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沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか
沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか
ケイン岩谷ゆかり、井口耕二、外村仁/日経BP
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総合評価

29件)
3.7
6
11
6
2
1
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    ジョブズ亡き後のAppleを占う書の一つと思う。フォーストール、アイブ、シラーの働きとクックの関係を垣間見ることができる。今後のAppleはどうなるのか、この書だけではまだまだ何も見えないが、恐らく、アイブの動きとと働きが結局鍵を握るのではないかと思う。

    0
    投稿日: 2018.11.12
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    アップルは巨大になってしまっており、全体的な売上や利益にはっきりと貢献し、成功だとみなされるためには、出した新製品が何百万台も売れなければならない―ジョブズなきあとアップルはイノベーションのジレンマに陥るのか

    0
    投稿日: 2018.11.04
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    4年前に書かれた本だが、懸念されてたよりかはまだアップルは沈まずに、うまくやっているように見える。 ただイノベーションが衰えてるのは確かで、表向きのビジネスは成功しつつも、筆者が懸念してるようなコトがジワジワと蝕んでいるようにも感じる。 この本の正確な評価には、まだ数年はかかると思った。

    0
    投稿日: 2018.10.29
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    ジャーナリストである著者が自身のウォール・ストリートジャーナル在籍時代の取材などからスティーブ・ジョブズ亡き後のアップルの今後について書いた一冊。 数々の取材からジョブズの病気の情報をいかにして守るか、現CEOのティムクックの素顔、Siriの評価、サムスン・グーグルとの訴訟、サプライヤーであるフォックスコンでの労働者の実情など前線で取材を行う著者であるから書ける情報が多くありました。 そして、数々のイノベーションを起こす製品を世間に発表してきたアップルが今までの製品の改良版の発表にとどまっていることやジョブズならしなかった競合他社の批判などの広告戦略などジョブズ亡き後の迷走も本書で知ることができました。 また、電子書籍や特許を巡る訴訟については詳細に描写が描かれており、非常に臨場感のあるものでした。 クックとジョブズのシナジー効果やクックとジョブズの会議での進行方向の違いやジョナサンアイブの工業用デザインとユーザーインターフェースの両方に並外れた手腕を発揮するのは難しいというところは今後のアップル社の行方において楽しみになりました。 自分たちの生活が一変する利便性の高い革新的なアイテムを使う一方でフォックスコンなどサプライヤーへの要求やそれ応えようとする人たちの労働環境には非常に考えさせられるものがありました。 なぜジョブズがクックを後継者として選んだのか?という部分の指摘もあり、非常にアップル社がジョブズが抜けたあとのアップルの凋落と同じ道を歩まないか今後を考えるうえで非常に参考となる一冊だと感じました。

    0
    投稿日: 2016.11.07
  • 個人的には微妙

    読む時間があまりなかったのもあるが、流し読みでも結構時間がかかった。 非常によく取材して書いているのは良く分かるが、だから何なの?的な雰囲気が全体的に漂う感じ。内容的には確かにクックは批判するわなぁ、って内容だし(タイトル的にも)、アップルフリークはこういった本は読みたくないだろうなぁ、と。 クリステンセン教授のコメントの辺りはフムフムって思った気がする。

    2
    投稿日: 2016.03.06
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    ジョブズ死後のアップルに焦点をあてた1冊。目新しい情報があるかと思い読んでみたが、ありきたりの内容でちょっとがっかり。ジョブズ亡き後、革新的な商品がアップルからでないのはアップルが普通の優良企業になりつつあり、イノベーションのジレンマに陥っているからみたいな内容は誰でも感じることで、それに関する裏付け取材は感心するが、今更それを言われても。。。

    0
    投稿日: 2015.11.08
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    ジョブズ後のアップルが輝き続けられるのか。タイトル通り、著者はその未来に否定的。兎にも角にも、世間を驚かすような製品を出せるかに尽きるだろう。

    0
    投稿日: 2015.05.31
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    ジョブスの伝記とかぶっている内容が多く通常の読了断念。ざっと速読しただけだが、ジョブスがいなくなったアップルからはもうイノベーションは生まれない。だからアップルは落ち目だといったことが書かれた本。あえて読まなくても良かった。

