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ライオンのおやつ
ライオンのおやつ
小川糸、くのまり/ポプラ社
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総合評価

1352件)
4.3
618
506
148
21
4
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    人生の最後の おやつ・・・ 想像した事もないのですが・・・・ いつか 必ず来る時に 自分はどう向き合えるか・・・・ 余命を告げられた主人公が選んだ最後の場所は 瀬戸内の島の ライオンの家というホスピス。 そこでは 思い出のおやつを リクエストして食べれるという。 主人公にとっての 最後に食べたい おやつとは。 こういう風に穏やかに 最後を過ごせる場所が 現実にあるのかどうかはわからないけど 病気で余命を言われる方が お別れを言えるから良いと思ったりもしますが 事故などで 突然だと お別れできないから 辛いので そうならない為にも いつも人との別れの時は 気持ちよく別れておきたいですね。 別れは必ず来るので この物語の主人公や 見送った人達のように 穏やかにできたら 良いなと思いました。

    9
    投稿日: 2021.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名の意味は全く知らないで読み始めたのだけれど・・・ なかなかだよねぇ。 瀬戸内のレモン島っていえば、生口島だと思うのだけれど、 まぁ、優しくていい話、なんだけど・・・ 最近、こういう優しくて静かな話が多い気がする。 そういう時代なのかなぁ。

    2
    投稿日: 2021.12.31
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    35歳にして、ステージⅣの癌で余命宣告をされた海野雫。彼女が終の住処に選んだ瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」では、毎週日曜日に、ゲストが思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」がある。 身も心も温めてくれる美味しい食事、小さくも力強い命であるふわふわの白い犬、穏やかで美しい海や空の描写が素敵だった。 自分の終わりを、これまでの人生を、受け入れるというのは、諦めることではなくて、自分の不恰好な部分も認めて丸ごと受け入れることなんだと思った。 優しい話でめちゃめちゃ泣いてしまった。 ごちそうさまでした。

    3
    投稿日: 2021.12.30
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    もしもわたしもガンになったら、こんな素敵な場所で最後を迎えたいな。祖父と祖母をガンで一気に無くしたところだったので、すごく思うところがありました。 家族の側からすると、きっとずっと生きていて欲しくて、延命治療をお願いするんだろうけど…それは違って、本人がどうしたいか?どう最後を迎えたいか?が1番大事なんだろうな…

    3
    投稿日: 2021.12.30
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    読み終え、何とも言えない暖かさに包まれました。 一日一日を大切に、 過ごしていきたいと思わせてくれる本でした。

    3
    投稿日: 2021.12.29
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    人生はなるようにしかならない。 そのことをただただ体全体で受け入れて命が尽きるその瞬間まで精一杯生きることが人生を全うするということ。 本当にその通りだと思った。 過去のことで後悔したり、先が見えない未来のことで不安になったりするのではなく、今この瞬間を自分なりに精一杯生きることが大切だと雫さんに教わった。

    16
    投稿日: 2021.12.28
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    めちゃくちゃに泣きながら一気に読了。読んだ後は、悲しいというよりはなぜかすっきりした気持ちになった。

    3
    投稿日: 2021.12.26
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    人生最後の時間をホスピスで過ごす。こんなホスピスなら私も行ってみたい。もしこうやって死んでいけるなら、楽しみっていったらおかしいが、でも死に向かって精一杯生きていけるのかもしれない。みんな精一杯それぞれの想いや人生があるから生きることは尊い。

    2
    投稿日: 2021.12.26
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    33歳にして、病気で余命わずかとなった主人公・雫は、その終の住処として、レモン島の、海の見えるホスピス「ライオンの家」を選んだ。 最期の時間を、ホスピスで働くマドンナや、患者の仲間たち、島の若者のタヒチくんらと、心を通わせながら穏やかに過ごしていく。 ライオンの家では、毎週日曜日に、リクエストを募り、そのリクエストに添えられたメッセージをマドンナが朗読する、というおやつの時間がある。 タケオさんの豆花、マスターのカヌレ、百ちやんのアップルパイ、先生のレーズンサンド。 どのお話も切なく、だけどおやつっていうところが何だか温かい。 沢山のお別れのシーンが描かれているんだけど、不思議ともの悲しくない。 だけど、やっぱり雫の短い人生のことを考えると、胸がしめつけられる。 たった一人の身寄りのお父さんとのお話もほろっとする。 余命を知ったとき、お父さんから子供の頃からもらったぬいぐるみたちを次々と破壊するんだけど、そのあと、「ごめんなさい」といって繕っていく場面も悲しいんだけど印象的だった。 死をテーマにしているけれど、全体的にそこまで暗い雰囲気はない。 終盤も、救いを感じるシーンもいくつかある。 でも、何日かかけて読むより、一気に読んだ方が良いかな。 どうやら調べると、こちら実写でNHKでドラマ化もされていたようで、つい先月も再放送をしていたらしい。 見たかったな。

    2
    投稿日: 2021.12.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「あんな穏やかな死を迎えたい。」 ライオンの家に来てからも来る前もいろんな葛藤があった。けど、レモンだったり、いろんなものを感じて、自分の子のような犬にもであって、マドンナやおやつに支えられて、素敵なおとこのひとに出会って、お父さんにも会えて、おだやかに、しあわせに亡くなっていった主人公に称賛を贈りたいし、こんな風に死ねたら幸せだなーと思った。

    3
    投稿日: 2021.12.23
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    カフェで読みました。 最後の数ページは何度も手をとめてしまいながら、こらえながら読みました。 これは、きつい。涙腺が、やばい。 そういう苦しくも胸に染みる物語です。

    3
    投稿日: 2021.12.22
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    自分の中の水分という水分が、すべて涙となって流れ出るような感じで、涙がとまりませんでした。 それでいて、読後の静けさというかなんというか、余韻はわるくないんです。 これは久々に人にすすめたい。

    2
    投稿日: 2021.12.21
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    これは泣きますね。でも、辛い涙では全然なくて、優しさにあふれた温かい涙がとめどなく流れます。 残念なことに、わかっていても、大切なことは失ってやっと気づくもので。それでも人生の終わりに気づくことができたら、それはとても幸せなことなのだと。 本当に、ライオンの家やマドンナさんが実在していて、そこで人生の集大成を迎えられる人がたくさんいるといいなと、心から思いました。

    7
    投稿日: 2021.12.18
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    外で読んだけど、涙が止まらなくて困った。 とても大切な本に出会えた。 何度も読みたいそんな本だった。

    3
    投稿日: 2021.12.16
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    死とは誰しも訪れるものだけど、どんな感じなのかは生きてる間は分からないから、だから怖い。 でもこの作品を読んで、こうだったらいいなと思いました。 死にたくない、もっと生きたい!という気持ちを素直に持つことは、死を受け入れることなんだと教えてもらいました。 お疲れ様でした。大往生でしたね。というマドンナの一言に全てが詰まっていて胸がいっぱいになりました。

    4
    投稿日: 2021.12.08
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    読み進めていくと、だんだん夢の中の話なのか 現実の話なのか分からなくなっていきました。 病気で死に近づいていくというのは、 このような感覚なのだろうかと 今までにない感覚を味わいました。

    3
    投稿日: 2021.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読む前に想像した通りのほんわかとしつつも切ないストーリーでした。 皆さん現実にこういう場所があったらいいなぁと思うと思います。 そして、本の中の一節に 「私の事を思い出してくれてる人がいるとき、地球が少し光って見える」 という節があります。 それからなんとなく、死んだ母を思い出すと母はちゃんと気がついてくれてるのかもと思うようになりました。 見送る側、見送られる側、どちらの人にも読んでもらいたいです

