
総合評価
(367件)| 78 | ||
| 143 | ||
| 90 | ||
| 21 | ||
| 4 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかったー。記者さんすごい,ありふれた名字じゃなくてよかったね,と思う。ぬいぐるみは何だったんだろうとか,続報を知りたいところもあるけど,いろんな人からの語られぶりに,何かいいなぁと思う。 小用の雰囲気がすごく分かることもあって感じ入ったのかも。地方の雰囲気は全国どこでも同じなのか?と思うけど。 一点,「いっこも」を「一個も」と変換されるのはビックリした。意味としてはそうなのかもしれないけど,私的には違うんだよなぁ。
1投稿日: 2024.07.01
powered by ブクログ2020年、尼崎で発見された身元不明の高齢女性の死亡記事を見つけた、通信社の記者が1年以上をかけ執念の取材により身元を判明する、と言うルポ。最早、小説ではないかとも思える程、部屋に現金34百万があるに関わらず、女性の謎に満ちた質素な生活を丁寧に取材していて身が引き締まる思いがした。
14投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ謎が謎を呼ぶ。これが実話⁉︎ どんな人にもストーリーがあって、ルーツを辿ると見えてくる人となりが読んでて引き込まれました。それにしてもここまで調べ上げるとは記者の方々もガッツがあるな〜
2投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
記者の仕事って日々の暮らしの中から違和感を探しに行くというかすごくエネルギーのいる仕事なんだなと。実際の取材記録は事実は小説より奇なり。一人一人に関係者がいて物語があるんだと思うと、最近小さく感じていた世界が恐ろしいほど広くて深いんだと感じた。目立たぬよう、社会との関係を断ち生きた沖宗さんが有名人になってしまった。本人の気持ちはいかばかりかとも思う。でも彼女の生きた証を追う取材の中でギリギリ会えた人や景色は、「思い立ったら動け!『いつか』と思った時点で間に合わないと思え!」と喝を入れてくれた。
1投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ人は必ず生きた痕跡を残す、か。どれだけ社会と隔たれた生活を送ろうとも、誰かの記憶には必ず残ってる。それはいつかの同級生であり親族であり他人であり。生まれてきた以上、痕跡を残さず消えるなんてことできないのかも。 小さな気づきからここまで明らかにできるなんて、記者の方って本当にすごい。残された謎は千津子さんだけが知っていればいいと思う。
2投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログ『行旅死亡人(こうりょしぼうにん)』とは、病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。 久々のルポタージュ。前に嵌っていて何作か読んでいたのですが、1番衝撃を受けたのは清水潔さんの『殺人犯はそこにいる』でした。 清水さんは公訴時効が見直されるきっかけとなった冤罪事件にも関わった凄いジャーナリストさんなのですが、未解決の北関東幼女連続殺人事件を追って警察も逮捕出来なかった犯人を特定するまでに至ります。(本当におすすめなので、気になられた方は是非ともご覧下さい。最後の終わり方なんか小説かと思う程に痺れて鳥肌が立ちました) 変わって本作は『行旅死亡人』として発見された1人の女性の謎に包まれた人生を追う2人の記者さんのルポタージュです。もしかすると事件性があるのでは…という不穏な状態から始まります。果たして解決には至るのか。 2020年、兵庫県尼崎市で約3400万の所持金を残し孤独死した75歳位の女性が発見されます。 名前だけは年金手帳により田中千津子さんだと判明するも、それ以外が全く不明な為に遺産相続の先が見つからず『行旅死亡人データベース』に掲載。 このデータベースを見て武田さんと伊藤さんが記事にするべく取材を開始。 ここから次々と不可解な事実が湧き上がって来ます。 発見当時、千津子さんは右手の指を全て欠損しており、これは缶詰工場に務めていた際に事故で失った事が分かったのですが、本来ならば毎年1千万近くもの労災保険を貰える筈なのに、住民票が何故かなく手続きが出来なかった為に受け取っていません。 残された3400万はこの保険ではない事が分かります。 年金も受け取らず、保険証も無い。 40年近くも同じ部屋に住んでいらっしゃったのですが、賃貸契約は夫らしき田中竜二さんの名義でされています。 ところが、近所の人に聞きこみを行った所、男性の影など全くなく千津子さんはずっとお独りだったとの事。しかもこの竜二さんも住民票がなく、以前の住所も、生きているのかも分かりません。 確かに部屋から見つかったアルバムには竜二さんらしき男性の写真や、左の薬指に結婚指輪をはめた千津子さんの写真が…。 ただ、2人一緒に写った写真は1枚もありません。 部屋にはベビーベッドが置いてあったのですが子供はおらず、居るのは「たなか たんくん」と名前が書かれたキーホルダーを付けた、きちんと洋服が着せられた犬のぬいぐるみのみ。 この他にも不可思議な所持品がいくつか見つかり、武田さんと伊藤さんはもしかすると千津子さんは大きな事件に巻き込まれていたのかも知れないと、千津子さんの人生を辿る為に、細い細い糸を手繰り寄せるような調査を始めます。 ルポタージュを読む度に思うのですが、迷宮入りしそうな事件は思い切って有能な記者さんに動いて貰った方が解決する可能性が上がるのではと。 お2人とも発想の機転が利くし、何より粘り強い取材には驚かされます。これは真似出来ないなあ。 本作はノンフィクションなので、判明した事実しか出て来ません。事実は小説よりも奇なり…となるのか否か。是非ともここら辺は実際にお読み頂いて判断して頂きたいのですが、とにかく先が気になって一気読みしてしまいました。 読み終えた今、私は非常に切ない気持ちになっております。 どんな方にもそれぞれの人生があって、そこで残してきた足跡は全て消える訳では無い。 跡はきちんと残っているのに千津子さんに漂う圧倒的な孤独感…。 幾つも載っている写真が哀愁に輪をかけています。 ただただ、千津子さんのご冥福をお祈りしたいです。私のこれから残す跡は誰かを悲しませるものでは無い事を祈ります。また人生に対して向き合えた一冊でした。 実はこの本も、私の図書館のもこさんからお借りしたのですがタイムリーなお話がありました。 もこさんともこさんのご主人様が1人暮らしの私を良く食事に呼んで下さったり(ご主人のたこ焼きが絶品で、たこ焼き買えなくなりました)もこさんも図書館に良く誘って下さったり、息子のH君も仲良くしてくれて家族のように扱って下さって、ここが実家だ位に思える大切な場所なのですが。 ご主人の同期のお友達がある日突然、LINEを消して行方不明になってしまいました。 ちょうどこの本をお借りした時にもその話になり、住所も分からない為に探し出すにはそれこそ探偵を雇うか、ルポライターさんに頼むしかなさそうです。 かろうじて電話番号は残っているのですが、使われているかは分かりません。そこから細い糸が繋がる事を願うばかりです。
45投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ一気に読了。微かな生の痕跡を、全くの他者が死後に丹念に、糸を手繰るように紡いでいく中で、いつか必ず来る死に対しての、一人一人に物語を感じられる。人生の意味のあるなしに関係ない、そこにあるものに思いを馳せられた
1投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
雑誌で紹介されてて読みたかった本。すごいレビュー多いわ。3400万以上の現金を持っていながらさびれたアパートに40年以上暮らして、行旅死亡人として亡くなった人の人生を若い共同通信の記者2人がたどろうとする話。結局劇的に判明するわけじゃなく、ここで終わるのか、という感じもあるけど、まぁしょうがないんだろうな。こうやって他者と接点を持たずに生きている人もいるのだ。自分が死ぬ時はどうなんだろうなと思わずにはいられない。親族、友達、みんな自分より早く死ぬかもしれない。珍しい苗字でもないし、家系図もないしなー。私はちゃんとお金を使い切って死にたいわ。
1投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ【感想】 高齢者の孤独死は、今の日本では取り立てて珍しいものではなくなっている。 しかし、その遺体の身元が分かるものの一切が処分されていたら?セキュリティでガチガチに固められた部屋の金庫から3500万円もの現金が見つかったら?住民票が抹消されており、保険証も年金も全く受け取っていなかったら?少なくとも、その遺体は「非常に珍しいもの」となり、解き明かすべき「事件」に変わってくるだろう。 本書『ある行旅死亡人の物語』は、奇特な状況に満ちた行旅死亡人――病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者――の身元を綿密な取材によって明かしていくルポルタージュである。筆者の武田さんと伊藤さんが遺体の情報を追い続けたのは、ひとえに「彼女に名前を取り戻してあげたい」という思いからだ。この情熱が、警察・探偵でも成し得なかった徹底的な調査を生み出す力となり、少しずつ死者の素性に近づいていく。 本書では、身元不明の遺体が広島県出身の沖宗千津子さんであることが判明し、親族に遺骨を返すところまで行くのだが、その先――千津子さんが何故隠れるように暮らしていたかなど、奇怪な行動の理由は判明しないままだった。何か重大事件に巻き込まれていたか、もしくは自らが殺人を犯したか――真相は定かではない。しかし、筆者の手で少なくとも「この世に沖宗千津子がいた」という事実を残すことはできた。それだけでとても幸せだと思う。 ――はじまりは、偶然出会った1枚の官報だった。それから1年、ようやくここまでたどり着いたのだ。私たちも旅をし、千津子さんも旅をした。〈行旅死亡人〉とは本来、旅の途上に倒れた者を指す言葉だった。故郷や家族について彼女がどんな気持ちを抱いていたか、結局はわからないままだ。宇品にどんな思い出があるのかもわからない。果たしてこれで良かったのかどうかさえ、断言できる自信はない。今は、偶然の出会いに心打たれ、ひたすらまっすぐ歩き続けて終点に至ったという実感だけがある。 私の前にいるのはもはや、行旅死亡人ではない。86年の歳月を生きた、名前を持つ1人の女性である。 ――――――――――――――――――― 【まとめ】 0 まえがき 行旅死亡人〈こうりょしぼうにん〉:病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬。死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つ。 令和2年4月26日、兵庫県尼崎市のアパートの玄関先で女性の遺体が発見された。国籍、住所、氏名は不明。年齢は75歳ぐらい。アパート内には現金約3500万円が残されていた。遺体は身元不明のため、尼崎市弥生ケ丘斎場で火葬に付し、遺骨は同斎場で保管されている。 この行旅死亡人の相続財産管理人を引き受けている太田弁護士は、筆者の取材電話に対してこう答えた。 「私、弁護士を22年やってますが、この事件はかなり面白いですよ」 1 タナカチヅコ 遺体の情報は次のとおりだ。 ・氏名は「タナカチヅコ」。名前が書いてある年金手帳が自宅から見つかり判明した。1945年生まれと見られる。 ・死因はくも膜下出血。 ・アパートに40年近く住んでいるのに、役所に住民票がない。そのため年金を受け取っていない。 ・昔勤めていた製缶工場は現在廃業している。 ・製缶工場で起こった労災事故で右手指を失くしている。労災は認められたものの、保険金受取は自分から断っている。 ・保険証無しで治療を受けられる闇歯医者に通っていた。 ・「沖宗」姓の印鑑を持っていた。広島県にある珍しい苗字。残されていた手がかりから推察すると、広島出身で三人姉妹の可能性が高い。 ・何十年も前から一人暮らし。家賃は毎月大家に手渡ししていた。 ・金庫に3500万円近くの現金が残されていた。 ・アパートに入居した40年前は、「田中竜次(仮名)」の名前で賃貸借契約が締結されている。少なくとも昔は男性がいたようだった。 ・タナカチヅコの住民票は平成7年に職権消除されており、その経緯は不明。 ・部屋に素性がわかる書類が一切残されていない。携帯電話、電話帳、レシート、領収書の類が全くなかった。探偵を入れて聞き込みをしても何も割り出せなかった。 太田弁護士はタナカチヅコの素性について、「北朝鮮工作員」という見立てを述べた。遺留品に星型のマーク(共産党のシンボル)がついたロケットペンダントと1000ウォン札があったからだ。 2 家系図を辿る 筆者はまず、アパートの大家に取り次いでもらい、チヅコさんが倒れていた現場を確認した。 アパートは1DKの風呂なしで家賃3万1500円。扉の内側にはチェーンが設置されており、これはチヅコさんが自ら取り付けたものである。部屋の中には警報アラームが置かれており、3箇所の窓には内側から棒が挟まれ、開かないようになっていた。風呂もなくオートロックもないボロアパートに、自前でセキュリティをこしらえて3500万円を現金で保管していたというのだから、相当に奇妙な話だ。 大家の宮城さんは言う。 「田中さんは大人しくて上品な人だった。あいさつ以外、世間話もせんかった」 宮城さんによると、女性は月3万1500円の家賃を毎月欠かさず直接手渡しに来ており、2020年3月末に受け取った4月分が最後だったという。 「いつも腕をこうやってな」。宮城さんは腕を胸の前でクロスさせながら話している。女性が散歩や買い物に出かけているのを見ていたが、いつも腕を組んで隠れるように2階に上がっていったという。指がなかったことは知らなかったそうだ。 筆者は現場に残されていた印鑑「沖宗」に注目した。沖宗という苗字は全国で100人しかいない。ネットで「沖宗」の家系図作りをしていた沖宗生郎さんに協力をお願いし、「沖宗さん」のルーツを辿りながら家系図をアップデートしていった。この家系図と関係者への聞き取りによって、「オキムネチヅコ」と思われる対象を11人にまで絞り込んだ。 絞り込んだ情報をもとに、広島市議会議員の沖宗正明さんのもとに取材に向かった。正明さんは調査協力を快諾し、自分の戸籍簿を取得してくれた。そこでついにチヅコさんの身元が判明する。チヅコさんは、正明さんの叔母だったのだ。 3 沖宗千津子 沖宗千津子さんの本当の生年は昭和8年(1933年)。12歳サバを読んでいた。死亡時の年齢は74歳ではなく86歳であり、三姉妹ではなく四姉妹だった。 正明さんが中学生の頃、すなわち1960代半ばに一度、千津子さんと大阪で会った覚えがあるという。その頃、千津子さんは30歳前後だった計算になる。それが正明さんの、千津子さんに関する記憶の最後である。 千津子さんの身に何かが起きたのは、関西に出てきてからだと考えるのが妥当だろう。関西に越してからある時期を境に、姉の照子さんと連絡が途絶えてしまったということだ。大阪で会ったという正明さんの証言や、写真には「京橋」発の定期券が見えていたことから、一時期まで大阪に住み、1982年3月から尼崎に住み始めたと考えられる。大阪から尼崎に至る間に、何かが起きたとしか思えない。 妹のアキコさんは「16歳の頃に、千津子さんは家を出た」と教えてくれた。四姉妹はとても仲良しだったという。 千津子さんが勤めていた製缶工場の経営者の娘さんはこう言う。 「個性的というか、変わった人でしたね。周りの人とはあんまりコミュニケーションを取らないし、一人でこもっていて、誰に対しても心を開いてなさそうな感じ。事故があった日は、その方がいつもより早くお昼休みから帰ってきて仕事を始めたら起きたみたい。なんでその日だけ早く来たのかはわからないけど、人間いつもと違うことをするとダメね。事故が起きて、うちの母と一緒に病院へ行っていたし、労災の手続きもしていましたよ。母は『従業員がけがをするなら自分たち経営者が事故に遭った方がよかった』と話していたくらい」 「子どもがいたかはわからないけれど、旦那さんはいたわよ」 千津子さんの中学時代の同級生だったシマヱさんは、自身が持っていたアルバルをめくりながらこう語っている。 「大人しい子じゃけん。中学3年間泊まりに行ったり映画見ようとかそういうことはしとらん。チャラチャラした人もおったけど、うちら2人は大体大人しかったんじゃわ」 「千津ちゃんは中学卒業してからいっぺんも会っちょらん。クラス会があっても1個も来たことない。『千津ちゃん見たことあるで』という人もおらんし、ほじゃけん、大人しい人じゃった。ほいで、千津ちゃんは1人でアパートで亡くなってたんか」 「1人がさえんかったろうなと思って」 シマヱさんは大人になった千津子さんの写真を見ながら独り言のようにつぶやいた。 「さえん」とは広島弁で「さみしい」「残念」「パッとしない」などの意味を持つという。この言葉に、旧友を思うシマヱさんの温かい気持ちが込められていたような気がした。 9月下旬、DNA鑑定の結果が出て、ついに女性の遺体が沖宗千津子さんであると正式に認定された。 千津子さんの遺骨は、広島市宇品地区にある千暁寺に納められている。 4 田中竜次とは何者なのか 千津子さんの情報が次々と明らかになる一方で、田中竜次の素性はつかめないままだった。田中竜次が賃貸借契約書を作成したときに書いた「勤務先:富士化学紙工業」の元在籍者に確認を取ってみるも、「工場の工務室、事務系部署、現場作業員にはその名前の人間はいなかった」と回答があった。 1982年3月8日、当時物件の仲介をしていた不動産会社を介して「田中竜次」さんとアパートの大家(故人)との間で取り交わされた賃貸借契約書は、1980年代の水準からしても不十分なものだった。そして、「田中竜次」さんは勤務先として、富士化学紙工業を、何らかの理由であえて選んだ。電話番号もあらかじめ電話帳で調べておいたのだろう。もし厳格な不動産会社であれば、勤務先に電話して在籍確認をしただろうが、そんなことはしない不動産屋をあえて選んだ。しかも、そうまでして手に入れた住処に「田中」さんは入居しなかった。入居したのは沖宗千津子さんだ。であるなら、なぜ千津子さんの名前で契約しなかったのだろう。当初は「田中竜次」さんが入居するはずだったのか。それとも、なんらかの事情で「田中竜次」さんはそこに住むのを諦めて、時々通うだけの関係になったのか? 専門家に田中竜次・沖宗千津子の正体について意見を伺ったが、「ところどころ特殊な要素はあるものの、重大な事件性を帯びているとは思えない」との見解だった。例えば、星型マークは確かに北朝鮮にゆかりがあるが、工作員であれば新聞やパソコンといった情報収集機器の類がもっと残されているはずである、また残されていた多額の現金については、40年間貯金し続けていればその程度の額にはなりうる、ということだった。 この事件には、未だ謎が多く残されている。
43投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初め本屋さんでこの本を見た時は、いくら大金を残して亡くなったとはいえ、なぜ孤独死を遂げた見ず知らずの一般人についての本がこんなに人気なのだろうと思ったが、読まないことには始まらないと思い手に取った。 元記事や事前情報は一切入れずに読み始め、ページをめくる手が止まらなくなり、家系図を追いかけて甥御さんが見つかった時には鳥肌が立った。読み終わるとこの楽しさが終わってしまうと思い、続きは明日と思いながら寝ようとするものの、気になって眠れない、そんな数日間だった。 事実は小説より奇なりと言うが、なぜ住民票がなかったか、なぜ12歳も年齢を偽っていたか(原爆の影響だろうか)、残された大金や星は何か、そして田中竜二さんは誰かなど、いくつか謎が残されたままなのもまたリアリティがあった。 そしてもう一つ驚いたのは、この二人の記者さんが自分と同い年ということだった。きっと想像するより遥かに過酷な仕事なのだろうが、あとがきを読んで、たとえどんなきっかけでどういう形であれ、普通に暮らしていては出会うはずはなかったいろいろな人に出会えるとは、なんと充実したお仕事なんだろうと羨ましくなった。最後に沖宗千鶴子さんに会いたかったという一文を見て、どれだけ真剣に出会う人たちと本気で向き合っているかが伝わってきた。そしてこの本を通じて、まるでこの二人の記者さんと一緒に旅をさせてもらったような気分になれたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。 人はどんなに無名でも名前があり、どんなに孤独でも覚えていてくれる人がいる。ただただ普通に生きても何者ではなかった訳ではないのだなと思った。
0投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログ記者ってすごい。人って優しい。人は必ず生きた痕跡を残す、っていう言葉が印象的だっだ。どこかに必ず生きた証は残るって思うと、死に対して少しだけポジティブになれそうな気がする。結局どんな人生を歩んできたのか分からずじまいだったのは残念。
1投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログそもそも小説だと思って読み始めたらノンフィクションで、共同通信の記者2人が身元不明の死者のことを丁寧に調査する過程がとてもおもしろかったです。 それと、あらためて記者って大変だなあと思いました。
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログミステリー小説のようなノンフィクション。テレビプロデューサーの佐久間さんが薦めていたので手に取りました。行旅死亡人という身元不明の遺体の行方を追っていくルポルタージュですが、まるで小説を読んでいるかのような体験ができました。事実は小説よりも奇なりとはまさにこのことだなと思いました。フィクションではないため、結末がもやっとしたのは少し残念ですが、それもルポルタージュならではの味なのかなと思うことにします。
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログフィクションのようなルポタージュだった。 身元不明のまま死亡した一人の女性の生涯を明らかにしようとする二人の記者が考えうるすべての方策を用いて奮闘する。 二人の記者の奮闘には敬服するばかりだが、取材に協力してくれる人々が印象的だった。
1投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログhttps://www.amazon.co.jp/dp/4620327581?tag=booklogjp-default-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1 2020年4月。兵庫県尼崎市のとあるアパートで、女性が孤独死した。 現金3400万円、星形マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑鑑......。 記者二人が、残されたわずかな手がかりをもとに、身元調査に乗り出す。舞台は尼崎 から広島へ。たどり着いた地で記者たちが見つけた「千津子さん」の真実とは? 「行旅死亡人」が本当の名前と半生を取り戻すまでを描いた圧倒的ノンフィクション。 (内容紹介より) 事実は小説より奇なり、を地で行くノンフィクション。 面白すぎて一気読みしたノンフィクションは初めて。 以下雑感。 ハイライト | 位置: 1,215 それでも今、私は死者について知ろうとしている。知りたいと思う。 〝死〟というゆるぎない事実の上に、かつてそこに確実に存在した生の輪郭を少しずつ拾い、結び、なぞること。それは、誰もが一度きりしかない人生の、そのかけがえのなさに触れることだ。 私は医師なので、故人その人自体に関わることは多くないが、遺族の方に関わることは少なくない。 遺族の方が、故人のことを物語ること、そこにもかけがえのなさを感じる。 ハイライト | 位置: 1,894 彼女とこの世界をつなぎとめる 紐帯 が、この五文字なのだ。 五文字とは「彼女」の名前のこと。 仕事の場で、時々名前を間違えられることがある。笑って対応するようにしているが、でもなんとなくモヤモヤとするのは、それだけアイデンティティに近いからなのかもしれない。
