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ヘヴン
ヘヴン
川上未映子/講談社
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総合評価

521件)
3.6
90
170
144
47
12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめられている主人公とクラスメイトのコジマ。 どちらも弱者のようで強者。 いじめている側は大切なことに気づけない可哀想な人。 最後までいじめっ子と立場が逆になることはなかったが、心の強さは最初から主人公とコジマのほうが上だったのかもしれないと思った。

    1
    投稿日: 2024.02.02
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    いじめに対するコジマの受け入れ方、言葉に 強さを感じてこれからの展開に期待を寄せたが 加害者の意識のなさに全部虚しく思えた、 崩れ落ちる感覚があった 印象に残る言葉もいくつかあって、 苦しいながらも興味深く読めました

    0
    投稿日: 2024.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    強いメッセージ性を持った作品だった。 あらすじとしては斜視を理由にいじめを受ける僕と、小汚い見た目のためにいじめを受けるコジマの物語。 色々と思うところはあるけれど、最も思うのは虐められる側の主張があり、虐める側にも主張があり、交わらないからどこかに軋轢が生まれているのだなということ。 にしても主人公は可哀想で仕方ない。 コジマには仲間として思われ、あなたの斜視も「しるし」だから大切にして欲しいと言われる一方でその斜視は簡単に治るものと宣告され、揺れ動く気持ちにとても同情する。 知らないから排除したがるというコジマの主張とただ自分のしたいがままに生きるという百瀬の主張に挟まれる、難しいメッセージを持った小説だった。

    3
    投稿日: 2024.01.19
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    コジマが自分を保つために、苛めから自分を守るために貫いていた信念のようなものが、最後に溢れ出してしまったシーンが苦しかったし、見惚れていた。

    0
    投稿日: 2024.01.15
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    全体の構成が荒すぎる、導入部は それなりだが、如何せん苛めの描写が長すぎる。 その分 百瀬 コジマの描写にあてがってもらいたかった。 結末にても スッキリしない、もどかしい。 このての題材は、永遠に繰り返される人の性でありとどまることはないのだとしたら、このての題材を扱う作者の意図はなんなのか?

    0
    投稿日: 2024.01.15
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    僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら-。 初めての川上未映子san。 中学2年生の「僕」と同じクラスの女子の「コジマ」を軸にした、いじめがテーマの物語。読み終わった後、主人公に名前が無かったことに、言葉が見つかりませんでした。 苛められているのに、暴力をふるわれているのに、なぜそれに従うことしかできないのか。苦しみや弱さを受け入れた私たちこそが正義という深理。善悪の根源が揺らぎました。 「机も花瓶も、傷はついても、傷つかないんだよ、たぶん」 「でも人間は、見た目に傷がつかなくても、とても傷つくと思う、たぶん」 これは物語の序盤で、「ヘブン」を見に行く電車の中でコジマが「僕」に言った言葉です。この”たぶん”に、コジマの人柄が詰まっていると思います。とても大切で、一番好きなフレーズです。 目の手術が成功して、良かった。「僕」には、コジマが全身全霊をかけて残してくれた想いを抱締めて、生きていってほしいです。 【第60回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞 キノベス!2009第1位】

    0
    投稿日: 2024.01.14
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    苛めの描写が具体的に描かれ、痛みの表現が生々しいため目を背けたくなるような場面が多々あった。 苛める人と苛められる人の違いは、ただそれができるかできないか、したいかしたくないかであり、そこに呵責の念や罪悪感などは介入しないという考えに妙に納得した。 この世の全てに意味があると主張するコジマと、この世の全てに意味などないと主張する百瀬。どちらの主張も説得力があり分からなくなってしまった。

    0
    投稿日: 2024.01.04
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    苛めの描写が多くて胸を締め付けられるような感覚になった。苛める側には何一つ「罪悪感」がない事、善悪は関係なくただ欲を満たしているだけである事が伺えた。逆に苛められる側は他人を苛めることが出来ない、ましてや受け入れることができてしまう優しい人間であると思った。 この世界は実に不平等で残酷。他人と自分の都合と解釈は全くもって違うものなのに同じ環境で生きていかないといけない。それを思い知らされる小説だった。みんなにあるのは「欲望」。みんなが望むと誰かが苦しむ。悲しい世界だなとつくづく感じた。 それでも優しい誰かに救われるのも確かな美しい世界であるとも最後の最後で感じられた。 暗い物語ではあるけど、読む価値はあったと思う。

    4
    投稿日: 2023.12.29
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    とにかくいじめの表現が凄くて 苦しくなる部分も多々あった。 百瀬との話も、ここまでか…と思うほど 心が苦しくなりました。 でもこれって目を背けちゃいけないし 色々と考えさせられるお話でした。

    29
    投稿日: 2023.12.26
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    教室の中でのヒエラルキーって、あれ誰がどうやって決めてるんでしょうね。知らんとこで勝手に決まってるよね。不思議。

    1
    投稿日: 2023.12.18
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    救いがあってくれと思いながら読み進めて止まらなくなった。 これは小説だから、と割り切れる話ではなく。現実で今も無数にある状況かもしれないと思うと、尚更辛かった。

    0
    投稿日: 2023.12.05
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    覚悟はしていたものの、いじめの描写が辛かった。病院での百瀬との会話は僕にとっては衝撃だっただろうし、理解できるような、でも理解したくないような言葉だった。やっぱりいじめはどんな理由でも許したくない。

    2
    投稿日: 2023.12.03
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    最近読んだ中で一番心が動いた。 昔のことをたくさん思い出した。 気づいたら一気読みしていて、自然と涙がでていた。

    2
    投稿日: 2023.11.28
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    いじめ描写が壮絶で本当に苦しかった。 いじめる側、いじめられる側はもちろん 交わり合わない思考はどこにでもある。 そこにどう折り合いをつけるか どう解消していくか どう上手く付き合っていくか 大人はそれを教えていかないといけない。 まぁ大人でもいじめは起こりうるんやけれども。 人はどうやっても自分のことが可愛いから 自分を正当化する理由をいつでも探してる。 ダメだとわかってたらなおさら。 失敗を失敗だと認められる人でいたい。 最後の義母との会話からのラスト 希望が見えてよかった。

    0
    投稿日: 2023.11.15
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    いじめに遭う僕から見える世界が容赦なく降り注がれた。二ノ宮や百瀬や謎の女性について明かされなかったのが気になる。なんでもない美しさだけを知った。

    0
    投稿日: 2023.11.12
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    一貫して辛く、暗く、救いがない。唯一の光だったコジマの存在がぼやけてきてからは、特に救いがない。最後に継母が心を寄せたのは、主人公と読み手の読後感にとって、最も重要な出来事になった。

    7
    投稿日: 2023.11.04
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    いじめられる場面は読んでてつらかった。そんな中でもコジマと過ごした時間は救いだった。君は正しい、君のその斜視の目が好きと言ってくれた。 自分ではどうしようもないことで苦しんでいる人は、この苦しみにもきっと何か意味があるはず、神様が見ていてくれるはず、と思わないとつらすぎて生きていけない。対照的に、いじめる側の百瀬はみんなやりたいことをやってる、いじめたりいじめられたりはたまたまそういう関係性ができているだけ、と言う。主人公はすごくびっくりしただろうな。 義理のお母さんの言葉にはほんとに救われた気分だった。自分とは全然違う人の考え方を知り、斜視をどうするかを自分で選んだことで、世界の見え方が変わった。ラストは感動的でした。

    3
    投稿日: 2023.10.28
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    文章がきれいで読みやすいだけに 内容の辛さが際立つ 読んでよかった けど 今のところ読み返してみたくはない

