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何者(新潮文庫)
何者(新潮文庫)
朝井リョウ/新潮社
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総合評価

1565件)
4.0
431
609
327
55
11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SNSを利用する自分にとって、身に覚えのある指摘が多く、心苦しくなった。 SNSに投稿された140文字よりも、それに選ばれなかったいくつもの言葉にこそその人らしさがあるのではないか、というサワ先輩の言葉は共感しつつも、いくつもの言葉の中でその140文字を選んだことにもその人らしさは出ているだろうと思った。 もちろんSNSだけで人となりを判断してはいけないが、SNSがその人の一部を表しているのは確かだと思う。 対面では楽しく話せる人がSNSで自分と違う考えを語っていると、次に会うときに身構えてしまうことがある。SNSだけで判断してはいけないと思いつつ、SNSでのイメージを払拭するのは難しいし、完全に払拭する必要もない(でも影響されすぎるのは良くない気がする…)。本を読みながらそんなことを考えていると、改めてSNSとの向き合い方の難しさを感じた。 物語は終始拓人視点で進むが、拓人自身のことが終盤で明らかになったときの衝撃が大きかった。 拓人について何か問題になることが無かったので、何となく拓人は問題をかかえていない印象だった。 だが、観察者として周りを非難することで安心し、自分の上手く行っていない現状に目を向けない拓人と読者の目線を同じにすることで、拓人を疑似体験していたからこそ、'問題をかかえていない印象"だったのではないかと思う。 叙述トリックのような、そんな演出がとても秀逸だと感じた。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の作品は、正欲、についで二作目です。 自分は50才過ぎのおじさんですが、自分の学生時代と、受験に悩める息子を思いながら読みました。 自分のことが、一番わからないし、見つめたくない、は自分と我が息子と重なりました。最後、気づかされて一歩歩み始めた主人公にエールを送りました。 自分も学生時代、同級生の女性からの何気ない一言で、周りの評価が自分が思っているのと全く違うことに気づかされました。なかなか素直に受け入れることは、できなかったかもしれません。 何様、も読み始めました。コータローの鮮烈な片思いが描かれ、先が気になるところです。 息子には受験終わったら、薦めたいと思います。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    大学時代にこの本を読んでいたら、何か気づけたのではないか、今の自分の立ち位置も変わっていたのではないかと思えてしまったwww一冊。 自分が就職する際に試験はほぼなしに等しく、卒業したら就職は当たり前のこととして深く考えることもなかった。何なら就職後も決められた区切りがきたら、当たり前の動きをするのではないか(そんなものないが)と勘違いしていた。。。 考えて感じての葛藤と衝突、当事者たちは大変だけどのびのびしていて応援したくなる。そして羨ましいなと感じました。

    8
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰かと一緒に就活をすることを体験をしていないから想像は難しいんだけど、切磋琢磨って言葉が嫌いになりそうだなと思った。つい比較しちゃうだろうし。 人にキモいと思われても必死だと笑われても、がむしゃらに取り組む人が一番かっこいいに決まってる。とはいえ、痛い自分を受け入れるって簡単なようで難しい。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    裏アカに発信することは理解できないけど、私自身も傍観者、観察者になりがちなので、最後の理香との対峙シーンは熱くなりました。 結局かっこ悪くあがいている人こそ、かっこいい。私があがけない性格だからこそ、必死にもがける人が羨ましいんですよね。 要領よく、程よくやっていたいんです。 だからこそ、自分にはできない頑張り方をする誰かを斜に構えて見てしまうことがある。 そんな痛さや欺瞞をここまで解像度高く描く朝井さんに惚れ惚れしました。

    26
    投稿日: 2025.11.06
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     平成24年第148回直木賞受賞作。  なかなか本音を言い合うことのできない現代。そして、SNSでは常に誰かに見られていることを意識してしまい、ある意味息苦しく思えてしまう。そんな時代だからか、裏アカというものが存在し、時々流出してしまい大問題にも発展してしまう。  本作は、なかなか自分を曝け出すことのできない就活とSNS上のやりとりにスポットを当てて描かれている。  仮面に覆われた自分は何者であるか、何者になりたいのか、本音や自意識が炙り出される恐怖も交えて語られている。後半はスッカリ物語に引き込まれてしまう。

    3
    投稿日: 2025.11.02
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    就活生の時に読むべきだったかな〜と読み始めのときは思ったが、社会人こそ読むべき本だったと読了した今では思う。 「もう誰も導いてくれない。学生とは違う。自分のことは自分で決めなければならない。」 すごく刺さる言葉たちが羅列されていた。 傍観者の立場で読んでたのに終わるにつれていつのまにか当事者になっていた。 自分とは何者なのか、肩書きでしか語れない自分になってないか、考えさせられる一冊だった。

    3
    投稿日: 2025.11.01
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    映画を見てから読書。登場人物と俳優を重ねて読むと読みやすいと気づいた。 就活で自分の人柄が少し変わったな〜と思い出しながら読んだ。社会のことなんて知らないのに、就活するの大変だったな。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    格好悪い自分を受け入れること。誰だって人と違うと思いたい。じゃないと何者かになれないから。あいつとは違うとか、あんなことするやつは格好悪いとかそうやって何もしないで言ってるやつが結局は頑張ってる人には勝てない

    0
    投稿日: 2025.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を読んでいる間は常に面白さと同時に緊張を感じていた。作中に登場する大学生はどれも等身大の性格や言動をしていていわゆる大学生っぽさを凄い感じた。こういう痛い大学生いるよねーと思いながら、それを俯瞰して見てる自分も側から見れば痛いなと感じるのだろうかと思った。最後の理香の自分が痛いのはわかっているが、それでもその痛い自分なりに努力してるというセリフは少し考えさせられた。自分と拓人を重ね合わせた結果、このセリフは自分に深く染み込んだように感じる。でも正直よくわからない

    0
    投稿日: 2025.10.31
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    就活だけの話だけではなく、誰でも何者かになりたくて、カッコつけて現実から目を背けて生きているものだと思った。こうなりたいと思う気持ちを素直に受け止めて、受け入れて、カッコ悪くても良いからがむしゃらに行動してる人はかっこいいと思った。最後に拓人も自分を飾らずに面接を受けている姿が清々しく、私もそうなりたいと思った。

    8
    投稿日: 2025.10.30
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    後半になるにつれて、面白かった!序盤は展開とか少なくて読んでて飽きた感じがあった。実はこの前半部分で2回は挫折した、、 しかし後半では登場人物の腹の中が表に出てきて、人間誰しも一度はこの感情になったことがあるなあと感じた。この本を読んだ時の僕の年齢が20歳で就活を考える歳になったから、こうゆうことがあるのか〜という視線でも見てた。 理想の自分になるために誰かにかっこ悪いと思われてようが、それしか方法がないからやってる! それができないなら何者にもなれない! 自分自身に対して火力高めのメッセージ性が良かった!!