1投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ前知識なく装丁の絵柄から”物語”を予想していたが、実に硬派なノンフィクションであった。 官報の身元不明の行旅死亡人の記事から、武田記者は伊藤記者と共に死亡人である謎の女性が誰なのか?を追い求める。 僅かな手がかりに縋りながら、全く先が見えない状況にも拘らず、諦めずに亡くなった人の名前を探す姿勢に感服する。 記事にされた文面にはこのような記者の真摯な姿がある事を思い知らされた。 ”人はいつか”ではなく、”私はいつか”必ず死ぬ、という言葉が深く印象に残った。
1投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ノンフィクションだから面白くて夜中まで一気読みしてしまった。人生いろいろあるよな。きっと。一人胸に閉じておきたい出来事や想いがあったのだろうなと思う。
1投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログさすが記者さんのルポなので、順序立てて事を追っていて、そこに臨場感もあって、事実が明かされるたび一緒になって、一喜一憂してしまう筆致力があった。ただいくつか解明されない謎が謎のまま残される点が、現実は綺麗に説明のつくものではないと分かっていながら、モヤモヤしてしまった。 だからこそ作り事ではない、リアリティがある、といえばそうなのだが。考えてみたら人一人の生い立ちを入念に調べ上げたら、なんでもないストーリーにもならない人生なんて一つもないんだろう。
1投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ行旅死亡人とは_身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。少ない手がかりから細い糸を手繰り寄せるように真実に近づいていく様子にドキドキした。そして、これノンフィクションかぁと思い返す度切なくなった。
1投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3400万円の現金を残し、孤独死した高齢女性。警察も探偵も弁護士も身元を特定出来ない。 新聞記事のネタ探しで官報から発見された行旅死亡人の人生を、二人の記者が手探りで辿っていく。 友人二人のオススメかつ、いろんな書評で目にしたので購入。テーマそのものは興味深い。ひっそりと終わる人生も年月分の物語が詰まっている。 警察なり公安なりが超法規的に調べようと思えば調べられると思うのだが、社会的に必要がないとそのまま放置される。当たり前でもこの場合ってそんなに必要性がない事例かなぁ?事件の香りがするけれど… 女性の人生はなんとなく追うことができたのだが、もともと社交的な人が社会との関わりを断つに至った理由が不明。絶対に影響を及ぼしたはずの旦那さん(なのかどうかそれすら不明)が全く謎なままで、3400万円がどのようなお金なのかも結局は憶測の域を出ない。 痒いところに手が届かない点と、不要なエピソードが多いのが残念。書籍にするならもう少し広げて、掘り下げてほしかったな、と言うのが正直なところ。タイトルは嘘をついていない、だけどそこ止まりで途中で切り上げた感が否めない。若いなぁという感じがする。 松本清張先生だったら、多分命をはって追うんじゃないかなぁ。 続編を求めたいが無理かなぁ… 人を探すのはとても大変。特に戦中戦後に繋がりが切れてしまった人は。 私も血縁者を探し出したくて、素人なりに手を尽くしているところなので、二人の努力は他人事ではない。 よく行く、たばしおが証拠を持っていたのは個人的に嬉しかった。
3投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
尼崎で女性が3482万円を残して孤独死した。年金手帳には田中千津子と書かれているが本籍が見つからない。右指が全て欠損しているにもかかわらず、労災の受け取りを中止しているうえ、保険証を持っていないため自費で歯医者に通っていた。公示でこの女性の死を知った新聞記者が、女性の身元を探っていく。 警察にも分からなかった身元を遺品の印鑑と写真をヒントに聞き取りをし、身元とを割り出してゆく作業。面白くて一気読みしました。推理小説よりも推理小説っぽかったです。武田氏の真っすぐで熱い文と、伊藤氏の人の心に入ってくる文。この違いも良かったし、協力してくれた人々の優しさがとても伝わって、身元の判明にはホッとして涙しそうになりました。 結局、本当の本当は何人姉妹なの?子供は?など、いろいろあるけれど、なんらかの事情があった千津子さん。きっと千津子さんはそっとしておいて欲しいんだろうな、と思うと、この結末でいいのだと思います。
38投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ記者の方とある行旅死亡人を一緒に追っている感じがして最後まで読むことができた。 (行旅死亡人という言葉ははじめて知ったw) フィクションのミステリを読んでいると勘違いしそうな時に写真の数々がノンフィクションである「現実」に引き戻してくれる。
7投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ謎が謎を呼び、その先が気になって一気読みしてしまった。 「行旅死亡人」という言葉は、この本の主人公である「田中千津子」さんのネット記事で知った。6畳一間風呂なし家賃3万千五百円の部屋に現金三千万円以上遺して亡くなった方。いったいどんな人生だったのだろう、身元が全くわからないってどういうことだろう。 共同通信社の記者二人が自腹で取材を進めていく様子が丁寧に描かれている。 「田中千津子」さん本人の写真を見ると楚々とした美人に見える。1980年代から一人暮らししていた部屋の写真は妙に迫力があった。 記者たちの奮闘で次第に彼女の身元が明らかになっていくが、やはり謎は多く残される。そこが小説と現実の違いだ。それもまた、生々しい。 彼女はあえて人との接触を避けて生きてきたように見える。取材していく中で彼女を思い出し彼女を優しく想う人がいたことが救いのように思えた。
0投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログめちゃくちゃおもしろかった。 東野圭吾の物語みたいなことが現実にあるんだな。残念なところはやはり現実らしく、伏線や謎が残ったまま終わってしまったことだ。 全てを解いて終わってくれたらと思うが、現実にそこまで求めるのは酷というものか。
3投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多額の現金を持って身元不明で亡くなった女性を辿るノンフィクション なぜ多額の現金を持っていたのか、夫らしき人は誰なのかはわからないままだったけど、亡くなった女性が何者か判明して、故郷に帰ることが出来たことで読後感は良かった
1投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々に一気読みした。 実話なんだよね。 男性は最後まで分からずじまいか…… 男性のほうの話を作ったら、映画にできそう。 行旅死亡人。寒い冬の日に駅前で高齢男性が息絶えてました、みたいなのは昔の仕事で何度もあったことを覚えています。 この人の場合、高額の遺留金があったからここまで調べがつけられて、亡くなった女性については相続人に辿りつけたけど、普通は、相続財産管理人を付けることも出来ずそのままお蔵入りなんだろうなー
1投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よく身元が分かったなあと思う。 でも写真の男の人は不明なんだね 40年住んでても近所に知り合いがいないというのは、私も同じようなものか。隣の人と会わないんだ。
0投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログ行旅死亡人とは引き取る身内が不明で孤独死してしまった人のこと。身元不明とはちょっと違うけど、戸籍をたどっても相続人につながる情報がない人。 この中で孤独死した女性はボロアパートに3400万もの現金を所持し、歳も10歳サバを読み、家族親族につながる情報も、交友関係の情報も一切ない。あるのは数枚の写真だけ。奇妙に思った毎日新聞の記者が取材を始め、全国的にめずらしい女性の旧姓から徐々に明らかになる真実、みたいな話。 小説だったらもっと劇的な展開になるけど、ノンフィクションだから、明らかにならないことも多い。
0投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ読み終わった後号泣してしまった。 この取材力は凄いし、まだ見ず知らない取材対象を「幸せな人生だったらいいな」と願える記者の人間性かなぁと。 ぬいぐるみを、かわいがっている写真が凄く印象的だった。 その、ゆいぐるみを死ぬまでベビーベッドに置いて暮らしていたというのは、幸せな瞬間があったというのとかな。 最後は彼女が、どのような思いで暮らして、家族がいたのかもよくわからないまま終わってしまうが、幸せな時はきっとあったと思えて本当に良かった。 きっと私も今は仕事や家族に囲まれて生活しているが、いつか子供が遊び終わったぬいぐるみとだけ過ごす最期があるのかもしれない。想像したら少し寂しいけど、幸せだったときっと思える。
0投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログとても読みやすく、面白かったです。 記者さんの行動力にも脱帽しました。 故人の物語をひとつひとつ紐解くことで、還るべきところに辿り着けたのではないかなと思いました。 解き明かされない謎もまたよし。
10投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログ行旅死亡人、という言葉は知らなかった。ある古いアパートで孤独死した女性は、誰だったのか。70代だったというが、右手の指がすべてなく、近所との交流もなかったという。しかも、室内の金庫には3,400万円という大金を残していたという。たまたま官報で知った共同通信の記者が、興味を惹かれて謎の女性の足跡をたどる。 彼女が誰だったのか。それを言ってしまうのは、読む人の興を削いでしまうだろう。 ただ、本書は若い記者2人が、行動力で女性の正体に迫っていく過程が面白かった。 小説ではないので、追いきれなかったところ、解明できなかったところはあるにしてもさ。それも余韻のような形で、読後感をよくしてくれた。 無名の人であっても、ここまで人生をたどることができるんだね。 調査の過程で出会った人たちも含めて、印象が良かった。 面白かったね。
0投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ2024/05/19 〝死〟というゆるぎない事実の上に、かつてそこに確実に存在した生の輪郭を少しずつ拾い、結び、なぞること。それは、誰もが一度きりしかない人生の、そのかけがえのなさに触れることだ。
