
総合評価
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powered by ブクログだいぶ前に、中古で買って読みました。 主人公の成長していく姿に、心を打たれながら、夢中になって読みましたね。 麻生人生って名前が、原田マハ先生、考えたな?って、思いました。
5投稿日: 2022.05.18
powered by ブクログお米作りを通して、人の厳しさ、温かさ触れて人が変わってゆくのを隣で見ていた感覚になりました。 人の作ったおにぎり食べたいです。
1投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと読んでみたかった本。 表紙の雰囲気から、てっきり静かにしっとりと進んでいく話なのかと思っていたのに、蓋を開けたら真逆で「生きるぼくら」の熱量に圧倒されました。 読み終わった今、お米が無性に食べたいです。
0投稿日: 2022.05.11
powered by ブクログ新年度、ここで出会った彼らと、どんな日々を過ごすのだろう。 そして彼らにとって、ここでの日々はどんな風に残るだろう。 たぶん大人の関わり方によって、それは「人生の糧」になるのだろう。 学校がそういう場所になるように、わたしはいたい。 改めて生活ベースの「生きる」ってことに焦点を当てたいなってことで、長らく積読化していたこちらの作品を読むことにしました。 原田マハさん ブクログではフォロワーさん全員読んでるんじゃないかっていう作家さんだけれど、わたしは初めて触れました。 美術館や絵画に造詣のある作家さんという印象で、美術館へ行くと同行者を外で待っている時間の方が長いような美術オンチのわたしには、なかなか手が届かなかった作家さんだ。 しかしである。 読んでいてこんなキラキラした作品久々に読んだな、と思った。 読みながらそのキラキラした世界を斜めに見ている自分に鼻白んだ。 わたしは本当に、心をざわつかせてくる作品とか、先の展開が読めない作品が好きなんだな、と改めて感じる。 我慢を美徳とした時代があって、それを今でも美しいとする人たちもいるけれど、「泣き言を言わない嫁が美しい」みたいな場面で普通に主人公が感動しているのにも萎えてしまって、「いやいや、お前はそこ反発しろって!」と、変な応援までする始末。 どうにも主人公である「麻生人生」青年の人間性がブレているように感じてしまって、うまく落とし込めなかった。 最後の方は、かなり強引に読み進めた。 この作品は、人の「強さ」にフォーカスしている。 わたしのように、「闇を描いて光を感じる」タイプの人間には、もっともっと人の「弱さ」を描いてもらった方が、感情移入できたのかもしれない。 だけど生きてく時に大事なのって確かにこういうポジティブなエネルギーなんだよな。 でも現実ってそううまくいかない。 だからこそ、わたしは本を読むし映画を観る。 だからせめて、本の世界では、もう少し弱音を吐かせてほしかった。 でも、フジファブリックを聞きながら実家に帰る電車に揺られて、案の定目が覚めたら田んぼだらけになっていた田園風景の中、水が張られた田んぼを見ていると、心が動いた。 実家を囲むたくさんの田んぼ。 そこを機械が動き回り、稲が植わっていく。 なんというか、それでいいではないかと思ってしまったのだ。 確かに、作品のような手での農作業は必要だけれど、どうしても「古さ」を捨てきれない。 古さを美徳として、それ以外を排除しているような、それが最後まで捨てきれなかった。 なぜ米作りが初めての若者がこんなに米作りに詳しい目線でいるのか、であるとか、こんなにいきなり生きてく場所見つけられるかね…?であるとか、いろいろ思うことはあって、そして何よりこんな風にこの作品をナナメから見てしまう自分が一番嫌で仕方ない。 みなさんなら楽しく読めると思います。 みなさんならすごくポジティブな気分になれると思います。 みなさんなら稲作やってみたいと思うと思います。
78投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ引きこもりの主人公が、蓼科の自然の中で、自分を取り戻し、人とつながって行く。 原田マハらしい明るさ、蓼科の自然への愛情を感じることごできる作品だった。
2投稿日: 2022.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
お米を作ってるところ読んでると小学生の時の稲作の授業思い出して出来たてのお米で作ったおにぎりがめっちゃ食べたくなりました。1人の男性が引きこもりを脱却して立派におばあちゃんとその仲間たちと生活している姿に勇気を貰えた。
2投稿日: 2022.04.22
powered by ブクログ全体に力強く前向きになれる本 『本日はお日柄もよく』より泥臭くて好きでした。 私にも大切にしたい田舎かあります。 文章が写真のように絵で浮かんでくるようで、素敵でした
1投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて読んだ原田マハ先生の小説。 母親に見放された(と思っている)主人公が、蓼科で血のつながりの無い少女とお婆ちゃんと暮らしていく。 米作りについても深く知ることができて、生きるという事を感じられる作品。
0投稿日: 2022.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いじめ、離婚、引きこもり、介護、母子家庭、 農業の未来・・・色んな社会問題が 盛り込まれつつもこころ温まる作品でした。 誰かのためになりたいと一生懸命に動く人生と つぼみ、時にはいろいろと間違えたりしても お互いの苦手な部分を補いながら助け合い、 まわりのたくさんの人たちも助けてくれる。 そして昔ながらの変わった米作り。 人が健全な心と体の状態を保つためには なりふり構わず誰かのためにそして自分の為に 一生懸命に生きればいいんだとそうすれば 自然と手を差し伸べてくれる人も出てくるし 道も開かれる。なにごとも初めの一歩ってのが なかなか難しいが歩き出してみればなんとか なるもんじゃないのかなとこの作品を読んで 思いました。マーサばあちゃんのような奇跡が そうそう起こるとは思わないが作品の中でも その奇跡が起きたことにうるっと来た。 そして最後に人生がかあちゃんと対峙する ところでさらにうるっときました。 人生とマーサばーちゃんとお米、 そして母・・・すごくいい話でした。 今は無性におにぎりが食べたい・・・
2投稿日: 2022.04.06
powered by ブクログなんかすごく好き。 本屋でピンときて購入したら、大当たりの小説で色んな人に薦めたくなった。 好きだったんですおばあちゃんがいる故郷。 今じゃ行くことがなくなった故郷だけど、おばあちゃんがいて、周りの人がいて楽しさしかない故郷の雰囲気が大好きで、この小説でとても懐かしい気持ちになって泣けました。
2投稿日: 2022.04.06
powered by ブクログ名前で呼びかけることは、その人の個性を尊重することなのだ。(p262) 4年間もひきこもりだった人生が、年賀状の住所を頼りに蓼科まで行く。その行動力がすごい。 そして、その年賀状にちょっとしたトリックがあって面白かった。 一方で、認知症のお婆ちゃんが快方に向かったり、初めての米作りが豊作だったりと、行うことがすべて順調のように感じてしまい、共感できる部分が少なかった。 久しぶりにおにぎり食べたいなぁ。
4投稿日: 2022.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どこまでもあたたかかった。日本の村社会の良さが全面に出ている。 原田マハさんの本は、読んだ後にかならずそのストーリーにまつわることをしたくなる。 美術史や美術館が物語に多く出る際は美術館巡りや史学を学べる本を読んだし、映画がテーマの本は、物語中に出てきた映画や映画館をまわったり、映画を頻繁にみるようになったりした。 今回は、早速家庭菜園をしたい気持ちになっている。
1投稿日: 2022.03.28
powered by ブクログ「帰れる場所」があるって良いですね。 どんな自分でも受け止めてくれる、そんな場所を大切にしたいと思いました。 人は一人じゃ生きれない。 現実が苦しくて生きることが嫌になることもある。 けれどそれはきっと自分が思うほど「最悪」の状況じゃないのかもしれない。 何もない、それでも生きる力があればなんとでもなる。 助けを求めれる人を見つけておくことは大切なのだ。
4投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログいじめから引きこもりなり、母親の失踪をきっかけに動き出した主人公、人生。「人生」の窮地に立たされている人生はいったいどうなるのか、物語冒頭はとても心配でしたが、蓼科の素敵な人たちとの出会い、美しく豊かな自然、新たな挑戦を通してみんなが少しづつ成長していく姿に心温まりました。 人は1人だけでは決して生きていけない。人との繋がり、また人間だけでなく、生き物すべてに命がある。みんなと一緒に生きているんだなと改めて感じました。 読後には、蓼科に行ってみたくなったり、おにぎりが無性に食べたくなったりしました。 読むと心が優しい気持ちになる健やかな本だと思います。
