
総合評価
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powered by ブクログ主人公のアイが自分とにてる部分が多くてすごい共感できる部分多かったし、今悩んでることがまさに描かれてて、読んだ後心が軽くなった。 iは探す必要ないし、失うこともなくて、ここにあって、周りからの愛は自分自身が受け取るか受け取らないかなんだよなって。 あと、最近人とか世の中のことに心が痛くなることを偽善とか、自分に置き換えてるだけとか言われて傷ついたんだけど、そこに愛を持って向き合えばいいんだっていうところにジーンときた。 世の中のことにももっと目を向けて、受け入れて、向き合っていきたい。そして自分自身をもっと愛してあげたい。
2投稿日: 2023.10.22
powered by ブクログこの作品に出てくるアイはシリアから養子として迎え入れられ、裕福な家庭で不自由なく暮らしている。そのことで罪悪感を持ったり、他の人と深く関わること、幸せでいることを避けようとしている。様々な実際の事件や事故、災害などが作中に出てくるが、そのどれもを知っているのに何も出来ないからと罪悪感を感じたことは無かったし、そういう風に感じる人もいるのだなと思った。最後は希望のある感じの読後感でほっとしたというか、途中苦しい感じもあったけど読んで良かったと思った。
1投稿日: 2023.10.13
powered by ブクログ難しいテーマでわあったけど、愛することについて、血の繋がりについて、文化の違いについてを考えさせられた作品だった
1投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログ大好きな作品。 『理解できなくても愛することができる』はパワーワード、、!モヤモヤしていた気持ちからパッとズームアウトしてそれを包んで認めて受け入れてくれるような言葉。ミナの愛ってすごい!iちゃんのセンシティブなところ、共感できたなあ。 1人だなあ孤独だなあと思ったら読みたい本。愛に気づかせてくれるし思い出させてくれるはず!西加奈子さんもっともっと好きになった。 遠い見ず知らずの誰かを想う気持ち、それに心を痛めること、と、どう向き合うか。『中絶するひとは謝る必要なんかない』その通りだなと。まず自分のために生きていることの肯定だあ! 美しい作品に出会えたことに大感謝。
2投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログ日々のいたたまれないようなニュースで死を免れたと感じるような事がある中、どうそういった世界で起きていることに向き合うのか、たくさん答えがある中の一つを教えてもらった。
2投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。境遇は全然違うのに何故かすごい共感してしまった。 タイトルや主人公の名前にもなっているiが色々にかかってるところもなんか凄い。 アイデンティティのi、I am のI、ラブの愛、虚数のi… 劇中の登場人物がみんないつ裏切るんだろうと思って見てたけど、全然裏切らなかったのも愛を感じた笑 主人公がシリア生まれ、ずっと罪悪感と共に生きてるってのは作者の生まれや育ちと関係あるんかな… 最後はここまでこれだけ悩んでたのに、ってちょっと拍子抜けするくらい綺麗にまとめたけど、苦しみや葛藤の中に希望が残る感じなのも良かった。 この本は落ち込んだらまた読み返しちゃいそうだな。
1投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログアイの心の中の葛藤、彼女を取り巻く周囲の人と変化していく人生の中での想いが入り混じっていた。 心の中のドス黒い部分も全て言語化されて、普段誰にも話さないけどアイには共感できた。 帰国子女として学校で同じような体験をしたので鮮明にその部分が浮かんだし、その時感じた感情を思い出した。 すごくパワフルで心に残る作品だった。
1投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログ生きるためにたくさん考える必要のある人がいると 作者の本を読むたびに思う 読むにもパワーがいる本です
11投稿日: 2023.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公アイちゃんの視点を通して世界を見た気がした。感情をしっかり書いてるから理解しやすかった。 実際の人生の悩みは結構お金が絡んでくると思うんだけど、お金持ちの養子で、かつ同じくお金に不自由してない友達との完結した世界の悩みなので、お金の悩みが排除されてるのがよかった。 書きたいことがブレてないしわかりやすかった。 現実的ではなかったけど。
1投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うーん。。。難しかったかなぁ。 読むタイミングじゃなかったかも。 もちろんめちゃくちゃ面白かったんだけど、もっと気づきがある本に思えた。 私はここにいる、私の生きた証を残したい そんな、ギラギラしたエネルギーをいまいち受け止めきれなかった。
2投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログアイのアイデンティティのお話。 今ある自分は、今の自分の立場にあったかもしれない誰かからその立場を奪ったことによって、成り立っているのではないかとの考えがつきまとう。養子という特殊な環境にいるが故の考えなのか。そもそもそういう環境に左右されることのないアイがアイであるが故なのか。 色々考えるが故に人なのだが、考えすぎる人は生きづらい。
2投稿日: 2023.07.28
powered by ブクログ人それぞれ悩みってあるし、その人のことはその人にしかわからない時もあるけど、 あなたは〜だからとか、この人は〇〇だからとか勝手に決めつけないで、想像することって大切だなと思った(そこに愛があるかが大事)
1投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ気になってて読んでなかったけど 想像したのとだいぶ違った 娯楽として読むには失礼だけど 日本在住のいち日本人としては あまりアイの環境はピンとこないし 後半からはどうにかしてアイの気持ちをわかりたいという努力しかなく でもこの作品が素晴らしいと思う又吉さんが素晴らしいと思いました。
2投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログ西加奈子さんの本を読む前には心構えが必要で、とてもエネルギーを使う気がします。 今回もまた言葉にできない気持ちになりました。 当事者になることはできなくても、想像することをやめてはいけないのですね。 コロナが流行して以来テレビのニュースを見なくなりました。 毎日繰り返される変わり映えのしない内容と、ネガティヴな内容から自分の心を守ろうと思いやめました。 でもそれは、現実を見つめるのをやめてしまったのかもしれないと気づきました。 人を愛し、愛されることで、私たち「i」は存在する。 西加奈子さんにしか書けないお話です。 This novel probably moves your mind. I can’t talk well about the story. We should think about what “I” is.
7投稿日: 2023.07.20
powered by ブクログコロナで家に籠もってる間、一日で読んだ本。 アイって言う可愛らしい女子高生のお話かと思えば、彼女のアイデンティティに悩み続けるお話で、「アイデンティティ」と一言では言われたくないんだろうけど、それはどの人も一言では語れないストーリーがあることは事実。 僕もよくみんなが「どうやって生きてるんだろう?」と思うが、それと似たものを感じた。 僕は朝起きてしんどっとか、生きづらっとか思うときが少なからずあるのでそういう時によく思う。しかもそれは幸福なうえでの悩みだから、罪悪感を感じる。 でも幸福が悩みってむしろ幸福ではない。けど歴史的には幸福だろうし、何の不自由もないし、その恩恵をしっかりと享受すべきだとは思うけど、なんでかそうはいかない。 みんな幸福のはずなのに、なんでか感じれない。悲しくないか?
