
総合評価
(25件)| 8 | ||
| 12 | ||
| 2 | ||
| 1 | ||
| 0 |
powered by ブクログそれぞれの登場人物とエマノンとの出会いや関わり合いが、どれも最高に美しい。 予知能力者の兄貴分と精神感応能力者の弟分がエマノンを探す『たそがれコンタクト』が一番印象的だった。 オチは多少読めてたけど、でも切なくて……。
3投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ鶴田謙二さんのイラストに惹かれて読んでみた。 短編集で読み易い。 エマノン多分何人もいたんだと思う。 どれかをどれだかわからないけど、関係なく同じ人格何でしょう。 2回くらい結婚してるのか。 特殊な人何人もいた… いつエマノン出てくるのか、どういう役割ででてくるのかわからなくて少しドキドキしながら読んだ。
0投稿日: 2023.09.10
powered by ブクログあてどなく旅に出たくなる作品。 時系列が交錯しているようで、次巻以降のどこかのエピソードと繋がっていると思われる部分があったりする。 身体こそ代替わりするものの膨大な生命の記憶を持ち続けているエマノンにとって、その時代時代で出会う人々はみな、通り過ぎてゆく存在になってしまうのだろうか。 それが例えどんなに大事な約束を交わした相手だとしても。
0投稿日: 2021.08.02
powered by ブクログ読んだのは1983年刊の単行本。 【感想】 ・長年気になっていた作品をようやく手にした。 ・鶴田謙二さんのファンなので彼の絵がカバーの文庫本をと思ったのだが最初の形で読みたくもあったので単行本を。カバー絵は新井苑子さん。一九八三年、まだ活版印刷の時代。本って感じがする。 ・今となってはちょっぴり古くさい感じはする。 ・「キノの旅」の原型って感じもある。 ・三十年前に読んでたら耽溺してたかも。 【一行目】一九百六十七年といえばジェミニ計画が一段落した翌年で、まだアポロも月に着陸していなかった。 【内容】 ・地球に生命が誕生してから現在までの記憶を持っているエマノンと、彼女に惹かれた男たちのせつないお話。 ・不死者譚もののバリエーションのひとつと言える。 ・大型フェリーでエマノンと出会った青年。 ・事故でケガをしエマノンから輸血を受けた少年。 ・記憶を失ったエマノンと結婚した男。 ・人類を超えた能力を持つ少年。 ・vsコンピュータ異星人。 ・超能力者コンビ。 ・放送局のアナウンサーと石油備蓄基地建設予定地にはえてきている植物たち。 ▼エマノンについての簡単なメモ 【アイオン】エマノンと同じくすべての記憶をもっている植物。「永遠の時」という意。エマノンの知り合い。 【猪部一雄】肥乃国日報文化部芸能欄担当の記者。裏のない性格で飄々としている。 【エド】サンデイの夫、トミーの父。 【エマノン】だいたい粗編みのセーターとジーンズを身に付けナップザックを背負っている若い女。《私は地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶しているのよ》「おもいでエマノン」p.18。そして記憶の重みにうんざりしている。昭和二十五年生まれ。最初の話の時点で十七歳。娘が生まれたら記憶は娘に受け継がれ元のエマノンには残らない。 【エマノンの名前】no nameの逆さ読みらしい。 【邑上】九肥放送のVTR編集室勤務。大柄で繊細さとズボラが同居している男。「ワイドおはよう列島」というキー局発信の番組で鉈地英子と組むことになった。 【学生】名前はわからない。最初のエピソードでエマノンと出会った青年。SFが好き。ずっと後にエマノンと再会するが。 【片岡雅子】九肥放送のアナウンザーだったがある日突然マイクの前でしゃべれなくなって今は資料室勤務。 【神月潮一郎】初めてエマノンと会ったときどういう者であるかをを看破した傲慢で酷薄な高校生。わかってしまう能力とケガをしてもすぐ治る肉体を持っている。 【ガリオン】コンピュータ。意志が感じられる。 【記憶の引き継ぎ】娘が生まれたらその娘に記憶は移行してしまい母には残らない。ということは「生命の記憶」そのものがエマノンという存在なのだろう。 【傷つける】《本質的に彼女には、決定的に他人を傷つけることができないのだ。》「とまどいマクトゥーヴ」p.119 【サンディ・ペイジ】新しい人生を送ろうとしている女。トミーという息子がいる。 【晶一】セラピーにかかっている瞳の大きな少年。出生前の記憶を持っている。両親が死んだ交通事故のときエマノンから輸血を受けた。《でも、晶一くんはほしになったんだわ。願いがなかったじゃない。》「さかしまエングラム」p.60。 