
総合評価
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powered by ブクログ読み始める前にかなり構えていたので、案外すんなり入り込めたな、というのがまずの印象。 内容も今日間深いとこもあり、文体が慣れるまでかなり読みづらいけれど、気づいたら読み込んでいたり。ただ、理解しているかと言われると、ドグラマグラの網に絡まって動けていないだけな気がする。ただただのみこまれて抜け出せない。 下巻は、、、あがききれるかなぁ。。。
14投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログちまちま読んでなんとか読了。しかしまだ上巻… 精神系の知識は勉強したことがあったのでなんとかついていけましたが、展開が過去をずっと追っていくのでこれはいつの話だ?いま何をしているんだ?と間が開くと結構抜けるなと思います。いけるものなら一気読みか、短期間で読むのをおすすめします。
0投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ少女地獄を読んでから夢野久作の世界観にハマってしまい読みました。 確かに文章が難しくて読みづらい部分はあったけど、理解できる内容ではあったし、奇怪なミステリーといった感じで面白かったです。 上巻だけでは物語の全貌が掴めていないので下巻も買って早く読みたいなと思います。
0投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ十年近く前に読んだ本書を再読。 漫画版を読んだ上で時系列に注意しながら読みました。 角川文庫版+YouTubeの朗読音声、と言う読み方なのでずが、この読み方だとキチガイ地獄外道祭文がリズム良くて良いです。 講談調の箇所も勢いが有ります。 ・病院での目覚め ・若林博士との出会い ・作中作としての『ドグラ・マグラ』 ・キチガイ地獄外道祭文 ・狂人の一大開放場 ・脳髄は物を考える所にあらず ・胎児の夢 ・正木博士の遺言状 まで。まだまだついていけてる状況です。
9投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログんー後半ちょっと冗長だと感じてしまった。前半部分は比較的読みやすくて、徐々に主人公周りのことが分かっていく感じが面白かったが、博士の手記あたりからちょっと読み進めるスピードが落ちた。後半でどう展開されて謎が解かれていくのか、どう着地するのか楽しみ。
0投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ下で納得できる内容じゃなきゃゆるさない。 細胞の記憶や分化、神経や遺伝子など、生物の知識がないと内容が入ってこないのでは?と思った。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ皆さん挫折する、『キチガイ地獄外道祭文』の部分の方がむしろ一番読みやすかったw テキ屋の口上みたいに音読出来てとても面白かった。あ、ここ『人間腸詰』っぽい。あ、ここ『犬神博士』か?とセルフオマージュというか内容入れ込みにも感じるところが多々あってとても楽しいwただまぁやっぱ長いっすよね、かったるい、飽きる飽きるwそれは仕方がないと思うw 私としては寧ろここより小説部分の方が逆に読み進めにくいなぁと感じたw 『たのしいプロパガンダ』って本があったけど…下手したらこういうノリなんだろうなと…怖くはなりました…w てか、解放治療って要は『シャッターアイランド』の世界だよねw あ-―-ア ところで…私は気が触れてません。 私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。私は気が触れてません。ところで...ところで…ところで...スカラカ、チャカポコ、スチャラカ、チャカポコ…。
0投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログドグラ・マグラ上巻。日本三大奇書の一つと言われており、その前評判通りよく分からなかった。精神医学者が「解放治療」という実験しているらしく、その内容は次巻に持ち越しになった。奇抜さに関しては他の作品と比べても印象深い。
3投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三大奇書の1つ 記憶喪失の主人公が精神病棟で目覚める所から始まり、物語を追うと目的は自分と事件の背景を知る事…のように思えるが実は違う 強引にまとめると、内容は夢落ち&人間の営みの虚無さ でも、不可解な流れと深い思考を楽しめる作品です
0投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログストーリーが二転三転四転として引き込まれた。 言葉遣いが現代的でない部分があったり、場面が飛んだりして奇書の名に恥じぬ読みづらさだった。 挫折しないように所々パラパラと読み飛ばしながら読んだ。
1投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2024/12/12(木) 胎生学・反復説の学理オマージュに始まり、「時間」と言う人工的で絶対的概念へのアンチテーゼ。唯物医学への懐疑。不自然と倒錯の美学。これら夢野の属人的観念を、鷹揚で行動的な権威の象徴である正木博士という人物を媒介として、圧倒的な筆致により表出表現している。文学が衒学的であることの重要性を再確認できるし、これが1935年に書かれたとは、たとえ大正教養主義の文脈を考慮した上でも、にわかに信じがたいほど。現代でも衝撃を与えるほどの先進性に、真実は常に先見性を孕んでいることを確信。御退屈様。
2投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログチャカポコで心折れそうになりましたが、とりあえず上巻読み切りました。 主人公は何者なのか。 思い出させようとしているのか、犯罪者に仕立て上げたいのか。 疑心暗鬼になりながら読むと、感情移入できて読みやすいかもです。 今はまだどちらの医者も信じられないでいます。 本と関係ないかもですが、表紙がどうしても好きじゃないです笑 あとチャカポコは斜め読みでいいらしいです。 木魚を愉快に叩いてるなーって思いながら読んだら割と読めました笑
0投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログ理解できる、やっぱり理解できない、を反復するような内容だった。 正常と狂人の境目ってなんだろう。よく血液型診断に対して、人間が4パターンしかないわけないだろって言う人いるけど、むしろ分類できるほど人間って深くないのかも。 きっと境目は線じゃなくてグラデーションなんだろうな。
0投稿日: 2025.05.12
powered by ブクログ夢野久作の作品は大体好きですが、こちらはあまり好きではないです。思考を読者に受け取らせる気がないように感じます。「どこまで書くか、書かないか」の基準まで考え始めると、凡人の私には難し過ぎる話でした。
0投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログ昔読んだけれどひたすら主人公の追体験していたら、主人公自身が何者かも馬面が何したかったのかもわからなくなって終わってしまった記憶がある。 難しすぎた!!また今度リベンジ!!
