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泣くな道真 大宰府の詩
泣くな道真 大宰府の詩
澤田瞳子/集英社
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総合評価

52件)
4.1
13
27
7
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    太宰府に左遷されてしまった道真は、当初悲嘆にくれてやけっぱちな生活を送っていたものの、輸入されてくる唐物などの目利きを通して、元気に逞しく生き抜いていく。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    菅原道真公がこんなんだったらいいのに、と思わせる話だった。ちゃっかりあの歴史的美女も。 太宰府行ってみたくなった。

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    失意の内に配流先で世を去った菅原道真公。本当にこういうことがあったら良かったと思わせられた作品でした。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    右大臣の位にまで上り詰めた天才文人政治家、菅原道真が太宰府に流されてきた。鬱屈し怒り狂う道真はだんだんと異国の文化の混じる太宰府にて生き生きと己の役割を見つけていくというストーリー。 太宰府に左遷されて初めて本当に民はどのように生きているのか、苦しんでいるのかを目にする。自分が今までやっていたことはなんだったのかと自問自答するシーンが好きだった。 "どんな教養も、飢えや貧困の前には一粒の麦ほどの価値もない。薄汚れた画幅を名品と判じられたところで、病み衰えた男一人、救えはしないのだ。" 有名な書画や陶器を鑑定しながら、朝廷にしっぺ返しも喰らわせる道真。恬子さんの視点が鮮やかで好きだし、途中からわかっていたけれど正体が分かるシーンも穏やかで好きだ。 結局、自分の目で現実を見ないとわからないことはたくさんある。その上で自分が育んできた才能を活かすこともできるという話なのだなと思う。

    6
    投稿日: 2025.05.25
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    最近詩吟を始め、菅原道真が左遷された際に詠んだ詩を吟じるにあたって、道真の人となりが知れる本を探していました。 すると、ドンピシャ。左遷後の様子を書いたこちらの小説に辿り着きました。 詩吟に関しては、左遷されたあとも醍醐天皇を想って余香に浸る・・・そんな様子が詩から見て取れ、とても重く悲しい道真を想像。 ですが、こちらの小説を読み、たしかに左遷の事実に打ちのめされてはいるものの、『喜怒哀楽を露わにする雷神』と例えられるほど、怒って泣いて、笑って企んで・・・。ジェットコースターのような日常が描かれていてなんともコミカルな道真。 勝手に救われた気持ちになりました。 お節介を焼いてくれる小野恬子(小野篁の孫と説明があるまで小野小町だと気づかなかった)や、世話役に任命された龍野保積など、周囲との関わり合いによって徐々に活力を取り戻す姿にとても親しみが持てました。 道真も人間だったんだなぁ。 京に居たときには、本当の人の暮らしや貧しさを感じ取ることができなかった(隠された事実もあれど)と気づき、「私はなんのために・・・」と嘆く姿が印象的。 決して自分の才に傲慢にならず、人の世を良くしようと努めた政治家で、人の世を見たまま表現しようとした歌人だったのかなと想像しました。 人ひとりの生き方を変えられぬ者に、大いなる国を動かせるはずがない。 そう思うと、道真の存在がたくさんの影響を及ぼしたわけであって、左遷という辛い事実も少し報われる気がします。 どこで、どう生きるのか。自分の才をどう生かすのか。 すべては自分次第で、出会い次第で、人生捨てたもんじゃないなと思わせてくれる素敵な物語でした。

    18
    投稿日: 2025.04.28
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    朝廷での権利争いに敗れて太宰府に配流され、その怨みを宥めるために天神さんとして祀られた、というエピソードは有名な菅原道真を生身の人間として取り上げた作品。 当時の記録からして性格や日常生活に関する資料なんて殆ど残ってないはずなので、数少ない史実をベースにここまで面白い物語に仕上げたのは流石です。 諸説ある小野小町を意外なキーパーソンとして登場させているもの面白い。次作も期待。

    1
    投稿日: 2025.01.09
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    新年最初の読了は平安時代。太宰府に左遷された道真の動向が分かると思ったらヤケになった道真のコミカルな話。最初は遅々として進まなかったがどんどんのめり込む。唐からの骨董品の数々や今まで分からなかった市政での生活。子どもぽい所もあり周りが振り回されて次は何をやらかしてくれるのだろうとワクワクしながら読了。 応天の門というマンガを読んで道真に興味があったが真反対な性格でマンガもこの小説の道真もいい味を出している。

    2
    投稿日: 2025.01.01
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    あー好き。温かい読後感。菅原道真…あまりに存在が遠すぎて、実在した普通の人間なのだと考えたこともなかった。会話して、泣いて笑って、同じ人間であることが強く感じられて、あー最後まで、読めてよかった。 …というのも、語彙が難しすぎて、スマホが手放せなかった。平安時代はあまり興味がなかったけれど、やっぱり澤田瞳子さん、いいわー(^^)