3投稿日: 2022.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これを読んで今すぐ舞台となった蓼科、長野に行きたいくらい影響を受けた。情景描写が素晴らしく、田舎の自然豊かな田園風景と澄んだ空気と山々が想像できた。都会で傷ついた人が田舎へ行く話が好き。 直前に「星を掬う」を読んでいたから、介護(認知症)について重なる部分があった。歳を取っても、人間としての尊厳を大切にしてあげたい。 あと完全に口の中が梅干しになる。おいしいおにぎり食べたくなる。年賀状を書いていたのが新多(二人の父親)っていうのが判明した時に、父親の愛情をガツンと感じてうるうるした。そして、母との再会にも。引きこもりだった我が子がこんな立派に成長してたら泣いちゃう。母の気持ちに感情移入してしまった。つぼみと人生の未来が楽しみ。
1投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログひとりじゃない、人間だけでもない、生きるぼくら。 自分が蓼科へ行ったとき見た、美しい八ヶ岳を思い浮かべながら、人生の変わっていくさまを味わいつつ、一気に読んでしまいました。緑の深い時期に、御射鹿池にも行きたくなりました。 まっすぐに、気持ちが爽やかになれる物語でした。
1投稿日: 2022.03.18
powered by ブクログこれから先も季節が巡るたび、おばあちゃんを囲んで、幸せにいてほしいと思う。 この小説を読んで温かいご飯、おにぎりが食べたくなるし、家族に会いたくなった。心がポッと温かくなる。 誰かがそばにいてくれたり、そばにいられなくても思える人がいたり、熱中できる何かがあって、生きていける糧になるんだなと思えた。
1投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ人も自然の一部。 「生きる」力は元々備わっているはず。 人と人、人と自然、 支え合いながら生きている。 大事な人が隣にいる。 美味しいご飯を一緒に食べる。 そんな些細な幸せを大事にしながら、 自分自身の「生きる力」「伸びる力」を信じて、自分の人生を諦めずに生きていきたい。
4投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「生きるぼくら」原田 マハ いじめから引きこもりとなった青年。頼りきりだった母が突然いなくなったことをきっかけに蓼科の祖母の元へいき、共に暮らしていく。 人の温もりに触れ、米作りを通して、自分を取り戻していく物語。 心に残った文書を書き留めておきます。 生きてるんだ 生きるんだ 生きていること、ただそのことを無条件に喜ぶ、 あの感じ。 すごい。すごい力だ。これが自然の力なんだよな。生きる力、なんだよな。 失敗を繰り返してこそ、成長できる。自分が傷ついてこそ、人の痛みを理解できる大人になれる。 自然に備わっている生き物としての本能、その力を信じること。すなわち、生きる力、生きることをやめない力を信じること。 読んでいて、心があったかくなり、そして生きていく力をもらえた一冊でした。 伏線も見事回収し、一つにつながっていく。 そして、やっぱり、おにぎりが食べたくなるのです。
1投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログイジメ、引きこもり、母親失踪… なかなかのどん底感。 ようやく動き出す主人公。 おばあちゃんからの手紙を契機に… 米作りを通して、自分自身を見つめ直し、何とか、今のところ、上昇傾向になって来た… 涙〜〜!涙〜〜!涙〜〜!(T . T) 米作り1回の10ヶ月で、高速復活には少し違和感はあるけど、ええ感じに感動させて貰いました! まぁ、勝ち組とか負け組とか気にしても仕方ないし、自身が満足できてたら、ええんとちゃうかな? (勝ってるとは思えない私が言うのも説得力ないけど(^◇^;) ) これから、どうなるか分からんし、自分の思うように生きたらええと思う。 生きてるという実感、喜びを持って! 解説は、桂南光さんやん!昔から知ってるから、「べかこ」の方が親しみあるな。
62投稿日: 2022.03.12
powered by ブクログ温かい。読み始めは主人公の暗さに共感出来なかったが、バックグラウンドを知り、変わっていく姿に涙した。
1投稿日: 2022.03.11
powered by ブクログ前半部分の主人公の人生が苛めを受ける描写に居たたまれなくて、読み進めることを躊躇したりもしたけれど、最後まで読んで良かった。 じわじわと幸せな気持ちが込み上げてきて、まさにラストで涙が溢れてきました。 冒険小説を読み終えたような爽快感と、美味しいお米が無性に食べたくなりました。 明日は久しぶりに電気炊飯器じゃなくて、かまどさんでお米炊いて食べようかな。
1投稿日: 2022.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに1冊本を読んだ。 何回も泣いた。 最後、母親におにぎり食べてもらうために会いに行くところ、母親の気持ちを思って泣いた。 人生は挫折をしても立ち直って、また次の年も立派に生きようとしてる。 私はどうかと比較して辛くてまた泣いた。母親に感謝もできないで、毎日死にたいってひとりごとばっかり。 一生懸命生きてる蓼科の人たちがまぶしかった。 志乃さんかっこよすぎるなあ。
1投稿日: 2022.02.24
powered by ブクログ私が小さい頃から家の手伝いで農業をしてきたので、稲作りも含めて農業ってそんなに簡単じゃないよーって読みながら思いました。 私はなるべくしたくない。
4投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログ読み終わった後、じーんとした どれだけ辛いことや嫌なことがあっても、生きたくなくなっても、絶対になにか救いがあると思った本だった お母さんの作ったにぎってくれたおにぎりが食べたくなる、、 周りの人に感謝しながら生きたいと思った 家族って素敵。
3投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
脱ニート。表紙の御射鹿池がキーポイント。大好きだったおばあちゃんに勇気を振り絞って会いに行ったら認知症になっていた。絶望の中に力強く芽を出した稲。米の実りと共に好転してくストーリーに引き込まれ、つぼみと人生が周りを巻き込んで大人になっていく。できたお米でお母さんにおにぎりを。 蓼科に行こう。
0投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログ情景が浮かんでくる、どこか懐かしく人の温もりが伝わってくる作品。 生きるとは、周りに助けられながらも自分の足で立つ。でも一人じゃない。
0投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログ途中まで出来すぎてると思いながら読んでた。周りにたくさんいる『かっこいい大人』。整いすぎてるなぁと。でもそれは人生が飛び出したからであって、必然だったと素直に思う。あとがきにあるように現代社会の問題も盛り込まれていて決して"出来過ぎ"ではなかった。 読後胸熱な清涼感があった。おにぎりを食べたくなった。米作りはまだ1年目。つぼみとの関係にも幸あれと応援したくなった。
0投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マーサばあちゃんのいるふるさと、蓼科へ行くことから、麻生人生の、人生の再スタートが始まった。おばあちゃん、という存在ってどうしてこんなにも自然に、孫たちの冷え切った・諦め切った心を温かく溶かしてくれるのだろうか、とその存在に圧巻された。おばあちゃん、という存在は、少なくともこの孫たちには、いつでも自分の味方をしてくれる絶対的な存在であったからこそ、そのおばあちゃんを守る、という強い意志が芽生えたし、長く抱えていた葛藤や苦しみと向き合うことができたのだと思った。おばあちゃん、という存在の強さ。おばあちゃん最強説! 人間の悩みや葛藤、苦しみは、結局は、元を辿れば、全て自然に戻るわけで、それは、自然に囲まれた蓼科での生活と、自然の力によるお米作りによって、浄化されていったのだと思う。稲作が持つ、空に向かって伸びていく、生きることをやめない力、その、生き物の本能に触れたとき、自分の人生も、いつでも成長してよい、まだまだ変化できるのだ、と信じることができたのだと思う。自然に向き合うことが、人間の生きる力になるのかな〜。 個人的には、蓼科の、カッコいい大人たち、という言葉に惹かれた。こんなにも、カッコいい大人たちに囲まれて、認められて、みんなが協力できる町の温かさ。憧れます!
