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ライオンのおやつ
ライオンのおやつ
小川糸、くのまり/ポプラ社
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総合評価

1352件)
4.3
618
506
148
21
4
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    ライオンのおやつ(小川糸) 本屋大賞ノミネート本6冊目で社員もノミネート予想していた作品です。タイトルは瀬戸内海のレモン島にあるホスピス「ライオンの家」で出されるおやつのことです(レモン島、ホスピスで検索しちゃいました)。 2年前、1カ月半ホスピスに入っていた妻の心境を思って通常の精神では読めなかったです。ホスピスに入って一時元気になる妻の姿を見て、退院してからの旅行の計画もあったくらいですが、医者もプロです、そんな夢のような事は起きなかったです。濃厚な1カ月半だっただけど、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔ばかり、あのホスピスの1カ月半はどんな気持ちだったのだろう。そばにいる人間でも本人の内側は分からないもの。 主人公・雫は前半の身体の調子がいい時には出かけて最高の笑顔を得るのだけど、次第に身体が言う事を聞かなくなり動けなくなっていくにつれ、心は研ぎ澄まされたようになっていき、様々なことが走馬灯にように浮かんでいく。もしかしたら、こんな気持ちだったのだろうか、と、本当にしみじみした気分で一気読みでした。 誰もが一度は死ぬ、不慮の事故であっという間に亡くなる人もいれば、死を宣告されて、残された時間をどう過ごすか悩む人もいる、、どれがいいのかわからないけど、ときどきこうした本に出合って、今、「生かされていることに感謝する」ことが「ライオンのおやつ」かもしれないです。

    3
    投稿日: 2020.01.28
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    小川さんの本って優しいよね。 いつも心洗われる感じ。 命って生かされてるんだなって。生きてるんじゃなく生かされてる。 そりゃ自分も頑張って生きてる事には違いはないけど、 いろんな事柄が組み合わさって生かされてるんだ。 死ぬ事も怖い。本文を読んでると本当に自分自身も怖く悲しくなった。 でもどうにもできない、受け入れないと。 雫さんは素晴らしい最後をむかえられた。

    33
    投稿日: 2020.01.27
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    「自分の余命を知ることができるから癌で死ぬのは悪くない』・・・という説がある。 本当にそうなのか? 自分の命がもうすぐ終わってしまう。 大好きな人と一緒にいられなくなる。 そんなことを考えたら怖くて悲しくてたまらなくなってしまうのではないだろうか。 この物語の舞台は瀬戸内海に浮かぶ小さな島のホスピスだ。 まだ若い主人公の雫がそこで過ごした短いけれど濃密な日々は、 私のそんな疑問に十分すぎるくらいの答えを与えてくれるものだった。 私が死を迎えるその瞬間、何を見て何を思うのだろう。 何を後悔し何を美しいと感じるのだろう。 今の私は死ぬことを怖いと思わないでいられる。 いつかその瞬間を迎える時まで、私はきっとこの物語を何度も何度も読み返すことだろう。

    5
    投稿日: 2020.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の最期の迎え方について思いを巡らさずにはいられない。 人生100年時代と言われる昨今、だからと言って皆がそうなるとは限らない。 突然医師から余命宣告をされ、慌てて自分に残された僅かな時間の過ごし方について決断しなくてはならないこともあり得るのだから。 余命宣告をされた33歳の雫は最期の時を過ごすため、瀬戸内の島のホスピス「ライオンの家」を訪れる。 糸さん、ずるいなー。 これ読んだら泣くに決まっているじゃないか。 雫の最期の迎え方が羨ましいに決まっているじゃないか。 嫌な人が一人も出て来ないし、全員が見事な位に優しい。 温かく心地好いエピソードのオンパレード。 糸さんの"罠"にまんまと嵌められた私は、予想通り何度も泣いた。 けれどそれは辛く悲しい涙ではない。 喜びいっぱいの、清々しい涙だ。 「ライオンの家」で毎週日曜日に開かれるお茶会では、ゲストの思い出のおやつを再現してもらい皆で食べる。 人生最後に食べたいおやつ。 それは美味しいお菓子を食べるだけでなく、ゲスト一人一人の思い出を皆で共有する楽しさ・切なさも含まれる。 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」 「私の目標は、じゃあね、と手を振りながら明るく死ぬことだ。朗らかに元気よく、笑顔でこの世界から旅立つことだ。そのための準備を、今、ライオンの家でしている」 私も雫のように、笑顔で最期を迎えたい。 どこかに「ライオンの家」みたいなホスピスないかな。