    8
    投稿日: 2024.12.12
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    登場人物がみな、生き生きしていました。亡くなっていく人も臨終の瞬間まで生き生きしていました。と、なんとも矛盾した言い方ですが、その場での役割をしっかりと果たして、この話の中でなくてはならない存在感を放ち、亡くなっていきました。人だけではなく、書画までが登場人物として人格と存在感を持って訴えかけてきました。 とはいうものの、決して重苦しいものではなく、だからと言って軽々しくなく、激しい一陣の雷雨のように過ぎていきます。 ヒロイン、道真と同時代の人であったのか、とつくづく思った次第です。彼女は彼女で有名ですが、なんというか、時代から浮き立った存在。六歌仙の中でも一人、時代から浮いているような感覚だったので、そうか、道真と同時代か、と改めて認識しました。 それにしても、いささか無駄遣いではないかなあ。もっとしつこいくらい活躍してほしかった。 それは主人公についても同様に感じて、これだけのキャラクターがそろっていたら、もっといろんなことが起きて、もっといろんな活躍が語られてもいいのに、もっと読みたい、と切に思ったところです。 そうか、だから2冊目、続巻があるのか。 このあとすぐに本屋に発注します。 あまりに面白すぎて、もっと読みたい気持ちが強くなりすぎて、それが物足りなさに思えて、星一つ減じたところです。 今日から「雷」を見る目が変わりそうです。

    14
    投稿日: 2024.12.06
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     北九州旅行に備えて読んでみた本。  菅原道真のことについて、右大臣まで昇った、藤原氏の他市排斥運動の流れの中で、大宰府に左遷され、その地で死去。後に怨霊となり、天神さんとして祀られるというぐらいしか知らなかったので、参考にと読んでみた。  作者については、これまでも「火定」「龍華記」など何冊か読んでいて、きちんと史料を踏まえて書かれている印象を持っていて、今回も同様。   菅原道真も大宰府に流されたものの、単に憂憤だけで終わることなく、都に対して一矢報いようとして活動したという設定については、暗い話になりがちなところを救いのある物語にしていてよかったと思う。  続編が出ているので、機会を見つけて読んでみたい。

    2
    投稿日: 2023.11.25
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    「美しいもの」の役目とは。 置かれた場所で生き続ける。不条理でしんどくても。汚泥を啜って地を這い回ってでも。 夏の雷雨は轟いて、その後晴れる。 天満様にお参りしたくなった。行きたいところが増えるなあ。

    8
    投稿日: 2023.10.31
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    最初の一章を読むのには時間をかけた。 一度ルビが振られた言葉は基本、その後漢字の読み方を覚えねばならぬのだ(そりゃそうだ普通だ)が、人名・平安時代の官職・当時の風俗や唐物、あとは単純に話し言葉であまり使わない漢字(「歔欷」など)に、あまりちゃんと時代ものを読んでこなかった私などは結構苦労したのだ。 が、2章目になってからはスイスイ読める。……面白かった。 道真自身は語り手ではなく、そのことが物語のレベルをぐんと押し上げて、現代性も帯びるストーリーになっている。怠け者だがドライな視点を保てる保積、能力はあるが「色事」の多い(と謗られてしまいがちな)恬子が道真の荒んだ心をどう動かすか、また道真からどのような影響を受けるか。コミュニケーションは相互作用なのだよなぁ。 終盤では、恬子、あんたそういうこと!となること請け合い。

    6
    投稿日: 2023.10.30
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    菅原道真が太宰府に左遷されたあとの物語。 家柄に合わぬ出世(右大臣)をした道真は、貴族からの反発され左遷されるに至った。京への未練と恨みで塞ぎ込んでいた道真のもとに来たのは、「うたたね殿」こと保積と、美貌の歌人小野括子。 道真の人生って、すごくドラマチックだったんだな。 私は歴史ドラマとか全然見ないんだけど、もし道真が主人公のドラマや映画があったら見てみたい!どうやらまだ大河ドラマにもなっていない模様。こんなに有名人なのに、映像化しにくい人なのかなぁ。 物語序盤、文句ばかり言っている道真にちょっとイライラしたけど、括子が道真の能力(美術や文献への知識が豊富で目利きができる)に気付いて、唐品を扱う店に行くようになってからは話全体が生き生きしてきて面白かったな~。 廃寺を守る僧が、道真と知らずに道真の歌を批判した出来事から、道真はもっと太宰府の中に入っていきたい、この土地の力になりたい、と思ったのではないかしら。 ラスト、京からわざわざ道真の哀れな姿を見に来た藤原氏のために、みんなでドタバタと部屋を地味にして道真を隠そうとしていたのが良かったですね。 道真、太宰府に馴染んだなーって、読んでいて嬉しくなった。 括子はラストは出羽国に行ってしまったけど、まさか彼女があの有名な小野小町だったとは。 古典も歴史も疎くて、はっきり書かれるまで全然気付かなかったよ。小野小町って世界三大美女とされていて「高嶺の花で近づきにくい人」っていうイメージだったんだけど、この本の中では、とても先進的で素敵な女性でした!

