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六番目の小夜子(新潮文庫)
六番目の小夜子(新潮文庫)
恩田陸/新潮社
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総合評価

1000件)
3.6
161
330
345
72
14
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    サヨコという存在は何か… 高校という場所、時間は何となく安定していて確固たるものがあるようにも見えるけど、その中にいるその年その年の高校生にとっては漠然とした時間・場所として流れていて、でも気が付いたら各自それぞれにいつの間にか競争に巻き込まれていたり人生の岐路を選択していたり何か訳のわからない力に抗いようもなく流されていたり、なんだかそんな不安を改めて感じ直すような、思い出すような、面白い作品だった。

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    「3年に一度、生徒の中から“サヨコ”が選ばれる。しかし、その事実を誰にも知られてはならない」 そんな奇妙な伝統を抱える高校に、偶然にも同じ名前を持つ転校生・小夜子が現れる。そして、学校では不思議な出来事が起こり始める。 ジャンルとしてはミステリーですが、描かれているのは、伝統に翻弄されながらも全力で向き合う生徒たちの青春です。 高校は「子供でいられる最後の場所」であり、卒業してしまえば、もう二度とこんなふうに何かに夢中になれる日は来ないかもしれない――。 そんな切なさが物語全体に漂い、謎と青春が響き合う作品となっています。 主人公は4人の高校生ですが、私はいつの間にか彼らを見守る教師に共感していました。 青春を全身で謳歌する生徒たちと、彼らを穏やかに見守る教師。 その距離感が胸に迫りました。切なくて愛おしい、ジュブナイル小説です。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    面白かった…。ただただ、どうなるんだろう、早く続きを読みたい!という気持ちになる。 あんなにも恐ろしかったのに、同時に、彼らと彼らのつくる青春に愛おしさも感じている。

    5
    投稿日: 2025.11.04
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    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA50302242

    0
    投稿日: 2025.10.30
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    初めて恩田さんの作品を読みました。 どんでん返し的なものがあるのかと思いながら読んでいたのですが、ラストがよくわからない感じで終わったので肩透かしを食らった気分になりました。 でも、進学校特有の空気感とか高校生の青春の雰囲気が読んでいて感じられたので、自分の高校時代のこととか思い出して懐かしくなりました。

    0
    投稿日: 2025.10.25
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    恩田陸の回収し切らないスタイルに慣れてしまってから、もう面白くて面白くて。本当に最高。 「六番目の小夜子」は栗山千明のイメージが強くて読んでなかったけど、読んでみたら大当たり!もっと早く読めば良かった! とある学校に伝わるサヨコ伝説、 3年ごとに現れるサヨコと、学校をめぐる物語。 六番目の小夜子の年に現れた津村小夜子は何者か? ぞわっとする怖さと一緒に、キラキラした青春の1ページもあり、不穏な空気との対比がお見事でした。

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    恩田陸の『六番目の小夜子』は、「サヨコ」と呼ばれる謎の役割が3年に一度選ばれるという、架空の伝統に支配された高校を舞台にした物語である。現実と虚構の境目が曖昧な空気の中で、登場人物たちの不安や緊張がじわじわと広がっていく様子に引き込まれた。 物語は四季の流れに沿って進行し、それに呼応するかのように登場する関根秋の兄弟たちの名前が「春・夏・冬」となっている点に注目した。これは偶然ではなく、時間の経過や登場人物の内面の変化を象徴的に示していると感じた。特に「秋」という季節は、夏の終わりと冬の始まりの狭間にあり、関根秋自身の立場や心情と深く重なっている。 また、「サヨコ」という存在は、この季節の循環から外れた異質なものとして描かれ、学校という閉ざされた秩序に非日常を持ち込む役割を果たしているように思える。 すべての謎が明かされないまま物語は終わるが、その曖昧さがかえって余韻を残し、読後も登場人物たちの心の動きや、学校という場の不気味さについて考え続けたくなる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    多作でほぼ全てのジャンルの小説を書いている恩田陸さんが、勤めていた会社を辞めてからわずか3週間で書いたというデビュー作(しかも初めて書いた小説だという)。 設定の作り込み、不気味でリアルな描写、登場人物の心情、どれをとっても本当に初めて書いた小説なのかと疑ってしまう。 文体には多少の古さが残っており、時代を感じなくもないが、それもまた一興… ただし、たくさんの伏線がきれいに回収されないまま物語が終わってしまうため消化不良感が否めず、残念ながらどうしても「デビュー作にしては面白い」という域を出てこない。 学校に伝わる奇妙な言い伝え「サヨコ伝説」と石碑に刻まれた故人「津村沙世子」の名前、何かを知っていそうで思わせぶりな転校生「津村沙世子」… 転校生の沙世子には超人的な力があることを想像させる描写がいくつもある(凶暴な犬を複数従わせて暴漢を懲らしめる、父親曰く信じられないほど動物に好かれる、加藤を入院に追いやるほどの喘息を起こさせる等々…)が、結局は普通の少女で、石碑のサヨコとはただ同姓同名であるというだけ。 石碑のサヨコの亡霊が伝説を途絶えさせないために沙世子に宿っていると解釈しようとするも、そもそも沙世子は伝説をくだらないと考えやめさせようとしている節すらあるため噛み合っておらず、2人が何をしたいのかあまり理解できなかった(常に宿っているわけではないということか?)。 自分の読解力不足、解釈不足であって欲しい。 考える余白を残してくれているが、恩田陸さんの作品でいうとノスタルジーや温かさに浸れる系統の方が好みだ。

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    ホラーが苦手でも読めるホラー ホラーじゃないんだけど、ミステリよりは読んでいてスリルを感じる気がする。 彼らと一緒にサヨコについての謎を知ると同時に、それをひっそりみている人の目線にも気づいて、思わず背筋がヒヤッとする場面が何度もある。 謎は最後まで、解けないのだろうか。 多くの人が語り継ぐから、サヨコはきっと今も続いているんだろう。 集団で感じる緊張感や、高校生活のキラキラした様子を、ミステリーやホラーの要素も織り交ぜて書かれた中々他にはない物語。

    0
    投稿日: 2025.09.24
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    高校に伝わる奇妙なゲーム。2つの鍵と2人のサヨコ。謎の転校生サヨコと役割離脱の正当な6番目のサヨコ K。クライマックスは学園祭。暗闇一発勝負の呼掛け劇は鬼気迫る臨場感。謎が興味を唆る。

    11
    投稿日: 2025.09.17
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    これは…来なかったですねぇ〜 なんかミステリーでホラーらしいが…両方中途半端な感じでさらに最後もフワッと終わったので… 僕には合わなかった!

