
総合評価
(185件)| 27 | ||
| 52 | ||
| 53 | ||
| 13 | ||
| 6 |
powered by ブクログ小説だからあたりまえに「うそ」なんだけど、それでも虚実綯交ぜと言いたくなるような見事、豪華な登場人物たちに終始胸が踊りっぱなしでした。 だってワトソンくんが主人公で、ドミトリーとかアリョーシャが出てきてリットン調査団に榎本武揚だよ!!! 内容的には貴志祐介の「天使の囀り」とかそれこそ伊藤計劃の「虐殺器官」的な感じ。こういうのめっちゃ好みなんだよなー。
0投稿日: 2016.03.03
powered by ブクログ先に映画で見ました。 映画とは全く別物で、でもとても楽しく読了。 2時間の映像にこれを収めるきるのは無理ですね。
0投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ面白かった!が、理解できない部分もたくさんありました。 円城さんの文章難しい……。前2作に比べ、一番読むのに時間がかかりました。いやいやその説明1行でよくない!?一言でよくない!?っていうのがたくさん……。たぶんわたしの理解力が足りないせいですが。 ハーモニーに続いて読みましたが、虐殺器官、ハーモニー、本作の順で読めて良かったです。 ハーモニーでは人々の調和を保つため人の意識(脳内会議による選択)を手放した結果、器のみが生き続けることを人類は選択しました。それに対して屍者の帝国では、死んだ後の身体(魂のなくなった器)を巡り、魂とは何かをワトソンが探して行く姿が描かれています。映画と原作ではこの魂の捉え方に違いを出していたところが、とても印象的でした。 原作では、「魂=言葉」であり、人の意識は菌株による決定で、結局自分の意志や意識は何をもってして選択されているのかという結論は曖昧であったと思います。映画ではそこのところをワトソンとフライデーの関係性に重きを置き、魂を意志と捉え、フライデーの中に魂を見出すことに必死になります。特に機械人形という設定のアダリーはもっと感覚的に魂を求め、感じようとしていたように思いました。 また、3作品すべて読んでみて、エンタテイメントとして面白いだけでなく、戦争という現象を引き起こす人間の本質に迫るテーマや世界観設計は、どこかこの世界の地続きのように感じます。 あとがきにもありましたが、今の世界を、そしてこれからの世界を伊藤計劃さんの目を通してみたらどのように見えるのか、どのような物語になるのか、もっともっと見てみたかったです。
1投稿日: 2016.02.12
powered by ブクログ夭逝した人気作家の未完の書を引き継いで完成させる。これはキツい仕事だろうなー。 しかし、この作品はそんな物語関係なしに面白い! 構築された世界の突拍子のなさと変なリアリティ。何より、このオールスターキャスト!彼らがさも必然的に動きだす!
0投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログとにかく難しかった。 伊藤計劃と円城塔 って時点である程度は覚悟してたけど、予想通りの難しさ。 あらすじについては円城塔のあとがきの言葉を借りるなら、いわゆる歴史改変ものであり、死者を労働力とした世界の話です。 死体に電極を差してビビってやると、死体をプログラムした通りに動かせる技術ってのがあり、そこにフランケンシュタインやら、ヴァン・ヘルシングやらのオカルトチックな名前を冠した人達が出てきたりって話です。
0投稿日: 2016.02.05
powered by ブクログ読むのに三ヶ月ほどかかってしまい、結果的に2016年最初の読了本になった。それほど私にとっては難解な内容だった。 円城さんの作品にはじめて接したのは短編の「Four Seasons 3.25」だったが、そのときも読み切るのにたいそう時間がかかり「この人の文章は難しいな」と感じていた。こうして改めて正面からとり組むと、もう全然進めない。映画を観ていなかったら、話の流れをつかむことさえままならなかったかもしれない。あと、歴史上の人物がたくさん出てきたらしいのだが、あまり世界史が得意でない私にはほとんどわからず、自分の浅薄な知識を再認識させられた。 テーマは死者と生者の間によこたわる魂と言葉の意味、というように感じたが、自信がない。物語は、なにかひとつの答えや主張を示すのではなく、さまざまなことがらが疑問のまま収束しており、これはこれで納得できた。あとは、あとがきがとても冷静なのにどこか感傷的で、私の心の琴線に触れた。
0投稿日: 2016.01.22
powered by ブクログ映画化の影響で読み始めたのだけれど、読み終わるまでに結構かかった。もともと読むのは早く無いしたくさん読む方でも無いですが、それにしても初めて聞く単語や設定が多く、特に後半、それらを飲み込むのに時間を要しました。 ただ全体としては感情をほとんど持ち込まなない淡々とした文章や(その中で感情を感じる文章には惹き込まれました)、練られた内容、用意された答え、クライマックスの疾走感と楽しんで読むことが出来たと思います。おもしろかった。
1投稿日: 2016.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子どもの頃、私にとって「一番恐ろしいもの」は暗闇やお化けだった。 思春期を迎えた頃には、「結局は人間が一番怖い」と考えていた。 そして今、私が一番恐れているものは、「死」だ。 こうして書き、語り、考えるということができなくなること。 こうして死について考えている“私”さえなくなってしまうこと。 私にはそれが何よりも恐ろしい。 だから、よく「どうすれば死なずにいられるのだろう」と考える。 結局、「死とは?」「私(魂)とは?」そこに行きつかずにはいられない。 たとえば、未来に人体の全てが明らかになって、全てが機会、あるいは今の私が持つ、たとえば脳が、全く同じ形・構造・神経回路のものと入れ替わったとして。 その時、私は今の私と同じなのだろうか。 その時、“私”はいるのだろうか。 多分、この作品は、それに“ノー”と答えている。 舞台は、19世紀末。 フランケンシュタインをきっかけに生み出された“屍者”が全欧に普及し、戦場のみならず日常生活においても利用されるようになった世界。 彼らは人の姿を持ち、生命反応もあるけれど、生者とは決定的に異なる存在だ。 意思はなく、魂も持たない。 それもそのはず、彼らは死体の脳に電極を刺し、ネクロウェアをインストールしただけの、動く死体にすぎないのだから。 当然、屍者は生前の彼らとは全く別物のはずだ。 ヴィクターの手記によって魂をインストールされたと思しきフライデーもまた、エピローグの独白を見るに、以前の彼とは違うようだった。 だとすれば、永遠になくならない魂など、やはり存在しないのではないか。 ザ・ワンが復活させた花嫁も、やはり彼の"the one"ではないのではないか。 ワトソンは、二度と元のワトソンには戻れないのではないか。 答えを求めて本を開いたわけではないけれど、結局、疑問は深まるばかりで、何一つ分からないままだった。 きっと、一生死ぬということを理解できる日は来ないのだろう。 確かに、私はどうあっても死を経験することはできないのだから。 だとすれば、私はむしろ、いずれ辿り着くその日まで、ワトソンやバーナビー、バトラー達を先達に、選択の余地なき自由を、それでも選択していくしかないのかもしれない。 正直、そう書いておきながら、その意味が私にはまだきちんと分からないのだけれど。
0投稿日: 2016.01.16
powered by ブクログこれは、理解するのにたくさんの知識を要求してくるなぁ〜。小難しい。テーマがいいので嫌悪はしないけど自分に悔しい。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ伊藤計劃氏、オリジナル作品三作目として執筆された今作。プロローグのみ同氏が、第一部以降は円城塔氏が担当されたと云います。私は円城氏の作品を読んだことがないためどんな文章を書くのか存じませんが、外見上は円城塔氏ではあったかも知れないが、執筆中は伊藤計劃氏の魂が記されたパンチカードがinstallされていたとしか思えない出来である。名作、傑作としか言い様がない作品だ!!