    7
    投稿日: 2021.12.01
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    背景や風景、おやつなど、全てにおいて文章からイメージが鮮明に浮かび上がるような書き方に感服◎ 絵本が大好きな私は絵本の使われ方にとても感心。大人向けの絵本もあるけれど、基本的には子供向け、というイメージがあったから、絵本の良さを改めて感じれた一冊になりました。

    4
    投稿日: 2021.12.01
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    雫がバナナの美しさにはっとする場面が印象的でした。 「コンビニで売られているバナナだって、すべては地球からの贈り物で、かつては地面とつながる場所にいたのだ。今ならわかる。バナナの命も、私の命も、等しく尊いということが。」 食べ物に、健康に、与えられた身体に、感謝し、生きる。そして誰かの光になる。そういう生き方をしたい、と思いました。 全体のストーリーが少々お涙頂戴的に感じてしまったため⭐︎2つですが、終始涙は止まりませんでした。小学生、中学生の年代の子どもたちにお勧めしたい本です。

    6
    投稿日: 2021.11.29
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    アフリカの大草原に暮らす百獣の王、ライオン。 そのライオンたちが、狩の合間に何かおやつでも食べる話かな?なんて思いながら読んだが、まーったく違った(°_°) 後半は少し涙ぐみながら、夜更かし。 何気ないやりとり。 日常への感謝。 食べ物へのリスペクト。 そして、何より大切な人への想い。 素敵な一冊でした。 小川さんの作品は、いままでなかなか手に取らなかったが、もう少し読んでみたい。

    7
    投稿日: 2021.11.25
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    余命を知ったら、どうするかな。身内にも知らせずに見知らぬ地で命に向き合う決断。この本を読んでいくと、死の悲しみだけでなく、安らかに死に向かう、ってこともあるんだ、と。こんな最期を迎えられたら、生をまっとうしたと言えるかもしれない。自分なら、最後のおやつ、何にしよう。優しい、思い出の詰まった〇〇かな。

    12
    投稿日: 2021.11.22
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    149人生の最終章をどう生きるかを考える。考えても答えはないけど、寿命を全うするということは尊厳につながるのだと言うことを心で感じさせる作品。たいして評価出来ない人生も、こういう心構えでいられたらなあ。電車で読んだらあかんやつです。

    5
    投稿日: 2021.11.22
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    普段は「死」を意識することなく生きている。 でも、ある日突然、余命を宣告されたら…。 とても優しい時間が流れているホスピス、「ライオンの家」 「怖れることは何もありません。とにかく笑顔でいることが一番」 「よく眠り、よく笑い、心と体を温かくすることが、幸せに生きることにつながります」 と、死を間近にしたゲストたちに寄り添ってくれる優しさに溢れたマドンナ。 もし、もし万が一私にそんな日が来てしまったとしたら、そんな優しい時間が流れ、優しく寄り添ってくれるホスピスに入りたい。 一日一日を大切に生きること。 当たり前だけど、当たり前すぎて意識することもなく、生きている。 けれど、今を大切に生きていこう、そう思える本だった。 最後、「3日間」の描写が切なくて、優しくて、とてもよかった。

    6
    投稿日: 2021.11.18
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    初の小川糸さんの本。 余命宣告された33歳の海野雫が、瀬戸内のレモン島にあるホスピス"ライオンの家"を訪れるところから始まる。 あらすじからきっと泣いてしまうだろうから、外で読むのはやめようと思っていて、家でめちゃくちゃ泣いてしまった。小説読んで泣くのは久しぶりだ。 近い将来死ぬのがわかっていても、いつ死ぬかは決められない。死ぬその時まで頑張って生きる。 「今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。私の人生には、「今」しか存在しなくなる」(p.209) 死への恐怖とまだ生きていることで過ごせた時間、出会えた人、生と死の間を行ったり来たり、その感情の動きがリアルに感じた。自分の死はまだ遠いと思っているけど、死ぬ時はおうちかライオンの家がいいな。思い出のおやつを選んでおかなきゃ。マドンナに甘えたい。なんて思う。 ミーハーな選書だったけど良かった。 211115読了、図書館本。

    4
    投稿日: 2021.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冷静に、受け止められるわけなどないですよね。 自分の命の終わりなのだから。 でも、こんな最期ならば幸せだろうなと思いました。雫ちゃんも、アワトリスさんも。 後日談のタヒチくんも六花も、梢ちゃんも、じーんとした。特に六花は可愛いね。たまらんね。 遺す人。遺される人。託す人。託される人。 それぞれの優しさと暖かさに涙が出ました。 悲しいだけではない暖かい涙です。 現実は、きっとこんな優しいものではないけれど、願わくば全員にとってこんな優しい幕引きができる世の中になりますように。と思いました。