    8
    投稿日: 2023.10.15
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     悲しみや苦しみのただなかにあるとき、そしてそれが自分の力ではどうすることもできないとき、そこに意味づけを求めたくなる。後になって、こういう意味のことだったのかと思いたくなる。人を傷つけた人にも、程度の差はあっても、良心の呵責があると思いたい。なければ何らかの報いを受けるものと思いたい。  学校でいじめを受けている、斜視である「僕」。不潔な容貌を理由に、同じくいじめを受けているコジマ。そして、いじめのグループの中で、いつも傍観者的な態度でいる百瀬。それぞれの考えには大きな隔たりがあることがわかる。  コジマは言う。「なにもかもぜんぶ見てくれている神様がちゃんといて、最後にはちゃんと、そういう苦しかったこととか、乗り越えてきたものが、ちゃんと理解されるときがくるんじゃないかって…。」そしていじめに抵抗しないのは、目の前で起きていることを理解し、受け入れている、意味のある弱さだと言う。  なぜこんなに自分を苦しめるのか、後ろめたい気持ちはないのかと問う「僕」に対して百瀬は言う。意味なんてなにもない。みんなただしたいことをやってるだけ。そして「『自分がされていやなことは、他人にしてはいけません』っていうのはあれ、インチキだよ。」そう言える理由を百瀬が言うのだが、そこには反論できないものがあった。自分に直接かかわりのない相手にどれだけ思いを巡らせることができるのか。「子どものころにさ、悪いことしたら地獄に落ちるとかそういうこと言われただろ」「そんなものないからわざわざ作ってるんじゃないか。なんだってそうさ。意味なんてどこにもないから、捏造する必要があるんじゃないか。」  そして「地獄があるとしたらここだし、天国があるとしたらそれもここだよ。」  当然のように考えていた道徳観のようなものに疑問を持たせられる言葉だった。いろいろな状況、立場の人がいるとは思うけれど、「いつか」どうにかなることを願う前に、まず「今」自分の力でできることをしてほしいというメッセージに思えた。逃げるのでもいいし、だれかを頼るでもいいし、自分で「今」「ここ」を大切にしてほしいということかなと思った。  今までのいじめのことを話す「僕」へのお母さんの言葉がいいなと思った。「こういうのって、みんなすきなように違うこと言うからさ」「でもわたしはあなたの話しか聞かないから」「なんでも言って。でも言いたくないことは言わなくていい」。  

    42
    投稿日: 2023.10.15
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    友人の活躍を素直に喜べない気持ち分からんでもない。自分と同じ実力と思ってた友人が活躍すると手放しでは喜べない時あり。俺も負けないぞー、頑張ろーとなるのが健康的な思考なんだろな。

    1
    投稿日: 2023.10.14
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    初めての川上未映子さんは、なるほどおもしろかった。 美しい文章。 文章が美しいから、いじめの惨さが際立つ。 僕にもコジマにも、これからも生きてほしい。 忘れられない小説がまたできた。

    9
    投稿日: 2023.09.30
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     物語の中心に据えられる〝いじめ〟の所為か、精神的に辛い読書でした。ただ、その暴力的陰湿さに終始するだけではないのが、川上未映子さんの優れた文体・表現力であり、世界観とも感じました。  中2でいじめを受けている斜視の「僕」。物語は「僕」の視点で描かれ、同級女子で同じくいじめを受ける「コジマ」、主にいじめる「二ノ宮」と付き従う「百瀬」を中心に展開します。  4人の登場人物の個性が際立ち、いじめについて踏み込み、深掘りした内容です。特に、いじめる側といじめられる側の、切れ味鋭い心理描写が素晴らしいです。  まともと思える「僕」が、「コジマ」や「百瀬」と関わることで、善か悪か、受け入れることは強さか弱さか、正しいとは、などの価値観が次第に揺さぶられていきます。2人の、悟り老成したような考えに、イラつくくらいそれぞれ一理あると感じるのでした。  これは、読み手にとっても重い問いを投げかけられているようです。しかし、著者は特定の主義・主張を押し付けず、否が応にも「僕」に同調し当事者意識をもたされてしまいます。  急転する終末、様々な解釈が可能な余白を残す表現は意図的なのでしょうね。  今まで見えなかった、あるがままの、ただの美しさ‥これがヘヴンなのでしょうか‥。  多くのことを考えさせてくれる本書、その価値が高いことに(以下の受賞歴も含めて)納得しました。  本書『ヘヴン』は、2009年刊行、2012年文庫化。2010年に芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞をW受賞しています。  また、2021年に英訳され、2022年英国「ブッカー賞」翻訳部門にあたる「ブッカー国際賞」の最終候補6作品に選ばれました。(惜しくも受賞ならず)

    70
    投稿日: 2023.09.27
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    皆、環境とか重圧とか色々背景があるとわかった上で、、それでも加害する(できる)というのは人間ではなくモンスターだと私は思う。なんで殴れないかってそんなの人間だからだろう。 百瀬は自分への言い訳のために現状を諦めていて、 コジマは受け入れるために現状を諦めていて、 "僕"は前に進むために現状を諦めているように感じた。諦めが勇気のときもある。 すごい話だった。

    9
    投稿日: 2023.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめがテーマであるが、私には「他者との視点の違い」「他者との考え方の違い」はどこにでもありそれが衝撃的にズレていることが当たり前のようにあることを考えさせられた。分かり合えるのか?分かり合えているのか?分かり合えなくても受け入れられるのか?同意できないが理解はできるのか? 最初は同じようにいじめられているの二人が境遇からお互いが理解し会えているように見えるし、二人はそうだと思いながら話は進んでいく。だが読んでいるうち、読者にはすこしづつ二人の会話に違和感を感じる。少しずつずれているし、全くかみ合っていない部分があることにだんだん気付く。いじめてる側の人間と話しているとき最初は何を言ってるんだこいつと苛立ちを感じるし、主人公も同意は最後までできていない。だが理解できる部分があることに気づき始める。「相手の立場になるとそんなこと出来ないはず」とは思うが、よく考えると少なからず自分自身もひどいことをやっていたりする。自分なりの解釈や理由付けをして・・・ある人から見るとひどいと思うようなことをやっている。 「たまたまできる立場にいるからそれをやるだけで意味はない。罪悪感もない。」といじめグループの一人のセリフ、極端だが私には「肉は食べるが罪悪感はない。」と考える自分に思えた。牛や豚からしたら・・・相手の立場に立ったら・・・と。程度の差はあるが理解できない事ではないように思えた。 どう生きるか、どうしたいかは自分が主体で選び行動している。だが、他者が環境がこうだから出来ないと理由にしたりする。 今あるのが現実で、天国でもあり地獄でもあり、意味があるようで無いようで自分次第。どう解釈するか?どう行動するか?は選べる。 クライマックスの衝撃的な出来事の後、主人公以外が描かれてない。釈然としない気持ちになったが、よくよく考えてみると作者が伝えたかったことはそういうことだったのかと解釈することもできた。 わき役は関係ない、自分は自分の世界を自分で作りだし解釈し自分なりの「ヘヴン」にすることが出来るということかもしれないと思った。

    7
    投稿日: 2023.09.07
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    百瀬派だけどいらっとする 自分が死ぬほど辛い思いをしている時にも理不尽な思いをしている時にもそう言えるのか?? 自分がこだわっているものは手放してみれば案外どうってことないものだったりする そういうふうに何かに意味を見出さないと生きていけないくらいなんにも意味がないんだけど

    4
    投稿日: 2023.09.05
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    テキストが豊富で、体系的にまとめるのが難しかったので、感想を箇条書きに。 ・義理の母親と主人公の距離感が、希望のある適切な人間関係のような気がした。正しい大人がそばにいてくれてよかった。 ・ノジマに関して。いじめが続けば続くほど、心がスポイルされてきて、歪んだ選民意識がでてきて、けどこれは個人が悪いわけじゃない。防御反応だから仕方ないけど読んでいて辛かった。 状況をコントロールしたい心が、機能を損なわない程度にはさみで少し切る。だから主人公が「髪をきっていい」ていうのはノジマにとって救いになったんだろう(髪は神に通じているのかな) ノジマにとって唯一主人公との関係がコントロールできそうなもので、だから「あなたの目が好き」に通じるんだろうな。弱い立場だから。いじめもそうだけど、他人を支配するっていうテーマが、この小説を読み終えてのフィードバックだった。 最後の空き地のシーンは、やっぱりあれは彼女なりの攻撃なのだと自分は読んだ。いじめが悪魔のやりくちなら、ノジマの手段は神の裁き方だった。 ・前半は、主人公と同じような立場で、いじめられている人が読んだら、自分の置かれている状況の整理だったり、客観的に考えるいい機会になるなぁと読んでいたが、後半は、それだけじゃないぞという気迫があった。 ・ラストシーンは、世界の奥行と美しさを主人公が発見して、そこにも言葉をかけて向き合って書いてくれたのは有難かった。

    2
    投稿日: 2023.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クラスでわからないようになぐるけるをされる。 ボクとコジマ。 ボクは斜視のせいだとおもってた。 コジマは不潔にしてるからだとおもってた。 この世界のいじめに意味はないと百瀬はいう。 二ノ宮はなにをかかえていたのだろう。 仕返しはせずにだまって受け入れることはコジマのいうように大切なのだろうか。 善悪はないのだろうか。 病院でのボクと百瀬のやりとりをもう一度考えてみたい。 #夏の読書感想文

