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六番目の小夜子(新潮文庫)
六番目の小夜子(新潮文庫)
恩田陸/新潮社
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総合評価

1002件)
3.6
162
330
346
72
14
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    いくつか謎が残ったが、それを含めてファンタジー・ホラーとして楽しめた。 青春小説としての完成度も高く、時間についての解説も面白かった。

    1
    投稿日: 2023.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たくさんのなぜ?どうして?が解決しないままの結末でモヤモヤな読了感。 学園祭の劇のシーンの描写は特に印象的で引き込まれ、集団心理の恐ろしさを感じた。 野犬や、なにかを知っている先生の存在、石碑など全体的に仄暗い雰囲気かと思えば、雅子と由紀夫の2人の話はそれいる?みたいな全然違う軸かと思うほのぼのほっこり青春物語なのが面白い。 全体を通して思春期特有の雑多な感情を思い出させてくれた。 佐野美香子が一番盲目的で怖いなと思った。

    1
    投稿日: 2023.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸のデビュー作。20年以上ぶりに再読。 (ハードカバー、新潮文庫、ファンタジーノベル版、全部初版) 3年に一度、始業式の日に赤い花を飾る、文化祭で演劇をするなど、奇妙なしきたりがある高校が舞台。今回が六番目。ただ、鍵を受け継いだ今年の“小夜子”が始業式の朝、花を生けにいくと。。。 春、2番目の死んだ小夜子と同姓同名の転校。 夏、仲のいいグループでの受験勉強と思い出作り。 秋、中盤のクライマックスの文化祭。 冬、残り少なくなった学校生活と小夜子伝説。 高校生活の最後の一年間が描かれる。ゾッとするところがないこともないが、ホラーともミステリとも言えない本作。ただ、青春小説としては完璧だと思う。 卒業して10年以上経つ人にこそ読んでもらいたい作品。2度と戻れない、あの空気をぜひ。

    4
    投稿日: 2023.04.23
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    恩田陸の処女作。直木賞を受賞した「遠雷」が心に残り、作品紹介で書かれていた作者の処女作「六番目のの小夜子」がどんな作品か読みたくなった。 ある賞にノミネートされたが、落選したとのこと。何年も後に後半部分が書き直しされたそうだが、この作品には「遠雷」と共通したキメ細かな表現、感情が見える中々面白い作品。 ただ、沙世子の性格が今ひとつ読めないので、部分的に読み返している

    2
    投稿日: 2023.04.21
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    不思議な魅力に引き込まれ、一気に読み終えた。 サヨコ伝説さえなければ、普通の高校生たちの青春群像劇。最後まで読み終えて、そういうことだったのか、、とはなるけどまだいくつか謎が回収されずに残るので、そこはファンタジーということなのかな。黒幕的な存在が怖かった。

    1
    投稿日: 2023.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後までその先の展開が全く予想できず息を呑んで読み進めるうちにフッと現実に戻されたような、そんな終わり方をする小説だった。 読み手によってはほんの少し恐怖を覚えるようなホラーな展開と、とてつもなくリアルな受験生達のありふれた日常が、同時に複雑に絡み合いながら物語は進んでいく。 最後に明かされる真実に、ぽかんとする人もいるだろうが、私はとても現実的で気に入った。謎めいた転校生なんて存在はやはりフィクションで、事実はきっとこんなものなのだろう。 物語の中で印象的なのは文化祭での劇のシーンだが、ある意味では、津村はそれ以外の時間も一年間ずっと劇を演じ続けていたとも言えると感じた。常に軌道修正を行ってきたのであろう彼の存在やその意図が明示されず、読み手の想像に委ねられるのもとても気に入った。 読み終えてからもあれこれ考えるのが楽しい、良質なミステリ。

    0
    投稿日: 2023.03.31
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    この人のミステリーは回収が雑すぎて、読み終わっても全然スッキリしない。 青春ものとして見れば、まぁまぁ

    0
    投稿日: 2023.03.16
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    Amazonの紹介より 津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。 テレビドラマ化された作品を先に見ていたので、どことなく物足りなさがありました。 スッキリ終わったというよりは、すべての真相を語らないので、不気味さや色んな解釈のできるモヤモヤ感の方が強かったです。 スッキリ終わらせてくれよと思う一方、そういえば他の作品「スキワラシ」もこういった感じだなと思い出されたので、妙な納得感もありました。 結果的にホラー小説のような印象でしたが、途中途中ではミステリー要素や青春要素もあって楽しめました。 「サヨコ」によって翻弄される高校生達。「サヨコ」によって運命が変わっていくことは偶然なのかはわかりませんが、何かに取り憑かれたかのように夢中にさせる高校生の描写は、良かったです。 特に演劇シーンは全員参加ということで演じていくのですが、斬新かつスリリングな展開で面白かったです。 なかなか文章だけでは伝わりづらい部分もありましたが、じわじわとくる恐怖、演じている高校生達の描写に、いつの間にか引き込まれていました。 音楽やその場の雰囲気が加わるとどうなるのか。気になって体験してみたくなりました。 恩田さんのデビュー作ということで、今に通じる「青春」の要素や不気味さがこの作品に現れていて、当時の凄さを感じました。 事実を提示して、あとは読者に委ねるということだったので、色んな推理ができるので、モヤモヤ感の残る終わり方でしたが、一味違ったホラー小説で楽しめました。

    2
    投稿日: 2023.03.13
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    恩田陸のデビュー作。この作者の作品は何冊か読んでるが、どれも設定やストーリーは非常に魅力的でグイグイ読ませるんだけど、最後に尻すぼみというか物語を投げ出してしまうような印象の作品も少なくないような気がする。まさかデビュー作にもその片鱗があったとは。 私が読めてないだけなんですかね…

    1
    投稿日: 2023.03.02
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    めちゃくちゃ面白かった〜!半分くらい読んだところから、どんどん引き込まれた感じでした。続きが気になるけど、多分出ないよな〜。もう結構経ってるし、シリーズもの沢山抱えてるし、多分これで完結だろうから。それにしても恩田陸さんって魅力的な登場人物書くの上手いですよね。憧れます!

    1
    投稿日: 2022.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    その本がファンタジーなのかミステリーなのかは、謎を謎のままにするのか、合理的な説明を為すのかによると、ふと思った。 たぶん中学生以来(15年前?)の再読ですっかり内容を忘れていたが、これはホラーファンタジー?ミステリー?のギリギリをずっと行く感じ。 記憶より言葉遣いが古めかしく、発行年を見たら連載が1992年(30年前、自分の生まれ年)だったのも個人的には感慨深い。 やっぱり体育館のサヨコ上演のシーンが一番好き。

    2
    投稿日: 2022.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    先にドラマを見たので内容は知っていたが、原作とは細かな設定が違っていた。どうしても俳優の顔が浮かんでしまいドラマ版を一旦忘れるのに苦労した。 母校にこういう行事があったら、怖くてなるべく関わりたくないと思うだろうな、私なら。意図の不明な伝言ゲームのようなそれは、校内で噂の尾鰭がつき怪談めいていく。全校生徒で行う芝居もあのシチュエーションは絶対怖い。 でも彼ら彼女らは、あとから振り返ってみれば、あれが青春だったと思えるような日々を送っていて素直に羨ましかった。高校三年生といえば子どもらしさは失っているし、かといって大人ではない、この境目の不安定さを回る駒に例えているのは分かりやすかった。 これからもサヨコは人知れず受け継がれていくのだな。

    0
    投稿日: 2022.10.15
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    子どもの頃にテレビドラマ版を好きで見ていたのを思い出し、懐かしくて読んでみた。青春とはつまり意味のない無駄な時間を夢中に過ごすことで、作中でも若気の至りを表現するのに何の脈絡も布石でもない無駄な描写が多々挟まれていた。時間の流れや登場人物たちの感情の動きが目まぐるしく、一体何の話?ってなる瞬間が多かったように思う。時代背景が古い(昭和の終わりから平成初期あたり?)こともあって最後まで気持ちがライドすることはなかった。それでも学校という特殊な閉鎖空間にのみ存在する独特の空気感はリアルだったかも。

