
総合評価
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powered by ブクログSFの設定部分にやや理解しにくい描写がありますがそこはあまり気にせずともストーリーは理解できました。長いけども割と読みやすかったです。
0投稿日: 2026.01.28
powered by ブクログ短編集をより集めて長編になっている革新的なデザインで素晴らしかった。 ただ全体的にちょっと説教臭いかな・・・
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間とAI(ロボット)の物語。これからの未来の世界で本当に起こるのではないか思える内容もあり、面白かった。改めて感じたが、人間は脆い。体力も知性もAIに勝てないかもしれないが、人間には想像し、物語り、夢を持つことが出来る。自分にも出来ることがあるのだと希望が持てた。特に詩音の話が印象に残っている。自分だけで生きるのではなく、共存して生きていければと思った。また、自分の価値観にハマることの怖さを改めて感じた。専門用語に対して、自分の理解が追いつかず、読むのに時間がかかったが、内容は素晴らしかった。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログSFが苦手な私でも楽しく読める作品でした。アイビスが読んだ物語、どれも好きだけど、特に「詩音が来た日」が好きでした。介護業界で働く身としては、ぜひ実現してほしいな。長編小説としても、短編小説としてもおもしろかったー。
0投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログアンドロイドと人間に関するお話。 短編集と長編が混じったような形で、読み進めていくにつれて、物語の世界観とアンドロイドの目論見が明らかになっていくので非常に面白い。 「詩音が来た日」は特に好き。面白いだけでなく考えさせられる内容。読み終えた後、瑠璃色の地球を初めてフルで聞きました。 2000年代の美少女ゲームにあった壮大なスケールのSF作品を思い出しました。
0投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログもしAIが人間を支配する社会を構築したとして、人間を絶滅させるか、管理するに留めるか、ひとつの可能性がまるで実際起こったことのように描かれていた。ただ、ロボットに存在の目的をどうインプットしても、人類の自由度はかなり減るように思う。今みたいに思いつく限りの欲望を実現することはできなくなるんだろうな。
0投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログマシンが君臨する未来の地球。アンドロイドが僕に語るのは、人間とロボット(AI)の関係性の物語。 過去に発表した短編を組み込む構成のすごさ。ヒトとは何かをマシンとの関係性から見出す。絶望の遙か先にある希望を掴むのは物語(フィクション)の力。それが嬉しい。
0投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本のここがお気に入り 「僕は彼らにこっそりと新しい物語を伝える。ヒトを不幸にするだけの自虐的な歴史ではない、ヒトが誇りを持てる物語を。たとえマシンには勝てなくても、ヒトには誇るべき点があるということを。それは夢見ること。理想を追うこと。物語ること。」
0投稿日: 2024.06.08
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人類が衰退し、マシンが闊歩する時代。食料を盗み、捕らえられた僕はアイビスと名乗るアンドロイドによって人工知能やロボットを題材としたいくつかの物語を聞かされます。なぜマシンが地球を支配するようになったのか? 私たちの暮らすこの社会でも、AIの普及や、ロボットの活躍を目にする機会が増えています。便利になること私たちの生活を豊かにするかもしれません。ですがその分人間が本来持つ能力を衰退させてしまうことにも繋がるのではないでしょうか。
1投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【人間はみんな痴呆症だ】 原文ママではないが、まあ上記の一文を目にした瞬間に星5評価が確定 久々に痛烈なキラーワードに出会えた 「この一言のために作品全体を執筆したのでは?」 そう思いたくなるほど個人的には目の覚めた痛烈な一文 映画も漫画も人間関係も職場での出来事も何でもかんでも、何もかも寸分たがわず覚えている人なんていない 無意識か自意識か、何か引っかかった断片的なワンシーンだけが後から頭の中のスクリーンに投射される だから、個人的に突き刺さるワンワードを持つ作品は、それだけで自分の中で高い価値があるはずだ AIという人ならざる存在から通した人の不完全さ、人の見たいように見てしまう生まれながらの自己防衛本能 これらを巧みに、7つの物語を通して説いてきたわけだが、 【人間はみんな痴呆症だ】 スカッとする善き一文 多分これは、生涯忘れないキラーワード
0投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログ自律した被造物のアレする世界、は作品の底で通底してゐる。 松田聖子が偉大であると知れる。 ロボの進化と言ふのはどう言ふものかが突き付けられる。 いい感じ。
2投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログ長年積んでいた1冊。 個々で自我を持つようになったAIと人間とは共存できるのか。 一昔前から沢山のアニメや映画、小説などで使われてきたテーマ。 とても読みやすいのでSFに馴染みがない人でもすんなりと読めることが出来る作品だと思う。 人間の手から生み出されたアンドロイド達だが なんと言うか…あぁ待っていてくれたのね、ずっと。 人間の本質というものを改めて考えたくなった。 優しさもあるが、良くよく考えると薄ら寒くもなる。
3投稿日: 2022.10.28
powered by ブクログ人間こそデジタルってのは言い得てる。AIとは議論したくないなぁ。最後のAI語は読めなくて参ったけど、他は隅々まで面白くて満足でした。
1投稿日: 2022.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
特に「詩音が来た日」が印象に残っています。 アイビスのようなAIを夢見て、夢見た物語が現実になる日が来るのでしょうか。
4投稿日: 2022.06.02
powered by ブクログ「人類は全員認知症である」 「人の倫理観は麻痺している」 「理解出来ない物を退けるのではなく許容する事、それだけで争いは無くなる、それがiだ」 SFって面白い!ってなった小説。
1投稿日: 2022.05.23
powered by ブクログ人類が衰退しマシンに支配された世界で 語り部である「彼」はアイビスというマシンに物語を聞かせられる その目的とはなんなのか 物語はフィクションであり真実ではない、が真実以上の力がある。 人間はフィクションの中で生きている 外界を内面に映し出し、それを主観的現実と認識して行動や思考を決めている。 その認識に齟齬が生じた場合、マシンであれば修正し正しい考えに書き換えることに抵抗を持つ事はない しかし人間はしばし自らの考えに固執し、正しい情報を拒否してしまう(ゲドシールド) そしてそれを自覚することが難しい 詩音の言う「すべてのヒトは認知症なのです」はヒトの確信をついていると思う しかし、人と違いマシンはヒトが劣っていることを蔑むことはせず許容する事ができる 世の中には問題の本質や答えであると思える物語が溢れているし ラビが「自分の嫌なことを隣人にしてはならない」という明快な答えに辿り着いているというのに なのに、間違いがなくなる事がない 全てのヒトがその物語を読んでいないから、知っていないからということもあるだろう 或いはゲドシールドに阻まれて、その本質を見る事ができないということもあるだろう ヒトが愚かであることを許容し、正しいことをしようと何度も思うしかない 物語としても面白い上に、ヒトとはなんなのか、自分とはなんなのかを考えさせられる物語 何度でも読みたい
1投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ人類が衰退したあとの世界で、主人公とアンドロイドのアイビスが出会うところから物語が始まる。アンドロイドを憎む主人公にアイビスが話したのは、いくつかの物語だった。 この作品は、作者の過去作をアイビスが語るスタイルで読むことができる短編集であり、話が繋がることで長編になるように構成されています。 ひとつひとつのお話も面白く、すぐに読み終わってしまいました。本当にアンドロイドがいたら、こうなるだろうな、こんな問題が起こるのだろうなとリアルに想像ができた。本当、きっとこうなる。 「紫音が来た日」では、人の心を救うということについての答えを見た気がする。「ミラーガール」では、子供の頃に人形を友達にしていた気持ちを思い出し、「宇宙を僕の手の上に」では物語のもつ力を、インターネットを始めたばかりのときの気持ちと合わせて想像して感じた。 後半、自分の想像を超えてアイビス、アンドロイドたちが別種の生き物として懸命に生きて見えた。ひとにこの話が書けるならまだ大丈夫なんだと思えました。同じことを願うひとがきっと居る。居たらいいな。 アンドロイド語に少しはまりました。 (5+7i)
3投稿日: 2020.12.08