    4
    投稿日: 2021.11.13
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    小川糸さんの作品。本屋大賞に選ばれ、映像化もされている人気作品。 「良い」という意見もあれば、「あんまり好きではない」という意見もありますが、私はどちらかというと「そんなに絶賛するほどではない」と感じました。ここはあえて、そんな意見の人間が書いた感想ということで読んでいただければ幸いです。 物語は瀬戸内にある島に建てられたホスピス「ライオンの家」に海野雫(33)が到着するところから始まります。両親を事故によって失った雫は父親の再婚を機に家を出てから自立した生活を送ってきましたが、ある日突然の余命宣告を受けてしまいました。 ライオンの家では毎週日曜日におやつの時間があり、その時間にはそれぞれホスピスの住人たちがリクエストしたおやつが出されます。 ホスピスを取り仕切る「マドンナ」いわく、ライオンの家のコンセプトは「百獣の王のように何も心配せず過ごしてほしい。だからライオンの家」。 そんなホスピスでの日々を綴ったお話です。 ふんわりやさしい物語というと多少語弊はありますが、間違いではないと思います。ホスピスで働く人間は皆、やさしくて温和で、声を荒げたり物事を禁じたりしない、いい人ばかり。 主人公もそんな人々に囲まれて、自分の不安や恐怖、想い残したことを少しずつ拭って綺麗に落とすようにして過ごします。 端的に言うと、そういう感じのお話です。 パステルで描かれたぺったりとした絵。たとえばスマホケースや巾着に書かれている癒し系のイラスト、と言えばわかりやすいでしょうか。 ***これ以降はネタバレを含めた(辛口)コメントです。閲覧注意*** 私が冒頭でお話したように「そんなに絶賛するほどではない」と感じた理由は、「主人公(雫)」と「その義家族」に対するモヤモヤが拭えなかったからというのが一つ。もう一つはライオンの家って結局、運営者側もホスピス患者ではないの? という疑問が解決されなかったから、です。 「主人公(雫)」と「その義家族」についてですが、主人公は幼い頃に両親を自動車事故で亡くし、義父(実母の弟)に育てられています。義父から見て、雫は「いい子」でした。雫の死後、義父は雫に対して「いい子ではなくて強い子」と称していますが、違うんではないか、と思いました。 雫は義父の前では「いい子でいるしか選択肢がなかった」。物語の最後に家族が鍋を囲むシーンがありますが、この義父はあっけらかんとしていて、呑気なことばかり言うんですね。思い出フィルターを通してしか雫を見ていないような。察するに最期まで雫のことは等身大に見られていなかったのではないかと思います。 この義父ですが、実は音楽家になりたくて音大に通っていました。この学費は、姉が存命中に、高校卒業後、働いた賃金から工面していました。残念ながら姉は二十代前半という若さでこの世を去ってしまい、義父は音楽家になろうとしていた矢先に雫を一人で育てることとなってしまいます。このことにより彼は音楽家を諦めるという選択をした。物語終盤で梢(再婚後の実子)に「どうして母親と結婚したのか?」と尋ねられた際、彼は「全部、雫のせいにしたくなかったんだ」と答えた。恐らく、雫のせいで諦めた音楽家だけでなく、雫のせいで恋愛も諦めるなんてできないと考えたから、ということなのでしょう。ここで疑問が二つ湧きます。 1. 何故、彼の周りには援助者がだれもいないのか? 2. 全部、というのは他にもあるということか? 1については物語の中では一切触れられていません。姉が20代で急逝したとしても、まだ両親は存命中だったのではないでしょうか。それとも、両親も不遇の死を迎えていなかったのでしょうか? うーん、想像するしかありませんが。 2については、この義父をどう捉えるかによって変わってきますが、私個人としては「場当たり的な生き方をしてきた男が、何らかの理由で援助なく子育てをすることになったので、若いのにできなくなってしまった事については“だいたい雫のせい”にしてしまったのではないか」と考えました。そう考えること自体、不自然なことではありませんが、なんだかなあ。もう少し救いはなかったのか。 義父の妻、早苗についてはこの人自身も気の毒ではあります。自身の母の介護で疲れ切っていた時に支えてくれる人が現れた。交際後に結婚したいという話になったが、彼の娘(とはいえ彼の姉の子)には受け入れられず、結局、雫は家を出てしまい、独立したきり顔を見ることもない。拒否されたというだけではなく、事実上、自分が大人の都合で父親を奪い、未成年を家から追い出した、という体になってしまった(義父はそのことについて「雫の選択だから仕方がないじゃないか」というようなことを言っています)。そのうえ、雫は癌に罹り、ホスピスに入ってしまう。それも自分達夫婦には全く告げずに、です。 夫は雫が亡くなった次の日、無邪気に思い出話をしながら、雫の分の皿に鍋の具を盛りつけながらニコニコしている。でも早苗にとってはある種の呪いでしかないと思います。いつまでも解けることのない呪い。雫が癌にも罹らず、結婚でもして幸せな家庭を築きました、となれば早苗の肩の荷は下りたかもしれませんが、雫は自分のせいで父親を取り上げられ、ホスピスで死んだのです。その証拠に、(タヒチの回想で述べられていますが)雫はホスピスに父親が来た際には「子供みたいに」べったり甘えてずっと手を繋いでいたのです(早苗はその場面は見ていませんが、早苗がいたら恐らく雫は甘えることもままならず人生を終えたでしょう)。 この呑気な義父のことですから、毎年命日になったら楽し気に思い出を語って飲酒していくことでしょう。その度に早苗は誰に後ろ指さされるわけでもないのに、罪の意識に苦しむのです。自分が悪いわけではないのに、ずっと自責の念に苦しむ未来です。救いがない。 二人の娘、梢は自分から願ってホスピスにいる雫に会いに行きました。年の頃からしてまだ純粋で、まっすぐな心を持っている。ゆえに最後のシーンで故人となった雫が見えたのでしょう(恐らく両親には見えていなかったのではないかと私は思います)。 梢はまだ気づいていませんが、彼女もまた、母親と同じように雫から父親を取り上げた一人です。雫と仲良くできてよかったね、というお話になっていますが、梢は実子であるにも関わらず、故人である雫に父親の心の半分は奪われてしまっています。一回忌、三回忌……と節目ごとに父親は雫について語り、母親はその度に少し気まずい思いをし、梢はその板挟みになる運命なのです。故人であるだけに、思い出はどこまでも美化されていく。美しい思い出と「いい子」であった雫。かたや、今を生きる梢。義父は今後、雫と梢を比べることなく子育てができるでしょうか。 不憫ながら、暢気を装う家族。 私にはあの鍋シーンはそんな風に見えました。誰も本質を見ようとはしないし、笑いながら互いから目を背けている。不自然なほど明るく朗らかなシーンです。 主人公である雫にしてもそうです。「先生」というホスピスの住人が登場しますが、彼は一流の作曲家でした。奢りが過ぎて自分の過ちを認められず、他人のせいにしてしまうので、癌患者となってからは人が寄りつかなくなってしまいました。折角、妻が菓子を持ってホスピスにやってきても一喝して帰らせてしまう。素直になれない偉い人なんです。 雫はその人に対し、顔を合わせる前から見下していました。「ホスピスに入ってまで、自分を“先生”と呼んでほしいなんてかわいそう」と思っていましたし、先生がリクエストしたお菓子の出たおやつの時間では(モルヒネの陶酔の影響もあったかもしれませんが)、皆が離れていった、という先生の告白文に対し「それはあなたのせい」と断罪の言葉を吐いています。 察するに、雫は(自身の養育環境ゆえに)自他に対して「迷惑をかけてはならない」「自立できない人間はいけない」という呪いをかけていたのではないかと思います。加えて、本来はもともと性格がキツイ人間だったのでしょう。皆が自分のことで精一杯になるホスピスにあって、他人を断罪しているわけですから。 私が一番の違和感を持ったのは、雫のパーソナリティでした。恐らくもっと若い頃には自他に厳しかった性格が、癌患者となって「自分に優しく、他人に厳しく」へと変化していったのではないでしょうか。 「先生」が自分の過ちを最後に認められた時も、彼女は「ギリギリだけど、先生は生きているうちに自らの過ちに気づくことができた。そのことに、私は盛大な拍手を送りたかった」と考えています。 もう率直に言うと、私はこの考えが「めちゃくちゃ上から目線」だと感じました。何だったら同族嫌悪にあたるのか? と思うくらい。初めから最後まで、雫は始終「先生」に対して諭す側の立場を崩さないんですね。その割にほぼ接することはない。遠くから、上から見下ろしているだけ。 自分もかつては怒りに任せて人形を引き裂いた。その後、繕ってホスピスまで持ってきた。その人形を恐らく毎日眺めているだろうに、何それ? というのが私の感想でした。 恐らく雫も周りにいた八つ当たりの対象が「ぬいぐるみ」だっただけであって、人間が近くにいたら当たり散らしていたんじゃないかと思います。同じような存在なんです、自分も間に合ったというだけで。 しかし、雫の性格の歪みも、家族の不幸の渦のせいなのでしょう。義父の能天気な回想を見るに、たった二人だった家族が機能不全だった可能性は大です。そこから泥沼になる前に家族を脱してきた雫ですが、去っても留まっても、どちらにしても傷を負うものだったでしょう。その傷から来た行動なのかなと思いました。自分に優しくすることができなかったから、他人に優しくすることも雫にはできなかったんでしょう。 ふんわりしたいい物語だった、と捉えるのはおかしいことではなく、私はそう感じた人を否定する気はありません。ただ、私の中で起こったモヤモヤをどこかに置いておきたい、と考え、ここに書き綴ることにしました。 ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。 最後に一点。 あんまり触れられてないけど、 キスシーンいらない! 下ネタいらない! それから、主人公はクリスチャンなの? (三点になってしまった! ごめんなさい) 以上です。

    7
    投稿日: 2021.11.13
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    良かったです 余命わずかの主人公がライオンの家とゆうホスピスで過ごす素敵なお話 期待を裏切らないとゆうか、きっとこうなるんだろうなと分かってても面白かったな

    7
    投稿日: 2021.11.12
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    めっちゃよかった。 時間を大事にして生きないといけないなと思った。 ずっと読むか悩んでいたけどほんとに読んでよかった!さいごの六花と一緒にタヒチくんが手振るところめっちゃうるうるきた。 でもこの小説はきれいすぎて、私はもっと汚い話が好きだから、もういっかいよむことはもしかしたらないかも

    8
    投稿日: 2021.11.11
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    生きることは、誰かの光になること。 自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやって、お互いにお互いを照らし合っているのですね。

    3
    投稿日: 2021.11.10
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    余命が宣告されてから、葛藤を乗り越えて家族に何も言わずにホスピスで過ごすことを決めた雫は本当に強いと感じた。 また、ライオンの家の人たちがあまりにもみんな優しくてあたたかくて。 葡萄畑のタヒチくんも雫の気持ちを自然に受け入れてくれて素敵な人だった。 雫が優しく穏やかな人だからかな。