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    ドラマがあったのはなんとなく覚えていましたが、幼かったため読むまではホラーだと思っていました。 学生時代の息苦しさや自由で未来のある感覚を思い出しました。素敵な物語だと思いました。

    2
    投稿日: 2025.09.07
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    序盤は都市伝説的なストーリーが始まるのかなーと読み進めていくと、学校の少し閉鎖的な空間や時間の流れかたを背景に緊張感を高めていき、中盤の展開から引き込まれる内容となりました 必ずしも登場人物の思い通りにならず、事の真相追及が進まない展開であっても、学校がもつ独特な環境を良く表現しているようで良かったです

    2
    投稿日: 2025.09.06
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    ずーっと気になっていた本ですがこれ、恩田陸さんのデビュー作なんですね。 ある高校で三年に一度、三年生の一人が前任者のサヨコに指名される。 その指名されたサヨコは一年間、サヨコである事を悟られない様にする。 そして今年が六番目のサヨコの年となる。 その新学期に転校生がやってくる。津村沙世子! 学園もの、謎の転校生、ミステリー、と大好きな理瀬シリーズに通じるところもあり、とても興味深かったです。 ただ結局、津村沙世子は何者? 彼らとは?  謎は謎のまま! モヤモヤが残る恩田さんらしい作品でした。

    48
    投稿日: 2025.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★★★☆☆星3 最初の設定はすごく好みでワクワクして読み進めたのだけど、、、。何だかよくわからなかったー。このあとネタバレ解説を読もう。黒川先生が黒幕?高校生の反応を見て楽しんでいたの?津村小夜子は二代目サヨコと同じ名前でノリノリで楽しんでいたの?みかこをたきつけて何がしたかったの?屋上の影は何?中断された文化祭の劇はどういう意味があったの?よくわからんまま卒業しておしまい?読み返す気力はない。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    たぶん学生のミステリーは初読み。 ぜんぜんミスリードされてた。視点が変わると見え方が違って憶測が広がる。そして高校生。思春期。でも進学校だからか、なんかちゃんとしてるね。こういうかんじの風習絶対にないとは言い切れないかも。もしかしたら今もどこかで語り継がれる伝説みたいなのがあるのかもね。

    0
    投稿日: 2025.08.31
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    姉がブクログに投稿していたので、影響されて読みました。 てっきり「小夜子は誰だ」的な展開のストーリかと思っていましたが、もっと奥深くて、繊細な物語でした。"あの頃"の琴線を撫でられてゾワゾワさせられるかのような。 Apple Musicで、cobaさんの「六番目の小夜子」が聴けることが分かり、久しぶりに聴いて鳥肌が立ちました。 ぜひ夏の夜のお供に。

    1
    投稿日: 2025.08.27
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    サヨコ伝説のルールが全体的に把握できないまま読み進め、終盤なんでこんな展開になったのか分からず戸惑ってしまった。 ところどころ著者らしさの綺麗で考えさせられる文面や、ちょっとしたミステリアスな雰囲気に青春が包み込む感じは読み応えあった。

    2
    投稿日: 2025.08.17
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    なんかとても美しい装画となっていますが、 図書館でお借りしたものは前のタイプのもの 初出は1992から1993年「小説現代」にて連載 そして、NHKでドラマ化されたのが2000年 このドラマ『六番目の小夜子』を楽しみに毎週見ていた。あの不穏で神秘的な雰囲気と、鈴木杏ちゃん演じる少女の存在感が、強く印象に残っている。けれど、ストーリーの細部はもちろん結末が全く思い出せない。 そこで今回、あらためて原作小説を。恩田陸さんのデビュー作であることも含めて、いま読むと当時とはまた違う感覚で作品を楽しめました。 小説のラストには、はっきりとした答えが示されていない。小夜子伝説は終わったようで終わっておらず、誰かが「待っている」という余韻だけが残されている。その“待っている誰か”が誰なのか、何を待っているのかも明かされないまま、 あとは想像にお任せとなる。 そんな曖昧さに対し、ドラマでは“塩田玲”というオリジナルキャラクターを設け、視聴者の目線を引き受けるストーリーテラー的な存在としていた。彼女の存在があることで、小説では掴みにくかった登場人物の関係性やサヨコ伝説の構造が、明快になっていたように思う。 あらためて比べてみると、小説のほうがはるかに抽象的で、謎も多い。そのぶん、物語が終わらずに自分の中で続いていくような感覚があって、それが今は心地よい。 小説全体の語り手と主人公が曖昧で あまり説明もなく次々と同級生が絡んでくる。 その曖昧さが小夜子伝説を魅惑的にしているかと。 ハッツo(・x・)/ 徐々トリックなのか? デビュー作だからちょっと手慣れてないのかと思っていたけど…

    114
    投稿日: 2025.08.17
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    恩田陸ファンの1人として、ずっと読みたかった作品。いままで何度も手に取っては、次回かなと選んでなかった理由は、NHKでやっていたドラマの印象が強すぎて、結末も大枠を知っていたから。 あれから20年(!)の月日が流れて、記憶が薄れてきたこともあり、暑い夏のお供に涼しい作品をということで選んだ。 読み進めていくと、本当に恐ろしく感じたのは、学生時代の教室の空気感や文化祭の熱気のなかに自分が確かにいたことを思い出すのに、どこか遠い物語として受け取ってしまっていること。。 もう少し早く読んでいたら過ぎ去った時間の懐かしさやもどかしさを思い出せたのかもしれないな。 そう考えると、6番目の年に携わったあの子たちは、この先の人生のなかで、その年を生きていた実感としてずっと小夜子が心に居続けるのかな。 それでもきっとこうやって忘れちゃうんだろうな。と思うところまで、楽しめるエモく切ない話です。

    5
    投稿日: 2025.08.16
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    恩田陸の小説によく出てくる、頭脳明晰で美しくミステリアスでありながら戦略的な人間関係を築く少女が主人公の物語。 恩田陸のデビュー作であり、当時からこの世界観を作り出す文章力があったことに驚きが隠せない。 ミステリーと青春群像劇の組み合わせであり、恩田陸のノスタルジックな文章との整合性が高い。 紗代子以外の登場人物一人ひとりの魅力がより表現されている方が、個人的には好みだと感じたが、普通の高校を舞台にここまで発想を膨らませられている点が素晴らしい。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    中高生特有の不安定さや、学校という閉鎖空間ならではの空気感が描かれていて、読んでいてエモさを感じられてよかったです。伏線がすべて放置されたまま終わる展開も、読後にはまあそれもアリかと思えました。 ただ、時間が経ってエモさが薄れたあとに振り返ると、「やっぱり納得いかないかも、、」という気持ちは流石に湧きました笑 「解釈の幅を持たせた余韻」とはちょっと違うかな、とも感じます。 とはいえ、作品にも読書体験にもいろんな形があっていいですよね。 読んでいる間は楽しかった。これは間違いなく本当だし、それでいち読者である自分は十分だったと思います。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結局サヨコって何だったんだろう、と謎が残るストーリーではあった。個人的には、スッキリしない所も含め、考えを巡らせる余地があり好みの小説だった。 学校をコマにたとえているところが印象に残った。一人ひとりの登場人物に個性があり、各々の行動は独立しているように見えても、全体で見ると学校は毎年若干のブレはありつつも同じように季節が巡っている。 皆、違う学生生活、個人的な経験をしているにも関わらず、何となく共通認識として語れる「青春」のようなものがその中にあるのかなと感じた。

    0
    投稿日: 2025.07.07
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    高校ってやっぱり特別だった。受験期の色も教室の匂いも特別。一人一人の特別な思い出をベースにこの作品の世界観に惹き込まれていくのだと思った。これがデビュー作だ、と思う。

    0
    投稿日: 2025.07.02
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    20年以上前に読み、今年再読了。 過ぎ去ってから、あの頃は輝いていたなぁと気づく青春時代。 戻れるなら高校生からやり直したい。