    0
    投稿日: 2015.05.15
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    アップル創業者スティーブ・ジョブズの仕事の仕方と、その副官ティム・クックの仕事。そこから出てきていた問題点。中国工場での労使問題、サムスンとの特許訴訟、創業者が亡くなる前から問題は発生していたこと。そしてティム・クックがCEOとなってからのアップルの今に至るまでの苦境が書かれています。 ipodなど革新的な商品の発表が止まり、創業者で有名すぎるスティーブ・ジョブズが亡くなり、アップルファンとしては「これから」が非常に気になっている状態だと思われます。他社から魅力的な(今はまだ価格的にですが)商品が出てきており、浮気したい気持ちも芽生えているかもしれません。本書では、その原因について、かなり踏み込んだ取材を元に解き明かされています。アップルの将来に不安があるのは事実です。いろいろな攻撃に晒され、アップル自身が抱える問題点も多いことも書かれています。しかし、その中からでも、革新的な商品を作らなければならないという使命は残っていることを感じました。

    0
    投稿日: 2015.03.26
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    1/3がジョブズ時代の話、後半はその後のアップルの体裁を取っている。 ジョブズの逸話がいちいち魅力的で、アップルファンでない私でも、アイザックソンの伝記を読みたくなる。(またこの伝説、出版のタイミングが没後すぐって… どんだけ伝説なん?) 一方、後半は、ほぼ対サムソンの特許係争に終始。時代は不透明なままか?

    0
    投稿日: 2015.03.16
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    すごい情報量。 Appleファンには耳の痛いエピソードばかりだが、否定できない。 Appleは筆者の言うように、かつて偉大な創業者を無くしたソニーのような普通の会社になってしまうのだろうか。

    0
    投稿日: 2015.02.08
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    著者は敏腕記者で、ジョブスの様態や新製品をすっぱぬいた経歴を持つ。著者も日本語を使えるらしいが、英語が原著でそれを翻訳者が訳している。 一言で言えば、ジョブス亡き後のアップルという会社の2年間の興亡史であり、かなり悲観的記述が多いためか、アメリカのamazonのレビューは★1つか5つの両極端が多いそうである。CEOのクック、デザイン面のアイブ、多くの優秀な人材が、中国の工場の限界やサムソンとの裁判などで、少しずつアップルが疲弊していく姿がよくわかる。 今後、どのようになるのかはまだまだわからないが、現時点では神話化されたアップルの成長伝説はなかなか厳しいものである可能性もあると認識した方が良いと思った。しかし、500ページの大作を読むのには、少々骨が折れた・・。

    0
    投稿日: 2015.01.24
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    i Phoneで有名なアップルの本。創業者がいなくなったアップルはどうなるのか?多くの人のインタビュー、取材、考察が掲載されてます。

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    投稿日: 2014.12.17
  • 偉大な企業も明日はどうなっているのか?分からない。

    飛ぶ鳥を落とす勢いのアップル。次々と魅力的な製品を生み出し、ワクワクさせてくれる企業なのですがそんな偉大な企業にも「これでもか!」というぐらいに弱点があることを本書は教えてくれます。アップルの今後が気になる方は一読しておく事をおススメします。 10年後にもう一度読み返してみたくなる本です。

    1
    投稿日: 2014.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アップルの将来性の何が問題なのかを知りたくて手にしたが、その直接の記述は後半の1/3だった。 事実を裏付けするためにインタビューや裁判のやりとりなど記述がとても多いため、500ページを越える大作となっている。アップルのことを少しでも多く理解したい向きにはいいかもしれないが、(本の返却期限が今日までで)そこまで付き合っておられないので、今回は半分くらいはスキップした。 現在の自分の仕事がアップルに依存している(=iOSアプリの開発)なだけに、最後に近くなると、読んでいて苦しくなってきた。僕はWWDCの講演をジョブスがやっていた5年くらい前から毎回ネット動画で観てきているが、たしかにジョブスもクックも"Amazing"と"Excellent"を連発するのが鼻についていた。でもそれが最近はとくにたいしたことでも無い改良に連発されるので、強く感じていたい。 Macのほうは、昔から今まで(スカリーがパフォーマーというしょうも無いものを売った次期を除いて)Windowsより優れているが、コストパフォーマンスが最も良いものではなく、シェアは一部、というスタンスを取ってきた。 iPhone/iPadもそのようになりつつあるのかもしれない。 iWatchも期待して準備するほどのことはなくて、それよりAndroid対応、または、HTML5による開発を考えた方がよいのかもしれない。 本書で紹介された「イノベーションのジレンマ」と「アップル帝国の正体」を読みたくなった。