    8
    投稿日: 2023.06.22
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    天神様 学問の神様 祟り神! 道真さまの太宰府でのくらしが書かれています 太宰府の問題の解決方法は頭のいい人は 考えてることが違うなぁ~とおもいました そして、そこそこたのしそうに暮らしている様子は、イメージが違って面白かったです。

    1
    投稿日: 2023.06.15
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     「知恵の神様」或いは「3大怨霊」として言わずと知れた菅公こと菅原道真。怖そうな人物のわりに表紙のイラストがとてもかわいらしく、思わず手にした1冊。  彼は中流貴族でありながら、自らの才能により文章博士・右大臣にまで昇進したものの、藤原氏の妬みにあい、大宰府に流された。当初、この宿命を恨み続けていた菅公であったが、あるきっかけから、全く無関係であった菅公と恬子(小町)と穂積のトライアングルが動き出し、朝廷を欺き、意趣返しを成功なるか?   豪華絢爛なる貴族社会を描きつつも、視点はいつも名もなき民衆の側にある澤田歴史文学。爽快感の残る作品である。

    1
    投稿日: 2023.04.14
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    伯父と甥の立ち位置が変わる(伯父を守ろうとしていた葛根自身の変化でもある)ところが凄いと思った。ボーッと立っているだけと思われた門衛が、意外な働きをしていたり、「人は見かけによらない」が沢山あった。

    0
    投稿日: 2023.03.03
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    知識量が素晴らしい。全体的には登場人物も魅力的で、当時の太宰府の雰囲気もリアルに感じられて、さくりと読める物語として楽しめるのは間違いないところ。

    5
    投稿日: 2023.02.22
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    逸話でしかあまり知らない道真公の太宰府生活、息子の死は非常に悲しいが、本当に終わりの方にある生活だったとしたら楽しいなぁと。

    0
    投稿日: 2023.01.21
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     太宰府へと貶遷された菅原道真の活躍を描く痛快歴史ロマン。シリーズ1作目。4章および終章からなる。再読。       * * * * *  澤田瞳子さんには珍しくコミカルで軽めの作品ですが、その分すべての主要人物が生き生きと描かれていました。  まずは「うたたね殿」・龍野保積。出世の先が見えた中年地方官僚です。  このトボけた味の狂言回しが道真の心情を刺激し、生きる意欲を引き出していきます。彼のみが実在の人物ではなさそうですが、あとのキャスティングが見事でした。    主人公の菅原道真からして、真面目で堅い学者肌とは打って変わり喜怒哀楽の激しいガンコじじいに、小野恬子はこれがあの小町かと思うほどおきゃんでサバサバした女性に、それぞれ描かれています。実に思いきったイメージ変更だと思いました。  なのに、読んでいて少しも不自然さがなくむしろ好もしく感じてしまうほどです。  他にも、大宰大弐の小野葛絃やその甥の葛根も十分過ぎるほどの存在感を放っていました。(名前だけ登場の道風兄弟の活躍も見たかった)  再読だったのですが、前回読みとれなかった部分に気づけた分、面白さは初読を上回りました。さり気なく雷を絡めたラストの場面もよくできていてニクイほどです。  まったく澤田さんの豊富な知識と作品構築の緻密さにはほとほと感心するばかりです。

    10
    投稿日: 2023.01.07
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    初読みの作者さんが続く。 こちらは少し前のkuma0504さんの「吼えろ道真 大宰府の詩」のレビューを見て、最初の巻から買ってみた次第。 菅原道真公が左遷された太宰府に着いたところから始まる物語。 太宰府やその近辺には、小学生の頃に遠足やら宝満山や天拝山への登山やらでよく行っていたが、その頃は歴史的な価値は知る由もなく、もはや記憶もおぼろ。 この本を読めば、博多津の賑わいも含めて堂々たる西の都といった風情で描かれており、こんなことなら近くに住んでいる間に都府楼跡や水城跡などきちんと行っておけば良かったなという心持ち。 物語はと言えば、左遷で悲嘆にくれる道真だが、その相手をするように命じられた中級官人・龍野保積と乱入してきた美貌の歌人・恬子が絡んできて、そこからは生気を取り戻したり、また落ち込んだり、まあ忙しいこと。 昔、天満宮で「道真公のご生涯」みたいな展示も見たが、今もホームページを覗けば『太宰府では、衣食もままならぬ厳しい生活を強いられながらも、皇室のご安泰と国家の平安、またご自身の潔白をひたすら天にお祈りされ、誠を尽くされました』と載っていて、そんな人物像と異なった姿は新鮮と言えば新鮮。 確かに菅公くらいの才があれば、自分を貶めた都の政敵に対して一矢報いるためにあれくらいはやるであろうな。 太宰府から博多津まで歩くのは結構大変だと思っていたけど、案外近かったのね。(とは言え、この本に書いているように2時間ほどで行けるとは思えないけど)

    19
    投稿日: 2022.12.25
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    歴史小説のしっかりした史実の中で道真を始め登場人物が生き生きとこんな風であったかもというように動いている.小野小町まで出てきたのにはびっくりしたけれど,自然でこんな女性だったかも.

