樹の小説の良いところは、読者自身の体験を小説世界に重ね合わせることではじめて見えてくる意味世界があるということだ→ http://booklog.jp/users/logos425/archives/1/4062125366 だから、解きようのない謎は謎のままとして生きるつくるの姿に自分を重ねて読むことの方が、僕には合っているようだ。エリがつくるに、次のように語っているように。 「『たとえ君が空っぽの容器だったとしても、それでいいじゃない』とエリは言った。『もしそうだとしても、君はとても素敵な、心を惹かれる容器だよ。自分自身が何であるかなんて、そんなこと本当には誰にもわかりはしない。そう思わない?それなら君は、どこまでも美しいかたちの入れ物になればいいんだ。誰かが思わず中に何かを入れたくなるような、しっかり好感の持てる容器に』」 村上春樹の小説に何か意味のある内容を求めてはいけない。それは、誰かが思わず中に何かを入れたくなるような、空っぽの、しかし好感の持てる容器のような小説だからだ。
1投稿日: 2017.01.24
powered by ブクログ村上春樹は短編集を2冊とエッセイ、ノルウェイの森を読んだ。 初めての長編小説。 多崎つくるの自分探しの旅。 自分探しの旅を巡礼って表現するセンス、好きだ。 会話の感じも、思考が刺激されて夢中になって読んだ。フィンランドでエリと会話してる下りは、人生の避けようがないどうしようもないことが軽すぎず重過ぎず、丁度いい具合に私の中で消化された。 現実と虚構のバランスが丁度良くて肩が凝らない。 村上春樹、もっと読みたい。 ハルキストになるのかどうかはわからないけど。
1投稿日: 2017.01.20
powered by ブクログ「でもね、ある種の夢はたぶん、本当の現実よりもずっとリアルで強固なものなのよ。彼女はそういう夢を見てしまった。そういうことなのかもしれない」。以前読んだ時には、何も言えなかった。良いのか悪いのかもよくわからない、的な。すごく久しぶりに今回読み返してみたら、色々と感じるところがあったんだけど、それはタイミングの問題なのだとおもう。自分の奪われたものについて考えてたから。読んでて思ったのは、これは初期の、つまり僕と鼠シリーズ的なところに戻ったな、ということ。なぜいま戻る必要があったのか。それが不思議で、うまく受け取れないところが残ってしまった。あと三人称でやったのはどうしてなのか。村上作品にとって一人称と三人称は実際どんな違いがあるのか(現実と夢?)。今回のこのテーマは今まで一人称で書いてきたもののはず。あと、春樹の「悪」や「因果関係」を極度に抽象化する傾向も、両義的というか、むずかしいなあとおもった。でももうこういう風に書くしかないのかもしれない。これを読んでると、彼がどこを向いてるのかわかる。このような時代に、大衆つまり不特定多数で無形の読者に向けて届く文学の形を模索した結果なんだな、とおもう。
1投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログ村上春樹の小説にしてはファンタジーさが足りなかった。 最後沙羅さんに振られるのか振られないのかわからないのがもどかしい。
1投稿日: 2017.01.03
powered by ブクログ本当に久しぶりに村上春樹の本を読んだ。もっと彼の作品を読みたいと思った。自分の知らないところで、自分のことを考えている人がいる。そこには自分が気が付かない好意や誤解もある。そんなことをあらためて教えてくれた、自分と向き合う物語です。
1投稿日: 2016.12.26
powered by ブクログ相変わらずの村上ワールド。所々に出てくる言葉は、いつも自分の思考をかき回してくれる。物語が終わった後には、自分の価値観にちょっとした変化がみられる。そういう作品は、そんなに多くはない。
1投稿日: 2016.12.26