    0
    投稿日: 2014.11.14
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    たらたらと長々と話が続いて、後半まで集中が続かなかった。もう少しコンパクトにまとめることが出来ると思うんだけど・・・ で、果たしてこの先どうなりますやら

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    投稿日: 2014.10.25
  • アップルへの幻想と現実

    ビジネス書ということで、取っ付きにくい、読みにくい本かと思っていたら、思いがけず引き込まれた。文章もわかりやすく、ある部分では小説でも読んでいるような感覚になる。あまりビジネス書に慣れていない人にもお勧めできる。 本書の中で出てくるのが、アップルはソニーのような「偉大な」企業から単なる「良い」企業に変わってしまうのか? という問いかけだ。こんなところでソニーの名前を見るのは日本人として非常に悲しいものであるが、作者の言っていることはもっともだと思う。ソニーを始めとする日本企業が、アップル、グーグルだけでなく、サムスンやファーウェイのようなアジアの企業相手にも苦戦しているのも、ある意味しかたのないことなのかもしれないと感じる。 サムスンとの特許戦争や、サプライヤーとの問題、フォックスコンのひどい労働環境なども詳しく記載されていて興味深い。しかし、このような問題を持って、「アップルは悪だ」とは必ずしも作者は言っていない。そのような問題は、他の企業も抱えているものだからだ。ただ、アップルは良くも悪くも目立つため、異常なほどの攻撃にさらされてしまう。(もっとも、アップルの姿勢にも問題はあるのだろうが) また、この本では必ずしもジョブズを神格化しすぎてはいない。ジョブズにも失敗はあった。iphone4のアンテナ問題がそうだし、7インチサイズのタブレットは売れないと判断したこともそうだ。そもそも、アップルが今抱えている問題はジョブズがいた頃からあったものだとはっきりと書かれている。ただ、ジョブズ亡き後は新しいイノベーションを生み出せなくなったために、批判を浴びやすくなっただけだ。 アップルが今後どうして行くべきなのかはわからない。まあ、答えがわかっていれば、日本の家電産業も苦しむことはなかったのだろうが。Macとipad、iphoneを持つ身としては、また新たなイノベーションをアップルが起こしてくれることを期待するだけである。 それにしても、アメリカ人がもつアップルの幻想は凄まじいものだと感じた。本書では「アップルは人々に新たな価値を与える存在」だとアップル自身が言い、アメリカ人たちもそれを信じている節がある。自社の利益ではなく、顧客を喜ばせることを第一にしている存在だと。 だからこそ、サプライヤーや特許、税の問題でアップルが利益を追いすぎているとバッシングされている状況が描かれている。 私のような1アップルユーザーの感覚では、「利益追求なんて当たり前じゃないの? 大企業ならどこでも黒い部分くらいあるでしょ」と思ってしまうので、アメリカ人の持つ「アップル=善」のイメージには驚かされた。

    0
    投稿日: 2014.10.21
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    断片的には知っていた裏面がよくまとまっていると思うが,若干重複感が否めない箇所もある。 p.68の「ゴシラ」は「ゴジラ」のことか? 固有名詞なので「深せん」でなく「深圳」と書いて欲しかった。