    1
    投稿日: 2022.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    菅原道真については、教科書に書いてあるくらいのことしか知らなかったので、こんなに大人げない人だとは!と驚いた。(いや、これフィクションだし) 何しろ身に覚えのない罪で左遷されちゃったので、ひきこもる、人にあたる、物にあたる。 とてつもなく教養のある文人貴族じゃないの? 藤原氏全盛の時に、実力(教養)だけでのし上がってきた道真には、根回しとか、相手を立てるということがなかったのだろう。 真っ向から藤原氏とぶつかってしまい、分不相応な出世をよく思わない多くの貴族たちを敵に回し、冤罪で大宰府に流される。 大宰府への道中にかかる費用も一切本人負担で、一族はことごとく田舎に飛ばされ、孤独と憤懣でどうしようもない気持ちはわかるけど、同行の7歳の娘と4歳の息子がいるんだから、もうちっと大人げを持てよ、と思ってしまう。 が、大陸からの書画骨董がどこよりも早く手に入る博多津で、埋もれた骨とう品を発掘したり贋作を発見したりしているうちに、少しずつ生気を取り戻す。 が、その中で道真は、今まで自分が見ていたものは本当の庶民の姿ではなかったことを知る。 律令制度が形骸化しつつあり、国も地方も財政難。 道端には飢えて死ぬ者が転がり、畑は耕すものもなく立ち枯れ…なんて実情は、都から視察に来るような偉い人には見せられない、隠さねばならないものなのである。 ある程度体裁を整えた地方の窮状を見て、策を施し、それで満足していた己を道真は恥じる。 そして、そんな世の中とは無縁とばかりに雅に現を抜かす朝廷の人々や大社大寺に怒りを覚える。 さて、大宰府の窮状を救うために、横領品の横流しをするのはいけなくて、贋作製作はいいの? というような疑問を覚えつつ。 私が気に入ったのは、大宰府の大弐(だいに・次巻のようなもの)である小野葛絃(くずお)です。 いつもニコニコ温厚で、できる男風ではないけれど、いうべき嫌味はとことん鋭く、見ないふりして全てをご承知。 好きだなあ、こういう人。うん。 ひとつ不満は、道真があまり子どもと絡まなかったこと。 この当時の父親がどの程度子どもと接するのかわからないけれど、ほぼほぼ子供と触れ合うシーンがない。 だから隈麿のことはショックだったのはわかるけど、私もショックだったけど、でも違和感。 あと、第四章のタイトルで予想はついていたけれど、恬子はやっぱりあの方でしたか。 詳しくない時代の話でしたが、面白かったです。

    6
    投稿日: 2022.04.11
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    歴史小説の醍醐味の一つに、史実では証明されていない同時期の人物の邂逅があげられる。 今回楽しんだのは道真と小野小町のやりとりだった。 現代以上にもののけや闇を恐れた平安人に恐怖を感じさせた菅原道真が、こんな気さくなおじさんだったと知ったらさぞや驚いただろう。 話は面白く読みやすいのでお薦めできる一冊と思う。

    44
    投稿日: 2022.03.25
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    読み終えて、太宰府での菅原道真その地で親しまれていた姿の想像を膨らます。やはり拝みに行くのは太宰府天満宮だな。「人は置かれた場所で生きねばならない。哀しみに沈み、悲嘆にくれるのもそれはそれで一つの生き方。さりながらただ我が身を嘆き、他人を恨んでも、そこからもたらされるものは何もなかろう」p198 小野しずこ(小野小町)に惚れた!

    2
    投稿日: 2022.03.09
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    太宰府に流された菅原道真公の姿を、ユーモアたっぷりに描いた歴史もの。 片肘張らず、気負わずに読める。 菅原道真公のイメージが少し変わるかも。

    1
    投稿日: 2021.10.19
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    菅原道真というと、天神様。 藤原時平の謀略で、無実の罪で太宰府に流され、失意のうちに亡くなった文人政治家。 そして、その死後、雷神となり、都を脅かした…。 しかし、それ以外、自分は何を知っているのだろう? 本作では、道真が太宰府に流されてからの日々が描かれる。 面白いのは、道真の目線ではなく、彼を迎え入れた太宰府の役人たちの側から描かれることだ。 中心的な視点人物の一人が、うたたね殿と見くびられる官人、龍野穂積。 道真は、太宰府に到着して以来、ずっとひきこもり、すさんだ生活をしている。 体を壊しでもしたら、不当な扱いをしたという誤解を与えかねない。 それを恐れた小弐小野葛絃の命で、道真の身辺に侍る。 やがて、博多津での唐物屋へ連れ出すことに成功するが、そこで道真は眼識を買われ、目利きとして雇われることになる! 葛絃の妹、恬子(しずこ)も関わることになり、物語は起伏が生まれてくる。 やがて、太宰府を揺るがす不正会計事件が発覚し、その解決に道真が乗り出していく。 道真がとにかくいきいきしていて面白い。 「~ぞよ」というキャラ語、初めて使われているのを見た(笑)のはともかく、泣きわめき、時に周囲を困らせ、好きな唐渡りの美術品を買いあさる。 おとなしい人かと思っていたので、こんな道真像は新鮮だ。 それから、やはりこの人らしいのは、官人の生活や、当時の人々の生活の様子を描いているところだろうか。 のたれ死ぬ庶民を看取る僧侶の姿を見て、道真が衝撃を受けるところは、作品中でも最もドラマティックなところ。 その後、道真は都に戻ることなく亡くなるはず。 しかし、本作ではそこまで描かない。 それによって、この作品はとてもさわやかで、力強い読後感を与えている。 道真がその後、政治家として、さらに大きくなった、という、歴史とは異なる別の結末を想像してみたくなる。