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    2時間ほどで読み切れた、昔から気になっていた浅井リョウさんの小説。語り口や表現が面白く、今っぽい。 最後のシーンで、この本に語り口である拓人に、理香が拓人が周りの人に不幸になってほしい(シャーデンフロイデ)と思いつつさらに自分はそれへの観察者でありたいと思っていることを指摘しているシーンが非常に印象的。 語り口である拓人と同じ視点で、考えを共有していた、観察者である読書にも攻撃の矛先が向いていると感じた。 Twitterの投稿内容が、物語と一緒に書いてあるのが、面白い。私がSNSをほぼ使わないので共感できない部分もあったけれど、他人から見られる自分を演出できるSNSで何を言うかはやっぱりその人をよく表すように思う。 拓人が、自分が諦めた演劇をがむしゃらに続けている友達への公演の批判の掲示板を、麻薬と表現している。自分に自信がなくて、他人の不幸は蜜の味がするんだろうね。 他人のことなんて気にならないくらい、自分の人生を楽しむ信条が自分の中で強化された。 だって、他人のことなんて、本当は誰も興味ないよ。がむしゃらになることだって怖くない。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    初の朝井リョウ作品。 まず第一印象で”あ、僕好きなやつや”と。 正直自分の就活時代と重なる所は全くなかったのですが、外側からはこういう風に見えているのかという視点でとても興味深かったです。 とは言え題材を就活に置いただけで、伝えたい事の本質は別にあり、そしてそれは若者だけに限らず、むしろある程度経験を重ねた大人にこそ伝えたい内容なのではと感じました。 朝井リョウさんとは一学年しか違わないのですが、彼は10年前に既にこの考えを持っていたのか、と思うと自分の未熟さを痛感します。 この本の本質に気づく前にこの本に出会えていたら、もっと人生を楽に感じる事が出来たかもしれません。 とは言え自分の道で気付けたから今の自分がある。 そんな風に自分を肯定してあげたくなる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    語り手である主人公が信用ならない話。しれっと同じ目線で就活していて、むしろ見下してるのが凄い。 何様という続編があるようなので是非読みたい。

    0
    投稿日: 2025.10.25
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    すごく心に響くとかはなかった Twitterのつぶやきみたいな最近の小説だなぁと感じた 主人公がいいやつパターンが多いけど、何も考えずのめり込んでると説教された気分になった

    0
    投稿日: 2025.10.24
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    自分の行動、発言にはもっと気をつけるべきだと感じた。より論理的にそして一貫性のある発言へと 観察者ぶってても、何にもならないんだよ これっていわぬる人間観察が趣味です。という少し一歩俯瞰している人のいたさをうまく捉えているな。だけどこれをどのくらい捻って考えてるかによって重みは違うんだよな。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校の時にも読んだことがあったけれど大学4年生になって読んでみて物語の意味がわかった気がする 自分は二宮拓人のように物事を俯瞰して冷めた目でみて観察している部分もあり、また理香のように意識高い自分を演出して強く見せようとする部分もあるのだと思う。 理香の意識の高さには絶対負けるし苦手だと思う部分もある反面痛くてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけたくて、痛くてカッコ悪い自分のまま足掻く姿を、周囲にどう思われようとも貫く姿に感銘を受けた。 自分もそうなれるようにがんばりたい

    1
    投稿日: 2025.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私自分も傍観者•観察者になることも多々あることから身につまされる小説だった。 傍観者だった拓人が急にスポットライトを当てられて闇の部分が暴かれていくのはどんでん返しをくらった。同じ年の女子から観察者と指摘された拓人がそれを素直に受け入れて自分から動こうと決意したシーンは感動したし、いい奴じゃんと思った! 痛くてカッコ悪い姿であがき続けること、それは現実の中で目いっぱい生きることなんだなて、言い訳を考えずに納得して生きることなんだなてこの小説を通して学んだ。 これからは自分で動かないと自分の名前は変わんない、、ていう光太郎の言葉は鋭いし、拓人に暗に伝えたいことだったんじゃないかな。だとしたら光太郎は凄すぎるし、友達になりたい。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    就職氷河期世代で、当時の自分の苦しかった日々を思い出しつつ読んだ。受けても受けても内定が貰えず自分の存在自体が全否定される感覚。企業に自分をアピール出来ずもがいていた。 主人公拓人や他の人物の自意識、隠れた背景。読者である自らも身に覚えがある数々の「イタさ」が鼻先に突きつけられる。終盤に理香が拓人の黒い部分を暴き糾弾する様は圧巻。読み進めながらそれまで拓人に共感していた読者の心をも撃ち抜かれる。 ラストシーンはハッピーではないが、拓人の姿に清々しい兆しを感じた。

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    就活というテーマが自分に合うかなと思ってたけど、就活を鏡にした自意識というか生きるスタンスの話になっていて面白かった。細かい心理の変化を伝える、描きすぎない情景描写がやはり良い。 色々小説を読んでいて時折違和感を感じる、主人公の万能感と俯瞰能力、自体を上手くメインディッシュの1つにしてもらった感覚が非常に新鮮だった。

    0
    投稿日: 2025.10.17
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    就活の時に自分を大きく見せたくなるのはわかる気がする。自分の時はSNSはないし時代は全然違うけど、氷河期で就活は虚しくて仕方なかった。SNSはやらなければ済む話な気もするが、情報戦に負けてしまいそうで辞めることもできないのかな。いつの時代も大変だ。

    10
    投稿日: 2025.10.14
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    解像度、言語化能力が秀でているからこそ書ける小説。 何とも言えない他者との関係性あるあるが満載。 朝井リョウさんは何気ない言葉を一言加えることの天才。

    6
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の汚い部分、いや、最も人間らしい部分を不気味なほどリアルに描写しているのがよかった。表現された文字や言葉の裏側に本心が隠れているというのは生きていく上で大切な教訓になると思う。想像力を働かせてその本心を見抜かないと、人の価値を見誤るし、人を傷つけることになる。 作品を通して拓人の黒い部分が見え隠れしていて、それを最後理香さんが炙り出していくのは意外だった。でもこういうふうに汚い部分を曝け出すことこそ、人が本当に分かりあうには必要なことなのかもしれない。最後まで読んでそう思った。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    元劇団仲間のギンジ、就活に冷ややかな隆良、意識高い系の理香を、どこか冷めた目で観察していた拓人。 「最後はしっぺ返しが来るかな」と思いながら読んでいたが、やはりそうだった。 「何者」かになったつもりで他人を批評していた拓人の姿に、「観察者」である読者もハッとさせられる。 自分もまた、何者でもない一人の人間に過ぎないと気づかされる。 なかなか内定が出ない就活の現実と、そこから溢れ出す就活生の醜い感情がとてもリアルに描かれていた。