【ダウジング】エマノン特殊能力のひとつ。道具なしでダウジングできる。砂漠で水を見つけるのも簡単! 【田口】セラピスト。晶一を治療している。 【旅】《エマノンは記憶の原初からずっと、旅を続けているのだった。理由など見当たるはずもなかった。そらはエマノンにとって本能なのだ。》「とまどいマクトゥーヴ」p.120 【丹下丈二】創業以来九肥放送勤務していたが取材中の事故で退職したらしい老人。今は酒びたりの日々。 【ツチノコ】美郷健が高校教諭をしていたころのアダ名。ツチノコに似ているからとか。今はJ・K・インダストリィ傘下の企業をやっている。 【トミー・ペイジ】サンディの息子。 【鉈地英子】ローカル局、九肥放送報道局のアナウンサー。天草に行く途中のバスでエマノンと出会う。エマノンと同じE・Nというイニシャル。 【ヒデノブ】予知能力者。ヨシフミと組んでいる。未来に起こることが全て書かれている一冊の本を持っている感じで読めばなんでもわかるが、決定された運命を自分がなぞるだけだと悟りヒデノブはなるべく読まないようにしている。エマノンとは真逆の方向の能力者。 【古橋】東阪石油の備蓄基地建設のための駐在員。いろいろ苦労している。 【フレデリック・F・フリードマン】サンデイの父、トミーの祖父。〝狂気の3F(ルナティック・スリーエフ)〟と呼ばれた有名な研究者。宇宙生物学を研究していた。ガリオン・ラボを開いた。 【マクトゥーヴ】「運命づけられたもの」とか「予定されたもの」といった意味。神月潮一郎が自分のことをそう評した。 【ヨシフミ】精神感応力者。元暴走族だがケガをしてオートバイの運転ができなくなり今はヒデノブと組んでいる。 【良三】五十間近の男。フリーのシナリオライター。1973年に記憶を失ったエマノン(荏麻/えま)に会い結婚した。その娘が荏衣子(えいこ)。 【歴史】《歴史って、人類や生命全体の〝おもいで〟に違いないのよ》「おもいでエマノン」p.30 【老人】良三が荏麻と名付けたエマノンの父親。
0投稿日: 2021.01.17
powered by ブクログとても有名な本なのですね。 読み放題になっていたので手に取ってみました。 時代を感じさせない、SFさをあまり感じさせない優しいお話です(宇宙戦争なんて出てきません)。 構成はショートストーリーの集まりになっていて、どこからでも、どの巻からでも読めるようになっています。エマノンは、旅をしながらいろいろな人と出会い、自分の ”おもいで” として記憶していきます。それが彼女の旅、なのでしょう。 原始時代、まだ単細胞のような時代、というようなくだりもでてきます。 小さな生物は、なんのために、どうやっていきているのか、単細胞は1つで1つの生命なのか、と考えるとやっぱり違うように思います。 今年のベスト本として挙げられる、植物について書かれた本「樹木たちの知られざる生活」で、樹の根本では、菌糸が樹とネットワークを作り大きな生命体として機能している、と書かれていました。 生物の単位が1個体だ、というのは狭い考えだったのだと改めて思います。 ウィルスも1つ1つが生きているのではなく、連携してひとつの世界を創っているのかもしれません。共生、とは思いたくはないですけれど、進化のために必要なものなのかも。
15投稿日: 2020.11.26エマノン
不思議な話です。いつの間にか読了。不思議な話です。読めば読むほどいい。地味にオカルトとも言えない蘊蓄がなかなか切れ味がいい。星 5つ
0投稿日: 2020.07.06
powered by ブクログSF。短編集。シリーズ1作目。 『アステロイド・ツリーの彼方へ』で「たゆたいライトニング」を読んで面白かったのでシリーズに挑戦。 最後の「あしびきデイドリーム」には、「たゆたいライトニング」のキャラが登場。 30億年に渡る記憶という、極めて時間的スケールの大きな設定が魅力的。 どの話も好きだが、「とまどいマクトゥーブ」がベスト。 個人的には、エマノンの永い記憶を少しでも共感できるよう、時間をかけてゆっくり読むのが合ってるかも。
0投稿日: 2018.10.31
powered by ブクログ面白かった。ン十年ぶりに読んだエマノン。 まだ十代でエマノンと同じ年代だったなぁと思いながら、 ぎゅうぎゅう詰めのナップサックにジーンズ、荒編みのセーターに胸まである髪、そばかすに、瞳の大きな堀の深い顔立ち、異国風とも東洋系とも見える美人とも美少女ともいえる。そして両切りのたばこ。 なじみのフレーズに懐かしさを感じながら読みました。 映像化するチャレンジャーはおらんやろ。
0投稿日: 2017.02.23SFの短編集。