    68
    投稿日: 2020.01.23
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    毎日をもっと大切にしたくなる物語 最後が近づくことで、気づく大切なこと 今生きていることは幸せなことだ でもいつかは終わりが来る 出来るうちに感謝を伝えたい

    1
    投稿日: 2020.01.23
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    身体の状態かどの程度になるまで、幸せを感じ平静を保てるか。今を生き生きと生きる事、物質的でなく精神的な豊かさ。半分ほどで読みやめた。先が見えてきたから。どんでん返しを求める訳ではないが。

    2
    投稿日: 2020.01.23
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    死についての本なのに暖かい読了感がある。今生きてる瞬間をちゃんと味わいたくなる本。 "生きることは、誰かの光になること。 自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやって、お互いにお互いを照らしあっているのですね。"

    1
    投稿日: 2020.01.21
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    余命宣告を受けた三十三歳の海野雫が瀬戸内海の島にあるホスピス”ライオンの家”で過ごす最後の日々。 主人公の若い女性が自らの死に向き合う日々を描いていますが暗くはなく、むしろ爽やかな印象さえ受けます。他の人の評価を見てもほとんど5段階評価の5か4です。確かに良く出来た話です。私も4を付けます。でもどこか納得できない自分が居ます。 本当にここまで悟れるか?あまりにも綺麗すぎないか?おとぎ話では無いか? 小川さんというと「食事と生」を一つのテーマにしているようです。この作品のタイトルにもなっていますが美味しそうなおやつや朝食のおかゆが出てきます。 「食べるという事は命をいただくという事」と言うテーマで描かれた実質的デビュー作『食堂カタツムリ』を思い出します。小川さんはこの中で妹のように可愛がってきた豚を殺し解体するというシーンを描き物議をかもし、評価が二分しました。この作品にはそうしたシーンは有りませんが、やはり概念チックな(概念が先行してストーリーが作られている)気もします。

    10
    投稿日: 2020.01.21
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    小川さんらしい、じんわりとくる作品。 主人公と同年代の私は 自分に置き換え いろいろ考えさせられた 死は悲しい。 死は寂しい。 それを飛び越えた感覚を教えてくれる そんな作品 今は生きるしかないから 思いっきり生きようと思った。

    23
    投稿日: 2020.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    公共交通機関で読んじゃいけないシリーズ! 泣けたー。 嗚咽に近いものがあった。 本の内容知らず、タイトルだけでなんだか気になって読みました。 まさか、終末医療の話だとは思わなかった。 感動の最中に、バスで隣に座ったおばさんに話しかけられて‥ 本の世界から引き摺り出された‥ しーちゃんがまだ小さくて、お父さんと一緒に暮らしてた頃を想像しても泣けて‥ お父さんの幸せを願い一緒に暮らすのをやめたり 強い子過ぎる‥ 話しを思い出すだけで泣ける

    26
    投稿日: 2020.01.20
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    辛い(T.T)終末期医療の話だから、覚悟はできていたつもりだったんだけれど、身近な人の死を思い出して何度も涙がでた(T-T)それでもライオンの家で過ごした、しーちゃんの最期の日々は素敵だった(*´∇`*)自分もこんな最期だといいな~(^^)そして私も気になる「ところで、例のあれは、どんな感じでしたか?」(#^.^#)

    4
    投稿日: 2020.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに泣いた。 33歳で末期癌に侵され、ホスピスであるライオンの家で暮らすことを選んだ雫。 海が見えるホスピスで出会った犬の六花、オーナーのマドンナ、おやつの時間、ご飯の時間の至福の時間。 どれも小川糸さんらしい優しいタッチで描かれていて おやつやご飯の内容も想像できた。 病気に侵されても雫のように悔いのない人生を過ごしたいと思った。

    3
    投稿日: 2020.01.18
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    身内に癌で亡くした人がいれば、かならず、うるっときてしまう。ということは、ほとんどの人がそうなるということ。でも、読後感の爽やかさは、なんなんだろう。

    3
    投稿日: 2020.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬戸内の島のホスピス「ライオンの家」で人生の最後のときを過ごす主人公の暮らしと心境。 蘇、お粥、ゲストの思い出のおやつ、ワイン、セラピー、モルヒネ、六花、マドンナをはじめとするスタッフ、島の人々、ゲスト、身の回りのモノ、自然、そして家族。 穏やかに微笑みたくなるような優しく、そして悲しく、それでも満ち足りた気持ちになるお話。 死にたくない、まだ生きたい、それでも与えられた命が果てるまで生きるしかない。身体をもった生の有り難さ、この世界の美しさ。レモン島やライオンの家のような特別な環境ではなくても、感謝の中で「ごちそうさまでした」と生涯を閉じたいと思った。 20-2