    2
    投稿日: 2023.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなか衝撃的な内容でした。 いじめられている方の気持ち、いじめている方の気持ち、 どっちもどっち描かれていて現在進行形での子が読んだら結果は変わるのだろうか? ワタシは、いじめている人の気持ち(百瀬)の気持ちがわからない。理由もなく残酷ないじめを平気でする。 それに気づかない大人にも悔しい。 コジマがいてくれたから、耐えられた日々も途中からコジマの行動にも疑問が残る。最後を描いてほしかったな 気づき 小説だけの話ではないのだろう。実際に起きているはずいじめ。ここまで追い込まれて死にたくなる。 絶対近くの大人が助けてあげてほしい。 ワタシも子供を守りたい、

    4
    投稿日: 2023.09.03
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    いじめる側といじめられる側でも価値観が同じ?と気付いた時にゾッとした。 価値観がピッタリ同じという人はなかなかいないと思う。でもあまりに違っていると話していてもまるで噛み合わない。 衝撃的な物語でした。

    2
    投稿日: 2023.09.01
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    コジマはその後どうなったのだろう コジマの可哀想だと思うなら最後までそれを貫き通せよって要求というか懇願はなんかわかるような気もする たとえば殺傷なんかの理不尽な犯罪にまきこまれた人を可哀想だって思うことがあって、だけど次の日にはもうその犠牲者のことは忘れてたりする そのことがひどく勝手というか、人一人ってのがその程度のものでしかないことが悔しかったり、寂しかったり けっきょく演技にすぎないのかと思ったり、真正なものなんか求めてるとなおさらね 人間の気位って所詮そんなものなのかって突きつけられるときがあるわけですよ このコジマのかんがえと対極的なのが百瀬なのだろうけど、でも見た目ほど対極ではなかったりするのかもね

    1
    投稿日: 2023.08.26
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    かなり衝撃的。 川上未映子、凄い作家だ。 他の人には書けない。 いじめられる男の女の子。 強烈な印象。 木曽駒ヶ岳に行く電車で読んだ。 2022年の秋?

    3
    投稿日: 2023.08.16
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     ヘブンはどこに、出口はどこにあるのだろう。読んでいて辛くなるけれど、いろいろ考えさせられた。 教室内における執拗で苛烈なイジメ、カースト制度における異端者への弾圧、コジマは出口の見えない暴力に対して受難を受容し救済をはかろうする殉教の道を自らも選択し突き進んでいるように思える。ここまで追い込まれてしまう状況(父親の状況を含めて)が危うい社会を物語っている。民主主義を学ぶ場になっていない現実!!  加害者がわの百瀬の論理も、ご都合主義の理屈を語り、そこには人を思いやる気持、想像力、倫理観はない。たまたま、やりたいからやる、人の痛みなどわかるはずない。冷めた世界観である。 「ぼく」はこの二人の世界観の狭間でたじろぐ。孤立した対峙できない存在である。  子どもは逃げていいのだ。頼っていい。泣き叫んでいい存在なのだと思う。  いじめられる原因と思っていた斜視は実は容易に取り除くことができるものであった。  解決の道は1つではないし、世界はもっと豊かで広く大きいのだと思う。ヘブンはどこにあるのだろうか

    4
    投稿日: 2023.08.10
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    中学校の同じクラスでいじめられている女子と男子が仲良くなっていく話。仲間意識が芽生えてお互いがお互いの支えになっていく。それは心温まる光景だったけど、コジマも「僕」も心を病んでしまう。 コジマと百瀬の長台詞が印象的だった。というのも、中学生がここまでこんなことを語れるかな、という違和感から。二人とも、世界を捉える持論があって、それを「僕」に語る。それは正しいとか正しくないとか、良いとか悪いとかではなくて、本当にただの持論。コジマは「僕」との交流でその持論をさらに固めていったんだと思う。それが彼女の強さにもなっていたのではないかと。だけど危うさでもあった。百瀬は最後までよくわからなかったな。 「僕」がいじめられている原因は斜視ではなく、たまたまだ、というのは正しいと思った。手術で斜視を治したとて、いじめはなくならないと思った。そしてその手術をコジマが拒否するのはお門違いだ。だけど、コジマはコジマの価値観でそう思うのは理解できた。 斜視は、ずっと逃れられない重荷のように思っていたことが、実はそんなに重たいものでもなかった、という例えだったと思う。 コジマと「僕」にはずっと友達でいてほしかった。

    1
    投稿日: 2023.07.27
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    川上未映子さんの3作目の小説で、初長篇になる。それまでの2作と比べると、本当に同じ作家さん?と疑ってしまうほど、テーマから手法まで全てにおいて似てない。共通しているのはこちらもかなりの実験作であること。ぱっと見どこにあるようなイジメ問題を扱っているように見えるが、川上の作品だからそんなわけがないと、思いながら読み進めると段々真意が見えてくる。途中所々伏線というようなものもあって、後になるとわかる。議論したいテーマは正直現代日本においてはそこまで需要はないとはいえ、これは人類永久なテーマではある。ネタバレになるので、敢えてこれ以上詳しく言わないが。 ただあまりよくわからなかった伏線っぽい所もあって、伏線なら回収されていないし、伏線じゃなかったらなぜそこをわざわざ書いた?というような所。 ドストエフスキーの影響なのかわからないが、ドストエフスキーほど心まで打たれるものには到底ならなかったが、とてま良い試しではあった。さすが川上さん、4作目以降も楽しみ。

    2
    投稿日: 2023.07.13
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    僕とコジマさんの共にいじめにあっている者同士の苦しく切ない物語だった コジマさんのその後や二ノ宮達のその後もとても気になるが、そこは読者の想像かー 良いことから悪いことまで色々考えてしまう 話の中で二ノ宮も進学塾に行ってることでストレスを抱えてその吐口にいじめをしていたのかなと想像されるが、それは理由にはできない話でなんの関係もない者をなぜ虐げてしまうんでしょう… コジマさんの云う彼らは判ってないだけという言葉がとても心に響いた 自分自身も小学生の時に気の弱い友達をくだらない事でからかっていた事を思い出し、つらい思いをさせていただろうなと思うと謝罪したいという後悔でいっぱいになった でもそれもできないので生涯心に抱えて生きて行かないといけないんだなぁと思った

    1
    投稿日: 2023.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっしりと来る作品。 強烈な救いようのない残酷な苛めにあっている中2の主人公の僕。  ある日、学校で手紙を見つける。同じようにいじめにあっている同じクラスの女の子コジマからの手紙。何通目かで会いたいと書いてある。いじめの中心人物である二ノ宮の新たないじめの疑いを感じながらも、呼び出しに応じ会いに行く。  そこから、同じようにいじめにあっている友達もいないコジマとの友情が始まる。 暗いトンネルの中にでき始めた少しの希望、慰め。 コジマとの交流を通じて、葛藤、成長していく僕。  何回か出てくる「苛めのシーン」の情景描写、心理描写が凄まじい。秀逸。いじめの残虐レベルが尋常じゃない…。読んでいて苦しなった。同じように苦しくなった人も多いだろう思う。 程度の差こそあれ、苛めにあったことがある人って世の中には多いのではないだろうか…。そんな思い出を想起させられ、胸に突き刺さる。 バレーボールを被らされたシーンからの展開は、怒涛だ。 抵抗しない事である意味抵抗し、わからせようとするコジマ。このいじめを受け入れる事でわからせようとするコジマの態度、生き方考え方の一つ。コジマの優しさを表してもいる。 僕がいじめから何とか脱出する方向に行こうとすることもコジマは許さない。それを裏切りと捉えるコジマの考え方は、直線的で純粋ではある。 普通の人には貫けない強さをコジマは持っている。 百瀬と僕との病院でのやり取りのシーンも引き込まれた。ついに抵抗し、いじめを批判、正しくない行為だと詰め寄る僕に対し、人間の本質を突いた百瀬の主張。百瀬の言うことは、人間真理を見事に突いている。やりたいからやっている。善悪は誰が決めるのか…。生き方の土台…。立ち位置…。正しさとは何かを考えさせられた。 僕、コジマ、百瀬。 それぞれの主張と言うか生きる立場は、それぞれに間違いはない。 コジマのようなまっすぐさを持ち続けることは、本当に困難なことだし、なかなか理解されないだろうし…。 全体を通して、人が生きる「軸」みたいなものを感じさせられるいい作品だと思った。 村上春樹さんとの対談を読んで、興味を持った作家さん。村上春樹を強烈にリスペクトしている人。比喩的表現に影響を感じた。 いろんな角度の考え方ベクトルを感じる。矢印がたくさん重なって丸くなっているようなイメージの作品。 うーん。なんとも言えない読了感。 ずっしり…ずっしりきたなぁ。 なかなかなかなか。未映子さん。調べてみたら同世代。