2投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ鮮やかで綺麗な表紙に惹かれて読み始めました。 序盤は、物事を考えて理解している聡明な主人公をこの子は凄いなと思いながら読んでいたが 考え過ぎるゆえの苦しさもひしひしと感じた。 ラストは圧巻。自分とは、と悩む多くの人に読んでほしい本です。
5投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ世界の不平等、生きたくても生きれない人たち、今この瞬間にも失われている命、普段考えることすらなかったけどこの本を読んで自分の存在を考えることが出来た。 アイは感受性が高くとても繊細で読んでいてすごいなと感じる部分が多々あった。 子供のことについての話や親友との話など考える場所はとても多かった。 内容的には少し重めの話だったけど最後の終わり方とか 自分の人生を頑張ろうと思えた。 この世界を少しでも変えたいと感じた
1投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ当事者意識。 それを普段からどのように考え、また体現しているかによってこの作品の感じ方は変わると思う。 それでいうと自分は、 自分に余程近しい物事以外に対しての当事者意識は薄いと思う。 主人公のアイは非常に複雑な出自を抱えて生きており、世界にある幸/不幸に対して人一倍敏感である。 ことあるごとに「自分が今恵まれた環境にいることや幸せを得ている事」を「世界で戦争や貧困で不幸を被っている人々」と比較して、申し訳ない気持ちから自分の得ている幸に対し嫌悪感を持ってしまうような人間だ。 基本的に本作は、 幸や不幸などに対するアイの心の葛藤を終始描いている。 読了後の感想としては、 自分としてはやや鬱々としたこの葛藤をひたすらに繰り返す模様を見せられるのがやや苦しかったが、それでも最後までスッと読み切ってしまったという形だった。 苦しかったというか、好きではなかったという感覚に近いかもしれないが この部分が普段からの「当事者意識」であり、人それぞれで感じ方が変わるポイントなんだと思う。 確かにそういう気持ちを持つ事や世界の出来事に目を向けるのも大事だが、その度合いをアイと同じくすることは難しく、私はなかなか前に進まないアイに対してややイライラしながら読んでいるような感覚もあった。 作者の西加奈子さんは、 テヘラン生まれ→大阪→エジプト というように幼少期を様々な環境で送っていたとの事で、ナチュラルに広い視点を持っていることからご自身の体験も交えて本作が生まれたのだと思う。 読む人を選びそうではあるが、 なんだかんだで読ませてしまう作品の魅力は大きいと思う。
7投稿日: 2023.07.01
powered by ブクログシリアから抜け出し裕福な家に養子として迎え入れてもらったと引け目を感じているアイのことを、考えすぎだと思う反面、自分と似た思考に共感する部分も多々あった。友達とは何か、結婚とは何かといった問についても深く考えさせられる内容であり、読みながら思わず考えに耽けることが多かった。
3投稿日: 2023.06.27
powered by ブクログ遠い世界の悲劇を想う主人公と、取り巻く家族、友人との関わりが暖かな物語だった。 「この世界にアイは、存在しない」 自分なりの辛さがある。それを他者のより過酷な状況と比べることで目を背けようとする主人公、アイ。 自分らしく生きようと、自由を追求するミナ。 優しくアイを支えるユウ。 自分の幸せを願う気持ちとこの世界の誰かを思いやる気持ちは矛盾しない。 自分を大切にすることの重要性と、世界の幸せを想うことが両立することを教えてくれる優しい本でした。 ミナのアイに対するメールで泣いた。
2投稿日: 2023.06.20
powered by ブクログ貧困やセクシユァリティ、養子、、不妊、イスラム紛争など、さまざまな問題に正面から向き合う非常に力強く作品であることは間違いないけれど、読書に対して純粋な娯楽を求めている自分に合う作品ではなかったかな。
1投稿日: 2023.06.10
powered by ブクログ主人公の心情に終始焦点を当てた本 国籍の違う両親の元で養子として育てられ、自分の生きる意味をひたすら深く考えてしまうストーリー 日常起こりうることを全部消化しようとしていて、 自分にはない視点だった 全て自分ごとにしてしまうのはとても疲れてしまう いつからか興味のある情報のみを選択するようになってたかも
3投稿日: 2023.05.24
powered by ブクログ何度も出てくる「この世界にアイは存在しません。」数学教師の言葉でアイ=i を指しているのだが。 ワイルド曽田アイは、アメリカ人の父と日本人の母の養子として育った、ルーツはシリア人。 養子としての感情を想像する機会をもたなかった私は衝撃を受けた。 恵まれた環境に身をおく苦しさ。選ばれてしまった自分。両親への忖度、周りに気を遣われることの孤独感。 自分の意見なんてない、みんなの意見に同化したい=アイは存在しません。 戦争、内戦、テロ、クーデター、難民、迫害、災害etc. 世界規模で考えなければならない問題をちょっと詰め込みすぎているようにも感じたが、壮大なメッセージを突きつけられた作品。 先日NHKに出演された西加奈子氏。乳がん闘病の話も印象的だった。
15投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログニュースで戦争や争いの話、強盗や殺人の事件の話など、今日も世界のどこかで起きている悲惨で悲しい出来事の数々を見るたびに、 「私は今日も平和な毎日を生きているのにそんな平和が壊された人がいる」 「世界のどこかで起きていることなのにどこか他人事に感じてしまう自分が嫌。でもかといって自分ごととして捉えるのは違うし、どう受け取り考えるべきかわからない。」 と思い、どうするべきかと思っていました。 この本はそんな日々目にする凄惨なニュースや悲しい出来事をみて、どう受け取るべきか悩んだり、平和な場所にいる自分、恵まれているのに生きたくないと願ってしまう自分を責めてしまう人に読んで欲しい小説です。 “自分の幸せを願う気持ちと、この世界の誰かを思いやる気持ちは矛盾しない” ぜひ読んでみてください。
2投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログそんな苦しまなくていいのに…と主人公に対し思ってしまうんだけど、聡明だとこうも苦しんでしまうのだろうか、、。(本人も葛藤してたけど)
5投稿日: 2023.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公のアイに、「いや、そんなに考えんでも、シンプルに生きよっ、ね?」って言ってあげたい。主人公に共感できるところはあまり無かったが、不思議とスラスラ読めた。自分のルーツや社会情勢から、アイデンティティについて考えを巡らせる、主人公アイ。その姿から、自分はもうちょっと視野を広く思考を巡らせないとなぁ…と感じた。 最後、アイが一皮剥けて成長していくところのラストシーンは、さながら演劇を見ているかのようだった。舞台化したら面白そう。映像で見たら、また感じ方や捉え方も違った感じになるのかな? もう少し、西加奈子さんの作品を読んでみたい。