    3
    投稿日: 2020.01.16
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    主人公は残りの人生に時間が決められている。病気と正面から戦っていくのか、それとも痛みだけを取り除いて穏やかに過ごすのか。どちらの人生が良いのだろうか。主人公は色々と考えホスピスを選ぶ。若くして死の宣告を受けてしまった人の心は本当になんとも言えないだろうなぁ、と。ホスピスの人達や周囲の人たちに支えられ、主人公は心穏やかに過ごす。死は平等だけど、やはり若い人が先に旅立つのはツライですね。最後に食べたいおやつは何だろうか。。。作中のようなホスピスが本当に存在するなら、私も最後はお世話になりたいと、そう思ってしまった一冊。

    2
    投稿日: 2020.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライオンのおやつ・・・ホスピス?おやつ? どんな話なんだろう、と?が浮かびながら、手に取った。 正直、小川糸さんの作品は、いい人と穏やかな空気がファンタジーっぽく感じて「ほっこりするけど入り込めないな」と感じる時もあるのだけど、このお話は、静かに心に沁みてきて良かった。 ライオンは百獣の王だから、『敵に襲われる心配がない。』『安心して、食べたり、寝たり、すればいい』 だから、ライオンの家。ライオンってどこから来てるのだろう、ホスピスつぽくない強い名前だなと思ったら、そう言うことか。 生きていく上で、食べると言うことは大切なんだな。このホスピスでは、最後に食べたい思い出のおやつをリクエストすることが出来る。このおやつをめぐるホスピス患者の思い出が、この物語の中軸でもあるのだけど、私は、思い出話そのものよりも、結局、リクエストした本人が、もうそのおやつを食べることが出来ない状態になっていく姿が辛かった。それでも、本人は心から懐かしそうに嬉しそうにそのおやつを見つめる。雫は最後に食べることが出来て良かったね。 『明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁ、と』『幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない』 『人生はままならないもの』

    7
    投稿日: 2020.01.14
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    最期の時を過ごす為に瀬戸内のホスピスにくる雫。決して幸せではなかった人生、治らない病気、辛さと痛みに狂いそうになってもおかしくない。それをマドンナをはじめ、食べ物や音楽、ワイン、人々が温かく逝かせる…。死者との会話は意識の混濁による幻なのかもしれないが、それも含めてのライオンの家なのかもしれない。こんな最期なら怖くない、理想の逝き方だ。素敵な物語だった。

    3
    投稿日: 2020.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライオンの家というホスピスで、最後の人生を全うする女性の話。 余命宣告され、自暴自棄になっても、事態は好転するわけではない。だから事実を受け入れざるを得ない。過去を嘆いたり未来を夢見るのではなく、今、を噛み締めながら生きることが一番大切なのである。だから、毎日単調ともいえる生活をしていても、ご飯を楽しみにしたり、犬と散歩することがこの上なく幸せに思えるのだ。 作者は助産院の話を書いた一方で、ホスピスの話もこうして書いている。この本の中で、見方が違うだけで生と死は同じ、と書いてあったのは、これを意識しながら書いたのかなぁと思った。 死ぬ間際には、誰かが自分にお迎えがくるという。まだずっと先のことであって欲しいけど、自分には誰がくるのかな。そのときにはどんな話をするのかな、と思った。

    2
    投稿日: 2020.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    余命を宣告された33歳の未婚女性が、 終の住処に選んだ瀬戸内の島のホスピス。 そのホスピスで過ごしながら、 本当の自分に出会い、 本当の意味での死を受け入れる姿を描いています。 島の綺麗な景色が想像でき、 毎朝違う種類のお粥が、湯気がたっていて、 とろけそうで、優しく、そして温かく包まれるものであるのが想像できます。 「死」を迎える物語を、 何か温かいものに包まれているように、 こんなにも優しく描けるのかと、 改めて小川糸さんの作品は、 人間に必要な「食べ物」に絡めて、 あたたかく、 優しく包み込まれているなと、 感銘を受けました。 また、ゲストがリクエストする 「思い出のおやつ」が素敵で良いですね。 おやつの時間が こんなに素晴らしいものなんだと、 明日からおやつの時間に感謝しながら、 おやつを食べようと思いました。 そして自分なら何をリクエストするか? 思い出のおやつはあるかな? と、考えました。 後半は胸が熱くなり、 最後は涙がポロポロでてきました。 とても良い作品です。