    12
    投稿日: 2025.06.30
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    どんな結末になるか気になって一気読み。 結局サヨコの伝説は、、? ホラー感はありつつも、学園ものとして雅子、由紀夫のカップルがほんわかといい感じで。 秋もとてもカッコいい青年で。 黒川、津村沙代子が怖いね

    0
    投稿日: 2025.06.29
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    学園祭で「六番目の小夜子」をやるシーンの緊張感と恐怖の描写がすごかった。 先が気になって一気に読んでしまいました。 溝口くんがいい意味で緊迫した空気を和ませてくれててよかった(笑) もう2度と戻ってこない青春の日々。 ただ恩田陸さんの作品特有の、細かいところの説明がないのであれは誰々がやったのかな、とか想像で補うしかないところが結構あって、スッキリしないのが少し残念でした。

    8
    投稿日: 2025.06.15
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    響という漫画でもでてきた本作。 読んで衝撃。考えられすぎてる。 少し考えるけど、納得できてそしてあのラスト。 小夜子とはいったい……。 ゆっくり読んで欲しい1冊。ぜひ。

    0
    投稿日: 2025.06.15
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    続きが気になって料理中にも出掛けにも読んでしまうほど面白かった。ホラーが苦手で最初はもしかして読むのやめた方がいいか…?と思いながら読み進めたけど大丈夫だった。読んだ後はスッキリ全部解決って感じではないのにそれでも良かった。でも続きは気になる(笑)

    0
    投稿日: 2025.06.06
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    小夜子という伝統がどういうものなのか、ミステリーっぽくホラーっぽく青春物っぽく描かれ惹き込まれるような作品だった。沙世子がミステリアスでクールな少女という設定の割によく喋るので結構グッときた。

    7
    投稿日: 2025.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    青春への賛歌と緊張感が詰まった小説。(青春小説か、ホラーか、ミステリーか?ジャンルが判断つかん) 「学校という存在」「黒川」「津村沙世子」「二代目のツムラサヨコ」四者の思惑が絡み合ってさまざまな動きがありつつも、サヨコの伝統が続いていく。 いや、四者というか、「学校」vs「二代目」なのか? 途中の緊張感や描写は凄まじいが、沙世子にまつわる謎についてはやや肩透かしをくらった気がする。 「津村沙世子」と「二代目のツムラサヨコ」がシーンによっては入れ替わってるとか、そういう要素があるんだろうか?

    1
    投稿日: 2025.05.26
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    読み始めは、ハラハラドキドキが感じられず、ワクワク感も無い状況が続きました。 しかし、後半から引き込まれて、楽しませてもらいました。 ありがとうございます。

    5
    投稿日: 2025.05.23
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    大好きな恩田陸さんの、大好きな作品。 高校生の様子も学校の様子も確かに古いけど、そういったことを超越した、普遍的な、学校の得体のしれない不安感の描き方に心をつかまれる。 とくに学園祭のシーンは、何度読んでも、鳥肌が立つ。

    4
    投稿日: 2025.05.03
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    オチがよくわからんくて風呂敷広げすぎでは?という感じはしたが、我々学生が死にものぐるいになって人生を賭けるような気持ちで戦っていた受験戦争は所詮学校という"容れ物"からしたら回り続けるコマのように毎年同じように行われているルーティンの一環にすぎないのであり、そこに都市伝説やら謎の転校生やら学校の七不思議やらさまざまな"異物"が入り込んでもなお回り続けるのは私たちが知らず知らずのうちにそのコマが止まらないように回し続けているからで… 去年受験生として戦争に揉まれていた身としては不思議な感覚だった 文章はとても好み

    1
    投稿日: 2025.04.25
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    途中まで面白かったですが、最後に伏線回収されることを期待して読んでいたこともあり、様々な謎が一切伏線回収されることなく終わった点にモヤモヤ…。 ただ、ホラーやファンタジーだと思って読めばそれなりに楽しめる作品だとは思います。

    0
    投稿日: 2025.04.18
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    再読だが読者を強く引き込む力はこのデビュー作から確立されているあたり、やはり恩田はただ者ではなかった。三年に一度選ばれる人物、そして彼らの周りで起きる不可思議な現象と物語の結末。 これがもうサイコスリラーなのかモダンホラーなのか、ない交ぜになっているのにごちゃごちゃとせず整理されて筋の通った小説になっている。さらりと少年少女たちの青春ものとして機能している点もポイントが高い。やはり好きだなぁ。

    1
    投稿日: 2025.04.04
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    秋の章がいちばんドキドキ先を気にしながら読んだ。 サヨコが一体なんだったのか読了した今もよく分からん。 終わりまで中だるみはあまり感じず読めたけれど、結局サヨコって???といいう具合でスッキリ感はない読了となった。

    16
    投稿日: 2025.03.29
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    とある高校で十数年にわたって続いてきたサヨコという伝承。しかし今年はサヨコという名の転入生がやってきて……? 高校3年生という微妙な時期と不思議な伝承が絡み合い、青春小説ともミステリとも取れる絶妙な構成でした。 勉強に恋に伝承調査、高校生は多忙ですね。 しかし学祭のうたごえ喫茶は大変そうだけど楽しそうだなあw

    0
    投稿日: 2025.03.26
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    妙な後味の悪さがいい。 最後までどこに落ち着くのかわからないドキドキハラハラ感で、ページを捲る手を止められなかった。

    2
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「サヨコの伝説」という都市伝説じみた伝統が粛々と受け継がれてきた学校のお話。 学校って確かによく考えてみればすごく不思議な場所だと思う。私たちが当たり前のように、そういうものだと受け入れてきたその場所にはたくさんの過去があって、色々な人が色々な経験をして巣立っていく。それを何十年、時には何百年も続けている。すごく不思議な場所だなあと思う。そしてなぜか儚くもある。 学校という閉鎖的空間にいれば、「サヨコの伝説」のような都市伝説が生まれるのはどこも同じなんだろうか。学校の七不思議も同じようなものだと思う。 「サヨコ」という敵か味方かも分からない存在によって散々振り回された秋くん。あんなに「サヨコ」に傾倒してて受験も上手くいくとはすごすぎる。 途中の文化祭の場面はすごく印象的で、作者の表現の仕方に頭が上がらない。「サヨコ」の得体の知れなさが、じわりじわりと、息が浅くなるような恐怖を感じさせた。文化祭のシーンは1人で部屋で読むには怖すぎた。 この物語も、学校の歴史の一部で、過去にも同じようなことがあったかもしれないし、無かったかもしれない。ただこの伝説の始まりから終わりまで、それに関わった人々全て、完全な輪郭がなくモヤモヤする。それに学校という場所の儚さも相まって、学校という場所をどこか幻想的な空間に作り上げているような感じがする。そして影の立役者黒川先生。もっと深堀りたい。あと沙世子のマインドコントロール術は単純に勉強になる。めろ女がすぎるな。 とにかく不思議で儚くて怖くて面白かった。

    0
    投稿日: 2025.02.27
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    全体的のストーリーとしては面白かった 読み切った後は、何かが心に残る感覚があって、スッキリではなかった

    0
    投稿日: 2025.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸さんの作品はいくつか読んでいたけれど、デビュー作はまだだったので読んでみた。とある学校に伝わるサヨコ伝説と、そして転校してきた小夜子という少女の不可思議なお話。ミステリでもあり、ホラーでもあり、ジュブナイルでもあるって感じ。本人もあとがきで語っていた通り、恩田陸っぽい個所がちらほらあるのがやっぱ凄いなあと思った。色んな謎とかを放り投げてるところも。それでも小夜子はとても魅力的だったし、秋の謎を追い求めていく姿がカッコよかった。