0投稿日: 2016.01.03
powered by ブクログ20回くらい「全然わからない、作者においてかれてる」って思ったのに、それでも面白いってどういうことなんだろ。
0投稿日: 2015.12.28
powered by ブクログ伊藤計劃のプロットに円城塔が肉付けした作品 self refarence enhineを読んで以来、円城塔に苦手意識があったから今まで避けてきたわけだか、劇場公開をきっかけに手に取った 最終盤の流れを除きエンターテイメントだった印象。蒸気機関の代わりに人の屍を使うスチームパンクみたいな感じか。かといって軽いわけではない。意志を持った屍者を追いつつ、意識とは人間とはを問うていくストーリー。ザ・ワンの独白の内容に伊藤計劃らしさを感じた(円城塔が書いてるはずだから気のせいだろうが) 伊藤計劃が最後までかけていればまた違う答えを出していたのだろうか。読んでみたかったな
0投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログうーん、なかなか物語の世界に入り込めなかった。最後の方でやっと…かな。登場人物がある意味色々な物語?歴史上の人物?なのが面白かった(ヴァン・ヘルシングやジョン・ワトソン等)。
0投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログ文庫にて再読。前回読んだときの記憶がまばらにしかない状態で映画を観てこんなんだったっけ?とは思ったんですがまさかこんなに違うとは。映画はザ・ワンとワトソン足してしまった感じであれはあれで面白かったので円盤出たら買おう。 エピローグのフライデーの語りは以前読んだときにもそういう事なのだろうなとは思っていたのですが、文庫あとがきでしっかり言葉にされたのを読むともう...。そうか、お二人が過ごされた時間とワトソンとフライデーの旅の時間と...そうか...。
1投稿日: 2015.12.09
powered by ブクログブクログがレスポンシブ対応になってた。びっくり。PCで見てると文字が大きいな~ 少し前に購入してそのまま置いておいた屍者の帝国。この頃映画の宣伝がよく流れてますが君の言葉の続きが聞きたい、みたいなセリフは本編では出てこなかったような。まあ良いんですが。よくできた娯楽作品だなあと思いました。 ワトソン博士やグラント将軍、レッド・バトラーやらなんだか史実やフィクション取り交ぜた有名人が贅沢に登場して繰り広げられるミステリーのようなラブロマンスのような。何となくパロディ小説みたいだなあ、と面白く読みました。死体が屍者となって労働力として使役されている世界って…面白いけど腐敗とか病原菌とかは大丈夫なんだろうか、と心配になりました。一度ホルマリンか何かにつけてから加工するんだろうか。 言葉の力とパターンで操られる人格。魂という概念が人間と共存する未知の生命体、という考え方も面白かったです。結末を知って、違う…屍者観点から読み返してみるとまた新たな発見がありそうで面白そう。 そして後書きがしみます。賛辞は両名に送りたいと思います。
1投稿日: 2015.11.26
powered by ブクログこの作品はもともと、故伊藤計劃氏の長篇、「虐殺器官」「ハーモニー」に次ぐ作品になるはずであったものだそうだ。故伊藤氏は30頁足らずのプロローグを残し、それを基に円城塔氏が全体を書き上げた。経緯は、円城氏による「文庫版あとがき」に詳しい。 舞台裏の成立事情だが、その才能が惜しまれる伊藤氏と円城氏の関係も含めて興味が尽きない。そして、もし、伊藤計劃が生きていてこの作品を書いたら、と想像してみたくなる。この「もしも」は、別の新たな歴史改変SFへの扉のような気がしてくる。物語の終った処から、物語の外側で、「もしも」の世界が広がっていく。それは、この物語の主題と仕掛けに絡んで来て、故伊藤計劃氏が蒔き、円城塔氏が育てた世界に呑み込まれてゆく眩暈をもたらす。 物語の主人公は、ジョン・H・ワトソン。この「屍者の帝国」という物語の外側で、ロンドン、モンテギュー街に間借りする「諮問(コンサルタント)探偵」=シャーロック・ホームズに出会い、数奇な冒険を繰り広げることになる人物だ。ホームズの物語の中では、ワトソン博士は「アフガン戦争」から帰還したことになっているが、本作はワトソン博士登場の前日譚ということにもなる。 ワトソンの活躍する舞台は、「もしも」の過去、19世紀末の仮構の歴史である。この世界で「必要なのは、何をおいてもまず、屍体(したい)だ。」 遡ること100年ほど前、ビクター・フランケンシュタインは魂の正体を突き止め、生命を生命たらしめている根幹が「霊素」として把握できることを解明した。さらに歩を進めたフランケンシュタインは、擬似的に構成された「霊素」を屍体に書き込むことによって死者を動かすことを可能にしたのである。この屍体制御は技術として普及し、19世紀末には、擬似霊素を書き込まれた=インストールされた屍者が重宝な労働力として、蒸気による産業革命を経た社会のインフラとなった。ロボットを使役する社会として描かれる未来が、ゾンビによって19世紀末のヨーロッパに実現された按配である。 ロンドン大学の医学部で屍体蘇生術を学んでいたワトソンは、その腕前と熱心さを買われ、英国政府の諜報機関にスカウトされる。ワトソンの運命を変える導き手は、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」に登場するジャック・セワードとヴァン・ヘルシングだ。彼らは諜報機関の人物「M」にワトソンを引き会わせる。その機関の名前は、女王陛下の所有物(プロパティ)、スパイの祖、サー・フランシス・ウォルシンガムの名前を戴く「ウォルシンガム機関」。そして、機関の駒となったワトソンのお供をする屍者フライデーの、機関での登録名称は、スパイと言えば当然出てくるべき名前がついていてくすぐったい。 機関はワトソンをアフガニスタンへ派遣する。任務は、「ユーラシア大陸を股(また)にかけた大英帝国とロシア帝国の陣取り合戦」=「グレートゲーム」の只中で、奇妙な噂話の真相を探ること。それは「ロシア帝国の軍事顧問団の一隊アフガニスタン首都カーブルを離れ」、「屍者の一団を引き連れて」「アフガニスタン北方に屍者を臣民とする新王国を築こうとしている」という話で、そこには、東側の持つ未知の疑似霊素=屍者制御ソフトウェア(ネクロウェア)の秘密が見え隠れしていた。この「屍者の王国」を築こうとする、「地獄の黙示録」のカーツ大佐的な人物は、またもやフィクションの登場人物で、のけぞる程の有名人だ。 こうしてこの小説には、物語の外側のフィクションが次々に侵入してくる。それに驚かされ、くすぐられ、ニヤニヤさせられている内に、謎を追って世界中を引きずり回されることになる。途中、明治維新の日本も舞台として登場する。つまり史実も参照されるわけだ。歴史改変SFは、この史実との距離がまた楽しく、本作でも虚実が入り乱れる様を堪能することができる。 ところで、史実とは何だろう?歴史とは実体を有する何ものかだろうか。物語の内側から見れば、フィクションも歴史もさほど差はないことに気づく。そして、歴史よりも物語の方が、小説「屍者の帝国」の方がより現実らしく、紙の書籍もしくは電子書籍を実現するデバイスとして実在して、読む者の手の中にある。これは物語が実在化しているということだろうか?言葉が実在化したということだろうか? 空想はジャンプする。 物語を読むという事は、擬似霊素をインストールすることに似ているのではないだろうか?物語を読むわれわれは、「屍者の帝国」に属しているのではなかろうか?では、物語を読み終った時、何が起きるのだろう?意識が残っているのではないか?意識とはそもそも一体何か? 意識と言葉について、実在と虚構について、疑問符が生れ続ける。これが恐らく、円城塔氏によって仕込まれた仕掛けであり、主題なのだ。 荒唐無稽の冒険譚中に織り込まれた、意識を巡る思弁的主題が「屍者の帝国」の魅力だ。文体の温度の低さが、凝った馬鹿話の速度を削いでいるが、屍者の肌を思わせて、読後の印象は強い。あとがきに、「賞賛は死者に、嘲笑(ちょうしょう)は生者に向けて頂ければ幸いである」と書かれているけれども、嘲笑の必要は感じない。故人の意志を継いで、見事な円城搭のSFを生み出し、読者のもとに届けてくれたことに感謝するばかりだ。