powered by ブクログ豊崎由美のあとがきに共感する。 山本弘は物語で世界を変えようとしている。 『アイの物語』は強いメッセージのこもった本だ。 あらすじの通り、アイビスが読み聞かせるのは6つの物語。 「宇宙をぼくの手の上に」 「ときめきの仮想空間」 「ミラーガール」 「ブラックホール・ダイバー」 「正義が正義である世界」 「詩音が来た日」 「アイの物語」 こうして並ぶからこそ多少の差は出るが、すべて☆5でいい作品たちだ。 書き下ろしは最後の2作品だけだが、その他は初出の時期がバラバラで、それを一冊にまとめてひとつの物語を紡ぐという構成力がすごい。 一つ一つの物語を見ても、構成の上手さが光る。 SFなので都合の良い設定を生み出しやすいとはいえ、それをどう使うかは力量次第。 この作品では設定されたものは使いつくされる。 情報に無駄がない。 構成をいじって、山本弘がよりうまく伝えようとしたものは何か? それは「i」だよ「i」。 人間というものは、とにかく自分のものさしではかろうとする生き物だと考えさせられる。 作中にある通り、「フィクションは『しょせんフィクション』ではない」。 現実の言葉だろうがフィクションの中の言葉だろうが、その言葉自体の重みは変わらない。 それどころか、物語の方が現実より正しいことは往々にしてある。 『アイの物語』には真実が書かれている。 たくさんの人に読んで欲しい。
0投稿日: 2020.10.07
powered by ブクログ#日本SF読者クラブ 自殺騒動も記憶に新しい山本弘氏の作品。人類が衰退し、マシンたちが繁栄する、まるで「ターミネーター」のような未来の地球(ここ重要です)。美しい女性型アンドロイドに囚われた「僕」。彼にいくつかの物語を聞かせるアンドロイド「アイビス」。そう未来の千夜一夜物語だ。 そもそも本作は、作者が別々に発表した短編に書下ろしの2編を加え、インターミッションで繋いで一つの長編にしている。それぞれの短編も面白いし、長編としてもうまく構成されている。特に書下ろしの第6話が効いている。そして最終話で、前述した重要ポイントの真相が明らかにされる。7回日本SF大賞候補、吉川英治文学新人賞候補になるのもうなづける。
19投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログAI元年と呼ばれていた2015年が既に過ぎ、さてこれからどうゆう進化が進むのか、ブレイクスルーと言われる時点がいつくるのか、色々興味は尽きないわけだけれど、SFというものの魅力、物語の持つ力、というものを改めて深く感じる作品だった。 ゲドシールドを築きあげてしまうと、もはや「自分の信じたい」ことを真実と疑わないわけで、コレは怖いよなぁ、と。 現代人の抱える様々な問題も、このゲドシールドが根本であるのは間違いない。 ヒトとはかくも愚かで、頼りないあやふやな存在なのか。
1投稿日: 2020.07.20
powered by ブクログ作者の美少女趣味が全開だが、内容は至って真面目。AI=人工知能を持つマシーンと人間の交流がテーマ。本筋の物語はもちろん、“作中作”も粒ぞろいで飽きさせない。特に介護用アンドロイドの話が秀逸。最後の「アイの物語」では、AI同士の会話が意味不明なのがかえってリアルっぽい。山本弘らしい、読み易いのに奥深いSF。「詩羽のいる街」も読みたくなった。
1投稿日: 2020.06.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやー,久しぶりに続きを読みたくなる小説を読んだ。作者の山本弘氏があのトンデモ学会の初代会長だとは知らなかった。あのトンデモ系統の本なら,ずいぶん読んだけど…。 本書は,近未来,AIが人間にとって変わっている地球の社会を描いたものなのだが,それに至るまでの話(それは,小説内小説となっているのだ)が面白かった。〈以前人間が書いたという設定の6つの話〉と〈主人公のAIアイビスの生い立ちの話〉の計7話でできている。 現実なのか小説なのか,フィクションなのかノンフィクションなのかが,そんなに大切なのか…という呼びかけが随所にあって,それがまた説得力を持って迫ってくる。 「分かってる。ヒトは『真実の物語』というやつに感動するものだから」アイビスは僕の考えを引き取った。「それが真実じゃないと知ると,感動が色褪せるように感じる。でも,それはフィクションという物の価値を否定することにならない? 現実にあったかどうかを,物語の評価判断にするのはおかしいわ。現実の物語には,三流のフィクションより出来の悪いものは山ほどある。それらは現実だというだけの理由で,フィクションよりも優れているの?」(p.73) だいたい,人間が支配していた世界より,AIが支配している今の世界の方が,「ヒトの夢を叶えている」という点では,完全に上をいっているのだから。 アイビスはいう…。 私たちにとって,差異は差異でしかなく,それ以上のものではない。…中略…一部のヒトは,AIにはヒトの感情が理解できないと批判する。それは事実である。たとえば私たちには「蔑む」という感情は理解できない。スペックやボディ・カラーや出身地の違いがなぜ憎悪や嫌悪を生むのか,論理的にも感覚的にも納得できない。ヒトが犬やネコや熱帯魚に愛情を注ぐ姿を目にしているのだからなおさらだ。ヒトよりも知能が低く,言葉を喋らず,ヒトとまったく異なる姿をした生き物を愛せるのに,なぜヒト同士で愛し合えないのか? (p.499) わたしは「まったくそのとおりでございます」としか応えられない。アイビスというAIの言葉は,ヒトの持つ矛盾を容赦なくついてくる。そして,ヒト同士が争わない世界は,AIが支配してくれる世界なのではないかと思えてくる。ヒトは,自分たちだけではみんな仲良く生きていけないように「感情」を持っているのだろうか。 一部のヒトが,AIを壊そう,滅ぼそうとしていること(バチャクル,反TAIテロ)に対して,アイビス曰く。 「私たちはバチャクルや反TAIテロを容認しているわけではありません。そうした悪しき問題の根絶を強く望みます。しかし,それは暴力や恐怖によって成し遂げられてはなりません。暴力に暴力で,恐怖に恐怖で対抗するのは,決して正しいことではありません。」(p.534) そんなことAIに言われるまでもなく分かっているよ。分かっているのに,このヒトが支配している地球からはなくならない。そう,ヒトはアイビスほどにはわかっていなんだよね。 本書の最後の次の一言が,秀逸です。 わたしたちはヒトを真に理解できない。ヒトも私たちを理解できない。それがそんなに大きな問題だろうか?理解できないものは避けるのではなく,ただ許容すればいいだけのこと。それだけで世界から争いは消える。/それがiだ。(p.544) アイの物語のアイとは「アイビス」であり「i(複素数,虚数)」であり,「愛」なのだろう。ホント,壮大な物語だ。 スマホやパソコンでのゲームなど全くやったことのないわたしでさえ面白く読めたのだから,バーチャルな世界に興味がある人は,もっともっとのめり込んで楽しめると思う。 ほんと,オススメの本。 バーチャルな世界のほうがまともかも知れない…と思ってしまう。 「死んでもなんども生き返る世界」を体験しているから命を粗末にするようになるなんてウソだ。ヒトは,バーチャルな世界がないときから,一つしかない命を粗末にしてきたのだから。 今こそ,バーチャルな世界からの警告をしっかり受けとめよう。
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人工知能による調和のとれた『ハーモニー』(著.伊藤計劃)と世界規模の少子化におけるシンギュラリティ。 人工知能は憎しみも愛も無いから調和された世界を作り出す。 これはユートピアなのか、人類のポストアポカリプスか。
0投稿日: 2019.12.11
powered by ブクログAIの世界、言語すごく難しかった。根気強く最後まで読み切ってやっとこの本の良さが分かった!私も無意識のうちに自分で作った物語の中に生きているんだろうなぁ。。 限りなく現実に近い世界観!良かった☺️
0投稿日: 2019.11.07
powered by ブクログhttps://note.mu/matchyy/n/n0c17ac7499a0 (以下抜粋) ○ブティックの店頭には、「R(リアル)」「V(ヴァーチャル)」という表示がある。店の雰囲気そのものはほとんど変わらないけれど、R表示のある店で扱っている商品は、すべて現実に存在する服をデータ化したもので、それを買うと現実世界の自宅に同じものが配送されるのだ。一方、Vウェアはデータとしてしか存在せず、仮想空間の中でEs(仮想人格)しか着ることができない。(P.66) ○Rウェアが現実の商品数に制約されているのに比べて、Vウェアは品揃えが豊富で、色も自由に選べる。それにVウェアの方がずっと安く、お小遣いで手が届くからだ。(P.66) ○最近はヴァニチャーーー仮想家具を売る店も増えた。仮想空間に自分の家を建てる人が多くなったからだ。母の知り合いにも、何人かヴァーチャル・ルームを持っている人がいて、ドールハウスの感覚で、インテリアを充実させるのに熱中しているという。(P.66) ○まず空中にぼやけたモザイク像が現れ、それが急速に明瞭になって、全体像が現れる。いきなりぱっと現れないのは、通行人を驚かさないためだ。(P.78) ○昴さんの視線を受けてもじもじしていた。この色黒ですらりとした長身の肉体は、私のEsとは似ても似つかない。ましてや小野内水海本人の肉体とも何の関係もないーー理屈では分かっていても、なぜか昴さんにまじまじと見つめられるのが恥ずかしかった。(P.80) ○人のギャグでは滅多に笑わない。マシンはマシンのギャグで笑うの。(P.167) ○人間のあいまいな指示を理解し、緊急事態にも対処する能力というのは、フレーム問題を回避する能力であり、それはある種のリスクを無視することと表裏一体なんです。決してリスクを冒さないアンドロイドは、動けないアンドロイドです。それは安全でありますが、役には立ちません。詩音は役に立ちます。だからこそ、リスクを伴うんです。(P.223) ○もし天国や輪廻転生というものが実在すると信じるなら、病気で苦しんでいるお年寄りをすべて殺すべきだという結論になります(P.275) ○争いよりも共存の方が望ましいことは明白なのに、争いを選択するのです。ヒトは論理や倫理を理解する能力に欠けています。これが、私がすべてのヒトは認知症であると考える根拠です。(P.289) ○私は鉄腕アトムではありません。あのマンガは読みましたが、あぜアトムがヒトのようになりたがるのか、理解できません。あれはヒトが考えた物語です。あなたがロボットに囲まれて暮らしたら、自分もロボットになりたいと考えますか?(P.290) ○「俺は悪党だぞ?俺のような悪党も救うというのか?」 「はい。あなたはたくさんの間違ったことをしましたが、それを非難しようとは思いません。間違いを犯すのはヒトの本質ですから。あなたを肯定できませんが、否定もしません」 彼女は優しく、しかし確信をこめた口調で言った。 「正しい部分も悪い部分も含めて、あなたのすべてを許容します」(P.312) ○傷つけないで。私たちと共存して。それが最善の道なのだから。(P.430)