    5
    投稿日: 2020.01.06
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    ずっと鼻の奥がツーンとしながら読み続けた。 余命を言い渡された雫が、島のホスピスに行き、最後の時を過ごす話。 死ぬ前に食べたいおやつをリクエストする、というのが面白い視点だな、と思った。そのおやつを思い出す事で、今までの事を振り返り、自分の思いと向き合う。 死を題材にした話にしては、ゆっくり幸せな時が流れていた。だからこそ、泣きそうになる。

    1
    投稿日: 2020.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人生の最後に何を望むか、まだ考えられないなあ。というか、死にたくない。それでも死が目前に迫った時、何を思うんだろう。 とても考えさせられる作品だったが、最後引っ張りすぎだと思うな。

    1
    投稿日: 2020.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    期待度が高い分、んーなんだかいまいちでした。 死に対してかなりリアルに描かれていました。 でも、ホスピスで最期は治療で苦しい思いをするのではなく美味しい食事が食べれるというのも選択肢としていいなと思った。

    1
    投稿日: 2019.12.31
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    令和元年の年の瀬に、ちょうどこの本に巡り会えたのも何かの縁かもしれません。 瀬戸内のホスピスと父が最期を過ごした海の見えるホスピスが、重なりながら読みました。 けれども看取る立場から、だんだんと雫に自分を重ねてしまう立場になりました。 もしも、同じようになったら? 重いテーマでありながらも、やわらかな温もりのある文章で、読み進め易かったです。

    2
    投稿日: 2019.12.30
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    年の瀬に最高の一冊に出会えた 余命を瀬戸内のホスピス、ライオンの家で過ごす海野雫、日曜の3時、ゲストのリクエストで作られるおやつの時間を心待ちにする。 マドンナのいつも変わらない優しさ、島で出会う人々、犬の六花やホスピスのゲストの面々との関わり、毎朝のお粥と日曜のおやつ、食べる事の大切さも伝わってくる。とても温かい話。 柔らかいフォントの字体、レモン色の栞紐、本の装丁からも温かみを感じる。 終末医療がテーマなのに、明るく光きらめく感じ、笑いが散りばめられて、ほんのりオトナな部分もあり、小川さんの作品の温かさを随所に感じながら一気読み。最後は色々思い出し号泣… 百獣の王ライオンとおやつと、ステキなタイトル あと、暫く朝食はお粥を食べよう!笑

    3
    投稿日: 2019.12.29
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    若くして余命宣告をされた主人公の雫が 瀬戸内の島にあるホスピスで余生を過ごしたことが綴られた物語。 タイトルからなんでライオンなんだろう? そしておやつ?という二つの疑問があり、 その疑問にはしっかりとした訳がありそれを知っただけも この作品を読んだ価値があったと思いました。 生死をテーマにされていて、特に舞台がホスピスということなので、 内容的にはかなりダークな部分があると思い、 知りたいようでもあるけれど、知ったら益々怖くなりそうだったので 読む時には覚悟をして読まないといけないと思っていました。 けれど読み始めたら想像していたものとは違い、 むしろこんな心と体が休まる場所であるならば こんな場所で過ごしてみたいと思えるほどの 支えている人達、周りにいる人達、 自然が与えるエネルギーやパワー、そして温かさを感じました。 雫が徐々に身体が衰弱をして弱っていっても、 そこからは悲しく切ないものばかりではなく、 生きることについて日頃忘れかけていることが 山のように気が付かされてとても胸の詰まる思いがするとともに、 日々過ごせることというのはいかに 生かされているということに気が付かされました。 作品中には素敵な言葉が沢山散りばめられて、 その言葉が出てくるたびに 胸が詰まり流れる涙を堪えるのが大変でした。 中でも印象的だったものは 中でも逆転ホームランじゃなくてもいいんだよと、 私は先生に伝えたくなった。 そんなに簡単に、自分の生き方を変えることはできないもの、 でも、自分の人生を最後まであきらめずに変えようと努力すること、 そのことに大きな意味があるのだと思った。 おやつは、体には必要ないものかもしれませんが、 おやつがあることで、人生が豊かになるのは事実です。 おやつは、心の栄養、人生へのご褒美だと思っています。 生きることは、誰かの光になること。 自分自身への命をすり減らすことで、 他の誰かの光になる。 そうやって、お互いにお互いを照らしあっているのですね。 とかく人生は一度きりだから悔いのないように過ごすということで、 何でも精一杯するという思考にとらわれがちですが、 この作品を読んだことによって、それだけではなく、 肩肘張らずに余裕を持ちながら 生きていくことも大切ということが伝わり、 ぎりぎりの時に踏ん張ってみるという生き方でも 良いのではないかという思いがしました。 小川さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、 この作品では更に生きているこの一瞬に感謝でき、 何事も慈しみ愛おしくなって心がじんわりと温まりました。 さて、人生最後に食べたいおやつは 何になるのだろうか?