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログブウウウーーーンンンという奇妙な音に目を覚ました主人公。ここがどこであるのか分からないのみならず、自分が誰なのかも分からない。そんな中隣の部屋から「お兄様、お兄様、声を聞かせて」と叫ぶ女性の声が。曰く返事をしてくれたらこの精神病棟から二人で出ることができるとのことである。その声に驚き返事ができないでいると白衣を着た博士が現れ主人公はある精神医学的な実験の最中に居るとの事。主人公の記憶を呼び起こすべく様々な物を見せる。その中にこの実験の概要を理解すべくまとめられた冊子や書類などが纏めまれたものに目を付ける。前半の内容はこんな感じであるがその殆どのページが主人公が目にしている書類である。主人公に対してどのような理論で治療を施しているのが分かるという物だが、これが凄まじく読み辛い。最初は詩の歌詞のように書かれている為、文章の中に意味のある情報が少なくかなりのページがある為まずここで躓く。次はその理論を飛躍させた論文を記者に説明する為の小説風な内容であるが、小説である意味を一切感じれず、擬人化表現が急に現れたりする為かえって分かりづらい。内容としてはシンプルで奇抜な考えなのだが…。先行きがかなり不安である。
2投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログなんかこう回りくどい何かを聞かされ続けているような。 永遠に詭弁を聞かされているような何とも言えない感じである。 ここから後半どうなっていくのか知らん
28投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログ日本三台奇書のひとつ。 名作なので表紙を何とかして欲しい。 長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。 ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ! といった印象です。 しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。 前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。 この本が、50年近く前に書かれたなんて…。 本って素晴らしい。読書って素晴らしい。 以下、備忘録 呉一郎の目の光を押し返す。 死人の呼吸が聞こえるような静けさ 乾燥した喉に唾液を押しやった。 魂から滴り落ちる、血と汗のにおいがわかる 探偵小説は、犯人と探偵の脳髄のスポーツ 脳髄は、謎のご本尊。巨大なタンパク質のスフィンクス。脳のために人体があるのか、人体のために脳があるのかわからない。人体の専制君主。
2投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログ記憶喪失の青年は意識が覚めると精神病院の病室にいた。 医者から自身が心理実験の被験者だと伝えられ、記憶を呼び戻す為にとある冊子を読み進める。 途中の論文内容が抽象的で難解。 猟奇的、エログロナンセンスを期待して読んだがその様な描写はあまり見られなかった。 胎児の記述については読み物として面白いと感じた。
2投稿日: 2024.12.05
powered by ブクログ87~89頁が「ゾッとした」。 この、小説の中の世界に自分が巻き込まれて居るのではないかと錯覚してしまう感じ。 かと思えば、的を得てる。 心療内科や精神病院が金回りよく上手くできているなと感じる。 永遠の精神風刺。時代を超える毎に説得力が増し、予言のようにも思える。 誤診が分からないの、皮肉すぎて面白い。 後半ねむい。
3投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログ誰しもが気狂いで誰しもが正常な人間としての器を持っているという、脳髄による精神の説明が斬新で面白かった
0投稿日: 2024.08.30
powered by ブクログ紙面をびっしり覆う言葉たち。 読むのに気力がいるものだから、ものすごく時間がかかってしまった。 下巻は毎日少しずつより一気に読み進めるのがいいかなと検討する程でした。
0投稿日: 2024.07.18
powered by ブクログ上巻のみ、以前に読んだことがある。 日本三大奇書として有名な本書だが、最も流通している文庫本であるにも関わらず、卑猥な表紙が一向に改善されないのが残念である。 確かに怪しさはあるし奇書っぽさは出ているけれど、本編にこんな女が登場するわけでもないし、この表紙を隠さずして堂々と街中で読むのは憚られる。むしろ、シンプルな表紙で何の害も無さそうな本なのに、中身がスチャラカ、チャカポコの方が面白くて良いのに。 せめて精神病院の標本室にある絵の構図ならば、卑猥さがあっても納得できるのにな…と読みながら改めて思った。 やはりお気に入りは、キチガイ地獄外道祭文の皮肉っぷり。ちょっと長すぎるけど。 スチャラカ、チャカポコ。 チャチャラカ、チャカポコ。あーァ。 人は誰しもキチガイとは紙一重であり、むしろキチガイ呼ばわりする人間こそ自分が正しいと考えているだけのキチガイなのかもしれない。 そちら側が多数なのでキチガイ呼ばわりされた人間は精神病院に入れられるだけで、人は狂った生き物であり、何が正常で正しいといえよう。 すなわちこの地球表面上は、〜狂人の一大解放治療場になっているので、太陽はその院長、空気はその看護婦、土はその賄係に見立てられ得るのだ。p174
39投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログ出だしの男が目を覚まして自分が誰だかわからない、壁の向こうから奇妙な女に呼びかけられる場面がなんだか物凄く好き。 このおかしな世界に迷い込んでしまった感覚が最高です。 内容的には理解できるところもあれば理解できないところもある。 果たして謎は解けるのか。下巻に続きます。
0投稿日: 2024.06.20
powered by ブクログ三大奇書でありアンチミステリーでもある本作は現実と虚構が交錯していく、もしくは現実そのものが虚構であり、読んでいたもの全てが現実の紛い物ではないか、と思わせる奇妙な感覚が終始纏わりついていた。下巻も早く読みたい。
1投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログヨビノリさんの影響で衝動買いした奇書 「胎児の夢」 進化の過程を辿る胎児の夢、先祖の心理遺伝 「地球上に狂人でない者はない」 癖や性格などは自分をコントロールできない一種の例 狂人を見て笑う者は自分は例外だと思っている 途中の論文は読むのが苦痛に感じる部分も少々 内容は面白いし惹かれる 自分も五十歩百歩である事を気付かずに人を笑う者を痛烈に批判する場面にちょっと笑った (批判している本人も例外ではない) クライマックスがヤバいらしく、下巻を読みたい
2投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログ『胎児の夢』『脳髄論』が面白かった。僕もせっかく大学行ったんだからなんかもっと研究とかすれば良かったわ
1投稿日: 2024.03.09
powered by ブクログ男の目が覚めると、自分の過去に関する記憶が全て失われていました。 男は、九州大学の精神病科にいましたが、ある怪事件の目的は何か、犯人が誰かという真相を明らかにするため、医学教授若林博士が記憶を回復させようとしていました。 男は若林博士から絶世の美少女が許嫁と言われ、彼女のためにも記憶を喚び起こそうとしますが、全く思い出せず、自分が誰だかわからない恐ろしさや、精神病患者であるみじめさを感じます。 また、男は自分が偉人正木先生の実験『狂人解放治療』にかけられていると知らされます。 正木先生の研究内容について読んでいると、脳髄の機能や、精神病について考えると同時に、自分が何者か考えてしまいます。 「奇書」と言われているため身構えて読み始めましたが、ドキドキする面白い小説でした。探偵小説的でもあり、真相が気になります。
1投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ奇書として有名なドクラ・マグラの上巻。精神病、脳髄に関する話が軸に話が何重にも織りなされているような本。面白く惹かれる部分もあるが、確かによくわからない部分も多々あった。
0投稿日: 2024.02.28
powered by ブクログ初めての夢野久作・著の作品がコレ。 読書が苦手ながら一気に世界観に引き摺り込まれました。 元々イッキ読みは出来ない性格も相俟って、上巻だけでも読破は予想以上に根気のいるものでした。 が、それでも挫折しなかったのは、矢張り『夢野節』があったから。 『内容』を理解するには、二、三度繰り返し読まなければ難しいが、『文』としての吸収は容易に出来る…。 日本語のリズミカルさと狂気を前面に出し、その心地良さを何枚も剥げば、ようやく意味が4割分かる……みたいな不思議な感覚に酔い痴れた作品でした。 下巻は絶賛奮闘中なため、どうなるかがトテモ楽しみです。
1投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログ巷間言われているほどのグロさもエロさもない。正木を通じて語られ続ける作者の世界観、生死観は理解の範疇である。 (内容紹介) 昭和10年1月、書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉という宣伝文句は、読書界の大きな話題を呼んだ。 常人では考えられぬ余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばしている。〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけて完成された内容は、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。