    1
    投稿日: 2025.10.11
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    う〜ん こんな奴いそう? と思っていたが!旧TwitterなどSNSの時代ではあるが 昔からそんな人‥ 表と裏の顔を 優しい良い人 俯瞰で読まないと同調調和に流されるのも 怖い! 読みながら前半を再読して確認 読み終わっても 再度確認して読み直したくなる一冊

    0
    投稿日: 2025.10.10
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    先日のあちこちオードリーで朝井さんの人柄に惹かれ手に取りました。 もうとにかく面白かったー! 誰もが持ってる心の中のもやもやを言語化してもらった感覚。 相手に対してマイナスな感情はなくても身近であればあるほど幸せを素直に喜べない時ってありますよね。

    0
    投稿日: 2025.10.08
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    いゃ〜、面白かった。最初は大学生の就活のやりとり⁈なのがもう人間性を抉るは露にするはで、50代のおばさんにもガツンときました。やられた〜って感じです。自分の嫌なところ曝け出すってできないんですよ。でも、最後主人公の俺が、落ちても大丈夫にみんなが救われたはず。すごいな〜と思いました。この後の話ってあるのかな?なんかちょっとこの4人の次をみたいなと思いました。

    1
    投稿日: 2025.10.07
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    いたたたたたたたーって思いながら読んでた。 自分にも思い当たる節がありすぎてどうすればいいかわからなくなったし、死ぬほど振り回された。本ひとつでゆらぐ自分が嫌になりそうだったけど、小難しく分析して俯瞰して冷めた目で見るんじゃなくて、やりたいこと楽しいこと好きなことをストレートにやる。そうしよう。

    1
    投稿日: 2025.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔気になってたけど就活が辛くなりそうだったので避けてた。 就職してしばらく経って、直木賞受賞作を眺めてたら目に入ったので読んでみた。 5人の就活生の話。 ・元バンドのボーカル、陽キャで行動力で就活うまくいく系男子「光太郎」 ・真面目で純粋な感じの女の子「観月さん」 ・就活意識高い系女子「理香」 ・就活とか意味なくね?就活しないほうがかっこいい系男子「降良」 ・彼らを俯瞰的に見ている冷静系男子「拓人(主人公)」 徐々に就活が進んでいって互いの就活の進み具合から徐々に歪な感じになっていく話の展開はおもしろかったけど、 主人公視点のBSS的な要素と、イタい感じの就活仲間の発言/行動の部分が読んでてつらかった。 終盤の ・心の中で冷笑していた主人公が詰められる ・実はみんな5年生で主人公は就職浪人であることがわかる ・主人公の語りとして記述されていた部分が主人公の裏垢で呟かれている のところは伏線回収的な気持ちよさがあった。 話としては冷笑が一番イタいよねっていう主人公が貶められるようなストーリーだったけど、正直主人公がそうなってしまった気持ちもわかるなと思った。 周りにひたむきな人間がいたり、好きな人を取られたりして、自分に自信がなくなって。でも自分の存在意義を保つために冷静な人間を取り繕っていた、みたいな。 自分が見下していた相手に図星を突かれて傷ついただろうけど、それではよくないと気づかされて、最後は自分のかっこ悪いところも認めたうえで前に進んでいけそうでよかった。 理香や降良もなんで変な考え方になってしまったのか分からないけど、彼らも周りの人間と自分を比べたりしてそういう殻を作ってしまったんだろうな。 あと就職してからは自分が行動しないと環境が変わらないっていうのはそうだよなって共感できた。頑張ろう。

    1
    投稿日: 2025.10.06
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    就活生の間でのあのひりついた空気感、表だって口には出さないが、言葉の節々から他人に対する妬み、嫉みが感じられるあの感覚、それらは自分が就活をしていた時代をフラッシュバックさせた。 それくらいにリアルで生々しく精巧な人物の描写だと思った。 自分のカッコ悪さを隠し続けて傍観者でいる限り、他人に認めてもらうことは難しい、そんな事を深く感じさせてくれた。

    1
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心がざわざわした。 拓人に共感しながら、周りの人たちを「観察」していたら、そうすることで目を背けて自分を守ってきた、自身の心の醜さ弱さを拓人とともに明らかにされた感覚。

    2
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの本を初めて読んだ。 テレビで辛辣で軽快な話術を披露していて、作家に対する物静かなイメージとかけ離れていたので、興味を持った。 テレビで見たハツラツとした印象と違い、作品は人間の奥深くの複雑な心情を言語化していて、そのギャップに驚いた。 作者も作品も面白い。 本著で印象的なワードはカッコ悪さ。 他の人から見て、がむしゃらに動いている姿はカッコ悪く見えることもあるけど、本当は、そんな人の姿を観察しているだけで、自分の中から何も出さない、何も見せない人の方がカッコ悪いことを教えてくれる。 「自分の中から出さないと、点数さえつかない。百点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したって、あなたのことをあなたと同じように見ている人はもういない。」 自分でも思い当たる節がある。 人を観察して評価している場合ではない。 自分のカッコ悪いと勝手に決めつけて出さなかったことを、どんどん外に出していこう。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    覚えのあるような、自分の中の見たくない部分。 最後は読むのが苦しくなるような終わり。 大きな展開がないのに、先が気になって、飽きることなく最後まで一気に読めた。

    1
    投稿日: 2025.10.03
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    9年前に単行本を読んでいたが、文庫版を再読。140文字の言葉やプロフィールの文言に痛いなあと思っている自分を指摘された気分になり、9年前と変わっていないじゃないかとさらに落ち込んだ。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    中学生の時に読んだ時は難しくて楽しめなかったけど、就活を経験した今だからこそ面白いと思えた。 内定をもらうことがゴールではないという光太郎の言葉が内定式を控えている自分に刺さった。 あとは時代の違いを感じた。 この時、12月でも早いとされていたのに、今は3年の春から就活しないといけないような状況で早期化を実感した

    3
    投稿日: 2025.09.28
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    今まで縁がなくて読まなかった朝井リョウさんの小説、初読みです。最初から最後まで面白い。最後のくだりの生々しさと、吹っ切れた感じかよかった。自分もうまく吹っ切って生きていきたい。

    56
    投稿日: 2025.09.27
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    厳しい就職活動を経験していないのでそこまで感情移入できなかったけど、それでも就活中ってこんな気持ちになるのか、、とハラハラというか焦りのような感情が伝わってきて大変さを全てはわかりきれないけど自分なりに今までよりは理解できたと思う。 就活大変なんだなって感想。やりたくない。 人の気持ち、感情をリアルに表現されているのでなんか私も一緒に焦燥感のようなものを感じながら読書してた。

