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ここは退屈迎えに来て
ここは退屈迎えに来て
山内マリコ/幻冬舎
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総合評価

177件)
3.8
30
74
39
9
1
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    椎名くんってそんなに魅力的な人かな。 なんて思いながら読んでいたけど、椎名くんみたいな男の子がいたらきっと私も好きになっちゃうんだろうなあ。笑 椎名くん自身の心理描写が少ないから、あの時あの瞬間、彼がどんな事を考えていたのか分からなくて、どうしてこんな事をするのか掴めなくて、でもそんな事はぜんぜん重要じゃなくって、誰かの心に忘れられない思い出として残っているということ。 自分の人生と彼の人生が少しだけ重なっていた瞬間。何もかもがキラキラして見えたあの日々と彼のこと。 私も誰かにとっての椎名くんになれているのかな、そんな風に思った。

    6
    投稿日: 2018.12.16
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    つらすぎたのだけど一気に読んでしまった。わたしと氏は同郷。ゆえになおさらしんどい。この、田舎ではすごい速さで年を取っていく感覚、どんなに抗っても収まるところに収まってしまうことへの諦めまみれの絶望、かつては確かに尖っていたはずの何者かであった自分とあの子、気付けばただの、何者でもないただの凡人になっていたことへの、これまた諦めまみれの悲しみ、わかる。それよ。そうなのよ。田舎というのはそうなのよ。 同郷であることも少なからず影響してると思うんだけど以前から親和性高いなと思いつつちゃんと小説読んでなかったんだけどもう瀕死になった。くだけた文章なのに上手い 。椎名の使い方が好みすぎる。他も買ってこよう。

    1
    投稿日: 2018.11.24
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    なんか映画観たい…→これタイトル惹かれるけど評価そこまででもないな…お、小説あるやん、で出会った一冊。結果、その巡り会いに感謝したくなるほど自分好みの作品だった。 田舎の「退屈」から抜け出したくて都会に憧れる年頃の女の子達の物語。思春期というもの自体が好物ってのもさることながら、山内マリコさんの文体もまた好みであっという間に読み終えてしまった。シンプルなんだけど引き寄せられる表現力というか、瑞々しいんだけど適度に濁っているところがたまらんのです。 同じクラスにいる他の誰とも違う「特別」でありたいという願望を胸に秘めつつ、その期待を東京に、都会に重ねる少女達。生まれも育ちも神奈川県だった自分には一生味わえない感覚を、小説を読むことで追体験できたような気がした。ちょっと生々しさもあるけどだからこそ生きている人を描いている作品になっていて、青春が好きで思春期が好きな自分にとっては、この方向性をもっと糧にしていきたい気持ちがあるので他の作品も是非読んでみたい。 若干ネタバレ気味になるけど、3話目「地方都市のタラ・リピンスキー」は久しぶりにハッとさせられた。この手の作品は読んでる途中で「こうくるんだろうな」みたいな予想を意識しちゃうんだけど、無防備の後頭部をガツンとやられた気がして、残りの話数も一気に楽しみになった。あとこれきっとマジアカでしょ、マジアカだ。間違いない

    2
    投稿日: 2018.11.24
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    地方都市に住む若者たちの話。 登場人物たちの方が私より年上なのだろうけど、私も地方都市出身で、現在は東京で働いているので チェーン店が並び、車はたくさんいるけど人はあまり歩いていない幹線道路や、深夜のファミレスにたむろする若者たち…あるある!わかる!と共感どころいっぱいでした。

    0
    投稿日: 2018.10.19
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    引き込まれた。瑞々しい、に似たリアル感がある。本当は自分と重ならなくても、重なるみたいに錯覚するような、すんなりと寄り添えてしまう自然体な魅力を感じた。「アメリカ人とリセエンヌ」の日本の恥じらいの流儀を指南するシーンがおかし過ぎて笑った。すき。カラッとした友情と、ラストの想像の中で呼び掛ける眩しいのに寂しい感じの余韻も良い。「地方都市のタラ・リピンスキー」には驚いた。最後の「ローファー娘は〜」から「十六歳は〜」にかけては段々と生々しさが苦手に感じたけれど、最終的に飲み込み易く落ち着いてくれて、ほっとした。

    0
    投稿日: 2018.10.19
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    色々な女性の視点で、人生と恋愛を見つめる狭い世界の普遍的なお話しの短編集。映画は特に見たいと思わないかな。

    0
    投稿日: 2018.10.07
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    今年読んだ本で1番 ある程度大人になって、自分はどこへも行けないのだと悟ってしまった人へお勧め 非リアの自負心と言うか、負け犬の遠吠えと言うか、この微妙な感覚は自分だけだと思ってたけど、実際はどこにでもある、それこそ毛嫌いしていたロードサイドの風景と一緒だったと気づかされる。 憧れの仕事が向いてなかったって言う今の気分に一番合ってる。 これを中途半端な田舎住み目線、非リア目線で読んで閉塞感に共感して面白かったって人の書評を参考にしたい。 仲良くはなれないと思うけどw

    2
    投稿日: 2018.10.04
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    軽々しくて、ちょっとだけ胸糞が悪くなる話たちだった、良い意味でも。良い意味で胸糞が悪くなるってなんだ!?って思うだろうけど、まあそういう感じ。この作家の作品はしばらく読まないかもなー。

    1
    投稿日: 2018.09.27
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    短編集。ある登場人物の周囲の人たちの話。 地方の閉塞感の描写が秀逸。痛々しかったり生々しかったりする登場人物の心情に、うぎぎっとなる。

    0
    投稿日: 2018.09.05
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    そんなに退屈なら自分で出ていけばいいじゃないか。 このどうしようもなさが好き。 これから先もずっと大切にしたいと思える本に久々に出会えた気がする。 さらりと読めるけどずっしりと重い話。 都会コンプレックスを抱えた色んな年齢の女性たち、 そしていつも誰かの心の中にいる椎名くん。 ここじゃない場所に連れて行ってくれるのは 椎名くんでもキラキラした夢でもないことをわかっている、 どこかあきらめたような女性たちに惹かれた。 読み終わった後、タイトルの秀逸さにまたグッとくる。

    0
    投稿日: 2018.06.02
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    地方の独身女性を描いた短編小説。タイトル ここは退屈迎えにきて は彼女たちの心の叫びだろう。地方あるある満載で、 うわー そうそう! と地方在住者として共感しまくり、夢中で一気に読めました。ラーメン屋でのアンサーポエムが最高!