    0
    投稿日: 2022.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    好き。何回読んでもこの高校生たちが好き。 学校に伝わるサヨコ伝説。決まりが細かくてわかりにくいけど、要は、誰が、何がそうさせているのか? 沙世子はお客さんだったのか?でも、動物は?本当に好かれているだけなのか?2番目のサヨコは呼ばれただけなのか。 劇のところは本当に怖かった。文字を追っている間、どきどきしっぱなしで、ぐんぐん早くなっていく目線を、でも最後にむけたくなくて。竜巻が来たときは何故かホッとしてしまった。 秋が本当好き。冷静で、大人で、好奇心旺盛で、きっと結局沙世子に惹かれている秋が。

    0
    投稿日: 2022.10.01
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    小夜子や黒川の怪しさ溢れる書き方、物語が序盤から動き出していてとても良かった。 母校と似たような環境がとてもささった。 青春のようなストーリーも良い。本当によかった

    0
    投稿日: 2022.09.30
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    親戚の文学少女におすすめされて手に取りました。少し前の作品ですが学園青春物の中にホラーミステリーありであまり時代を感じずに学校の伝統や七不思議怪談のような題材は褪せずに不朽だなと感じました。

    0
    投稿日: 2022.09.29
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    美人で聡明な転校生。それだけで注目してしまうのはなぜなんですかね。 普通のミステリーなのかSFなのかホラーなのか分からないまま話が進んでいくので、あの人が魔法使いなのか、人知を越えた存在なのか、ついそんなキャラクターを想像してしまいました。 過ぎ行く高校生活の儚さを感じた一冊

    0
    投稿日: 2022.09.18
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    なんとなくオカルトっぽいイメージで怖いかなって遠ざけていた。恩田陸さんファンなのに。 やっと読んだ。 さすが、デビュー作から一気読み。 ミステリーっぽさもあるけど、本筋は青春ものなのかなと。 学校って当たり前に行ってたけど、実はとても非日常的で、ある意味とても異常な世界だったんだなと。

    2
    投稿日: 2022.09.05
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    サヨコという伝統的に続いてるゲームでの怖い雰囲気と高校生たちの爽やかな青春が両方詰まっててドキドキワクワクしながら読んだ なんとなく予想してた通りすっきりとした今までの出来事全部に納得のできるような終わり方ではなくモヤ〜となんとな〜く終わる 結局サヨコってなに?って感じ 特に最後の文はよくわからず??ってなりつつあとがき読んだら一行目に「この本の、最後に書かれている文章を読んだ方は不思議に思われるかもしれない。」って書いててその通り!ってなった 文化祭のサヨコの演劇のシーンがかなり印象的。 暗闇の中、全校生徒全員で短いセンテンスを読み進めていくっていうのが楽しそうだった 謎の竜巻で終わるのはなんか白けたけど、、 夜のピクニック、ネバーランドのように青春のウキウキするような行事とか書くの本当上手いなーって思った 出し物のうたごえ喫茶も楽しそうだった 昔テレビで放送されてて怖そうだからちゃんと見たことなかったけど栗山千明がでてて不思議な雰囲気のドラマやってたのなんとなくだけど覚えててそれの原作がこの本って知った時ビックリした

    0
    投稿日: 2022.08.08
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    日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった、恩田陸さんのデビュー作です。 ミステリ、ホラー、ファンタジー…様々な要素を取り込んだ高校生たちの群像劇は、デビュー作でありながら恩田さんらしさが存分に感じられます。 ジャンルの壁を自由自在に飛び越えた、独自の不思議な世界観も既に構築されていて、この時点で恩田陸という作家さんは完成していたという捉え方も出来るのではないでしょうか。 特に印象に残るのは文化祭のシーンで、文章ならではの緊迫感の演出が見事でした。 何度読んでも引き込まれる、そんな作品です。 読了後に久しぶりにドラマも視聴しました。 小説とは内容が多少異なりますが、この作品が持つ不思議さや怖さ、そして爽やかさを活かした映像化は、小説とは違った面白さがあり、新たな魅力を引き出しているように思います。 最近では舞台化もされたそうで、良い作品というのは時代を超越して受け継がれていくものなのだなあと実感しました。

    3
    投稿日: 2022.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たまに、話の設定に???となることがあり、それが気になってあまり集中できなかった。それでもさすが恩田陸さん。文章から世界が立ち上がり頭の中ではっきりと石碑の前に立つサヨコや生徒全員で朗読劇をしている不気味な空気や炎が校舎を包み込んでいる場面がうつしだされた。

    0
    投稿日: 2022.07.16
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    鈴木絢音ちゃんの舞台から気になって読み始めたが内容がすごくおもしろくて、何回も見てしまう。秋がいい。

    0
    投稿日: 2022.07.13
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    面白かった。学生の頃を思い出させるお話でした。 学校って階段だったり噂だったりどこでも少しは あると思う。そう言ったところを上手くついたお話です。でも登場する高校生は何だかとても幼い感じで高校生というよりは中学生の様な感じでした。 テレビシリーズも再放送で見ましたがあちらは設定が中学生になってましたね。私のイメージに近い感じでドラマも面白かったです。松本まりかさんが出てたのにはビックリでした。昔から可愛かったですね。

    0
    投稿日: 2022.06.25
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    面白くなかった。稚拙だった。描写が甘く、唸りをあげるような文章もないため、物語にうまく入り込めない。そのような状態で何をされても何も思わない。登場人物ほとんどの心情を語ったおかげで登場人物の独立は感じたが、特に思い入れるようなキャラクターもいなかった。ストーリーに関しても、結局投げやりというか、何がしたかったのか分からない。オカルトの足場で青春があった、というのは伝わったが前者がメインであるように感じるので何だかもやった。集会のシーンの不気味さは現実感こそなかったが悪くなかった。

    0
    投稿日: 2022.06.02
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    恩田陸さんのデビュー作。 ファンタジーノベル賞に応募されたものだそうだから「ファンタジー」の部類になるんだろうか。ファンタジーであり、ホラーかな。 高校を舞台に、謎のゲーム「サヨコ」をめぐり、高校生たちが翻弄される…。 ドラマ(原作のこの本とはだいぶ設定が違う)を見ても、よく分からず、小説を最後まで読んで、ようやく何かを読み取れた気がした。 私が読み取れたこととは、 高校の3年間における高校生の輝き、心の浮き沈み、そして高校を卒業したとたん、彼らにとって高校生活は過去のものになり、通過点に過ぎないということ。 一方で教師は…教師はずっと高校に留まって、生徒たちを見ている。 卒業した生徒たちの晴れ晴れした様子と、留まり続ける教師とのコントラスト。 生徒たちがサヨコに翻弄されればされるほど、あれほど在校中に熱中したサヨコ伝説も、生徒にとっては、全て「過去の通過点」になるだろうということに、私はすごくあっけなさを感じたんだ。でもそれが当然であり、あっけなくて良い。 教師黒川が何の目的でそれをしているのか分からなかったけど、高校にいつづける者の役割、と言うことなんだろうか。 そういう教師の侘しさ、みたいなの、「砂の女」にもあったなぁ。 この本は、何の経験もない中、3ヶ月くらいで書いた小説で、酷評されて落選し、一度は絶版になった…とあとがきに恩田陸さんが書いていました。 3ヶ月で書いたっていうのは、妙に納得。 すごく勢いある話だから。 伏線回収とか、結局あの超常現象はどういうこと?みたいなのは、ファンタジーでホラーな青春小説だから、気にしても仕方ない。たぶん。 学園祭の竜巻とか、津村小夜子が他校生に絡まれた時の犬の襲撃とか。 同じく超常現象的なものが登場する「東野圭吾ガリレオシリーズ」とかみたいに、謎が解けることはない。 でも、それでも良い、すっきりしないけど謎のままで良いか・・・、と思える。そんな本だった。 ドラマについての補足。 この本は、もちろんドラマありきで作られたものではない。 でも、本の中で描写される津村小夜子と、当時演じていた栗山千明さんがイメージ合いすぎなのです。 栗山千明さんの美しさ、謎めいて、神がかっていた。そしてそれは、大人の完成された美ではなくて、少女期特有のものなんだ。あの雰囲気を大人になっても備え続けていたら逆に心配なくらい。少女期の美しさなんだ。 もしNHKで再放送あったら、ぜひ多くの人に見てほしいな。 ちなみに、サヨコ伝説の謎は、ドラマを見ても解けませんが…。