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ私も人生と同じ24歳。今の仕事を続けるか、転職するか岐路に立っている時にこの本に出会えて本当に良かった。 新しい世界に飛び込むのは少し怖い気もするが、一歩踏み出す勇気を人生たちから貰えた。 いつかまたこの作品を読み返したい。その時は「あの時はあんなに悩んでたけど今は幸せ!」と思える自分になっていたい。 私も人生のように歩き始めるぞ。
1投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログすごく良かった。人と人の繋がりが感じられるめちゃくちゃ温かな内容の話だった。いじめを抜けば。ほんといじめってくだらない。人生の無駄。土足で相手の心を踏みにじる行為。やられたほうは傷が残る。やったほうは…その後どんな人生を辿るのかは知らんが過去を忘れた気になってもやったことは絶対消えないんだからね一生。いじめが原因で引きこもりになった主人公は母の失踪をきっかけに蓼科のばあちゃんの元を訪れる。一枚の年賀状を頼りに…。この年賀状にまた感動させられる。胸熱で何度も本を閉じては開いてを繰り返して読みきった。
0投稿日: 2022.02.10
powered by ブクログひきこもりの24歳、母がいなくなる、おばあちゃんの米づくり…で、なんか重くて面倒臭そうな話かな〜と思ってなかなか手を付けてなかった作品。 けど、そこは原田マハ…読み始めたらするする〜っと読めてしまった。 「こんな米作りがあるのかぁ」という部分もあったし、何より読んで想像させられるおばあちゃんが可愛い
0投稿日: 2022.02.08
powered by ブクログ主人公と一緒に幸せになっていく。ひたすら暖かい涙がでてくる。真朝ばぁちゃんの教えを思い出しながらお米を食べたると、お米がおいしくて特別なものだと感じる。
0投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログ先輩の勧めで読んだ本、私とちょうど同世代の人生の話。 生きること、生きる上での「人」と「食」の大切さを考えさせられた本だった。。。 米作りの過程と、人生の成長、つぼみの心の変化、マーサさんの認知症の進行が重なって、何度も涙した、、。 「人」と「食」は、私の人生の中でも、特に大事だなと思ってた2つの要素。身近な人たちと毎日の食を日々大切に、感謝したいと改めて思ったな、、。 同時に、描写も綺麗で心が洗われた気がした
1投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログ引きこもりだった人生が母に家を出られ、祖母からの年賀状を頼りに蓼科にやってきた。 祖母との暮らしで人生の‘人生 ’は変わる。 読み始めたら止まりませんでした!とても良い作品で、元気を貰えました。 お米が好きな人,農業に興味がある人,勇気が欲しい人にピッタリの1冊です(*^^*)
9投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログ「生きる力と元気が育つ本」という帯が着いていたのが気になって衝動買い。 でも、買って良かったと思う本でした。 24歳、引きこもりの麻生人生が母の失踪で彼の世界が大きく変わっていく物語。 不登校気味だった自分の息子と重ねてしまって…とにかく人生を応援しながら読んでしまいました。 思春期とか反抗期とかとも重なって、頭でわかっていてもそれなりに辛い日々で、母親だからこそ踏み込ませてもらえないことがあるんだなと思いました。 今は落ち着いてあの日々が嘘のように笑って会話が出来るようになりましたが。 蓼科のおばあちゃんの家で変わっていく人生もその周りの人達もとても優しい。 みんながみんなを思いやりながら生きてる、とても優しい物語でした。 特に志乃さんのように厳しいこともはっきり伝える愛情深いところは憧れです。
4投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログなんて心が温かくなるお話だろう… 主人公は壮絶ないじめから引きこもりになり、母親から見放されるところから物語は始まる。 どうしようもなく弱くて、心を閉ざした青年が 自然の力と、人々の優しさに触れて成長していくお話。 私の祖父母も兼業農家でお米を作っていた。新米が送られてくると本当に美味しかった。おばあちゃんのつくるおにぎり、たしかに本当に美味しかった。そんなことを思い出した。 マーサおばあちゃんに志乃さん。厳しさの中に温かい眼差しと優しさをもつ周りのキャラクターたちが本当に素敵だった。 最後は思わず涙。 大切なことに気づいて、変わることができた人生。なんだかすごく元気をもらった。
0投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ壮絶なイジメから引きこもりになった24才の主人公 離婚した母に頼りっきりの日々。ある日突然 母がいなくなり 幼い頃に行った父の実家 蓼科に向かう。 そこで感動的な再会を果たすはずだった 祖母は認知症で主人公のことがわからない! 予想外の展開から 主人公が米づくりや周りのヒトたちに触れて 変わっていく様が イキイキとして描かれている。 病気で亡くなっていたお父さんの優しさが泣けました。
3投稿日: 2022.01.29
powered by ブクログ引きこもりの母子家庭の息子「人生」を、疲れ果てた母親が見限って出て行くところから物語は始まる。 引きこもった事情、母子家庭の事情、色々な事情がある。 一通の年賀状から、父方のばあちゃんのところにいく人生。自分に諦め、自信を失った彼が、さまざまな人の良心、助けなどの優しさに触れ、自分を取り戻して行く。 一つ一つの話が丁寧に物語に繋がって、温かみに溢れた話になっている。 最後の方はティッシュと本の往復だった。本当にいい話だった。原田マハさん、ありがとう。
6投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログジーンとするあったかい話で、いい本読んだな、と思った。自然に作るお米ができるまでの工程の話なども知らないことが多く、面白かった。自身のおばあちゃんのことを思い出して涙が出てくる。おばあちゃんの作るご飯がまた食べたいな、美味しいおにぎりが食べたいな、と思う。
1投稿日: 2022.01.15
powered by ブクログあらすじ いじめを受け、ひきこもりだった麻生人生。 蓼科でひとりぐらしを続ける人生の祖母、中村真麻。対人恐怖症の中村つぼみ。田んぼから三人は前をむいて歩み始めた―。収穫のとき、それぞれの心に温もりが実る。 山本周五郎賞作家が描く感動の成長小説。 東山魁夷 白い馬 感想 中村さん宅にひきこもりの子供達を連れて行きたい。素敵な小説でした。
1投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログ自然の強さ、人との繋がり、温かさが感じられた本。 主人公が1枚の年賀状をきっかけに 繰り広げられるストーリー。 結末に涙なしにはいられませんでした。 何歳になっても変われるんだ。 一人じゃないんだと勇気をもらえました。
0投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ本年1冊目! ふんわりと優しい本だった。 マーサさんみたいな人に出会いたいなと思った。とっても魅力的。 人生につぼみ、どこにでもいそうな感じなんだけど、どちらも応援したくなる人。私もこの人達の仲間になりたいなと、一緒に頑張りたいなって思った。 悪い人がいなくて、ちょっと平坦な感じもしたけど、この話しはこれでいいかな、うん、こう言うのもいいんじゃないかな。 また明日から頑張ろう。