powered by ブクログ福岡長崎旅行中に読了。久しぶりの村上春樹。歳をとっているからか、ノルウェイの森ほどの真に迫る何かはなかったけど、村上春樹らしさを感じつつ、地に足が着いた内容で面白かった。 P54 嫉妬とはーつくるが夢の中で理解したところではー世界で最も絶望的な牢獄だった。なぜならそれは囚人が自らを閉じ込めた牢獄であるからだ。誰かに力尽くで入れられたわけではない。自らそこに入り、内側から鍵をかけ、その鍵を自ら鉄格子の外に投げ捨てたのだ。そして彼がそこに幽閉されていることを知る者は、この世界に誰一人いない。もちろん出ていこうと本人が決心さえすれば、そこから出ていける。その牢獄は彼の心のなかにあるのだから。しかしその決心ができない、彼の心は石壁のように固くなっている。それこそがまさに嫉妬の本質なのだ。
1投稿日: 2016.12.25
powered by ブクログ人と人は、複雑な思いが絡み合って、決してきれいごとだけで繋がっていないんだね。 調和のとれた関係なんてありえない。 自分に欠けたものを探すより、自信と勇気を持って進み続けたい。
3投稿日: 2016.12.12
powered by ブクログ著者の小説はいつも非現実的で着いていけない感覚があったがこの本はすんなりと読むことができた。 田崎つくるが彼女の助言に従い、過去の仲間を向き合い、いままで自分で気がつかなかった他の人からの自分への気持ちを知ることになる。
1投稿日: 2016.12.04
powered by ブクログ村上春樹は職人だなあと感じた。内向的な青年の自分探し、登場人物の説教臭い抽象的な断言、そういったものをきれいに昇華している。 なんでだかよく分からない調和の感覚がある。それが度々断言されていて、調和から外れてしまうことがあるが、それでも調和は回復されるべきである。日常生活の様々なこととは全く違う水準にありながら、単に抽象的なだけではなく、当たり前にやり過ごしているような生活の細部や夢の中に確かに存するような、そうした調和への信頼に貫かれている。だからこそ優しくて読んでいて心地がいいし、それでいて読者を現実世界から遠ざけてしまうのではなく、現実世界に戻るように勇気づけるところがある。各人が各人の井戸を掘っているのだがそれはどこかでつながっているということへの信頼というような、村上春樹の良さが出ているのだと思う。 この物語も、調和は痛みや傷を伴わないものだと思いこんでいたがゆえに、痛みや傷を扱いそこねていたつくるが、痛みや傷が折り込まれていたとしても調和は崩れないのだという信を取り戻す話である、とひとまず言えそうな気がする。 あと、この小説は男性であること、女性に対するロマンや肉欲を持つことを、すごくまっすぐに肯定しているところがある。 賞賛に値するポップな軽薄さだと思うけれど、嫌いになる人がいるのも分かるし、抵抗が拭いきれないわけではない。
1投稿日: 2016.11.20
powered by ブクログ職業としての小説家を読んで無性に読みたくなり、積んでたこれをやっと読んだ。 これがもともとは短編を書こうとして始まった作品だったなんて、全然信じられないな。 後半、止まらず読んだ。
1投稿日: 2016.11.19
powered by ブクログ苦手だった、村上春樹。 偶然にも、ふたりの友達に勧められ、おそるおそる手に取った。 わお。はまったかも。 ハルキストの仲間入りか⁈
1投稿日: 2016.10.30
powered by ブクログ「記憶を隠すことはできても、歴史を変えることはできない。」...思わず自分の"歴史"を省みました。「心を開くことがいつもいちばん良い結果をもたらす。」...確かに素直になれない時、必ず後悔があるかもしれません。僕は村上春樹氏の作品を初めて読みました。表現には彼独特の美観があるようだけど、何より読者が思いを馳せる余地を残しているように感じました。人生いろいろですね。この物語の結末は僕には分かりません。「世の中には女性の姿を通してしか伝えることのできない種類のものごとがある」ということでしょうか?
1投稿日: 2016.10.27