    0
    投稿日: 2018.05.13
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    免許合宿で田舎のほうにひとりで行ったときに まさに''ここは退屈迎えに来て''な気分で読んだ思い出の一冊。 どのエピソードにもでてくる田舎のイケてる男、椎名くんが自動車学校の教官だったりで田舎の車ライフの描写がたくさん出てくるので、免許合宿にひとりで行くかたに全力でおすすめしたい。 どこにいても退屈な女の子たちがどれも自分に重なって、とにかく愛おしかった。 それに対するどこにいてもちょっとイケてるの部類に入れる椎名みたいなひと、いるいるってなります。 そしてエピソードが進む度に今度は椎名どこに出てくるんだと探しているわたしがいた。笑 空き時間に山内マリコさんの本を読みまくった合宿も終わり車を買いました。 どこにでも行けるような気がしています。

    4
    投稿日: 2018.03.04
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    都会からUターンした30歳 の話を読み終えたとき、カーンと何かに打たれたような、驚きを含んだ快楽を感じた。地方在住者にとって、この小説は、自分の知らない世界に連れて行ってくれるものではなく、自分の半径10キロ圏内で確実に存在するであろう、自分ごとの小説である。大通り沿いにチェーン店が立ち並び、車がないとどこにも行けず、高校時代のスターはあっという間に普通のお父さんになっていく。東京というものを大なり小なり意識してしまう登場人物には、共感しか覚えない。

    0
    投稿日: 2018.02.19
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    リアルとフィクションがまじってて 境界線があやふやな感じが面白かった。 椎名くんも絶妙な存在感だなあ。

    0
    投稿日: 2017.12.07
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    作者は同年代なのではないか?と思うような描写多数 実際は少し年上だが、大筋はともかく細部は同じような時代を地方で過ごしてきた人にしか書けない内容だと思った。

    0
    投稿日: 2017.11.27
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    東京コンプレックスだな… ずっと地方にいる人にはわからない雰囲気だと思うし ずっと東京の人にもわからないだろう

    1
    投稿日: 2017.11.11
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    共感できるかは置いといて するすると話に引き込まれ 読み進む作品でした。 地方出身でもなく、 かといってリア充でもなかった私には わからん気もする話ですが 出てくる少年少女の青春時代のようなものは もうこの年では経験し得ないし うらやましくも感じました。 中高生時代に読むのもいいかな、と思いました。

    0
    投稿日: 2017.10.17
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    もしアメリカ人に生まれていたら、すべてがうまくいって、素晴らしい人生が送れたんじゃないかと思う。 地方都市で生まれ育ち、劣等感を抱く10代、20代のリアル。『私たちがすごかった栄光の話し』の中で夕方バイパスを走る通りの情景は鮮明に頭の中で再現できた。 タイトルに納得。

    0
    投稿日: 2017.09.12
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    2017.6.10 リビングにて。 女性の心情がリアルに伝わってきた。これは面白い。 タイトルにも納得させられる。

    0
    投稿日: 2017.06.10
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    人に薦められた本を読む第11冊目 中学・高校時代の友人に薦められ。いわゆるロードサイドストーリーといわれている短編集。唯一全編を通じて登場する「椎名」は、地方に縛り付けられている登場人物達の羨望の的となるキャラクター。ただし、話が進む毎にそんな彼も、どこにでもある地方都市の風景の一部に過ぎない事が徐々に明かされていく。恐らく生まれ育った地方を打ち捨てて都会に出た誰もが、抉られる様な激しい痛みに身悶える一冊。自分も類に漏れず地方から都会に出たクチなので、登場人物達が身を浸す退屈の描写を読む度に、過去のフラッシュバックが襲いかかってきたし、またそれを無事脱出できたという優越感と、同時にいつでも同じ境遇に戻らざるを得ない可能性があるということにただひたすら怯えてしまった。これは地方出身者にオススメ、といっても現状に満足している人達じゃないと心臓に悪過ぎるかも。 「私たちがすごかった栄光の話」一度都会に出たものの、疲れ果て地方に戻ってきた主人公。「やがて哀しき女の子」羨望の的だったクラスのアイドルも…。「地方都市のタラ・リピンスキー」ゲーセンで不毛な毎日を潰すゆうこの唯一の希望は。「君がどこにも行けないのは車持ってないから」惰性で好きでもない男と関係を続ける彼女は最後に。「アメリカ人とリセエンヌ」唯一の友人であるアメリカ人の友達のブレンダと。「東京、二十歳。」憧れの家庭教師と同じ生活を夢見、単身東京に上京した私。「ローファー娘は体なんか売らない」くたびれたオジサンに体を売る内に、本気で恋をするものの…。「16歳はセックスの齢」16歳で処女を捨てようと約束した友人が眠り病に侵されて。

    0
    投稿日: 2016.08.28
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    椎名くんの人生、素敵。こんなに女の子の思い出に残っているなんて、うらやましい。 迎えに来て欲しいんだよ、女の子は。切実に

    0
    投稿日: 2016.06.18
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    とてもおもしろい。ファスト風土の地方都市を舞台にどうにも満たされない女の子達を描いてる。東京育ちなのであまり共感はできなかったけども、リアルな気がする。

    0
    投稿日: 2016.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地方都市の鬱屈を抱えて生きる女性(女の子)たちの連作短編。 全編を通して「椎名くん」という憧れの男性が描かれている。 時代をさかのぼる掲載順なので、最終話では椎名くんは「中学で一緒だった永遠の憧れ」なのだが、中年になった彼を読者はすでに知っている。 そこに一抹の切なさとたくましさを垣間見る。