0投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ3千万もの現金を遺して死んだ老女は身元不明だった。彼女が何者か取材する渾身のドキュメント。 非常に面白かった。警察や探偵が調べられなかった事実を共同通信の記者が明らかにする。スリリングなプロセス
0投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ※まず最初に、この本は「実話」です。 普通は見逃してしまいそうな老人の孤独死の記事。ここから、不可解な状況や謎が提示され、その謎を実際の取材を元に真実を解き明かしていくという流れです。 粘り強い取材を通して、ちょっとした小さな情報から、警察でも調べられなかった事実を繋ぎ合わせていくところは流石だなと思いました。 行旅死亡人という聞き慣れないワードですが、身元不明で引き取り手のない死者を指す法律用語とのこと。 また、以下のWEB配信記事が元になっているとのことなので、興味ある方はまずはこちらを確認してみるとよいでしょう。 https://nordot.app/861908753767972864?c=39546741839462401
35投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ行旅死亡人(こうりょ)=旅の途上に倒れた者を指す言葉だそうだ。 3400万円を残して孤独死した身元不明の女性の半生を追う記者二人。すごく興味深く読み進んだ。 会ったこともない人間の人生を辿っていくってすごい忍耐と根性がないと心折れそうだ。 若い二人の記者の忍耐力と追求心に感銘を受けた。 誰しも生きた証があって歴史があって、関わった人たちの想いもある。死んだら何もなくなってしまうなんて寂しい。
5投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ私には珍しくルポタージュの読書。 官報の行旅死亡人記事に興味を持った記者が、その死者の身元を探す取材を始める。 年齢75歳くらいの女性が古いアパートの一室で亡くなっていた。死因は病死で事件性はないが、部屋から3400万円という大金が出てきたこと、右手指が全て欠損しているという二つの事実が興味をそそる。 担当した弁護士が雇った探偵も調べられなかった女性の身元探しに二人の記者が挑む。 この過程は興味深く読んだ。残された品物の数々から彼女の足跡をたどる。だがすぐにその足跡は途切れてしまう。何しろ彼女は故意に足跡を隠していた節があるのだから当たり前だ。 結局彼女が残した印鑑にあった珍しい苗字からついに…。 彼女の身元が分かったのは良かったが、同時に残された謎も多い。 タイトルにある『物語』については大して語られなかったような。一番知りたかった部分については全く分からなかったのが拍子抜けで残念。しかしそれだけ彼女がその部分を隠したかったということだろうか。 逆に言えばこれほど彼女が隠したかったことを見知らぬ人間が暴いて良いのか、それをさらに見ず知らずの私のような人間が覗いて良いのか、という罪悪感もあった。これが小説なら面白おかしく読めるが、現実の物語で、彼女は現実に生きていた人なのだ。 だから分からないままで良かったのだろう。 どれほど注意深くひっそりと生きていても、長く生きればその人生の痕跡は残る。 特にドキッとしたのはぬいぐるみ。名前まで付けて大切にしていた犬のぬいぐるみと彼女はどんな思いで共に生きてきたのか。 写真、ペンダント、ぬいぐるみ、印鑑、年金手帳、彼女ではない部屋の借主男性の名前。 彼女は誰にも見つかりたくなかったのか、それとも誰かに見つけて欲しかったのか。
53投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログ行旅死亡人とされた女性の過去を通信社の二人の記者がたどる。よくもまあ個人を同定できたものだなと感心する。二人の記者さんに敬意を。そして亡くなられた女性の方に哀悼を。
1投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログYouTubeなどで話題になっていたので手に取った。初めてみた単語『行旅死亡人』。興味をかき立てるものがある。 本当にノンフィクションなのかと思うほど、次から次へと目まぐるしい展開。非常に面白かった。
0投稿日: 2024.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エキサイティングなルポを読ませてもらいました。 警察でもさじを投げた行旅死亡人の身元を、若い二人の記者が、地道な取材で突き止める。 お金やその背景まで判明すればもっとスッキリしたのだろうが、そうなるとそうれはもう小説だ。 でも、宮部みゆきさんの小説を読んでいるかのような錯覚をおぼえたことは間違いない。
9投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログタイトルに興味惹かれて読んだ。 実際の話で面白いし、出てくる人たちは良い人多いし、後味も悪くないのだが、謎のまま終わる面もあり、モヤモヤが残る。
0投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログ若手記者二人による渾身のルポルタージュ。徐々に明らかになっていく行旅死亡人の背景。記者としての気概が、今は亡き人の人生に光を当てます。残された秘密も気になります!
3投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ内容は素晴らしい。謎が残ったままなのも良い。謎の女性を追っていくと、北朝鮮やグリコ森永事件も絡んでくるのはフィクションを越えている。しかもそのセールポイントを執拗しないのも良い。 そして表紙のイラストが相当素晴らしい。ここまで良い表紙はなかなか無い。
0投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログリアルな写真とか載ってるので、怖いなーと思っていたけど、読み進むうちに怖さはなくなり、一気に最後まで読んだ。 謎は多いけど、最後によかったと思えたので読んでよかった
0投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ死に方に問わずその人にはその人の物語があるんだと思える本 いまこの瞬間も表に出ない無数のドラマが 生まれては消えてると思うとなんか救われる気がする
0投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログ現金3400万円を残して孤独死 これに興味を持って取材を始める記者に嫌悪感を感じるものの そもそも私もこの本を手にしていて 薄っぺらい興味でしかない だたあとがきに 部屋に残されたベビーベッドのぬいぐるみの姿を見た時 理屈抜きに、抗うことの出来ない時間な流れと、自分にも必ず訪れる終焉の空気… 人はいつかではなく 私はいつか必ず死ぬのである と 深く共感した あと どんなに隠しても 人の生きた足跡は必ずどこかに残るのだと思った
13投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログこんなにお膳立てされたら、「真実」を知りたくなってしまうのはしょうがないじゃないか、と思いながらも、本著の取材方法だからこその面白さも確実にあって。数ページ進むだけで対象の見え方がガラリと変わる、今までにない読書体験だったのは確か。
0投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すべての真相がわかると思ってたので、少し残念でした。 でもよく考えれば身元がわかり、姉と一緒に納骨されただけでもすごい事なのかもしれません。
0投稿日: 2024.03.23
powered by ブクログネットで見かけて気になった本。 これだけの遺品で本当によく調べ上げたなぁと感心しきり。謎に包まれたことは多いけど、相続人が見つかってよかった。こういう孤独死を迎える人、今後もっと増えていきそうな気がする。というか、相続人が見つかったとしても我関せずの人が増える、というのが正しいのかな。 なぜ12年も生まれを偽っていたのかというのに関してはやはり原爆が関連しているのかなぁ…?推測の域を出ないけれど。 普段本をほとんど読まない親も興味を持ってグイグイ読んでいたので勧めてよかった。
0投稿日: 2024.03.21
powered by ブクログどんな人も歩んできた人生がある 感想で本当は誰にも知られたくなかったとか。コジンに対して失礼という意見もありました でも生きた痕跡は必ずあるし、関わってきた人もいる。それが生きていることだと思う 行旅死亡人というたまたまテーマから本になった。生きている人みんなが1つの本になり得る。それが生きているということ?
0投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行旅死亡人。初めて聞く言葉だった。 「病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者」を表す法律用語である。 こういうノンフィクションは読んでいて、ちょっと怖くなってくる。 尼崎はずいぶん前に住んでいたことがあり、地名などを見て懐かしい気持ちになった。 杭瀬商店街にも何度か行ったことがある。 今はだいぶ離れてしまったし、縁も切れているので、まったく行ってないな。 「沖宗」というハンコから広島へとつながっていくが、このハンコがなかったらどうしようもなかったのではないだろうか。 しかし、それにしても同級生までたどりつくなんて、すごいなと思った。 「たばこと塩の博物館」にあった定期昇給内申書に沖宗千津子さんの名前を発見したところは、ちょっと感動的だった。 「沖宗千津子という人物は確かにこの世に存在したのである。」 本書にも書かれているが、写真と文字で名前が記されているのは全然違うと感じる。 名前ってすごく大事なものだと私は思っている。 それが誰かの手で何かに記されていると、ああ本当にこの人はこの世に生きていたんやなと思う。 そんなことをずっと前に祖母の名前を何かで見つけたときに感じた。それを思い出した。 読んでよかったです。それにしても一気に読んでしまったな。
1投稿日: 2024.03.09
powered by ブクログ犯罪者や偉人でなくても、人の足跡は、辿ろうと思えば結構辿れるものなのだ。文字どおり「名もなき人」にも歴史あり。 結末は、ミステリーとしては不完全燃焼だけれど、この本はそういう読み物ではない。 調査対象者が、「私を見つけて」か、「私をそっとしておいて」なのか、どちらを望んだかはわからない。 ただ、自分は、死んだ後に色々な人の記憶の一片として自分が留まっていたことを知ったら、心が温かくなるというか、ありがたく思うような気がする。あの世で。
2投稿日: 2024.03.09
powered by ブクログ「行旅死亡人」。病気や行き倒れ、自殺などで亡くなり、身元が判明せずに引き取り人不明の死者を指す法律用語。 2020年4月、兵庫県尼崎市のあるアパートで女性が孤独死した。 現金3400万、数十枚の写真、右手指の欠損、星形マークのロケットペンダントに、名乗っていたものとは別の珍しい姓の印鑑。 遺されたわずかな手掛かりをもとに、警察でも探偵でも明らかにできなかった身元調査に記者二人が乗り出す。 行旅死亡人が半生を取り戻すまでのノンフィクション。 ウェブ配信された話題の記事を書籍化したノンフィクション小説。 記者2人が身元不明で孤独死をした女性の本当の名前・半生を追ったルポルタージュとなります。 意外と特徴や手がかりは多く見えるのに、警察でも探偵でも身元を明らかにできなかった女性。普通に考えたら、そんな専門家でも突き止められなかった身元を記者が明らかにできるものかと思いますが、地道に調査を重ね、様々な人に聞き込みをして、幸いにも人に恵まれ、ついに身元が判明します。 泥臭く足で一つ一つ可能性をつぶしていくような形で、フィクションの世界みたいにスマートじゃないですし、空振りも多い。最後まで明らかにならない事情もたくさんある。ですが、記者さんの情熱や執念、一人の人間の波乱の生涯や儚さを感じる一冊です。 正に、事実は小説より奇なり。 女性の身元が判明し、故郷へ帰れて良かったなと感じると同時に、もしかしたらこの女性は誰にも知られる事なく消えてしまいたかったのかもしれないという気もしてしまって、最後まで読み終わっても掴むことのできない故人の姿に夢想が止まりません。