    16
    投稿日: 2021.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作品紹介なども見ず、ツバキ文具店のようなお話なのかなと手に取って、あっという間に読了。後半あたりから涙が止まらなくて嗚咽しながら読みました。 今年読んだ本の中で三本指に入るかも。 悲しい話だけど、悲観だけじゃない温かい気持ちも同時に流れ込んでくる不思議な本です。 人生はままならないもの、なるようにしかならないもの。そうやって自分の人生を丸ごと受け入れながら旅立っていけたら。 蛇足ですが、最後の妹の語りのくだりは個人的にいらなかったかなあと…

    4
    投稿日: 2021.11.08
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    小川糸さんの小説はやっぱりあまり好きになれないなと思った。 綺麗すぎる。 ファンタジーとしては良いのかもしれない。

    7
    投稿日: 2021.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生き方について考えせられる本。癌と診断され余命宣告された主人公は残りの生き方を自分なりに考え行動に移す。もし私が同じ立場だったら「どうせ死ぬし」とマイナスな気持ちになるだろう。「明日死ぬと思って生きろ」という謳い文句があるけれどそう思って生きている人は数少ない。でも、主人公のように自然、人、動物との出逢いを通して生きている実感を日常に取り入れたらもっと人生が豊かになるのではないかと考えた。

    3
    投稿日: 2021.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    audiobookで耳読了 感想はシンプルに「感動した!すごく良かった」 今年、聞いた本の中でも5本の指には入る作品。 主人公は、33歳の独身の女性「海野 雫」 余命を告げられたことで、瀬戸内海が見える「ライオンの家」というホスピスに入所する。 そこでの出会いや別れが描かれた内容の本。 ライオンの家では、週に1回「おやつの時間」があり入居者の思い出のエピソードとともに、思い出のおやつを皆でかみしめる時間がある。 登場人物にそれぞれの魅力があり、主人公 雫に同情ではない思いやりを注いでくれる。 私的には、泣けるシーンが3回あった。 ・抗がん剤治療を受けた果てに、余命宣告された時。 ・雫が家族と再会するシーン。 ・1日目の、雫を回想するシーン。 audiobookの声優さんがまた素晴らしい! 「人生はままならいもの」「人生はロウソクのようなもの・・・」など、人生の儚さを受け入れる深い言葉がいくつも出てくる。 感動したい人、人生に悩んでいる人にオススメの作品。

    6
    投稿日: 2021.11.07
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    瀬戸内海に浮かぶ小さな島、愛称レモン島にやってきた海野雫。30代女性の気ままな一人旅ではない。彼女は若くして病気を患い、自分の最期を過ごす場所として、ライオンの家というホスピスに入るためにやってきたのだ。 雫の複雑な家庭事情だったり、島で出会った人々のことだったりも描かれているけれど、人の死についてとても丁寧に描かれているのが何より印象に残った。

    3
    投稿日: 2021.11.07
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    すごく、すごく良かった。 悲しいのに、なんて優しくて温かいんだろう。 途中から涙が止まりませんでした…。 人生の最後を島のホスピス「ライオンの家」で迎えることにした雫。 ホスピスを運営するマドンナ。美味しいご飯を作ってくれる姉妹。ワイン作りをしているタヒチくん。いつも雫に寄り添う犬の六花。 みんなと過ごす時間は、穏やかで優しくて心が安らぐ。なかでも六花と過ごす時間は、特別に愛おしかった…。 「生」への向き合いかた。 「死」への向き合いかた。 一日、一日を大切に味わって生きること。 いろいろ考えてしまう。 雫の六花への溢れんばかりの愛情、もっと生きて世界のいろんな風景を見たかったという願い、人生最後のおやつと御褒美について。 読みながら何度も何度も感情を揺さぶられました。 切ないけど、温かい気持ちに満たされる素敵な作品でした♪

    9
    投稿日: 2021.11.03
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    号泣でした。 1日1日をしっかり生きる大切さを教えてくれました。 私はやっぱり、親目線で見てしまったな。 子どもが亡くなるのはホントに悲しい。 でも、こんなにも日々一生懸命に生きてくれたらいいかも。 そして、おじいちゃん、おばあちゃん、私が死ぬまで見守っててや。

    4
    投稿日: 2021.11.02
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    誰しもいつかは来るとき。 その時まで健やかな日々を送りたいなって思った。 「人生というのは、つくづく、一本のろうそくに似ていると思います。 ろうそく自身では自分で火をつけられないし、自ら火を消すこともできません。 一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。」ー本文よりー

    4
    投稿日: 2021.10.31
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    ホスピスで過ごす2ヶ月ほどの生活を描いた作品。 けれど、 まるで何年も過ごしているような厚みがあり、 また終末医療を扱いながらも 終始爽やかさを失わないタッチは見事でした。 主人公が死を近く感じ始める最後の1週間ほどは まるで自分も同体験しているようで 切なくなりましたが、 それもこの作品の魅力なのかな、と思います

    9
    投稿日: 2021.10.29
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    211026*読了 動画でも紹介した小説。 生きるということと、死を迎えるということを考えさせられました。 余命があとわずかと知っている人の心境と、死に向かっていく時の状態が子細に描かれていて…怖いような、でも大切なことだから目を背けてはいけない気持ちが入り混じり、読みながら感情が波打ちました。 瀬戸内の島に植わっているたくさんのレモン、海辺の夕日、頬に当たる風。 美しい情景の中にひそむ寂しさ…。 「ライオンの家」で出される毎週末のおやつはおいしそうだけれど、毎回エピソードに胸が締めつけられる。 わたしが死の床で思い出すおやつはなんだろう…。 読み終えて何週間かたった今でも心に残っている場面の多い小説です。

    3
    投稿日: 2021.10.26
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    テーマからして、感情を揺さぶる内容になるのでは、と予測していたが、かえって身構えてしまい、物語との距離が縮まらないまま終わってしまった。

    2
    投稿日: 2021.10.25
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    死を間近に感じたら、と考えさせられる作品。生きているからできること。死を間近に感じるから見えること、分かること。今の大切さ、今をしっかりと生きたい。

    142
    投稿日: 2021.10.24
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    QOLとQOD。もし私が人生を悲観して、生きることにきつくなったらまたこの本に戻ってこよう。 それか、頑張って生きすぎてるときも良いなぁ。 ありのままと変わるチャンス。ほっこり優しい本でした。

    3
    投稿日: 2021.10.22
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    泣かせにくることがわかっている作品はあまり好きではないが、この作品は本当によかった。温かい気持ちにしてくれた。今を大切に生きて、自分も人生の最後を大往生したいと思う。自分の思い出のおやつはなんだろうな。

    4
    投稿日: 2021.10.21
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    導入のマドンナさんからのお手紙 グッと入り込める安心で丁寧な文面。 若くして末期の病になり、身寄りもない、 彼女がホスピスで残されたひと時を どうやって心穏やかに過ごせるのか 自分ごとのように気になって一気に読み進めてしまう。 始終、自分だったら、、と想像しながら 読むものだから感傷的になってしまう。 私が死ぬときは、夫に”ちゃんと迎えに来てねー”と 心の中で願える関係でありたい。(なぜか夫が先にいく設定w) 川の流れに身を任せ、時がくるまで、一人きりでも孤独ではなく 心穏やかに過ごせる人生最後がいいな。 読む前に患っていた、他人と比べて無いものねだりの 不安な気持ちがスッと晴れた。 ☆1つマイナスなのは、たまに出てくる下ネタが ちょっと浮いた感じが違和感だった