0投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰が黒幕なのか、最後の最後で眼の前の人間が信用できなくなるような謎を残して上巻は読了。 近代文化批判をしているように感じるけど、これが精神に異常をきたすと言われる作品なのかまだわからない…ホラーなのかミステリーなのかそれすらも掴み取れてないようなわけがわからん状態。たぶん、自分の知らない内にドグラ・マグラにかかっているんだろうけども…
9投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログ読むと発狂するとされる本。 出だしは自分の記憶も分からないし隣から声が聞こえるというサスペンスで読み応えがある。 チャカポコ辺りから読んでいて理解が追いつかなくなってくる。個人的には同じ奇書とされる『黒死館殺人事件』よりは読み易いとは思う。
1投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログドグラ・マグラ上/夢野久作 "読んだら気が狂う"とまで言われた奇書だが私には何が何だかさっぱり分からなかった。本当に気が狂うのは正木博士の奇怪な論文を理解できる人しかいないと思う とは言え遺言の途中で終わった上巻の構成で続きが気になるし「胎児の夢」は面白かった。#読了 #夢野久作
0投稿日: 2023.10.06
powered by ブクログ25年ぶりに再読。なぜか夏に読むべき本なような気がして。チャカポコゾーンは下巻の頭のあたりだと勘違いしていたけれど、上巻の中盤だった。このあたりからさっぱり訳が分からなくなる。今回は、このあたりから、たまたま見つけた朗読動画を聴きながらの読書。朗読だと文字を目で追っていなくても話が進むし、ちょっとしたすきま時間や別のことをしている間にも読めることが分かったことが発見になりました。
2投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログ日本三大奇書の一角。 "精神に異常をきたす"なんておどろおどろしいことが書かれていたので、覚悟はしていたのですが、思ったよりは普通な内容。 ただ"チャカポコチャカポコ"や"キチガイ地獄外道祭文"などの独特過ぎる文体には軽く眩暈を覚えそうな...人によっては気が違いそうな世界観ではある(かの横溝正史が本書を読んだ際に気が狂って暴れたエピソードが実際あったりする) 途中の論文パートは読んでて目が滑りまくったけど、"胎児の夢"に関しては成程と納得させられそうな説得力があった(実際のところどうなんか知らんけど) 下巻でこの話をどう着地するのか期待。
12投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログ胎児の夢は非常に興味深い話だった。 想像していたよりはずっとまともな話で続きが気になる。この夏は夢野久作に挑戦すると思って手に取った。下巻も頑張って読む。
1投稿日: 2023.08.13
powered by ブクログ「読んだら精神に異常をきたす」と評される日本文学の奇譚。夢野久作自身も「読者を狂わせる」ことを目的として書いている。 横溝正史エッセイの落合信彦の対談で「この本読んでいると気が変になりますよねー、はっはっは」みたいなことを話していた。「気が変になる」という言葉はこの二人の対談から広まった。 しかし私としては、上巻の半分の精神科博士の論文が理解できなくて狂う余裕がなかった^^; 本書で気が変になるのは、この論文が理解できる頭の良い人(横溝正史くらいに)だけですね ^^; ※差別用語も本文のまま記載しています。 ※※※※わりとネタバレ気味ですのでご了承ください※※※※ === ………ブウウーーーンンンーーーンンン………。 蜜蜂の唸るような音が耳に入り、青年はウスウスと目を覚ます。青年には自分に関する記憶が全くなかった。ここはどこか、自分は誰か、なぜここにいるのか。 すると隣の部屋から少女の声が響いてきた。少女は青年を「おにいさま」と呼び、切々と訴えてくる。 おにいさま、私がおわかりになりませんか、婚約者のモヨ子です。結婚式前夜におにいさまに殺されましたが、こうして生き返ってきました。私のところに戻ってきてください。おにいさま、返事をしてください、返事を、へんじを……… やがて青年のもとに「九州帝国大学 精神科 若林鏡太郎(わかばやしきょうたろう)」と名乗る医師が現れる。若林博士は青年に、今日が大正15年11月20日でここは九州帝国大学精神科の第七号室だと伝える。 若林博士は、この精神科の前教授で一ヶ月前に自殺した正木敬之(まさきけいし)博士と共に精神病患者の研究をしていた。この正木教授はかなり奇妙奇天烈摩訶不思議な精神科論を講じていた。そしてこの青年が生まれるより前に、彼のような精神病患者が現れることを予言していたという。 若林博士は、青年の記憶回復のためといって、青年を医学部長室へ連れて行く。 そこには入院患者たちが書いた論文や創作物が並んでいた。 その中の一つは『ドグラ・マグラ』。 ………ブウウーーーンンンーーーンンン………。という音を聞き目覚めた入院患者による「自分は若林博士と正木博士に実験体にさせられている」という体験記だった。 青年は、自殺した正木博士の遺した文章を読む。 『キチガイ地獄外道祭文』 正木博士は日本を遍歴しながら精神病者の扱いを訴えたという。その訴えは木魚を叩きながら阿呆陀羅経を唱えるというものだ。 ああアーああーアアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ… まかり出たるはキチガイ医師だよ、寄ってきなされ聞いてきなされ キチガイと言われて閉じ込め虐待されたる入院患者。これじゃあ地獄だよ そこでこの気楽な医師が、新案工夫のデッカイ精神病院、奇妙奇天烈珍妙無類の治療で患者を助けます アアー…スカラカ、チャカポコ、チャカポコ、チャカポコ… 『球表面は狂人の一大解放治療場』 「この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない」という論文。 『脳髄は物を考えるところに非ず』 それじゃ何なんだいというと、脳髄とは物を考えていると脳髄に錯覚させる器官ってことなんだよ。 生物は大きく複雑になり、脳髄は細胞を独立させた。そう、細胞こそ人間の意思決定の器官なんだよ、きみ。 『胎児の夢』 胎児は母体にいる間に、今日に至るまでの地球の歴史を悪夢を見ている。それは力のぶつかり合いであり、生物の残虐性である。 胎児は自分の祖先の夢を見て細胞に記憶してこの世に生まれるのだ。こうして人間は先祖の「心理遺伝」を持っている。 『空前絶後の遺書』 ヤアヤア我こそはキチガイ博士としてその名を馳せたる正木敬之なり。明日の大正15年10月19日に自殺することにしたそのついで、古今無類の遺言書を残すことにした、さあ立ち会え立ち会え。 …という感じで、正木博士は呉一郎(くれいちろう)という青年について記す。2年前に母親を絞殺した容疑が掛かったが、若林博士がその容疑を晴らした。だがその2年後に従妹で婚約者の呉モヨ子を絞殺した。 だがモヨ子は仮死状態にあったのであり、若林博士が覚醒させ、第6号室に入院させたのだ。 == 遺言の途中で上巻終わり。 最初に青年が目覚めた病室の様子は、本当なのか幻影なのか判別しかねた。 正木博士の書き遺したものはそれぞれが口語体や舞台式などの形式で書かれて目まぐるしい。 医学部長室にある精神病患者の創作物や、終盤の「手術」はかなり気味が悪い…orz このように、精神病棟入院患者の目線の描写、文体を変えていく形式で、読者としてはついていくのに精一杯だったよ。
28投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
~読み終えた後、謎が深まる一方~ 冒頭、「ブウウーーーン」という独特な時計の音で目を覚ました主人公の「私」。今精神病棟の中にいるのですが、自分の過去をすっかり忘れているばかりでなく、名前も思い出せません。出だしから何やら不思議な現状です。その後、大学の教授である若林教授が言うには、私はある殺人事件に関与していると言われます。「私」の記憶を頼りに事件を解決していきたいとの事ですが、何にせよ「私」は記憶がありません。そうして、物語は始まっていくのです。私が特に面白いなと思ったポイントとして、この作品中の論理が実際にも提唱されていて、その論理と加えて作品を見ると時代の変化が分かる所です。作品中の脳髄論、胎児の夢は、正木教授の書いた論文の題名です。小説内の架空の理論ですが、実際に提唱されています。特に、胎児の夢というのは胎児は母の胎内で生物の進化という遠大なストーリーの夢を見ている、というものです。母親のお腹の中で、胎児が夢を見ているのではないかという仮説もしくは理論の事を指します。作品中の正木氏(「私」が尊敬している天才医学者であり、死んだはずなのに今存在してる) は、これは自分の遠大な計画の中間点であるとコメントをしている。わかると思いますが、かなりダウナーな内容の論文です。また、巻頭歌の意味に近づくために重要な部分だったりもします。 最後に、『ドグラマグラ』と検索をかけると、おかしくなる、厨二病作品、意味が分からないと検索に上げられるくらい、確かに内容として最後まで読んで簡潔にすっきりとはいかなかったです。ですが、それこそがこの作品の良さなのではないかと感じます。奇妙かつ、最後まで疑問が浮かぶこの作品ですが、途中で前半部分と重なる点などがリンクして面白かったりします。この作品は、昭和の作品ですが少し言い方や表現が今と異なっていて、何度か同じ部分を読み直してやっと理解する所もありました。また、教授の実験に参加しているシーンを読んでる時は、読んでいる人さえおかしくなり、一旦深呼吸などして改めて読むのを推奨します。
2投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ読むと精神に異常をきたすという奇書。 最初以外はほとんど理解できずにおわった。 何ヶ月かけて読んだか分からないけど 文字を追うだけでも読めてよかったな。 さて下を読めば何かが分かるのか?
