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総合評価

452件)
3.6
76
149
163
25
6
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    自分にもあてはまる、親の無力さを感じる。何とかしてあげたいという親の行動が子供にとって全くよくないことにつながることがほとんどだ。普段通り、生活を変えずに、接する。仕事を辞めたりせず、気を使いすぎず、いつも通りに。寄り添う気持ちで、愛情は伝わる。とか聞くけど、そんな神対応みたいな冷静な親なんていないだろう。愛情ってなんだろう、今までの子育てってなんだろう、私が悪かったのかとか、親もただの人間であることを思いしらされる。 最後のビタースイート・ホームが若干軽さがある話で助かった。「エビスくん」は本当にきつかった。防波堤でエビスくんに病院に来てくれるように頼む辺りは、もう限界やんと思って涙がどんどんでた。大人が気がつくこと、できることは、こんなにないものだろうか。

    10
    投稿日: 2025.09.15
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    題名やあらすじでは分からなかったけど、読み始めたらイジメの内容が多くて驚き。でも最終的には嫌な終わり方ではなくストンと落ちるお話で満足。短編集。黙々と読んでしまった!「キャッチボール日和」は涙なしに見れなかった…。「エビスくん」がこの中では1番好きだったかもしれない。心に残るお話しでした

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    何故人はイジメをするのか? 何故人はイジメられても親に言わないのか? これは当事者で無いとわからない事なのかなぁ。 ナイフとキャッチボール日和は突如始まる絶望的なゲーム。家庭内に問題は無いのに子供が標的にされ教室の中でゲームは日常化されて参加者達は貪欲だ。そしてどちらも別の場所で起きている事と重ねて合わせる事でエールを送る。彼等や彼女を救う事が出来ずにいる親達もそしてもっともっと傷つき精神的に肉体的に追い詰められていく彼等を浮かび上がらせている点が凄い。 エビスくんは長編小説を読んだ気分になった。私の1番好きな作品である。松重清のあとがきを読んでもわかる様にSに向けた言葉がはみ出た作品だったようだ。結局最後は優子は健康になり嫁に行くみたいだ。奇跡は起こる。神様はおる。私もそう思った。 どこにおんねんや〜ホンマに 最後のビタースィート・ホームは今の若い世代は皆働きながら子供を育てている。私は専業主婦で子育てしていたから余り感じ無かったが、息子達は完全に二人で働き二人で子育てしていて実に素晴らしいと思う。ここでは元教師で今専業主婦対独身女教師の闘い。でも読み進めていくうち父親がふつうの家庭に自分を当てはめたくなって何かに負けてしまった為妻は仕事を辞めた。でも妻は自分で選んだのだと言う。そして今だったら復職してももっと良い先生になれると言う。そうなんだよね。人間は自分の立場でしか相手の事を思う事が中々出来ない。立場が変わって初めて知る事はたくさんある物だ。後悔とは人生において汚点ではあるけど、それを踏まえてこれからどう生きるかが成長なのではと思えた作品でした。素晴らしい(^^)v

    7
    投稿日: 2025.07.31
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    いじめをテーマにした5編からなる短編集。 いじめの描写があまりにリアルで過酷なため、何度も読むのをやめそうになったが、それでも最後まで目を背けずに読み切るべきだと感じた。 いじめという重く深刻なテーマを扱うにあたっては、安易にぼかすのではなく、このくらいの重さがむしろ適切なのかもしれない。 各短編ごとに視点が変わり、いじめを受ける本人だけでなく、苦しむ父親や見守る幼馴染など、立場の異なる人物たちの目を通してその実態が描かれる。それぞれの視点にリアリティがあり、多面的な痛みと向き合う構成になっている。 すべての物語がスッキリと終わるわけではなく、かすかな希望が見えつつも、根本的な解決には至らないリアルな結末が印象的だった。いじめは「なかったこと」にはできない。読後は心がすり減るような重さが残るが、それだけに深く考えさせられる作品集だった。

    26
    投稿日: 2025.07.18
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    巻末にある、如月小春さんの 「巷の勇者たちへ」 が、私の感想と重なっている。 子供のいじめを これでもか、炙り出しつつ、 その視点は父、母、教師、 いじめる側、いじめられる側、 同級生、 それぞれの 想いもしっかり描き、 それが重松清さんの フェアな向き合い方だ、と。 短編小説集でありながら、 エビスくん、は 特に長編のような時の流れと重みを感じた。友人を亡くした重松清さんの経験と喪失を乗り越えるべくして書かれたという。 やっぱり、好きだ! 重松清さんの作品は 読後感がよく、 心に少しだけ足跡をつけてくれて、 明日は、少しだけ上手に自然に笑えている自分が見えるのだ。

    8
    投稿日: 2024.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて辛かった。 それはイジメの描写が生々しかったという理由だけではなく、自分の小学生、中学生の頃の行動を思い出させられたからだ。あの頃、自分の周りではイジメはなかったと思っていた。イジメは暴力を振るわれる、あからさまな仲間外れをするといった行動だけだと考えていたからだ。ただ、数十年が経過した今考えてみるとイジメがなかったと断言できず、 さらに自分がそのイジメに加担していなかったとも断言できない。あの頃はふざけて行っていたイタズラやいじりと思っていた言動もイジメであったのではないかと考えさせられた。 短編の中の1つ、キャッチボール日和での一節 "反省と後悔の違いが初めてわかった"から始まる主人公の言葉は深く印象に残った。

    0
    投稿日: 2024.10.31
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    表題作「ナイフ」は学校でイジメを受ける息子と、自分なりに向き合う父親に、胸を締め付けられる思いで読みました。その他の作品も思春期の子どもがいる家族が様々な壁にぶち当たるけど、ラストは良い感じのところにまとまる。キレイに終わりすぎるところが、なんかモヤモヤが重なる。

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    1999年第14回坪内譲治文学賞 受賞作「ナイフ」他4編の短編集 「ワニとハブとひょうたん池で」 「ナイフ」 「キャッチボール日和」 「エビスくん」 4編は、いずれも学校でのいじめがテーマです そして、この短編集は子供達だけでなく そのいじめを知った親達や、教室で対応しきれていない教師と 大人側の苦しさも書かれています 25年前から日常化していたいじめは、変わっていないどころか 悪化しているように思う 読んで苦しいのは、いじめの対象となってしまった子供達が抵抗しない事を最善としているかのようなところ 親達の中にも待つという対応を選択している人も多い 子供を守れない事に苦悩する親も苦しい 重松さんのいじめ小説は、いじめられる側の気持ちを充分に表現しているのだけれど どうにかやり過ごすという方向性が多いと思う 「エビスくん」は 転校生で仲良くなりたいために 暴力的な行動をとったらしい 家庭環境が良くなくて本当は優しいとか そうは言っても、やられる方はたまらない 「キャッチボール日和」は、少年がなかなか過酷ないじめを受けて 最後は転校するのだけど いじめていた側が転校した後何か思ったところで それで解決にはならないですよね 「ナイフ」は 息子を救ってあげたい父親の苦悩 教材としても使われる重松さんの作品を読んでも 全くいじめの解決策は見当たらない

    82
    投稿日: 2024.09.06
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    イジメや惨めさがテーマになった短編集です。子供がいる親にとっては、考えさせられるような内容のものが多いです。

    1
    投稿日: 2024.08.03
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    五話中四話がいじめに関する話。そのうち三話は、視点が違った。被害者、被害者の父親、被害者の友達。そしてエビスくんでは、強い存在感の加害者との二人の主人公。何か重いものを感じたけれど、流星ワゴンとの共通点がいくつも感じられ、そう気分を暗くすることもなく読めた。元教師の親と教師との戦いを書いたビタースイート・ホームもいい話だった。◆小さな幸福はきっと取り戻せる。その戦いは、決して甘くはないけれど。(文庫版裏表紙より引用)