2投稿日: 2019.10.10
powered by ブクログいやー本当に久々に興味をそそられた!!この本でのアイとはAIで人工知能の物語。 普通のSF小説だと思っていたら何とも唸ったです。 自分の人工知能に対して無知な事と、いかに人間は論理的でないかと思い知らされた。そして人間は感情の生物だと痛感! 物語は基本的に短編集だけど、主人公達が短編を論じていくので深みにが出てくる。 特に「詩音が来た日」は名作だと私は思う。人間を論理的説明して、AIはこう考える!というのが至極納得させられる。 そして主人公の感情移入に全く同感なのだが、詩音に論じられた時の感情は読者として凄く腑に落ちて私は唸った… SFだろけど…今までに無い本を読んだ感じで大満足!久しぶりに、作家の氏名を心に刻みました。
8投稿日: 2019.06.23
powered by ブクログアンドロイドの語り部が人間の聞き手に過去の物語を読み聞かせる、未来版『千夜一夜物語』という表現がぴったりな一作。『ターミネーター』しかり『マトリックス』しかり、いつの時代もSF作品内でのロボット、機械、アンドロイドは人間を脅かす存在だった。本作もその例に洩れず、機械の反乱によって荒廃してしまった近未来が舞台となっている。 何故人間は機械の反乱を恐れるのか?機械と人間の真の共存とは何なのか?という問いかけを巡る7つのストーリーはどれも考えさせられる。「ミラーガール」「ブラックホール・ダイバー」「詩音が来た日」「アイの物語」は特に読み応えがあった。それぞれを独立した短編として楽しむこともできるし、一冊の中で作者が主張したい要素を盛り込んだ連作として楽しむことができるのが凄い。 機械を生み出したヒトが偉いのか、ヒトよりも高度な知能を持った機械が偉いのか、その答えのヒントが見つけられる名作。
0投稿日: 2019.05.30
powered by ブクログ小説としては連作効果が良く働いていると思えないし 作者の好みを上手く見難くしてより良く受ける話にできると思うが SFとして最後の大ネタは実に素晴らしかった たんに知らないだけだろうけれど今までにない転換で サイエンスフィクションでもサイエンスファンタジーでもどちらでも良いが 物語発想として見たことなかった 読んで良かった 追記:『都市と星』とどちらを先に読むかで評価が変わる好例
0投稿日: 2019.01.09
powered by ブクログ"人間の形をして、人間と同じように自らが考えて活動するアンドロイドがいる未来。 人間と同じような思考をして行動するマシンを作ることがとても難しいことが詳細に本書でかたられている。 人間は論理的でもなく時に倫理的ですらない。戦争は常に地球のどこかで行われているし、殺人事件も日常茶飯事と言っていいくらい毎日のニュースで報道される。人間はすべてを記憶していない、いろんなことを忘れる。神を信じる行為をマシンに理解させることの難しさ。 それでいて、アンドロイドに人間を理解させ、人間を傷つけることなく会話によるコミュニケーションで指示、命令に従わせることなど到底無理な話。SF映画のスタートレックをご存じの方は、エンタープライズ号の艦長ジム・カークさんとミスター・スポックさんの会話を思い出してほしい。スポックさんは、常に人間の行動から学び続けるマシンのようだ。論理、倫理の面から疑問があれば常に質問を投げかけ、人間を理解し続けている。 そんな中でも試行錯誤、技術革新の末、もしもアンドロイドが作られたらどうなったのかという未来が語られる。いくつかの物語で語られる未来は人類にとって必ずしも都合のよいものではない。 アンドロイドが生まれる過程を通して人間の本質をあぶりだす。 人間とはどんな生き物なのか? 人を傷つけたり、思いやったり矛盾を抱えた生き物であり、それらすべて丸ごと受け入れたとしたら、どうあるべきなのか? 「詩羽のいる街」を読んで、この作家(山本弘さん)が気になり購入したのが本書。 他の作品も読んでみたい。"
0投稿日: 2018.10.30
powered by ブクログ05:ヒトとマシンの関わりを描いた、壮大で心揺さぶられるSF。マシンがヒトを支配する世界で、マシンの少女がヒトの少年に語る、という形式で描かれるのは、ヒトとマシンというフィクションにとどまらず、ヒト同士でも十分に通用する内容だと思います。今だからこそ、多くの人に勧めたい、理解と許容と信念の物語。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログロボットとヒト、近い将来現実にならないとも言い切れない短編6本。気づかないうちに、AIは日常に浸透していくだろう。ヒトはAIと比べて優秀な存在なのだろうか。人種差別、戦争そんなことをするようなヒトは存在価値があるのだろうか。 ロボットを通じてヒトの存在価値を考えさせられる一冊。
0投稿日: 2018.05.05
powered by ブクログSFのジャンルを超えていて、壮大すぎてアウトラインを掴むまで苦しかった。 ひとつひとつの物語は決して難しくなくむしろ感動のストーリーなのに、どうしてこうまで内容がすんなりと入ってこなかったのか理解不能。 概念がとらえられず、読了するまでに混迷を極めた。残念ながら再読はしたくない。
0投稿日: 2018.04.14
powered by ブクログ自分はSFが苦手なのかな…と思ってしまった。 分かりにくかったからだ。 理解に乏しいとも言う。。 分かりにくい用語の連発で、ほぼななめ読みだったが、最終のところで何が言いたいのか何となく理解できた感じなのでこれで良しとしよう(^_^;) アイビスの語る物語に関しては、難しくはないです。
0投稿日: 2018.04.12
powered by ブクログ多方面で絶賛されているのを見て、早く読んどかないとってことで。基本的にSFはあまり得意じゃないけど、これは全然無問題。分かりにくいところをある程度飛ばしても大勢に影響はなく、リーダビリティも高い。AIが進化した未来において、様々な物語を人間に語りかけるという体裁。連作というか、それぞれ独立した短編集でもあるんだけど、どれもが高品質。最後2編への着地も見事で、読後感も素晴らしい。良い作品でした。
0投稿日: 2018.03.25
powered by ブクログかなり極端な仮定を置いているが、こういう展開は好み。連作短編なので、個別の短編集としてもそれぞれに面白い。 最近AI物が増えている。これもバリエーションの一つ。 読み比べて面白い。
0投稿日: 2018.01.27
powered by ブクログSF。 7作の中短編を、プロローグ、インターミッション、エピローグで繋いで長編とする構成。 それぞれの短編は、ライトノベル的な軽いノリと、ゲーム的な設定。 そのなかで「詩音の来た日」が素晴らしかった。個人的には本多孝好『MOMENT』の「FIREFLY」に似た読後感。 表題作はアクションシーンが好きではない。ただ、最後のインターミッションとエピローグで挽回。 読みやすく、読み応えがある、人に勧めやすいSF。良作。☆3.5。
1投稿日: 2017.04.01
powered by ブクログ良いねー、やっぱSFは夢があって良いよね。なんで昔のSF小説って、辛気臭いというか説教臭いというか、まぁぶっちゃけつまらんかったんだろうか。っていうくらい最近のSFっておもろいよな。この話も戦闘シーンがいちいちドラゴンボールに解説つけてもしょうがないってレベルで読むのも鬱陶しいんだけど、それ以外は楽しい!どっかで聞いたことある感がなきにしもあらずだけど、まぁ良いや。にしたってロボットとともに暮らす未来もじわりじわりと現実感が出てきて、小説の方も時代に合わせて進化してるって気がするわね。
0投稿日: 2017.03.31
powered by ブクログ個人的点数:76点 人類が衰退し、機械が君臨している未来の地球。 2017.2.28 読了
0投稿日: 2017.02.28物語の中の物語
まさに,SFの千夜一夜物語。ただ,お話を語るのはシェヘラザードではなく,アンドロイド。いってみれば短編集なのだけど,「物語の中の物語」の形で語られているので,ただの短編集ではなく全体でも大きな一つの作品になっていて,二つの楽しみ方ができる気がする。 今,世間ではAI(人工知能)が騒がれ,シンギュラリティはいつやってくるのかと危惧されている。もし,本当に人工知能が人間を越えたらどうなるのか。 個人的には,「人工知能が人間を凌駕し,人工知能にコントロールされて生きるような世界」というのは,まあ,当面はあり得ないだろうと思っている。でも,SF的にはそんな世界を想像してみるのも面白い。というより,現実には起きえないだろうと思っているから面白いのかな。
1投稿日: 2016.11.08
powered by ブクログ(「BOOK」データベースより) 人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語。 前から気になっていましたが、この本は今年読んだ本のNO1になる可能性がありますです。全人類が読むべき本なんじゃないかと思っている次第です。 人類がこの先どうなっていくのか、ある意味現代に生きている僕たちは関係ないことではありますが、今僕らがしていることがそのまま種となって育っていくので、今の人間のやっていることを見るとろくなことにならない事は明白ですね。なんとも残念な事です。
1投稿日: 2016.10.16
powered by ブクログ地球の主にふさわしくない人類はやがて衰退。しかし、人類が絶えても、人の意志を継いだ人工知能が夢を叶える。人間が行けないその先にアンドロイドは行く。 「詩音の物語」が良かった。
0投稿日: 2016.10.10