読むまでは純粋な恋愛小説かなと思っていたから、奇想天外なSF小説であることに衝撃を受けた。 地球生命誕生からの記憶を受け継ぐ女という発想は面白かった。ただ短編であるためかその他の登場人物に思い入れることができなかったのが残念だ。 短編で多くのシチュエーションを楽しめるのもいいと思うが、長編でエマノン以外の人物をよりクローズアップしていたらいいだろうなと思った。 まあ読んでも損はないと思う。短編が好きという人なら大いに気に入るだろう。
0投稿日: 2015.10.10パノラマビューの展望台は地球の記憶
時と記憶のSF仕掛けがこのように使われるのか!と納得の1冊。 エマノンが出会うのは、普通の人からニュータイプ?、植物と多種多様。 エマノンの立ち位置は変わらないので、まるで高いビルの展望台で、左にスカイツリー、右に富士山といった《景色のギャップ》に通じる爽快感を感じました。 読んでいる私はいいけど、景色は変わるのに自分の立ち位置は変わらないエノマンは・・・・孤独だろうなぁ。
5投稿日: 2015.05.27切ない喪失感と爽やかさが同居しているSF文学の名著
イラストを描いている鶴田先生の「冒険エレキテ島」が好きなので、その流れで読んでみました。土曜日午後に一気読みです。自分一人だけ30億年の記憶を持つ美少女の孤独。その美少女に関わり、惹かれ、そして失う人達の喪失感。締めつけられるような切なさの中にも、生きることに前向きな人間の爽やかさを感じさせてくれる名作でした。なぜかSFではなく文学ジャンルにカテゴライズされていますが、確かにSFには収まりきらない不思議な作品です。でも、輪廻やサイキック的なSF・伝奇的要素ももりだくさんで、すごく贅沢な作品ですのでSFファンも存分に楽しめるのではないでしょうか?気に行ったのですぐに続編を買っちゃいました。
9投稿日: 2015.04.06梶尾真治さんの作品を読み直して
SF作家である梶尾真治さんの作品は、純粋なSFとは趣が異なり、「SF」あり、「ファンタジー」あり、「ドタバタ劇」ありと、いろんな分野が融合した作品が多いと感じます。「おもいでエマノン」シリーズは「SF」と「ファンタジー」が融合した梶尾真治さんの初期の代表作品で私のお気に入りです。ずいぶん前に一度読んでいますが、電子書籍化に伴い、改めて読み直してみましたが、若かりし頃に感じた何とも言えない「キュン」となるような新鮮な気持ちが蘇ってきました。「カジシン」の作品をもっと電子書籍化していただけたらと思います。
4投稿日: 2014.08.25代表作登場
カジシンと言ったらリリカルSFの名手ですが、その中でも本作「おもいでエマノン」は最高傑作と名高い名作です。歴代日本SFでも常に上位にランキングされる程の人気作品だったのですが廃刊になっていたため最近は読めませんでした。巻末の対談で当初はシリーズものではなく読み切りで終わる予定でしたが、短編ネタがないので再登場させたことにより現在に至る事になったと語っています。 さて地球に生命が誕生してからの記憶を持った少女という魅力的な設定ですが、超能力などの能動的能力ではないので周りが動いて話が進むという流れになります。ただどの話も登場人物が彼女に答えや許しを求める話が多く、そう言う意味では彼女は地球の思い出であり地母神ガイアなのかもしれません。時代設定も近代から近未来とバラエティに富んでおり時代が特定できなくファンタジー感を醸し出しています。私は第一話の最後のフレーズが好きで「数時間一緒にいても、数十年間一緒にいても同じ(刹那)ことなのよ」というエマノンの時間的スケールに圧倒されます。 ※デュアル文庫の既刊4冊(本作入れて)が徳間文庫で新装復刊されるので楽しみだ。
12投稿日: 2014.06.14
powered by ブクログ有名な作品、一度読んでみようと手に取る。 主役はエマノンなのだろうけれど、 脇の人たちの描写が作品の肝なのかもしれない。
0投稿日: 2014.05.26
powered by ブクログ徳間デュアル文庫(http://booklog.jp/item/1/4199050086)の新装版。 地球に原始的生命が誕生してから現代まで三十億年間の記憶を遺伝し続けながら生きる少女、エマノンと、彼女に関わる人々を描いた短篇集。 設定や登場キャラクターなど、社会問題やファンタジーの要素もありつつ、SF的なハードさがあって良い。
0投稿日: 2014.03.31
powered by ブクログ鶴田謙二の漫画の方からエマノンに出会いました。 思ってたよりSF!! さかしまエングラムととまどいマクトゥーヴがめっちゃ好き。 さかしまエングラムは、ラストの星の場面がとても、きれい。 とまどいマクトゥーヴは神月くんがああ、だめだ大好きだ。 エマノンは、すべての男子たちの母で恋人だ。 永遠の憧れだ。 過去から続く時代の人々を、 人類を、 地球を、 すべてを愛して、 でも一人の女性としても今を生きるエマノンは同時に私達でもあるのだ。 めちゃくちゃ、かっこいい。
