
総合評価
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powered by ブクログ文庫本が出ていたので購入。文庫本でも730円+税です。それでも売れるからさすがですね。 村上春樹の作品って、やたらメタファーが多いから考えながら(謎解きしながら)読まないと意味がわからないのですが、風邪を引いているなか読んだので、考えるのが面倒くさく、本当に表層をただ読んだだけです。 大学2年のときに、高校時代の5人組から絶好を言い渡される多崎つくるは、死への切望を経て生まれ変わります。そのきっかけが夢の中で「嫉妬」という経験を体感するからなんだけど、このあたりが・・・よっぽど重要なんだと思うのだけどよくわからなかった。「嫉妬」を経験したことがないということが、よくわからなかった。 高校時代の友人の名前は アカ(赤松慶)ちびで頭がいい、アオ(青海悦夫/おうみよしお)ラガーマン、シロ(白根柚木)ピアノを弾く美少女、クロ(黒埜恵里)快活でユーモラス。みんな色彩(個性)を持っているため、内心つくるは自分は特徴がない人間だと卑下している。 で、36歳の多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。「つくる」って名前も変わっているし、駅への執着もすごいし、なんといっても「嫉妬」したことないくらいマイペースだし、十分個性的なんですけどね。。 2歳年上の恋人である木元沙羅が性交渉中のつくるには「心がない」的なことを言い、自分の魂救済のために16年ぶりに4人に会いに巡礼の旅に出る・・・というお話。 表層的な物語だけでもミステリー仕立てで楽しめます。 しかし、この5人組。読んでてもちっとも魅力的ではないんですよねぇ。楽しそうじゃないっていうか、青春っぽくないっていうか。役割を果たし合っている、完璧な共同体のための個人みたいな。最後のほうに少しオウムの記述があるから、宗教団体的イメージなんでしょうか。 自分はこの5人組が解体したあとにつくるが出会う、2歳年下の灰田文紹との友人関係のほうがうらやましく、楽しそうだと思いました(もしかして、2歳差がキーワード?)。灰色だから、シロとクロを混ぜたイメージなんでしょうか。夢でもシロとクロとセックスしたあとに灰田が射精を受け止める描写があります。灰田もこのできごとのあとに突然姿を消すのですが、そっちのほうが気になる。同性愛者だったってことだろうか。。(童貞だったつくるは自分が同性愛者かもと思って、確認のため女性と付き合う。アカが別れ際に突然同性愛者告白をするのは、灰田につなげるため?) しかも、灰田が話した灰田の父が出会ったジャズピアニストの緑川の話。のちのちに緑川は6本指だったんじゃないか、という多指症(たししょう)疑惑が出ます。(多指症は優性遺伝だけど、人間の処理能力を超えているから自然淘汰で抑えられているということをつくるの部下が説明する。) そのあと、つくるは夢の中でシロとクロの隠喩のように、白と黒の鍵盤を弾き、その楽譜をめくるのが6本指の女性です。多指症が本作のキーワードだとは思うのだけど。。能力がありすぎて削除するイメージ? やっぱりちゃんと考えて読まないとわからない・・・。 そんなわけで、表層的には一応読了していますが、自分の中ではまだぼんやりとした読了です。
0投稿日: 2016.01.12
powered by ブクログ久しぶりの村上文学。普通使わないだろうっていう表現が所々にあり、これが村上氏のひょうけんなんだろうと改めて思う。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ久々に、もう一度読み返したいと思う本に出会えた。 村上春樹は苦手だったはずなのに。 他の著書も読みたくなってきた。 いまさら、いまから、ハルキストになるのかもしれない。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ2016.1.2~1.7 やはり、読みやすい。心情がわかりやすいし。 最後、読者に判断を任せるのは、ちょっと不満。でも、それが村上作品。やっぱり、王道だよね。
0投稿日: 2016.01.10
powered by ブクログ村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。どの伏線も回収されない、これが村上ワールドか。《歴史は消すことも、作りかえることもできない。それはあなたという存在を殺すのと同じ》だからこそ、過去から目を逸らしたらダメなのか、過去は振り返らないほうがいいのか、難しいね。