2投稿日: 2023.05.30
powered by ブクログ何度もギブアップしそうになったけど、なんとか最後まで読み終わった。 途中までの感想は、「訳が分からない」。 最後の方になってきてようやく面白くなってきて一気に読んだが、何となくわかった気になっただけで結局よく分からなかった。 あちこちブログを検索して色んな人の考察を読んで、やっと少し理解出来た気がする。 色んな解釈が出来るので何度も読み返すのが良いんだろうけど、文章が難解すぎて読み返す気にはしばらくならないです…
1投稿日: 2023.05.29
powered by ブクログ発売当時に読みたかった作品。その当時の科学力,その当時の神秘性,その当時の倫理観に照らして読みたいから。
1投稿日: 2023.04.24
powered by ブクログ読むと精神に異常をきたすと言われる三代奇書だそうで。上巻読破できなかった。主人公が精神異常で、登場人物も怪しく、文章が難解。雰囲気もおどろおどろしく、途中から読み進める気になれませんでした。
1投稿日: 2023.04.21
powered by ブクログ夢野久作と言えばという一冊。 三大奇書というだけあり、まだ上巻のみの読了だが一読だけでは完全に理解する事は難しい。 「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と謳われるが個人的に何ともなく好きな分類のため下巻を読んだら再読したいと思う。
1投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初は難しすぎて頭が痛くなりましたが自分なりにまとめてみました。 人間の心理作用を先祖が治さないと子孫にそれが伝わってしまう。代を重ねるとその遺伝子が年々遺伝していきこれが酷くなってしまう。 これ2015年のホロコーストの子孫の記事と似てると思いました。著者は天才だと思いました。 夢遊病→熟睡状態に入り脳髄が熟睡している 背景が暗くなると潜在意識が光り始める。そして、睡眠に出遅れた細胞たちがその意志やらを遂行するために誤作動を起こす。 脳髄を通過してないから記憶ない 胎児の夢→人間の進化を見てるつまり遺伝子というものが形を成してそれをする過程を見ていることを言っているのだろう。 なぜ胎児は単細胞からわざわざ形成されるのか? 人間は外見を見ると他の霊長類と比べると綺麗に進化してきたが皮を剥がすと内臓やら下等動物の「お譲り」 人間の精神もそうだ。常識とか文化という化粧をしている。しかし皮をめくると生存競争があるのだ 動物心理の核心 無意味に生きて無意味に行動してるように見える これは原生動物のようだ。刺激のあるものに集まってる →人間は身体などの進化を単細胞etcから受けてるのではなく、精神(本能)と言われてるものまでそうだった 人間の進化は着飾ることなのかもしれない 人間とはつまり宇宙ってことだ。 偉大な内容を持つ細胞の仲介として脳髄がある これは細胞1粒より素晴らしきものになるはずだか なってない。それは細胞の仲介役である脳髄が完璧でないということになる 夢とは細胞の意識が脳髄に反映してるだけ 寝てる時胃腸が働いてる→苦しい辛い 悪夢へ 消化が終わると→楽になる 悪夢からの解放 夢というのは主人公細胞自身だけがわかる気分のこと 細胞の発育、分裂、増殖ち伴う細胞自身の意識内容の脳髄に対する反映 心理遺伝は先祖の遺伝を引き継いでレッテルを貼りながらどうにか隠してるのでそれが我慢できなくなった時に壊れる 著者は骨格で人格が決まるとも考えている。骨格を決めるのも細胞だからだ。 この本を読むと分かるのは、私たちは脳がすごいのではなく、細胞が凄いのだと分かりました。 細胞が宇宙のように分裂を繰り返す。 これは、人間の歴史の集結だと思いました。
13投稿日: 2023.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的考察(ネタバレ) 書類を読む前=正木が自殺し、呉一郎が『ドグラ・マグラ』を書き上げた時点よりあとのある日における、「私」と若林のやりとり(若林は10月20日と同じ状況を再現することで「私」に暗示をかける精神科学の実験を行っている) ↑ 上巻52頁、理髪師「ちょうど丸一ヶ月前のことで…」 →理髪師は、一ヶ月前にも「私」の髪を切っており、離魂病により「私」が解放治療場で幻視した呉一郎の髪も、目覚めてからの「私」の髪と同様に「蓬蓬として」いる →前回髪を切ったのは10月20日であり、若林がその日にとっさに言った「一ヶ月後」という言葉を「私」の潜在意識が記憶しており、それによって10月20日からちょうど一ヶ月後の11月20日に「私」が目覚めた=やりとりが行われているのは若林の言う通り11月20日? あるいは、若林は「私」が冒頭のように記憶喪失の状態で目覚めるたびに同じ暗示を繰り返しているのかもしれない (度々ループを思わせる描写あり。上巻54頁「博士の口ぶりによると、博士が私の頭の復旧を命じたのは、この理髪師ばかりではないように思える。もしそうとすれば私は、その前にも、そのまた以前にも…何遍も何遍もこんなことを繰り返したことがあるのかも知れない」) 記憶喪失者としての「私」の意識が目覚めていない期間、「私」はアンポンタン・ポカン君や『ドグラ・マグラ』を書いたときのように夢中遊行状態にある 書類を読んだ後=10月20日に「私」の身に起こった出来事を、若林の暗示により幻覚 ドグラ・マグラの内容=「胎児の夢」そのもの 巻頭歌も胎児に関するもの →「胎児の夢」は作中における精神科学理論のなかでも一際重いウェイトが置かれているように思える 最も直接的な根拠となるのはは最後の数頁、「これが胎児の夢なんだ」云々 cf.上巻54頁「私は現在、ここで、こうして、頭をハイカラに刈られて、モミアゲから眉の上下を手入れしてもらっているような夢を見ているので、ホントウの私は…私の肉体はここにいるのではない。どこか非常に違った、飛んでもないところで、飛んでもない夢中遊行を…。」 「私」の正体=呉家の子孫の胎児 呉一郎の記憶を夢として追体験=夢の中で、呉一郎として彼の記憶をたどる →呉一郎であり、呉一郎ではない 本文ラスト、呉一郎だけでなく正木や呉青秀といった自分の子孫たちの記憶も追体験 産まれる前から、自分が多くの人を殺すことになる運命を自覚=まさに「悪夢」
2投稿日: 2023.02.21
powered by ブクログめちゃくちゃ有名な奇書。 読めば精神に異常をきたすと言われている。 上巻を読んで思ったのは精神が異常じゃないと読めない。少し言い過ぎか。 書かれた時代が古いから表現も古典的で、かつ本文の中で論文、記事、遺書などがまるまる入っているから今何を読んでいるのか分からなくてなる。 さらに内容も理解が難しく上巻で挫折する人が多いのも頷ける。 どっかで見たが、図書館のドグラ・マグラは上巻がボロボロでも下巻は綺麗だそうだ。 僕も途中で心が何度も折れましたが、終わりがスゴイと言われているという理由と、ドグラ・マグラを読んだというステータス欲しさに上巻を読み終わりました。 どうか下巻は読みやすくあれ。
1投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【あらすじ】「ぼく」は、独房じみた精神病棟の一室で目が覚めた。ぼくには過去のいっさいの記憶が無く、自分の名前すら分からない。しかし、なんでも、ぼくが記憶を取り戻せば、とんでもなく重要な怪事件の真実が明らかとなり、世界が驚嘆する実験が完成するのだと云う。三大奇書のうち一冊。 【感想】まだ上を読んだだけ+下巻は60ページくらい読んだ時点の感想です。ネタバレ。 終始突飛な主張、かつ論文調の長文で読みにくい部分もある。冗長な繰り返しの表現もしばしば。しかし、それを上回る技巧性、面白さがある。 特に、このドグラ・マグラそのものが入れ子型になっている構図、前半から示唆される、(すべては、時計が鳴る数秒の間に「ぼく」が見た夢では無いのか)という疑念を踏まえて読むのが楽しい。ずっと狐につままれながら読む感じ。 謳い文句にあるような、精神に異常をきたす!といった感覚はない。 しかし作者・夢野は脳科学や進化学についての基礎知識を持ち合わせていて、そんな学術的事実の解説から始まった話題が段々と飛躍し、なるほど…と思うような例示を挙げながら、とんでもない主張に落ち着く。だから、読んでいるうちに、どこまでが本当かたまに分からなくなるような錯覚は覚える。読者を罠に掛けてやろうという気概を感じる点で、戸惑面喰(どぐらまぐら)を名乗るに相応しいと感じた。 ところで、何より、登場人物である気味の悪い法医学博士・若林鏡太郎が推しになって、読むのが楽しい。巨大で細長い図体(大正時代なのに六尺)でありながら、恭しく丁寧すぎる話し方なのがかわいい。見た目のことを「西洋の妖怪」とか言われてるし、研究対象の様子が急変したから車を飛ばして駆けつけただけで「その気味の悪いスバシコサ──」とか言われててかわいそうなのが可愛い。下巻では様子が変わるので今後も鏡太郎の動向が楽しみ。