    10
    投稿日: 2022.05.17
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    設定とそれをとりまく人物描写が秀逸。懐かしい木造校舎の香りが漂うなか、やはり恩田陸らしいホラーテイストも詰め込まれていて、著者の中で一番好きな作品。

    0
    投稿日: 2022.05.13
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    中学生の頃、NHKのドラマで六番目の小夜子をやってて、 それきっかけで小説を読んだ。 当時はドラマと設定が違ってて、「これじゃない!!」なんて 思いながら読んだ覚えがあるけど、 今改めて読み返すと、学校という特殊な社会の中での、 その中では当たり前に行われていることが たくさん詰まった作品だったんだなぁーと思えたよ。 (何が言いたいかと言うと、恋愛とか友情とか そういう大人になったら恥ずかしく思うようなことが 当たり前に散らばってたなぁーと思って。) ある高校には生徒にだけ伝わる行事がある。 それが「サヨコ」。 赤い花を始業式にいけたり、学園祭で劇やったり…。 サヨコがうまくいくと、大学合格率が良いなんて ジンクスもあったり…。 そんな今年のサヨコはどうなるー? ってな感じでした。 結局、サヨコのことよくわからなかったなぁー。 黒川先生が裏でイロイロしてるってことかな? でも黒川先生いなくっても、なんだか続いてそう…。 恩田陸さんのデビュー作だから、描写が古くなるのは しょうがないとして、学園祭に3日もやるの!? とツッコミましたー笑 それから、学園祭実行委員会の部屋があるって、 どんだけ部屋数多いよ!? とツッコミましたー笑 あと、放火はいかんよー笑 ドラマの話に戻っちゃうけど、やっぱり印象的な ドラマだったなぁー。 「今年のサヨコは2人いる。」 この台詞は忘れられない。

    4
    投稿日: 2022.05.11
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    結局 小夜子って何だったんだろう? はっきりとした決着はなかったものの、本書の登場人物と同様に小夜子伝説に引き込まれてしまい、一気に読んでしまいました。 一度しかない高校3年生の1年間における学園ストーリーと、奇妙なゲームが受け継がれていくミステリーが入り混じるちょっと不思議な感じがするお話でした!

    0
    投稿日: 2022.05.06
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    恩田陸さんのデビュー作です。 これまでに何作か読みましたが、若者の描写が上手く、特にこの作品は私の学生時代と設定が近いせいか、懐かしい気持ちで読み進められました。 ウチの奥さんも高校の同級生なので、由紀夫と雅子は自分たちと重なってドキドキでした(//∇//) 文化祭の演劇のシーンまではとてもスリリングでしたが、最後にやや失速した印象ですが、この作品から「夜のピクニック」や「蜜蜂と遠雷」という名作に繋がったという感慨もありました^_^

    16
    投稿日: 2022.05.06
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    サヨコという謎の設定が魅力的。登場人物たちのキャラもわかりやすく、読みやすい。文化祭での芝居「六番目の小夜子」の場面は圧巻のドキドキハラハラ感。つづきが気になってしかたない。……のだけど、結局サヨコって何だったの?とミステリー目線で読むとモヤモヤが残る。最後は、通り過ぎていく二度と戻らない時間を描いたという青春もので締めくくられている印象で、それがちょっと物足りなかった。

    4
    投稿日: 2022.04.30
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    小学生の頃NHKで栗山千明主演でやってた怖いドラマという知識しかなく読んだこともなかったのですが、んー。勝手にホラーと思いこんで読んでたので、段々と青春色が強くなる展開に拍子抜けしてしまった。 結局「サヨコ」は何者だったのか分からず、もやっとしながら読了。(それが著者の狙いかも知れないが) ただ学園祭での劇の描写は、自分も本当に講堂にいて、セリフを言うのをドキドキしながら待っている学生の1人になったかのようだった。あの緊迫感、不安感、スピード感、すごい。 登場人物たちの感情の機微を読むと、自分の高校時代を思い出し「自分もこんなことを考えながら学生時代を送っていたのだっけ」とノスタルジックな気分にもなれた。

    3
    投稿日: 2022.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的に最近読んだ浅倉秋成「教室が、ひとりになるまで」にすごく似てた。ドラマ化もされてるから、「教室が〜」の方が影響されてるんだろうな。 学校に伝わる「サヨコ」の設定が複雑過ぎる/津村沙世子が謎設定過ぎる(じゃあアレは何だったの…?と思う事が多々ある)/秋のサヨコ伝説への異様な執着 このあたりが解決されずにモヤっと終わってしまったけど、最後まで「続きが気になる!」という気持ちにさせる展開は素晴らしい!

    2
    投稿日: 2022.03.27
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    ドラマを少しみた。 かつての山田孝之が秋を演じていた。 20年前だとドラマもすごくいい意味でカメラワークとか崩壊していた。 最後のあとがきが好き。

    1
    投稿日: 2022.03.23
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    一度読みだしたら止まらないほど引き込まれた。 学校という狭い環境の中での不思議と受け継がれる行事。 謎がいくつかあってはらはらしました。 集団心理。 こういう少女を描くの恩田さん上手だなぁ。

    5
    投稿日: 2022.03.17
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    奇妙なゲームの話です。 そこに関わる人達は平凡な日常に波風を立てて、刺激を与えて、少し遠くから観劇しているかのよう。 そんな感想を持ちました。

    0
    投稿日: 2022.02.23
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    ホラー要素だけでなく、高校生の儚さをも感じた。沙世子の目線で見たこの物語をもう少し見たいような見ないでおきたいような…

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    『教室が、ひとりになるまで』を読んで、六番目の小夜子が思い浮かんだので久しぶりに再読。読み返してみたら記憶よりごちゃごちゃした印象で、推理ものとして読むと、こんなにもやもやが残るお話だったかなと。 ただ、小夜子が実在するのか曖昧にすることで、噂で勝手に形作られる小夜子像、それに翻弄される生徒たちとか、学校という特殊な空間が生む混沌さが出ていて良かった。傍観者、観察者な立ち位置の黒川先生ですら、実はその特殊な場のひとつの役割にすぎないと思えるような、学校そのものが意志を持った存在に思えてくる描写が好きかな。作者自身が制御しきれていない感もあった津村沙世子もまさにそんなイメージ。

    1
    投稿日: 2022.02.04
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    十数年にわたって 密かに受け継がれてるゲーム。 サヨコと呼ばれる生徒に選ばれると ナゾのルールに縛られることになる そんなことを一人悩む今年のサヨコの前に美少女のその名も津村紗代子が転校して来るのだ!学校の怪談 学園ミステリーと書くと軽く感じられるかもしれないけど 最後までどうなるのか予測がつかないストーリーです。 すべての伏線が回収されるわけではないので  多少モヤモヤした感じもありますが そもそも学校って暗くて怪しい言い伝えがあるミステリアスな場所だったと思えばすべての謎が回収されなくても それもありかなと思いました。

    0
    投稿日: 2022.02.03
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    幼い頃にドラマ観てたやつ。 真相分からずモヤモヤ。 このモヤモヤな読後感も魅力なのだろうけど自分には合わなかった。

    0
    投稿日: 2022.01.14
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    読み始めたら止まらない、引き込まれる小説でした。最初はホラーのイメージが強かったのですが、学生ならではの悩みや葛藤、友人関係、恋愛についても考えさせられる、学生時代を思い出すような物語。また息詰まる緊張感もあり面白かったです。

    3
    投稿日: 2022.01.12
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    四人の主人公が通う高校に受け継がれている一つの迷信を軸に、高校生ならではの甘酸っぱさ、危うさ、または感受性の高さをふんだんに組み込んだ青春ストーリー。 ちょいちょい手にする恩田作品ですが、これまた実家にあった一冊。 どーして実家にはこういうガーリーな作品が多いのか。。といっても別に嫌いなわけじゃありません。 でもやっぱり主人公が高校生というのとストーリーを考えた場合、若年層が読むとなお面白いのかな。 初め何かのサスペンスかなと思わせるようなミステリーな展開が続きはらはらさせられますが、でもやっぱり爽やかな気分で読み終わらせてくれる、起伏の激しい作品となっています。 結末については賛否両論がありそうですが(個人的には少し疑問が残された感覚でした)、読んでいるとさっそうと作品が頭を通りすぎていき、ここちよい感じで読めます。