    7
    投稿日: 2025.09.27
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    拓人と自分が恐ろしく重なって、理香さんの指摘がグサグサ刺さった。失敗を恐れず挑戦する、拒否されることを恐れずに打席に立つ、そんな大事さを痛感した。

    2
    投稿日: 2025.09.24
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    タイトル通り、就職活動を舞台にした物語。 朝井氏の書く文章は非常にクセがなく読みやすい。 リアルな人間の狡さ、醜いプライドを描いており、 自分自身の胸にチクっと刺されたような感覚を残す。 自分はここで言う『観察者』になっていないか、定期的に読み返すのも良いと感じた。

    2
    投稿日: 2025.09.24
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    最近読みたい本がなかったけど、『あの本、読みました?』って番組で朝井リョウさん特集やってて、『何者』気になったから読んでみた。 就活の話題って聞いて、同じ大3として今読みたいと思った。 ほんとに一貫して就活の話ではある。同期とされる仲間が五人くらいいるけど、みんな留年してて大学4年の11月〜大学5年の5月?くらいまでの話が進んでいく。 自分はまだそこまで進めてないけど、この本読んで毎日就活のことを考える生活やその緊張感みたいなのが体の中に入ってきた この本の、おぉと思ったところは、解説にも書いてあったけど、 主人公の立場で感情移入し、安全な場所で傍観していた読者が、いきなり当事者になり変わるところ だと思った。初めは、主人公(拓人)目線で書かれている。いろんなところ見てて、世界の捉え方が面白いなと思った。同時に、そんな描写まで書く朝井リョウさんにも惹かれた。拓人も朝井さんも頭良いのが伝わってくる "想像力"も、この本のキーワードだと感じた。仲間たちのTwitterの投稿が、何度も出てくるんだけどその言葉に書き表されていない気持ちとかを想像するって意味とか。文面から想像することの大切さが、タイトルの『何者』って部分に繋がってくるのかなと思った 『何者』って言葉も何度か出てくる。この本を一言でまとめると、ふわっと、何者でもない一人一人が何者かになろうとしてるって感じなのかな。その一人一人が集まって、話し合いつつも、自分の就活を進めていく感じ。 『グループディスホッションをグルディスと略した人は、言葉が短くなりさえすればもうどうでもよかったんだろうなと思う。』 この言葉も印象的だった。グルディスに疲れたからこそ出る言葉というか 瑞月さんの線路の話、過程が大事だったのに結果が大事になる話もなるほどなと思った。 最後の方の光太郎の最後の改名の話も納得。 拓人の見てる景色の感じ方、描写がほんとに引き込まれた。 また朝井リョウさんの本読んでみたい!

    15
    投稿日: 2025.09.23
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    初朝井リョウさん作品。なんとなく古本屋さんで手に取ったこの本。就活の話。この前も『6人の嘘つきな大学生』で就活の話を読んだなぁと思ったが、また違った切り口であり、ちょっと気持ちをえぐられるような感覚があった。 就活ってなんであんなに心も体も疲れるんだろう。自分をよく見せたい、いい印象を与えたい。 snsも疲れる。だから見ない、やらない笑 ただただ怖いもん、sns。 拓人が最後、長所と短所をちゃんと認められたことにちょっと安心した。

    36
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今までにない角度から刺激を受ける物語だった。 ただ周囲にコメントするだけで何も行動しない自分が、格好悪く思えた。 友達が就職や転職をした時に、「〇〇会社 評判」とか「〇〇会社 年収」と検索している自分の姿が簡単に想像できた。 ダサくても格好悪くても、もがきながら理想の自分に近づこうと生きる方がずっと格好良い。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    私にもそういうところがあるかもしれないなと、ちょっと寂しくもあり、そんな一面を再確認できたこの本を読み終えた後の時間を愛おしく思った。 自分は周りとは違う「何者」かであると思いたい故に、観察者として距離を置く、冷静に分析してみる。わかった気になることで、自分は大丈夫だと自信をつける。でも、そこに「自分」は存在していない。「何者」=「自分」ではない。「何者」かになろうとしなくていいと、誰しもが思う気持ちをつつきながら、「自分」のままで生きていていいんだと全人間を肯定しているようにも思った。ミズキの、大人になるにつれて過程を一緒に歩いてくれる人はいなくなるの言葉に、どこか年々感じていた寂しさややるせなさを明言してもらったようにハッとした。だからこそ、自分は自分の過程を見届けて、周りには結果のみで評価されても「なるようになる〜」の穏やかな気持ちを保ちたいと思った。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分が特別だと思い込んで、生き方を拗らせているとガツンとくる小説だと思う。序盤は拓人に共感しながら読んでいたけど、実際は拓人が一番“痛い”人物であり、それに共感していた自分も実際は何者にもなれないことを突きつけられた感じだった。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めて読んだ時は、中学生くらいでまだ何もわからなかった。 どうしても就活が終わり、読みたくなり再度読むことに。最後まで読むと、どのキャラクターも嫌いになれない。泥臭く頑張れるやつ、それを笑うやつ、泥臭くがんばるにも種類があること。それぞれ持っているプライドと共存して就活してた。 この本が出版された年よりもだいぶSNSが広がり、人の考えや行動も簡単に知ることができる。だけど、大切なのは、自分のことであって、他者と自分と比べることではないかと私は最近やっと思えるようになった。ここに出てくるキャラクターたちは、ずいぶん本心をSNSにあげていたけど。SNSに載せている人と自分を比べて疎外感や孤独感を感じやすいから、そこだけが全てじゃないと思いたくなった。 最後に、私の職種は就活がそこまで厳しくはないが、本を読んでいて何度も、社会人になることがいかに難しいのか感じた。そして、人生の職業を決める活動が、実際蓋を開けてみると業種や会社名などのパッケージばかりを見るようになってしまっているように思う。就職は特に、自分のワークライフバランスも考えた上で選択するから業種や会社に上下なんてないと思うけど。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    面白かった! 登場人物の心情が興味深かった。 まだ就活をしていないので、苦しくなったりはしなかったのが残念。経験したらまた違ったものを感じるかもしれない。 面接のシーンで登場人物がきちんとした答えを出していて驚いた。いつかこれくらい言えるようにならないといけないのか...。

    0
    投稿日: 2025.09.22
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    面白かった!就活したのは何年も前なのに、終始心臓をキュッとされる話だったけど 就活中の男女5人の葛藤を書いた作品 作者とは多分同年代だと思うのだけど、当時のツイッターの雰囲気とか、キャラクターとか、全部が懐かしくて痛くて感情移入できてしまった。 作者は学生時代に小説家デビューしていて就活してないと思うのだけど… なんというか雰囲気感とか、すごい。こういう雰囲気確かにあった 途中までは"ダサい"、"痛い"登場人物に対して勧善懲悪的な展開なのかなと思ったけど、読み進めていくとそんな薄い話ではなくて、そこも最後ぐわっと胸を掴まれた 就活の話ってよりは、何者かになりたい、何者かになれると思う若者の話 若くなくても、何者かになれると思ってた人には刺さる作品だと思う! 元気な時に読まないと、メンタルやられそうだけど…