0投稿日: 2016.01.08
powered by ブクログ文庫化したのは知ってて、たまたま本屋に行ったら平積みされていたので買ってみた。 ノルウェイの森すら読んでないにわかですが、このふわふわ感が良いのかも知れないですね。
0投稿日: 2016.01.07
powered by ブクログ本の自分なりの要約。 高校時代、仲の良かった四人にある日突然絶縁される主人公。十数年経った後、恋人にその原因や真相を知るべきだと言われたことをきっかけに、彼の巡礼は始まる。仲の良かった他の四人の名前には色がついていて、それぞれ個性の塊のような人たちだった。主人公は自分にだけ色がついていない、つまりは個性が全くないということが原因なのでは?と疑う。しかし、巡礼をするうちに予想もしていなかったことが明らかになる。 この本のどういう所が面白かったのか、少し考えてみる。 まず、惹かれた所は一つの共同体のように仲の良かったグループからなぜ主人公だけが、弾き飛ばされたのかという大きな謎があるということ。 二つ目は文章中の比喩の多さと上手さ。 三つ目は多指症の話が文章中に突然出てきて、内容と絡んでくるところ。多指症の人が何の象徴なのかがいまいち分かりませんでしたが、、、 四つ目は物語の終わり方。物語の後を読み手に想像させる終わり方になっているところ。 感想というか、この本を読んで考えたこと。 まず、主人公は自分に個性がないと思っていて、自分に自信を持てていないということに共感を持てた。自分もそうだと思った。主人公のように突然ばっさりと友達に捨てられたことはないが、なぜ生きるのか疑問に思ったことはある。しかし、この本の登場人物たちの生き様を見て、人それぞれ生き方は違うということを改めて感じ、人生について捨てたもんじゃないと思えるようになった。登場人物は実にカラフルだった。主人公も含め。僕も未来に少し希望を持てたし、自分なりの色をつけていこうとも思った。今僕は大学四年生で本当だったら、大学院に進んでその後エンジニアとして就職しその会社で身を粉にして働くという、まるでベルトコンベアの上にいるかのように人生を歩もうとしていた。しかし、それでは薄い色になってしまう気がする。なんとなく生きてしまう気がする。だから僕は新たな気持ちで、新たな道を進みます。この本はそう思わせてくれた、自分の人生の舵を切ってくれたかけがえのない本です。
1投稿日: 2016.01.05
powered by ブクログ僕が村上春樹作品を読み続ける理由のひとつは、主人公が大好きだから、という事にあります。主人公はたいていイケメンで勉強が出来て生活習慣が素晴らしくジャズとクラシックに精通していますが、本人の自己評価は至って低く、自分は特徴の無い顔をしているし勉強も真剣に取り組んだことは無いし人として空っぽで周りの人や世の中に何も与えることの出来ない人間だと思っています。夜中までウイスキー(銘柄はカティーサーク)片手にジャズ(スタン・ゲッツなど)を聴きながら本を読み、たとえ飲み過ぎたとしても翌朝の7時には規則正しく起きてチキンサンドウィッチを作って食べてジムかプールに行って適度な運動をし、日中は自分が十分に生活できるだけの少ない(決して少なくないはず)お金を稼ぐ為の仕事をこなし(無趣味なので散財もしない)、また夜になるとバーか自宅で酒を飲みながら本と音楽を楽しむ暮らしをしています。自宅には物が少なくシンプルで、炊事洗濯、料理にアイロンがけまで何でもこなし、自分ではそんなつもりは決して無いのに女性にモテます。こんな、現実世界に居たらきっとキザで嫌味だと罵られるであろう主人公像が僕は大好きだし、あぁかっこいいなと思いながら読んでいます。 今回の作品の主人公もまったく上述したとおりでクールでかっこよかったです(あくまで個人的感想)。 物語は、やはりこれも村上春樹作品に多いのですが、性と死と精神世界がテーマになっていてそこに時空の歪みが生じたり生じなかったりして、展開が進みます。5人の仲良しグループに悪霊なるものが取り付いてその仲が少しずつ上手くいかなくなる様子と、多指症(5本+余計な1本)であるが故にピアノが上手く弾けないピアニストとをリンクさせていたりと、相変わらず比喩的な表現が多いのも僕が村上作品が好きな理由のひとつです。村上作品は「意味がわからない」という感想を持たれる事が多いし、僕も全くもって同感ですが、この作品に関して言えば、誰が読んでも「意味が分かる部類」に入る作品なのできっと初心者でも読みやすいと思います。