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    恩田陸さんのデビュー作。 名作とのことだから一度は読んでおきたいということで正月休みを使って読了。 正直、文章も稚拙で展開もよくなかった。 書き出しはとても上手ですぐに引き込まれたけど、あとはずるずると期待値がさがっていってしまった。個人的には「津村沙世子」目線で物語を語る必要はなかったかなと思った。せっかく「謎の美少女」というスタンスだったのに、津村沙世子目線が入ってしまうと妙に人間味が出てしまってキャラクターが安っぽくなってしまった印象。 オチについてはもう少し読者に寄り添ってほしかった。 「サヤコ」とは?が一番の謎だったわけだけど、超常的な力によるものなのか、人為的なものなのか、あるいは超常+人為なのか。 自分の感想としては「学校」という空間そのものが「サヤコ」を呼んでいました、というオチなのかなと思っているけど、どうなんでしょう。 丁寧に考察している人がいるなら意見をきいてみたいな。

    0
    投稿日: 2022.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書備忘録629号。 ★★★★。 大好きな恩田さんのデビュー作。 予約本が全然回ってこないので図書館で手に取りました。 なんか新鮮です!初々しさに満ち溢れている感じ。 とある地方の進学校で、受け継がれてきた奇妙なゲーム。3年に一度サヨコが選ばれ、選ばれたサヨコは誰にもばれず、文化祭で劇を成功させると、その年の大学受験合格率は良いというジンクス。笑 ゲームに失敗すると人が死ぬとか、街が災厄に襲われるとか、そういう感じじゃないところがファンタジーです。 6回目のサヨコの年。サヨコに選ばれたある学生。サヨコに選ばれたことを表明する為に4月新学期初日に、ルール通り、誰にも見られずに赤い花をある花瓶に飾ろうと早朝の学校に。 しかしそこには見た目麗しい黒髪の女子高生が!名は津村沙世子。 偶然にも名はサヨコ。転校生である謎多き彼女はいったい何者なのか? サヨコゲームの目的と謎を突き止めようとする天才高校生関根秋。同じく天才の沙世子が気になって仕方ない。平たく言えば好き。 同級生の花宮雅子と唐沢由紀夫。こっちはお互い好きで好きでたまらない。サヨコゲームなんて背景の一部でしかない。お互いしか見えていない。笑 サヨコゲームが粛々を進む中、4人は高校生最後の夏休みを満喫し、秋口から徐々に増えていく模擬試験を消化しながら、いつの間にか受験生という囲いに追い込まれていく。 それでも、高校生活最後の年を目いっぱい生きながら文化祭へ突入! 果たしてサヨコの演劇は成功するのか! そしてサヨコゲームとはいったい何なのか! 子供でもない、大人でもない中途半端な端境年齢期の貴重な生き物である高校生(男女問わず誰かと付き合いたくて仕方ない生物笑)を見事に描き切った青春ホラー?ファンタジーでした。 ここから作家恩田陸が始まったんですね。

    5
    投稿日: 2021.12.20
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    勝手に読んだと思い込んで未読だった(@_@) デビュー作としては驚くしかないほどだけど、これを最初に読んでたらこれほど恩田陸にはハマらなかったなぁ

    0
    投稿日: 2021.11.14
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    ドラマからの原作本。 登場人物の設定が微妙に違ってたりして、少し混乱。ドラマはドラマ、原作は原作でおもしろかった。

    0
    投稿日: 2021.11.04
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    今年20年ぶりにNHKドラマの再放送を見て。潮田玲はNHKオリジナルキャラなんだな。雅子のキャラもちょっと違うし。由紀夫と秋も兄弟じゃないし。夜のピクニックといい、恩田陸は高校生のもやもやや青春を描くのがうまい。一瞬で10代の気持ちを思い出す。

    0
    投稿日: 2021.10.15
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    先にドラマを見終えたので登場人物がドラマではずいぶんチェンジされていたのに驚く。 まずドラマの潮田玲=鈴木杏は全く出てこない。小説では潮田玲の役は花村雅子=松本まりかが務めている。小説に登場する、花村雅子の彼氏役である唐沢由紀夫もドラマには登場しない。小説でラストに学校を燃やす関根秋に恋焦がれる佐野美香子は、ドラマでは教育実習生として登場するので、恋模様はない。 ドラマのストーリーは小説の中の印象的な部分を拾ったもので、小説にある同級生の溝口の家でのパーティーはドラマでは開催されない。 このように小説とドラマは似て非なる作品であるが、どちらも相応の味はある。しかし、出演者の多くが大出世したという点ではドラマに分があり、小説は何となく学園ミステリーファンタジーの域を超えず、のちに直木賞をとった作者が才能と感性で突っ走ってる印象は否めない。

    0
    投稿日: 2021.10.05
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    ドラマを見てから読んだ母は混乱していたが、ドラマを見ずに読んだので、混乱せず楽しめた。 不思議なことは不思議なまま、その部分の受け取り方は読み手に委ねている作品なのかな、と思った。

    0
    投稿日: 2021.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    R3.9.25~10.3 (きっかけ) NHKドラマ再放送で見た後、人から借りた (あらすじ) 津村沙世子……とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコとよばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛、やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包み込んだ、伝説のデビュー作。 (感想) 今更、初恩田陸作品。 テレビドラマを先に見ていたので多少ノイズがあったものの、小説の方がより面白いと感じました(ドラマはあればあれで面白かったですけど)。 中途半端なもやもや感、そして岡田幸四郎さんの最後の「解説」をなるほどなるほどと読み込んでしまいました。 最終的にスッキリ!ではありませんが、個人的には楽しませていただきました。 他の作品も読んでみたいと思います。(今更)

    0
    投稿日: 2021.09.25
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    なんかよく分からなかった。サヨコによって仕組まれたことなのか怪奇的に偶然おこった出来事なのか。謎が解決しないまま読み終わった。

    0
    投稿日: 2021.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これを読んでいる間じゅうに頭の中に浮かんでいたのは 「アナザー」、「冷たい校舎の時は止まる」だった。 この3作のうちで過ごしたかった学生生活といえば本作。 ちょっと懐かしい自分の世代よりちょっとだけ上な世代、昭和な香りの学園生活が描かれているからだろうか? キャラクターが生き生きとして学校行事も楽しんでるのが読んでいてキュンポイント。 そんで、ちりばめられている謎は? 小夜子は二人いたってこと?火をつけるようそそのかしたのはなんで?小夜子に鍵を送りつけたのは誰?文字通りにそうなん?え?これ怪談?? 等、回収されぬまま卒業してしまいました。 でも、読んでて気持ちよかったからいいっかという読後感。不思議な作品です。 満足です。

    0
    投稿日: 2021.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホラー小説の皮を被った青春群像劇。 ホラーと思って読んだら物足りない。 誰彼ともなく始まったゲームかと思ったら…先生が首突っ込んでいるのは少し興醒め。

    1
    投稿日: 2021.09.17
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    「高校時代って、通過地点よ」と私の親友はのたまった。 (そんなー、私は違う、絶対違うよ)と心で思っても、言い返せなかった私。 この恩田陸さんの物語によって、学校って通過地点ではけしてないんだよと賛成してもらった。 『そうして、こうして四人で過ごせる最高の時間がほんの少ししかないことも、彼は心のどこかで承知していた。』(P103)『やがては失われる青春の輝き』(裏表紙より)がぴかりと光る。 『学校というのはなんて変なところだろう。同じ歳の男の子と女の子とがこんなにたくさん集まって、あの狭く四角い部屋にずらりと机を並べているなんて。なんと特異で、なんと優遇された、そしてなんと閉じられた空間なのだろう』 3年ごとに入れ替わる生徒、それを迎え、見送る先生。しかし先生と生徒の話ではない。学校という箱が迎え、見届け、見送るのだ。その『閉じられた空間』の中で皆が主人公になりたくて、否、主人公であると主張して、あるいは密かにそう思って過ごしていく。 若くてしなやかな心は美しいものにも、邪悪なものにも触れていくものだ。 恩田陸さんのデビュー作品。しっかりとした青春物語なのだが、ファンタジーであり、恩田さん御本人もおっしゃっているようにその後の作品のソースは網羅されている。