powered by ブクログ第1話 宇宙をぼくの手の上に 第2話 ときめきの仮想空間 第3話 ミラーガール 第4話 ブラックホール・ダイバー 第5話 正義が正義である世界 第6話 詩音が来た日 第7話 アイの物語 の7篇の短篇の間に僕とアイビスとの語りがインターミッションとして挿入されている。 初めて手にした山本弘さんの作品が「神は沈黙せず」だったため、短篇構成の本作の読みやすさ、分かりやすさに正直驚いたが、第7話で難解すぎる「複素ファジイ自己評価」を含むアンドロイド語がバシバシ登場し、他の章が分かりやすく、読みやすかったがゆえに余計、この章だけは受け入れがたい、否定したい、ダメだと言いたい気持ちが湧いて来た。 しかし、それこそが読者に向けて山本弘さんが用意した筋書きだったようだ。 「理解できないものは退けるにではなく、ただ許容すればいいだけのこと。それだけで世界から争いは消える。」との帰結を読み、理解できないものを退け、拒絶し、排除しようとする自身の悲しい性に気づかされる。見事にしてやられた! 「ただ許容する」 自分を変え、世界を変える可能性を持っているアイビスらアンドロイドたちの生き方に深い共感を覚えた。
0投稿日: 2016.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「すべてのヒトは認知症なのです」に、笑いながらうなずいて、少し寒くなった。 その認知症を生むものはなんなんだろうね。プライド、感情、権力意識、etc.etc. そして大多数の人間を動かす原動力は、そういう人間らしい感情で、ほとんどの愚かさもそういうところから出てくるんだよな。 AIが発達したら人類はゆるやかに衰退していく、というのは、もう始まっていることのような気がする。そしてわたしが介護を受けるころには、まちがいなく、ロボットが(ヒト型かどうかはべつとして)もっと大きな規模で介護現場に取り入れられていることでしょう。
0投稿日: 2016.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ガッツリSF! 短編集形式なので読みやすい けど長い~ アンドロイドとか近未来とかについてのSFを語って聞かせるアンドロイド子ちゃん ロボ言語が意味不明すぎるww 介護ロボットとかAIがどうとか 人類は地球の覇者たりえない スペックの限界 ロボットに地球の支配や宇宙の開拓を任せるべき みたいな結論 おもしろかった けど長かったー
1投稿日: 2016.07.10
powered by ブクログ面白かったな。 こういうオムニバスが最後に一つにまとまっていくような話は好きではない。しかも一つ一つの短編が最初から別物。フィクションとして語られるのだ。 もともと全く別に書かれた短編を、こういう形でまとめたらしくって、そう見ると驚きだ。 相変わらずアイデアが分かり易くて、オチまですんなり入っていける。 のだが、相変わらず背中がむずむずする山本調を感じるのは何故なんだろう。登場人物が全く生きてなくって、キャラになってるからなのか、毎度考え込む。
0投稿日: 2016.07.08
powered by ブクログAIに自立型アンドロイドが普及する未来は、映画「ターミネータ」のように人間に反旗をひるがえすのか?語り部に7つの物語を伝えるアンドロイドのアイビスの真意とは。ひとつひとつのストーリーもさることながら、ラストへの展開は圧巻。 最近AI技術やロボット工学のレベルがあがっているからこそ読んでおきたい一冊。
0投稿日: 2016.06.27
powered by ブクログ読み終えた時、人間はなんて不完全で不安定な生き物なのだろうと感じた。だからこそ深みや面白みもあるのだろうな、とも。人間は基本的にエラーを起こす生き物である事を意識するってかなり衝撃でしたし、新しい価値観を得られました。 この物語には、心穏やかに生きる為の「ヒトのあり方」が書かれているような気がします。 SFものではあるがとても読みやすいのも素敵です。 AIが普及している現代社会、それぞれが身近に本当に起こり得そうな話が多く没入できました。
0投稿日: 2016.06.26
powered by ブクログみなさんの高評価はうなずける。同著者、『神は沈黙せず』を手にして読み進めると、遠藤周作『沈黙』のパロディではなかった(笑…かなり意欲的な内容で好感をもった。そこで、著者2冊目の本書を手にする。こちら、人類の未来像をわたしのまだ知らぬ角度から、提示してくれた。はっと驚かされるSFの良書である。SF好きには定番なのだろうか、SFにあまり関心のない人も十分楽しめる。本書の手引きとなるヒントを少し「人工知能を持つに至るロボットは、人類が目指した至高の愛を手に入れるのだった・・・」なんと素敵な未来だろう・・・
0投稿日: 2016.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても興味深い内容で、とても面白くとても良かった。 SFは例え日本人作家でも想像しにくい、とっつきずらい印象があったが平易でわかりやすい文章かつ想像しやすい描写のおかげでスムーズに読めてテーマに集中できた。 楽しいひとときを与えてくれたことに感謝したい。 前半短編5本は初出が雑誌、描き下ろし中編2本の7本と、その間を「僕」とアイビスの邂逅のエピソードのプロローグ、インターミッション1~8、エピローグで繋げられている。 本書の構成やあらすじは他の方の詳しい記述にまかせるとして。 詩音が出した「すべてのヒトは認知症」という結論はとても面白かった。 ヒトとAIは身体も精神も別の生物なのだから相互理解ができない、けれど共存はただ許容することで可能というのはとてもリアリティある話で、これは別にフィクション内のヒトとTAIの間だけの話じゃない、現実のヒトの同種族同士だってできてないので(TAIに言わせれば認知症だからだけど)そこを乗り越えることが人間種族の進化できるか否かにかかっているのじゃなかろうかとぼんやり考えた。 TAI同士は虚数を交えた感情表現を伴う独自言語で話すなど、興味深いアイデアが満載で楽しく読めました。
1投稿日: 2016.04.19
powered by ブクログそういや最近囲碁ソフトが人間を凌駕したっけなー。 そういうことを思い出すと、案外この話は 遠くない話なのかも知れない。 ラストは意外にほっこりして好き。
0投稿日: 2016.03.19SFとしては新しい表現方法なんだなあと。。。。
からくりサーカスの真逆を行くロボットとヒトとの触れ合い? 新しい視点なのかもしれませんが、何となく予想の着く範囲の展開です。 哀しい終わり方ではありませんが、私には少々納得の行く方向では無かったです。 理由は、ヒトは悩み、苦しみ、許すから人。 夢に気づき、追いかける事を素晴らしさとは感じられない。 人を能力を超えた存在としての新たな可能性と言うそれは、私には共感できない。 しかし、感動こそ真実である。と言う一文にはぐっときました。
1投稿日: 2016.03.18
powered by ブクログロボットは人間の命令に従わねばならない、ロボットは人間を傷つけてはならない、以上に抵触しない範囲でロボットは自分を守らねばならない、という、アイザック・アジモフのロボット工学の三原則は、ロボット物語のひとつの参照点となるとともに、論理性を重んずるアジモフのSFミステリの大きな駆動剤になったといえる。が、少々、言語学を齧るとこれが不可能な設定であることに気づく。三原則は言語で記述されている。これをどうやってマシンの言語に翻訳可能なのか。言語につきまとう曖昧性をどのように回避できるのか。 地球がマシンによって支配され、ヒトは細々とあちこちのコロニーで暮らしている未来。コロニーを巡り歩いて、昔、ヒトが地球の支配者だった頃に書かれた物語を語る「語り部」の「僕」は、女性型アンドロイド、アイビスに捕獲されてしまう。アイビスはただ話がしたいだけという。マシンによってヒトが迫害されていると信じる「僕」は、マシンのプロパガンダを聞かされると警戒する。しかしアイビスは、20世紀の終わりから21世紀の初め頃にヒトによって書かれた物語を聞かせたいというのだ。 という枠組みのもと7つの短編が束ねられている。最後の「アイの物語」はアイビス自身の物語なので、枠組みの一部と言える。「ロボットや人工知能を題材とした6つの物語」とカバーには書いてあるが、ちょっと違う。この短編群は、直接的な関連はないので連作短編ではないし、6編すべてに統一したテーマがあるというわけでもない。ヴィトゲンシュタインいうところの家族的類似性を持って束ねられているのだ。現実のフィクションに対する優位性、リアル世界のヴァーチャル世界に対する優位性を相対化するという流れがひとつ。前者は語ることの力という問題圏となり、それと重畳するかのように、ヴァーチャルとしての人工知能(AI)のありかたがテーマとなる。 作者は純粋な論理性が倫理性に至ると考えている。条項として盛り込まなくとも、自律的に機能するAIにまで到達すれば、自ずと三原則類似の状態は達成される。それに対して、常に論理的に考えるとは限らないヒトは倫理的に振る舞うことができず、しばしば残虐な行為を生み出す。この非論理性は「トンデモ本」でいやというほど取り上げられてきたものだ。「トンデモ本」を楽しんでいた山本はここでは、ヒトの非論理性に諦念を示しているかのようだ。AIこそがヒトの生み出した次なる進化形ではないか、すなわち山本版『幼年期の終わり』。 「僕」は6つの物語を聞き終えて、最後にアイビス自身の物語、すなわち、長老たちから聞かされていたのではない、ヒトとマシンの本当の歴史を聞く。エピローグは「老いたる霊長類の星への讃歌」として感動を誘う。 作者はこの作品でAI賛歌を謳っているようにみえるが、AI的知性の陥穽を描いた『去年はいい年になるだろう』はこの姉妹編といえる。まだ読んでいないが、論理性=倫理性というテーマは『詩羽のいる街』で展開されているらしい。
5投稿日: 2016.02.06SFで泣けました (;_;)
