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ひらいて(新潮文庫)
ひらいて(新潮文庫)
綿矢りさ/新潮社
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総合評価

216件)
3.9
55
71
52
7
5
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    綿矢りさの書く言葉は、肉の覆われていない、だらだらと出血した神経剥き出しの身体って感じで、読んでて痛くて痛くて仕方がないんだけど、でもどこか爽快感がある。 それは冬の朝の凍てついた空気の感じにちょっと似てる。 ひやりとして痛いんだけど、沸々と熱がわくあの感じ。 主人公の愛(愛という名前がふさわしい)の自分本位でエゴにまみれた言動は、百点満点の気持ち悪さしかないんだけど、とげとげの茨道を真っ裸でずんずんと歩きながら、それでも花のうつくしさに溶かされていたいと祈るその姿は、ともすれば健気にすら思えて、読み進めるうちに謎のいとしさが込み上げてきた。 愛、カースト上位のギャル、って感じなのに、さらっと春琴抄の喩え話したり、聖書とかサロメに惹かれたりするそのアンバランスさが、なんか良い。 感受性がビンビンに研ぎ澄まされてるときって、人生においてそう長くは続かないよね。その瞬間はあまりの感受性に殺されそうになるけど、そこから這い上がった人間はおそらく強い。 感受性は年老いるごとに鈍くなる。研ぎ澄まされたそれに窒息しそうになりながら、それでもいつか、その感覚を手放すことに怯えてしまうのは何でなんだろう。 曖昧なものや適当なものを受け入れられる大人になることの方が、ずっとずっと楽なことなのに。 決して悲劇のヒロインにはなれない愛の人生が、いつかひらかれるときがくるといい。

    3
    投稿日: 2022.01.13
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    綿矢りさ、えっぐいな! 表現が美しすぎる。とれたての果実みたいな瑞々しさで、高校生の感性が、ぎゅるんと切り取られてる

    0
    投稿日: 2022.01.07
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    嫉妬に狂った行動は若さ故? 主人公の愛視点で話が進みますが、たとえや美雪にも色々あるんだろうなと。 あるからこそのラスト。 でも、うん、むずかしい。

    0
    投稿日: 2021.12.29
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    高校生の直情、はらはらする行動。意味のわからないふつふつとこみ上げる感情に若者は共感することだろう。2021.12.11

    0
    投稿日: 2021.12.11
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    言葉にならないほどの想い、それをうまく伝えられないもどかしさ。 そんな主人公の感情表現が絶妙。 愛や性に関しての感情は言葉にしにくいものだと思うのだけれど、音や色、環境も重ねることで、読者が鮮明にイメージできる。 モヤモヤしてもう一度考えて読みたくなってしまうようなそんな一冊でした。 面白かったです。

    2
    投稿日: 2021.12.07
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    映画を観てから、原作についても気になったので、本を購入し読み切りました。 キラキラの恋愛ものでは一切なく、サイコホラーのようなジャンルになるのかな? 主人公の愛がたとえに抱いている恋愛感情が美雪の存在によってたとえへの執着へと変わっていくところがホラー映画のようなゾクゾク感がありました。 才色兼備の愛がたとえへの執着により堕落していく一方で、たとえや美雪に上辺の付き合いでなく心をひらいて、心と心の接点をもっていくところは、ありきたりな主人公が堕落していくストーリーと一線を画していたと思います。 映画を視聴した時には、最後ハッピーエンドかバッドエンドかよくわからなかったけど、原作を読むとたとえや美雪と恋愛感情を超えて、心のつながりをもてたこともありハッピーエンドな終わり方なのかなと思いました。

    0
    投稿日: 2021.12.04
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    映画を観て原作が気になったので読んでみた。 スラスラ読み進めてあっという間に読了。 本が苦手な私でもページをどんどん捲れるということは、かなりおもしろい小説なんだろうけど映画も原作もやっぱり最後がモヤっとする〜! それが良いところなのかもしれないけど

    0
    投稿日: 2021.11.26
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    映画がよすぎて、綿谷りさ作品でハマったことがなかったんだけど、原作も読んでみた 結果、原作の感度の高さに感嘆したと共に、この原作をああいうかたちの映画に解題した首藤監督の手腕に改めて感動した。 たとえの屈折が映画以上に際立っていて、映画を見てマリアみたいだなと思った美雪は原作では明らかにマリアを意識したキャラクター造形で、そして愛ちゃんのエネルギーが本から飛び出す勢いで充満していた。 「ひらいて」っていうタイトルモチーフは愛ちゃんにだけ絡んでいると思っていたんだけど、たとえ•美雪の「愛ちゃんの受容」という「ひらいて」の要素(映画では意図的に削られている気もする)もしっかりある。 とにかくこの詩的なモノローグをモノローグ0で表現した山田杏奈すごすぎ 今まで読んだ綿谷りさ作品で一番好き。

    1
    投稿日: 2021.11.21
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    映画観賞後、興味を持って読んだ。 やはり愛ちゃんは私だ、という感想。 10代のぐちゃぐちゃな感情が詰まってて、良い。

    0
    投稿日: 2021.11.06
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    自分は女性が好きなんだなあと読んでいて思った 映画も見たいな ひりひりして、焼けるように痛い、生を実感できるような描写だなあって、最近はさらさらきれいな文章ばっかり読んでたから全然印象が違っておもしろかった 愛も美雪も好きだった、少なくとも愛の視点から読んでしまったら愛さずにはいられません、という感じ 器用な人も器用になりきれないものってあるんだね 不器用と破壊衝動が相まったときのパワーってすごい たとえも美雪も、愛にされたことを考えると、ラストみたいな言動をとったのは本当にすごいなというか、よく許せたなって思った

    0
    投稿日: 2021.11.05
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    振られてからようやく会釈してもらえるようになった、気恥ずかしさわかるな、突っ走ってしまった後って後悔する。 恥ずかしながら、春琴抄を教科書でしか聞いたことがなく調べたんやけど古き恐い純愛やね、「両目を針でつけるよ」って文章好き 着飾って八方美人で心にもないことをスラスラ言えるサイコと言えるような愛を、たとえ君・美雪は本質をすぐに見抜いたのがさすがってかんじ あと映画と比べて愛が激しいのが良かった!(素っ裸でハグしたり)

    0
    投稿日: 2021.10.31
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    綿谷りさの本に出てくる女は自己肯定感を高く見せるために頑張っている自意識高めの女が出てきてそれがかなり自分に当てはまってしまい読むのが辛くなるけどでも最後はそういう苦しんでた女がなにかしらまあいいかと思えるようになるので好きです

    0
    投稿日: 2021.10.23
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    女の子が暴走する作品大好きだわ 映画館で予告編見て気になったので、電子書籍で買って一日で読んじゃった。 サクサク読めてしまったけど、引用されてる作品(サロメとか)が気になったので、映画を見たあとにでももう一度読み直してみたいと思う カルピスとかゼリーとかクリームソーダとかコーラとかが表現の中に出てくるの、女子高生らしくて面白い

    2
    投稿日: 2021.10.21
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    秋公開の映画を試写で見たので、答え合わせがしたくて読んだ。結果、答え合わせできた部分もありつつ、かえってわからなくなって映画でもう一度咀嚼しなくてはな、と思った部分もあり、複雑な風景画を何回も美術館に足を運んで見たくなるような作品だった。興味を持つ、恋をする、愛する、傷つけて壊してしまう、気持ちのアンペア数のようなものの振れ幅でどっちにも転んでしまう人の心の危うさが、初めて見るような美しい比喩でなぞられていて、何故か大泣きした。

    2
    投稿日: 2021.10.06
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    私もなかなか人に心開けない性格ではあるので、「溺れる者は藁しか掴めない」という表現には共感できた。 主人公・愛の行動にはなかなか共感できなかった。

    0
    投稿日: 2021.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「瞳」や「視線」が語る心情が象徴的に描かれていたのが凄く印象的だった。「彼の瞳」で始まり、無垢な男の子の「茶色い瞳」で終わるのも、それを印象付けているんだろうか。 丁寧に描き込まれた心的描写も相まって、「すすけた暗い瞳」で「内面と表面が分離してる」と言われてしまう愛の様子にも物凄く納得感があった。

    0
    投稿日: 2021.10.01
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    簡単に言うと三角関係の話だが、三角ではないと感じた。星みたいに綺麗だけど、歪になっていく。映画化されるみたいなので再読を検討中。

    0
    投稿日: 2021.09.10
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    綿矢さんの作品って、レビューとかみるとだいたい「表現がきれい」みたいなことが書かれている。 実際、読んでみると「こんな表現よく思いつくなあ」と感心してしまうわけだが、肝心の「物語」自体は結構平坦な話がおおく、主人公がもにょもにょ悩んで、最後にちょっとした出来事があって「わたし、このままでいいんだ!」的なよくわからん終わりかたをするんだよな……と僕は思っていた。 その点、本作はストーリーにも起伏があって、なかなか楽しめて読めた。 特によかったのが主人公が女友達と寝るシーン。(寝る、というのは一緒に寝る、ではなく体を重ねる、という意味。 まさかの百合展開におどろいた。そして、そのシーンが、官能的ですごくよかった。笑 てなわけで星4つ。