0投稿日: 2016.01.05
powered by ブクログ村上春樹は初めて読みました。 でもこの1冊では良さはつかみきれなかったので他にも読んでみようと思います。 物語の構成や内容は惹きつけられました。もっと抽象的な表現かと思っていたけれど、情景、心情の描写がとても鮮明に感じ読みやすかったです。全体的な雰囲気はうまく言えないけれどサイレント映画が合うなーという感じ。音楽だけはテーマのリストの曲が流れている。そんな感じでした。静かだけどもうねりがあるというか…。 登場人物の名前に色が入っているあたり関係ないと思うけれどポールオースターの作品を思い出しました。 色々重要なピースが散りばめられ、要所要所で効いてくるけどもピースは曖昧なままで謎も残されたままなのでもどかしい気もしますが、その良し悪しは人によるところだと思います。 私はこの物語に関してはすっきりさせて読み終わりたかったかなーと思います。 もし過去に戻れるとしたら?という質問にたいして誰しもピンポイントでここ!という取り戻したい出来事ってあるんじゃないかなぁーと思う作品でした。 読んでいて途中で気づいたのはつくる君の一人称で語られていないという事。とくに気にせず主人公語りと思っていたけど、語りはつくる君のことも彼って言ってるし。自分の分身に語らせている形になっているのかなぁと、その辺のさり気なさや語りはやはり流石といったところなのかもしれません。
0投稿日: 2016.01.04
powered by ブクログ自分の気持ちに重なるところがあった。 死にたいということ、好きな人に対する想い、抑えることの出来ない感情、取り残された自分。
1投稿日: 2016.01.04
powered by ブクログ今まで、村上春樹氏の本はあんまりだったけど、今回はめっちゃおもしろかった。好みが変わってきたのかな・・・?
1投稿日: 2016.01.04
powered by ブクログ今年一冊目の本。今更とても恥ずかしいが、村上春樹さんはこれが2作品目だ。ストーリー的に最後に残る???灰田はどうしたの?沙羅の仲良くしてた男は誰?などモヤモヤ感はいっぱいなのだが、何か満たされたような幸せな気持ちが漂った。作品中のテーマ曲である巡礼の年も聴いたことないけれど、何となく浮かぶような。 登場人物は少ないのに、それぞれの心情が、深く上手くえぐり出して表現されてると思った。 今年、もっとたくさん読んでみようと思う。
0投稿日: 2016.01.03
powered by ブクログ久しぶりの村上春樹読了。 この歳になると自然とあの時こうしとけば良かったと思えることが増えてくるが、それをサスペンス仕立てにしたて、次の展開が実に気になるような感じで進んでいった。読んで損なし。
0投稿日: 2016.01.02
powered by ブクログ新年1冊目の読了。 この本を読むことで、自分自身の心の何処かに瘡蓋となっている過去の出来事を振り返ること、その勇気の大切さを知ることが出来る。 知らなくてはならないこと、だけど、知りたくないことは多くある。 一見、難しそうな、いや、近くにある問題を読み易く、丁寧な言葉で色彩を描くような村上春樹作品は贅沢だ。 謎が多くあり、その余韻に浸ることができるのも有難い。
0投稿日: 2016.01.01
powered by ブクログ闇の過去にも否定すべきでないものがある。目を閉じず見つめよ。閉ざすな、そこにあるものを見よ。自信と、勇気を持つためのヒントがある。
0投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログ主人公、多崎つくるは 高校時代に完璧なほど調和された 仲の良い5人グループに属していた。 彼以外の男女4人は 色を表す文字が苗字にあった。 ある日突然、理由を知らされずに 絶縁を申し渡された。 彼に大きな影響を与えたそのことを、 30代半ばになって新しい彼女に促され 理由を確かめにいく。といような話。 良い感じにしっとり暗く、重くない。 タイトルから大筋が分かるにも関わらず ストーリー性があるから続きが気になり すぐ読めてしまう。 主人公は自分のことを個性がなく 空っぽだと思っている。けれど、 自分自身でよく思考して着々と 生きているる様は、私には たくましく羨ましく見えた。 『たとえ君が空っぽの容器だったとしても、それでいいじゃない。