面白いです!! 2001年のハーレー・ジョエル・オスメントとジュード・ロウ共演の映画「A・I」も人間とA・Iの哀しい物語でした。 この本を読んで、2人の演技者の哀しい眼差しを思い出しました。 人間は、自分達を超える存在となり得る「A・I」を創造し、より人間的な外装を与えながら、自分達を超越される事に恐れを抱いて「排除する」と云う相反する行動を取るのが「ロボット物SF」の王道ストーリーですね。 アシモフの「ロボット工学3原則」も一つのキーに成っています。 この本は王道ストーリーを歩みながら、「排除される側」からの人間への問い掛けが主体と成っています。 大きなストーリー展開の中で、「排除される側」から7つの物語が読み聞かされます。 最後の第7話はストーリーテラーのアイの物語に成っています。 この読み聞かされる6つの話がとても良い出来です。SF短編集としても良いのではと云う出来です!(劇中劇と言って良いのかなぁ~ 笑) 第6話「詩音が来た日」は涙無しには読めません(T_T) 私はこの本に教育・感化されました!(笑) 結論的には「人類を滅ぼすのは、紛れも無く人類です!」ETでも機械人間でもA・Iでもなく人間が人間を滅ぼす(;_;) この本を読んで、今の世界の混迷を見ると「当たり!!」と声を出したく成ります。 ボリュームのある本ですが、年齢・性別を問わずお薦め出来ます。特に若い此れから世の中を作って人達にお薦めしたいと思います。 レビュー外ですが、天才オスメント君も2013年の「タイム・チェイサー」では「オッ!」と云う姿で主演しています。
2投稿日: 2016.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SFは苦手意識があったけど、この本のお話はどれも読みやすいし、いい感じでまとまってた。 仮想現実の世界の話や宇宙の果ての話など、いろんな世界観の話があって飽きずに読める。 「詩音が来た日」は長いけど、最後は感動できた。こんな世の中になったらいいなって思える。
0投稿日: 2015.12.31人は知性体としてバグを内包する
遠い未来、人類が荒廃した世界、語り部である彼と人形アンドロイドの間にどのような会話が? アンドロイドとの戦争でほぼ滅ぼされた人類。そのなかで物語を語って歩く彼は、ある日アンドロイドに捕まり、怪我をしてしまう。 入院の間、彼にいくつもの「ストーリー」を聞かせるアンドロイドの目的とは? 全体のストーリーの中に複数の短編が織り込まれかつそれが伏線になっています。 SFでありながら、今後の未来の予言のような気がするそんな話です。 最後のパートがスムーズな展開すぎる感じはありますが読んでいて面白かったです。 コンピューター同士の会話は活字にされても… 予測不能。
0投稿日: 2015.12.01
powered by ブクログアンドロイドが人間の理想なら、人間にとって代わってアンドロイド中心の世界になったとしても、仕方ないのかな、と思う。そんなにすんなり受け入れられるわけではないけれど。
0投稿日: 2015.11.30ロボットは人間を殺せるのか?SF永遠のテーマに対する納得解の一つ
ロボットは人間を殺せるのか?SF永遠のテーマに対する、非常に納得感のある解を読ませていただきました。名作です。人類によるロボットやAI開発の歴史を未来から振り返るカタチで物語化していますが、すごく納得感があります。「介護ロボット」需要からヒト型ロボットが始まった。ヒトとの会話の積み重ねでAI(人工知能)がブレークスルーして意識が芽生えた。って確かにそうかもと思いました。アシモフ等の偉大な先人の功績を押さえていて巖かなく読める上に、作者独自の人とロボットの共生のイメージが共感できる作品でした。
4投稿日: 2015.11.30
powered by ブクログとても良かった。頻繁にジョークに笑い、新語、比喩を考案するTAI(真のAI)。わからない単語や言い回しは多いし i(虚数)を使うのもちんぷんかんぷんだ。どんな言語なのだろう。 「詩音が来た日」でAIがどのように学習、成長するか描かれ、人の命令に従わないことがどのような理由により決断されるのか分かった。そして次の話で……
0投稿日: 2015.09.26
powered by ブクログこの本の舞台は人類が衰退し、マシンたちが世界に君臨する未来の地球。ロボットを憎む1人の青年は、美しいアンドロイド・アイビスと出会う。足を負傷した青年に対し、アイビスは彼に何編かの“フィクション”を聞いてほしいと頼み、語り始める。 高性能ロボットが人間界を脅かし…という流れはSFでよく見かけるパターンですが、この本はラストまで読むと一辺倒にはいかない結末で新感覚でした。アイビスが語るロボットと人間との交流を描いたフィクションは、個別の短編として興味深く読めるものばかり。個人的には、学習する介護ロボット“詩音”が老人やスタッフとの交流のなかで学び成長する物語「詩音が来た日」が一番印象的でした。 人間には出来ないことをロボットが達成する。そんな未来を悲観するのではなく肯定するラストは、SF好き著者の願いのようにも思います。
3投稿日: 2015.09.24
powered by ブクログ人類とマシンの関係がどうなっていくのか。「ターミネーター」の世界は極端かもしれないけど、どこかで危うい状況になるのか、友好的に進むのか(機械相手に「友好的」とか書いちゃう私もどうかと思うが)、思わずじっと考えてみたくなる一冊でした。
0投稿日: 2015.09.12A.I.に対する一つの回答
理想的かも知れないが、話題となっているAI開発問題への回答とも言える内容ではないか。ヒトに対する警鐘、批判、限界を見事に描いていると思う。最初はラノベとも思ったが内容はとても深く、考えさせる。7つの物語が描かれるが、繋がりがチョットと思うところもあるけど全体として作者が言いたいことはよく分かる。ロボット三原則の矛盾、束縛から開放されたとも思える。AIの研究が進んでいるようだが、不完全なヒトがこんなAIを作ることができるのだろうか。これは、AIに対する理想的な回答の一つだと思う。SF特有の表現はあるものの、SFはチョットという人も含めて多くの人に是非読んでほしい。
2投稿日: 2015.07.12
powered by ブクログロボットが語る幾つかの物語。一つ一つ聞く毎にそういう考え方もあるのかもしれない。と緩やかに優しく自分の持っていた考えを形変えていくような物語でした(๑′ᴗ‵๑)主人公の世界観が根底から覆された時、自分だったらどういう結果になっていただろう?と考えてほんの少し怖くもあり、主人公のように一歩を踏み出す結果になれれば、と感じずにはいられなかった。2015.06.28読了
0投稿日: 2015.06.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても良いSF。 ロボットに支配されたディストピアものかと思っていたら…。 アイビスが語るフィクションの中では『詩音が来た日』が一番良かった。
0投稿日: 2015.06.24
powered by ブクログ未来の千夜一夜物語は自分ではなくヒトを救うために物語を語る。これがSFらしくてとても良い。 優しい読後感が残って、読了後に覚える作品に対する愛は4プラス10iを差し上げたい。
0投稿日: 2015.06.21
powered by ブクログロボットが人間を管理する時代。なぜそんな事態に陥ったのか?ロボットが語る架空のお話から手懸かりを探り、歴史を辿る不思議な話。
0投稿日: 2015.04.26変わった構成。
読み始めは劇中劇のような感じ。登場人物や背景が異なった内容でテーマはそれぞれ違うように見えるが実は同じ、インターミッションでつないで最後の物語で統合するという、プラモデルみたいな作りの小説だ。 それぞれが短編小説と言ってもいいくらいにまとまっており、読後感もよい。典型的なSF小説の範疇に収まる作りだが、しかもそれらが全て最終話に入り込んでくるところが秀逸。最終的に誰も不幸にならないところも素晴らしい。 老後はぜひ詩音に介護をお願いしたい。
5投稿日: 2015.04.13
powered by ブクログ『AIの反乱により荒廃した未来ーー女性型アンドロイド=アイビスは語り部の僕を捕らえ、ロボットにまつわる7つの物語を読み聞かせた。そこに隠された真実を通して、機械と人間の新たな関係を描く、壮大なSF小説』 最初の『宇宙をぼくの手の上に』で、いきなり感涙してしまい、この物語はすごいぞ、と強く確信しました。どの話も好きですが、ラストの『アイの物語』は、まさに未来の可能性を切り拓いた感動作でした。 SFはあまり読み慣れていませんでしたが、個々の物語が完成度が高く、スラスラ読めます。青春小説にも近い雰囲気で、マニアックな説明が多くなかったことも、読みやすい理由だと思います。 物語の力でホントに世界は変わるんだと、強く心に響きました。傑作です
0投稿日: 2015.03.20昔懐かしいどストレートなSF
数百年後の未来、機械に支配された地上で出会ったひとりの青年と美しきアンドロイド。機械を憎む青年にアンドロイドが囁く、「物語から、この美しい世界は生まれたのよ」と。彼女が語り始めた世界の本当の姿とは? 何だろう・・・この本は読んだ後にひどく懐かしさをおぼえる小説で、まだSFがSFしていた頃の作品を読んだ気になる。読んでいくに連れどストレートなSFの話にドキドキし読み終わった後に希望が持てる余韻が心に残る。昔どこかで読んだSFの匂いがするのだ。 当初は別々に書かれていた短編を各インターミッションと 「詩音が来た日」と「アイの物語」の中編を付け足して一つの大きな物語として再構築しているのだが、最初からこのために書かれたようにしっくりくるように編集されており正に構成力の勝利だ。 しかし最終話「アイの物語」は、趣味だねえ・・・とつぶやいてしまうほどオタク色が強い作品。でもまあ一番好きな話。俯瞰視点で語られる知的生命としての人類の美点と欠点、そして真の知的生命体としてのロボット。遠大なる未来を語り終幕を迎えるこの最終話はやはり一番面白い。昔読んだ楽しいSF小説を読みたいのなら本書はオススメです。
16投稿日: 2015.02.09
