
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村上春樹の作品を初めて読んだ。終盤のつくるとエリの再会のシーンがとてもよかった。好きなフレーズもたくさん見つかった。
1投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ駅を作っているつくるはまさに宮本武蔵の沢庵和尚が言った「帰る場所を作れ」という行為そのもので、彼は人生で大きな精神的苦痛を味わったが、それでも帰る場所を作る為の巡礼の旅に出る。というお話だった。
0投稿日: 2022.01.09
powered by ブクログ人にはそれぞれ事情があって、生きるために仕方なく他人を傷つけてしまう、それが良いこととか悪いこととかではなくて、そういうもんだってことを感じた。そんな時はどうすることもできないからただ耐える、ひたすら耐えるか他のことに没頭することで時間を過ごしていくことが大切なのかもしれない。 ただ、多崎つくるのようにあんなに冷静に淡々と自分のことを分析することはわたしにはできない。
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログこの本は推理小説である!という考察がめちゃくちゃ面白いので、意味不明だったという人は絶対に読んでみてほしい
0投稿日: 2021.12.07
powered by ブクログ色彩のない多崎つくると、彼の巡礼の年 初めての村上作品でした! 男らしい目線たっぷりで、凄く共感できるシーンだらけでした。それでストーリーはPSYCHO-PASSのような人間を色で表現する分かりやすいストーリーでした。 終わり方は聲の形のようなちょっと気持ち悪さを残しながら綺麗に終えるような形で終わってます! とりあえず、誰かと語りたい。そんな本です。 文学作品も凄く面白いなと思えた最高の小説でした。今後小説読むのもありだな。
0投稿日: 2021.11.30
powered by ブクログ大4の時に気づいた、変わらないものはないんだなっていう気づきと同じ感じ ただ、 「すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ」 って言葉に今後の光を見出せた。 人生はビギナーズに似た雰囲気。 2020/02/25 07:32 【メモ】 結局好きなことを仕事にできわけか 勤め人だから、好きなことばかりはやってられないけどね つまらないことはたくさんある それはどこだって同じだ。人に使われている限り、つまらない p.181 駅をこしらえるのとおなじことよ もしそれが仮に大事な意味や目的を持つものごとであるなら、ちょっとした誤ちで全然駄目になったり、そっくり宙に消えたりすることはない。たとえ完全なものでなくても、駅はまず作られなくてはならない。そうでしょ? 駅がなければ、電車はそこに止まれないんだから。もしそこに不具合が何か見つかれば、必要に応じてあとで手直ししていけばいいのよ。 まず駅をこしらえなさい。彼女のための特別な駅を。用事がなくても電車が思わず停まりたくなるような駅を。そういう駅をまず頭に思い浮かべ、そこに具代的な色と形を与えるのよ。そして君の名前を釘で土台に刻み、命を吹き込むの。君にはそれだけの力が具わっている。だって夜の冷たい海を一人で泳ぎ切れたんだから。 p.349 たまたまのことが往々にしてよくある。
1投稿日: 2021.11.17
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中学生の頃これを読んで意味がわからなくて敬遠していた村上春樹を改めて読んだ もう大人になったので内容も理解出来たし面白かったと思う。 ただ、シロが殺されてしまったところとかつくるがレイプ魔にされてしまった経緯とかもう少しというか明確な解決かほしかった。 まあその過去のことはすべて知ることは出来ない、人間の人生を読んでいるのかなとは思った。
0投稿日: 2021.11.12
powered by ブクログ4,5冊村上春樹を読んできて、どれもこれもあまり好きにはなれなかったけど、この作品はかなり好きになれた。
0投稿日: 2021.11.05
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過去にトラウマ抱えた多崎つくるがその原因となったものと向き合うため、彼を拒絶した友に会いに行く。それも相手に心の準備期間を与えぬよう前触れもなく突然に。自分ならちょっと怖いかな、、 まさにつくるの巡礼の旅だ。 結婚して去って行った最初に付き合った年上の女性は去り際に含みを持たした言葉を残した。 突然つくるのもとを去って二度と戻ってこなかった灰田くん。 つくるをグループから排除するきっかけを作ったシロの嘘とその後の死。 散りばめられた謎の落とし所を期待しつつ読んだけどページ数は少なくなっても一向に灰田の退場の理由もシロを犯した相手も殺した犯人も明かされない。 分からないままでもつくるの人生は続く。現実とはそんなものなのか、と読後暫くは納得してたのだけど時間とともに引っかかっていた疑問が頭をもたげてきた。繰り返し見る性夢とつくる自身が自分の中にある違う人格に不安を感じているような描写も。 深夜4時に伝えたいことがあるからと電話してくる相手に私なら優しくはできないかな、、 つくるは沙羅を失うようなことになったら今度は本当に生きてはいけないとまで思っている。 そこで物語は終わる。3日待ってと言った沙羅は水曜日に何をつくるに語るのか。それを読者は知る由もない。 こういう終わらせ方もあるのか。 ノルウェイの森以来の村上春樹の小説でしたが、心惹かれるフレーズも多く、なるほど多くの人が惹かれるだけのことはあると思いました。 もう少し幾つか読んでみたい。そして自分のなかで答えをみつけたい。
1投稿日: 2021.11.03
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久しぶりに読んだ、村上春樹。 やっぱり読みやすい。そして春樹ワールドだぁ。 今回は高校時代の親友たちから、 一方的に絶縁された男の話。 これはきついな。そして酷いな。 だれか助けないと、第2のシロになると思わなかったのかな。あ、そんなんはどうでもよかった。 クロと再会したときがよかった。 わたしがクロだったら、気まずくてまともに話せないと思うけど、ムーミンだし、結婚してるし‥(どんな理由や。)まぁいいか。 最後の抱擁が、わだかまりを溶かして、友情を強くした気がしたし、これからそれぞれ頑張って生きてこうねって励まし合ってて、好きだった。 シロに何があったのか、だれに殺されたのか、今度書いてほしいな。ジャンル越え。 最近、活字離れが酷くて、読書欲も湧かず、ネトフリに走る一方だったので、春樹ワールドで落ち着いた時間を取り戻せたと思った。 世界にのめり込める感じが心地よい。
0投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログ心地よいバランスを持っていたグループが、構成するメンバーの変化でバランスを崩してしまう。自分の意思とは関係なく。 自分が愛する者が去ってしまう。独り占めしたい人が自分のいない知らない別の世界も持っている。自分の意思や希望だけではコントロールできないことは実に多い。特に高校から大学、社会人になる時期は変化が多く瞬く間に周りの色々なものが変わっていく。 故郷、親、兄弟、友人…、変化していくものと変化しないもの、逃げていくものと置いていかれるもの、それぞれの立場でそんなときに自分によからぬことが起きると人はその変化のせいにしてしまうのかもしれない。 勝手にキャスティング。 つくる: 成田凌 アカ: オズワルド伊藤 アオ: 鈴木亮平 シロ: 橋本愛 クロ: 伊藤沙莉(胸は詰め物) 灰谷: 千葉雄大 沙羅: 中条あやみ
0投稿日: 2021.10.12
powered by ブクログ続きが気になってどんどん進んで読みたくなった。 でも最終的にハッキリと物事の結果ぎ分かったわけではないからモヤモヤする。
0投稿日: 2021.10.02
powered by ブクログ村上さんデビュー、形容詞たっぷりの文章、想像が膨らんで楽しかった。知るのが怖いからそっと蓋したままのことってあるよなぁ
0投稿日: 2021.09.19
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p75「でも僕はひとつの場所に縛りつけられることが好きじゃありません。好きなときに好きなところに行って、好きなものだけを考えられるような、自由な生き方をしたいんです」 p358「「生きている限り個性は誰にでもある。それが表から見えやすい人と、見えにくい人がいるだけだよ」」 p368「心を開くことがいつもいちばん良い結果をもたらす。」
0投稿日: 2021.09.18
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初めて読んだ村上春樹の作品でした。恐ろしく細やかな筆致、息を呑みました。頁を繰るにつれて灰田の父の話やシロの死の真相等これは何も明かされないのではというような気がしていましたがまさかその通りとは!水曜日も来なかった!物語的には煮え切らない終わりでしたが、すごく好きなエンドでした。
0投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログ初めて読み通した村上作品だった。特有の冗長的な表現が良くも悪くも印象的だった。綿密に設定されたと言うよりかは思ったことをそのまま小説にしたような印象だった。射精しすぎ感あり。