    1
    投稿日: 2024.07.15
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    重たいいじめの内容とは裏腹に本人たちはなぜか達観していて、そうすることで心を守っているのか?と。 表題になっている『ナイフ』と最後の話が好きだった。父親の情けなさ、プライド、心のブレーキ、内に秘める冷酷さ、空想好きのリアルな苦味が詰まっていて良かった。

    1
    投稿日: 2024.04.05
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    いじめに関する物語5つ。 「エビスくん」が特に印象に残った。 自分は我ながら負けん気が強い人間なので、もしも同じ状況だったら、とっくにどこかでブチギレてると思う。 どうして主人公はやり返さないのか当初は分からなかったが、読み進めていくうちに何となく理解できた。 家庭環境もあると思うけど、優しい子もいるもんだな。 物語として、とても綺麗な終わり方で後味が良かった。

    2
    投稿日: 2023.10.16
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    いじめに関する5つの物語を収録した短編集。読んでいて胸が苦しくなりましたが、目を背けるわけにはいかないと読了しました。名著ですが、心が弱っているときにはおすすめしません。

    6
    投稿日: 2023.10.04
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    いじめをテーマに、親や子どもの立場から描いた作品。いじめは決して許されるものではないけど、「エビスくん」はまだ救われる思いがしました。 息子の学校でも、いじめの噂は耳にする。保護者や先生が出ていっても解決できないものなのだろうか。また私自身も息子がいじめに関わった時、それに気づくことができるだろうか。悲しいけど永遠の課題だなぁ。

    0
    投稿日: 2023.09.27
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    イジメをテーマに子供にも親にも焦点が当てられた短編集。 本当に読み進めるのが辛いほど、リアルで酷いいじめの内容だった。 その中でもこの子はどうなっちゃうのか?このまま親はどうしていくのか?を考えながらでどんどん読み進めることができた。 この本の登場人物たちは自殺はしなかったが、こんな状態だったら自殺したくなるよなと思ってしまった。ニュースでも子供の自殺報道は度々報じられているが、それと重ねるくらいリアルな描写だったと思う。 虐めている側はどんな気持ちなのだろうと、そちらの気持ちを示した小説もあれば読んでみたい。

    7
    投稿日: 2023.09.09
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    すごい。 小学生の子を持つ親として、とても苦しく辛い内容ばかりでしたが、しっかり読ませていただきました。 小中学生のいじめの短編集。 無視の標的にされる女の子や、ひどいいじめをされるが父親に負けるなと無理矢理登校させられる男の子など。 いじめに関わる子供達、親達の心の弱さや葛藤、闘った末の自分の在り方など、涙なしには読めません。 最後だけ母親達VS若い女教師の話だけど、こちらもなかなか感慨深い。 特に【キャッチボール日和】【エビスくん】 いじめの描写も特に激しい。 変にぼかしたりせず生々しいが、決して美化などされるべきではない事実がしっかりと書かれている。 本気で心が沈むので、影響されやすい私は朝からズシっときてしまう… でも、どの作品も読後は前向き。 あとがきも納得。

    10
    投稿日: 2023.06.21
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    重松さん好きだけどあんまり刺さらなかった。 いじめの描写が結構苦しかった。 もやもやした感情を持つ家族の話ならビタミンF、ちょっとしたすれ違いを描いた話なら日曜日の夕刊、ふとした時に思い出して読みたくなるのはロングロングアゴーです。この本はイマイチって人にはそちらをおすすめします。なんか最後の話のオチが同じ作者の別の作品で読んだような気がして残念でした。

    2
    投稿日: 2023.04.12
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    つらい...。 春から小学生になる息子がいじめにあったらと、一気に不安になる。 幼稚園時代の今が1番幸せなのかも。 子育ての不安は尽きないんだなあ

    1
    投稿日: 2023.02.20
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    いじめを受けている子供の気持ちだけでなく、家族の気持ちも描写されており、親の気持ちにかなり感情移入できた。

    1
    投稿日: 2023.02.08
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    「いじめ」がテーマの短編4編と「家族」がテーマの短編1編が収録された小説。 「ナイフ」「キャッチボール日和」のいじめ描写が特に読んでて辛かったが、最後まで読み切ってよかったと思う。些細なことでいじめは行われる、加害者は軽い気持ちなのかもしれないが、いじめられる側だけではなく、その家族も辛い思いをすることを忘れてはいけない。 作中に荒木大輔や長嶋茂雄の引退の話が出てるのが、一昔前、二昔前の作品って感じだが、いじめの根本はいつの時代も変わらないんだなと実感。是非多くの学生、教師の方に読んでもらいたい作品。 立場の弱い人にフォーカスする重松清さんの作風がやっぱ好き。

    6
    投稿日: 2023.01.30
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    中学生時代塾の先生に読めといわれて借りたけど当時面白さが分からなくてほとんど読まずに返してしまった。それから10年程経ち偶然古本屋で見つけ偶然題名を思えていて購入した。 いじめって不思議なもので1人をターゲットにすることで他の人は団結しているように錯覚してしまう。ただのゲームだからいつ何が発端で自分がターゲットになりうるか分からない。大人になっても胸糞悪く共感してしまう不思議な一冊。

    0
    投稿日: 2023.01.25
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    ヤダこれもうステキ大好き。 な感じの、大人向けのこども話。まぁ現役のガキやら子どものいない大人やらには伝わるまいよ、この気持ち。要するに酸いも甘いも噛み分ける大人が子どもに対して持つ感傷やら苦痛やらやるせなさやら何やかんやと思う気持ちをすべてぶつけるような、要するにマスターベーションに他ならないのであって、そういうセンチメンタルに夢見がちなオッサンこそが読むべきではないか。オッサンのはそういうのが必要なわけですよ。分かってチョンマゲ。

    2
    投稿日: 2022.12.13
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    いじめって何でなくならないんだろう。オイラも小さい頃いくつか、いじめられた経験がある。大切なものを手放すことでいじめから逃れたことがある。オイラはその手放したものにずっと未練を抱きながら大人になった。いじめた側はきっと覚えていないだろう。幼稚園の時にいじめられて泣いているオイラを見て先生が、いじめた子を部屋の真ん中に立たせて組のみんなにその子を叩かせたことがあったのを今でも覚えている。今だったらちょっと問題になりそうだけど、今でも記憶にあるくらいだからオイラは嬉しかったんだと思う。オイラをいじめたら、組のみんなも先生も許さないって証明してくれた。この物語では、いじめに参加しないけど見て見ぬ振りの子が出てくる。いじめてるのと一緒だと思う。学校や会社で理不尽な仕打ちに遭っている人を見て、手を差し伸べてくれる人は少ない。同じ目に遭いたくないから関わりたくないのだ。オイラだってそうだ。いじめられた経験があるのに……。弱い人の気持ちがわかるだけじゃダメだと思う。助けてあげる行動ができる勇気がほしい。大人ってもっと強いものだと思っていたけど、大人だって弱い。強くなりたい。

    1
    投稿日: 2022.09.29
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    他人に一度言葉のナイフを向けたのなら、逆に自分もそれを向けられる可能性があることを認識していなければならない。

    0
    投稿日: 2022.09.11
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    様々なジャンルの「いじめ」の話。 「いじめ」と「いじり」の境界線ってなんなんだろうね。 エビスくんの回は最後に重松さんの解説を読んで自分の高校時代に自殺してしまったクラスメイトのYくんを思い出しました。 Yくん何してるんだろうなぁ、そして当時何を思っていたのかなぁ。

