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何者(新潮文庫)
何者(新潮文庫)
朝井リョウ/新潮社
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総合評価

1571件)
4.0
434
612
327
55
11
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    就活ってうまくいかないと人間否定された気になるからつらいよね。入ったところで何をするかのほうがずっと大事なのだが、思い出すものはあるな。

    2
    投稿日: 2023.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々に考え方が変わるくらい刺さりまくった本。 就活中だからというのもあるけど、就活うんぬんより考え方や想像力について考えさせられた。この本は読む人によって5人のうちの誰に共感するか変わるんだろうなと思った。また、一見ムカつくキャラに見えてもそれはその人のほんの一部で、本人が何を考えているかはその人にしか分からないということを改めて感じた。もうSNSで愚痴を呟くのはやめよう

    2
    投稿日: 2023.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活が終わってから読むつもりで積読のままだったが、就活を始める前に読むべきだった。理香の言葉に腹をたてながらも、それでも正論だから言い返せないモヤモヤがしんどかった。

    3
    投稿日: 2023.11.29
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    主人公やりかを自分を重ねてしまうとこがあって刺さった 何者でありたくて、ダサい自分を認めたくない 素直に着飾らない自分でありたいと思った

    1
    投稿日: 2023.11.24
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    今時なんだろうなぁ。 何をするにしてもそこにはSNSがあって、みんな自分と自分だとわからない何者かを使い分ける。 でも、それはやり方によってはバレていて… 就活する仲間同士で、互いに話をしたり情報交換したりしていても、それぞれ裏では互いを牽制していたり、本音は隠していたり… 誰かのことを裏アカで笑っていたり…本音ってやっぱりここなのかなぁ。 今の時代、勝手に呟くだけじゃなくて、そこにはリアクションしてくれる人を作れるから、それを自分じゃない誰かになっても求めてしまうんだろうなぁ。 それはわかる気がする。 2023.11.23

    1
    投稿日: 2023.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活×SNS 自分は専門職だったので内容のような就活を経験したことはないけれど、妙にリアルな感じだった。 どいつもこいつも痛くて青い。でもそれがリアル。 陽キャで自分に自信がありげな光太郎の俺は就活が得意なだけだったんだ、が印象的。 最後の理香と拓人の対峙も、もうやめてあげてー!!と思いながら読み進めるのが止まらなかった。 周りを批評してばかりじゃなくて、そんな弱い自分、かっこ悪い自分、痛い自分、自分に酔っている自分、を見つめ直す。それができる20代なんてあまりいないんじゃないかな。

    2
    投稿日: 2023.11.21
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    誰にも言えないような自分の恥じていることや苦い思い出はすべて、今の自分に辿り着くまでに必要だった経験なんだと、自分を肯定してもらえた気持ちになった。

    1
    投稿日: 2023.11.19
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    就活生って大人と学生の狭間みたいな存在だけど、こう見るとめちゃくちゃ幼い。うざく書かれてる登場人物すらも愛おしいと思えるのは大人になった証拠かな。

    1
    投稿日: 2023.11.19
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    就活中の学生達の話。 社会人になって、何者かになろうとあがいていて何者にもなれていない、まさに青春。 SNSでの書き込みや裏垢などをストーリー展開に織り交ぜているのは、とても面白く、映画のハルを思い出した。インスタやXを使っている人には、リアル感があるんだろうけど、全くやらないので、うーんという感じでした。 何となく薄く感じてしまった。物語の中にあるものを感じられなかったのかも知れない。

    5
    投稿日: 2023.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SNS時代の人間模様が鮮明に描かれた本です。 よく「SNSは自己顕示欲発散のツール」と言われますが、他にも解消してくれる欲があるんですね。 「何者」欲。今の自分ではない「何者」かになりたい。僕もそう思うことよくあります。 人間の「何者」欲をはっきりと映し出すために、「就活」というキーワードがうまく働いてると思います。 まだ大学終わって間もない子たちが、自分が「何者」であることをアピールしなければならない。無から自分をアピールしていかなくてはならない。なけなしの肩書を振りかざし虚勢を張らなければならない。これは自分も身をもって経験したことあります。大変だし、イタいし、恥ずかしいです。 でも、この自己アピールがイタいからと言ってナナメに構えていると何もできなくなってしまうんですね。それこそ、SNSに蔓延る、「何もかも批評する一観察者」にしかなれなくなる。 かっこ悪くても行動するほうが偉いし、そうしないと結果はついてこないですね。

    3
    投稿日: 2023.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『何者』は、朝井リョウ氏による小説で、就活をテーマにした作品です。この小説は、就活中の若者たちが抱える悩みや問題を描いています。主人公の拓人は、就活に苦しむ大学生の一人で、SNSでの発信や模擬面接など、就活にまつわる様々な出来事を経験します。本書は、就活を通じて自分自身と向き合い、成長していく若者たちの姿を描いた作品です。 この小説には、就活に関する様々なエピソードが描かれています。例えば、試験に落ち続けることや、自分自身をアピールすることが苦手なことなどが挙げられます。また、SNSでの発信によって、自分自身を見失ってしまう若者たちの姿も描かれています。 本書は、若者たちが抱える悩みや問題を描いた作品であるため、読者にとっては共感できる部分が多いかもしれません。また、朝井リョウ氏の独特な文体によって、読み進めるうちに引き込まれていくことでしょう。

    1
    投稿日: 2023.11.15
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    就活生の心情をリアルに表現している。 「人にはそれぞれ得意・不得意なことがあって、就活というものが得意・不得意な人もいる。なのに就活が得意というだけで人として尊敬されたり、不得意なだけで下に見られる」という部分が印象的だった。

    3
    投稿日: 2023.11.12
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    「何者」にもなれないのが人間なんだろうと最終的に思った。企業やそこの誰かに「自分」という存在を認めてもらうことは生きる上での付加価値であるだろう。だけどそれ以外に大切なことは無限にあるよなって思った。ここでいうサワ先輩のようないつも救ってくれる先輩との繋がりとか、瑞月のような気になる相手の存在とか、バイトのような落ち着く居場所とか、そういう目には見えない「何か」を大切に生きることが「何者」にもなれない私でありたいなと思った。

    5
    投稿日: 2023.11.12
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    焦るような心理描写とその状態を比喩的に表す描写が並行して描かれており、緊張感が伝わってきた。 大したことない題材だと思っていたが、次第に引き込まれて緊張感を感じてしまった。 誰しもが思っているような自分は何者かになっているはずだという思いとギャップを描いている

    1
    投稿日: 2023.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井さんの作品はまだ2作目という初心者なのですが、人の描き方が秀逸で友達の友達の話を聞いているような、SNSでたまたま見かけたエピソードにいるような、こういう人いるなぁ〜!というリアルさが凄いと改めて思いました。 ミステリーみたいに人が死ぬわけでも、ものすごいどんでん返しがあるわけじゃない。 でもたたみかけるような怒涛の理香と拓人のシーンは読んでてすごくヒリヒリした。 「自分は自分にしかなれない」 「痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない」 わかる…! でも、そうは頭で理解していたとしても、少しでも他人から良く思われたくて見栄を張ったり、誤魔化したり… 理想とする人物像に近づこうとしたりしてしまうことが少なくとも、自分はある。人間だからね、それは仕方ないとも思う。 たとえ誰かから見たらカッコ悪くても、信念をもって実際に行動すること、継続すること。 報われないこともあるだろうけど、そんな人たちを安全地帯から心無い言葉で貶めることはしないようにしたいと自戒。

    2
    投稿日: 2023.11.08
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    就活学生 ✕ SNS この組み合わせは相性はいいのでしょう。 思った通りの展開でしたが面白かったです。 賢い者は行動し、愚かな者は講釈をする。 最近どこかで見た言葉です。