    0
    投稿日: 2021.09.09
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    思い通りにならない恋に、ありえない行動をとってしまう愛。 どうかしてると思うけれど、綿矢りささんの鋭くてキレイな文章のせいか、嫌悪につながりませんでした。 そんなことしない方がいいって分かっていても、止められないという気持ちの描写が生々しくて、惹き込まれました。

    0
    投稿日: 2021.09.05
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    綿矢りささんは本当にすごい。文章が綺麗でどこか狂気的。愛の若いだけで成り立っているエネルギー、私にもこんな時期があったなと思わされた。ただ、狂ってる。こんな青春送りたい。 『存在するだけで私の胸を苦しくさせる人間が、この教室にいる。さりげないしぐさで、まなざしだけで、彼は私を完全に支配する。』 映画化の主題歌が大森靖子というのがすごくぴったり!天才と天才の組み合わせは恐ろしくてとても楽しみ。 ただ表紙のデザインもっといいのあっただろうに、と思ってしまう、、なんか勿体無いような

    1
    投稿日: 2021.08.31
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    初めての綿矢りさ作品。 他の作家と比べて、言ってしまえば無駄な文章が多いように感じ、読みづらさを覚えた。だが、読んでいるうちにその無駄が心地良く感じ、不思議だった。 愛の、イカれた感情に引き込まれた

    0
    投稿日: 2021.08.25
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    冒頭から、綿矢さんの圧倒的な文章にノックアウトです。 「存在するだけで私の胸を苦しくさせる人間が、この教室にいる。さりげないしぐさで、まなざしだけで、彼は私を完全に支配する」 高校生の恋を描いたこの物語。激しい心の動きは狂気にも思える。 まるで詞のような美しい言葉で、人間の内面の狂気を表現していく。 主人公の疾走する気持ちや行動と共に、あっという間に読了。 読んでいて胸が激しく揺さぶられ、呼吸が苦しく、切ない。

    14
    投稿日: 2021.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中休憩しないと読みきれないほど重い。 愛の狂い様は本当に理解できない。最初は純粋な?真っ直ぐすぎる片思いであったが、うまくいかないにつれ、ストーカーちっくに手紙を盗んだり、彼女の美雪にまで近づいて挙げ句の果てに行為をしていまったり、、自分の心と行動がちぐはぐか、もしくは最初から罵倒されることを望んでいたのかは計り知れない。 愛と美雪の寝るシーンは吐き気を催すような生々しい文章。私は苦手だが、こういうどす黒い文はなかなか出会ったことがなかったため免疫がないだけなのか。男女の関係よりはるかに気分を害すような女同士の関係。女友達を題材にしている本はどうしても好きになれないかもしれない。だけどそれは自分に女友達のなかでのコンプレックスがあるからなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2021.07.25
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    ♥️あらすじ♥️ 華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。自分だけが彼の魅力に気づいているはずだったのに、手紙をやりとりする女の子がいたなんて。思い通りにならない恋にもがく愛は予想外の行動に走る―。身勝手にあたりをなぎ倒し、傷つけ、そして傷ついて。芥川賞受賞作『蹴りたい背中』以来、著者が久しぶりに高校生の青春と恋愛を瑞々しく描いた傑作小説。─「BOOK」データベースより ♥️感想♥️ 愛の持つ狂気…それは衝動的で、だけどまっすぐで。 愛、たとえ、美雪、この3人が織り成す(たとえは巻き込まれているだけだが。いや、最後の最後にひらくか

    0
    投稿日: 2021.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    個人的には『インストール』や『蹴りたい背中』が面白かった。 ただ、美雪のキャラクター造詣や彼女の口から出る台詞がとても印象に残っている。聖母マリア的印象もありつつ、現代社会の傷そのものでもあるような...。 映画化されるそうだが、美雪がどのように演じられるのか気になる。きっと俳優にとっては演じ辛いはず...。 この後の作品でも綿谷さんは女性同士の関係を描いているが、彼女は男子を追いかける女子の表現の方が優れていると感じる 「手紙」や「聖書の引用」は初期作品には見られなかったもので興味深い。

    0
    投稿日: 2021.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    綿矢りささんの作品は初めて読みましたが、すごい作家さんだと純粋に思いました。思春期特有の向こう水で、多感な時期がとても鮮やかに文章に綴られていました。 帯の煽りにあった、 "やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する、初めての恋" という言葉が本当に似合うお話でした。 人気もあって華やかな主人公(愛)が、同じクラスの大人しい男の子(西村くん)に恋をする。でも全然振り向いてもらえない。ここまではよくある展開です。しかしそこから、振られた腹いせにその男の子の彼女(美雪)に近づき、寝てしまうという展開がとても衝撃的でした。他にも見つかったら内申に響くのに、夜の校舎に忍び込んでしまったり、恥ずかしい行動を取ってしまったり。それらの愚かな行為が全て、彼を求めるあまりに行ったものだと思うと、主人公が不器用で何だか愛おしく思いました。 また、恋って、こんなに痛くて激しくて、汚くなりうるものなんだと思いました。私はこんな思いをしたことがないのですが、コントロールの出来ないこんな恋をしてみたいとちょっと思いました(笑)

    0
    投稿日: 2021.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生時代狂おしいほどの愛情を誰かに向ける程の熱量を私は持っていなかったことを痛感した。たった3年間しかなかった高校生活このくらいの狂おしい感情を誰かに恥ずかしがらず向けられたなら私の未来は変わっていたのかもしれない。愛の狂った愛情表現に羞恥心が一切なくて好きだった。私は最後の『ひらいて』の意味は誰も彼も私に夢中になれ愛せそしてこころを『ひらいて』よって意味で少年になげかけた言葉なんじゃないかと思う。

    0
    投稿日: 2021.04.22
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    最初、主人公は密かに同じクラスの男の子に想いを寄せる、内気な女の子かと思っていた。可愛らしい高校生の恋の話だと思っていたら、全然違う方向に話が進んでいった。好きという想いはこんなにも人を狂わせるのかと読み進めていくほどに感じた。言っていることが嘘っぽい、と言われた主人公になんとなく自分も重ねてしまった。

    0
    投稿日: 2021.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一見すると一人の女子高生の過激な恋愛話に思えるが、たとえや美雪の諦観にも近い人生観が垣間見えることで、愛がただの変人ではなく、文字通りの「多感」な少女として描かれているように感じられた。 最初、たとえや美雪の人格は完成に近い、成熟の領域に達しているように見えた。愛の全てを見透かすようなたとえの洞察力、持病と周囲の無理解に揺さぶられず、人のために生きる美雪の達観。それらに比べれば、愛の突っ走りや、自分勝手な振る舞いは極めて幼いと言わざるを得ない。しかし、読み進めていくうちに、具体的には、終盤でたとえの事情が明らかになった後、たとえも美雪も、愛と同じぐらいに脆く、年相応の子供なのだと感じるようになった。と同時に、たとえへの恋愛を通しての愛の成熟を感じた。彼女は元の強さ(向こうみずの狂気)を取り戻したと述べているが、その強さは以前よりも外向的で、明らかに質が異なる。 今年の秋に映画が公開されるそうだが、そちらの方も楽しみである。

    0
    投稿日: 2021.03.13
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    かわいそうだね?に続き綿矢りさを読むのはこれで2冊目。人の中の少し狂った心情をこれ程までに的確で綺麗に表現できるのは綿矢りさならではだと思った。 「自分で招いた事態だったが、私はすでに自分の状況の複雑さについていけなくなっていた」。ここまでおかしな状況を作り出したことはないが、よく自分の気持ちに自分でついていけなくなることはあるなと思う。 短くて疾走感抜群で痛いぐらいの心情と共に恋愛小説を楽しみたい時に良い

    0
    投稿日: 2021.02.26
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    本心を言葉にしたとき、「嘘をつくな」とか「お前、友達無くすぞ」と言われたことが中学時代にあった。本心を曝け出す。今では恐怖でしかあり得ないその試みはかつての自分には容易であった。何者にも制限されない自由とで言おうか。それがどれほど心地よいものか今では想像もつかない。ただ同時に、この時代の私たちは本心すら100%ではなかった。常に、理性と本能が表裏一体となって本当の自分がわからない状態で何かを話し続けていた。自分ではただ純粋に意見を表明しているだけなのに誹りを受ける。意見の衝突だなんて生優しいものではなく、存在自体の矛盾を垣間見る。その点においてかつての自分を主人公に見出すのである。 「こいつを殴り飛ばしたら電車に乗ってどこか遠いところに旅立ちたい」そんな幻想を高校時代のあるときに考えたことがある。夢想に囚われるということは現実逃避に他ならないが、そうしなければ地に足をつけた自分が消え入りそうな気がした。 この小説では自分が生んでは消した泡沫の残酷さを結晶として保存してくれる何かがある気がする。保存された結晶はかつての自分たちの狂気の存在証明を果たしてくれて、あぁ、あれは必然だったのだと理解させてくれる。現在の視点における過去への洞察が可能になったこの小説はとても大事な気づきを与えてくれると感じた。