    0
    投稿日: 2021.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリと若干ホラー、それ以上に青春小説。 ミステリとして読むと、若干物足りないかも。青春小説としては、再現度が高いです。あの頃が思い出され、そこにファンタジー要素を掛け合わせる。同著『夜のピクニック』の雰囲気を感じ取りました。 学校という同じ方向を向いた同年代が、限られた場所で作り上げるストーリー。 大人になって振り返ると、狭い世界にも関わらず、誰も再現できないのがおもしろい。 そんなことを思いました。

    0
    投稿日: 2021.09.14
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    再読。 懐かしい。今読むと少し時代を感じる。言葉遣いもそうだし、「共通一次」時代だ。 そしてやはり「学校」も懐かしい。 恋愛も友情も。何かに向けて全員でエネルギーを費やす熱量も、独特なヒエラルキーも閉塞感も集団心理も。 これらが絶妙に作用し合ってミステリーのようなホラーのような青春小説のような…不思議な魅力のある作品だなぁ。

    0
    投稿日: 2021.08.30
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    高校3年生のあの慌ただしい描写と、ホラー要素(?)が織り交ぜながら書かれている小説。 特に文化祭の朗読する場面は、太字で表記されていて臨場感があって本当に怖かった。 結局最後まで津村小夜子という少女の存在がはっきりとは書かれることがなかった。 最初に読み始めたときは、津村小夜子は二番目の小夜子の怨念としての生まれ変わり的なものかと思っていた。 しかし、最後まで読み進めると、二番目の小夜子と黒川という教師が、学校という狭い世界で作り上げられている奇妙な出来事なのか?という感じだった。 あまり読んだことがないジャンルと不気味さで読むのを挫折しかけたが、関根秋(しゅう)の秀才で、小夜子伝説の事実に迫ろうとしている姿が勇敢で、読む気力を手助けしてくれたような気がする。

    1
    投稿日: 2021.08.22
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    この2021年の7月31日~8月2日にかけてドラマ版再放送を観て,原作を読むに至る. ドラマ版もかつて2000年だったか,当時小学校高学年ながらすべて観た記憶があった. 小説版は若干登場人物の関係性や内容がドラマとは違って,小説版での火災までの流れはとても怖い. 小説版には小説版の良さ,ドラマ版にはドラマ版の良さを感じた作品! うたごえ喫茶はしっかり両方に出てくるところがなんか面白かった.

    0
    投稿日: 2021.08.22
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    私は一体何を目撃したんだろうか。 誰が、何のために、誰に、何をした?? あれもこれも、伏線がたくさんあるのに何も回収してくれないもどかしさ。きっとこんな感じでサヨコも続いていくのかな。

    0
    投稿日: 2021.08.17
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    秋くんなんかあまりにも輝ける未来と可能性が彼を待ってるのが見えて見えて羨ましくて妬ましくて ドラマの再放送を見たので再読。 読み返すとやっぱり全然違うお話。だけど両方いいね。 沙世子と秋、なんかこう、くすぐったいというよりはジンジンするな。 普通の女の子なんだよな。津村は。

    0
    投稿日: 2021.08.14
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    再放送のドラマをみてまた再読。 集団心理の怖さと先生の執念。 ドラマだと余計怖さがあった。 テレビは転入生のサヨコがまた転校していきそこで伝説のサヨコが始まる になっていたけど、小説ではサヨコは転入先で大学に合格する所で終わるが、人を操る怖さ、視えない怖さではなく、人の感情の怖さがある。 作者自身が人を観察する能力に長けているのかも知れないと思わせるような作品。

    0
    投稿日: 2021.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わたしはこういう美しい女子学生がもってるミステリアスな雰囲気を利用して引き込んでいくような小説がたまらなく好きだな。 学生生活をすこしだけ大人びた目線で描写するから、当時はまるで分かってなかった、あのとき独特の、形容し難いキラキラした時間の儚さに改めて気付かさせてもらえた。 正直理屈屋の秋くんが納得するような、全てのパーツがしっくりハマる、みたいな結末を期待してしまってた分、ちょっともやもやしたラストだったけど、この「結局なんなんだったんだろう」みたいなほうがサヨコ伝説らしいよね。あれだけ怪しかった沙世子の発言、男子校生たちを襲った犬たちはなんだったんだろう。由紀夫の謎の力がはたらいているみたいな発言は的を得ていたのかな。 秋くんの〈時々、このまま永遠に自分の中に焼き付いてしまうのではないかと思う瞬間がある。今がそうだ。いつかきっと、こんな時間を、こうして隣でだらしなく学生服を着て無防備な顔で話しかけてくる由紀夫の声を、懐かしく思う時が来るに違いない〉 とか、 「由紀夫はひりひりするような焦燥感を覚えるのと同時に、この状態をとても気に入っていた。四人で過ごす夏は『パーフェクト』な感じがした。もちろん雅子と一対一でつきあいたいとは思っていたものの、それよりもこの四人で時間を過ごすことの方が、何か特別で大事なことであるような気がした。そして、こうして四人で過ごせる最高の時間がほんの少ししかないことも、彼は心のどこかで承知していた。たとえ四人が大学生になって再会したとしても、もう二度とこんな一体感、この四人がいるべき場所にいるという、世界の秩序の一部になったような満足感を味わうことはないだろうと。」 とか。 ああそうだったなと思う。後者については特に。まさに好きなひとがいる4人で大学生活を過ごした身として、よくよくわかる。有限なのもわかったうえで謳歌できる自由。なんて素晴らしい日々だったんだろう。そして、後から再会してももう二度と味わえない一体感というのもわかってしまうから切ない。「あの時の楽しさ」をいつも何処かで求めながらみんなと会っているような気がする。青春ってすごいな、悲しいなあ。 あと刺さったなあという一節。 「沙世子はこんなふうに、美香子が思い付くままに話したことをつないで、美香子が思ってもみなかった自分の考えや性格を、目の前にどんどん広げて見せてくれる。しかし、沙世子が美香子の中身をどんどん引き出しては二人のあいだにさらけだしているのに比べ、沙世子の方はほとんど何も美香子に見せていないということに美香子は全く気がついていなかった。世の中にはよくこういう種類の人間がいる。いつも自分の話しかしていない、たくさんの人としょっちゅうお喋りしているように見えても、結局相手を媒体として自分を反芻しているだけ、という人間が。美香子は沙世子が自分に多くのものを与えてくれた、と彼女に感謝していたが、その実、沙世子は美香子に何も与えてはいなかった。単に彼女が自分を反芻する媒体に、あえてなってやっていただけである。気持ちよく他人を反芻させてくれる人間など、特にまだ思春期の中にある若い世代におあてはそうそういるはずがないから、美香子がその居心地の好さにめろめろになってしまったのも無理はない」 女の子の核心をつくなあと、わたしは昔こういう相手を全肯定して分析する立ち回りをしていたけど、無駄に相手を気持ちよくさせてたんだなあ、恩田陸さんは女性らしい小説を書く。すごい。

    0
    投稿日: 2021.08.07
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     著者のデビュー作。学園・青春ものという括りになるのだろうけれど、その実ホラーやミステリーの要素もあり、この作品の終着点はどこなのだろうと思ってしまう。  本作のクライマックスはやはり中盤の学園祭の模様。集団心理が巧みに表現されており、ついその場面が映像として思い浮かんでしまう。この場面はまさかの幕切れではあるが、印象として強烈に残る。

    0
    投稿日: 2021.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学園ホラーミステリー。綾辻行人『Another』のあとがきにて、本作も『Another』のアイデアのもとになったということで気になって読んだ。 恩田陸さんは、閉鎖空間を描くのが昔から得意なのだと思った。本作は、学校という閉じられた空間についての記述が多くあり興味深かった。また、文化祭の劇がとても面白かった。「真っ暗闇の体育館に全校生徒が集まり、一人ずつ短い文章を読んでいく」という設定が凄いと思った。また、集団心理の怖さを思い知った。普通の劇にしたら怖くない照明や効果音も、皆が異常な心理状態の中ではとんでもなく悪趣味なものとなるのだと思った。 この作品は、ミステリーの面だけでなく、青春群像劇として学園生活が描かれていて爽やかな印象だった。 クライマックスの火事の場面で、小夜子が浮かび上がったのを関根秋は見たが、結局それは謎のままだった。ミステリアスな存在として描かれていた小夜子も普通の学生であり、核心部は謎のままだったが、それはそういうものだと思うのでいいと思った。