    1
    投稿日: 2023.11.07
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    誰しもが何者かになりたくて足掻いている。 就活では自分についた肩書きをなるたけ大きく見せてアピールすることになるが、悉く否定されて比べられて、自分が一体どうなりたいのか目的地を見失っていく。snsという穴にそうっと鬱憤を吐き出したつもりが、白日の下晒されていて。 カッコ悪くてももがいて足掻いて掴み取るしかない。遠い昔の就活の答えを今見せてもらった気がする。

    9
    投稿日: 2023.11.06
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    自分は他人がどんな人か知らず知らずに決めつけてしまっているところがあると自覚していて、痛いところを突いてくる作品だった。 もっと、汚いところや相手の心の奥底を押し測ろうとせずに無邪気に幸せや他人のいいところを多く見つけられるひとになりたいが、きっと無理なんだろうと感じてやるせない。 片手間に就活して、院進することに決めた身なので、また就活を始めなければならない。自分はきっと他よりも幾分うまくやれるのではないかという期待は前回の就活で既に打ち砕かれた。この本を読んで あぁ、就活の時に自分も感じた空気感や気持ちは皆が思うことだったんだなと、ホッとするような気もした。しかし、今度の就活は必死に食らいついてやっと妥協できるかの結果に終わるだろうことを改めて突きつけられた気がしてつらい。

    2
    投稿日: 2023.11.05
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    悩める就活生たちの人間模様を描いた作品 人は誰しもどこかで自分のことを主人公だと思い、俯瞰的な目線で世界を見ているもの それはまるで小説を読む読者かのようで、主人公に刺さる矢が自分にも刺さるようでした 自分が“何者”なのか、考えさせられる作品です

    8
    投稿日: 2023.10.29
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    直木賞受賞作というタイトルに惹かれて読んだが、スピード感も薄く途中で読むのを止めようと思ってしまったが終盤のナイフでえぐられるような展開にこの著者の思いが詰まっているように感じた。最終章の拓人の変化で終わるところもすっきり感があった。

    12
    投稿日: 2023.10.29
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    初めは登場人物が多くて誰のセリフか分かりにくいと感じたが、読み進めていくうちに慣れた。 途中で挟むSNS投稿も若者を描いているこの本ならではであるが、少々読みにくく感じる。 ただ、私も主人公のように物事を俯瞰した気になってしまう節があるので、最後の方では耳が痛くなったと同時に読んでよかったと思わされた。 私は主人公と似ている。

    1
    投稿日: 2023.10.27
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    大学生の男性を主人公に、彼をとりまく同級生や先輩後輩を「就活」というテーマを背景にしながら描いた作品。 物語で描かれている登場人物の感情や心理は、誰しもが持ち合わせているであろうちっぽけな承認欲求や取るに足らない虚栄心であり、主人公はそうしたものを「くだらない」と蔑んでいたが、最後に自分自身が手痛いしっぺ返しを食らうことになる。 SNSの普及により、自分の素性を隠しながら心の内や本音を安易に発言することができるようになった。聞き手の姿が見えない以上、思いの丈を不特定多数にぶちまけることもできるようになったが、それは自分を「何者」かに見せたいがための自己陶酔でしかない。結局は現実世界で行動におこさないと何も生み出さず何も始まらない。 そんな至極当たり前なことを認識させてくれる、読んでいてとても清々しい小説だった。(主人公が最後詰められるシーンは鳥肌立ちまくりだったが) 反町隆史のPOISONも「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」と嘆いているが、言いたいことを言いたいままに伝えることができることは誇らしいことだとあらためて思う。

    4
    投稿日: 2023.10.25
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    『こういう人、大学生によくいるわ〜』と言いたくなるような、個性豊かな人たちの、就活中の生活と人間模様の話。主人公拓人の心の中にある黒い気持ちに、共感してしまう自分もいる。他の人もそうであって欲しい、笑

    8
    投稿日: 2023.10.20
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    前半は就活生の馴れ合い生活が延々と続き、退屈で読むのが辛くなった。そこを我慢して後半まで読み進めることをお勧めします。 一見、仲の良さそうな五人の学生。人当たりも良く、そつのない会話で友好的な関係を築いているように見えたが、それぞれの状況に変化が生まれたことで自分の存在価値が脅かされていく。 よくある話といえばそれまでなのだけど、ただの愚痴になりかねないネタを物語として昇華させ、読者に対する鏡として機能させている。山田太一作品にも感じた共感性周知が爆発している。中年の今だから客観的に読めているが、大学生が読んだらキツイだろうな。 それくらいメンタルに来る作品だった。

    1
    投稿日: 2023.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    傍観したい気持ちはとてもわかる。 終わりのほうの主人公が自分の立ち位置に気づいていく過程がリアルでした。

    1
    投稿日: 2023.10.19
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    タイトルと表紙でどんな本か想像して読み始めたけれど、想像より何倍も恥ずかしさを味わうこととなり読み進めるのが辛かったです、、 学生たちのツイッターが「あまりにも」すぎてこんなんおるかいなとツッコミながら読めたけれど、隆良の存在と文章があまりにも恥ずかしすぎて…何故こんなに恥ずかしいかというと自分も若い頃はそう思う節もあったからなのだけれど… 何者かになろう、足掻こうとラストに姿勢を変えた拓人は潔くて良かったです。

    15
    投稿日: 2023.10.08
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    何者でもないのに、就職活動で自分を大きく何かに見せて、でも結局は何者にもなれない多くの者たちを量産する今の仕組みに対する問いかけ。 かつ、それを俯瞰的に見えてる風に言う奴らにも容赦なく、「私、観察者で冷静です」という澄ました人間の化けの皮も剥がす、素敵な作品。 あなたはどのタイプ? 私はダントツ、拓人くんタイプです(笑) 人によっては直視できない現実の物語。 でも、直木賞取ってるし、みんな、本当は分かっているんでしょ?分かっているのに止められないんでしょ?って作品かな。 就職活動してたの20年前だけど、こんなに、感覚、変わらないもん?

    3
    投稿日: 2023.10.06
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    んーそんなに就活をダークに描かなくてもとは思うけど人間観察が好きな自分は思わずハッと驚く。人間を描くのが得意な作者だからこそ描けた直木賞作品

    4
    投稿日: 2023.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心情や本音とかリアルすぎる。就活ってはじめて自分が何者か、個性を問われる場で、肩書きに囚われたり、何かすごい人にならなきゃって焦る時期だよなぁ、と実感。登場人物それぞれの思うところや行動も、たしかになぁとなった。 就活しないことを選んで「自分の意思で生きてる」と思ったり、海外インターンや実行委員会委員長、ボランティア、留学とかの経験に身を委ねすぎたり、面接が得意で内定だけ出ちゃってまだやりたいことが分からん感覚あったり、焦りからちょっと冷めた目で達観してたり。 仲良いはずの人の内定先を検索しては悪い評判見て安堵、全然上手くいかないのに努力してる自分を魅せることでなんとか立ててる不安定感もリアル。 瑞月ちゃんの「10点でも20点でもいいから世に出せ」みたいな発言もまさにだし、それをやってるギンジも這いつくばって生きてるなぁ、とも思った。 光太郎くんの「自分で動かないと自分の名前って変わんない。俺、これから何もしなかったら今の俺のままじゃん」は刺さる。 何者かになるために、それぞれ悩んで葛藤して動いてる。続編?の何様も楽しみ。

    6
    投稿日: 2023.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〈就活〉と〈SNS〉に"本当のこと"はあるのか? 就活中は理想の自分を演じたりすることは少なからずあるし、SNSも少しは似たような部分があるんじゃないかー カッコ悪い自分をさらけ出すことも大事なんだ