0投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログ村上春樹らしいと言えばそうでしょう。 シロの死に方。 灰田の父親の体験談。 クロに会うためフィンランド渡航。 つくるの性夢。 沙羅への想い。 ホントにつくるは何者なのか。。。 この小説は何なのか。。。
11投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログああ名前が桃泉とか銀ちゃんとかならノリノリで読めたのに… 今度、虹色のTシャツを買いに行きたくなりました。
0投稿日: 2021.09.08
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「限定された目的は人生を簡潔にする」 「失礼なことを言うようですが、限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか。」 「自分が見たいものを見るのではなく、見なくなくてはならないものを見るのよ。」 「君は彼女を手に入れるべきだよ。どんな事情があろうと。私はそう思う。 もしここで彼女を離してしまったら、君はこの先もう誰も手に入れられないかもしれないよ。」 「君はもっと自信と勇気を持つべきだよ。だって私が君のことを好きになったんだよ。いっときは君に自分を捧げてもいいと思った。君の求めることならなんだってしてあげようと思った。熱い血がたっぷり流れている一人の女の子が、真剣にそこまで思ったんだ。君にはそれだけの価値がある。ぜんぜん空っぽなんかじゃない。」
0投稿日: 2021.09.08
powered by ブクログ『自分自身の価値を追求することは、単位を持たない物質を計量するのに似ていた。針がかちんと音を立ててひとつの場所に収まることがない』 『記憶をどこかにうまく隠せたとしても、深いところにしっかり沈めたとしても、それがもたらした歴史を消すことはできない』 『自由にものを考えるというのは、つまるところ自分の肉体を離れるということ…自分の肉体という限定された檻を出て、鎖から解き放たれ、純粋に論理を飛翔させる。論理に自然な生命を与える。それが思考における自由の中核にあたる』 『人間にはみんなそれぞれに色がついているんだが、そのことは知っていたかい?』 『窓の外は真昼のように明るかった。空にはくっきりと白い半月が浮かんでいた。まるで使い古された軽石みたい』 『人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。それが真の調和の根底にあるものなのだ』 『すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃない』 高校時代の仲の良いグループからなんの前触れもなく拒絶される。その原因を後に巡り会う女性の助けで解決していく… 単純に要約するとこれで終わっちゃうのだが、勿論そんな単純な話ではない。 ミステリー要素の謎解きを色々なところで目にする事が出来るので気になる方は探して下さい。ただ、正解はありません。 読了後に心にじーんと残るあの感じは僕だけではないはず。 大切な人を今よりもっと好きになり、愛おしくなります。
0投稿日: 2021.08.30
powered by ブクログ幼馴染でもクラスメイトでもない、 たまたま出会った5人で過ごした時間 共にいた時間ではなく 離れてからの痛みと傷を描くことで関係性が描かれる不思議な話だった 地元を離れて東京へ行ったこと、 過去の自分を思い出す 久々に鶴の「その一歩」が聴きたくなった
0投稿日: 2021.08.26
powered by ブクログやっぱり村上春樹はいいなあ。 この文章を読むと一気に引き込まれるんだよね。 ストーリーとしては、 わざとかよっ!! てくらいに全く伏線が回収されないし(笑)。 でも、それがいい。 自分の中でその伏線の描かれた背景を想像する。 これがハルキストとしての愉しみ方ですよ。
24投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログ中庸な日常から始まる村上ワールド。村上作品の中でも、リアリティが濃くて親しみやすいからか、友人の中でもここから村上ワールドに入った者が何人も。名古屋の平凡な街の青春、その道を巡礼する主人公。緻密な描写に引き込まれながらも、いつの間にか自分自身の学生時代を懐古していた。
0投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アカ・アオ・シロ・クロ・・・カラフルな名前を親友たちと、高校時代を過ごした主人公「多崎つくる」。 彼だけが、名前に色を持たない存在で、彼だけが高校卒業後地元を離れ東京へ出た。 仲の良い5人での生活は極めて居心地が良く、「可能な限り5人で一緒に行動する」という一つの共同体の様ですらあった。 揺りかごに包まれているような優しく、濃密で親密な時間を彼ら5人は過ごした。 そして、それは「つくる」が一人東京に出てからも続き、「つくる」は、地元に帰り、居心地の良い「共同体」に変える事を何よりの楽しみにしていた。 ある日、突然、理由も告げられず、「つくる」はその共同体からスポイルされた。 激しく拒絶され、4人の誰とも会ってもらえず、すべての接触を拒否される。 家族同様、家族以上のつながりの共同体の中にいた「つくる」は、居場所を失い、生きるすべまで失いかける。いや、実際に「生きるために必要な何か」を失ってしまう。 積極的に生きることを放棄し、死線をさまよい、ある種「廃人」の様になってしまう。 そして15年物歳月が流れる・・・ 「つくる」には新しい恋人・・・になりつつある女性を得る。そして、その女性は「つくる」の中に「生きるために必要な何か」が欠けていることに気づき、それともう一度向き合うように強くすすめる。 欠けてしまった「生きるために必要な何か」・・・それを探すことに、どうしても積極的になれなかった「つくる」だったが、彼女の強いすすめに、15年ぶりに、彼ら4人に再開する「巡礼」の旅に出る・・・ ここでの巡礼とは、過去の「(名前に色はなくとも)カラフルに生き生きと生きていた自分」を取り戻す旅の比喩として用いられる。 そして「つくる」は、その巡礼の最後には、なんとフィンランドまで訪ねて行くことになる。 巡礼の中で、時間を取り戻すことはできず、結局失った「生きるために必要な何か」を取り戻すことは、永遠にできなくなってしまった事を知る。 欠けてしまったピースがあり、それは、もうどうしても取り戻せなくなってしまった。 ◆ 赤・青・白・黒・・・この4色の他、緑と灰色の色を持つ人物が現れるのだが、この二人の物語の中での役割が、全くわからない。 伏線としても唐突で、登場する意味が私にはわからなかった。 おそらく、この二人の登場部分をサックリ切り落としてしまっても、この物語は成立するだろうと私は思う。 そうした、村上作品特有の腑に落ちない割り切れなさはあるのだけれども、全体としては非常に面白かった。 そして、ラストに向けて、フィンランドでの光景が映画のワンシーンの様だった。 かつての親密な「共同体」の中で、ひそかな恋が育まれ、15年の歳月を経て、それが一つの結実を迎えるシーンがある。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 二人はもう一言も口をきかなった。 言葉はそこでは力を持たなかった。 動くことを忘れてしまった踊り手たちのように、彼らはただひっそりと抱き合い、時間の流れに身をゆだねた。 それは過去と現在と、そしておそらくは未来がいくらかまじりあった時間だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 重なり合う二人のシルエットは、北欧の冷たい空気の下、どこまでも透明感のある温もりを描き出している。 美しい、とても美しく流れる時間が切り取られている。 ◆ 好き好きはあるだろうが、非常に面白かったし、私はこの作品が好きだ。 http://www.yo4.jp/nikki/2021/08/post-749.html
0投稿日: 2021.08.17
powered by ブクログ常識的で秩序をもった男、つくる。 もくもくと仕事をし、規則正しい生活。 高校の時の友だちと自分の意思なしに切り離されるのは若いつくるにとって、信じがたいショックだったと理解できる。 ただ、なぜ?という思いが消えない。 なぜシロはつくるに嘘をついたのか? シロはなぜ死んだのか? 灰田は誰だったのか? わからない。
0投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログ初めて村上春樹さんの作品を読んだ。 大学生時代の多崎つくるが高校時代の親友たち4人から突然関係を切られ、35歳になってから真相を知っていく話。 世界観に入り込むまでに多少時間はかかったものの、文章が肉体的・詩的で癖になった。「色彩をもたない多崎つくるくん」って言いたくなる。 想像の余地を残してくれているのでその世界観に漂っていることができるのも良かった。
