
総合評価
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powered by ブクログ兄にとってのベストオブ・ファンタジーが「2分間の冒険」なら私にとってのベストはこの本「狐笛のかなた」 繰り返し読んできたお気に入りの一冊だ。 世界観の描写が自然の細部まで繊細に表現され、呪いと憎しみが渦巻く物語なのに、出てくる風景はどこか柔らかく、美しい。 命を救われた時小夜の温かさを胸に、一途に小夜を見守り続けてきた野火と、その想いに触れ、野火を守りたい小夜。 見返りも求めずに、ただ小夜を守りたいと命をかける野火の姿に本当に切なくなる。 そして覚悟を決め、迷いが消えたの野火の端々に出てくる、小夜と居る時だけの年齢相応の表情や所作にキュンとくる。 誰しもにとって完璧なハッピーエンドではないが、「共に生きる」二人だけの道を見つけた野火と小夜が長く幸せに生きていければいいと思う。 愛し、慈しむことの美しさと切なさに溢れる、この本が大好きだ。
5投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ和製ファンタジー 今作は日本っぽさが強くて、すごく好き 上橋菜穂子作品にしては短いけれど、それでもかなり、作品の世界に引き込まれる 児童文学なので、誰にでも読みやすいと思う 子どもたちみんなに読んでもらいたいな
0投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログ美しい物語だった。ラストは哀しいけれどこれが彼らの選んだ道なのだ。 長い長い年月の恨みや憎しみがねじくれているのだろうが、物語で主に描かれているのはほんの短い時間。でもこれがシリーズ化していくのかな?だとしたら、この本自体はあっという間で少し寂しく感じたので、楽しみ! 花乃さんが言っていた、私たちにできるのはこれからのことだけ、という言葉がささる。子どもたちの未来のために今を生きる私たちも頑張らないといけない。
0投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ半端ない安定感。 物語の展開も登場人物も安定している。 児童文学なので、読み易いし。 しかし、守り人シリーズほどの面白味はない。
1投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ上橋菜穂子さんのファンタジー面白すぎ しっかり世界が作られてるのに、読みやすい。 すごく好きです! ラストは綺麗だったなぁって感じ
0投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔の日本のような架空の時代のファンタジー。狐の男の子と呪師の女の子が惹かれ合う話。ハッピーエンドでホッとした。 日本史苦手な私には登場人物の名前が覚えにくくて、これ誰だっけ…という場面もあった。
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ上橋菜穂子ファンとしては、面白くて読み応えがある作品でした。子供たちに読んでほしい物語。日本の懐かしい風景を感じとり、物語の世界を楽しむことができた。
0投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログ憎しみ合いと呪い、獣と血の匂いがする中で、汚れなき美しい物語が軽快に進んでいく。読み終わった後は、清々しく洗われたような気持ちになった。
1投稿日: 2024.12.24
powered by ブクログ好きな本は何ですか? と聞かれたらこれを挙げることが多いです ファンタジックで和風であたたかくて切ない そんなお話です
6投稿日: 2024.12.19
powered by ブクログ何度目かわからないけど、また読んだ。 小夜と野火の純愛に胸打たれる。 何度読んでも、読み出したら止まらなくなる上橋作品。初めて読むかのように話に惹き込まれ、また一気読みです。ホント大好き!
1投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに読んだが、期間を空けて読んでも本当に面白く、上橋菜穂子さんの描く「なつかしい場所」が好きだなぁと思う。 優しくて芯が強くて正直な小夜も、主を裏切ったら死ぬと分かっていて小夜と小春丸を守ろうとした野火もとても好きだ。 若桜野がどちらの国にも水を運ぶようになったのも、小夜が戦いの道具にされなかったのも、本当によかった。
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ物語に引き込まれて読み進めました! どなたかのコメントにあった、宮崎駿監督で映画化して欲しい、と。本当にそう思います。 児童文学となってましたが、大人でもすごく楽しめました。 娘にもいつか読んで欲しいし、二度三度と再読したい作品です! 久々に大満足の読後感でした♪
18投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログ小学生の自分が1番好きだった本。 追われるようにページをめくって、胸が高鳴った幼い日々を、今もよく覚えている。 10年以上ぶりに読み返すことには勇気を要したけれど、全くの杞憂だった。 なんなら、上橋菜穂子さんの描くファンタジーが、児童文学の域を保ちつつ、広がる世界の広さが想像力の限界を試しに来る、この心地の良さが今も自分の中にあることを再確認しただけ。それだけで、涙が出るくらい嬉しかった。 なんて優しくてあたたかくて、切ない気持ちに させてくれるお話なのだろう。 ともすればややこしい領地争いや人間関係を、易しすぎる言葉も使わずにこれ程上手く伝えられるのは、もう本当に上橋先生ならではだと思う。 すごいのが、各登場人物の心の中に読者をすっと引き入れてくださる力。 小夜の、野火の、玉緒の想いに胸がいっぱいになりました。 そして鈴と火縄坊。決して登場時間が長くないキャラクターに、これほど心惹かれることもそうない。上橋先生が描くキャラクターには、魂が吹き込まれてでもいるのかしら。 1クールでアニメ化するのにぴったりすぎる設定と分量なのに、調べたら舞台化しかしていなかった。うーん!逆に舞台だとこの切なさが伝わらないような気がするけれど、、? 書きながら思い至ったのですが、私が異種族間の恋愛が好きなのは、このお話が起点なのかも。 ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルンなど、、、。 いつ読んでもこの作品が好きだと言えるように、自分の心を大切にして、日々を過ごしていけますように。
7投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログ1ページ目から面白い。そのまま夢中で一気読み。 鹿の王、香君、守り人シリーズと読んできたけど、どれも大好きだけど、負けず劣らず本作も凄く良かった。なんで今まで読まなかったんだろう。もし上橋作品読んだ事無い人がいたら、まずこの作品を薦めることにする。
3投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログ武家の時代の日本を舞台としたファンタジー。 呪師により使い魔とされた霊狐の少年。自らの出生の秘密を知らない少女。封印された屋敷から出ることが許されない少年。子供時代に偶然であったことから、長く続く領地を巡る争いに巻き込まれていく。 暗闇の山中での戦いなど血なまぐさくシーンが多いのだが、〈あわい〉と呼ばれる異空間の存在などあり作品全体では陰鬱としたところはなくどこか幻想的。お互いの正体や運命に徐々に気づく前半から一転、解決に向かう後半は少し展開が早かった。