    0
    投稿日: 2025.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活を舞台にした小説だが、私が強く感じた本質は「観察者であることに抱く優越感」と「それを見抜かれたときの屈辱感」だった。 人は誰しも「自分は他の人とは違う」と思う。私もそう思っているし、主人公と似たようなところがあるようにも感じた。しかし実際には、みんな違うし、それぞれに思いがあるのだから、当たり前にみんなが違うのだ。 ちょうど最近、友人から「自分だけ違うって思ってんなよ」と言われたことがあった。そのときは恥ずかしさを覚えたし、図星を突かれたような気がした。小説で描かれた屈辱感は、まさに自分が経験した感覚と重なる部分があった。 「自分は特別だ」という気持ちはどこからくるのだろう。プライドかもしれないし、自己防衛なのかもしれない。この作品は、そんな人間の根本的な感情を鋭く突いてくる。読後に残ったのは、就活小説という以上に「自分自身の内面を見せられた」という感覚だった。

    2
    投稿日: 2025.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    "会社勤めをしている世の中の人々全員よりも、自分の方が感覚が鋭いて、繊細で、感受性が豊かで、こんな現代では生きていき辛いなんて、どうせそんなふうに思ってるでしょ?" このフレーズに度肝を抜かれた。自分も確かにそう思っていたからだ。人間はなんとか理由を探して、自分は特別だと信じようとする。でも、特別になんてなれないのだ。自分は自分にしかなれない。何をしても理想の自分なんて、なれるものじゃない。痛くてかっこ悪くて醜い自分。それでいいから、がむしゃらに戦う、その姿勢をバカにしてはいけない。 冷めた目で見つめてはいけない。 "痛くて、カッコ悪い姿であがき続けるということを、私たちに残された最後の方法を、ギンジくんさ実行し続けてる" ギンジと主人公の違いはなんだったんだろう。 他人に対して、バカにするなということだろう。 そうしていたら、いつか自分に返ってくる。 現在大学生で、教師を目指そうとしていたが、 この本を読んで就活を経験するのもありなんじゃないかと思った。理香のように、ださいように見えても頑張るべきなんだ。

    0
    投稿日: 2025.09.17
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    人を下に見たり、鼻で笑って安心するような人間の持つ薄暗い感情がつづく。面白かった、けどグサッとくるから重い。それがいいのだが。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    自身、就活に対して強烈なトラウマがあるから ずっとずっと居心地が悪くて胸がしくしく辛くなる一冊だった 就活がなかなか上手くいかなくて 内定も全然出なくて 友人の内定先の口コミを調べて少しでも悪い評価がないか探したこともあった どんなに道化でも、キモくても、見てられないような必死さが滲み出ていても その瞬間にできることを精一杯やれた人たちは強いよ 私は自分の心とのの折り合いがつかなくて、道化にもなれなかったし、キモくもなれなかった 社会人6年目の今になってやっと、必死で頑張ることの尊さがわかるようになった

    2
    投稿日: 2025.09.11
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    就活を控えた大学生たちの悩みと苦しみを描いた小説。お互いに助け合う青春モノと思いきや、徐々にドロドロしたリアルが見え隠れし、終盤に驚きの展開になる。 就活生だった頃を思い出し、よくあんな大変なことをやれたのかとこの本を読みながら振り返る。今の私は何者なんだろうと、ふと考えてしまう。何者でもない平凡な私を大切にしてあげたいと感じた。

    1
    投稿日: 2025.09.11
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    好きなが読んでるのを知り こっそり追読。 初めての浅井リョウさんワールドに戸惑いながらも ペラペラと気軽に読んでいける こういう小説があるんだなと 本を読み始めたきっかけにもなった

    0
    投稿日: 2025.09.10
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    ちょうど自分が就活の時期に読んだ 状況も相まっていろいろ苦しい気持ちになったと同時にみんなもそうだよなみたいな安心感もどこかで感じた 映画も見た

    7
    投稿日: 2025.09.10
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    痛い。なんだこの自虐小説は! 就活というテーマは確かに自分が何者なのか、社会に受け入れられる、認められる人間なのか秤にかけられる一大イベントなのだろうが(経験してないから知らんけどw) 就活だけに留まらず、SNS社会とリアル社会においての自分の存在が何者なのかを考えさせられる作品だった SNSの自分、裏垢の自分、リアルの自分、誰かの前の自分、外での自分、中での自分、どれもきっと嘘はついていないはず 人間とはイタイのだ イタさに気付いていないのがイタイのだろうなぁ そのイタさも自分 認めて受け入れる ストーリーとは関係ないけど、細かな『音』に対する表現や情景描写がとても好きだと感じた

    19
    投稿日: 2025.09.03
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    就活中の学生の気持ちをうまく描いている。学生時代の仲間ってこうなんだよなぁ。見抜いたつもりで見抜かれている。よく描かれています。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    すごい。文章がするする頭の中に入ってありありと情景が浮かぶ。本当に共犯者になった気分だった。 最初は一緒に観察者として鋭い分析をして優越気分に浸ってたら、ああ、ぐさぐさと言葉のナイフでえぐられる、返す言葉も浮かばない。 ここまで一緒に主人公と共犯者だったのに、急に”読者”になって距離を置き、「かわいそう、ここまで言われなくても」なんて思う。ズタボロになった心のまま終わってたら、しばらく読了後立ち直れなかったかもしれない。 朝井リョウという作家の残酷さとそれさえも包み込める愛、懐の深さに、ただただ大きく呼吸をするしかなかった。すぐに2周目を読み始めたくなる、何重にも感情と視線が絡み合った、読めば読むほど味が出る小説。 こんな感想を書くのも恥ずかしくなるよ!それがこの小説を読むことの怖さかも。それでも10点でも20点でも自分から生み出す事を続けようと思います。

    2
    投稿日: 2025.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どんでん返しとまではいかないが主人公に感情移入させた上で、最後に彼自身に激烈アタックを与えるのはダメージがあるものである 胸の奥に突き刺さるような素晴らしい言葉や思考が数多くあった 才能や能力を持たないものは、自身の凡庸性に気づき、それを受け入れ、ともに生きていくことこそ、この世界で生き抜く唯一の方法なのだと痛感した