    6
    投稿日: 2023.10.01
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    再読。就活というものを経験せずに資格試験で職業に就いたので、就活というものがこんなにも重く大変なものであることを改めて感じさせられた。 痛くてカッコ悪い今の自分を理想の自分に近づけるために必死にあがく友人の姿を観察者として痛々しいと思うこと自体がとても痛々しく感じた。ただ自分自身観察者として他人を観ていることもあるので、後半の友人の言葉は自分にも向けられているような気がして心に突き刺さった。 心に残った言葉 ・「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」(サワ先輩) ・「したこともないくせに、自分に会社勤めは合ってない、なんて、自分を何だと思ってるの?会社勤めをしている世の中の人々全員よりも、自分のほうが感覚が鋭くて繊細で、感受性が豊かでこんな現代では生きていき辛いなんて、どうせそんなふうに思ってるんでしょ?」(瑞月) ・「あんたは、誰かを観察して分析することで、自分じゃない何者かになったつもりになっているんだよ」(理香) ・「いい加減気づこうよ。私たちは、何者かになんてなれない」(理香) ・「自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い自分を、理想の自分に近づけることしかできない。みんなそれをわかってるから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。カッコ悪い姿のままあがくんだよ」(理香) ・「心の中で思ってることって、知らず知らずのうちに、相手に伝わってるもんだよ」(理香)

    22
    投稿日: 2023.10.01
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    実際に就活をすることになってから答え合わせのように心が苦しくなった。それほど、主人公と自分が重なってしまって痛い。 自意識の高さと現実のギャップに潰されながら、それに自覚的であるはずなのに、実際はそのかっこ悪さを認められない「嫌」な自分。 今だって就活を思い出すと社会と自分の気持ち悪さに具合が悪くなる。 でも、その弱さと醜さとどうしようもなさを抱えながら「何者」にもなれない自分を愛して、この素晴らしい社会を必死に生きていくしかないんだと思う。

    11
    投稿日: 2023.09.29
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    就活懐かしいなと一気に読んだ。 ギクシャクしたものが最後爆発するけど、誰にでもある黒い部分なのかと思い、それぞれの人物に共感できる部分もあり、グサっと刺さる部分がある。

    2
    投稿日: 2023.09.27
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    登場人物の肩書きがエリート揃いだよ。実際はこんなにカードなんて持ってないし、それでいて就活がうまくいかないというのもなんとも厳しく感じてしまいます。誰にだって裏の面はあるしねー。

    2
    投稿日: 2023.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやぁ、怖い、読んでて心が痛かった…。 大学生になったし、就活ってどんなもんだろうっていう軽い気持ちで読んだら、想像を遥かに超えてリアルだった…本当に人間の嫌な部分が見えてしまう…辛い。けどページを捲る手は止まらない。 特に理香!!やだ、絶対友達になりたくない…笑 怖すぎるというか強すぎる。自分の性格の悪さを分かった上で自分を受け入れるしかないって腹を括ってる。強い。けど発言の端々から滲む腹黒を隠せてないから読んでるこっちが辛い。隠す気がない…?理香はプライドが高い。私もプライド高い。知ってる。特に同性だと、プライドが高い人は苦手だ。自分もプライド高いくせに。なぜだろう、自分の嫌な所が見えてしまうから?優等生の枠をはみ出すのは難しい。 光太郎や瑞月の言葉が印象的。区切りがしっかりある学生の身分て恵まれてる。でも社会人になったら自分で変わらない限りそのままだ。 受験やテストは数字が全てなのは公平だし、数字のせいにできる。就活は点数じゃないから、自分を否定されたように感じる…自分を曝け出すって難しい。今や自分の好きなものについて話すのでさえ緊張する。それでもがむしゃらに前に進むしかない。辛いけど。以前から聴いていた米津さんの『NANIMONO』の歌詞がより染みる。 こんな長文書いてるこれも自己顕示欲がないわけがないし、いいねは嬉しいし、これからも書きます語りたいので!!(投げやり)

    3
    投稿日: 2023.09.22
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    何者にもなれなかった就活失敗おばさんからしたら心が抉られるような話だった…笑 メンバーは主人公と、ルームメイトの陽キャ、その陽キャの元カノ(主人公は密かに片想い中)、更に意識高い系カップルの5人。地獄のメンツなのにそれでも難なく付き合える主人公すげぇな、と思ってたけど実は… 意識高い系男が飲みに光太郎だけを誘った理由がよくわかった。 友達の内定先の評判をググるのはほんの出来心だと思うし、別に嫉妬だけじゃない。ただの好奇心もあると思う。なのに絶対誰かに知られたくないのはなんでだろうな。

    2
    投稿日: 2023.09.21
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    読み手としての態度を最後の最後で糾弾されたような気持ちで、ショッキングな結末でした。自分が主役の人生を、不格好でも全力で歩まなければならないと思わされる一冊でした。

    1
    投稿日: 2023.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容や出てくる登場人物がリアルすぎて読んでいて苦しかった。就活中に読んでいたら、ホントに多大な精神的ダメージを受けそう。

    3
    投稿日: 2023.09.17
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    人間の嫌な部分が丸出し。 就活真っ只中ではちょっと読みたくないかも。 大学を出たあとは自分で何者になるのか決めなくてはならないという言葉に大きく頷いてしまった。 何者かになりたいけど、何物にもなれない…葛藤する主人公やその仲間たちに強く感情移入した作品でした。

    1
    投稿日: 2023.09.17
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    めちゃめちゃ刺さる話。 本当に痛い程に(苦笑)。 この本は数年前から本屋でよく見かけて気にはなっていたけど、手に取ろうと思うことはなくいつも通り過ぎていた。 つい最近、上司から自分は『何者』であるか?という問いが投げかけられ、ふと考えた時にこの本を思い出し、購入に踏み切った。 うちの会社はちょっと特殊な会社であるが、数年前うちの会社を辞めた同僚さんが、その後にとある資格を取った。 その理由というのが「自分へのご褒美」と言う。 それを聞いて私は少しショックを覚えた。 資格とはそれに対する責任を持つことではないのだろうか?と。 そして他の同僚さんも、我も我もとその資格を取得した。 取得したからと言ってやることは変わらない。 昇級するわけでもない。 正に『何者』であるという証明をするだけである。 ただ一人だけその資格を早くから持っていた人は後からくる後輩達を次々と雑用に使っていたそうだが、同じ資格を持つ人が増えてきたことで、最近はかなり背中を丸めている。 それと最近入社した子がお客さんへ個人的に名刺渡していた。(笑)正しく、本の内容通りの反応を私もした。 お前『何者』や、と。 こう言う私も主人公みたいな感じだろうか? 主人がよく言うが、人間とは『表現』する生き物であるそうだ。何かにつけ表現したがる。 評価、表現、『何者』であるという証明。 老いも若きも、都会の人も田舎の人も、結局みんな『何者』という表現をしたいのかもしれない。 因みに私は問われたらこう答える。 『何者』でもありません。 何故ならば、『何者』であることを求められていないから。

    10
    投稿日: 2023.09.09
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    ラストだけちょっと微妙 主人公が他人を安全なところから俯瞰して自分は違う、何者かなんだって思ってる痛いやつだってのは ちくちく刺さったけど それをやめるのをよいこと、改心したみたいな感じでとらえるのはどうかと。 変わった後だって、カッコ悪いところを認めることだって、間違ってるって後から判明するかもしれないのに。 過程は誰も気にしてないと、それはそう。

    4
    投稿日: 2023.09.05
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    ちょうど自分が就活中に読んだこともあり共感する箇所が多かった。読み進めると朝井リョウは突かれたら痛いところをしっかり抉ってくる。

    4
    投稿日: 2023.09.04
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    きっと、何者かになりたくて、でも何者にもなれないとあきらめつづけながらあがくのだ、「何者」になれるのだと。 大学生、特に就活時期に読むと感情移入しすぎてしんでしまうのではないか……と読んでる最中は思いましたが、 読み終わった後は、その時のフレッシュな感性で読んでいたら、自分はどんな感想を持ったのだろうという不思議な悔しさも感じました。 世相を反映しているのも面白いです。 10年後、20年後読むとまた本の印象が変わりそうです。