0投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ再読 巨大なファンタジー群を持つ上橋さんには珍しく独立した和風ファンタジー。 けれどいかにも上橋さんらしい、大きな存在(国家間の争いとか)に翻弄される主人公たちが、なにを選び、どう生きていくかを描いた物語。 ラノベ脳的には途中、小夜と野火と小春丸との三角関係になるのかなと思うのだけどそんなことはなく(^^)、 これは小夜と野火の純愛物語なのだ。 自分を捨ててでも相手を助けたい。その想いは、終始物語の底に佇む暗い死のイメージの中でひと光の輝きを放っている。 ラストがまたいかにも上橋さんらしい。 手放しのハッピーエンドでもなく、かと言ってバッドエンドでもない。 幸せの中にある彼女らを見る時、読者もまた癒やされるのだ。
1投稿日: 2024.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何作目かの上橋作品。 これまでの作品がどれも優しく良質であったので、もうフラットな心では手に取ることが出来ない。どうしても面白い作品を期待してしまう。 この作品も読み始めからしっかり心を掴んでくる内容になっている。 多くの上橋作品の根底に共通する世界観(穏やかで自然豊かな非西洋(アジア・オセアニアやアメリカ)の中世風な世界)を持ちながら、それぞれが独特の個性を持ち魅力的な世界。 優しく、時に強く、親しみやすいのにこちらも個性的で引き込まれる(そしてイライラしない!)キャラクター達。
0投稿日: 2024.04.02
powered by ブクログ設定を理解するのに時間がかかってしまった。 登場人物たちの気持ちの変化が安直だと感じた。 児童文学として読むのであれば、ある意味わかりやすいのかもしれない。
0投稿日: 2024.03.22
powered by ブクログ和製ファンタジー。随所に日本らしさを感じる世界観で、守り人シリーズと同様にクオリティの高い作品であることに間違いはない。特に人と動物を峻別して考えないという感性には、ノスタルジーを感じて良かった。ただ、やはり好みで言うと、洋物のファンタジーの方が自分は魅力を感じる。理由はまだわからないが、おそらく日本文化と独特のある種の閉鎖的な世界観にワクワクしないのかもしれない。自分はもっとダイナミックで開放的な世界観が、少し抽象的ではあるが、好みである気がする。
0投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ美しい物語だった。ファンタジーそのもの。 読み終えて心がきれいになった気がします。、 一冊完結だけど、もっと知りたい。
1投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ買った覚えがないけど家にあった。 初めての作家さん。 児童文学、ファンタジー系の作家さんらしく。 面白かった! 霊狐だったり、心が読めたり、中国のフュージョン時代劇な感じ。ドラマ化して欲しい! 小夜と野火がせつないけど、ハッピーエンドで良かった。 結末は満足だけど、続編も期待してしまう名残があるし、小春丸ももっと見たい。
2投稿日: 2023.11.29
powered by ブクログめちゃくちゃワクワクする!とか 大どんでん返し!とかはないのに、 物語の雰囲気が綺麗で、流れるように 気づいたら読了していた。 小春丸のこと、もっと知りたいなー
0投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
風景や状況などの表し方が本当に美しい。 最近ミステリを読むことが多かったけど、やっぱりファンタジーは没入度がすごい。 また、上橋さんの作品に触れ、心が綺麗になった気がした… 登場人物では玉緒が好き。 血の通ってないような冷血なイメージから、野火と小夜を助けてくれる優しさのギャップがたまらなかった。 あと、野火と小夜のやり取りは優しくて、愛おしかった。 あとがきに、心の底にある風景が紡ぎ出す何かを描きたかったとあった。 それで小説が完成するんだから…次元が違う… 切ない恋のお話しと聞いていたのでハッピーエンドでは無いと思っていたら、まさかのハッピーエンド。 心が温まった。 大切に取っておきたい一冊です。
3投稿日: 2023.10.31
powered by ブクログ共感、思いやり、勇気、命を感じる。大人も純な気持ちで楽しめるのが優れた児童向けファンタジーなのだろう。2023.10.9
1投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログ上橋菜穂子さんの世界は初めてです 野間児童文芸賞受賞作品 これは児童対象だけでは終わらない、大人でも充分過ぎる程楽しめる和製ファンタジー、そして純愛物語だと思います 古き日本が舞台の郷愁を誘う世界観 豊かな自然と美しい風景描写 狐や天狗の和テイストが不思議な世界へ、そして何処か子供の頃へタイムスリップしたような懐かしい感覚を取り戻してくれました <聞き耳>の才をもった12歳の少女・小夜 怪我をした一匹の霊狐・野火を助けたことからこの物語が始まります やがて、隣合うニ国の争いに巻き込まれていきます 小夜を一途に想い、命懸けで守る野火 野火を信じる真っ直ぐな小夜 二人の孤独で健気な燃え上がる愛を中心に物語は展開していきます 想像していたエンディングとははるかに違い、何かもの寂しい感覚でありました 小夜が選んだ生き方に彼女の温かさを感じたとともに、若干12才の少女が選んだ道だと思うと胸が痛くなる思いでした そして、ラストにこの展開を持って来る作者の発想に脱帽しました いつの間にか野火に気持ちを持っていかれ、読み終わって半日経った今も、野火(狐)の日向の匂いがしそうなうなじの毛並みの絵面が、脳内の50%程占めています 笑 次は何を読もうかな
55投稿日: 2023.09.28
powered by ブクログ私の中ではバルサとエリンの2つのお話だけでもう確固たるものがある、この作者さん。 その初期の作品であるこの本は、先日のフォローしている方のレビューを読んで手に取った。 亡き母から人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を受け継いでいる小夜、この世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火、森陰の屋敷に幽閉されている少年・小春丸、ある夜、この3人が偶然出会ったところから始まる物語。 彼らは隣り合う2つの国の争いに巻き込まれていくが、過去の因縁の渦に巻き込まれながらも懸命に生きようとする小夜に、使い魔として生きながら彼女に寄り添おうとする野火、彼に毒づきながらも理解を示す玉緒の変化など、それぞれの健気な心情と行動はバルサやエリンの話に似通ったところもあり、この時代不詳だが美しく妖しい日本を舞台にした物語を楽しむことが出来た。 現在の作者の手際を思えば、小夜が持つ力のすべてが描き出されたわけではなかったように思えることや小春丸がなんだか置き去りにされてしまったような筋書きにはいささかの不満が残るところはあり。
42投稿日: 2023.09.26
powered by ブクログこのページ数なのにサクサク読めて、逆にこのページ数でこれだけの世界観を構築してその世界がスッと読者に入ってくる。これってとてもすごいことなんじゃないか。 妖狐の野火と少し不思議な力を持つ少女・小夜が出会う。国の領地問題のキーパーソンとなる小春丸や、そのほかのいろんな人が関わって物語はどんどん進んでいく…。術の設定とか、国の過去とか、領土問題とか、人間関係とか呪いとか主従関係とか、とにかくあらゆる設定が何故かスッと頭に入ってくる。簡潔なのに、物語はちゃんと深いって感じだった。 児童文学だし、ラストただのハッピーエンドになるのかなって思ってたけど、全然そんなことなかった。ちゃんと終わらせてくれてるけど、2人は幸せだけど、少し悲しくて切ない…でも2人は幸せなんだよな って、大人の頭でいろいろ考えちゃう笑 解説にもあったけど、児童文学といったって、ナメちゃいけない。子供はこちらが想像している以上に難しい言葉や設定やストーリーを吸収して物語を楽しんでいるんだ。上橋菜穂子という新しい天才的作者さんを知ることができた。貸してくれたまりな、ありがとう