0投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログ親友達から切り離された理由を探し、 人生の大事件に終止符をうちにいく話。 頼りにしていた人や行動理念にしていた信念は 案外簡単に失われるものだったりして、 世界は容易に色を変えてしまったりする。 特に過ぎ去ってしまった人間関係は 決着をつけられないまま過去の思い出に なってしまうことが多いと思うんだけど、 ちゃんと話して閉じられるのは 誠実で、素敵な事だなと思った。 ありがとう沙羅。 かつての友人と、長い時を経て語り合うのは まさに巡礼で、 風化した思い出やもはや激情でない感情が 切なくも美しい。 個人的にはエリがすごく好き。 強くて自分を持っていて優しくて、 自分の人生を自分の足で着実に歩いているようで、 素敵な女性だな。 切ない……せつなーーーい………… 多崎つくるの静かで都会的で激しない 理性的な人柄は まさに村上春樹作品の主人公って感じ。 舞台設定はファンタジー性が薄く、 何の変哲もない現代日本なんだけど、 だからこそ読者が各々 自分の人生で失われた人達を、 その人たちとの思い出を、関係性を、 思い出して重ねたりして、 色んな気持ちに苛まれながら 過去の時間に浸りながら読めるんだろうな。 これからもたくさんのものを得て、 たくさんのものを失うんだろう。 今大事な人や物事も、失われているかもしれない。 だから、いつか未来、また、 過ぎ去った大切だったものを 振り返りたい時に読んで、 つくると共に人生を巡りたいな。
3投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ村上春樹を初めて読んだ。私の中の村上春樹の作る物語のイメージって非現実的なお話で、意味もわからない、そんな印象だったけど、これは結構リアリティがあると思った。 主人公の多崎つくるは、たびたび自分のことを空っぽの器と形容するが、つくるは器は器でもいろんな色彩を受け入れて、色彩を調和させるための存在だったんだと思う。 だから、器たるつくるがいなくなり、四人組となったグループは破綻したんだと思う。 器は器でもきっと綺麗な形の器だと思うし、器にだって個性はあると思う。ただ、多彩な色彩の前ではそれが霞むだけということだと思った。 最後に巡礼した、エリとの会話がよかった。 読む価値はあると思う。
0投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ心から信じ合える親友って、やっぱりいいものですよね。たとえ離れてしまったり、友情が終わってしまったりしても、その頃の思い、思い出は人生に深い色合いを与えてくれる。 「すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ」
1投稿日: 2021.06.26
powered by ブクログ学生時代が輝かしいものあったことを思い出した 大豆田とわこのドラマであった言葉が頭に浮かぶ 時間は過ぎてゆくものではなく、場所であって だからあなたが笑っている彼女を見たことがあるなら、彼女は笑っている 5歳のあなたと5歳の彼女は今も手を繋いでいて 今からだって、いつだって気持ちを伝えることができる つくるの最後の言葉、 「すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ」って、そういう意味なのかな 5人は別の場所で、同じように生きているんだと思う
1投稿日: 2021.06.24
powered by ブクログ村上春樹っぽさの正体をかけらも知らないので何とも言えないけど、個人的には好きになりそうな部分も嫌いになりそうな部分も見出せなくて拍子抜けした、読みやすかった 完全に第三者の視点から語られるの、慣れてないらしい 面白くはあったしフィンランド行きたくなった 自分が持つ色彩、つまりは人間としての容器やその中身ってどんなのだろうか、と気になった
1投稿日: 2021.06.21
powered by ブクログアカアオシロクロと色彩を名前に持たない多崎つくるは高校時代、乱れなく調和する共同体だったー。 大学時代に現れた灰田。 二つ年上の恋人は木元沙羅。 ファンタジーと現実を行き来しているような感覚になる。
0投稿日: 2021.06.15
powered by ブクログ酷く恐ろしく悲しい出来事の真相に迫ろうとしない、迫れない恐怖を感じた。 シロは誰に犯され、殺害されたのか。 恐ろしい何かがこの物語にはまだ潜んでおり、それがとにかくとてつもなく怖い。
1投稿日: 2021.06.08
powered by ブクログ理屈っぽいけど感情的 色彩をもたない、空っぽ、なにもない、それが「色」なんじゃないのかな 無色という色 他人の色が鮮やかに見えて、凡庸、中庸な自分に嫌気がさす時がある 私が私であると自信をもって言えるにはどうしたらいいんだろう 隠れた欲求に耳をすまし、忠実になってみる つくるに共感する部分があった
0投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログ夢と現実の曖昧な境界。暗黙の了解による禁欲的な関係。変わってしまうことと、それでもなお変わらないこと。実際に起こったとは信じ難いことが簡単に起こる世界では、「そういうことがあったんだ」というただその一言が事実の裏付けとして採用される。 シローユズにつくるが気持ちを伝えていたとしたら、或いはクローエリがつくるに気持ちを伝えていたとしたら、或いは…どれだけたらればを繰り返しても、起きたことは変わらない。だけど前を見て生きていくためには、もう使うことのない持ち物を整理することが必要になるんだろう。手放したくないことを手放すためには、受け入れたくないことを受け入れること。人生はその繰り返しなのかもしれない。
0投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ面白い!とまらなくて2日で読んでしまった やらなきゃ行けないことを背にして 本に集中できるのは幸せだ 村上春樹作品はたんたんたんと読んでいくのに限る 「色彩を持たない多崎つくるくん」 何でこんな言葉が思いつくんだろう?天才
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログ友人の枠を超越しもはや細胞の一部と化した人から告げられる突然の絶縁宣告。それは失恋と同等いや或いは思春期の全てを凝縮した時間ならば異なる種類の一層強い痛みを伴うのかもしれない。人生において誰もが味わう唐突な最隣接の人からの拒絶と終息。痛みは新たな出会いで癒される場合もあれば再燃する場合もある。ゆえに綴られる言葉は我々にとって真理めいており、表層的にはそれら指南への共感、そしてそれらを表す文体の語韻やリズムを楽しむ小説といえるかもしれない。しかし読後に感じる違和感はなんであろう?氏はただ単に青春の一幕を描きたかったのか?という疑懼。 考察サイトを覗き見しつつ、本作品を推理小説として再定義すると作品の持つ色彩はガラッと変わる。深層にある本質的テーマは人が抱える狂気と脆さだ。ネタバレになるので詳細は割愛するが「沙羅」双樹の花がシロであるならば、結末の意味は途端にサスペンスの色味を帯びてくる。考察サイトの見解が正しいかは不明だが村上氏がそういう意図で本作品を書き上げたとしたら(おそらく限りなく正解に近いと思う)なんとも凄い作品だ。一度目は前情報なしに、二度目は考察サイトを閲覧後にぜひ再読して欲しい。
2投稿日: 2021.05.07
powered by ブクログ終盤のカタルシスが良い。全体を通して比喩表現が多彩。村上春樹さんと言うと、言い回しがくどいイメージがあった。しかし本書はそんなことはなく読みやすかった。
0投稿日: 2021.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
色彩(個性)を持たない、いや持っていると感じてないが正しいが、つくるという人柄はとても分かりやすく受け入れることが出来た。僕も色はない方だと感じているし、色がある人は羨ましく思う。だが、読んでいて感じたが多崎つくるはとても色があると思う。個性というのは自分が感じてるよりも何倍も他人の方が感じるのだと思う。なので、僕も実は濃い色を持ってると信じたい 笑。 この物語のきっかけとなる沙羅さんは素敵な方だと思う。午前四時前に勢いで電話を掛けてしまい謝るつくるに対し、「いいのよ。午前四時にしっかり時間が流れていることがわかって良かった」と言った。凄すぎる 笑。 クロも言っていたが、どんな事情があろうとも絶対に彼女を離しては行けないと思う。 僕もいつかそんな人に巡り会いたい。
0投稿日: 2021.05.03
powered by ブクログ村上春樹の小説の中で、一番分かりやすいと感じたもの。 とっても大好き。 「村上春樹の小説読んでみたいんだけど、ちょっと分かりにくくて…」 って人には必ず勧める。 ストーリーも分かりやすいし、村上春樹っぽさはちょっとないかもしれないけど、春樹ワールドにもそれなりに浸れる。 内容も結構短め。 少なくとも『風の歌を聴け』よりは読み易い。 オススメ。
0投稿日: 2021.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
色のない多崎くんは色がなかったわけじゃないんだ 人間関係の歯車が一つ狂っただけで、人間はいとも簡単にどん底まで落ちる でもそこから這い上がれる生命力がつくるにはあった 彼がグループから追放された理由については全く納得できない でもそれほど人間関係というのは複雑で脆いものなのかもしれない しかもみんな、つくるがそんなことをするはずがないとわかっていながら、シロの言うことを信じた 16年たって今更謝られて 時効というものはあるのだろう 彼にとっては、怒りや憎しみより 彼らを失った哀しみのほうがずっと大きかったのだろう 果たしてつくるはさらと結ばれるのだろうか もし結ばれなかったとしても、つくるはまたそこから這い上がるのだろう 諸行無常の響きがある中で、変わらないものもある 夢と現実 東京と名古屋 カラフルな友達と無色透明なつくる 人生における様々な対比構造の狭間で苦しみながら 中年男性とのデート現場にたまたま遭遇 何のアポも取らず訪ねた先に友人は偶然いて 指が6本の人の話が繋がってくる 必然ともいえる偶然たちと出会い なんの前触れもなく友達に突き放されたり 唯一の友人であった灰田が急に姿を消す そんな不条理に悩まされて 無色透明なつくるは不器用にも生きていく しかも、周りからはある程度器用だと思われているところが辛い 変化の時代の中で生きていく私たちに生命力を与えてくれるような作品だなあと思った