    5
    投稿日: 2021.10.17
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    2021.10.16 すいすいと読めた。 雫が意識朦朧と動けなくなってくるあたりから大号泣しながら読みました。こんなに泣いたの久しぶり。 登場人物、みんなどこかちょっと変だけど温かくて優しい。 父の死期が近づいているので、「死」について色々考えさせられました。 父もこういうところで最期を過ごせたらな…そして私もライオンの家で死にたいと考えずにはいられなかった。 瀬戸内海の海と島が大好きなので、うらやましい。 この小説に出会えて良かったなーと思いました。 自分の最期に食べたい思い出深いおやつってなんだろう…今から考えておこうかな。

    4
    投稿日: 2021.10.16
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    景色や食べ物などの描写がとても綺麗で、物語自体も美しい。 私自身まだ若く健康で、雫の立場として考えることは難しかった。 もう少し歳をとったり、死を身近に感じる出来事があれば、受け取り方が全然違ってくると思われる作品。

    2
    投稿日: 2021.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「人生というのは、つくづく、一本のろうそくに似ていると思います。 ろうそく自身は自分で火をつけられないし、自ら火を消すこともできません。一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。時には、あなたの生みのご両親のように、大きな力が作用していきなり火が消されてしまうことも、あるでしょう。 生きることは、誰かの光になること。 自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやってお互いにお互いを照らし合っているのですね。きっと、あなたとあなたを育ててくださったお父様も、そうやって生きてこられたのだと思います。」 何か所もこうした抜粋をメモに残したけれど、バッハの無伴奏チェロという曲もまた、しばらく聴き続けることになりそう。 何か特別なことを成し遂げた人を描いているものではないのに、涙が止まらないほどの感動を覚えながら読み終えました。瀬戸内のあるホスピスに入所した30代の女性の1か月間の亡くなるまでの等身大の姿を描いたもの。

    3
    投稿日: 2021.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず、こういった作品を必要としている人は確実にいるはずだし、だから本屋大賞にもノミネートされるわけですけど、自分には必要が「まだ」ない世界だなと思いました。作中で、主人公も言っていましたが、悲しい話や不倫が出てくる話はうんざり……って人にはオススメなんじゃないでしょうか。優しくて泣ける世界が好き!って人です。 映画のよくある宣伝で、あなたは必ず涙するーー感動の一作!ってCMされるような作品です。 いつかは、自分も、そういう話しか受け付けなくなることがあるかもしれないと思ったので、「まだ」としました。 映画に例えましたが、そう、映像作品や演劇の方が映える作品だと思います。なぜなら数ある登場人物のバックボーンを誰かしらが必ず言ってくれるからです。細かい情景、人物の仕草を描写することで、読み取らせようとはしません。包み隠さず説明します。でも、そのこと自体は悪いことじゃないと思います。マドンナの語りと共に、少し古ぼけた人生の節目節目のカットを挟めば、絶対いい感じのフィルムになると思います。 作品としてはどうだったか。 まず、それこそおやつのように甘々な世界観、登場人物達は、それこそ必要な人達には染み渡るでしょうから、別によし。後半の、天国に行った人達との邂逅も、優しい優しい世界観だとしてよしとして。 ……キスシーンに必然性はあったのでしょうか。そこも、まあまあまあよしとして。 『先生』に対してのアタリがキツ過ぎる面が、少々違和感かな。主人公だって、やぶれかぶれになってしまった時があったじゃないですか。怒ったり、嗜めたりするのはいいんです。でも、あからさまに、描写として見下しているんですよね。 人が離れたのは自分のせい、奥さんに対しても誠実ではとてもなかった。おっしゃる通りですよ?でも、もう反省している手紙の途中で口を挟んだり、説教したりするほどの人間なのかな、主人公は。 『先生』を通して、自身の至らないところに怒りを感じているのかとも考えたけど、そうとも思えなかったので、ここは共感できなかった。 総じて、主人公に優しく甘くおやつのような世界を堪能したい人には、オススメだと思います。

    4
    投稿日: 2021.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は人生の旅立ちをどの様に迎えるのだろうか。 33歳の若さで余命宣告を受け、『ライオンの家』というホスピスで人生最後の日々を過ごす海野雫と、1年半前に45歳で旅立った私の妹を重ね合わせて読みました。 「なんでも受け入れて、好きになる必要なんてない。もっとわがままになっていいのだ。好きなものは、好き。嫌いなものは、嫌い。最後くらい、心の枷を外しなさいと、神さまは私に優しく口づけしながら、そうおっしゃっている」 「体の痛みと心の痛み、両方を取り除かなければ幸せな最期は訪れない。ホスピスは、体と心、両方の痛みを和らげるお手伝いをしてくれる場所だった」 「私の目標は、じゃあね、と手を振りながら明るく死ぬことだ。朗らかに元気よく、笑顔でこの世界から旅立つことだ。そのための準備を、今、ライオンの家でしている」 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」 心に残るフレーズが沢山ありました。旅立ちの準備が整うにつれて、雫の気持ちから毒が消え、感謝の気持ちが沸き起こってきます。『死に方』そして『生き方』について考えさせられた一冊でした。ライオンの家では毎週日曜日に開かれるお茶会で、もう一度食べたい思い出のおやつをリクエストすることができます。人生の最後に妹はどんなおやつをリクエストしただろうか。読書家の妹にもこの本を読ませてあげたかった。そして感想を共に語り合いたかったな…。

    4
    投稿日: 2021.10.08
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    雫のホスピスで過ごした2ヶ月がとても美しい描写で書かれていた。死について考えさせられる部分もたくさんあった。綺麗で前向きな文章に最後は泣いたけれど、ほっこり温かい気持ちになった!

    5
    投稿日: 2021.10.07
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    自分が病気になって最期のそのときがきたら…とやはり考えてしまう。 誰にも迷惑かけたくないし、弱っていく自分も見せたくはないと。。思う。 それぞれの最期…感慨深いものがあった。 とても胸に深く深く沁み入る話。 私が生まれ育ったところが、海に近い香川県の田舎町なのでより一層の熱い感動を覚えた。

    28
    投稿日: 2021.10.07
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    雫のようになりたいとふと思ってしまうような本でした。病気を患って雫は自由になったと思います。 いやいや、まだ生きている、今日が私の最後の日かもしれないと思ってこれからを生きようと思いました。人間関係の複雑さ、将来への不安、生きていれば日々楽しいことばかりではないけれど、そんなもの本当はどうでも良いことで、自分本位にいまを生きればいいのだと教えてもらいました。 「不安は妄想です」というマドンナの言葉が好きです。

    2
    投稿日: 2021.10.07
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    生きることや肉体があることがどれだけ当たり前じゃなく感謝なのかがわかる本。感謝は日常にあるのだなと考えさせられた一冊

    2
    投稿日: 2021.10.06
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    今の私と出会うべくして出会った本。 頸がん検診再検査になり、細胞の病理検査待ちの今、再検査が発覚する前にたまたま貸してもらった本の1冊。 わたしはまだガンでは無いけど、万が一ガンだったらどうしようと考えてしまう中、生きることの大切さ、生きてることの素晴らしさを改めて実感出来る本だった。私はとても恵まれた環境にいて、幸せなんだと、周りの人によって生かされているんだと改めて両親に感謝したいと思った。

    3
    投稿日: 2021.10.03
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    何ごとも許したり受け入れたりって難しい 特に自分の死に直面したら、きっとそうしたら自分も周りも苦しいだけだと思ってもジタバタしてしまうんだろうなって思う 父がいた緩和ケア病棟を思い出した 家族も参加できるコーヒータイム 雫さんみたいな自然に囲まれた場所ではない都会の病院のワンフロアではあるけれど、緑のある屋上でゆったり過ごすこともできた 残念ながら、その時間は多くはなかったけれど 雫さんがここでレモン島のライオンの家で過ごした1か月 心の揺れがたくさんあった 一度悟れば心穏やかな凪が続くわけではないのは真実だと思う 自分が受入れて、そんな自分をまた受入れてもらっているという感覚 ライオンの家を選んだ雫さんは幸せな時を過ごせたのだと思う