    2
    投稿日: 2019.12.29
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    こころのメモをする要所が多過ぎて困るほどに名言がでてくる。 終末を描いた小説はいままでにもたくさん読んできたがこれほど美しく儚く切なく、そして楽しいのは久しぶりだ。 タイトルの意味もなるほど、読めば納得。ソってなに?誤植かと思ったら蘇、ね! 醍醐の意味も初めて知った。 大抵この手の小説は最後、遺書とかの手紙でオチつけるのが定番だが、この作品はイレギュラーは表現でその後が綴られていて良かった。 スルーしようか迷いつつもやっぱり読んで良かった。見逃すところだった。

    2
    投稿日: 2019.12.28
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    小川糸さんの本は三冊目。 読了後、静かに涙がこぼれた。 一人で最期を迎えると決意した主人公の強さ。 たった一人で旅立ちの準備をしたはずなのに、 最期の最期に、一人ではなかったっと気がついたあの瞬間。 私も雫と一緒に涙が流れた。

    2
    投稿日: 2019.12.28
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    誰もが必ず向き合う「4」という食材に小川糸というシェフが味付けをしてとても優しい料理に仕上がりました。どうぞそのままお召し上がり下さいませ。

    9
    投稿日: 2019.12.27
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    ホスピスの話.ただ悲しいのではなく誰でも死には出会うのだから,それまでの生を命をどう慈しむかを問いかけている.自分の死にたい死を全力で迎えまたそれをサポートしてくれる人たちがいる.とても心温まる読後感です.おやつの時間には何が出てくるのかそれにまつわる物語は?と私も楽しみに読みました.

    1
    投稿日: 2019.12.27
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    どっち側からドアを開けるかの違いだけです こちら側からは出口でも 向こうから見れば入り口です 冒頭… さらりと語られる死生観。 確かに・・・ と頷きながらも この手の終末医療モノに、もう心動かされることはないかな… と思いつつ読み始める 中学卒業まで父親代わりに育ててくれた父(叔父)の結婚を機に、一人で生きる道を選んだ雫・33歳は、ある日余命数ヶ月、ステージⅣの末期癌の宣告を受ける。 運命に抗うように受けた治療は、執拗に身体を蝕み、寧ろ死期を早めたかのような結果に終わり絶望と怨嗟の炎に焼かれる。 自らの終わりの地を、瀬戸内海に浮かぶ島のホスピスに定めた雫は、身の回り全てを処分し、誰にも告げず一人旅立つ。 人の喜びを自らの喜びとし「良い人」を演じ続けてきた仮面の人生をリセットすべく、たった一人辿り着いた場所… そこに生きる人々の、 一人一人の人生に僅かながらも触れる事で、 自分の素直な気持ちが少しずつ溢れ出てくるようになる。 「思い出のおやつ」を前にじっと見つめるだけで手を付けない、台湾からの引き揚げ者の老人 最後まで、その姿勢を崩す事なく、極上のコーヒーを淹れていた紳士 最後まで生きる事を渇望しながらも、幼くして人生にピリオドを打たれる女の子 とびきりの仲良しにしか見えない双子姉妹の、語られずに抱えてきた想い アワトリスの恍惚の大往生にはしっかり 「やられた」し… レーズンサンドを配る妻の なんとも言えない顔が目に浮かびながら(私の想像)、妻の存在に気付いた男はどんな顔をするのだろう? と想像し… 死を目前にしてもなお… 最後まで父親の妻の名を呼ばない雫の意固地さ・・ そして、その意固地さを「私らしい」とあっさり完結させてしまう女性ならではの?(笑)強さ 去る人も 残される人も ああしていれば… こうしていれば… と後悔・・諦念・・そしてまた後悔 気がつけば、涙がダダ漏れの私がいた しかし… あの海辺での、内臓を貪るようなキスの意味…を勘違いしないで受け止める30代が、現代にいるのだろうか? その切なさも ◯海野雫・・33歳の主人公 ◯マドンナ・・ホスピス「ライオンの家」のオーナーにして看護師でカウンセラー。血の繋がりのない父親(資産家)に育てられる。その父親の死後、財産をつぎ込んでホスピスを経営。 ◯六花・・ライオンの家から旅立った鈴木夏子という女性の飼っていた犬。 幼い頃から犬が飼いたくて叶えられなかった雫にとって、強力なモルヒネ以上の存在に。 ◯狩野シマ・・ライオンの家・食事担当。双子の姉妹の姉。過去に母親に可愛いがられる妹に嫉妬していた ◯狩野舞・・双子姉妹の妹の方。 二人で「狩野姉妹」!というのが持ちネタ。 ◯田陽地タヒチ・・レモン島で葡萄を育てワインを造っている青年。雫とはお互いに淡い恋心を抱いている。 (二人のたった一度のキスに心が疼いた) ◯粟鳥洲友彦・・雫の部屋の隣人。雫はグイグイくる感じが苦手だが、実は正反対の性格をリセットする為の努力だった。元は超真面目な国家公務員で苗字の「粟」はフェイク。 似非アイドルグループの舞踊りの中恍惚の昇天を果たす。 ◯マスター・・両親の大反対で夢だったコーヒー店を諦めたが、卒業旅行で行ったパリでカヌレに出会い、いつか必ず…と決意し、35歳で開店した。体調の良い日に淹れてくれるコーヒーは極上で、雫には特別なカップを使ってくれた。 その死を目にした雫の胸に嵐が吹き荒れる。 ◯カモメちゃん・・13歳でデビューしそこそこのヒットをしたが、それきりジリ貧になったシンガー。 祖母の死をきっかけに音楽セラピーの道に。 ◯先生・・学生時代に書いた曲が大ヒットし、以来著名な作詞家として表舞台に立ち続けて来た男。 死を目前にして、他人を顧みる事のなかった人生を振り返り後悔するが、素直になれないが・・ 間に合った男。 ◯父親(叔父)・・雫の母親の弟。事故で他界した両親に代わって雫を育ててくれた。  雫にとっても良かれと結婚するが、見事にすれ違う。 雫の頑張り、そして隠された「気持ち」を見抜けなかった。 ◯早苗・・父(叔父)の結婚相手。最後まで・・ ◯梢・・育ての父(叔父)の娘。雫が、命の潰える直前にその存在を知った小学校六年の妹。