26投稿日: 2024.03.07
powered by ブクログ官報から始まる1人の行旅死亡人の謎を探る…。 ハラハラ、ワクワク、ドキドキ。 どんどん読み進めたいのに、面白すぎて勿体無くてチビチビ読みたいんだけど、一気に読んでしまいたい気持ちに抗えない時の不思議な感覚。 ノンフィクションは殆ど読まないから、オチがないのが消化不良な感じもするけど。そんなん吹っ飛ぶくらい、面白かった。 謎は謎のまま残すのも一興。 親戚も殆どいなければ、結婚もしてない、子供もいない私の行く末かもなぁ…。 でも、大金は持ち合わせてないだろうな。
1投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ小説ではないから、もちろんオチも結論もない。 だけれどなぜか、胸に迫る、ひっそり生きて、ひっそり死んだ、女性の一生。 私もこうなっちゃったりしてな…。
0投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ【2024年読了ー11冊目】 とにかくどこに行っても本屋に立ち寄ってしまう! そして目にとまった「広島本大賞受賞」の帯… そう! こういうのに出会えちゃうのよねぇ… そして気になるのが「行旅死亡人」とはなんぞや?ということ… はじまりは、たった数行の死亡記事だった! 「本籍不明・住所・氏名不明、年齢75歳くらい、女性、身長約133センチ、右手指全て欠損、現金34821530円、アパート2階玄関先にて絶命した状態で発見される」 共同通信大阪社会部の遊軍、武田はこの記事に興味を持ち、同僚の伊藤亜衣と共に死んだ女性が一体何者なのか?真相を調べ始める 読み進めるとすぐに実際の写真や聞いたことのある名前が出てくる もしや…と思ったら この作品は実際に武田さんと伊藤さんがその女性について調べて記事にしたものを加筆し、本にしたものらしい… 事実は小説よりも奇なり! まさにそんな作品… 身分証明書もなく世間と全く関係を持たずに40年間同じアパートに暮らし、生きてきたその女性… そんなことが可能なのだろうか? と思ってしまうのだが、日本には1万人以上無戸籍者がいるといわれているし、つい最近も半世紀近く身分を隠して生き最後は本名を名乗って死にたい!と言った人もいたしね… 身分が確認できなくても生きていける社会があるってことなんだよね… 死亡した女性の人生を追い続けた武田と伊藤は、彼女が残したほんの少しの足跡を執念深く追いかけた そして彼女をきちんとした名前を持ち、86年を生きた一人の女性としてこの作品によみがえらせた もちろん、彼女についての全てが解決した訳ではない しかし、名前の付いた遺骨が家族のもとに戻ったことに感涙した! 生きるってなんだろう 私の最後はどうなるんだろう そんなことも考えてしまったが…(笑) 行旅死亡人ー 病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り不明の死者を表す法律用語
0投稿日: 2024.02.28
powered by ブクログ何よりも驚くべきことに、本書は実話である。もし未読だったなら、何をおいてもまず読むことをオススメしたい。下手なミステリよりも、いや、もしかするとちょっとしたベストセラーミステリよりも、よほどおもしろく、かつミステリアスなのだ。 タイトルにある「行旅死亡人」は聞き慣れない用語だが、身元不明で、亡くなったあと遺体の引き取り手もない方を指すという。遊軍記者だった著者は、いいネタがないかと何気なく眺めていた官報の行旅死亡人記事に目をとめる。それは70代女性の行旅死亡人に関するものだった。女性は身長133cm、右手の指がすべて欠損しており、所持金は3500万円近く…。何かがにおう。この数行の記事から著者の壮大な探索行が始まるのである。 未読の方の興をそぐのは本意ではないので、詳しくは書かない。しかし、調べれば調べるほど次々と明らかになる謎、解けたかと思えばさらなる大きな謎へとつながっていく展開に、陳腐な表現だが、ページをめくるのがもどかしくなった。先へ先へと読みたくなるのだ。私は何度もつぶやいてしまった。「これホントの話なの?」と。 著者のお二人は新聞記者。書くことにかけてはプロなのだから、文章が巧みであるのは言うまでない。流れるように読み進められるのが、本書の魅力を増している。おそらく普段の彼らは没個性的な文章を書くことが多いのだろうが、本書では、語弊を恐れずに言うならば「人間的」である。 真実はどこにあるのか。この謎はどこに行き着くのか。本書を読むと、不思議と人に勧めたくなる。だから、ブクログ仲間の皆さんにも強く勧めたい。本書はおもしろい!
35投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログすべての謎が解ったわけではないものの、ここまで調べ上げたのはすごい。奇跡のような偶然を引き寄せたのも含めてすごい。 行旅死亡人である千津子さんが孤り何を思っていたのかはわからないが、自死ではなかったのがせめてもの救い。大切にされたぬいぐるみや、残された写真に写る思い出が彼女を支えていたのだろうか。 中学校の同級生だったシマヱさんへ取材した章が印象に残った。千津子さんは(おそらく)長く孤独だったが、故郷ではずっと心配していた人がいた、というところ。
1投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログどんな人にも生きた日々があるんだなと再認識しました。人の人生というのは儚くも確かにそこに物語があるんだと。 どんな人生になるかは分かりませんが、物語を自分も紡いでいきたいと思える本でした。
2投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログ大根仁監督のInstagramで見て気になり手に取った一冊。 謎のまま残ったことも多いんだけど、女性が何者なのか、僅かな手がかりから小さなピースを集め、行旅死亡人から名前を持つ一人の女性として、「冲宗千津子」さんが浮かび上がっていく様が、とてもスリリングだった!
0投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ3400万を残して孤独死した身元不明の女性は一体どんな人物だったのか?僅かしかない情報のピースを執念の取材で拾い集め真相に迫ります。様々なルポがありますがこれだけ臨場感があって次の展開が気になる事はなかなかないでしょう。ぜひ多くの人に読んで頂きたい本です。
2投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログこんなに読み終わった後の余韻が心地良い本はなかなかないーー!!! 読み始めるまでは私にとって名も無い「行旅死亡人」だった女性が、本を閉じる頃には1人の女性「沖宗千鶴子」さんに涙 謎は残りつつも明らかになる千鶴子さんの人となりや繋がりが何故か私の心を温めました。
0投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログ舞台となった尼崎は通勤電車で通るので読了後、車窓から田中千津子さんの人生に想いを馳せた。 NHKの72時間と言う番組と同じ印象を受けた。 市井には知らない人生がいくつもあるのだなぁ。 書いた共同通信の若いふたりの記者に感謝したい。
0投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログ読書記録4. 『ある行旅死亡人の物語』 武田惇志・伊藤亜衣 著 星形マークのロケットペンダント 数十枚の写真 珍しい姓を刻んだ印鑑、1,000원札 そして現金3400万円… これらを残して孤独死した身元不明の女性を追う記者のルポルタージュ 事実は小説より奇なり ミステリー小説のように簡単には行かず… とはいえ全てがドラマチックなわけでもなく 一人の女性がそこに生きていた証を探した 二人の記者の地道な取材記録と その思いが丁寧に綴られている一冊
0投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自らのための備忘録 一気に読みました。途中でもったいなくて読み進みたくないほどおもしろかった! ネット記事を読んだ時から興味がありました。できれば著者の武田さんと伊藤さんと一緒になって田中千津子さん探しをしたかったと心から思いました。 このあと、ネタバレします。未読の方はご注意ください。 結局のところ、謎の3,400万円は広島市の市議会議員を辞職した医師の沖宗正明氏がDNA鑑定の結果正式に甥だと判明したので相続されたということなのか? どこにも明記されていないけれど、そういうことなのだろう。他にも相続人がいた可能性も否定できないが、あの日、「知りませんなあ」「ご苦労様でした。それでは」と述べたあと、記者の「すみません。ちょっと待ってください。沖宗一族の家系図を作っているんで、せっかくですから見てもらえませんか?」の呼びかけに、「え、ほんならちょっと待っとってな」と応え、ガウンを羽織ったパジャマ姿で玄関口まで出てきたことで大金を手にすることになるのだから、人生何が起こるかわかりません。(この部分も相当おもしろいと思う!) しかしながら、やっぱり多くの謎が謎のまま残ったのはノンフィクションだから当然と言えば当然だが、やはり興味深い。田中竜次という人物、年齢詐称、労災年金拒否、大金所持、なぜ潜伏生活のような暮らしを続けていたのか。ぬいぐるみは? 「たなかたん」くんとは誰なのか? もし息子さんならば、甥姪の写真はあるのになぜ実子の写真はないのか? 玄関の後付けの2本のチェーンは何のためなのか? ロケットペンダントの謎、なぜ彼女はこのような人生を歩むことになってしまったのか? たまたまこの女性が「沖宗」という日本で100人ほどしかいない稀有な名字であり、その印鑑を保持していたという極めて稀なケースだったからこそ(沖宗姓の研究家のブログという存在も!)、身元が判明したけれど、一般的に「行旅死亡人」は誰にも身元を知られることなくこの世からひっそりと姿を消すのか、 そして本もテレビもラジオもなく、もちろんインターネットもない生活とはどのような生活だったのか? 草花を育てたり、手芸をしていた形跡も感じられない。朝起きてから夜寝るまでどんな生活を送っていたのか、想像するは難しい。 先日、指名手配されていた桐島聡と名乗る人物が亡くなり多くの人の心を揺さぶったけれど、沖宗千津子さんも、実に多くの人々の関心を集めたと思います。 本書の著者2人が1990年、平成2年生まれということに私は愕然としました。しかも彼らは新人の駆け出し記者ではなく、充分実力を備えた遊軍記者だというところに、自分が社会から弾き出されそうな年齢なんだと思い知らされました。 本書の出版によって、新たな情報が寄せられたならば、なんらかの方法で知らせてもらいたいと願っています。
2投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ本当に久々に一気読み出来た本となった。 これが結構最近のことで、しかもノンフィクション!ワクワクする!そしてわたしは田中千寿子さんが亡くなった頃(2020年)は大阪におり、記者さんたちが田中千寿子さんのお墓参りを行った2022年の夏に広島市に引っ越してきた。ちょうど先週、宇品地区にも自転車で買い物に行ってきたところ、と生活圏内の地名が多く出てきて、なんとも言えない親近感のようなものを感じながら読み進めた。 このお話がフィクションであれば伏せん回収されるようなシーンもいくつかあるが、そのままになるところがまたなんとも言えずよかった。 謎は謎のまま。それは当然だ。そしてひとの人生とはなんともドラマだ。わたしはよく電車で向かいあったひとやベランダから見える歩道を歩く人たちなどの生活を想像してみたりすることがあり、そんな時は本当に不思議な気分、感覚に陥る。それを再現するような本だった。 亡くなってから知った人の人生を追う旅。亡くなった当人が知ったら本当に驚きでしかない。全くの見ず知らずの、しかも亡くなっている人を知っていくにつれ、会いたいと願い、もっと知りたいと思う。なんとも人間らしい感情なんだと思った。