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    2022.01.12 文化祭の劇では、何かに迫られる恐怖をひしひし感じた。 本当にただただ怖すぎた。 あのスピード感を文体で感じることができる表現力に圧倒された。 最後の最後まで謎が残り続けて、読後感は読み切ったーーっていうよりかは、どういうこと?誰か説明して!という感じだったけど、それもまたこの本の魅力だと思う。 むしろ謎が残ることが、この物語が記す小夜子を通しての“円環"を示していると思った。 これがデビュー作なんて...恩田隆さん本当に凄まじい。

    1
    投稿日: 2024.12.31
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     この物語は、静かな地方の中学校を舞台にしており、次々と巻き起こる不可思議な出来事と、それに巻き込まれる生徒たちの姿が描かれている。  この本の題名でもある「六番目の小夜子」として選ばれた学生は、小夜子を演じるかを選ぶことができ、もし演じるのなら一年間誰にもばれずに過ごす必要がある。この本の主人公の代の小夜子の存在は、学校の歴史や生徒たちの関係性を揺るがし、次第に隠された真実が明らかにしていく。  「六番目の小夜子」は、ミステリー小説であるが、学生ならではの人間関係の複雑さや青春の儚さも感じ取ることができる。学園が舞台となっているため比較的内容の理解がしやすく登場人物たちの心情にも寄り添って読むことができると思う。しかし、現実離れした描写もあり一見簡単そうに見える内容でも少し複雑さも交じり手を止めず読むことができる。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スッキリせず、モヤモヤが残る 怖さは全くなかった 結局全部先生のいたずらで 沙世子は自分と同じ名前の変わった伝統に興味持って転校してきた普通の女の子 って事で合ってるのかな。

    5
    投稿日: 2024.12.04
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    小さい頃やっていたドラマを微かに覚えていてずっと読みたかった本。終始背筋がゾクゾクしながら読めて面白かった。

    0
    投稿日: 2024.11.20
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    昔ドラマ見てたな、懐かしーと嬉しくなり思わず手に取っていました。 ただ、内容はほぼ覚えていなかったので新鮮に楽しむことができました。 途中、ホラー?ミステリー??と思いながらも、読み終わってしまえば紛れもなく青春物語。 要所要所で時代を感じさせるけれど、ドンピシャ世代のためそれも違和感なく。 本とは関係ないですが、あのドラマの主演の子、わりと好きだったのに最近見ないなぁとちょっとせつなくなってしまいました。

    0
    投稿日: 2024.11.15
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    えー、、めっちゃ好き 最初ミステリーとして読んでたけどいやいや、こんなの青春じゃん!!って思い始めたらもう最高じゃん ミステリー(?)としても最高だけども 大学卒業して3年、高校卒業して10年!?たつけど懐かしいなぁ〜、なんか学校ってほんとにいいよねぇ いやでも先生は嫌いだった、おれも介入を拒んでたのかなぁ 秋くんめっちゃ推しちゃう 義務教育時代に読みたかったなぁ、読書感想文これで書きたかったもん!!!

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    答えと整合性を求めてしまう自分には合わなかった。けれど、先が気になって読み進めてしまう面白さはあった。

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ところどころ本当にこんなことある?と現実味を感じない点もありつつ、怖さも時折ある内容。犯人、火事と先が読めちゃってたから、やはり「夜のピクニック」の方が断然面白いかなぁ…

    1
    投稿日: 2024.10.15
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    恩田陸さんのデビュー作だが、軽いホラーのような、不思議な話のような、学園もの。このときから既にいわゆる恩田ワールドの要素が見え隠れしている。はっきりとは書かれていなくとも、読んでいる側が想像をふくらませてしまうところがある。高校生の心の揺らぎや迷い、自分にもこんな時代があっただろうかと思いをはせた。

    0
    投稿日: 2024.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸さんデビュー作。 夜のピクニックが好きだったので。今作は自分の好みではなかったが、学校×青春×不思議で人を魅力させる圧倒的ななにかがあり読み継がれているのかしらん。 とにかく“学校”いう箱はずっとそこにあり続けジンクスなんかが語り継がれるが、私たち一人一人の学校生活は刹那的で、だからこそ大切で思い出すとキラキラして切ない。的な解釈で本を閉じたが、転校生の津村小夜子思わせぶりすぎないだろうか?あと黒川先生はゲームを継承する役割をしていたのだろうが、令和の学校では大問題になりそうだな。原因はなんであれ火事起きちゃったし。ただ先生が継承しなくてもまた誰かがいつかきっと始めるのだろう…的な小説は現代にもありそう☆ 学園祭の演劇の描き方は生徒たちと一緒にドキドキし、あの演出には飲み込まれかけた。

    15
    投稿日: 2024.10.04
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    90年代に書かれた作品なので時代を感じる部分もありますが、スタンダードなホラーという雰囲気です。そこまでハードな内容ではないのとミステリー的な要素もあるので文章のクセさえ気にならなければ読みやすいと思います。

    0
    投稿日: 2024.09.14
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    個人的・夏のホラー特集。さすが恩田陸、デビュー作から凄かったってのが偽らざる感想。自分なんかが言うのはおこがましいけど、まだ拙く思える表現とか、たどたどしく感じられてしまう展開もあるんだけど、なんといってもこの奔放な発想力は凄い。どうしても”Another”が思い浮かんでしまうけど、実際には本作の方が前なんですよね。その意味でも素晴らしい。

    2
    投稿日: 2024.09.03
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    ①キャラクター・世界観 ☆☆☆☆ 舞台としては無難だが、世界観は興味深い。 ②ストーリー・プロット ☆☆☆ 季節の流れに従う。ストーリーは主人公らの青春や学校行事、小夜子に関するイベントを追う形。 ③文体・表現 ☆☆☆☆☆ 読みやすい。 ④没入感・集中度 ☆☆☆☆ かなり短期間(3日くらい?)で読めたため、読みやすいと思われる。 ⑤テーマ・メッセージ ☆☆ エンディングで謎をすべて回収してくれるわけではない。あとがき・解説を読もう。 ⑥読後感・満足感 ☆☆☆ おもしいろいと思った。もう少し、ホラー要素があるのかと思い込んでいたが、勘違い。ただ、学生という「刹那」と学校という容れ物の「永遠」という着想は興味深いし、新たな気づきや見方を与えてくれた。対戦ありがとうございました。 ※備考

    1
    投稿日: 2024.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    8/31〜 3作目(チョコレートコスモス→夜のピクニック→六番目のさよこ) さよこの正体はさよこなんだと思っていた(見事に騙された) 文化祭のシーンが1番良かった。先週末文化祭行ったばっかりだったしタイムリー そこのシーンもそうだけど、少しの書き方でホラーに変わるんだなあ、と。すごいね 分かりやすいストーリーじゃないからこそ感想分かれるんだろうな

    0
    投稿日: 2024.08.31
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    なんか昔断片的に見たドラマと違う気がすると思って調べたら、原作にいないキャラが!?小説とドラマ版って結構違うのかな ドラマ見てみたくなるやん…