    0
    投稿日: 2022.08.16
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    いじめを題材とする作品集 最初は重いテーマと思いながら読んで行ったがキャッチボール日和、エビスくんで思わず涙した。 重松清ワールド炸裂。 やはり重松清さんの作品は心打たれます。 満足の一冊

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    かなり心が苦しくなります。 辛すぎて目を背けたくなるような内容がほとんどですが私の卒業校では似たようないじめがありました。 この話をフィクションだからと軽い心で読んではいけない。

    1
    投稿日: 2022.06.05
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    どこかのサイトで紹介されてたので買ってみた一冊。 いじめの話しの短編集だった。 短編の話でも続けていじめの話しを読むのはなんとなく気が重くなる。 結構えぐいいじめの描写もあったし この小説は20年以上前の話みたいだか、いじめの内容がけっこうえぐい。今も多分実際に同じような内容のいじめを受けている人はいるだろうし、これからもひどいいじめを受ける人はたくさんいるのだろうと思う。 時代がすすんでもいじめはなくならないし、解決できない問題だと思う。 この小説の話でも、いじめ問題は解決してない。 どの短編もいい感じで話が終わってる感じがするが、根本的な所は解決していないように感じた。 いじめについて改めて考えさせられた小説でした。

    10
    投稿日: 2022.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本すごいわ。 覚悟して読んだほうがいいと思います。 5編の短編が入っているんだけど、一つ読み終わるとすぐに次の作品に移れないぐらい胸がいっぱいになってしまって、心の整理が必要だった。 『ナイフ』 重松清 (新潮文庫) 共通する状況は“いじめ”である。 しかもかなり酷い。 人が人にこんなことをすることが、本当にあっていいのかと思う。 なんでここまでしなくちゃいけないのかと心が重くなって、ページを繰る手が何度も止まる。 しかし、作品のテーマはいじめそのものではない。 大きな括りでいうと、“家族のあり方”とでも言おうか。 子供を守りきれない親の悲しみとか。 親に打ち明けられない子供側の心理とか。 子供に強くあってほしいと願うあまり、子供の本当の姿が見えなくなってしまっていたりとか。 一番心に残ったのは「キャッチボール日和」だ。 父親と息子の話なのに、母親の立場の私も、涙涙の一編だった。 かつての自分にとってのヒーローであった、野球の荒木大輔投手と同じ名前を息子につけた父。 父の期待に応えられずに苦しむ息子。 これは、心のキャッチボールがうまくできなかった父と息子の話なのである。 荒木投手の最後の試合の場面がまた感動で、この不器用な親子の姿とリンクして、涙が止まらなかった。 「エビスくん」もよかった。 主人公は小学六年生の「ひろし」。 そして、心臓の病気で長い療養生活を送っている妹の「ゆうこ」。 転校生の「エビスくん」は神様(えべっさん)の子孫だから、願い事を何でも聞いてくれるのだと、ひろしはゆうこに嘘をつく。 ゆうこをエビスくんに会わせてやるために、ひろしはエビスくんからのいじめに耐えるのだが…。 いじめっ子のエビスくんが最後に見せた優しさに涙します。 重松さんはこういうところがうまいなぁと思う。 辛い状況の中にふっと降ってくる優しさに救われる。 ひろしを取り巻く登場人物たちが素晴らしい。 全部関西弁なところがすごくいい。 私は、この主人公たちのようなことをされた経験はないけれど、男子のいたずらのレベルではいろいろされた。 ランドセルを教科書ごと田んぼに放り込まれたこともあったし、教室に入れなくて、職員室登校をしていた時期もあった。 “いじめをなくそう”なんていう文科省のスローガンのようなメッセージは、本書にはない。 いじめはなくならないことを前提に、たぶんこの物語は書かれている。 読む人によって考え方は違うだろうけど、この本を読んで私が感じるものは、どちらかというと無力感に近いものだ。 重松さんが、重いテーマを扱っていながら綺麗ごとを一切書かないのは、自分も何もできないことを分かっているからなんじゃないだろうか。 作者が描く“いじめられている子供たち”は、自分がいじめにあっていることを親に言わない。 私は、親の立場で考えると、子供には何でも話してほしいと思うけれども、自分が子供の立場だったら、やっぱりこの小説の主人公たちのように、絶対親にも先生にも言わないだろうなと思う。 十分傷ついた挙句に、なけなしの自尊心まで捨ててしまったら、もう自分を保てなくなる。 ここだけは必死で守らなくちゃいけない最後の砦なんだと思う。 「ワニとハブとひょうたん池で」のミキは、ハブのままで頑張ったし、「ナイフ」の真司は、「だいじょうぶ」ときっぱり父に言えた。 「キャッチボール日和」の大輔は、初めて父と並んで野球を観た。 そして「エビスくん」のひろしは、エビスくんのことが本当はずっとずっと好きだったのだ。 泣きはらした目で見る青空は、目に沁みるほど綺麗で、きっとそれが希望と呼んでもいいものなんだろう。 読み終えた今、そう思う。

    0
    投稿日: 2022.03.20
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    いじめを題材としているが読み易い。 中高生はもちろん、小学生でも読めると思う。すぐには消化しきれないかもしれないけれど、感じるものはあるんじゃないかな。 私は『ナイフ』を中学生の時に読んでいたかった。もっと早くに出会いたかった。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    この本を手元に置きたくないなと思った。読んでいて本当に辛かった。いじめの加害者がたくさん出てくるが、彼らは特に制裁を受けず、被害者が重い傷を背負うのを横目にのうのうと生きるのだろう。それが辛い

    2
    投稿日: 2022.02.06
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    いつも通りなんだけど、少しハラハラ、ドキドキ。どの話もすーっと入って、あっという間に感情移入してしまう。それで最後はちょっとだけハッピーに。大好き度❤️❤️

    0
    投稿日: 2022.01.01
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    いじめをテーマにした短編小説。 集団無視されても、ひとりで生き抜くと強い子、いじめられてることを親に言えず苦しむ子、いじめられてることを知りなから、守るのではなく、もっと強くなってほしいと期待する親、仲良くなるためのきっかけ作りでいじめてしまう不器用な者、いじめられながらも病気の妹のためとグッと我慢する子、生徒のためを思ってとった行動が親の癇に障り諍いとなる先生、出産を機に高校教師を辞めた親。 いじめを肯定することはできないけれど、子ども同士、先生と生徒、先生と親、子どもの関わりのなかに大人が介入していくのは難しく思う。仲良しだからと思って取ってた行動が、相手を傷つけていることだってある。いじめがなくなるとは思わない。だからと言って見放してはいけない。干渉しすぎるのもいけない。ただ、見守るというのが一番難しい。

    0
    投稿日: 2021.12.13
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    夫の友人からお借りしました。 いじめをテーマとした5作品が収録された短編集です。 今まで、温かい涙を誘うようなほっこりした気持ちの読後感の作品しか読んだことがなかったので、著者が書いたものでこんなにつらいいじめの描写があるなんて思いもよらず、衝撃を受けました。 ラストはほんのり希望のみえる作品もありましたが、とにかくいじめの描写が鮮烈過ぎて今も憂鬱な気持ちから立ち直れません。これが今のリアルないじめなのでしょうか・・・ それは私には知りえないことですが、ただ、読んでいてハッキリわかったのは、いじめられている側はそれを周囲に隠したがり、心配や同情も嫌うんだなっていうこと。 大人にSOSを送れば心配かけちゃうしカッコ悪いし、という子供なりのプライドも大事にしてあげたくなりました。 でも。 それ以上に大切なのが、心や命なんだよ、と教えてあげたい。 小説では父親が悩みながら奮闘する姿に救いをみましたが、実際にはどうなんでしょうか。