    0
    投稿日: 2021.07.18
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    面白かった、やっぱり面白かった! 小さい頃に読んで「意味が分からないけれど面白い」という印象だけ残っていた本。 今読み返しても緊張してざわざわして、でもにやにやするし懐かしくなった。 エピローグの『彼女』のあたりも今読むとすんなり理解できた。 恩田陸は好きだけれど、こんなのはもう書けないのかなあと思うと、勢いって大切。

    0
    投稿日: 2021.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表紙に目を奪われてつい手に取った恩田陸さんのデビュー作「六番目の小夜子」読んでみるとミステリーというかホラーというか、とにかく不穏な空気感、、、。1296人もの生徒が行動に集まり、1人ずつセリフを言っていくことで成立する芝居、それこそがこの本のタイトル「六番目の小夜子」だが、このシーンの不気味さはなかなか忘れられないものとなった。 p.21学校というのは、なんで変なところなのだろう。同じ歳の男の子のと女の子がこんなにたくさん集まって、あの狭く四角い部屋にずらりと机を並べているなんて。なんと特異で、なんと優遇された、そしてなんと閉じられた空間なのだろう。

    3
    投稿日: 2021.06.24
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    青春群像劇にファンタジー要素が時折見えるなんとも言えない雰囲気の作品。 気になっていた伏線が投げっぱなしで終わるのが少し残念。(そこはファンタジーだから?)

    1
    投稿日: 2021.06.09
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    あまりピンとこなかった。火事にするのも好きじゃない。もっとしっかりトリックを明かして欲しい。「響」で主人公がこの本挙げてたから読んだんだけどな。

    0
    投稿日: 2021.06.02
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    ミステリーホラーなのだけれど、どこか暖かさも感じられた。小夜子の想いを知りたい、守りたい、伝えたいという気持ちの交差があってとてものめり込みやすい本でした。

    0
    投稿日: 2021.06.01
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    読むのは、たぶん3回目。 最初は、ハードカバーが出たばかりの頃読んで。2回目は、文庫で数年前。 最初の時は、とにかくそそられる展開のわりに、結末があやふやでガッカリで。 その後、『月の裏側』を読んだ時、やっぱり後半が「はぁ?」な展開だったことで、恩田陸は2度と読まない!と誓った記憶がある(爆) とはいえ、人(読者)なんてもんは、いい加減だから(^^ゞ 例の『夜のピクニック』は読んだし。『黒と茶の幻想』も読んだ。 ま、『夜のピクニック』はともかく。『黒と茶の幻想』を読んだ時は、「この人は相変わらずだなぁー」ってw 恩田陸は2度と読まない!と、再び誓った(爆) 2回も「恩田陸は2度と読まない!」と誓ったのに、また読んでしまったのは、別に自分がいい加減だからではないw たんに、『ユージニア』が回ってきたからだ。 机に『ユージニア』が置いてあるのを見た時は、「誰だよー、恩田陸寄こしたのはぁー!」って(^^; 読まないで他の人に回そうかと思ったのだが、「ユージニアって何だよ?」とそれが気になって読み始めちゃったんだと思う。 そしたら、「なんだよ。これ、面白いじゃん!」ってw その後、『まひるの月を追いかけて』を読んだら、それもよくて。 じゃぁと再び『六番目の小夜子』読んだら、そのあいまいな結末に、「あー、つまんねー」ってw でも、そのつまんなさに、恩田陸って何で人気があるんだろ?と逆に著者に興味が湧いてきて。 著者が“プロットを作って書いた”と言ってた、『不安な童話』を読んだら、もっとつまんなかったと(^^; でも、逆に「恩田陸って、結末があやふやな話の方が面白いんだなー」と気づいて。 その後は、読み終わった後、あやふやな結末にツッコミを入れるのが楽しみという嫌ぁ~なファンになった(爆) そんな嫌ぁ~なファンが3度に読んだ『六番目の小夜子』の評価は、前2回とは違い、「もうスゴイ!」のひと言w あとがきで、“初めて書いた小説で、3週間くらいで書いた”みたいなことが書かれていたが、そんな風に一気呵成に書いたからこそなんだろうなーと思う反面、だとしても、よくここまでユニークな設定を思いついたなーと驚いてしまう。 『六番目の小夜子』は92年に発表されたらしいが、あの時代、いわゆるバブル前後の日本のエンタメ小説界って、宮部みゆきの初期の一連の小説とか、あと『リング』『らせん』とか。 日本のエンタメ小説界全体に神さまが降りてきてたのかなーなんて思ってしまうくらい、イノベーションがガーっと一気に進んだ(月並みな言い方だけどw)気がする。 とはいうものの、沙世子という人物が、ある場面ではあまりに「オールマイティー」な存在であるのに対し、別の場面では、ごく普通の人として内面を語り出すみたいに、物語に出てくる一人の人物としては齟齬があるのは確かだろう。 この物語が成立させるために、キャラクターが都合よすぎるのだ。 その辺は、いかにも素人小説(著者はこの時点ではプロの作家でなく素人なので、決して批判ではない)っぽいなーと思ってしまう。 ただ、この小説って、その素人小説っぽいとこにこそ魅力があるのであり、また、プロの作家の小説でもなかなか出てこないようなアイデアが盛り込まれているのは本当に感心してしまう。 変な話、プロの作家になって3作目の『不安な童話』なんかより、堂々とした風格があるし。 4作目の『三月は深き紅の淵を』なんかより、全然煌めいている感じがする。 それにしても。著者の青春がどこまでこの小説に反映されているのかはわからないが、著者が通っていた県で一、二の高校の雰囲気って、こんな感じだったのかなーと、今さら憧れてしまう。 自分はバカの高校に行ったのだが、思い返せば、小中学校の時って、この話の登場人物を思わせるヤツがクラスにいっぱいいた。 全部が全部じゃないけど、ソイツらって、やっぱり頭のいい高校に行って。名の知られた大学に進んだ。 大学の頃、その何人かとたままた会って、ちょっと話をしたりしたけど、やっぱり魅力があった。 そういうヤツらと過ごす高校の3年間って、どんなだろう?と思うと、中学生の時、もっと勉強しとけばよかったなーと後悔しきりだ(^^;

    9
    投稿日: 2021.05.05
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    「学校の伝説、言い伝えに翻弄される学生たち」という感じに進んだ印象。登場人物それぞれの青春群像劇要素があり、話も徐々に複雑になってきて、最後は全ての伏線が回収されたのかどうか疑問が残った。 ホラー要素も含んでいたため、読み応えはあったが興味を唆るような謎めいた表現を使う割に、結局それぞれがどういう立場だったのかあまり読め取れなかった。 オチや伏線回収に理解は出来たけど、納得はできなかった。

    0
    投稿日: 2021.05.02
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    ホラーというより、二度と戻れない青春時代の尊さを感じた。登場人物一人一人の心情が表れていて感情移入したり、意外な一面も見られる部分が面白かった。

    0
    投稿日: 2021.05.01
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    恩田陸さんの本は、実は「夜のピクニック」しか読んだことがなく、他の本も読みたいな…と思いつつもなかなか手が伸びずにいた。 表紙が印象的な(ドラマ化した際の津村沙世子役栗山千明さんを彷彿とさせる)文庫版の表紙。 地方の進学校の文化祭で行われる演劇発表。 そこに絡められた三年に一度割り当てられる謎の「サヨコ」の役割…。 登場する高校生たちが昭和の青春ドラマに出てきそうな雰囲気(漫画で言うと「生徒諸君!」ああ懐かしい)。 スピード感あるミステリーで、ぐいぐい読めたが、最後の方がちょっと「ん?ん?ん?」と苦しい気がしてしまった。 しかしこれがデビュー作だなんて、驚きだ。 やっぱりほかの作品も読まなくちゃ。 2021.2.17