1投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログ「呪い」の呪縛を解くことができるのででしょうか。生まれ落ちて、すぐに使い魔とされた霊狐・野火。主の元での生活以外を知らないで育った。早くに親を亡くし、産婆とともに村の外れで暮らす少女・小夜。母親から異能を受け継いでいる。 小夜は、怪我をした野火を偶然助けたことで、二人の運命は重なり始める。 日本の山村風景、生活、日本の文化を織り込んでのファンタジー。 彼らは、領土を巡る地権争いに巻き込まれていく。決して、犯行できない主従関係をふたりの未来のために、呪いを解く術を探す。 もう少し読みたいぐらいのボリューム感。野間児童文芸賞受賞作。児童文学としてジャストサイズなのだと思います。母親を思う心、友情、愛情、誰かを守るために戦い抜く意思。ハリーも指輪も良いけれど、和風ファンタジーもお勧めしたい。 作中に、神の世とこの世の境界的な場所として「あわい」が登場してきます。このふたりの避難場所にもなるのですが、最近はあまり聞かなくなった言葉です。間というより、少し重なっているというような。昔、赤ちゃんをおぶって、包むものをあわいと言った様な覚えがあるのだけど、方言だったのか調べてもわからなかったけれど、微妙なニュアンスの良い言葉だと思いました。
65投稿日: 2023.08.03
powered by ブクログファンタジーと分かって読み始めても、通勤電車の中でさえ、その景色が見えてくるくらい夢中になり、何度も自分がどの駅にいるのか分からなくなった。誰かを想う気持ちが強いとこんな事も起きるんだ、と悲しいのか嬉しいのかも分からなくなった。 だけど、2人にとっては良かったんだな、と思えた。
0投稿日: 2023.07.29
powered by ブクログおすすめされたため読んでみた。 呪者の使い魔である霊狐の野火と、人の心の声が聞こえてしまう小夜が、2つの国の争いに巻き込まれながらも、憎しみからの自由を勝ち取る物語。 この作品は児童書として有名らしいが、恨み合い無益な争いを続けることが悲劇を生んでしまうことを、大人である自分も学びを受けた。 どこかノスタルジックな雰囲気もある作品。 最後はとても心温まる締めくくりで、心地よい読後感を味わいました。
4投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログ上橋さんのファンタジーが大好きなので読んだけどやっぱり面白かった! 一巻完結なので色々急ぎ足で進んだ感は少しあったけど、小夜と野火のお互いを想い合う様子をキュンとしながら読んでた。 ファンタジーの世界での恋愛物語からしか得られない栄養がある。 架空の世界であるからこそ登場人物の感情の動きに疑いが1ミリも生まれなくて素直に物語を楽しめるから好き。
1投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
野火がひたすら健気で尊い。 私は玉緒姉さんがとても好きでした。 憎しみの連鎖を断ち切るにはどうしたらいいのか。連鎖を断ち切るための決断は、我慢ではなく納得の上で成されなければならない。 けれども、なかなかその決断をするのは難しい。 みんながみんな春望のような決断ができるわけではないが、未来に向けてのいい決断をみんながしていけたらいいなと思う。
2投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログ知人におすすめされて最近読みました。 仕事と生活に追われていた私にとって、数年振りに物語の世界に没頭する読書の楽しさを思い出させてくれた作品です。最高でした。 出だしの、野火が駆け抜ける物々しい雰囲気。 その情景が文章から脳内でアニメのように色鮮やかに広がっていきます。登場人物の中には主人公と対立する者も出てくるのですが、登場人物同士の関係や性格、立場を鑑みると決して悪とは言い切れない人間臭さがたまらなく好きです。 我々の世界には存在しない(もしかしたら存在しているけれどまだ見つかっていないのかも)生き物の姿を想像してみたり、食べ物の味を想像してみたりする空想の時間を取り戻して、買い物や料理が前より少しだけ楽しくなりました。 人と獣の異文化コミュニケーションがお好きな方にマッチする作品だと思います。 1冊の本で1期分のアニメを見たような気持ちになりました。次は同じ作者のシリーズものの本を読むつもりです。新しい物語ではどんな人たちに出会えるのか今からとても楽しみです。
0投稿日: 2023.06.01
powered by ブクログ前から気になってた。ようやく。 舞台が日本的であること、恋愛が主たるテーマであること。これまで読んできた作品と雰囲気が随分違う。 それなりに楽しめたけど、こうなると結構普通だった。 結局、私はこの著者の人類学に裏打ちされた、つくり上げられ、構築される世界観が好きなのだ、ということがよくわかった。
0投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログとても、とても。おもしろかった。 ページをめくる手が、止められない。本当にそうだった。 小夜と野火が、大好きになりました。 2人の間の切なさが、自分の心にも流れ込んでくる様で、とてもとても辛かった…。 あっという間に読んでしまった。 出会えて良かった物語でした。
0投稿日: 2023.04.16
powered by ブクログ日本情緒を感じられるとても面白い作品だった。 怨みや憎しみの連鎖が断ち切られて本当にほっとした。 児童文学とは思えないボリュームで読了感半端なかった。 野火と小夜が結ばれハッピーエンド 本当にいい作品だった
3投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログ久々の上橋菜穂子作品。 懐かしさを感じるような作品と評されていたが、その通りだった。 確かに異世界というより日本人が持つふるさとを強く出していたのかもしれないが、個人としては半分くらいは異世界もののような感覚を覚えた。
1投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログ中学生だか高校生だかの頃に読んだときは、話が複雑であまり良さが分からなかった。 今改めて読んでみると、とてもおもしろく感じた。 上橋菜穂子さんの他の作品も読みたい。
1投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログ圧巻の上橋ワールド、ありがとうございます。 上橋さんの作品はものすごく明るいとかではなくて、むしろ暗い。でも、その暗さや登場人物の苦難が、想像の世界にリアリティをもたせているんじゃないかと思う。 ラストに何があったかをあえて書ききらず、読者の想像に任せるのはずるいよなぁ〜。余韻に浸っちゃうじゃん〜。 話の密度はとても濃い。無駄なことは書かれず、もうちょっと詳細があってもいいかな?と思うくらいで、どんどん話が展開していく。 最初は小夜と小春丸の恋愛の流れになるのかと思っていたら全然違った。 人間に恋をする狐の野火が非常にかわいくて推せる。
7投稿日: 2023.01.18