12投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログ「きりこについて」を読んで「西さんの作品が好きなのか嫌いなのかわからない」という感想を持ちました。もう一冊読んでみようと思って評価が良さそうなこちらを手に取りました。 正直、やっぱり苦手なのかもしれない…に針が触れた感覚。 読み進めることは苦ではないし、実際の事件や災害のニュースを見た時の感覚は鮮明に蘇る。特に3歳の難民の彼の写真に至っては未だ脳裏に焼き付いていて胸が締め付けられるような思いがしたのだけど、肝心なアイには共感することができない。 わたし自身あまり自己肯定感が高い方ではない自覚があり、自分は恵まれた環境にいると思っているし、なぜ自分が生きているのだろう?とアイのような考えを巡らせたこともあるし精神を病んだこともある。 実の親に育てられた日本に住む普通の日本人なので根本こそ違うけど、なんとなくアイに似ている内面を持っているとは思う。 ただ、だからこそ?それなのに?共感できず、しんどさだけは生々しく伝わる感覚があるのに、アイの考えがわからない。 自分がアイほど悩めてないのか、悩みすぎてるのか、単に経験不足だからか… 数年後にもう一度読んでみようかな。
3投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログ心理描写や、ミナの言葉はまっすぐで心に響いたけど、アイの心理描写は途中見ていて疲れてしまった。 とはいえ、良い作品には違いない。
2投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ「この世界にアイは存在しません。」 「この世界にアイは存在します。だから私たちを想像して欲しい。」 当事者じゃなければ、悲惨な事に口を出すべきでない。だが、それなら人々の記憶からすぐに死者の存在は消えてしまう。愛は確かにある。たとえ当事者でなくても、アイで考えていこう。全て存在していた命なのだから。 我々がアンタッチャブルとしていたテーマに切り込んで、指針をくれた作品。 素晴らしい構成。確かな筆力。大傑作だと思う。
48投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ世界で起こっている悲劇や災害がちょくちょく差し込まれるので興味深く読めました。 恵まれた環境の中で苦しみを抱えるアイの心情はわからなくもないのですが、自分自身が苦しみからは目を逸らしがちなタイプなので共感するのはちょっと難しかったですね。 「テヘランでロリータを読む」の引用が印象に残りました。
1投稿日: 2023.03.26
powered by ブクログアイはすごく聡明で繊細な人物だと感じました。自分自身が恵まれた環境に置かれながら、そうでない人たちのことを日々思いやることができるのはすごく素敵なことだと感じました。
5投稿日: 2023.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「彼の名はアイラン・クルディ」で鳥肌が立った。 知ることで想像できる。想像してくれる人がいることで存在は証明される。 アイにとって、ノートに死んだ人数を書く行為は「知る」ということから逃げていた行為だったと思う。その行為はあまりにも無機質で知ったということにはならないからだ。現実の残酷さを知ることはとても怖い。知らなければ良かったと思うことはこの世にたくさんあると思う。 自分の生まれのこと、恋をすること、親友を理解できなくなること、子供を堕ろすこと。知りたくなかったことが生きていれば降りかかってくる。でも「知る」ことは誰かの救いになるような気がした。「知らない」は愚かだと改めて思い、自分の人生を「知るということ」に費やしたいと思った。 「愛があるかどうかだよ。」 「この世界にアイは。」 アイがユウと恋に落ちる描写がとても好き。 アイが流産してしまった時の男の人へ持つ恨みの気持ちが非常にわかる。 男の人は体を痛めなくても子供を持つことができる。この事実に私も何度も疑問や妬みを持ったことがあるが誰のせいでもないから責められない。考えてもどうすることもできないからとてもアイの気持ちに共感する。
2投稿日: 2023.03.17
powered by ブクログただここにある、その全て。 私も思春期に、お賽銭やお守りには千円出す人は多いけど、募金にお札を入れている人は少ない社会とそこに含まれる自分を恥じたことを思い出した。この小説を読んで、自分の幸せを願うことと、誰かを思ってその気持ちや環境を想像することは矛盾してないと言う言葉に、胸がいっぱいになった。 今も世界には悲しみがあふれている。先月のトルコ・シリア地震、一年たっても終わりの見えないウクライナ侵攻。この本が出版された後も、世界には理不尽な現実に苦しんでいる人は絶えない。私にできることは一回の外食を我慢するくらいの募金かもしれないけど、目をそらさずに受け止めていきたいと思う。
1投稿日: 2023.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ジェンダー、出自、災害、貧困、その他色々に問いかけてる作品。歯に衣着せずに端的に言うなら「僕はイエローでホワイトで…」の根暗バージョン。 本書に寄り添えるようなシチュエーションになったことがないからあくまで感想、戯言程度に流して欲しいけど重く考えすぎじゃないかってのが第一の感想。「この世界にアイは存在しません。」を繰り返す割には主人公は誰かの視線に怯えたりしてて傲慢だなあと思ったり。 最後の方の「渦中の人しか苦しみを語ってはいけないなんてことはないと思う。(後略)」ってところは割と好き。
2投稿日: 2023.02.24
powered by ブクログ私は!ここに!!いる!!!何者でもない私です皆さんこんにちはー!!!!っていう世界に対する強烈な自己紹介のようなラストシーンに、ただただ圧倒される。表紙の極彩色に相応しい主人公の咆哮。 自分のアイデンティティとは、他の誰でもない私がここにいる意味とは、いったい何なんだろう。 自問し続けた少女が辿り着いた答えの力強さが、私には眩し過ぎました。
3投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログアイのアイデンティティはなにか、生きる価値とは、今起こっている残虐な"こと"についての向き合い方、大切な人のことを改めて考える機会をもらえたなぁと思いました。 ところとごろに入る事件の数々、無知な私にとって興味を持つきっかけになりました。
2投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何と言うか僕には合いませんでした。1ミリも主人公に共感出来なかったのが理由ですが、ただ、だからこそ共感出来る人には刺さる本なのかも知れません。人一倍、繊細で傷つきやすい人が読むと支えになる本なのかな??