    0
    投稿日: 2015.12.20
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    どこにでもあるような風景の地方都市を飛び出し、必ずしも理想通りとは言えなかった東京での生活を送った身としては、登場人物たちの感覚がリアル過ぎて思わず苦笑いしてしまう。自分がかつて抱いていた都会への憧憬、地方に戻ってきた後に感じるやるせない空虚感、そして拭い去れない地元への愛着など、どれも痛いほどよく分かる。 それに、作者はことさらに都会を賛美し、ニヒリスティックに没個性的な田舎を卑下しているわけではない。それぞれの物語を緩やかにつなぎ合わせる存在として描かれる「椎名」という魅力的な(だった)男の子を通じて、そういった環境を愛おしむかのような作者の温もりが感じられる。ともすると、イマ・ココにおける“妥協”や“諦め”といった感情を伴いそうな内容だが、個人的にはこれまでの境遇を肯定してくれるかのようなスカッとした読後感だった。 ただ、生まれやこれまでの環境、生活の充実度(リア充!)によっては、共感できないどころか理解できな作品であるかもしれないけど。

    0
    投稿日: 2015.11.17
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    ありふれた地方都市でありふれた閉塞感を抱く女性たちを、斬新な表現で描く連作短篇集。 地方には刺激が少ない。何事も予定調和で進行し、自慢は家と車と出来のよい子供だけ。退屈な町と人生に、各篇に登場する椎名くんが脚光を浴びるのも、彼がこの町に収まらない最も身近なスターだから。そんな彼が辿り着いた先に、この物語の面白さがある。須賀さんのアンサーポエムが最高です。

    0
    投稿日: 2015.11.12
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    筆者の別の本が大変に面白かったので結構期待しながら手に取ったのだが……読んだ時のシチュエーションのためか、そうでないか分からないが、ぴんとこなかった。ここではないどこかへ、何かを求めて都会に出たり婚活したりセックスしたりする女性のオムニバス短編集。国道沿いにチェーン店があって、車がないと自由に行動できない、そんな片田舎に住んだことがないので、そこを舞台にしている今作はほとんど共感できなかった。都内へ1時間かからない場所にしか住んだことがないので、地方・都会というか対比はよく分からない。なにより気が滅入って疲れた。

    0
    投稿日: 2015.10.10
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    女の子たちの逞しい想像力とポンポン飛び出す固有名詞がすごくいい味を出している。面白かった。皆の人気者椎名くんの人生を遡りつつ、周りの女の子たちの日常や焦りを描く短編集。

    0
    投稿日: 2015.09.07
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    おもしろいかっつーと、別に取り立てて爽快さがあるというもんでもないし、かといってつまらんかというと、これもまたどうしようもなくつまらんというわけでもなかった。 とある地方都市を舞台に、まーだいたい70年代~80年代生まれくらいの人たちの上京物語と挫折&帰郷話が短編集の体裁で描かれている。『方丈記』のようなガチで苦しい時代ではないのだが、逆に生活の心配はそれほどないけれどやることがみつからない場所で、どうやって自分の承認欲求を同満たすのかという社会的なことがテーマなのだろう。まあ最終的に行き着くところはセックスしかないということか。 まあ、本書については他にも評価は多々あるだろうし、また人の人生にもそれぞれ浮き沈みはあるのだろうが、要するに「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人」というよく言われる(しかし、恐らく大多数の人には真理であろう)ごく当たり前のことを描き出しているだけとも言える。でもどうせ三十過ぎればただの人にしかならないのなら、どうせならせめて学生時代だけでも黄金時代があった方がいいだろとも思うのだが、逆に半端に黄金時代を持ってしまうと、目の前の現実とのギャップに帰って苦しむことになるのであろうか。それはやはり「十で凡人、十五で凡人、二十歳過ぎてもただの人」のオレにはわからん境涯なのだろうか。

    0
    投稿日: 2015.08.02
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    自分の境遇と重なり胸が苦しくなった。田舎が嫌いだと思い都会に出たが、実は自分自身が嫌いだったんだと気付いた瞬間を思い出した。

    0
    投稿日: 2015.07.25
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    ロードサイド短編集。ファスト風土の巨大店舗、クルマ、東京帰りと地元組。中学、高校、親、いろんな仕事、町と田んぼ、結婚。 同じ頃、プア充女子の話を読んで、その気持ちの部分がじょうずに表現されていると思いました。

    0
    投稿日: 2015.06.07
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    なんの予備知識もなく、たまたま本屋さんで出会った一冊。 文章の好みが激しくていつも同じ作家の作品ばかり読んでいるわたしが、タイトルを一目見て猛烈に興味がわいて、買ってみた。結果、大正解!面白かった。 わたしが住んでいるところと同じような、ファスト風土な街並みをあらためて描写されるのはなんだか恥ずかしくて、自分が女子高生のころに抱えていたモヤっとした気持ちを見透かされてしまったような気さえした。 わたしはこの本に出てくるような、行動力があって、逞しくて、スカッとするほど馬鹿なところもある女の子たちを羨ましく思っていたことを思い出す。

    0
    投稿日: 2015.05.28
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    彼氏も友達もいたけど、ここは自分の居場所じゃないと思い続けた高校時代を過ごし、大学卒業後訳あって地元に戻ってきた私にとっては、この作品はまるで他人とは思えません。 日本中にありふれたつまらない街。 そんな街を否定し、自分自身に言い訳しつつ、足掻きながらもその街で生きる。 悶々とした青春時代を過ごした方なら、ひとつくらいはグッとくる物語があると思います。

    0
    投稿日: 2015.04.11
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    退屈でも誰も迎えになんか来ないことに気づいてるけど。高校生のときからタイトルに凄い惹かれて気になってて、やっと〜 「試着室で思い出したら本気の恋」だっけ、これも凄いタイトル。でも、こういうOLさんが読みそうな小説はちょっと苦手かもな。自分は、こんな大人の女性になれない、なりたくない。社会にもまれたくない。ってなるけど、でも現実的だから読み入ってしまった。。。。 この小説は地方ガール小説とも呼ばれてるらしく、上京に憧れた登場人物が何人か出てくる。だけど、上京して上手くいってる子がなかなかいない。結局地元に戻ってくるパターンばっか。自分は、これから上京しようとしてるのに、嫌気がさすw でも自分が上京したいのは、退屈から逃れらるためだけじゃない。何かがガラリと変わるとも思っていない。むしろ変わりたくないから、きっと地元にいられない。東京に行ったってまた退屈はおそってくることは知っている。でもここは今居づらい。迎えになんか何もこない。だから、とりあえず、ここから出てみる。何かの出会いに自分が迎えに行ってみる。 どこも退屈 どこに居よう。