    26
    投稿日: 2021.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    当時観ていたドラマの断片が鮮烈に記憶に残っており、今になって原作を読んでみる事にしました。 果たしてこれは奇妙な学園ホラーなのか、平熱の中での青春ストーリーなのか、どちらに軸足を置いた作品なのか、一面と一面が交互にひっくり返りながら物語が進展するので、主題である『サヨコ』という現象への関心と緊迫に全く張り合いを感じませんでした。ページを捲る手が重たかったです。 登場人物同士の恋愛模様にしても、登場時からお互いの関係値がほぼ完成している所から始まっている為、展開を予測したり、感情移入する隙がありませんでした。 登場人物の人物造形もどこか記号的で今一乗り切れません。群像劇なので、それぞれの視点が入れ替わって行く構造は正攻法だと思うのですが、得体の知れないキャラクターとして現れたはずの『沙世子』の視点が挟まれる事に戸惑い、等身大の女の子的なモノローグが吐かれたりする事に混乱を覚えました。 学生たちの平凡な青春を描いたお話でも、学生たちの奇妙な非日常を描いたお話でも、どちらでも構わないのですが、どちらかにもっと焦点を絞った作風の方が自分の好みには合うようです。 終始、自分は何を読まされているんだろう…という思いが拭えないまま、読了となってしまいました。

    0
    投稿日: 2021.04.14
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    思ったよりホラーではなくそれよりも高校生の青春!という感じの描写が多かったイメージ。文章がくどくなく、登場人物の掘り下げや人物同士の絡み方などが素晴らしかった。はっきりとしたオチはついていなかったため読後はしばらく「?」となってしまったが、すごく読みやすい学園物だった。

    0
    投稿日: 2021.04.10
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    ホラー小説らしいと身構えて挑んだけれど、そこまで怖くなかった。作中人物が考察しているとき、意味深な沙世子の発言以外は、普通の青春小説に近かったと思う。どっちかと言うとミステリかな? ただ普通の人間がやったにしては説明がつかないこともあるので、最後まで謎は残る…… 全体的には読み進めやすかったので星4です。

    0
    投稿日: 2021.04.06
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    ホラーが全面に出てるのかと思いきや、青春っぽい描写が意外と多くて読みやすかった。 「学校とは」っていう内容を何度も書かれてて、確かになぁって思う内容が多かった。確かにあの人数で日常生活を送るにはあまりにも狭い部屋に同じ服を着て同じ話を聞いている。「それが今の全て」って勘違いしてしまうほどに学校生活中心に毎日がまわっていて、しかもそれに対して誰も違和感を抱いていない。「小夜子」の伝統も、皆が持っている情報が確かではないために「〜らしいよ」という付加情報がひとり歩きした結果なんだろうと。 「呼びかけ」方式の劇は畳みかけるように大勢の人が物語を作っていく中で、内容が直接怖いわけではないのに聞いている人の不安を煽っている。みんなが知っていることなのにいざ口に出すと、心のどこかで迷信だと、根拠のない噂だと信じていたことが現実になってしまうんじゃないか、という不安感が伝わってきた。すごい、、 人に言って、またその人が他の人に言って、という過程で言葉の伝え方や受け取り方に差が生じるのは当然で、噂って広まっていくうちに徐々に形が変わっていくのが怖い。

    0
    投稿日: 2021.03.23
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     恩田陸さんの「伝説のデビュー作」とされた青春ホラー小説。1992年に初発。伝説の、というのは単に本が絶版になったからであるらしい。  読んでみたが、怖くはなかった。というより、「恐怖」に結び付くような要素はごくたまに出てくる程度で、これではホラー小説にはならない。  文章は、ちょっと改行がうざったい。いくらか生硬な表現が見られるのは若書きのせいか。その後の恩田陸さんの作品を読んだことが無いので判断できない。  極めて俊敏に・自在に視点を人物たちの間で飛び回る「神の視点」の書法は、まあ、本書に関してはついて行けないほどではなかった。  しかしここまでややこしいゲーム・システムが伝統として高校生たちの間に引き継がれている、という設定がそもそもあり得ないことのように感じられたし、内容の緊迫感の無さは青春ホラーということで期待していたのにがっかりしてしまった。ホラーというよりミステリに近いか。若書きのデビュー作なので本作に関しては割り引いて評価するほかないだろう。

    0
    投稿日: 2021.03.07
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    子供の頃、栗山千明さんがこのドラマをやっていたのが強く心に残っています。 内容は覚えていなかったのですが、 不気味な曲がテーマだった気がするので もっとホラーな感じかと思いましたが 意外と青春を感じられるというか。 高校生の頃が懐かしくなりました。 怖い話が読みたい方 次々展開する話が読みたい方は物足りないかも。 ちょっと変わった学園ものとして 私は楽しみました。

    0
    投稿日: 2021.02.03
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    どうも恩田さんとは相性が悪い。 この作品も有名であり、タイトルと表紙に引かれて手に取ってみたものの、意味が分からなかった。 なんなんだろう?

    2
    投稿日: 2021.01.22
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    言葉選びが天才。これがデビュー作か、すごい。 「この先どうなるんだろう?」というわくわく感がずっとあり、楽しかった。 オチらしいオチがないのも魅力の一つだ。 凄すぎる。 格好いい表現、気味悪さ、学生・受験生の想い、人間分析の的確さなど、うなるようなことが多かった。また読みたい。

    1
    投稿日: 2021.01.16
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    学校に伝わる「サヨコ」伝説の謎を追う、高校生の関根秋と、彼の友人たちの学園生活を綴った物語です。 その伝説は、卒業生からその鍵を手渡された学生は、「サヨコ」に指名されるというものでした。三年に一度、「サヨコ」となった者は教室に赤い花を活けて、その年の学園祭で上演される演劇を実行委員のところへとどけることが定められています。 始業式の日に教室に入った花宮雅子は、教卓の上に赤い花が活けられているのを目にします。ざわめく教室に、担任の黒川が転校生・津村沙世子を伴ってやってきます。 生徒たちを長年見てきた黒川は、「学校というのは回っているコマのようなもの」だといいます。「コマはずっと同じ一つのコマだけど、ヒモを持つ人間、叩く人間がどんどん変わっていく」。生徒たちは、そんな学校に毎日通って、家に帰って、勉強します。由紀夫はそのことが「非現実的」だと疑問に感じていますが、それに抗うことはありません。彼の毎日は、ただ精一杯に学園生活を送ることで彩られています。 毎年何人もの生徒を送り出し、新たな生徒を迎え入れる「コマ」の回転が、秋や沙世子、雅子や由紀夫たちの輝いている姿を映し出していることをえがいた作品といえるように思います。コマの外でそれらを見ている黒川も、その輝きに魅せられている一人です。「管理と自由などという紋切り型に回収してしまっては、著者と物語に礼を失してしまう」と「解説」がいうように、そこからの脱出を指し示す物語ではありません。これを示しているのが、学園祭で演じられる「六番目の小夜子」です。「六番目の小夜子」の上演は、実行委員の設楽正浩の思惑を超えて、全校生徒が一気に緊迫した物語に雪崩うって加速し、竜巻の発生という偶然をも巻き込んでクライマックスに達することになります。それが、「サヨコ」伝説という「コマ」を回している生徒たちが映した輝きなのかもしれません。

    0
    投稿日: 2020.12.28
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    普通の日常は過ぎていくのに…その中で長年信じられて引き継がれてきたことがただの日常を変えていく。 なぜか物語に引き込まれてしまう、次の内容が気になってしまう小説です。

    1
    投稿日: 2020.12.14
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    ホラーチックな学園ものというイメージ。 学校で伝わる噂ってなんでこんなにワクワクするのだろう。人によって内容の色が変わったり、濃さが変わったり。 その中でどうしても真相が気になってしまう秋の気持ちが手に取るようにわかった。 ただクライマックスにかけて、頭の中に?が浮かぶことが多くなってしまって。 時間を空けてもう一度読もうと思う。

    8
    投稿日: 2020.11.11
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    ハラハラして続きが気になって一気に読んでしまった。 怖くないって言われて読み始めたけど、やっぱ怖かった。 自分の高校を思い出して、重ねてしまいました。文化祭とか懐かしいなぁ。 2012年11月25日 00:34

    0
    投稿日: 2020.10.03
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    ピクニックが面白かったのでこれも手にとってみた。 サヨコの捉え方の変遷が面白く一気に読み進められた。 最後はそこかい!