    0
    投稿日: 2021.01.29
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    言葉なんていらないと思った。読めばわかる。所々に考えさせられる文章が散りばめられている。これは間違いなく純文学だ。 「罪を犯しても悔い改めさえすれば全て許されると、神は聖書の中でも言った。でもすべてを破壊つくしたあとで、懺悔して悔い改めたところで、一度割れた人の心は戻らない。罪は罪のまま、罰せられもせずに、永遠に記憶の中に横たわり続ける」 1度でも深い過ちをしてしまった人はこの文章に魅入られるだろう。

    3
    投稿日: 2021.01.03
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    わたしには愛ちゃんの気持ちがよくわかった 今まで感じたことのない独占欲とか、 支配して無茶苦茶に壊してやりたい気持ちとか、 相手を掴んで握りつぶしたくなるような感情 愛ちゃんは強くて、自分とよく似ていた たとえが言う「自分の思い通りにいかないと苛立つところや、自分しか見えてないところ」 本当にそっくりだ、ただわたしは行動に移すような度胸と勇気がないだけで

    1
    投稿日: 2020.12.12
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    『存在するだけで私の胸を苦しくさせる人間が、この教室にいる』 『私の胸を苦しくさせる』という『恋』の感情。目を合わせるでもなく、話をするでもなく、何の関わりも持たないにも関わらず、同じ部屋にいて、同じ空気を吸って、そして同じ時間を過ごしている、たったそれだけのことで、ある人がある人の感情を大きく揺さぶっていくというひたむきな感情、それが『恋』。『さりげないしぐさで、まなざしだけで、彼は私を完全に支配する』というすっかり心を囚われてしまう瞬間。『なんの気なしを装って、遠くの席の彼に視線を送るが、心臓の鼓動が急に勢いを増し、連動して喉がひくつく』という瞬間。それは、『まるで、同じ教室に彼が存在したのを、たった今知ったみたいに』と、もう彼のこと以外は考えられないというそんな瞬間。積極果敢にアプローチを仕掛ける人、慎重にその時が来るのをじっと待つ人、そしてどうしたらよいのか分からなくなり、恋していることに恋している状態になってしまったという人など、人によって『恋』の形は異なります。子供時代に別れを告げる準備をしながら、一方で大人の世界を間近に垣間見る高校時代。あなたにもきっとあったそんな『恋』する時間の物語。切なくて狂おしい感情に支配されるそんな『恋』の物語。『胸が苦しい』と感じる一人の高校生の『恋』の感情が狂気に変わっていくこの作品。それは自分でも止められない、もう誰にも止められない、そんな戦慄の『恋』の物語です。 二年前に『雨天決行、小雨の降るなか』行われた『高校一年生の体育祭のパレード』のことを思い出す主人公の木村愛。『この日のために準備した仮装衣装は濡れ、各クラスの仮装のテーマを書いたプラカードのインクも、雨で流れて読めなかった』という悲惨な状況。『雨のなかのパレードなんて、もり上がらないよね』と愚痴を言い合う生徒たち。『うちのクラスの題目はピーターパン』で『五人いるティンカーベルのうちの一人だった』という愛。『コスプレに興味はないけれど、物語上の、自分とは違うキャラクターになるのは心が浮き立った』という心持ち。そんな時『パレードの開始時刻が来て、生徒たちが次々とクラスごとに学校の校門から出発』します。『友達としゃべるのに夢中』だった愛は自分は四組なのに『五組に一緒に歩いて行きそう』になります。そんな瞬間『待って』と『横から伸びてきた手が、…私の素肌の肩を押さえ』ます。『彼だった』と思う愛。『やめてよと手を払いのけそうになったけど、でもどうしてもできなかった』という愛。『つぎ、五組!』という先生の号令に反応して『彼の手はすっと引っ込んだ』という展開に『変な人』と思った愛。『あのときまだ、心は苦しくなかった』というその時の愛。そんな愛は、気づいたら『いつからだろう。授業中、ひまさえあれば彼を見るようになったのは』と思う日々を送っていました。『図体の大きい彼が小さなシャープペンシルを握って』いる姿、『ノートになにか書きこんでいる姿を見る』だけで『胸の奥がきしんだ』愛。彼が『風邪を引』いて咳をする『音が教室の隅の席から聞こえてくると、耳をそばだてて、次の咳を待ちわびた』愛。『彼の存在を濃く感じられる』瞬間に幸せを感じる愛。しかし、『私は今、いらだっている』と感じている愛。『私がこんなにかき乱されているのに、彼は私にはほんの少しの関心も寄せない』という現実。『三年生になってから、何度か話しかけようと試みたけど、未だにろくに挨拶さえ交わせていない』と嘆く愛。そんな愛の彼に対する悶え苦しむような狂気の『恋』の物語が描かれていきます。 『説明的な文章じゃなくて、詩だとかイメージのような文章をたくさん入れたかった』と語る綿矢さんの意欲溢れるこの作品は、もう最初から最後まで、美しい表現が次から次に登場します。まずは冒頭。綿矢さんの作品の冒頭というと「蹴りたい背中」の『さびしさは、鳴る』という圧巻の表現が思い出されますが、この作品も絶妙です。『彼の瞳。凝縮された悲しみが、目の奥で結晶化されて、微笑むときでさえ宿っている。本人は気づいていない。光の散る笑み、静かに降る雨、庇の薄暗い影』。「蹴りたい」のような一言で読者を唸らせるようなインパクトはありませんが、まるで詩を読みはじめたのかと錯覚してしまうようなうっとりとする表現が読者にこの先に描かれる美しい描写に彩られた作品世界を予感させます。また、読み進めると、卵を使った面白い比喩表現も登場します。ある一線を越えてしまったことに戸惑う愛。自分で招いた事態にも関わらず、どうしたらよいのか分からなくてなってしまった愛。そんな感情をこのように表現します。『卵の黄身だったころにもどりたい。固い殻に守られて卵白の中央に浮かんでいた、幸福な黄色だったころに。それが無理なら、いますぐ灰になって、土にばらまかれて、緑あふれる森へ帰りたい』。まさかの卵の黄身を比喩的に使ったこの表現。短い文章の中に四色の色も使ってその感情を視覚的にも見せていく絶妙な表現だと思います。そして、最後にもう一つ。これはどう考えても一つの詩を読んでいるとしか思えなかったのが次の表現です。あらすじにある通り、惹かれてやまない彼に『手紙をやりとりする女の子がいた』ことを知った愛の自暴自棄な行動の後に訪れた数学のテストの時間。『私の将来は、いったいどうなるんだろう』と一問も解けない答案を見ながらその想いをこんな風に綴ります。 『愛は、唾棄すべきもの。踏みつけて、にじるもの。ぬれた使い古しの雑巾を嗅ぐように、恐る恐る顔を近づけるもの。…。 恋は、とがった赤い舌の先、おもいきり掴む茨の葉、野草でこしらえた王冠、頭を垂れたうす緑色の発芽。…。 私は、乾いた血の飛沫、ひび割れた石鹸。ガスとチリの厚い層に覆われた惑星』。 …というこの一節。抜粋という形で紹介させていただきましたが、体言止めで美しくリズムを刻んでいく、これはまさに詩そのものだと思います。そして、自分のことをこんな風に表現せざるを得ない打ちひしがれた愛の苦しい胸の内がひしひしと伝わってきます。また、この詩の『愛』は、主人公・『愛』を暗に絡めた表現であることもこの詩全体に奥行きを感じさせてくれます。このように作品全体に渡って見事なまでに圧巻の文章表現が多数登場し、そんな表現を、あたかも詩を読むかの感覚で読んでいけることが、この作品の最大の魅力ではないか、それこそが『やりたくてできなかったことをやったという感じ』という綿矢さんの狙い。その達成感が、読者に圧倒的な感動を与えてくれるのだと感じました。 この作品は主人公の『愛』という名前そのままに、『愛』がテーマになっている作品でもあります。そんな『愛』は、決して真っ直ぐではなく、色んな方向に曲がって、捻れて、そして折れていきます。そんな中でも愛が想いを募らせる彼=”たとえ”に対する『恋』の感情は、その絶妙な表現もあってこの作品の最大の魅力になっています。『どんなものでも丁寧に扱う、彼のゆったりした手の所作。付き合う人も、あんな風に大切に扱うのだろうか』、と手の動き一つにも心を囚われる愛。でも、そんな愛の気持ちに全く気づく気配のない彼。『なんとかして、たとえと接点を持ちたい』と思うも『自然に話しかけようとすればするほどチャンスは無く、同じクラスで毎日会うのに、どんどん遠い存在に思えてくる』と彼に近づけない愛。『共通の友達もいなければ共通の話題もない』という現実を嘆く愛。そして偶然にも彼と話すことが出来た愛は『後ろ姿を見上げていると甘くて淡い、ほのかな酸味の桜色のお酒が、泡をしゅわしゅわ立てて胸に満ちていく』と感じます。『何気ない会話のやりとりでこんなに幸せな気持ちになるなんて、生まれて初めてかもしれない』とさえ感じる愛。また、『たとえに初めて、真正面から見つめられた。濃密な時間が流れて、幸福がまったりとした蜂蜜になって教室に流れ込む』という彼と初めて関わりを持てた時の表現は、まさかの『蜂蜜』を比喩的に用いる絶妙な表現で読者の気持ちをも盛り上げていきます。『ほぼ本人になりきって書けた』と語る綿矢さん。第三者的に描かれた存在ではなく、作者の綿矢さんが主人公の愛になりきって、その素直な心の叫びをきちんと描きとったからこそ、この狂おしい物語は生まれたのだと思いました。 そんな物語は、愛の密かな恋心を描き出した後、愛に何かが乗り移ったかのように弾けていきます。それは、人によっては狂気にも感じる物語。そして、勢いのついた物語は、どんどんスピードを上げ疾走感のある物語へと変わっていきます。止まらない、もう誰にも止められないその圧倒的なスピードを感じる物語は、その頂点で突き抜けるように弾けて幕を下ろします。『最初は主人公を自殺させる』結末を考えたという綿矢さん。最終的に選んだ結末は、そう、圧倒的な突き抜け感のある物語でした。 うっとりとするような美しい日本語の表現の数々に魅せられ、繊細な心の描写に胸を締め付けられ、そして、読者の心をどんどん昂ぶらせていく疾走感に溢れたこの作品。それは、そこに綿矢さんの”天才”をこれでもか!と感じる絶品でもありました! 綿矢さん、この作品、凄いです!