    5
    投稿日: 2021.10.10
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    喜怒哀楽激しい「唐物好きで泣き虫、しかもやせっぽちな雷神さま」人間味溢れる道真が楽しい。 お話相手を仰せつかった保積が初めて会った道真は暗殺におびえて暴れまくる狂人。「駄目だ。言葉が通じる相手ではない」と思わせるほど。烏帽子は曲がり、髭は伸び放題→烏帽子はずり落ち→萎え烏帽子。 しかし事件をきっかけに生気を取り戻し、道真はこれからも、太宰府でその知才を様々に生かし続けるだろう、京にいても太宰府にいても蝦夷地に追いやられても、その地で己らしく生きて行くに違いないと思わせるほど大活躍。 登場人物みなのびのび

    1
    投稿日: 2021.10.03
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    なんだろう? この出演者が映像で浮かび動き出す感じの読書感覚。 会話挿入のタイミングが優れている小説なんだろうな。 菅原道真と小野小町。 二人を軸に、色んな物語が描かれていて、なんとも微笑ましく、なんとも楽しげで、妙に人間ポイ。 この人間ポイ、という点がスイスイと読み進ませてくれる。 軽い気持ちで読み始めたのに、気が付くと、神様の菅原道真の目線なんて何処にもなく、「頑張れ、道真くん」、と応援したくなってくる。 キャラ立ちしてシリーズ化すら可能な雰囲気たっぷりでした。 一言でいうと、道真くんが好きになった。 そして、良い味付けの小町さんもイイ。笑

    2
    投稿日: 2021.09.01
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    奈良仏教史を専攻する作家が描いた太宰府へ流された後の道真さんの物語。本当にこんな風だったらいいな。有名な女性歌人も登場して、てんこもりで痛快。

    3
    投稿日: 2021.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ものすごく楽しかったです。  唐物商で都で培った目で目利きをして、柳公権の書欲しさにちゃっかり菅三道という名前で目利きをすることを承諾してしまう道長。  おーい! 大宰府についてから食事もろくに食べず、着替えもせず、いじけて毎日恨みつらみを書いていたんじゃないんかい!? と思わず思ってしまった(笑)  そこから、いきなり保積に十貫(約百万)の銭を用意しろと言ったりして、唐物を買いあさる道真が可笑しい  そして、ひょんなことから民草の本当の貧しさをしり、大宰府まで連れてきた愛息を失ってしまい、再び引きこもる道真。  だが、ここでうたた寝殿と呼ばれていた保積が彼のために苦言を呈するのがいいのです。  そして、横領されていた税の問題に取り掛かる道真達。それが己を左遷させる原因を作ったものに一泡吹かせるものだったのが、最高でした。  菅原道真が大宰府でどのように生活していたか、わからない部分が多いと思うのですが、私はこの本を読んで、こうだったらいいなと思いながら本を閉じました。  本当に面白かったです。そして恬子が誰なのか、最後にわかるのがとっても粋だなぁって思ったんですね。  楽しい時間でした。

    25
    投稿日: 2021.08.10
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    出先で読むには電子書籍が便利と思って購入したけど共感しきりで往きの新幹線で読みきっていまいそう。帰りの新幹線、どおしよお?他の本買わなきゃ、、、また、澤田瞳子先生の本にしよう、っと!

    0
    投稿日: 2021.05.23
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    一度目は始め数ページでリタイア。 もう一度と思って再チャレンジしたら まぁ面白い‼️ 道真のイメージががらっと変わった。

    0
    投稿日: 2021.01.25
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    ナツイチのノベルティ欲しさで買った一冊でしたが、本当に面白かったです。 徹底的に史料を読み込まれた裏付けによって書かれた物語は映像化して、もっと多くの人達に知って貰いたい位です。(道真は野村萬斎さんかな。ただ、平安時代はヒットしないか。) いつの時代にも通じるテーマで、読後感もすっきりでした。 他の作品も読んでみます。

    13
    投稿日: 2020.11.06
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    太宰府に左遷された道真は 毎日毎晩悲嘆に暮れて見る影もなし。 お相手役に任命された保積は 噂の文人に憧れていたものでショックを隠せない。 ところが同じく過日の道真を知っている 歌人の恬子が道真の文具好き心をくすぐって 博多津に連れ出してみたら…。 え〜、こんな道真、嫌っす。 と思いながら読んでいくと、保積や恬子と共に 「泣くな!」と応援したくなっちゃう。 知識欲の強い人間の心をくすぐる方法を よく知ってるねぇ、恬子…と思ったら 彼女も歴史上の有名人がモデル。 実際は巡りあってないかもしれないけど こんな”IF”なら大歓迎です。