    11
    投稿日: 2024.08.26
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    学園祭の時から現れる、『六番目』の存在。学園祭のシーンでの謎の一体感は想像して鳥肌が立った。一見、四人の青春ストーリーのようにも感じ取れるが、裏をのぞけば少しの狂気と恐怖。それらが共存している素晴らしい小説でした。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    ☆☆☆☆★面白かったです。ハラハラ、ドキドキする場面も何度もあって先が知りたくてどんどん読み進みました。学園祭の演劇が印象的で怖さをいちばん感じるところでした。ただ、『サヨコ』の謎が、いまいちはっきりしなかったのでモヤモヤが残りました。最後の文章も私には分かり難く、そこもモヤモヤとして終わりました。

    1
    投稿日: 2024.07.14
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    学生時代に図書室で借りて読んだが、好きな作家のデビュー作なので手元に置いておきたいと思い、購入し再読。 結局謎は解けたのかどうか、不安になる恩田陸さんの物語が大好きです。何事においても、理由や正体を明らかにしたがってしまうが、断言できることは意外と少なく、曖昧なまま置かれることの方が多い。 それゆえにリアルで、だけど物語だから曖昧だと不安で、それが恐怖心につながっていくのだと思う。

    0
    投稿日: 2024.06.27
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    テンポの良い文章で読みやすかった。 学園もの独特の青臭い、友情、恋愛、青春に浸る事が出来て良い時間だった。 ホラー要素もありその部分でもゾクゾクドキドキ楽しむことができた。 ただ、最後には謎が全て解けると信じてあれこれ予想しながら読んでいたが、回収されない伏線が多数残った。うーんスッキリしない。捉え方はそれぞれです。余韻として楽しんでください的に考える事もできなくは無いがやっぱりスッキリしない…

    10
    投稿日: 2024.06.08
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    青春ミステリー小説。 生徒間で引き継がれる伝統の「小夜子」という設定は興味をそそられるもので、面白いストーリーだったが、既に高校生の気もちが分からない年齢のため共感が難しかった。

    0
    投稿日: 2024.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どんでん返し的な展開を求めて、自分の中で色々考えすぎてしまって結末がなんだか普通すぎた。でも、まぁそこが良いのかも。 ホラー感あって要所要所で怖かったですね。

    0
    投稿日: 2024.05.27
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    奇妙なゲームの謎を追う学園ホラーミステリー。好奇心とともに不安を掻き立てる設定と、恩田陸氏の書く学生群像劇に魅了された。 「サヨコ伝説」と呼ばれる一種の都市伝説のようなゲームが語り継がれる進学校。 三年に一度、「サヨコ役」に選ばれた生徒が「自らがサヨコだと知られてはいけない」「始業式の日に、戸棚から取り出した花瓶に赤い花を活ける」といった決まりを守らなければならない。そんな高校に転校してきた美女・津村沙世子。「サヨコ」と同じ名前も持つ彼女は、一体何者なのか。 津村沙世子という転校生の謎を追う話かと思いきや、彼女とその友人たちの高校最後の一年を描く話を中心として進み、ミステリーやホラーといった側面もあったが、純粋に青春小説として楽しめた。逆に、どっぷりとした本格ミステリーを好む人には合わない作品かもしれない。 やはり、この作者の描く学生モノにハズレなし。学生たちの不安定さや、好奇心に駆り立てられ危険な行動に出てしまう心理などが緻密に描写されていた。『夜のピクニック』を読んだ際にも感じたが、恩田陸氏の描く恋人でも家族でもない男女の関係は、強烈に惹かれる何かがある。 印象に残った場面が文化祭の演劇という読者は多いのではないだろうか。「一体何が始まるんだ?」という緊張感を味わえ、登場人物と読者の感情が重なる瞬間が味わえること間違いなし。

    20
    投稿日: 2024.05.18
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    文化祭の劇の場面、臨場感すごくて鳥肌がたった。 エリック・サティのジムノペディ第1番をリピートにしてページを読み進めました。 あとがきに一度は絶版になったと書いてあったけど、口コミやらでまた復刊してくれて本当に良かった。ファンタジーノベル大賞にノミネートされたとのことだけど、、、ファンタジー?ミステリー?青春もの?とにかく発想がおもしろいと思った。 (中学生以来の再読)

    5
    投稿日: 2024.05.05
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    学校という箱の中で、毎年毎年中に入れられる人だけが変わって、毎年毎年似たようだかがわずかに違う別の物語がはじまって終わっていく。それはまるで舞台のようだという見方に納得する。 会社などとは違い、学校はいつの時代も変わらない普遍的なものだから。 川の流れもいつも同じ流れをしているが、そこに石を入れたりすることでわずかに流れが変わって別の場所が水の流れで削られる。これも面白い考えだなと感じた。 物語はというと、ちょっとオチが弱いと感じてしまった。サヨコに纏わる謎はもっとショッキングなものと思っていたが… スッキリとは終わらないのは、学校という舞台の中でこれからも物語は続いていくという暗示だろう。 結局、一番怖いのが何かというと凶暴な野犬だった。

    5
    投稿日: 2024.05.05
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    ミステリーのような、ホラーのような、青春のような、不思議な物語。全容は明かされないまま終わってしまう話だけれど、どの登場人物が起こした仕業なのか、考察するのも楽しい。高校って確かにこんなだったなと細やかに記憶を蘇らせてくれるのはさすがの恩田陸先生。完璧な高校生とその生活に、少しの衝撃で波紋が広がる様子に、楽しみと不安が混ざった胸の高鳴りが味わえる。

    0
    投稿日: 2024.04.28
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    超有名作だと思うけど、ようやく読んだ!青春ミステリーにホラーを添えてという感じ。学校という場所の、その時にしかないきらきらした眩しさと閉じられた不穏感のバランスがたまらなくてすぐ読み切ってしまった。学園という舞台が大好き。文化祭の演劇の表現が怖くてここ最近で一番ゾッとした。雅子ちゃんと由紀夫くんがいつの間にか付き合っているのも、秋くんと沙世子を周りがくっつけようとするのもなんだか自分の学生時代に見てきたなあという感覚になった(多分見てない笑) 結局いくつかの謎はふわっと残ったままになったけど、それもこの作品の余韻な気がする。最初から読み終わるまでずっと面白かった!