4投稿日: 2015.11.21
powered by ブクログ屍者。死亡後、魂・つまり霊素を失い21gの重量を失った遺体。その脳に、プログラムによってつくられた疑似の霊素・ネクロウェアをインストールすることによって再生したもの。 その技術が全世界に拡散した19世紀末。ロンドン大学医学部生、ジョン・H・ワトソンは大英帝国の諜報員としてスカウト、戦争下のアフガニスタンへの潜入を命じられる。 アフガニスタンの奥地、ワハン回廊、コクチャ渓谷。そこに“屍者の王国”があるという。 ワトソンと彼の護衛・バーナビー大尉、通訳と行動記録を担う従卒・フライデー。衝突する英国軍とアフガニスタン軍。その戦場に蠢く新型の屍者との戦いをかいくぐり、一行を王国に誘うのは、ロシア皇帝直属官房第三部のエージェント・クラソートキン。 王国で知る新型屍者の真実、そして、更なる世界への長い旅の始まり。 生者と死者を分かつものとは。魂とは。なぜ、死者は屍者として甦るのか。そしてなぜ、彼らは言葉を持たないのか。死んだ者の、本当の魂の甦りはあるのか。彼らにもう一度会うことはできるだろうか――。 これは屍者に満ちた世界の、屍者のための“物語”である。 劇場版の方を先に鑑賞、原作となる小説は後を追う形で読了。この原作にしてあの劇場版。うまくアレンジしたと思う。 主人公ワトソンは文字と映像、その展開上当然性格設定が違っているが、根底部分で立ち位置は変わっていないように思う。 原作では終盤までいくつもの他人の“物語”に流されるがまま世界の真実に近づいてゆき、劇場版では亡き親友の“物語”の中に生き、死によって途絶えてしまった“物語”の続きを渇望し、そのために真実を求めた。 そしてどちらもエピローグにおいて、ようやく自分の“物語”を持ち、生きはじめた。 ……とは自分なりの解釈である。
0投稿日: 2015.11.07
powered by ブクログ導入の発想には、おおっ、と思い、いつ面白くなるのだろう、と思いながら前半を読み、面白くなってきたのが中盤。そして後半になるにつれ疑問符が頭の中で渦巻き、エピローグのⅡとあとがきを読んで「ありがとう」という気持ちでいっぱいになりました。その言葉のために、この物語があったのかもしれないと思うのは感傷に過ぎるかもしれませんが。
0投稿日: 2015.11.07亡き盟友の「魂」の在り処
一旦、撤退宣言をした円城塔の作品を再び読んでみる気になったのは、2015年10月に「Project-Itoh」の第一弾として封切られた「屍者の帝国」劇場版アニメを観たからです。このアニメが非常に面白く、また作品の中で気になる事や何点かの謎が残ったのでそれらについての回答やヒントがあるのではとかなり邪道な考えで本作品を読んでみました。 まず最初に感じたのは今までの円城塔の作品とは違い非常に読みやすいエンターテイメント作品に仕上がっているということです。歴史上の人物を登場させ虚実入り乱れた世界観を構築したすごく豪華な作品に仕上がっています。さらりと流した一文の裏にある設定を想像させるだけの重厚な世界観が構築されており、ヘルシング教授から始まりMやQそしてスペクターや007などのイギリス諜報機関系の話やナイチンゲールのフランケンシュタイン三原則(笑)、カラマーゾフ兄弟やロシアの第三部、明治政府、PMC、ピンカートン、グラント元大統領、ハダリー、エジソン、解析機関(チャールズ・バベッジ)にノーチラス号等々、一体どんだけぶっ込むんだよというぐらいの盛り沢山な内容になってます。とにかく深読みすればする程、味か出る設定が満載で大変緻密に作られた作品。 ですが、私が一番知りたかった主人公ワトソンの思いや感情が原作からは残念ながら見えてこなかったというのが正直な感想。 劇場版「屍者の帝国」では、早世の天才技術者だった親友フライデーに「霊素」を書き込み蘇えらせ、「ヴィクターの手記」を追う冒険へと付き従えるという基本的なストーリーは変わらないのですが、この二人の関係性にかなりの重点を置いた作りになっており、「生命」とは、人を人たらしめている「魂」とは何かを問われるシーンが何度も劇中に出てきます。その度にワトソンが屍者フライデーの中に亡き親友の「魂」を見出そうとするのですが、この場面が非常に印象的で、まさにそこに「伊藤計劃」(フライデー)の魂を探し求める「円城塔」(ワトソン)の苦悩が透けて見えてくるのです。この点が原作ではどの様に描かれているのかが非常に気になって読んでみたのですが、うーん正直あのエモーショナルなワトソンは原作の内にはおりませんでした。 映像作品は原作を下敷きにしているとはいえ、全くの別物ですからそれはそれで良いのですが、センチメンタルとはいえその点に関しては物足りなかったです。 ※エピローグ読むと原作ではワトソンとフライデーの関係性はむしろ逆?
9投稿日: 2015.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やっと読み終わった。映画観てみたいからどうせなら原作読んでから、と思って読み始めたもののけっこう時間かかってしまった。 途中まで面白くてスイスイ読めたけど、ザ・ワン登場あたりから終盤の、物語のヤマ場が正直言葉だけではついていけなかった。何が何だか。ここの部分は映像のがいいんだろうな。ただ、魂の本質とは、という問いに最後提示される可能性にほほう、と。全然理解出来てないけど。 メタルギアのノベライズも読んでみようかな。あと円城塔のも。
1投稿日: 2015.10.28
powered by ブクログー屍体() 虐殺器官、harmonyと物語を繋いで、なぜ伊藤計劃が3作目にこの話をもってきたか。 明らかに文体が変わる。 文字通り屍体。 全て読み終え、少し理解できた 会いたかった、もう一度 これは円城塔から伊藤計劃へ贈る物語
0投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログ2015年に映画化された、伊藤計劃の絶筆を円城塔が引き継いで完成させた1冊。 映画が気になっていたので、見る前に読んでおこうと手にした、伊藤計劃初読の本作。 あまり馴染みの無い時代背景と内容の難解さから、読むのがかなり困難でした…。笑 全編通しての題材は「意識」と「言語」。 SFに馴染みのない自分が、「これぞSF!」と言いたくなる程に良く練られている設定と展開には脱帽ですが、自分の読書力が足りないこともあり、描写の想像と、話の展開を理解することがどうしてもままなりませんでした… 映画を見れば内容理解が深まるかなー、なんて思いましたが、映画は映画で登場人物と設定の変更があってもう降参。 折を見て再読しようと思っている1冊です…。
1投稿日: 2015.10.15
powered by ブクログ映画がいつの間にか封切りになってることを知って慌てて再読。 死者を操る技術が確立された世界。優秀な医学部生ワトソンは、破天荒な陸軍大尉バーナビーと筆記特化死体のフライデーとともに祖国の驚異となりうる死者技術を追う。その中で明らかになる魂の秘奥とは!? 全体的に円城さんらしいナルシシズムと独特のセンスが満載で、しかもそれは全く分かりやすいものではない笑。知識を語ることが本当に好きな人なんだろうなぁ。それがぴたっとくる人には楽しい。あと「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」と語るおっさんを許容できるかも一つ目安か笑 ただ主人公は地の文のテンションと行動や発言がちぐはぐな印象。キャラクターがイマイチ見えてこない気がした。結末でわかる物語の構造でなんとなく説明がつくような気もするけど、言い訳がましい感じもする。 映画は回りくどい世界の説明とかしちめんどくさい語りをうまいこと省いてかなり序列立てて、キャラもたってて、スマートになってたと思います!特に前半は良い映像化だったなぁ。それでも最後の方よくわからなかったけどね!
0投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を見たので原作を. 原作はすばらしい. 魂の重さは菌類の重さということで.意識なんて菌類に感染した体の見ている夢みたいなもんであると. いう結末だと思ったんだけどさ 正体不明の菌類とはなんだ,言葉と置き換えてもいいんじゃないかね,って話はとても良い. 一周回って伊藤計劃してるのはとても良い. 円城塔を読みたくなった.