    7
    投稿日: 2023.07.03
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    つらくなってしまって後半大分めくり読みになってしまった。自分が僕だとして百瀬の言うことに上手く切り返せないなぁと思いながら読んでいた。この物語くらいの年頃でここまでつらつらと理屈をこねられるかなぁとかこのすごく嫌な気分になるようなことがこのように現実的に起こって続くケースはあるのかなぁと思ったけれど、そうではなくて小説を通して際立たせることで表現されている。メッセージを持たせているのだろうと思い直した。服従しないことの美しさはあると思います。そしてそうしなかった時でも物事が好転するきっかけになることもあると思います。 この気分の悪さが作品の評価とは関係ないと頭でわかっていつつも、読んで気分が晴れないのは疲れてしまった。何年後かに考えを広げるように自分に取り入れられたらいいな。

    0
    投稿日: 2023.06.23
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    少し難しかった。正解はなくて読んだ人がどう感じるかに委ねている作品なのかな。 コジマの言ってることも百瀬の言ってることも一部共感できたけどそれは違うなって思うところもあって結局何が正解なのかわからなかったし正解なんてないんだろうと思った。 コジマが印と言ってわざと汚くしたりすることと斜視を直さないでほしいというのも理解できなかった。僕にとって斜視がいじめの原因の一つなのはもちろんだけど、普段から距離感が掴めなかったり二重に見えたり頭痛がしたり明らかに生活に支障をきたしてるんだから治すべきだと思う。もし自分がその見た目をすごく気に入っているとかなら別だけど。例えば貧乏ゆすりしちゃうとか箸の持ち方が変とかそういうところを直そうと努力するのと同じように。より良い方に変えられるならもちろんそうする方が良い。百瀬の言ってることも一理ある。一つ一つに意味なんてないのかもしれないし誰がどう考えようと何をしようとその人の勝手だと思うたしかに。ただ自分がされて嫌なことを平気で人にするというのは道徳的にどうかと思う。そんなことを世界全員が考えるようになったら平和なんてないしもっと今より残酷な社会になってると思う。 終始いじめのシーンで心が痛かったから最後僕にとって明るい未来が見えてきそうなラストで少しホッとした。 こんな風に感想を書くこともなんの意味もないかもしれないなって書きながら思ったりもしたから本当に何が正解なのかは難しいな。。

    1
    投稿日: 2023.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とてもつらいことを乗り越えてたどり着いた部屋で恋人たちがケーキを食べる絵「ヘヴン」 「へヴンはいちばん奥なの」 「でも、ちょっと疲れてしまったから、少し、休憩したい」 コジマのセリフに胸が痛い。

    0
    投稿日: 2023.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イジメを題材とした二人の少年少女の物語で、   今の辛さや苦しみは必ず意味を成してくると信じている少女とそこから抜け出したいが、為されるがままの少年。少年は斜視が原因で虐められて いると思っていたが当人達は、それだけが原因ではなくて、たまたまそこにいてそういう境遇だから仕方がない事だと言い張るのには凄く腹が立った。

    4
    投稿日: 2023.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「わたしたちは仲間です」 ⁡ 同級生からの執拗ないじめに耐える、14歳の"僕"。 そんな"僕"の元に届いた1枚の手紙。 いじめる側、いじめられる側、それぞれの考え方。 善悪や強弱といった価値観の根源を問う作品。 ⁡ ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ ⁡ いじめの話だから、読んでてしんどいのはそうなんだろうけど、読み終わってからもずっと頭の中でぐるぐる、、 だいぶ体力?精神力?消耗した〜 それだけ深く考えさせられる作品だった。 ⁡ いじめられる側の「僕」と「コジマ」。 いじめる側の「二ノ宮」と「百瀬」。 ⁡ いじめは言うまでもなくいけない事なのに、百瀬の妙に説得力のある言葉には、どう返答していいのか悩むところもあった。 まったく厄介な中学生だ〜 彼らに道徳心が芽生える事はあるんだろうか? ⁡ そしていじめを受け入れてしまってる僕とコジマ。 コジマにいたっては、なんか色々超えちゃって、洗脳された人のようになってしまってるのが読んでて辛かった。 ⁡ 多感で不安定な思春期の子供たち。 僕はヘヴンを見つけてそこから逃げることが出来たんだと思う。 この先、コジマや百瀬たちも自分のヘヴンを見つけられると信じたい。 ⁡ 「いつかぜんぶわかるときが来るよ。あの子たちにも、きっとわかるときが来る。いつかぜったいに色んなことが大丈夫になるときが来るから。」 このコジマの言葉が印象的だった。 ⁡ ⁡

    31
    投稿日: 2023.06.05
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    今回はいじめを受けている男子中学生の話。 最後百瀬の言ったこととコジマが言ったことの対立はわたしはよくわからなかった。 百瀬は頭の回転が早くて口がたってああいう意見で丸め込むずるい人いるよなあと思った。間違ってはないけど、どうなの。 いじめは自分は受けたことはないけど、あんなことされるんなら学校に行かなくていいと思うし、それこそ百瀬がいうみたいに自分の身を自分で守った方がいいと思った。 学校って残酷だし、子供の頃はあの世界が全てみたいに思ってしまうから、ここから逃げちゃいけないと思ってしまう子が多いと想うけど。 逃げていいんだよと伝えてあげたい。 コジマは結局転校したの?そこだけ知りたかった。

    2
    投稿日: 2023.06.04
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    時々村上春樹的なものを感じるけど現代の純文学ではしかたのないことなのかもしれない。表現力は他の大衆的な作家のものとは一線を画すものがあると感じた。特に終盤の公園でのシーンは迫力に溢れ圧巻だった。

    1
    投稿日: 2023.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2010年(第7回)。6位。 中学校のいじめの話だからしんどかったなぁ。斜視の少年、不潔な少女が虐められている。少女が少年に手紙を書き、交流が始まった。少年が斜視が手術で直ることを知り、少女に告げたら裏切り者扱いされた。そして最後の事件。いじめだから、最後の事件ってそんなもんだよな・・って事件。斜視の手術を受けるのであった。術後見たのは輝かしい世界。百瀬の理屈もなんだかなあ。

    1
    投稿日: 2023.05.16
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    親になり、人が痛めつけられる描写に以前より感情移入するようになってしまい、、読むのが苦しかった。 理不尽な痛みや苦しみ、それらに耐えることには何の価値も意味もない。あなたの核は変わらないのだから、気にせず捨てて変わってしまえという強いメッセージを感じた。

    1
    投稿日: 2023.05.14
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    誰が正しい側なのか、と自分で勝手に正しさを求めながら読んでしまった。からもう一度まっさらな気持ちで読み直したい。

    0
    投稿日: 2023.05.08
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    あとからジワジワくる。 ただのいじめられっ子の友情かと思いきや、川上未映子さんワールド炸裂。 いじめる側の男子との対決と、こじまさんのいじめを受け入れた振り切った行動は、なかなか読み応えあり。 いじめの場面はとてもリアルで目を背けたくなる思いだったが、どちらが強くて弱いとか、正しいとか、そういう事ではなくて、、、。 私的にはスッキリしない終わり方だった。 でも、またじっくり読みたいと思える作品だった。

    0
    投稿日: 2023.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二ノ宮や百瀬にいじめられる僕とコジマのお話でした。 お話の中で受け入れるという強さがあるとコジマは言っていましたが、いじめの描写がかなりつらかったです。 僕とコジマが手紙を通じて仲間を得たと言うか励まされて強くなっていったと思いきや、僕が斜視の治療を話したことで関係が崩れてしまったのもつらかったです。 僕の斜視やコジマのしるしといった、自分のアイデンティティや守りたいもの、信念対する思いが描かれていました。 僕の斜視が好きだと言ったコジマ、斜視がいじめの原因ではないと言った百瀬、斜視を治そうとした僕、僕のいじめの話を受け入れた母、それぞれの見方が渦巻いている感じがしました。 最後に僕が斜視を治して立体感のある美しい風景で報われて良かったです。

    0
    投稿日: 2023.05.06
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    テーマはかなり重ためだけど、文章自体は綺麗で読みやすいのでスラスラ読み進められた。 そういう読みやすい文章のためか、残虐なシーンは頭に映像が浮かんでくるほど鮮明に描かれていて読んでてちょっとしんどかった。 世の中の仕組みを根本から考えさせられる作品だったし、なにも知らなければ忌み嫌われるものもちゃんと知ればそれは美しさになるんだって、分かってるようで分かっていなかった価値観を学ばせてくれる作品だった。