    2
    投稿日: 2021.11.25
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    虐めを知らない 虐められた経験も、虐めた経験も無い 虐めの描写が酷く、辛いので途中で読むのを止めようかと思ったけど、最後のお話しでちょっとだけ、読みきって良かったなと思った 最近はSNSとかでの虐めや誹謗中傷もよく目にする 誰も何も思わないのか、 助けてあげようと思わないのか、 周りの大人が何とか出来ないのかと思う… 教師も今はただの職業のひとつになり 何かあれば保護者側に責められ 保護者側も自分勝手な言い分ばかり押し付ける 人間同士の相性もあるだろうけどいろいろと… いろいろと考えさせられる世の中に生き辛さもあったり無かったり…

    0
    投稿日: 2021.11.23
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    重松清の小説の中でも特に「いじめ」にフォーカスした短編集。さらっと読めますが、いじめの描写はやはりリアルで痛々しい。 印象に残ったのは「エビスくん」です。どんなにいじめられても、強い子が好きだから、いじめっ子であるエビスくんが好き、という主人公キヨシには共感できませんが、、エビスくんには一度会ってみたい。 最後のあとがきで、エビスくんは実際に亡くなった友だちがモデルになっていることを知りました。「どこにおるんや、エビスくん」というキヨシの最後のセリフは、切ないです。

    19
    投稿日: 2021.10.09
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    何が正解で何が間違っているのだろうか。 エビスくんは今、どうしているのだろうか。 本当は神様だったのかな。

    0
    投稿日: 2021.09.23
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    いじめをテーマにした短編集だった。今までいじめの現場を目撃したことがないから、現実にこんないじめがあるのだと考えると、かなり驚かされる。時代が違うのもあるかもしれないけど、子供たち同士のいじめについて考える良い機会になった。ビタースウィート・ホームが一番好きだったな。教師の立場から見る学校と、親の立場から見る学校は、やはり違うのだなと改めて知った。どの話もあまりハッピーエンドにはならないけど、この妙な現実感が良いなと思う。

    0
    投稿日: 2021.07.20
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    <突き刺すために読む、突き刺さった部分を確かめる>  全話、刺さる。痛い、とても。  それぞれの主人公(もしくはその友達、息子)の周りには、鋭利な空気が満ちている。呼吸するたび中からボロボロに傷付いてしまうような、苦しい環境の中で、彼らは生きている(最後のは少し違うけど)。  でも、みんな逞しい。目も当てられない程に押しつぶされても、無くならない。絶対に火が消えない。だから、最後まで読む事が出来る。  いじめが鮮明に描写される。曖昧な表現が無い。想像したくないのに、浮かんでしまう。いじめにハッピーエンドは無い。そんな当然を改めて思う。  人間は間違うんよなあ…どれだけ気を付けても、一所懸命にやっても。その『間違い』から目をそらさないこと、認めることが、一番大事でね… って、それが一番難しくてね。

    0
    投稿日: 2021.05.01
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    本当にリアルだなあ けど、今とは少し違うところがあるんではないかな?とまずは言っておきますね。 しかし、本当に道徳とは。哲学とは。と考えさせられる本でした。27歳になった今でさえ本の内容の答えは何が正解かはでません。 おそらく正解はないのではないでしょうか。 親も、子供も友達も、先生もみんな人間で、完成された人はおらず自分自身の正解は、己の経験が信じられるものとなる。 特に大人は多いのではないでしょうか。 自分が親になった時。先生になった時。自分の子供時代の子供目線になれるのかなと不安になったり、強い力をもつ子供を育ててみたいと思える作品だったと、私個人は思いました

    0
    投稿日: 2021.02.21
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    イジメ題材の短編集 少し前の作品ですが、今も昔も同じことが繰り返されて問題となりますが、何一つ変わらないんだなぁって思いました。 ゲーム感覚だったり、些細なことがきっかけで行われる人の残酷さが怖いお話でした。 子供の頃には今の気持ちを持てなかったのかなぁ... 変わらないかも知れませんが、考えるきっかけになれる本だと思いますので、沢山の人に読んでもらいたいです。

    7
    投稿日: 2020.12.16
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    どの話も読んでいて辛い。小学生や中学生が小説とはいえ、こんなに辛い目にあっていると思うと悲しくなる。辛い場所からは逃げてもいいんだよ、って言いたい。

    1
    投稿日: 2020.11.03
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    名作!!人生のベスト5に入るんじゃなかろうか。どれもイジメを題材にした短編集で、中には痛々しい描写もあるけれど、語り手が飄々と語るのでそこまで苦しい気持ちにならず読める。そしてどの話もボロボロ泣いた。 自分が思春期のときに読んでいたかったと思うが、心が抉られて読めてなかった気もする。なので大人になった今だからこそ読めると思う反面、自分の娘にも読ませたいとも思う。そんな1冊。 図書館で借りて読んだが、家に置いておきたい。

    1
    投稿日: 2020.10.24
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    いじめについて、じっとりとした嫌な気持ちがありながらも、それでも前を向こうと言う脚注の登場人物たちに力をもらった。

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    投稿日: 2020.10.23
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    およそ20年ぐらい前の小説。5つの物語からなる短編集で子供のイジメがテーマ。どれもイジメがテーマだから面白いとは言い難いが「キャッチボール日和」と「ビタースウィートホーム」が良かった。イジメは残酷。現代のイジメはSNS上でもあるんだろうか。無くなることを切に願う。

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    投稿日: 2020.08.26
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    いじめをテーマにした4つの短編では、こうしたテーマの時には必ずと言っていいほど、「教諭」に対する憎悪でイライラしてしまう。(例え教諭が出てこなくてもだ)けど、あとがきでの重松さんの「相棒」話でイライラが少し中和出来たみたい…。

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    投稿日: 2020.06.01
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    「父親を、お前は超えろ」 大学時代、父親を超えるというのはどういうことかという話の中で、自分を超える子供を育てて初めて父親を超えたと言えるのではないかという意見に感心したのが思い出される。

    3
    投稿日: 2020.05.12
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    しんどい話や描写が多く、 親・子・幼なじみ様々な人物と視点でその狂ったいじめの世界と向き合っていく話。 最後の家族の話にほっと救われるところを含めて良い作品です。

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    投稿日: 2020.04.21
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    いじめの問題。 ちょっと悲しく、最後にホンワカ。 でも、結局は解決してないんだけどね。 中学生は残酷です。 最近のニュースで多くの事件を見てると、小説の話だけじゃないんだろうなと思う。 お子さんをお持ちの方は注意をしてるべきなんでしょうが、じゃ、私は良い親だったんだろうかと振り返ると、この小説に出てくる親のように自信はないですね。

    1
    投稿日: 2020.04.16
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    現代社会の問題に切り込む作品を多数発表する重松清の短編集。 いじめに苦しむ子供。 いじめから息子を守ろうとする父…そしてナイフを握る。 誰しもが持つことができるその“ナイフ”の描写は読む者を強く引き込む、衝撃的なものだった。 この現代だからこそ、この作品は深い内容になるのだろう。

    1
    投稿日: 2020.03.17
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    色々ないじめをいじめられる方の視点から描いた短編集。主人公たちは乗り越えるところまではいかないが、負けずに生きていく。