もしそうだとしても、君はとても素敵な、心を惹かれる容器だよ。自分自身は何であるかなんて、そんなこと本当は誰にもわかりやしない。それなら君はどこまでも美しいかたちの入れ物になればいいんだ。誰かが思わず中に何かを入れたくなるような、しっかり好感の持てる容器に。』 『すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ。僕らはあのころ何かを強く信じていたし、何かを強く信じることのできる自分を持っていた。そんな思いがそのままどこかに虚しく消えてしまうことはない』 未解決なこともあるので 読んだ後の想像が楽しい。
0投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログ文庫本が出たので再読。色彩を持つ、持たないという設定がまずひかれる。人生においてあまりにも大きく、その時点から自分が変わってしまったというできごとを、封印してしまうか、ある時期もう一度探ってみるか。探ったとしても探らないとしても、そう思わせたきっかけによって、あらためて過去のできごとを、今の自分の中にどのように存在させていくか。読んだ後そんなことを考えました。
0投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログ2015年の最後を飾るに相応しい本に巡りあえた。 気持ちの良いリズムに惹き込まれ、一気に読了。 自己の気持ちの整理にも役立った。 だから、読書は面白いと思える一作。
1投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結構良かった。読みやすかったのもあるけど、物語がとてもいい。 突然の仲間との絶縁。その謎を抱えたまま年を重ね、16年経った今、つくるは過去をたどる旅に出る。 読み終わっても謎が残る作品だけど、なぜか心のどこかでこうやって終わることがわかってた気がする。なので物足りなさはない。 物語の中にフィンランドの描写が出てくる。とても綺麗な情景。村上春樹の世界にはとてもフィンランドが合ってる(行ったことないけど)。
0投稿日: 2015.12.30
powered by ブクログ主人公にナイーブ男子を配するのが特徴の村上作品。喰わず嫌いを改め久々購読。こちらはリアルに近く読みやすい。色の漢字が入った姓の友人で囲み、主人公を孤立させるのが面白い。ついつい「どれだけ自分好きだよ!」と突っ込みたくなるが、それを抑えるだけの先の展開への楽しみがあった。私なら巡礼はもっと年老いてからしたいかな。
0投稿日: 2015.12.30
powered by ブクログ最近の作品の中では、とても読みやすい部類に入ると思う。内容が易しいというわけではなく、粗筋が分かりやすい。 (2015.12)
0投稿日: 2015.12.28
powered by ブクログ多崎つくるは自分だ、と少し思ってしまった。 直前に読んだ内田樹氏の著作で、村上氏の作品を読んで作中の登場人物と自分を同じだと感じてしまう人が多いらしいということが述べられていたので、この影響があったのかもしれないが。 いい小説だった。しばらくは村上春樹の世界に浸るつもりだ。
0投稿日: 2015.12.26
powered by ブクログ良かった。 村上春樹さんの小説にしては、わりと現実的な話だと思った。 言葉づかい、人物や情景の描写、、、村上ワールドに心地よく浸らせてもらいました。 言葉の一つ一つをとっても、全体的な世界観をとっても、こんな作品を生み出せるって、やっぱり村上春樹さんてすごいなぁ。
1投稿日: 2015.12.26
powered by ブクログ散りばめられた謎が気になってぐいぐい読んでしまう。 情景が美しい。 ル・マル・デュ・ペイ、思わず聴いてしまった。
0投稿日: 2015.12.26