    2
    投稿日: 2023.09.02
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    朝井リョウさんの小説を読み切るのは初めて。 何者は映画も見てみたいなと思っていた作品だし、名の知れた小説なので2日間で読み切ってみた。 感想としては、早く読み終えてしまいたいほどに面白い小説だということ。はっきりいって、自分は大学中退し、就職活動も経験せず、仲間というか友だちも少ないので共感できる、というところはほとんどなかったけれど、日常の中の切り取りが上手、というか頭の中で想像でき、読者を飽きさせないワード、何者ではツイッターという現実にあるものを上手く使って物語が完成されているのが読んでいて面白かった。 更に最後のシーンは、自分を見られていたかのような文があり、人間の隠したい部分を出すのが上手だな、とも思ってしまった。これを機に朝井リョウさんの本を全部読んでみたい。

    3
    投稿日: 2023.09.02
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    直木賞受賞作だったので期待して読んでましたが正直言って面白くなかったです。好きな人は感想スルーして下さいねぇ。大学生5人の毒の付合いみたいな所と文明の利器が多様化されすぎるとおじさんにはツラいです。

    2
    投稿日: 2023.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の大学時代の友人はサークルに所属して青春を謳歌し、先輩や同級生から情報を得てサクサクと就活して内定を手に入れていた。 一方の自分は授業はサボりがち、授業が終われば帰宅してすぐにバイト。就活の仕方が分からないまま、業界業種関係なく知ってる会社を手当たり次第応募。落ちて凹むだけ凹んで自分を振り返らないから選考も一向に進まず…12月になっても内定がなかったから就職留年を避けたいばかりに、どこでもいいから受かればいいという目標に変わりました。(企業分析もしてないからアンマッチを感じで2年で早々に退職…) 今思えばカッコ悪さを出して着飾る事をして、まずは周りと同じ様に立ち振る舞うのが大事だった。選考する側も判断材料が少ないからまず就活生の真剣さを見てるんだと思う。 …と20年近く前の大学時代を思い返すきっかけになる作品でした。当時はツイッターは使っていなかったけど、本心はそれぞれ隠してるから「やっべ〜、また落ちたよ!」とか「筆記テスト難しすぎっ!」と笑い話に変えて。自分はうぶだったので、裏での地道な苦労や手応えがあるのを疑いもしなかった笑。 女子二人が正論過ぎて、自分が責められてる様に感じました。心理描写や就活生の姿がリアル。

    58
    投稿日: 2023.08.31
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    読了、これで2回目です。 朝井リョウさんの本は視点が鋭くて、 それで言って自然に物語を進めてくれるので 好きです。人間っぺぇな!ってなります。 後半の正論がグサグサと刺してくる部分では、 正義を振りかざして気持ちよくなっている姿が また人間らしいです。 他人を俯瞰的に分析しようとしている主人公、 正義に酔って制御出来なくなった同期。 そして、こういう評価を書いている私たちは、 もしかしたら彼らと一緒なのかもしれない… 当事者意識を持たせてくれる1冊です。

    2
    投稿日: 2023.08.30
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    こんな人いるなぁ…とか、私にもこんなところあるよなぁ…とか思える、リアルな人物描写でちょっと恐ろしい。 けど、面白くて、続きが知りたくて、どんどん読み進めたくなる本だった。 朝井リョウの小説、他のも読んでみたいような、怖いような…。

    2
    投稿日: 2023.08.29
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    世の中の人全員より自分は感覚が鋭くて、繊細で、感受性が豊かで、だから生きづらい、でもいつか何者かになれる。そんな風に心で思っていて、日々の愚痴をTwitterの公開裏垢で呟いている拓人。見せびらかす友人や就活が上手くいった友人を下に見て、自分の存在を肯定していた。 正直、自分も拓人に似た考えをする時もたくさんあるし、客観的にネットに自分を伝えようとする人をみて、めちゃくちゃ共感した。 けれど、後半の女子たちの言葉にグサグサと刺された。 前半に深い共感をさせておいて、ズルいと思う。 読書中、印象に残った文やフレーズはメモしているけどこの本は圧倒的に「」の中を抜き出していた。 何者かになれると思って、自分のことをわかってもらおうとしている拓人だったが、現実を突きつけ、向き合わせた瑞希たちの言葉が本当に強かった。 いい本でした。マシンガンみたいに後半きたから読み進めちゃって、読み終わったあとぼけーっとしてて、なんかもう、よく分からなくなって(笑) もう一度読みたい。

    2
    投稿日: 2023.08.29
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    自分が安心するために相手の悪いとこ探しちゃうの、わかる。 そんな自分性格悪いな歪んでるなってわかってるんだよね。 だから見られたくないし隠したいし。 でも不思議なことに裏垢作ってまでSNSで発信したくなっちゃうんだよね。 誰でもない誰かに向かって言いたくなっちゃう。 前に映画観たことあるけど文字で読む方がドカンっと心にくるものがある…( っ °、。)っ

    2
    投稿日: 2023.08.27
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    就活あー懐かしい! 学生は敷かれたレールに沿ってればよいだけ 社会という大海原に初めて直面する通過儀礼 卒業すると学生という免罪符が無くなり、世間は冷ややかに 新卒はプラチナチケット あの頃友達と情報交換したっけ? それぞれ違う道を選択し、否定せず尊重 だけどみんな自分で精一杯で結局は他人事 これが社会 自己責任 そうやって選択した会社が正解とは限らない 選んだのは自分 十分吟味し納得して決意したか? 高々20代前半の選択は正しかったのか? もぉ後戻りできない一度きりの人生 自問自答

    68
    投稿日: 2023.08.24
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    途中気分が悪くなる程、自分の就活を追体験するような内容だった。(つまり、とても面白く読み終えることができた。)主人公の気持ちの移り変わりと周りの人物とのやりとりを含めて、もがいた季節を思い出した。あの頃とは違う場所にきて、成長できているといいんだけど•••••

    10
    投稿日: 2023.08.23
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    初読みの作家。直木賞と映画になっていたんですね。表紙の俳優達と小説の中の登場人物が一致せず、何度も途中で見てもイメージしにくかった。映画も評判良かったのだろうか? 就職に必死になって、自分達を飾ったり、偽りの自分を出して何者かになろうとしている姿を辛く感じてしまった。会社で採用面接官や昇格面接官を何度もやってきたので、そう思うのかも知れない。偽っていても、ある程度の本質は見られるもの。あとは、会社が求める人材かどうか。 主人公や上の階のカップルの言動にも不信感を持ったり、途中で仲間割れのように本音で語る場面があって、読み進めが辛くなった。 裏表紙にあった「ラスト30ページ、物語があなたに襲いかかる。」 まさに、最後に来て怒涛の謎解きのような「何者」が顕れる。ひとつひとつの言葉が胸を抉ってしまう。モヤモヤしたまま終わってしまった。