    2
    投稿日: 2019.12.24
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    確実に「死」に向かっていくのに、読み進めるほどになぜか心が満たされていく。不思議な感覚になる、温かい物語でした。 日々の忙しさの中で疲れた心をふわっと癒してくれます。 最後のおやつ…どうしようかなあ。

    1
    投稿日: 2019.12.14
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    ある意味重ーい主題のわりに、読後感がさわやかでよい。 二粒ほど涙しました。 小川糸さんの作品は、なんだか少女趣味っていうか、現実にあり得ないというか。。私はそういうのが、嫌いではないのだが。きれいすぎるというか、毒気がないというか。そういうの、嫌いじゃないですよ、私は。でもね、今まで読んだ中で、そういった部分が、ちょっとしらける作品もあった中で、この作品は、完成度高い気がします。後半の、周りの人物が語るところは、いらない気もしましたけれど。

    19
    投稿日: 2019.12.11
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    長く図書館にリクエストして待っていた本だったので、手元に来た時は、このタイトルの本は一体何の本だったっけ? と、幸いにも、全く先入観無く読み始めました。 主人公の人生が、境遇とは裏腹なくらい、淡々と、暖かく、ふんわりとした感じで進んでいく。 読み手は、ラストシーンは分かってるのだけど、ゆっくり味わいながら、いとおしくページをめくります。

    3
    投稿日: 2019.12.11
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    私の母も最後は自分の希望でホスピスに入った。好きな物に囲まれて…。主人公の思いと当時の事と色々重なって、何度も泣きそうになりました。

    4
    投稿日: 2019.12.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    余命わずかな雫が最期の場所に選んだのは、瀬戸内のホスピタル「ライオンの家」。毎週日曜に行われるおやつの時間には、住人がリクエストした想い出のおやつをみんなで食べる。死を前にして恐怖さや諦め、いかに自分に終わりをつけるのか等、様々な葛藤が描かれている。おやつが描かれる度にそれぞれの命の重さを感じる。