    0
    投稿日: 2015.03.28
  • 哀しいけれど、共感してしまう

    ドンキホーテだって、ファミレスだって、映画館だってある。 暮らしていくのに何の不都合もないのだけれど、何かがない気がする。 そんな思いを胸に抱かせる、地方都市を舞台とした短篇が収録されています。 「私たちがすごかった栄光の話」 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」 など、どきりとするタイトルは日本の郊外が持つと行き場を感じさせます。 参考文献として、一律化していく地方を解説する『ファスト風土化する日本』、痴呆老人の独白から死刑囚の俳句まで網羅した『夜露死苦現代詩』を挙げるなど、本作は"現代らしさ”を真正面から描いている小説と言えるでしょう。 満足しているけれど、満足しているように自分を騙しているのかもしれない。 変わりたい。 都会に住んではいても、心にそんな地方性を抱えている人は少なくないはず。 日本の”今”を巧みに閉じ込めた、怪作です。

    2
    投稿日: 2015.03.09
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    地方の文化系には、話が合う人がいない。見たいものも欲しい物も何一つない。早く出て行きたくて仕方なかった少女時代の記憶がよみがえったなぁ。 ここではないどこかなら、もっと素敵な私になれる気がしてたのは、多くの女の子が通る道だったのか。なんだか胸がずきっとするような、共感というかノスタルジーというか。

    0
    投稿日: 2015.03.02
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    1…山内さんの初めて読む作品。空気を吸うように話が頭に入ってくる感じで読みやすい。人物が生き生きしていて嫌味もなく自然ですがすがしい。 2…結婚しない誓いなど何の役にも立たないんだよね。結婚する時は誓いなど忘れてるから。 3…評価はこの作品。えっ⁈ まさかのラスト、やられた〜と感服した。ゲイの感じ方に触れたような、妙にためになる。 4…古い物を捨てて新しい物を手にするように、過去を捨てないと未来はやってこない。 5…アメリカ娘に喘ぎ声のレッスンさせるシーンでニンマリ、妄想で泣くというのも最高にウケる。 6…地味そうな女子の東京での平凡な日々。彼女の個性を感じることもなく地味に終わる話。 7…いとも簡単に春を売り買いできる国って日本ぐらいだろうし、きっと信じられない程のこういう人が平気な顔をして道を歩いている。 8…乙女の夢に入り込んだかのような脳が溶けるような感覚。セックスほどやる前の期待感とやった後の失望感の差の激しいものはないかも。

    0
    投稿日: 2015.02.25
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    自分が生まれ育ったところもこの小説の舞台のような微妙な田舎町で、ある種のイタさと併せて共感できる部分多し。 小学生の頃から「絶対ここから出ていく!」と決意していた私は、今で言う「非リア充」だったんだな。 大人になっても故郷で楽しそうに暮らしてる同級生に感じる羨ましさ、なんとなく納得。

    0
    投稿日: 2015.01.10
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    地方都市に住む女性達が、都会(東京)に憧れてみたり、東京に住んだけど夢破れて地元にカムバックしたりして、所謂「ここではない何処か」を求めるけど結局何もしない物語。 タイトルがずるいね笑。めっちゃおもろそうやし「これは読みたい!!」と思わせる。まぁその分ハードルが高くなりすぎて読み終わったときはこれじゃなかったんだよなぁ感が僅かながら残ってしまったんやけど… それでも面白かったことには変わりなく、特に最初の方はまさにタイトル通り東京に居場所を見つけられず、生まれ育った地元で悶々と(という程でもないかな?)日々を暮らす登場人物に共感を覚えてしまう。いや、厳密には僕は東京で疎外感を感じたことは1mmもないし、というか今まだ東京におるんやけど、それでもこの小説に共感を覚えるのは僕が中都市出身で、地元に残った友達に対して妙な「ズレ」を感じるからなんやろうね。 作品の中で、かつては学校の人気者でスターだった椎名が30超えて結婚して子供も持って何だか魅力がなくなってく姿なんて泣けてくる。「椎名はもう呼ばないと思う」って台詞がサラッと出てくるけど残酷すぎるやろ! 『マイルドヤンキー』て言葉が最近流行りやけど、地方に残った友達とライフスタイルだけでなく、価値観とか考え方がどんどんとズレて行ったら嫌やなぁ。。いや、この小説は別にそこまで深刻な問題を扱ってるわけでは決してないのやけど…