    78
    投稿日: 2020.11.09
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     切ない恋愛小説かと思ったら違った。よく分からないけど、「怒濤」という感じ。 私も、「私だけが気付いてる」ような気になる人を好きになったなぁ。

    0
    投稿日: 2020.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    愛はクラスのたとえを好きになったけど、たとえには美幸という彼女がいた。 なんとか、たとえの気を引こうとしたがどんなに頑張っても彼の心は動かなかった。 まさかの三角関係になって驚きました。

    0
    投稿日: 2020.10.11
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     若さとは、なんと眩しく、生々しく、目を背けたくなるようで、それでも心に焼き付けて離れないものかと感じた。  大人になると、学生時代の過ち、特に恋愛に関する失敗や空回りなどを、「みっともないことしたなぁ」とか、「ああすればよかったなぁ」とか、反省し、振り返ることがある。それは、自分の黒歴史を見つめることと似ていて、思い出せば思い出すほど、いたたまれなくなり、穴があったら入りたいほどの羞耻に駆られ、すぐに「あの時は子どもだった。今は違う。」と大人になった自分は、かつての自分を未熟者として切り離す。そうしないと、今の自分自身のプライド的なものを保てないからだ。  でも、もしかしたら、若い時の、未熟で、客観的な判断が出来なくて、短絡的な考えのままに突き進んでいく、そして結局失敗に終わった恋にも価値があり、その価値を1番理解していたのは、享受していたのはあの時の自分のだけなのかもしれない。  その証拠に、かつて好いた男子を今思い出してもなんとも言えない羞耻が湧き上がるだけだが、あの頃の私は彼のことを考えるだけで幸福だった。  好きな人にほど、自分の醜い部分は隠したくなる。若かった私は、自分の中身は見せないくせに、相手の心だけを暴こうと必死になっていた。そして多くの場合、空回りしていた。愛のように、自分で自分の行動の意味が分からなくなるような経験はないが、気持ちはわかる、気がする。

    0
    投稿日: 2020.09.13
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    一年くらい前に読みました。 もともと本を読まないので、綿矢りささんの書いたものを読んだのも初めてだったのですが、なんて繊細な表現をする人なのだろうと思いました。 特に女の子どうしの描写が生々しくてこの世界を覗き見してしまっていいのかとさえ頭によぎりましたが、主人公のどうにもならないような暴走ぶりに目が離せませんでした。

    0
    投稿日: 2020.08.27
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    10代の頃に読んだらどうだったかな。人生のバイブルになるぐらい好きだったかも。 中年の私には10代の残虐なまでの身勝手さに恐怖を覚えるし、不快感しかない。

    0
    投稿日: 2020.08.09
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    おすすめされて急に読む。一気読みしてしまった、おもしろかった。愛ちゃんは意味わからなさすぎて、とんでもない。最後の風景がとても綺麗。 光浦さんの解説もおもしろい、確かに、とおもった。

    2
    投稿日: 2020.07.25
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    (2012) 高校のころ読んだ、綿矢りささんの「インストール」「蹴りたい背中」 でも、今思い返すと、 高校のころって、本を最後まであまり読めた記憶ない。 読むきっかけは、よしもとばななさん。 よしもとばななさんの月記で知ったから。 綿矢りささんの「ひらいて」を読んで、とても感動した。 なにに感動したって、敗者の気持ちを徹底的に抱いていることだ。 ルックスがよかろうが、スタイルがよかろうが、どんなに普通に振る舞おうが、 なぜか人はその人の持っている重さや深さを気づき、恐れる。 そして気づかれてしまったら、欲しかったものは手に入らない。つまり負けだ。 まさにそのまんまだ。本当にその通りだ。 私、何がしたいんだったっけ?って狂うぐらい、 大好きな人を自分のものにしたくて、自分に触れて欲しくて、 そうして欲しいために、 想像を超すようなことを、自分はどんどん踏みにじって行く。 主人公の女の子を最初みていたら、 自分の欲求で、偽って、傷つけて・・・・って思うけど、 でも、この主人公の女の子の心情が、いつも何かと戦ってた気がして・・・・ なんていうんだろう? でも、きっと、どこかでしっかりわかっていたんだろうね。 もう、この人を好きになっても、見込みが全くないこと。 だから、とことん暴れたのかな? それに、主人公の愛ちゃんが、またそうゆう思春期独特の繊細な心情な時期だったかもしれない。 でも、たとえが、いつも何かしようとするとき、いつも誰かの邪魔が入るんだ。 だから、もう最低限の人、美雪としか関わらない、関わりたくないとしていること。 誰もがどこかで、色んな事情を抱えてて、 でも、一人じゃ抱えきれないから、誰かに頼ったり、 言ってはいけない秘密ごとも言ってしまうのかな?

    0
    投稿日: 2020.06.19
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    読むだけでびっくりするぐらい体力を使いました(だがそこがいい)。綿矢さんの描く女の子って本当に女の子だなぁ…鈍器で殴って来るような女の子だなぁ…とおもいました(だがそこがいい)。

    1
    投稿日: 2020.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     主人公の女子高生は、人目を惹く女の子である価値を自覚するが、我を通そうとする、ブラック・ハート、ダーク・ハートの持ち主らしい。宗教に逃げ道を暗示し、高校卒業ですべてチャラになる。  女子高生にそういう人がいるか知らないが、フィクションとしても、あまり好感を持って読めるストーリーではなかった。

    1
    投稿日: 2020.04.24
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    ある女子高生が、不思議な態度の男の子に恋をする。その男の子は実は彼女がいて、その彼女も女子高生の友達だった。友達に対する嫉妬のような感情、学生の時だったらなんとなくわかるような気がする…。けど、この女子高生は異常すぎる…。普通の人間はそこまではやらないというところまでやってしまう。最後もなんだかよくわからず…。なんか私にはイマイチ合わなかったみたいです…。

    0
    投稿日: 2020.04.09
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    主人公のイケてる女の子と、地味目の優秀な男の子と、美人で変わり者の病的な女の子の三角関係のお話 三角関係なんだけど、この人物設定から想像するものとはまったく違う展開 綿矢りさ、やっぱりヤベェな 「勝手にふるえてろ」では、「蹴りたい背中」から全く成長していない(安西先生の顔) とか思ったけど、さすがは芥川賞作家だけあって、これは文学っぽく拗らせた話に仕上げてきた感がある 目的のためには、気持ち悪い事を鳥肌立てながら完遂するところがとても文学チック その先に関してもね まぁ、不毛な行為なんだけど、そこがなおさら退廃的な雰囲気でよい 解説で光浦康子が誰の気持ちに添うかって事を書いてあるけど 僕としては愛ちゃんが一番近いかな? エキセントリックな行動は理解できないけど、片想いでどうしようもなく相手を求めてしまうところとか、ほんの少し自分の方を向いただけで嬉しくなってしまうところとか、嫉妬するところとか、結局は破滅的な行動や言動をしてしまうところ、共感できるわ どんな立場であれ、人を好きになるという行為の共通性はあるものねぇ ただこの小説、受け入れられない人が結構いそうだなぁ

    0
    投稿日: 2020.02.13
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    とある男子生徒に恋した女子高生の主人公。しかしながらアプローチを試みるも男子生徒は振り向いてくれない。なぜなら既に交際中の同級生がいるから。その事実を知った主人公は自分でも想像できない行動に移る。 他人より優位に立ちたい、必ず手に入れたい物は何としてでも追いかける。若者の心の葛藤を描くが、その描写があまりに刺激的。

    0
    投稿日: 2019.12.31
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    ひらいて 綿矢りさ 折鶴を折る.祈るように折る.神に祈る 折ると祈るは似てる。 ひらいて.あなたの心を2人の秘密の手紙を未来を、いくらでもとれる言葉なのが良い。 3人全員が普通で普通じゃない、異常な部分も透明で綺麗に思えるのは 若さで覆われてるからだと思う

    0
    投稿日: 2019.12.10
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    はじめは「よくいそうな女子高生」とおもったけど、読み進むと「この子やること尋常じゃない」とおもった。 共感できなくもないけど、現実の女の子よりもやること派手な主人公を見れるのがおもしろかった。

    0
    投稿日: 2019.11.01
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    本心を言っても引かれる(だろう)し、それを隠せば嘘つきと言われる。悲しいなあ。でも、一生あんなに大きな恋はもうできないって書かれてたのうれしかった。私もできないもん。

    0
    投稿日: 2019.10.02
  • こんな感じ?