powered by ブクログ人は多くのものを抱えながら生きています。長く生きれば生きるほど、抱えるものの数が増えていくか、あるいは重量を増すかします。けれど、誰もが抱えるその荷物は、多少の違いこそあれおおよそ似通ったものなんじゃないでしょうか?自分一人だけ、何か特別なものを抱え込んでいるなんていうのは、錯覚なのかもしれません。 人懐っこい犬とそうでない犬がいるように、あまえ上手な猫とそうでない猫がいるように、人も生まれ育った環境や性格などのちょっとした違いがあるだけで、大きな違いなんてないはずです。キリンはキリンとして、ライオンはライオンとして、シロクマはシロクマとして、ラクダはラクダとしての考え方や生き方しかできないのと同じで、人は人としての考え方しかできませんし、生き方しかできないのです。そう考えると、人の苦悩なんて似たり寄ったりなんじゃないでしょうか。だとすると、〝個性〟だとか、〝自分〟なんてものにどんな意味があるのでしょう?かつて〝自分探し〟という言葉が流行しましたが、そんなものがほんとうに見つかるのでしょうか?他人から見た自分の印象なんて、見る人によって随分と異なるでしょうし、そもそも自分というものの存在が、実体を伴うものかどうかすらよくわからないのに。 それでもやっぱり、人は誰もが悩み苦しみながら生きています。人生って、なんだかもやもやとして、割り切れないものなんですよネェ。もちろん、この小説は〝自分探し〟みたいな、そんな単純なものではありません。物語の中には、印象的な話がたくさん散りばめられていて、深読みしようと思えば、いくらでも想像を巡らすことができます。それもこの物語の魅力のひとつです。はじめの設定はなんだかとっつきにくかったのですが、読み進むうちに、どんどん惹き込まれてしまいます。ワーズワースの詩〝草原の輝き〟を思い出したりもしました。 色彩を持たない多崎つくるは象徴であって、実はこの物語に登場するすべての人が、多崎つくるなのではないでしょうか?もちろん、読者である私たちも含めて。人生ってとるに足りないものだけど、それでも生きてみる価値はあるかもしれませんネ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
0投稿日: 2015.12.22
powered by ブクログ【全米第一位にも輝いたベストセラー、待望の文庫化】多崎つくるは親友四人から理由も告げられず、突然絶縁された過去をもつ。恋人に促され、真相を探るべく一歩を踏み出し、旅に出る。
0投稿日: 2015.12.22
powered by ブクログ田崎つくる君の話。 素晴らしい仲間がいた事があったんだから もっと面白おかしく生きればいいのに。 と思いつつも 自分もトラウマコンプレックスいっぱいだ。 すっきりしない部分はいろいろあるけど さっくり読み終えました。
0投稿日: 2015.12.21
powered by ブクログ待ちにまった文庫化。発売日に買いに行きました。 久しぶりに長編を読んでいて感じるのはやっぱり読みやすさ。 一番気になるところで終わるのはやっぱり村上春樹。また本を読むきっかけになってよかった。
0投稿日: 2015.12.20
powered by ブクログ村上春樹氏の作品は確かに文章が気取っている。すかしたような登場人物がすかしたセリフを吐く。狙い過ぎな感じもしてたまに鼻で笑っている…。感情移入や共感できない部分も多い。しかし読み出すと止まらない。おそらく文章のリズムに自分が乗せられているのだと思う。作品の読み易さは人それぞれだが、村上春樹氏の文章のリズムは自分にはまっている。この長たらしい題名の作品もしかりである。 今回の作品は最後まで読み終えた時点で後は読書の想像(推理)にお任せします。と作者に言われた気がした…。もう少しヒントを与えてくれてもいいじゃないかと他の読者も叫んでいる気がする。様々な予測が可能だが、真実は作者しか知らない。 よってこの作品は謎を多く残した未解決ミステリーとして脳内で仕分けされた…
0投稿日: 2015.12.17
powered by ブクログ村上春樹の作品は二冊目でした。今回もとてもおもしろく最後まで楽しめました。考えさせられる内容も多いので現実世界でも自分自身の雰囲気が変わってる気がします。寂しくなり恋がしたいと思いました。
0投稿日: 2015.12.17
powered by ブクログ久々に読んだ。 やっぱりとても面白い。 心情描写が良い。 どこか冷めて、俯瞰している登場人物が良いです。一般論かもしれないけれど、とても共感できる部分が多い小説でした。 もう、たまりません。
0投稿日: 2015.12.17
powered by ブクログ相変わらずの村上節炸裂!!!って感じでした…でもなんだか最後に心をぐっと掴まれた。大好きな人に大好きな気持ちをきちんと伝えなくちゃ、って思わされました…。
0投稿日: 2015.12.16
powered by ブクログ主人公と私の年齢が近いことから、共感できるところが多かった。個人的には好きです。 誰にでもあるしこりが残る辛い人間関係上の経験、これを乗り越えるための「巡礼」の話。