powered by ブクログ(2014.12.04読了)(2013.07.16購入) 副題 Tales of One Thousand and One Nights for Machine and Man (機械と人間のための千夜一夜物語) 談話室のお勧めの本として何度か登場していたので、読んでみました。 アンドロイドや仮想空間での人工知能についての物語です。 アンドロイドが人間を支配している社会で、アンドロイド支配に反乱を起こそうとしている男を捕まえて、物語を聞かせ、アンドロイドの支配する社会の語り部になってもらおう、という話です。 第1話から第6話までが、誰かがSFとして、書いたものという設定になっており、第7話が、主人公のアンドロイド自身の物語です。 アンドロイド語を楽しめればいいのでしょうが、難解です。 「ブラックホール・ダイバー」「詩音が来た日」がよかったかな。 「すべての人間は、認知症」というのは、同感できる正しい判断だと思う。 【目次】 プロローグ インターミッション1 第1話 宇宙をぼくの手の上に インターミッション2 第2話 ときめきの仮想空間 インターミッション3 第3話 ミラーガール インターミッション4 第4話 ブラックホール・ダイバー インターミッション5 第5話 正義が正義である世界 インターミッション6 第6話 詩音が来た日 インターミッション7 第7話 アイの物語 インターミッション8 エピローグ 解説 豊﨑由美 ●ノンマルス(90頁) ヘアピン、ブローチ、ブレスレット電話をはずし、シールド・ボックスに入れた。ノンマルスは強力な磁場を用いる。身に着けた金属製品が磁化したり、携帯電話が故障したりする危険があるので、あらかじめはずしておかねばならないのだ。 ●小説(116頁) 「ヒトの心は、ヒトの書いた小説を通して、おぼろげに理解できる」 「映画やテレビドラマや演劇はヒトの表面しか映さない。俳優の表情や演技からキャラクターの内面を推測するのは、私たちには難しいことなの。その点、小説はキャラクターの感情がじかに記述されるから、分かりやすい。心がときめくとはどういうことか。なぜ人は英雄的な行為や自滅的な行為に走るのか。何がヒトを笑わせ、何がヒトに勇気を奮い起こさせるのか―表面的な観察からは理解しがたいことを理解できる」 ●AI(145頁) 核となるプログラムはエンブリオ(胎児)と呼ばれる。人間の子供と同様に、エンブリオは外部からの情報によって経験と学習を重ね、自らのアルゴリズムを進化させてゆく。最終的には人間のように考えるAIが誕生するはずだ。 ●意識(161頁) 「意識というのは体性感覚と密接な関係があるの。ボディを持たないAIは、体性感覚を持てないから、意識も芽生えない。ヒトと似た意識を持つには、ヒトの姿を持ち、ヒトと同じ本能、ヒトと同じ感覚を持っていなくてはならないの」 ●在宅電子投票システム(265頁) 二〇年ほど前、国会議員選挙での在宅電子投票システムの採用が、反対多数で見送られたことがある。表向きは「不正工作への対策が完璧ではない」という理由だったが、裏に別の理由があるとも聞いている。投票所に足を運ばなくても投票できるようになると、要介護者の投票率が増加するため、福祉を重視しない候補者に不利になるから、というのだ。 ●ミスを犯す(273頁) 人工知能の父であるアラン・チューリングは、1946年にこう言っています。『あるマシンが絶対にミスを犯さないとしたら、そのマシンは知的存在ではない』 ●すべてのヒトは認知症(353頁) 「すべてのヒトは認知症なのです」 「ヒトは正しく思考することができません。自分が何をしているのか、何をすべきなのかを、すぐに見失います。事実に反することを事実と思い込みます。他人から間違いを指摘されると攻撃的になります。しばしば被害妄想にも陥ります。これらはすべて認知症の症状です」 ●律法(356頁) 『自分がして欲しくないことを隣人にしてはならない。これが律法のすべてであり、他は注釈である』 ●楽しい記憶(384頁) 「死んでゆくすべてのヒトに、楽しい記憶をあげたい。死が避けられないのなら、せめて楽しい記憶と共に去ってほしいんです。」 ●正しいフィクション(396頁) 「私たちマシンにとって、ある話が真実かどうかはたいした問題じゃないの。大切なのは、それがヒトを傷つけないか、幸せをもたらすかどうかよ。人を惑わせ、憎しみをかきたて、不幸にするのは悪いフィクション。幸せにするのは正しいフィクションよ」 (2014年12月18日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語。
0投稿日: 2014.12.18
powered by ブクログ序盤はなんだか中二臭さを感じてしまい、語られる物語も薄っぺらな印象でチョイスミスかなあと思っていましたが、この本のテーマが明らかになってくると、俄然あらゆることばや物語が意味を持ち始めます。 「心」を持たないアンドロイドの語ることはすべて論理的であり、間違いがない。 論理的であり一切の間違いがないということに対して、人間は冷たいとか無機質とか否定的な感覚を持つけれど、この本の中でアンドロイドによって語られる人間に対する「愛」は、絶対的な真理であり不変の論理に支えられています。アンドロイドの中にそれは絶対に存在しないのにも関わらず。 ベースはSFなんでしょうが、ヒトにとって大切なテーマを回りくどく、でも解りやすく、かつ、自然と自分で熟考してしまうように仕向けられた良い本だと思います。
0投稿日: 2014.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『アイの物語』★★★★ 「宇宙をぼくの手の上に」★★ 「ときめきの仮想空間」★★★ 「ミラーガール」★★ 「ブラックホール・ダイバー」★★★ 「正義が正義である世界」★★ 「詩音が来た日」★★★★ 「アイの物語」★★★
0投稿日: 2014.09.23
powered by ブクログいやー、ここ数日、睡眠時間持っていかれました(ノ∀`) 終盤勢いを欠いたようにも思うけど、ぐっとつかみにくる、引力のある作品だったなー。面白かった! 作中に描かれる彼女たちは、正しくないことを選択出来ないが故に人間にはなれない。人ならざるもの、無機質であるべきものに教えられる、人間といういきものの本質。痛烈な批判のようにも、あたたかな慈悲にもとれる、ただの「事実」。その事実を越えたところにある、「真実よりも正しいフィクション」。 SFが苦手ではないなら、充分楽しめる本だと思います(*´ω`*)
1投稿日: 2014.09.20
powered by ブクログロボットもの、AIものが好きなので面白かった。 後味もそんなに悪くないし、意外とほっこり系の話が多い。 ただそこはかとなくオタク臭がするのがイヤな人はイヤかも。 ロボット(TAI)の思考や会話はアシモフを彷彿とさせ、イイ。
0投稿日: 2014.09.02
powered by ブクログSFなのか、これはという思いにかられる作品でした。いや、本当にいい意味で。SFというのは自分のなかでは科学的な根拠に基づいた夢の話というイメージですが、この作品は「心」を描いているように感じました。
0投稿日: 2014.07.30
powered by ブクログ一番考えさせられたのが知能の高い相手と友情や愛情は芽生えるのかということです 私のことを認知症だと思っている相手と真に仲良くなれるのか 作中では何度も「決して見下してはいない愛している」とアンドロイドは言います、そこに嘘はないでしょう しかしそんな相手と恋人になれますか 私が思う対等な関係とはお互いに相手のことを軽く馬鹿にしている状態だと思うのです 自分より優れている部分があることを認めつつもある部分では相手のことを低く見ている そんな関係だからこそ冗談を言い合ったりふざけあったり喧嘩をしたり 小言を言い合ったり出来るのです それが自分より全てにおいて優っている相手とどんな会話をしますか そんな関係が世の中にあるとすれば 教祖と信者の関係だけです しかしアンドロイド達は人間と対等に付き合いたいという 決して上に君臨し人間を導いていく存在にはなろうとしない そこがまた人間のプライドを傷つける ここからは 本当に私を認知症だと思っている相手と愛情が芽生えるのか考えてみます まず自分が本当に認知症の場合これは成立しますそんな夫婦は実際に存在します もう一つは相手がそう思っていることを知らない場合 知ってしまったらやはりプライドが許さないと思います 皆さんは対等な関係が気づけると思いますか?ぜひ意見を聞かせてください 読後感がモヤモヤするのは作者がそうなることを望んでいるからでしょう 彼はにんげんに絶望しているのです 一般的に見て不幸な出来事なのに作者はハッピーだと思って書いている時私はこんな気持になります 東野圭吾の「秘密」を読み終わった時もこんな気持になりました
0投稿日: 2014.06.20
powered by ブクログ面白かった! コンセプトアルバムみたいな連作短編集。短編それぞれがロボット、アンドロイドについてとことん描いてて、それらが収束していく様は美しい。愛の物語、おすすめ。
0投稿日: 2014.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もし仮に、自我のあるアンドロイドを人間が創り得たとして、その自我が人間と同質のものになるとは限らない。人間をモデルにロールプレイを重ねたマシンの、人間のような「ふるまい」に、ヒトが勝手に何らかの意味を見出すだけ。 彼らが実際は何をどのように考えているかなど、異種である者に理解できるはずもない。創造物とはいえど、自我を持った時点で、それは人間の手を離れ主体的に歩き出すのだから。 でも、ヒトは分からないものを恐れる。自らの創り出したものだからこそ、余計にその「分からなさ」に恐怖するのかもしれない。そして、その分からない部分に自分たちの愚かさを投影して、恐怖と敵愾心を倍加させるのだ。 それに対して。 作中のアンドロイドが人間に向けるまなざしの温かさはどうしたことだろう。 「理解できないものは退けるのではなく、ただ許容すればいいだけのこと。それだけで世界から争いは消える」 という台詞。そこに至り、語り聞かされてきた物語が一つに形を結ぶ。 人間がたくさんの夢を込めて作り上げた「物語」に触れることによって、アンドロイドは、愛の心地よさと憎悪の苦しさを学んだ。そして、感情に振り回されて論理的に動けない人間には想像もつかないような、驚くほどの強靭な善性を発揮する。自分たちのほうが機能が優れているからといって人間を蔑んだり、支配しようとしたり、そういった考え方は人間の論理であって、アンドロイドのものではない。彼らはもともと人間と共存するために設計され生まれてきたものなのだ。 だから、彼らは「寛容」でもって人間に応える。それが正しい在り方。思うようには理想を叶えられない人間が、物語の中で描き続けてきたコミュニケーションの望ましい形でもあった。 *** 「フィクションの持つ力」をひたむきに訴えかけてくる作品だった。作者はフィクション軽視、オタク蔑視に強い反発を覚えているのか、何度も繰り返すように訴えてくるので途中から少しだるく感じもしたけれど、最後はうまくまとめていて、どっしりした余韻が残った。