3投稿日: 2022.01.04
powered by ブクログ学生時代の家庭環境の変化、それに伴う壮絶なイジメが原因となって、引きこもりになってしまった主人公。 その主人公が母から見限られた事をきっかけに、 外へ飛び出し、離婚した父方の祖母や、その周りの人たちに助けられながら、米作りを通して生きる事の素晴らしさを知っていく物語。 出てくる人物の皆が気持ち良いくらい良い人。
0投稿日: 2022.01.03
powered by ブクログ読みながら何度も泣きました。 いじめの凄惨な描写、主人公と母のすれ違う愛情、マーサおばあちゃんの認知症、志乃さん含め茅野の人々の優しさ。 蓼科は思い出深い土地ですが、八ヶ岳の風景の美しさや御射鹿池の神秘的な雰囲気の描写が素晴らしく、目の前に風景が広がるようで、また訪れたくなりました。 辛い過去がありながらも前向きに生きようと決めた人生やつぼみちゃんを見ると自分も勇気づけられるし、日々何気なく口にしているお米を、慈しむ気持ちが生まれました。
0投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログ今年のマハさん締め。 今年はマハさん本を本格的に読むようになって 美術系じゃないのはとくに心に響く、ほんとにハズレがない☺️ 生きるぼくら、お米を育てる、人間を育てる、 自然はやっぱり心を洗うよなあと改めておもった、 年末にふさわしい読後感☺️ 人生とつぼみちゃんがどうなっていくのかな〜
0投稿日: 2021.12.31
powered by ブクログけっこう厚みのある本で、内容も米作りとおばあちゃんの認知症、引きこもり、と突飛なものではないのだけれど何だかすらすら読めてしまう。 し、涙します。 梅干しおにぎり片手にどうぞ。
0投稿日: 2021.12.31
powered by ブクログいろんな本好きさんが勧めていて、未体験の作家さんだったためトライ。家族やいい意味でムラの人と人のつながりがじいんとする本。特にいなか育ちで今都会で働く人には響くはず。けっこうよかった。 この作家さん美術系のミステリーが有名みたいなのでそちらも読んでみようかな。
0投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログ生きることの重さ。1人の人(マーサ婆さん)への生きてて欲しいという思いがとても伝わり、命の大切さが伝わる。 また、本に出てくるおにぎりがとても美味しそうに思う。おにぎりは、人の手で握られているから特別な食べ物ということがすごく伝わり、お米の大切さや、作っている人の苦労、食べ物を食べることができるありがたさを学べる本。 お話は、単調だが、とても良かった。
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログ引きこもりだった「人生」が、あることをきっかけに米作りに出会い、成長する物語。 映像を見てるかのように情景が浮かび上がる文章と、最後は必ず感動させる運びはさすが。 人生に勝ち負けなんてないし、人と関わることはそれだけで孤独から救われることなんだと改めて思った。 生きる力と勇気が湧く作品。
1投稿日: 2021.12.25
powered by ブクログ生命と共に育てるお米作り、そのお米作りのように人生も周りに支えられながら、そして時には支え。 垂れ下がった稲穂が最後には青空に向けて立派に育つ。 人の心の成長とお米作りの成長を掛け合わせた、勇気をくれる、そっと優しく背中を押してくれたような、そんな読了感を味わわせてくれる純米物語。
2投稿日: 2021.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじに惹かれて読み始めました。 主人公の麻生人生自身の心境の変化、変わっていく描写も 希望が見えて前向きになっていく様子が伝わってきて自分も前向きになることができました。 しかし私は、米作り、しかも現代の方法ではなく、古代の農法で育てる米作りを取り扱っている点もすごく面白く思いました。 技術の進んだ現代でも自然を相手に作物を育てるのは苦労が伴いますが、自然と共存し自然を生かしてお米を育てる人間の知恵と根気強さにも心を打たれ、より『生きるぼくら』の”生きる”について考えさせられました。
0投稿日: 2021.12.20
powered by ブクログ一粒のお米に7人の神様が宿る。感動のお米作り物語。マーサばぁちゃん、いいなぁ。東山魁夷の絵が見たくなりました。行動する事で人生が動きす。 泣けて勇気が出る感動の作品。
4投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじ ・母子家庭の引きこもり主人公のおはなし ・母親の家出をきっかけに外に出る ・母親が置き手紙と一緒に置いてあった年賀状をもとに父親の実家へ向かう ・祖母と祖母と一緒にいた父親の再婚相手の娘と暮らしだす ・祖母の田んぼで米作りをすることで色々な人に頼りながら暮らしていく ・認知症になってしまった祖母 感想 引きこもっていた割には人とのコミュニケーションに余り苦労していないのはちょっと変な気もする。 まわりの人達が陽気な人ばかりだからなのかな? 人に触れていく過程、米作りをするなかで、母親への感謝を再確認していく場面は涙が溢れてきた。
0投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログ自然の中で自然と共に生きていくおばあちゃんの生活は現代社会において学ぶことが多くありました。誰でもどんな言葉も受け入れてくれる心の広さ、稲の生長を信じる強さ、生長のために必要な分だけの草むしり、手間を惜しまず作り上げる喜び、一人ではできないことを受け入れて周りを巻き込める力。どんな生き方をしたらこんな大きな人間に育つのか…。また、志乃さんのように一定の距離を保ちながら若者の成長を見守り、成長に必要な分だけの草むしり(物申す)をし、その後一緒に喜び合う姿は、おばあちゃんの生き方に通じるところがある。
3投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログおすすめで知って、表紙のデザインにも惹かれた。 お米作りを通して、自然と人間の生命力について考えさせられた。 生きていると、いろいろな悩みとか、苦しみがあるけど、「生きることをやめない力」を信じるって大事だ。 実際に農業はしたことがないし、作品を通してしかお米づくりの大変さは分からないけど、主人公の人生が農業と向き合っていくうちに、お米に対して自分の子供みたいに愛情を持って、育てていく姿を応援したくなった。 胸がいっぱいになって、生きるエネルギーをもらえた一冊になった。
4投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログ表面的ではない、感情の機微も捉えて、言語化されているから、人間味の深いというか、ほっとするというか、本当に原田マハさんの本は痺れる・・ 人間は、究極、孤独だと思うけど だからこそ生きるのをやめない力もあると感じました
0投稿日: 2021.12.15
powered by ブクログ米作りを通して変わっていく人生や純平に共感する場面が多くありました。 おばあちゃんや蓼科の人達、お父さんお母さんの優しさが、それぞれ違うのにみんな温かくて、最後の方はずっと感動してました。 生きる力を強く感じました!