    1
    投稿日: 2023.04.24
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    僕が救われて良かった。これは彼の血の繋がっていない母の存在が大きいだろう。ノグチの方は、実母母と義父はもちろんだけど、彼女が心から慕っていた実の父親がもっとちゃんと彼女を見て考えてくれていたらと思う。やっぱり親って大切。

    1
    投稿日: 2023.04.09
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    コジマは「僕」の斜視を「しるし」と呼んで治すべきではないというが、それに当人である「僕」が従う必要はない。本人は今まで苦しんできたのだから、それにコジマが口出しできることはないのだ。 現社会でも障碍のある人のその障碍という特徴を大事にするという風潮、それをも包めて個性とする風潮があるが、それは当人の意向を無視してはいないか、明らかにマジョリティを占める「健常者(そもそもそんな人がいれば、の話ではあるが)」による思想の押し付けなのではないか、と考えてしまう。

    1
    投稿日: 2023.04.08
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    同じ“苛められてる仲間”として分かり合える支え合える、でも根っこやきっかけは違うから少しずつ関係性が変わってしまう。逃げるって何?物理的に、解決から、しるしから…どれも悪くなんてない。逃げた先にも支えはきっとある。あってほしい。

    2
    投稿日: 2023.03.26
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    あらゆる表現が繊細な美しさと共感性を両立させていて、最後の2ページの風景描写が特に美しい。 綺麗な話では片付けられないけど他者との交わりによって生まれる期待、依存、絶望。客観的に見るとネガティブに感じやすいそれらの感情から目を逸らさずに描かれている美しい話だと思った。

    2
    投稿日: 2023.03.23
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    どんな酷いことをされてもそれを受け入れる、というコジマと僕はすごいなと思った。 どうして二ノ宮や百瀬は漢字表記なのにコジマだけカタカナなのか?そして肝心な主人公の名前が一切出てきていないことに私は疑問を抱いた。 きっとそれは他の生徒から名前すら興味を持たれていないけど、なんとなくで虐められているということを示唆しているのかなと考えた。 イジメの内容が酷くて読み進めていく中で、感情移入されていくのが自分でも分かった。

    0
    投稿日: 2023.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コジマの自分の身なりを汚くしたりご飯を食べないことが印と言っているのがちょっと理解できなかった。 百瀬が言っていることはその通りだと思った。 いじめをしていい訳では無いけど納得できた。 文章を読んでいて状況を表す表現が多くて 想像しながら読むことが出来てすごく入り込めた。

    0
    投稿日: 2023.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめの表現が生々しくて心が苦しくなる。 また風景描写が非常に細かく綺麗に書かれていて、頭の中に映像が思い浮かぶ為、引き込まれた。

    1
    投稿日: 2023.03.05
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    ブッカー国際賞ノミネート 中学生のイジメの話。 終始かなり重い話だった。 救いようのない話やったけど、ラストの描写はすごかった。 「みんながおなじように理解できるような、そんな都合のいいひとつの世界なんて、どこにもないんだよ。」

    2
    投稿日: 2023.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめを受ける「僕」と「コジマ」、いじめをする側の「百瀬」の対比構図 - いじめられる側には確かな「理由」が必要 コジマは辛く苦しいいじめに対して「意味」を見出している。そこには確かな理由が存在していてそれを乗り越えることが彼女にとっての正しさとなっている。 お父さんの「汚れ」が彼女のしるし(アイデンティティ)と彼女自身と一体となっている。 だからこそコジマは「僕」の眼を「僕」とは切り離せない大切なものであると考えている。 - いじめる側に「理由」なんてない。 百瀬は「僕」がいじめられている理由なんてないと考えている。 百瀬は「いじめ」という現象を世界のシステムの偶然の産物として捉えているため、「僕」やコジマがいじめを受けていることに対して、必然的な理由を見出さない。 - 百瀬に対する「僕」とコジマの回答 コジマは最後に「相手の考え方やルールや価値観を丸ごと飲み込んで有無を言わさない圧倒的なちから」で二宮たちに勝利する。コジマの「世界の解釈」で自分の正しさを証明した。 僕は斜視の手術を受けることにした。最後に僕ははじめて輪郭を持って見えた並木道の光景に感動して涙を流す。しかし、その美しさは「僕」の世界の解釈でしかないと割り切って物語は終わる。

    2
    投稿日: 2023.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私達は仲間です。いじめられている男子中学生への小さな手紙。純な心の交流からいじめに対する考え方、感じ方。いじめられる時の悲しい臨場感。苦しい心。中学生のみずみずしい感情。斜視の目に対する想い、手術に対して見えて来る感情。沢山のものが溢れてしんどくなるくらいに集中して読めた。 この本を読み終えて突然青春から、引き戻された。

    1
    投稿日: 2023.02.22
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    イジメに遭っている男女の中学生。 斜視の男の子が、自分らしく生きるとは? 女の子は斜視はオリジナリティ手術するべきではないと言い張る。 どちらがヘブンなのだろうか? 男の子は手術を選ぶ。 正視する世界はヘブンだった。 彼女は狂って行く。

    0
    投稿日: 2023.02.12
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    いじめを題材にした小説は今までいくつも読んできたけれど、こんなにズドンと衝撃をくらわされたことはない。 ずっと苦しくて苦しくて、だからこそ最後の光景がとても美しく、神々しく見えました。

    9
    投稿日: 2023.02.07
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    イジメのシーンが凄惨でグエッ…てなりながら読んだ…。 誰が言うことも正しいことのような気がして、だからこそこの世の正しいは誰の正しいでもない。 終わり方は意外と普通

    0
    投稿日: 2023.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「机とか花瓶とかは、見た目には傷はついても、やっぱり傷つきはしないように見えるもの。」 「私たちがこのまま、誰に何をされても、誰にも何も言わないで、このままずっと話さないで生きていくことができたら、いつかは、ほんとうの物に、なれますかね」 「私たちは、今でも、じゅうぶん物みたいなものだった」 本当のヘヴンとは何だったのか、コジマは辿り着けたのだろうか。彼女にとっての美しさとは”しるし”であったのか。 読んでいてすごく、苦しく、無惨にも残酷、けど私たちだからこそ目を背けてはいけないと思わされた。

    1
    投稿日: 2023.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

     読み終えたとき、自分が一体何を目撃したのかしばらく分からなかった。 ただ目の前に現れる、まるで「僕」の新しい視界をジャックしたかのようなきらめきがただただ美しくて、だが輪郭が太さを増せば増すほどコジマの不在が際立って泣けて泣けて仕方がなかった。 この世界の美しさに「僕」がようやく触れたというのに、どうして膝に力を入れて踏ん張って立っていたあの子はここにいないのか。 いやだが、もし隣にいたとて、この世界の中に「僕」と同じきらめきを手にすることはきっと出来ない。 確かに共有していたものが、どうしても形を変えてしまうことがある。 時間や、思想が、いつか歪んでそうなってしまう。 わたしもそうして友人との糸が切れたり、仕方なく手を離したりしたことがあって、それがいつまでも心の中にしこりとなって残っていて、そのことが思い起こされて苦しかった。  百瀬のような悪意も執着もなく感覚で生きている人は確かにいて、そういうものに言葉が届かない絶望に、わたしは深い恐怖を覚えるのだなと本書を読んで強く感じ、途中何度か本を閉じた。だが反対にたくさんのものを見てきた大人がふっと新しい考えをくれたり、軽やかにそこから連れ出してくれたりする様を見ると、単純に力が湧いてきて、未映子の言葉であっちへこっちへと振り回されるのがとても刺激的だった。 ただコジマのことを思うと胸が苦しくなってどうしようもない。 あまりに辛い日々が迫ってきたとき、どうしてもそのことに意味を見出してしまう。そうでなければ耐えることができず、無意識に身体を守ろうとしてこの痛みも苦しみにも意味があると思う。 それはよく膨らむ。 ある種の妖怪のように膨張し、世界となる。 そのうちそれを失うことこそが一番の恐れとなって、自分だけの宗教を強く強く信じ守ろうとする。 きっとコジマもそうだったか。 そんな姿が痛々しくて、最後妖怪に呑まれてしまった彼女の姿が昨今の苛めを苦にして凄惨な最期を選ばされたあの子やあの子に重なって、ラストが描かれていないことがまたわたしが本書を読み終えてもなお、何を目撃し、どんな答えを出そうとしているのか見極められずにいるひとつとなっている。 だが輪郭を取り戻し、強さも弱さも苦しみも痛みも、平行する思想や理解不能な思考にも飲まれず、未来を自分自身の手で選択した今の「僕」なら、きっといつかコジマのことを迎えに行ける日が来ると信じている。 そうであってほしい、という願いも込めて、ひとまず本を閉じようと思う。 いつかまた読みにくるよ。 未映子はまたしても最高だった……!