2投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログアメリカ人の父と日本人の母を親に持つシリア生まれの養子アイ。世の中の不均衡を憂い、自己肯定感が持てずに悩む一女性の物語。 貧困、戦争、天災、事故、虐待、様々な価値観に非寛容な世界、セクシャリティ、血のつながり、不妊症、中絶、死と生。 ミナとユウとの出会いにより、アイという自らの存在を気づかせ、様々な心の旅路の果てに、「この世界にアイは存在しない」から「この世界にアイは存在する」に至る。 自分という存在に肯定感を持ちつつ、今、世界で起こっていることをどう感じ、どういうアクションが可能なのか、娘達にもこの小説を通じて向き合ってもらいたいと思いつつ読了。
1投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリアに生まれたのち、アメリカ人の父と、日本人の母のもとで養子となった「アイ」は、子どもの頃から、自分が幸福な家庭に引き取られ、幸せに生きているに負い目を感じていた。育ててくれた両親と血が繋がっていないこと、本当の両親を知らないことで、彼女は、周囲の友達と距離を感じる。その中で、唯一の親友となったのが、「ミナ」だった。 大人になり、彼女は、自分が自然妊娠の難しい体であることを知り、不妊治療を始めるものの、流産してしまう。そんなとき、避妊をせずに妊娠してしまった子どもを堕ろすと、「ミナ」に告げられる。 自分自身が、不幸の当事者となる経験を通して、幸せに生きてこられた、自分のアイデンティティを見つけていくところがよかった。 「アイ」は、東日本大震災が起こった時、海外にいて、避難して来るよう話す両親の願いを押し切って、日本に留まるが、物語の最後、そうした自分について「命の危機を、その恐怖を語る権利を得たかったのだと思う」「それってとても傲慢だった。そんなことで、被災した人たちの気持ちなんて分かるわけがない」と語ったことが、特に印象的だった。 幸福であることを恥じることの傲慢さがある一方で、「アイ」自身もまた、本当の両親から離れなくてはならなかったことで、揺れていた。自分ではない誰かの不幸に、正しく寄り添うためには、どのような思いを持てばよいかを考えさせられる。
1投稿日: 2023.01.21
powered by ブクログ主人公の少女、物事を悲観的に捉える描写がとても多いので、読むのは少しばかり元気がいるかも。共感したり物語に入り込んだりは出来ませんでしたが、鋭利な文章でありながら、とても繊細な心の機微表現をされている点では、他にはない作品だと思います。
2投稿日: 2023.01.17
powered by ブクログお恥ずかしながら、西加奈子さんの本を初めて読みました。好きな方が多いのも納得。一人一人の登場人物が魅力的。はまりそうです。
1投稿日: 2022.12.26
powered by ブクログアイの視点が遠くて、自分にはこの子の辛さは理解できていないのではないかと思って物語に入り込むという感じではなかったが続きが気になって一気読み。 又吉との対談が印象的だった。 恵まれていることが恥ずかしい、という感覚はあまり言語化されることがないけどわかる気がする。自分が守られていて恵まれていることに恥ずかしさはあるかもしれないけど、その人にもその人なりの苦しさがある。この小説はそういう苦しみを包んでくれている。 「自分の幸せを願う気持ちと世界の誰かを思いやる気持ちは矛盾しない。」 自分には自分の感じ方、考え方しかわからない。全てを理解することはできないしする必要もないのかもしれない。読んだ時アイの苦しみは自分には理解できていないかも、と思ったが理解できなくて当たり前かもしれない。理解しきるのではなく、それぞれの今の立場や状況で、世界の誰かを思いやることが大事なのではないか。
2投稿日: 2022.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アイの生き方•考え方に共感できるところもあるけれど、突き抜けすぎていて没入できなかった。自分はミナもしくはユウ側なのかなと思った。 ミナのような親友が欲しいなと感じたのと、最後の海の場面でアイが自分の殻を破る爽快さが気持ちよかった。
1投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログ友情物大好物だからすごくよかったけど、社会問題、死、生、とけっこう重めな内容だった 登場人物がみんな聡明!
1投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログ自分は平和ボケしてるなーって感じた。当たり前の日常は当たり前じゃないって、わかってるけど、実際深く考えたことはなかった。いろんな考え方に触れられる本。小説だけど、現実のニュースもふまえた内容。
1投稿日: 2022.11.30
powered by ブクログ選ばれた自分がいるということは選ばれなかった誰かがいることだ。特殊な環境に身を置き周囲に恵まれている主人公。逆にそのことにコンプレックスを抱いてる。私は幸せでいいのかと。セクシャリティーや戦争、貧困などにも触れていて考えさせられる話だった。この世界にアイは存在しません。というフレーズが繰り返されるたび胸がしめつけられた。実数ではない虚数iと自分(アイ)を重ねている。思春期の頃に私は何者なのか何者になるのだろうかとアイデンティティがあやふやになったことあったなぁーと読んでてその感覚を思い出した。
6投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この世界にアイは存在しない。」この言葉が何度も出てきて、すごく印象的。 ミナという親友に出会えてよかった。 最後死んでしまうのかと思ってバッドエンドかと思ったがハッピーエンドでよかった。 いろいろ考えさせられる本でもあった。 震災、テロなどの実際に起こった事件とかも描かれていた。
1投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログInstagramで気になって購入してから、一年も経っちゃったな。不妊・中絶・養子・マイノリティ…性や生について考えさせられる1冊。 血の繋がりで愛は測れないけど、ふとした瞬間に感じる孤独や疎外感は否めない。それでも愛される存在であることをどうか忘れないで。
2投稿日: 2022.11.18
powered by ブクログ「この世界にアイは存在しません。」 幾度もこの文言が表れる。 もちろん愛である。この混沌した世情を揶揄しているのだ。数学のiは虚数で実数ではない数のことをいう。 虚数を表す単位として「i」が使われる。 この社会は実りではなく虚無だ。 養子のアイのルーツすらも存在しないかの様だ。 世界がアイ溢れる為にユウ達ミナが個性を尊重しなくてはならない。 その個性は、人種、民族、セクシャル、宗教、政治にまで言及するものであろうと思った。 母なる海で産まれた姿のままになったアイの未来は眩いい海面の光で輝いて☆い。
10投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ世界には、自分と別の世界線で生きている人が何億人もいる。そんな彼らの中には、戦禍、災害、犯罪の下にいる人も存在する。 なんとなく、暗いニュースを見ては、自分には関係ないからと目を伏せてきた。それと同時にどこかで罪悪感も抱いてきた。 私たちができること。 彼らを想像し、思いを馳せる。彼らの苦しみを議論する。何の力にもなれなくても、偽善者と言われても、彼らが生きていることを胸に刻み続ける。それだけでも、十分に彼らの報いになるのかもしれない。
1投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログミナがアイに書いた長文のメールが最高だった。 最後のシーンも最高だった。 読み終わった感想を誰かと語り合いたいと思えるような作品だった。
1投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログ私も人を自然に差別してしまっていて、無自覚のうちに傷付けてしまっているんだと思った。全く違った角度から物事を見れるきっかけをくれる一冊。
1投稿日: 2022.10.20
powered by ブクログ3年前に文庫化されて平積みされていたので買った本。今回の帰国の移動で読了。 もうちょっと軽いお話かと思っていたら、LGBTにマイノリティ、難民に災害や紛争まで。色々考えさせられるテーマが満載。 田舎の長男で子供いなかったりするから、血ってのも考えさせられるテーマ。今更、家を守るために養子ってのも違うと思うし。 結構のめり込んで読んだけど、最後のシーン。えっ、ここで脱ぐ?って突っ込みたくなった。