    6
    投稿日: 2021.10.02
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    自分の最期はどう過ごしたいか思わず考えてしまう一冊だった 余命宣告を受け死を受け入れるしかできなくなったゲストたち 自由になんでもして良い反面、止められない死がすぐそこまで迫ってきているという状況がなんとも言えない 自分の思い出に残っているおやつはなんだろう

    2
    投稿日: 2021.10.02
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    もっとガツンとなにかあると期待しすぎていた。 けれど、命について考える良い時間だった。 食べ物の表現が美味しそうだった。

    1
    投稿日: 2021.10.02
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    ホスピスでのお話。 簡単に言ってしまうと、人が自分の死を受け入れて、死へと旅立つお話。 号泣せずには読めない本だったけれど、読み終わっあとは不思議なことに清々しい気持ちに包まれる。 ライオンの家のような場所で最期を迎えられたら幸せだなぁと思う。

    5
    投稿日: 2021.10.01
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    素敵な物語でした。 あたたかくてやさしい。 人生の最後はこのようであって欲しい、願いのような物語。 綺麗な海と島にある素敵な家で、最後の時間を丁寧に守ってくれる人たちに囲まれて人生を終える。美味しいものを食べて、ゆっくり休んで、自分の人生と向き合って、最後まで生ききる。最後に残った人生の醍醐味を味わう。 そんな時間を、わたしの逝ってしまった大切な人たちに過ごさせてあげたかったです。 マドンナをはじめとする登場人物たち、日曜日のおやつをはじめとする食べ物、素直な主人公、大切なペットや思い切って買うワンピース、ライオンの家という名前など、出てくるものすべてが愛おしくてたまらなかったです。

    1
    投稿日: 2021.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくありきたりな感想かと思うけど、 自分が今生きていること、幸せなことや悲しいことを感じられることがどれだけ幸せなことか、改めて感じた。 ◯印象に残っているセリフ 今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。 おやつがあることで、人生が豊かになるのは事実です。 おやつは、心の栄養、人生へのご褒美だと思っています。

    2
    投稿日: 2021.09.28
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    主人公は私の一つ上で、感情移入してしまいました。 涙を我慢しながら読み進めましたが、後半は終始ボロボロ泣きながら読み終えました。 シスターに、アワトリスさん、シマさん、そしてマドンナさん。先生からも学ぶものがありました。本の中ですが出逢えてよかったと思える素敵な方たちでした。 自粛期間から読書をはじめました。読書初心者ですが、今一番の本です。素敵な本に出逢えて読書の良さをさらに感じることができました。 大切な人にプレゼントしたい本です。 また読み返したいです。

    28
    投稿日: 2021.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    同い年というだけで、序盤から主人公に感情移入してしまい、終始ボロボロ泣きながら読んだ。 特に好きなシーンは、お父さんと妹がホスピスに会いに来てくれるところと、最後のタヒチ君の回想で葡萄畑での雫とお父さんの様子。 好きなフレーズ 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう。」 「すべては、私の人生の結果。生きてきた時間の結晶が、今だ。 だから、私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの?」

    3
    投稿日: 2021.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくよかった。 今年1良かった。心に響いた。 "死"と真正面から向き合っている話なのに すごく悲しいというわけではなかった。 きっと悲しいとか怖いとか そういうところを通り越して受け入れている人達の話だからなのかな。 主人公が死んじゃう話ってあんまりない気がして どこかで奇跡が起きるのかな?とか思ったけど 全然違った。 だんだん弱っていく雫の死へのカウントダウンのスピード感がはやすぎて 後半は涙が止まらなかった。ここは悲しかった。 死に対する負のイメージが 少し和らぐ作品な気がする。 色々な心境の人に読んでもらいたいなあ。 内容も素敵だけど 登場人物の人間性の良さが素晴らしかった。

    4
    投稿日: 2021.09.24
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    前半〜中盤にかけてが好きだった。ホスピス、良いなと素直に思うようになる作品だと思う。現実のホスピスがどこまで似ているか分からないけれど。 ホスピスだから当たり前だけど、人が亡くなる際のエピソードはやはり人それぞれあり、どれもその人の人生なんだなというか、それに寄り添っている感じが良かった。 毎朝のお粥を楽しみにしている感じとか、おかしの時間があるからなんとか曜日感覚を保つとかリアルな感じがした。やはりどんなに死が差し迫っていても、食への興味や人に恋する事や動物を愛する事は尽きないよな、なんて改めて考えさせられる。 後半から終わりはまとめている感じかあったかな?個人的には父娘エピソードはそこまで〜だったかな。 作者はありのままに生きる感じが好きなテーマなのかな。助産院も通じるところがある気がする。

    3
    投稿日: 2021.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    余命幾日かの主人公 ホスピスで生涯を終えようとする話。 登場人物が、言葉が暖かい。 私自身も最後の時は安らかに追われればいいと思った。

    2
    投稿日: 2021.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★特長 末期癌を宣告された33歳の女性が、ホスピスに入所されてから亡くなるまでの貴重な数々の体験と、その後までが描かれている。 ★魅力 誰もがいつかは向き合わなければならない「自らの死」について「疑似体験」させてくれる。 ★感想 後半、「六花」が太ったと勘違いするくらい、体力が衰えるなど、次々と体の衰えを感じるくらいから、ずっと泣きながら読んでいた。 最後は産んでくれた父母に感謝でき、育てのお父さんと妹さんに会えて、本当に良かった。 「死」の直前の雫さんの「感謝」の感覚は、 私がマラソンで「自分の限界」を超えた時に、 湧き上がった感覚とよく似ていた。 不思議なことに、すごくピュアになり、全てのことに「感謝」出来た。 ずっと主人公である雫さんの語りで物語が進んできたのに、 急に妹さんの語りに変わり、雫さんの「死」を知って、また一段とショックを受けた。 しかし、その後のお父さん、妹さん、早苗さん一家の雫さんを大事に思うシーンは、とっても幸せな気分になれました。 最近読んだ「三木大雲和尚の怪談説法」に書かれていた亡くなった人と生きている人の関わりと、話が一致していた。 優しい気持ちになれる気がした。 ★オススメの人 自らの「死」について考えたことのある方、無い方。 ピュアになりたい方。 心の洗濯をしたい方。 優しくなりたい方。

    6
    投稿日: 2021.09.16
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    ① この本を選んだ理由 2019年発売の人気作品。図書館で予約してたのが回ってきたので、いっきに読みました。 ②あらすじ  余命わずかの主人公雫。 人生の最後はライオンの家という名前のホスピスで過ごすことを決め、そこで過ごす日々の物語。 ③感想 人が死ぬのがわかっている話は、ずるいな、と感じてしまう。逃れようのない結末に向かって進んでいく姿をみていると、今を大切にしなければいけないと、しみじみと感じてしまう。悲しいけど、心温まる作品だと思います。 ④心に残ったこと 今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。 計画が大切とか、目標をもってとか、日々意識しているけど、、、ケータイと繋がり続けてるだけでなく、、、もっと、目の前のものを大切にしたい。 ⑤登場人物     海野雫 うみのしずく 33歳 お父さん 梢ちゃん 早苗さん マドンナ 狩野シマ、舞姉妹 かの 粟島洲友彦 タケオ 田陽地 タヒチ マスター シスター カモメちゃん 先生 シンちゃん もも太郎 ももちゃん 鈴木夏子 六花 ⑥その他 QOL 生活の質 Quality of Life QOD 死に方の質 Quality of Death