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    投稿日: 2020.03.01
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    5つの短編小説。1960年代から1990年代の話。その頃は高度経済成長期やバブルにより、多くの家庭は幸せな生活を送るようになる。と、いう感じにハッピーである一面がある一方、学校での“いじめ”が大きな問題となり始めた時代でもあることは忘れてはいけない。残念ながらそれは今になっても決してなくなることはない。つまり、時代の流れは大きく変化しているが、昔も今も、”いじめ” という根本的な問題は、変わることなく、存在し続けている。この本を読むことが、いじめにあってる人をより客観視し、理解する動機になればいいと思う。

    0
    投稿日: 2020.01.28
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     1998年度第14回坪田譲二文学賞受賞作。  表題作『ナイフ』を含む5編を収めた短編集。小学生や中学生のいじめを中心とした構図の作品が多い。いじめについて誰かに打ち明けたいのだが、口に出すとなんとなく負けた気になってしまい、家族の前ではついつい明るく振舞ってしまう。家族もその変化に気づいてはいるのだが、なかなか声をかけにくい雰囲気が漂う。そのあたりの心情を巧みに掬い取っている。残酷さと同時に温かさも伝わってきて「生きることは悪くない」と思う。みんないろいろな思いを抱えて生きているんだなと実感する作品集である。

    2
    投稿日: 2019.12.08
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    いじめを受ける子供と、その家族のお話。 いじめは子供が最も辛いけど、側で見守る親も辛い。親の立場になった今なら分かる。 助けてあげたい、毎日一緒に学校に行ってやりたいと思う。大事に大切に思う自分の子供がいじめに合うなんて悔しい。 親の感情が如実に伝わる話ばかりだった。 短編「ナイフ」が1番親の気持ちで読めた。

    4
    投稿日: 2019.09.22
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    いじめがテーマの短編集。読んでいて気持ち悪くなったり、そういうことじゃない、と拒否反応を示す。自分の中にあるものを見透かされているように感じてしまう。 プラスでもマイナスでもない関係。そこに存在するだけでいい関係。自分の都合の良い解釈。その時々の存在を肯定するための反省。ああ、自分を許すのって大変だ。

    1
    投稿日: 2019.08.04
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    いじめの壮絶さ 短編5編 ワニとハブとひょうたん池で ナイフ キャッチボール日和 エビスくん ビタースィートホーム ハブされた女の子 エビスくんが印象的 エビスくんはどこへ行ってしまったのか

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    投稿日: 2018.08.28
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    「エビスくん」には泣かされてしまった。 小学生でも互いを慮っている。 そんな幼いころの心の機微を交あわせた友人と会いたいよね。

    1
    投稿日: 2018.05.02
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    ・4/30 読了.子供のいじめの話だけにやるせない暗い気分になってしまうな.やっぱりいじめに立ち向かったり頑張って我慢したりという理不尽な話より、不治の病などの不幸話の方がまだ絶望的という意味で逆に諦めもついて心の健康にはいいかも.

    1
    投稿日: 2018.05.01
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    すごくいい話ばかりだった。特に「ワニとハブとひょうたん池で」が女子中学生の話で共感できて、気に入った。重松清さん。おぼえておこう。すごーくかんがえさせられて、本当に買ってよかったと思った。また読みたい。 2001.7.23

    1
    投稿日: 2018.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イジメの短編集でした。一つ、一つの話の内容に自分だったらとか色んな感情湧きました。お気に入りはエビス君の話しかな… ビタースィートホームはちょっとな… 私ならあの担任大嫌いだわ。教育熱心ではなくただの自己満。なのに自分のせいではないって…時代の流れなのかな??自分は正しい、私は被害者みたいな終わり方だし。これは『イジメ』なのかな? これを学生の時読んでいたらどう感じたのかな?とも思う作品でした

    1
    投稿日: 2018.01.06
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    つらい短編集です。 ほとんどがいじめをテーマにしています。、主人公達が理由もない「いじめ」に、解決策も無く何とか立ち向かおうとする姿が描かれます。 これでもか、これでもか、と続くいじめに圧倒されます。なぜそこまで書かなければならないのか?救済は無いのかと著者に問いたくもなります。しかし、やはり安易な救済に走らないのがこの作家の凄みなのでしょう。出張に向かう新幹線の中での読書でしたが、思わず目頭に来る、非常に記憶に残る作品でした。 その中で唯一「エビスくん」は不器用な少年が愛情表現代わりに行ういじめであり、Happy Endもあるために救いがあります。

    1
    投稿日: 2017.11.10
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    いじめや家族の問題を描いた短編集。 書かれた時代のせいかいじめの内容が古い。そのせいか、なかなか感情移入出来なかった。 自分が学生時代に読んでいたら感想違っていたかも。 個人的にはエビスくんの話が好き。

    0
    投稿日: 2017.11.04
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    友人関係、学校でのいじめ、それをすっごく冷静に冷酷に書いている短編集。それぞれがつながっているストーリーでもないし、救われるわけでもないけれど、現実の残酷さがすごく表れていると思った。

    0
    投稿日: 2017.10.31
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    中学生の頃図書館で見つけて読んでみた。この頃自分と同じくらいの中高生が主人公の小説をたくさん読みたくて読み始めたがこの本はすごく暗くて、読んでいて想像する世界がいつもグレーに包まれており自分の気持ちもずーんと暗くなったのを覚えている。

    0
    投稿日: 2017.10.03
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    いじめが題材の短編集。 この本では、いじめられるのは自分だったり、自分の幼なじみだったり、子供だったりするのですが、いじめに関わるとどんな立場であれ、まったくいいことないですね。 最後の話は先生が教え子の親たちにいじめられ(と言うか、いろいろと文句言われ)て、「もう辞める!」みたいになる作品で、他の話とは違う雰囲気なのですが、個人的にはこれが一番好きです。

    0
    投稿日: 2017.09.14
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    いじめをテーマとした短編集 華々しく 光を浴びて輝くわけじゃない ヒーローにもなれない でも 明日はとりあえずやり過ごそう 前を向いて歩こう という気持ちにさせられる 優しいエールを感じる本でした

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    投稿日: 2017.09.01
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    テーマは「いじめ」 読んでてちょっとしんどくなりましたが、 それを乗り越えていく姿や行動には感嘆しましたね。 今の時代はどうなんだろ。 中学生の年代って難しいですよね。

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    投稿日: 2017.06.17
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    重松清の文章に初めて触れたのは小中学校の国語で出題される問題文だったと思うが、そのどれもが家族や学校といった生きていく上で逃れられない社会でのコミュニケーションにおける問題を取り上げたもので、そこから抱く当事者性に強く引きつけられたと感じる。生々しい内容は心に晴れやかなものを残しはしないが、これこそ読者が求めているものなのだろう。ビタースィート・ホームで描かれるドライな教師像がかなりお気に入りだった。ドライにならなきゃやってられない今の教師の苦しみが込められていると思う。 ”「でもなあ、親から自己満足を取っぱらっちまったら、子供を育てるなんてむなしいもんだぞ」”

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    投稿日: 2017.02.09
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    いじめにあいながらも耐えて、どんどん強くなったと感じる物語があった。 いじめがどんなものなのか、人にどう影響を与えるのかが分かるような作品だった。

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    投稿日: 2017.02.04
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    いじめの描写が本当に生々しい。教室で嘔吐するシーンは、実際その場に居合わせてしまったような胸のつかえを覚えて今でも印象に残っている

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    投稿日: 2016.10.08
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    またまたいじめの話題である。それぞれのストーリーはいじめられっこの過去と自分の子供の現在であったり、本人だったり、身近な立場だったりいろいろケースがある。現実世界でも自身がこれっていじめじゃない?と思うケースもあり、取引先、顧客、メンバー、上司、家庭内.... そこに正義を振りかざして対応したら正義が勝つってわけでもなく、それが社会の構図だったり、「しょうがない」として受け入れていく、あるいは「どうしたらよいかわからない」として諦める。しかし、本書ではそこに解決策を見いだしているわけでもなく、「描ききっている」とでもいうのだろうか、「それでお前はどうする?」と事態を読者に突きつけ、宙に浮かんでいるような感じ。それで私はどうする?改めて会社社会やこども社会を心配しながら、正義ではない対処方法を探し続けていくのか?