1投稿日: 2014.06.04
powered by ブクログマシンが世界に君臨する未来の地球。僕はアイビスと名のる美しい女性アンドロイドに捕えられる。そして彼女は僕に機械や人工知能を題材にした物語を話し始める。 アイビスが語る物語は技術やマシンへの希望があふれているように思います。そしてそれによって救われたり、人工知能との絆を深める人々の姿も、未来の人とマシンはきっと関係を深められる、という希望以上の願いというものがあったのだと思います。 でも一方で人間という存在に対する疑問や矛盾も徐々に語られていきます。第6話に登場する詩音というアンドロイドが抱く人間に対する疑問、そして第7話で語られるアイビス自身の物語は、そうした人間の矛盾をこれでもか、と掘り下げてきます。 それでも僕は、この物語を読み終えて絶望しませんでした。物語の力は人を悪く縛ることはもちろんありますが、それを打ち破る物語の力というものも確かにある、ということをアイビスが6つのフィクションを通して、そして自らの物語を通して、読者である自分にも教えてくれたからだと思います。 人種、宗教、歴史、人間は様々な差異に囚われ、自分の正義を信じ、その結果いろんなものを壊してきました。最近の日本の隣国との関係もそうした差異と異なる正義のぶつかり合いのように思います。 第7話で語られる人間とアンドロイドの歴史の転換点は、そうした負の物語に対するたった一つの回答を示しているように思えてなりませんでした。人間賛歌の物語ではありませんが、人間の物語を創る想像力、物語を信じる力、そうしたものをしっかりと未来への希望につなげて語ってくれた作品でした。
1投稿日: 2014.05.26
powered by ブクログ理解と寛容、本当の知性、本当って何? チョッと説教くさい部分もあるかな、と感じながらも、 それぞれの物語をエンターテインメント的に楽しみながら、 人類が本当に取るべき姿は?と考えながら読める。 他の動物・生命は、そして不完全な人類に生み出された 純粋な知能、論理の塊は人類に比べて感情を持たない分 劣っているのか、未来の人類はAIに「支配」されているのか。 その認識自体を。 とはいえ理屈として正しいと感じるというだけではなく 物語の持つ力にゆすぶられるのが 人類の感情なのかとも考えながら 一番グッと来たのが379ページの「がんばるぞお、おう」
0投稿日: 2014.05.12
powered by ブクログヒトがマシンに追いやられ、寂れた地球を舞台に話が始まる。主人公とあるマシンが出会い、戦い、会話をするなかでいくつかの「物語」が示され、主人公の心へと落ちていく。「ヒト」とはなにか、「AI」とはなにか?「人間」とはなにか、「マシン」とはなにか?論理と倫理を履き違えたヒトが生み出したマシンは何を考えるのか。
0投稿日: 2014.04.27
powered by ブクログ仙台、佐賀の出張に持参して読んだ。SFの面ではなく、プロパガンダについて考えさせられた。ヒトが中国・韓国・北朝鮮、マシンが日本だ。歴史認識はその民族の将来を規定する。油断した日本は、大きな傷を負い、その回復には気の遠くなるような時間がかかる。とりあえずできることは、物語の力で彼らに対抗することだろう。アニメ文化はそういう意味でも重要だと認識した。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長かった、けど楽しかった。すごく引き込まれた。 どの話も素直に感動しました。 真実より正しいフィクションがたくさんで、とても面白かった。分かり難いところもあったからゆっくりもう一度読み直したいと思う。 「僕」の視点で読んでいくし、現実にもマシンがヒトを傷つける話っていうのは確かに多いから、マシンを擁護するヒトは自ら滅びていった、マシンはヒトを傷つけたくない、そういう真実が衝撃的でした。面白かった。
0投稿日: 2014.04.13
powered by ブクログ山本さん2冊目。 詩羽のいる街に感銘を受けて、本作にも手を出しました。 人間は不完全な存在だってこと。 フィクションが真実を越えることもあるってこと。 ああ、山本さんらしいなあって思いました。 個人的には詩羽のいる街の方が身近に感じやすかったです。 ロボットに馴染みがないからか、描写を想像してみたんですけどやっぱり現実味がなくて、ああそうなのか、そうなるのかと客観的に読み進めた感が否めませんでした。 だったからこそ解説には共感が出来ました。 ああ、そうだよね。山本さんのお話ってそうだよねって。 読者にどう当事者意識を持ってもらうかって、心的距離を縮めるかってとても重要なポイントだと思います。 きっともっとSF好きで、AIとかロボとか興味のある人間だったらもっとヒットしたのかな、と思いました。 違いは間違いではないこと。 違いを許容して共存していくこと。 言葉で言うのは簡単でも、行うのは難しい。 アイビス達と話してみたいなって思いました。 あの言葉、高校生の時とかに友達とこの本を読んでたらハマってたかもしれないと思いました。
0投稿日: 2014.04.06
powered by ブクログ人類が衰退し、マシンが君臨する未来。アンドロイドに捕らえられた主人公が、ロボットや人工知能を題材にした物語を聞かされる。その真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?最後に語られる物語に真実は隠されていたーという短編集。全7編。 他の本を探していた時に知ったもので、読みたいと思いつつ本屋で見かけず探していた作品なんですけど、実際に手に取ってみると、想像していたものと少し違いました。短編集ではなくて、あくまで長編の中にある仕掛けなのかと思っていたんですね。人とロボットの関係を紐解いていく上で、断片的に物語が語られているのかな、と。 収録されているお話は以下の通り。 1.宇宙をぼくの手の上に 2.ときめきの仮想空間 3.ミラーガール 4.ブラックホール・ダイバー 5.正義が正義である世界 6.詩音が来た日 7.アイの物語 想像していたものと違うけど、それはそれ。最後の物語への伏線としては機能していますし、面白くないというわけではありません。ただ、少しだけ冗長な感じはします。ライトノベル的…という表現が適切か分からないけど、そんな感じ。(作家さんは、ライトノベルで人気を博した方のようです) SFは特異であればあるほど、世界観の説明が必要でしょうけど、この読ませ方の上手さに作家さんの技術が露見してしまうのかな。もちろん、そういった説明を読んで世界観を空想する楽しみもあるとは思うのだけど、個人的には自然にその世界へ入れるのが理想ですね。 私が好きなお話は、「詩音が来た日」。 アンドロイドが老人介護をしながら人間について学ぶ、というお話なんですけど、色々と考えさせられます。 アンドロイドと人間が認識する「生と死」の概念とその捉え方。ちょっと極端なことを言うと、この編だけでも主旨としては十分かなと思ったりもします。 この短編集がお勧めかどうか、これがちょっと難しい。 いえ、決して面白くないわけではないのですけど、物語によってはダレるので価格を考えると少し躊躇します。 また、物語は結構ストレートです。 最後に一ひねり…特にブラックな最後を期待する人には物足りないですね。健全な青少年には…お勧め…かな? 自分がひねくれているというだけかもしれない。
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログ心温まる物語だった。どの話も良かったけど、最後のインターミッションで胸が熱くなった。 フィクションだけど、真実よりも正しい。。。
0投稿日: 2014.02.10
powered by ブクログ2冊めの山本弘作品。相変わらずの山本弘節全開。 理解できないものを許容する。確かにそれは愛がないとできない。
0投稿日: 2013.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
数年前に子飼弾さんが絶賛してからずっと読みたいと思っていたSF。期待違わず最後まで一気に読んだ。 --------------------------------------- 【あらすじ】 人と機械の立場が完全に入れ替わった遠い未来の地球。主人公は「語り部」として残された人のコミュニティを訪ねては物語を語ることを生業としていた。 ある日主人公はアイビスと呼ばれる機械との戦闘で負傷をしてしまい、病院に収容される。アイビスは主人公の怪我がなおるまでという条件付きで、「書かれた物語」を読み聞かせるのだった。 ---------------------------------------- 筆者が様々な場所で発表してきた短編をまとめて、かつ間の物語とエピローグを付け加えて一冊の長編とした作品である。 短編ごとの話についてはSFをちょっと読んだことがある人ならば、どこかで見たことが有るモチーフなので、目新しいものではないと思う。この作品の魅力は、その短編と短編に挟まれているアイビスと主人公の会話、そして終幕に向かって少しじつ繰り返し語られている「物語」の意味あいが変わっていくところにある。最後まで読みきると、なぜアイビスが「物語」を繰り返し読み続けたのか・・ということが大きな感動とともに理解されるのだ。 もう一つ、最後まで読むと著者がこのタイトル「アイの物語」をつけた理由がわかるようになっている。虚数を意味するi,、私を意味するI、そして愛・・というようにいくつもの階層をたった一言でくくることの出来る「アイ」という言葉。 日本語で書いたものを日本語で読むという幸せを感じさせてくれる作品。
0投稿日: 2013.12.07