2投稿日: 2021.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三浦しをんの「神去なあなあ日常」的なものを読みたいなと思って手を出しました。大正解!読後感がとてつもなくいい。何回でも再読したい。出会えてよかった。
3投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログ前半は、いじめのシーンや心の辛さの描写が読んでいて辛かったです。途中からはほっこりなお話へとなって、最後にはあたたかな気持ちになれました。最後まで読んでよかったです。
0投稿日: 2021.12.07
powered by ブクログいじめ、引き籠り、介護、就活、親子等様々な社会問題を織り込みながら、自然との対話の中で生きていくことの素晴らしさを伝える作品 原田さんらしく、物語の中に美術作品も活かされてる 特に第7章、第8章は感動の涙 読後感のとても良い物語
0投稿日: 2021.11.19
powered by ブクログお米作りって こんなに大変なんだ おいしいご飯が食べたくて 色んなお米を試してみた事あったけど 違いがイマイチわからず… 結局 炊飯器を捨て 土鍋でご飯を炊き始めた どんなお米も おいしい〜ってなった 今でも 炊きたてのツヤツヤに感動して 絶対にちょっとつまみ食いしちゃう お米のチカラってすごい 本当に 人生の軌道修正や人間関係の修復も出来るチカラあるのかも マハさんの物語に 絵の話が出てこないのか? って思ったら 東山魁夷 緑響く が出てきた! 色んな絵を検索するのが楽しみ
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログ引きこもりがあれよあれよと成長する展開が素晴らしい。出てくる人がみんないい人で泣ける。東山魁夷の絵を見るとこの小説を思い出す。原田マハさんの本の中でも マグダラ屋と旅屋、キネマとこれが特に好き大好き度❤️❤️❤️
2投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ決して最近読み終わったという訳でもないのに話の内容はしっかり覚えています。 まだ小説というものに興味がなかった頃、読書好きな母から勧められてこの本を読みました。長文が苦手だった私でも読む手は止まらず、あっという間に読み終えてしまいました。 読み終わった頃には涙線崩壊。終わり方が素敵すぎて余韻から中々抜け出せませんでした。 ずっと狭い世界に閉じこもっていた主人公が祖母の家へ行き、人の温かさを感じ、たくさんのものに感謝して日々成長していく、感動ストーリーです。 私自身も大切なものに気付かされ、当たり前となっていた事にもたくさん気付かされました。 辛くなったり、泣きたい時に思わず読みたくなる1冊です。
1投稿日: 2021.11.07
powered by ブクログ地元茅野が舞台で、米作りのシーンでは自分の祖父母の姿と重ね合わせて読んだ。 米作りを通し、主人公や登場人物が成長したりしていく過程がとても素敵であった。
1投稿日: 2021.11.01
powered by ブクログずっと読みたいと思ってた原田マハの 最初の一冊♪ 良かった(/ _ ; ) 年賀状、おにぎり、梅干し… 愛ですよ!愛がいっぱい詰まってます! 突き放した母さんも辛かっただろうに…強い!同じ母親として自分なら…できないな(u_u)
9投稿日: 2021.10.25
powered by ブクログマーサおばあちゃんに会いたくなる…! 人に生かされ自然に生かされていることを知る、 日常のようなのにキラキラとした物語。 蓼科の情景が浮かぶ。 御射鹿池に一度行ってみたい。 個人的に志乃さんの人柄がとてもすき。 これこそ大人。大きな人だ。 登場人物のかつての生活や学校での事が 最後にはちっぽけで遠い遠い昔のように 感じられるほど。 今が眩しくて充実感のある人生を 送っている登場人物へと変化していた! おにぎり食べたいなぁ…
2投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログ2012年初版。面白かったです。ストーリー的には、特別に奇抜なものではないと思いました。心に傷を持ち、踠き厭世的になった主人公が、農業や優しい祖母、善良な人たちに囲まれ再生していくと言う心に優しい物語です。随所に涙腺が弱くなった私は目を潤ませました。感覚としては、子供の頃に観た藤山寛美さんの松竹新喜劇の人情物を観た感覚に似ているような。最近、殺伐とした人間の本性を剥き出しにしたような作品を読んでいましたので、心が洗われた気持ちがします。
12投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ読みながら、何度も泣いた。 私には祖母がいる。マーサさんのような祖母が。 もうなくなってしまったが、懐かしい記憶が蘇り、何度も何度もすすり泣いた。 懐かしい茅葺き屋根の祖母の家、ほこりの香りがした、土間。 畦道を駆け抜ける風の匂い。 全て蘇って、泣いた。 農業はそんなに甘くはないが、引きこもりから一歩前へ進んでいく、壁にぶつかりうずくまった若者が、それぞれ前へ前へ進む姿は、もの凄く共感できる。 私も、前へ進みたい。
2投稿日: 2021.10.08
powered by ブクログじんわりと涙が込み上げてくる 温かい物語でした 自然が作り出すものは計り知れないな、、と。 そして家族はどんな形であれ愛情が滲み出てしまうものなんだと思いました。 大人になるにつれて親へのありがたみってすごく感じるようになったけど、それをまた感じさせてくれました。 人は変われるし なんだってできる。
1投稿日: 2021.10.08
powered by ブクログ読書記録 『生きるぼくら』 原田マハさん ひきこもりの24歳の人生くん どうしょうもない状況に追い込まれて お祖母ちゃんのいる蓼科に行く そして人生くんの人生が変わっていく なんかずっと涙目で読んでいた 人は変われる 人が生きるために必要なことは ごくごくシンプルで誠実なことの積み重ね そんな事を思い出させてくれる
7投稿日: 2021.10.07
powered by ブクログ読後感最高でした。しばらくひたっていたいくらい。 幼少期(まさに昭和の時代)に祖父母が稲作をしていて、手伝いに行く父母に連れられて行ったことを思い出した。稲穂を掛けた穂架かけや、田んぼ近くの井戸水の冷たさを思い出し、懐かしくなった。 温かくて分厚くて丸っこいおにぎりが食べたくなった。 やっぱり原田マハさんのお話はどこを切り取っても良い印象しかない。登場人物もみな良い人達だし、悪い出来事も起こらない。好きだなぁ…。
1投稿日: 2021.10.06
powered by ブクログ農業に対するキレイな部分で出来上がったような話なんだけど(指導者がいるとはいえ無農薬の田んぼで1年目からしっかり収穫があるなど)、こういう暮らしをしたい人って結構いるんじゃないかと思う。田んぼを耕してる内に周りにいる人や自分自身にも向き合えるようになる。自分本位が周囲を巻き込んで幸せになれる人への成長物語。
1投稿日: 2021.10.04
powered by ブクログ読んでる最中とくに、 お米大事にしよ!一粒も残さず食べよ!って思える一冊。認知症が進行する祖母、一つの田んぼとともに成長する人生の姿を見ていると、わたしも頑張らないと、と思える作品でした。
2投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原田マハさんの、『本日は、お日柄もよく』がとても良かったので、 『生きるぼくら』も読んでみた。 イジメから引きこもりになった主人公『人生』が、 機械を使わない全て手作業のお米作りを通して、人の温かさや働くことの大変さ、人生を大切に思う家族の気持ちに気付いたことにより、人生が周りの人を守ろう、そして手助けしよう、という気持ちが芽生え、人として成長していく物語。 認知症が進むおばあちゃんの描写は、他人事とは思えず、とても心苦しかった。 親を大切にしようと改めて思った。 そして、幸せな人生だったと思ってもらえたらいいなと、心から願いました。
0投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログ主人公の再生物語。 そしておにぎりが食べたくなる一冊。 諦めない心や人との絆の大切さを身に染みて感じた。ラストに感動的な展開があり、胸が熱くなった。