    62
    投稿日: 2023.08.22
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    実は本書はかつて友人に勧められたことがある。正確な時期は覚えていないが、大学3年次、つまり就活真っ只中と言える時期よりは前だった。 しかし、私の期の時点で就活サイトがオープンしたのは12月1日ではなく6月1日と、就活が順調に早期化していたので、そういう意味では 就活自体は既にスタートした後だったのかもしれない。そう考えると、後々就活で苦労することになる友人は、そういう時期に突入する前、 一方私は就活時期を過ぎて最早一ミリも自分ごととして捉えられなくなった今時くらいに本書に出会えて幸運だったのかもしれない。 恐らくだが、最も辛い時期に就活がテーマだからと安易に本書に手を出すと後悔しそうな気がする。 とはいえ、私自身は本書で描かれているような就活というのはほとんど味わっていない。一方で私にこの本を勧めてくれた彼は、10月になってもまだ内定を 得ていなかったようで、高円寺で久々に飲んだ時にそれを聞いて驚いた記憶がある。その時点で、彼が面接を受けた会社数は50社はくだらなかったような 気もするしそれはエントリーシートを書いた数だったような気もする。いつも飄々としている彼は、そんな状況でも以外と元気だよなんて言っていて、 普通ならそれは強がりにしか聞こえないのだろうが、彼に限っては本心なのかもわからない。 本書のようないわゆる就活を嫌というほど味わったであろう彼なら、私とは異なった感情を本書に対して抱くはずだから、今度仕事終わりにでも「何者」に ついてじっくり語ってみたい。 さて、前述したように、いわゆる就活を経験していない私ではあるが、友人達の近況や、大学の雰囲気、もっと言えばSNSや各種就活アプリ等を通して 就活なるものは色濃く私のあの1年半に刻まれている。 「何で全員同じタイミングで自己分析なんか始めなきゃいけないんだ?働き始めるタイミングなんて人それぞれでいいはずなのに。」 「なんかみんなさ、すげえ考えてんの。これからの出版業界のこととか、どういう企画やりたいとか、すげえ熱く語れんの、すでに」 上記の台詞は、当時の私の就活に対する悶々とした想いを呼び起こした。3年の始め頃、官僚志望だった私はひたすら試験勉強に励んでいた。勉強の片手間、 LINEやYouTubeやTwitterを開くと、いつしかひっきりなしに「23卒」の文句と共に就活支援サイトやインターン募集企業の広告が表示されるようになっていた。 それが直接は自分に関係ないとはわかっていても、何だか急かされているように感じて嫌だった。図ったように一斉に、何故このタイミングからなのだろうと 思った。それまで、皆それぞれ自由気ままに大学生活を満喫していた友人達は、突然自分の進路に向き合うことを余儀なくされて、困惑していた。 私自身は、自分の進みたい道を早めに確定させることができていたから、大学を卒業してすぐに働き始めるという現行制度によって、特に被害を被った という自覚はない。また、急かされることで本腰を入れて自分と向き合い、己の天職を見つけることができた者は、むしろ恩恵を受けたと言っても過言では ないだろう。しかし、そうではない者達にとってはどうだったのだろう。つまり、急かされ、焦り就活に向き合ったものの、本当に自分のやりたいことに最後 まで気づけなかった者たち。私はそういう者たちが大多数なのではないかと思っている。 だとしたら、日本は多くの若者にとって不幸な道を選択していることになる。しかし、実は現行制度は横並びを好む日本人の習性と合っていて、 だとすると私が理想とする、自分のペースで職を探すなんて事がそもそも成り立たなくなってしまうから、話はそう単純でもない。しかし、 当時そんなようなことを考えながら社会学やら数的処理に勤しんでいた私は、隆良の上記の疑問に共感できる部分もあったし、光太郎は急かされてデメリット を被った方の人間なのかもしれないなと思ったりた。 本書は就活小説でありながら、就活を通して人間の汚い性を巧みに浮かび上がらせている。それまで、ギンジに、隆良に理香を拓人が語り部として 批判し通しで進んでいた物語は、登場人物の中でも長老的立ち位置のサワ先輩に拓人が真っ二つにされることで転回を迎える。主人公否定で終わる物語 というのは確かに珍しいが、だとしてもそれまで全く主人公の心理に疑問を抱かなかった私は、間違いなく拓人側の人間なのだろう。 「誰がうまくいってもつまらないんでしょ。拓人くんは、みんな、自分よりは不幸であってほしいって思ってる。」 この、他人の不幸を精神安定剤としているというエピソードはブルーピリオドの桑名の発言にも見られた。これは程度の差はあれど人間誰しも持つ 悪感情の一つだろう。 「どっかで『君は他の子と違って面白い考え方をしてるね』なんて評価されることを期待してたんじゃないの?」 私にもそういう節がある。まだ、自分が他人とは違うと思うところまではいい。そういう思い込みで精神を安定させるというタイプの人間もいるだろうからだ。 しかし、だから受動態で居ていいとはならない。自分が特別な人間だったとして、誰かに見つけてもらえるという根拠は?良き理解者に出会える確率は? いや、そもそも自分が特別な人間でも何でもなかったとしたら? 「カッコ悪い姿のまま、がむしゃらにあがく。その方法から逃げてしまったらもう、他に選択肢なんてないんだから」 そういう特別主観受動態人間には、この言葉が響く。自分の本当の欲望に向き合い、さらけ出し、がむしゃらになれた時、きっと新しい景色が見えてくる のだろう。 「誰に何を言われても、一か月に一度公演をし続けるなんて、最高にカッコ悪くて最高に正しい姿じゃない。…いくらつまらないって叩かれても、 他人に点数をつけてもらうことを絶対にやめなかった。」 何より、がむしゃらに頑張り続ける最高にダサい彼らを否定し続けていた自分のカッコ悪さに気づくことができて良かった。それを教えてくれた「何者」に 感謝したい。 p51 12月1日始動。 p85 働き始めるタイミングなんて人それぞれでいいはずなのに。 p291 すげえ熱く語れんの、すでに p303 みんな、自分よりは不幸であってほしいって思ってる p312 カッコ悪い姿のまま、がむしゃらにあがく。 p313 君は他の子と違って面白い考え方をしてるね p314 誰に何を言われても、一か月に一度公演をし続けるなんて、最高にカッコ悪くて最高に正しい姿じゃない。 http://nobuko.html.xdomain.jp/nanimono.html

    1
    投稿日: 2023.08.21
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    朝井リョウ、人気あるので何回かチャレンジしましたが、文章の感じが苦手。 最後まで読みきれない。

    0
    投稿日: 2023.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分が日々SNSを使って感じていることや、就活に向かう人たちの心理がリアルに痛々しく、温かく描かれていた。 みんなに表と裏の顔(それがSNSの裏アカだったりする)があることを理解しながら、理解していないふりをして生活していることがよくわかる。 私もそういうところあるなー。なんてちょっとドキドキしてしまった。 主人公の視点だと平和だった彼の世界が、視点が変わったところからホラーかと思うほど読んでいてしんどかった。 自分でわかってる、わかっていることを人に畳み掛けられるように指摘される。これが自分だったら立っていられないかもと思ったほど。笑 でもただ怖いだけじゃないところが、浅井さんのすごいところで、なんだか人間味をすごく感じるから、最初は嫌なやつ!と思っていた登場人物のことでさえ優しい気持ちで見守れる。 だってしょうがないよね、みんな頑張ってるよね。っていう気持ちに落ち着いた。 『何様』も読まなければいけない気持ちになってしまいました。朝井さん2冊目ですが、完全にハマった。

    2
    投稿日: 2023.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前読んだのがいつかは覚えていないけど、かなり衝撃を受けた記憶があって、再読したいと思っていた本。就活を身近に感じる歳になって読むとまた違った捉え方がある。前回読んだときは拓人の語りに対して、あーわかるわかるって思っていたので最後衝撃を受けたわけですが、今回は結末を知っているということと、若いなりに人生経験を積んだことで、そこまでの衝撃は無かった。 だからといって心が動かなかったわけではなくて、自分は何者であるのか、何者のように見せたいのか、そんなことを日常的に考えるようになった今、かなり刺さる部分は多かった。この期に及んで、まだ何者かになれると信じている自分と、なれるわけないって分かっている自分とが混ざってかき乱された。

    1
    投稿日: 2023.08.14
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    自分は他人とは違う。何者かになりたい。 そういう一度は考えたことのあることを物語として読むとすごく重く感じてしまった。

    1
    投稿日: 2023.08.14
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    グループで情報交換&切磋琢磨しながら頑張っている就活生のお話。 そんな明るいものではないこの作品。 自己アピールがイタイ女学生、みんなと同じなんてださいと言いつつ陰で動く逆張り君、自分より劣っていると思っていた同級生。 そんな仲間たちを上からジャッジする主人公。 描き方のうまさからか、視点の問題か、終盤まではどちらかというと主人公目線で読んでいました。 しかし、実は主人公は〇〇で・・。 各々の心境の描写が毒々しいほどリアルです。 それにしても自分が就活する時期にSNSが当たり前の世の中でなくて良かった・・。

    1
    投稿日: 2023.08.14
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    客観的に相手を観察して批判する習性は自分にもある。何者か、自分だけがわかっているんだという驕り。そしてそんな自分に陶酔して現実から逃避している。自分とは何者なのか、少し考えてみることができた。