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    投稿日: 2014.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジョブズまで、を描いた本は多数あるが、ジョブズ後はなかなか分かりにくい。アップルに対しては悲観的な見方に終始しているので好き嫌いがはっきり分かれそうな内容ではあるが、最近の動向がよくまとまっており読みやすい クリステンセンによると、大企業では創造的破壊が起きにくい。既存の製品の改良を際限なく続け、やがてそれはプラトーに達する(iphone にこれ以上の解像度もメモリーも速度も、向上すればもちろんありがたいが、製品の魅力をとても高める、というものではない)。そうしているうちに、粗悪な後追いとして出てきたもの(アンドロイド)がより一層のスピードで改良を続け、先行者を駆逐してしまう。ここで、ソニーが挙げられているのはややショックだが、アップルも同じ道を辿っているという。 ジョブズはクックに「僕だったらなにをしただろうかと考えないでほしい。ただ、正しいことをすればいい」と言ってCEOを引き継いだそうだが、クックはやはりビジョナリーではないと感じている人が多数だろう。失敗に対して容赦がないので、イノベーションが起こりにくい。 ジョナサン・アイブのデザインこそがアップルをアップルたらしめているものだと思うのだが、、、新体制になってからは、アイブがユーザーインターフェースも担当することになったそうで、次の製品を期待をもって待ちたい。 ・カリフォルニアの州法では、新車は6ヶ月以内にナンバープレートを取得しないといけないので、6ヶ月ごとに同じ車をリースし、新車に乗り換えることでナンバープレートのない状態をずっと維持している。

    0
    投稿日: 2014.09.28
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    500ページ超もあるジョブズが死ぬまでと死んでからについてのアップルについての本。著者の名前が日本人っぽいので元から日本語で書かれた本かと思ったら翻訳本だった(アメリカ育ちだけど、日本語は分かるよう)。 ジョブズの車にはナンバープレートがついていなかったということを初めて知った。州法で購入後6ヶ月以内に取り付けるよう定められているようなのだけど、ジョブズは6ヶ月ごとに乗り換えていたらしい。ジョブズだからこそできることだな・・・。それと、ジョブズはWWDC2010でWi-Fiをすべて切るように言っていたらしい。いろいろすごいなこの人は。手術をすぐにしていれば今でも死なずに生きていただろうか(こればかりは、アホだろジョブズと思った。菜食主義とかはり治療ってなんだよと)。なお、死ぬ直前の最後の言葉は「うわぁ。うわぁ。うわぁ」だったとのこと。もうそれは言葉といっていいのかどうか・・・。苦しんで亡くなったんだろうなということが分かって悲しい・・・。 この本を読んで、フォックスコンという会社がすごいということが分かった。自殺者も出てるようだし、低賃金だと嘆いてる人もいるようだけど、これだけの規模の会社があるのかと驚いた。福利厚生も悪くなさそうだし、賃金や就業時間も改善していっているらしい。創業者のテリー・ゴウという人はアジアでは超がつく有名人なんだそう。知らなかった・・・。 たいして、サムスンはいろいろひどいと思った。製品はすごいのだろうけど、思想がいろいろひどそう。ただ、やっぱりこの会社もなんだかんだですごい。この本を読む限りではサムスンがアップルにとっての最大のライバルのようにも思えた。まあ、長いこと裁判で戦ってるしそう見えるのもしかたないか。なお、2012年末において世界のスマホ市場におけるサムスンのシェアは40%近くなのにたいして、アップルは25%なんだとか。日本にいると全くもって実感できないけど。 なお、ジョブズと違って現CEOのティム・クックはあまりお金を使わないようで、家も普通の広さだし車も中古らしい。下着はセールで買うのだとか。それと、ずっと独身でガールフレンドもいないよう。ゲイというウワサもあるらしく、ゲイ・レズビアン向けのアウト誌という雑誌のマニュアルパワー50というので3年連続1位なのだとか。なお、本人はゲイという噂を肯定も否定もしていないらしい。 最後の外村仁さんの解説は半分近くが著者についての話だった。すごい人らしい。なお、この本の原著はティム・クック自身が「ナンセンス」というコメントを出してるよう。話題になったんだろうなぁ。 アップルといえば先日、iPhone6が発売されて、iOS8も発表されたわけだけど、iOS8は不具合ばかりでまたもや「ジョブズがいたら...」とかなんとか言ってる人をよく見ますが、ジョブズがいなくなってからずっとこんな調子なんだろうなということがこの本を読んで実感しました。来年にはずっと噂になっていた腕時計型端末が発売されるわけだけど、どうなることやら。よくよく考えたら、ある意味Apple Watchがジョブズの死後初めての新製品となるのか。まあ、これだけ話題になってるうちはまだいいんだろうけど、これからどうなっていくか。