    1
    投稿日: 2020.10.03
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    フォローしているレビュアーさんのレビューで知った本。 ありがとうございます。 太宰府に左遷された菅原道真を慰めるため、お相手役として派遣された怠け者役人・龍野保積。そこへ才色兼備なお騒がせ女房で歌人の小野恬子(しずこ)が加わり博多津の唐物商へ連れていったことから道真は少しずつ変わっていく。 博多は昔から外国との交易が盛んで栄えた場所。しかし京の都と比べれば生活も文化も政治も何もかもが違うし、やはり都落ちという言葉通り、とんでもない田舎に来てしまったもうお仕舞いだという気分になるのだろう。 保積の道真との初対面シーンは正にそれを象徴している。 太宰府庁長官から道真を慰めるために預かった貴重な書物にも墨の入った硯をぶつけ滅茶苦茶に、保積の服も滅茶苦茶にされる。 嘆き悲しむというよりは、人間不信になって怒り狂う猛獣のようだ。 しかし恬子をきっかけに何故か唐物屋の目利きとして働くことになったことから道真に変化が起こり始める。 実は恬子も都を嫌になって自ら太宰府へと流れてきた似たような状況。そして保積は出世が望めないと分かってから一気に仕事へのやる気をなくした。 そんな三人が出会って道真にやっと生気が戻って来たのだが、何と道真の幼い息子が事故死するという悲しい出来事が起こる。 どうなる、道真。 左遷されたことを嘆き悲しみ、失意のまま亡くなって怨霊になるほど怨み辛みを募らせたという菅原道真公。 しかしちょっとは楽しい日々もあったのでは?という想像は面白い。 その地の日々、その時の日々をどう過ごすかはその人の気持ちの持ち方次第。 中盤までの道真はその生き甲斐を書画の目利きに求め様々な逸品を探すことを楽しみにしていたのだが、逸品の価値が分かる者が蔵の奥深くに仕舞いこむことが良いこととは限らないことを知り、明日生きて行く糧もなく人間扱いもされない最下層の人々の苦しさも知る。 終盤はそんな道真に保積を通じて太宰府庁の窮地を救うミッションが課せられる。 軽すぎず重すぎず、ちょっと痛快さもあって楽しめた。 道真とあの人が実際出会っていたのかは分からないが、こんな想像もあって良い。 それぞれが自分の立ち位置で出来ることを探り、プライドを持って前に進んでいく。良い話だった。

    34
    投稿日: 2020.08.19
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    初めての作家。文庫書き下ろしではあるが、ラノベに近い時代小説が多い中で、しっかり時代考証をしていて好感を持った。ただ、キャラは現代によせている。そのせいか、十分エンタメ小説になっていた。買ったのは、ナツイチのブックバンドが欲しかったタメ。 菅原道真が左遷された太宰府での赴任先半年の日々がテーマ。 「半沢直樹」ではないけど、まるで社会人小説のように「左遷からどう立ち直るか」がテーマ。 思うに、奈良・平安時代は、まだまだ小説化されていない時代・人物・地域の宝庫だろう。さすれば、10世紀初頭失意のうちに太宰府で歿(なくな)ったと云われる道真を、実はそうではなく、その才能を活かして、密かに政敵の藤原時平に倍返しまでは行かずとも意趣返しをしていた、と作り替える本書は、充分に「スカッと」する平安時代版「半沢直樹」だろう。 江戸時代の東京はたかだか400-150年前の舞台に過ぎない。千年の都・京都も長いかもしれないが、実は福岡は更に1700年前から都だった。ということは、あまり知られていない。実は博多津の発掘が次々となされて、更には周辺地域の遺跡がどんどん掘られて、当然莫大な量の遺物が出てきて、最近になってやっと分かりかけてきていることが多い。澤田瞳子はよく読み込んでいると思う。博多津や太宰府東北の水城の景観などをよく説明している。私の興味はあくまでも弥生時代ではあるが、発掘成果を小説に反映させるという視点では、面白い。 小野恬子(てんこ)という名前が出てきた時点で、あの有名歌人と思い出さないのは、私の不徳の致すところ。彼女の出没地域は全国に及んでいて、岡山県総社市には墓まである。生涯は不明である。太宰府にいたとしても、全然不思議じゃなかった。 あと一作は、読んでみたい。

    47
    投稿日: 2020.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    菅原道真大宰府権帥へ左遷の時から物語は始まる 主人公は下流貴族の穂積 うたたね殿の異名がある怠け者だが、息子がソコ ソコ頑張ってるので顔をつぶさないように特命の 任務をこなす 左遷元右大臣道真のお相手の筈が、無断外出する 道真の不在を隠ぺいするハメに 楽しくコメディ風に大宰府を過すうちに、小野小 町まで事件を起こし、最後はまさかの隠ぺい工作 を菅原道真みずから行う 楽しく読める割りには、しっかりと時代背景が書 きこまれている デビュー作も論文を読み続け、気にかかる単語を 軸に物語を史料に基づいて書くというから永井路 子クラスのとんでもない作家さんのようだ