powered by ブクログ存分に本読めましたぁ ずっと気になっていた文化人類学者 科学者が作り出す非科学的な話 でも不思議とそれはあり得ないでしょって感じはしなくて ただただ懐かしい感じと あぁ人として大切なことはこれだなぁという割と日本人的な感覚を覚える 今はアメリカ、ヨーロッパと日本の比較ができる人間になった。カテゴライズは良くないなとも思っているけど このアボリジニの文化大類学者は一体どういう文化背景でこの本を書いたのか、と思わされる でも後書を読んでいる感じやはり故郷、日本への愛なのだろうなと これを外国人が読んで何を感じるのかとても気になる
1投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初『狐笛のかなた』という題名と冒頭の登場人物の紹介から、きっと主人公の小夜という人物には力を持った狐を使役するような力や魅力があるのだろうなと思っていました。けれど読んでいくとそんなことはなくて、むしろ力を持った霊狐というものを従えていたのは小夜の敵方にあたる者の方でした。小夜は確かに能力を持つ家系の血筋ではあるけれど、持っているのは人の心の声が聞こえるという能力だけで、他者を圧倒するような強大な能力があるわけではない、襲ってくる困難に悩んだり苦しんだりしながらも、ただ精一杯に立ち向かっていこうとする一人の人間の少女でした。でも、だからこそこの物語には深みがあって静かな強さが感じられたのだと思います。敵方に使役されていた霊狐の野火が自分の命を失うとしても小夜を守ろうとし、同時に惹かれていくのですが、それは昔に自分の命を救ってくれたからだけではなく、小夜のありのままの全てが野火にとって愛おしく映っていったからなのかなと想像しました。そう考えると最後の二人の情景は短いながらもとても幸せな描写だったなと思います。その少し切なくて綺麗な引き際に微笑ましさを覚えました。
1投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログ昔買った本を読み返して、やはり上橋菜穂子さんの本は面白く、自分を知らない世界へと連れて行ってくれる。儚げな恋が熱く胸に刺さり、涙が出そうに何回もなった。とても心のあたたかい主人公たち。幸せになってほしい。
1投稿日: 2022.09.17
powered by ブクログ憎しみの連鎖は誰かが復讐を諦めなければ止まらない。 春望がこれからの子たちのことを考え、若狭野を返したところが印象深い。 すれ違いつつも、互いを思いやる小夜、野火、小春丸の関係も良い。そして玉緒の気の利かせよう、立ち回りの上手さ、グッジョブ
2投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ中学生の時読んだんだけど、少し複雑だったイメージ。 上橋菜穂子さんのファンタジーはどれも大好きなのでもう一回読んでみたい。
0投稿日: 2022.07.18
powered by ブクログ小学校くらいの時、何度も図書館で借りて大好きだった本でした。名前も忘れていたけど新装版があることを知りつい購入。寂しさと暖かさをじんわり感じさせる物語。 (あれ?昔見たのとは表紙が違う気がするけど新装版ですよね……?私の記憶違いかもしれません)
0投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
呪いとか薬草とか出てくる和風ファンタジーでかなり好きだった。宮中ドラマっぽいな 描写がとても綺麗。波打つすすきの野原の迫力や、一面の梅の花の香りまで想像できて良い。 野火がかっこよすぎる、、自分の立場を理解して小夜との未来を最初から諦めて、ただ守るために動くのが切ない。
0投稿日: 2022.07.04
powered by ブクログ途中から切なくて仕方がなかった。 登場人物では玉緒が好き、カッコよくて玉緒姉さんって呼びたい。 幸せのカタチは色々あるけど、あの結末が2人にとって一番幸せなカタチなんだと感じた。
0投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
宮部みゆきさんの書評を読んで、驚いた。これ、児童書なんですね?!(宮部さんもおっしゃるとおり)そんな枠組みは正直どうでもいいけれど、大人が読んでも、全く物足りなさなど感じない、深く深く心に残る物語だった。 人間が住む「この世」と神々の住む「あの世」、そのふたつの世の境目の「あわい」。呪者や、霊獣。こんなものが出てきても、日本が舞台だからか、すっと受け入れられるような気がする。どこか懐かしい気さえする。 この世界観をこんなにもコンパクトに書き収めているところに、作者の力量を感じる。上橋さんの作品はまだ二作目だけれど、本当に素晴らしいファンタジー作家だとすぐにわかる。 先が気になるストーリー展開と、小夜と野火のせつない想い合いが、読者を先へ先へと急かすかのようだった。恨み、憎しみ、怒りの強さに人間の弱さを感じる。人間はそのような負の感情に身を任せて、人間ではコントロールできない、ありあまる力をつけたとき、自らを破滅の道へ進ませていくのだろうな。戦争や核兵器や、そういうものも、呪術と同じようなものなのだろう・・・ なんとなく哀しい結末をイメージしていたので、温かなラストにほっと胸をなでおろした。花乃の望みがやっと叶ったとじんとした。全体的に、暗くしっとりしたお話であったにも関わらず、読了後は、涼やかな風が吹き抜けたような爽やかさがあった。美しい若桜野を幸せそうに駆け回る3匹の狐の残像が、しばらく頭から離れなかった。本当に素晴らしい作品だった。 本当に人間って・・・、と現実の世界に目を向けてもため息が出るけれど、負の連鎖を断ち切ることができる人間もいる。そう信じて。
11投稿日: 2022.05.23
powered by ブクログファンタジーだけど読みやすくて面白かった。 領土とかのところが一回じゃ頭に入って来なかったのでまた読み返したい。 野火のまっすぐな小夜への想いに胸を打たれた。 ひっそりと小夜を見守り続け、自分をも犠牲にする不器用な愛情表現をする彼を応援せずにはいられなかった…。 2人(?)とも幸せになってくれ頼むからと祈りながら読んでた。
0投稿日: 2022.03.24
powered by ブクログ憎しみの連鎖を断ち切るのは、やはり人の想いなのだと感じました。小夜と野火が末長く幸せに暮らして欲しいです。
0投稿日: 2022.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綺麗で純粋でぴんと張るような野火の気持ちが印象的。思いやりにあふれていてあたたかかった。 立場、運命の中で生きていて、それでも芯をつらぬく、自分の選択ができる強さを持ち続けている。物語が動く前の、見守っている野火のシーンが切なくて好き。 自分は主さまの使い魔。呪いを運ぶ矢だから、あの、きれいな灯りに、ふれてはいけない。 若者は、はっとして手をひっこめ、しばらくただずんでいたが、やがて、衣で手をふいて、もう一度そっと手をさしのべてきた。 主の命令に従わねば命をうしなう使い魔として、これからも生きねばならぬ野火には、いくら恋こがれても、あの娘と添い遂げる道はない。野火はそれがわかっているから、なにもせず、ただ見つめている。それが、哀れでならないのだ。