1投稿日: 2022.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この世界にアイは存在しません。」 虚数単位「 i 」、2乗して-1になる数字は、存在しない。 シリアで生まれ、日本人とアメリカ人の夫婦の養子として育てられ、恵まれているアイは、自分の存在を疑っている。生き延びてしまった自分と、生きられなかった人との差は何なのか。自分は存在していて良いのか。 ダニエル、綾子は、アイを愛して育てた。ミナは、アイの親友だった。そして、恋人のユウと出会い、自分はいなくてはならない存在なのだと、自分を確立されることができ、ユウはアイを存在させてくれた。 _________ 証明する人がいなければ、虚数単位iも、自分自身も、存在しないのか。皆から愛されているアイが、このお話の中でも、恋人が出来て自分の存在を肯定できるようになったように、恋の力は、絶大なのだと思う。 恋の力は絶大かも知れないけど、結局、自分の存在価値が人に依存するとなると、自分の存在自体が不安定なものとなる。 このお話は、最終的には、i (愛)の証明のお話ではなく、誰が何を言おうと、生きていることを絶対的に肯定しているお話だったけど、その繋がりが、私には、少し分かりにくかった…
3投稿日: 2022.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
許せない気持ちと許したい気持ちが葛藤する 会っているときは許せても 合わない時間に許せなくなる 実際それがリアルだと思う。 だから、綺麗に終わったけど あの後、1人になったらまた許せなくなると思う
1投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログアイを完全に理解することはなかなか難しかったが アイがメモする世界の情勢は 自分も目にしたものが多かったので 記憶を辿りながらアイの成長を見ることができた
2投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログとってもよかった。自分の人生とは全く違うようにも思えるけど、どこかで繋がっているなと思うところが所々合って引き込まれた。アイの人生は壮絶に思えるけど、人はそれぞれ抱えてるものがあるし、それはその人にしか大きさは測れない。私にだって私の辛いものがある。誰しもが抱えてる。だけど、みんな自分のことだけじゃなくて他の人の思いに耳を傾けて、救いたいと思える。それってとっても素敵な事だよなと改めて思った。 アイと同じ病気を持ってるので、私の人生もこうなるのかもなと身構えた。
2投稿日: 2022.10.07
powered by ブクログ主人公であるアイが自身の出自、友人や家族、恋人との関係性について悩み、自身のアイデンティティを見つけていく姿に胸を打たれました。 そして、数多くの悲劇が起こる中、自身が幸せであることに悩むアイが人の痛みに寄り添うことと、自身が幸せになることの両方を願っても良いと思うようになる過程を通じて、人の痛みに寄り添うことを全力で肯定してくれるような作品でした。
12投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログ西加奈子さんの、現実で直面する葛藤と、そこに対する少しの希望を書く文章がすきです。 恵まれない子供、戦争、災害、事故、事件。 日々痛ましいニュースは流れ、自分が恵まれているのだということを誰もが思い知らされる。 それでも人は生きている限り傷つくことがあり、苦しむこともあり、喜ぶこともある。 それに罪悪を感じるべきか否か。 人の死はどんな形でも必ず全員に訪れる。 その事実自体は平等であるにも関わらず、何に罪悪を感じ、胸を痛めるのか。何に安堵するのか。 それは生きている時の苦しみの種類。 死ぬ瞬間の生の苦しみ。 つまり「生」があまりに不平等で、「死」という事実のみが平等。 アイが、生きるためのアイデンティティを必死に求め続ける物語。 「アイデンティティを必死に探し求める」というのは、とても強烈に「生きている」と言えるのではないか…と読みながら感じた。
2投稿日: 2022.09.17
powered by ブクログ生きていると、残酷なことや苦しいことや悲しいことがある。 自分の身に起こらなくても、世界は悲惨で溢れている。 この物語はそんな悲惨の中から「選ばれて」幸福な家庭にやってきたあまりにも聡明な少女が、自分がここにあること、生きていることに気づくまでの物語である。
1投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログ自分の存在意義や幸せを考えるとき 新しい洋服を買うとき 毎日流されるニュースの数々を見るとき そんなときに、十分に生活ができていない人、出来なかった人に想いを馳せることは素敵なことである もちろん、何かしらのアプローチによって行動することも大切なことでもある 私は悲惨な事態に巻き込まれた人に目を向けて、自分にできることをやってみることしかできないな
1投稿日: 2022.09.08
powered by ブクログ『この世界にアイは存在しない』 これをテーマに最後まで探し続ける、主人公とその友達や恋人,家族。 難しかった、深かった。 いい意味で、簡単には読めなかった。 こういう本を読んでみるのもいいなと思った。 出会えてよかった
1投稿日: 2022.09.07
powered by ブクログこの世界にアイは存在しません。 この台詞がキーとなりその後の人生にどう影響していくのか。 西加奈子先生の小説はやはり美しい
1投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ言葉がとても確信的で強い。そのことが「小説」という表現方法にとって良いことかどうか解らないけれど、作者にとって必然だったことは、それこそとても強く伝わってきた。 直木賞を受賞した「サラバ!」同様、この作者の描く友情の在り方がとても好きだ。
5投稿日: 2022.08.28
powered by ブクログすごく奥深い。如何に自分の立場からだけで日々物事を見ているか、考えさせられる。 西さんの本は様々な特殊なバックボーンの主人公が多く、早くから多様性を意識していたのかなと時代を早くから先取りしていたのかも!と今回勝手な発見をしました。 それ故、自分の中で嫌いな主人公と好きな主人公がぱっかり分かれるあたり、私の偏った世間への見方があるのしら?とゆう発見もあったり。 ひとつ、この本図書館では、ティーンのコーナーに置いてあり、少々刺激的では?!と心配になりました。
2投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ1人の女性の内向的な思考を粘り強く描写している。 決して読み手に共感を求めない、一貫した内向性が不思議と親しみを覚える。 読み進めながら、彼女の強い内向性に苦しみを求めてしまう。 苦しみに充実感を見出してしまわざるを得ない。
1投稿日: 2022.08.20
powered by ブクログそこにいた人間に そこにいなかった人間はどんな言葉をかければよいかわからない 夜はアイに優しくなかった 輪郭を柔らかく 窓を閉めていても空気は絶えず動いている 日々の中で当たり前にあることの描写が素敵です。 流れていくものをこうして文章、文脈、テンポ、ムード、余韻など色々なものをもって思い出させてくれるのは映画と同じだ。 アイが本物の友情に触れるシーンがあります。 読みながら涙が流れましたが、それがとても透明な涙だったなと思います。 温度も湿度も重さもなく、そして一刻遅れて、自分はこんなにも正しく温かいものを求めている人間かと思いました。 そうしてただ涙を流している自分を、ただそとから見ていました。 この世にアイは存在しません 繰り返される言葉 頭の中と肌にこびりついた考え 「自分が生きているそのことにこの上なく興奮しているのだった」 生きている よく使うかたちのない形容ではない 生きている、まさに今、自分は生きている 興奮を伴うほど積極的で能動的なもの 読んでいる自分まで興奮と期待と不安に駆られました。 読了。
2投稿日: 2022.08.18
powered by ブクログ「愛することと理解することは同じではない」 自分だけが幸せになってはいけないと思うアイご、最後にアイの存在を気付けて良かった
1投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作家の伝えたいという気持ちがひしひしと伝わってくる作品。訴えたいという強い気持ちが溢れている。 たくさんの死者の数を何年も何年も記録し続けるアイ。ラストでは3歳の男の子の死者が、名前を伴って登場する。何度も何度も名前が。私たちは忘れない、君がこの世に生きたことを。大人たちの事情で失った命を、と。 エネルギーに溢れた作品。愛に溢れた作品。
2投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ「思いを馳せる人もいれば、他人事のように感じる人もいる」 私は旅行が趣味で、 よく日本各地色々な所に出かけるのだけれど、 ついこの間行ったばかりの旅行先で 悲しい事故が起こったり、天災で被災していたり するニュースを見かけることがある。 心配に思う気持ちと、本当に最低だと思うけれど 旅行中じゃなくてよかったと思う気持ち。 そう思う度に自分は冷たい人間だなあと 毎回ネガティブな感情を抱いてた。 旅行先ではたくさんの人の優しさに触れて お世話になって、だからこそ そういう時に自分のことのように 悲しむような人間になりたいと思っていたけれど、 この本を読み終えて、 そういう気持ちの葛藤というか それも含めて私は私なのかなあとも思えた。 アイの複雑な心境は今の私には 全ては理解しがたい内容だったけれど、 とても深かった。 誰にでも幸せになる権利はある!