0投稿日: 2021.04.22
powered by ブクログ村上春樹にしては話の内容が凡庸な感がする。 文章はいつも通りだが。 仲良しメンバーは、このような展開にはならないのではないか、と思う。 途中でいなくなった灰原の行動もなぞのまま。
0投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログ私はこの本が初村上春樹作品でした。それゆえに、「村上春樹作品とはこういうもの」というフィルターかほぼない状態での感想になりますが… 個人的には、この主人公や登場人物たちの繰り広げるねちっこくて理屈っぽく論理的な会話の仕方は好みな方です。あくまで思考は論理的でありながら、「色彩を持っていない」ということの不条理で説明のつかない生き方やクラシックの楽曲にこだわった情緒的な雰囲気描写との噛み合わせも独特の世界観で良かったです。 ただ、これが村上作品なのだとしたら、私としては致命的に合わなかったポイントが幾つかありました。 1つには登場人物たちの独特な口調です。人間はこんなに論理的、詩的に話さないので皆がそんな感じなのがどうしても気になる。特に灰田なんて大学1年生なのに!「これが村上作品だよ」と言われたら、じゃあそこのリアリティは別に気にしないんですね、って思っちゃう。 2つ目には、物語のカタルシスが湿っぽい… それも、きっと独特の魅力なんでしょう。しかし、私は世の中の不条理や現実を突き付ける作品であればそこに作者なりの「答え」が欲しいと思ってしまいます。クリント・イーストウッドがラストシーンを描かないで終わってしまったような気持ち悪さがある。まるでホラー映画の不穏な音楽のところがずっと流れてるような。 村上春樹作品が多くの人を虜にする理由は何となく分かりました。でも、私はもう読むことはないだろうと思いました。
1投稿日: 2021.04.14
powered by ブクログこの小説を読み終えた時、母からの手紙に綴られた島本理生さんのクローバーの一節を思い出した。 人間は人生の必要な時期に必要な人としか出会わないし、そこで色々と学び尽くして一緒にいることの意味がなくなれば遠ざかっていくのは仕方がない。 それは地面に生えている木が枝を伸ばして葉をつけて最後に落とすのと同じくらい自然なこと。 友達が少なく、本当に信じられる人がいないと悩んでいた時に母が送ってくれた言葉。 人生において必要のない出会いなんてないはずだ。 でも不思議なものだね。 あの素敵な時代が過ぎ去って、もう二度と戻ってこないということが。いろんな美しい可能性が、時の流れに吸い込まれて消えてしまったことが。 すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ。 僕らはあのころ何かを強く信じていたし、なにかを強く信じることのできる自分を持っていた。そんな思いがそのままどこかに虚しく消えてしまうことはない。 今私には大切にしてくれる人がいて、その人を大切にしたいと思う。 私がつらい時期、たくさん話を聞いて支えてくれた。 この関係は永遠ではないかもしれないが、私と過ごした時間、そして出会いが彼にとっても意味のあることであって欲しいと願う。
2投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログ氏の作品にしては、ミステリーに近いとの声が多数。確かにメタファーや変なキャラクターが登場しない。単に自分の学生時代の人間関係の狂いとそれを引きずり、克服の旅に出る話。 今まであらゆる主人公が絶望してきたが、この主人公の絶望こそ、最も身近だろう。そこから数十年経ってその問題を解決すべく動く主人公。初期作品のようなグングン動いてゆくような旋回力はないものの、彼が一つ一つを克服していくところは純粋な応援の気持ちをもって読み進めてしまう。 コトが解決してもそれぞれがイマイチ幸せになりきれず生きている人間の姿を描くところは、氏らしくない。 氏の作品が苦手な人こそ読みやすい思う。
0投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログ村上春樹の作品はなぜか読みたくなる。 読みながら「自分は何色なんだろう?」とありきたりな問いが浮かぶ。それに、「無色・透明」というありきたりな答えしか思い浮かばず自分の浅さにうんざりした。 でも、個性のカタチは人それぞれだし、それが見える人もいれば、それが見えない人もいる。僕は見えない側の人間なのかも。少し救われた気がした。
0投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログノルウェイの森と1Q84を読みましたが、本作が一番面白かった。フィンランドに行きたくなります。 読後も考察サイトを見たりして楽しんでます。
0投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログ最後に全てがつながるのが気持ちいい。個人的には表紙デザインも好き。 村上春樹さんの作品の中では短いし文体も柔らかくて読みやすい気がする
1投稿日: 2021.01.26
powered by ブクログ村上春樹を読んだのはこれで6冊目。 彼の小説の中では主人公の言動や想いが分かりやすい作品ではないかと感じる。 他人の個性と比べて自分には何も持ってないと感じている主人公の田崎つくる。 彼の心の傷の原因となる旧友や今の恋人(候補?)とのやりとりを通じて、ほんの少しずつ過去の思い出を昇華させている。 他人を羨み、自分を卑下するというのは誰しもがやったことのある事だろう。(私自身そんなことはしょっちゅうある) 彼と周りの人々のやり取りを読んでいくと、 自分の周りには、「そんな事なくて、そのままのあなたが素敵だよ」って言ってくれる友人や恋人がいてくれるありがたみを改めて感じさせてくれる。
4投稿日: 2021.01.18
powered by ブクログほぼ5年ぶりの再読。はじめて読んだときのレビューが残ってないのが惜しい。読後感の充足があまりにもおおきいと言葉にならなくて、感想がひとところにまとまらないんだよね。 5年前のことを思い出すのは難しいけれど、当時は村上春樹の小説をデビュー作から順序よく読みすすめている途中だったから、登場人物がひとりひとり漢字でフルネームを与えられていることがすごく新鮮だった覚えがある。 (赤松慶、青海悦夫、黒埜恵里、白根柚木、多崎作) なんだか勝手に冬のイメージがあったけど、実際には5月から夏にかけての話。 つくるがかつて親密だった、けれど追放されたグループのメンバーを16年ぶりに訪れていくというストーリーまでは覚えているけれど(つまりあらすじだけということ)、そもそもの真相や、灰田くんの存在と彼の父親の不思議な話や、つくるが折に触れてみていた不思議な性夢のこともすっかり忘れていた。 そして現在のガールフレンドである沙羅のことも。沙羅ってこんなに魅力的な女性だったっけ?表参道や青山の奥まった路地にあるカジュアルなバルで、デートのたびに描写される彼女のファッションが毎回オシャレで、とっても素敵。 自分のことを無個性で空っぽな人間だと決めつけるつくるくんが、これから少しずつでも沙羅と幸福を築いていければどれほどいいだろうと思う。 5年も経って、読み方はずいぶん変わったはずだけれど、でも最終的に心に残る部分は変わっていなかった。5年が長いのか短いのか分からない。 遮断された想い、失われた可能性、取り返しのつかない時の流れ。私にもある。でも決してどこかに消えてしまったわけではないんだ。 最後のページを読み終えたとき、フィンランドの森の白樺の木立を抜ける風の音が耳元をかすめていくのを、たしかに感じた。
8投稿日: 2021.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
風呂敷を広げて、その上に長い時間をかけて丁寧に物を並べて、最後にテーブルクロス引きのように風呂敷だけを取って颯爽と去って行きました。 久しぶりに読む村上春樹先生だったので忘れていましたが、あぁこんな感じだったかと。 最近はオチのしっかりある作品(ミステリーとか)ばかり読んでいたので、物語の中で伏線になりそうな引っかかりがいくつかあったので意識していましたが、まぁー関係なかったですね。 読み終わってすぐは、時間を返せと思いました。 けど、文章は本当に流れるように美しくて、表現力や発想がすごいと思いました。 ストーリーありきの作品ではなくて、 文章を書くためのストーリー?みたいな感じがしました。 だって、ストーリーはとても単純で、高校時代の友達グループに突然拒絶されて、36歳になってその謎を解くために友達に会いに行く。というもので、そこにはどんでん返しも、意外な結末もありませんでした。最後は読者に丸投げで終了。 普通の小説家がこのストーリーで書いても、まぁ厳しいでしょう。 そういう意味では読む価値があったのかな? とにかく多崎つくる君がかわいそうです。真実はわからないけれど。
2投稿日: 2020.12.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