0投稿日: 2014.03.28
powered by ブクログコミック版が良かったので、小説版を読みたいと思っていたところに復刊でうれしいかぎり。コミック化されたのは現代を舞台したエピソードばっかりだったのでSFという印象が薄かったが本書を見て納得。
0投稿日: 2014.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
地球に生命が誕生してから現在までのことをすべて記憶しているという少女・エマノンの物語。人間ですらなかった時代から、母から娘へと記憶が伝えられてきたという。その彼女が、世界を旅しながら多くの人と触れ合っていきます。SF旅物語とでも言いましょうか。 連作短編集の形で、各編は彼女と出会った人物の目線で描かれます。特に最初の表題作が、甘酸っぱい青春を思い起こさせる感じで気に入りました。その後も、出会う人とのやりとりが彼女の記憶に蓄積されていく一方、会った相手にもかけがえのない記憶を残していきます。突飛な設定もありながら、それぞれに楽しく読み終わりました。 表題作は、1979年に書かれたもの。それでいて、今も一向に色あせてないのが素晴らしいです。エマノンシリーズは何冊か新装版として文庫化されるようですので、しばらくはエマノンとの旅を楽しもうかと思います。
0投稿日: 2014.02.10
powered by ブクログ30億年分の記憶を持つ少女。 noname→エマノンさんの短編連作。 設定はSFだけど、むしろノージャンル。 色々考えちゃいます。
0投稿日: 2014.02.03
powered by ブクログ人気シリーズだそうですが、私はさっぱり乗れず。 生命発生からの全ての記憶を持つ少女、という設定はなかなか面白いのですが、どうもその割に話が軽すぎるというか、なにか思い付きで書いている感じがします。 コミック化もされているようですが、その方が面白いのかもしれません。
0投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもいでエマノン ぼく、エマノン。 さかしまエングラム 晶一少年、田口医師、エマノン。 ゆきずりアムネジア 良三、老人、えま、えいこ。 とまどいマクトゥーヴ エマノン、神月潮一郎、ツチノコ。 うらぎりガリオン 母サンディ、息子トミー、エマノン、フリードマン、ガリオン。 たそがれコンタクト ヒデノブ、ヨシフミ、エマノン。 しおかぜエヴォリューション 鉈地英子、猪部、丹下、エマノン、古橋、アイオン。 あしびきデイドリーム 輝良、ヒカリ、エマノン。 素晴らしい読書体験になる。ポートワインとビターチョコレート。
0投稿日: 2014.01.09
powered by ブクログ飛行機のなかで読むために購入した本。ひたすら繰り返し読んでも飽きないSF本。単行本もこの編みかたなのだろうか。発表年を感じさせないテーマと文体。
0投稿日: 2014.01.02
powered by ブクログものすごく久しぶりに読んだ。第1話が書かれてから、もう34年もたつんですね。エマノンはそのテーマ故にどの時代でもマッチするので、これだけ時間がたっていても色あせた感じはないですね。
0投稿日: 2013.12.28
powered by ブクログ説明するまでもない名作、エマノン。徳間デュアル文庫が暫く品切れになっていたが、この度、徳間文庫から新装版が刊行された。 帯裏の予定ではすべて新装版が出るようなので嬉しい限り。 美少女エマノンと邂逅する人々を描いたオムニバスだが、1作1作の完成度が高く、どれを読んでも楽しめる。長年愛される作品にはそれだけの力があるのだと実感。
0投稿日: 2013.12.20
powered by ブクログ2011年5月16日漫画版を読み終えてから 「是非活字で読みたい!」と思っていたから ★は甘めかもしれない。 表題作のなんともいえない空気の漂う感じは この短編にあう音楽を見つけたいのだが見つけられない。 切なさをまとったロマンティックな時間と恋愛系の 「ゆきずりアムネジア」「あしびきデイドリーム」 MADな感じの 「さかしまエングラム」「うらぎりガリオン」 超能力者の意味を追う「たそがれコンタクト」 それらの中間に位置する「とまどいマクトゥーブ」 人類の存在の方に中心を置いた「しおかぜエヴォリューション」 あたりはずれはあるけれど、これから3ヶ月連続で エマノンに会えることが、まずは幸せ。
1投稿日: 2013.12.17