    5
    投稿日: 2020.07.27
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    道真、へんくつじじいでかわいい。こういうのもありかも。 東風吹かば…の歌が好きなので大宰府行ってみたいなぁ。 そして小町か!ってとこに気づいてなかったのが悔しい。

    2
    投稿日: 2020.02.03
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    夢破れた天上人の敗者復活戦。道真の復讐と いっても、驚くほどの事ではない。けれど、史料に照らし時代を蘇えらせるのが、うまい。寒早十首の話が印象深い。

    1
    投稿日: 2018.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    確かに情けない道真ではあるけど、このタイトルはどうかなあ。骨董書画の目利きとか結構お役立ちだし。 更に、小野小町が太宰府に居た、それも道真が左遷されて来たときに、ってのはちょっとやり過ぎかと。 とは言うものの、庶民の現実を突きつけられて、自分の来し方を振り返って真摯に悩む場面は良かったな。

    3
    投稿日: 2017.10.23
  • よいキャラを活かすのはムツカシイ

     菅原道真は「学問の神様」と「恨み節の怖い人」とギャップのあるキャラクターで知ってはいるけど実際は? 小説なので史実かどうかはともかく、当本のような頭は切れるがちょっと根暗。でも正義感もちゃんとあるといった道真観はよいかも。  話の展開も、道真を上げて下げてといじくって?他の登場人物も魅力的な配置をしているので面白いのですが・・・。如何せんボリュームが足らない感じがします。悪徳貿易商や京からのイヤミな使者、破れ寺の住職等々。うーん、もったいない。

    17
    投稿日: 2017.01.30
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    澤田瞳子さん、はじめましての作家さん。 ふだん歴史小説はあまり読まないのですが、 和歌好きなのと、 この『泣くな道真』という響きが良くて読んでみました。 一番印象に残ったのは、道真公と僧侶、泰成の場面。 行き倒れの老人の枕元に掛けられた如来画…。 それを見て、仏様の画の本来置かれるべき場所を知る。 そして、”何とかという貴族”が詠んだ詩として、 道真作の「寒早十首」を批判され、自分の都での生き方を悔いる。 ”日本史上、最も有名な左遷された男” 言われてみればそうですね。 右大臣にまで出世しながら左遷され、 憤死の後、怨霊にまでされ、 果ては神様だもの。 でも、その大宰府での日々が 悲嘆にくれるばかりでもなかったとしたら…? 欲を言えばユーモア小説として、 もっと道真公にはじけてほしかった気もしますが、 楽しく読めました。 著者の他の作品も読んでみたくなりました。

    17
    投稿日: 2015.09.26
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    菅原道真の太宰府での生活を想像して書かれた小説。道真が失意の底から元気を取り戻していく様子がおかしかった。

    2
    投稿日: 2015.07.12
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    鬱蒼と木々が生い茂る森の中を歩くのが好きだ。 樹木、野の花、小鳥、小川、湧き水、風、木漏れ日… どこまでも変わらない景色。 でも、好き。 特に何か面白い事が起こるわけではない。 でも、どこまでも歩ける。 稀に 腰を降ろすのには丁度良い石の上に 誰かが座っている事がある。 彼らと触れ合う事はないけれど 幸運にも眼が合えば、 その口元は静かに開き、語りかけてくれる時もある。 森を歩いていると 時々そんな光る人と出会う。 澤田瞳子さんという方の 『若沖』という本が面白そうなので読んでみたいなぁと、思った。 すでに予約がいっぱいだったので 初読となる著者の本を適当に一冊借りて、 読んだこの本の中に<光る人>はいた。 なんかもう胸がいっぱい… 『若沖』はきっといい本だろうな、と確信した。

    12
    投稿日: 2015.07.03
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    政争に敗れて大宰府に流された菅原道真を、迎える大宰府の役人側から見た軽めの(を装った)古代歴史小説です。やっぱり瞳子さんは古代中世が本領ですよね。隠れ(?)テーマは地域格差みたいな感じで、都とそれ以外の都市の絶対的な格差を、都の人間は実は全然分かっていない。という、今も昔も変わらない苛立ちを含む。

    5
    投稿日: 2015.06.09
  • ライトノベル風のタイトルと表紙に騙されてはダメ

     いやー面白かった。タイトルはギャグみたいですけど、結構出てくるネタは、硬派な小説ですよ。  菅原道真という人物については、太宰府に流され、その後、都に祟りを起こし、天神様として奉られていると言うことくらいしか認識はありませんでした。勿論、小説なんだからフィクションなんでしょうが、実際もこんな風だったのかもしれません。  都で超一級の学者だったとはいえ、所詮は世間知らずの象牙の塔の貴族。そりゃ左遷させられたら、引きこもって泣き明かしたくもなりますよね。そこで暮らしている民も働いている官吏もいるのにね。そんなどうしようもない彼が、様々な人との交流や巻き起こった事件をきっかけに、一人の人間として徐々に成長していくという、痛快な物語です。  これは映像化しても面白いんじゃないかなぁ。平安時代を描いたコメディータッチの大真面目な作品って、あるようでないですよね。美術設定や短歌、時代考証なんかもしっかりやって、誰かドラマ化してくれませんかねぇ。もしそうなったら、道真を誰に演じさせましょうか?やっぱり野村萬斎ですか?