    0
    投稿日: 2020.09.23
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    小学生時代、映像化された「六番目の小夜子」のタイトルはあまりに有名で、学校の怪談が流行った時期でもあり「怖い話」の代表、というイメージがずっとあった(自身は観たことはなかった)。映像のタイトルとして認知していたため、恩田陸さんのデビュー作と知ったのは最近の話。 「ワープロ」や「共通一次」など、時代を感じさせる単語がちらほら。「センター試験」ももうじきそうなってしまうのだろうけど… 途中まで面白く読んでいたのに、最近種明かしされてスッキリ終わるミステリーものばかり読んでいたためか、なかなかスッキリ終わらない本作に拍子抜けしてしまった。解説を読んで少しホゥと思ったけど、謎は読み返してみても謎のまま。。読むたびに違う解釈が出来そう。サヨコが表題だけ「小夜子」となっているのも気になる。 秋が一人で部室にいる時の「突然、一切のものが沈黙し、部屋中の空気がぶわっと音を立てて膨らんだ」という文章にはとても引き込まれた。矛盾した文章なのによく分かるし、自分が体感したように想像できる。 文化祭の呼びかけ芝居、面白そう。

    13
    投稿日: 2020.08.26
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    物語の中心に謎があってその謎にせまっていくようなこういう作品の場合、その謎のシステムを明らかにしすぎると「なあんだそんなことか」と白けてしまいかねないし、逆に謎を残しすぎると「結局どういうこと?」ってなってしまうので、そのバランスが難しいと思う。 ある程度種明かしして解決する話のほうが多分一般的には好まれるのだと思うが、個人的には解決されない謎がふんわりと残っていて、読者がいろいろと思いを馳せる隙が残されている作品が好きです。そのへんの塩梅がとてもうまいのが森見登美彦だと思っています。 で、その森見登美彦氏がおすすめしていたこの本、個人的にはちょっと種明かしされすぎていて、もうちょっと謎は謎のまま残しておいてほしかったという気もしましたが、読み進めるにつれて中心にある謎にどんどん引き込まれてのめりこんでしまう作品でした。

    0
    投稿日: 2020.08.13
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    中学生くらいのときにNHKで放送されていた「六番目の小夜子」。栗山千明ちゃんと鈴木杏ちゃんが出ていて、ホラーちっくでこわいなぁと思った記憶があります。 その原作者が恩田陸さんと知ったのはいつだったか。こわい印象があったのでなかなか本を取る気になれずにいたけれど、思いきって読んでみたら思ったほどこわくなかった ・・・。 恩田陸さんの描く学園ものになぜこうも惹かれるのかわからないけれど、学園ものが読みたくなったら恩田陸さんだな、と思います。

    2
    投稿日: 2020.08.13
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    恋愛 青春 ミステリー 背中がゾクゾクする怖さもあり でも最後は爽やかで キュンとする恋もあり この話の世界に引き込まれました。 臨場感があり、音が聞こえてくる感覚になります。

    4
    投稿日: 2020.07.11
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    名取佐和子さんの『金曜日の本屋さん』で紹介されていて、一度読んでいた本ですが、全く覚えていなかったので、読みたくなり再読しました。 恩田陸さんのデビュー作で、ファンタジーノベル大賞候補作。 作者あとがきによると「こんなの二度と書けないと思うし、それでいて既に私らしいところは全部入っているなあと思う」そうです。 ジャンルでいったら、学園ホラーとでも言ったらいいのでしょうか。 学校のとある隠れた『行事』で3年に1回、その年の『サヨコ』が代々、決められ、指名された者は、自分が『サヨコ』であることを悟られることなく、年に一つのすべきことをやりとげることができれば、それがその年の『吉きしるし』でありその年の『サヨコ』は勝ったことになるそうです。 花宮雅子、唐沢由紀夫、関根秋らが三年生になった、その年は『六番目の小夜子』の年でした。 その年の『サヨコ』は既に決まっていましたが、神戸の名門高校からとびきりの美少女である津村沙世子が転校してきてから事件が始ります。 雅子と沙世子はすぐに親しくなり、由紀夫と秋で四人のグループになります。 秋は『サヨコ』の謎をつきとめようとして、沙世子にも疑いを持ちます。 そして、以前の『サヨコ』の一人で交通事故で亡くなった『サヨコ』の名前が津村沙世子であったことを知り、愕然とします。 怖かったです。 津村沙世子とは一体誰なのかと思いました。 一体、どんな謎が隠されているのか。 なぜ、沙世子には超能力があるのか。 悪人なのか、善人なのか。 事件の黒幕は誰なのか。 そもそも事件とは何なのか。 最後まで読むとおおよその謎は解けますが、整った、整合性のあるミステリーではなく、ホラー小説といったほうがいいかと思いました。 怖かったけど、面白かったです。

    60
    投稿日: 2020.07.05
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    ホラーやと思ったら、ホラーちゃうかった。ちゃんとした青春小説。体育館での全校生徒で行った行事は小説ならではな気がしてハラハラした。

    1
    投稿日: 2020.06.25
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    思春期心性に潜む悪意。 この物語を読み始め、どうやら自分は学園モノは好かないらしいと思った。 思春期心性に潜む、恐ろしい悪意の存在。 思春期にあるヒトは恐るべき悪意と尊敬すべき崇高さを持っている。 そして、この物語もまた、そんな思春期心性の物語である。 この物語についてほとんど言うべき言葉は見つからない。 ただ、思春期心性に潜む恐るべき、そして愛し、無条件に受容し肯定すべき悪意の物語であるのはきっと間違いないだろうし、その悪意に魅入られたままの大人がいるのも、これは理解できなくはない。

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    投稿日: 2020.06.01
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    数十年ぶりの再読。 共通一次や言い回しなど、ときおり懐かしいものも。 高橋留美子のホラー作品が去来するような、足下からくる恐ろしい場面も。 群読のくだりが一番好きだ。学生さんたちにやってほしい。

    1
    投稿日: 2020.05.22
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    途中まですごく面白かったけどラストで失速した印象。佐野必要だった? 学園祭の劇のところが圧巻でよかった。読んでてドキドキした。 しかしミスリードならそれとして扱って欲しかったなぁと処女作に対して思うのはよくないかな… 後半の由紀夫と雅子のキューピット役めっちゃうざかった。余計なお世話だこのヤローども。

    0
    投稿日: 2020.05.20
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    ドラマ大好きだったなぁ。このドラマの影響でアンティーク調の鍵のネックレスに憧れていたのを思い出した。

    0
    投稿日: 2020.05.14
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    爽やかな青春小説♪ と、見せかけたミステリー。かな? 最後まで結構謎が残ってて、 もやもやした不思議な気分が残るお話でした。 怪談や言い伝えって昔からなぜか学校によく伝わるものだけど、 なぜそれらの場所のほとんどが学校なのかが これを読むとなんとなく納得いくような気がします。

    0
    投稿日: 2020.05.13
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    3年に一度の学校の伝統。またサヨコが現れた、、、 学校を舞台に青春、友情、恋愛をストーリーに混ぜながら、不気味な伝統『サヨコ』の謎に触れていく。 受験という大一番を控えた彼が何故サヨコの謎を追い求めるのか。 果たしてそれは自分の意思なのだろうか。またサヨコは続いていくのだろうか。 面白くて一気に読んでしまった。

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    投稿日: 2020.05.02
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    恩田先生のデビュー作 後の「理瀬シリーズ」や恩田作品の原型は、すでにこの時にできている 三年に一度現れる“サヨコ伝説”、その伝説の年に転校してきた津村沙世子…もちろん誰もが羨む秀才で美人 この年、サヨコ伝説は展開されているが、果たして6番目のサヨコは誰なのか? 津村沙世子の正体は…? 進学校の3年生という慌しい時季の、一年間の掛け替えのない大切な想い出 学園祭の全校生徒を巻き込んだ劇はゾクゾクした ドキドキの学園ミステリーは、影の仕掛け人の意外な素顔にちょっと幻滅するも、現実とはそういうもの 主人公の沙世子と秋の青春期の魅力がまぶしい ドラマでは沙世子役は栗山千明だったみたいだけど、多部未華子が適役

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    投稿日: 2020.04.18
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    六番目の・・・。ってトイレの花子さん的な?と思いつつ妙に惹かれて読み始めた。あぁそういう事ー!面白いじゃないですか恩田さん。デビュー作?凄いぞこの人。初めて恩田作品に出会ったのがコレでした。

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    投稿日: 2020.04.14
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    これがデビュー作品とは… もう脱帽ですね。 ホラー、ミステリー、恋愛、色々盛りだくさんで、純粋に面白かったです。

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    投稿日: 2020.03.11