春樹作品はどちらかといえば苦手。 けど、設定が面白そうだなと思って読んでみた。 最初から最後まで濃くも薄くも死の匂いが漂う話だったなと。 巡礼については高校時代のいい経験というか、よい青春を送ったからか、16年という月日でみんな色褪せてしまったのかなという印象があった。 グループのメンバーはつくるが沙羅に語ったようなキラキラしたような人物像とはちょっと違うなと感じた。 結論は書かれてはいないけれど、巡礼によって自分に対してちょっとずつ前向きになっていくつくるにいい結果が待っていたらいいなと思う。 あと、つくる自身が思う自分と周りが思うつくるの印象がかなり違うなと感じた。 自分が思っている以上に評価されていることは多分、誰もが経験したことがあることかもしれないけど、つくるの場合は人よりかなりそれが大きいのでは。
0投稿日: 2020.11.28
powered by ブクログ赤、青、白、黒。つくるの青春を彩っていたビビッドな色彩を16年の歳月は容赦なく風化させる。全てを無色に洗い流す。 彼らが大人になって、社会に出て、日常に忙殺され、仕事に奔走される過程で責任と無縁だった青春の輝きは色褪せてしまった。それでも、どんなに不器用でも生き続けなければいけない。 時の流れの残酷さと未来への希望の欠落に絶望して、生き続けることをやめてしまいたくなる。 過去の輝きを求めて時間と戦おうとしても決して遡ることはできない。どうせ勝ち目のない時間との戦いだとしてもその輝きがかつてあったことに偽りはない。 歳を重ねるに連れて中途半端に生きるのが上手くなって、自分を俯瞰するようになって、人生の瑞々しさは失われてしまうかもしれない。だからこそ僕はなるだけがむしゃらに、なるだけ色んなことにファーストタッチで立ち向かっていきたいと強く思った。
4投稿日: 2020.11.25
powered by ブクログ青春・朱夏・白秋・黒冬を表してるのだろうか。 繰り返される季節、狂うことなく何度もめぐる季節=調和ってことだろうか。
2投稿日: 2020.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語の後半になるにつれ引き込まれる作品でした。最後の結末を読者に任せている点もまた面白いと思いました(その後つくると沙羅はどうなったのか…)。 僕たちが生きてきた人生は、一つの歴史であり、その歴史はたとえ記憶を変えることができても、歴史は変えることはできない…あの時の自分の選択は本当に正しかったのかと問いかけられると同時に、自分はその歴史と向き合い、今を生きることしかできないと感じました。この作品と出会えたことも、また一つの歴史であり、自分の人生のターニングポイントになり得るのかもしれない…だから、一つ一つの出会いを大事にしたいと思います(人だけでなく、本やその他のものとの出会いも)。
0投稿日: 2020.11.11
powered by ブクログ突然の仲間外れ。自分は被害者で傷つき忘れようとしていたが巡礼によって、決して嫌った訳じゃなくてそれぞれ葛藤、悩みがあった。本当に聞いてみないと分からないことだらけなんだろうな。 色、個性がない空っぽの人間だからこそ、みな入っていけるなどの文節ではそうかもしれないなと思った。多崎のこれからがどうなったのか気になる! またこの物語は、思想や哲学を超越した世界観だなと感じた。 普段古本屋で本を買うがこの本は新品で買いました。新品のこの本が手元にあるのが嬉しいです。クロの感じがかっこいいと思いました。
2投稿日: 2020.10.29
powered by ブクログ親密な関係の人が急に離れて行ったことあるから、つくるの気持ちちょっと分かる。人間同士の完全な調和なんて幻想でしかない。みんな独りだし、不完全だけど、頑張って生きていかないといけない。わーん。孤独感。でもネガティブな感じはしない。前向きな孤独感。
1投稿日: 2020.10.27
powered by ブクログある日突然自分を離れていく人、それぞれの道があり完全な人間の繋がりなど無い。考えさせられる内容だった。つくるの性格が少し自分に似てるような気もして面白かった。
0投稿日: 2020.10.21
powered by ブクログ大学時代のある日突然、親友四人から絶縁を申し渡された多崎つくる。漂うように生きてきた彼は、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始める。 あらすじだけだとミステリーっぽく思えたが、そもそも人生自体がミステリー。それでも人生を左右する出来事は、謎のままにしておけない。つくるの気持ちがじんわり伝わってくる。
0投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「もちろんすべてが素晴らしいわけではない・・・そのようなきつさでさえ、今は愛おしさの大事な一部となっている」(P419) 人生がを、時の流れを理由にもしくは言い訳に、美しいものとするか醜いものとするか、本人がどれだけのものを愛おしく感じるか、感じることができるか、にかかっている。 題名のセンスも、彩りという軸での人生の描写も、ハイセンス。
0投稿日: 2020.10.08
powered by ブクログ村上春樹さんの作品は普段あまり読まなかったが、東京奇譚集きっかけにこれを読むことに。 読みやすい一冊。 絶交を告げられた場面、理由を聞く気になれなかった。聞くと立ち直れないかもしれない。その理由が問題ではないような気がしたというのは、なんとなくわかる気がする。 論理的な理由や言葉が意味を持たないことはあると思うし、この本の内容自体そういうことを言いたいのかなと思った場面が幾度とあった。 最終的な終わり方もそういうことを反映しているのかな。 途中で嫉妬についてや人の心と心の繋がりについて、非常に響く言葉があった。
7投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログとても面白かった。 作者にしては話がよく進むし、内容も非常に良かった。あっという間にに読み終えた。 終わり方に好き嫌いがハッキリと出そうだが、私は嫌いじゃない。この物語の中でその答えが重要だと思わなかったから。 最後の最後で作者特有の、話が進まないゾーン(私は勝手にそう呼んでいる)に突入する。それまではテンポよく読めた。 私は読む価値がある本だと思う。
8投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログある日突然仲の良かった友だち4人に絶縁されたつくる。 完璧な調和を持つ関係 だったはずの5人。つくるは訳もわからずただ孤立孤独を受け入れる。時が過ぎて恋人に促され過去を知ろうとするつくる。自分の知らないところで動いていたストーリーを知っていく。 おもしろかったけど何が言いたいのか…村上春樹が天才すぎるのだろう
0投稿日: 2020.09.09
powered by ブクログ高校時代、仲の良かったアカ・アオ・シロ・クロ・そしてつくる。 自分だけが名前に色がない。自分は色彩をもたない。 この5人グループのなかで自分の立ち位置を実は少し悩む。 そしてそれぞれ大学に進むが、つくる以外は地元の名古屋の大学に進んだ。 そして、大学2年の時かれらから唐突に拒絶される。 その意味も分からず、一時期は悩みの中死にそうになり、生還し、フタをして生きてき、36歳となった。 2つ年上の彼女にその話をして・・・ ってところから話がはじまります。 途中までは「なんかうじうじ悩むやつだなぁ」って感じで全然読み進められなかったけど、だんだん面白くなってきた。 読了後、全部の謎が解けたわけではない・・・推理小説ではないからね。 でもすっきりしない。 誰かと語りたい! って気持ちになりました。
0投稿日: 2020.08.24
powered by ブクログ最初はドキドキして結末がものすごく気になった。なんでなんでなにがあったんだろうって。 ここがいいところでもあるのはわかるんだけど、関係のない話というか文章が多くて先にちっとも進まない感じ。内容が難しいのか?なんだかわからないけどあまり頭に入ってこないところもあった。 読み終えたらもやもやもやもや。 灰田のこととかわからないこともたくさん。いや、物語の中で書かれてはいるんだけど、しっかりこう!みたいなのがないからもやもや。 もやもやさせる本なんだろうなぁ
0投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログ久しぶりに村上春樹の作品。買ってから1年寝かせておいたもの。 読み終えて読者の頭の中で処理されるまでが、ひとつの話なのかもしれない。だから、スッキリしたい人にはおすすめできない。 読み終えた後のもやもやに付き合うのが好きな人にはおすすめ。あと駅が好きな人にもいいかも。 色彩を持たない無個性な多崎つくるの心情を丁寧に扱う。 わたし自身が無難な生き方・性格をしているからか、作中の言葉に励まされることが多くあった。以下、作品からの引用。 「生きている限り個性は誰にでもある。それが表から見えやすい人と、見えにくい人がいるだけだよ」 「自分自身が何であるかなんて、そんなこと本当には誰にもわかりはしない」 それから、村上春樹作品は日常表現のひとつひとつが洗練されていて素晴らしいと思う。フィンランドに行きたくなったし、『ル・マル・デュ・ペイ』も聞きたくなった。
3投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ最近、村上春樹の「職業としての...」を読んだので、ついでに最近の長編も一作。小説としては面白いし、色々な意味でよくできているのだが、何かが足りない感じで物足りない。この欠落感は、三人称文体と無関係ではあるまい。