    0
    投稿日: 2025.08.29
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    自分は何者かになれたかなと、ふと自分をふり返ってしまった。結婚して、お母さんになれたかな…。 何者かになろうと就職活動に奮闘する大学生の胸の内を描いていた。 ここまで暴くことないのになあと思うほど切なくて、悲しくなった。 直木賞受賞作なだけあって、読んでいて止まらなくなる迫力があった。

    10
    投稿日: 2025.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活の話だけどどの世代の人が読んでも突き刺さる部分があると思う 人に嫉妬したり周囲の人より自分の方が優れていると思い込んでいて人の成功話を喜べなかったり、、 人の裏側やマウンティングの描写がリアルだった ラストの理香が拓人に話すシーンはまるで自分に言われてるんじゃないかと思うくらい 人や出来事を分かったような気になって評価しているな、と反省した 自分と向き合って、周りからみたらカッコ悪くても理想の自分に近づくために行動していくことに価値がある

    3
    投稿日: 2025.08.26
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    大学3年生の時に将来のことについて大学の友達と話してたら、旅行中2日目にも関わらず、熱くなってちょっと喧嘩っぽくなった日を思い出した。次の日の車の中がちょっと気まずかった笑 就活生の時も知ってた本だったけど、何か影響を受けてしまう受けたくないと思って嫌遠してた。そんな行動自体が「今の自分で何者かだし、自分だけの力で何者かになれる」と考えていた視野(思考)が狭い人だったのだと思う。朝井リョウの他の作品を読み終えた時の気持ちと比べると、新しい気づきみたいな部分に物足りなさを感じる気持ちもあるが、少しそれは自分が成長して視野が広くなってる自分だからだと思おう。 評論家ではなく実践家。 何者でもない凡人になる。

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    就活していた、大学生時代を、ちょっと思い出した。皆んな、いろんな目標や夢を追いかけ、現実の自分とぶつかってたと思う。それでも、理想を諦めない人もいたと思う。とても読みやすく面白かったです!

    80
    投稿日: 2025.08.24
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    誰にでもある承認欲求、自己顕示欲 SNS裏垢や就活や、若い人は大変だーと思って傍観者のように読み進めていると、突然グサグサとナイフでえぐられた

    1
    投稿日: 2025.08.21
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    朝井リョウはほんとに人間の嫌な部分を描くのが上手い。自分のことを言われてるようでドキリ。あの人のことを言っているようでウンウン。 ストーリー的には大きな波はなかったけど、その分、人間の嫌な灰色の凪でずっとぐわんぐわんしているような感覚だった。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白いけど耳が痛い!!文字は目から摂取してるが… ここに書き込んでることも含めてSNSにドップリな人間には読むことがツライはず。そうであってほしい。直木賞に選ばれるくらい多くの人の心を動かしているのだから、みんなも私みたいに数ページごとに深呼吸したり本を閉じたりしているはずだと信じたい…(そういうところやぞ)

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    作品紹介・あらすじ 就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    就活をめぐる5人の人間関係。 「相手をバカにすることでしか何者にもなれない」 「バカなこともてきなかっただけ」なるほど。 傍観、分析するだけでは社会から何も評価されないのはその通りだなあ。

    3
    投稿日: 2025.08.17
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    最後の大どんでん返しというか、人の裏側にある、できれば表に出したくない気持ちの描写が自分の気持ちを突き刺してきて、初めて読んだ時に衝撃を受けたと共にこの本がきっかけで朝井リョウさんの本が好きになった。20代前半の心の揺れがとても丁寧に描かれていて、自分だけじゃないんだなと思った記憶があります。事件や大きな出来事が起こるわけではないけれど、今読み返してみても、すごく心動かされる作品です。

    2
    投稿日: 2025.08.16
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    痛さがとても解像度高く表現されていた。 つい俯瞰的に読んでしまい終盤にかけて自分の首根っこを掴まれた気分だった。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    10年前の作品で、3回生の冬からの就活スタート。 インターンシップはまだメジャーじゃなかったのかな? 冬に始まってGW辺りで内定もらって就活終了。 なんか、拍子抜けしてしまった。 まぁ何者である彼はまだ終わらないんだけど...その彼が内定を貰えない理由を友人女子から指摘される場面がクライマックスであり、作品の核だが... ラストの面接の場面を読む限り、友人女子に指摘された人として...の前に、面接の準備や面接官の質問の意図に沿った返答できてない点がまずダメなんじゃないの?とツッコミたくなった。

    0
    投稿日: 2025.08.12
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    就活モノだと思い読もうと手に取ったが、蓋を開けてみればあまりの結末に頬を叩かれた気分。キレッキレである。初めての朝井氏の作品だったが他も読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2025.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怒涛の20pに喰らわされた。 ここまで積み上げてきた細かい人物描写や繊細な機微を捉えるお上手な文章も、その20pでまさに全てが壊れても良いと思っているかのように、主人公のフィルターを通して観察していた世界の色の全てをどす黒い色に変える。 嫉妬心という、みなが心の底にしまっておくものを暴かれ、突かれ、嘲笑されるというのは恐怖だ。 しかしそれを当事者としてでなく、間接的に触ってもらうことは快楽なのかもしれない。 あまり他では感じることが出来無いであろうホラー体験だった。

    0
    投稿日: 2025.08.07
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    朝井リョウさんの就活作品だよね、 くらいの前情報しかなかったのですが なかなかのパンチがありました。 一見普通に生きているひと、プライベートが 満ちついているように見える人だって、辛いことかかえてますよね。忘れがちですが。 自分が辛いとき、努力が報われた友人に、何か悪いことがあって欲しいと願う気持ち、わからなくもない!残念ながらそんな気持ちあるよねぇって思います。 そんな弱いココロ、描かないでおくれ。 弱かったワタシを許しておくれぇぇ、 って、ラスト20ページくらい懺悔読書でした。 かっこつけず、ただただ がむしゃらに 足掻ける人にワタシはなりたい。

    64
    投稿日: 2025.08.07
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    「正欲」「死にがいを求めて〜」に続き朝井リョウさん3作目。前2作のほうが私は面白かったかな。「何者」は文章がイマドキで携帯小説を読んでいる感じにスラスラ読めたけど、そのスラスラ感が少し物足りなさ。そしてもう少しそれぞれのキャラを深掘りして欲しかった。 一方で主人公の「他人を観察し説明できちゃう俺」な感じ...まさに自分と重なって恥ずかしい。他人の性格だったり行動の動機だったりを言い当てることで、自分はもっと複雑で「かっこいい」人間だと思い込もうとしている。恥ずかしい。。。そして就活の時、理香みたいな友達いたなあ。でも今思えば彼女があそこまで自分を何者かに仕上げていったことはすごい事だった思う。

    3
    投稿日: 2025.08.01
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    正欲もこの作品も、心理をえぐってきますね。 みんな分かってても口には出さないことを作品にしちゃった感じ。