    ここまで思い入れを込めて動けたことはないけど、こんなことまでしかねない空気は分からないでもない。 あ、でもやっぱり分からないかな 笑

    0
    投稿日: 2019.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気読み。 若さゆえの暴走、こうと決めたらこうで、私は私で、欲しいものは欲しい。 このスピード感が眩しい。実際近くにいたら嫌だけれども! 愛が突っ走る先にハッピーエンドなんてない。 本人が一番知っているはずなのに、勢いがとまらなくてはらはらする。 もうここでやめておけばいいのに。これ以上かき回さなくていいでしょ、十分でしょ。と何度思ったことか! 『私はなぜ、好きな人の間男になったのだろう!』 こんな破壊力ある言葉なかなか見かけない。 しかも望んでこうなったわけではなくて、暴走の結果気がつけば、というやつだし。 10代の盲目さ恐るべし。 面白かった!

    1
    投稿日: 2019.07.29
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    久しぶりの女子高生もの。面白い。男子高生=性欲とイメージしやすいが、女子高生=不可解な生物、と思ってしまう世代としては、わかりやすく女子高生の生態と思考を表現してくれている。恋愛ものに一括りするのはもったいない。

    2
    投稿日: 2019.06.28
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    ひりひりする。 そのうちかさぶたになって弄ぶように痛痒さを楽しむ。 思いがけず剥がされたそれがグロテスクで、でも瑞々しくて美しい。 若いって美しい。

    1
    投稿日: 2019.06.14
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    こんなきたない薄汚れたノラ猫みたいな作品は初めてです。今までのワースト記録更新。蹴りたい背中という作品もずいぶん前に読みましたが、その時には感じられなかった落ちぶれた心を感じて…もうこの人読みません。

    0
    投稿日: 2019.06.13
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    読んでて、人間失格が思い出された。ていうか、ちょっと人間関係?の構図似てる。 美雪がタバコ屋の娘で、葉ちゃんがたとえ、主人公がタバコ屋の娘を寝とる小男。

    1
    投稿日: 2019.05.26
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    2019/5/4 綿矢りささんの作品ですけど、読むのは3作目かと思います。 前回読んだものが、結構ひねくれ女性が主人公の話だったので、もしかしてこの人の作風はそういう系なのかなと思って読んでみると…やっぱりそうでした。 今回は高校生の恋愛模様を描いた話ですが、ただの恋愛についての話ではありません。 やっぱり主人公の女子、愛はちょっと変わっている…? 同じクラスの変わった名前の男子が好きで、でもその男子にには付き合っている子がいて…それを愛が知って…という一見よくありがちな話のパターンかのように思えますが、要所要所の描写は全然違うもので読み応えがあるかと思います。最初は愛に対して、この人おかしい…?って思ってても、最後まで読み進めていくとどうやらそうでもないんじゃないかという気になってきたので不思議な感じで読み終えたところです。 同じような感じで読んでたことをあとがきの光浦靖子さんが書いていたので同じだなあと思いました。 あと光浦さんのあとがき結構面白かったです。

    0
    投稿日: 2019.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あぁ、綿矢りさとは、こうゆうことだなと。本当天才です。目を見張るリズミカルな美しい表現の数々。荒々しさ、不器用さ、意味のなさ、恥、欲望、数々の青春をぎゅっと詰め込んだ痛々しい鋭さ。なんども読み返して、味わい尽くしたいと思わせる言葉たちは、それぞれの人物を生々しく描写します。 心の底から揺さぶられる美しい作品でした。

    1
    投稿日: 2019.04.21
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    女子高生の愛が地味な男子に狂気的に猛進する姿が読んでいてとても面白い。主人公目線で描かれる地味男子の表現がとてもいい。私もきっと好きになるタイプだなぁと思うのでつい何回も読み返してしまう…綿矢りささんの描くクセのある女の子たちが大好きです。

    0
    投稿日: 2018.11.05
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    主人公・愛の思わぬ感情の動きに夢中になってしまった。狂気的で暴力的な恋心と化したとしても、恋心には変わりなくて。歪みすぎているけれど、そんなこと愛もわかっていて、それでもそんな恋にしかできなかったんだと思ったら、愛が愛おしくなった。

    0
    投稿日: 2018.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    要約。私は、たとえに恋をしている。しかしたとえは美雪と文通をしている。私は美雪と関係を持ち、同性愛をも演じてしまう。ふたりを傷つけるが、たとえが捕らわれている父親を殴りつけることで、たとえも美雪も解放される。 さらに要約。恋して、レズって、殴って。 顔の造作がたまたま美しく生まれた者の矜持というか、与えられている者の無自覚な差別意識というか、はこの作者変わらず。 本作ではしかし、スラップスティックというか、ドタドタと走り込んできたかと思いきやバタバタと走り去っていく思春期=稀人の感覚というか、が如実。 マンガチックと切り捨てるのは容易だが、たとえの父親のくだりも、それを経てたとえがどう感じたかということも、肉体を重視する美雪の存在も、それぞれに深みがある。

    1
    投稿日: 2018.10.31
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    んー正直わたしは読まなくてもよかった。 訴えたいことはわかるけど、伝え方が好きじゃない。 ただここだけは共感できたし、 とてもよかった。 「いままで、あまりにも自分のために生きてきた」 そう、わたしは自分のためだけに生きてきた。 どうしたら人のために生きられるのかな。

    0
    投稿日: 2018.04.01
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    綿矢りさの文章には光がある。平易なんだけど絶対に書けない文章。好きな人の好きな人とどうにかなって間接的に好きな人とつながろうとする心理は普遍的なものなのだろうか。私は少し共感を覚えてしまった。恐ろしいことなんだけど、そのときにはそれしか選択肢がないような気がする瞬間はたしかに現実にもある。生涯想いを伝えられないなら、せめてひとつの優越感におぼれたかったんだろうな。

    0
    投稿日: 2018.03.24
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    いやー、高校時代なんて遠い昔だけど。高校生を綿矢りさに描かせたら、もう無敵。一応、綿矢さんとは同世代だし、彼女と十代で友だちになりたかったわ~。

    1
    投稿日: 2018.03.05
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    すごく気の強い女の子だな、と思っていたけど。 何というか、ひりひりした感じ。読み応えがありました。

    0
    投稿日: 2017.09.16
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    ミユナさんからのオススメ3冊目 中盤は、もうよむのやめたい!!!なんて思ったけれど、続きが読みたくて道で歩きながら読んでしまう程熱中した。 綿矢りさの才能というか脳内がすごすぎて興奮する。面白かった!

    0
    投稿日: 2017.04.02
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    思うようにならない苦しさ、もがいて突っ走る疾走感。 共感はできなかったけれど、私、たとえ、美雪、登場人物が魅力的で、一気に読み進めた。

    0
    投稿日: 2017.03.26
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    20170118 見えないけれど確かにあったあの頃の空気とか、言葉にはしなかったけど、何かに対する、誰かに対する気持ちとか、どうしてこんなにも正しく、それでいて危うく、表現できるのですか!! やっぱり言葉は武器です。綿矢さん強い。

    1
    投稿日: 2017.01.18
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    面白くて一気に読んだけど、主人公がこじらせにこじらせて、おかしくなってしまっていて読んでいてつらい。 登場人物たちの誰しもに共感できなかった、、、

    1
    投稿日: 2017.01.18
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    表現がすごく綺麗で到底自分には覗けないスコープで世界を切り取る人だなぁと感じた。教室に音が戻ってきた、という表現なんてシンプルだけど、研ぎ澄まされた描写だと思う。ただ、登場人物には全く共感できなくて、村上春樹とは60度くらいの角度差がある世界観だなーと。独特すぎて感情移入できないから、そんなもんかーと他人事でしか物語を追えなかった。せっかくの情景も、どこか上滑りしてしまって残念。登場人物に感情移入できないと、情景も解釈の仕様がないからねー。ただ、今までにない文運びだと驚いた。多分、天才なんだろうな。