    1
    投稿日: 2023.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活を題材とした作品で、登場人物のキャラクターが就活によって色濃く表れているように感じた。前半は主人公の視点で、理香やギンジ、光太郎を観察者となって見ていた。しかし、後半では主人公を対象として置かれることで、自分も誰かに見られているような気持ちになった。周りのことを斜めに見ることで、自分はあの人とは違うとプライドを保ち、何者かになろうとしている主人公は、自分の弱さを認められず、必死になれないことを正当化していたが、最後には自分の格好悪さを受け入れ、前に進んでいて、主人公視点で物語を進めていた自分自身を前向きな気持ちにしてくれたように思う。私はこの本の中で、瑞月の言葉が印象に残っている。「人生が線路のようなものだとしたら、自分と全く同じ高さで、同じ解度で、その線路を見つめてくれる人はもういないんだ」私はこの文を読んで少し怖くなった。今までは、親と先生が自分に対してなんらかの助言をして、過程を見守ってくれていた。しかし、就活においては切り取られた自分が見られ、過程を見てくれないと思うと、今までの親や先生の有難みを感じると共に、就活に対して恐怖を感じる。この作品を通じて、自分を取り構わず、誰かの目先にこれまでやってきたことを曝け出さなければいけないと気づかされた。後半主人公について書かれ、就活浪人していることが判明し、それまで読んでいて感じていた違和感に腑に落ちた。

    2
    投稿日: 2023.08.06
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    今日「何者」読んだ〜 モロひねくれてる考えで、無い内定の自分見てるようで草だった〜 ほんとにやりたいことを脳みその中で考えるだけのサブカル行動しないんちゅになりそうだから、とりあえずエージェント3件も相談してみたんだけど全員言ってること違うぜ!プログラミングしてみたら?とかも言われたし…まずパソコンが早くない私戦力外すぎん…? 無料で相談乗ってくれて、紹介してくれてありがとうなんだけどさ… そして適性検査通ったから受けてるだけの企業にも断りのメール送ってしまった。ことごとく志望動機が全く浮かばない会社ばかり受けてしまっている。 リクルーター付く系の会社だったから「Web面談で断る理由詳しく聞かせてくれませんか?」って後追いされて怖かったーーーー 理由としては二次面接対策で聞かれるかもしれないことをリクルーターに教えてもらった時に「ITシステムを作った経験があれば教えてください」項目があって(ねぇーよ)となってしまって無理になってしまった。デジタルの恩恵は受けていると思うんだけどそれを仕事にできるかと言われたら微妙だった

    2
    投稿日: 2023.07.31
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    朝井リョウさんの作品、映画は見たことあったけど、小説やっと読めた。 特に印象に残ったフレーズをまとめる。 ・十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。これまでやったことをみんなに見てもらいなよ。百点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したって、あなたのことをあなたと同じように見ている人はもういないんだって。 ・自分は自分にしかなれない。カッコ悪い姿のままあがくんだよ。 ・カッコ悪い姿のまま本当にあがくことができている人を見るのが怖いから。 特に1番最後、読者みんな傍観者から当事者にかわって、痛いところを突かれる。 カッコ悪い自分を認めたくなくて、どこか遠くに逃げて自分の身を守ってしまうことがある。でも結局そのままじゃ、私は今の私から変われない。私は私でしかいられない。 だから、がむしゃらでもいい、カッコ悪くてもいい、足掻いて足掻いて変われるように生きるんだ。 今日も明日もそうやって、そんな自分を認めながら、生きるんだ。一歩ずつ少しでもいいから、前へ前へ進んでいこう。

    6
    投稿日: 2023.07.30
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    数年ぶりに再読。Twitterが下火になりそうな気配がしてるけど、SNSの普及した世界で生きる人たちへ、SNSは氷山の一角であることと、情報の海の中で自分をどう保つかを考えさせてくれる名作。 SNSって、いかに人のほんの一部か、私たちは心しておかないといけないし、それを仮面として利用するのはとても足元がおぼつかない。 今になって思うことだが、社会人になってSNSを見る頻度・投稿する頻度が激減した。自分の足で立っている、という感覚が強くなったからだろうか。

    3
    投稿日: 2023.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活とそれに付随する人間関係についての話かなと思って何事もなく読み進めていたら、終盤で急に「いやお前もそういうとこあるやん」と登場人物に指を指された気分になってめっちゃびっくりした 小説の構造として主人公の視点から物事が進むため、まさか物語の中でも観測者面してるなこいつ、と思われていたとは... 朝井リョウは小説の暗黙の了解を武器として振り回すのが上手すぎると思う

    4
    投稿日: 2023.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はあ、、、ため息が出るほど面白すぎる。 就活期に読まない方がいいと言われて、今まで読まなかった本。読んでたら今が何か変わってたかな。いや、変わってはない気がする。本を読んだだけでは「何者」かにはなれないし、人はそう簡単に変わらないことを認めなければならない。今はそう思えている。この本のおかげで。 こういう、人間の嫌なところを浮き彫りにして、自分の嫌なところをしっかりと見つめ直すきっかけを与えてくれる本は、私のバイブルだ。 人の内定先を調べて、悪い評価や年収の低さで自分を肯定したつもりになって、満足しようとするその気持ちも痛いほどわかる。実際に何回もしていた。 理香ちゃんの言葉を借りるなら、自分は自分でしかない、何者かにはなれないのだから、こういうことをやめて、少しずつ律することで、自分を理想の自分に近づけるしかないのだ。

    7
    投稿日: 2023.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作。 大学5年目の5人が就職活動していく中で、ツイッターの裏アカウントで本音をつぶやく。 10年くらい前の書かれた小説なのですね。 そんな前から、自分を偽ってSNSで本音を吐露する。 私などは、SNSに本音は怖くて書けないですね。本音をオブラートに包みつつ書くかな。そんなの自分の日記にでも書いておけば良いのに。なんで、世界に向けて発信しないといけないんでしょうね。 10歳ほど下の友人?知人?で、SNSに家族の愚痴をぶちまける人がいます。今どきの若者って、そうなのかな。 ネットの誹謗中傷に耐えかねて、自殺する有名人も後を絶たないです。記録に残る事は何度も読み返してしまうので、しんどいですね。口喧嘩でも、傷つきますが、時間が経てば、ある程度忘れることができる。 そんなことを思いつつ…面白い小説でした。 小説読了191冊目。ブクログ内で。

    5
    投稿日: 2023.07.19
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    学生時代を思い出させてくれた。内容とは違うけど、こんな仲良い関係の友達欲しかったなと思った。 何者かであるための葛藤とかが描かれてる。

    1
    投稿日: 2023.07.18
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    率直な感想は最初から終わりの間近まで面白くなく(年齢差)挫折しては読み挫折しては読みでしたが、結末の章からえっそういう展開?文字が頭の中に入ってきだしました。 自分が何者かわからない傍観者を何者かを知っている里香。辛辣な言葉に反論できない拓人。 なぜ 内定がとれないのか?という問に答えがでない。 結論 物事をはっきり言う人には傷つくが、あたっていたり気づいていないことを知る機会になる。 大学生の就活から生き方を学べる爽やかストーリー。

    4
    投稿日: 2023.07.18
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    大学2年生?に映画見て就活ってこんなやばいの…って思った記憶。 この頃はTwitterがわりと全盛期だったなあ(今はインスタに移行された…)と懐かしくなった。 みずきのあの言葉はくるものがあった。もう過程は誰も見てくれない、、、、

    4
    投稿日: 2023.07.15
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    就活ってこんな厳しいのー…そりゃ多少性格がひねくれてしまってもしょうがない気もする… なれるものなら光太郎になりたい人生だよねみんなきっと でも自分もどうしようもなく拓人側だなって思わされて辛い 瑞月ちゃんは早く自由になって幸せになってほしい いややっぱり拓人も含めてみんな幸せになってほしい