    28
    投稿日: 2021.09.13
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    瀬戸内の島のホスピスで療養する女性の話。毎回読み終わった後に、ネットでほかの人の感想を見ることが楽しみでもあるのだが、その中で余命宣告は死ぬ時期がわかってうらやましい、という感想があった。私は、死ぬまでのカウントダウンのように思う。じりじり命が削れていく感覚だ。その中でも、主人公は最後まで強く生きていた。私はその立場になったとしたら、そうなれるのだろうか。

    1
    投稿日: 2021.09.13
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    小川糸さんの作品、言葉の使い方が絶妙で心癒されました。 主人公の雫さんがホスピス・ライオンの家に入所してから命を引き取るまでの一ヶ月余りの感動のお話でした。 乳癌で病院の緩和ケアのお世話になった母の最期を思い出して涙が止まりませんでした。

    2
    投稿日: 2021.09.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【感想ではありません。メモした言葉をそのまま残しています】 「適切な言葉」は見つからないことのほうが多い。見つからないときは、ありきたりの言葉でいいんだ。 このイイダコが、瀬戸内の海を気持ちよさそうに漂っている姿を想像しながら、タコの味を噛み締めた。 百ちゃんと会う前の自分は、まだ人生が続いているのに、死ぬことばかり考えていた。これが死を受け入れることだと思っていた。でも百ちゃんが教えてくれたのだ。死を受け入れるということは、生きたい、もっともっと長生きしたいという気持ちも正直に認めることなんだって。なるようにしか、ならない。百ちゃんの人生も、私の人生も。 「受け入れる」ということは、何かに目をそらしたり、見えてないふりをすることとは違う。 「ありのままでいる」というのは、自分の全てを受け入れることなのだ。 死を受け入れるということは、自分が死にたくないという感情も含めて正直に認めることだった。 何かが救われた瞬間 相手と和解するのではない。相手に対する自分の感情と和解するんだ。 空は珍しく灰色だった。けれど、心がざわざわする灰色ではない。 なんていうか、明日には世界が明るく晴れ渡ることを知っている灰色だ。 すべては私の人生の結果。生きてきた人生の結果が今だ。だから私が私の人生を祝福しなくて、だれが祝福するの。 p208 もしも私が昨日死んでいたら、こうして父や梢ちゃんと会う機会もなかったのだ。そう思うと改めてこの体にまだ命というものが宿っていることに感謝した。吹けば消えるかすかな命でも、命があるからこそ、今日がある。だからもっと生きたい、死にたくないと願うことは、決して間違いではなかったのだ。 人は死の直前まで変わるチャンスがある。自分の人生を最後まであきらめずに変えようと努力すること、そのことに大きな意味がある。 p214 誰もが自分の蒔いた種を育てて、刈り取ってそれを収穫します。 p228 でも、言えなかった。どうしてかは自分でもわからなかったけど、人生には、何度もおかわりしていいことと、そうでないことがあるんだということがわかったのだ。雫お姉ちゃんに会うことは、そうではないことに分類される方だった。一度おかわりしてしまったら、際限がなくなってしまう。 P238 そんな時、人はどう行動するのが正しいのか学校では教えてくれない。 父の立場、母の立場、それぞれ違う。違う景色が見えている。 誰も悪いことをしていない。誰かを傷つけようとも思っていない。 私が雫姉ちゃんの立場だったら、どうしただろう、それでも父と母の幸せを望めただろうか。 P247 きっとそういうことなんだ。そういうこと、をうまく言葉で説明できないけど。 P249 生きることは誰かの光になること。自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。 そうやってお互いにお互いを照らし合っている。 必要のないものかもしれませんが、それがあることで、人生が豊かになることは事実です。 それは心の栄養、人生のご褒美だと思います。 比べずに、すべての人の人生を肯定する それにしても、朝のお粥が楽しみで長生きしてしまうっていうのは、私にもわかる気がした。ライオンの家には、色んな所に人参がぶらさがつている。ここには、ささやかな希望がたくさん散りばめられている。

    2
    投稿日: 2021.09.12
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    3.5死ぬことが、少し怖くなくなる本。お話。死ぬことが、体から解き放たれことなら素敵なことだと思える。

    1
    投稿日: 2021.09.11
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    死をテーマにした本であるものの、そこまで重い感じではなく読めました。 心情が伝わってくるような模写で、話に没頭出来ました。 素晴らしい本をありがとうございます。

    3
    投稿日: 2021.09.09
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    小川糸さんの作品が昔から好きで、この本も面白そうだなという軽い気持ちで読み始めました。 命の大切さがわかる一冊だと感じました。 いつ、誰が「死」に直面するか分からない、、 自分が生きたいように、好きな人と過ごせるトキを一生懸命に生きようと思う。

    2
    投稿日: 2021.09.08
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    親類関係と末期患者との関係性を描く作品は多くあれど、末期患者が暮らすホスピタリティを患者目線で描く作品はあまりなく、言い方はあまりよくないかもしれないが、とても新鮮だった。 人生の終わりを迎える際にまた読んでみたい。死への恐怖が和らぐ不思議な作品。

    111
    投稿日: 2021.09.07
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    僕の嫌いな「セリフ内に改行ある頁数稼ぎ空白多すぎ」系でしたが、とても優しい気持ちになれる作品でした。 むしろそのスカスカ感が絵本みたいで心地良かったのかも。(言い方) 世の中を倦んでる僕の心に小さな波紋と灯火を与えてくれた良作です。

    2
    投稿日: 2021.09.06
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    ドラマを見た後読了。すでに内容が分かっていたのと内容が一部相違していたため、少々困惑。順番が逆だったら楽しめたと思う。

    2
    投稿日: 2021.09.05
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    優しい死について考えた。 幸せな死に方ってなんなんだろう。 まだ私には他人事に思える節があって、 死が近づいてきたらまた読みたいと思った。

    2
    投稿日: 2021.09.04
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    何度も読み返したい本。 毎日を大切にすごしたい。そう思わせてくれる。 自分の人生と重ね合わせるところが多々あった。 娘にも読ませたい。二人で泣きながら感想を言い合えるように思える。

    12
    投稿日: 2021.09.03
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    先にドラマ観てから本を読む。ホスピスがみんなこんなに優しい所だったら、穏やかに逝けるのかなあ。癌は最期が本当に辛いから。それにしても人を看取り続けるのってものすごくしんどそうだけど、ここのスタッフの人たちはどうメンタルのバランス取ってるんだろ。

    2
    投稿日: 2021.08.30
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    たくさんのご飯やおやつが出てくるのですが、そのどれもがとっても美味しそう。日々感じますが、食欲って生きるエネルギーになる。朝ごはんに大好きなものを用意しておくと、早く寝よう!ゆっくり朝ごはんを食べよう!明日が楽しみーと本当に単純に、眠りにつけるように。どんなに悲しくつらいことがあってもお腹は空くように。本編では馬の目の前にニンジンをぶら下げるといった表現が出てきましたが、まさにそう。食べたい!って思えるって健康で元気な証だなぁって思います。 この本を読んで坂本真綾さんのループという曲を思い出す。生と死は対極ではなく隣り合わせ。こちらからは出口でも向こうから見れば入り口。ぐるぐると姿を変えて、回っているだけ。始まりも終わりもない。マドンナの生死論。なるほどなぁ。 個人的にすごく温かい物語だからこそほんの少しの下ネタに引いてしまう。えっ…みたいな。スパイスなのか? 生きることは、誰かの光になること。お互いにお互いを照らし合うこと。わたしも、誰かの光になっているのかな。そうだったら嬉しい。