    0
    投稿日: 2024.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学校に伝わるサヨコの話が最初から最後までちょうど良い塩梅でホラー感を味わえた。学校にはホラーな話がよく合うので、必然的に信憑性高くなるし、まさにその学校に居たら秋のように夢中になってしまいそう。ただ、最後まで読んでも、転校生の津村沙世子は誰の招きでやってきたの?転校するかしないか決まってない段階で先生が沙世子の存在を知るはずなくない?(私の中では黒幕は80%黒川先生) 美香子が部室に火をつけたのにおとがめなしってありえない。沙世子はなんで美香子をたきつけてたの? 野犬はなぜ?どこから現れたの?と謎は残っている。怪談好きなので楽しめました。

    0
    投稿日: 2024.04.01
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    先を読ませない展開で、青春とミステリのどちらも楽しめた。特にミステリ特有の重厚な雰囲気だけはよく感じられて満足。 でもは読み終わってもイマイチすっきりしなくて、解説も抽象的で、自分の理解力が足りていないのかなつて思ったらみんなよく分かってなくて安心した笑 30年近く前の作品で、言葉や表現の端々から当時の時代を感じられて良かった。 多分何回か読み直せばもう少し理解できるようになるのかな? 忘れた頃にもう一度読んでみよう。

    1
    投稿日: 2024.03.24
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    奇妙な「行事」が何年も受け継がれている学校が舞台の話。ミステリアスでちょっとホラーで、すごくおもしろかった…!最後にちゃんと謎は解けるんだけど、解けてもゾワ〜っとする。 ドラマ版をもう一度観たいな(栗山千明の異常な美しさだけ覚えてる)

    0
    投稿日: 2024.02.22
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    大好きで何度も読み返している本。 伝説とか言い伝えが学園生活と絡み合って、昔はこの中の世界に憧れがあったなぁ。結構怖い場面もあるんだけど。 今もやっぱりいいなぁっていう気持ちはあって、だから素直に楽しめるんだと思う。 文化祭の劇、あの場面はドキドキする。

    0
    投稿日: 2024.02.12
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    青春、恋愛、ミステリーなどの多くの要素があり、気になる話だったがもう少しミステリーチックな話を期待してしまっていた。

    0
    投稿日: 2024.02.12
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    津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。

    0
    投稿日: 2024.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    デビュー作には、 作者の全てが詰まっているという。 本当に信じられないことだが、 これが天才・恩田陸のデビュー作だ。 ミステリアスな津村沙世子の動機や背景は やや食い足りない気もするけれど、 これをたったの三週間で書き上げたなんて。 全ての物語を裏で操っていたK川についても もっと多くの説明をして欲しかったが それは贅沢と言うべきだろう。 青春のキラキラ感が読んでいて苦しくもなるが、 ひとりも死者が出ず、読後感も清々しい、 超一流のエンターテイメントだ。 もっと早く読んでおけばよかったなぁ。

    0
    投稿日: 2024.01.20
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    恩田陸さんのデビュー作やっと読めた。 高校生の内面の成長がわかるところ、達観しいたはずが、違うとわかるところ後半とても好き

    1
    投稿日: 2024.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小学生の頃NHKでやってためちゃくちゃ怖いドラマって印象しかなかったけど大人になってから読んでみたいと思って早め6年くらい本棚から引っ張り出してきて読んだら面白すぎてその日のうちに読んでしまった。 そして思ってたのと全然違った 不気味な伝統が学校という閉鎖的な空間で引き継がれてその六番目にあたるサヨコが登場する中で、怪奇なこととか殺人とかが起こってラストサヨコは何者で誰が犯人なのか?!?みないなの想像してたけど、それよりもっと面白かった 早々にサヨコがネタバレされて謎を解き明かす系だったけど綺麗に回収されるわけでもなくラスト不可解に悪魔みたいなのとバトルする邦画みたいな展開もなくいいラストだった もっと昔に読んでたらなんか拍子抜けしてた気がするから今読んで良かった気がする 30年も前の作品なのに読んでて表現とか価値観にあんまり齟齬なくてめちゃ読みやすぎかった

    2
    投稿日: 2023.11.23
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    ファンタジーのような青春小説のようでもあり、不穏な雰囲気もあり、不思議な雰囲気。 不気味なルールのサヨコ伝説について調べる秋だけど、秋のお父さんのキャラが一番気になった笑。

    9
    投稿日: 2023.11.14
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    「面白い本」とのことでずっと気になっていたけど、なかなか手がつけられずにいた。やっと読了!ファンタジー?科学的解決?さぁどうなるどうなる??結局どうだったのですかね?自由な解釈でってことですかね(-_-)

    0
    投稿日: 2023.11.12
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    「蜜蜂と遠雷」「夜のピクニック」に次いで読了 夜のピクニックのような充実した青春物語と学校の伝説という不気味な話が混ざり合っている独特の世界観に魅せられた。転校生のサヨコの正体や、伝説の真相が気になって久々に一気読み。 個人的には、第三者であることを望んだ関根秋が伝説にのめり込んでいく展開が、若さ故の行動力を感じられて良かった。 読後は、全ての謎が解けたわけではないがそれはそれでこの作品の世界観にマッチしてるってことなのかな〜と感じた。

    7
    投稿日: 2023.10.20
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    体育館でのシュプレヒコールはテンポも良く、本の世界にぐぐっと引き寄せられた。このテンポのまま完結に向かえば言うことない話しだったのだが、終盤にこれまで築いてきた独特な世界が現実的な雰囲気に変わってしまったのが、若干興醒めしてしまった。

    5
    投稿日: 2023.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 面白くて凄い勢いで読んだが結局良く分からなかった。 文化祭の劇で竜巻が起きた時サヨコが居なくなってた理由とか、近くの男子高校生に絡まれた時野犬を操ってたような状況とか、みかこに部室を燃えさせる意図とか、火事になった時屋上にいた人とか、黒川先生の関係とか、もう全然わからず不完全燃焼…誰か解をください。。