0投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログ少女と霊狐の、哀しい愛のファンタジー。 心の叫ぶままに行動できない理由はたくさんあって 例えば立場、例えば歴史、例えば使命、例えば愛。 心を抑えてする“べき”ふるまいをするのが いつも正しいわけでも、 心に正直にし“たい”ふるまいをするのが いつも輝かしいわけでもないんだけど、 この作品では たくさんの哀しいしがらみに縛られた2人が 努力と勇気と愛によって解放されて、 短い命の終わり際に、ほっと一息つくまでの話だ。 考えてみれば、ずいぶん不条理だ。 だって、普段は社会的役割に合った 「こうあるべき」を押し付けてくるのに、 いざ岐路に立って悩んだ時にはヒントもくれずに 「お前のしたいようになさい」なんて 言ってくるのが人生だから。 小夜も野火も、そして春望も、 普段はたくさんのしがらみに がんじがらめにされているけど、 3人ともここぞという時に大きな決断をした。 選んだ道が正しかったかはわからない。 失ったものがあったのも確かだ。 でも多分、彼らは後悔していないだろう。 納得して選んだ道だから。 選び取る強さは、捨てる強さでもあるんだな。 そういえば昔、守り人シリーズ好きだったなあ と思いながら手に取った本なんだけど、 児童文学と侮るなかれ、強いメッセージ性と、 先が気になってページをめくる手が止まらない ストーリー展開と、心に住み続ける少年の自分が 大喜びする舞台設定で、十二分に大満足だった。 守り人シリーズも 今読んだらまた違うことを感じられそうだし、 何よりかなり忘れてるので (しかも途中までしか読んでない気がする)、 また読みたいんだけど、 面白くて止まれない系徹夜本だと思うんだよなあ。 あの長さで徹夜本だと、 社会人としての生活に支障が出そうなので 悩みどころだ。 宮部みゆきさんの解説もいい。 小説という魔法は 作者と読者の共同作業で発動する。 子どもたちのために呪文が易しく書かれているのが 児童文学だ、そうだ。 すとんと腑に落ちる説明だ。 「むずかしいことをやさしく、 やさしいことをふかく、 ふかいことをおもしろく、 おもしろいことをまじめに、 まじめなことをゆかいに、 そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」 井上ひさしさんの言葉が、 子どもも大人も虜にする児童文学に 体現されているのかもしれない。
1投稿日: 2022.01.11
powered by ブクログ何故か雰囲気に入りきれなかった。言葉遣いの若干の幼さのせいか 幼少期は楽しんで読んでいた記憶があるのに 年齢に応じた本をきちんと読んで育つというのは大切なことですね
0投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログ上橋菜穂子さんの作品を初めて読みました。 いままでこの世界を知らなかったなんて。。 面白かったです。他の長編も読んでみたくなりました。
0投稿日: 2021.09.02
powered by ブクログすごい久しぶりにファンタジーを読んだ気がする。ラストが意外だったけど、なるほどこう終わるのかと。異種間の心のふれあいが好きなのでとてもよかった。
0投稿日: 2021.08.23
powered by ブクログ一巻完結とは思えないほど設定に広がりがあって、もっと読みたいと思わせる作品だった。 ファンタジーなんだけど、登場人物の気持ちの動きや行動の変化がそこに生きている人間だと思わせる説得力があった。 冒頭の夕暮れの枯れ野を走る小狐の様子や、春の光が降り注ぐ桜の里などの情景の描写が目に浮かぶようで、印象的だった。
0投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ狐かあ 終わりが「そっか!」とも思うし、「えー!」とも(笑) 話の運びはそつなく楽しい。 上橋さんにしては、ちょっと物足りないかなあ、 でも、小学生でも楽しめる感じ。
0投稿日: 2021.06.09
powered by ブクログ鹿の王、水底の橋、本作を読んで、作者のテーマは、自分や周りの未来のために、過去の遺恨に囚われず踏み出す勇気の話しなのかな、と感じた。あと5作ぐらい読みたい。
10投稿日: 2021.05.02
powered by ブクログ上橋菜穂子氏の長編作品やデビュー作を読み終えてしまいこの本に辿りついた。 基本的なファンタジーと感じた。要素を抜き出して絵本にしても、味わいを楽しめると思う。 他の物語と違って統治、政治、民族が人々の思想に影響を与えているという深みは感じられなかった。
1投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログファンタジーはあまり読まないのですが、この作品は、日本の懐かしい風景のようで、自然に引き込まれて一気読みでした。 人の心が聞こえる小夜。この世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐の野火。 呪者と守護者の戦いの中で、どうなっていくのかハラハラしながら読み進めました。 恨みからは憎しみと悲しみしか生まれない。 どこかで断ち切って、前を向いて光のさす方へ一歩踏み出す…その大切さが胸にしみました。
2投稿日: 2021.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ほの暗く静かなように見えながら、登場するキャラクターはみな心に芯があり熱いものを秘めている。まさに青い狐火のような作品だと思った。 展開としては、前提となる話が暗めなので、わずかな希望に縋るような息苦しいものが続く。主人公らが子どもなのもあいまって、周りの大人たちとの情報量の差なんかが不安を煽る。世界観の作り込まれ方は流石。 以下率直に思ったことを連ねると、 時代劇にありそうな、別ベクトルで可哀想な身分違いの子どもたちの出会い。 自分も知らない自分の力の秘密と、それについて何か知っている大人と、それを悪用しようとする大人と。 そしてヒロインのピンチには何があっても絶対に駆けつけてくれる、行き過ぎた自己犠牲心のヒーロー。 ・ ・ ・ そんなところ。個人的な感想です。
0投稿日: 2021.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上橋さん大好きなんだけど、今作はいまいち入り込めなかった。和物だからかなあ。 ただ、ラストの宮部さんのコメントでハッとした。 10年も屋敷に閉じ込められていた小春丸は、もしかしたら自分の自由意思で身動きがとれない、子供そのものの象徴なのかなあ。
0投稿日: 2021.03.11
powered by ブクログ美しい情景が胸に浮かぶのと同時に、少し寂しく、しかし暖かい気持ちで読み終えることができる物語。 登場人物(?)名前が和な名前なので読みやすかった。上橋さんの本にはめずらしく。
0投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログ心の声が聞こえる〈聞き耳〉を持つ少女、小夜。 主に縛られる霊狐、野火。少年の姿となって小夜を見守る。 十年間屋敷に閉じ込められている小春丸を巡って、 呪い、憎しみ、愛おしさ。 梅の花が咲く頃に。日本の春の原風景。 みんな平和に生きればいいのに。
0投稿日: 2021.02.28
powered by ブクログ生まれながらにして背負った定。望んだわけではないのに騒動の渦中に巻き込まれてしまう生い立ち。憎み、怨み、敵対するもの、共存・共生。自分の身近から意識できたらいいなあ。
0投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログ王道のファンタジー。 生まれから隠された2人の子供と運命を握られた霊狐。 それぞれのサダメを恨んだり、諦めたりしながらあがなうことで成長していく子供達。 独特の世界観で読者を魅了する。
11投稿日: 2020.06.24
powered by ブクログ久しぶりの上原菜穂子。あーやっぱり好きだなと思わせてくれる作品。 人の弱さと強さを教えてくれる本。おいつめられたとき、こんな選択ができる人になりたいなーって、憧れる。(さすが児童文学!) 守り人シリーズや獣シリーズと違って、一冊で終わる分、横への広がりやそれに伴う深さもないけど、その分、一気に読み進められらところが好き。 ところどころ日本語がスムーズに頭に入ってこなくて…その分の減点。…わたしの問題なのかな?