2投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログ読めば読むほどに訳がわからなくなってくる。 読んで理解することはできるのだが、理解したことがじつは間違いだとわかる。そうか、本当はこうだったのか……。 ところが、その本当がまたひっくり返って嘘になり、犯人だと思っていたのは被害者で、味方かと思えば敵であり、もう誰を信じて何を疑えばいいのか、頭の中がこんがらがってくる。 ああでもなく、こうでもなく、またああでもあり、こうでもある。どれもが真実でありうるとともに、またどれもが虚構でもありうる。そんな果てしのない迷宮のような小説。
1投稿日: 2022.12.22
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今年1面白かった作品 ストーリーの絡まり方や展開が壮大なのに、最後に各々のストーリーがきちんとまとまってくる面白さ。 心理遺伝というテーマから、人は生まれる前から決まっていた定めに反抗できるのか?彼が悲しくも生まれ、そして彼の誕生が狂わせた人々を見ていると、呉一郎の行き場のなさ、どうしようもなさから虚しさが込み上げてくる作品だった。
0投稿日: 2022.12.21
powered by ブクログ夢野久作 ドグラマグラ 上 半分読み終え、半分残っています。 私はまだ精神に異常はきたしてはいません。 もっとはちゃめちゃな感じかと思っていましたが、至って読めました。 まだまだわからない。 下に進まないと、わからない。
0投稿日: 2022.11.11
powered by ブクログハヤカワ・ミステリ276 のドグラマグラを読ませて頂いたので上と下巻の境目がわからない為序盤について喋りたい。 まず初め10ページ程で読み辛くリタイアも頭にある状態な程に夢野久作に着いて行くことが難しいものであった。ハヤカワ・ミステリの訳がなのかわからないが当時の漢字をそのまま引用している為、現代の小説を基本的に読んでいる私からすると難しい表現、漢字が多かったが、 その後は異様にスラスラと読む事が出来た。これが精神が可笑しくなる事なのか疑う程異様に頭に入る。私は此処で頭がイカれたかと思った。イカれてなかったと思いたいが。 何を言いたいかと言うと、真ん中とは言わないが20ページ迄読み進めて欲しい。私の様に序盤読み辛い人も直ぐに慣れて読み易くなる事があることだ。後別に病んだりもしないと思うが読んでいるはずなのに何も理解できない時があったので伝えておきたい。
0投稿日: 2022.10.31
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物語の鍵を握るのは記憶喪失の青年か。 記憶を呼び覚ますキッカケになるだろう、と謎の博士が記した書類を渡される。 内容は『ある研究に着手するまでの経緯や理論、実験方法に関する記録』で、その奇妙さと難解さには戸惑う。 だけど興味深いと思える部分もある。 結末が全く想像できないので、下巻が楽しみ。
0投稿日: 2022.09.23
powered by ブクログ文体が読みづらく内容も難解なので、一度に読む量や読む頻度がどんどん落ちていき、恥ずかしながら4ヶ月でやっと読破しました…! 昭和の文章で今は滅多に使わない単語や言い回しが多かったため辞書をひくことも多かったですが、まとまった日本語で、なるほどと思う言い回しも多々あり綺麗な言葉遣いを感じました。 話の内容については下巻を読んでから感想を述べたいと思います。
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ死ぬまでに一度は読みたい日本三大奇書の1つ、友人に借りた。感想欄覗いたらギブアップしている人も結構いる。私も初見だったらギブアップしていたかもしれないけれどそれを見越した友人が学習漫画も貸してくれて先にそれを読んだおかげで少し場面が想像できた。話の内容がグロいとか気持ち悪いとかじゃなくて、医学的な話とか何言ってるのか分からない部分が長くて読むのがキツい。皆同じところ(例のスカラカ、チャカポコのところ。このオノマトペは頭に残るけどそこに書いてある内容が訳分からなかったし長かった。)で読むの辞めようかと思ったって言っていて安心した。詳しい感想は下巻にて。
1投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2022/7/22ギブアップ この時代から唯物文化を批判して精神文化の社会を作りたいという思想があったことに驚いた。 だけど心理遺伝とかいう理解しがたい思想を延々と聞かせられて、最初は全然気が狂ったりしないじゃんと思ってたけど、読み進めていくうちにジワジワストレスが溜まってあと2日で気が狂うんじゃないかところまで来てしまった。 内容がグロいとかじゃなくて頭のおかしい思想を真剣に理解しようとするストレスが少しずつ溜まっていって、仕事中常にイライラするくらいには精神不安定になった。 読むのをやめた日から機嫌が良くなったから絶対この本のせい。 読むなら深く理解しようとせずに文字だけをサラッと読み流すくらいがいいと思う。 内容は興味深くて先が気になるんだけど、まとめて話せば数ページにしかならなそうな内容をくどくど喋り続けているのに耐えられなかった(泣)
2投稿日: 2022.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読したくて探したら行方不明に(T ^ T) その為、再度購入σ^_^; 日本ミステリ界の三大奇書。(『匣の中の失楽』も合わせて四大奇書と言われることもあります) 読むと精神が崩壊する等々。 私が目を覚ました時、記憶を失っていた。隣の部屋からは女性の声で『お兄様』と呼びかける声。 ここはどこで、私は誰で、どうして、こんな場所に閉じ込められているのか……。 そこから始まるのは奇書にふさわしい物語。 初めて読んだときに思ったのが、ミステリの概念とは? 記憶を失った私が閉じ込められているのは精神病院で隣にいるのは私の許嫁だというところから物語ははじまります。 そこまではいいのですが、私の記憶を戻すために精神科医の若林博士から渡された小冊子である『キチガイ外道祭文』が読み返すたびに凄いなぁ。 ここで繰り返される『オノマトペ』の効果とまるでお経のような文章を延々と読んでいくと、わけがわからなくなるのは当然とも思います。ですが、私はこの『オノマトペ』の使い方が強烈で好きなんですね。 天才的な感覚で使われているこの『オノパトペ』、読んでいる方はそれに取り込まれていくような気がしてもおかしくはないと思うんですよね。 そして、殺人事件に自分が本当に関わっているのか、隣にいるのは本当に己の許嫁であるモヨ子であるのか、正木博士は変死を遂げていながら、どうして自分を若林博士に託したのか等々。 何回か読んでますが、読み終えたときに答えが出なくてもいいのかもしれないのかもしれないということかもしれないです。 これは『虚無への供物』を読んだときも思いましたし、『匣の中の失楽』もそうなのかもしれないなぁと思ったりもします。 ほぼ同時期に読み始めた埴谷雄高さんの『死靈』は形而上文学と言われる作品ですが、『ドグラ・マグラ』と表裏一体の作品なのかもしれないなぁと思う時もあります。共に20代の時に出会ってますからね。手当たり次第に本を読み始めた時期で、そこからいろんな影響を受けていた時代です。(こちらはミステリではないですし、ドストエフスキーの影響を強く受けている埴谷さんらしい作品です。でもドストエフスキーとは私は相性が悪いんですよねぇ~) 因みに『死靈』は当時出たばかりの村上春樹さんの『羊をめぐる冒険』と比較されている評論を読んで、読み始めました。未完になってしまいましたが。 そんなことを思い出しながら再読を終えました。 面白かった(*^^*)
21投稿日: 2022.07.07
powered by ブクログチャカポコ長かったり内容は面白いけど如何せん一つ一つが長い!と思ったけど、全体的に文章の音のリズムがすごく良いのでその気持ち良さを楽しめた。ところどころで進撃!?になった。 一生下巻がよめない
0投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人類皆精神異常者 脳髄は考えるところではなく、 身体の細胞に指示を与える電話交換手。 動いてるのは身体の細胞。
0投稿日: 2022.03.27
powered by ブクログ日本探偵小説三大奇書の一つ 「死後の恋」、「瓶詰の地獄」、「少女地獄」と読んできて、いよいよもって夢野久作の代表作であり集大成である本書に手を出しました 後半までは奇天烈な雰囲気もありつつ精神病をテーマにしたサイエンス小説といった感じ しかし、最後の方でいよいよ探偵小説の様相と犯罪臭が出てきた 夢野久作曰く 「これを書くために生きてきた」 とのこと その意味するものとは… 先が気になるので続けて下巻行ってきます!