    0
    投稿日: 2016.08.06
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    5編からなる短編集。 それぞれの短編は独立しており、一編は100頁前後の長さ。 もっと早く読むつもりだったのが、この一冊を読むのに一週間近くかかってしまった。 なぜか? イジメを描いたこの短編集、一編を読んだだけで気分がドヨ~ンと沈んでしまい、続けて次の物語を読む気力が削がれてしまったからだ。特に文庫本の最初の三篇は、胸が悪くなるようなイジメの描写だ。こんな内容のものを読んだら、続けて次の短編を読む気力が...。作者の重松さんとは同世代だけど、子供の心理、親の気持ち、痛いぐらいに描ききってるなぁ。 自分が中高生の頃もイジメはあったけど、今時のイジメって、何なんだ?こんなに陰湿なん? 自分らの頃と比べて、あまりの違いに憤りさえ憶える描写だ。 ・ワニとハブとひょうたん池で 私立の女子中学でのお話。ハブと言うのは、村八分から転じた言葉だ。周りから徹底的に無視されることなんだが、無視だけならまだしも執拗な嫌がらせ...。両親の前で健気に振舞う主人公と親の苦悩。読んでいて辛かったなぁ。独身の自分でさえこうなんだから、同じ年代の子供を持つ人が読んだら耐えられないんじゃないか...。 ・ナイフ 気の小さい男子中学生と臆病な父親。こちらもイジメの描写はキツかった。子供を守るために小さなナイフを握りしめる父親。自分だったら、相手を切り刻んでやるところだが...。この物語でも少年はイジメのことをハッキリと親に言わず、助けを求めていない。少年のこの時期に特有の「親が出てくるのことは何よりも恥ずかしいこと」という心理、よく分かる。分かるだけに読んでいて辛いのだが...。 ・キャッチボール日和 本書の中で一番のお気に入り。中学でイジめられているダイスケ。とうとう不登校になってしまう。だけど逃げる事を良しとしない父親。両方の気持ちが分かるんだよなぁ。ここに描かれているような超陰湿なイジメなんかされたら、誰だって不登校になるだろ。だけど、自分の息子には強くあって欲しいという父親の気持ち...。 子供のためを思って教室に乗り込む父親、その前で嘔吐してしまうダイスケ...。幼馴染みの女子中学生の視点で語られていて、イジメを見ても傍観者で居ることに悩んでる心情もよく分かる。最後、この幼馴染みの行動は、エライ!って拍手したくなったな。 ・エビスくん こちらは男子の小学生、ひろしのお話。ある日、エビス君が転校してきたが、理由もなくエビス君にイジメられるようになってしまう。しかし、ひろしは重い病気で入院している妹のために、ひたすら耐える。自分が耐えることで神様にご褒美がもらえると信じて...。五編の中で唯一のハッピーエンドと言える結末。 ・ビタースィート・ホーム こちらは父親の目線でのお話。元高校教師の妻と小学生の娘、幼稚園に通う息子の四人家族。この物語の特徴は、教師VS保護者の構図だ。教育熱心な小学校の担任と、それに反発する母親たち。ここで出てくるような担任ってのは自分の時代にも居たし、教育熱心なのは分かるけど、評価は難しいよなぁ。ここに出てくるような母親たちも、まわりの同級生の母親連中の中に居たしなぁ。担任の言葉でこういうのがあった。 「はっきり言って、親のエゴに振り回されるのって、もううんざりですよ。こんなの、いじめと同じじゃないですか」 学校の先生も大変なんだな...。 子供の居ない自分だけど、「へ~、そういうものなのかな?」って思った台詞。 「息子の生まれた父親って、キャッチボールするのが夢だってよく言うだろ。俺みたいに昔野球をやってた奴じゃなくても、ぜったいにキャッチボールなんだよ。それ、なんでだと思う?」 「さあ・・・」 「キャッチボールは、向き合えるからだよ。そういうときでもないと、父親が息子の顔を正面から見るのなんてできないじゃないか」 父親とキャッチボールした記憶が蘇ってきたなぁ。 ☆4個 背表紙~ 「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。僕たちの世界は、かくも脆いものなのか! ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフをぎゅっと握りしめた。失われた小さな幸福はきっと取り戻せる。その闘いは、決して甘くはないけれど。坪田譲治文学賞受賞作。 自分に息子か娘が居たら、強く育って欲しいよなぁ、とつくづく思った。でも、もし弱い子供だったら、誰かにイジメられてたら、全力で守るんだろうな...。

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    投稿日: 2016.07.14
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    中学生のころの推薦図書。 いじめに関する短編集だけど、暴力シーンなどが苦手なほうなので、ややトラウマ

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    投稿日: 2016.05.17
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    子どものいじめ問題を取り上げた短編 半世紀前に遡ってみるといじめそのものは存在していたが、命に係わるような事態はなかったと思う 自分の子どもたち世代にも多少マスコミが取り上げていた記憶がある 3年もすれば、孫世代が当事者になる可能性がある(いじめる側かいじめられる側)子どもが親としてどう立ち向かうのか気になるところ

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    投稿日: 2016.05.10
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    いじめの正しい解決方法はきっとないんじゃないかと思う。いじめられる側、親、友達、先生、あらゆる視点からいじめをみるが、やはり、子どもと大人の壁を感じる。そうじゃないんだよな、と思う気持ちも共感できる。しかし、もし自分の子どもがいじめを受けていたら自分はどうやって向き合うべきなのか、今はまだわからない。

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    投稿日: 2016.05.02
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    涙が止まらなかった。子供たちのイジメの話。でも、どうしても親目線で読んでしまう。親として、どう対応してあげられるのか。 最後の、ビタースイートホームにも泣けた。 後悔、葛藤。とても共感できた。もどかしくて涙が止まらなかった。

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    投稿日: 2016.02.16
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    いじめを題材にした短編集。最初から4作目までは、いじめられているのは子供達で、その状況を、いじめられる当事者の視点、いじめにあっている子の父親の視点、幼馴染の視点、と切り替えて描かれる。最終話のみ、少し毛色の違う話。パッと見いじめと関係ないように思えるが、ある意味、登場人物の女性教師が生徒や親から不当に扱われて(いじめられて)いると本人は受け止めている、また子育てで妻が離職した夫婦のその後の葛藤する気持ちを描いており、いろいろと想像を膨らませられる作品。面白かった。

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    投稿日: 2015.11.20
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    とってもおもーーーーーーい。 でもこれは、どこにでもあることなんだろうな。 わたしたちが見て見ぬふりしているだけで。 わたしは、いじめの現場に遭遇しても、それがいじめだと認めて、一歩踏み出す勇気なんか、きっとない。きっと、わたしだってギャラリーだろう。無責任に同情するつもりもないし。そもそもいじめられている人の気持ちには、「つらい」「悲しい」「悔しい」…それ以上はどうやっても踏み込めない。 そんな気持ちがわかるほど、わたしは強くないし経験値もない。 こんなことはいじめが無くならないとやっぱり解決できないのかな、せめて好美ちゃんくらいのことができる人間ではありたいと思う。