    0
    投稿日: 2014.09.27
  • 「沈みゆく」ことより「帝国」になっていたことが衝撃!あと、サムスン絡みも面白い

    このタイトルを見て、軽い衝撃を覚えた。 かつて、Appleといえば、「虐げられたもの」で「抵抗するもの」で、 「悪の帝国=マイクロソフト」に対する「挑戦者」だったはずである。 少なくとも20世紀末はそうだった。 自分のMacが最後のMacになるのではないか・・・そんなことを思った頃もあった。 それが。 そういえば。 いつのまにやら。 世界の中心たる「帝国」になっていた。 栄枯盛衰は世の習。 沈まぬ帝国はない。 本書の面白いところは、「沈みゆく」部分だけではなく、 「Appleが悪の帝国になってしまっていたということ」に対する戸惑いがじわりじわりと伝わってくるところだ。 いや、面白いというよりも悲しいことなのだが。 それから、普通に面白かったのが、サムスンとの訴訟でのやりとり。 デザインの剽窃を訴えるAppleに対し、サムスン側は乳飲み子を抱えながら夜通し仕事をしたデザイナーの姿を語る。 あれ?そういう情緒的な問題!? 結局のところ、サムスンは敗訴したわけだが、こうした情緒に訴えるところは、 韓国の大統領選挙などでも見られるような。 別にアメリカン・スタンダードに合わせなければならないという法はないのだが、 企業がグローバル化すると意外なところで「あれ!?」というようなことが出てくるものだと思った。

    2
    投稿日: 2014.09.04
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    アップルというのはスティーブ・ジョブズという希代のイノベーターが経営していたからあれほどの会社になれたのであって、そのジョブズがいなくなれば、普通にすごいという程度まで落ちてしまうという見方もあった。 一方、そのジョブズは「いつまでも続く会社を作ることに情熱を燃やしてきた」と言っているわけで、創業者よりも長生きする会社を作ろうとジョブズが注力してきたのだから、彼がいなくなってもアップルは大丈夫だという意見もあった。 いずれにせよ、ジョブズが亡くなった時点では、どのような予想も「当たるも八卦当たらぬも八卦」の世界でしかなかった。 ジョブズ後のアップルがどうなるのか、データがまったくなかったからだ。 だが、ジョブズが亡くなって2年あまりがたったいまなら、多少なりとも実績をもとにジョブズ後のアップルが予想できるはずだ。 著者の岩谷さんは、世界的な新聞であるウォール・ストリート・ジャーナル紙で敏腕記者として鳴らした人物である。 本書は、その彼女が記者時代に集めた情報に加え、本書のために改めて入念な取材をおこない、集められたたくさんの事実がもとになっている。 アップルの現状はどうなっているのか、未来はどうなるのか、多くの事実が全体的にしめされている。 世界中でアップルは訴訟を起こしているが、その過程を克明に記した記録はほとんどない。 アメリカの知財をめぐる熾烈な戦いの現実と、米国の裁判の制度、それに要する多大なエネルギーを理解し、今後の自社のグローバル戦略を考え行動するためにも役立つ。 また、フォックスコンを中心にした中国でのさまざまなエピソードは、日本の製造業/サプライヤーの方々がこれからのIT系グローバル企業とパートナーとしてつきあっていくために、リスクマネジメントの観点も含めてかなり参考になるだろう。 本書のもうひとつの読みどころとして、アップルのイノベーションやビジネスを実際に支えてきた副官たちの詳細な分析が挙げられる。 日本でも数多く発行されているアップル関係の本の多くは、テクノロジーや製品そのもの、そしてデザインの話が中心だ。 人の分析といえば、スティーブ・ジョブズのことがほとんどである。 スティーブ・ジョブズがあまりに目立ち、そして神格化されてきたので(加えてジョブズは、よく知られているように、人のアイデアを自分の手柄として話すタイプであったこともあり)、優秀な副官について子細に書かれたものはこれまでほとんど存在しなかった。 影でフォックスコンの工場労働者(多くは中国の農業労働者の子息)から血を振り絞って、其のくせ、一切を隠し、ひたすらブランドコントロールを行う。 アップルを裸にした良書でした。  