1投稿日: 2020.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校時代に仲良かったグループから追放されたつくるが、10数年越しにその理由を知っていく話。 この本面白かった?と聞かれて、文学を読む理由について考えた。人それぞれ理由があるだろうけど、わたしの場合は自分と向き合うためってのが一番しっくりくる。 一般的な起承転結な小説ではなくて、文学あらすじないようなもんだし。これだって、結局物語の一番重要なところ明かされないし。 文学を読むと、その登場人物の考えに触れて、自分だったらどうするだろうか…と考えることが多い。 あとは、テキスト内の事象を自分の過去の体験に重ね合わせて、振り返ったりする。特に村上春樹作品は比喩が多いので、過去の曖昧な体験を言語化できていく感覚もする。 ・乱れなく調和する共同体、ぼくらがひとつの共同体であるということ自体がひとつの目的 ・あとに残ったのは諦観に似た静かな思いだけだった。それは色を欠いた、凪のように中立的な感情だった。〜薄い膜のようなもので感情を幾重にも包み込み、心を空白に留めたまま、一時間ごとに着実に年老いていった。 あと感情削ぎ落とした登場人物が合理的に生きてく様に憧れる。 この作品だと、最低限の荷物だけ持ってフィンランドに行くとか。それでも日々の習慣であるプールの水着は持っていくとか。
0投稿日: 2020.08.08
powered by ブクログ自分に無いものをもつ友人たちに惹かれる気持ちもすごく共感できたし、"完璧な調和をなす関係"は存在できても時の流れには逆らえないってことも痛いくらいによくわかる。 ずっと先の将来何がどうなってるかわからない。 コロナ禍だからこそ仲間に会いたくなった
1投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログ解明されてない謎が多いとか色々聞くけど、私はこれ好きだな。 村上春樹の小説のテーマとして"喪失"と"明確な答えを得ない曖昧さ受け入れる"と言うのがあると、何となくだけど、私は勝手に思っている。 確かに、ラストは気になるんだよね。初読の時にも「ここで終わり?」と思ったのを覚えているし、今でも気になると言えば気になるんだけど。 でも別にそれは解明されなくてもいいところなんだろうなって思う。だって、そこは別に関係ないから。と私は思っている。 まぁそんなことは置いておいて… やっぱり比喩が美しい。そして、出てくる食事も美味しそう。私が村上春樹作品で好きなポイント。 物語自体も、流れるように進み、まぁ多崎つくるはこれ納得出来ないよなぁと思うこともあったし、何よりその年齢にしては達観し過ぎてないかと思うこともあったが。 何より空気感がとても好き。あんまり難しいこと考えずに、これは雰囲気を楽しむ小説だと思う……
2投稿日: 2020.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えた後、あまりにも解明されていないことが多くてすっきりしなかった。 想像してね系だとしても未解決が多すぎる。 最後も、あれ?終わり?みたいな中途半端な終わり方。正直モヤッとしました。
2投稿日: 2020.07.18
powered by ブクログ他の村上春樹作品に比べると、かなり低い位置になると思った。 結局、物語の鍵となるような言い方をしていた、灰田の父が出会ったピアニストがピアノを弾く際置いていた小袋はなんだったんだろうか、、。 3日くらいでサラサラっと読めたが、ちょっと微妙だった。
0投稿日: 2020.07.02
powered by ブクログ元トモ話。 ちょうど最近、宇多丸のラジオの元トモ特集を聞いた。その冒頭でいつも「これは実際の体験談の為、オチがありません」と注釈が入る。そして一般の方々に起った「元トモ」つまり今は友達ではない、かつて友達であった人とのエピソードが語られる。どこか自分にあてはまりそうで、とてもノスタルジックで心地よい切なさがある。 この本はそんな元トモ特集に出てきてもおかしくない、オチのない不思議な話だ。 これを読みながら色んな事を思い出した。 かつて友人だった人達。今も会える人と、もう会えない人。 今会えるなら、なんて言おうって頭の中で妄想してしまった。 今会ったら、なんと話すだろう。 今の自分を見て、彼、彼女らはなんと言うだろう。 もしかしたら自分も、解決しなくてはならいない過去があって、そうしないとそこから解放されないのかも知れない。知らぬうちに過去に捉われ、今を真っ当に生きていないのかも知れない。そう思った時、解決されないまま、取り残されている沢山の過去が思い出された。ほとんどがもう会えなくなってしまった旧友との事だった。 僕なら許せるだろうか。 つくるは許したし、何なら同情した。むしろ自分のせいとまで考えた。 きっと僕は許す許さないではなく、その事に向き合う勇気さえなく、ただシカトして過ごすだろう。(かつてそれに近いことがあって、数年勝手に連絡を途絶えた友人がいる。) ただ最後の彼女からの返事を待つ3日間の独白のようなつくるの心境は、女々しくダラダラとして読むのに疲れた。どうせ答え出さないなら、もっとスッパリ切れば良いのに。 小説に没頭するだけでなく、誰もが持つ旧友との思いを巡らせてくれる魅力を持った作品だった。その点はこれまでの村上作品では随一かも知れない。 久しぶりに村上作品を読んだが、とても心地良い時間が過ごせた。そんなに長い話じゃないのに、いちいち立ち止まり思いを巡らせ、感傷に浸ってしまい、読了に時間がかかった。とても良い、読書体験だった。
2投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログ村上作品を初めて読んだ 完全に好き嫌いが別れると思う 自分にはちょっと難しかった 言い回しが独特で分かりずらく、解決しないものがあってもやもやした
1投稿日: 2020.06.29
powered by ブクログ村上春樹なのにさらっと読めてしまった。 でもそのあと色々気になりだして、2回目もすぐに読んで考察も読んだりあとあとまで引っ張られる物語だと思いました。
0投稿日: 2020.06.22
powered by ブクログいつか読む、と決めていたからこそ、あえて本書の情報入れないようにしていた。 本屋で平積みされていたのも覚えているし、私自身いつ読むんだろう、と思ってた。 だからいざ読み始めたら、主人公と同い年なのに驚いた。 そんな共通点に限らず、今の自分に必要、という最高のタイミングで出会えることがあるから読書はやめられない。 村上春樹さんは、「ノルウェイの森」を2回読んだくらいで、私にとって馴染みのない作者。「ノルウェイの森」の衝撃が強すぎて、以降読めなかった。でも、「ノルウェイの森」は3回目をきっと読む。好きか、と聞かれると、そうではない、と答えてしまうのに、囚われてしまう。読むたびに解消度が上がる。1回で全貌を見せてくれない。いや、こちらの力量が足りなかったのだ、と思う。 ひんやりとした深い孤独に包まれた精神世界。読むと現実世界に戻ってくるのに時間がかかるので、なかなか手を伸ばせなかった。 読み終わってタイトルを見てみると、随分詰め込んだものだ、とにやりとしたくなる。 調和のとれた固い結びつきの5人グループで、唯一名前の色を持たなかった青年。それが、多崎つくる、だった。 他の4人は、赤松慶、青海悦夫、白根柚木、黒埜恵里、とみな名前に色を持つ。 本書はニューヨークタイムズベストセラー第1位らしく、世界的にも人気な村上春樹さんだけど、漢字がある日本だからこそ、この色のついた名前にまつわる面白さがわかるんじゃないか、なんて思って英訳を少し読んで自分の過ちに気付いた。 Two boy’s last names were Akamatsu—which means “red pine” – and Oumi – “blue sea”, the girls’ family names were Shirane – “shite root” – and Kurono – “black field.” 正直、日本語では赤、青、白、黒、と名前の色だけに注目していたから気付かなかったけれど、英訳されたものを見て初めて、なんて格好良い名前なんだ、と驚いた。英訳されることも念頭に置いて書かれたんだろうなあと、感動した。 内容としては、謎が謎のまま残されていて、あれはいったいどうなったんだ?!のオンパレード。続きが気になって読み進めていただけに、読了後はもやもや。ただ、実際のところ全て種明かしされてスッキリ!なんて、現実の世界ではないよな、とも思う。 読むのには、まとまった時間と心に余裕が必要でした。
15投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
* 「色彩を持たない」ってのは、名前と人格のことなんですね。 * 説明の回りくどい感じが『ノルウェイの森』っぽいです。そこが好きなんです。 * 色彩を持つ名前の登場人物たち、持たないのはサラとつくるくらいと。 * 4人とは結局なんでああいう関係になったのか気になる、それが中盤からやっと動き始めます。 * 確かにクロのサマーハウスでの情景は美しかった。フィンランドに行ってみたくなりますね。 * あと3日しかないってのはどういう意味だったんだ?自殺かと思いました。 * シロはグループに性的な抑制が効かなくなってきたのを察知して輪を崩すしかなかった、シロはクロがつくるを好きだと知っていた、そんな状態でつくるを悪者にして関係を壊すしかなかった、なんだか哲学的です。
0投稿日: 2020.06.15