    0
    投稿日: 2014.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじ紹介には「(略)ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。居場所を求める繊細な心模様を、クールな筆致で鮮やかに描いた心潤う連作小説」とあり、興味を持ちました。 不穏な雰囲気を感じる表紙の写真、何といっても「ここは退屈迎えに来て」というタイトルの秀逸さに惹かれます。 文章は軽く、横文字が多く読みやすいです。 特徴としては固有名詞がとにかく多いので、「鮮やかに描いた」というのがつまりリアリティがあるってことかな?と思いました。 その分、話も軽く、文体も求めていた感じと違ったので、勝手に期待して外れた‥という思いが強く出てしまいました。 どういう目線で捉えたら良いかというのもだいぶ悩んだので、いつも以上に不細工な感想です。 私も地方都市に生きる女の子(って歳でもないけど)ですが、わかるわかる~というよりはあるある!というぐらいの感じ方でした。 なぜかというと、私の育った町は確かに地方の田舎ですが、電車に乗れば1時間程度で都会という土地柄もあり、そこまで切り離された土地という閉塞感がないからだと思います。 また、私も昔はこんなところより都会で暮らしてみたい、と思っていたのですが、最近は住み心地のいい場所だと思うようになりました。 それは私の価値観が変わったというよりは、就職してある程度経済的に余裕ができたため、行きたい場所へ好きに行けるようになったからだと思います。 そんな女の子(笑)の感想です。 「私たちがすごかった栄光の話」 固有名詞のオンパレード。 こういうのって権利とか法的な問題ってどうなっているんだろう・・?と読んでいて疑問に感じるくらいでした。 最後のポエム、なんだかよくわからなくて…。 どういう感想を持つのが普通というか一般的なんでしょうか。 ポエムが世の中に溢れているとか、マイルドヤンキー論 とか最近の世相がばっちり反映されている‥のか? 「やがて哀しき女の子」 山下南が椎名の奥さんか、なるほど、すべての話がゆる~くリンクしていくのだな、と悟りました。 「地方都市のタラ・リピンスキー」 タラ・リピンスキーを知らなかったので、ロシア人の画家か作曲家だと思っていました。 わたしもオリジナル名言集を携帯にいれているので、ゆうこの気持ちはわかります。 あと、『新学期が来るたび、自分以外の人間には結局なれないことに、毎回絶望している者がいることなんて、椎名には想像もできないんだろう。』というところは良かった。 思春期に毎晩同じようなことを考えていました。今では何に思い悩んでいたのかよく思い出せないけど、自分の深淵を久々に覗いた気持ちになりました。 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」 8人の女の子って書いてあったのに椎名の話しかしてないし、ゆうこは女じゃなかったし、あらすじに偽りありじゃない?と思えてきました。 それに『ルービックキューブの達人が目にもとまらぬ速さで色を揃えるように、あたしの頭の中がみるみる整理されていく』みたいな比喩が苦手だなあと思い始めました。 「アメリカ人とリセエンヌ」 これは気に入りました。路肩に車を止めて泣くところ。 「東京、二十歳」 これもよかった。 やっぱり思うだけではいけない、行動しなければ。 「ローファー娘は体なんか売らない」 心は売っているということ‥? 「十六歳はセックスの歳」 どうして最後にこの話を持ってきたのか…。 突然眠りに落ちて長い間目覚めない珍しい病気があるというのはテレビで見たことがありますが、誰にでも起きることではなく、現実的ではない。 リアリティにこだわってきたはずでは‥? 都市部に住む人はどんな感想を持つのか気になります。 可哀想と憐れむのか、こんなこと考えるんだって新鮮に思うのか、まったく感情移入できないのか…。 作家自身、富山県の出身で大阪の大学を出ていますが、それこそどういう気持ちで書いたのでしょうか。 自身の体験に手を加えたのでしょうか。 また、これがありふれた地方都市(とあらすじに書いてる)の姿と言い切るのは間違いだし、地方都市に住んでいるすべての女の子のバイブルにはなりえないと思います。

    2
    投稿日: 2014.11.21
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    女子をこじらせ、 自分の本当の居場所はここではないと思い続け、 運良く仕事で東京に住むことになり、 何もかも嫌になって帰ってきた私のためにあるのかと思える小説。 「ここは退屈迎えに来て」にすべてが詰まっている。 東京に住んで明確に分かったことがある。 東京にあって地元にないものは、私にはなかった。 あるのは『東京に住んでいる私」という、 あまりにも儚く頼りないなけなしの見栄だけだった。 毎日中央線に乗って新宿へ行くあの通勤ルート、 西新宿の高層ビル街を歩く足取りは、 いつまで経っても覚束なかったし借り暮らしだった。 でもそれを確認するためだけにでも、東京に行ってよかったと心底思う。 「東京に行っていたら」というなけなしの感情に取りつかれなくてよかった。 だからこの子たちの感情は痛いくらいに解る。 だから、行きたいと思った子は一度東京に出てみたらいい。 「やらなかった後悔」を呪う人生はやめた方がいいから。 「国道沿いで悶絶する魂を見守るような雰囲気があるとも感じた」 あとがきのこの言葉にいちばんしびれてしまった。 どこへも行けない彼女たちの魂への餞みたいな言葉だ。

    0
    投稿日: 2014.11.14
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    地方都市に住む20代、30代を描く物語。自分自身とほぼ同じ年代を生きている登場人物たちで非常に共感しながら駆けていくように読み切ってしまいました。

    0
    投稿日: 2014.11.09
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    地方都市に住む女性たち(&1人の男性)の短編集。 自分も地方出身なので、「あ~、こういう感覚あったわ」と思わずうなずいてしまう箇所が多々あった。 なかでもいちばん刺さったのは、「自分では特別なアンテナを張っていると思って渋谷に『トーク・トゥー・ハー』を観に行ったら、満員でびっくりした。」というくだり。地元で「普通じゃない」ことが東京では「普通」。逆もまたしかり。 それぞれのお話に特に大きな事件や大どんでん返しがあるわけでない分、かえって地方の淡々とした日常がうまくちりばめられているように感じた。

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    投稿日: 2014.10.23
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    面白かった。 端々に、共感を覚えながら少し怖くなりながら。 まだ見ぬ場所への憧憬を感じながら、でもやっぱりいつもここでない何処かを求めている。

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    投稿日: 2014.10.04
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    月4〜5冊本読んでるけど今年一番のヒット。全体は柔らかいけど、最近キーワードになる地方のことも深く考えさせられる。

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    投稿日: 2014.10.01
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    読んでいてとても落ち込む小説 でもおもしろいかったです。 年齢も二十五すぎて、地方都市に住んでいるわたしにとっては、思い当たる節というか、自分を各々にあてはめがちになりやすく 読んでいて辛かった。 とてもリアルに書かれていて、いやだなあと思った。 でも読後、最近よくある自意識をテーマにした小説の読後にある、ああ人間っていやだなあっていうのはこの小説で思わなかったです。 十六歳はセックスの齢のあたしと薫ちゃんのやりとりとか良かったです。 山内さんもこれでデビュー作らしいですが、書くのとても上手だ。なんかとっても正直な小説だと思いました。