0投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログ米づくりを通して描かれる人生 蓼科での毎日が、私には本当に眩しく輝いて見える 読み終わった翌日のお昼ごはんに、たまらずおにぎりを握ってしまったほど 素手で握るおにぎり、何年ぶりだろう、作ったことあったかな… 最後の章は涙が止まらず、コロナでなかなか会えない離れて暮らす家族に会いたくなった ずっと認知症の父とマーサさんを重ねていました 自分ももっと人生のように、周りの大切な人たちに感謝を忘れず、素直にまっすぐに、こんな風に生きれたら、素敵だな
0投稿日: 2021.09.23
powered by ブクログ丁寧な暮らしは自分を見つめられる。 自分が、子供が、心が騒がしくなったら、思い出したいこと。 おばあちゃんのおにぎりとかおはぎとか美味しかったよなぁ。 認知症になった祖母と重ねて読んでしまった。
0投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ時間やノルマに追われる仕事じゃなくて こういう、自然の流れに身を任せながら 四季折々を楽しみながら出来る仕事 っていいなあと感じた。 やりがいのある仕事を見つけたい、と思いました。
0投稿日: 2021.09.20
powered by ブクログ中学でいじめに遭い引きこもりになった人生24才はある日母ちゃんに見放され、五万円と数枚の年賀状を残して出て行ってしまう。母ちゃんの置き手紙には、年賀状の誰かを頼ってみなさいということだったが、一枚だけ離婚した父の母マーサばあちゃんからの年賀状が届いていた そこには、余命数ヶ月であることが記されており生きているうちに会いたいと書かれていた。幼い頃父に連れられやってきたばあちゃんのいる田舎を思い出し、人生はおそるおそるばあちゃんの元を訪れる。 久しぶりに会うマーサばあちゃんは認知症により自分のことを覚えておらず、さらにつぼみというおかっぱの少女と一緒に暮らしていた。 人生は戸惑いながら3人で暮らしていく。 マーサばあちゃんと一緒にコメ作りを通して、村人たちのあたたかい支援を受けながら、そして認知症の進行に悩み傷つきながら3人で協力して日々を過ごしていく。 梅干し入りのおにぎりが苦手となってしまった人生だったが、自分で作った米とばあちゃんが不器用ながら握ったおにぎりに入っていた梅干しを食べ再びあたたかい気持ちになる。 そして母親と連絡をとることとなった 2021/05/22 10:54
0投稿日: 2021.09.20
powered by ブクログ壮大な自然や作物の「命の味」は、生きていることを感じさせてくれる。そして、周りの人への感謝を気づかせてくれる。 そんな、人に支えられ、その感謝を生きていくことへのパワーに変えられる、純粋な心を持っている人たちの前向き作品だった。 途中耐えきれずおいしいおにぎりを食べました。
19投稿日: 2021.09.19
powered by ブクログ人との関わりが人を前に向かせる。 まずは顔をあげる。 人に終わりは無いんだと改めて感じた。 心温まる物語。
4投稿日: 2021.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
落ちこぼれで引きこもりだった中村人生。25歳 実の母に捨てられ、1枚の年賀状を頼りに父の故郷の長野県茅野市へ。 そこで1人の少女と出会う。そして、父の現在の状況について知ることになる。 人生の祖母であるマーサとの再会となるが、人生が驚く状況になっていた。 マーサとの再会、そしてマーサの周辺にいる温かい人の繋がりや米作りを通して人生が大きく変わっていく。 人の温かさやつながりの大切さに気付かされる1冊
2投稿日: 2021.09.17
powered by ブクログご飯めっちゃ食べたくなる。マーサばあちゃんはもちろん素敵だけど村の住民みんな温かくてかっこよかった。
2投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログあーーーー田植えしたい!!!!茅野に住みたい!!人っていいな、人生楽しみだなって思えるような話。自然と読み終わった後に元気になって明日も頑張って生きよう、そんな風に思える。
2投稿日: 2021.09.10
powered by ブクログいじめでも、家族間の問題でも、経済的な問題でも、はたまた友人やパートナーとのいざこざでも。 こういったことをきっかけに、崖っぷちを経験したことがある人は少なくないと思います。 そういう時には、孤独を強く感じ、周りが見えなくなり、自己否定ばかりとなり、どうしても気持ちが『内』に向いてしまいがちです。 本作は、そういった状況にあった青年が、状況を打破し、自分と向き合い成長していく作品です。 主人公である青年・人生くんは、過去に辛い苛めを受け、自室に引きこもるようになりました。母親と2人で生活しているので、食事も母親任せで外にでることもない生活の中、突然、母親がいなくなってしまいます。 困惑する中で、母親の置き手紙と一緒に置かれていた年賀状をきっかけに父親の故郷である蓼科に向かう決意します。 蓼科では様々な出会いがあり、多くの刺激をもらいながらの生活が待っていました。 慌しい日々の中で、人生くんは過去の自分と今の自分に向き合うことで、前を向いたカッコいい大人に成長していきます。 離婚や借金、いじめ、引きこもり、介護、認知症、就活、農業離れなど、暗いテーマが各所に散りばめられていますが、軽快な文章で綴られているせいかすっと読み進めることができます。 冒頭のいじめのシーンは反吐がでましたが。 読み終えて思うことは、人が成長するには自分と向き合い、自分で決意することしかないってことでした。そして、それに必要なのは大切な周囲の人間だと感じます。 大切な誰かがいてくれることで自分を見つめられるし、挫けそうな時も支えになってくれるからです。 人生くんはラッキーでした。 素敵な父親、母親。おばあちゃん。つぼみ。志乃さん。田端さんや地域のみんな、多くの協力的な暖かい人が側にいてくれて、安心して自分と対峙できたと思います。 都会では家族の生活に踏み込んでくる地方のコミュニティは毛嫌いされるかもしれませんが、私は蓼科の方たちが大好きです。 都会に比べれば不便な生活かもしれませんが、絶妙な『お互い様』が浸透していて憧れてしまいますね。 今は無理でも、個人で、あるいは家族で孤立するような生活ではなくて、もっと地域で生きていきたいですね。 最後に、農作業の喜びは胸に沁みます。 3年前から趣味で畑をするようになったので、共感できる部分は多少なりともありました。 稲作は経験したことはないけど、やはり自分で育てたものを収穫した時の嬉しさは喩えようがないです。 原田さんも稲作を経験されて書かれたみたいで、まったく頭の下がる想いです。
23投稿日: 2021.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P.138 つぼみ、元気にしていますか。お父さんがいなくて、さびしくしていませんか。いつでも蓼科に帰ってらっしゃいね。私は余命数ヶ月。残りの日々を、大好きなものに囲まれ、大好きな人たちに会って、大切に過ごしていきたいと思っています。 P.147 その画家は、東山魁夷という日本画家で、その風景をモチーフに『緑響く』という代表作のひとつを描いたのだということを。新緑溢れる森と、それを映す磨かれた鏡のような湖面。その境界線にすっとあらわれた、幻のような一頭の白馬。一度見たら決して忘れられない、それはそれは美しい絵なのだと。 P.149 ー緑の中を歩いていくこの白馬は、母さんなんだよ。きっと、そうだよ。 P.159 振り返って、もしもそこにばあちゃんがいたら。弱い心は、たちまち引き戻されてしまうだろう。父と、母と、子供の自分と。思い出のいっぱい詰まった、蓼科の家。父が逝き、母が消えてしまっても。子供の頃の純粋な気持ちを無くしてしまったいまも。どんなにときなががれても、決して変わらない場所。何もかも失って、ここへ帰ってきた。そして、ばあちゃんさえも失おうとしている今、人生はようやく気がついた。この場こそが、おれのふるさとだったんだ。 P.162 大丈夫よ、人生。またすぐにここへ帰って来られるわ。秋がきて、たくさんお米が取れたら、大きなおにぎりを作ってあげる。冬になったら、あなたの大好きな甘酒を作って、待っているわ。大丈夫よ、人生。悲しくても、さびしくても、いつだって、ちゃんと季節は巡ってくるんだから。ひとつ、またひとつ、季節が巡るたびに、あなたはだんだん大きくなるの。それを見るのが、ばあちゃん、とっても楽しみなのよ。 P.171 家族のかたちとは程遠い三人。それぞれに何かが欠けていた。けれど、かけている何かを探そうとするかのように、集まった三人だった。 P.173 つぼみを駐車場で待たせるのは、一分一秒でも短い方がいい。別の言い方をすれば、一分一秒でも早く、つぼみと一緒にばあちゃんのところに帰りたい。