    0
    投稿日: 2025.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドキッとさせられた。 登場してくる人物全員を最初痛いやつらだと主人公と同じく読みながら思っていたが、最後主人公が他人をバカにしかしない1番痛いやつだと気付かされる場面で自分の心にもグサグサ刺さってきた。自分も受験期の時そうだったかもしれないと読んでいて冷や汗をかいた。就活する時自分はこうはならないようにしよう、何者かになろうとするんじゃなく自分をしっかり見つめようと思った。 皆さんも気をつけてください

    0
    投稿日: 2025.07.28
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    就活経験してから読みました。自分は理系だから、この本の登場人物と目指した業界は異なってました。でも、就活している時、周りの方と比較したり劣等感を感じたりして、主人公のように斜に構えた瞬間があり、同情心が湧きました。最後の方で、女の子に自分の心の内を突かれるシーンがとても印象的。

    0
    投稿日: 2025.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リアルだったなぁ 就活がうまくいかなくて就活というものそのものに疑問を持ったり、周りの人と比べたくないけど比べちゃうから頑張って良くないところ探したり、自分は普通の人間とは違うからなぁ。って思ったり、就職するってなってもこれからそこでずっと同じように働くことに不安というか虚しさというかを抱いたり、共感しちゃうことが多かった。みんながみんな俗にいう性格が悪い感じあったけど、こんなもんだよねー。みづきさんがりかの彼氏に思ってることばーって言っちゃうとことかりかさんが拓人にばーって言っちゃうところとか息が止まる感じがした。なんで人はこれからも関係を続けたいと思ってない人に対してもじぶんの考えや思想を押し付けてるんだろうか。就活という他人と比べられて評価される期間だからこそ他人に干渉してしまうのかな

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    主人公に対して吐露するシーンは「正欲」と同様に揺さぶられた。見透かされてるかの様なこの感覚、朝井リョウはすごい。自戒をこめた一冊。

    0
    投稿日: 2025.07.25
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    存在意義を模索し、自分を見失い、誰かを見下すことでしか保てなかった平常心。就活生たちのリアルな心情に気づけば当時の自分を重ねていた。何者かにならなければというプレッシャーが関係性を歪にしていく。終盤の増し続けるヒリつきは凄かったな...黒い感情が溢れ出ていた。

    14
    投稿日: 2025.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    複雑な人間関係の絡み合いが良い。 主人公と自分を重ねながら読んでると、最後説教食らうことになります!!!自分のことかも、とか思うところがありました。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たくとが内心馬鹿にしてた女の子にカウンターくらってるとこが激アツだった。読み手まで被弾してしまった。あとたくとが最後の最後でカッコつけるのやめて逆にカッコよく見えた。 想像力のある人間ってたくとみたいに打ちのめされて認めていくことでしか生まれない気がする。自分の悪いとこを指摘してくれる人は大切にしないと。 終始自分でも嫌になるがたくとの考えには共感しながら読み進めたので浅井リョウさんの作品他のもみてみたいと思う。 言い忘れてたけど解説で実際の演劇家の人が選ばれててめっちゃいいな!この人浅井リョウさんのファンすぎるし、たくとと同一思考すぎる。

    4
    投稿日: 2025.07.17
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    著者、朝井リョウさんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 朝井 リョウ(あさい リョウ、男性、1989年5月31日 - )は、日本の小説家、ラジオパーソナリティ。2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少者[2]。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからー。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。直木賞受賞作。 ---引用終了 本作は、148回直木賞受賞作になりますので、その頃の受賞作品を見ておきます。 146回 『蜩ノ記』 葉室麟 147回 『鍵のない夢を見る』 辻村深月 148回 『何者』 朝井リョウ 148回 『等伯』 安部龍太郎 149回 『ホテルローヤル』 桜木紫乃 150回 『恋歌』 朝井まかて 150回 『昭和の犬』 姫野カオルコ

    68
    投稿日: 2025.07.17
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    朝井リョウ先輩初読。この頃は就活スタートが3年冬だったのがもう羨ましい。圧倒的強者男性を感じるサークルの先輩の就活アカウント見つけちゃった時の感情をなんか思い出した。5年生上等!@28卒アカウントは作りません

    2
    投稿日: 2025.07.16
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    やめい! あの時期は思い出したくないのに… 裏アカなんて、最も正直な思いを吐露できる場所なのに… ほんと、性格の悪い作者さんです(褒め言葉

    1
    投稿日: 2025.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/38 読み終わってすぐ感じたのは 私は、いつでも拓人になりうる人間だということ。 誰かの努力を俯瞰して捉えたり、誰かのいいねを望んだり、自分がまるで他の人とは違う特別な存在なんじゃないかって錯覚に陥ったり。 正直に言うと、そういう瞬間は私にもある。 想像力が足りない人ほど他人に想像力を求める 他の人間とは違う自分のことを 誰かに想像してほしくてたまらないのだ この言葉をなるほどね、と俯瞰して読んでいたのに 実は拓人がこの言葉をSNSに投稿していたことが分かった途端に、この言葉が自分に刺さった。 私は自分を他人への想像力を持っていると思っているけど、その陰に相手と自分を比べる弱さとか醜さも持ってると改めて感じた。 他人の努力を笑ったり、他人の人生を上から目線で見るなんて本当にかっこわるい。 読了後、拓人とともに理香にバッサリ斬られまくりました。もっと精進しようと思う。

    4
    投稿日: 2025.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。逆張りや冷笑する人間の気持ち悪さが解像度高く書かれてて面白かった。ただ主人公と同じ目線なので自分も一緒に釘刺されて苦しかった。 自分の承認欲求の気持ち悪さについて見つめ直すきっかけになった作品でした

    1
    投稿日: 2025.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やられた…。就活生達の就活生にしか通じない打算やアピールやマウンティングを滑稽だな〜と一歩引いて読んでいたら、最後の最後でその考えが1番サムくて意味がないとズバり言われてしまった…。気づいたら主人公拓人に同調させられていて、ラストで拓人ごと斬られた気分です。 拓人には同情して周りの仲間に嫌悪感を持っていたのに、読み終わったら印象が綺麗に逆転した。善悪がひっくり返るって程大袈裟ではないけど、衝撃的な体験をさせて貰いました。 今回のオチ: 拓人の独白っぽい観察や考察を、拓人は裏垢でも書いていた。同居人や好きな子に対しても結構エグい事を書いていたけど、その裏垢はバレていた。アカウント名が「何者」。寒いと揶揄られてた。拓人以外の就活生達は、自分がいかにカッコ悪いかを理解した上で、その方法しかないからとカッコ悪く足掻いていた。拓人はそれを観察して裏垢に投稿して何者かになっていた気になっていた。ラストは拓人の面接で終わるけど、到底受かりそうにない感じでエンド。ずっと何かを検索していたのは何の捻りもなく5ちゃんとかSNSとかの、友達の内定先や劇団の悪口。