17投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログワクワクしながら読みすすめた 謎が残されたまま、小説であれば解決しないままここで終わる?って感じだけど、ノンフィクションだし。 千津子さんの夫?は結局誰でなんだったんだろ お金はなんであんなにあったんだろ 韓国ウォンと星のペンダント、謎の数字はなに とかいろいろ知りたいことはある
0投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先が気になって読み進めたものの、結局なんやったんや!という感じ。記事になることが確定していないと交通費が出ないって結構しんどいよな、と思った。
0投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ連載記事で読んでいて流れは一通り知ってたけど、孤独死した女性の人生が詳らかにされる過程はなんとも言えないものがある。人間、生きていれば何らかの痕跡を残しているもの。自分とみんなを記録に残すためにこれからも日記を書くよ
0投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログ先が気になって一気読みでした。 すっきりと全ての謎が明らかにならない、というところが、正直、物足りなさを感じつつも、それがかえって余韻をもたらし、この話がノンフィクションであるという現実をつきつけてきます。 私は、「タナカチヅコ」さんが、保険証がなくても治療してくれるという歯医者に通っていたという事実に、そこまでして身を潜めて生活しなければならない事情があったのだろうかというのが一番心に残りました。 一緒に生活していた男性がキーマンなのでしょうが、この男性については、当該女性以上に手がかりがありません。 この件は、身元が判明し、遺骨や遺産が相続人へ引き継がれた時点で一件落着のはずですが、謎が残されたままなので、めでたしめでたしという感じはありません。 それゆえみ、いくら考えても答えはみつからないのに、なぜか「タナカチヅコ」さんの人生に思いをはせてしまうのでした。
0投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログすごく面白かった。お風呂どうしてたのかな?気になった。お風呂屋さん調べてみたかな? そう。それぞれ人生あるよな。私にだってあるもん。
3投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログう~ん、直前に「踏切の幽霊」を読んだだけに、物足りないなあ。よくここまでがんばったと努力賞はあげたいですけどね。
0投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネットニュースできれっぱしを読んで、面白そうだったので、借りてみました。 ネットの記事がこんな形で本になるっていうのは、大成功の部類なんでしょう。 でも、ドキュメンタリーなのかノンフィクションなのか分かりませんが、 いくつかの謎は解明されずに終わってしまい、そこがちょっと不満なので星3つ。 そう、「行旅死亡人の物語」といいつつ、「取材物語」なんですよ。 ネット記事の取材の実態を垣間見えて、その点はたいへん興味深かったし、面白かったんですけど、肝心の「行旅死亡人」の姿が浮き上がって見えない。 謎めいた事実の断片はいろいろ発見発掘されたのに、物語にしてないかんじ。 創作になっちゃうからなのかな。 労災事故で、右手の指を全部失っていたこと。 相当なハンデを負っているのに、障害年金を受給していないこと。 にも関らず、3,400万あまりの現金を所持していたこと。 にも関わらず、風呂なしの格安アパートに40年近く住み続けていたこと。 不思議な数字の書かれた星型のロケットペンダントが遺されていたこと。 ペンダントの他に、かなり珍しい姓の印鑑を所持していたことから、身元を割ることに成功し、ある程度の「物語」も判明するのですが。 もしかして、北朝鮮がらみ??な可能性も匂うし。 この「行旅死亡人」を題材に、小説書けそうです。オススメ。
0投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある行旅死亡人の物語 著者:武田惇志、伊藤亜衣 発行:2022年11月30日 毎日新聞出版 初出:「47NEWS」2022年2月20-21日配信「現金3400万円を残して孤独死した身元不明の女性、一体誰なのか(前後編)」に大幅加筆、再構成 〝行旅死亡人〟とは、病気や行き倒れ、自殺等で死亡し、身元不明、引き取り人不明の死者を表す法律用語。「行旅病人及行旅死亡人取扱法」により、自治体が火葬。状況や所持品などを官報に公告する。本来は旅の途中に倒れた人を差す言葉だった。 表紙のデザインやタイトルからすると、新川帆立あたりのミステリー小説かと勘違いしてしまう。しかし、純粋なノンフィクション。共同通信の大阪支社に所属する記者が、たまたま官報で見つけた死亡公告に興味を持ち、仲のいい同僚(隣席)に声を掛けて取材した内容。年齢は同じだが、入社は1年違い、偶然かも入れないがどちらも名古屋出身。2021年夏、2人の取材は始まった。 尼崎市が公告した内容では、2020年4月26日、尼崎市のアパートで75歳ぐらいの女性が遺体として発見。本籍、住所、氏名不明。検死の結果4月上旬ごろに死亡。火葬し、遺骨を保管中、などとあり、身長や右手の指が全て欠損しているといった特徴のほか、現金が3482万円あまりあるとも書かれていた。心当たりの方は申し出てほしい、と。著者(武田氏)はどうせ拒否されると思って、相続財産管理人に選任されている太田弁護士に連絡をしてみると、意外や意外、「この事件はかなり面白いですよ」と回答され、歓迎された。ここからダメモト取材を積み重ねていくが、警察でも弁護士が雇った探偵でも分からなかった身元について、1年後、彼らは驚くべき結果を得る。 身元が分からない、とは、すなわち戸籍が見つからなかったという意味である。住所、氏名、生年月日などは年金手帳もあって判明しているのに、戸籍にたどり着けないのである。 蔵書数24冊の大阪市立図書館で、今も500人近い予約待ちが出来ている超人気本。なるほど、ミステリータッチで、読みやすく、興味深く綴られた記者魂と文章力が、きっと途中で投げ出すことない読了率の極めて高い一冊にしているのだろう。その人気ぶりもわかろうというもの。 著者である2人の記者は、まず相続財産管理人(太田弁護士)から話を聞き、発見現場に行き、遺品をカメラに収めた。その時点での太田弁護士の見立てとしては「北朝鮮による工作員」だった。遺品の中には、星形のマークがついたロケットペンダントがあり、中には「141391 13478」という数字が手書きされていた。 調査を始めた2人は、遺留品や残された僅かな情報から、彼女の身元特定につながりそうな取材をしていく。それぞれのルートで、彼女を知っていたという人に出会っていくが、いずれもせいぜい30歳ぐらいまでのころで、中年以降の彼女を知る人間は大家ぐらいだった。ただ、1年ほどした段階で彼女の身元は確定するが、それ以後も記者2人の取材は続き、彼女を知る人への取材を行っていく。ミステリー小説だと、そうした細かい要素が段々とつながっていき、最後におおもとにたどり着くのだが、ノンフィクションではそうはいかない。順番が逆。しかし、身元が確定しても、なぞがたくさん残り続けていたため、調査を続けているわけである。 結局、身元は、当時、大きな事件でマスコミでも名前が出ていた、ある有名人の伯母だった。本文211ページの、109ページ目、章立ての冒頭にそれはいきなり出てきた。その意外さに、読んでいて、ええっ!と声を上げてしまった。まさにミステリー小説。 (以下、個人的な読書メモにつき全面ネタ割れ注意) *結果を早く知りたい人だけ読んでください! 2019年、参議院議員選挙広島選挙区で、河合克行衆議院議員が妻の案里候補を当選させるために、地元の市議などを中心に金をばらまいたという選挙違反事件が起きた。お金を受け取った側は、検察から不起訴を臭わされて軒並み自白し、夫妻は2020年に逮捕、起訴されて有罪となった。受け取った側の1人に、広島市議の沖宗正明がいた。彼は記者会見も開いてその内容を説明していた。著者たちが本書の件で接近したのは、そんなマスコミ各社がなんとか取材で接触しようと狙っていた時期だったが、なんとか警戒するなかで本人と玄関で会うことに成功し、該当の行旅死亡人について質問した。本人は知らないと否定したが、なにか知りたい様子でもあった。その年の4月に死亡したばかりである市議の母の妹ではないか、そんな思いがあり、戸籍を調べてくれることを約束してくれた。 なお、彼は父の姓が沖宗だが、母親も沖宗であり、親戚内での結婚だった。 この人物の母親の妹、つまり叔母だった。戸籍をあげてもらったら、確かに行旅死亡人がいた。権限を持った警察も弁護士も、そして人捜しのプロである探偵もがたどり着けなかったポイントに、たった2人の記者がたどり着いた。しかも、デスクから取材許可が出ず、自腹、休日での広島出張をしてのことだった。警察は、ただちにDNA鑑定に入った。 ところが、戸籍をあげたことで分かった生年月日において、益々謎が深まってしまった。おまけに、最初のDNA鑑定の結果、本人であることが否定されてしまった。ただ、その他の証拠は間違いないことを示している。引き続き行われる別の人によるDNA鑑定に期待を寄せた。 ****************** 意外にも弁護士が協力的だったのは、相続財産管理人に選任された以上、死亡人の法定相続人を探し出し、遺産が適切に相続されるまでの手続きをしなければならない。まずは、法定相続人捜しだが、これが出来ない場合は、結局、遺産は最終的に国庫に納められてしまい、そうなるともうどうにもならなくなる。見つけられなかったというのは、相続財産管理人としての能力評価にもつながってくる。だから、彼は自らも官報に「申出の催告」を出し、探偵を雇ってまで調べていったのだった。共同通信が調べてくれたり、マスコミで情報提供をしてくれたりして、情報が集まれば、彼の仕事には大いに役立つからだった。 行旅死亡人が独り暮らししていたアパートに、他の住人は1人だった。その人が、彼女の郵便受けに郵便物がたまり、大家もここのところ本人と連絡がつかないため、90代の高齢の大家が警察に依頼して中へ。玄関のところに遺体としてみつかり、解剖の結果、死因はくも膜下出血で時期は同月(2020年4月)上旬ごろであることが判明。年金手帳があり、名前は田中千津子、昭和20(1945)年9月17日生まれとあった。発見された時点で74歳。遺体はもう少し高齢に見えたという。そのアパートには1982年から住んでいて、契約人は田中竜治となっているが、大家に男性の記憶はなく、ずっと女性の1人暮らしだったと言っている。夫だったのだろうか?離婚したのだろうか? なぞはとても多く、警察がバールで開けた金庫には、3800万円を超える現金があった。身元が分かるようなものがほとんどなく、手紙の類いや電話番号簿、住所録などもなし。写真は何十枚かあるが、手がかりになりそうなものは少ない。田中竜治さんかと思われるような男性の写真や、幼い男の子、幼い女の子の写真がある。本人の若い頃のスナップ写真も何枚か。 年金手帳はあるが、住民票は削除されている。