0投稿日: 2015.10.09
powered by ブクログ伊藤計劃も円城塔も好きだが、 別人が続きを書いているということに少し抵抗があって今まで読んでいなかった。 映画化の前にと思い、読了。 前評判から予想していたよりは、 円城塔が引き継いでからの文体に違和感があったが、 ふたりともとても「ことば」を大切にしている作家さんのようなので、すんなり受け入れられた。 又、映画はかなりキャッチーに改変されていたので、 映画から入ると主題や主要人物の設定が異なって驚くかもしれない。 意識と菌株から言葉の発想の流れが、鮮やかで好きだった。 歴史やフィクション上の有名人が多数出演しているので、 その人達にも興味が湧く。
0投稿日: 2015.10.07
powered by ブクログ映画観るために。これは先に読んでてよかったなと思いました。映画のみだと、情報量多すぎて。逆に改変部分がわかってしまうので、そこがひっかかったりもしてしまいましたが。 正直カタカナ、などではなく単純に文章がすべりやすい、話がいりくんでるので頭に入ってこない、哲学的な文章を飲み込むのに時間がかかる、といった理由で、数行を4度5度読んでから次の文に進む、という読み方をしていたので、時間がかかりました。 初読だけでは正直全容を理解できてるとはいえません。 しかし、歴史上の事物や実際の地理、また、「シャーロック・ホームズ」の世界観を融合させたSFなのは、見たことのあるモチーフがでてくるので、読んでいて楽しかったです。 話の核となる「屍者」という存在によって変わってゆく哲学および魂とはなんなのか、という話が、小難しいのですが、なんとなく言いたいことはわかりますし、印象的なセリフも多々ありました。 すべてを理解できていないとわかっているのに、それでもおもしろいと感じる作品ってなかなかないので、すきです。 図書館戦争はSFだと意識しないSFだったからよいのですが、SFって設定の多かったり、文章堅そうだなってイメージで、ハードルが高かったのですが、今回手に取ってよかったです。やはり、先入観はいけませんね。 ただ、やはり何度か読み返さねば。
0投稿日: 2015.10.05
powered by ブクログ21グラムの魂を亡くした屍体に疑似霊素を打ち込むことで死者は屍者となる。 屍者を労働力や兵力として運用する19世紀。 英国の諜報員ワトソンは世界の覇権を巡る旅の途中で最初の屍者ザ・ワンとの邂逅を果たす。 明かされる真実。 唐突に授けられる真理。 その先の問い。 屍者の、生者の秘密に迫る。 そして旅の果てに芽生えるもの。 自分の内側にある意識とは 魂とは何なのか。 21グラムの質量はどこからくるのか。
0投稿日: 2015.10.04
powered by ブクログゾンビもの。主人公はワトソン(シャーロック・ホームズは出ない)あと、色々聞いたことのあるような名前がちらほら出てくるので、パロディ?オマージュ?的なものなのかな。文章が凝っているのは嫌いじゃないけど、読むのに時間がかかる。
0投稿日: 2015.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【追記:2015/10/7】 10/2映画を観た。 映画は映画で感想を持ったが、ひとまずそれは置いておいて、映画を観た上で小説のことを思い返すと、印象が若干変容した。まず第一に、好みじゃないと言い切ってしまえるほど私はこの話を理解してなかったと気付いた(おもにラストバトル辺り)。それから、元ネタがわかると奥深さとユーモアが増すなあと思った(Mはマイクロフト・ホームズか…?)。 文体が肌に合わないのは変わらないけども、中身に関してはもう既にスルメになりつつある。噛めば噛むほど、これはどういう意味だろうと気になってくる。 【2015/10/1】 文体も中身もそこまで…好みでは…なかった。 文庫版あとがきで、この作品は円城さんから伊藤さんへのアンサーなのだと理解した。 伊藤さんのファンの一人として円城さんに敬意を表します。 円城さんパートだと第一部がすごく好き。
0投稿日: 2015.10.02
powered by ブクログ「これはペンです」が面白かったので読んでみた。 読み始めて少したって気付いたが、これはちょっと自分向きではなかった。 円城氏の文体は淡々としているのであまりこの手の話を書くのに向いていない気もする。 そもそもひたすら浅い、、、 こういうのをうまく書くのがウンベルト・エーコなのかなと思ったり。 まぁ荒川弘あたりが漫画にすればうけるんじゃないの?と思ったところで、アニメ化されることを知った。 なるほどね。
0投稿日: 2015.09.25
powered by ブクログどこかで見たような名前や地名などが乱舞するが、その一つ一つにそこまで知識が無いので読んでる間はずっと「教養が足りない...」と感じていた。 あとがきを引用するなら「歴史改変もの」となるらしいが現実と他人の創作をもごちゃ混ぜにして織りなすストーリーはどこか浮き足立って不安な気持ちにさせてくれる。 結局何が真実だったのか明示してくれない結末にもやもやしたものを感じなくはないけど、語りえないことについては沈黙する他ない、といったところか。
0投稿日: 2015.09.20
powered by ブクログかなり面白かった。 円城塔は、バナナのやつ?しか読んだことがなく、伊藤計劃とは雰囲気が違い過ぎるんじゃないかなと思っていたのだけれど、しっかり伊藤計劃感が出ていた、というか。序章があまり主張していないから、第一部以降への接続が違和感なく行われて、筆を継いだ、と言う空気にならなかったのが、まずすごい。 そして、実在から非実在のものまで、色々なネタが散りばめられていて、本筋から離れていったところでどんなことが起こっているのか、想像が膨らんだ。 いろんなスピンオフが出て欲しい世界観だった。 150917
0投稿日: 2015.09.18
powered by ブクログパロディー盛りだくさんのエンタメ(にしては難解すぎる)。エピローグは円城氏から伊藤計劃氏へのメッセージとも取れるのでは?とか思ったり。アニメ映画化楽しみです。
0投稿日: 2015.09.04
powered by ブクログ伊藤計画の遺作を円城塔が引き継いだやつ。 フランケンシュタインを題材にしたSFミステリー。面白いんだが、ちょっと冗長で、あと色々なSFやらなんやらのオマージュが少し過剰かな、と思った。
0投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログ面白いかつまらないかで言えば面白いんだけど、すげーーー難しい。ハーモニーと虐殺器官がメじゃないわかりづらさ。円城塔は読んだことないけど、彼の筆の癖によるものなんだろうか…。 映画で言えば、クリストファー・ノーランの脚本のように設定が複雑で、事件は終盤まで謎だしクライマックスで二転三転するからもう、なにがなんだか。 難しいもう一つの要因は、この物語が教養があればあるほど楽しめるものだということ。 オールド・ラング・サインは日本では別れの歌なんだぜ(ニヤッ)に一緒にニヤッとできるくらいの知識が あるとよい。リットン調査団やメイジ皇帝だけでなく、山澤静吾の登場や主人公との共闘にニヤッとできると、なおよい。 そんなん私、知らんし、19世紀末のアフガニスタンやロシアの情勢もまるで知らないから(歴史は苦手科目だった)、さらに難解に感じたんだと思う。 ただし! ただし、やられたと思うのは、伊藤計劃らしいメタな世界設定ながら…エピローグまですっかり読んで思い知らされることに、この「わからなさ」「しらんがな」が、ワザとというか、演出というか、それすらも世界観、この小説というもの、作品、ということなんだよなあ! だから悔しいし、なんかわけわからんかった癖にとりあえず読後感だけは「面白いものを読んだ」感がある。なんか悔しい…。 なんか面白かった感はあるけど、この物語は私と脳ミソにはキャパオーバーだった、作者が計画したように。ああ悔しい。
0投稿日: 2015.08.17