    1
    投稿日: 2017.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中盤、おい!こんな展開かよ!と 主人公の破天荒な行動にかき乱されたけれど、 最後まで読んでよかった。 最後まで読んで、まるごと一冊で完結する立派な小説でした。 「高校生の青春と恋愛を瑞々しく描いた傑作」と 裏表紙に書かれていて中盤までではウソだろと思いましたがね。 どろどろしてきます。 主人公の「愛」みたいな女子はいるなあと思った。 破天荒さをちょっと差し引いた「愛」はいる。 「なんでも自分の思う通りにやってきて、 自分の欲望のためなら、他人の気持ちなんか、一切無視する奴」 それが「愛」でありLOVEのどうしようもないところでもありますね。 「なぜすべて奪うまで気づけない。欲しがる気持ちにばかり、支配されて」 と自分と重ねるようにサロメを評する後半の愛ちゃんです。 そういうひといるもんねえ。 それが本当のLOVEだと言わんばかりに。 まあ、愛の強さにはそういう面もあるけれど、 愛を野放しにしている感じがします、僕なんかには。 書き方としては、 正面突破の姿勢ではあるのだけれど、 直球ばかりではなく、 変化球も交えた組み立てのピッチング的でした。 著者の地力を感じる一冊です。

    2
    投稿日: 2017.01.16
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    綿谷さんの小説は初めて読んだが、何気ない日常の中での繊細な言葉選びはすごく新鮮だった。主人公の愛が抱いてたたとえへの好意がやがて好奇心を生んで生まれる三角関係から思わぬ展開へ。向こう見ずで自分に正直に生きてるはずだった愛に対して美雪とたとえは、心と体が分離してると見透かされたように指摘する。最後の「ひらいて」には愛がめちゃくちゃにした2人や愛自身のそれぞれの想いが解放される事を願ったようなつぶやき。残念だった事は、美雪やたとえは最初から最後まで成長なく終わってしまう事が物足りなかった。

    0
    投稿日: 2016.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    光浦靖子が感想文を書いているが,素直な読者である光浦さん率直な反応が,綿矢さんの巧さをよく示している~自信満々で怒りの感情を持て余す高3の<愛>が気になっているのは<たとえ>だ。階段の隅で白い便箋を読み,読み終えた手紙は封筒に突っ込んで机の引き出しにしまっている。塾帰りのマクドナルドで隣の馬鹿高校の連中が自分の学校に忍び込むという話に乗って,門をよじ登りアクロバット張りに窓から自分のクラスのある棟に入って,<たとえ>のひきだしから手紙を1通抜き出した。差出人は<美雪>。<美雪>というと,高一の時,糖尿病対策の細い注射を弁当に時間に腹に刺して,皆に引かれたあの美雪しか思いつかない。<美雪>の後を付けると人気のない理科室に入って行って注射を取り出した。何気ない振りを装って声を掛け,友だちのいない<美雪>の家に行くまでに接近し,付き合っている男はいるだろうと問い詰めると,<たとえ>の名前が出てきた。やっぱり,そうか…でも,手を握る先へは行っていないようで,無性にからかいたくなり,吐き気を堪えてディープキスに及んでやった。実行委員になって臨んだ文化祭準備で,モザイク絵を作っていて<たとえ>と二人きりになり,<美雪>から付き合っていることを聞いていること,自分では駄目なのかと告白すると,嘘を吐いているからだめだとすげない答だ。二度目に盗んだ手紙から,二人揃って東京に出て行く積もりらしい。<美雪>に家に呼ばれて,遂に着物を脱いで<美雪>と寝てしまった。勉強に身が入らず,成績はがた落ちになり,発作的に<美雪>を抱きたくなって,終わって水を汲みに行った<美雪>の携帯のメールで,<たとえ>を学校に呼び出して,制服も下着もすべて脱いで<たとえ>の机に座って待ち,やってきた<たとえ>に裸で抱きつき<美雪>と寝たことを伝え,キスをせがんだが,気持ちを表せと言われ,その表情さえ本物でないと突っぱねられた。<たとえ>は東京の難関大学に合格し,<美雪>は付いていくらしい。<美雪>に近づいたのは<たとえ>との仲を裂くためだったと告白したが,暫くすると<美雪>から手紙が届けられた。卒業式の説明をしているホームルームの最中に<たとえ>と<美雪>に決別を告げ,ポケットに入った小銭で電車に乗り込み,くしゃくしゃになった折り鶴を広げ始め,それを覗き込んできた野球帽の男の子に「ひらいて」と告げた~最後の科白,僕なら「ひろげて」だ! 京都出身の1984年生まれ。早稲田在学中の04年に「蹴りたい背中」で芥川賞。巧いね,受賞は嘘でなく,流石だ。どういう意味だろうと頭が4度ほど傾くが,考えるのを已めちゃうんだけど,そうやって綿矢さんの魔法に掛かっていくのかも知れない…光浦靖子のように

    1
    投稿日: 2016.09.03
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    思春期の女子の自意識の激しさには、まったく共感できなかった。 しかし、光浦靖子のあとがきはとても良い。 女子同士だと共感できることが、鮮明となる。そして、文学的。

    0
    投稿日: 2016.08.24
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    光浦さんの解説が自分の思っていたこととすべて言ってくれた!という感じ。 主人公の暴走っぷりが、若さという奴なのか、違うか。

    0
    投稿日: 2016.07.20
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    読んでて、正直、疲れて(苦笑)飛ばし読み。 そんなんで感想書くのもおこがましいけど、自分の読書記録として。 共感は全くできなかった。 高校時代であっても、ここまでのエネルギーは私にはなかった。 そのエネルギーにやられて、読んでてしんどくなったくらい。 でも、文章でそこまでのエネルギーを伝えられるってすごい。書いてる時、作家は余程消耗したんじゃないか、と思うくらい。 共感はできなかったけど、圧倒的なパワーに☆3つ

    0
    投稿日: 2016.07.02
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    綿矢りさ、久しぶりの高校生が主役の青春小説と知り、ワクワクしながら読んだのだけれど、思っていたのと違った。 たしかにこの主人公はあまり好きになれない。 最後の三人の様子も、どうしてこうなった?と。 嫌いではないけれど、重くなる話だった。

    0
    投稿日: 2016.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公はクラスの男子に長年片想いし続けている、ごく一般的な女子高生。 ただこの子、行動がいちいち突拍子がない!でも恋をしているときの心情には大いに共感しました。最後まで飽きさせない展開で思わず一気読みした作品です。

    1
    投稿日: 2016.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の愛はそれなりに容姿がよくて、友達もそれなりにいて、男の子からもそれなりに声をかけられる、いわゆるスクールカースト上位の女の子。愛自身も自分にそれなりの魅力があることを自覚していて、自信を持ってる。 そんな愛は片思いをしている。相手は同じクラスのたとえ君。勉強だけはできるが、友達もあまりいない地味な存在である彼の声や、独特の仕草や眼差しに強烈に惹かれる。わたしだけが彼の魅力をわかっていると思っていた愛だが、たとえが読んでいた手紙から、彼が同じ学校の美雪と付き合っていることを知ってしまう。愛の気持ちは激しい嫉妬を生み出し、それが愛の狂気的ともいえる愛情表現に繋がっていく。 愛の行動はなんとも理解しがたいものだけど、その衝動や、思春期独特の複雑な心境は激しく共感できるものだった。7年くらい前に読んだ蹴りたい背中以来の綿矢りさだったけれど、これを読んでるうちに、そういえば好きなひとへの気持ちを、痛々しく、毒々しく、虚しく、どうしようもなくつらく描き出すひとだったなって思い出した。 女子高校生ならではの自意識過剰さとか、無敵さ、残酷さの表現が本当にうまいひとだなあと思う。テンポはすごくよくて、展開も早いから読みやすい。なのに読了後のずっしり感はすごい。久々にこんなにパンチがある小説を読んだ(笑)

    0
    投稿日: 2016.06.03
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    正直、愛は苦手なタイプ。 でも、自分の表情が、嘘かどうか分からなくなることや、頭では分かっているけれど、強引な行動を取って、自分の立場を下げてしまうような衝撃は私にもあり、近い年代なだけに、共感しました。

    0
    投稿日: 2016.04.18
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    2016年3月12日読了。綿矢りさってこんなに奥深い痛みをえぐりだせる人なんだなぁと思いました。インストール、蹴りたい背中、憤死、しかまだ読んでいないのですが、それぞれ葛藤は見事に描いていつつもどっか第三者的というか理性がなんとかギリギリの一線を越えないというイメージを抱いていましたが、この作品は「ここまでやるか」と思うくらい理性を手放しちゃってました。ひらいて、という言葉がそのように使われるとは……。テンポ良くて一気読みなのに読後感ずっしり。綿矢ワールドをまた好きになった。

    1
    投稿日: 2016.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正直、圧倒されてしまった。思春期の複雑な心情を描かせたときの綿矢りさは冴えわたっていると思うけれど、それ以上に、ああこういうのってどうやって思いつくのかなと言うようなやり方で人間の姿を色々な角度から叩きつけてくる。折るという字は確かに、祈るという字に似ている。最後のシーン、折り鶴を開く愛の姿に静かに心を貫かれた気がした。