powered by ブクログ村上春樹の文章は読者に読むことを急かさず何か深い感じのことを思考させる契機を作ってくれている気がする。(あくまで「気がする」) 読んでるうちに色々なことに気づかせてくれる。 この作品も人生観とか人間関係について色々考えることができてとても綺麗な気分になれた。
0投稿日: 2020.05.31
powered by ブクログ村上さんの小説はいつも読んでてとハッとさせられる言葉が沢山散りばめられてるのだけど、相変わらず訳のわからない世界観と内容だった。主人公のつくるは何かうじうじし過ぎててあまり好きになれない。特に最後の数ページは女々しさ爆発してる感じが鬱陶しくすらあった。
1投稿日: 2020.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4人の友人に突然絶縁されたつくるくんの物語。 初めての村上春樹! なるほど、面白いけど、ミステリという点では明らかにされることは少ない。結末もわからない。 大人になるのも悪くないと思える。
3投稿日: 2020.05.24
powered by ブクログ処分する前に読む母の村上本 その⑨ 再読 ブックオフに持っていくのを忘れて半年以上放置 せっかくなのでもう一度読んでから売ろう 前回は2日で読んだと書き記していた 今回は少し丁寧に読み進めてみた 読書する時間が楽しい 作中にあるフランツリストの曲 デュ・マル・デュ・ペイを検索して聞く 主人公の多崎つくる君は 自分は人に向けて 差し出せるものを何も持ち合わせていないと言う 繰り返し何度も出てくる表現 でも彼の周りにいる人たちからの描写は それとは全く異なっていて違和感を覚える 2020/5/18 最初の1行 「大学2年生の7月から翌年の1月にかけて 多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きていた」 ああ またこの手の若者が主人公か… しまった…と思ったのですが 帯に書かれてある著者インタビューを目にしてから もう少し読んでみることにしました 読みやすかったです 描写の多い村上本ばかり読んでいたので (それが必要なのだとは思っていても苦手) 2日ほどで読み切れました 帯には 「この本はある日ふと思い立って最初の数行を書き 半年ほどかけてどのような人物 どれほどの長さに なるのかわからないまま書き進めた」 「ひとりの青年の目に映る限定された世界の光景から 変貌し深く広くなっていくことがとても興味深く心動かされる」 と書かれてありました その様を想像しながら読み進めるのは楽しかったです
1投稿日: 2020.05.22
powered by ブクログ『カンガルー日和』以来はじめての村上春樹。 なんでこんなに性描写入れるんだろうって、聞いてはいたけどやはり思った。 感情行動を非感情的に書いてあるところが印象的。わざと隠さず描写するんだけど、食べる、寝る、息をする、みたいなテンションでつらつらと書くことで、よりフィクション色を強めているのかなと思った。 最後はもやもや、この不安感は実に現実的だ。。
0投稿日: 2020.05.13
powered by ブクログ村上春樹さんの独特な表現が、昔の自分にはサッパリわからなくて…(今も全て理解してるわけではないけど)その表現が苦手で、読むことをずっと遠ざけていました。 ふと、今更ですが…とても話題になった作品だし、久しぶりに読んでみようかなと思い購入。 わたし自身が大人になったのか、今の環境がそう感じさせたのか…村上春樹さんのこの独特な表現についてもすんなり受け入れることができ、むしろ気が付いたら早く先を読みたくて、一気に読み進めていました。 登場人物たちに起こる出来事が、解決されないまま、「なぜ?」だけが残る部分もありますが、読み終えてみると、その解決してない出来事も含めて、スーッと、面白かったな、この世界観に入れて良かったな、と思えました。上手く伝えられないけど… 「心を開くことがいつもいちばん良い結果をもたらす。」 エリの言葉ですが、わたしも過去そう強く思っていたけどいつの間にか忘れていて… 思い出させてくれました。
0投稿日: 2020.05.08
powered by ブクログうーーん。 はっきり言ってしまうと、 やっと読み終わった今、モヤモヤとはてなが浮かんでる。 シロに関することや、 突然いなくなってしまった灰田や、 沙羅がどうするかも、 全て不透明のままで、 最後に明かされるものだと思っていたので、 どうなってたのかなあ〜きになる。 正直に言うと読みにくくて日数もかかってしまったけど、 ところどころのつくるの絶望感を表す場面を筆頭に、 人間の感情を深い所まで言葉を巧みに操る文章に 終始圧倒されていた。
1投稿日: 2020.05.07
powered by ブクログシロは誰にレイプされたのか、どうして殺されたのか、灰田は何故いきなり姿を消したのか、緑川とは何者なのか、そして沙羅はつくるを選ぶのか… 一般的な推理小説って、話の導きがあって著者が立てた道筋を読者が読み取ったり追っていくものであって、最終的には「ああ、この人だったのね!この場面はこういうことに繋がっていたんだね!」と伏線を綺麗に回収してすっきり終わるものが多いけれど この本はそういった類のものではなく、ただ、文章や表現、描写がとても美しい。色彩を持たないつくるくんは他4人からしたらカラフルで魅力的な人間だったんだね なんだか読んでいて少し感情移入してしまう
0投稿日: 2020.04.22
powered by ブクログ主人公多崎つくると大学時代に突如として失った友人たちとの再生の物語。面白くなかった。というより不完全燃焼。分からず終いなことが多すぎる。著者がどういう意図でこのような構成にしたのかは私には分かりかねるが、いずれにせよ私はスッキリしない物語は好まない傾向にあるようだ。
0投稿日: 2020.04.22
powered by ブクログ翻訳以外では初めての村上春樹だ 今自分の中でキてる作家は、やはり表現力に長けてる作家である 他のも読んでみようと思った
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログミステリーでは、探偵が集められた容疑者達の前で奇想天外なトリックを詳らかにし、明かされた犯人は大抵意外と思える人物であり、私達はそれらの与えられた答えに興じる。 だかしかし、私達はいつも決まった答えを求め過ぎているのではないか。 ある物事に対する共通の認識というのは人を安心させる。一つの事実からなる一つの真実を我々は求めたがる。 言うまでもなく、天地万物、1つの答えがあるものなど限りなく少ない。 この物語において村上春樹は私達に多くの謎をふっかけ、放置し、解釈を丸投げしている。 シロをレイプしたのは誰だったのか、緑川とは一体何者だったのか、灰田はなぜ消えたのか。 世知辛い現代社会に生き、日々正解を求め続ける私達にとって、これは彼から与えられた一種の精神の試練なのかもしれない。 ただいつも通りのことながら、秀逸な比喩表現、言葉選び、文字が織りなす美しい世界観と色彩に感嘆の念を禁じ得ない。
0投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログ心理描写と風景描写は秀逸で物語の中に読者引き込む力を持っていると思う。フィンランドに移住しアカとの再会シーンでは現地の情緒感が文面から伝わってきた。 主人公つくると高校時代の親友5人の再生の物語。 思春期に感じる男女の切ない心情を著者のドライな語り口で展開していくのが面白かった。結末が見えない所が読後感に違和感を感じさせている。またそれも醍醐味なのかもしれない。
0投稿日: 2020.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村上春樹の作品は、明白な結末を持たず、読者に解釈を委ねることが多い。それは分かっている。謎のピアニストや突然姿を消した灰田君について、読み終えたばかりの今ではなく、今後読み直したとき、またはじっくり考えを巡らせることで何らかの自分なりの答えを見つけることができるかもしれない。でも、でも、これらの点についてもう少し道標が欲しかった。そこまで読者に委ねるの?!そこは本作において重要ポイントではないってこと?!と本作を読み終えたばかりの今は疑問がグルグルと頭の中で回っている。 1番好きな文章:(ヘルシンキのホテルのボーイについて)「賢い猫のようにそっと部屋を出て行った」
1投稿日: 2020.04.07
powered by ブクログタサキツクル 閉じた世界、5人組 夢の世界での行為 人生の一瞬の輝き→終わった人 フォースと共に歩みなさい コーヒーは夜と朝を隔てる匂い 既読感
0投稿日: 2020.03.31
powered by ブクログ多崎つくる、駅を作る仕事をしている38歳。 高校時代、仲のよかった5人組からある日いきなり決別をされた。 ひょんなことからその思い出を辿り、人生を開いていく… いやはや、久しぶりに村上春樹作品読みましたが素晴らしいの一言につきる。 これこそ文学。 美しいんですよ、文章が。言葉の一つ一つが。 胸を打たれるとか、感動するとかそんなことどうでもいい。 作品として美しいとしか言いようがない。 どこをとっても美しく、色が流れていく。 派手じゃなくて 淡い色が美しく流れていく。 こんな美しい言葉や本に久しぶりに出会った。 圧巻。
1投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログずっと牽制しがちであった村上春樹で初めて手に取った作品。読んでみると村上春樹に対するイメージが変わりました。 色彩を失っている事、自分自身、日々感じる事が多く感情移入してしまう描写が多々あった。 自分にとっての純文学はこの作品なのかもしれない。 私とは相性がいい作品だったのかもしれない。 色彩を感じることのない世界に酔う自分にまたしても自己嫌悪と気恥かしさを感じてしまう作品でした。