powered by ブクログ時は19世紀のロンドン。死体にあるソフトウェアをアップロードすることで「屍者」として動かし、労働力として活用することが一般的になっているこの世界において、優秀な医学生ジョン・ワトソンは諜報機関の大物「M」の誘いを受け、大英帝国の諜報員として英領インドに旅立つ。目的は、「屍者の帝国」を作ろうとした男の秘密を探り出すこと。次々と現れる謎の協力者たちやライバルたちや美女との権謀術数をくぐり抜けながら、戦乱のアフガニスタンへ、開国直後の日本へ、興隆著しいアメリカへ・・・世界各地を転々とするワトソンは、やがてある書物が全ての謎を解明する鍵となることを知る。その書物は今どこに?そして、書物と屍者をめぐる壮大な可能性とは? 夭折したワン・アンド・オンリーなSF作家・伊藤計劃が書き遺したプロローグとプロットとを基に、円城塔が完結させた合作。 伊藤計劃も円城塔も、どちらも読んだことがある鴨としては、全くテイストの異なるこの二人の作家がどのように融合あるいは化学反応を見せているのか、その点を楽しみに手に取ってみました。伊藤計劃のプロットに忠実に書き進めたとはいえ、伊藤計劃自身が手がけたのはプロローグの30ページ程度のみ。たぶん相当に円城塔寄りの作品になっているのでは、と予想してたんですが、読了後の感想は「思ったよりも伊藤計劃」でした。 といっても、他の伊藤計劃作品とはかーなり違います。ジャンルとしては歴史改変もの、更に絞ればスチームパンク。これまでの伊藤計劃作品は現実社会と地続きの世界観の中、やたらと内省的な登場人物たちが個人の内面でいろいろと葛藤しつつ社会との軋轢にも苦しむというダークでクールなイメージで統一されていますが、この「屍者の帝国」はもぅ登場人物からしてパロディそのものですし、キャラの立ちまくった漫画的な脇役たち、スラップスティックな場面展開とド派手な戦闘シーン、ファンタスティックで絵画的なクライマックスと、何ともまぁ賑やかなこと賑やかなこと。正直なところ、少々とっ散らかって収拾がついていない印象も無きにしも非ずです。 が、そんなおもちゃ箱のようなストーリー展開の底辺を重低音のように貫いているテーマ、「言葉と認識」「言葉と人間」の関係性というテーマが実に伊藤計劃的なんですね。「虐殺器官」も「ハーモニー」も、同様のテーマあるいは問題意識から書かれた作品だと鴨は理解しています。そういう意味で、この作品はまぎれもなく伊藤計劃の作品と言えますし、そこを最大限尊重してラストまで書き切った円城塔の力もたいへんなものだと鴨は思います。まぁ、クライマックスに至るまでのファンタスティックな突っ走りぶりは、伊藤計劃のプロットに従ったとはいえ思いっきり円城塔ワールドになっちゃってますがヽ( ´ー`)ノ ただ、鴨的には残念ながらストーリー全体のとっ散らかりぶりが目についてしまい、かつSFというより幻想小説だろコレといった印象もあって、面白かった!と言い切るには至らないところ。どちらかというと、円城塔慣れしている人にお勧めかもしれません。伊藤計劃しか読んだことのない人がコレを読むと、相当ビビると思います(笑)
2投稿日: 2015.08.16
powered by ブクログ円城さんも後書きで書いてるけど、死病の床で死者を使用する話を書くという強靱というかやっぱり創作者というものはどこかおかしいのだと思う。今の状況自体が屍者だもんなぁ…。映画がどうなるかさっぱり想像がつかないけど楽しみに待ちます。
0投稿日: 2015.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2015年6月27日読了。 プロローグ部分まで執筆した伊藤計劃氏の後を受け継ぎ、円城塔氏が書き上げた小説。19世紀末のイギリス・日本・アメリカを舞台として繰り広げられる冒険活劇小説といった感じか。しかし、そこには「屍者」という産業革命のような技術革新が有り、世界は変貌している。つまり、歴史のifを扱っている小説でもある。 途中、レビュアーの事情で、読書を中断していたのだが、少しずつ読み進めてやっと読了。 これで、「虐殺器官」「ハーモニー」ともに3冊読み終わったので、アニメ映画が楽しみである。
0投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログ少々時代設定が自分的に乗り切れないのと 妙に言葉が複雑で冴えてないと内容が入って来づらく 完走するまでに時間がかかりました ダウニーJr.のシャーロックホームズを思い出しましたよ クールで未来感のある虐殺器官、ハーモニーの後だったので こいつはちょっと面食らいましたわ
0投稿日: 2015.06.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イマイチだった。文体が大げさでクドく、引用が多すぎて冗長(特に前半)。 ザ・ワンの目的が奥さんの復活だったのでは、とか、無駄に壮大な話が持ち上がった後になんかスケール小さくてがっかり。 一番なんかなあと思ったのは、SFならではの世界観や舞台装置のディテールが荒かったこと。霊素という情報媒体の具体的な説明がないのや、魂=菌株の結晶を「ある特殊な方法で作った」で片付けのは白けた。 唯一おもしろみのあった「人間は言葉という菌株の触媒であり解読機関」という発想も、バロウズの「ノヴァ急報」とかで見たことがあるし、とりあげるなら発想の提示だけじゃなく考察を掘り下げて欲しかった。
0投稿日: 2015.05.27
powered by ブクログ広義にはアンドロイドとロボットは同じものを指すのだという。本書に登場するのは屍者であるが、屍者とアンドロイドではどちらが先に実現するだろう。 冒頭を書いたところで早世した伊藤氏はどんな構想をもっていたのだろう、円城氏が引き継いで上梓にこぎつけた本書は、歴史やSFの知識動員的小説となっており、読者にそれなりの教養を求めるのかもしれない。 伊藤・円城氏の作品には、本作で初めて接したのだが、事前知識があったほうがよかったのかもしれない。
0投稿日: 2015.05.25死者の世界
伊藤計劃さんの遺作。 19世紀,この世界では死者に「疑似霊素」を書き込むことにより,さまざまな作業(戦闘も含む)に従事させている。なかなかダークな世界。 好みでいえば虐殺器官の方かもしれないが,こちらも十分面白かった。 それにしても,伊藤計劃さんの夭折が惜しまれる。
1投稿日: 2015.05.17
powered by ブクログちょっと難解な部分もあったが面白い作品だと思う。 着眼点が何とも良い。「たられば」だがオリジナルが出来ていれば、どんな作品になったのだろう。
0投稿日: 2015.04.14
powered by ブクログSFを楽しむには予備知識が必要であることを思い知らされた。よくわからない部分もあったのでまた、しばらくして読み返したい。
0投稿日: 2015.03.29
powered by ブクログ地名や専門用語などがバンバン出てきて読みづらいけど、面白い。映像化したらわかりやすいと思ったら、されるのか。
0投稿日: 2015.03.12
powered by ブクログ労作ではある。しかし良くも悪くも円城塔氏の小説であって、伊藤計劃氏の書く類いものではなくなっている。帯には合作とあるが程遠い。こういうペダンティックな作りは嫌いではないが。
0投稿日: 2015.02.25
powered by ブクログ「言語」に関する問いは『これはペンです』を想起した。聖書の引用が多い。宗教関連の知識があれば、引用の巧みさや比喩を深く理解できるだろう。屍者の利用は物語としては面白いが、現実にはあり得ない。気味の悪さが先立つ。屍者は屍というより人体を模倣したロボットと捉えると現実味が湧く。ワトソンの結末は物語の連続性を生かして『屍者の帝国』と『シャーロック・ホームズ』を繋げたと推測した。前者のワトソンは、最後の決断により上書きされ後者のワトソンへと成ったかXがつくる後者の文脈の世界に組み込まれたのかもしれない。
0投稿日: 2015.02.17
powered by ブクログ伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継いで完結させた作品。 単行本を持っているので文庫化のついでに再読……のつもりが、暫く放置していた(その間に何故かイラストカバー? 帯? になっていたw)。 単行本のメモにも書いたような気がするが、文体の変化はさほど顕著ではないが、特に終盤になってからは、円城塔作品ではお馴染みのモチーフである『言語』の存在感が大きく、そういう意味でこれは矢張り『円城塔』の作品なのだろうと感じる。 反面、『屍者が労働力である世界』という想像力は伊藤計劃的。個人的には上手く絡み合って読み応えがある作品に仕上がっていると思う。
0投稿日: 2015.02.16
powered by ブクログ2013年の本屋大賞ノミネート作品。 私には難しかった……。 物語が頭の中に全然入って来ないし、追いついて行かない。 設定が19世紀末って所が惹かれたけれど、内容が頭に入って来ないから全然楽しめなかった。
0投稿日: 2015.01.27
powered by ブクログフィリップ・K・ディック特別賞を日本人として初めて受賞しながら夭逝した偉才・伊藤計劃の遺稿を、同じく2人目の受賞者であり盟友でもある円城塔が完成させた珠玉の大作。SFでありながら過去の時代を描いており、当時を舞台とした著名作品のキャラクターや実在の人物も出てくるパスティシュ的な世界観が独特です。 舞台は屍者復活の技術が全欧に普及した19世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となりアフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワン(フランケンシュタイン)を追い求めて世界を駆ける…というなかなかぶっとんだ内容。 すごく面白くて、著者の伊藤氏へのオマージュも強く感じる素晴らしい作品。原作者は常に生と死をテーマとして考察を重ねる作風だけど、この作品ももれなく根底に深い命題が流れており、円城氏はよくぞここまで仕上げてくれたと思いますわ。でもひとつだけ、ひとつだけ不満があるの。それはね、ワトソンとあの女性まで登場させておきながら、ホームズさんが出てこないこと。シャーロキアンとしては期待しちゃうじゃんかチクショウ!