0投稿日: 2020.06.07
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泣けました。中盤少し気持ちが乗らなかった所もあったのですが、終盤にさしかかる少し前からの疾走感がすごくて、そこからは怒涛の一気読み。小夜と野火の純粋さがまぶしい。玉緒もなかなか。上橋さんのファンタジーの世界を堪能できました。まさか最後小夜が狐になるとは思いもしませんでしたが…憎しみを超えて二人でいることを望んだ気持ちに勇気をもらえました。
0投稿日: 2020.06.04
powered by ブクログ一気に読了。意外な結末。終盤、急ぎすぎでちょっと物足りなさが残る。そのうち大きなスクリーンで観たいが?
1投稿日: 2020.06.02
powered by ブクログ出だしはのんびりとした雰囲気だし「野間児童文芸賞受賞作」ともあるし、これは子ども向けファンタジーなのかな?と思いきや…。 物語は心地よいテンポでどんどん展開していく。 後半に差しかかったところでは、ここからどうなるのかが気になってたまらなくなってしまい、ぐいっと一気に引き込まれてしまった。 子ども向けファンタジーというほど軽くもなく、かといって、守り人シリーズほどの複雑さもない。 心温まるストーリで読みやすいこともこの上ない。 これはものすごい作品だなぁと感心してしまう。 ただ、ラストの部分に関してだけは、「これはこれで悪くないのだけれど、もう少しどうにかならなかったのかなぁ〜…」と、ちょっぴり残念な気持ちになった。
1投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログ久しぶりに上橋さん。まっすぐ直球ドストレートなファンタジーで、ひととき現実を忘れられました。子どもにも読みやすいお話しで、恋心をやさしく描きながら、恨みを愛情に変えていくストーリーは癒し系です。素敵なお話でした。
0投稿日: 2020.03.07
powered by ブクログ1番好きな本。 もう何度読み返したかな。 呪い、憎悪、妬み。 そんな負の面がある一方で 淡くて、優しくて、美しくて。 とてもほのかに温かい。 違う、知らない世界へと。 一瞬の魔法で連れ去ってくれる一冊。
2投稿日: 2019.11.20
powered by ブクログ2013年5月以来、本を読むことから少し離れてました。離れながらもいくつかの本は読んでました。それまでは趣味は読書と言えてたのが、以降は趣味として言えず。色々あって、今ようやくまた改めて趣味は読書と言えるように。2019年5月から。半年で読んだ本たち。この本、著者を紹介してもらえなかったら、一生、本屋や図書館で手を伸ばすことがなかったファンタジー。この感想を書いてるときは、既に守り人シリーズも後半です。読書という旅の再開です。6年ぶりに。
0投稿日: 2019.11.18
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ブクログレビューで異類婚姻譚だと知って、とても期待して購入。 小夜は夜名ノ里のはずれに住み、〈聞き耳〉の力を持つ。 ある日、野火という子狐を助け、森陰屋敷に閉じ込められてる小春丸と出会う。 期待し過ぎてしまいました。 荻原規子さんや小野不由美さんのファンタジーが好きなので、こちらにはあまり入り込めませんでした。 春名ノ国と湯来ノ国以外の国のことがわからず、世界の全体を掴めなかったからだと思います。 だから、簡単に「若桜野、返せばいいじゃん」と思ってしまいました。 野火や玉緒のキャラクターや、〈あわい〉の設定は好きです。 ハッピーエンドで良かったです。
0投稿日: 2019.07.12
powered by ブクログ人に使われる子狐、人の心の声が聞こえる女の子、閉じ込められた男の子。 そんな三人をいきなり登場させられたら、 ぐっと心を掴まれるに決まっている。 守り人シリーズとは違う話。 まったく違う世界の話だが、 流れていくような、人の心の自然な展開は相変わらず。 人間だったが、半分天狗になりかけている、 半天狗という存在が面白かった。 最後の若桜野、争いの元となった土地で、 その三人が会う場面が美しかった。
0投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この世には〈あわい〉と呼ばれる場所がある。 人が住む〈この世〉と神々が住む〈彼の世〉の境目の、霊力のある獣たちが暮らす深い森だ。 〈聞き耳〉の才を持つ小夜と呪者の使い魔にされた霊狐・野火。 両者が隣国の領土争いに巻き込まれる純和風ファンタジー。 上橋先生の今までに読んだ物語は異国風のものばかり。 勿論それはそれで良いのだけれど、今回のような民俗学的な物語は理解しやすいしストレートに胸に刺さる。 日本古来から続く野山等の元風景を舞台に、読み手の郷愁を誘う物語で親しみやすく、とてもわくわくして面白かった。 今後は純和風ファンタジーももっと書いてほしい。 令和の初読みがこの作品で良かった。
9投稿日: 2019.05.03
powered by ブクログ小夜は12歳。人の心が聞こえる(聞き耳)の力を亡き母から受け継いだ。 ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の<あわい>に棲む霊狐・野火だった。 隣り合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる・・・・・ひたすらに、真直ぐに、呪い彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。 なんとも心が温まる話でした。 描かれている風景描写が素晴らしく、その光景の中に自分も身を置いているような感じさえしました。この世界観、さすが上原ワールドです。 「守り人・旅人シリーズ」でのナユグとサグと似たような位置づけが、この作品では、この世と<あわい>。 権力を争う一部の人間の勝手な思いのために、苦しくて辛い思いをしている人々や霊狐たち。小夜と小春丸と野火は抗う術もないままに渦中に取り込まれ、それぞれが己を信じ互いを思いやっていく様を見ていると、子供の頃にこういう思いをした経験が自分にもあったかのような気持ちになりました。 物語全体を通して、人や他の生き物の温かさを存分に感じました。