1投稿日: 2020.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやあ。もう。良かった。これはもう、良かった。少なくとも、自分にとっては、これはとても、良い小説でした。うむ。良かった。最近の、久々の、特大ホームラン、みたいな感じ、か。いやでも、ホームラン、では、ないかなあ。とても見事な、スリーベースヒット、という感じ、でしょうかね?どうでしょうかね。いやしかし、良かった。 とりあえず、読後の感想を、思いつくままに、つらつらと、書いてみたりも、します。 なんだかんだ、色んな謎が、沢山、解決せずにざっくり残りました。それはまあ、残ってくれて、全然オッケーです。いや、うん、オッケーです。それでいいやんか、って感じ。 シロ、を。白根柚木(ゆずき)を、レイプしたのは、誰なのだ。分からんマンマやね。ホンマに、ホンマに、真実レイプされたのか?妊娠、流産、したのか?真実を知っているのは、死んでしまったシロ、クロ、シロのお姉さん、産婦人科医。 浜松で、シロを、殺したのは、誰やねん。という。これまた、謎。謎ですね。つくるの精神が、つくるの身体を飛び出して、シロを殺したのか?むうう、、、むうう、、、 灰田は、何故、あそこまで唐突に、つくるの前から姿を消したのか?謎。謎です。あと、灰田のとおちゃんの話。悪魔の話。「死のトークン」の話。あれ、一体、なんだったの?緑川は何者だったの?なんじゃ、あれ。なんなんだ。 黒埜(くろの) 恵理(クロ)が、愛知県立芸術大学に入学したのなら、村上春樹効果で、あの大学の倍率、あがったんちゃう?と思うのですが、そこまで現実は甘くない?か?でも、まあ、ハルキストのかたがたの、いわゆる聖地巡礼の場所になっても、ええんちゃう?とか思うが、そうでもないの、だろうか。どうか。 あと、そんなこというたら、青海 悦夫(おうみ よしお)って、この名字も名前もふつう、読めないっすよね、とか思うけどまあそれはそれとして、アオがレクサスのディーラーなら、ハルキストの人々にとって、レクサスは特別な車種になるのでは?というか、レクサスって値段高そうだなあ。 5人の、とても美しい絆が、崩壊した感じ。シロが、精神の均衡を失って?凄い美しい存在から、そんなに美しくない存在に変わっていってしまった、というあの哀しい感じ。ブライアン・ウィルソン的な感じ、というか、ビーチ・ボーイズ的なあの感じ、というか。「キャロライン・ノー」ですよね。というか、村上春樹さんが、ビーチ・ボーイズの事をホンマに愛情込めて解説した文章があるんですが、アレが美しすぎてホンマに泣きそうになります。 5人全員、名古屋人なのに、全然名古屋弁で話をしないよね、って、そこはアレですよ。村上さん、ちょっと、どうなのかなあ~納得いかないなあ~、って、思いました。生まれが愛知県出身の自分としては。愛知県の人は、愛知県の言葉で、喋ります。これは、マジです。それは、僕は、愛知県出身なんだから、どうしてもね、「骨身にしみて」知っているんです。アオやアカには、どうしても、愛知県の言葉で、会話文を語って欲しかったね、って思うんですよね。わかりやすい参考文献は、ロックンロールバンドのブランキー・ジェット・シティーのメンバー、ベンジーと照井さんみたいに、喋って欲しかったね、って思いました。マニアックですまん。 つくるが、暇があれば、しょっちゅう駅に行って人の流れや電車の動きを見ている、って描写も、なんだか好き。駅って凄いですよね。圧倒的にシステマチック。とても複雑なダイヤを、毎日、一日も休まず、運行している。それってなんだか、奇跡やんか。人体と一緒だよね。決して休まない。休む時は、すなわち、死ぬときなんだよねえ。駅って、凄いですね。尊敬しますね。 嫉妬の感情。東京奇譚集の「品川猿」を思い出しました。嫉妬からくる?怒りの感情。女のいない男たちの「独立器官」を思い出しました。村上さんの作品は、自分の読書記憶の中で、凄くこう、どっかで繋がったりするんですよね。地下鉄サリン事件の話も出てくるし、「アンダーグラウンド」だなあ、って思うし。村上さんは、なんというのだろう。こう、ちゃんと、一貫している。凄い事だなあ、と思う。 森のなかにいるという、悪いこびとたち。「1Q84」にでてきた、リトルピープルを思い出すなあ。我々の人生とは、なんとか、悪いこびとたちにつかまらないように、と願いながら生きて行くようなものなのでは、ないのだろうかなあ。よく分からんけど、なんか深いな、って思ったりもしたんですよね。 田崎つくるは、父の遺品として譲り受けた、1960年初期に製造されたという、ホイヤーの自動巻きの腕時計を愛用しています。たしか「海辺のカフカ」の主人公、カフカ少年の父親は、古いロレックスを愛用していたんではなかったかしらん?こういう、古い機械式時計に対する何らかの描写も、うーん、なんだか、良い。村上さん自身は、高級時計には全然興味がないらしくて、「クオーツの安い時計でオッケーよ」みたいなことを、エッセイで書いていた気がします。でも、自らの小説で、こうした高級機械式時計を登場させるのって、なんらかの愛着があるんでしょうねえ、多分。違うかもしれませんけども。 ちなみに、「ホイヤー」という時計ブランドは、1985年以降は、「タグ・ホイヤー」というブランド名になっています。ブランドの誕生は1860年、と、いわゆる由緒あるスイスの名時計ブランドですよね。ずっと「ホイヤー」というブランド名で時計を製造していたのですが、1985年を境に、「TAG」グループの傘下に入りまして、それで社名が「タグ・ホイヤー」になったみたいです。ですので、田崎つくるが持っているお父さんの形見の腕時計は、「タグ・ホイヤーの腕時計」ではなく、「ホイヤーの腕時計」で、良いわけなんですよね。1960年代初期に製造されたものなので。こういう細かい描写へのこだわり、なんだか、好きなんですよね。村上さんの、ブランドや歴史への敬意、みたいなんを感じます。なんとなく、そう思うだけですけど。 この作品の発表は、2013年。村上春樹さんは、この時、64歳だったみたいですね。こう、凄く失礼な言い方をしてしまうと思うのですが、64歳で、なんでこんな、「ナヨナヨした」小説を書いているんですか!?って、ちょっと、思う。思うんですが、それが、もう、あまりに素晴らしくて、もう感動。その感性が。その、この世の中と自分と人間というものに対する眼差しが、素敵すぎる。絶対にこう、ナヨナヨしていると思うんですが、それはとても素晴らしい事だと思うんですよね。この、なんらかの「決して『分かった!!理解した!!』と言わない」感じ、凄い好きだなあ。 最後の終わり方も、凄く好きです。木元 沙羅が、つくるを選ばずに、もう一人の恋人の男性?を選んだとしても、つくるは、もう大丈夫だと思うんです。「俺はもう終わりだ」と、ならない気がするんですよ。何故か。何故か、僕は、そう思うんですよ。何故か、この小説には、圧倒的な希望が、感じられるんですよね。不思議だなあ。まあ、大好きなんですよね。
4投稿日: 2020.03.12
powered by ブクログ村上春樹さんの本はむつかしい。 まだ私は子供のようだ。 あの時のあの決断が自分の人生を形作っている。繋がっている。人間の心は複雑で脆く、繊細だ。
0投稿日: 2020.03.10
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広い意味で捉えれば、誰しもが主人公と似た境遇に陥ったことはあると思われ、感情移入がしやすいと思われる。 結末を書かないことで、結末に至るまでの過程の部分がより際立っている。(当たり前のことだが、) 村上春樹作品は非常に久しぶりに読んだが、やはり情景描写や心理描写は繊細で美しかった。
0投稿日: 2020.03.08
powered by ブクログ練りに練られたストーリー、一分の妥協もない言葉使い、そして巧みなプロット。どこを切ってもまさにこの作家であるのがわかる。感動の域を通り越し、ただその世界に酔うことが快感ですらある。ただ、これは自分だけのものだと思うが、今回は特に性的表現が多く感じられ、それは必然性なので仕方ないことであるが、あまり好きでない。なので、星4。
0投稿日: 2020.03.07
powered by ブクログ主人公が過去を振り返りながら、自省し、自己のトラウマを乗り越えていく割とカタルシスある物語。メインストーリーは王道だけど、ところどころの味付けで村上春樹らしさもあり、カタルシス感もあり、読みやすく村上春樹の一冊目にもおすすめできるかもと感じた。
1投稿日: 2020.03.02
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高校の時、仲良い五人グループに属していた主人公。 ある日突然、ハブられることになってしまう。 理由がわからず、心に傷を負う主人公。 死ぬことだけを考える生活、まさに絶望。 月日は流れ、ある恋人と出会うことで、 モヤモヤしていた過去との精算を図っていく。 主人公が過去と向き合っていくことで少しずつ上向きになっていく様子がわかる。 最後はふわっとして終わってしまったので、その後は想像にお任せっていう感じ。 文章も丁寧で情景を思い浮かべながら一気にスルスルと読んでしまった。 しばらく積読していたが、ようやく読破。
0投稿日: 2020.02.21
powered by ブクログ色彩のない自分と、縁を切られた色彩を持つ者たち。過去をたどりながらだんだんと分かってくることが増えていくから、先が気になり読みたくなる。言葉遣いが魅力的だと思った。
0投稿日: 2020.01.28