    1
    投稿日: 2016.03.11
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    ──心を「ひらいて」、からだを「ひらいて」 過剰なまでの自意識と欲望は、いつか無意識という名に変わる。 註:新潮5月号でこの作品を読んでのレビューです。 「ひらいて」というタイトルを聞いたとき、ふと官能的な響きに聞こえたのは何故だろう。 自分でも不思議だ。ぼんやりと淫靡なイメージが頭に浮かんだのだ。 綿矢りさの小説だというのに……。 それにしても、やはり綿矢りさはすごい。 自意識の塊のような女子高生が、同級生の男の子に寄せる秘かな思い。 思い描くことは、ある意味ハチャメチャで、自分勝手な妄想世界だけでの苦しみと、それとは真逆な破天荒さが入り混じった意識の塊が肉体を作り上げているような主人公。 その意識の表現が素晴らしい。まさに綿矢節である。 言葉の一つ一つに無駄がない。心に染み渡ってくる。 かと思えば、思わず爆笑したくなるような表現が突然出現。 本当にこの人の頭の中はどうなっているのだろう、一度脳みその中を覗いてみたいものだ。 そのうえこの作品は意識だけではなく、主人公の行動までもが驚くべき方向へ向かう。 「蹴りたい背中」では行動にまで及ばなかったが、この作品は違う。もっと進化した意識。 片思いの男に振られた腹いせに、その彼女と……。 ──かかってきなさい、気分は博打女郎だ。 という表現は彼女の何の作品だったろうか。 まさに怖いものなし。 綿矢りさ、長年の苦しみを乗り越えて、書きたいように書いた作品だと思う。 途中で「まさかねえ……」と読み進めたら、そのまままっしぐらに突き進んで行った主人公の行動には驚いたが、それもとりたてて小説の流れとしては不自然ではない。 合間合間に挟みこまれた独特の表現やたくみな比喩も相変わらずだし、シリアスな場面であるにもかかわらず、時として吹き出しそうな笑いを誘う表現もあったりと、まさに小説を読む醍醐味を思う存分感じさせてくれる作品。 この作品のテーマは“愛”なのでしょうね、やはり。主人公の名前も愛なのだから。 その愛は、彼女の場合、いつも途轍もなくいびつな形で表現される。 「蹴りたい背中」然り、「勝手にふるえてろ」また然りだ。そして、この「ひらいて」でも。 綿矢さんは登場人物のネーミングも秀逸だ。「たとえ」君とか、普通思い浮かばん。 ストーリー的に、核心の部分に少しでも触れるとネタバレになり、この小説の面白さが半減すると思うので、この程度までにしておきます。 とにかく面白い小説を読ませてもらった、という読後感。 最後にお約束の、この「ひらいて」に出てくる綿矢りさ『名文・名表現・名比喩集』を載せておきます。 美しい文章も、官能的な描写も、笑える表現も、すごいですわ、やはり、この方。 あんな可愛い清楚な顔をしてるのに。 講談社で出会った生綿矢さんの顔を思い出しながら読んでいました。 1. どんなものでも丁寧に扱う、彼のゆったりした手の所作。付き合う人も、あんな風に大切に扱うのだろうか。 2. ぬるい水で何倍も希釈された薄くけだるい午後の授業のなか── 3. 「女子は帰って勉強しろ」(中略)やだ~、なんて言ってみるけど、私は推薦入試だから、実はそれほど勉強しなくていい。 4. でも少しでも食べ過ぎたと感じると、透明なジェル状の後悔が、体の表面にたっぷりと垂れて皮膚を覆い、(中略)ポテトの二本目を食べ終わると、満足感が急激に同じ体積のまま後悔へ変質していく気配があったから── 5. 男の子みたいにふるまうと、男の子は喜ぶ。仲間だと思うのだろうか。 6. 手だけはつないだ、というリアルな告白に、自分から聞いたくせに腹が立つ。 7. 嬉しそうな美雪の顔に苛立ちがつのる。たとえと分かり合えるなら私だって病気になりたい。 8. 女とキスしている生理的な嫌悪が私の肌を粟立たせて、喉元までゆるい吐き気がこみ上げる。 9. 1ミリの勝負だ。たった1ミリ動かすだけで美が生まれ、たった1ミリずれるだけで美が消える。 10.勝手に嫉妬して、横取りしようとして告白した挙句、ふられて逆上して捨て台詞を吐いて出てきた。 11.もちろん私だって女など嫌だ。こんな良い雰囲気のなか抱き合っているという事実にさえ、ぞっとして鳥肌が立つ。 12.おもしろい勘違いじゃないか。最後までその勘違いに付き合ってやろう。私はカップルの両方に告白する変人になってやる。(これ大爆笑) 13.私はどうしても悦ばされる側にはなりたくなくて── 14.この、相手を摑んで握りつぶしたくなるような欲を、男の子たちが今まで“かわいい”という言葉に変換して私に浴びせてきたのだとしたら、私はその言葉を、まったく別なものとしてひどく勘違いしていたことになる。(これ、秀逸!!!) 15.私はなぜ、好きな人の間男になったのだろう!(夜中なのに大声で笑ってしまった) 16.でもそれじゃ、ただの破壊じゃないか。(これも笑えた) 17.心と同じスピードで走れたら、どんなに気持ち良いだろう。(言い得て妙) 18.本能で求め合い、後戻りできる道を二人して粉々にぶっ潰した。 これだけ書いても、この小説の表現の面白さが分かると思います。読みたくなりませんか? 是非、ご一読ください。(文庫化されたので、こちらにも転載しました)

    8
    投稿日: 2016.01.06
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    小説好きの女の子から勧められて久々に読んだ綿矢りさ。デビュー当時、新聞のインタビューの切り抜きを集めるほど好きだったけど、一瞬一瞬の言葉での切り取り方がズバ抜けて響いてくるんだよなぁ。10年ほどの月日で、その表現がより熱量を持つようになったな、と感じた。狂気が満ちてくるに従って、雪崩のような比喩が押し迫る。幻想小説とも違ったかたちで、現実がグニャリと曲がる感じ。多分、男でいる限り完全には理解できない小説だけどすごいわ。

    1
    投稿日: 2015.12.17
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    帯は 「もう一回やり直そうよ、  ファーストキス。」 教室でも明るい場所にいて、男友達もいて なに不自由なく生きている女子高生の愛。 だけど、愛には誰にも言えない秘密がある。 教室のなかでひっそりと生きている、 地味男のたとえに恋している。 誰も気にとめない、目にも留めない、 そんなたとえを目で追い、 私だけが知っているたとえの魅力。 たとえが手紙を読んでいるところを見るまではーー。 しけっぽくて、じっとりしていて、執着的で。 突然ひん曲がった方向に高速で進んでいきます。 「蹴りたい背中」も読んでいるけど、 衝動的に爆発する瞬間が本当にすごい。 一気に読みました。 最後まで読み切ったあと、 おもいっきり心の中をさらわれました。 ひっぱりこまれました。 本当に嵐みたいな本でした。

    1
    投稿日: 2015.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    綿矢りさの小説は初めて読む。結論から言うと、反吐が出るような、恐ろしい小説だった(褒めてる)。最初のページがあまりにも穏やかで、全然今後の展開を示唆させないからただの恋愛小説かと思ったらところがどっこい。愛の狂気に引きずり込まれて、思わず没頭してしまった。確かに愛はおかしい。気違いのように見えるかも知れないけれど、私はこの小説において彼女が一番人間らしくて好きだ。特に最後に少年に言った(のかな?)「ひらいて」でゾッとした。人に認められたくて何が悪い?最後には人のために生きたいと願う美雪やたとえが滑稽に思えるほど、愛の影響力は大きかった。

    1
    投稿日: 2015.09.23
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    背景までは受け入れられても、こころの中身に入ればはいるほど理解できない気分になります。 なぜそんなことを?どうして?の繰り返しのまま、最後のページまで引っ張られてしまいました。

    0
    投稿日: 2015.09.07
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    スクールカーストで上位に位置する女子高生・木村愛は、なぜか地味な男子で変わった名前の西村たとえに惹かれるが、彼には意外な彼女がいた。 若さならではの暴走気味な恋愛ものと思いきや、予想外の展開と結末に、やっぱり綿矢りさは只者でないと痛感した。 10代女子特有の刺々しさと丸みのある温かさが共存する世界を見事に描ききった青春恋愛小説。

    0
    投稿日: 2015.09.07
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    夢中で読んだ。小説ってただの文字の羅列のくせに、そこに狂おしいほどのエネルギーがあったり、逆に静かな隙間があったりするから不思議。 綿矢りさ、天才。 毎回思うやつ。

    1
    投稿日: 2015.08.30
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    綿矢りさは思春期の女の子のじくじくした感情を書くのがやっぱりうまい。 なにものにもなりきれず、自分だけが地面を這いずり回っているような、思い出したくない思春期を嫌でも思い出させる。