    4
    投稿日: 2023.09.24
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    ★このまま無事に終わるといいわね(p.111) 【五つのメモ】 ・サヨコの伝説は様々なバージョンが派生しているが少し怖いものもある。 ・数百人もの同世代の塊である学校という奇妙な場。平等なようでいて成績(学業や部活)や人間関係を通して世の中には格差というものがあるということに少しずつ慣らされていく場でもある。そんな集団のいびつさが様々な澱を産むのかもしれない? ・関根秋と津村沙世子と花宮雅子と唐沢由紀夫が中心となって物語は進むが津村沙世子とサヨコなはなんらかの関わりがあるのか? 沙世子は「お客さん」=マレビトなのか? ・学園祭でのサヨコの芝居が告知され、それはこれまでと較べても異例のものであり始まったが・・・《皆、この芝居がパンドラの箱をこじあけようとしていることに気付き始めたのだ。》p.170。 ・古めの少女マンガっぽいわざとらしいセリフまわし。ずうっと以前ちょこっとだけ読んだとき吉田秋生さんの『吉祥天女』を思い出したことを思い出しました。 ■簡単なメモ 【一行目】こんなゲームをご存知であろうか。 【学歴】《日本て学歴重視の割には学問の地位低いもんね》 【学校】《学校というのは、なんて変なところなのだろう。同じ歳の男の子と女の子がこんなにたくさん集まって、あの狭く四角い部屋にずらりと机を並べているなんて。なんと特異で、なんと優遇された、そしてなんと閉じられた空間なのだろう。》p.21。学校は「そう、あなたたちを入れる」容器。 【加藤彰彦/かとう・あきひこ】三年十組。ガリ勉で社交性がないタイプ。 【彼女】先代に指名された今年のサヨコ。どうやら三年十組の生徒のようだ。が、しきたりを踏襲しようとして「もう一人のサヨコ?」と出会ってしまい赤いチューリップを捨てて逃げ出した。 【唐沢由紀夫/からさわ・ゆきお】三年十組。バスケットボール部。シンプルなタイプ。カンは鋭い。そのカンが沙世子に対して警戒した。関根秋とは親しい。花宮雅子とは互いに片想いのようだ。 【黒川】三年十組の担任。十年いる古株の日本史教師。 【黒兵衛】関根秋のとこの猫。 【高校】舞台は地方のリベラルな校風の高校であり県内一の進学校ではあるが神戸のN高ほどではない。 【声】《人の声というのはなんて面白いんだろう、と秋は思った。とてもでこぼこで、いろいろな色がついていて、さまざまな模様をしている。》p.166 【桜】《学校にはいつも必ず桜があった。この国は、いつも桜とともに新しい年月を始めるのだ。》p.20 【佐野美香子/さの・みかこ】関根秋に告白する予定の古典的美少女。 【サヨコ】怪談とも言えないがなんとなく怖いサヨコ伝説がこの学校にある。サヨコは必ずしも女子とはかぎらない。三年おきにイベントが実施されるので常に前のサヨコを知っているものがいない状態。 【沙世子】→津村沙世子 【沢木容子/さわき・ようこ】花宮雅子の友人で同じ三年十組になった。部活も同じバスケットボール部。小柄だがパワフルな感じの少女。 【設楽正浩/しだら・まさひろ】学園祭の実行委員長。朝のジョギングが日課。 【秋/しゅう】→関根秋 【関根秋/せきね・しゅう】三年十組。体格がよくふちなし眼鏡の成績優秀者。写真部、喫煙者。同級生観察が趣味。当初、サヨコ伝説は他人事だったがそうではなくなっていく。関根家は地元の名家で法曹界にきりがないほど多くの人材を輩出している。建物は古い日本家屋。《彼は常に観察者であるはずだった。当事者になるのは性に合わない。》p.98 【関根多佳雄/せきね・たかお】秋の父。年齢的には孫と言ってもいいくらい。大男。小さい丸眼鏡。息子に対してもですます調。甘いものが好き。小柄な妻に頭が上がらない。津村沙世子のことを「お客さん」だと呼び、お前たちを試しに来ているのさと言った。本人がいたって普通の人だとしてもそういう位置づけになる。折口信夫の言う「まれびと」というヤツですな。迎える側にとっては神の一種かと。 【高橋】沢木容子の彼氏。 【月岡】数学教師。 【津村沙世子】三年生の始まりに神戸のN高から転校してきた。県下一の進学校であり珍しい。完璧な美少女。黒髪ロング。動物に好かれやすいタイプ。サヨコ伝説を知っているようにも見えるし無関係のようにも見える。知っていて利用しているようにも見える。《確かに津村沙世子という娘は存在している。自分と同じ十八年間の時間を当たり前に積み上げてきた普通の人間として。》p.142 【花宮雅子/はなみや・まさこ】三年十組生徒。バスケットボール部。沙世子に好感を抱きいつもつき従っているように見えるが並んでいても見劣りはしない別タイプの美少女。巫女のような雰囲気がある。ずっと唐沢由紀夫に恋愛感情を抱いている。 【ビアンカ】駅と学校の中央あたりにある古民家風の喫茶店。おっとりした老夫婦がやっている。高校の生徒御用達。関根秋は兄も姉も常連だったのですごく親しまれている。店の前の道はなんとなく海に続いているように思える。 【溝口祐一/みぞぐち・ゆういち】三年十組の生徒。柔道部主将。小太り眼鏡でひょうきん。小指に赤い糸を巻いていた。妙に場を盛り上げるのが上手い。間の取り方がいいのだろう。学園祭のクラスの演し物として「うたごえ喫茶」を提案して皆のOKを取り付けた。料亭の跡取り息子。 【宮脇】学年主任。 【由紀夫】→唐沢由紀夫 【容子】→沢木容子

    0
    投稿日: 2023.09.19
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    サヨコシステムや、劇のルールなど設定が不気味でめちゃくちゃ良い。 学校の気持ち悪さ、同じ場所に、同じ年齢の男女が集められ、同じルールに従い、同じ時間に同じことをする気持ち悪さを思い出した。 今となってはよく通ってたな、、、

    0
    投稿日: 2023.09.10
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    学園祭での全校生徒による「六番目の小夜子」のリレー芝居は、恐怖と緊張を感じながら読んだ。青春不気味小説。

    0
    投稿日: 2023.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    みんなが青春しているシーンは読んでて楽しかったし、最終的に津村小夜子と秋がいい感じになったのは嬉しかった。 ただ、津村がどうやってこの学校に導かれたのかのとこが後付けな感じしたし、黒川担任が関わってたってのもふ〜んって感じだし、何かは思い出せないけど全体的に自分の中で解決してないことが多すぎた。都市伝説ってそういうよくわかんないまま結局卒業して、何だったんだろうね感を出しているのかもしれないけど、小説の物語としてはもう少し明かしてほしかった。 津村は犬を操ったりしてたのに、最終的に犬追い払ったりして炎の中の秋を助けようとするし、でもその火事は津村が秋に片想いしてた女の子に変なこと言ったせいだし、キャラがあまり定まってない感じがした。

    1
    投稿日: 2023.08.28
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    青春ミステリーなので読みやすさ◎。良くも悪くも、読者に理解が委ねられてるが、少し無理な設定が気になる。

    0
    投稿日: 2023.08.27
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    名前はとても有名なので知っていたけれど読んだこともドラマを見たこともなくストーリーも全く知らなかった作品。 遂に手を出すことが出来たー! とある学校に伝わる伝説、高校生ラストイヤーの生徒達の青春物語、そしてそこにやって来る謎めいた美少女転校生………と要素てんこ盛りすぎてこれ纏まるの?って不思議だったけれど綺麗に一つの物語になっていた。 色々な受け取り方が出来る話だと思うのだけど、私はこれは青春物語だと思ったなぁ……学生時代ってあんなに早く学校を卒業したくてたまらなかったのにもう二度と戻れないと分かると途端に懐かしくなるのは何故だろう? 季節の移ろいと共にメインの登場人物達が泣いたり笑ったり恋をしてみたり、喧嘩もするし若さゆえに暴走したりもする。 そういう全てが日常の何気ない普通のことなのに、「学生っていいなぁ、キラキラしてるなあ」と思いながらページを捲っていた。 ただ、作中で起こる割と大きな事件の原因になる子がなんのお咎めも無かったっぽいのはちょっとモヤモヤするので、作中に描かれてないだけで実際は何かしらの処罰を受けていますように。 余談なんですが普段は何ともないのにこの作品の感想を書く時だけ何故か画面がフリーズしたり入力したはずの文章が勝手に消えるという謎の現象に何度か見舞われたのだけど……いやいや、そんなまさかね。

    1
    投稿日: 2023.08.21
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    繰り返し同じ作品を読むのが好きだが、この作品に関しては10回以上読んでいる気がする。 誰もがそこはかとなく感じたであろう、 学校という場所の居心地の悪さ、気味の悪さが 表現されていて目が離せない。まるで秋たちと同じ学校で過ごしているようだから。 忘れてしまった哀愁も郷愁もいっぺんに呼び覚ます、不思議な力を持つ名作だと思う。

    0
    投稿日: 2023.08.21
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    恩田陸のデビュー作。 文章が大仰というかまどろっこしいというかこんな文体だったっけ? 「サヨコ」が誰なのか、目的は何なのか、津村沙世子は何者なのか、みたいな話かと思ったが、どちらかというと少しホラーミステリーの要素が入った青春小説だった。