1投稿日: 2022.08.08
powered by ブクログ文字の連なりから、ものすごいエネルギーを感じた。 世界の情勢のこと、災害のこと、宗教や民族のこと、不妊や中絶、養子のこと、「愛」のこと。 なんて言ったらいいんだろう。 自分の世の中に対する無関心さを知ったし、無知であることを知った。 「渦中にいなくても、その人たちのことを思って苦しんでいいと思う。その苦しみが広がって、知らなかった誰かが想像する余地になるんだと思う。渦中の苦しみを。それがどういうことなのか、想像でしかないけれど、それに実際の力はないかもしれないけれど、想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。」
2投稿日: 2022.08.04
powered by ブクログアメリカ人の父親と日本人の母親をもつイラン人の養子が自己のアイデンティティーに悩む物語。面白い着想でスケールも大きく展開を楽しみに読み進めたが、最後失速した感じ。
2投稿日: 2022.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この世界にアイは存在しません この言葉がこだまする、アイ自身の話。とっても面白かった。西加奈子は本当に読みやすいのに人の心情、複雑な感情を書き留めるのが上手だな。上手すぎて西加奈子作品が私の人生にあったことのように錯覚することがあるくらい笑 西加奈子天才。 アイはとても繊細な女の子で、私は全くアイとは異なる人生だったから価値観や考え方が違ったけど、アイの育った環境からできた性格などは理解ができて、育つ環境、肌の色、人種って本当にその人の性格、人生に影響を及ぼすなと思った。そんな中、アイと親友になったミナはアイとは真逆のような価値観で、その2人が仲良しなのもとても良かった。
1投稿日: 2022.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
両親はもちろんだけど、ミナとユウ、このふたりは本当に徳の高い人間で、なんて思いやりの深いこと言うのだろう アイが考えすぎてしまうこと、世界のどこかでたくさんの人が死に、食えずとか、震災やテロで多くの知らない人が死ぬ、かわいそうに、大変だろうにと思ってもすぐ日常に戻る自分‥そういうの偽善者みたいでほんと嫌になって落ち込んだりするし、震災への募金もそう、後ろめたさや罪悪感の募金、その気持ち思い出してつらかったり 考えすぎることをミナが否定しなかったことに私も少しだけ救われた 私もよく無駄に考えすぎて現実なにも変わらない無駄な沈みをやるので 子どもがほしいと思ってからのアイ、今まで気にしていたことが一切そっちのけになるアイを読んでて嫌いになったけど、ミナの大きさに自分が小さく感じたり ラストはこっちも愛につつまれ、感動したり とにかくアイを通して色んな気持ちにさせられた 日常目を背けていたことを突きつけられたりもしたけど、解釈して飲み込んで生きていかなきゃね、と思いました
1投稿日: 2022.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
暗い、、とにかく暗く、どんよりとした雰囲気が続く作品。あまりにもリアルで切り味の鋭い描写に心が折れかけたが、なんとか読了。アイが自分が生きる意味、自己肯定ができるようになるまでの過程を描いており、読み終わった後は読んでよかったなと思える作品であった。
1投稿日: 2022.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すごくよかった。「サラバ!」に雰囲気が似ていた。 謂れのない災害の被災者に思いを馳せること、 なんの役に立たなくても大事なことなんだなと。 ラストシーンで、ミナ(世界)がアイ(私)を抱きしめる、という構図を知って読むと尚良かった。
1投稿日: 2022.07.08
powered by ブクログ自分の世界を広げることは大事だと考えている。 できれば、人から聞くことや本で読むだけではなく、実際に体験すること。 体験することは、ときに勇気を振り絞らなければならないけど。 アイは、世界を知ることができる環境にいたけれど、体験する勇気はなかなか出せなかった。 誰しもがアイのように自分の存在価値を考えるときがあるだろう。 そんなときには、またこの本を読んでみたいと思います。
2投稿日: 2022.06.29
powered by ブクログ初めましての西加奈子作品。主人公のアイが自分と同年代で、思春期以降の世界情勢を一緒になぞりながら読了。感受性の高すぎるアイにハラハラしたけど、少しずつ幸せを掴んでいく姿をつい応援してしまう。終わり方も好きだった。
1投稿日: 2022.06.28
powered by ブクログ自分の幸せを願う気持ちとこの世界の誰かを思いやる気持ちは矛盾しない。 自分の存在を疑うこと、出自に対して負い目に感じた事は一度もない。ただ自分の周りにもアイと同じように図らずも恵まれた環境で生活することに、なんとも言えないこれでいいのか感を得ている人がいるのかもしれない。みんな違ってみんないいという考え方は大分理解されるようになったが、リアルなところは多くの社会で規範とされる行動様式や是とされる価値観が存在すると思う。
1投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ理解できなくても愛し合うことはできると僕は思う 妊娠中絶、血のつながり、性的指向、アイデンティティ‥ 経験していない、当事者じゃないからといって語ることができないわけではない 想像し、愛がそこにあるかどうか と同時に完全に理解することなどできないということ だからこそ知ろう わかろうとする営みを続けていこうと思わされる
1投稿日: 2022.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この世界にアイは存在しません。」 このフレーズが呪いのようにずっと響き渡る分、 「この世界に、絶対にアイは存在する」と 最後には温かな気持ちに包まれる。 どうして西さんの描く登場人物はこんなにみんな愛らしいのか。 全ての人物が 苦悩もありながら生きている。 それぞれの痛みや苦しみはちがう。 どっちが大変とか比較して、 それは苦しいとは言っちゃダメだっていう圧力もある。 矛盾するような気持ちもそれでよいのだと、 それぞれの痛みや苦しみを想像することで、 寄り添えるんだよと。 寄り添うことで愛を持って生きられることを教えてくれる本。 ツラいニュースばかりで、涙を流すことしかできない自分に情けなくなったり、 でもすぐ日常に戻れる自分に矛盾を感じたり、 目を背けたくなったりしていた今だからこそ沁みる。 折に触れてまた読みたい。
1投稿日: 2022.06.07
powered by ブクログシリアから養子としてある意味選ばれて、裕福で温かい家庭の子どもとして育つアイ。シリアの現状を知りながら、裕福な生活を送ることに引け目を感じたり、引け目を感じている自分に嫌悪感を感じたりする真面目で繊細な女の子。 人はみんな苦しい。 自分の存在の意味を疑う瞬間は何度もあったけど 存在するから悩むし苦しいんやな 作中の、 『想像することは心を、思いを寄せること』 という言葉が心に残った。 思いを寄せることで、その人が存在したことになる。 今やから読めてよかったな。