0投稿日: 2015.12.15
powered by ブクログ大学時代のある日、突然に仲間から絶縁を申し渡された主人公・多崎つくるが、16年の時を経て、その時の事情を知るためにかつての仲間たちを訪れる物語。 切り捨てられた時の苦悩と内省。ひとつの山を越えた時の静かな思い。新しい段階へ足を踏み入れようとするときの痛み…。他者の個性が彩り溢れたものに見える一方、自分はとみるとそれらと比べて何も持たない凡庸な人間と思えてしまうという心情は、私みたいな平凡な人間にはよく分かる。 一方、他者から見える自分は自分が知る自分とは違うということもままある。その内に、どれが本当の自分かというよりも、歳を取ればそれもこれも含めて自分だということが分かってくるのだけれど、そうした人生の途中にある人の心情をベースに語られるお話は、読む者に自分の人生をなぞらせる。 主人公があの時何が起きたのかを探る旅は、事情を明らかにするとともに今までの人生に方を付けていくという意味で、正に“巡礼”というに相応しく、エリと再会し別れる場面の切なさに、私には日本から持ってきたプレゼントを渡す場面が何故か一番心に沁みたのだけど、人がひとりで生きていく儚さを感じる。 本を読むのは大半が通勤電車の中の私は、どちらかと言えば暇潰しに読んでいるみたいなものなので、いつもはライトなものを読んでいるのだけれど、たまにはこういう本も良いものだと思った。本物の香り、格が違うという感じ。
4投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログ2015/12/11? 読了 つくるって名前素敵だなーとまず思った。 色彩を持たないって言ってたけど、色んな色の人たちを調和するつくるは、光の三原色が混じったみたいに白のようになって、色彩を欠いたように見えたのかな、とか思ったり。 帯にもあった、 自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ。 ってセリフが素敵だった。 そして沙羅の気がわからない、、 でも、沙羅とどうなるかわからない結末だけど、かつてあった五人の調和体と同じように、つくるにとっていい出会いだったんだろうなー
0投稿日: 2015.12.11色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
独白が長くのしかかり息をつけないほどで自分の中の闇と対峙していた。小説を読んでいつも思うのは続きを読みたくなるところで終わり独りに放り出されてしまうことだ。
0投稿日: 2015.12.08読みやすい本ですが?
大変に読みやすい本でが、一度読むと疑問が起こります。 その疑問を解決の為にもう一度読むとさらに疑問が出ました。 読み終えて今後の人生に希望が少し見えてくるような気がします。 読み手を選ぶ本かもしれませんが、 一度読んでみませんか!!
1投稿日: 2015.12.08
powered by ブクログ本書を読んでいて一貫して感じたのは、なんというか、等身大とでもいうのか、「ねじまき鳥」とか「カフカ」とか「1Q84」とは違って、いつ自分の身の上に起こってもおかしくないような話だということだ。高校生のときの友人グループ5人がまず最初の登場人物。シロ、クロ、アカ、アオ、そしてつくる。女2人と男3人。僕自身印象に残るのは高1のときの6人。Oo、Y、K、Ok、U、そして自分。6人一緒にいたことが多かったような気がする。その後、仲たがいがあったとかではないけれど、僕は1年休学をしたため、学年が1つ遅れて卒業。しかも、大学附属高校出身で他の5人は内部進学だったが、僕は他大学へ進学。自然と関係が切れてしまった。次に1つ下の後輩Iと仲良くなった。Iも他大学に進学したため、結構気が合った。数年後、フリーターをしていたIに声をかけ、僕が就職した会社に来てもらった。けれど、うまく合わずしばらく来て辞めてしまった。それ以来会っていない。気になっているけれど音信不通のまま。これは、灰田との関係を思わせる。沙羅と同じように、僕が好きになった女性(いまのパートナー)には当時好きな男性がいた。聞きたくはないけれど、聞かざるを得ない、そういう気持ちに僕もなった覚えがある。多分、つくると違う点は、僕には学生時代に寮生活で出会った、いまも関係が続く親友Sがいるということだ。1人でもそういう人物がいると、会社や近所付き合いの中でそれほど深い付き合いを必要と感じなくてすむ。