0投稿日: 2022.03.14
powered by ブクログオーディオブックで聞いたためか噂のチャカポコがいつまでも耳に残り続けた。 もう一回くらい読み返さないと頭の中が整理されない
0投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ自分はチャカラカ、チャカポコの阿呆陀羅経の所は、頭の中で歌が流れてきたので頭おかしかったかもしれない。そのところはスラスラ読まれてたけど、何を言ってるのかわけわからんかった。 登場する先生が頭おかしい。 その時代の言葉遣いなのか、はたまた〜節はその時代の風刺でありお笑い要素があったのかな
1投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ日本三大奇書の一つらしい。これを読むものは一度は精神に異常を伝えられると裏表紙に書いてあるので、どんなものかと思ったが面白かった。途中のスカラカ、チャカポコのあたりで少し辛くなったが、これらは木魚の音なんだと強く思い込んでそこだけうまく読み飛ばし読んだら面白くなってきて、「脳髄は物を考えるところに非ず」などなど…とても不思議な世界観です。
3投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログひとまず上巻読了。 面白くなりそうという期待感は膨らむが、あまり進展しないまま上巻が終わったという印象。 作中作というのか、主人公の読んでいる文献がそのままこの小説の一部となっていて、読者としてもそれをひたすら読み進めていくことになる。正直飽きる。 下巻まで読めば楽しめそうな気配はすごくあるので星4つ。
0投稿日: 2021.11.26
powered by ブクログ読もうか迷っている人へ:この本はエログロではなく、耽美です。当時下品だったものはもはや美しいからです。
0投稿日: 2021.10.30
powered by ブクログチャカポコチャカポコやっと読んだ。正直読み飛ばしてサラーっとだったのでまた読む。司書さん延滞しまくって申し訳ない。
0投稿日: 2021.10.05
powered by ブクログ伏線回収が素晴らしく、読んでいる中で何度もどんでん返しを食らってとても面白かった。また、結末が明かされないだけに人によって様々な解釈が生まれ、その難解さと後味の悪さから何度も読み返したくなるという意味では「精神に異常をきたす」と謳ってあるのも頷ける。今までで読んだ本の中でもトップレベルに好きな作品だった。
0投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ何度も途中で挫折していたが、やっと読了。 読みにくいところもあるが、ラストは圧巻。人生で一度は読んでみるといいと思う。
0投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ「読むと気が狂う」と聞いたことがあり、気になっていたので読み始めた。最後まで読み切るのはしんどい、というのが正直な感想。精神がおかしくなるからという理由ではなく、私には理解が難しい表現がたくさんあったからである。しかしとても読書が好きで、一味違った本を読んでみたい、毒がある作品を読みたい、という方にはおすすめである。特にミステリー好きな方にはぜひ読んでいただきたい。自分は今回一度読破しようと思うが、読書量を重ねて、3・4年後くらいにもう一度読んでみたいと思う。
0投稿日: 2021.07.26
powered by ブクログ何とか下巻まで読了した。 記憶を失った男が記憶を取り戻すことにより、そのような状態になるに至った経緯や過去に何が起こったのかを明らかにしようとするのが目的の話だ。しかし、結局はぼんやりと記憶を取り戻すものの、真相を思い出すことはなく物語は終わってしまう。 ヒロインのモヨ子や精神科医の正木など、個性的すぎる登場人物が物語を面白くしていたように感じた。心理遺伝という概念に面白さを感じた。記憶や想いは末代に引き継がれるという話は今の漫画やRPGなんかでよくみかけるが、ここが元祖なのかもしれない。 胎児の夢や精神医療学的な論文など難しい内容が多く、読むのに苦労した。難解な内容がゆえに、理解できたといえないので、もっと読書スキルを磨いてまた挑戦したい。 読んでいくうちに、今自分の見ている現実は本当に存在しているのか、本当に俺は生きているのか、そう誰かに思わされているだけではないか、という考えが浮かび、本から離れた現実を疑い出してしまった。この点において、精神的にきつかった。
0投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
有名な触れ込みから、理解不能な怪文書の連続かと思っていたが読ませるストーリーだった。作中にタイトルの作品が登場した時呻った。正木博士の外見はシャッターアイランドを観たせいかベン・キングズレーのイメージ
0投稿日: 2021.04.06
powered by ブクログもう一度読みたい。 チャカポコチャカポコが頭から離れない。 あーーーーァ。 キチガイについてとてもわかりやすくかいてあったように思う。 最近のニュースでも精神病患者の扱い等問題になっていたが内情はコレを読んでおけばよく分かる。 キチガイ呼ばわりされたら最後、まともに話など聞いて貰えない。ただの虐待だな。 地球の表面上はキチガイ解放治療場。この観点から見ると現実世界が大分面白く感じた。失礼極まりないけどね。 表紙は何故こんな過激にしたんだろう????