    5
    投稿日: 2023.01.23
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    しるしをもつ僕とコジマが同級からいじめられながらも、繋がりあっていく話。二ノ宮や百瀬のような人間がいるからいじめはなくならないんやなー。コジマが言うように気付く日が来るのか、来ないのか。根本的に歪んでるから無駄かな。読みながら腹が立った。ぼくのしるしとコジマのしるし。支え合うきっかけになったものだけど、少し異なる。ぼくのように先天的に与えられたしるしとコジマのように喪失したものを補う意思的なしるし。それがズレたのかな。コジマはかなり心配。ぼくもコジマも二人のような経験をしている人も良い未来を歩めますように

    1
    投稿日: 2023.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    メッセージがストレーートに書かれている。 何が悪?僕たちは誰一人同じ世界を共有していない。他人をコントロールしたかったら自分の文脈に引きずり込まないと。 君がいじめられるのを辞めたいならそれは君の問題だよ。 コジマ。

    0
    投稿日: 2023.01.18
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    壮絶な虐めのシーンは読むのが辛かったけど、読後は1つの映画を神経を気を張り詰めて見終えたような充足感、高揚感がある。 原因は些細な事であり、誰もが加害者にも被害者にも成りうる。それは偶然なのだから、意味を見出す必要はないと私は思った。被害者である事の現実を受け入れようとするコジマは偉い。もしかして加害者側に何か理由があったのだとしても、それを被害者側の子が受け入れる必要はない。 と分かっていても、1人で戦うのはきっと辛いよね。 被害者側も加害者側も、それを受け入れてくれる大人に出会えると良いけれど。というか、自分がその大人の1人になりたいな。

    0
    投稿日: 2022.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絶対しんどくなるぞと覚悟して読み始めたけど、想像を超えるしんどさだった。いじめのシーンは情景を浮かべるのが苦しくてちゃんと読めなかった。ちゃんと読むべきだった。 コジマの状況における自己犠牲的な考え方はその人自身を少しずつすり減らしていく。こんなに酷いいじめを受けたことはないけど、「いつか私にしたことの酷さにあなたが気づいて、成長の糧にすれば私の今の悲しみも報われるよな。それでいいよ」って思ったことあるから、読んでてその考えは危ない!と不安だった。コジマが「なぜこんなに苦しい?」に納得するにはそれしかなかったんだと思う。でもその思考って惨めで、辛くて悔しくて虚しくて、本当はしんどくてって感じなんじゃないかって思うから、コジマの気持ちを想像してやりきれなくなった。 辛いことにも意味はあるっていうコジマと、何も意味はなくて全てはたまたまだっていう百瀬は対照的で、コジマに(主人公にとっても)救いがなかった。結果的に2人の状況を変えたのはコジマの『受け入れる』行動だったけど、主人公が二ノ宮の頭をかち割ってても状況は変わっていただろうから、本当にどっちに転んでもおかしくなかった。いじめってどうやったらなくなるんだ…。 コジマみたいな心の支えになっていた人が、徐々に変わっていくのって寂しいし、でも大事な人ではあって…みたいな気持ちってあるよね。。

    0
    投稿日: 2022.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    壮絶ないじめを受ける主人公と同じ境遇にあるクラスメートとの同族意識からの連帯感、恋慕、そしてすれ違いと哀惜。非常にセンシティブなテーマであるし、メディアで取り上げられる際の薄っぺらさをはぎ落てぶつかっていっている。読んでいて胸が苦しくなる小説。 いじめられる側の主張と、いじめる側の主張は双方すれ違い。被害者の異質な部分が受け入れられなくて、恐怖を抱いて排除しようという精神的な弱さが発端だという一方、加害者の主張は恐ろしいまでに冷淡で無関心。たまたまそこにあったからというような、何か目的があって遂行しているわけではない欲求に忠実な残酷さ。 コジマは境遇を受け入れることで戦っている。自分一人ではなく同じように虐げられているどこかの誰かの分まで、自分をひどく律している、自分に課せられた運命で乗り越えることに意味があるのだと。けど最終的に精神はその苦痛に耐えきれない。最後は壊れてしまったのだと読み解ける。 主人公も精神の限界をさまよっている。その苦しみの描写が生々しくて読み進めるのが辛く、目を背けたくなる。しかし、加害者の百瀬との会話でいじめの根本原因であると思っていた斜視の捉え方が変わる。さらに、逃れ難い戒めでしかなかったものが、案外簡易な方法で改善することも偶然にも周囲から知らされる。最後の場面、今まで通い続けていた並木道の情景が激変する。そこには美しい世界が開かれており、思わず涙する。主人公は、きっと生きていく世界が変わっていくのだと予感させるラスト。虐められる現実は変わらないかもしれないが、自分の捉える世界が変わった瞬間。 コジマと主人公は同じ境遇から進む道を違えた。受け入れる戦いと、変わる勇気。いじめは加害者に100%非があるし、断じて許されることではない。 でも、世界は変わってくれない、自分がその世界をどう認識するかで何かが好転するかもしれない。絶望の中で、一筋の希望を投げかけてくれている、そんな作品だと思う。

    2
    投稿日: 2022.12.07
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    ダークな景色が目の前に広がるようで、読み進めて気持ちの良い内容ではなかった。ただ、善悪が行動の基準ではない、と言う点は腑に落ちたし、人間の矛盾する考えだと気付かされた。

    1
    投稿日: 2022.11.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    百瀬の言っていることも筋は通っているから理解はできる。本当に、大体のことはたまたま偶然そうなっているんだろう。許容はしないけど、百瀬がいじめる側の意識を言語化してくれているんだとしたら、そういう考え方をする人がいるということを一旦受け入れた上で考えたほうがいいのかもしれない。 大体の人はやっぱり罪悪感が出てきたり、そもそもそんなことしたくない/できないとか、後で何か罰があるかもしれないからやめておこうとか、気に入らない人がいたとしても色んな角度から考えて自制することが多いのじゃないか。ただし、百瀬のように罪悪感なんてない、と言い切れる人間も世の中にはいるんだろう。 自分の何が悪かったというのではなく、たまたま偶然そういう人と関わり合いになってしまうこともあるのだと思う。 だからやっぱりもうどうしようもない環境に置かれてしまったら、逃げることが大事なんだろうな。。あなたが悪いのじゃなくて、たまたまなんだから。コジマのように耐え続けて、それが強さになることもあるのかな。でもわたしは子どもたちにそんなことしてほしくないですね。自分で選んだ試練など逃げちゃいけない場面はあると思いますが、これはただ理不尽ないじめなんだから。。コジマの場合は、お父さんとのしるしに固執している結果として身なりが汚くなっているようだし、それが原因でいじめられてもいるから本当に家庭環境からの負の連鎖という感じがします。お父さんに対する罪悪感とかもあるのかな。。母親も新しい人も、あまりコジマのことを気にかけてあげていないんだろうな。。そんな中でお父さんとの思い出だけを拠り所としてどんどん頑なになっていく部分があるのだとしたら決してコジマを悪く言うことはできない。でも、そのしるしも本当は僕にとっての斜視と同じで、それがなくなっても大事なものが失われたり損なわれたりはしないのだろう。。 ただ子どもの世界だと、本当に逃げることが難しくて選択肢が少ない。子どもの力だけでは逃げるのにも限界がある。家庭環境も複雑だったりすると誰に頼ればいいのか分からない。学校と家以外の安心できる居場所を作るのがいいのかな。。僕が母親に打ち明けられて、母親もそれを受け止められて安心した。子どもたちが健やかに過ごせますように。

    3
    投稿日: 2022.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった 主人公と今一緒に暮らすお母さんのスタンスにすごく救われた 最後の斜視の手術後の景色の描写が凄く綺麗で感動した 全てに意味があって暴力に耐えてる自分たちは正しさに気づいている、というコジマの考え方が正解であってほしいしそうだとも思うけれど、それを貫きすぎると毒にもなる考えだなと思った