    2
    投稿日: 2019.12.09
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    この著者には毎回涙腺を崩壊させられる。「つるかめ助産院」では生命の誕生を、本作では人の終焉を見せられた。私ごとになるが以前勤めていた、とある市立病院で医療点数を稼げる事もありホスピスの計画を立ち上げ、この話のようにどういう食事を出そうかと病院中で検討したことがあった、結局この計画は医療知識も全くないアホ市長により頓挫させられたのだが、がん治療薬による治療は苦しいだけでほとんど効果がなく、オプジーボのような特効薬以外は患者には酷なだけだから止めてあげてほしい。しかし看護師にとってはホスピスは死亡退院ばかりなのでかなり辛い仕事になるのは確かのようで若い看護師には耐えられないようである。

    12
    投稿日: 2019.12.04
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    20191201 後半から読むのをやめられなくなった。久しぶりに感動する本を読んだ。小川さんの本では珍しく色っぽいと思ったが生きることを語るには性について触れない訳にはいかないと分かる。自分の事としてこの本の体験を生かしたいと思う。

    2
    投稿日: 2019.12.02
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    何度も涙しそうで困った。電車の中で読んではいけない。 でも、一日頑張ろうと言う気持ちになれた。 ありがとう

    3
    投稿日: 2019.11.30
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    瀬戸内海の島にあるホスピスっていう設定が好き。瀬戸内海の蜜柑って言ったら愛媛の島なのかなぁ。若くして死期を迎えるのを待つことになった主人公、雫。俗に言うイエスマンないい子ちゃん。最後の方ずっと泣いてた。でも、泣ける小説と好きな小説は違うんだなぁ…こう言う綺麗で泣かすずるい感じは苦手。 でも、でも、わたしが最後に食べたいおやつはなんだろ、そしてシマさんの作ってくれる朝粥すごく食べたい。

    3
    投稿日: 2019.11.29
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    読み終えて、手を合わせて、 『ごちそうさまでした』と言いました。 丁寧に生きること、丁寧に死にゆくこと、 味わわせていただきました。

    3
    投稿日: 2019.11.27
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    生と死という重いテーマを扱う物語であるが、瀬戸内のレモンの香りが漂ってくるような清々しい読後感。 幸せとは何か。何のために生きるのか。そんなことばかり考えてしまう私に、日常の中の幸せを教えてくれた。

    4
    投稿日: 2019.11.21
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    このような内容の作品は稀かも。 自分も死を迎えた時に、周りに誰も居なければ、終の住処は、緩和ケア、ホスピスかなと。 自分の最後ぐらい自分で決めたい。 健康なうちに今を精一杯に悔いなく生きる。 まさに、日々是好日。⭕️

    3
    投稿日: 2019.11.17
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    おやつがもっとたくさん出るかと思った。こんな感想を持つって、読書でまで食い意地張っているな でももうそんなに食べられないから、少しの大切なおやつを、しっかり味わって食べるってことだった。食い意地はれるくらい食べられるのも幸せなことだけど、食べられなくなったからって不幸せなわけではない。食べたいと思ってしがみつくことも、間違ってない。 久しぶりに本を読めて、うるっときて、面白かった

    3
    投稿日: 2019.11.17
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    図書館で借りたもの。 若くして余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。穏やかな景色の中、本当にしたかったことを考える雫。ホスピスでは毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があって…。 かつて国産レモンが多く栽培されていたことから、地元の人からは「レモン島」と呼ばれる瀬戸内の島。 さわやかな空気を想像して自分も思わず深呼吸してしまった。 百獣の王・ライオンのように、敵に襲われる心配をせず、安心して、食べたり寝たりすればいい。 それが「ライオンの家」の由来。 マドンナや狩野姉妹、ボランティアの人の温かさに包まれて最期の時を過ごすのは幸せだな。 癌になるのはもちろん嫌だし、そんな病気なくなってほしいけど、、唯一いいことは死へ向き合う準備ができることなのかも。 自分も家族も。 後半は涙止まらず。 毎日元気に過ごせることって当たり前じゃないんだと改めて思わせてくれた。

    10
    投稿日: 2019.11.17
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    死と向き合う。他人の死に心が沈み、他人の死に己を重ね、やがて死を迎える準備をする。ホスピス そう言う穏やかな死もある。

    3
    投稿日: 2019.11.15
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    読了。若くして、余命宣告され死を前に瀬戸内の島にあるホスピスで過ごす女性の話。 前情報なしに内容も知らず、タイトルで購入し読み始めたら思った以上に辛い内容だった。けれども、読んでいると優しい気持ちになるし涙が出てくる。 いろんな立場の生と死が描かれ、生きることを考えさせられる。生きるとはどう死ぬかということにもつながる。 さて自分は最期に何を食べたいだろうか?