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    投稿日: 2014.09.28
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     山内マリコはズルいと思う。思っただけなので山内さんに怒られたらすいませんと謝るけど、ごめんなさい。デビュー作『ここは退屈迎えに来て』、二作目『アズミ・ハルコは行方不明』を読むとやっぱりその思いは加速する。R-18文学賞・読者賞を受賞して四年後にデビュー作が刊行されたので順調じゃねえしと言われるのだろうが出た当時にすでに話題になっていたのですぐに読んで思った。ああ、この人はなんかえらいとこに行くわって。  2011年の東日本大震災の後に出されたこの作品にある空気は地方から上京した著者の身近であり知っている風景(この国のロードサイドの景色はほぼ代わり映えがしないために固有名詞があってもないようなもの、歌で言えば浜崎あゆみやコブクロの詞のような世界)と山内さんが最低限のサブカルクソやろう(限りなく褒め言葉です)であることがわかる固有名詞が僕には比較的馴染みのあるものが多くて、遠くの親戚よりは近くの他人という感じで親近感が沸いた。  と同時にいわゆるサブカルクソやろう共がこの作品を読んで共感してめっちゃ褒めるだろうことも予感せずにいられなかった。これは二作目『アズミ・ハルコ〜』で使われるグラフィティアートを始める理由が覆面芸術家であるバンクシーが監督をした『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を観たからということや物語に出てくる少女ギャング団が結成された理由と言うか成り立った経緯が読み始める時にまさかなと思ったら最後にやっぱりそうだったから一瞬本を投げようかと思ったのは事実だが、どっちもシネマライズでやったやつやんけ!というミニシアター文化というものを受容した最後の方の世代にあたる山内さんや僕なんかからすれば東京でミニシアターの老舗はシネマライズというのはあるので、ぬおおおおおお〜やられたぜということになるわけで、山内さんの策略というかそういう固有名詞使いにまんまとやられてしまった。これは僕よりも上の世代にはもろにズッキュンな直球でやられちゃうんじゃないの?と思っていたらけっこうみんなやられていた。おそるべしマリコ。  椎名という『ここは退屈〜』に出てくる彼こそが山内マリコ自身なんじゃねえのと思ってしまうのは彼の存在は彼女たちの中で忘れがたい存在であるからだ。手に届かないけど微妙に身近な感じがするとか、スター性といえるものを生来持ち合わせている感じは実際の山内さんを見て思う事に通じる。この人絶対に文化系にモテるっていうものが、ゼロ年代の本谷有希子的ななにかがある。しかも自意識をきちんと処理して不自然さがない笑顔とか話し方とかたくさんの書店員や読者が虜になってまうw  R-18文学賞で道を切り開いているトップランナーは窪美澄さんだと思うが山内さんはその道をひょいと滑走路にして飛び上がっていきそうな感じである。空キレイーとかいいながら違う景色を見せてくれそうだし、やっぱりズルい。

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    投稿日: 2014.09.13
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    タラリンピスキーという章のタラリンピスキーというワードが、意味が分からないくせにすーごい響きが好きでタラリンピスキーとずっと言っていたいのだけど、調べたら女性フュギュアスケート選手で、そういえばそういうこと書いてたわ、と思い出してタラリンピスキー。 今年読んだ本の中でも上位に入るおもしろさ。そして地方都市の私にはこの本はホラーだ。

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    投稿日: 2014.09.03
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    「東京」という憧れの対象の町と子供時代の同級生の「ヒーロー」 その二つを中心にして、焦燥感と劣等感に包まれた女性たちの物語 「東京」と「地方」という対立関係は鮮明で、地方にいる人は、それだけで劣等感を感じてしまう。 日本における「東京」は、それだけ特別な町。 その東京の特別性は、「東京タワー」で見事に描かれ、この作品はそのことを再び思い出させた。 東京へ行けば、何者かになれるのではないかという、強い憧れは、小学校時代の「ヒーロー」への憧れと似ている。 しかし、「ヒーロー」が、結局は平凡な人生を送るように、「東京」へ行ったからといって、何かを得られ、自分が何者かになれるわけではない。 実体のない憧れは、虚しいが、そのことをわかっていても現状に満ち足りるということは難しい。 だからこそ、自分は特別ではないということを、認識できる年齢になっても、虚しさを見ないようにし、あこがれ続けるという嘘を自分に対してつき続けるのかもしれない 作者の年代とドンピシャで重なるので、そのときどきの文化が懐かしい。

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    投稿日: 2014.08.23
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    8作品による連作短編集。 どの作品にも、椎名くんが出てくる。 地方都市の普通の女の子の話。 何か普通の話過ぎて、そうゆう事もあるよね〜的な感じ。 びっくりする話はないけど30代、40代の女子向けかな〜 '14.08.15読書完了

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    投稿日: 2014.08.15
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    都会に憧れる人たちを一刀両断した感じ。 眩しく見える都会も、住んでみれば本当は薄っぺらくて対したことない場所なのかも。 都会に行けば何でも出来る、何でも買えるという錯覚を起こしてしまう、都会の魔力ってすごい。 都会に魅せられて飛び込んで、意気消沈して田舎へ帰る。 1話読み終えるたびにタイトルを思い出す。 ここは退屈迎えに来て…なにこのタイトル、読めば読むほどツボ、強烈。 特に笑える本ではないはずなのに、何故かニヤニヤしながら読了。

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    投稿日: 2014.08.12
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    地方出身者としては読んでて辛くなるくらい、この空気感がわかる。椎名のような存在もいた気がする。刺さる言葉も多かった。 各章のタイトルもいい。

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    投稿日: 2014.07.21
  • 痛烈な「既視感」に襲われるかも?

    「田舎」でもなく「都会」でもない、日本全国の「地方都市」のどこにでも当てはまるような「風景」を舞台にした短編集でした。「椎名」という一人の「男」がそれぞれの短編の登場人物の内心を映す鏡のような存在としての役割が与えられていて、「椎名」という人間との関わり方の違いを描写する事で、登場人物それぞれが持つ「地方都市」で生きる事の意味であったり、痛みであったり、虚無であったりが描かれていて、そのストレートな描写が個人的にも「他人事」ではないような強烈な感情を読む者に与えている作品だと思います。

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    投稿日: 2014.07.20
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    これもまたこじらせ女子の小説なのですね。意外とめちゃ面白かった。なんか魚喃キリコ思い出したし、ちょっとだけソフィアコッポラがかすめていくような、なんともガーリーでセンスあって楽しくせつないよい本。 作中で「桐島」のごとく登場する椎名というアイドル的不良男子の描写もすごくよさが伝わった。みんなの憧れだったサッカー部のスターが、その都市で地味にくすんでいくけど、でもなんだかんだかっこいいかんじ。わかるなあ。 次の本もぜったい読もう。