0投稿日: 2015.01.18
powered by ブクログ※暴力及び流血描写、性表現の含まれる作品です。 【印象】 復活する"存在しなかった19世紀末"。 煙に巻かれたい人へお薦めします。 【類別】 小説。歴史改変、オカルト的ファンタジー、人物/事物引用、少しSFでスチームパンクの要素。 史実と虚構、その両方に取材しています。故に実在と架空の区別無く、過去の人物や組織その他がふんだんに盛り込まれています。 【構成等】 序章と終章を除けば三部。各部で別の地域を訪れます。 荒唐無稽な点へ後々に多少の論理が与えられたりもします。 【表現】 地の文は一人称視点。 表現は主として平易であり、専門知識は不要です。 【備考】 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』をはじめとして様々な古典作品の内容と関連付けられています。それらの"ネタバレ"を含んでいるとも言えます。
0投稿日: 2015.01.17
powered by ブクログ文学•映画作品を時代設定に織り交ぜた構成に、すごい!と前半は感動。 残念ながら後半からイマイチ入り込めず。特に、私は戦闘シーンが消化不良を起こし、すごくもったいない感じ。 遺作のコンセプトを引き継いだためか?それともこの作者の文章に慣れていない私の責任なのか? とりあえず、作者の別作品を購読しようと思う。
0投稿日: 2015.01.12
powered by ブクログこれは伊藤計画ではないだろう。しかし、伊藤計劃の書きたかった可能性が集まったような一冊だった。 この物語ふうに言うのであれば、本というものは真にありとあらゆる情報が物質化したものではないだろうか。紙の上に走るまっすぐや曲線こそが私たちの見えない世界を見せる未知のXであるかのようだ。
0投稿日: 2015.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
伊藤計劃が遺したプロローグから円城塔が作り上げた、伊藤計劃と円城塔の合作歴史改変オールスターSFアクション小説。とにかく史実上の人物や作品がてんこ盛りで、いちいち元ネタを調べていたら読むのに恐ろしく時間がかかった。しかし、そんな読み方も楽しかったりするのが、この小説の面白さでもあるのではないかと感じる。 伊藤計劃と円城塔は文体が違いすぎて(という以前に円城塔の小説は何を言っているのか理解できない)、どんな小説になるのか疑問だった。しかし、読み終えての感想は「円城塔も普通の小説書けるんだ。」だった。しかも面白い… 作品の世界は、死者を蘇らせて利用している19世紀が舞台。医学生のジョン・H・ワトソンがヴァン・ヘルシング誘われ、ウォルシンガム機関のエージェントとなり、屍者の一団を率いてアフガニスタンに潜伏しているとされる、カラマーゾフを追う。 その後、カラマーゾフからの依頼を受け、フランケンシュタイン博士により作られた「最初の屍者、ザ・ワン」を追い求めて日本・アメリカから最後は大英帝国へと旅をしていく。 序盤はアクションっぽい要素も多くてワトソンと一緒に旅をするバーナビー達との掛け合いもコミカルで面白い。中盤から、話は複雑になっていき、最後の展開はいろいろ複雑すぎて、正直良くわからなかったけど… テーマは「魂」。作中でワトソンや様々な史実上の人物から「魂の出自は」「死とは」等について多種多様な見解が述べられる。 難しいことを考えながら読まなくても、アクションものとしても読めるし、じっくり考察しながら読んだり、作中に出てくる人物・出来事・物の元ネタを調べるのもよし。いろんな要素が詰まった素晴らしい小説だとおもう。
0投稿日: 2015.01.08
powered by ブクログ真実を追い求め、大英帝国からアフガニスタン、日本、合衆国へと世界を旅し、その身を以て屍者の帝国へと堕ち、完結を成したワトソン。 物語を求め、「虐殺器官」から「ハーモニー」、そして「屍者の帝国」へとたどり着いたわたし、そこで伊藤計劃サーガは終焉を迎えた。 しかし、フライデーは立ち上がった。 ProjectItoは立ち上がった。 「虐殺器官」「ハーモニー」「屍者の帝国」は、ProjectItoは終わらない。
0投稿日: 2015.01.05
powered by ブクログ設定や世界観はいいし、キャラもワトソン、アリョーシャ、ヘルシングなど有名なキャラが多く出ててそれだけでワクワクする。 だけど、いかんせん読みづらいと感じた。 造語や専門知識なんかが多く出てくるので多少は仕方ないこととも思うが、戦闘シーンなど盛り上がるはずの場面でもわかりにくい描写が多くなんだか素直に楽しめなかった。 私がSFを普段あまり読まないせいかとも思うけど…うーん文体が私には合わないのかもしれない。
0投稿日: 2015.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
さすが伊藤計劃、というような奇抜なSF的設定。とても面白い。2000年代必読のSF古典じゃないでしょうか。 伊藤計劃らしい設定と文章のカッコ良さ、ストーリーの意外性に加えて、円城塔による深みと難解さが加わっている気がする。(円城塔の作品を読んだことはないけど) 主人公がシャーロック・ホームズに出てくるジョン・ワトソンだったり、ドラキュラの研究者としてヴァン・ヘルシングという教授が出てきたり、イギリス諜報機関のM、アレクセイ・カラマーゾフなどなど別の作品にちなんだ登場人物や設定、さらに実在した人物などがごちゃまぜで登場する。 そんな遊びが散りばめられていて、ついていけないところもたくさんあったものの、知らない部分は調べながら読むのも楽しかった。 (もろもろ勉強し直して、もう一度読みたくなる) ハリウッド映画のようなスケールの大きさと、ストーリー展開で最後までとても楽しめた。 — memo: 267 複雑でかつ欠陥のないものは存在しないもの。統計的な性質として常に欠陥は存在する。 298 人間は物事を物語として理解する。 412 「地上で行われる最も大規模で不毛な戦いは、人間によって引き起こされるものではないかね。」 428 人間は矛盾に満ちるが、その矛盾こそが本質だ。
0投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログ設定はすごくいい、しかし、なんというか言葉遊びが過ぎる。キャラクターが数々のお話から持って来ていて話の中で描かれている人といない人とが混ざりあって読みづらい。 話も今流行りの謎で終わってしまう感じで決着をつけて欲しかった。
0投稿日: 2014.12.31禁忌的な世界に引き込まれる
舞台は,死者を甦らせて使役する技術が普及した19世紀末。 脳内イメージはロバート・デ・ニーロ主演の映画『フランケンシュタイン』そのまま。 灰色で茶色の視界が広がり,その禁忌的な世界にすぐさま引き込まれる。 そして,人の意識の根源を問う古くて新しい視点に釘付けに。 歴史改変具合が絶妙で,そこにつながるのか! と惚れ惚れ。 何より驚愕の結末に戦いた。 多くを円城塔氏が書き継いだとはいえ,夭折した伊藤計劃氏の『虐殺器官』『ハーモニー』に通じる “何か”をその文章から感じずにはいられかった。文庫版あとがきも必見。
6投稿日: 2014.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一度読んだだけでは理解しにくい部 分が多々あるのだが、それでもス トーリーにどんどん引き込まれって いった 戦場や経済活動の場など社会 の至る所で屍者が利用される世界を 題材にすることによって、最終的に 人間にとって究極的なテーマである 意識や魂の所在について描くという 着想が面白いと思う なので後書きを 読んで今まで未読だった伊藤計劃氏 の著作を読みたくなった
0投稿日: 2014.12.31
powered by ブクログこの物語の始まりも衝撃的だが、終わりはさらに衝撃的。 19世紀のサブカルチャーのオンパレードの今作。 歴史に残るのは当然なんだろうな。
2投稿日: 2014.12.29
powered by ブクログワーグナーは出てくるけどスクリャービンは出てこない。 レット・バトラーは出てくるけど緋村剣心は出てこない。 テーマは「言葉の大切さ」。 大切ならもう少し言葉を節約してもいいような気もちょっとだけしたけど、まあ、面白かったです。
0投稿日: 2014.12.28
powered by ブクログ【背表紙】 屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける―伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。 『NOVA1』でプロローグのみ既読でした。 物語の設定、世界観、展開と、とにかくスケールが大きい。 内容は哲学っぽくて、ほぼ理解できてないと思います。 聞いたことのある名前がいくつか登場しますが、残念なことに自分の知識が足りなかった。 それでも非常に面白い。 もっといろんな本を読んでから再読したらもっと面白く感じそう。 アニメ化も楽しみにしています。
0投稿日: 2014.12.23
powered by ブクログ屍者を使役するというコンセプトで,多様な歴史的要素を用いて世界を構成する.これまでの作品と同様,ネガティブな発想を使ってポジティブな世界の構築に挑む姿勢には,確かに伊藤計劃氏の後ろ姿が感じられる.観残念ながら,全体を支える柱を読み取れず,難解.