1投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログ良かった。1人の女の子が、アメリカ人の裕福な家庭に養子に取られ、日本に来て、人と出逢いながら「自分」を見つけていく。 世界中の悲しいニュースや死んだ人のニュースを聞いて、「また生き残ってしまった」「どうして」と考えてしまうアイ。でも親のお金で食べ物を食べて働かずに大学生として暮らす自分が恥ずかしい。でも自分の生活は変わらない、変えられない。分かるような分からないような。不安定で考えすぎで聡明なアイが、西加奈子の文章で魅力的に描かれていた。「この世にアイは存在しません。」この言葉がずっと頭の中で響いているんだけど、ラストはアイが自分の存在を見つける。感動した、泣けた。ユウやミナに出会い、家族に愛され、その愛をやっと正面から受け取ることができるようになった。難しいことじゃないのに、アイにとっては難しかった。ミナ(all)とユウ(you)とアイ。世界と自分が繋がって、あなたがいるから私がいる。なんて素敵なんだろう。なんて素敵な描き方。西加奈子、めっちゃ好きだなと思った。 自分がへらへら生きている今この瞬間にも、世界のどこかで誰かが死んでいる。この現実全てを真正面から受け止めていたらキリがないけど、「想像する」ことをやめてはいけない。誰かの悲しみを想像して、誰かのために苦しむことは、大切なこと。ひとりひとりのその気持ちで何かが変わるのかもしれない。 私は毎日いろんなお話やテレビや映画を見て泣いている。もっと、フィクションだけじゃなくて現実に目を向けたいと思った。お話に中に出てくる悲しいニュースは全部現実のものだった。たくさんの人が毎年死んでいた。フィクションを通じて、フィクションじゃない世界を伝えてくれる作品だった。大切にしたい。
2投稿日: 2022.05.28
powered by ブクログ主人公のアイは頭が良くて優しい。この本に出会わなかったら彼女のような苦しみを考えることも知ることもできなかった。もっと早くに出会いたかった一冊。
1投稿日: 2022.05.28
powered by ブクログ自分はこんなに恵まれてていいのかと考えることとてもあるから、主人公とは全然人生の経歴が違うけど、それなのになんかすごく、共感した。 そういう気持ちさえ認められたような、どう受け止めたらいいか教えられたというような、救いの本だった
1投稿日: 2022.05.24
powered by ブクログ愛は、ずっとそこにあって、存在していて、配慮とその人自身を見る気持ちとが相まって、その存在を強固にするのかもな、と、愛の可能性を考えた。 産まれてくる命、選ばれて生きている、選ばれて死んでる。 恵まれている側のしんどさ。比較。
1投稿日: 2022.05.23
powered by ブクログ自分はとても卑屈で根暗な人間だと思っています。アイが憎んでいるとき、共感しました。ただ、この世界に愛があることも感じていて、会うことで気付くことってあるなと思いました。感じてきてこと、なんでそう思うのか、考えさせられる一冊でした。
2投稿日: 2022.05.18
powered by ブクログ繊維で想像力が豊かで当事者意識が強いアイ。 世界がアイみたいな人で溢れていたら、全ての問題が解決するだろうな。 でもそんなに清くまっすぐな人はなかなかいないから、生きていて苦しいんだろうな‥ アイの居心地の良い世界は永遠に来ないと思うと切ない
1投稿日: 2022.05.16
powered by ブクログ今まで読んできた西加奈子作品のなかで、一番マジメで、センシティブな内容だった。 このひとの作品は、面白くしてやろう、というのではなく、自分が見てきたものや、感じてきたものをまっすぐ、だけど色々な要素が複雑に絡み合いながら描かれているので、いつも胸をドン、と突かれたような衝撃が走る。だから、好き。 自分とは関わりのない、遠く、或いは近くの国の悲しい出来事に、胸を痛められるひとを、不思議に思っていた。 偽善者とは思わないけど、どうしてそこまで深く感情移入できるのか、分からなかった。 学生時代、インドに学校を建てようと活動をしているひとたちがいた。私たちの周りの環境さえままならないのに(もちろんインドと比べると、豊かであるんだとは思うけど)、どうして異国の人々を助けようと思えるのか、わからなかった。 少しずつ歳を重ねて、今はほんの少しだけわかる。 興味本位や冷やかしで苦しんでいるひとを踏みにじるのは絶対に違うけど、渦中にいなくても、誰かのことを思って苦しんでいいと思う。 想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。 それって何も傲慢なことじゃないんだな、とじんわり読みながら感じた。 あとは、ミナの「私は未だに、中絶する人は誰にも謝ることはないと思ってる。その人のからだは、その人のものだから。その人のからだは社会のためにあるんじゃない、子どもが出来ない人のためにあるんでもない。その人の命のためにあるんだって、そう思ってる。」という言葉。 本当にそうだよ。 その人以外が、とやかくいうことは絶対にできないことだよ。 いつもいつもそうは思えないひと、自分のことと他人のことを一緒に考えてしまうひとが世の中にはたくさんいて、悲しくなっている。 西加奈子さんの作品は、もはやどの作品も私の心のバイブルになりつつあります。
7投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ非常に考えさせられました。自分のアイデンティティなんて誰でもわからなくなるのに主人公は複雑なルーツを持っているのだから考えられないほど大変だったと思う。本の中で出てきた、事件、事故、災害はそんなことあったと思い出すたび自分はその一瞬にしか悲しんでなかったと思い知らされ、申し訳なくなった。 きっと読む時が違えばまた違って思える作品だと思います。
1投稿日: 2022.04.27
powered by ブクログサラバ!もそうだけど、アイデンティティについて書いている西加奈子さんの作品とても好き。 恵まれた家庭に養子にもらわれたアイが、恵まれた境遇にいることに罪悪感や恥の意識を持ち、日本社会で見た目も”外国人”であることから馴染めない。自分はここにいていいのだろうか?「この世界にアイは存在しない」という言葉に取り憑かれてしまう。 養子であるが故に、親からの愛も無条件に受け入れることができない。 そんなアイが、ミナという親友や、ユウという恋人/夫ができ、辛い経験もしながら成長していく、自分のアイデンティティを見つける、自分を愛していいのだと変わっていくお話。 少し本論からはずれるけど、たしかに親からの愛を受け入れられないと、自分のアイデンティティを確立していったり、ただでさえ多感な時期で自分自身のバランスを保つことがすごく難しくなるんだと思う。 私は養子ではないし、しっかり愛されて育ったけど、親からの愛を疑う時期もあった。こんなにめんどくさい自分を好きで育てているわけがない、いい子でいないと愛されないのではないか、親の愛を試してみようか…なんて… 親からの愛を疑うことが、守られたアイデンティティから一歩外に出て、自分の足で、自分のアイデンティティを見つけて自立していく一歩なのかもしれない。