一日の仕事を終えると、少し高揚した気分で、足取りも軽く、人生は事務所を後にするのだった。 P.183 ばあちゃんは、目の前に差し出された銀行の封筒をじっと見つめた。そして、両手でそれをしっかりと受け取ると、額に押し当てて、「ありがとう」とつぶやいた。そして、薄っぺらな封筒を、大切そうにセーターの胸に抱き締めた。その瞬間、ふっと母の姿がばあちゃんに重なって見えた。こんな風にするべきだった、と人生は、その瞬間に思った。どんなに辛いことがあても歯を食いしばって働いて、母を助けるべきだったと。 P.190 稲作って、本当にすごい仕事よ。だって、どんな人であれ、日本人なら、お米が必要でしょう?どんな職業の人でも、お年寄りでも若者でも子供でも、お金持ちでもそうでない人でも。私たち、みんな、ご飯が大好きでしょう?そのお米を作る仕事。何より素晴らしいことなんじゃないかしら、って。 お米の一生は、なんだか、人の一生に似ているのよ。最初は小さな種籾(たねもみ)から始まるの。籾殻(もみがら)がついたままの、ひと粒の籾。それがやがて苗になり、帆が伸びて、いっぱいにお米が実る。一粒のもみから、四千粒のお米が実るのよ。 P.216 「どうしていいかたちかっていうとね。人の手で結ばれたかたちをしているからだよ。」二つの手と手を合わせて、ほっこりと握る。それがおにぎりのかたち。これを食べる人が健康でいっぱいご飯が食べられますようにっていう、作った人の祈りの形なんだよな。そんな風に田端さんは言った。なるほど、そう言われてみると、ばあちゃんの作ってくれたおにぎりは、そのまんま、ばあちゃんの手を結んだ形、ばあちゃんの祈りの形に見えてくる。コンビニのおにぎりが味も素っ気もなく見えるのは、機会が作った形だからなのかもしれない。 P.237 「でね。いつでも、私に声をかけなさい。困ったことがあっても、なくても。だって私、マーサさんとあんたたちの応援団長なんだから」志乃さんは、人生たちの応援団長で、司令塔だった。そして、やっぱり、「カッコいい大人」だった。 P.242 皆、それぞれに言っていた。人間、長く生きていれば、必ず何かがある。そんなとき、家族の支えが一番必要になる。元気なときは気づかないけれど、支える方も、支えられる方も、病気になればお互いのありがたさが身にしみる。そして、失ってみると、その存在の大きさがしみじみわかるものなのだと。 P.244 「こんにちは、マーサさん。田端と申します。今日は、マーサさん自慢の田んぼを見せてもらいましたよ。ありがとう」高齢者に接するときの田端さんは、明らかに心がけが違うとわかる。ゆっくりとして優しい口調はもちろんだが、「おじいちゃん」「おばあちゃん」とは呼びかけず、必ず名前で呼ぶ。名前で呼びかけることは、その人の個性を尊重することなのだ、と田端さんは人生に教えてくれた。「元気ですか」などとも言わないで、その人が興味のありそうな話題をすぐに出す。「ありがとう」と言う。高齢者に接するうちに、自然と「ありがとう」が出てくるようになったそうだ。この人たちが、いまの社会を、日本を作ってくれたのだ。そういう感謝の思いがいつも田端さんの胸の中にはあるのだ。 P.251 「なんだか、無性にありがたい気分になるんだよ。他の野菜の収穫の時でも、もちろんそうなんだけど…やっぱり、お米は特別だね。生きてる証っていうか。自然と、命と、自分達と。みんなひっくるめて、生きるぼくら。そんな気分になるんだ」生きるぼくら。なんだかヘンテコだけど、そうとしか言いようのないフレーズ。その言葉がふっと手を伸ばして、人生の心の表明にそっと触れた気がした。「そうね。みんな絵生きてるって感じ。マーサさんの田んぼは、耕さないし農薬も使わないから、ミミズやカエルやゲンゴロウとか、生き物がたくさん棲息してるの。茶=んと食物連鎖が起こって、命のリサイクルがあってね。みんなで手を結び合って生きている感じが、いっそうするのよね」「雑草や害虫を殺さず、むしろ自然の食物連鎖や、生存競争に任せるっていう考え方なんだね。ユニークだなあ」 P.255 「冬のあいだも生き物たち、頑張ってくれてたんだ」つぼみがつぶやくと、「頑張ってないよ。自然のまんま、そのまんまなだけ」と志乃さんが割った。以前、志乃さんも同じような感想を口にしたそうだ。その時、ばあちゃん曰く、自然のまんま、そのまんま。頑張らなくても、みんな一緒に生きてるのよ。私たち、繋がりあって生きているのよ、と。 P.260 それでも、人生は、この暮らしがたまらなく好きになっていた。枯れ枝のようなばあちゃんの手。右手を人生が、左手をつぼみが、それぞれにしっかりと握り、毎朝、庭に出る。青く煙る八ヶ岳の峰を遠く眺めながら、深呼吸をする。生きてるんだ、という言葉が、どこからともなく聞こえてくる。生きてるんだ、という思いが、心の底から湧いてくる。 P.276 「水が入るとますますげんきになる水生の夏草だけ刈り倒したよね。他の草は放っといても枯れる。そうして、自然に田んぼの肥料になるの」だから、「雑草」などとばあちゃんは呼ばない。春の草、夏の草と呼ぶ。「害虫」とも言わない。この田んぼにくる虫同士、食物連鎖して生きているのだから。草も虫も、彼らはみんな土をこやしてくれるお客様よ。 P.279 ひょっとすると、たくさんとれないかもしれない。でも、そのときはそのとき。まずは、信じてあげましょうよ。お米が成長する力を。 P.295 事業に失敗して借金を作り、母に迷惑かけられないからと、ひっそりと姿を消した父。その後、人生の父と、つぼみの母が、出会い、次第に手を結びあい、恐る恐る、一歩一歩、どこへ続いているかわからない道へと踏み出していく姿が見えるかのようだった。 病気と借金を抱えながら、父もまた、孤独に生きていたのだ。そして、命が尽きる日がそう遠くないことを悟りつつ、人生の最後に、もう一度、負の部分も含めて自分を受け止めてくれる人と出会い、つぼみという「娘」を得たのだ。そして、父が最後につぼみに遺したのjは、ふるさとー蓼科と、そこでくらすばあちゃんだった。「あたしは、ラッキーだったよね。少しの間だったけど、パパとママがいて、蓼科に来られて、おばあちゃんに会えた。お父さんもおばあちゃんも故郷もないあたしだったけど、いっぺんに、全部手に入れちゃって…ほんとだったら、あたし、死ぬまで、お父さんも、おばあちゃんも、ふるさともないママだったのに。ラッキーだよね。新多パパのおかげだって思ってる」 P.310 けれど、今ならわかる。田んぼで育つ稲のように、自分たちには、空を目指してどんどん伸びていく本能が備わっているはずなんだと。あんなに小さな一粒の種籾から、青々と育ちつつあるいね、その力。「お米の力を信じて、とことん付き合ってあげなさい」と、米作りを始める前におばあちゃんが言っていた。自然に備わっている生き物としての本能、その力を信じること。すなわち、生きる力、生きることをやめない力を信じること。「お米の力」という言葉を、「人間の力」という言葉に置き換えてみる。すると、それは「自分の力」という言葉になる。「自分の力」を信じて、とことんつきあってあげなさい。ー自分自身に。ばあちゃんにそう言われている気がした。それを、純平にも伝えてやりたかった。 P.338 母ちゃんは、こうなることが全部見えてたんだって。ひとりで立ち上がって、雨にも風にも負けず、生きていく。たくさんの人の手を、力を、知恵を借りて、成長していく。稲のように、強くなれる。そう信じて、おれを、力ずくで外の世界へ引っ張り出してくれた。母ちゃん。ーおれは、おれは。まだまだ、弱い人間だけど。まだまだ、半人前だけど。それでも、おれは、今度こそ守りたいんだ。おれの家族を。 P.350 「だめだよ、母さん。こいつ、カマなんか、いっぺんも使ったことないんだから、できっこないよ」「そんなことないわ。誰にだって「最初」があるでしょ。だったら、今日を、その「最初」の日にしたらいいのよ。ね、人生。今日は、あなたの「最初」の日よ。お米を刈り取る最初の日」 P.352 お米の生きる力、生きることをやめない力を信じる。そして、冬から春、夏から秋へと、四季を通してお米に付き合い、その成長を助け、見守る。お米の力を信じること。すなわち、自然の力を信じること。だから、文明の利器はできるだけ使わずに、お米につきあう。使うのは、人の手だけにして。なぜなら、人の手は、生き物のて。人の手は、自然の力の一部なのだから。 P.354 「いただきます」そう言ってから、人生は、ちんちくりんなおにぎりにかぶりついた。途端に、ご飯の甘みと、きゅっと体が縮まるほどの酸っぱさが、口の中いっぱいに広がった。おにぎりになh、特大の梅干しが入っていた。去年、ばあちゃんが作ったという、自家製の梅干し。人生は、しばらく、口の動きを止めた。壮絶な思い出が、一瞬、脳裡を駆け抜けた。