0投稿日: 2014.12.17
powered by ブクログ遺稿部分を先に読んでからの読了。 ちょうどカラマーゾフの兄弟をさわったところだったので、アレクセイの名前が出てきたときのトリハダ感はすごかった。それと、個人的には、はじめに女性の屍者を見たときの描写と。 たぶん、わたしは伊藤氏の文体がすきだったのだなあと思ったし、再読はなるべくしたくない……というか気が進むような手軽さはないし、おいてけぼりをくらってからは本当にページをめくるのがしんどかったのも否めないが、エピローグは、共著だからこその重みがあるとも言える。 書き綴られたものにこそ。 というわけで、星4。
0投稿日: 2014.12.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死者を動かしたものが屍者であり、屍者の王国を作ろうとするカラマーゾフ。それを追うワトソンたち。 これらの関係で屍者についての技術や存在についての話が進んでいくと思えば、あっさりとカラマーゾフに追い付いてしまう。予想外の展開だった。 死者を動かした存在というとバイオハザードのようなゾンビを思い浮かべるが、そういうのとは異なっていた。死者にソフトウェアを書きこみ動かすというのは面白い発想だと思った。
0投稿日: 2014.12.14
powered by ブクログ2013年本屋大賞10位 19世紀後半の史実を背景に「もしも屍者が労働力だったら…」という世界で架空の有名人たちが世界を駆け回るというお話。 SFは滅多に読まないが、設定が面白そうだったので手にしてみた。いきなり『生者と死者の違いは霊素。死亡すると生前に比べ21グラムほど減少する。それが霊素の重さだ。』で始まり非常にそそられるも、この虚構になかなか入り込めず… 途中から「解りやすく物語にした哲学書だ」と思ってみたら面白く読めた。読み方は著者の意とするところではないけど、この本の中にも書いてある通り「愚か者ばかりの世界」の一人なのでご容赦下さいw
0投稿日: 2014.12.13
powered by ブクログ伝説ですな。 結構、娯楽小説です。 (円城さんなんでビビってました) ワトソン、007、ヘルシング。 何人見つけました?
0投稿日: 2014.12.12
powered by ブクログ死体を復活させ、労働者として、情報端末として使役する技術が発達した世界。19世紀末。オカルト風味のレトロフューチャー。歴史改変ものでゾンビものです。物語の有名人たちが登場するのも楽しい。 自我とは何か?情報の混沌の中から現れるのか。言葉があるから、かたち造られるのか。こういう難解な問いは結論を出すと陳腐になってしまいますね。もやっとさせておく方が高尚な感じがします。 円城塔の作品のわりには読みやすいです。エンタメしてます。
0投稿日: 2014.12.07
powered by ブクログ虚・実、様々な登場人物(オールスターキャスト)が 生者、死者、屍者の存在を追って 『虐殺器官』ってどんなはなしだったっけ 『ハーモニー』って(以下同文) あとがきの潔さをみても、 詮なきことと思いながらも、思わざるを得ない。 でも、ひとこと「ありがとう」
0投稿日: 2014.12.05
powered by ブクログヴィクターの書の解釈に関する可能性を議論する辺りで、強烈に円城塔が匂い立つ。 だけど、全体的には円城塔らしからず、何が起こっているのか、どこにむかって話が進んでいるのか分かりやすい。 頻繁に交わされる議論は簡単でないが、論理的で緻密。さすが 肉体、意識を工学するのはサイバーパンクのアイディア。 だけど、弄られる側を徹底的に第三者として描く作品はあまり無い。 弄られるのが死者ということもあり、得体の知れなさ、不気味さが醸成されている。 アリョーシャはそれでいいのか? 円城塔の描くガンアクション、真剣の立会いなんかが読めるレア作 爽快感は得られない。にやりとする場面や、可能性の組み合わせの追求なんかのSF的面白さが楽しめる
0投稿日: 2014.12.02
powered by ブクログ2014/12/02 購入。伊藤計劃の遺作になった作品だが、遺作と言っても本人はプロローグの30ページ分を書き残しただけで、よく円城塔はこの仕事を引き受けたものだ。まあ日本SF大賞と星雲賞を受賞した時にかなり話題になってたっけ。プロローグだけ読んだけど、かなり面白そうな予感。
0投稿日: 2014.12.02
powered by ブクログタイトルの淀んだ重さから受ける印象に反してエンタメな内容で楽しかった。 様々な文学作品の登場人物や歴史上の偉人が出てきて、分かるときは反応したり分からないときは検索して感心したり。 最後のフライデーが文庫あとがきの円城塔さんに重なった。 この物語が終わったあともワトソンはホームズと冒険するかと思うと楽しい。 エピローグのハダリーには「お前かー!」と、してやられた感。
1投稿日: 2014.11.29
powered by ブクログ本書は若くしてこの世を去った伊藤計劃が遺したプロットを元に、同世代のSF作家円城塔が書き下ろした本である。 SF小説はそんなによく読むわけではないけれど、伊藤の独特すぎる世界観と、円城のエンタテインメント性は気に入っていたので、かなり期待して読む。 プロットがすごい。主人公は若き日のワトソン。世界一有名な探偵小説のあのワトソン博士である。登場するのはフランケンシュタイン博士のモンスター、吸血鬼退治のヴァン・ヘルシング、チャールズ・ダーウィン、トルーマン大統領、カラマーゾフの兄弟のドミトリー、そして海底二万哩のノーチラス号… そして舞台は19世紀末、大英帝国がロシアや新興国アメリカと鎬を削り、しかも蘇った屍者を労働力として使うという異常な世界。ゾンビ小説と歴史小説、そして名作文学のモチーフという豪華絢爛無責任大風呂敷広げまくりの設定。こんなプロットで書けと言われた円城がどんな気持ちでこの作品を紡いでいったのか。 読書好きにはネタ探しも面白いし、アクションと謎解きにも事欠かない、徹底したエンタテインメントである。 山田風太郎の「魔界転生」を世界を舞台にして電脳とインターネットを組み合わせたような、といえば少しはイメージ出来るだろうか? 人物にさほど感情移入がしずらいのは、彼らの世代の特徴かも知れない。
0投稿日: 2014.11.23
powered by ブクログ歴史改変奇想天外冒険スペクタクル活劇。伊藤計劃の進化を見た。あとがきでは円城が「伊藤ならどう書くか、などといったことはナンセンスだ」みたいなことを言ってたけど、実際この作品は「虐殺器官」「ハーモニー」の系譜、さらにその先に位置すると思う。かっこよくて面白くてハマる。上質なエンタメを「ありがとう」と言いたい。
0投稿日: 2014.11.16傑作!