2投稿日: 2022.04.26
powered by ブクログ素敵な感想達が沢山書かれていたので、物語の内容とかは置いておくとして、やっぱりこの小説を読み終わったあとの感情としてあるのが 「何か浮かび上がってくる!!!」 という気持ちでした。それは漠然としたもので現在もうまく言語化できないけど、この小説を読んだことを、この小説で知ったことを、言葉を、誰かに伝えたい。そんな風に思いました。 だから色んな人がとても素敵な感想を書くのかな…? 又吉さんも感じたことだと言ってましたが、やはりこの小説および西加奈子さんの小説のほとんどに共通してるのが 「恵まれた人だって恵まれてない人と同じくらい悩んでいい」 っていうのがほんとに素敵な考えで、その言葉に僕はすごい力をもらいます。他にも主人公のアイがずっと抱えてた気持ちに少しずつ答えを出していくこと、証明していくこと。それを通して自分の心が少しまとまった気がしました。 世界中の誰もが同じように悩んでる。けどその悩みに優劣はなくて、みんな自分の悩みを大事に悩んでいいんだって、誰かに何を言われても、自分の苦しみに向き合って、そして少しでも救われていいんだって。そして、誰かが悩んでいるとき、それが自分は経験したことのないどんなに酷いことでも、その痛みを知ろうとして、分かち合おうとして、少しでも想像をすることは間違ってないんだって。 そんな力をくれる小説だったと思います。 読めてよかった。この小説に出てくるテヘランでロリータを読む。も読んだことないから読んでみたいなぁ
10投稿日: 2022.04.14
powered by ブクログ人はみんな孤独で、 命も痛みも幸せもその人自身のもので、 アイはここに存在する。 それだけのことだけど、つい見失いがちになってしまう、大切な内容だった。 痛み・苦しみは数値化して比べられるような、比べていいようなものではない。 どんな立場でも境遇でも悩む権利は、ある。 もっと大変な人は沢山いるんだからなんて言葉、人にかけたくない。そんなこと言ってたらキリがないし、、 自分の存在をいつまでも認めていくつもりだし、 大切な周りの人たちのことも、思想や人種でまとめるのではなくて一人ひとりの存在に愛情をもちたい そして、世界で絶え間なく起こっている悲劇に巻き込まれた人たちのことを立ち止まって想像する心の余裕を持っていたい
2投稿日: 2022.04.11
powered by ブクログ世界中で起こる悲しい出来事と、自分の幸せの折り合いをつけられずに苦しむ気持ち。分かる気がする。 いくら想像したって、実際その事実はすぐには変わらない。いくら強く祈ったってお構いなく自分の人生は動いていく。 だからと言って想像すること、思いを馳せることをやめてはいけない。目まぐるしい日々に、想像する余裕を奪われても、目を逸らしたくない。 西加奈子さんの作品に初めて触れた。言葉は思考の体現だ。彼女の選ぶ言葉には生々しさがあり、途中で読むことをやめようかと思ったが、それ以上に文章を通して伝わってくる彼女の想いの力強さに惹かれた。また時間を空けて違う作品も読んでみたい。
1投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログみんな自分がどこの誰で、どんな性質を持って生まれてくるか選べない。そんな世界であたたかさをくれる人々と出逢い、心を通わせて生きていく。それはとても尊く、美しいものだと感じた。
3投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログ久しぶりの読書。 1章は痛いほど気持ちがわかる。私の気持ちを文書化してくれたような気さえしてくる。 最後の盛り上がりについていけず。
1投稿日: 2022.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アイが妊娠できない、そして流産した時、 自分がいまここにいること自体が、ほんとに奇跡なんだと感じた。 親がまず生まれて、両親が出会って、僕が生まれてここにいる。 この事を安易に考えていた。 しかし、この本を読んでその事を想像するきっかけができた。 今までは想像もしていなかったのだ。 だから、誕生したこと。 誕生を祝う誕生日は、もっと大切にしようと思った。 今現在、ウクライナとロシア間で戦争が行われている。 理不尽な攻撃で命を落とした人、子供が想像を遥かに超える数がいるだろう。 でも、その数をかたまり、数字で見ようとせず、1人1人のことを想って考えることができてなかったなと。 1人1人それぞれに人生があって、幸せもある。 その事を想像しようと思った。 書いてもあったが、自分の想像力に限界がある。 だからといってその努力を放棄するのは違う。 会ったことない、会うことはきっとない人に想いを馳せよう。 想像力を広げるためにも、色々な人と話したり、色々な場所に行こうとも思った。 巻末、アイはシリア(内戦中)からギリシャを目指すボートに乗っていた難民、アイラン(3歳)に向けて、もう一度会うことができたなら、 「生まれてきてくれてありがとう。」 アイは全力で、全身全霊で、彼らの誕生を祝福するだろう。とあった。 この文を読んだ時、自分に言われているみたいで、 少し目が潤んだ。 生まれてきてくれてありがとう。 この言葉の強さを知った。 この本を読んで、親のこと、友人のこと、他人のこと、そして自分のことをもっともっと大切にしようと思った。 愛があるから言葉、行動にできる。 「この世界に、アイは存在する」
2投稿日: 2022.03.30
powered by ブクログシリアに生まれ、アメリカ人、日本人の裕福な両親の元へ養子として育てられたアイ。「恵まれている」という罪悪感のような違和感を持ちながら何不自由ない生活を送る。そんな想像もしないような設定がまず面白いし、3.11、結婚を機に変わろうとしつつも変わりきることができず葛藤するアイに共感する。結末が西加奈子らしくて爽やか。
1投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログたまたま生まれた環境が悲惨なものだったり、たまたまその場に居合わせただけで不運な事故に巻き込まれたりして何の落ち度もないのに亡くなる人々は、世界を見渡せば見渡すほどたくさんおり今この瞬間にも増え続けている。 この小説を読んだことで、そのことを想像して考えるきっかけになったし、読後とても前向きな気持ちを持つことができた。 アイとミナの互いを思う愛情に満ちた言葉、聡明な考え方が大好きです。
2投稿日: 2022.03.14
powered by ブクログ人は自分で自分の存在がはっきりしないため、地位を求め、他人を服従し、自分はここにいると周りに分かってもらう。 そんな事をしなくても、人は初めからそこに存在して、その人の命は誰のものでもなく、その人のものだと思えた。
5投稿日: 2022.03.07