削除されても除票という書類が役所には残っているはずだが、それも20年もするとどこにあるのかよくわからないらしい。戸籍が確認できないので、死亡届けもださせない。 右手の指が全部ないが、これは勤めていた会社での事故により失ったことが分かっているが、大家はそれを知らなかったという。つねに右手を左手のしたに挟むように歩き、家賃を払う時もきっちり封筒に入れて持って来て、左手で出していたようだ。労災年金支給を示す尼崎労基発行の年金証書も残されていたが、年金手帳と氏名や生年月日は同じ。しかも、1994年に事故を起こして給付が決定されていたにもかかわらず、その後、(障害年金の)給付を自らが打ち切ったことを警察が調べていた。謎は深まる。 残されていたものの中に、「沖宗(おきむね)」という名前の印鑑が出てきた。かなり珍しい苗字で、三文判では売っていない。旧姓かもしれない。広島のある地区に多い名前で、指の治療をうけた病院でも、「広島出身の三姉妹」と記録されていた。ただ、歯科は保険のきかない医院で治療をうけていたため、歯形で身元特定ということもできなかった。 著者らは、沖宗という珍しい苗字について調べ始めた。電話帳やネット。ありきたりだが、沖宗という人が家系図を作っているというブログを見つけた。何か月も更新されていないし、連絡フォームなどもないので、もう返事がないことを覚悟の上で、一応、コメント欄に「捨てアドレス」を書いて、主旨を説明した。すると、意外なことにすぐに連絡が来た。彼自身も反響がないのでやめようと思っていたらしい。彼と会い、彼がつくっているエクセルの家系図を得ることが出来た。今後、新たな人が分かったら知らせるので、家系図をどんどん広げていきましょう、ということになった。 この家系図が、役だった。件の広島市議、沖宗正明への取材で、冷たくあしらわれた直後、この家系図を見せると興味津々、実は彼自身も調べたかったようだった。そして、田中千津子、すなわち沖宗千津子さんがいるかどうか、死亡したばかりの母親の戸籍を調べてくれることを約束してくれた。そして、母親の妹であることがわかった。どうやら、4姉妹だったようだ。母が長女、千津子が次女。そして、遺品の中にあった幼い女の子の写真は、三女の娘、さらに、幼い男の子の写真は、正明本人だった。これで間違いないと思われた。 ところが、調べると生まれた年がちょうど12年違っていた。一回りも年齢をさば読みしていたことになる。どういう理由なのか?そして、いろいろと彼女のことを知っている人に出会っていくが、せいぜい彼女が30歳ぐらいまでのこと。どのようにして大阪に行き(尼崎の前は大阪にいたらしいこともわかっていた)、どのような仕事をし、あのような大金を残したのだろう。また、あんなにお金があるのに、どうして家賃3万円台の風呂なしアパートにすみ、人と一切の接触を断って生活していたのだろう。なお、部屋には電話が引かれ、古いタイプのプッシュホンが置かれていたが、請求書などからそれを使うこともまったくといっていいほどなかったようだ。 戸籍には、婚姻の記録はなかった。
0投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ3400万円を残し孤独死した身元不明の女性。 わずかな手掛かりを頼りに記者2人が調査していくノンフィクション。 勝手にミステリーかと思って読み始めたけどルポだった。 死者にプライバシーなし、犯罪者でもないのに自分の死後に面白がられ調べ回られて本にされる、自分ならぞっとするなぁ… 報道の自由ですか。 本自体は読みやすく、いい話風にまとめられている感じ。 これが良かったのか、悪かったのか、ご本人のみぞ知ることでしょう。
0投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ「行旅死亡人」というのは聞きなれない言葉であるが、本書に説明がある。 【行旅死亡人】(こうりょしぼうにん) 病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬。死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つ。 官報で公告する、と上記されているが、それはウェブサイトでも見ることが出来る。「行旅死亡人データベース」といい、官報に記載されている「行旅死亡人」の公告記事を転載している民間のサイトであるらしい。 共同通信大阪社会部の記者であり、本書の共著者の1人である武田氏は、このデータベースを時々チェックする習慣を持っていた。2021年6月1日にサイトをチェックすると、前年7月の官報に記載されていた尼崎市の行旅死亡人のデータに行き当たる。 ■75歳ぐらいの女性、身長約133cm、右手指全て欠損、現金3,400万円強保持 何か気になり、尼崎市に問い合わせたところ、弁護士を紹介され、その弁護士から、本件が「かなり面白い事件」であることを告げられ、本格的に調査を開始する。調査にあたっては、共同通信大阪社会部の同僚の伊藤氏を仲間に誘い込むことに成功する。 調査は断続的に継続し、2022年2月、官報データベースをチェックしてから約8か月後に長い記事として、ネット上に発信することになる。その記事が大きな反響を呼び、書籍化されたものが本書である。 2人の記者が粘り強く調査を継続し、徐々に、この行旅死亡人の背景が明らかになっていく経緯、および、この行旅死亡人自身の明らかになっていく人生自体が、本書の読みどころ。 残念ながら、疑問の全てが解決するわけではない、というよりも、相当に大きな疑問が残ったままになっている。それでも、特に2人の記者の調査の経緯はとても面白く読むことが出来た。
27投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
お金の出どころ、星型ペンダントと中の数字の意味、韓国ウォン、年齢の偽りなどの謎が結局わからずじまいのところがリアリティーを感じる。
0投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ身元不明で引き取り手がいない一人の老婦人の死者の身元を、共同通信社の2人の記者が追っていくノンフィクション。謎に満ちた遺体発見時の状況からミステリーのような、言葉は悪いが事件的なワクワク感を期待しながら読んでいくのだが、当たり前といえば当たり前だが、その謎が解かれてみればすべて解明されたわけではないとはいえ、概ね「ふつうの人の一生」といっていい人生にたどり着く。しかしまったくどこの誰かもわからなかった死者が、調査によって見つかった家族や親類、知人、友人の証言によって「ふつうの人」としての輪郭が現れてくることの重みを感じる。その人の人生とは何なのか、とは、何をして何を成した人なのかその功績や歴史上の刻印ではなく、その人が何を思って生きていた人なのか、ということであると思えば、戦争や災害で大勢の人が亡くなるということは、単に何人という数字ではなく、その数だけの「確かにこの世に存在した思い」がすべて失われていくということだという思いにいたる。超高齢者化を迎えたわれわれの社会では、このノンフィクションの行旅死亡人のように、誰かの目にとまり調査されることがなかったら、家族や親類、知人や友人の誰からもやがて忘れられていってしまう孤独死が増大するだろう。そうした時、その死んだ人のそういった確かに存在したその人の思いにどれだけ思いをはせることができるだろうか? そういったことを考えざるを得ない。
3投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ2020年4月。兵庫県尼崎市のとあるアパートで、女性が孤独死した。 現金3400万円、星形マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑鑑......。 記者二人が、残されたわずかな手がかりをもとに、身元調査に乗り出す。舞台は尼崎 から広島へ。たどり着いた地で記者たちが見つけた「千津子さん」の真実とは? 「行旅死亡人」が本当の名前と半生を取り戻すまでを描いた圧倒的ノンフィクション。 身元不明のまま亡くなってしまった方を行旅死亡人と呼ぶことすら、この本を読むまで知らなかった。警察でも探偵でもわからなかった事実を見つけ出す記者さんの粘り強さに脱帽。
0投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ行旅死亡人を初めて知った。共同通信のお二人の取材力に圧倒した。ひとりの人の人生を辿ることで色んなことが浮かび上がりそれぞれの人生を感じる。
5投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ身元不明の老人の孤独死を、共同通信の記者が身元を突き止めるプロセスを描いたフィクション。孤独死をした女性の謎はわからないままだけど、身元を特定して故郷にかえしてあげられてよかったという感想。そして記者という仕事の大変さもよく分かりました。約200ページの本、途中やめられず午前中に読了。いろいろ想像してしまう孤独死の事案だけど興味深く読めました。
19投稿日: 2023.12.27
powered by ブクログ行旅死亡人…知らない言葉でした。 身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語だということです。 共同通信社の記者が書いたノンフィクションなのですが、あまりにもドラマチックでミステリアスで、淡々と書かれた小説を読んでいるようでした。 著者の武田さんは、ふとしたことから行旅死亡人の所持金ランキングが目に留まり、3400万円もの現金が金庫の中にありながら、40年間古びたアパートにまるで人目を避けるように住み続けていた75才の女性(タナカチズコさん)について調べることになります。 遺品や残された写真などから、武田さんの妄想(?)はどんどん膨らんでいき、この女性はもしや○○だったのではないか?はたまたこの女性は本当にタナカチズコさんなのか?と色んな方向に考えが飛んでいくのです。 読者もドキドキが止まらなくなってくるのですが、これが小説ならうまいこと話がまとまるんだろうけど、ノンフィクションだからモヤモヤしたまま終わることもあるんだろうな、と逆に先が気になって気になって…とこんな具合で読み進めました。 読み終わってみて思ったのは誰の人生にも物語があるということ、この本のタイトル、これが正解だと思います。
109投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ[行旅死亡人]。字面で、旅行先で亡くなった人の事をイメージしていましたが、全然違った。私ってバカ。 ……と思いながら読み進めていたら、もともとの意味はやはり旅先で亡くなった人を指す言葉だったそうです。 官報で発見した、身元の判らない女性遺体の生きていた証を探すルポタージュです。一見、ドラマ性はないように感じますが、とんでもない。ひとつひとつ謎を追う作業は、ミステリー小説に匹敵します。そしてなにより、人は生きているだけでドラマなんだと感じさせてくれました。
1投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログ行旅死亡人という聞き慣れない言葉に惹かれて手にした一冊。少しずつ明らかになる真実に本を繰る手が止まらなく、あっという間に読み終えた。 ぐちゃぐちゃのパズル(情報)を整理して、細い糸を手繰り寄せるように事実を積み重ねる二人の若い記者の情熱に感服します。徐々に「タナカチヅコ」さんの人生が明らかになり、「私はここにいたのよ」と見つけに来てくれるのを彼女が待っていたように感じた。
1投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