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    投稿日: 2015.10.08
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    「いじめ」をテーマにした短編小説集。 個人的には「ワニとハブとひょうたん池で」の「ワニはいる。ひょうたん池に、棲んでいる。元気だ。元気にみんなから嫌われながら生きている。うん」というところに何だろう、無意識に今の自分と重なったのか、凄くグッときた。 自分で言うのもあれだけど、過去にいじめられていた身としては、自分のプライドだとか、親、先生らとの距離感だとか、色々共感出来る箇所が多々あって、正直昔を思い出して泣きそうになった。 僕はこの小説はどちらかと言うと、いじめにあっている本人より、その周りの大人達、親や先生らに是非読んでもらいたいと思った。

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    投稿日: 2015.09.21
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    3人の息子(中1・小4・小2)の父42才です。 いずれも、いじめの実情が生々しく、心のうちまで描かれていて、ヘビーでした。 僕も父、母に対して「学校ではうまくやっている」という プライドがあった。すごく大事なものだった。 息子たちのそれは、守りたいと思う。

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    投稿日: 2015.07.08
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    重松作品は大好きでよく読むが、この作品たちにはとても辛くて読み進めるのが大変だった。 いじめもとてもリアルに描かれており、親達の関わりや心情、痛いほどの描写がされている。 ビタースイート・ホームは、自分と重なる部分が多かった。元々仕事人間だった自分、辞めてからの心のバランスを保つのが難しいところなど、細かいところで当てはまる人はたくさんいるのだろうな…と思わせる描写。 あとがきで重松さん本人の過去について語られており、それでこんなに…と納得できたところがある。重松さんは魅力的だ。

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    投稿日: 2015.06.04
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    前半はつらいお話が多いけど だんだん心温まる。 最後のお話、こういう夫婦になるのかな なりたいなーというのとは少し違うかも 憧れるのはもっと仲良し夫婦。 でも現実的にはこんな感じになるんだろうなって。 なんやかんやありつつも、仲良くお互いを思いやって。

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    投稿日: 2015.05.22
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    重松さんの小説には小6の時に読んだ「初めての文学」で出会い、それで一気に重松さんのファンになりました。そして中2になった2年前、学校の図書室で再び重松さんの小説に出会いました。それがこの「ナイフ」です。この小説はいじめがテーマの暗い話ばかり。 誰からも相手にされないいじめを受ける、 「ワニとハブとひょうたん池で」 息子がいじめられていることに強い憎しみを抱く父親を描いた、「ナイフ」、 もっともいじめの描写が壮絶な 「キャッチボール日和」、 親友の名のもとにあるいじめを描いた、 「エビスくん」 最後の話だけ少し違った感じで、親たちの教師への反論を描いた、「ビタースィートホーム」 まあとにかく衝撃的でした。本当にいじめは許せないと強く感じました。同時に、重松さんはいろいろな小説を書くんだなあ、とも。 とにかく、この作品は秀作です。あまり本を読まない友人に紹介したら本当にのめり込んでいましたからね。 この後、僕は重松さんの小説を10冊以上読んでいきます。(現段階で。)これからも読み続けたいと思います。

    0
    投稿日: 2015.03.19
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    いじめや親と子との関係をテーマとした5編の短編小説から成っている。いじめの場面はえぐい描写ばかりで、目をそむけたくなった。正直、ほんとにこんないじめが現実にあるのかな、とあまりリアリティを感じないところもあった(クラス全員からハブされたり、公開オナニーなど)。自分がいじめられている立場だったら、また、その親だったらと置き換えても、どうすればいいのかわからないような難しさを感じた。 短編のなかでは、著者自身が思い入れのある作品とあとがきで言っている「エビスくん」が一番心に残った。エビスくんのしていることは明らかにいじめだが、主人公のひろしとエビスくんのような関係もありなような気がした。エビスくんも根底ではひろしと仲良くなりたかっただけなんだと思うが、その表現の仕方が不器用すぎたのだと感じた。 また、「ビタースイートホーム」も夫婦のあり方について、考えさせられた。これを読んで、個人的には、もし結婚しても、お互い共働きで夫婦それぞれ家庭以外の世界を保ったままの結婚生活がいいなと感じた。

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    投稿日: 2015.03.13
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    学校や家庭を題材にした人間関係と心の動きを描写した短編集。いじめはかなり凄惨な場面もあるが、子供の成長過程t付けているためか、後に残らない気がした。 自分の子育ての良しあし等、考えさせられる部分もあった。

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    投稿日: 2015.02.25
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    最後の一作を除いて「イジメ」の話。小学生や中学生の気持ちがうまく描かれている。けれどそれ以上にひきつけられるのは、いじめられている子どもたちの親・家庭。どの作品に登場する家庭も、私自身と同じような条件の下にある。年齢的にも、生活面においても。そんな中で突如「子どものイジメ問題」が登場する。あるいは、不登校が始まる。自分のこととして置き換えてみると、いったいそのとき自分はどのような対応をするのか。仕事柄「イジメ」の場面には何度も出くわしている。本書に登場するほどの強烈なものでなくとも、子どもたちにとって「無視される」ということがどれほど恐ろしいことかはよく分かる。それぞれに対処もしてきた。けれど、それがいざ、自分の子どものこととなるとどうするのだろう。じわじわと考えさせられる作品ばかりだった。ところで、そんな内容にもかかわらず、解説で如月小春が書いている通り、どれも読後感は清々しい。

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    投稿日: 2015.02.15
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    いじめられる子だけでなく、いじめられる子の親、いじめられる子の親友など、色んな人の視点で書かれたお話。 読んでいて胸が苦しくなってくるのですが、最後まで読む手が止まりませんでした。

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    投稿日: 2015.02.07
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    どの短編も読んでて辛いっす。 子供がいるので、なんとなく重ねてしまうのかな。何年か後に、こういう悩みを抱えてなくないなぁー。とか。 ってか、なくなればいいのにね。いじめ。って思います。

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    投稿日: 2015.01.22
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    大学入試の際の移動中や宿で読んだ。 ワニの話と、お父さんの話が印象に残っている。 あまりよく覚えていないけれど、なにかしら心に残る本だったと思う。

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    投稿日: 2015.01.04
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    全篇がいじめを題材にとった重い短編集だ。 いじめられている息子を持つある父親。 負けることが嫌いな彼は、いじめられてもやり返せない息子の不甲斐なさが許せない。 …昔ヤクルトに荒木大輔というピッチャーがいた。甲子園で天才投手と呼ばれた彼は、プロに入ってから故障の連続で、結局鳴かず飛ばずだった。 引退を囁かれ、球団からもう来期の契約はないと言われても諦めようとしない、父親はそんな荒木の大ファンだった。だから生まれてきた息子にも「大輔」と名付けた… だから父親は、荒木大輔のような不屈の精神を見せてくれない息子が歯がゆくて仕方がないのだ。 子ども中心主義で考えれば、問題も答えも明らかだろう。 子どもにプレッシャーをかけてはいけない。重荷を背負わされた子どもは萎縮してしまい、本来の個性を発揮できなくなってしまうから。 子どもの立場に立って子どものやりたいようにさせてやるべきだ。父親は間違っている、と。 「正解」を言うのは簡単だ。だが、誰もその道筋は示してくれない。 先の父親は葛藤の果てに、自分の信念が息子を苦しめていたことに気づく。 だが、重要なのは何が正解かではないのだ。重要なのはそこにたどりつくまでの過程の方だ。 何故なら、子どもにとって正しいことをしてやるのが親の役目ではなく、子どもとともに生きることが親の役目だからだ。 正しいことと同じくらい、間違っていることに意味がある。 生きるとはそういう過程(プロセス)だ。 重松清は、そう教えてくれる。 http://book1216.blogspot.jp/2006/07/blog-post_13.html