    19
    投稿日: 2025.07.11
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    就活は会社に受け入れられるために自分の存在価値をアピールしなければならない。 それが自分そのものの姿でなく、自分ではない「何者か」に思わせる形であったとしても。 その「何者」を求める学生たちのリアルな描写が、いつかの自分の中にあった感情を思い出させて苦しかった。 周りの失敗や過程を評価し自分は一歩引いたところから批評する観察者であった時や、何者にもなれずにあがく感情や、みんなと同じ真似事をして道を進むことを馬鹿馬鹿しく思い、それを批判する事など、立場は全く違くとも全て味わった事がある感情だった。 読了後は自分が何者なのかを見つめ直す時間になり、余韻がしばらく冷めなかった。

    16
    投稿日: 2025.07.10
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    自分のことを棚に置いて、俯瞰し高みの見物をしている主人公に共感してしまう。 自分がかっこ悪いって認めた上で出来うる努力をするって難しい。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    「想像力のない人ほど他人に想像力を求める。」 序盤から語り手である主人公に肩入れしながら読んでいたが、物語終盤、背筋が凍るほどの事実に驚愕する。 変わっていくまわりと変われない自分。 今まで主人公が周りに対して紡いできた言葉はまさに自分自身にそして読者自身に返ってくるのだと痛感しました。 「何者」でもない、「何者」にもなれないからこそ、必死にもがき足掻く姿に共感せずにはいられなかった。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    夢と現実に揺れる若者の心を繊細に描いた青春小説。大学、就活、SNS、自分の居場所を探す姿が胸に響く。

    14
    投稿日: 2025.06.30
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    語り手である主人公に完全に感情移入してしまい、ずっと主人公の就活がうまくいくように応援してたけど、最後の最後にガツンとくらってしまった。 理香や隆良がすごく嫌な奴にみえるけど、結局一番嫌なやつは読者自身だということを認識させられてしまう。 誰しも弱い人間だし、何者にもなれない中で、どこまで我武者羅になれるか。 ダサく泥臭く見える人たちを馬鹿にできない。

    3
    投稿日: 2025.06.27
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    面白かった。拓人、理香の考え方が強烈に刺さって、共感できた。就活を通してそれぞれが何かしらになる、もがいてる過程が良い。10年前の就活生にすごく元気をもらった。

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    投稿日: 2025.06.27
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    二宮拓人目線で語られる「何者」。 読みたかったが中々チャンスが訪れなかった為あっという間に読んだ。TwitterやFacebookで自己表現したがる人が増えているのは確かなのだろう。そんな人達は自己肯定、承認欲求が強いだけなのかと思っていた。しかし読み進めていくうちに何かがおかしいと思った。それがわかったのがサワ先輩が拓人のキャンパスに来た時、「お前の顔凄いことになっていたもん」と言った時ハッとした。私は拓人に感情移入し光太郎、瑞月、理香、隆良を容赦なく暴きもう一つのアカウントにツイートしている拓人。自分の観察と分析に酔いしれている拓人。そして自分の観察力を誰かに認められたくて仕方ないのは拓人自身なのだろう。朝井さんの人間を見る目に優しさが溢れていると思う。

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    投稿日: 2025.06.25
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    タイトルが本当に答えであり、核心。みんなが何者かになりたがっている。 でも自分は何もしないで、批評や「鋭い観察」をしてても何も生まれない。泥臭くても、100点じゃなくても、今の自分の100%で物事に取り組むことが大事というメッセージを受け取った。 まずは自分の中から出す。そうしなきゃ点数すらもらえない。土俵にすら立てない。

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    投稿日: 2025.06.25
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    生殖記や正欲も読んだが、共通しているのは朝井さんは人間のグログロした内面をよく的確に言語表現できるなぁと思う。ただ、俯瞰や観察ばかりでなく今を生きなさいというメッセージは感じたのだけど、今を生きているのに振り切りすぎたらそれはそれで問題なので、バランスだと思う。

    1
    投稿日: 2025.06.25
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    就職活動を前にして、「何者」かになるために足掻く学生たちを描いた2015年の小説、『何者』。2025年に、ようやく読みました!発行から10年が経過し、転職も身近なものになって、また会社の中でも個々人が「何者」であるかを、以前より強く問われるような世の中になってきたと思います。就活生でもないのに、めっちゃ共感できて、胸が締め付けられるよ! 就活時の私の状況的には理系学部修士のサワ先輩に近いのですが、意識高い系元気女子・理香ちゃんのカラ元気感…わかりみが深すぎます。 絶対足りない、自分には必要なものが足りてない、それはわかってる、でも、手元にある武器で行くしかない、落ち込んでも仕方ない、もう、それが端からみてイタかろうがなんだろうが仕方ない、行くしかない、という、腹くくった前向きさ、読んでて痛々しくて、いや、めっちゃ今の私…。(なので主人公の拓人には終始1ミリも感情移入できなかったのが、この本を骨の髄までは楽しめなかった原因ですね。) 「何者」かにならなきゃいけない世の中で、唯唯諾諾と従いつつも不満な人、真っ向から反抗しつつも周りが気になる人、うまく振る舞いつつ釈然としない思いを抱える人、家庭の事情などで鼻から勝負を降りざるをえない人、2025年を生きるいろんな社会人にも刺さる一冊だと思います。LinkedInとかのSNSでせっせと情報発信して、「何者」であるかを伝えるのも一般化してきたし。 …なんで、こんな世の中になっちゃったんだろうねぇ。 ところで、理香ちゃんのやってた名刺配り、イタいイタいと言われてましたが、コミュ下手な会社員サイドからしたら、めっちゃ助かります!名前の確認がこっそりできるし、「〇〇実行委員やってました!」とか、書いておいてくれると話のとっかかりになるので(リクルート活動中に学生と何を話していいかマジでわからんので)、とてもとても助かります!

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    投稿日: 2025.06.24
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    自分も直近で同じような状況だったからめっちゃサクサク読めた。やっぱり自分が経験してたり共感できるようなテーマや物語は、読み進めやすい! 皆がないしんおもったことをえぐった内容だったように感じる。もう大人になっちゃたなぁっていうさみしさだったり焦燥感を最大限強い言葉で表してるみたいな。 それが逆に心地良かった感じもする。 きれいごとばっかりじゃない感じも、リアル出よかったし、どこかで自分も就活しながら感じていた感覚だったし。 最後にもう少しそんな中でも希望を持たせるような展開を書いたり、主人公がこれからどう成長していくか知りたかったなぁ、でもえぐって終わりっていうのもきれいごとすぎなくてリアルでいいのかも!

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    投稿日: 2025.06.23