    1
    投稿日: 2015.08.16
  • 恋は盲目

    愛の恋愛は最初は可愛いものだけど だんだんと「嫉妬」「狂気」をはらみ始めます。 人って心では相手は罵倒したり馬鹿にしたり 誰でも多少あると思います。 でも愛はブレーキが効かない。 諦めらめればいいのに諦められなかったり。 愛が子供だったから起きた出来事ではなく 誰もが心の奥に潜む「悪魔」が剥き出しになったように感じました。 綿矢さんの鋭い感情表現は 恐ろしくも素直で純粋です。 自分が愛の立場で 好きな人を諦めなければならない場合 どんな行動をとるだろう?? 考えながら読みました。

    0
    投稿日: 2015.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

     愛のとった行動には全く共感できないけれど、彼女が考えていることはとても理解が出来るし、時々深く共感もする。  私から見ると愛は狂っているけれど、愛(※人名でない)と憎しみが混ざり合うほど近い性質を持ち、複雑な人間関係の中で振り回される描写を通じて、その愛の思考回路を理解はでき、時々共感もできてしまうというのは、自分が感じている狂っている状態とそうでない状態とがすごく近くにあるという事実を感じさせるものだった。  背表紙に「『蹴りたい背中』以来、著者が久しぶりに高校生の青春と恋愛を瑞々しく描いた」との宣伝文句があったけれども、引用に載せた箇所をはじめ、愛の感性等には、高校生らしさを感じられたものの、高校生の青春と恋愛を瑞々しく描いた作品かと言われると、首をかしげてしまった。美化されていない、生々しい若気は描かれているのだとは思う。期待する方向性を間違えずに読めばもう少し面白いと感じるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2015.07.25
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    女子高生のヒエラルキーの上位グループに君臨する、愛。 そんな愛が1年生の時から密かに思いを寄せている地味で頭の良い少年、たとえ。 たとえと中学時代から周りには秘密で付き合ってきた糖尿病を患う少女、美雪。 たとえの一挙一動に左右されるほどはまっている愛はある日たとえが美雪と付き合っている事実を知り 下心をもって美雪と仲を深める。 中盤から加速する愛の狂気とも言える行動。 そんな愛にそれぞれ奔走されるたとえと美雪。 彼らが赦した事で、反省と奮起をする愛。 いつも「祈り」ながら「折る」鶴を丁寧に 「ひらいて」物語は終盤を迎える。 混沌とした愛の語りで物語は進むので 読み進めるとこちらも引っ張られてしまう。 水の中でなにか別の音を聞いているような 頭がしびれて朦朧とするような気分になります。

    0
    投稿日: 2015.07.11
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    痛々しい、と一言では片づけられない強烈な行動の数々。 ラブレターを盗み見たことから、ここまでの行動に出てくるのは、どんな心情からなのか・・・それは私には理解ができなかった。 本編もさることながら、光浦靖子のあとがきがとてもよかった。 2015.2.8読了

    0
    投稿日: 2015.07.05
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    愛ちゃんはクラスでいう勝ち組、に、見える人。 友達のミカちゃんは多田くんという人が好きで、なのに愛ちゃんは多田くんから告白される。愛ちゃんには好きな人がいるし多田くんに魅力を感じないから振るけども、ミカちゃんからは恨まれて仲もちぎれていく。 でもそんなところにスポットを当てないの。この小説は。愛ちゃんにとってそこは別に重要じゃないんだよ。 愛ちゃんの好きな人は西村たとえくん。珍しい名前。 愛ちゃんは口では「西村くん」と呼んでいるけれど、心の中では「たとえ」と呼び捨てにしている。その気持ち悪さがさすが綿矢りさって感じ。 しかし愛ちゃんの想いは上手く届かない。 それはちょうど愛ちゃんが多田くんからの想いを拒否したように。自然に視線を逸らすように。たとえは愛ちゃんを意識していなかったのだ。 さらに愛ちゃんは多田くんの彼女の存在を知って…。 そこからの愛ちゃんの加速具合がハンパないし、どうしようもない。 どうしてそんなことするの!と思わずにはいられない、けど、もう引き返せない、という気持ちも分かる。もはや執着と呼べるような愛ちゃんの想い。 たくさんの思いが交錯して、こんがらがる。 でも最後はちゃんと一本の線になっています。あんなにこんがらがっていたのに不思議。そこに無茶は感じない。 愛ちゃんは主人公なのだけどずっとどこかで脇役だった。この輪の中には入れない、という感情をいつも感じた。顔と心が乖離しているとさえ言われた愛ちゃんの顔はいつも化粧で着飾られている。顔の皮に塗られただけのそれにみんな騙されて、誤解されているのかもしれない。 でももちろんそんな感情だけじゃないんだよ。愛ちゃんはたとえに恋をする前は「怒りと自信に満ち溢れた女の子」だったんだから。「たくさんの人に薄い恋を振りまくような女の子」だったんだから。 恋したことで変わった愛ちゃん。それは良くも悪くもって感じ。 すごく美しい小説だったな。動きもあるし、感情の変化もおもしろかった。 ちなみに 愛ちゃん…有村かすみちゃん 西村くん…桐山あきとくん 美雪…森川葵ちゃん で想像しながら読みました。でも愛ちゃんは一重なんだね。惜しいな。

    0
    投稿日: 2015.06.28
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    「無駄に生きてるんだ、もう無駄にしか生きられないんだ。」(p174) なるほど、俺は叙情的に書かれた作品が好きなんだと改めて実感する。主人公の「愛」の、言葉の端々に感じられる寂しい気持ちに囚われる。物語を楽しむ作品ではないと思う。素足で割れたガラスを踏む痛みを感じながら、人の気持ちに土足で踏み込んでいくような感覚を得られて、ゾクゾクする。愛は自分の気持を他人にひらくのが下手なんだろうなと思う。人に執着することは、つまりは自分を見てほしいという気持ちの裏返しなんじゃないか。一回くらい誰にでもあると思うけど。

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    投稿日: 2015.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身内にたかられて、人生を棒に振っていると感じている人にオススメです。 恋愛小説だと思って読んでいましたが、ただの恋愛小説ではありませんでした。 激しい恋愛感情の思う存分な描写は、期待通りの読み応えです。 でも、それだけではありません。さらに「読んで良かった。」と思える一冊でした。 日本に出稼ぎに来るアジアの若い女性が、家族のために仕送りしているのを聞くと 「日本は子供にたかるような親が少なくて良い国だな。」 と思うのですが、その実情は、微妙に、巧妙に、家族や同じ職場の人を食い物にしている人が案外多いことに気が付く今日この頃です。 人を食い物にする彼らの巧妙さを打破するには、ある程度の破壊が必要です。ですが、その破壊の過程で 「彼は感情的になる人ですね。」 とレッテルを貼られて「負け」を言い渡される可能性が高いです。その可能性の高さを勘案し、多少自分が食い荒らされても、まともでいることを優先するのが大人です。 この小説を読んで良かったと思うのは、主人公が、自分の負けを恐れず、破壊に走ってくれる点です。 また、主人公の破壊が、自分のためでなく、恋した男のためであったことを考えると、彼女の捨て身の破壊(光浦靖子が文庫解説で引用している「むこうみずの狂気」)は、究極の愛情の発現であると感じました。 例えば、自分でもこんな手段に出ることも可能であると思えば、自分の人生が食い散らかされ、損をしていると感じていても、耐える事ができるように思います。

    0
    投稿日: 2015.05.31
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    最初2~3頁は正直つまらん、と思ってしまい、文体もいつものあの静かで不穏で緻密で的確な感じとは程遠く、”あらさ”すら感じた。しかし、愛が美雪に執着し始めたあたりからこの小説の凄まじさにすっかりやられた。綿矢りさのすごいところはちゃんと”予感”させて予感を裏切り、尚且つ予想以上のコトをしっかり起こしてくれること。そしてあの終わり方の美しさ。あの美しさのためのこの”あらさ”ともとれる文体の選択だったのだなあと思い至り、なんか何重にもやられた気分。 そして話は逆だけど私も美雪と愛を薄めたような経験があり、今まで忘れていたけど思い出したよね。

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    投稿日: 2015.05.30
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    じっくりと1文字ずつ確かめながら読みたくなる文章が所々にある、まさに綿矢りさの小説。ストーリー的には頭のおかしい女の子って感じで共感できないし、愛が感じられない。恋はすごく理解出来たし、自身の高校時代を思い出した。

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    投稿日: 2015.05.29
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    徒然なるままに描かれる流体のような文章。恋愛を通して暴走していく欲望と主観の塊。目まぐるしい展開に予想はいつも裏切られる。恋を、愛を、感情を。何度も追体験させるような描写。ゆるやかに収束していく結末。これだから綿矢りさはやめられない。

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    投稿日: 2015.05.14
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    怖れを知らない女子高生が、哀しい目の男子に恋をした。熱い想い、やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する、初めての恋。 強いなあ。どんな大人に成長するのかが楽しみだ。

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    投稿日: 2015.05.10