2投稿日: 2021.03.26
powered by ブクログ昭和十年一月、書き下ろし自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成し、”日本一幻魔怪奇の本格探偵小説”とうたわれた、歴史的一大奇書。
0投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログネット界隈で言われている程、気が狂う本では無いと思った。読みすすめていると、映像が浮かんでくるような感覚になる小説です。
4投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ正確には青空文庫の電子書籍版を読みましたが、見つからなかったので、印象的な表紙の角川文庫を登録しました。素敵です。(こちらは上巻ですが、結末まで読了してます。) 夢野久作の代表作、ドグラ・マグラ。 とても面白かったです!! もっと早く読んでおけば良かった。 (昔30%程読んでいたのですが、難解から止まっていて、初めから読み直しました。) 一言で言うと、精神世界の謎を順に紐解いていくと同時に身の上に起こった事件を推理していく探偵小説です。 同じ類の話は現代にはたくさんあると思います。 とにかく最初から最後まで、奇妙で独特の雰囲気を醸し出しています。 主人公が目を覚ますと、殺風景な一部屋のベッドの上にいますが、自分が誰で、今まで何をしてきたのか全く記憶にありません。 隣の部屋の少女がきみの悪い掛け声をしてくるし、若林という教授が言うには、ここは九州帝国大学の精神科で、貴方はある殺人事件に関わっていると言うし。 正木博士という方が研究している「狂人の解放治療」や、論文の「胎児の夢」「脳髄論」「心理遺伝」「遺言書」などなど、全て全文細かく時代背景が違うので、当時の言葉で書いてあるのを一つ一つ読みながら話が進んでいくのですが、理解しながら読もうとするとすごく時間がかかります。特に如月寺の坊さんの手記が難解すぎて、呉虹汀のクダリの詳細は、私の頭では理解できませんでした。別で調べてみようと思いました。 ですが、その分後半に進むにつれ、理解が深まって行き、あそこに繋がるのか!と回収されて行く気持ちの良さがあります。 「胎児の夢」の一節 胎児よ胎児よ何故躍る 母親の 心がわかっておそろしいのか 奇妙で、すごくワクワクします。 読むと、この言葉の意味も理由も分かっていきます。(分かった気でいます笑) 何だか、本当に「心理遺伝」があるような。 そんな気がしてしまうのは、長い話に何度も何度も出てくる言葉の数々に洗脳されてしまっているのでしょうか。 呉家に代々伝えられているという呪いの巻物、見てみたいです。 読むと気が狂うと言われている「ドグラ・マグラ」 最高に面白かったです。
21投稿日: 2020.09.28
powered by ブクログ途中までは面白かったんだけどな。妙な論文だか散文だか小説だか分からない文章が無理すぎた…。無駄に長いし。 それでもまた面白くなるかな~と飛ばし飛ばし読んだけど、結局最後まで脱線(?)したまま終わってしまった感。
0投稿日: 2020.09.24
powered by ブクログはーおもしろい。これと統合失調症の本と並べて鬱々とした雨の時に読むと何とも味わいがある。 たまにカタカナと感じ混じりで読みにくい部分があったりするが総じてリズムよく、講談か何かのようでとても読みやすい。 気づいたらミステリーに。ちらちら読んでみてもどんな話かまったく分からなかったわけだな、と読みはじめて納得する。どこに着地するんだろう(終わり方はわかってるけど)。下も急いで読みはじめている。
0投稿日: 2020.07.16
powered by ブクログ思ったより読みやすい。 精神病者の人とそうでない人の違いなんてないぞ!という主張がされていてドキドキする。下巻へ。
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログやっと上巻読み終えた。半分でそんな気分。 高校の時は読み進められなかった。 超有名だけど、その複雑すぎる話の展開で読み切るのも難しい。 ミステリーという形を取ってるけど、そんなにテンポよく進んでいく代物ではない。こっちが騙されてる気分になって、何がなんだかわからなくなってくる。 印象的だったのは、正木教授の「キチガイ地獄外道祭分」とか「脳髄論」などの突飛な論文の主張を通して、夢野久作自身、精神病患者の対応への問題意識を強く感じてたこと。辛辣な言い回しも多い。 夢野さんがこれ書いた20世期前半とかで脳科学的、心理学に目を向ける人というのは稀すぎるのでは?こういう要素を持つミステリーが生まれるには、あまりにも医学や世間の関心とかけ離れている時代だっただろうと思うと、作品のすごさが増す。 下巻、読もうと思う。頑張らないといけないが。 あとチャカポコが頭から離れない。
7投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログ読みたいものリストにいれてたのは瓶詰の地獄だったのに、本屋で思わずこちらを手に取る。最初のところが怖すぎて夜中に目が覚めたけれど、若林先生の説明が始まってからだいぶ落ち着いた。久生十蘭の魔都の真名古刑事みたく、作者から正木先生への愛情の表れなんだろうか。柱時計って、ぼおおおんって鳴るのかと思いきや、ブウウウンなんですね。 すべての物事には原因がある。という考え方に時代を感じました。今は確率の時代だと思う。箱の中の猫は死んでいると同時に生きている。とめどなく流れる思考は、ただ流しておけばよい。でもだからこそ面白い推理小説がたくさん出版された時代でもあって。降霊会など超自然的なものに傾倒したのはホームズじゃなくてコナンドイルじゃない?そういう意味でこれは推理小説。原因と結果が明確であるという意味で。 進化論を否定する敬虔なクリスチャンが論じたのは、この世の始まり方は確かに科学で説明できるかもしれない、だけど科学は世界を始めようとした意志を説明できない、という映画が面白かったのだけどタイトルなんだっけか。同時に読んでるgood omensにあるみたく、恐竜の化石はただのジョーク、なんてのもパンクでいいと思うな。なぜ胎児が進化の過程をなぞるのか、を語るのは同じ詭弁であり同じ論理である。なぜ、を持ち出すと全てが突然複雑になるから。
1投稿日: 2020.03.27
powered by ブクログ狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成し、”日本一幻魔怪奇の本格探偵小説”とうたわれた、歴史的一大奇書。
0投稿日: 2020.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三大奇書と名高いこの本に対して期待が大きかった。 冒頭は読んでいて楽しかったし、何故主人公は此処に?なんて疑問から、ミステリー小説を読んでいるような高揚感があった。 問題は途中に挿入される文章たち。 正直読んでいて苦痛が大きく、何度読み飛ばしたか分からない。終盤になれば地の文に戻るだろうと思ったが、そんなことはなく····。ただ胎児の夢は物語的要素が強く、まだ楽しんで読めそうな気配を取り戻しつつあるので、このまま下巻に進もうと思う。
3投稿日: 2019.10.17
powered by ブクログだいたいの話は何となく分かったんだけど、難しい。 続きが気になる終わり方だったので、下巻も楽しみにしている。
0投稿日: 2019.09.27
powered by ブクログ凄い………。 研究して描かれたものだろうと思うけど、キチガイ地獄外道祭文はまさしくも頷ける。 というのも、昔は精神病患者など、何かしら障害があると納屋に閉じ込めるのが当たり前だったそうで、後に"解放"を謳うのも何となく理解出来ました。 この本は、理解出来たら異常 とか 理解出来なかったら正常 というよりも、著者が訴えたいことを"感じる"一冊かと思います。 解放により、精神病患者がより良い生活が出来る時代が来るのを、著者は待っていたように感じました。
8投稿日: 2019.08.11
powered by ブクログこれも40年前に読んでてもおかしくない本だけども、ついに読了。 これを読む者は一度は精神に異常を来す、とか、日本探偵小説三大奇書、とか脅すもんだから身構えたんだけど、確かに奇妙キテレツな話ではあったけど、大した真っ当な本であった。 まず、作者の「キ●ガイ」に対する異様な傾斜がある。「キ●ガイ」(大時代的な単語ではある)とは何か、についてとことん考えた結果が、この本に結実しているんではないかな。 小説の中にドグラ・マグラという小説が出て来たり、主人公たる「私」からして記憶を失った(認識を失った)曖昧な存在であること、「犯人」が複雑な入れ子になっていることなど、非常に理解が難しいことも確かである。 前半は、後半の謎を導くための学術資料のようになっていて(まあ、犯行の動機にも繋がるわけだが)、これが大いに読ませる。 脳髄は物を考えるところにあらず 夢のからくり(細胞、部分が見るのだ) 胎児の夢(承服しがたい部分もある) ほか「自白心理」などのくだりも含め、トンデモどころか、心理学か認識論の科学新書を読んでいるような気持ちにさせられる。迫真の説得力である。 後半はなるほど「父」との長い問答を通した犯人捜しの様相を呈してはいるが、上記のような念入りな理屈づけによって、決して荒唐無稽ではない迫力、凄みを生み出している。 小説は、そうした「キ●ガイ=精神(認識)の大伽藍」を表現しながら、学術研究の業(ごう)といったものを浮き彫りにしているのかも知れない。 * ところで、脳髄のくだりで「脳髄の罪悪史」という5項目が出て来るが、これが実に慧眼であると思う。曰く、脳髄の発達は、 ・人間を神様以上のものと自惚れさせた ・人間を大自然界に反抗させた ・人間を禽獣の世界に逐い返した ・人類を物質と本能ばかりの虚無世界に狂い廻らせた ・人類を自滅の斜面(スロープ)へ逐い落とした