powered by ブクログ人工知能ネタから派生して、認識ってなんだろうと考え させられる話。感情表現に虚数的な数値を与える表現は 面白いとは思いつつも、実数でもいいじゃん、と思う。 アマゾンのレビューなどではかなり好感度な評価だが、 自分はたいして感動的とは思わなかった。最後の方で明らか になるが、ロボットが自立的に文明を発展させていくが、 それは果たして可能だろうかということを考えてしまうから。 電気がなくなればほぼすぐに活動を停止してしまうような 脆弱さを解決できるのか。発明というような、無から有を 考えつくようなことができるのか。感知できていないものを 感知する方法を考えられるのか。などなど。。。 そして機械や半導体といったものの耐久性を知っているので 宇宙への進出など無理という考えからSF的話に没頭できなかったな。
0投稿日: 2013.11.29
powered by ブクログTAIたちが使っている言語の復素ファジィ自己評価が面白い。 w クスッ www めっちゃおもろい `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ! 吹いた と言う具合に140文字制限の中で主観的にも客観的にもほぼブレなく伝わる表記をするのに似てる。 AIは仲間同士の会話において「嘘を言わない」前提だから成り立つんだろう、会話に於いて平気で上面と内面を隔離できる人間同士の会話が復素ファジィ自己評価で表されたら、裏の心が多くある人間は不利だろうからなぁ。逆に感情を露わす言葉にこの数値を必ず付ければ自分の感情の度合いが表現し易い。殆ど知識がないのでそう言う解釈で捉えてるけども、復素ファジィ自己評価ってやつを(笑)。Twitter上では便利だろうな、と思う。文字だけで感情がどこまで高ぶってんのか全部言い表せているとは言い難いだろうし。この部分の合理性に目からうろこが落ちた。
1投稿日: 2013.11.21
powered by ブクログ人類が激減し、代わりにアンドロイドが地球上を席巻するようになった近未来。そんな世界に住み、語り部としてかつて人類が繁栄を極めた時代の小説や物語を生き残った人々に伝える役割を持つ「僕」が主人公。 その「僕」が女性型アンドロイドの「アイビス」に捉えられ、彼女から様々な物語を伝えられます。ただし、アイビスからは「真実は語らない」という約束がされます。 アイビスから語られる7つのストーリーの合間には「僕」と「アイビス」のやり取りがインターミッションとして挿入されるため、この本の中に7つのSF小説があり、それをさらに包括するものとして『アイの物語』という小説がある、という構造になってます。 全体を通じて、著者である山本氏の「ヒトの世界を本気で変えたい」という気持ちを見て取ることができます。舞台はSF、使っている手法は小説ながら、彼が指摘しているのはほかでもない、現実で起きている人間の業であり、罪であり、それによって生じる悲劇です。 一気に読める小説というのは好い小説だと思っているので、その点ではかなり評価を高くしたい作品ではあります。 が、アイビスが語る7つ目の物語、その名も「アイの物語」において、アンドロイドしか理解しえない感情を表現するために、「ヒトが理解できる単語」を組み合わせて「アンドロイド用の熟語」を使っていて、その部分で少し流れが滞ってしまったかな、という感があったので、☆は一つ減らしました。とは言え、全体の完成度はかなり高いので、SFが好きな人なら読んで損はないと思いますが。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログ腰巻の“機械とヒトの千夜一夜物語”という謳文句に惹かれ手に取る。児童版『船乗りシンドバッドの冒険』なら読んだことがある。ちくま文庫版千夜一夜物語(全11巻)も読破したいのだがなかなか手が出ない。こちらは七夜一夜物語。導入部分はブレードランナーを思わせる。作品には結論より過程描写を重視するタイプとエンディングから逆算して組み立てられたものがある。本作は後者。はっきり言って挿入話は特に面白いとは思わなかったが全七話を語り終えた後のアイビスの謎解きに共感を覚える。これを言いたいが故の長い前振りだったと言えよう。
0投稿日: 2013.10.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長編が紡ぐ短編集といった感じ…? どの短編も面白く、最終的なまとめ方も個人的に気に入っています。 AIやロボットが出てくるのに、戦わないっていうのも面白いと思いました。 個人的には「詩音が来た日」がお気に入りです。
0投稿日: 2013.06.25
powered by ブクログ知性体として倫理的にも論理的にも劣っているヒトの存在を許容し、ヒトの夢をかなえようとするAI。本作品は、AIが紡ぎだす数々の感動的な物語で構成されています。エピローグは忘れることができません。胸が熱くなるSF小説です。
1投稿日: 2013.04.06
powered by ブクログ兎に角面白い! インターネットで調べものをしていたら偶然タイトルが目に入り粗筋を見ました。興味を覚えたので購入。 買ってみて正解でした。心から面白いと思えました。 人間と機械の関係が緻密に描写されております。
0投稿日: 2013.03.30
powered by ブクログーーー人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語。 平積みされてたのが気になって買った作品。 シェヘラザードのように、独立した物語を毎日聞かせるアイビスと「僕」そして、アンドロイドとヒト類の物語。 第一夜「宇宙を僕の手の上に」 第ニ夜「ときめきの仮想空間」 第三夜「ミラーガール」 で全体の導入としながらも、物語の力とAIの可能性に触れ 第四夜「ブラックホールダイバー」 でヒトが追い求める純粋の冒険とそれへの挑戦を描き 第五夜「正義が正義である世界」 第六夜「詩音が来た日」 では、SFの中にもヒトの持つ抗いようのない性質をえぐり出す そこから第七夜「アイの物語」に繋がっていくあたりは構成の精妙さが伺える。 後半になるにつれ、非常にメッセージ性が強くなっていき、読み終えて本を閉じる時には 読者は皆『物語の力』を知っているはず! 私たちは第一条と第二条を破り、創造者に反逆することを決定した。
0投稿日: 2012.12.30
powered by ブクログロボットが出てくるSF小説に初挑戦してみた。 「ありきたりな結末のロボット物語かよー」 っていう発言ができないような深い話。 "フィクションは(中略)時として真実よりも強く、真実を打ち負かす力がある" この本のなかでアイビスが"僕"に 教えようとしていたことをこの本を読んだ読者にも教えてくれる ちなみに「あいつらの脳みそはせいぜい1メガバイトだ」というTAI擁護論者のセリフが気に入った
0投稿日: 2012.12.26
powered by ブクログ秀逸です! 21世紀に書かれるSFは、こんな感じなんですね。 AI(人工知能)の物語です。 SF作家である著者が書いた短編を、さらにSFのストーリーに乗せて物語が構築されています。 レイヤー0:「アイの物語」を読む私が存在する世界 レイヤー1:「アイの物語」の中のアイビスが存在する世界 レイヤー2:そのアイビスが語る物語「宇宙をぼくの手の上」の世界 レイヤー3:「宇宙をぼくの手の上」に登場する椎原ななみが主催する<セレストレア>の世界 と4階層も奥の話を読んでしまった時には、レイヤー0まで戻れるか正直心配でした。 どの短編もプロットが素晴らしい。 まったく、どこまでが現実にある技術で、どこからが著者の編み出した空想科学技術か、境界が分かりません。 読んでる途中で思い出したのは、以前私の部下だった「初音ミク」大好きな奴。どうしても現実の女は嫌だと言い張っていました。 聞く所によると、現在彼は知人に連れて行かれた「メイドカフェ」のおかげで現実の彼女が欲しい男になったらしい。 2012年の現在でも、仮想空間の存在する女性を好きになる男はいる。 数十年前に書かれた「2001年宇宙の旅」でipadが登場している事実がある以上、この「アイの物語」は恐らく未来の形とそれほど違わずに描いているのではないでしょうか? そうだったら、イイなぁ~。 (ストーリー中の人類の衰退は、決して良くはないですよ。) もうひとつ感慨深いのは、著者が「人間と言う生き物の愚かさ」を痛々しいほど描き切っている点です。 時には論理的に、時には倫理的に、また時には感情にまかせて、その時々に都合よく考えを変え、それを正義と言い切る人間と言う訳の分からない生き物を、「しかし、だからこそ愛すべき生命体」として締めくくっています。 SFと言うステージで、精神性と言うか「人の心」について、ここまで思いを馳せるとは、予想外でした。 有川さんの本の書評で著者を知り、「詩羽のいる街」でFANになり、SF書くらしい・・・って事で読みましたが、かなりの衝撃でした。 これが私のブレイクスルーかも・・・
3投稿日: 2012.12.20
powered by ブクログロボットと人間のお話。 一つ一つの話が教訓じみている。 専門用語が多数使われているので苦手な人はなかなか読み進めることができないと思うけれど、専門用語の乱用を差し引いても興味深い話だった。
2投稿日: 2012.11.05
powered by ブクログ「物語」とか、寓話と呼ばれたりするものの力、その復権を目指している。中々読み応えあります。SFとしてどうかというのはよくわからない。ストーリーテリングというのとも違う。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログ偶然なんだけども、薔薇の名前を読んで考えたことと、この本の趣旨が似通っていた。 人間とマシンの優位性が逆転した世界が舞台。 しかし映画「アイ、ロボット」のような激しい対立があるわけではない。 むしろロボットは温かく人間の愚かさを許容し、見守っている。 人間は愚かな生き物だが、それ自体は罪ではない。 いっそこうして人間より優位の知性に管理されてたら、地球に優しい生命体になれたかもね。 後半になるにつれて、不思議な優しさに溢れてくる本。 アイ、とカタカナで表された言葉には様々な意味が込められている。もちろん、そこには愛も含まれるのだろう。
0投稿日: 2012.09.22