    1
    投稿日: 2021.08.29
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    テレビドラマを1話観て良かったので、原作読んでみました。 なんだろう、読み終わって、じわじわと心に沁みる作品でした。 図書館で借りて読んだのですが、返却期限まで何回も読み返してしまいました。これは購入して手元に置いておきたいです。

    2
    投稿日: 2021.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こちらから見れば出口でも、 あちら側から見れば入り口 エントロピー増大に逆らうように、つかの間、人間の心身を現状維持しているにすぎず、死は一つの心身が無になるが、まったく異なる素粒子として世界の一部として存在し続ける。的なニヒリズムに陥る人間が多い世の中で、思いっきり生に向き合う、遺された人が故人を引きずる、ヒューマニズムを再確認した。

    2
    投稿日: 2021.08.27
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    ドラマを一話だけ見て気になって図書館で借りた。 泣いちゃった。 この作者の他の著書も読みたいと思った

    2
    投稿日: 2021.08.26
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    何度も泣いた 食べものは記憶を呼び起こす 生きるってなんだろう 死ぬってなんだろう いま自分は一生懸命に生きているだろうか 大切な人とおいしい食事をたくさんしたいな

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    投稿日: 2021.08.25
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    ずっと泣きながら読了 悲愴感ではなく、前向きな人生のおわりをとても美しいと思った。 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」シスターの言葉 毎日、ちゃんと生きていこう

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    投稿日: 2021.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雫が最期を過ごす土地として選んだ瀬戸内のレモン島。海がとても綺麗でホスピスからの眺めも絶景。ただ雫はもう心のどこかで何かを諦めていた。病気になり、必要な身の回りのものだけを持ちライオンの家へ。そこで待っていたのは聖母のようなマドンナと暖かいライオンの家のスタッフ、雫と同じホスピスで過ごすゲストと呼ばれる患者たち。ライオンの家特有のおやつの時間。そこにはゲスト一人一人の想いがあった。そして雫が選んだおやつは・・・。

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    投稿日: 2021.08.24
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    ”泣ける本”という前情報のみで読み始めたら、終末期医療の話だという。 うわぁ。そっちかぁ。ということは、主人公は最後多分亡くなるんだろうなぁ……と思いつつ読み進める。 でも、主人公のキャラ特性故か、全然辛そうじゃなくて、穏やか。文章もやさしい。描写がとても丁寧で素敵。 ところどころの描写で体調は確実に悪化しているんだけど、でも苦しい感じはしない。 ラストもとてもいい。三人の視点で描かれる世界がとても鮮やか。主人公の最期のセリフもとてもいい。 こんな最期を迎えたいと思わせてくれた本。最期はライオンの家で私も過ごしたい。

    3
    投稿日: 2021.08.23
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    瀬戸内海を訪ねたとき、その穏やかな美しさに感動し、ここに住みたいと憧れた。心安らかに暮らせる気がした。 現実はそんな甘くないよの気持ちを隅に追いやり妄想だけが膨らむほど、優しい光に包まれていた。 本書の舞台の瀬戸内海レモン島の『ライオンの家』は、そんな穏やかな優しさそのもの。 ホスピスの現実はそんなに甘くはないだろう、けれどあえて穏やかさに包んだ描き方をしている。 最期は誰にも分からないけど、怖くないよと囁いてくれた。

    24
    投稿日: 2021.08.23
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    生きるとは何なのかを改めて考えられる作品だった。久しぶりに小説を読んだが、読んで良かったと思う。やはり、生きてるってすごいことなんだと、気付かされた。日々、感じることすべてに感謝をして生きていきたい。

    2
    投稿日: 2021.08.23
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    優しい気持ちになれる。若くして癌を患い余命宣告された主人公が、限られた残りの人生を穏やかに、自分らしく生きる。少しも不幸な感じはせず、羨ましくも感じてしまう、充実したライオンの家での暮らし。私もこんな穏やかな最期を迎えたいと思った。

    2
    投稿日: 2021.08.22
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    久しぶりに泣いたなぁ。 還暦も近い歳になると時々、自分はどんな風に死ぬのだろうと、少し気になったり、不安になったり、心細くなったりするのだけれど、こんな風に死ねたら満点だなと、そんな風なことを考えた。 また、この歳になると、あまりパッとしない人生だったな、などと昔を振り返って思うこともしばしばある。何か特別いい事なんてあったけ、と歩いてきた道を遠くまで振り返って見ても、特に何も見当たらない。そして、そんな道をもうしばらくは歩き続けなければならないんだなぁ、と考える。あまり気分は上がらない。 この本は余命を宣告された主人公が瀬戸内海の小さな島に渡り、そこにあるホスピスで死ぬまでの数か月が描かれる。いかに死ぬかというお話しではあるけれども、それは実は、いかに生きるか(いつか来るお迎えの日まで)、というお話しでもある。 あまりパッとしない毎日かもしれないけれど、丁寧に、身の回りのものや人を大切に、そして何より彼らとの思い出を大切に生きることが幸せなことなのだよと、優しく語ってくれます。それでいいじゃないか。そう思えるよう、精進しようと思います(笑)。

    3
    投稿日: 2021.08.22
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    主人公が感じる六花の寝顔を見てあふれる愛情が、自分の子どもたちの寝顔を見て感じる想いと同じだった。 死は怖いけど、こんなふうに夢と現実を行ったり来たりしながら逝けたらいいなぁと思った。

    4
    投稿日: 2021.08.22
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    2019年本屋大賞第2位ということでメディアで紹介されており気になって手に取りました。人生の最期の時をどう過ごすか…改めて大切さに気付きました。

    1
    投稿日: 2021.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容を知らずに軽い気持ちで読んだら、生き方(の終わり)について考えさせられた。 最後の場所を自分で選べるのは幸せなことだと思った。 私もライオンの家がいい。 おやつ、食べさせてあげたかったな…

    3
    投稿日: 2021.08.20
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    人生の最期を迎えた時自分ならどうするんだろうか? 死を受け入れられるだろうか? 考えさせられる内容でした。 身体の事を気にせず生きていける事は素晴らしい事で、今を大切に生きていきたいと思う。今年肉親が亡くなったので特に考え悩みました。感動しました。

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    投稿日: 2021.08.19
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    2019本屋大賞第2位NHKBSでドラマ放映中。 若くガン余命を宣告された主人公はレモン島のホスピスでの終活をこのホスピスでは毎週1度リクエスに応じ 選ばれるとそのお菓子を提供してくれる。冬から早春の穏やかで美しい瀬戸内海そこで暮らす人たちとの交流がとても優しい物語。

    2
    投稿日: 2021.08.16
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    瀬戸内海のレモン島にあるホスピス まだ30代の海野雫が 最期の場所として選んだ場所 ライオンの家 いろんな事情、過去をかかえて 来た人たち、 そこに関わる人たち。 死へ向かっていく心情のうごきに こちらの感情も動かされる。 全てを包み込んでくれる ライオンの家の空気感がとてもいい。 週に一度のリクエストおやつタイム その人の一生が垣間見れる 優しい甘さと歩んできた道は 最期の素敵な時間、大事な時間となって 印象的な場面となっている。 自分の最後はどんなだろうなぁ。 その時そばにいてくれるのはだれなのかな。 それまでの大事な時間を大切にすごそう。

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    投稿日: 2021.08.16
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    おやつは生きていくために必ず必要とはいえない。ましてや食費を削るために真っ先に省かれるものだと思う。だけどそのおやつでこんなに人生は豊かになる。自分にとって思い出のおやつは何だろう…。「死」という難しいテーマだが、前向きな気持ちにさせてくれる。

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    投稿日: 2021.08.15
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    いろいろ切なくて、でも高いQODだったのでしょう。でも叔父さんとの関係がいまいち感情移入できず、10数年ほっといて、最期もあっさり過ぎで、リアリティを感じません。

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    投稿日: 2021.08.15
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