孤独死した身元不明の女性 右手には一本も指がない 金庫に3,400万の現金 星形マークのペンダント 数十枚の写真 珍しい姓を刻んだ印鑑 本当にノンフィクションなのかと思わず疑ってしまいたくなるほどにお膳立てされた状況に惹かれて購入。 ノンフィクションはおそらく初めて読んだが、沖宗千鶴子さんの足跡を追う二人の情熱と興奮が伝わり、一気読みしてしまった。また、取材までの道のりが細かく書かれており、さまざまな場所に向かい、直接人と話し、得た情報を繋ぎ合わせるといった、綿密な調査の様子を知れたことも面白かった。 最終的に、女性の身元は判明するが、現金やペンダントの正体や謎の男性の行方など明らかにならない部分も多く、そこが読み手としては残念だが、故人の胸中を図り知ろうというのはそれこそフィクションでなければあり得ないというところで納得しておく。 これがフィクションなら千鶴子さんがどういった思い出人生を歩んだのかまでが描写されるだろうが、本書では明かされない余白にこそその人の人生が詰まっているように感じた。
1投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんというかいいルポタージュを読んだなと。 純粋に面白かった。 果たして孤独に亡くなった人は北朝鮮の工作員なのか、はたまたグリコ森永事件の関係者なのかと、気になる展開に一気に読んでしまった。 結果、色々謎はわからないままだったけど、身元不明なご遺体ではなくなり、きちんと身元がわかりきちんと埋葬してもらえてよかった。 なんだか明日は我が身というか、人生どうなるかわからないもんなだなぁとちょっと怖くなった。
7投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログ毎日新聞の記事を読んで、実際に手に取ってみました。 ノンフィクションでとても幸運なケースでもあった気がします。 そして一人の孤独死が多くあることも知ることができた一冊でした。
0投稿日: 2023.11.18
powered by ブクログ調べるというのは、こういうことだな。 明らかになると同義ではない。 不明だからこそ、そこへ至る道程が、ホンモノに見える。
0投稿日: 2023.11.14
powered by ブクログ※ 多額の現金を残して孤独死した身元不明女性。 死亡記事を読んだ記者がその女性は誰なのか、 足跡を探し、追い求め、一つひとつの点を辿って 行く過程を記した一冊。 図らずも先日読んだ『母という呪縛 娘という牢獄』も共同通信社の元記者の著者 でしたが、ニュースや記事から一見しただけ では決して窺い知ることのできない、 一人ひとりが確かに生きた時間がそこに あるんだと改めて気付かされました。
10投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事実は小説より奇なり、という書店のキャッチコピーで読み始めたが、千津子さんのこと、田中竜次のこと、お金のことがほとんど何もわからない! 伏線だけ巻き散らかされて呆然としてしまった あとがきはなんだか記者二人の爽快感充実感を漂わせたようなものだが、とっても消化不良!ネットニュースレベルでは良いけど1600円という値段には全く見合わない
1投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行旅死亡人の取材過程を一冊にまとめたもの。 ノンフィクションなので、仕方ないかが、結局、田中竜次さんとの関係が判明しなかったのは残念。 購入した時、もう少し簡潔に色んな人の話があるのかと思ったら、一人の方だけで1冊だった。 あとがきの最後の一言が良い。 著者二人が30代っということに、驚く。なるほど、所々の感想が若いわけだ。 基本的に取材の過程を順を追って書かれているのだが、途中から自分の子どもの仕事ぶりを読んでいるような気持ちになり、なんか新鮮だった。
0投稿日: 2023.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行きつけの図書館でこの本の存在を知り、「行旅死亡人…?なにそれ…?」と興味をひかれて予約。先日、ようやく番が回ってきたので読んだ次第。僅かな手掛かりをもとに一人の人生をあぶりだしていくところは、さすが記者さんと思いながら読んでいたのだが、やはり解けない謎も残る。それでも、最終的に彼女が確かに生きていたのだ、という証明ができたことは少しの救いになった気はする。そんなものこっちの勝手な感傷で、彼女自身はどうか分からないけれど。
0投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
行旅死亡人として官報に載った女性についてプロの記者が調査する過程が綴られているノンフィクション。亡くなったこの女性の部屋には生活していたにしては主のことを『教えて』くれるような物が異様に少なかったようだ。全国に100人ほどしかいない姓の印鑑など残されたものがそれなりに個性的なため、調査の糸口となったと同時にミステリアスな雰囲気もいっそう深まる。一つ判明すれば女性や関わりがあったであろう男性についても解き明かされるのかと思えば、ここは説明がつくようになったのに全体がつながらないし本当にこの方いったいどなたなの?と何度も疑問を投げかけながら読み進めていきました。ほんの数年前、身近に起きたことという事実とまだ明らかになっていない謎があるのでこの先調査が継続されるのか不明ですが『わからないものがまだある』状態で発行されたこの一冊は今読んでもらいたいのでおすすめを聞かれたら是非、と勧めていきたいと思います。
3投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログミステリーを読むような気持ちで読んだが、すっきり真相解明ではないところが現実ならではのリアル。調査をすすめていく手法の大変さ、困難、そこで出会う人々との交流、そして世に隠れて生きていた死者の人生がほのかに、でも質感を持って立ち上がっていくところが素晴らしい。幼馴染の女性の一言に胸が締め付けられるようになった。若き記者2人のバディ感もナイス。
1投稿日: 2023.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
身元不明の死者の過去を辿る記者。残された3千万円ものお金も不思議だし誰とも交流のない人生後半など謎は分からないままだ。だが沖宗という珍しい名前から細い糸を手繰り寄せるようにしてその出生から女学生時代、大阪に出てしばらくはわかったりした。その記者魂に感服です。
1投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログ官報に行旅死亡人として掲載された、尼崎市のアパートで現金3400万円を残して孤独死した身元不明の高齢女性について、共同通信社の2人の記者が取材を重ねて、その素性と半生を探索する経過を描いたノンフィクション。 「事実は小説よりも奇なり」というが、まるでミステリー小説を読んでいるかのように引き込まれた。結局、当該女性についての多くの謎は残されたままだが、わずかな手がかりからここまで明らかにした記者魂に感服した。 本書でも述べられているが、「路上ですれ違ったような、はたまた電車で隣り合ったような一人ひとりの人間の内にも、それぞれの物語があり、それぞれの風景が広がっている」ということを改めて認識した。
1投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
新聞記者が取材して本にした、というところにまず興味を持ち。 行旅死亡人については知っていたけれど記者が取材して本にするということは事件性があるとか何か特殊な事情があるとか本になるだけの何かがあるのだろうと思って手に取った。 なるほど確かに特殊事情。不可解な身の上。謎の持ち物。 著者のお二人が懸命に記者としてのスキルを総動員しながら私費とプライベートの時間まで使って調べを進めていく過程を読み進めていくうちに、こちらも一緒に何とかこの人の人生について知りたいと思わせられてしまった。 また、書き方もあるのだろうが、出会った人たちの温かさにたびたび感動させられた。 謎は結局明かされない。だけれど、誰の人生であっても生きた痕跡というのは必ず残り どんなに世間と関わりなく生きてきたようでもその人生に何もないということはあり得ないのだということを本書によって改めて認識させられた気がする。 無名であっても無意味ではないといってもらえるのは生きていくうえでとても大きな励ましのような気がする。 生きるということについて、誰にも知られず死ぬということについて考えさせられる。
8投稿日: 2023.09.19
powered by ブクログ初めはタイトルは何と読むのか戸惑ったけど、ちゃんと法律用語だと知ったコウリョシボウニン。よく知る「行き倒れ」も含む、名前も住所も不明で引取り人が不明の死者を表しているとのこと。 この作品はふとアクセスした死亡記事に興味を惹かれた共同通信社の若手記者と同僚女性記者の二人が数千万の現金を残して亡くなった手がかり無き高齢女性についての謎を追うノンフィクションです♪ 作話ではないのでかえって大変興味深いし、まるで高度なミステリーのように読み手も記者さんの目線と立場で、不可思議な死亡女性は一体なんだったのだろう?と大いに気になりながら読み進みます。 謎解きではないのだけど、だんだんと死亡女性の素性や人生が分かってきて記者さん二人の熱意が報われる過程に拍手ですね。 まさに“事実は小説より奇なり”です。 ただし、死者ご本人にとって良かったのか悪かったのかは定かではないけれど! あらためて人生観 死生観に思いを致すひとときでした。
29投稿日: 2023.09.19
powered by ブクログ社会的な繋がりを絶ち孤独死したひとりの女性の謎を追う物語。残された印鑑から家系図へ辿り着くのとか、記者ならではの聞き込みや調査力がすごい。結局彼女がどうして徹底的な孤独を選んだのかはわからなかったが、状況がわかったところで本人の気持ちはわからないんだ。 肉体の死ののちに、人々の記憶からの喪失で本当の死になるとよく言われるね。 本当の死になりかかっていた千津子さんが、ふたりの記者の情熱で幼馴染や家系に繋がる人びとの記憶に蘇ったことは、千津子さんにしたら余計なお節介だったかもしれないけど、半分くらいは嬉しかったんじゃないかと思いたい。 通夜葬式が死者の思い出を語る儀式だとしたら、この調査は1年かけた壮大なお弔いだったんだなぁって。 ところで、調査の過程で出てきた「たばこと塩の博物館」たくさんの煙草のパッケージや道具を見てみたいし、企画も面白そうだし、行きたい行きたいと思いながら行けていなかった博物館。 ここの資料に千津子さんの名前が見つかるところとか、すごい。鳥肌が立つ。ホントにたまたまその年の資料が残ってたというのも、「定期昇給内申書」が資料として残ってるのも… ますます行ってみたくなったなぁ あとがきにあるように、"人は生きているだけで、どこかにその足跡を残す" "〈人はいつか〉ではなく〈わたしはいつか〉死ぬ" まだ終活には早いと思っていたけど、あれこれ考えてしまった。
2投稿日: 2023.09.19
powered by ブクログ千津子さんの輪郭がはっきりしてくる過程がスリリングだが、それよりも、記者2人の仕事魂に感服。こんな仕事がしてみたい。 ☆路上ですれ違ったような、はたまた電車で隣あったような一人ひとりの人間の家にも、それぞれの物語があり、それぞれの風景が広がっている。
1投稿日: 2023.09.11
powered by ブクログ書店員が選ぶノンフィクション大賞のコーナーで立ち読み始めたらとまらなくなっちゃって、購入。 なくなった人の痕跡が徐々に明らかになる過程は本当におもしろいのだけど、死んだあとここまでしないと身元も分からなくなってしまうのも切ないな…という気持ち。 『ヨコハマメリー』(https://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/4309417655)に比べると、若干終わり方に物足りなさはあるものの、ドキドキする読書時間は楽しかった。
1投稿日: 2023.09.10