0投稿日: 2019.03.29
powered by ブクログ書き出しからすべるようにファンタジーが幕開ける。構えなくても入り込みやすい世界観。争いがあり、歴史ものにも近く見えた。動物好きな女性におすすめ。
0投稿日: 2019.03.09
powered by ブクログ守り人シリーズや獣の奏者が面白いので初期の作品も読んでみたけど、期待したほどではなかった。深い描写がないというか、小夜の父母の話や「守り神」の話やらをもっと入れてほしかった。 小夜の心の声が聞こえる能力も後半は忘れるくらいに出てこなくて、設定が生かしきれていない感じ。 小春丸ルートだと思って読んでいたら、まさかの野火ルートだった。
0投稿日: 2019.02.12
powered by ブクログ柔らかで豊潤、そして素敵な物語です。 人の心の声が聞こえる少女・小夜とこの世とあの世の「あわい」に棲む霊孤・野火。 二人が大国の思惑に翻弄されながらも健気に宿命に立ち向かう姿と何とも切ない関係性が胸を打つ。しっかりと作り込まれた設定と細やかな風俗描写、丁寧で優しい文章が作品世界に引き込んでくれます。 末尾で解説の宮部みゆきさんが「小説というものは、魔法」と綴っているがまさにその通り。 美しくて優しい魔法のような小説です。
0投稿日: 2018.11.20
powered by ブクログ最近は研究書やドキュメンタリーなどが多くて、久しぶりに物語世界に浸った満足感がある。昔、物語本しか読まなかった頃は考えたこともなかったけど、1人の作家の頭の中の空想からこんな風に世界が構築されることに最近はびっくりする。ファンタジーの世界は偉大だ、と今さらながら思う。 狐笛のかなたのラストシーンは哀しい。小夜と野火は現世に適合しない人たちだった。いたらその能力を期待され、本人の意思に関わらず、また世が乱れる元となってしまっただろう。だから二人はあわいに生きる事を選ぶしかなかった。小夜と野火は幸せだろう。ただ彼らを受け入れることができなかった私たち、私たちに拒絶された2人を考えると泣けて仕方ない。私、このテーマダメなんだ、すぐ泣いてしまう。
1投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ★2008年9月21日 『狐笛のかなた』上橋菜穂子著 評価A 守り人シリーズの登場人物とは全く異なるものの、全体の不思議な雰囲気はそのままに人の業と思いを軸に一気に読ませてしまう展開は、児童文学の枠を超えた物語。
0投稿日: 2018.09.02
powered by ブクログ美しい物語りだった。児童文学だとの事ですが、大人でも十分楽しめる。小夜と野火の姿に、幸せという事を考えさせられたりもした。 一途になるって、いいよね。 それが出来るって羨ましい。
1投稿日: 2018.03.03神の使い
かつては神の使いだったが,今は武家間の政略の道具と成り下がった霊狐。霊狐の住むこの世と神の世の〈あわい〉を幼いときに経験した娘 小夜が運命に飲み込まれて行く。 ファンタジーではあるのですが,人の世の争いの本質やそれに翻弄される善良な人達が描かれています。ただ,重苦しいばかりでなく,最後は・・・。 上橋さん特有の世界感や絶望的な中でのかすかな希望が今回も良く描かれています。
0投稿日: 2018.02.26
powered by ブクログ匂いと色のファンタジー。 鉄、血、梅、香、闇、土、花酒・・・匂いに包まれた、 瞳、梅、闇、狐火、襷、夕陽、桜・・・の色に彩られた、 小夜と小春丸の秘められた生い立ち。 野火の霊狐としての生い立ち。 彼らは出会い、別れ、成長し、再会する。 そして、 逆巻く上流の流れのように激しく・・・、 あわいの森の景色のように静かに・・・、 運命が彼らを誘っていく。 心情の交わりと愛を感じる幻想的な物語です。
0投稿日: 2017.11.14
powered by ブクログ野火と小夜の話。 日本ファンタジーだが、内容的には恋愛モノなのでキャラに入れ込めるかどうかと言うところな気がした。小春丸と小夜の話なのかと思い込んでしまっていたので、どうも当てが外れながら読んでしまった。 ふわっとした体系化されていない不思議の描写はそこそこ好き。 個人的には話の道筋が分かりやすい精霊の守り人のほうが好みみたいだ。
0投稿日: 2017.11.08
powered by ブクログ私が、上橋菜穂子という作家の本の世界に心の底から惚れた理由になる1冊 この本よりも清く、淡く美しく強く涙のでる話を 私は知らない。 淡すぎる純愛と思いに言葉にならないくらい感動しました 野火と小夜の最後を是非読んでほしいです
1投稿日: 2017.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子供の頃に助けた狐が敵方の使い魔で、守りたいけど立場上できない葛藤に苦しみながらも、最終的に守る方を選ぶ純愛に胸を打たれます。一冊にまとめあげているのがまた凄いです。途中このままいくとあまりいい方向に進まないかもと心配になりますが、最後はこれでよかったと思えます。
0投稿日: 2017.08.23
powered by ブクログ無国籍ファンタジーが苦手でなかなか上橋菜穂子の作品に手が出なかったが、これならと手に取った。 風景や登場人物が目に浮かぶよう。 野火の想いの切なさに、やるせない気持ちを抱きつつもラストは清々しくあたたかい。
1投稿日: 2017.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
呪いと生と死の物語。 上橋菜穂子さんの作品は,厳しい。生きるとはどういうことかを突きつけてくる。現実じゃなくてファンタジーだからこそ感じられる,選択の厳しさ。私は何を大切にしたいのか。 小夜は人の心が聞こえる力を持っている。幼い頃出会ったけがをした狐,屋敷に閉じ込められている男の子。亡き母の秘密。隣り合う国の争いに,自分の母や一族,力が関係していると知った小夜はどうするのか。小夜に助けられた霊狐・野火は主を裏切るのか。解放された小春丸は。誰もが自分の信じるものに頼り,どうにか結末を目指そうとする。エゴは醜いものだけれども,否定するのは難しくて。 もっと壮大な長編にすることもできたのではないかと思った。終わったときにあっけなく感じた。ハッピーエンドではあるけれども,本当にこれで終わりなのか。しかし,実際もそういうものなのだろう。壮大で満足感のあるエンドマークなんて,現実には早々出てこない。現実を語るファンタジー。