    1
    投稿日: 2023.08.15
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    毎日暑いので、ちょっと涼もうとホラー小説のつもりで読み始めた。 昔テレビ番組で放映されていた当時は興味があったのだが、結局見ることができず、記憶の彼方にあった一冊。ほぼ20年越しに全貌を知ることとなった。 恩田陸さんのデビュー作。割と自由な校風である地方の公立進学高校。学校祭やクラスの懇親会など、自分の高校時代を思い出し、とても懐かしくなった。なかでも、「うたごえ喫茶みぞぐち」が発案され、実行に移される場面は個人的に気に入っている。「マジかよ」という内容を本当に実現してしまう高校生の爆発力を感じ取った。 筆者の描く通り、同じ年代の少年少女をかき集めて、校舎という箱の中に閉じ込めて、同じ服装をさせて過ごさせるのは「異質」なことである。濃密な時間を一緒に過ごして楽しむからこそ、一気に受験モードに切り替え、大学入試を乗り切ることができるのだろう。異質な空間が生み出すゆえのエネルギーである。 そして、異質空間だからこそ生まれる「伝説」とか「怪談」がつきもの。それに便乗して楽しむ者もいれば、憑りつかれてしまい人生を棒に振る学生もいるわけである。こういった怪談を簡単に信じ込んで、気がおかしくなったり、暴挙に出てしまうような、ピュアで脆い心理、思い込んだら迷わず突き進むパワーといった、浮き沈みの激しい高校生たちの様子をしっかり描いている。 それにしても、高校生の頃の私は、秋や沙世子と比べて、序盤で存在が消されてしまうようなザコキャラだったなあと思う。個人的には最初に登場した「彼女」が気の毒で仕方ない。

    21
    投稿日: 2023.08.14
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    まだ物心ついてないような頃にテレビで見かけて得体の知れない気味の悪さだけが残っている作品に挑戦してみた。 数年前から生徒間で密かに受け継がれる"小夜子伝説"に翻弄される青春群像劇。 伝説の目的が受験の合格率というのが幼気で、学校という箱がすべての思春期を現していて良かった。 文化祭の全校生徒を巻き込んだ劇シーンは読者の私も含めその場にいる全員の緊張感が伝わるほど読み応え抜群。 結局、小夜子伝説とは何だったのか... 分かったようで分からない、卒業した自分はもう知る術もないが時期がくればきっと『彼女』は動き出す。 登場人物の色恋で爽やか要素を加えようとやはり後味に不気味さが残る物語だった。 人生の中における高校生活の3年間などほんの一瞬でしかないが、その一瞬に強烈な密度を残す著者の素敵なデビュー作でした。

    0
    投稿日: 2023.08.11
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    とうに忘れてしまった高校生活のあのワクワク感を身近にしました。行きつけの喫茶店あったな。タバコ吸ってたな。大勢で集まってコークハイなんか飲んで悪酔いしたな。球技大会は義務感で参加したはずがいつの間にか本気モード。三角パックの牛乳、飲んだ後は踏み潰すか水を入れて上層階から投下。夏は窓全開で日除けにカーテン、冬はモッコリ着込んで貧乏揺り。あまりの高校生活あるあるの連発に?と思いきや、それもそのはず作者は同年代でした。 確かに、個人としては無計画な日々も学校という枠の中で計画された毎日を送っていたんです。だからどうしたと言う事はないけれども。 あまり深く考えずサッと読むと心地よく思い出に浸る事ができますが、読み込もうとすると異世界へ連れていかれます。そんな物語。 出だしの三人称は難解でした。 ところで、兵庫の沙世ちゃんに手紙送ったのは誰?

    1
    投稿日: 2023.08.09
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    以前から気になってた作品。 著者のデビュー作。 デビュー作でこの作品は圧感です! 特に、学園祭のシーン。 どんどんのめり込みました。

    56
    投稿日: 2023.08.09
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    地方の学校に伝わる奇妙なしきたり。 なんでしょう、恩田さんの文章はとても読みやすいです。人物描写が伝わりやすく頭の中で登場する人の人物像が簡単に頭に入ってきますので、ストーリーや情景が浮かびやすい。 後半近くまでは、小夜子の動静に気を張っていましたが、最後にはひと捻り!どのページを開いても、高校生の彼らと一緒に高校生活を送っているような気持ちにさせてくれる内容で退屈しませんね。 なので、没入してしまいます。 すぐに読み終わります。

    1
    投稿日: 2023.07.30
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    ホラーな展開かと思っていました。 読み進めていくと青春群像劇な感じで、少し物足りなかった。謎も未回収の箇所もあるのが残念でした。 ただ、デビュー作でこれほどのものとはすごいです。 内容(「BOOK」データベースより) とある地方の高校に伝わる奇妙なゲーム。三年に一度、学園祭で行われるそのゲームは、学校の運命を占えると言われていた。ゲームは一人の生徒によって行われる。その生徒は「サヨコ」と呼ばれ、十数年間、秘密裡に受け継がれていた。「六番目のサヨコ」の年、一人の転校生がやってくる。名前は津村沙世子。それは不慮の事故死を遂げた「二番目のサヨコ」と同じ名前だった。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。 内容(「MARC」データベースより) ある高校に密かに伝わる奇妙なゲーム。「六番目の年」、それは怖ろしい結末を迎えて…。92年新潮文庫として刊行したものを大幅加筆、単行本化。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 恩田/陸 1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。’92(平成4)年、日本ファンタジーノベルズ大賞の最終候補となった『六番目の小夜子』でデビュー。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『球形の季節』『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『ライオンハート』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。

    3
    投稿日: 2023.07.30
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    結局サヨコは何だったの?この作品に関しては謎は謎のままで良いと思う。ただ、細かい伏線は回収して欲しかった。それだけがモヤモヤ。 角川映画を彷彿とさせる作品全体の空気感は最高に好き。タイトルも好み。再読必須やな。

    10
    投稿日: 2023.06.04
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    恩田陸の作品をはじめて手にしたあの時のこととか 高校特有のなんとも言えない不安定さとか なんかいろいろ懐かしくてやばかった  夜のピクニックといい、ほんとうにこのひとが描く学校ものはそわそわするなあ あの主人公たちも色んなことを思い出のひとつにしてやっぱり大人になっていくんやろなあておもった 「高校生は、中途半端な端境の位置にあって、自分たちのいちばん弱くて脆い部分だけで世界と戦っている、特殊な生き物のような気がする。この三年間の時間と空間は、奇妙に宙ぶらりんだ。」 「学校というのは、なんて変なところなのだろう。同じ歳の男の子と女の子がこんなに たくさん集まって、あの狭く四角い部屋にずらりと机を並べているなんて。 なんと特異で、なんと優遇された、そしてなんと閉じられた空間なのだろう」

    5
    投稿日: 2023.06.02
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    いくつか謎が残ったが、それを含めてファンタジー・ホラーとして楽しめた。 青春小説としての完成度も高く、時間についての解説も面白かった。

    1
    投稿日: 2023.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たくさんのなぜ?どうして?が解決しないままの結末でモヤモヤな読了感。 学園祭の劇のシーンの描写は特に印象的で引き込まれ、集団心理の恐ろしさを感じた。 野犬や、なにかを知っている先生の存在、石碑など全体的に仄暗い雰囲気かと思えば、雅子と由紀夫の2人の話はそれいる?みたいな全然違う軸かと思うほのぼのほっこり青春物語なのが面白い。 全体を通して思春期特有の雑多な感情を思い出させてくれた。 佐野美香子が一番盲目的で怖いなと思った。

    1
    投稿日: 2023.04.27