7投稿日: 2019.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドグラ・マグラ、奇書と呼ばれるだけあって難解な本である事は確か。 おそらく読む度に気づきがあり、違った感じを受けると思います。 説明 昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。“日本一幻魔怪奇の本格探偵小説”とうたわれた、歴史的一大奇書。(なだいなだ)
2投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログ青空文庫で何度も挑戦しては挫け、紙ならと図書館で旧字旧仮名を借りて当然挫折。文庫を購入したものの積読半年。の末の重い腰をあげての読書。気を抜くと何度も目が滑り行きつ戻りつの読書になりました。ところが噂のチャカポコ以降は煙に巻かれたような気はするものの胎児の夢も脳髄論もすごく面白くて、時々これって誰が言ってるんだったっけ?とか結局これはこう言いたかったってことでOK?と多少は確認に戻るものの意外にも想像以上にしっかり読み下せてしまった気がします。ここまで来て急に先の展開が楽しみになってきました。すぐ下巻へ。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログいやーいいですよ(笑) 僕はこれ好きですけどねー だいぶ前の作品なのに今読んでも色褪せない新鮮さっていう(笑) 夢野久作さんには頭が下がります。 まあ、要約は出来ないんで感想は書けないんですが。 オススメします。 まあ、読後感にまかせて感想を書いているので絶賛する私は気が狂ってるのかも知れませんが(笑)
6投稿日: 2019.03.11
powered by ブクログ奇妙な現象や語り口調、過去の出来事、登場人物の相関図それら全てが奇妙に巧妙に盛り込まれていて一回読んだだけでは理解し尽くせない
1投稿日: 2019.03.07
powered by ブクログ・禽獣性の下にある隔膜を今一つ切開くと、今度は、その下から虫の心理がウジャウジャと現れて来る。たとえば、仲間を押し落としても高いところへはい上がろうとする。誰にも見えないところをはい廻ってうまいことををしようとする。うまいことをすると、すぐに安全第一の穴へ潜り込もうとする。栄養のいい奴を見付けると、コッソリ近付いて寄生しようと試みる。あたりかまわぬ不愉快な姿や動作をして一身を保護しようとする。固い殻に隠れて寄せつけまいとする。敵を見ると、ほかの者を犠牲にしても自分だけ助かろうとする。いよいよとなると毒針を振廻す。墨汁を吹く。小便を放射し、悪臭を拡散する。またはそこいらの地物や、自分より強い者の姿に化ける……なぞ、低級、卑怯な人間のすることは皆、かような虫の本能丸出しで、
0投稿日: 2018.11.04
powered by ブクログチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ「日本三大奇書」「読む者は精神に異常を来す」「エロ・グロ・ナンセンスの極み」「発禁処分」etc… これに加えてなかなかエロティシズムな表紙ですが、読んでみたらそうでもなかった、なんか思ってたイメージと違った。 途中で文体が変わる文章が出てくる部分があるのですが、そのチャカポコチャカポコスチャラカチャカポコにすっかり面食らってしまった。 まだ上巻だけなので、記憶喪失の青年、怪しげな博士、脳髄の秘密、、茫漠としていて掴めない状況。 これから場面が展開していくのか、謎が解けるのか、下巻に期待します。
1投稿日: 2018.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なかなかこの本のレビュは難しい。 いまいち僕も理解しきれていないのだろう。 なのでこの本の表面的な感想に終始することにする。 主な登場人物 ・呉一郎 ー主人公であり被害者(被験者?) ・若林先生 ・正木教授 二人の天才学者の呉一郎をめぐっての実験対決。 途中で挫折しかけた。 特にキチガイ外道地獄祭文の章は上下巻通じて最大の難所だった。 ここでやめた人はめげずに最後まで是非読み通してほしい。 きっとどこかで気が狂うだろう。
1投稿日: 2018.09.10
powered by ブクログ文章としては、慣れないと読みにくいように感じる。 一方で内容面については、一見すると単なるミステリーのようにも感じるが、どちらかというと、ホラーに近いように感じた。 何度読んでも、見え方が違い、なかなかに興味深く、大変面白い。 なお、一気読みには向かない。
1投稿日: 2018.08.07
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目で頭で読んでいる筈なのに耳から脳内へ文字が洪水のように入り込んでくる。言わずと知れた傑作奇書。 個人的に1番好きなドグラ・マグラ。 上巻に於いては「私」の謎を解くべく精神科学や医学についての論文や歌を盛り込んでおり、読み進める内に知らず知らず読み手の知識も増えていく感覚は素晴らしいです。 厄介なことは精神病として片付ける。 神秘的且つ証拠不十分な病の科学的根拠を逆手に取った社会へのメッセージをこの時代にここまで大々的に描いた夢野久作は本当に大胆だと思いました。 確かに、昔の人は地球が丸いだなんて考えもせずに丸ければ海が流れてしまうと批判していたなんて話は余りにも有名で、現代に至って発見研究した彼等は偉大と称されるも当時はキチガイと呼ばれ そんな英雄、文豪、科学者など多数いたことを思い出しました。 交感神経、副交感神経など精神疾患に関わる器官の作用秩序などを探偵の推理小説として本文に取り込んでいたのは非常に面白かったです。 恐れ多くも個人的な評価ですが、私自身精神疾患経験者であり服薬にあたって医師や調べ物から医科学的知識が少なからずあるので、 自分としては読み進め易く理解し易かったです。 以上、上巻の感想とします。
2投稿日: 2018.08.05
powered by ブクログ読み進めていくたびに物語が掴めなくなっていく 物語は進んでいて犯人にも近づいているはずなのに分からなくなっていく
0投稿日: 2018.07.14
powered by ブクログ表紙からして女の人が主人公だと思ってたら違った。どんどん話の中でまた別の話が始まって今どこにいるのかわかんなくなっていく。
0投稿日: 2018.07.10
powered by ブクログ中身(真実)が説明されているはずなのに、それがいっこうに摑み取れない。何故ならその容れ物は千変万化し、中を覗き込むほどに距離感は曖昧になり、やがては自分が容れ物の中にいるのか外にいるのかすら分からなくなってしまうから。 ここに描かれた有るのか無いのかわからない理屈と因果は、実際中身など無いこの世界の、混沌そのものを表現してしまったのかもしれない。畏怖すべき作品。
1投稿日: 2018.06.10
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ぞっとする、という印象であった。 怖さというのは、ホラーというより無限のマトリョーシカというようである。 マトリョーシカを開けるとマトリョーシカを開けている人間の姿が見える、しかしそれはどうみても自分の姿であるのだ・・・というような。 たしかにミステリーであるのだが、話が脱線につぐ脱線。 わずかな伏線を繋げば、全体像は掴めそうであるが、その全体像も果して本当なのか・・・?ということだ。ドグラ・マグラという作品が、「狂人の解放治療」の一環として出てくるあたり、作品全体がすべてウソである可能性すらある。 ちなみに、純科学的な目線で見ると、「心理遺伝(細胞記憶)」というのは、基本的にあまり支持されている学説ではないそうだ。しかし内容を読めば分るが、まったく無下にできるものではない、そんな気はした。 作中の正木博士が唱える「なんで外科や内科は薬で治せるのに、精神だけは閉じ込めるのだ?医者の胸先三寸で症状が決まってしまう」という主張はなんとなく分る気がした。いまも精神疾患への偏見はまだあるだろう。
3投稿日: 2018.05.03
powered by ブクログ日本三大奇書の一つに数えられる、狂気の小説。 構想と製作に10年を費やし、その発表の翌年に夢野久作はこの世を去っていることから、彼が命と引き換えに生み出した作品だと言われている。 作中に登場する主要人物、呉一郎は精神病棟の隔離部屋で目覚め、記憶を失っている事に気づくと、その場に現れた医者から、自分がある精神異常を利用した犯罪に巻き込まれたと話をされる。 呉一郎が自分の記憶を取り戻して行く過程で判明する不可思議な事柄は、本を飛び出し、その読者をも混乱させ、少しずつドグラマグラに隠されたとんでもないカラクリに気づいてゆく。 その結末を知ってしまうと、もう一度読まずにはいられない、唯一無二の奇作。
2投稿日: 2018.04.24