    0
    投稿日: 2022.11.19
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    〈わたしたちは仲間です〉と書かれた手紙の差出人は、同じクラスのコジマという女の子で、彼女もこの物語の主人公と同じように、クラスでいじめを受けていた。 読んでいて胸が痛くなるような、目をそむけたくなるようないじめの描写が辛すぎるけれど、書き方が滑らかで、不思議なくらいにこの世界にどんどん引き込まれていく。 彼らの手紙のやり取りや、話をしたことすべてがすごく清らかで尊いことに思える。 受け入れることが正しいと言うが、本当にそうだろうか? この子たちの叫びは中途半端な訴え方じゃなかった。 まるで暴風雨にでも打たれているような、言葉を全身で受け止めているような凄まじさを感じた。 人は生まれ変われる。生きていれば、きっと生まれ変われる。 自分の世界を、与えられた道を、これからも精一杯生きていこうと思う。

    39
    投稿日: 2022.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごすぎる。描写が卓越しすぎて日常的に暴力を受けた体験をしたかのようなダメージを負いました。といいつつ、実際にはその何億倍も辛いのでしょう。特に、暴力をふるう側と対話するシーンが圧巻で、ゆえに発言が中学生離れしすぎていますが、それが気にならないくらいに秀逸でした。「いじめ」という軽率な言葉で表現してはいけない、人間の本質に根付く行為であり、決して許容してはいけないと改めて思いました。読了してしばらく経ってから気づいたけど、主人公の名前はどこにも登場してない。ぼくだったのかもしれない。

    2
    投稿日: 2022.11.06
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    何かに追い立てられるように、1日で一気に読んでしまった。いじめに関する小説は数あれど、この物語の深さはレベルが違う、と思った。 私も軽いいじめにあったことがあるけども、いじめっ子の「たとえばあの娘がさ、売春とかさ、ビデオとかで裸になってそのへんの男とやりまくる仕事につくって言えば(親は)かならず反対するだろうさ」「でもさ、こまかいことだけど、あいつ(親)も誰かの娘である女がでてるビデオ見たり誰かの娘である女が裸になってやってくれる店に行ったりしてるんだよ」「相手の立場になって考えるのが道理ならさ、足をひらいたり裸になったりして自分に色々やってくれる女の父親の気持ちになれるはずだろ」という理論で、「誰だって自分の都合でものを考えて、自分に都合よくふるまってるだけなんだよ」といじめを肯定するのは、一理ある気がしてしまった。  いじめについて「僕たちはいま、たまたまそれができる。君はいまたまたま、それができない」という発言は、いじめられるのが偶然だというのなら、そんなの防げない、という絶望であり、別に自分が悪くていじめられるわけじゃない、と思える希望でもある。 本当にいじめる、いじめられるなんて、たまたまのタイミングと人の組み合わせだけで、誰しもどちらの立場になる可能性があるのかもしれない。 くじら公園での、悲しすぎるのにあまりにも美しいラストが、脳裏に染み付いて離れない。

    35
    投稿日: 2022.10.29
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    「いじめ」とは…… その行為を、意味を、突きつける。 いじめを哲学的にとらえて、読者に投げかけてくる。 辛い。 過去にいじめを受けたことがある人は、このページを開いてはいけない。 傷を奥深くから抉り取りだすような行為になる。 どうして自分なのか、ただ受け入れるしかない現実。 反撃したり助けを求めればいいといわれても、それができないからこの状態に陥っている。 時間が過ぎるのをただ待つしかない。 彼らが自ら終わらせることができる、唯一できる方法。思考がそれに向かっていく。 ……「自殺」。 それが最悪の決断とわかっていても、そこに行き着くしかなくなるのだ。 いじめをする側の人間の、理由、理屈が、、 言葉を失うほどで、、。 『したいからする、欲求を満たしたいからするだけ』 こんなことがまかり通ってしまう。 作品には、いじめられることに何かの意味を見出そうとする人物があらわれる。 『弱い子は弱いなりの強さがある』 すべての理不尽さをうけいれる、それができる強さ。 こんな矛盾なことがあるだろうか。 修行僧が解脱するために、みずから課す試練とはわけが違う。 こんな哀しい容赦があるだろうか…… これは小説?哲学? 人間の本質に挑んでいる。 いじめがなくならないのがわかる気もした。
この本は2009年の作で、2022年の今もいじめのニュースは日々流れてくるのは、そういうことなのかなと思わされます。 いじめは、子どもの世界だけでなく、職場にもママ友関係にも大人のなかにも蔓延っておりなくならない。
 作品としては素晴らしいですが、トラウマがある人には要注意。

    1
    投稿日: 2022.10.18
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    例えば太宰治のような破滅的で自己陶酔的な価値観の中に引き込んでおいて、全く違う価値観を突きつけられる。どの価値観の中で生きるのか、選択権があるならより良く生きられる選択をすればいいのでは?という救いがある。それは逃げではないし、弱者を見捨てることでもない。新しい世界を受け入れる柔軟な心の選択なのだろう。

    0
    投稿日: 2022.09.25
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    かなり読み進めるごとに気持ち的にしんどくなりすぎて、読み終えるまでにめちゃくちゃ時間かかった。 百瀬と主人公の会話で、百瀬の主張にもわかるところがあるというか、心に堪えるものもあり、なんかずっと複雑な感情のまま、終わった。

    1
    投稿日: 2022.09.11
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    現状から抜け出す方法はあるだろうに、ずっと自分を縛り付けている2人。 やりたいことをただやっているだけ、という百瀬。 唯一支持できるのは、主人公の母親ぐらいでしょうか。

    0
    投稿日: 2022.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「わたしたちは仲間です」と言う手紙が「僕」のところへ届いた。それは、同じようにクラスでいじめに遭っているコジマと言う女子生徒からだった。その後、二人は手紙を通して心を通じ合わせていく。いじめる側が悪いことは当然ですが、読んでいるうちに何が善で何が悪なのか。誰が強く誰が弱いのかと言うことが分からなくなった。 コジマの「あらゆることに意味がある」と言う考えと百瀬の「あらゆるものに意味はなく、意味は後からつけられる」と言う真逆な考えも、置かれている状況から生まれる考えなのか?『ヘヴン』と言うタイトル美術館でコジマは具合が悪くなり見れなかったけれど、その絵に答えはあるのか?ラストで僕は斜視を治療し、今まで見えなかった世界が見えるようになる。それは彼にとってのヘヴンの一つだったとしたら、コジマにとっては何がヘヴンなのだろう?読みやすくサクサク読めましたが、背景に宗教的哲学的なものがあり、川上さんの作品は一筋縄ではいかない。

    0
    投稿日: 2022.09.04
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    少年の葛藤が永遠のように続く 壮絶な苛めを受けているにもかかわらず、何故か色んな感情や価値観が巻き起こる不思議な物語 1人1人の人間模様も面白いのだが、百瀬とコジマの考え方が斜め上を行っており、先が読めない展開も魅力の一つ

    0
    投稿日: 2022.09.03
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    いじめはなぜだめなのか? 圧倒的にいじめは悪だと分かってるのに、百瀬と対峙したら自分も何も言い返せないと思ってしまった。 道徳心の欠如。

    3
    投稿日: 2022.09.01
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    二ノ宮や百瀬たちはどうなったのだろう。 百瀬のやけに説得力のある破綻した倫理観にゾッとする。ちゃんとした更生プログラムが彼らに提供されますように。こんなにも酷い暴行(イジメではなく犯罪)が行われているのに学校が全く気付いていないとは考え難い。コジマのセルフネグレクトに関してもだ。僕とコジマのヘブンは意外と近くにあるのに、周りに助けを求める事を完全に諦めている二人。でも僕はすぐ近くに存在していたヘブンを知る。コジマは僕がこの世界から外に出る事が許せないのだろうか。僕とコジマのこれからがヘブンでありますように。

    1
    投稿日: 2022.08.31
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    この世界は一つしかなくて、その世界に偶然生まれ落ちた私たちは個体としてはかけがえのない存在なのに、群れの中に入ればただの一人しかいなくて、人が生きるということは根源的に孤独で、誰かの世界に触れられるようで本当には誰にも触れられないかもしれない不安などなどといったかなり普遍的でスケールの大きなことが書かれた作品なのだと今回読んで思った。世界は一つしかないのに、人の数だけ世界があるというのがこの世の大きな矛盾だ。強さと弱さや、正義と悪が反転して全てが入り乱れ、何が何だか分からなくなっていくような構造がいい。川上未映子の代表作は誰がなんと言おうが間違いなくコレ。