    1
    投稿日: 2023.07.13
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    就活を終えた状態で読み始めました。 みんなが見せたい部分を見せ合う就活、それは決してSNSでの姿と出し方は変わらなくて、 本当の自分はなんだろうと考えました。 しかし、やっぱその繕っている自分も自分には変わりなくて、今ではその自分も好きになりました。 じぶんを自然と登場人物の中の1人に重ね合わせていました。 きっとそうなる方もいるはず、、、

    4
    投稿日: 2023.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    瑞月が隆良に対して説教をしている時はそうだそうだと共感できたが、りかがたくとに対して話した場面では反論したくなる気持ちがあった。私自身プライドが低いと考えていたが反論したくなる気持ちがあるというのは自己評価が高いのかなと思った。変わろうとしたたくとは強いと思う。

    2
    投稿日: 2023.07.11
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    評価が高く映画化されているので読んでみたがいまいち入り込めなかった。今度映画を見てから再度読んでみようと思います。

    2
    投稿日: 2023.07.06
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    私は一般的な就職活動をしたことがない。 私にとっての就職活動は、国家試験に合格して国家資格を取ることが最優先だった。 それは自分1人の問題であり、友人と競うものでもなく、試験勉強は全て自己責任と自己完結で結果が出るものであった。 資格さえ取得すれば、働き口には困らない専門職である。 そのため、一般的な就活がここまで精神的に追い詰められることに驚いてしまった。 主人公がとにかく痛い。 自意識過剰で臆病でどうしようもない。 自分だけは冷静で正しいことを考えていると思い込んでいるような、視野の狭い学生に多いタイプ。 このまま大人になるとアイタタタ…ってなる感じ。 安全な所から相手に石を投げるような、私の大嫌いなタイプでした。 絶対友達になりたくない笑 朝井リョウ先生の作品わりと好き! 正欲も面白かった! 目を逸らしたくなるようなネットリいやらしい心理描写が癖になります。

    5
    投稿日: 2023.07.06
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    面白いー!この、大学生の知り合い(not”本当の”友達)同士の、仲良く話している雰囲気を出しながら、実はお互いに牽制し合って探り合って、帰ってから自分が言った言葉、聞いた言葉で一喜一憂して、裏垢で呟いちゃう感じが、とてもリアル。 瑞月から隆良へのコメントも、理香ちゃんから拓人へのコメントも、読者がみんな思っていたことをズバッと言ってくれたところが大変スカッと。 とはいえ、いくら友達と言ったって、自分の置かれた状況と比較して、嫉妬して、なんとかその子の置かれた状況の悪いところを探して、自分の立ち位置を正当化してしまうことなんて、誰にでもあること。 だからこそ、それがリアルに描写されているこの小説を読むと、「こういう奴うぜー」と思うと同時に、「自分もこういうとこあるわー…」と自己嫌悪感に陥ってしまうのである。 相変わらず、朝井リョウの、描写に対する比喩表現力が素晴らしい。

    6
    投稿日: 2023.06.27
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    映画は飛行機で数年前に見たことあったんだけど 、このタイミングでやっと原作を読めました! ドロドロした話の割には爽やかなラストで面白かった!!!

    0
    投稿日: 2023.06.26
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    中学生の頃の朝読書の時間に読んで以来の再読。中学時代にも面白いと感じたが、自分自身が就活生である今だからこそ刺さる部分があった。一度読んだ本を再読するのも楽しいなと思った。本って自分の状況が変わるごとに感じ方が変わっていいね。「もう私と同じ目線で将来を考えてくれる人はいない。」「これからは自分から変わろうとしないと肩書は変わらない」自意識に注意。

    2
    投稿日: 2023.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「怪物」みたいな手法って新しくないんだね あとがきの、朝井リョウさんはこういう人たちとか騙された読者をバカにして笑ってるわけじゃなくて全ての人を許容しようとして書いてるっていうやつよかった

    1
    投稿日: 2023.06.19
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    就活を間近に控えた5人が心情、信念、環境を吐露していく。最後の展開は必見。 ※以下ネタバレ注意※ この小説には大企業への就職成功といったサクセスストーリーは描かれていない。就職活動などくだらない、面接は嘘つき大会だ、大企業への就職成功者の圧倒的成功者感を感じた人は少なからずいるだろう、かくいう私もその1人である。登場人物である彼らも等身大の視点でそれらを語っている。また、この小説のユニークな点は彼らの考えや行動に正解不正解を与えていないという点である。彼らの考えや行動が正解かどうかは彼ら自身が決めることであるという作者の視点が盛り込まれているように思う。

    2
    投稿日: 2023.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔読んだ作品。 この物語は、主に5人の就活生と、その周りの人達の話なのですが、5人それぞれの心情や性格などバラバラで、時々意見が合って盛り上がったり、時々意見が食い違ってケンカになったりと、次々と展開が繰り広げられて、読んでて開きませんでした。 私が印象に残った場面は、何者かになったつもりで、周りの人達を見下し、心の中で笑っている主人公の拓人に対して、理香が、「自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない。みんなそれをわかっているから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。カッコ悪い姿のままあがくんだよ。」と放った場面です。 確かに、ずっと他人を傍観してるだけでは何者にもなれず、なりたい自分の理想に近づくために必死に努力をしないと、人は変われないなと思いました。 私も近い未来、就活をする日がするので、この本で得た知識を活かして、カッコ悪い姿のままあがいていこうと思います。

    2
    投稿日: 2023.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    年齢的に共感することができない部分も。自分だったら主人公が選択したラストにはならないと思う。友達であったとしても、いきなりスマホを貸したりパスワード聞かれるのは抵抗あります 。

    2
    投稿日: 2023.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後、拓人の書いたTwitterが次々と露呈していくところが怖かった。 そのような思いを持って友人を見ていたなんて。途中、理香の言っていることがキツイと思っていたのだが、理香は至極真っ当だった…。この本の題名は「何者」ではなく「何様」の方が合ってんじゃない?と思ってたら、すでに書いてたんですね、「何様」を(^◇^;)

    4
    投稿日: 2023.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就活が終わったら読もうと決めていた本。 10年以上前に執筆されたのにも関わらず、今の就職活動とほとんど変わっていないことに驚いた。その過程の中で感じられる感情や生まれる会話がとてもリアル。 浅井リョウさんの作品は初めて読んだが、洞察力が鋭く、その場にいる人の一瞬の心境を捉えるのが上手いと感じた。 就活に限らず誰しも自分をよく魅せたいと思う瞬間があり、その感情をどう表に出すかによって周囲の人の反応も異なってくると実感した。 面白かった。

    2
    投稿日: 2023.06.12
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    まさに作者の手のひらの上を踊らされてしまった。 就職活動をした人なら、主人公の醜さ・弱さなどがすごく共感できると思う。

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    投稿日: 2023.06.11
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    ✩ものの見方を考える系 ✩読むのに根気がいる 今まさに就職活動を始めている私。何から始めれば良いか分からなかった私にヒントをくれた。キャラクターから今後迫ってくるであろうストレスとか絶望の予習ができたと感じる。 しかしやっぱり感情移入しやすい私にとってはプレッシャーを感じ精神的に焦った。ネットでのやり取りも主流になってるからこそ表と裏の顔を持ってるとゾッとする。 SNSが苦手な人は星☆☆です。 就活頑張ろう!