    1
    投稿日: 2014.09.02
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    スティーブ・ジョブズ亡き後のアップルがどうなるかについての本。著者は日系の女性敏腕記者で、しっかりとした取材に基づいた本(日本語もできるが、本書は英語で書かれて、翻訳者により翻訳された)。ジョブズが肝臓移植手術をしていたのをスクープしたのが著者だという。アップル社から反論があって話題になったが、単にセンセーショナルさを求めた本ではない。ジョブズ後のフォックスコンの工場の労働環境の問題や、Samsungとの不毛な特許争いが関係者への取材を通して詳しく解説されている。 ティム・クックはうまくやっているが、「アップルの未来を描く人物としてクックが最良の人物なのか」というのが著者の疑問となる。たとえば第6章のタイトルは「ジョブズの影と黒子のクック」である。ジョブズがいる間は彼らは完璧な補完関係にあり、うまく行っていた。そして、ジョブズ亡きあと、幹部の間での綱引き含めて問題は鬱積している。実際にアップルを辞めてGoogleに行くものも多いらしい。 ジョブズは、クックへのCEO職の引き継ぎに際し、「僕だったらなにをしただろうかと考えないでほしい。ただ、正しいことをすればいい」とアドバイスをしたという。正しいこととは果たしてなんだろうか。会社の業績としては素晴らしい結果を出し続けている。起業価値もジョブズ後も増加している。それでも、著者は凋落の気配を見る。それは著者が過去その取材対象としてSONYの影を見ているからなのだろうか。「スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか」と帯に書かれているが、正しくそれがわれわれすべてが知りたいところだろう。そして、結果として時がそれを教えてくれるにしても、先にそれを知りたいのだ。

    0
    投稿日: 2014.09.01
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    ジョブズ復帰のアップルの最も大きな改革は、在庫整理と規格の統一、サプライヤーの重視など、「アタリマエのこと」をやり遂げたことで、これらは「良い戦略悪い戦略」に書かれている。 ジョブズやクックの人格やエピソードはアップル帝国の存立とほとんど関係ないと思われるし、中国工場の悲惨な労働現場の実態も、アップル一社の問題とはいえない。 いまいち焦点が合わないのに、非常に長い。 ノン・フィクションを謳い、しかし物語でまとめているテクストに、私が最近激しく嫌悪感を持っているからこういう感想になるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2014.08.23
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    ある時期のAppleは奇跡だった。 過去形なのが残念だけど、永続したらそれは奇跡ではない。いちAppleファンとして、まさにイノベーションのジレンマを体感させてもらってるんだな、と自分に言い聞かせ、そしてこの先もApple製品を無視出来ないんだろうな!

    0
    投稿日: 2014.08.17
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    大作ですが、ティムクックのアップル七転八倒操縦物語と言うべきか。自分も会社のトップになって10年になるけど、経営トップは決断することが仕事のほとんどだと思います。経営(マネジメント)はナンバー2でも出来ますが、大きな決断はトップしか出来ないし、理屈では無いと思える今日この頃です。