    4
    投稿日: 2019.11.12
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    テレビで特集されていたので購入。 読んでいて最初に思ったことは、余程多くの取材を行なったのかなと印象でした。その人だけにしかわからない心境が丁寧で多く語られていて、第三者から見ると、複雑であることを知りました。 全体的にポワッとした暖かい雰囲気が漂っている一方で、主人公の死に対する恐怖感・受け取り方は、キリッと締まっていて、胸を締め付ける思いがありました。読むのがちょっと辛かったです。 ただ、おやつを含め食べ物の描写は、美味しそうに書かれていて、お腹が空いた状態で読んでいたので、何度も唾を飲み込んでいました。何か食べたくなってしまいます。 主に主人公の視点で物語は進むのですが、最後の方は、3人の視点で終わりを迎えます。それが誰なのかは、一部ネタバレもありますので、省略しときます。 結末はだいたい予想はつくのですが、終盤は涙を誘いました。死に関することは間接的な表現が多かったのですが、字面だけでも辛かったです。でも変に暗い感じではなく、優しい光が差したような表現ばかりで、前向きに捉えることができました。それだけ小川さんの表現力は素晴らしかったです。 最近では、自殺する人が報道で多く見受けられます。病気で亡くなる人など様々な死に方があります。「生きること」とは?、「死ぬこと」とは?など本を通して、深く考えさせられました。 必ず、死は訪れるものですが、改めて過去の自分を振り返ってみたり、この先の決心や覚悟などをちょっと考えてみようかなと思わせてくれた作品でした。 多分、本屋大賞の候補作に挙がるのではと思うくらい、辛いけれども人に薦めたくなる作品でした。

    5
    投稿日: 2019.11.03
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    定期的には読み返したくなる一冊。 「いつかは死ぬ」ってことが自分の中で怖いものではなく、大切なものになった気がする。 こんな素敵なところを終の住処にできるように、今をしっかりと生きていこうと思う。

    17
    投稿日: 2019.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めて2ページめで知った主人公の状況にまずは絶句。これは辛く悲しい物語じゃないか、そんな心の準備してないぞ、やばいやばい、と思いつつ読む。 身近な人を見送った経験のある人にとって、これは読むのが辛い物語ではあるけれど、読み終わった後、きっと「読んでよかった」と思えるはず。 私も読みながら、見送った人たちとのあれこれを思い出し、涙が止まらなかったけれど、今、ものすごくさわやかな気分だ。 後悔はある。もし、ライオンの家のようなところがあったなら、そこで最期の日々を送ってもらえたなら、と… でも、誰にでもやってくる最期の日々はそれぞれが自分で作るものであり、他の誰かに用意してもらうものではないのだ。まだまだ先だと思っているけれど、自分にとってのその日が来る前に、ちゃんと準備しておきたい、とそう思った。 マドンナや六花に見守られた雫の最期の時間を、私も、私の大事な人も過ごせますように、と。 あぁ、そうだ。私なら、どんなおやつをリクエストするかな。どんなエピソードを書くかな。 いま、とても優しい気持ちでそれを考えている。

    4
    投稿日: 2019.10.16
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    いつか人は死ぬ。 その日まで生きていかなければならない。 余命宣告をされた雫。 不安や恐怖、病気になったことへの悔しさ。 瀬戸内にあるマドンナの家。 様々な気持ちを抱えながらも、マドンナさんやスタッフ、ボランティアさんたちに助けられ、そんな気持ちをふっきり、自由に平穏に生活を送ろうとする。 『死』はやはり怖い。 でも、こんな素敵な場所で死ねるなら、死ぬことへの恐怖が薄れるような気がする。 死の直前は…どうなんだろう。書かれていたことを確認したくなった。 余命宣告されていても、生きている限り、人は変わることができる。自由に生きることができる。 丁寧に糸を紡ぐように、残された時間を生きていく物語。 おやつもおかゆもどれもおいしそう。 死ぬまでに食べたいおやつはなんですか? 食べたかのような描写に、実は食べていなかった…など、朦朧としはじめている様子などが文章の展開からもひしひしと伝わってきた。

    14
    投稿日: 2019.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライオンのおやつ 著作者:小川糸 発行者:ポプラ社 人生の最後に食べたいおやつは何ですか? 若くして余命を告げられた主人公は瀬戸内の島ホスピタルで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色の中で本当にしたかったことを考える。 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/

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    投稿日: 2019.10.08
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    若くして余命を告げられた雫は、残りの日々を 瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。 穏やかな景色の中、本当にしたかったことを 考える雫。ホスピスでは毎週日曜日、入居者が リクエストできる「おやつの時間」があって…。

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    投稿日: 2019.10.08