僕は人付き合いが得意ではない。誰とでも気軽に話ができる方ではない。人に話が合わせられない。自分の興味と重なる人が身近には少ない。そういえば、会社の中で60人ほどの人の前で話す機会があり、自分の読書遍歴を披露した。村上春樹を続けて読んでいる人とたずねたら、1人しかいなかった。めったにそういう人とは出会わない、貴重な人物だった。さて、沙羅とはうまくいくのだろうか。何度も夜中に電話なんかするんじゃないよ、もう36歳にもなるんだし、相手の重荷になるようなことはするなよ、とつくるに言いたくなった。(でもよく考えると、僕も毎晩のようにいまのパートナーに電話をしていた時期がある。30歳の頃のこと。)それから、文体がいままでとは違う気がして、気をつけていたのだけれど、結局「やれやれ」は沙羅が発した1回だけだった思う。その一瞬、村上春樹を読んでいるという感覚になった。登場人物は限られているが、実は最も印象深かったのは、クロの家を案内してくれた老人だった。もし映画化するとしたら、誰が似合うだろうか。リスト「巡礼の年」ベルマン演奏のCDを購入した。クロとの会話を読みながら聴いた。ヤナーチェクと違って、BGMとしてフィットしていた。僕は第3年のエステ総の噴水という名の曲が気に入った。
1投稿日: 2015.12.07どこに絞ってレビューを書くか、迷う程の面白い作品
一気読みさせてくれるのは、16年前の人生最大の謎ときの旅が面白いから。前向きな気持ちになるのは、登場人物がちゃんと生きようとしていることが伝わるから。切ない気持になるのは、二度と会えない友達を思い出すから。やりきれない気持ちになるのはもう元に戻れないことがあるのを知っているから。わずか数百ページで自分の人生のいろいろな思い出や気持ちを、次々と引き出してくれる、それをこれだけ読みやすく面白く書いてくれている、すごい作品です。
15投稿日: 2015.12.07
powered by ブクログたぶん、表面のストーリーだけではない、深いものがあるのだろう。記憶と意識とか、社会的な関係とか、人生にとって時の経過が持つ意味、とか。
0投稿日: 2015.12.05
powered by ブクログ以前、単行本を読みました。 この作品では、主要な登場人物には色の付いた名前が多く付けられています。 けれど、うまいなぁと思うのは、色彩の入っていない登場人物の名前。 まず多崎つくる。 彼は特定の色彩を持っていないけれど、「多い」という字を付けられている。 つくる自身は最初から最後まで一貫して、自分のことを個性も何もない空虚な存在だと思っているにもかかわらず。 それから彼に順礼を勧めた女性である、木元沙羅。 彼女の名前である沙羅からは、「まっさら」という言葉を連想しました。 色の付いた名前の登場人物のことを取り上げている場合が多いけれど、この二人の人物の名前の付け方に、著者の多崎つくるという人物についての思いと二人のその先の関係がどうなっていくかの予測が含まれているような気がします。 謎が謎のまま残されているというのも印象的でした。 つくると沙羅の関係がどうなるかということも作品の中では触れられていないし、灰田くんはどうしちゃったのかな、とか、白根さんはどうしちゃったのかな、とかその辺りのことは作品の中に記述がありません。 小説を読むときにどうしても、謎が全て解決してそうだったのかすっきりした!! というのを求めてしまいがちだけど、現実には、わからないままになっていることの方が多い。 だから、謎のままにされている方が自然なのかもしれない。 そうしてある方が空想する隙間も多いので、それが作品の魅力の一つだろうと思いました。 哲学的な部分も多く、示唆に富んだ作品でした。 色彩の描写が多いので、それを追うだけでも面白かったです。
2投稿日: 2015.12.04
powered by ブクログ明確な解を用いない作風は相変わらずともいえるし個性とも捉え得る。が、真に少なくとも色彩を持たない者は何れかという皮肉さよ
0投稿日: 2015.12.03
powered by ブクログな…泣いてしまった……。 村上春樹先生ってすごい…… エリとつくるの再会シーンが大好き…というか、心に残ります。 もう失ってしまった何か、でもかつてはあったはずの完璧な何かを想うと切なくて、気付いたら泣いてました。 つくると沙羅がどういった答えを出すのか。 できたら幸せでいてほしいと思うけど、私の中では別れのフラグが立ちまくってます……。
2投稿日: 2015.11.23