1投稿日: 2017.07.13
powered by ブクログ初めての上橋菜穂子サン。 入門として狐笛のかなたを薦めてる人が多かったので、最初は絶対に本作からと決めてました。 結果、大正解! 上橋サンの和風ファンタジーに惹き込まれ、野火の思いがせつなくて、胸が何度も苦しくなったけど、とても読みやすくイッキ読みでした。 もっと悲しいラストを想像してたけど、このラストで良かった! これから獣の奏者を読もうと思います。
2投稿日: 2017.07.08
powered by ブクログ結末に驚きました。 でも、小夜。2年かかったんだね。そこに作者の優しさを感じます。 淡い寂しさが無いと言ったら嘘になるけど、この狐たちを遠くからでも見かけることができたら幸せになれるような気がします。
0投稿日: 2017.07.07
powered by ブクログ狐の野火と不思議な力を持った小夜の物語。 獣の奏者と底通しているような、力を持ったものがその力ゆえに悩み、運命に立ち向かう物語なのかな? と思いながら読んでいました。 ただ、この物語を読み終えて、純粋な澄んだ想いを持った子らが、大人のしがらみの中で必死に生きようとする話なんじゃないかって感じました。 社会人になったばかりの私は、もう、なるようになってしまえとあきらめてしまいたい自分をもう一度奮い立たせたくなりました。 純粋な想いが、人を動かす様、信じることで物事が良い方向に動いていく様は、心が洗われる思いがしました。
1投稿日: 2017.05.03
powered by ブクログ上橋菜穂子作品は「守り人シリーズ」や「獣の奏者シリーズ」を読んだことがあったけれど、シリーズではないこの本が私の中では一番心に響いた。日本が舞台であることもしっくり来た理由かもしれない。海の向こうからやってきた一族の大朗が言う「この地に生きる魂とふれあう力」を持った物語というところか。長く日本を離れていても、私の根もまた日本にあったのだと思ったりした。
1投稿日: 2017.03.26
powered by ブクログ怒り、哀しみ、怨み、傷つく。そんな呪いの只中、人の世の業の中を、ひたすらに、真っ直ぐに、野火と小夜の互いを想う澄んだ気持ちが駆けていく。 一文字一文字を自分の芯に響かせるように、大事に読みたい物語。 野火と小夜を見ていて、"心が触れ合う"というのはきっとこういうことをいうんだろうな、と。 縛られ傷ついた孤独な魂を、何の打算も下心もなく抱きしめ、温もりをくれた存在。ひとりぼっちだと思っていた日々の中にも確かに在った、自分を想い見つめていてくれていた存在。身に心にやわらかな日だまりの光をくれた、互いに唯一無二の存在。 そして、やさしく、あたたかく、真っ直ぐで……心の芯が似ている、野火と小夜。 生きる場所や種族の違いといった深い溝を越えて二つの命が出逢った時、惹かれ合うのは必然だったのだと思う。 互いの心に触れ、目に見える姿形を超えてその魂から響き合い、強く惹かれ合った。その愛しさに胸の奥が震える。
0投稿日: 2017.03.11
powered by ブクログ時間をおいて、また読み返してみたい ラストの展開は、驚いたけれど心がほっこりするところもあり、奥が深くてまだまだ読み足りないと自分で思う 何度も読み返したい、そう思う本だった
0投稿日: 2017.02.03
powered by ブクログ設定に無理があるとか、ツッコミどころが多いとか、いろいろ評価されていますが、憎しみや恨みが澱のように積み重なって身動きが取れなくなる息苦しさとか、生きるべき場所が交わらない悲しさとか、息苦しいくらいに伝わってきて、一気に世界に入り込めた。 まだ小説の世界に引き込まれるほど単純な精神構造であることに感謝。 主人公小夜の孤独や芯の強さは、ナウシカやラピュタの頃のジブリ映画の主人公とだぶる。 児童書として紹介されていますが、大人だからこそ感動する小説だと思います。
0投稿日: 2016.10.03
powered by ブクログ最初のころから上橋ワールドはそのまんまなんだなぁと感じる。 生と死や、動物と人間は互いに近しい存在であるということ。 領分を越えて無理をすれば、反動があり何かを失うということ。 そういった、人間の根本をひたすら見つめて作り上げられる物語世界は、優しさも厳しさも同じくらい抱えている。 大人社会の流れに巻き込まれ、様々な選択を強いられながら自分をつかみ取っていく小夜の姿もいいけれど、何者にもなりきれず苦悩する野火のほうが読んでいて思い入れてしまった。常識を外れて主に背こうとしているのに、信じてもらえない・・・それでも心に決めたことを成し遂げようとする野火。それができるのは、信じてくれる小夜がいたからこそ。 お互い一目惚れみたいな感じで生まれた絆だけど、想いを決めたら一直線というのも、少年少女らしくて、悪くない。
1投稿日: 2016.09.21
powered by ブクログぼちぼちですかね。 読みやすかったが、何となく設定に対して今ひとつ盛り上がりきることができませんでした。呪者の強さとのバランスが少し強すぎたような感じがして、それが気になって盛り上がり切れませんでした。 獣の奏者を先に読んでいましたが、読みやすさ的には変わりませんが、内容的にこちらは少し突っ込みどころが目につきましたね。
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ欲や嫉妬が、憎しみを生み。 その因縁を断ち切ることができず、 子へ・・・孫へ・・・延々と続いてゆく・・・・ 争いに巻き込まれ、運命に翻弄されながらも 自分を見失わず、ただ大切な人を守りたいと 立ち向かっていく、野火と小夜。 純粋で健気な二人の姿に、心がジーンとしました。 チョットほろ苦さも残るけど、 最後に、野火と小夜の幸せそうな姿が見れたので、 これでよかったのかな。。。 素敵な和風ファンタジーでした。
0投稿日: 2016.07.08