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    投稿日: 2014.07.04
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    なんだか自分を見てるような作品。 世代も全く違うのに重なる。 読了後はなぜか頭をよしよしされたい気分に。

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    投稿日: 2014.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地方都市の若者の生き方を、若者らしい文体で綴る。最近、この手の本が多いと思うが、書評で読み、気になり読んでみた。地方の幹線道路沿いに並ぶ大型店舗の感じも、ユニクロ、ニトリ、TSUTAYAなど、ブランドをストレートに語るスタイルがおもしろい。最近、地元に帰る地方都市の若者を取り上げた小説が多いと思うが、まさに、マイルドヤンキーの特徴で、それがよく表れていると思う。

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    投稿日: 2014.06.25
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    この本の登場人物は、まさに自分と同類。イオンとEXILEを忌み嫌って、悦に浸ってる。自意識こじらせた面倒くさいだけの凡人。三十になっても四十になってもこんな燻り方をしてるのかもと思うとゾッとする。

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    投稿日: 2014.06.20
  • 「地方」を知る人は共感するはず

    本書は「地方」をテーマにした連作短編集です。決して都会ではないが、山奥でもない。そんな地域に住む女性(または少女)の日常が、淡々とした文章で描かれています。 とにかくすごいのは、徹底した「地方」らしさでしょう。国道沿いの風景といい、地元でくすぶりぎみの登場人物といい、読んでいて既視感&親近感の連続でした。都会にしか住んだことがないという方にはピンとこないかもしれませんが、少しでも「地方」に暮らしたことのある方なら、この「地方」ならではの感じ(閉塞感や退屈さ)がよく分かるはずです。 ただ、基本的に恋愛がらみの作品が多いため、作品によっては性愛描写(激しいものではありません)が存在します。苦手な方はご注意ください。

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    投稿日: 2014.06.10
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    地方の女の子の話。東京がいいだの、よくないだの言ったところで、誰しもが何かしらの東京に対する憧れを持っていると思った。初体験が早い遅いで焦るのも10代の女の子ならではの話で、他人に憧れてみては自分の状況に退屈さを感じ、ここではないどこかに思いを馳せる…わかる気がする。自分にもそんな時期があったな~と思った。

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    投稿日: 2014.05.29
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    帰る場所がある人たちは、 皆故郷に自分の片割れを残して、 外の世界に足りないものを探しにいく。 それは多分、私も同じだ。

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    投稿日: 2014.05.23
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    最近ではマイルドヤンキーが生息していそうな、地方都市が舞台の短編連作。 小説というより、ルポ新書を読んでいるような気分になりました。 地方の退屈感や、それをそこまで退屈と捉えていないけれど何か物足りなさを感じている若者たちの様子が、あるある過ぎてもう…。 都会でうまくいかなくて帰って来たり、周りをひがんだり、サブカルに被れて「あなたとは違うんです」オーラを出してみたりとか、とにかく痛々しい。 地方住みの人は、読むのが辛いのでは? ただの地方都市小説で終わるかと思ったら、後半は意外な切り口に。 全編に何かしらの形で登場する「椎名くん」がいい味出ていました。こういう人、学校に1人は居るよなぁ。

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    投稿日: 2014.05.21
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    一度読み出したら最後までノンストップで読んじゃった!! 懐かしいような、ちょっぴり昔を思い出して恥ずかしいような気持ちになった! 20代の今だからこそよりそう感じるのかなー

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    投稿日: 2014.05.20
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    大傑作。地方の若者のやるせなさが見事に描かれている。ここまで身に迫る共感と痛感は、なかなか体験できません。 地方には現実がある。「ファスト風土」だ。幹線道路沿いに、同じようなショッピングセンターやチェーン店が林立する、あの風景です。いつでもどこでも(!)同じ現実が、郊外には広がっている。この平べったさに違和感を感じる人びと、適応しきれない人びと、それが本作にはたくさん登場する。 彼らからすると、現実の風景はあまりにもつまらない。つまらないけど、世界を変えられるわけでもない。地方に順応するか、逃避するか、反抗するか、あるいは昇華するか...?どのような手段をとるかは、もちろん人によって違う。でも、どれも共感できる。 それと男性への視点も絶妙だ。本作はどの話も女性が主人公ということになっている。男性は、ダメ男かオヤジ(=地方に順応した労働者)しか出てこない。悲しいことに、私はダメ男の心理・行動がすごく分かる。俺かよ!ってくらい。だからこそ、女性側の視線がひどく痛い。もう、読んでて何度心を痛めたことか。

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    投稿日: 2014.05.13
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    田舎と都会と女性が描かれた8つの短編集。 知り合いに薦められたので購入して読んでみたものの、共感できる点が少なく合わなかった。 特別盛り上がる展開でもないのでページをめくる楽しみはないが、時代的に最近の話で読みやすい点に救われていた。

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    投稿日: 2014.05.06
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    地方都市の女の子を描いた珍しい作品。 ただただ退屈で、ここを離れたらきっと幸せになれるという幻想を抱きたい気持ちは痛いほどわかった。

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    投稿日: 2014.05.06
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    最後の寝ちゃうやつが吹っ切れててちょっと楽しかった。ファスト風土っていうのは別に東京にいたって感じることだよね。そしてそれがこれから滅んでいくんだろうけど、それはとても希望の持てることかなあと思う。まあこの小説とは全然関係ないけどね。あと、世の中における椎名的なものに関しての理解がちょっと深まったきがしたよ。リア充ってのは、たぶん、二元論的に考えたときに、肉体と精神において肉体先行ってことなんだね。いや文字にして書くとものすごく馬鹿っぽいのでもうちょっとそのうち正確に書きたいとは思うけどね。

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    投稿日: 2014.05.05
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    地方から当てもなく東京に出てきた私には本当にいたたまれないような気持ちにさせる一冊でした。 地方女子の鬱憤から妄想から憧れが詰まってます。 またもっと落ち着いた大人になって読み返したいです。

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    投稿日: 2014.04.29
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    地方であることを強調されていたけど、首都圏近郊で育った私でも共感できる部分が多かった。描写については好き嫌いはありそう。

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    投稿日: 2014.04.27
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    ありふれた日常と、女の子の不安とかもどかしさとかを、素直に文章にしてくれてて、そうそう!わかるわかる!って共感はできるけど、それだけ。ありふれすぎてて、それ以上でも以下でもない感じ。文章が読みやすかっただけにちょっと残念。