少年の頃には食べるのを楽しみにしていた母の梅干しを、忌み嫌うようになった。そしてあるとき、母が買ってきてくれたコンビニのおにぎりに、どういう訳か、梅干しが入っていた。思えば、あれがサインだった。母が、自分を捨てて、アパートを出ていくときのー。いや違う、あれは、きっと、母ちゃんが「出ていく」サインだったんじゃない。母ちゃんが、おれに「出てこい」と突き付けたサインー切実の願い、だったんだ。人生は、梅干しをご飯と一緒に飲み込んだ。酸っぱくて、ほのかに甘いそれは、喉から胃袋へとストンと落ちていった。自分の中に居座っていたわだかまりを、すんなりと溶かすように。 P.362 父は、署が得意だった。子供の頃にはお寺の書道教室に通っていたとも言っていた。会社を経営していたときも、年賀状は全て毛筆で、手書きでしたためていた。これは、父のメッセージ。ばあちゃんの名前を語って、蓼科に帰ってきてくれという、父の最期のー嘘だったのだ。 最近、どうだ?がんばりすぎてないか?人生、どうしているかな。あいつらしい「人生」を送っているだろうか。おれは余命数ヶ月、残された日々を生き生きと暮らしていこうと思ってる。人生に、もう一度会いたいな。おれの命が、あるうちに。 つぼみ、げんきにしてるか。お父さんがいなくて、寂しくしてないか。いつでも蓼科に帰っておいで。おれは余命数ヶ月。残りの日々を、大好きな物に囲まれ、大好きな人たちに会って、大切に過ごしていきたいと思ってる。 人生。つぼみ。帰ってこいよ、お前たちのふるさとへ。蓼科へ。 P.372 「…うまい」ひとこと、言った。あとは、言葉にならなかった。なんだか、涙が込み上げてしまって。凍れる冬。水温む春。灼熱の夏。豊穣の秋。巡る季節。草木の梵、花々の目覚め。小鳥の囀り、虫たちの蠢き。おおらかにたたずむ八ヶ岳の峰々。美しい場所。故郷、蓼科。命の味がした。自然と人との、命の味が。 P.382 だから、今度は、母ちゃんに、おれの作ったおにぎりを食べてもらいたいんだ。今朝、ご飯が炊けるいい匂いで目が覚めた。台所に言ってみると、ばあちゃんが、ひとり、土間のかまどの前にしゃがんで、火吹き竹で火を起こしていた。ふつふつと泡吹く羽釜。ゆらゆらと揺れる炎。台所に満ちる、暖かな、豊かなご飯の香り。ご飯の香りに誘われて、つぼみも起きてきた。二人の方を振り返って、ばあちゃんは言った。おはよう。さあ、ご飯が炊けたわよ。一緒に、おにぎりを作りましょう。 P.385 母は、震える両手を差し出すと、いびつな形のおにぎりを受け取った。そして、胸にそっと抱いた。幼子を抱きしめるように。
2投稿日: 2021.08.29
powered by ブクログおばあちゃんのおにぎりが食べたくなる。 お米を大切にいただきたくなる。 お米の成長と共に、家族や主人公が変わっていく姿が丁寧に描かれていて、親孝行って素敵だなと感じさせられる。 そして、何より題名がいい!
2投稿日: 2021.08.29
powered by ブクログ認知症のおばあちゃんと孫。 自分の境遇とも似てる部分があって感情移入できた作品でした。 1回1回のご飯に感謝しようとも思わせられた作品。
2投稿日: 2021.08.26
powered by ブクログ祖母に不幸があって少したった頃、この本を読みましたが、涙が止まりませんでした。 家族って良いな、親孝行しなきゃいけないなと身に染みました!
5投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログ今年亡くなった大好きだった祖母を思い出してしまい、何度も泣きながら読みました。 両親が離婚して、祖母に会いに行けなかったっていう主人公の境遇と、私も同じ経験をしたのですごく共感。縁あって久しぶりに祖母に会った時は抱きしめてくれたなぁとか色々思い出しました。 こんなに感動する小説は久しぶりです。 この小説はストーリーももちろん素晴らしいですが、登場人物、特にマーサおばあちゃんが懐が深くて素敵でした。 村の人々も助け合って生きていて、みんな他人に優しい。 読み終わった後、心がすごく暖かくなる物語でした。 改めて、周りの人に優しくしてあげよう、マーサおばあちゃんのようにいつも笑顔でみんなに親切にしたい、と思いました。
20投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログ【涙のおにぎり】 ・家族や仲間の「温かさ」 ・立ち上がるための「勇気」 ・働くことの「尊さ」 ☆読んだ後、幸福感に包まれ、涙が溢れます!
2投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログ社会人1年目にして読んでみたものの、物凄く自分に勇気を与えてくれた。周りを気にして、当たり前のように仕事をしなくちゃいけない、そんな感情に押されている自分の中に人生を歩むうえでの一本の基幹を植え付けてくれた。時には立ち止まりこれから迎える何十年という時間と向き合うのも大切だと思った。この本は自分という選択肢を辛く狭まっている時にこそ大きく開放してくれる導きだと思う。
4投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えた後、自分のおばあちゃんに無性に会いたくなった。今は亡きおばあちゃん。いつも会うたびに笑顔で「Aちゃんはすごいねー。がんばっているねー。」と無条件に褒めて、励ましてくれた。おばあちゃんの家はひなたの匂いがしていて、遊びに行くたびに帰りたくない!という気持ちになったことを思い出した。マーサおばあちゃんのように、老いいく過程を、私は一緒に過ごすことができなかった。もっと一緒に過ごす時間を作ればよかったと後悔の念がわく。マーサおばあちゃんの周りで、人生やつぼみの「生」が太くて芯あるものに変わっていく様子に胸が熱くなった。優しくて強い人間は、周りの人にも伝染して人生を豊かにしてくれる。私もそんな人間になりたいと強く思った。
2投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログ登場人物がみんな魅力的で心が温まる本。途中途中に何度も泣きながら読みました。ここでは強くて優しく温かな人間しか出てこない、ハートウォーミングな世界に自分自身が沢山の愛情を受け取っているかのように錯覚することができました。 とても読みやすかった。いじめ、引きこもり、家族、認知症、様々なテーマが込められています。読んでいる間中ずっと大好きな長野の綺麗な自然の風景が浮かんできました。
2投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログこの作品は数年前にも読んだことがあり、再度購入して読んだ。再読でも、3回泣いた。主人公の人生(じんせい)がイジメに耐えるシーン、認知症のマーサおばあちゃんが、人生の名前を思い出して呼ぶシーン、成長した人生が10ヶ月ぶりに帰宅しお母さんと再会するシーン。一つの話で3回も泣かせられるなんて…大好きな作品!
3投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログとても読みやすい。主人公が引きこもりから脱出し、生きることの尊さを知る。誰にでも何かを始める、辞めるきっかけが必要で、それはとても勇気のいる事なんだと感じた。登場人物のセリフや行動が中々キザだったのと、先の読める展開が多かったので星3つ。
0投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログこんなうまい米、はじめてだ! 驚いた引きこもりは、病気のばあちゃんのため米づくりへ一直線。それは自分を取り戻す旅だった。 いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた????。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。
0投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ壮絶なイジメを誰も助けてくれなかった世界がこの世には普通にあるのか。大人は何をしているのだろう。でもこの子が生きて救われて本当に良かった。 マーサさんの存在もすごい。お母さん、頑張ったね。
0投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログ引きこもりだった青年が、久しぶりに田舎のお婆ちゃんを尋ねると、お婆ちゃんは認知症を患っていた。 つまづいても生きていける。 幸せかどうかを決めるのは持ち物やお金では無いと感じた。 周りの人からの信頼や愛情が幸せかどうかを決めるんじゃないかな、と自分なりの結論。
1投稿日: 2021.08.01