    1
    投稿日: 2022.08.25
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    私はこの本から名前は知ってた程度の、哲学者のニーチェを知ることになった。 正直、私だけでは判りきれなかった諸々の部分を、別の方の考察を読んで理解した。 この本に出会えて本当に良かった。

    0
    投稿日: 2022.08.24
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    ちょっと呆気にとられるぐらい面白かった。ここまで没入感をもって小説を読んだのは久しぶりな気がする。ぐっすり寝て起きた時のようなすっきり感。最近忘れてた読書の大事な部分を思い出させてくれるような。 ラスト付近での2つの思想が交差してぐるぐるとなるところが好きだ。非常に映像的な作品だと感じた。

    2
    投稿日: 2022.08.18
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    川上未映子さんの文章は、日本語として美しい。 美しい文章で綴られた壮絶ないじめは、極めて鋭利なナイフのように、読み手の心を残酷に切り刻む。 いじめの本質はここにある。 そして、どういじめの地獄から抜け出せばいいかもここにある。 誰もその人の魂までいじめることはできない。 その人の一部(平野啓一郎さん的に言うとひとつの「分人」)しかいじめることはできない。 他の部分には触れることすらできない。 だから、いじめられている人はその一部にこだわる必要はない。捨てたかったら捨てればいい。 その一部の捨て方を知らなかったら? それは、まわりのちゃんとした大人がしっかり教えてあげるべきだ。 時には逃げることが生きていくということなんだと。

    62
    投稿日: 2022.08.14
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    ブッカー国際賞ノミネートということで読んでみた。作者初の長編(芥川賞受賞作「乳と卵」の次作にあたる)。物語の空気に慣れる前に読み終わってしまった感じ‥‥。

    3
    投稿日: 2022.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    海外で賞を取られたとのことで、気になり 手に取ってみました。 私にはなんとなく後味の悪い作品です。 (作品が悪いということではなく、重いテーマという意味で) 百瀬も僕もコジマも皆自分の目を通した正論。 だからこの世はワンネスから程遠いということを認識させられて苦しいのかな。 今もなくなることのない虐めや戦争に繋がる考えさせられるテーマです。 ワンネスになれる場所はヘブンなんでしょうね。

    1
    投稿日: 2022.08.13
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    百瀬の言葉に共感してしまった 必然的に感じる不平等を納得させてくれるための言い訳とか逃げ道だった、うまく言語化してくれてありがたい

    0
    投稿日: 2022.08.07
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    物語にしては、あまりにもひどすぎるイジメを受けている主人公。 何度かの手紙のやりとりの後に現れるコジマ。 他人の行為を受け入れているコジマは、もはや普通の人間ではない。最後の公園のシーンは圧巻で、情景がとてもよく頭に浮かんだ。 リアルな中学生のイジメを取り扱ったはずだが、深くに入りすぎていてファンタジーに思える。 コンプレックスを消した主人公の目の前に現れる美しい風景とそれを共有できる相手を失ったラストシーンがとても綺麗でした。

    0
    投稿日: 2022.07.20
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    初の川上未映子作品。 スラスラと読めつつも、しんどい事この上ない内容でした。 百瀬のあの言葉。中学生にあんなセリフを言われたりしたら、わたしにはぐうの音も出ないかもしれない。 コジマはあの後、どうなったのだろう。 面白くてとゆうよりも、重くてドーパミン出ました。おもぱみん。

    19
    投稿日: 2022.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『苛める側の論理と苛められる側の論理の狭間にて…』 【価値観】って何だろう? 読了後、真っ先に浮かんだ疑問。 全ての人にある程度共通の【価値観】があるものと思っていたけど、百瀬の言葉に真っ向から否定された。 とても考えさせられる作品。

    3
    投稿日: 2022.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめの描写が辛かったけど面白かった。僕と二ノ宮の過去が知りたくなった。百瀬の言い分を聞いて、確かにそうだな、としか思えなかった。やってることの正しさと言ってることの正しさはまた違うんだなと思った。百瀬の話を聞いてから、主人公が二ノ宮を石で殴ろうとしているとき、やってやれ!と思った。主人公に感情移入したからこそ、主人公の正しくない行いを応援してしまった。私は百瀬に流されていた。コジマの頑なさには共感できなかったが、最後やりきった彼女は本当にすごいと思う。

    0
    投稿日: 2022.06.10
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    あさひという人のYouTubeで、百瀬がニヒリズムでコジマがキリスト教の思想を持っていると言っていた。 その2つの強烈な思想の中で揺れ動く"僕"の話でした。 正直どちらの思想もいきすぎると狂気的に感じる。 コジマも中盤から怖いと思うように描かれてると思う。ファムファタールな雰囲気というか。 ニヒリズムの何の意味もない的な考え方は凄く広い枠組みで考えると僕もそう思うし、今の時代広がっていくみたいなのはわかるんだけど、 だからなにしてもいい、イジメしてもいいみたいな考え方は自分にはなくて、驚いた。 こんななっちまうのか!そりゃあ行けねえぜ!みたいな。 ニヒリズムについてもキリスト教についても他の思想でも、その人その人の解釈の仕方でこうも変わってしまうから、思想は自分の中にだけ持っておけば良いんじゃないかと思ってしまう。 でも、これが1番と頭の中で思ってしまうと人に広げたくなってしまうんでしょう。 そして、いきすぎた人がカリスマと呼ばれる事もあるでしょう。 お母さんの存在が割と謎で、ラストあたりとか魅力的でした。 あと、お医者さん。 人って無自覚に人を傷つける事もあるんだろうけど、無自覚に人(とか読者)を勇気づけたりも出来るんだなと感じた。 物語の話だけに絞ると、こんなにされても抵抗も誰かに話す事も出来ない状況、それがイジメの恐ろしさだ。 そんな中でコジマという、話を出来る相手(イジメの話はしないにしても)が出来たのは救いだったと思う。

    5
    投稿日: 2022.06.06
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    ❇︎ わたしたちは仲間です クラスメイトからの執拗で陰湿な苛めを 受け続ける僕に届いた差出人不明の一枚の紙。 新手の苛めと疑う中も手紙は届き続け、 恐る恐る呼び出された待ち合わせ場所に行くと そこには同じように苛めを受けるコジマがいた。 誰かに知られるわけにはいかない二人は、 共犯者にも濃淡が違う同じ色にも見えます。 人は自分と違う理解できないことを恐れ、 嫌い、怖いからこそ排除しようとするだよ というコジマ。 主人公の僕は斜視が原因で苛められてるが、 手術で治ると医師から知らされる。 悩む僕に母は、 「人と違うところが同じになったからといって、 大事なものが失われたり損なわれたりしない」 と手術に背中を押す。 本質は見え方が変化しても変わらない。 そのものが変わった時に初めて変化が現れる と感じたラストでした。 深く複雑で重い読後感。

    10
    投稿日: 2022.06.02
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    強いってなんだろう。弱いってなんだろう。正しいことも間違ってることも、誰の、どんな基準で決めるんだろう。「やめて」といわないことは「いいよ」とイコールではないはずなのに。と、読んでいて胸が締め付けられました。でも、もしかしたらどこかで私も……と、考えさせられました。

    0
    投稿日: 2022.05.25
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    2022年「ブッカー国際賞」最終候補が話題の作品 恥ずかしながら・・初めての川上未映子。 クラスメイトからの苛めに耐え続ける主人公の少年と、同じく苛めにあう同級生の交流を主軸に、家族や「善悪の価値観」といった抽象的なテーマまで、様々に織り交ぜて描いています。 どんどん読み進む魅力的な文章ですが・・・なかなかに難しいテーマ、というか・・・ 非常に好みの分かれる作品ですが、一読の価値はあると思います。

    0
    投稿日: 2022.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いじめのシーンがなかなかエグくて、体調悪くなりそうになった… それほどのすごい文章力。 やりたいからやる。たまたま標的がその人だっただけ。 そんなの許されるはずはないのに、いじめをしてる人にそれをわからせるのは難しいのか… コジマは救いを求めてないかもしれないけど、自分で自分を追い詰めてそれが正しい事だと思っている姿を見るのは辛かった。

    1
    投稿日: 2022.05.14
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    文章が美しくスラスラと読めますが、いかんせんテーマが重かったため、読了後には何かズシリとくるものがありました。 「人間の強さと弱さ」「苛めがなぜ生まれるのか」など、中学生の会話を通して、ハッとさせられることが多く、とても考えさせられる内容でした。なるべく中学生や高校生などに読んでもらい、真剣に苛め問題について考える機会が生まれればいいなと思いました。

    5
    投稿日: 2022.05.13