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    投稿日: 2014.11.11
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    どれも読むのが辛いイジメの話が5編。とはいえ、「エビスくん」と「ビタースィート・ホーム」はやや趣きが異る。 年齢や自分の立場的にイジメられている本人より、自分の子どもがイジメられていることを率直に受け入れられないでいるオヤの心理に共感というか、同意というか、そういう気持になっちゃうんだろうなぁと思うことしきり。 子どもを守ってあげられるのは親だけなのだから、信じたくない現実でも目を逸らさないようにしないとだな。 「ビタースィート・ホーム」は、モンペア側からの視点というのが新しい。これは聖戦なのだな。

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    投稿日: 2014.10.08
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    この方は言葉のひとつひとつが非常に丁寧な印象がありますね。この本はイジメを題材にしていますが、描写も細かく書かれていて読み進めるのが苦しいくらいです…。でもそれだけ心に残るような作品で、イジメの現状や対応について考えさせられます。

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    投稿日: 2014.09.02
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    「悪いんだけど、死んでくれない?」 ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。 僕たちの世界は、かくも脆いものなのか! ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。 ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。 子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフをぎゅっと握りしめた。

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    投稿日: 2014.07.16
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    いじめられる悲しさを思い出して、ちょっとしんどくなった。。。ここまでひどいことにはなっていなかったけれど、親には言えないと同じように思ったのはなんでなんだろう?

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    投稿日: 2014.07.08
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    中学時代の記憶がまだそんなに古くない自分からしてみたら、実際に学校で起こっているようなイジメは、こんなんじゃない、という印象を持った。 こんなにクラス全員の目に見えるようないじめはむしろ少ないんじゃないかと思う。それにいじめの対象となってしまう子というのは、こんなに堂々としていなくて、もっと自分を表現するのが上手ではない子が多いと思う。 学校や地域がが違えばいじめ方にも違いがあるのかもかもしれないけれど個人的には登場人物のキャラクターや設定に対しての違和感が大きかったためにあまり話の中に入っていけなかった。

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    投稿日: 2014.06.07
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    学校という小さな社会にまつわるお話 いつから素直になれなくなったのだろう いつから見て見ぬ振りをするようになったのだろう いつから強いモノと弱いモノと区別されるようになったのだろう それでも、ちゃんと心の中にある、自分のキモチ 本当のキモチ 暖かくて、優しくて、強くて、ちょっぴり恥ずかしい 一歩踏み出して、手を差し伸べたら ちゃんと見てくれている人はいる ちゃんと誰かに守られている 包まれながら、包み込む そして、人はまた一つ大きくなるんだ

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    投稿日: 2014.05.20
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    深いです。 … 深いです。 いじめの問題は、目をそらしてはいけないと午後できるが、自ら関わろうとする人は少ない。こういう作品も好んで読もうとしない。私。好きとはならなくともあえて読むにしていきたいな。

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    投稿日: 2014.04.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が読んでます。娘にはまだ早いかも。壮絶ないじめが出て来ます。村内先生は出て来ません。先に村内先生が出て来る「青い鳥」を読んでしまったので、その後「ナイフ」読み始めたら、どうして良いのか不安でたまらなくなり先を読めなくなってしまいました。でも読まねば・・で、結局最初の1話は結末を先に読んでしまうことに。邪道ですが、それで肝が据わったのか、そこからは順を追って読み進めることが出来ています。

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    投稿日: 2014.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

     えーっと、短編集です。  おまけに、テーマが「いじめ」なようで、なんつぅか……。  予期せずタイムリー(爆)  でまぁ、母さんが僕に「読め読め」と言った理由は、中に入ってる『キャッチボール日和』っていう話に出てくる男の子とお父さんとの関係が、うちの下の弟とオヤジの関係に「よく似ている」っていう主張をしたのに、上の弟が「はぁ? 似てないよ」っていう反応をしたんだけど、「あんた、どう思う?」って聞かれたんですけど……。  そんときは、「どーせ、あんたと私の思考回路は一緒なんだから、あんたと同じ回答にたどり着くよ」って答えたんですけど……。  読んでみた、今となっては「微妙」としか言いようがない(爆)  確かにそー、言われてみりゃそうなんだけどさぁ……。  何かが微妙に違うんだよね……。  でもまぁ、あのオヤジがとりそうな行動ではあると思うけど……。  んっとね。  多分ね。  あっこまで行かないと思う。色んなモンが。  うちのオヤジは、家の中では吼えるけれど権力には弱いから、きっと見て見ぬふりだと思うよ。  そんでもって、子供に自分の理想を押し付けるほど、子供のことを考えているわけじゃないとも思うんだ。  確かに、下の弟はオヤジが望む子供ではないのだけれど。  それはあくまでもそれが「気に入らない」のであって、「理想」を抱くほど常に子供のことを考えているわけではない、と思うのだよ。  きっと母親が考えている以上にうちの子供たちは父親に失望している(苦笑)  まぁ、本とはまったく関係ない感想なんだけど……。  で、実際の本の感想は?  って聞かれたら……。 「読むのが辛かった」  としか答えようがないな……。  本当のことを言うと、僕の人生に「いじめ」というのは切っても切れないものであって。  僕の人生には「被害者」であった時期も、「加害者」であった時期もある。  こういうとあれだけど……「加害者」であった時期が「被害者」であった時期よりも圧倒的に長かったのだけれど……今となっては、むしろ、「被害者」であった時期があればこそ、「今の自分が在るのだ」と思えば、「被害者」であった時期の「加害者」を恨んでは全くない。おかげで残された傷もたくさんあるのだけど、それのお蔭で少しだけ優しく慣れたのだ、と思えばまだまし。  でも、「加害者」であった時期からも僕に得るものがあったとして、それ以上にたくさんの傷をその「被害者」となった相手に残していたのだとすれば、正直、自分のすべてが憎くなる。  あの当時は、こんな言い訳が通用するとはこれぽちも思わないのだけれど、いじめだと思わなかった、のだ。  だから僕は無知が一番怖いと思う。  当時の自分を拳骨で殴って殺したい気分になる。  だからさ。  正直辛いんだ……。 「被害者」の立場に立たされた後に、皮肉でもなんでもなく、僕のような思いに立てる人間が少ないのはわかってる。  それに例え、その彼女が僕と同じような気持ちにたどり着いていたとしても、僕の犯した罪は罪だ。  これは僕が一生抱えていかなきゃいけない問題。  だからただ、今の僕にできることは、もう二度と同じ間違いを犯さないように。  それだけを願いながら生きていくことしかできない。  もう、謝ることはできないし、時間を戻すこともできないのだから。  もし、「被害者」にならなかったら、自分が「加害者」だったことにすら気がつかずに、生きていたのかと思うとぞっとする。  また、自分が「加害者」となって、第二、第三の「被害者」を作っていたのかもしれない、と思うと、本当に、本当に、「被害者」にしてくれてありがとうと思う。  きっと自分が「被害者」にならなくちゃ本当の意味での「被害者」の気持ちはわからなかったと思う。きっと、青春のよくある1ページとして勝手に片付けてた気がする。  そんなの……たまんないよ。  だからさ。  ちょっとイロイロ重かったんだ。  この話は。  まだ、僕の中に消化しきれない思いがあって。  またそれは、勝手に消化しきっちゃいけない思いでもあって。  無理。(苦笑)

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    投稿日: 2014.02.06
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    ものすごく物凄い 心の深いところに突き刺さるような感じ (涙)(涙)(涙)(涙)(涙) でも、誰も死なない 生きている これは生きる事の話 生きているってことは大変だけど でも死ぬまで生きる

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    投稿日: 2014.01.25