架空史であるが、登場する人物たちが凄い。 史実の人物はもちろんのこと、小説のキャラまでが入り乱れての、冒険小説。 そして、バックボーンには生命とは?というテーマがあり、深さまである。 今月、文庫化されたから、また読んでみようかな。
0投稿日: 2014.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2014/11/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2023/12/19〜12/23 3年半ぶりの伊藤作品は早逝した伊藤計劃氏の第3長編で、亡くなったため中断してしまった作品を円城塔氏が完成させたもの。 屍者を生み出し、活用した社会を通じて、現代の人間社会を風刺的に描くSF。ホームズの相棒ワトソン博士や、チャールズ・ダーウィンなど有名なキャラクターや人物も登場。
0投稿日: 2014.11.08
powered by ブクログ屍者化の技術が全世界に拡散した19世紀末、英国秘密諜報員ジョン・H・ワトソンの冒険がいま始まる。天才・伊藤計劃の未完の絶筆を盟友・円城塔が完成させた超話題作。日本SF大賞特別賞、星雲賞受賞。
1投稿日: 2014.11.06たぶん色々な仕掛けのある小説
ドストエフスキーは生前、「カラマーゾフの兄弟」に続編があることを示唆していましたが、 ドストエフスキーの略歴・思想や書き残したもの、当時の時代背景などから推測すると 「アリョーシャが、コーリャらと共に革命家になり皇帝暗殺(新たな父殺し)を謀る」 という筋になるらしいです。本作はこの続編を意識して書かれていると思います。 本作は歴史や他の創作(フランケンシュタイン、ワトソン、グラント米大統領etc...)などを絡めていますが、 こういった分かる人には分かる仕掛けがところどころにあるんだと思います。 自分は亀山郁夫さんの「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する 」という本を読んだことがあったので、 この部分だけ「ははーん、あれね!続編ね!」となりましたが、学のある人が本作読むともっと色々気づくことがあるんだと思います。 我こそは知識人!という方は是非読んでみてください。
2投稿日: 2014.07.16世界の名作文学を集結した知的SF冒険ミステリー小説
読み始めは、すっと入っていける読みやすいSFミステリーと いう感じです。ベースストーリーは、フランケンシュタインの 物語でしょう。その上に様々な古典的小説の人物たちを登場 させてエンタメ性をと知的な感動を高めた旅行記的な話です。 部分的に表現手法や語句が、かなりハイレベルで読みにくい 面もあります。おそらくそれが円城氏の好みの手法なのでしょう。 アクションシーンの描写がかなり分かりにくい部分もありますが。 全般的に重厚感があり読み応え十分な面白い作品です。 後半は2重3重の意外な急展開です。最後はちょっと切ない余韻を 残しています。
0投稿日: 2014.03.25蜃気楼のような娯楽作品
砂漠にあらわれる蜃気楼のような、壮大な「ホラ話」です。 しかし、気がつけば引きこまれ、 新たな人物が登場するたび「おぉっ」と気分が盛り上がります。 魂とは何?意識とは何?生命とは? 答えの見つからない、たくさんの問いに翻弄されながら、 一気に読み終えました。 人によって、好き嫌いの分かれる作品かと思いますが、 娯楽作品として楽しめました。
0投稿日: 2014.03.10ヴィクトリア朝・スチームパンクファンなら一読の価値はアリ
ヴィクトリア朝・スチームパンクファンなら一読の価値はアリ タグとしては「パロディ」「シャーロックホームズ(贋作)」「フランケンシュタイン」「吸血鬼ドラキュラ」「切り裂きジャック(フィクション)」「ヴィクトリア朝」「スチームパンク」といったところでしょうか。 個人的に「ストーリーはつまらなくない」程度ですが「この手のパロディが好き」なのでチェックしました。 「ヴィクトリアン・アンデッド シャーロック・ホームズvs.ゾンビ」はギリギリ真面目なホームズFANも大丈夫な内容だった気(充分クレームが来そうだった)がしますが、 「屍者の帝国」はホームズ物として読むにはレベルが低いかと思います。 同ジャンルの作品としては 「ドラキュラ紀元」 キム・ニューマン作。ヴィクトリア朝・名作パロディモノ・名作クロスオーバーモノ。 「リーグ・オブ・レジェンド」 アラン・ムーア原作映画と原作アメコミ(タイトルが異なります)。名作パロディ・クロスオーバーモノ・スチームパンク。 「ジョジョの奇妙な冒険 第1部 カラー版」 荒木飛呂彦・作。ヴィクトリア朝。吸血鬼モノ・切り裂きジャック登場。 「黒博物館 スプリンガルド」 藤田和日郎・作。ヴィクトリア朝。「ばね足ジャック」がテーマ。 「エンバーミング カラー版」 和月伸宏・作。こちらもフランケンシュタインがテーマです。モノクロ版は配信されてないみたいです。 自分の「本棚」だと、「屍者の帝国」「分冊版 屍者の帝国」「ビスケット・フランケンシュタイン(電子版を買うかは迷いましたが)」「エンバーミング カラー版」「武装錬金 10巻」「伊藤潤二版 フランケンシュタイン(リーダーだと配信されていないみたいですね)」 を買いました。
3投稿日: 2013.11.11この物語が作られた背景に惚れた
この物語が作られた背景に惚れて読みました。ラジオで紹介されていたのもあって読みました。 物語のもつ世界観が今の世の中に何かを訴えているように感じました。
0投稿日: 2013.09.25多様な解釈
物語にとって、どのように読まれることが幸せなのだろうか。 様々な読み方ができる物語というものが存在する。 もっとも、たいていの物語は複数の読み方が可能で、もちろん、作者が想定する読み方というものがあり、それ以外の読み方は作者にとって好ましくない読まれ方だったりする。そのいっぽうで、どのように読まれても構わないという作者もいる。 この物語を読みながら、ついついそんなことを思ってしまうのは、この物語にはいくつもの読まれ方が存在し、読むときにはそのひとつを選択して読むべきなのにどれか一つに絞りきれずに読んでしまうからだ。 円城塔が、このようにもストレートな、と言ってしまうには少し語弊があるけれども、それでもこのようなエンターテインメントの物語を書くことができたということも驚きだったし、そしてそれが伊藤計劃だったらこう書いていただろうと読み手が想像するレベルの物語であったことも驚きで、その一方でやはりこの物語は円城塔の物語だったと気付かされることも驚きだった。 この物語が完成するまでに三年かかったそうなのだが、それだったならば、もう三年待てば、伊藤計劃+円城塔の新作がさらに出てもおかしくない気もする。 それはともかくとして、この物語のジョン・H・ワトソンがどのようにして、シャーロック・ホームズのジョン・H・ワトソンにつながるのか、という疑問が最初から渦巻いていたのだが、ひょっとしたらそのあたりはうやむやなままで終わらせるのかと思ったらしっかりと解決させているあたりや、フランケンシュタインつながりでブライアン・オールディスに結びつくあたり、深読みしようと思えばとことんまで楽しむことができるのはやはり円城塔だからなのだろうと思った。 そう思うと、次は伊藤計劃から離れた円城塔の純粋なエンターテインメントな物語を読みたいのである。
6投稿日: 2013.09.24壮大な悪夢!
デビューしてからわずか2年でこの世を去ることとなった、伊藤計劃氏。彼が残した『屍者の帝国』は、冒頭の30枚しか用意されていませんでした。その続きを、彼と同じくSF作家の円城塔氏が引き継いだのが本書です。19世紀末、死体を蘇らせロボットのように使役できる技術が確立されます。そうして生まれた"屍者"を束ねた帝国を築いていたのが、アレクセイ・カラマーゾフ。そう、『カラマーゾフの兄弟』の三男です。物語の語り手もシャーロック・ホームズの相棒であるワトソンであり、『風と共に去りぬ』のレット・バトラーも登場するなど、他作品との連携からも目が離せません。アクの強いキャラクターたちが活躍する壮大な物語と謎解きは一品です!(スタッフI)
5投稿日: 2013.09.20