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    投稿日: 2014.04.27
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    集中して4時間で読み終わる本。 これは、ハマる人にはハマる。世代と出身地、日々の生活スタイルや価値観がハマらないと、肩すかしをくらった感覚になるかもしれない。 わたしは全てドンピシャ。なんともいえない、あえて感想を言うならエグい。

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    投稿日: 2014.04.25
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    読み終わってすぐは、けっこうあっさり終わるなー、っと思ったけど、自分の中で反芻してみたら、どんどん泣けてきて、涙が止まらなくてビックリした。 自分は東京育ち東京在住だけど、身動きができない感じ、何者にもなれない感じ、私こんなはずじゃなかったのにという気持ちがふつふつと湧いてきて、、、 ふがいない僕は〜を読んだ後の感情に近いかな。 しいていえば、椎名の時間軸が逆ならもっと良かった。最初にしょぼくれた椎名を見せるんじゃなくて、ストーリーが進むに連れてだんだんと椎名の輝きが薄れて行く方が、ガツンとくる気がする。

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    投稿日: 2014.04.19
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    「ここは退屈迎えにきて」なんてインパクトのあるタイトルなのだろう。 地方都市に住む女の子の話。一連の話の中で椎名くんが出てくるのだけど、彼のその時の時代がわかって面白い。過去は誰もが憧れるカッコいい男の子だったのに、だんだんその欠片がなくなってきて普通になっていく様がとてもよい。 女の子の明け透けない感じがふむふむと共感できる部分もあって面白かった。

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    投稿日: 2014.04.18
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    ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。著者「今でも地元に帰るとこんな気持ちになります」

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    投稿日: 2014.04.17
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    ここに収録されている8編の物語はどこかしら『あなた』の物語かもしれない。地方都市に住む男女の悲喜こもごもを見事なまでに描き出していると思います。こういう話はいつの時代もあるのかもしれませんが…。 ここに描かれているのはある地方都市に住む男女の『悲喜こもごも』を8つの物語に収めた連作小説集です。それぞれがものすごいリアリティがあり、正直なところ、自分自身と物語世界との『距離』を測り損ねていたく難儀してしまいました。 なんと言ったらいいのか…。この吹き溜まり感や、地方都市独特の『けだるい』空気。出てくる登場人物たちの『行き場のなさ』が全体を覆っておりました。ここでは主に女性の登場人物たちが物語の中心で、『3・11』の震災を機に10年にもわたる東京生活に見切りをつけて地方でライターをやっていたり、10代の頃は読者モデルとしてちやほやされるも、20代になって、徐々に仕事がなくなり、地元でスターバックスの店員をしながら婚活に勤しむ女性。 さらには性転換をして、高校時代のあこがれた男の子に思いを打ち明ける大学院生。大阪の大学の寮室でアメリカの地方都市から来た女子留学生。年齢の離れた男性と逢瀬を重ねる女子高生。そして、16歳で処女を捨てようと躍起になる女の子…。 これらの物語を読みながら、僕は学生時代のクラスメイト(現在ではすべて関係が絶たれて久しい)の顔を思い出し、 「まぁ、彼女たちも多かれ少なかれここに出てくるようなことを経験して今ではいいオッカサンになっているんだろうなぁー」 と、そんなことを考えてしまいました。 本書は連作集なのですが、物語全体を貫く存在として、椎名一樹なる男性キャラクターの存在があります。彼は子供の頃から学校の人気者で、サッカー部の花形選手という、まさに『日陰者』のような学生生活を送ってきた自分とは真逆というわけですが、それが高校を卒業して、実業団に入り、それがなくなってしまうと会社を辞めて遊びまわるようになり、大阪へと行ったり、地元に戻ってきてゲームセンターの店長になったりと、少しずつ彼の存在が色あせていくのです。 それを読んでいると 「あぁ、こういうことってきっとあるんだろうなー。実際」 と考えながら椎名君のことを思い浮かべ、 「あいつとアイツとあの野郎を足して割ると、丁度椎名一樹のようになるんだろうなー」 ともう二度と会うことはないであろう。もしくは顔を合わせたとしても口すら利くこともない昔の同級生のことを考えておりました。 結局の所椎名一樹君は自動車学校の教官という安定した職業に就き、結婚し、子供を作る…。そんな彼の10代から30代にかけての『軌跡』が描かれているのです。 個人的には、椎名一樹の存在と彼の人生は、本書の持つもう一つのテーマではないかと勝手にそう思っております。かつて小説に『田園の憂鬱』と『都会の憂鬱』というものがありましたが、本書はその現代版ではないかと確信しているのです。

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    投稿日: 2014.04.16
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    タイトルにゾッとして手に取った。一見ありふれた、日常の中の非日常を切り取った連作短編集かと思いきや、なかなかに凄いロードサイド小説。

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    投稿日: 2014.04.15
  • 女の子あるあるが満載!

    地方都市に生まれた女の子たちのあるある短編集。 椎名くんという共通の人物が全編にわたって登場することで 物語のつながりを感じられる。椎名君はモテる。 自分が女性だったら、「あ~あるある!」ともっと共感できるのかしらん?

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    投稿日: 2014.03.05
  • ファスト風土のガールズトーク

    田舎というか「ファスト風土」で生きる女子たちの物語。地元のどうしようもない閉塞感と、ぬくぬくした居心地の良さの描かれ方が絶妙だ。その「風土」を代表する「椎名」なる男子が全編通じて脇役として登場し、ヒロインたちそれぞれの視点から描写される。中高時代はイケメンで、一度都会に出てUターンし、平々凡々たる田舎親父へと「成長」していく「椎名」の人生に着目しつつ、再読してみたい。 カバーに使われた、妙に存在感のある人形写真はモートン・バートレットというひとの作品。ググったら、人形やら写真やら異様な作品の数々が。アウトサイダー・アーティストの一人とのこと。

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    投稿日: 2014.01.28
  • おもしろい

    あるある感満載。 文章のテンポがよくてうまい。 すべての話がゆるくつながっているのも楽しい。

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    投稿日: 2013.10.28