    0
    投稿日: 2014.07.30
  • 『スティーブ・ジョブズ』の次に読むべき本はこの一冊

    これまで何冊かアップルを取り上げたノンフィクションを読んでいるが、アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』の次に読むべき本はこの一冊かもしれない。 CEOの健康状態をどこまで発表すべきかのせめぎ合いや、徐々にゴジラ化していくアップルに焦点を当てた前半は、闘病中のジョブズの様子も描かれるが重複は少なく、彼が結婚20周年の記念日に送るものを古い友人であるデザイナーと相談しながら決めていく様は実に感動的。 後半では、アップルもソニーのように偉大な企業から単なるよい企業となってしまうのかという疑問を掘り下げていく。 特別だったジョブズがいなくなってアップルも変わったが、何より社外からの見る目が大きく変わった。 フォックスコンにおける労働条件やサプライヤーに対するアップルの厳しい姿勢、米国に対する何十億ドルもの納税を逃れるための複雑な仕組みなどが次々と明らかになり、「世界をよりよい場所にするのが会社のミッションだ」と言って自分たちを倫理的に一段高いところにいると取り繕うことが難しくなっている。 アップルは、「ほかの業界の破壊者であるとともにみずからの破壊者である」とも言われているが、この姿勢を貫くのは生半可なことではない。 データや分析に頼るのではなく、大胆な発想から製品開発を進めることができるのは、リスクを取り自分の行動が正しいと証明できる創業者だけで、盛田やジョブズの後の、雇われ経営者にはそもそも荷が重い話のような気がする。 そもそもクックはリスクをとって業界自体を変えてしまうような新製品を出す本当に革新的な会社を目指していないのかもしれない。 彼はこれからも確実に利益の出る、すばらしい普通の会社を目指し、彼を選んだジョブズも、後任には自分と同じワイルドカードではなく、きちんとふるいにかけられた人物を選んでいる。 ジョブズとクックのスタイルの違いも面白い。 ・ジョブズは休暇中の幹部を呼び戻すことが多かったが、クックは部下の私生活を尊重するため、以前より休みを多く取るようになった。 ・ジョブズは興味を持つとなんにでも首を突っ込んできたが、クックは信じて任せるタイプであるため、結果が出るまではジョブズのようにNoと言わない。 ・ジョブズは摩擦上等だったが、クックは協力関係とチームワークを大切にする。 ・ジョブズは利益をあまり気にしていなかったが、クックのような経営者は利益を重視し過ぎることが多い。 ・クックはわずかな金額を値切って利益を出すタイプで、ジョブズはそのお金を使って人々を幸せにするタイプだ。 アップルは、これまで、市場に新たな可能性を拓くこと、新たな消費者の欲求を生み出すことを一番の目標とし、利益は二の次にするのが特徴だったのに。 クックの人事における眼力やコントロールも当てにならない。 企業文化がそもそも大きく異なる家電量販店出身のブロウェットにアップルストアをまかせるべきではなかったし、何よりフォーストールをクビにしたのは一番の間違いだった。 著者は、フォーストールがいなくなり、アイブが製品のデザインとユーザーインターフェイスの両方を統括するようになったが、うまくバランスをとれず、見た目はいいがまともに使えない製品が生まれるおそれがあると指摘する。 「アップルの現幹部が認めようが認めまいが、彼らはいまも天才という罠に捕らわれたままだ。この罠が彼らを縛り、悩ませ、あらゆる決定にまとわりついている。ビジョナリーリーダーが世界的な偶像となり、さらに死によってその影響力が昇華されたいま、残された人々は、創意工夫と意思の力をかき集め、炎をふたたび燃え上がらせることができるのだろうか。それとも、あちこちで言われているように、アップルは単なる企業になりつつあるのだろうか。その場合でも、世界的にも有数の成功を収める企業にはまちがいなくなるはずだが、その卓越した力が世界を変えることに発揮されるのではなく、利益をあげることに発揮される企業、そういう企業になりつつあるのかもしれない」

    4
    投稿日: 2014.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (ジョブズが亡くなってから)一部の転職は「G2G」(Good to Great)と呼ばれている。ジム・コリンズが書いた『ビジョナリー・カンパニー2―飛躍の法則』の略称と同じだが、こちらは「グーグルへ行く」(Go to Google)の意味だ。

    0
    投稿日: 2014.07.19
  • 面白い!

    一言でいうとこの本は面白い。以前は挑戦者であったアップルがいつのまにか世界の帝王になってずいぶんたつが、その裏側とアップルのこれからを描いた話。そもそも会社のカリスマ的創業者がいなくなったあとの会社は衰退していくと言われている。ソニーもその例にもれず、この本の返しにかいてあるコピー「ソニーは偉大な企業から単なる良い企業になってしまった」とかかれているように、アップルも次第に黒い影が襲いだしている・・・。一読の価値多いにあります。なおこの本はアップルCEOのティム・クックが名指しで批判した話題作です。

    7
    投稿日: 2014.06.18