    4
    投稿日: 2015.05.31
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    学問の神様・菅原道真、名前は有名だけれど、文学作品で語られる事はあまりないような気がする。 そんな道真に血肉を与えたような作品でした。 博多津のにぎわいが、作品が平安時代の設定と知っていても、半島に近いせいの異国情緒が、奈良以前も彷彿とさせて… 歴史小説好きにはたまらない。 さりげなく小野の小町さんも登場したり(206ページにしてやっと気づく)、道真が雷神と結び付けられるエピソードもあり。 歴史の行間を興味深く埋めてくれる。 まだちょっと荒削りな感もあるのですが、戦国幕末江戸時代に関しては書き手も多いこの頃、平安以前は手薄な分野になってしまった。 個人的に期待したい作家です。

    5
    投稿日: 2015.05.13
  • 菅原道真が実はヒステリー気味の癇癪持ちだったかもしれない

    都から左遷され一気に凋落の憂き目にあった道真が太宰の権の帥として赴任した筑紫の国で、一つの政治的な事件をきっかけにより深みのあるおもしろみのある人として成長するお話。昼行燈のような役人や美しくスキャンダルの絶えない小野小町など、みりょくてきなわき役たちも道真を盛り立てます。 福岡で育った私としては懐かしい地名とその土地の歴史にも 夢中になりました。

    1
    投稿日: 2015.04.23
  • 泣いてるなんて、らしくない!

    一介の学者から大臣にまで登り詰めた菅原道真は、世渡り下手故に大宰府へと左遷されて失意のうちに亡くなり、一方で京の人々は道真の怒りを恐れて神へと奉り上げた…。 菅原道真に関して大体こんなイメージでいたのですが、当時最高の頭脳を持つ人物があっさりと失意のうちに死ぬっていうのにも違和感があった私には、この作品は「こんな道真像が見たかった!」と満足の一冊でした。 大宰府に着いた道真は始めは屋敷に引きこもり泣き暮らしているのですが、監視役の小役人・保積と大宰府庁幹部の姪・小野小町(恬子)が博多津の街に連れ出した後は大陸との交易地である当地を満喫する現金な暮らしぶり。 途中、度重なる不幸や他者からの批判に再び失意に陥るのですが、周囲から知恵を借りたいと求められてからは、これでこそ智者・菅原道真だという展開です。 道真の雷神伝説も、定説を知ってるとちょっとニヤリとしてしまいます。 物語の中では喜怒哀楽が激しく描かれていますが、人間くさい道真像も意外性があって魅力的でした。

    12
    投稿日: 2015.01.26
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    東風吹かば……なんて、やることを見つけた道真の大宰府ライフ。 歴史にifはないけれど、スキマを埋めることはできる。それが歴史小説。「うたたね殿」と渾名されるやる気のやい大宰府の役人、ついでに入り婿である龍野保積と、親代わりの叔父と兄を追って大宰府にやってきた才色兼備の恬子(もとい、小野小町)、この二人の視点が章ごとに入れ替わり物語が進む。文章は読みやすく、また登場人物も日本史の有名どころが出てくるのでとっつきやすく、これはヒット。大宰府に流された当初はショックでひきこもっていたけど、自分の才能を活かせる道を見つけてイキイキし始める道真。ぼんやりやる気なく生きていたけど、自分のできることをしようと思い始める保積。これからの道を見つけようと歩きだす恬子。その他のキャラクターもいい。 自分の力を出せないって、とても辛いこと。高杉晋作の辞世の句(下の句は野村望東尼が付けたとも)「面白きこともなき世を面白く 住みなすものは心なりけり」もそうだけど、自分の力を出して生きていける場所っていうのが必要だよね、それだから人生面白くなるんだよね。

    9
    投稿日: 2015.01.25
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    当時の太宰府には興味がありますし、左遷後の道真というのは新鮮なテーマと思いました。でも、道真像に隔たりが大きく、児童文学を読んでいるようでした。彼女が選ぶテーマには惹かれますが、リアルさに欠けます。例えば、ユーモア歴史小説というジャンルを掘り下げる方向もあるのではと。

    8
    投稿日: 2014.10.30
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    理想がかなうことは稀。運命には逆らえない。 それを受け入れ、それでも足掻くことで、 人は生きる望みをつないでいくことができる、 と教えられました。 それと、本のタイトルというのはとても大事だなと。 「菅原道真西遷物語」などというタイトルであれば、 決して手にとることはなかったと思います。

    3
    投稿日: 2014.09.01