    6
    投稿日: 2023.06.08
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    何故かつらい。 最後に近づくほどつらい。 人は他人が幸せなのに自分が不幸なことに耐えられない。余計に言葉が尖っていって、言ってはいけないことだと分かっているのにどうしようもなくなる。 自分もおなじ。 自分が1番幸せな道を歩いてきた。そうおもいたい。 どのセリフも自分に言われているかのよう。 snsのこの時代どう向き合っていけばいいのか、どう自分を表現したいのか、なにもかもわからない。 この小説を読んで、図星をつかれたようで心がぐちゃぐちゃになってる一方、他の人も同じ考えを持っている人がいるんだという安心感。 今の気持ちを言葉にできないもどかしさ。 選んだ言葉のその向こうを想像する。

    4
    投稿日: 2023.05.31
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    皆が皆、「普通」ではない「何者」かになろうと足掻いている。「何者」かになることで自分の存在意義を見い出そうとした経験は、誰にでもあるのではないだろうかと思う。

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    投稿日: 2023.05.27
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    著者と同じ世代、同じ時代に就活を経験。 当時この作品を手にしていたら(できないけど)、何かギューっとなって急に恥ずかしくなって読み進められなさそう。 自分がどう見られるかを気にして、世の中を斜めに捉える自分に酔って、少し周りとは違うんだぞっていう薄い優越感みたいなものに縋る、若者のかっこ悪いところ(でもこうやって生きていくのよね)を描いてくれてる。

    11
    投稿日: 2023.05.26
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    なんとなく手に取って読み始めたが、何度かストップしてしまった本だった。大学生の「演劇してます!」「バンドしてます!」「留学してました!」「学祭実行委員しました!」という、「だから自分は特別なんです!」というアピールがおままごとに見えてしまったからだ。これでは精々、「お金の心配をせず、大学生活を楽しみました」という程度にしかならない。 あと主人公に対しては、Twitter向いてないからやめろと思ってた。 でも、後半は面白かった。 サワ先輩の「その先を想像してみろよ」という言葉から、主人公がだんだん動揺していく。 理香と泥試合の口論をして言われた「だけどこの姿であがくしかないじゃん」はなかなか良かった。 そうそう!この焦る気持ち、不合格で悲しい気持ち、ちょっと悪い意味で周りを穿った見方をしてしまうところ。就活の重苦しさを思い出したから、よく出来た本だなと思う。 しかし理香は現実だとちょっと危なかしいかな。 隆良はそうとうヒモになる才能があるし、女子学生がOBに会いまくると性被害にも遭いやすくなるんだよね。

    4
    投稿日: 2023.05.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Audibleで拝聴。 いやー、朝井リョウ氏は現代社会に生きる我ら小市民の心の中を具現化する天才だ。 また、最新作の「正欲」もそうだったが、登場人物の独白がAudibleのフォーマットと非常にマッチしている。 ある登場人物がクライマックスで主人公に迫る部分は、あたかも読み手(聞き手?)である自分に向かってきているような錯覚で、心にグサグサ刺さってきた。 これがハッピーエンドだったのかは分からないが、就活を通じて、20代にして、決して表面的ではない自分の本質を思い知らされた登場人物たちは少し羨ましいと思った。

    3
    投稿日: 2023.05.20
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    熱心な就活こそしなかったものの、この作品の登場人物のような10〜20代を過ごしてきた自分としては、こっぱずかしいような、痛痒いような。 何らかの結果を出さないと、誰もその過程に注目すらしてくれない。 今の自分にもまだまだ突き刺さる。

    3
    投稿日: 2023.05.20
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    5人の就活生と1人の中退生と1人の院生の話。 主人公周りが水面下で殴りあっていて読んでいて疲れる。この人の作品は初めて見たが、作者、結構繊細な所があるんだろうな。 描かれる物語は、どこにでもありそうな話。それを平凡な生活の域から出ないように脚色した話。 何者も何者になれる。他人がなんて言おうと、自分の気の持ちよう。

    4
    投稿日: 2023.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就職活動をする4人+1人が集まり、対策本部が立ち上げられる。就活を通じて5人の人柄を覗く。人には人の事情があって、それぞれの志望企業がある。がむしゃらに頑張る人や自分では理解できない人を冷たく見てしまうのは、就活を通じて見ているからだろうか。就活は受験のように皆同じ日に進路が決まることはない。だから余計に焦る。自分とは何者なのか、何者かになれるのか、自力で切り拓けるからこそ、自分が見えてくる。

    1
    投稿日: 2023.05.19
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     私の中の朝井リョウさんは、エッセイの「腹と修羅」イメージが強すぎて、(失礼ながら)笑ってしまいます。真剣さの陰にある滑稽さ‥ぷぷぷっ‥。  本作は、大学生たちの就活を扱った物語です。就活を通して、人の本性を炙り出すような作品だと思いました。  個人的には某採用試験のみで、数多の入社試験の受験経験がないので就活の実体験が乏しいです。それでも、人生の中で一時的なものだとしても、当事者にとっては今も昔も十分過ぎるほど思い惑わされる一大イベントに他なりませんね。    「自分を飾る、誇張、打算、演技」から、「落ちる、拒絶?、自信喪失、人間不信、諦念」につながる心理描写は、読み手の心理までも見透かされているようで、恐ろしささえ覚えます。  また、SNSの危うさを巧みに織り交ぜながら、日頃私たち人間が使う「言葉」について、その重みを考えさせられました。  痛くてカッコ悪くても、何者にもなれなくても、それを自分で認めてそこから出発すること‥、浅井さんは全てを俯瞰し、かつ軽やかにSNSを使いこなす若者へも、愛あるメッセージを発してくれている気がしました。  人の多面性・裏側の恐ろしさと明日への希望を両立させた、秀作だと実感しました。ある意味、本作も「真剣さの陰にある滑稽さ」の原点なのでしょうか?

    73
    投稿日: 2023.05.05
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    私もTwitterの裏垢に自分の気持ちを書き込むことが多いので共感性羞恥を煽られる。こんな人になりたくないけどなってる

    2
    投稿日: 2023.05.05
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    初の朝井リョウ作品を読了。とても読みやすく一日で読み終えることができたが、妙に共感性羞恥を刺激される作品だった。時代の切り取り方がうまく、文体も読みやすく、ヒットした理由はよく分かるが私はあまり好きではなかった。 名言、名フレーズ、絶妙な言い回しが各所に溢れ過ぎていて、逆に鼻につき若干胃もたれした。

    0
    投稿日: 2023.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「気軽に伝えれる時代だから真実が埋もれる、 ほんの少しの言葉向こう側にいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」 この言葉からはsnsの少ない言葉に左右される自身を見透かされた様で恥じました。 自分のツイート大好きで自分の観察と分析はサイコーだと思ってるから読み返してるし消せない所は私にも当てはまることが多くて途中から読むのが辛くなりました笑 解説では 主人公の立場で感情移入し、安全な場所で諦観していた読者が、いきなり当事者に成り代わる まさにこの現象が起きたがため胸にグサリと来たと感じました。 心に残った言葉は瑞月さんのセリフです 「人生が線路のようなものだとしたら、自分と全く同じ高さで、同じ角度で、その線路を見つめてくれる人はもういないんだって 生きていくことって、きっとその線路を一緒に見てくれてる人数が変わっていくことだと思うの」 この言葉の裏には理香さんが主人公に言ったように 何者にもなれない、かっこ悪い姿に悪あがきをした自分にしかなれない。けれど、何者でも無い自分を認め他人の悪足掻きにも受け止められる人間になると、 線路は長く枝分かれした道のりが私たちを迎えに来てくれるのだろうと感じました。 snsにいちいち報告や読書過程を報告する私には誰にも興味がなくてそれでもその醜さが自分だと認められた気がします。私は、何者でもない私なんです

    8
    投稿日: 2023.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    想定していない展開だった。 イライラしながら読んでいた。なるほど、そういう展開になるのですね。 そこまで期待せずに読んでいたから、してやられた感が強い。

    3
    投稿日: 2023.05.02
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    「あの子のここが痛いな」 ってSNSとかを見るたびに思っていた自分は、 本当はそんなあの子が羨ましくって妬ましくって、本当は「あの子になりたい」って思っている自分を認めたくなかった、って事をストレートに突きつけられた。 そんな自分が本当に痛い。恥ずかしい。 やっぱり人のことをとやかく思うのは良くないな SNSを見たくなくなるのは、きっと自分の自己承認欲求を削られたくないからなんやな。いたーーーーい

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    投稿日: 2023.04.30
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